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NON ONLINE NEWS 85 (2018.2.19)

アルツハイマー型認知症1

0.5mlの採血で 90%精度のアルツハイマー診断可能に

ノーベル賞の田中さんが島津製作所で、アルツハイマーがわかる血液測定器を開発したとは聞いてい

た。その後、日本人とオーストラリア人の ATD患者と健常老人に PETや髄液との相関を調べて、精度のよさが証明された。コストも安い。この大発明は 2月 1日にNature電子版に発表された。

実は、私も認知症の進行を予言できる指標を 1月31日に大発見した。発表は3月25日、品川で。

混合型認知症1

(症例)脳血管性認知症だと思っていた 84歳にアルツハイマー効果が加

わった証拠を統計的に考察する

3年前にHDSRが 20.5だった女性が、その後 10.5に落ちました。年間悪化は-3.5点にもなります。脳卒中発作もないのに VDがこれほど悪化する患者は稀なので、ATD病変が効果を出してきたのではないかと推測しました。

まず CTでは海馬萎縮が進行しています。程度は0.5+から1+への進行です。さて、当院のデータから VD16名、ATD49名(全員女性)を選び出しました。当症例と HDSRスコア、年齢が近いようにしてあります。年齢幅は彼女の 84歳が中央になるように 80-88歳。HDSRスコアは VDが 5-20(症例が少ないため)、ATDが 5-15に入る症例です。

その結果、2群の海馬萎縮度が 1.17と 1.76、CMIが 27.3と 29.5というように、いずれも当症例がその間に入りました。脳萎縮度が VDよりは重く、ATDよりは軽いということです。このように彼女の脳構造は、混合型認知症(あとから ATDが始まる)にふさわしいと言えるでしょう。また HDSRでは ATDの特徴である遅延再生の不得意(5→0)が現れています。

アミロイド PETなど ATDを確定すればいいのですが、開業医レベルではこのような統計利用で、彼女

が混合型(アルツミックス)になったのだろうと推定すればいいではないかと思っています。これが

臨床医が患者さんの生前診断としてせいいっぱいだと思いますし、あえて高度な検査を依頼して医療

費を高騰される必要はまったくありません。

中核薬(ATD治療薬)の投与で改善すればいいわけですし、このような考察から中核薬で改善する可能性が高まると思います。HDSRスコアの悪化速度を定期的に集計すると、自分の治療能力の推移がわかります。言ってみれば、読者は著者の成績と比較できます。

(注釈)CMI(Cella media index):側脳室体部/頭蓋骨内側短径、VDにおける白質障害で値が大きくなるものと期待されるインデックス。正常圧水頭合併例や透明中核の場合は集団統計から除外されな

ければならない。

データの無償提供私は 1000例を超す各病型別のHDS-Rスコアの悪化速度データを持っています。軽度認知障害の医療の発展のため、希望者にはこのデータ(Excel)を無償で提供いたします。もし、発表される場合は著者のデータを使用と言及いただくという条件になります。データに入っている項目は、病名、性別、年齢、初診

時HDSR、最新HDS-R, CDスコア、CD異常コード、年間HDS-R悪化速度、海馬萎縮度、CMI、フェルラ酸含有食品使用の有無、処方保険薬です。いつも最新データを提供します。

認知症のほかに、精神病、発達障害もふくまれています。統計処理ができる先生は、共同研究をさせてく

ださい。統計処理ができれば学会発表可能となります。現在私は業者委託しています。

お問い合わせは、[email protected] までお願いいたします。

名古屋フォレストクリニック1

患者の改善率は上がっているようだ

自分の治療方針が、正しい方向に言っているかを検証することは、非常に大切だと思います。非常に難しい

比較ですが、HDSRを 2回以上行っている現在の通院患者を 2群に分け、HDSRスコアの年間変化点を比較しました。

現在通院している患者でHDSRを 2回以上行ったということは、少なくとも初診から半年経過しています。精神病・発達障害をのぞいた認知症患者は781名いましたので、ID番号順で真ん中から分けました。つ

まり長期通院者と短期通院者です。

年間改善度は、初診と最新のスコアの差を 12か月相当の差に換算した値ですから、古い患者のほうが悪化しているということにはなりません。また、新人のほうが初診時のHDSRスコアは低く(有意差検定はし

ていませんが十分な数のサンプルです)、海馬萎縮度は両軍同じですから新人に有利ではありません。

さらに新人におけるATD占有率のほうが多く、治りにくい患者を多く含むと言えます。著者の検証では、

VDやDLBを多く含むほうが改善率は上がるはずだからです。治療手段としてフェルラ酸サプリメントの

使用者は多いもようです。

以上の患者背景で比較した結果、HDSR変化はー0.9とー0.46というように最近の治療手法が優れ

る可能性があると思いました。この数字を学会で発表するわけでもなく、自己の治療のありかたが正しいか

どうかの検証のための参考資料ですから、あまり目くじらを立てないでください。もし、改善率が退歩し

ているようでは猛省をしなければなりません。

漢方1

ツムラ人参養栄湯の威力に驚き

この漢方薬でアルツハイマー型認知症のMMSEが有意に上がったという英語の論文があるが、もしこの漢方を処方したことにない医師なら、まさかと思っただろう。しかし 80人処方してみると確かにすごい効き目である。とくにこの女性改訂長谷川式スケール15で初診して、いったんアパシーになり

9までおちたところから 20に上昇したというのは驚きである。

時計描画テスト1

改訂長谷川式は不変でも時計は改善することがある

2年半通院している 89歳女性です。周辺症状はなく、単純に記憶が悪いだけでドネペジルを処方してきました。HDS-Rスコアは 23→23と不変ですが、CDは写真 8670のように改善しました。逆回転数字が巡行方向に、10時 10分現象も消えました。HDSRスコアは言語性知能、CDは動作性知能を測定しているので、両者の相関が 1.00というわけではありません。ドネペジルは最初の 1年だけ有効というデータもありますし、今回の CD改善はフェルラ酸含有食品の作用かと思いました。ところで、彼女が悪化しないのは、そもそも海馬萎縮が 0.5+だからでしょうし、ATDではなく SD-NFTではないかと考えられます。

前頭葉萎縮1

悩ましい前頭葉萎縮の解釈

前頭葉は生理的にも一番萎縮しやすい場所です。著者も開院時に CT装置の性能を見るために自分の大脳(当時 51歳)を撮影してみました。かなり前頭葉が萎縮していたのでぞっとしたものです。高齢者となるとなおさら前頭葉は萎縮しています。前頭側頭型認知症はもとより DLB,VDでも萎縮しやすいです。

この 85歳女性は、ビンスワンガータイプの虚血があり、矢状断でみた前頭葉萎縮はかなり高度です。脳回の矮小化はなくて「沈み込みタイプ」なので虚血による萎縮だと思えますが、やはり気持ちのよ

いものではありません。初診時は FTLD+VDと診断してしまいました。それから 29か月後、HDSRは10→10.5とまったく低下しなかったため、彼女は VD単独と確定できました。海馬萎縮も0.5です。処方は近医からガランタミン。当院からのニセルゴリンで正

解だったと思います。フェルラ酸サプリも併用しています(ピック系なら易怒誘発のリスクがありま

した)。

VDへのガランタミンの選択ですが、海外で腦血管性認知症における大規模な成績解析で若干のメリットが認められていたことと、著者が経験上 FTDには第一選択としていたからです。近医が処方していたのですが、それを聞いて著者はそれでよいと思いました。

文献 Birks J et al.: Galantamine for vascular cognitive impairment. The Cochrane database of systematic reviews. 2006;25;(4); CD004746. doi: 10.1002/14651858.CD004746.pub2

Treatable dementia1

アルツハイマー型認知症+正常圧水頭症の術後経過

75歳女性ですが、2年半通院してHDS-Rスコアは25 →9.5(年間悪化―3.4)と低下してきました。初診時からCTでATD+NPHとわかっており、期をみはからってシャント手術をしていただきました。術直後は ADASが 34.3→23.7と改善し、歩行速度も改善しました。 半年後に歩行は遅くなってきたのですが、執刀医の診察でシャントは生きているとのことでし

た。結局アミロイド PETもタウ PETも陽性でATD確定例でもあるので国立センターの経験では、ATD合併者のシャント長期機能予後は悪い傾向とのことでした。やはり主治医は脳外科に任せきりにさせずにフロンタルアタキシアや認知機能低下に対する内科的アプローチの手を緩めてはい

けないということです。

仮性認知症1

アルツハイマー型認知症+仮性認知症という発想

81歳女性が息子さんと初診したのが 2年3か月前です。ご主人や息子さんが同居していて、「しょっちゅうぼけている、と言われるんです」と本人はこぼしました。HDSRは13しかないですし、海馬萎縮も生理的範囲を超えていましたので、アルツハイマー型認知症にまちがいない

と思っていました。ドネペジル3mgを処方しました。

2週間後に再診し、最近のニュースをうかがったところ全く思い出せません。ドネペジルを 5mgに増量し、あとは地元の医師に任せました。

3回目の診察は、それから 2年 2か月後でしたがHDSRが21に上がっていたので驚きました。息子さんに何を内服しているのかと聞くと何も飲んでいないとのこと。初診のころは精神科から

不安神経症と言われていましたとのことです。

しかし、彼女はHDSRで満点ではないし海馬萎縮はあるので、ATDはあると考えました、そうすると初診時はATDに仮性認知症がプラスされてHDSRが13に落ちていたと理解したのです。若い患者なら仮性認知症オンリーですむ話ですが、高齢になるとこういう複合はあり、と勉強しま

した。ですから ATDの新薬臨床試験のときには、ATD以外の付属がないか慎重に調べないといけません。仮にアミロイド PETでATDが確定しても、それだけでは足りないということです。

失語系認知症1

改訂長谷川式スケールは当然急激に落ちる

4年 2か月通院している 70歳女性です。左側頭葉がとくに萎縮しており意味性認知症の臨床像です。HDSRは言語性知能検査なので、いくら処方を工夫してもすぐに 0点になります。語義失語の患者さんの口癖というのは、「はい」「そうですか」「すみません」「え?」「なにか?」で

す。医師の質問の意味がわからないと、こういう返事になります。

彼女の病理基盤が FTDなのか ATDなのか、実のところ生前はわかりません。70歳と若いのでアミロイド PETで決着はつくでしょう。あとは、医師の仕事としては彼女の不安をおこさないこと、陽性症状を出さないこと、の 2点になるでしょう。

失語系認知症2

FTDと生前確定できる SD

それでは、生前に FTDだとはっきりわかる患者さんの CTを示しましょう。10か月通院している68歳女性です。初診時のHDSRは10ありますが、早晩 0点近くになると予想できます。前頭葉だけの明確な萎縮、側脳室前角だけの拡大(ミッキーマウス)がみられます。幸い彼女に攻撃

性はなく、むしろアパシーですので、ガランタミン16mgに加えて、アマンタジン50mg、

人参養栄湯6gを使っているほどです。

てんかん1

海馬石灰化が多発した 99歳。なぜ易怒が?

99歳女性が車いすで初診しました。穏やかな表情で海馬萎縮はなく、2年前から易怒がでてきたといいます。高齢者で易怒といえば AGDを思い浮かべますが、彼女の基底核と海馬には石灰化が多くあり、脳内で側頭葉てんかんを繰り返して易怒をおこしているのではないかというイメージを持ちました。

家族にはてんかん小発作とはどういうものか説明しましたが自動症など見られていないとのことです。

しかし彼女の易怒にはテグテトールが効くだろうと思い、低用量処方しました。

大人の発達障害1

ADHD→DLBの定型コースをたどっている 68歳教諭

3年半通院している 68歳女性です。隣の県からいつも 1人でやってきます。地元の総合病院でパーキンソン病と診断されていました。寝言は大きく、肘に少し歯車現象がありました。改訂長谷川式ス

ケールは30です。著者は、レビー小体病と診断して投薬が始まりました。

彼女は知的な方で、診断について何度も何度も著者に質問してきます。聞いてみると大学を出て小学

校の教諭をしていました。著者は、MIBG心筋シンチをやってもあえれば決着はつきますよと説明しました。その結果、やはり陽性であり、しかも脳血流シンチでは血流低下部位が後頭葉でした。PDの場合は前頭葉、DLBが後頭葉の低下なので、初診時の診断でよかったと思いました。

幻視はないかと確かめると、高速道路を走っているときに、トンネルに入ると前の車のテールランプ

がおかしくみえるとのことでした。彼女の手は相変わらず結構震えています。処方に対して、いろい

ろと意見を出す人で今回も抑肝散はいらないとのこと。そして CDPコリン、NAC、フェルラ酸サプリが切れてしまったので、どういう飲み方か教えてほしいというのですが、サプリの名前も保健薬の名

前も1つも覚えていないのです。最近の HDSRは29.5なのに、私の口頭説明がまったく頭に入らない様子です。

これで私は彼女が ADHDだと気づきました。IQが高くて、人の意見に反抗し、口頭指示が頭に入らな

い。そして ADHDはDLBになりやすいという疫学調査そのものです。絵に書いて説明しなおすと、ようやく彼女は質問をやめました。著者が「こうやって絵に描けばわかりますよね」と確かめるとよ

うやく彼女は笑いました。何度も質問するのは知的だからでなく ADHDだからだったのです。

大人の発達障害2

母子ともにフェルラ酸含有食品で救われた

(10590)

33歳の独身女性が 1人で来院しました。彼女は大学院を卒業して法律事務所で審査補助作業に従事しています。先に申し上げると初診時の著者の診断は、非定型うつ病としました。怒り発作もあります。

怒り発作は脳内のプチてんかんという発想から、テグレトールを処方しました。

2か月後の診察で、11日分薬を飲み忘れたというので、これは ADHDではないかと疑い、いろいろ聞くと整理整頓できない、著者の質問に対して「わからない」という答えが多い、日中だるくて眠いと

いうことで、ADHD濃厚と思いました。

そして、母親はせっかちで怒りっぽい、父親は普通ということで、母親の ADHD+ASが彼女に宇遺伝したというイメージを持ちました。彼女は幾度となくカウンセリングを受けてきましたが、母親も

いっしょにカウンセリングを受けるべきと言うと彼女は、思い切り目を開いて、そのとおりなんで

す!と歯切れよく返事し、母親はカウンセリングを拒否しているとのことでした。著者は、母親を変

えるべきだと強く思いました。彼女は ADHDから二次障害として非定型うつ病になってきているからです。

その日は、テグテトールにチアプリドを加えたのですが、3回目の外来で彼女は最悪を100とするといまは70になったと微笑みます。何が効いたのかと確認すると自分も母親もフェルラ酸含有食品

(弱)をのんだからだとのこと。午前中にも何かをしようという意欲がわいたそうです。ストラテラ

を試す前に改善兆候が出て、サプリメントだからこそ母親も飲んでくれたというのが大きかったと思

います。

昔から漢方の世界では、夜泣きに抑肝散を幼児に 1/3、母親に 2/3飲ませるという話があります。これはまさにそういうことだと思いました。

血管因子1 アルツハイマー型認知症の増悪因子

3年半通院している 79歳女性。前医から 2種類の抗うつ薬がだされて易怒になっていました。初診時の改訂長谷川式スケールは28だったのですがが、右尾状核に脳梗塞をおこしてからは、記憶の糸が

ぷうつり切れたかのようにスコアが急落し、その後も戻りませんでした。

アルツハイマー型認知症の血管因子は、それだけで国際学会が成り立つほど注目されています。ATDの 4割に脳梗塞があると言われており、著者の経験では虚血脳はせん妄をおこしやすいので、家庭での平和な生活に黄信号がともる因子となります。

彼女の変性病理基盤は ATDと思っていますが、急激に悪化した素地としては左側頭葉が最初から萎縮が強いという点もあるのでしょう。そもそも語義失語になりうる変性に加えて健側(右)の神経回路

を脳梗塞で立たれたわけですから両側病変になったようなものです。

軽度認知障害1

日時の失見当と遅延再生が落ちてくる

扇澤らは、MCIが低下していきやすい HDS-R項目は、日時、遅延再生、5物品、野菜だとしています。著者は、それを検証するため初診時 HDS-R26以上でその後 0.5点以上下がった患者で、病型が鑑別診断できた 53例について調べました。 表の最下段に示したように、高率に落ちた項目は、確かに日時、遅延再生、5物品であり、野菜だけ意見が異なる結果となりました。

 各病型で特徴的なことは、①DLBは野菜が落ちて行く、② FTDは日時より場所が落ちる、③三単語の復唱すらできないのは、DLBか FTDである。というふうに、DLBと FTDはほかの病型とニュアンスの違いがあるように思われました。著者の調査では、DLBと FTDは精神病との関係(本人の既往や親族での発病)が ATDより深い認知症です。文献

扇澤史子ら:正常範囲、MCI、アルツハイマー型認知症の認知機能と生活機能の重症度別の特徴。Dementia Japan 2017; 31(4):604. 

臨床医生涯教育プロジェクト(10)

神経内科1

中坂義邦先生が「減薬医」という名称を広辞苑11に載せるか?

神奈川県の神経内科が、薬を減らすとよくなる患者が多いという本を出した。巻頭は長尾和宏先生と

の対談が載っていて、とっつきのよい内容である。

これほど高度な本をわかりやすく書くのは、医師が優れている証拠。神経内科医も読んだら驚くだろ

う。

KONO METHOD INTERNATIONAL1

ベストアンサーの韓国版が出ました

韓国で講演予定の実践医の方は、ぜひこの本を現地で紹介してください。

山口県のコウノメソッド実践医近畿大学の後輩、池田先生が実践医地図への掲載を了承された。