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GFMS GOLD SURVEY 2017 50 YEARS

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  • H4 H1

    GFMS GOLD SURVEY 2017

    50 YEARS

    © 2017 Thomson Reuters. All rights reserved. Republication or redistribution of Thomson Reuters content, including by framing or similar means, is prohibited without the prior written consent of Thomson Reuters. Thomson Reuters and the Kinesis logo are trademarks of Thomson Reuters.

    Gold Survey Cover 2017 Sponsor and Branding.indd 1 09/03/2017 12:42:11

  • Gold Survey 2017の衚玙の写真は䞋蚘の各瀟から提䟛されたものです。

    田䞭貎金属グルヌプ

    田䞭貎金属グルヌプは日本の倧手貎金属粟錬・補造業者です。同グルヌプは、半導䜓から通信機噚に至る様々な甚途で䜿甚される高床な技術仕様を芁する工業甚補品の補造で囜際的に広く認められ、たたゎヌルドバヌの補造および販売、コむンの販売を行っおいたす。 田䞭貎金属のゎヌルドバヌはロンドン金垂堎の「グッドデリバリヌ・バヌ」に認定されおいたす。

    倧手貎金属粟錬䌚瀟であるValcambi瀟は、スむスのバレルナに33ヘクタヌルの敷地を擁し、䞖界最倧の芏暡を誇る最も効率的な総合 貎金属プラントを運営しおいたす。

    同瀟は鋳造むンゎットの補造に関しおも䞖界最倧のメヌカヌの1぀に数えられおいたす。同瀟では0.5グラムから1,000グラムたでの金、銀、 プラチナ、パラゞりムの鋳造バヌを補造しおおり、様々な圢態および新しいデザむンの開発を絶えず入念に進め、䞖界䞭の様々な囜の投資家の需芁に察応しおいたす。たた、お客様の芁望に応じお、地金の前面および裏面、蚌曞、パッケヌゞ商品のオヌダヌメヌドも承っおいたす。

    同瀟の鋳造所および鋳造プラントで生産されたすべおの補品は同瀟の詊隓所による認定、同瀟の技垫による入念な怜査を経お、個別に 包装され、照合されたうえで出荷されたす。ホヌルマヌク刻印はスむスの職人技術の質を保蚌するのみならず、䞖界䞭で最も探し求められ、 貎金属鑑定家にも投資家にも最も垌求されおいるこのバヌの玔床も保蚌しおいたす。

    Valcambi瀟補のバヌは際立った䟡栌で販売されおいるばかりか、独自の職人技術、保蚌付きの玔床、透明性、信頌性ず同矩でもありたす。

    衚玙デザむンValcambi瀟 制䜜BtoB Creativityスむス、コルドレリオ

    H2 H3

    このGFMS Gold Survey 2015 日本語ダむゞェスト版は、叀玙リサむクルに取り組むオフィス町内䌚ず、森林の再生に取り組む岩手県岩泉町の連携により実珟した「森の町内䌚̶干ば぀に寄䞎した玙̶」を䜿甚しおいたす。

    A- (2 ) - 060002

  • GFMS GOLD SURVEY 2017

    線集・著者

    Rhona O’Connell 貎金属リサヌチ予枬責任者Cameron Alexander マネヌゞャヌRoss Strachan マネヌゞャヌBruce Alway マネヌゞャヌSudheesh Nambiath 䞻垭アナリストJohann Wiebe 䞻垭アナリスト Samson Li シニア・アナリストDante Aranda アナリスト

  • THE GFMS TEAM AT THOMSON REUTERS GRATEFULLY THE FOLLOWING COMPANIES FOR THIS YEAR’S GFMS

    www.pamp.com Italpreziosi SPA

    www.goldconvention.in

    トム゜ン・ロむタヌ瀟は、今幎床のGold Surveyず䞋蚘の各瀟からご協力ずご支揎をいただいた

    www.ylgbullion.co.th

  • ACKNOWLEDGES THE GENEROUS SUPPORT FROMGOLD SURVEY AND ITS QUARTERLY UPDATES

    TANAKA PRECIOUS METALS

    www.igr.com.tr

    www.valcambi.com

    www.perthmint.com.au

    四半期ごずのUpdateを刊行するにあたり、こずに心より感謝申し䞊げたす。

  • 目次The Gold Surveyその起源ず目的

    1. 芁玄ず䟡栌芋通し 11 • 2016幎の䟛絊 12 • 2016幎の需芁 13 • 䟡栌ず垂堎の芋通し 14 • 誕生から50幎を迎えたGold Survey 15

    2. 投資 16 • Gold Survey50呚幎蚘念投資パタヌンを振り返る 16 • 商品取匕所での掻動 17 • 珟物金地金投資 19 • 公的コむン 20 • OTC取匕盞察取匕ず比范しお人気が高たっおいるCOMEXでの金取匕 23 • OTC察COMEX 23

    3. 鉱山からの䟛絊 25 • 鉱山生産量ずコスト 25

    4. 付録 28 • 䞖界の金の鉱山生産量  トン 29 • 䞖界の金加工量䞭叀金スクラップの䜿甚を含むトン 30 • 宝食品消費量䞭叀金スクラップを含む トン 32

    囲み特集 • 䞊堎投資信蚗ETF 18 • むスラム金融における新たな金取匕基準シャリアゎヌルド・スタンダヌドは 近い将来、金需芁に圱響を䞎えるだろうか 24

  • ISSN: 2055-1797 (Print)

    ISSN: 2055-1800 (Online)

    今埌の発行予定

    • GFMS PLATINUM GROUP METALS SURVEY 2017 2017幎5月9日• WORLD SILVER SURVEY 2017 2017幎5月11日ニュヌペヌク 2017幎5月12日メキシコシティ• GFMS BASE METALS REVIEW AND OUTLOOK 2017幎5月• GFMS GOLD SURVEY 2017: H1 UPDATE AND OUTLOOK 2017幎7月• GFMS BASE METALS REVIEW AND OUTLOOK 2017幎10月• GFMS GOLD SURVEY 2017: Q3 UPDATE AND OUTLOOK 2017幎10月• GFMS GOLD SURVEY 2017: Q4 UPDATE AND OUTLOOK 2018幎1月

    © THOMSON REUTERS 2017

    本曞に提䟛されたすべおの内容はThomson Reutersおよび/たたはその関連䌚瀟によっお所有されおおり以䞋、「Thomson Reutersのコンテンツ」ずいう、米囜および囜際的な著䜜暩法によっお保護されおいる。Thomson ReutersはThomson Reutersのコンテンツに付随するすべおの所有暩を保持する。Thomson Reutersの文曞による明確な承諟なしに、Thomson Reutersのコンテンツを営利目的で耇補、耇写、改ざん、䌝送、配垃するこず、たたはその他の方法で利甚するこずを犁じる。䞍蚱耇補・犁無断転茉。

    商暙

    “Thomson Reuters”およびThomson ReutersのロゎはThomson Reutersおよびその関連䌚瀟の商暙である。本曞に掲茉されおいる第䞉者の商暙、サヌビスマヌク、ロゎは関連する第䞉者たたはその関連䌚瀟によっお所有されおおり、かかる所有者の文曞による明確な承諟なしにこれらの商暙、名称たたはロゎを䜿甚するこずはできない。

    保蚌および䟝拠に関する免責

    本曞はThomson Reutersにより、「利甚可胜な珟状有姿」で提䟛されおいる。Thomson ReutersはThomson Reutersのコンテンツの正確さたたは完党性に぀いお、明瀺たたは黙瀺を問わず、いかなる皮類の衚明たたは保蚌も行うものではない。Thomson Reutersは情報提䟛のみを目的ずしお情報を収集、提䟛しおおり、金融たたはその他の専門的なアドバむスを提䟛するものではない。Thomson Reutersは、商品の売買たたはリスク管理に関する決定など、Thomson Reutersのコンテンツに䟝拠しお䞋された決定に起因しお発生した損倱たたは損害に察しおいかなる責任も負うものではない。

  • Gold Survey 2017 日本語 ダむゞェスト版 発行にあたっお

    平成 29 幎 6 月

    田䞭貎金属工業株匏䌚瀟 代衚取締圹瀟長 田苗 明

    1967 幎にコン゜リディテッド・ゎヌルド・フィヌルズ瀟が初めお金の調査報告曞 Gold 1967 を発行 しお以来、圓報告曞は毎幎定期的に刊行されお参りたした。

    同瀟はこの䜜成のために専門家を䞖界各囜に掟遣し、珟地の金の関係者に盎接䌚っお取材するずいう 培底した調査方法をずっお正確か぀詳现を期すこずにより、金に関する最も信頌でき、暩嚁ある資料の䞀぀ずしお䞖界の産業、金融界のみならず䞀般の方々にも広く利甚されおおりたす。

    1990 幎版より圓調査報告曞の刊行はゎヌルド・フィヌルズ・ミネラル・サヌビシズ瀟の手に移りたしたが、調査方法は埓来ず倉わりなく、内容の䞀局の充実を期しお続けられおおりたす。

    この床、刊行されたトム゜ン・ロむタヌ GFMS 瀟『Gold Survey 2017』に加えたしお、匊瀟より『Gold Survey 2017』日本語ダむゞェスト版を発行するこずずなりたした。是非、マヌケティングデヌタの調査・分析にお圹立お頂きたすようお願い申し䞊げたす。

    最埌になりたすが、本曞の原曞を発行されたトム゜ン・ロむタヌ GFMS 瀟ずこの仕事に携われた関係の方々のご尜力に感謝の意を衚したす。

  • 䜿甚されおいる単䜍

    トロむオンスoz 31.1035グラム

    トン 1,000キログラム、32,151トロむオンス

    カラット 玔金を24カラットずした金の玔床

    • 米ドル䟡栌およびその換算数倀は、別途蚘茉がない限り、午埌のLBMA金䟡栌を瀺しおいる。 • 金の需芁に関する統蚈数倀は、別途蚘茉がない限り、すべお玔金含有量に基づいお瀺されおいる。• 衚党䜓に぀いお、デヌタがそれぞれ四捚五入されおいるため合蚈ず䞀臎しないこずがある。

    甚 語

    「-」 : 入手䞍胜もしくは該圓なし。

    「0.0」 : れロもしくは0.05未満

    「ドル」 : 別途蚘茉がない限り米ドルを瀺す。

    「確認可胜な投資」 : 珟物地金投資ずすべおのコむン加工量の合蚈に䞊堎投資信蚗ETFの珟物保有量の玔増枛を加えたもの。

    「宝食品消費量」 : 新芏に小売販売されたすべおの宝食品぀たり、亀換品や䞭叀品は含たないの玔金含有量。宝食品加工量に宝食品の正味流入量すなわち、茞入量から茞出量を差し匕いたものを加えお算出され、小売圚庫の倉動に関する調敎も図られおいる。

    「珟物の過䞍足」 : 暊幎䞭に垂堎に䟛絊された新芏および䞭叀の金䟛絊量ず枬定可胜な珟物の金需芁の差異。䞍透明な店頭OTC金投資および商業銀行による取匕を陀く。

    「ネットバランス」 : 金の珟物の過䞍足に可芖性の高いETFず取匕所圚庫の増枛を加えたもの。

    「小口投資」 : 地金およびコむンの圢態による確認可胜な正味珟物金投資。地金は「ロンドン垂堎受枡適合品」であるものもあれば、この基準に適合しおいないものもあるが、地金生産囜においお䞀般的に取匕されおいる圢態ずする。コむンは額面の有無にかかわらず、公的および非公匏のあらゆるコむンおよびメダルが含たれる。

  • THE GOLD SURVEYその起源ず目的

    ティモシヌ・グリヌン

    「1967幎の荒れた金盞堎が端緒ずなり、金に関するこのような幎次調査が始たった。民間郚門の金賌入が増加

    する䞭で、各囜䞭倮銀行は金䟡栌をトロむオンス圓たり35ドルルヌズベルト倧統領が1934幎に定めた䟡栌

    に抑えようずした。たすたす豊かになる䞖界では、加工甚の金が求められた。加えお、ドル安ず、長期にわたっ

    お䞊限を蚭定されおいた金䟡栌の䞊昇に察する期埅を背景ずする投機需芁も珟れたが、この新たな需芁に぀いお

    はただほずんど知られおいなかった。圓時のそうした需芁芋積もりでは、䞻芁先進囜の公匏統蚈のみを算入し、

    金の非公匏な流通経路を考慮しおいなかった。ずいうのも、倚くの囜が䟝然ずしお、民間郚門による金の茞入に

    察しお統制たたは高い皎金を課しおいたからである。金垂堎に近い筋であるサミュ゚ル・モンタギュヌ商䌚のみ

    が自瀟の金地金に関する幎次報告曞Annual Bullion Reviewの䞭で、倧半の金は䞭倮銀行ではなく民間郚門の

    手に枡るこずになるず指摘しおいた。実状ず統蚈のこのようなギャップを埋めるために、圓時䞖界第2䜍の南ア

    フリカの産金䌚瀟コン゜リデティッド・ゎヌルド・フィヌルズ瀟CGFのデビッド・ロむド‐ゞャコブは、䞖

    界䞭の宝食需芁、工業需芁、退蔵需芁を远跡するこずによっお、金の加工甚需芁に関する公匏統蚈を詳现に説明

    しようずした。「鉱山䌚瀟にずっお、この情報は将来の投資方針に関わるものである」ずロむド‐ゞャコブは䞻

    匵した。

    1967幎の倏には、瀟内報告曞が䜜成され、䞖界の金生産量に占める宝食業界ず工業界の金需芁の割合が1967幎

    から遡る10幎間に25から少なくずも50たで拡倧したこずが明らかになった。さらにロむド‐ゞャコブは、

    金䟡栌が倉わらなければ、こうした加工需芁が幎間の新芏生産分をすべお吞収する事態が1973幎たで続くこず

    になるず予想した。これは、囜際通貚制床に深刻な圱響を及がす。ずいうのも、圓時はすでに金本䜍制ではな

    かったものの、䞭倮銀行が倧量の金備蓄を抱えおいたからである。぀たり、それたではコむンの補造第䞀次䞖

    界倧戊たでもしくは䞭倮銀行の備蓄のいずれかを甚途ずしおいた金の需芁が䞀倉するこずが瀺唆されたのであ

    る。この新垂堎に関する具䜓的な数字は有無を蚀わせぬものであった。CGFの圹員はこの報告曞の公衚を望たな

    かったが、ロむド‐ゞャコブは報告曞の抂芁を゚コノミスト誌にリヌクし、同誌は1967幎12月23日号でこれを

    華々しく特集した。

    3ヵ月のうちに、ドル安を背景ずした金の投機が急増し、金盞堎は1968幎3月に危機に芋舞われた。これによっ

    お、䞭倮銀行は金䟡栌をこれたでの35ドル/ozに維持するこずを断念し、金垂堎は倉動盞堎ずなった。これは金

    にずっおの新䞖界であり、そこでは䞖界の金需芁を把握するこずが極めお重芁になった。CGFはデビッド・ロむ

    ド‐ゞャコブに察しお、䞖界䞭を調査しお民間郚門の金需芁を分析する暩限を認めた。ロむド‐ゞャコブが述べ

    たずころによるず、重芁なのは、金が「どのような圢態で、どれだけ買われ、䜕に䜿われるか。そしお退蔵され

    る堎合には誰が、どこに、なぜ退蔵するのか。金を退蔵する心理的動機は䜕か。退蔵した埌に将来はどのような

    行動をずるのか」ずいった点であった。

    CGFのGold Surveyチヌムは欧州、モロッコ、南米で、宝食補造業ず退蔵に関する珟地調査を実斜した。米囜、ド

    Gold Surveyは今幎、創刊50呚幎を迎えた。以䞋は、ティモシヌ・グリヌンが40呚幎蚘念の際に曞いた原皿で、個性を自由に散りばめながら、Gold Surveyの進化を魅力的に説明しおいる。ティムはGold Surveyの歎史の倧半に盞圓する30幎間にわたり、この発行に携わり続けた重芁な人物であり、われわれに向けお確実に開かれた扉があるず同時に、アナリストが倉わっおも、閉じられなかった扉もあったのは、圌の存圚ゆえであった。ティムが芪切にもこの原皿の転茉をわれわれに蚱可しおくれたこず、そしおそれのみならず、䞖界がこの魅力的な垂堎を理解し、その知識を深めたこずに぀いおティムが倧きく貢献したこずに察し、われわれは感謝の意を衚する。

  • むツ、日本およびその他の先進囜における工業甚需芁特に゚レクトロニクス郚門の需芁に぀いおは、バテル

    蚘念研究所が調査した。たた、デビッド・ロむド‐ゞャコブは私に、「銙枯を含むベニス以東」の地域を担圓す

    るコンサルタントになるか吊かに぀いおも尋ねた。この地域は、私が自著の「The World of Gold」の初版発行

    のために、前幎に培底的に歩き回った地域であった。ここから、幎に34ヵ月は金の足跡を蟿るこずに費やす

    ずいう私の生掻パタヌンが玄30幎間にわたっお続くこずになる。最初は、芁玄がGold 1969ずしお出版された。

    ここでは、1968幎の金の加工量が1,206トンにのがり、鉱山生産量ずほが倉わらない氎準であったこずが明らか

    にされた。デビッド・ロむド‐ゞャコブは「民間郚門の金需芁が実際、過去2幎間の金垂堎の動向を決定した」

    ず結論付けた。長期にわたっお䞖界䞭を駆けずり回っお調査した結果を総合的に網矅した報告曞はGold 1971ず

    しお出版されGold 1970の出版はなかった、過去3幎間の生産ず加工に関するすべおの統蚈が詳述された。

    この報告曞によるず、金の加工需芁は増加の䞀途を蟿り、1970幎たでに新芏鉱山生産量を䞊回った。宝食補造

    甚が加工需芁の73を占めたが、゚レクトロニクス郚門の䜿甚量も1968幎から1971幎の間に25増加し、今

    日たで続く基調を裏付けた。芁するに、金は䞻に貚幣郚門で䜿甚されるものから、実質的に姿を倉え、その将来

    は加工需芁たたは民間郚門の投資/退蔵に巊右されるこずになったのである。その埌に幎次報告曞ずなったGold

    Surveyが䞻にモニタヌしたのはたさにこの点であった。ずは蚀え、䞭倮銀行たたは政府が金垂堎の構成芁員の䞭

    で盞互に䞎える圱響に぀いおも綿密な芳察は怠らなかった。

    デビッド・ロむド-ゞャコブがGold 1971で述べたずころによるず、課題は「金の最終賌入者の本圓の消費量で

    あった。ナヌザヌが圓局ず同様に、調査員に察する正確な情報の提䟛に積極的ではない堎合もあった。もっず

    も、調査員の信頌が確立されればすぐに、積極的な情報提䟛は驚くべき数にのがった。われわれは、『草の根』

    的アプロヌチによっお正確さが倧幅に高たったず確信しおいる」。Gold Surveyの成功のカギを握ったのは銀行

    の幹郚職員、トレヌダヌ、加工業者ずの個人的関係の構築で、こうした人たちずはやがお芪友になるこずも倚

    かった。われわれはそれぞれの囜、地域たたは垂堎党䜓における金の動きに぀いお党䜓像を瀺すこずができたた

    め、すぐに歓迎されるようになった。われわれは䞖界に向けお開かれた窓の圹割を果たした。こうした協力関係

    を埌抌ししたのが、調査チヌムの構成員の長期にわたる尜力であった。具䜓的には、むタリアを担圓するIrena

    PodleskaやむンドのMadhusudan Dagaで、いずれもが30幎近くにわたっおこの調査に貢献しおきた。ワシント

    ンDCのConstantine Michalopoulosは20幎間にわたっお、米囜が金に察する関䞎を匷めおいく状況を芋守った。

    私自身の調査旅行は1968幎から1996幎たで続き、アゞアを䞭心ずしおいたが、時には北アフリカや南米にたで

    及び、幎間30ヵ囜を蚪問するこずもあった。われわれは自身が関係を築いた協力者ずずもに成長したのみなら

    ず、぀いには次䞖代ずも知り合うこずができた。ずいうのも、父芪がわれわれを奜たしい人物ずしお、息子に玹

    介しおくれたからである。

    そうした信頌を築くこずは容易ではなかった。1970幎には、新たに採掘された金の少なくずも40が密売買さ

    れ、最終目的地に届かなかった。さらにわれわれは、500トン匷の金がベむルヌト、ドバむ、ノィ゚ンチャン、

    シンガポヌル、銙枯ずいった貚物集散地を通っおトルコ、むラク、むラン、むンド、むンドネシア、タむ、ベト

    ナム、台湟に䞍法に流出したこずを突きずめた。この任務では、䞀定の金地金が䞀定の垂堎で奜たれるこずが圹

    に立った。たずえば、むンドが10トヌラバヌ111g/3.75ozを賌入したずするず、われわれは圓該バヌの補造

    補錬業者の補造番号によっお、圓該バヌの到着を貚物集散地䞻にドバむで確認するこずができた。同様に、

    特定ブランドのキロバヌが奜たれるこずも倚く、これは地域の正確な需芁を特定するのに圹立った。

    各囜たたは各地域は独立した単䜍ずしお扱われた。もずもずの䟛絊量がわかっおいれば、その埌に、地域の加工

    量が倚過ぎる、たたは地金退蔵量が少な過ぎるなどず査定されたずしおも、少なくずも党䜓の需芁は正確に把握

    できた。同様に、われわれはベむルヌトに到着する金の幎間量を知っおおり、この芋積もりに基づいお、ベむ

  • ルヌトからトルコ、シリア、ペルダン、むラクたたはサりゞアラビアに向けた非公匏な再茞出量の囜別の内蚳を

    詊算した。ある囜の数字に誀差があっおも、地域の総量が正確であるこずによっお、その誀差が軜枛された。長

    幎のうちに、珟地のトレヌダヌがわれわれの調査に促されお、自身で分析を始めるこずも倚かった。たた、そう

    したトレヌダヌはGold Surveyを受け取り、自身が垂堎党䜓の䞭でどのような圹割を果たしおいるかを瀺される

    こずによっお、調査の粟床を高めようずするわれわれを応揎するようになった。

    統蚈に察しお垞に緻密な䞭倮銀行の䞊玚幹郚もGold Surveyの粟床向䞊を支揎したいず願い、われわれが間違っ

    おいないこずを確認するようなこずもした。数字を瀺すこずはなかっただろうが、ある数字に぀いお意芋を聞く

    ず、応えるトヌンによっお、その数字が倧きく倖れおいるか、劥圓であるかを瀺すのが垞であった。蚀い換えれ

    ば、われわれは垞に正確な数字を埗おいたわけではなかったが、誀った方向に導かれるこずは、仮にあったずし

    おも非垞にたれであった。

    本圓の正念堎が蚪れたのは1970幎代半ばから1980幎であった。この時期には、金盞堎が激しく倉動し、珟物の

    動きが䞀倜にしお䞀倉した。金䟡栌が1974幎に200ドル、1980幎に800ドルを詊すず、䞭東や東南アゞアでは

    䞭叀の金補装身具を䞋取りに出しお利益を埗るようになったため、ドバむ、クりェヌト、シンガポヌル、銙枯な

    どの垂堎は金の茞入から䞀転し、䞭叀金スクラップを欧州の補錬業者に向けお茞出するようになった。金の加工

    需芁に関する衚を芋るず、゚ゞプト、トルコ、むンド、むンドネシアずいった囜の需芁がこの時期にマむナスに

    なったこずがわかる。これに混乱した読者もいたが、われわれがそうした囜は買い手ずしおではなく䟛絊囜ずし

    お垂堎に貢献し、需芁をマむナスで瀺すこずが資産の逆流を瀺す最良の方法であったこずを指摘するず、混乱は

    解消した。これ以埌、Gold Surveyは、䞭叀金スクラップを需絊バランスの重芁な構成芁因ずしお重芖するよう

    になった。今日でも、金盞堎の急倉動によっお、倧量の䞭叀金スクラップが䞀倜にしお珟れるこずがある。宝食

    需芁は倉わりやすく、特にアゞアではその傟向が顕著である。ずいうのも、安倀で買い、高倀で売っお利益を確

    定するためである。これによっお、幎間の正確な加工需芁を確定する䜜業は耇雑になっおいる。

    CGFは1989幎に吞収合䜵されお消滅したが、Gold Surveyそのものは幞いにも生き残った。CGFの関連䌚瀟3瀟、

    すなわちゎヌルド・フィヌルズ・オブ・サりス・アフリカ、ニュヌモント・マむニング・コヌプ、レニゟン・

    ゎヌルドフィヌルズは民間の有限責任ベンチャヌ䌁業ずしお、金に関する経枈調査ずGold Surveyの発行を䞻た

    る掻動ずするゎヌルド・フィヌルズ・ミネラル・サヌビシズGFMSを蚭立した。その埌、GFMSは1998幎に

    マネゞメント・バむアりトによっお非公開䌁業ずなり、金ず銀を䞭心ずする埓来の掻動を拡倧しお、癜金族金属

    PGM、ベヌスメタル、鉄鋌の調査も行うようになった。

    40幎間にわたっお倉わらなかったのは統蚈を求める旅である。最近はむンタヌネットが力を発揮しおいるずは

    蚀え、歩き回っお調べるこずに代わるものはただない。ロンドンにあるGFMSの事務所を蚪ねおも、ほが誰もい

    ないこずが倚い。ずいうのも、皆が金の足跡を蟿っお倖出しおいるからである」。

    この原皿が曞かれお以降、GFMSはご存知のずおり、トム゜ン・ロむタヌに吞収されたが、GFMSずいうブラン

    ドは倉わらずに続いおいる。ティムが述べおいるずおり、われわれの調査がサプラむチェヌンや工業セクタヌ、

    個別の資産クラスずしおの金属にたで拡倧するずずもに、察象ずなる金属も広範にわたっおいる。しかし、すべ

    おの始たりは金であり、1980幎代にGold Surveyに初めお関わったわれわれの倚くは私を含め、職業生掻の倧半

    をこの調査ず発行の継続に負っおいる。ティムがいなければ、そしお半䞖玀にわたっお極めお貎重な存圚であり

    続けたほかの倚くの線集者や協力者がいなければ、調査ず発行を継続するこずはできなかったであろう。

    Rhona O’Connell 2017幎3月

  • 11

    芁玄ず䟡栌芋通し

    GFMS GOLD SURVEY 2017

    第 1章 芁玄ず䟡栌芋通し2016 幎の金垂堎は倚くの点で、2013 幎の金垂堎の鏡像であったずみなすこずができる。2013 幎には金融危機が緩和し぀぀あるずの芋方を受けお、ETF での売りが芋られ、西半球の地域の投資家が急速に金投資から撀退した。しかし、2016 幎には地政孊的な䞍透明感の高たりにより、同じ西半球の地域の投資家が広範囲にわたっお金投資に回垰。その蚌拠ずしお ETF の金保有量が 2009 幎以来の最倧ずなる 524 トンの増加を蚘録した。他方、䞭囜では、2013 幎にはそれたで旺盛であった金賌入に䞀服感が芋られたが、2016 幎には景気䜎迷によっお宝食需芁が䜎調だったものの、人民元に察する懞念を受けお金地金投資が増加した。むンドでも、政府による䞍透明な資産に察する厳しい取り締たりや珟金経枈からの脱华の動き、宝食業界のストラむキによっお、金の宝食需芁が䜎迷した。今幎はこの䞡倧囜の芋通しがかなり明るくなっおいるが、むンドの堎合、物品・サヌビス皎の性栌が明確になるたでは䞍透明感が払拭されず、䞭囜の経枈動向も䟝然ずしお䞍透明である。

    今幎は、䞖界の鉱山生産量が枛少する䞀方で、需芁が埐々に回埩するため、2016 幎ず比べお䟛絊過倚は瞮小するが、䟝然ずしおかなりの氎準になるず予想されおいる。特に政治的背景を考えるず、少なくずも目先は、投資家心理が匕き続き金䟡栌ず今埌の䟡栌動向を倧きく巊右するであろう。西半球の投資需芁はこのずころ非垞に倉動が倧きく、金盞堎は 2017 幎の幎初に反発し始め、2016 幎の䞋萜分をやや取り戻しおいる。もっずも、金䟡栌のさらなる䞊昇には、米ドル盞堎が匕き続き足かせずなるであろう。実際、3 月初旬には、米囜の景気回埩予想、「トランプフレヌション」ずそれに䌎う米連邊準備制床理事䌚ぞの利䞊げ期埅によっお金䟡栌が䞋萜し、金盞堎が䟝然ずしお脆匱であるずいう事実が蚌明された。

    しかし、幎が進むに぀れお、米囜もしくは欧州の政治動向たたはこの双方が支揎材料ずなり、安党な投資先を求める資金が金垂堎に流入する可胜性は高たるであろう。欧州諞囜のいずれかの遞挙が反 EU を支持する結果になれば、ナヌロの今埌を巡っお䞍透明感が高たる䞀方で、トランプ倧統領の型砎りな政治手法が投資掻動を支える可胜性もある。垂堎は、米囜の株匏盞堎が続䌞するか吊かに぀いおも過敏になっおおり、金盞堎はリスク回避指向からも恩恵を受けるず予想される。われわれは 2017 幎の金䟡栌が平均で 1,259 ドル /oz ずなり、2018 幎以降の金䟡栌䞊昇の基瀎を築くず予想しおいる。

    2007幎 2008幎 2009幎 2010幎 2011幎 2012幎 2013幎 2014幎 2015幎 2016幎

    䟛絊 鉱山生産量 2,538 2,467 2,651 2,775 2,868 2,883 3,077 3,172 3,209 3,222 䞭叀金スクラップ 1,029 1,388 1,765 1,743 1,704 1,700 1,303 1,158 1,172 1,268 生産者ヘッゞによる正味䟛絊量 -432 -357 -234 -106 18 -40 -39 108 21 21 䟛絊合蚈量 3,134 3,497 4,182 4,411 4,590 4,544 4,341 4,438 4,401 4,511 需芁 宝食品 2,474 2,355 1,866 2,083 2,091 2,061 2,610 2,469 2,395 1,891 工業甚加工量 492 479 426 480 471 429 421 403 365 354 ゚レクトロニクス 345 334 295 346 343 307 300 290 258 254 歯科・医療 58 56 53 48 43 39 36 34 32 30 その他の工業甚 89 89 79 86 85 83 85 79 76 70 公的郚門の正味需芁 -484 -235 -34 77 457 544 409 466 436 257 小口投資 448 937 866 1,263 1,616 1,407 1,873 1,163 1,162 1,057 金地金 238 667 562 946 1,247 1,056 1,444 886 876 787 コむン 211 270 304 317 369 351 429 278 286 271 珟物需芁 2,930 3,536 3,125 3,903 4,635 4,441 5,314 4,501 4,357 3,559珟物の過䞍足 204 -38 1,057 508 -45 102 -973 -62 44 952ETFの圚庫構築 253 321 623 382 185 279 -880 -155 -125 524 取匕所の圚庫構築 -10 34 39 54 -6 -10 -98 1 -48 86 ネットバランス -39 -394 394 73 -224 -167 5 92 217 342金䟡栌LBMA午埌、米ドル/oz 695.39 871.96 972.351,224.521,571.691,668.981,411.231,266.401,160.061,250.80出所GFMS、Thomson Reuters 各項目を四捚五入しおいるため、合蚈ず䞀臎しない堎合がある。正味生産者ヘッゞは鉱山䌚瀟のゎヌルドロヌン、フォワヌド・ポゞション、オプション・ポゞションが珟物垂堎に䞎える圱響の掚移を瀺しおいる。

    䞖界の金の䟛絊ず需芁トン

  • 12

    芁玄ず䟡栌芋通し

    GFMS GOLD SURVEY 2017

    䞖界の金の䟛絊

    2016 幎の䟛絊

    — 2016 幎の鉱山生産量は前幎比 0.414 トン増ず、極めおわずかな増加にずどたった。 — 2016 幎のトヌタルキャッシュコストずオヌル・むン・サステむニング・コストAISCはいずれも 2䜎䞋しお、それぞれ 630 ドル /oz ず 818 ドル /oz ずなった。 — ドル建お金䟡栌の䞊昇により利食いが促され、䞖界党䜓の䞭叀金スクラップ䟛絊量は 2016 幎に 1,268 トンに達し、8もの急増ずなった。

    䞖界の鉱山生産量は前幎に続いお増加したこずから、史䞊最高氎準を曎新しお 3,222 トンに達した。もっずも、14トン0.4の増加は控えめな氎準であり、われわれずしおは蚘録曎新の終わりも近いず考えおいる。その根拠ずしおは、たずえば、新芏鉱山の生産ペヌス枛速が䞀郚に芋られ、ここ 3 幎間は増加率が毎幎半枛しおいるこずなどがあり、われわれは 2017 幎以降の枛産を予想しおいる。昚幎は明るい材料ずしお、米囜ずオヌストラリアの生産量がそれぞれ 8ず 4増加しお、それぞれ 9 幎ぶりず 16 幎ぶりの高氎準に達したこずなどがあった。他方、生産量が倧幅に枛少したのは、メキシコ15.2 トン枛、ペルヌ11.4 トン枛、モンゎル10.8 トン枛であった。

    生産コストは 2016 幎に䜎䞋したが、䜎䞋ペヌスはそれたでの幎よりも緩やかであった。トヌタルキャッシュコストは 2枛の 630 ドル /oz で、オヌル・むン・サステむニング・コストAISCも同じく 2枛で 818 ドル /oz であった。生産者には自囜通貚安が远い颚ずなったが、2015 幎ほどの圱響はなかった。具䜓的に数字を挙げるず、2016幎は䞻芁生産囜 8 ヵ囜オヌストラリアから南アフリカたでの生産量加重平均通貚バスケットが米ドルに察しお15.3䞋萜したが、2015 幎は 25.8も䞋萜しおいる。もっずも、2016 幎には、゚ネルギヌ䟡栌の䞋萜によっおブレント原油䟡栌が 31も䞋萜したこずが奜材料ずなった。しかし、こうした远い颚は 2017 幎に反転する可胜性がある。通貚バスケット2017 幎の幎初から本皿執筆時点2017 幎 3 月たでの平均は 2016 幎の氎準から 6.2䞊昇しおおり、ブレント原油䟡栌も 27䞊昇しおいる。

    生産者ヘッゞは、21 トンの正味ヘッゞによっお、3 幎連続で䟛絊芁因ずなった。蚈 77 瀟の生産者が米ドル盞堎の急隰に察応するために、様子を芋ながら控えめに自囜通貚建お金ヘッゞを始めたが最も顕著だったのは豪ドル建お、幎末たでに解消されたヘッゞもあった。

    䞖界の䞭叀金スクラップ䟛絊量はドル建お金䟡栌の䞊昇率ずほが同じ 8の増加ずなっお、掚定 1,268 トンに達した。2 幎連続の増加により、䞭叀金スクラップは䟛絊量党䜓の 28を占めるようになったが、ピヌクを付けた 2009 幎の 42にははるかに及ばなかった。䞭叀金スクラップの䟛絊量が最も増加したのはむンドで、2015 幎の氎準から50も急増しお 10 幎以䞊ぶりの高氎準に達した。远い颚ずなったのは金䟡栌の䞊昇で、これによっお消費者ずサプラむチェヌンの双方が䞭叀金圚庫を攟出した。同時に、順調な降雚が芋蟌たれるこずから蟲家が耕䜜地拡倧甚の資金を調達するために保有する金を売华し、この売华量も前幎の氎準を䞊回った。他方、東アゞアでは、自囜通貚安による囜内金䟡栌の䞊昇により、䞭叀金スクラップの䟛絊量が䞖界平均䞊みの 8の増加ずなった。欧州も背景芁因は同様で、䞭叀金スクラップの䟛絊量は 5増加した。こうした増加傟向から倧きく倖れたのが北米で、金䟡栌の䞊昇にもかかわらず、奜景気によっお換金や工業界の圚庫取り厩しに歯止めがかかったため、䞭叀金スクラップの䟛絊量は3枛少した。

    地䞊圚庫からの䟛絊量

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    2015幎2013幎2011幎2009幎2007幎

    トン

    0

    500

    1,000

    1,500

    2,000

    2016幎基準

     米ドル/oz

    出所GFMS、Thomson Reuters

    正味生産者ヘッゞ

    公的郚門の正味売华量䞭叀金スクラップ

    鉱山生産量

    実質金䟡栌

    0

    500

    1,000

    1,500

    2,000

    2015幎2013幎2011幎2009幎2007幎

    トン

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    1,500

    2,000

    2016幎基準

     米ドル/oz

    出所GFMS、Thomson Reuters

    䞭叀金スクラップ公的郚門の正味売华量正味生産者ヘッゞ

    実質金䟡栌

  • 13

    芁玄ず䟡栌芋通し

    GFMS GOLD SURVEY 2017

    䞖界の金の需芁

    2016 幎の需芁

    — 2016 幎の珟物総需芁は前幎比 18枛ずなり、3 幎連続で枛少した。䞻因は宝食品加工量の倧幅な枛少にあったが、いずれの郚門でも需芁は枛少した。 — 宝食品加工量は 21枛の掚定 1,891.5 トンになり、2009 幎以来の最䜎氎準たで萜ち蟌んだ。 — 工業甚加工需芁は 2016 幎に前幎比 3.2枛の掚定 353.8 トンずなった。背景には、゚レクトロニクス郚門においお安䟡な代替材料ぞの移行がさらに進んだこずや、䟡栌面の理由から歯科郚門やその他の工業甚需芁ならびに装食需芁が枛少したこずがあった。 — 確認可胜な投資需芁は 2016 幎に 4 幎ぶりの高氎準ずなる 1,579 トンたで急増した。この需芁を支えたのは䞊半期を䞭心ずした極めお旺盛な ETF の買いであった。 — 公的郚門の正味賌入量は 2016 幎にかなり枛少し、257 トンずなった。䞻因は、䞭囜の賌入量が枛少したこずにあった。

    金の珟物総需芁は 2016 幎に 18も枛少し、2009 幎以来の最䜎氎準ずなった。䞻因は、宝食品加工量が 21も枛少しお 1,892 トンたで萜ち蟌んだこずにあった。この背景には、むンドの宝食加工需芁が 38もの倧幅な枛少ずなったこずがあったが、これは宝食品補造に察する物品皎の導入、小売業者による圚庫攟出、高額玙幣廃止に起因するものであった。他方、䞭囜でも、金䟡栌の䞊昇や景気の先行き䞍透明感によっお金の消費量が倧幅に枛少したため、宝食需芁も 17ず急枛した。さらに、䞭東、東アゞア、欧州の宝食品加工量は前幎比でそれぞれ 14枛、16枛、11枛ずなり、宝食需芁は倧方の䞻芁垂堎で枛少した。それ以倖でも、工業甚需芁が 3枛、小口投資需芁が 10枛、投資甚地金・コむン需芁が 5枛ずなり、2016 幎にはすべおの甚途で金の需芁が枛少した。

    䞖界の宝食品加工量は 2016 幎に 21枛少しお 2009 幎以来の最䜎氎準たで萜ち蟌んだ。原因は 2 倧垂堎であるむンドず䞭囜における急枛であった。萜ち蟌みがより倧きかったのはむンドで、宝食品補造に察する物品皎の導入、芏暡の小さな小売業者による圚庫攟出、高額玙幣廃止によっお前幎比で 38もの枛少ずなった。䞭囜の堎合、金䟡栌の䞊昇、消費者心理の冷え蟌み、䜎カラットの宝食品志向によっお、宝食品加工量は 3 幎連続で枛少し、2016 幎には前幎比で 17枛、2013 幎のピヌクず比べるず 40以䞊も枛少した。それ以倖の地域でも、欧州圏ず南アフリカの需芁がそれぞれ 11枛ず 7枛ずなった。東アゞアでも、自囜通貚の䞋萜によっお囜内金䟡栌の䞊昇が増幅したこずに加え、経枈成長が枛速しおいるこずから、需芁は 2015 幎比で 16枛少し、4 幎ぶりの䜎氎準たで萜ち蟌んだ。䞭東では、金䟡栌の䞊昇のみならず、䞍安定な地政孊的状況ならびに経枈的状況、歊力衝突、䜎調な䟡栌芋通しも需芁に打撃を䞎え、こうした芁因が盞俟っお宝食品加工量は前幎比で 14枛少した。

    ここたでは悲芳的な状況を述べおきたが、宝食加工需芁が増加もしくは前幎の氎準を維持した囜にも泚目したい。たず、むランでは、景気回埩によっお消費が増加したこずから、宝食加工需芁も 2 桁の増加ずなった。たた、日本では、円高によっお円建お金䟡栌が䞋萜したため、新たな仕入れが促され、需芁も前幎の氎準をわずかながら䞊回った。ベトナムも同様で、24 カラット宝食品の需芁が刺激ずなっお宝食加工需芁が控えめながらも増加した。他方、北米の堎合、宝食需芁は 2ずわずかながら枛少したものの、奜景気によっお消費者信頌感が高たり、小売売䞊げが増加したこずから、宝食品加工量は増加した。

    宝食品加工量ず確認可胜な投資

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    2015幎2013幎2011幎2009幎2007幎

    トン

    400

    800

    1,200

    1,600

    2,000

    2016幎基準

     米ドル/oz

    出所GFMS、Thomson Reuters

    公的郚門正味賌入量

    正味生産者ヘッゞ解消

    小口投資*工業甚加工量

    宝食品

    * 小口投資ずは珟物金地金ずコむンぞの投資を意味する。

    実質金䟡栌

    0

    500

    1,000

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    2015幎2013幎2011幎2009幎2007幎

    トン

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    2016幎基準

     米ドル/oz

    出所GFMS、Thomson Reuters

    宝食品加工量確認可胜な投資*

    実質金䟡栌

    * 確認可胜な投資ずは珟物金地金投資、公的コむン、メダルおよび暡造コむン、 ETFの正味圚庫構築の合蚈である。

  • 14

    芁玄ず䟡栌芋通し

    GFMS GOLD SURVEY 2017

    工業甚加工量は 2016 幎に掚定 353.8 トンずなり、前幎比で 3.2枛少した。6 幎連続の枛少にもかかわらず、はっきりずした回埩の兆しを瀺す分野もある。゚レクトロニクス郚門では、䜿甚量の削枛や代替材料ぞの移行が続き、金の消費量が 2ず控えめながらも枛少したが、枛少率が 5 幎ぶりの䜎氎準であったこずは特筆に倀する。歯科郚門の需芁ずその他の工業甚・装食需芁はいずれもドル建お金䟡栌の䞊昇によっお打撃を受け、それぞれ 5ず 7の枛少ずなった。

    公的郚門

    ロシアによる倧量の金賌入が匕き続き牜匕圹ずなり、公的郚門による金の買い越しは 2016 幎で 7 幎連続ずなったが、買いが枛少しお売りが増加しおいるこずから、基調は反転し぀぀ある。2016 幎の正味賌入量は 257 トンで、ロシアが 201 トンを占めるず報告されおいる。2017 幎には、ロシアが賌入を継続し、䞭囜が賌入を再開するずの芋通しから、正味賌入量が玄 250 トンになるず予想される。ちなみに、䞭囜からは本皿執筆時点たでの 4 ヵ月にわたっお金の賌入報告がないが、このように金の賌入を䞭断しおいるのは、䞭囜が人民元安に察凊し、倖貚流出を枛らしたいず考えおいるためであるずみられる。今幎はドル高も䞀服し、商品垂況党般が䞊向くこずから、新興囜が急いで金を売华する必芁性も少なくなるであろう。

    投資

    珟物金地金・コむン投資ず ETF の圚庫増枛を含む確認可胜な投資需芁は 2016 幎に前幎比 52増の蚈 1,579 トンに達しお、2012 幎以来の最高氎準ずなった。たた、投資額名目倀は前幎比 65増の 610 億ドルであった。牜匕圹ずしおは特に、西半球における政治リスク回避の高たりを挙げる。もっずも、「小口の」個人投資家を特城ずする囜の倚くで金䟡栌の先高芳が乏しかったこずから、2016 幎の投資甚地金・コむン投資は䞖界党䜓で前幎の氎準を䞋回ったこずにも蚀及すべきであろう。金地金需芁に぀いおは䞭囜が際立った䟋倖ずなったものの、䞖界党䜓では 10枛少。コむン需芁に぀いおも、むンドの投資掻動が䜎調だったこずを反映しおメダルず暡造コむンの需芁が29枛ずなったため、䞖界党䜓でわずかながら枛少した。

    䟡栌ず垂堎の芋通し

    2017 幎になっおも圓初は金盞堎の激しい倉動が続くだろうが、投資家がリスク回避の姿勢を堅持しおいるこずから、䞋倀は固いず予想される。この芋通しに基づいお、われわれは今幎の平均金䟡栌を 1,259 ドルず予想しおいるが、同時にむンド垂堎の需芁が底を打぀こずで䟡栌の䞋萜に歯止めがかかり、投資家の金垂堎ぞの回垰をさらにしっかりず支えるずの芋方もこの予想の基盀ずなっおいる。垂堎はただ難局を脱しおいないものの、長期的には金䟡栌のさらなる䞊昇が予想される。

    䞭囜がむンドを䞊回っお䞖界最倧の金消費囜に

    0

    400

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    1600

    2015幎2013幎2011幎2009幎2007幎

    トン

    出所GFMS、Thomson Reuters * 需芁は宝食品加工量、工業甚加工量、小口投資で構成される。

    䞭囜

    むンド

    金の珟物過䞍足

    -1,000

    -800

    -600

    -400

    -200

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    2015幎2013幎2011幎2009幎2007幎

    トン

    出所GFMS、Thomson Reuters

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    実質金䟡栌2016幎基準

     米ドル/oz

  • 15

    芁玄ず䟡栌芋通し

    GFMS GOLD SURVEY 2017

    誕生から 50幎を迎えたGoldSurvey

    Gold Survey が誕生したのは、圓時䞖界第 2 䜍の鉱山産金䌚瀟コン゜リディテッド・ゎヌルド・フィヌルズ瀟CGFが将来の蚈画を立おるために金垂堎の芋通しに関する明確な芋解を必芁ずした時期であった。ここで、CGF が䞻芁子䌚瀟のゎヌルド・フィヌルズ・オブ・サりスアフリカGFSAを通じお倧芏暡地䞋鉱山を運営しおいたこず、そしお鉱床の発芋から地䞋鉱山の生産開始たでには通垞で 10 幎を芁するこずに留意する必芁がある。䞖界の通貚制床が金本䜍制を採甚しおから 34 幎目にあたる 1967 幎に発衚された Gold Survey は、圓時その結論埌述によっおかなりの隒動を巻き起こした。しかし、ゎヌルド・フィヌルズ瀟の経営陣の 1 人だった筆者のデビッド・ロむド - ゞャコブDavid Lloyd-Jacobが正しかったこずは完党に蚌明され、同氏の掞察は Gold Survey に察する垂堎の高い評䟡の基瀎を築いた。そしお、この評䟡をさらに高めたのが、30 幎以䞊にわたっお Gold Survey の調査プログラムの䞭心人物であったティム・グリヌンTim Green氏からの継続性ずいう非垞に貎重な芁因である。

    ティム氏のご厚意により、圌の著䜜「The Gold Survey - Whence it Came, Where it Went Gold Survey その起源ず目的」の転茉がわれわれに認められた。この著曞は、Gold Survey の起源に぀いお述べおいるのみならず、調査が䞖界䞭で長幎にわたっおいかに行われおきたかに぀いおも興味深い知芋を提䟛するもので、GFMS による最新情報抂芁ずずもに 2017 幎版の 7 ペヌゞに掲茉されおいる。

    1967 幎にはただ、金ずドルの亀換比率を 1 オンス 35 ドルずする金為替本䜍制が採甚されおおり、米囜の公的郚門が金プヌル制を媒介ずし、亀換窓口の「ゎヌルド・りィンドり」を通じお保有する金を売华するこずにより、この亀換比率を党面的ではないものの実質的に維持しおいた。Gold Survey 第 1 号は、金の需絊動向ず、米囜の財政赀字や金プヌル制に察する圧力の高たりずいった䞀連の政治経枈芁因に基づき、「金䟡栌が倧幅に䞊昇する」可胜性が最も高い時期を 1972 幎 1973 幎であるず䞻匵した。この予想は、工業甚所芁量の増加ず、公的郚門の金保有量に倧きな圱響を䞎える金のさらなる備蓄掻動を受けたものであった。金の幎間生産量は倧幅な枛少が予想された䞀方で、金で償還されるドル建お債務が増加し、これに䌎っお米囜の金保有量は枛少しお 50 億ドルを割り蟌むず予想された。1967 幎には、25を金で保蚌するず芏定されたドル玙幣の発行額が 409 億ドルにのがっおいたため、最䜎でも 102 億 5,000 䞇ドル匱の金が必芁であった。

    米囜が金の売华を停止した盎埌にティム氏が持続可胜であるず考えた金䟡栌は 60 ドル /oz 前埌であった。結局のずころ、金䟡栌の倧幅な䞊昇期埅が䞀因ずなっお、1967 幎第 4 四半期ず 1968 幎第 1 四半期に民間郚門が金を賌入し、自由化された垂堎が開蚭された 1967 幎半ばからただし、公的郚門は䟝然ずしお 1 オンス 35 ドルを固守1968 幎第 1 四半期には、䟡栌が䞻導する需芁が 3,000 トンを䞊回る䞀方で、1968 幎の䞖界の鉱山生産量は 1,450トンにずどたり、西偎諞囜の䞭倮銀行は 2,500 トンの金を攟出しなければならなかった。぀たり、この時期には、需芁が鉱山生産量の玄 3.5 倍にも達しおいたのである。圓然ながら、圓時のニク゜ン米倧統領は 1971 幎 8 月に米ドルず金の亀換を停止。金䟡栌は 1971 幎幎初の 37 ドルから䞊昇の䞀途を蟿り、同幎 12 月には 44 ドルに迫り、1972 幎 2 月には 50 ドル付近たで䞊昇した。倧半の囜が米ドルペッグ制を固守しお自囜通貚の切り䞋げを行わなかったこずから、金に察する旺盛な需芁は倉わらなかった。以降、金䟡栌は 2,000 ドルに迫る氎準たで䞊昇し、本皿執筆時点の 2017 幎 2 月には 1,250 ドル /oz 付近で掚移しおいる。

    明らかに倉化したのは垂堎芏暡である。1971 幎に 1,518トンであった鉱山生産量は 2016 幎に 3,222 トンずなり、幎平均 1.5のペヌスで増加しおきたが、われわれは、昚幎がピヌクであるず考え、埐々に枛少するず予想しおいる。需芁は蚀うたでもなく䟛絊以䞊に倉わりやすいが、1,367 トンから 3,559 トンに増加しお、幎平均増加率は2.0であった。金額では 17 億ドルから 1,430 億ドルに増加したこずになり、幎平均増加率ははるかに劇的な氎準ずなる。

    本報告曞では党線を通じおその他のコラムでも、金垂堎の過去 50 幎にわたる歎史を振り返り、いく぀かの倧きな倉化ず驚くべきこずに倉化しおいないいく぀かの芁因に泚目する。

    実質金䟡栌および名目金䟡栌

    0

    200

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    1,800

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    実質䟡栌2016幎基準

    名目䟡栌

    2012幎2007幎2002幎1997幎1992幎1987幎1982幎1977幎1972幎1967幎

    米ドル/oz

    出所GFMS、Thomson Reuters

  • 16

    投資

    GFMS GOLD SURVEY 2017

    トン 2012幎 2013幎 2014幎 2015幎 2016幎小口投資 1,407 1,873 1,163 1,162 1,057うち金地金 1,056 1,444 886 876 787うちコむン** 351 429 278 286 271ETFの圚庫構築 279 -880 -155 -125 524確認可胜な投資合蚈 1,666 953 1,008 1,037 1,581実勢䟡額十億米ドル*** 86 42 40 37 62*先物垂堎ずOTC垂堎の投資掻動を陀く。**公的コむンならびにメダルおよび暡造コむン。 ***LBMAロンドン貎金属協䌚午埌の倀決め䟡栌の幎間平均を䜿甚しお幎次ベヌスで算出した参考金額出所GFMS、ThomsonReuters

    第2章 投資• 珟物地金投資、すべおのコむンおよびETFの圚庫構築を含む確認可胜な投資は2016幎に52も急増し、2012幎以

    来の最高氎準ずなる1,580トンに達した。

    • これらの確認可胜な投資を金額に換算するず610億ドルにのがり、増加率はさらに拡倧しお64ずなった。

    • 確認可胜な投資量がこのように倧幅に増加した䞻因はETFの買いが急増したこずにある。3幎連続の売り越しの埌、ETFは2016幎に522トンもの倧幅な買い越しに転じた。

    • 他方、小口投資は前幎比9枛の1,057トンずなった。枛少がより際立ったのは金地金投資需芁であり、名目ベヌスで前幎比10枛の787トンたで萜ち蟌んだ。小口投資需芁の4分の1を占めるコむン需芁は271トンずなり、枛少率はより小幅な5にずどたった。

    • COMEXでの投資掻動は匕き続き拡倧し、金投資に察する䞊向きの垂堎心理を支えた。幎間の出来高は蚈5,800䞇枚で、17侇9,047トンの金に盞圓する。マネヌゞドマネヌの正味ポゞションは幎初の売り越しから買い越しに転じた。買い越し量は7月に892トンでピヌクを付け、幎末には128トンたで瞮小した。

    • COMEX以倖の取匕所も総じお䞊向きの垂堎心理を支える地合いずなった。ただし、䞊海黄金亀易所SGEのスポット取匕ずむスタンブヌル取匕所珟物取匕のみでは、いずれも出来高が枛少した。

    Gold Survey50呚幎蚘念投資パタヌンを振り返る

    ここでは1968幎以降の金投資の倉遷に぀いお取り䞊げる。たず、金地金ず公的コむンぞの投資に泚目し、次に2003幎に初めお発売されたETFを玹介する。ETFには特に欧米の個人投資家が関心を持っおいる䞀方で、珟物地金投資は䞀蟺倒ではないものの䞻にアゞアを領域ずしおいる。

    幎間需芁ず名目ベヌスの幎間平均金䟡栌から算出した抂数に基づくず、1968幎から2016幎末たでの金地金ず公的コむンに察する珟物投資額は蚈5,800億ドルにのがる。䟡栌も投資量も倉動しおいるこずから、これは明らかに極めお倧たかな詊算に過ぎないが、少なくずも芏暡はわかる。投資量は2侇4,000トンに迫る氎準で、2016幎の䞖界の鉱山生産量の7.5倍匷ずなる。

    次のペヌゞの右のグラフは投資量の掚移ずその内蚳ETFおよび金地金・コむンを瀺したものである。ここには指摘すべき興味深い点がいく぀かある。第䞀に、1968幎の倧量の金投資を牜匕したのは専ら、政治的緊匵が非垞に高たっおいたフランスであった。第䞀次および第二次石油ショック197274幎および197880幎では、金䟡栌の急隰が明らかに賌入パタヌンに圱響を䞎え、倧量の金が転売された。1988幎ず1989幎には、日本ず台湟が旺盛な金地金需芁を牜匕した。これは䞭囜の政治動向1989幎の倩安門事件を念頭に眮いた投資であったが、同時に日本が政策を倉曎しお損害保険䌚瀟に金投資の運甚比率を最高3たで蚱可したこずも䞀因ずしお挙げられる。

    確認可胜な投資*

  • 17

    投資

    GFMS GOLD SURVEY 2017

    金融危機を受けお需芁が急増したのは明らかだが、2013幎ず2014幎の興味深いパタヌンずしお、西欧の投資家が金融危機を金投資からの撀退理由ずみなしたためにETFから圚庫が攟出された䞀方で、䞭囜を䞭心ずする極東地域では倧量の金需芁があったこずが挙げられる。2013幎には、ETFから888トンの金が攟出され、その倧半はスむスの粟錬業者を通じおロンドン・グッド・デリバリヌ品LGDの金地金から玔床99.99の小型金地金に䜜り替えられ、䞭囜の金投資急増に䌎っお東方ぞず向かった。以降、その䞀郚は還流しおいる。

    商品取匕所での掻動

    C O M E Xにおける金先物取匕の出来高は2016幎に38増の5,800䞇枚ずなった。これは名目ベヌスで17侇9,047トンに盞圓する。2016幎12月末の取組高は1,317トンで、前幎末の氎準から2増加した。出来高の増加は、投資掻動ず金䟡栌が正の盞関関係にあるこずを明確に蚌明しおおり、金に察する垂堎の関心が再燃したこずを瀺しおいる。実際、COMEXにおける投資掻動のデヌタずしお代甚するこずができるCFTCのマネヌゞドマネヌに関する報告曞によるず、正味ポゞションは幎初から増加し始め、幎明けの売り越しから買い越しに転じお、7月初めに892トン名目ベヌスでピヌクを付けた埌、垂堎が米囜の幎内利䞊げの可胜性を芋蟌んで売りが拡倧したために枛少に転じ、幎末には128トン名目ベヌスずなった。

    䞊海先物取匕所䞊海期貚亀易所、SHFEの出来高は2016幎に前幎比で37増加しお、名目ベヌスで3侇4,760トンに達した。他方、䞭囜においお付加䟡倀皎VATが免皎される金を唯䞀合法的に䟛絊する䞊海黄金亀易所SGEでは、出来高SGE囜際取匕所を含むが28.6増の1侇5,492トンずなった。SGEは2016幎に、スポット取匕の新商品ずしお䞊海金SHAUを発売し、285トン盞圓の出来高を蚘録した。出来高が䞭囜で増加した原因は金盞堎の激しい倉動ず高い取匕頻床にあった。SGEの金䟡栌のプレミアムは日次平均で6.40ドル/ozずなり、2015幎の氎準から83も拡倧した。もっずも、通幎で芋るず、12月の平均プレミアムが32.52ドル/ozずなるなど、幎末に向けお倧きく拡倧したこずがわかる。

    東京商品取匕所TOCOMの報告によるず、2016幎に出来高は8増の8,541トンに達しお、数幎来の枛少基調が反転した。他方、それ以倖の取匕所に関しおは、ドバむ金商品取匕所DGCXの出来高が前幎比32増の412トンずなった。むスタンブヌル取匕所はDGCXより小芏暡だが、他の取匕所が先物取匕を提䟛する傟向にあるのずは察照的に、DGCXず同様に金の珟物取匕のみを提䟛しおいる。この皮の取匕所ずしおは䞖界最倧の取匕所の1぀であるが、昚幎の出来高は5枛の243トンにずどたり、前幎の7増から反転した。

    珟物投資需芁金地金コむンETF金地金ずコむンの地域別需芁2016幎Ch2 - MANAGED MONEY NET POSITIONS IN COMEX FUTURES

    欧州27%

    北米3%

    アゞア68%

    䞖界のその他の地域2%

    出所GFMS、Thomson Reuters

    ‒40

    ‒20

    0

    20

    40

    60

    80

    100合蚈

    ETFの圚庫増枛

    コむン金地金

    2015幎2013幎2011幎2009幎2007幎2005幎2003幎

    10億ドル

    Ch2 - MANAGED MONEY NET POSITIONS IN COMEX FUTURES

    出所GFMS、Thomson Reuters

    商品取匕所の金取匕

    名目ベヌスのトン盞圓の出来高 2014幎 2015幎 2016幎 前幎比増枛COMEX 126,028 130,135 179,047 38%SHFE 23,858 25,317 34,760 37%SGE*1 4,931 7,288 11,793 62%TOCOM 8,745 7,928 8,541 8%MCX 3,972 3,947 4,094 4%SGESpot 2,645 4,756 3,699 -22%DGCX1 426 312 412 32%ICEFuturesUS 508 294 354 20%BorsaIstanbul2 239 256 243 -5%*SGEのすべおの取匕、䜆しスポット取匕を陀く1珟物による裏付け2100%珟物匕き枡し 出所ThomsonReuters,relevantexchanges

  • 18

    投資

    GFMS GOLD SURVEY 2017

    䞊堎投資信蚗ETF

    2016幎には、䞖界のETFの金保有量が幎初からの10ヵ月間に倧幅に増加し、通幎で34の増加ずなった。米囜の远加利䞊げ予想が高たり、英囜が驚くべきこずにEU離脱を遞択し、米囜倧統領遞挙の行方も䞍透明だったこずから、地政孊的な䞍透明感が高たっお、金䟡栌は幎初から堅調に掚移。これを受けおトレヌダヌは金に泚目した。

    ETFの金保有量は、幎初の1,532トンから524トン34増加しお、幎末に2,056トンに達した。これを金額に換算するず、47240億ドル増の770億ドルずなり、120億ドルの枛少ずなった2015幎ずは察照的である。幎初の金䟡栌急隰を受けお、ETFの金保有量は2016幎第1四半期に336トン増加し、2015幎の枛少分を完党に盞殺した。幎が進んでも、新芏資金を金ETFに配分する状況は倉わらず、金保有量は第2四半期に233トン、第3四半期に114トンそれぞれ増加した。この匷気の基調が反転するのは11月で、ETFから11月に90トン、12月に91トンず、倧量の金が攟出され、金の保有量は第4四半期に蚈158トン枛少した。

    米連邊準備制床理事䌚が2015幎末にフェデラルファンド金利を匕き䞊げるず、金䟡栌は急萜し、垂堎は2016幎䞭にさらに3回の利䞊げがあるず予想した。CFTCの報告曞によるず、マネヌゞドマネヌの金投資動向はこの悲芳的な環境を反映し、この分類が蚭定されお以降では初めおの売り越しずなった。しかし、その盎埌の2015幎12月末たでに金䟡栌は底を打ち、2016幎の幎初から緩やかに䞊昇し始めた。その䞀因は期埅倖れな内容ずなった第4四半期の米囜経枈統蚈にあり、これによっお垂堎は利䞊げスケゞュヌルに関する予想を倉曎した。2016幎幎初の金䟡栌の回埩により、様々なファンドの金に察する関心が再燃し、ポヌトフォリオの資産配分が芋盎されお、金投資の比重が高たった。これを反映しお、ETFの需芁は増加し、COMEXにおけるマネヌゞドマネヌのポゞションも1月第2週以降に買い越しに転じた。

    EU離脱を遞択した6月23日の英囜囜民投祚の結果は予想倖のもので、金融垂堎党䜓に衝撃が走り、トレヌダヌは安党資産ずしおの金に殺到した。金䟡栌は䞊昇し続け、LBMAの午埌の倀決め䟡栌は7月6日に1,366ドル/ozでピヌクを付けた。CFTCの報告曞によるず、マネヌゞドマネヌの正味ポゞションは7月10日に名目ベヌスで892トン盞圓ずなり、ピヌクに達したが、その埌も資金は金ETFに流入し続けた。もっずも、米囜の利䞊げ回数が増えるずの垂堎予想により、金䟡栌は最終的に䞋萜に転じた。米倧統領遞挙は垂堎予想ず異なり、ドナルド・トランプ氏の勝利に終わったが、この予想倖の結果によるパニックはすぐに終息した。実際、金盞堎に远い颚が吹いたのは遞挙結果発衚埌のわずか30分皋床で、金䟡栌はその埌すぐに倧幅反萜した。リスク回避からリスク指向ぞの転換によっお、米囜の株䟡指数がドル盞堎ずずもに䞊昇し、トランプ倧統領ずその政暩の匷いリヌダヌシップによっお、米囜が長期にわたる奜景気ぞず向かうず期埅された。資金が安党資産からリスク資産ぞず向かったため、金盞堎ず米囜債盞堎は䞋萜した。金ETFの金保有量は11月910日に2,253トンでピヌクを付け、それ以降は幎末たでに197トンの金が攟出された。

    個々のETFに関しおは、ETF党䜓の金保有量の玄40を占める最倧の金ETFであるSPDR Gold Sharesが2016幎に金の保有量を181トン28積み増した。䞭囜を拠点ずするETF党䜓の金保有量は48030トンずいう途方もない増加を蚘録しお、幎末に蚈36トンずなった。投資の遞択肢が乏しいこずに加え、金盞堎が激しく倉動したこずから、䞭囜人にずっおは金投資を増やす魅力的な垂堎環境ずなった。

    2017幎になり、ETFの金保有量は2月末珟圚で99トン増加しお2,155トンになっおいる。この増加ず同時に、金盞堎も匕き続き堅調に掚移し、幎初からの2ヵ月間に8.4䞊昇した。トランプ倧統領が異論の倚い政策の1぀を実行した堎合、たたは幎内に遞挙が実斜されるナヌロ圏の倚くの囜で1ヵ囜でも反EUの極右政党が勝利した堎合には、金融システムが打撃を受ける可胜性があるため、垂堎は保険を匷化しおいる。

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    その他 ETF Securities iシェアヌズCOMEXゎヌルドトラスト SPDR Gold Shares ZKBゎヌルドETF GBSロンドン 蚌刞取匕所䞊堎 金䟡栌 ç±³

    ドル/oz

    トン

    出所GFMS、Thomson Reuters、各ETFの発行䜓のデヌタを収集分析

    07幎1月 09幎1月 11幎1月 13幎1月 15幎1月

    金ETFずその他の類䌌商品

  • 19

    投資

    GFMS GOLD SURVEY 2017

    珟物金地金投資

    — 2016幎の金地金需芁は10.2もの倧幅な枛少ずなっお787トンたで萜ち蟌んだ。

    欧州の珟物地金投資は昚幎、4枛の213トンにずどたった。衚面的には䜎調であったように芋えるが、実際には需芁は2016幎䞭に倧きく倉動した。このパタヌンはほがすべおの垂堎に共通しおおり、欧州の需芁の半分以䞊を占めるドむツでは特に顕著であった。2016幎䞭には3぀の明確な局面があった。たず、EU離脱を問う英囜の囜民投祚が実斜された6月23日たで、欧州党域の需芁は総じお䜎調だった。しかし、囜民投祚の結果によっお、金䟡栌が欧州党域で倧幅な䞊昇に転じるず、それ以降は需芁が萜ち蟌み、特に売りが異䟋の倚さずなったこずから、正味需芁の急枛が顕著ずなった。䟋倖は英囜で、珟地調査によるず、ポンド盞堎が31幎ぶりの安倀を付けたためにポンド建お金䟡栌が際立っお䞊昇したものの、需芁は急増した。3番目の局面は9月以降で、需芁は埐々に増加し始め、特に幎末たでの6週間には金䟡栌の倧幅な䞋萜によっお需芁の増加が際立った。金盞堎は明らかに、欧州党域の需芁のタむミングを巊右する重芁な芁因であるが、2008幎以降の需芁が幎間200トンを䞊回る欧州垂堎を支えおきた芁因はこれ以倖にも数倚くあった。2016幎に際立っおいたのはマむナスの債刞利回りや地政孊䞊の懞念などであり、そのいずれもが英囜およびむタリアの囜民投祚ならびに米囜に起因するものであった。実際、むタリアでは、囜民投祚によっおむタリア囜内ずスむスのむタリア語圏の金需芁が促された䞀方で、米倧統領遞挙でのトランプ候補の勝利によっお、東欧の小口需芁がかなりの䜎氎準からではあるものの増加した。

    北米の珟物地金需芁は2016幎に3増の30.2トンずなった。牜匕力ずなったのは幎初ず幎末の旺盛な需芁で、第2四半期ず第3四半期の需芁は䜎調であった。米囜の投資家は䞀般に、幎初のうちは新たに鋳造されるコむンを重芖する傟向にあるが、2016幎の幎初には珟物地金需芁が堅調であった。金䟡栌が6月䞭を通じお急隰する䞭で、投資家は金地金の賌入を枛らし、米囜造幣局金貚の賌入を優先させた。米囜では、造幣局金貚が最も流動性の高い金地金補品ずなっおおり、たた愛囜的なブランド䟡倀が高いために金地金よりも奜たれおいる。第3四半期には、金䟡栌の䞊昇によっお珟物地金需芁が倧幅に枛少したため、プレミアムが数幎来の䜎氎準たで萜ち蟌んだ。この気運は幎末に向けお反転し、販売者の報告によるず、クリスマスシヌズンを䞭心ずしお、スモヌルバヌぞの関心が高たった。

    宝食セクタヌの需芁ずは異なり、䞭囜の金投資需芁は昚幎、2013幎以来の増加ずなった。2013幎䞋半期には、政府が特別な汚職察策に着手したため、珟物地金需芁は深刻な打撃を受けた。こうした汚職察策により、最も人気のある莈答品の䞀぀であったラヌゞバヌを䞭心に、金補品関連の莈答が倧幅に枛少した。それから数幎を経た珟圚、汚職に察する政府の厳重な取り締たりも萜ち着き、珟物地金需芁は2015幎䞋半期に底を打ったず掚定される。䞭囜では、人民元の䞋萜ず金䟡栌の䞋萜に埌抌しされお、高霢者が孫ぞの莈り物ず貯えのために金地金特に200グラムのバヌを賌入した。

    人民元盞堎は2016幎第1四半期以降に再び䞋萜し始めたが、䞋半期には䞋萜ペヌスが枛速した。䞭囜囜民は、銀行を通じお最倧で幎間5䞇ドルたでの米ドルを賌入するこずができるが、この䞊限に達しおいなくおも、ドルの賌入は次第に難しく、厄介になっおいる。昚幎は、囜内の株匏盞堎が信甚されおいなかったため、䞭囜人にずっおは怜蚎すべき投資察象の遞択肢が乏しく、高利回りを求める資金を金に投資するずの決断は容易であった。実際、われわれの珟地調査によるず、英囜のE U離脱決定埌ず米囜のトランプ新倧統領誕生埌には特に珟物地金需芁が増加した。われわれは、䞭囜の金地金需芁が2016幎に7増加しお236.8トンに達したず掚定しおいる。

    むンドの小口投資は2016幎に前幎比29枛の87.6トンずなり、2004幎以降の最䜎氎準たで萜ち蟌んだ。金の高倀ず政府の政策が倧きな足かせずなり、たた玄12トンが政府発行の゜ブリン・ゎヌルド・ボンド

    䞖界の取匕所における掻動

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    2016幎2015幎2014幎2013幎

    トン

    出所GFMS、Thomson Reuters

    その他の取匕所

    䞭囜の取匕所

    米囜の取匕所

  • 20

    投資

    GFMS GOLD SURVEY 2017

    に動員された。ちなみに、通垞の政府債は金の珟物を担保ずしおいるわけではない。珟物地金需芁は第3四半期末たでの各四半期に平均で60枛少したものの、高額玙幣の廃止によっお11月8日から12月半ばたでに急増したこずから、第4四半期には42の増加ずなった。われわれの珟地調査では、囜内で鋳造された金地金ず廃止された旧玙幣を亀換する様々な事䟋が芋られた。さらに興味深いこずに、第4四半期には、玔床99.9ず玔床99.99の金地金の茞入が50トン匷もの倧幅な増加ずなった。経隓豊富な業界専門家によるず、これは過去最高の増加量だった可胜性がある。

    公的コむン

    — 2016幎の䞖界の公的コむン鋳造量は前幎比3増ずなった。幎末に向けた金䟡栌の䞋萜が、盞堎の動きに敏感な投資家の買いを誘った。

    金貚加工量は2幎連続で増加しお、2016幎に蚈219トンずなった。しかし、䞀本調子で増加したわけではなく、通幎での増加は、䞊半期ず幎末の旺盛な需芁ず鋳造量の増加が第3四半期の萜ち蟌みを盞殺したこずによるものである。昚幎は、金䟡栌が䞻芁通貚の倧半で䞊昇したため、加工量の増加は2015幎の堎合よりも明らかに目を匕く。

    昚幎のコむン需芁の増枛に最も圱響を䞎えたのは金盞堎の倉動であった。金の高倀は明らかにコむン需芁の足かせずなったが、金盞堎は幎倮にピヌクに達するず、幎末たでの数ヵ月間にわたっお䞋萜基調を蟿ったため、コむン需芁は増加した。たた、われわれは、第2の芁因ずしお、トランプ米倧統領の遞出ず䞍透明な地政孊的状況を挙げる。遞挙盎埌のトランプ効果は期間も芏暡も限られおいたが、次の段階ずしお、米ドル盞堎、債刞利回り、そしおより広範な垂堎ぞの圱響が珟れ、その䞀環ずしお金䟡栌も䞋萜し、抌し目買いを誘うこずずなった。

    各地域のパタヌンは1幎を通じお非垞に類䌌しおいたが、そのパタヌンが䞎えた圱響は垂堎によっおたちたちであった。実際、2016幎のコむン鋳造量は2013幎の氎準を倧幅に䞋回った。䞋図に瀺されるずおり、2013幎には、米囜、南アフリカ、䞭囜ずいった倚くの囜のコむン鋳造量が倧幅に増加し、数幎来の高氎準たたは史䞊最高氎準に達した。読者には、調査によっおむランの金貚加工量がかなりの氎準にのがるこずがわかったため、コむンに関する䞀連のデヌタが䞊方修正されおいる点を泚意しおもらいたい。むランの堎合、景気が䞊向いお金の衝動買いが枛ったため、金貚加工量は2016幎にほが半枛し、最も䜎調な垂堎ずなったものの、䟝然ずしお䞖界第7䜍の芏暡を誇っおいる。

    むンドでは、メダルおよび暡造コむンの需芁が前幎比で31も枛少した。原因は、金䟡栌の䞊昇ず流動性の悪化であった。4幎連続の枛少ずなったものの、第4四半期に前幎同期比で19増加しなければ、通幎の枛少率はさらに倧芏暡なものになっおいたであろう。第4四半期の増加は高額玙幣廃止を受けたパニック買いによるもので、投資家が個人口座に珟金を預けるよりも、金を退蔵した方が安党であるず考えたためである。

    加工業者は幎初来3四半期間の軟調な需芁を受けお、生産量を瞮小しおいた。そのため、11月ず12月には突然の需芁増加によっおコむンが䞍足した宝食店もあり、コむンの販売䟡栌が珟金取匕のスポット䟡栌を20も䞊回った。たた、アクシャダ・トリティダずダンテヌラスの祝祭䞭のコむン販売量もさほど奜調ではなく、それ以倖の期間の䜎調な金需芁を補うこずができなかった。

    COMEXにおける金の先物取匕量は2000幎以降に幎平均14で増加しおいる。金額米ドルベヌスでは、この期間の増加率がさらに高たっお26になる。もっずも、いずれの堎合も䞀本調子で増加しおいるわけではない。堅調に掚移する金盞堎ずずも

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    Q1-16Q1-15Q1-14Q1-13Q1-12

    トン

    出所GFMS、Thomson Reuters

    欧州

    䞭囜むンド

    北米

    その他

    小口投資

  • 21

    投資

    GFMS GOLD SURVEY 2017

    に、金の取匕量ず取匕金額がピヌクを付けたのは金䟡栌LBMA PM PRICEが1,895ドルの史䞊最高倀に達した2011幎9月であった。金盞堎が䞋萜に転じるず、COMEXにおける金の取匕量も枛少した。しかし、昚幎はCOMEXにおける金の取匕量が38もの倧幅な増加ずなった。この増加は2぀の倧きな出来事に垰するこずができる。すなわち、EU離脱を問う英囜の囜民投祚ず米囜の倧統領遞挙である。こうした出来事では䞀般的に、結果が刀明するず盞堎が倧きく倉動しお、倚くの投機掻動を惹き぀ける傟向がある。

    OTC盞察垂堎ず先物垂堎には、䞖界の垂堎にそれぞれに異なる支持者がおり、各々の垂堎が独自の利点を備えおいる。先物取匕量が増加し続けおいるため、銀行が参加する囜際的なロコ・ロンドン垂堎のスポット䟡栌はこのずころ、先物䟡栌やEFPExchange for Physicalを䜿っおスポット䟡栌の気配倀を逆算するこずで決定される堎合が倚い。他方、アゞアを䞭心ずする取匕所数の増加が原因ずなっお、垂堎では倚くの論争が繰り広げられおおり、取匕所の増加に䌎っお流動性が損なわれおいるず䞻匵する垂堎参加者もいる。これは議論すべき問題であり、われわれも今埌、再び取り䞊げる予定である。

    様々な先物契玄に関しおは、埓来から最も流動性が高いのが期近3限月で、COMEXにおける2000幎以降の取匕量増加の䞻な原動力にもなっおいる。この幎以降、COMEXでの反察売買に察する関心が高たり、倚くのトレヌダヌは期近3限月を、珟物のポゞションをヘッゞするための最良の手段ずみなしおいる。OTC垂堎ずCOMEXを比范するず、OTC垂堎の取匕量がCOMEXの取匕量を倧幅に䞊回っおいる状況にただ倉わりはない。

    公的コむン䞭叀金スクラップの利甚を含む

    癟䞇枚

    出所CME、GFMS、Thomson Reuters ※1枚100oz

    その他の先物契玄

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    翌々月限

    翌月限

    圓月限

    10億トロむオンス

    出所LBMA、CME、GFMS、Thomson Reuters

    OTCの取匕量に察するCOMEXの取匕量の割合、右軞

    Comex

    OTC

    15幎13幎11幎09幎07幎05幎03幎01幎99幎97幎0

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    %

    䞖界の取匕掻動COMEXで取匕されおいる最も流動性の高い金先物契玄

    トン 2007幎 2008幎 2009幎 2010幎 2011幎 2012幎 2013幎 2014幎 2015幎 2016幎米囜 19.0 31.8 50.9 44.5 36.5 29.2 37.3 23.8 33.9 41.9南アフリカ 6.8 8.7 23.2 20.0 23.8 23.7 27.5 21.5 27.7 35.2カナダ 9.0 27.6 38.2 34.1 35.8 23.9 35.5 22.1 29.7 30.6䞭囜 7.2 5.5 6.7 8.5 23.9 21.4 21.8 14.8 22.9 29.7トルコ 56.7 53.1 30.9 35.6 58.9 39.9 90.6 40.5 19.8 22.4オヌストリア 5.3 24.9 33.4 17.9 21.1 12.4 20.3 15.0 23.5 17.4むラン 15.4 18.4 29.2 39.6 52.3 55.0 58.0 33.6 27.0 14.6オヌストラリア 5.6 9.6 11.0 8.4 10.6 10.0 16.2 11.6 9.9 10.9英囜 3.4 4.3 4.7 4.4 5.8 6.8 4.9 4.5 9.5 8.4ロシア連邊 4.3 5.7 6.5 5.4 4.6 6.4 5.7 4.5 4.1 4.2ドむツ 5.5 5.5 5.0 5.0 4.7 5.0 4.2 4.2 0.8 1.0メキシコ 1.2 2.5 0.3 2.3 0.2 1.4 1.4 1.2 1.3 0.9フランス 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.4 0.8 0.8 0.4その他の諞囜 2.5 2.9 5.2 2.9 2.9 2.6 1.9 2.0 1.3 1.1䞖界の合蚈 142.2 200.5 245.4 228.7 281.4 237.8 325.6 200.1 212.1 218.7出所GFMS、ThomsonReuters

  • 22

    投資

    GFMS GOLD SURVEY 2017

    珟物金地金投資

    トン 2007幎 2008幎 2009幎 2010幎 2011幎 2012幎 2013幎 2014幎 2015幎 2016幎欧州 ドむツ 30.3 109.1 128.7 121.7 154.5 104.1 112.5 97.0 109.2 103.2 スむス 12.5 88.9 97.1 92.4 115.9 80.5 65.1 44.6 44.5 43.4 ベルギヌ -2.0 -0.1 12.2 18.7 23.8 19.2 21.0 20.4 20.3 17.2 英囜 -2.6 0.0 4.7 9.3 10.4 15.1 13.4 7.6 6.9 9.6 その他 -32.8 18.2 11.1 -4.0 46.4 37.4 41.4 41.4 40.5 39.3欧州合蚈 5.3 216.0 253.7 238.1 350.8 256.2 253.4 211.0 221.4 212.6北米 米囜 -2.5 51.4 63.5 62.0 47.5 25.9 33.4 24.8 27.3 28.7 カナダ 1.4 5.2 7.4 3.4 5.1 2.6 5.0 1.5 2.0 1.5 メキシコ 1.8 5.3 3.3 2.8 2.9 2.8 0.1 0.1 0.1 0.1 北米合蚈 0.8 61.9 74.3 68.3 55.5 31.3 38.4 26.4 29.3 30.2南米 ベネズ゚ラ 0.0 0.0 2.0 2.0 2.0 2.0 2.6 2.0 2.0 2.0 その他 0.0 0.0 2.0 2.0 2.0 2.0 2.6 2.0 2.0 2.0 南米合蚈 -2.0 -0.6 2.6 2.3 2.5 2.5 3.8 2.3 2.3 2.3アゞア 䞭囜 21.0 60.8 102.3 178.6 237.8 249.3 412.1 231.5 220.9 236.8 むンド 148.6 159.9 117.5 266.3 288.0 205.9 265.8 109.8 124.2 87.6 ã‚¿ã‚€ 4.6 42.6 -10.1 63.0 103.6 101.9 148.9 84.4 68.6 58.0 ベトナム 56.1 96.2 58.2 67.0 87.8 71.4 81.8 53.3 42.0 42.3 むラン 20.2 30.6 15.8 33.8 40.4 44.2 46.4 31.5 27.6 0.0 韓囜 2.8 -0.6 -16.2 1.2 6.0 5.5 14.2 16.0 20.6 15.6 パキスタン 2.6 -4.4 -19.4 7.0 14.6 12.3 23.9 13.4 15.6 10.5 サりゞアラビア 9.0 13.5 10.9 14.5 17.4 16.3 17.8 14.6 14.5 11.2 日本 -56.4 -39.4 -30.8 -41.0 -47.2 -10.5 2.7 -1.9 11.8 11.8 むンドネシア 0.3 2.9 -6.0 15.3 24.8 22.1 43.1 18.1 11.3 12.0 その他 23.1 24.3 3.9 19.9 48.8 32.1 58.8 49.3 44.0 42.1 アゞア合蚈 231.9 386.5 226.0 625.6 822.0 750.5 1,115.5 620.0 600.6 527.9オセアニア、その他 オヌストラリア 1.0 2.9 4.4 10.2 15.5 14.8 17.6 16.2 15.1 15.0 ゚ゞプト 0.7 0.4 0.7 1.2 0.7 0.8 15.2 9.9 7.4 -1.4 オセアニア、その他合蚈 1.7 3.3 5.1 11.3 16.2 15.6 32.8 26.1 22.5 13.6䞖界の合蚈 237.7 667.1 561.7 945.6 1,246.9 1,056.2 1,443.9 885.8 876.0 786.6内蚳 䞭東* 45.0 61.4 34.9 65.8 93.1 74.4 113.1 87.8 72.2 28.8東アゞア* 38.5 171.4 92.7 291.1 438.4 464.1 735.5 425.5 396.9 399.6CIS* 4.2 4.4 4.9 3.1 2.8 2.7 2.7 2.8 2.6 2.4むンド亜倧陞* 152.3 156.6 98.5 273.6 304.4 220.8 293.0 126.0 142.6 101.6出所GFMS、ThomsonReuters*地域の䞻芁金地金垂堎

    メダルおよび暡造コむン䞭叀金スクラップの利甚を含む

    トン 2007幎 2008幎 2009幎 2010幎 2011幎 2012幎 2013幎 2014幎 2015幎 2016幎むンド 64.7 63.5 53.5 82.6 80.0 106.3 96.3 70.8 66.6 45.8その他 3.7 6.2 5.4 5.7 7.8 7.1 7.5 6.6 6.8 6.3䞖界の合蚈 68.4 69.7 58.9 88.3 87.8 113.4 103.8 77.4 73.4 52.1出所GFMS、ThomsonReuters

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    投資

    GFMS GOLD SURVEY 2017

    OTC盞察取匕ず比范しお人気が高たっおいるCOMEXでの金取匕

    GFMSの蚈算に基づくず、OTC取匕は2016幎にわずかに増加したものの、過去10幎間は総じお暪ばい基調を蟿っおいる。他方、その間に魅力をかなり増したCOMEXでの金取匕は2016幎に38も増加しお、OTCの幎間取匕量の玄3分の1に盞圓する氎準に達した。ちなみに、この割合は史䞊最高氎準である。LBMAの口座決枈量は取匕総量ではなく、垂堎での振替量を衚しおいる。経隓則によれば、LBMAのロコ・ロンドン取匕量は振替量の玄3倍であり、䞖界のOTC取匕量を掚定するためにはロコ・ロンドン取匕が党䜓の70を占めるこずを前提ずする必芁がある。興味深いこずに、わずか数幎前には、ロコ・ロンドン取匕が䞖界党䜓のOTC取匕量の玄90を占めおいたが、金垂堎の地域分散によっお、珟圚では玄70であるず思われる。

    この手法を利甚するず、金のOTC取匕掚定量は2016幎に6増加しお190億オンスに達したこずになる。LBMAが毎日の振替量を公衚し始めた1997幎ず比范するず、金のOTC取匕量は幎平均で3枛少したず詊算される。ちなみに、1997幎のOTC取匕量は䞖界党䜓で玄310億オンスであった。もっずも、金䟡栌が1997幎から2016幎に幎平均で7䞊昇したため、振替金額は逆の基調を蟿っおおり、金のOTC取匕額も2012幎に玄27兆8,000億ドルでピヌクを付けおいる。これは2012幎の䞖界のGDPの玄38に盞圓し、同幎の䞖界の債刞垂堎の玄4分の1に盞圓する。

    OTC察COMEX

    OTC取匕は盞察取匕なので基本的にオヌダヌメヌドだが、これに代わるものずしお、暙準化された先物契玄の圢態をずるCOMEXでの金取匕が近幎、人気を集めおいる。金や銀の先物取匕は、ヘッゞや投機、代替投資ずいった様々な理由から利甚されおいる。取匕の倧方95以䞊は差金決枈だが、珟物の受け枡しが行われるこずもある。COMEXでの取匕の理論䞊の利点ずしおは、OTC取匕ずは逆のクリアリング・ハりスを介した決枈が挙げられる。すなわち、盎接のカりンタヌパヌティ・リスクがないずいうこずになる。加えお、レバレッゞ、そしお買いず売りの双方から取匕を始められる柔軟性も利点であり、売りから始めおも取匕を手仕舞うために珟物を買う必芁はなく、圓然ながら買いから始めるこずもできる。

    もっずも、留意すべき重芁な点ずしお、COMEXの蚌拠金取匕は少ない資金で倧きな取匕ができるレバレッゞために利点にも芋えるが、リスクを高める芁因にもなり、特にショヌトカバヌの際の激しい急隰盞堎ではその傟向が顕著になるこずが挙げられる。そのため、先物取匕にはストップ・ロス・オヌダヌ逆指倀泚文や指倀泚文などがあり、指倀泚文によっお利益を確定するこずもある。OTC取匕量は過去10幎間に180億オンスから190億オンスの間を掚移しおいるが、COMEXにおける金先物の取匕量は2006幎から2016幎たでに幎平均で14増加し、昚幎は58億オンスたで増倧した。その結果、OTCの取匕量に察するCOMEXの取匕量の割合は2006幎の10から2016幎に30ずなっお、この10幎間に3倍ずなり、名目金額は玄7兆2,000億ドルになっおいる。

    10億トロむオンス

    15幎13幎11幎09幎07幎05幎03幎01幎99幎97幎0

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    出所LBMA、GFMS、Thomson Reuters

    米ドルベヌスの名目金額右軞

    党䞖界における金のOTC取匕量単䜍10億トロむオンス

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    兆米ドル

    10億トロむオンス

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    15幎13幎11幎09幎07幎05幎03幎01幎99幎97幎

    出所LBMA、GFMS、Thomson Reuters

    米ドルベヌスの取匕金額右軞取匕量単䜍10億トロむオンス

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    1

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    8

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    兆米ドル

    COMEXにおける金の取匕ᅵ