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CONTENTS2017/12

巻頭言 来る2018年の好機を生かした九州・山口地域の更なる経済活性化に向けて          (一社)九州経済連合会 特別顧問 三反園 訓〔鹿児島県知事〕寄稿 事業承継の勘どころ(その2)~コンサルティングの現場から~               日本経営システム株式会社 副社長 宇佐美 嘉彦九経連活動紹介 BCP(事業継続計画)について(その2)「東日本大震災」や「熊本地震」の事例からの教訓 サイバーセキュリティの脅威と対策 スペイン・フランスの観光政策と先進事例視察報告 九州最大級Startupイベント「StartupGoGo2017」を開催 「活力と魅力溢れる地域の実現による日本再興への貢献」を統一テーマに意見交換                        西日本経済協議会 第59回総会 空港を活用した地域振興セミナー in 熊本を開催 「福島第一原子力発電所事故の振り返り」「国内外における最近のエネルギー情勢」について~エネルギー講演会を開催~                          九州エネルギー問題懇話会 企業合同物産展「福岡JAPAN市 東北・九州復興編」を開催 政府局長や駐日大使らが来日し最新経済情勢とビジネス環境を紹介~アラブ首長国連邦(UAE)投資セミナーを開催~ 第5回「企業による農業参入セミナー in東京」を開催秋の叙勲・褒章受章者

 日誌(10月) 2日㈪ 農林水産委員会林業部会第1回事業WG 2日㈪ 農林水産委員会林業部会第1回調査・研究WG 3日㈫ 農林水産委員会第2回企画部会 4日㈬ 西日本経済協議会第59回総会 5日㈭ 第2回九州・大学発ベンチャー振興実践会議 10日㈫ 九州経済国際化推進機構幹事会 11日㈬ 第1回北九州地域委員会 11日㈬ 農林水産委員会第2回水産部会 12日㈭ 第1回佐賀地域委員会・視察会 13日㈮ 国際委員会企画部会 13日㈮ アラブ首長国連邦(UAE)投資セミナー~最新経済情勢とビジネス環境~ 17日㈫ 第1回資源エネルギー・環境委員会 18日㈬ 第1回農林水産委員会 18日㈬ 九州女性の会10月例会 20日㈮ 空港を活用した地域振興セミナー in熊本 21日㈯ 国際医療セミナー「九州の国際医療を考える」 25日㈬ 企業による農業参入セミナー in東京 25日㈬ 第2回地中熱・九州モデル研究会 26日㈭~27日㈮ 福岡JAPAN市 27日㈮ 第19回外国人介護士受入れ検討WG 30日㈪ 交通委員会・講演会講演要旨 「2020年に向けたNECのパブリックセーフティの取組みについて」  山際 昌宏(日本電気㈱ 東京オリンピック・パラリンピック推進本部 パブリックセーフティ推進室長) 「第4次産業革命の海外動向とブロックチェーンについて」                青木 崇(㈱日本政策投資銀行 産業調査部課長)新入会員紹介 株式会社アヴァンティ 株式会社ヘッズ 株式会社ミライロ九州観光推進機構ニュース 感動と物語の九州―歴史と文化を掘り下げる薀蓄の旅㉑  恋人の聖地を巡る旅   ~愛が芽生えた歴史の地。~九州・山口地域動向

表紙説明・スケジュール(12月)・新入会員企業(10月)

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2017/12 九経連月報 1

今年5月、本県の指宿市において九州・山口の各県知事と経済4団体の皆様が一堂に会する「九州地域戦略会議」が開催されました。官民連携による観光戦略などに熱心な議論が交わされ、「第二期九州観光戦略」の2023年目標について、好調なインバウンド関連を中心に上方修正し、九州全体の観光消費額を4兆円とすることなどが決定されました。

本県においても、雄大な桜島と錦江湾を眼前に臨む鹿児島港へのクルーズ船の寄港数が年々増加しているほか、ソウル、上海、台北、香港との定期路線を有する鹿児島空港国際線の利用者数が3年連続で過去最高を更新するなど、海外からの観光客数が大きく伸びているところです。

観光客が安心して周遊できるよう、分かりやすい案内標識の整備や通訳ガイドの育成など受入体制の充実に努めていますが、多くの方に来ていただくための努力と同時に、鹿児島を訪れた人が感動することが重要であり、自分の国に帰って「鹿児島は魅力的なところだよ、行ってみたら」と周囲に勧めてもらえるような「来て、見て、感動するまちづくり」に取り組んでいます。

こうした中、来年の明治維新150周年がいよいよ目前に迫ってきました。年明けにはNHK大河ドラマ「西

せ ご

郷どん」の放送もスタートし

ます。国内外の注目が鹿児島、九州・山口地域に集まるこの絶好の機会を最大限に生かさなければなりません。大みそかから元旦にかけては、明治維新150周年のカウントダウンメインイベントを行い、気運をさらに盛り上げたいと考えています。来年は「かごしま明治維新博」と銘打って、様々なプロモーション・イベントをどんどん展開していきます。皆様、この機会にぜひ鹿児島にお越しください。

また、来年夏頃には「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産への登録が期待されます。登録されれば、本県は屋久島と合わせ2つの世界自然遺産を持つ唯一の県となりますので、このセールスポイントを生かし、更なる観光客の増加につなげたいと考えています。「食」の面でも、本県の農林水産物には黒

牛、黒豚をはじめ全国へ世界へ誇れる素晴らしい素材があふれています。9月に宮城県で開催された「第11回全国和牛能力共進会」では、「鹿児島黒牛」が日本一の栄冠に輝きました。県産農林水産物や観光のPRのため、量販店や高級レストランでのフェアを開催するなど、国内はもとより香港、台湾などアジアにおいてもトップセールスを展開しているところです。

一方、魅力ある観光地づくりやブランド力の向上には、それぞれの地域が努力することはもちろんですが、九州が一つになり協力していかなければ生き残れない時代でもあります。成長著しい東アジアの活力を呼び込むため、九州経済連合会をはじめ、九州・山口地域の経済界の皆様と意見交換し協力しながら、ウィンウィンの関係を築いていきたいと思っています。鹿児島の発展が九州全体の経済活性化に貢献できるよう一生懸命取り組んでまいりますので、今後とも本県の取組に御理解・御協力をよろしくお願いいたします。

(一社)九州経済連合会 特別顧問

三反園 訓〔鹿児島県知事〕

来る2018年の好機を生かした九州・山口地域の更なる経済活性化に向けて

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九経連月報 2017/122

1.会長の課題意識A社は、中国・四国地方で事業展開する食

品スーパーを営む企業グループで、それぞれの地域でチェーン展開する事業者である。現会長が起業して一代で数百億円規模まで事業を成長させた。会長は後継の二人の息子に対して、既に中国地域を長男に、四国地域を次男に社長を任せており、徐々に実権も移譲しつつあり、そろそろ名実ともに事業を承継したいと考えていた。

会長にとって、これまでの事業拡大の道のりは順調とは言い難かった。つまり、関連会社をやり繰りして資金を融通することや、タイムリーな店舗用地の取得のために地域を跨いで購入するといったことは勿論、事業撤退する企業から無理を承知のうえで店舗を引き受けるなどして事業拡張してきた。

創業者ならではの苦労を経験した上でできあがった事業基盤の承継であり、これらのしがらみを全て紐解くことは簡単ではない。A社の場合、外形的には優良企業の体裁は整えているが、中国・四国地域を輻輳して合理的とは言えない食材調達を行っていることに始まり、長男の中国地域の収益の一部が弟企業からの店舗賃貸収入で賄われていたり、四国地方で買収した店舗が上手くいっていなかったりと、資本関係は勿論、会社と個人の資金や資産の所有関係も入り組んでおり、これまでの創業者としての奮闘ぶりを物語っていた。

斯かる中、事業承継を見越して、各方面か

らグループ再編を活用した効率的な資産承継の提案もあったが、会長は一向に聞く耳を持たなかった。なぜならば、会長の関心事は財産の分与ではなく、「自らの引退に際して、いかに二人の子息に円滑に“事業基盤”を承継するか」ということだったからである。2.課題解決に向けた検討

こうした背景の下、会長の命を受けて、社内の特定メンバーによるプロジェクトチームが立ちあげられ、課題解決に着手した。当初、プロジェクトでは持株会社の下で、長男と次男が経営する地域ごとに中間持株会社を作るといった典型的な案が検討され、これに基づいて事業再編を行いたいと進言したが、会長はこれを却下した。会長は、形態論ありきではなく、事業実態に則した事業の整理と地域別に独立した機能への再構築を強く求めた。

これを受け、プロジェクトチームは二人の承継者に対して、事業意欲、再編の意義、承継する事業に対する納得感、各担当地域での事業の将来展望等、個別子会社からグループ全体に至るまで、事業承継に対する考え方を聴取し、会長を含めた三人の思いを整理し、まとめ上げていった。会長にはその都度、報告・協議を行うとともに、会長は検討結果を週末の家族会議の俎上に上げて、意見集約を図っていった。

プロジェクトチームは数値面の詰めと中長期的な将来像を描くことも同時並行で実施した。10社を超えるグループ企業の事業評価を

日本経営システム株式会社 副社長 宇佐美 嘉彦

事業承継の勘どころ(その2)~コンサルティングの現場から~

前号では事業承継の概論を述べていただいた。それを受けて、今号と次号の2回に分けて、事業承継に係る実際のコンサルティング事例を紹介しながら、事業承継検討のポイントについて述べていただく。※�本件事例は、実際のプロジェクトを加工したフィクションであり実在企業との関係は一切ありません。

寄稿

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2017/12 九経連月報 3

始め、食材の調達構造や店舗・株式のねじれについて、一つずつその経緯と現状分析を地道に繰り返し、課題や疑問点をつぶしたうえで会長に報告した。金曜日に合意が得られた案が、家族会議を経て翌月曜日には反故にされるといったケースも少なくなかった。3.シンプルな検討結果

こうした過程を経て、プロジェクトは二つのシンプルなアウトプットを行った。一つ目は、最終ゴールとそこに至るための手順とスケジュールを示した事業承継のグランドデザインである。もう一つは、これを具体化する第一段階として、複雑に入り組んだ調達・店舗・株式のねじれの解消であった。

会長にとっては、現状分析や評価により自身が展開してきた事業のリスクや含みが把握でき、ねじれを解消することで二人の息子に確固たる事業基盤を残すことができると確信を持つことができた。加えて、一時は二の次と言っていた形態論についても、再編手順を整理したマスタープランを核としたグランドデザインができたことで今後の推進に具体的な道筋をつけることもできた。

また何よりも、家族会議を通じて、今後の事業について会長が創業者としての思いを語り、息子たちが今後の事業展開を語ることで、家族全員が事業承継への覚悟を共有し、自覚

できたことが一番の成果であった。4.事業承継の本質

事業承継を検討する場合、事業管理・展開のしやすさや資産承継に着目した事業再編ありきの議論がされがちである。しかし、本当に大切なのは、創業者が自分で立ち上げた事業について、関係当事者が納得感ある形で円滑かつ継続可能な状態で事業を引き継ぐことができるか、ということであろう。

関係当事者の合意形成という意味では、同族会社としての家族の思いと会社としての事業存続をつなげたうえで、ベクトルを同じ方向に向けていくことは思いのほか難しい。本件の場合、家族会議を通じて、各人の能力や特徴を活かし自覚を促した形で事業承継を検討し、実施に移していった。これまで事業拡大一辺倒であった会長にとっても、事業承継のタイミングでグループの全容を事業、財務の両面で整理でき、加えて、将来に向けてのグランドデザインが明確に示されたことは会社存続という観点でも意義があった。

ご案内の通り、今回のプロジェクトによる検討は事業承継のほんの入り口に過ぎない。本来の意味での事業を引き継いでいくには、今後も会長からの事業面での指導や支援は勿論、それを支える組織や業務管理の整備や高度化といった様々な課題を乗り越えていく必要があろう。今回のグランドデザインに基づいて、長い時間をかけて事業承継に取り組むことを考えると、本番はこれからである。

(次号に続く)

【中国・四国地域】

【中国地域】店  舗

調  達

資本(株式)

【四国地域】店  舗

調  達

資本(株式)

店舗

調  達

資本(株式)

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九経連月報 2017/124

1.前回の振り返りBCPは、Business Continuity Planの略で、

企業などが「緊急事態」に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続のための方法・手段などをあらかじめ取り決めておく計画であるが、BCPを策定している九州・沖縄の企業は、熊本地震後にも関わらず全国と比べ低調(特に、中小企業)である。

なお、企業が抱えるリスクは、自然災害、事故、地政学的リスクなど様々あるが、原因の違いに関わらず事業経営の視点で結果的に起きることは、1)社員が勤務できない(人員不足)、2)施設・設備が使えない、3)情報システム(IT)が使えないなどが共通の結果である。

2.取り組み事例〈東日本大震災〉

中小企業の事例を3つ紹介する。[事例1]

製造業のA社は、地震や津波が来たとき、従業員の半数が就業できないことを想定し、

重要業務をあらかじめ絞り込んでいた。津波の被害は事前の想定をはるかに超えたが、従業員がすぐに自分の役割を理解し素早く行動した。そのため非常用発電機の手配、被災した事務所の修復、あらかじめ代替場所に準備していた交換部品や工具などを取り出し素早い復旧を実施できた。[事例2]

宮城県の製造業のB社は重要業務について山形県の同業他社と事前に相互支援協定を結んでいた。津波により自社のプラントが大きく損壊したが、事前の協定により山形県の同業者に修理を依頼し、素早く復旧させたことで、自社のプラントによる操業を継続できた。[事例3]

一般に中小企業では社長が現場を指揮することが多いが、サービス業のC社では社長が地震発生時には出張で不在であった。しかし、あらかじめ作成していたBCPに基づき、従業員一人ひとりが何をすればいいか分かっており、素早く対応できた。

一般的に中小企業は、トップダウンで決断が早い、少人数のため施策の徹底が容易、業務フローがシンプルといった特徴がある。この特徴を生かせば、BCPを「積極的に推進すべき企業経営そのもの」と捉えて取り組むことは可能なはずである。

九経連活動紹介

前号から3回にわたって、安心・安全な経営基盤を九州・山口地域の“強み”にしていくため、会員各位のBCP強化の参考になるよう、BCPに関する特集記事を掲載している。前回は、「企業が抱えるリスク」に関する記事を掲載した。今回は、「東日本大震災」や「熊本地震」時の取り組み事例を紹介する。この事例からの教訓を生かし、会員各位のBCP強化に繋げていただくことを期待したい。

BCP(事業継続計画)について(その2)「東日本大震災」や「熊本地震」の事例からの教訓

~1)命を守る、2)トップの言動、3)平時の備え、4)地域貢献~

行財政委員会

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2017/12 九経連月報 5

また、BCP未策定でも、トップの判断で柔軟に対応し、地域住民の命を守り、地域へ貢献した次の事例も大いに参考にすべきである。[事例4]

宮城県のDホテルは、建物自体の被害が比較的少なかったため、行政の指定避難所ではないが最大1,000名の避難者を受入れ、図書館の開設や子供の学習支援の他、避難者・地域住民向けに浴場を開放した。現在でも、宿泊者を対象に震災の教訓を風化させないために、社員が町をバスで案内する語り部バスを運行しており、1時間程度で、震災遺構や避難所での実話などを紹介している。

〈熊本地震〉地元企業の事例を3つ紹介する。

[事例1]小売業のE社は、地震後に熊本市内の店舗

が使えない中、屋外駐車場などで販売を続けるとともに、自治体からの要請に基づき震災直後から物資を被災地に送り届けた。なお、地震後の初動は、先ず独自のシステムで従業員の安否確認を行った。その後、市民に駐車場を開放した他、翌日からの屋外での販売方法も現地の店長が中心となって決め、現地で判断できない施設面は本社側がサポートした。これらの対応は、BCPに基づき日頃から訓練を徹底して実施していたからこそ実行できた。[事例2]

製造業のF社は、東日本大震災時に茨城県の工場が3か月間も操業停止しており、これを教訓にBCPをソフト面・ハード面ともに見直した。熊本市内の工場は、地震後の初動として、従業員の安否や被災状況を速やかに確

認の上、生産再開の目途をニュースリリースとして逐一発信した。その結果、BCPで掲げた目標通り、1週間後に一部生産再開し、その1か月後には地震前の生産能力へ100%復旧させることができた。[事例3]

製造業のG社は、大きな被害を受けながらも、被災した社員・家族の生命・生活を最優先に、社員の団結力と社長のリーダーシップで事業の早期復旧を果たした。日頃から社員とのコミュニケーションを重視していたが、緊急事態時は特に情報共有から連携が生まれた。また、全社員に困っていることに関してヒアリングし、可能な限り対応した。そして、社員以外の地域の被災者の支援も積極的に行い、地域の復興を支えた。

3.事例からの教訓BCPに関して、事例から学ぶべきことは以下の4点である。

会員各位におかれてもこの教訓を生かしてサプライチェーンも含めたBCPを強化し、安心・安全な経営基盤を九州・山口地域の“強み”にしていきましょう。

【企画調査部 角】

※ 次回(1月号)は、BCPの策定と運用・メンテナンスについて紹介する。

防災対策庁舎の遺構

被災者支援

①命を守る ~ 社員とその家族、地域の方々②トップの言動 ~ リーダーシップ、やる気と

決断力③平時の備え ~ 中核事業の絞り込みと緊急事

態時の対応、訓練④地域貢献 ~ 被災状況下で地域にどう役立つ

か?

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九経連月報 2017/126

1.標的型攻撃近年、特定の組織や人から機密情報を窃取

する「標的型攻撃」が深刻な脅威となっているが、その中でも特に猛威を振るっているのが「標的型攻撃メール」である。標的型攻撃メールは、「高度な騙しのテクニック」を駆使することにより、メール受信者の不信感を低減させ、ウイルス感染の仕掛けが施された添付ファイルを開かせたり、ウイルス感染の仕掛けが施されたサイトへのリンクをクリックさせたりする。添付ファイルを開封したり

メール本文のリンク先にアクセスしたりすると、遠隔操作ウイルスに感染し新たなウイルスの感染や、組織システム内へのウイルス拡散、情報窃取、機密情報の外部への漏えい、システムの破壊といった大きな被害へ発展することになる。⑴標的型攻撃メールを見分ける際の着眼点

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)に情報提供があった標的型攻撃メールや公開情報から得た知見を基に標的型攻撃メールの特徴をまとめると、下表のような傾向がある。

サイバーセキュリティの脅威と対策

IT化の進展に伴い、企業の情報資産の窃取や業務妨害を狙ったサイバー攻撃・犯罪は巧妙化・悪質化しており、これらのターゲットは、政府機関や大手企業だけでなく、近年では中小企業にまで拡大している。そこで今回は、サイバーセキュリティの深刻な脅威となっている「標的型攻撃」への対策と、「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」からセキュリティ対策の最初のステップとして提示されている「情報セキュリティ5か条」について解説する。

着眼点 標的型攻撃メールの特徴

メールのテーマ(件名)

①差出人は不明だが、メール本文のURLや添付ファイルを開かざるを得ない内容  (例)新聞社や出版社からの取材申込や講演依頼、就職活動に関する問い合わせや履歴書送付など②心当たりのないメールだが、興味をそそる内容  (例)議事録、演説原稿等の内部文書送付など③これまで届いたことがない公的機関からのお知らせ  (例)情報セキュリティに関する注意喚起、災害情報など④組織全体への案内  (例)人事情報、資料の再送・差し替えなど⑤心当たりのない決裁や配送通知(英文の場合が多い)⑥IDやパスワード等の入力を要求するメール  (例)銀行からの登録情報確認など

差出人のメールアドレス

①フリーメールアドレスから送信されている②差出人のメールアドレスとメール本文の署名に記載されたメールアドレスが異なる

メールの本文

①日本語の言い回しが不自然である②日本語では使用されない漢字(繁体字、簡体字)が使われている③実在する名称を一部に含むURL が記載されている④表示されているURLと実際のリンク先のURLが異なる⑤署名の内容が誤っている  (例)組織名や電話番号が実在しない、など

添付ファイル

①ファイルが添付されている②実行形式ファイル(exe/scr/cplなど)が添付されている③ショートカットファイル(lnkなど)が添付されている④アイコンが偽装されている⑤ファイル拡張子が偽装されている  (例)二重拡張子、ファイル拡張子の前に大量の空白文字が挿入されているなど

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2017/12 九経連月報 7

これらの特徴に複数合致するメールを受信した場合は、標的型攻撃メールの可能性があるため、注意して対応する必要がある。着眼点の詳細は、IPAのテクニカルレポート「標的型攻撃メールの例と見分け方」にて確認していただきたい。

⑵�ウイルス感染を想定したセキュリティ対策と運用管理企業がとるべき標的型攻撃対策として、セ

キュリティソフトを導入して定義ファイルを常時更新するとともに、脆弱性を狙ってウイルスを感染させる攻撃からPCやサーバを保護するために、各種ソフトウェアの更新による脆弱性の解消を習慣化することが必要不可欠である。また、メールの添付ファイルのブロックやウェブフィルタリングなど、外部ネットワークからの入口でウイルスに感染するリスクを低減させることも推奨したい。さらに、手口を知るための教育や標的型攻撃などを想定した訓練の実施により、攻撃に気付く能力を養うことも有効である。

万が一、ウイルス感染があっても、被害を緩和するための対策として、端末やネットワークを分離することが有効である。これは、

情報の重要性や機密性に応じて、一般の端末を重要業務のシステムから分離する、あるいは、ウイルスの感染拡大などの攻撃を局所化するため、L3スイッチ等のネットワーク機器を用いて、部署などのグループ単位でネットワークを分離するといった対策である。

加えて、重要情報が保存されているサーバでの制限も有効な対策である。重要な情報が保存されているフォルダは、その情報の機密性による格付けや閲覧範囲を決定し、その範囲の業務担当者のみが閲覧できるようにアクセス権を設定しておくことが重要である。また、データが持ち出されても読み取ることができないよう、データの暗号化やパスワードによる保護を行うことで、漏えいのリスクを低減させることが可能である。

事後対応の準備としては、有事の際に迅速に対応するための体制を整備するとともに、関係省庁や調査会社などの連絡先や、対応手順書を作成しておくことを推奨する。

IPAでは、標的型攻撃から組織を守るために「『高度標的型攻撃』対策に向けたシステム設計ガイド」を公開している。高度化する標的型攻撃に対するシステム設計を検討する際に、ぜひ活用していただきたい。

IPAテクニカルウォッチ「標的型攻撃メールの例と見分け方」https://www.ipa.go.jp/security/

technicalwatch/20150109.html

「高度標的型攻撃」対策に向けたシステム設計ガイドhttps://www.ipa.go.jp/security/vuln/

newattack.html

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九経連月報 2017/128

2.情報セキュリティ5か条IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイ

ドライン」では、情報セキュリティ対策の最初のステップとして「情報セキュリティ5か条」を提示している。基本的ではあるが、効果が高い重要な対策であるため、個人任せにせず組織として確実に実施していただきたい。

⑴OSやソフトウェアは常に最新の状態にしよう!OSやソフトウェアのセキュリティ上の問題

点を放置していると、それを悪用したウイルスに感染してしまう危険性がある。お使いのOSやソフトウェアに修正プログラムを適用する、もしくは最新版を利用するようにしよう。

⑵ウイルス対策ソフトを導入しよう!ID・パスワードを盗んだり、遠隔操作を

行ったり、ファイルを勝手に暗号化するウイルスが増えている。ウイルス対策ソフトを導入するとともに、ウイルス定義ファイル(パターンファイル)は常に最新の状態になるようにしよう。

⑶パスワードを強化しよう!パスワードの推測・解析や、ウェブサービ

スから窃取したID・パスワードの流用により、不正にログインされる被害が増えている。パスワードは、「(文字数を)長く」「複雑に」「使い回さない」ようにして強化しよう。

対策例●(Windows OSの場合) Windows Update  (Mac OSの場合)ソフトウェア・アップデート (Android の場合)OSバージョンアップ● Adobe Flash Player、Adobe Reader、Java

実行環境(JRE)など利用中のソフトウェアを最新版にする

対策例● パスワードは英数字記号含めて10文字以上に

する● 名前、電話番号、誕生日、簡単な英単語など

はパスワードに使わない● 同じID・パスワードを色々なウェブサービス

で使い回さない

対策例● ウイルス定義ファイルが自動更新されるよう

に設定する●統合型のセキュリティ対策ソフト※を導入する ※ ファイアウォールや脆弱性対策など統合的

なセキュリティ機能を搭載したソフト

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2017/12 九経連月報 9

⑷共有設定を見直そう!データ保管などのクラウドサービスの設定

や、ネットワーク接続している複合機の設定を間違ったことにより、無関係な人に情報を覗き見られるトラブルが増えている。クラウドサービスや機器は必要な人にのみ共有されるよう設定しよう。

⑸脅威や攻撃の手口を知ろう!取引先や関係者と偽ってウイルス付のメー

ルを送ってくる、正規のウェブサイトに似せた偽サイトを立ち上げてID・パスワードを盗もうとするといった巧妙な手口が増えている。脅威や攻撃の手口を知って対策をとろう。

3.最後にIPAでは、本年4月に情報セキュリティ自

己宣言制度「SECURITY ACTION」を創設した。これは、情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度である。「情報セキュリティ5か条」に取り組むことを宣言すると、一つ星のロゴマークを利用することができ、「新5分でできる!情報セキュリティ自社診断」で自社の対策状況を把握したうえで、情報セキュリティポリシー(基本方針)を定め、外部に公開したことを宣言すると、二つ星のロゴマークを利用することができる。このロゴマークをウェブサイトや名刺等に表示することによって、情報セキュリティに自ら取り組んでいる企業であることを外部にアピールできる。ロゴマークの使用料は無料であり、IPAのウェブサイトから申し込みできる。

情報セキュリティ対策に取り組んだら、是非「SECURITY ACTION」を宣言してみよう。

【社会基盤部 金城】対策例● IPAなどのセキュリティ専門機関のウェブサ

イトやメールマガジンで最新の脅威や攻撃の手口を知る

● 利用中のインターネットバンキングやクラウドサービス等が提供する注意喚起を確認する

SECURITY ACTIONhttps://www.ipa.go.jp/security/security-action/

中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインhttps://www.ipa.go.jp/security/keihatsu/sme/guideline/

対策例●クラウドサービスの共有範囲を限定する● ネットワーク接続の複合機やカメラ、ハード

ディスク(NAS)などの共有範囲を限定する● 従業員の異動や退職時に設定の変更(削除)漏

れがないように注意する

【協力】独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) 技術本部 セキュリティセンター  普及グループ  江島 将和

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九経連月報 2017/1210

1.目 的  ○ 日本/九州で開催される大型スポーツ

イベント(2019年ラグビーW杯、2019年女子ハンドボール世界選手権大会、2020年東京五輪)のPR

  ○ 各都市での観光政策の情報収集並びに九州での活用の検討

  ○ ニューツーリズム(LGBT、ドローン)の視察

2.期 間  2017年9月17日(日)~24日(日)8日間3.訪問先  スペイン…バルセロナ  フランス…ボルドー、パリ4.参加者(敬称略)

5.視察先の概要<観光政策について>(1)�在バルセロナ日本国総領事館(首席領事��

竹谷 祐二氏/専門調査員 松嶋 慧氏)○ スペインへの観光客数の7,000万人の内、

1,800万人がカタルーニャ地方に来ており、増加傾向である。また、スペインからの訪日客数も2012年の3.5万人から2016年9.2万人へと大幅に増加している。理由のひとつに歴史的建物が数多く残っており、観光客を飽きさせない魅力があることが挙げられる。

○ 福岡市出身のサグラダファミリアの主任彫刻家外尾悦郎氏の知名度は高い。

○ 日本に対しては、食に加えアニメ・漫画などのポップカルチャーの人気が非常に高い

○ 2018年に日本スペイン外交関係樹立150周年を迎える。

スペイン・フランスの観光政策と先進事例視察報告

観光委員会

貫  正義 九州電力株式会社 会長二橋 岩雄 トヨタ自動車九州株式会社 会長鎮西 正直 大分共同火力株式会社 社長峰崎 暁一 鹿島建設株式会社 専任役田代 哲也 九州電力株式会社 会長秘書秋吉 廣行 株式会社Qtnet 会長藤永 憲一 株式会社九電工 会長内田 智巳 城山観光株式会社 専務取締役宮崎 辰哉 株式会社地工 社長渡辺 恵秀 日九興産株式会社 取締役小野 丈夫 ニシム電子工業株式会社 社長太田 禎郎 株式会社ホテル日航福岡 社長大野 太三 丸三工業株式会社 社長大野 拓朗 三桜電気工業株式会社 名誉会長大野加津子 三桜電気工業株式会社 同夫人永森 久善 三菱商事株式会社 九州支社長小畑 耕一 三菱商事株式会社 チームリーダー平井  彰 (一社)九州経済連合会 常務理事山﨑  円 (一社)九州経済連合会 観光担当部長吉元 大樹 (一社)九州経済連合会 課長

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2017/12 九経連月報 11

(2)�バルセロナ観光局(International�Promotion�Jaume�Vidal氏)

○ 1992年のバルセロナオリンピックを機に設立され、36市町村による広域でのプロモーションを行っている。また、様々な参加プログラムを持ち、企業協賛金や年会費を得ており、89%が自主財源となっている。

○ リピーターに対しても次の新しいものを提供し常に進化している。

○ 日本の魅力は、アニメツーリズムなどのポップカルチャーである。

(3)�通訳ガイド(スペイン政府公認通訳協会会員 睦田 啓二氏)

○ 1992年のバルセロナオリンピックは、開催が目的ではなく都市再開発の過程でオリンピックを誘致し、オリンピックの予算で街づくりを行った。

○ バルセロナの魅力のひとつであるFCバルセロナのカンプノウ球場は、10万人の集客規模を誇り、試合観戦以外で年間200万人の入場がある。(入場料@3,000円)

(4)�JTB�GLOBAL�BUSINESS�FRANCE(アウトバウンド事業)(支店長 武井なをみ氏)

○ 2015年の旅行消費額は1,600億ユーロであり、GDPの7.2%を占める。また、2015年の観光宿泊税は2.82億ユーロである。

○ フランス人のアジアNo.1ディスティネーションはタイである。

○ 2016年のフランスから日本へのツーリストは、25.3万人(前年比118%)である。フランス人は、新しいテクノロジーやアニメ・漫画などのポップカルチャーに関心が高い。また、別府温泉の湯けむりの風景や阿蘇も大変人気。

○ 日本からのファムトリップや自治体のプロモーションは、狭い担当エリアだけのPRになっており残念。九州観光推進機構のように九州全体での取り組みが有効である。

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九経連月報 2017/1212

(5)通訳ガイドから…○ パリは見通しの良さを重視した街づくりを

行っており、洗濯物が見える干し方が禁じられるなど、景観規制は厳しい。外壁の色はベージュが基本となっている。

<先進事例について>(1)ACATHI○ 移民のLGBTの方を中心に受け入れている

団体。LGBT会員の発展に努めLGBTの権利を守るために活動している

(2)�ACEGAL(Founder&CEO Eloi�Morte氏)   AXEL�HOTEL(Hotel�Manager� �Marc�

Sancho氏)○ LGBTはSNSコミュニティが多数あり、最

初に気分が良いと思えるかどうかが重要であり、それがSNSで拡散して旅行に繋がる。ゲイは旅行好きであり、ツアーガイドがゲイであることも重要である。

○ LGBT専用の海岸、インフォメーション施

設、クラブ、バーは必須。○ レインボーフラッグを掲げている施設には

入りやすい。○ 5日間のプライドバルセロナイベントは動

員数20万人、経済効果26億円。○ AXEL HOTELは、ゲイに対して必要な条

件を全て備えており、年間稼働率は100%である。

(3)�ボルドーテクノウエスト  (Directeur�フランシス バッフォウ氏)

半官半民のインキュベーション組織であるボルドーテクノウエストは、航空宇宙産業に特化したスタートアップ企業を支援している。スタートアップ企業70社、ビジネス企業28社が入っている。その中でも、2014年に設立したSKEYETECH社は、自動化ドローンの製作を手掛けており、農業の害虫対策などに利用されている。警備、点検、モニタリングなど

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2017/12 九経連月報 13

で活躍が期待される。6.視察を受けての今後の取り組みについて<観光政策について>

(1) バルセロナ、パリともに日本への関心は高く、アニメや漫画などのポップカルチャーの人気が高い。日本においては、2016年9月に「一般社団法人アニメツーリズム協会」が設立され、アニメ聖地への観光客の送客を行っていく予定であるため、協会との連携や海外への情報発信などについてヒアリングを行い、九州への誘客につなげたい。

(2) バルセロナでは、九州の認知度は低いが、福岡市出身のサグラダファミリアの主任彫刻家外尾悦郎氏の知名度は非常に高いため、バルセロナへのPRとして外尾氏に依頼する。

(3) 2018年は「日西外交関係樹立150周年」「日仏友好160周年」にあたるため、パリでのジャポニスム2018と併せてスペインでの九州PRを検討する。「2019年ラグビーW杯」、「2019年女子ハンドボール世界選手権大会」を活用し、直接九州へ誘客する絶好のチャンスである。

(4) 姉妹都市交流により福岡の知名度が上がることもあり、福岡市とバルセロナの姉妹都市締結に向けた働きかけができないか検討する。

<先進事例について>(1) LGBTに賛同するホテルや飲食店などで

のレインボーフラッグ(マーク)の掲示など、九州、特に福岡においてLGBT旅行者が気持ち良く滞在できるための環境整備に向け、福岡市や福岡県等との協議の検討を行う。

(2) 九州各地のドローンに関する先進的な取り組みを行っている企業等とボルドーテクノウエスト社との連携可能性を検討したい。また、自然景観が素晴らしい九州において、ドローンを観光的視点で捉え、自然景観を観光客の目線からだけでなくドローンを活用することで様々な角度から景観を楽しめるようにすることで観光地の新たなニーズを掘り起こし、九州内に数か所のポイントを設定することでドローンツーリズムの創出ができないか検討する。

【観光・サービス産業部 吉元】

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九経連月報 2017/1214

九経連では一般社団法人StartupGoGo(次頁※印参照)と連携し、「大企業×ベンチャーによる新たなイノベーションの創出」や「アジア横断型スタートアップエコシステムの形成」を目的として九州最大級IT関連スタートアップイベント「StartupGo!Go!2017」を開催した。

日本各地はもとより上海・台湾の第一線で活躍するIT起業家、投資家、大学関係者に加え、九経連会員の新規事業担当者など計470名が参加した。当日は①ピッチコンテスト(総務省(NICT)「起業家万博」九州地区予選、経済産業省(NEDO)「TCP」選抜等を兼ねる)、②最新テクノロジーブース展示、③アジア各国のスタートアップ最新事情に関するセミナーなど多彩なイベントが開かれ、熱い議論が交わされた。

九経連が大型スタートアップイベントに参画するのは初の試みであったが、参加いただいた九経連会員からは「ベンチャー企業と接する中で沢山の刺激を受けた」「新規ビジネスにつなげていきたい」等の意見をいただいた。当会では、こうした会員企業・大学の新たなニーズをキャッチしながら、大企業×ベンチャー型ビジネスマッチングや大学発ベンチャーの促進に積極的に取り組んでいくこととしている。

【開催概要】1.日時:10月4日(水)13時~20時2.場所:電気ビル共創館4階みらいホール3.参加者:470名4.実施内容  ①Pitchコンテスト 

  ② AI(人工知能)やIoTなど最新テクノロジーブース展示/ビジネスマッチング

 ③ 「大企業×ベンチャー」「アジア各国のスタートアップエコシステム」等に関するセミナー/セッション

と き 10月4日(水)

ところ 福岡市・電気ビル共創館

九州最大級Startupイベント「StartupGoGo2017」を開催

Pitchコンテストの様子

Pitchコンテストの様子

㈱スカイディスク AI(人工知能)/IoTブース出展

九州電力㈱スポンサーブース出展

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2017/12 九経連月報 15

5.参加団体◆主催:(一社)StartupGoGo◆共催: ( 一 社 )九 州 経 済 連 合 会、 福 岡 県

Ruby・コンテンツビジネス振興会議◆協力: 国立研究開発法人 情報通信研究機構

(NICT)◆後援: 国立研究開発法人 新エネルギー・産

業技術総合開発機構(NEDO)、日本政策金融公庫、福岡市

◆スポン サー:西日本鉄道、IBM、九州電力、福岡銀行、西日本シティ銀行、凸版印刷、明治安田生命、ニシム電子工業ほか多数

6.セミナー/セッション①基調講演: 「圧倒的な成長を持って起業を楽

しもう」  慶應義塾大学SFC研究所 ドローン社会共

創コンソーシアム上席所員 千葉 功太郎氏②アジアにおけるスタートアップエコシステム 日本:㈱アドライド 木村 忠昭氏 上海:匠新 田中 年一氏    ㈱シードリンク Shin Gern Sam氏 台湾:台湾交通大学 Michael Lin氏③ 福岡大手企業が挑むデジタルマーケティン

グ事業 iBankマーケティング㈱ 永吉 健一氏 ㈱西日本新聞メディアラボ 清田 慎弥氏 モデレータ:クオント㈱ 谷脇 良也氏④Go Global:ベンチャーのグローバル戦略 グロービス・キャピタル・パートナーズ  東 明宏氏 エンジェル投資家 青柳 直樹氏

 ㈱Nulab 橋本 正德氏 ㈱エウレカ 西川 順氏⑤ブロックチェーンの未来 ㈱Nayuta 栗元 憲一氏 本荘事務所 本荘 修二氏7.開催結果◆ Pitchコンテスト: AI(人工知能)、IoT、ブ

ロックチェーン、ヘルスケア分野などの国内外30社が登壇

◆ 表彰式:The Pitch賞(優勝)、NICT賞(総務省)、NEDO賞(経済産業省)が九州大学起業部所属チーム(NOVIGO及びnyans)に授与された。その他九州電力賞、西日本鉄道賞、ふくおかフィナンシャルグループ賞、西日本フィナンシャルホールディングス賞など10社以上のスポンサー賞が各社に授与された。

【産業振興部 久保】

The Pitch賞(優勝) 九大起業部NOVIGO

※(一社)StartupGoGoについて・2014年設立の起業家支援団体(代表:岸原稔泰氏)・九州最大級Startupイベント「StartupGoGo」を毎年開催・ 大企業×ベンチャー:西鉄、ニシム電子工業、凸版印刷等の

オープンイノベーションプログラムの企画運営・ コワーキングスペース天神カラー運営(日本政策金融公庫・西

鉄と三社共同運営)・ 主要パートナー:経済産業省(NEDO)、総務省(NICT)、福岡

県、福岡市、IBM、西鉄、福岡銀行、西日本シティ銀行、Microsoft, Amazon Web Serviceなど

上海IT起業家、台湾交通大学のセッション

海外を目指すベンチャーのセッション

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九経連月報 2017/1216

1.�開会挨拶(北陸経済連合会� 久和進会長〔北陸電力㈱�会長〕)

わが国経済は緩やかな回復基調が続いているが、米国の保護主義的な政策に加え、国内の個人消費の伸び悩みや労働力不足の顕在化など先行きの懸念材料も多く、デフレ脱却を確実なものとし日本再興を実現する上での正念場を迎えている。

日本再興のためには、地方の魅力を最大限に引き出すことで地方の活性化を図ると共に、

国全体の課題である東京一極集中を打破することが必要である。グローバル競争が激化し人口減少と少子高齢化が急速に進行する中、西日本の各地域においてはそれぞれの地域特性を活かし地域が有する産業、資源、人材を活用し、地域の活性化に全力を挙げて取り組んでいる。

われわれ6経済連合会は、各地域が持つ魅力や強みを更に高めると共に、互いに切磋琢磨しながら活力ある地域を創生していかなけ

西日本経済協議会 第59回総会

と き 10月4日(水)

ところ 石川県金沢市・ANAクラウンプラザホテル金沢

出席者 180名

中部・北陸以西の6つの経済連合会(中部、北陸、関西、中国、四国、九州)で構成する西日本経済協議会※の総会を金沢市で開催した。総会には、各地経済連合会の会長や会員企業の代表者など総勢180名が参加し、統一テーマ

「活力と魅力溢れる地域の実現による日本再興への貢献-東京一極集中の打破-」に基づいた各地経済連合会の代表者による意見交換を行い、提言としてとりまとめた。

「活力と魅力溢れる地域の実現による日本再興への貢献」を統一テーマに意見交換

※ 西日本地域の産業人の意思疎通、交流基盤の整備を図り、広域的構想を持って西日本ひいては日本の発展に寄与すべく、昭和40年に設立。毎年総会を開催し、時代の潮流に合わせた統一テーマのもと決議を取りまとめ、関係各方面への提言・要望などを実施。

総会全景

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2017/12 九経連月報 17

ればならない。西日本各地域のGRPを合わせるとわが国のおよそ50%を占めており、国が掲げる2020年度GDP600兆円達成に向けて、西日本としてもGRP300兆円を目指さなくてはならない。西日本の各地域が互いに連携、協力し、活力と魅力溢れる地域を実現し日本再興に貢献していくという気概を持って、自ら積極的に取り組みを進めていきたい。

2.各地経済連合会からの意見(発言順)(1)�「経済界から自らが『まず声をあげる』、

『とにかく動く』」�(一社)中部経済連合会�豊田鐵郎会長(㈱豊田自動織機 会長)

昨年就任以降、提言・要望等で「まず声をあげる」こと、実現に向けて「とにかく動く」ことを基本姿勢としている。税制、交通インフラ、規制、特区、経済外交など国の骨格作りに対し、グローバルに社会・市場が変化する中で、第一線で活動する経済界がまず声をあげ、ニーズや具体策を要望・提言していく。

イノベーション力を強化していくための産学連携のあり方を議論し、新たな産業構造へ転換していくことが必要との認識のもと、イノベーション創出の仕組み構築を推進するための「イノベーション委員会」設置など、新たな取り組みを行っている。

中部経済連合会は、東日本大震災以降5年にわたり、民間企業が自主的に行う防災・減災対策に対する税制優遇を要望してきた。政府における検討へ向けた動きも出てきており、西日本経済協議会として一体となり推進すべく、要望・署名活動にご協力いただきたい。

(2)�「夢と希望にあふれた活力ある関西の創造を目指して」�(公社)関西経済連合会�松本正義会長(住友電気工業㈱ 会長)

わが国経済が引き続き大きな課題に直面し、世界の政治経済も時代を画するような変動要

因を抱えているこの時期に会長を仰せつかり重責を感じている。微力ながら全力を尽くしてまいりたい。

関西経済連合会は、「グローバリゼーション(インバウンド観光の推進、IRの誘致検討)」「地方創生(地方分権・道州制、リニア中央新幹線の早期開業や北陸新幹線の早期完成などインフラ整備)」「イノベーション(健康・医療、航空機・航空エンジン、環境・エネルギー、ロボット・人工知能を中心とした産業振興)」「スポーツ(ワールドマスターズゲームズ2021関西など)」という4つの視点を重視して推進していく。

今年4月に正式立候補がなされた国際博覧会については、西日本経済協議会としても、2025年国際博覧会を大阪・関西で開催することへの期待感の高まりを示すとともに、誘致に向けた国内の機運醸成や海外PRに一丸となって取り組む決意を表明するためにも、本総会において共同宣言として採択いただくようお願い申し上げる。

(3)�「四国創生による日本再興への貢献」�四国経済連合会 千葉昭会長(四国電力㈱�会長)

四国地方では、少子高齢化や人口流出、インフラ整備の遅れ、南海トラフ地震の懸念など成長制約要因を抱えており、こうした課題に挑戦しながら、わが国を形成する一地方としての責務を果たしていかなければならない。

今年7月、オール四国・官民一体の推進組織「四国新幹線整備促進期成会」を設立し、四国新幹線の整備計画格上げに向けた調査の予算計上や、新幹線建設予算の大幅増額を柱とする提言をまとめ、国などへ要望した。四国新幹線は、今後の四国地方の将来を見据えた地域づくりに必要不可欠なインフラであるのみならず、広域交流圏の形成、国土軸のリ

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九経連月報 2017/1218

ダンダンシー確保による災害耐力の向上、国土全体の一段の有効活用にも大きく寄与するものである。

また、外国人延べ宿泊者数が急増しているものの、その全国シェアは依然1%に満たず、成長余地は極めて大きい。四国遍路や瀬戸内海など世界に誇るべき素材をアピールし、インバウンドを始めとする観光振興に取り組む。

(4)�「九州から日本を動かす!�Move�JAPAN�forward�from�九州!」(一社)九州経済連合会�麻生泰会長(麻生セメント㈱�会長)

私たち経済団体は、もっとスピード感を持って明るく真剣に動きを作り出すことが大事であり、わが国経済の現状に対しての危機感、次世代への責任感、企業的視点を持って目標を定め、具体的に行動し、GDP拡大へのリーダーシップや影響力を発揮していくことが役割だと思う。

インバウンド観光については、九州への外国人入国者数168万人(2014年)が372万人

(2016年)へと毎年30%以上の伸びが続いており、これを786万人(2023年)に、観光消費額は2.2兆円(2014年)が2.4兆円(2016年)となり、これを4兆円(2023年)にする目標をそれぞれ掲げ、特に旅行消費単価は11万円(2016年)から15万円(2023年)を目標に滞在日数・消費額の拡大を図っている。

また、農林水産物の輸出拡大は九州経済発展の重要なカギであり、この第一次産業での稼ぐ力を高め地方創生のモデルを作ることが九州独自の尖りづくりのひとつ。その為に九州農水産物直販㈱を通じた農畜産物等の香港、シンガポール等アジアへの販売や、空港コールドチェーン等輸出インフラの整備、IoT等新技術を活用した生産効率化・高度化の支援などに取り組む。都会で暮らす若者たちが後継者として地方へ戻りたいと思ってもらえるよ

うに、第一次産業での手取り金額の向上という大きな魅力を私たち現役世代が協力して推し進めていきたい。

人生90年時代の到来。少子高齢化の先進国に居る私たちがこの問題へ挑戦していくには変革が必要だと思う。一度の与えられた人生。健康寿命を延ばし、最後まで大いに社会へ参画し、地域に役立ち、次世代を育てる支援をしたいと思う。企業人は60代半ばで定年を迎えるが、仕事があれば健康寿命が延び、高齢者の介護費用が減れば国民一人あたりの負担減少にもつながる。40~60代がもう一度勉強し直し、高齢者になっても社会で活躍できるという勉強や活躍の場づくりを企業・行政・大学が提供し、第二の人生に出発するための教育・研修の機会を設けていくこともこれからは重要な課題であると思う。

(5)�「活力に溢れ豊かさが実感できる中国地方の実現を目指して」�(一社)中国経済連合会�苅田知英会長(中国電力㈱ 会長)

昨年、中国地方の目指す将来像と今後の取り組みを明らかにした「中国経済連合会ビジョン」をとりまとめ、さらに今年度は向こう3年間の目標・ロードマップを示したアクションプランを策定し、産業づくり、地域づくり、人づくりを3本柱に事業を推進している。

産業づくりでは、生産性および付加価値向上に向けた生産・サービス現場へのIoT実装に取り組み始めたほか、次代を拓く新たな成長産業を創出する観点からデジタル技術を駆使し中国地方のビジネス革新拠点となる「デジ

麻生会長

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2017/12 九経連月報 19

タルイノベーションセンター」の構築を進めている。また、インバウンド観光は、昨年の外国人延べ宿泊者数が対前年17.6%増と、全国の約3倍の高い伸びだが、実数では137万人泊と全国シェアでは2%にとどまっているため、外国人延べ宿泊者数150万人泊(2020年)を目標に、Free Wi-Fiアプリを活用した観光ポータルサイトによる情報発信や、外国人観光案内所の整備、ハラル等への対応に取り組む。

人づくりでは、中国地方の大学新卒就職率10%以上の向上を目指し、地元企業への就職意識向上に向けたインターンシップの仕組みづくり、地域での起業支援等に取り組む。

(6)�「東京一極集中の打破」�北陸経済連合会�髙木繁雄副会長(㈱北陸銀行 特別参与)

東京圏の人口が増える一方、多くの地方の人口は減少しており、東京一極集中が続いている。この状況を打破し、人材の地方定着、地方回帰による定住人口増加を目指すべく、特に女性ならびに若者の活躍による地域力向上に取り組む。

社会基盤整備においては、北陸新幹線の利用客が開業前の予想を大きく上回りわずか2年3ヶ月で2千万人を達成し、地域に大きなインパクトを与えている。金沢-敦賀間の2022年度までの開業はもとより、このような経済効果があるインフラ整備については、更なる前倒しの実現も期待している。

広域観光振興においては、現在の東京-大阪間のゴールデンルートに加えて、北陸新幹線で環状に結んだゴールデンループを形成し、国内観光はもちろんインバウンド観光客の取り込みを図っていきたい。

産業振興においては、現在の産業の更なる発展を図るとともに、「北陸産業競争力強化戦略」に基づき、ライフサイエンス産業、高機

能新素材産業の拠点形成など更なる産業振興に取り組む。

3.決議採択西日本各地域からの意見を踏まえて、以下を

柱とする総会決議を採択し、11月10日に6経済連合会の代表者が政府与党等に直接訴えた。

なお、(一社)中部経済連合会 豊田会長からの「企業の防災・減災対策に対する優遇税制の整備」に向けた活動への協力依頼があり、西日本経済協議会として一緒に取り組んでいくこととした。

【総務広報部 岩佐】

〔提言項目〕 活力と魅力溢れる地域の実現による日本再興への貢献 - 東京一極集中の打破 -Ⅰ 地域産業の振興・活性化 1 .地域産業構造の高度化と海外活力

の取り込み促進 2.観光振興 3.人口減少社会への対応Ⅱ 地域の成長を支える社会基盤の整備 1 .産業の基盤であるエネルギーの安

定的供給体制の構築 2 .広域連携と国土強靭化に資するイ

ンフラの整備 3 .地域の自立・活性化につながる地

方分権改革の推進〔共同宣言〕 2025年国際博覧会の大阪・関西誘致に向けた共同宣言

※ 西日本経済協議会第59回総会決議の詳細については、九経連ホームページ「提言・要望/報告書」をご覧下さい。

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九経連月報 2017/1220

グランメッセ熊本コンベンションホールにて「空港を活用した地域振興セミナーin熊本」を開催した。

熊本空港では、平成32年度からコンセッション方式による空港運営の民間委託が決定していることもあり、定員150名は申込みの時点でほぼ埋まる盛況の中での開催となった。

冒頭、本セミナー座長の慶應義塾大学商学部教授の加藤一誠氏による開会挨拶の後、講演第1部では地元熊本県企画振興部交通政策・情報局長藤井一恵氏より「阿蘇くまもと空港の現状と取り組み~空港や地域航空による地域活性化~」と題して、講演をいただいた。熊本県では熊本地震からの創造的復興と位置づけて、空港アクセスの改善など、新たな空港の模索と地域航空天草エアラインの現状などが報告された。

講演第2部では、国土交通省航空局空港施設高度利用推進室長井上慶司氏と地方航空活性化推進室長藤林健太郎氏のお二人にお話をいただいた。

まず、井上氏からは「空港を核とした地域活性化~熊本空港ビル早期再建に向けて~」と題して、近年の航空輸送の動向と、地方空

港の経営改革としての訪日誘客支援空港の施策について、さらに先行事例をもとに熊本空港の早期本格再建についての説明があった。

続いて、藤林氏からは「地域航空の現状と課題」と題して、地域航空ネットワーク5社の現状と、その厳しい経営環境をもとに「持続可能な地域航空のあり方に関する検討会」での提言等についての説明があった。

休憩後、前出の3名の講師に加藤座長と㈱MK総合研究所代表幕亮二氏が加わり、参加者からのアンケートをもとにパネルディスカッションを行った。参加者のアンケートには、企業関係者ならではの本音の質問も見られたが、加藤座長の絶妙のコーディネートと、今回はオブザーバー参加で、前回の鹿児島では出講いただいた空港経営改革推進室長山崎雅生氏からの詳細な説明もあり、今回も盛会裏にセミナーを終了した。

◎空港を活用した地域振興セミナーについて本会では、今年度の取り組みとして、福岡

空港以外の九州内空港の活性化により地方創生に結び付ける官民双方の取り組みをテーマとしたセミナーを、福岡市以外を会場として順次、企画・実施していく。

 【社会基盤部 藤岡】

と き 10月20日(金)

ところ 熊本県上益城郡・グランメッセ熊本

出席者 140名

空港を活用した地域振興セミナー in 熊本を開催

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2017/12 九経連月報 21

当会は(一社)日本原子力学会九州支部との共催でエネルギー講演会を開催した。この講演会は10月26日の「原子力の日」に因み、昭和51年、九経連内に九州原子力懇談会を設立した年から行っている。

今回は、長岡技術科学大学安全安心社会研究センター客員研究員の吉澤厚文氏と東京大学教養学部附属教養教育高度化機構客員准教授の松本真由美氏の2名の講師による2部制。

第1部講師の吉澤氏は、東日本大震災時に東京電力㈱福島第一原子力発電所で事故が起きた際の5/6号のユニット所長で、故吉田昌郎所長と共に現地で被害の拡大を防いだ所謂

「フクシマ・フィフティ」の一人。今回は、この福島の事故を中心にご講演いただいた。

講演の冒頭、吉澤氏は福島の事故で多くの方々に迷惑をかけた事への陳謝の後、地震・津波で電源を喪失し、照明やモニタリング機能を大きく損ない、放射能レベルも急上昇している環境の中で、吉田所長以下発電所員や協力会社社員たちによる命がけでの取り組み等について説明した。

この中で吉澤氏は、震災当日、構内バースにて給油を行っていた重油タンカーが地震発生後、的確な判断により緊急離岸した事で、その後の状況の更なる悪化を防いだ事例等を紹介した。

この行動の背景には、どのような事態においても目的とする動作を継続または回復するための能力を備える「レジリエンス・エンジ

ニアリング」が存在していると説き、そしてこのシステムの源泉は「人」であるとしている。

その上で、この様な緊急事態は現場で起きる事から「現場力」を高めていく事が重要であるとしている。

また、第2部では、東京大学の松本客員准教授が国内外における最近のエネルギー情勢について講演を行った。

松本氏は、幼少期を熊本県で過ごした後、大学在学中からテレビのレポーターとしての活動を始め、その後NHK-BS「ワールドレポート」のキャスター等を歴任。現在、東京大学教養学部で科学コミュニケーションの研究を行われている傍ら、経済産業省の「再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会」の委員を務められている。

今回の講演では、昨年11月のパリ協定以降の各国のエネルギー政策の内容、特に脱炭素の動向について解説した。

特に再エネについては、講演前に視察した九州電力㈱中央給電指令所で説明を受けた九州内での再エネの現状(設備容量ベースで3割、需給バランスと共に関門連系線などの設備も限界に近い事から出力抑制の可能性が高い事)について言及された。

九州エネルギー問題懇話会では、今後も、経済団体に広くエネルギー問題の理解を深めてもらうため、タイムリーな話題でエネルギー講演会を開催していく。

【エネ懇 山田】

九州エネルギー問題懇話会

と き 10月30日(月)

ところ 福岡市・電気ビル共創館

出席者 126名

「福島第一原子力発電所事故の振り返り」「国内外における最近のエネルギー情勢」について~エネルギー講演会を開催~

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九経連月報 2017/1222

オリンピック・パラリンピック等経済界協議会、福岡商工会議所、九経連の主催により、企業合同物産展「福岡JAPAN市」を、福岡市天神の福銀本店広場と天神ビルにて開催した。「2020東京大会1000日前の盛り上げ」と、

それを契機とした「東北・九州の復興」の後押しを主たる狙いとして、東北3県(岩手・宮城・福島)と九州3県(福岡・大分・熊本)の物産展、東京2020公式グッズの販売、パラスポーツ「ボッチャ」の体験コーナーなどを実施した。

オリンピック・パラリンピック等経済界協議会主催の企業合同物産展は、東京(H28.11月)、名古屋(H29.5月)、仙台(H29.8月)に続く4都市目の開催であり、九州では初の開催となる。

今回のイベントには九経連の会員企業を中心に、福岡の企業約50社が参加し、延べ300人を超える社員がボランティアとして、イベントをサポートした。

2日間とも快晴に恵まれ、各県のゆるキャラも勢揃いし、約3,500人の来場者が訪れた。

また最終日には、協議会会長でもある豊田章男社長(トヨタ自動車)も激励に訪れるなど、大いに盛り上がった。

九州では、2019ラグビーワールドカップの会場が3会場あり、そのうち熊本県では、2019年に女子ハンドボール世界選手権大会、さらに2021年には福岡市で世界水泳選手権大会も開催される。

今 回 の イ ベ ン ト を 通 じ、 今 後、2019 年、2020年に向けて、地元の経済界が原動力となり、九州をますます盛り上げ、地域経済の活性化に繋げていきたい。

【企画調査部 重吉】

と き 10月26日(木)~27日(金)

ところ 福岡市・福岡銀行本店広場、天神ビル

主催者 オリンピック・パラリンピック等経済界協議会・福岡商工会議所・九経連

来場者 約3,500名

企業合同物産展「福岡JAPAN市 東北・九州復興編」を開催

熊本県ブース

ボッチャ体験ブース 大分県ブース

福島県ブース・豊田社長

福岡県ブース

宮城県ブース

岩手県ブース

プレスセレモニー

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2017/12 九経連月報 23

アラブ首長国連邦(UAE)は日本との長期的協調戦略の一環として、2018年3月に日本へのビジネスミッション派遣とビジネスマッチングの開催を予定している。そこで本会は駐日UAE大使館や中小企業庁、日本貿易振興機構(ジェトロ)、九州経済産業局などとともに同国経済省局長や現地法律事務所CEOらを講師に迎え、同国経済についての九州企業の理解を深める目的で標記セミナーを開催した。

冒頭、同国のカリド・オムラン・アルアメリ駐日大使(=写真)は開会挨拶において「UAEは日本の誠実さや高度な技術に深い信頼を寄せており、特に石油化学、淡水化技術、ロボティクス、金属、バイオサイエンス、ヘルスケア、航空宇宙などの分野が今後重要となる」と述べ、日本とのさらなる経済協力と九州企業による同国への投資の検討に期待を示した。

続いて同国経済省投資貿易促進局長のモハンマド・ハムダン・アルザービ氏が「UAEの経済情勢」と題して講演した。講演の中で同氏は「UAEはサウジアラビアに次いで中東第2位の経済大国。2021年までに世界最良の国となることを目指し策定した『UAEビジョン2021』に掲げた国家優先事項に沿ってイノベーションにおける世界のリーダーとなることを目指している」と述べた。

次にエミレーツ・アドヴォケイツ&リーガル・コンサルタンツのユーセフ・ザルメ・サイード・シニアパートナー&CEOが「UAEへの外国直接投資に関する法体系」のテーマで講演した。同氏は事例を紹介しながら、国際基準に合致するよう進めてきた投資関連の法改正によって多くの外資参入の規制かつ手続きの障壁が撤廃されることを強調した。

セミナーではさらにジェトロ海外調査部中東アフリカ課長の常味高志氏より同国のビジネス環境について、また中東協力センター副事務局長の杉浦純氏より同センターの事業について紹介があった。

【国際部 岡】

九州域外企業の九州への農業参入促進を図るため、九州各県等の後援も得て、今年で5回目となる「企業による農業参入セミナーin東京」を日本経済団体連合会と共催した。

冒頭、十倉雅和副会長・農業活性化委員長(住友化学社長)は、「企業の資金・技術・経営ノウハウを活用して、規模拡大、経営効率化、高付加価値化など生産性の向上を実現できる。農業はIT技術との相性も良く、先端産業になるポテンシャルを有している」と期待感を述べた。

第1部は、「強い農業をつくる」と題して、パネルディスカッション(コーディネーター:福岡女子大学副学長 新開章司氏、パネリスト:東日本旅客鉄道㈱事業創造本部地域活性化部門次長 名川進氏、㈱ファーム・アライアンス・マネジメント代表取締役 松本武氏、㈱春一番代表取締役 吉満隆裕氏、㈱鹿児島銀行地域開発部アグリクラスター推進室室長 松元志朗氏)を行った。

政府局長や駐日大使らが来日し最新経済情勢とビジネス環境を紹介~アラブ首長国連邦(UAE)投資セミナーを開催~

第5回「企業による農業参入セミナーin東京」を開催

と き  10月13日(金)ところ  福岡市・電気ビル本館出席者  50名

と き  10月25日(水)ところ  東京都・経団連会館出席者  109名

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九経連月報 2017/1224

東日本の名川氏は、「地域活性化の観点で農業に参入し、地域をどう元気にしていくか、地域と連携しプロジェクトを立ち上げて取り組んでいる。地域とのつながりを効率よく、しっかりとできるかが課題」と述べた。次に、鹿銀の松元氏、春一番の吉満氏は、「基幹産業の農業が衰退すると2次、3次産業へ波及し、県の経営基盤が衰退する。生産者の立場となって、農業を魅力ある産業にしたいとの思いで鹿銀が中心となり春一番を設立した。耕作放棄地に相続未登記があって断念した経緯もあり、相続未登記について何らかの解決策が必要」と述べた。ファーム社の松本氏は、国際認証規格の考え方、物流耐性を考慮した輸出産品の生産等の重要性等を説明。「農産物輸出では、グローバルGAP等国際認証の取得が必要。いろんな選択肢から検討し農業への第一歩を踏み出してほしい」と述べた。

新開副学長は、「農業参入により、地域を基盤とする企業には、基盤産業の農業を活性化することで自社事業にも効果をもたらす。今後、海外を視野に入れた時、認証の取得は不可欠になってくる」とまとめた。

第2部では、大分県、宮崎県の担当者が、農業参入の支援体制や支援策等について、参入事例の紹介を含めプレゼンテーションを行い、参入の検討を促した。その他九州各県の農業参入支援窓口については、九経連事務局から説明した。

最後に、小池光一副会長・農林水産委員長(宮崎銀行会長)は、「新技術導入やGAP等の実践に取り組める事業者の掘り起しや企業参入の促進が必要。グローバルGAPの取得支援や若い担い手の確保が重要で、企業の農業参入は雇用創出で地域活性化につながる」と結んだ。

その後、第3部の個別相談は、同会場内の各県相談コーナーにおいて、事前申し込みのあった企業と参加県の担当者との間で実施した。 【農林水産部 中山】

恒例の秋の叙勲・褒章で、本会会員より下記の方々が受章されました。心よりお慶び申し上げます。

旭日大綬章麻生  渡  ㈻福岡工業大学 最高顧問齋藤 勝利  第一生命保険㈱ 特別顧問

旭日重光章伊藤 源嗣  ㈱IHI 特別顧問木瀬 照雄  TOTO㈱ 特別顧問 旭日中綬章川畑 俊彦  南生建設㈱ 社長 旭日小綬章清本 英男  清本鐵工㈱ 会長佐藤 勇夫  ㈱宮崎銀行 相談役大城 勇夫  ㈱琉球銀行 相談役

黄綬褒章大迫 正男  ㈱ゼンリン 会長 藍綬褒章関根 知之  飯野海運㈱ 相談役

秋の叙勲・褒章受章者

叙勲受章者 褒章受章者

(種類順、敬称略)

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2017/12 九経連月報 25

平成29年度林業部会第1回事業WG(座長:角博・九州木材工業㈱社長)を開催した。構成委員の変更、農水省への要望活動結果、今期の事業進捗状況について事務局より報告。その後、九州森林管理局より北部九州豪雨の報告があった。加えて平成30年度要望(案)についての審議を行った。

※ホームページ「委員会活動実績」に詳細を掲載

平成29年度林業部会第1回調査・研究WG(座長:藤掛一郎・宮崎大学教授)を開催した。まず、藤掛座長による「将来にわたる人工林資源の利用可能性についての検討:宮崎県民有林でのシミュレーションから」という題目での講演の後、質疑応答を行い活発な意見交換となった。

※ホームページ「委員会活動実績」に詳細を掲載

今回の企画部会は2部構成とし、午前中に会議、午後からは視察を実施した。会議では、事務局より平成29年度上期活動実績を報告し、要望事項の素案策定等の下期事業計画を説明した。その後の視察では、㈱オプティムが取り組むドローンやIoT等を活用したスマート農業実証試験の現地視察(佐賀大学農学部圃場、有明海域のノリ養殖場)を行った。

※ホームページ「委員会活動実績」に詳細を掲載

中部、北陸、関西、中国、四国、九州の6経済連合会で構成する西日本経済協議会は、金沢市において第59回総会を開催した。「活力と魅力溢れる地域の実現による日本再興への貢献-東京一極集中の打破-」を統一テーマに、各地経済連合会の代表者による意見交換を行った後、政府への提言を取りまとめた。 ※本誌16~19ページに詳細を掲載

九州大学など九州・沖縄の12大学、トヨタ自動車九州など地元企業12社、経済団体6団体で構成する「九州・大学発ベンチャー振興会議」の下部機関として設置された実践会議(議長:二橋岩雄・トヨタ自動車九州㈱会長)の第2回会合が開かれ、大学発ベンチャーに関する各大学や産業界の取り組みについて意見交換を行った。本会議の議論の結果を踏まえ、来年3月開催予定の振興会議で取り組み成果をプレス発表することとした。

事務局からの当年度事業進捗状況報告と関係機関からの取り組み紹介に続き、下期の主要事業である第16回環黄海経済・技術交流会議およびミャンマー・ベトナム経済交流ミッション、更には次年度事業の方向性に関する意見交換、質疑応答を行った。また幹事会の後半には、経済産業省から講師を招き、先の日EU・EPA(経済連携協定)大枠合意に関する情報提供を行った。

第1部として、見学会を開催し、新日鐵住金㈱八幡製鐵所にて製鐵所の概要説明を受けた後、高炉、圧延工場を見学した。第2部では、今年度の事業計画と上期の取り組み状況を本部より報告し、その後、内閣官房日本経済再生総合事務局より「未来投資戦略2017」についてご講演いただいた。

※ホームページ「委員会活動実績」に詳細を掲載

まず、国への要望事項について審議し、養殖業を国家戦略とする旨を大項目に、小項目として具体的な事案を記載することとなった。続いて、アリババ事業に参画している企業の担当者会議を開催し、相互に情報交換を密にし、課題解決にあたることとした。レクチャーとして㈱アプロジャパンの白石俊訓社長より、同社設立の経緯とブリ養殖への思いを語っていただき、

「ブリを国魚」とする提案に賛同する意見等があった。 ※ホームページ「委員会活動実績」に詳細を掲載

佐賀県内で創業70年を超える2社を視察した。まず、船舶用エンジンのシリンダライナで大きなシェアをもつ東亜工機㈱の谷田工場にて、原料の溶解から仕上げまでの生産工程を視察。その後、金属プレス機を製造している森鉄工㈱にて、プレス機の製造工程とともに、工数や手間を削減する工夫や取り組みを併せて視察した。 ※ホームページ「委員会活動実績」に詳細を掲載

平成29年度の国際委員会の上期事業実績と下期事業計画を事務局より説明するとともに、九経連全体としての海外関連事業について各部より説明。また議事終了後には、同日開催のアラブ首長国連邦(UAE)投資セミナーのため来日中の同国経済省の局長や法律事務所CEO、駐日大使との名刺交換会を開催した。

※ホームページ「委員会活動実績」に詳細を掲載

冒頭、アラブ首長国連邦(UAE)のカリド・オムラン・アルアメリ駐日大使より挨拶があり、続いて同国経済省のモハンマド・ハムダン・アルザービ投資貿易促進局長とエミレーツ・アドヴォケイツ&リーガル・コンサルタンツのユーセフ・ザルメ・サイード・シニアパートナー&CEO、ジェトロ海外調査部の常味高志中東アフリカ課長、中東協力センターの杉浦純副事務局長を招いての、九州企業による同国への投資呼びかけを目的としたセミナーを開催した。 ※本誌23ページに詳細を掲載

2日(月)� [福岡市・九経連会議室]

農林水産委員会林業部会第1回調査・研究WG出席者:28名

3日(火)�[佐賀市・佐賀大学農学部運営会議室、佐賀大学農学部圃場他]

農林水産委員会第2回企画部会出席者:会議:20名、視察:28名

2日(月)� [福岡市・九経連会議室]

農林水産委員会林業部会第1回事業WG出席者:28名

10日(火)� [福岡市・電気ビル共創館]

九州経済国際化推進機構幹事会出席者:46名

11日(水)� [北九州市・新日鐵住金㈱八幡製鐵所、リーガロイヤルホテル小倉]

第1回北九州地域委員会出席者:見学会:29名、委員会:48名

11日(水)� [福岡県大川市・㈱アプロジャパン九州工場]

農林水産委員会第2回水産部会出席者:16名

12日(木)� [佐賀県鹿島市・東亜工機㈱、森鉄工㈱]

第1回佐賀地域委員会・視察会出席者:27名

13日(金)� [福岡市・九経連会議室]

国際委員会企画部会出席者:26名

4日(水)� [石川県金沢市・ANAクラウンプラザホテル金沢]

西日本経済協議会第59回総会出席者:180名

5日(木)� [福岡市・電気ビル共創館]

第2回九州・大学発ベンチャー振興実践会議出席者:61名

日誌

10月

13日(金)� [福岡市・電気ビル本館]

アラブ首長国連邦(UAE)投資セミナー~最新経済情勢とビジネス環境~出席者:50名

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九経連月報 2017/1226

基調講演では、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局の新川達也総務課長より「電力・ガスのシステム改革の現状と今後」と題し、ご講演いただいた。引き続き、事務局から当委員会等の上期活動状況について報告、また、直前に集約したエネルギー・環境に関するアンケートの分析結果についても報告した。

※ホームページ「委員会活動実績」に詳細を掲載

第1部では、上期活動実績及び下期活動計画について報告。また、7月に手交した国への要望書に対する国の関係機関の動向について報告、説明した。第2部の講演会では、田島山業㈱

(大分県日田市)田島信太郎社長より、林業の現状と同社の取り組みについて、東町漁業協同組合(鹿児島県長島町)山下伸吾参事より、ブリの輸出戦略と今後の展望について、それぞれご講演いただいた。

※ホームページ「委員会活動実績」に詳細を掲載

女性経営者および女性管理職の有志で構成する九経連・九州女性の会の10月例会では、今年2月に福岡県「子育て応援宣言企業6000社大会」で知事表彰を受賞した、エコー電子工業㈱の濵武康司社長を迎え、同社のワークライフバランスに関する取り組みについてご講演いただいた。

地方空港の利活用による地域振興をテーマに官民双方の取り組みを紹介するセミナーの第2回をグランメッセ熊本で開催した。地元熊本県行政と国交省航空局から熊本空港および地方航空会社の現状についての報告と対策について報告があり、特に熊本空港では、平成32年度にコンセッション方式で民営化することが決定していることもあり、多数のご参加をいただいた。

※本誌20ページに概要を掲載

九州大学病院(中島直樹国際診療支援センター長)、済生会福岡総合病院(関口直孝副院長)、城山国際医院(城山隆季院長)、医療法人祥仁会(千葉憲哉理事長)の4医療機関より、ご講演いただいた。テーマは、外国人患者受入れの課題と対策について。訪日外国人の急患対応と、医療渡航者対応の両面から、各院の取り組みを学んだ。 ※次号(1月号)にて講演要旨を掲載予定

新たな担い手としての企業の農業参入を促進することを目的として、経団連との共催で5回目となる標記セミナーを開催した。第1部では、パネルディスカッションを実施し、農業に参入した企業等に登壇いただき、「強い農業をつくる」をテーマに意見交換等を行った。第2部では大分県、宮崎県による企業の参入状況等のプレゼン、第3部では、希望された企業と参加県の個別相談を実施した。 ※本誌23ページに概要を掲載

㈱ワイビーエム岸山工場にて地中熱設備及び地盤改良機等の製品並びに組み立てライン等の工場見学の後、本社会議室に移り、研究会を開催した。

「省エネ基準を参考とした標準的なモデル試算事例」の紹介の後、その試算方法、フォーマット等について審議した。

オリンピック・パラリンピック等経済界協議会(会長:豊田章男トヨタ自動車㈱社長)、福岡商工会議所、九経連の主催により、2020東京大会1000日前の盛り上げと東北・九州の復興をテーマとした、東北3県(岩手・宮城・福島)と九州3県(福岡・大分・熊本)の物産展を開催した。福岡の企業約50社が参加し、会場提供やボランティア等でイベントをサポートした。

※本誌22ページに概要を掲載

これからスタートする介護職技能実習制度について、負担やリスクへの理解が不十分なまま受入れを決定している介護施設が多くあるため、今後介護現場で多くのトラブルが発生する可能性がある。WGとして、正しい情報を啓蒙するシンポジウムを開催することになった。

※ホームページ「委員会活動実績」に詳細を掲載

第16回アジア太平洋地域ITSフォーラム福岡大会が、来年5月に開催されることを受け、九経連としても大会を支援・協力している立場から、情報通信委員会と合同で最新のITSに関する官民双方の取り組みをテーマとした講演会を開催した。なお、講演会の最後には大会実行委員会から現在の進捗状況の報告と、さらなる支援、協力のお願いがあった。

※次号(1月号)にて講演要旨を掲載予定

18日(水)� [福岡市・電気ビル本館]

第1回農林水産委員会出席者:68名(内、講演会のみ参加18名)

18日(水)� [福岡市・九経連会議室]

九州女性の会10月例会出席者:12名

21日(土)� [福岡市・電気ビル共創館]

国際医療セミナー「九州の国際医療を考える」出席者:82名

25日(水)� [東京都千代田区・経団連会館]

企業による農業参入セミナーin東京出席者:109名

25日(水)�[佐賀県唐津市・㈱ワイビーエム(岸山工場、本社)]

第2回地中熱・九州モデル研究会出席者:18名

27日(金)�[福岡市・TKPガーデンシティ福岡渡辺通]

第19回外国人介護士受入れ検討WG出席者:16名

30日(月)� [福岡市・西鉄グランドホテル]

交通委員会・講演会出席者:132名

20日(金)� [熊本県上益城郡・グランメッセ熊本]

空港を活用した地域振興セミナーin熊本出席者:140名

26日(木)~27日(金)� �[福岡市・福岡銀行本店広場、天神ビル]

福岡JAPAN市来場者:約3,500名

17日(火)� [福岡市・電気ビル共創館]

第1回資源エネルギー・環境委員会出席者:74名

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2017/12 九経連月報 27

1.�2020年を契機としたパブリックセーフティの推進

NECは2020年を契機としたパブリックセーフティの取組みを推進している。コンセプトは「集まろうぜ」。大規模な国際スポーツイベントなどが開催され、人が集まると、アイディアやチャンス、熱気、感動が生まれるが、一方でリスクも高まる。そうした状況下でも、世界最先端の顔認証技術や行動検知の技術を結集させることにより、セーフティな環境をご提供したいと考えている。2.�海外の大規模国際スポーツイベントにおける警備体制

海外の大規模国際スポーツイベントでは、ライフル等を所持した軍隊や警察による、見せる警備が行われていた。一方で、ICTの活用があまり進んでおらず、以下のような課題があったと考えている。 ◦ 入場管理:カードによる本人確認が行わ

れていたが、厳格なチェックは行われておらず、不正侵入リスクが大きかった。

◦ 警備関係:連絡手段は無線機による音声通信のみであった。

◦ エリア監視:会場の入り口は混雑しており、非常に長い列ができている状況であった。

会場が様々な場所に点在する大規模な国際スポーツイベントにおいては、セーフティの面では非常に難しい対応が求められている。3.�安心安全なイベント運営に向けた警備関係の高度化支援

⑴顔認証技術による「顔パス入場」

NECは米国立標準技術研究所(NIST)の顔認証プログラムにおいて4回連続で第1位の評価を獲得している。静止画については0.3秒で160万件のデータベースを検索することができ、精度も他社比10倍以上という性能を誇る。指紋認証等では実現できなかった非接触かつ非拘束な認証が可能であり、高スループットで、厳格かつ適正な認証が可能である。⑵行動検知・解析による混雑検知・歩行者誘導

カメラの映像をもとに、個人を特定することなく、異常混雑や滞留状況をリアルタイムでモニタリングするもので、車いすや転倒、侵入、不審物の置き去り等が検知可能である。⑶ドローンによる巡回警備、即時状況把握

ドローンにより、スタジアム上空や沿岸の夜間巡回だけでなく、混雑時・災害時など人が近づきにくい状況の把握も行い、対策本部や警備員等への映像中継が可能である。⑷ SDN(Software Defined Network)によるシ

ンプルで柔軟なネットワークソフトウェアで管理するSDNの導入により、

通信ネットワークの構築・運用において、コスト削減とサービス提供の迅速化が実現可能である。4.NECの考える2020年以降の社会像

今回紹介した技術の開発・適用は、大規模な国際スポーツイベントの成功だけを目的としておらず、2020年を契機に、日本や世界全体がセーフティな環境になるところを目指している。2020年、そしてその先の未来へ向けて、新たな社会価値を提供し、レガシーとして残していきたいと考えている。

「2020年に向けたNECのパブリックセーフティの取組みについて」(平成29年9月19日(火)平成29年度第1回情報通信委員会)

日本電気㈱東京オリンピック・パラリンピック推進本部パブリックセーフティ推進室長

山際��昌宏

講演要旨

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九経連月報 2017/1228

1.IoT活用の国内の状況今年6月、企業に対し設備投資アンケート

を行ったところ「IoTを活用している」「活用する予定がある」と回答した企業は去年に比べて増えているものの「活用は全くしていない」「関心が無い」と回答した企業も増えており、二極化の兆しが感じられる。特に、「実際にIoTを導入してみたが劇的な効果が表れなかったため活用をやめた」と回答している企業が出てきており、そうした企業が増えることを懸念している。IoTの導入効果はAIによって左右されるが、AIはまだ成長段階であり、今後AIの進化とともに大きな効果が期待できるにもかかわらず現時点で活用を断念すれば、IoTによる差別化の恩恵を受けられない可能性がある。2.第4次産業革命の海外動向⑴人口ピラミッドによる比較

日本は60歳代の人口が最も多く、ドイツやアメリカに比べ高齢化が進んでいる。ドイツは人口ピラミッドでは日本の10年遅れで高齢化の影響を受けることが考えられるので、現在政府を挙げてインダストリー4.0に取り組んでいる。一方アメリカは若年層の比率が高いため、高齢化には関心が低く、若年層(ミレニアル層)を意識した戦略を立てている。⑵アメリカの動向

CES(Comsumer Electronics Show)は本来家電の見本市だが、今年は自動運転車の展示が目立つとともに多くの展示ブースでVRを利用したプロモーションが行われていた。基調講演では、家中の家電を音声で操作すること

(Amazon Alexaなど)や、5Gの世界が始まるのに伴い大量の画像データを迅速に判断する技術(緊急医療現場でのAR活用など)が普及し、

「社会が全て繋がる(Connected Everything)」ことが強調されていた。今後は日本のSociety5.0

と同様、繋がった時に新たな価値創造することが重要であり、それに向けてグローバル企業間で「経営の摺り合わせ」が行われている。そうした世界の動向についてもアンテナを高くしなければならない。ただし、技術の進化とともに会話がクラウド上に蓄積されるため、プライバシーが無くなることが危惧される。⑶ドイツの動向

3月に開催された国際情報通信技術見本市には安倍首相も視察に訪れ、日・独の大臣間でハノーバ宣言が締結された。今回の見本市ではVRに よ る 遠 隔 操 作 の 展 示 が 目 立 っ た。SAP、シーメンス、大手自動車会社等ではIoTの普及が進んでいるが、中小企業では、政府が色々支援を行っているもののまだまだ浸透しておらず、日本とほとんど変わらない。3.ブロックチェーンについて

ブロックチェーンは、ビットコインの中核技術としても使われている。ビットコインは、世界的にIT革命が進んでいるにもかかわらず、旧態依然とした中央集権型機関の非効率性への不満や、中央集権型システムにより大手IT企業に集約される個人情報の扱いに対する不信感などの要因が重なって誕生した。ブロックチェーンは、各個人のPCがサーバのような役割を果たす「P2P」ネットワーク技術で運用される。特徴としては、マイナー(P2Pを構成するメンバー)が複数に分散されており、データの改ざんにはマイナーの半数以上の同意が必要なことから、「改ざんが困難」なことが挙げられる。しかしながら最近は主要マイナーが中国に偏っているため、P2Pの分散性が損なわれていることが指摘されている。いずれにしても、第4次産業革命には欠かせない技術として成長が見込まれるので、その動向については関心を持ち続ける必要がある。

「第4次産業革命の海外動向とブロックチェーンについて」(平成29年9月19日(火)平成29年度第1回情報通信委員会)

㈱日本政策投資銀行産業調査部課長

青木��崇

講演要旨

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2017/12 九経連月報 29

<2017年9月1日入会>

新入会員紹介 Introduction of new members

会社概要

平成5年に創業し、働く女性を応援する情報

誌「アヴァンティ」を創刊。福岡、北九州の読

者登録企業1万社に無料配布しています。「女

性がいきいきと活躍する社会へ、社会を変え

る」をミッションに誌面づくりや読者と読者、

企業のつながりの場を提供しています。情報誌を

中心に、WEBメディア「avanti online」の

運営、イベント企画運営、企業や行政の機関

紙、広報誌の制作、ホームページ制作、女性

マーケティングと業務を広げてきました。

時代とともに顧客も変化し現在では、女性起

業家支援や女性活躍関連のイベント企画運営や

PR、福岡の女性の集客を目的とした観光や移

住などの地方創生関連等、売上の5割以上が自

治体関連です。

毎月さまざまなイベントを開催し、年にのべ

3千人を超える読者が集います。新しい時代に

向けて、WEBでの情報発信力を高め、女性向

け集客を目的とする企業や行政の集客・ブラン

ディングに貢献します。

会 社 名

設 立

代 表 者

事 業 内 容

従 業 員 数

本 社 所 在 地

電 話 番 号

ホームページ

株式会社アヴァンティ

1993(平成5)年10月

代表取締役社長 村山 由香里

情報誌出版、イベント企画、web

サイト運営、HP制作、マーケ

ティング、プロモーションなど

22名

〒810-0041

福岡市中央区大名2-6-26

092-724-3226

http://office.e-avanti.com/

http://www.e-avanti.com/

会�

社�

概�

株式会社アヴァンティ

読者の女性たちに

向け、一歩前に出る

勇気を喚起したいと

創業しました。「男

女平等」等の言葉は

一切使わず、楽しい

情報に織り交ぜて、

地元で働くリアルな

女性たちの生き方働

き方を取材し、新しい時代の息吹を感じて

もらえる誌面を作って24年。読者との顔の

見える関係づくりから、福岡の働く女性の

アイデアを活かす、女性向けのマーケティ

ングリサーチ、商品企画等の仕事も増えて

います。福岡の女性の元気と活躍をリード

する会社であり続けるため、さらに精進し

てまいります。

代表取締役社長 村山 由香里

Page 31: 2017/12 CONTENTSとは言えない食材調達を行っていることに始 まり、長男の中国地域の収益の一部が弟企業 からの店舗賃貸収入で賄われていたり、四国

九経連月報 2017/1230

<2017年9月1日入会>

新入会員紹介 Introduction of new members

会社概要

当社は1975年に日産自動車㈱九州工場(現日

産自動車九州㈱)の操業開始に合わせ、工場内

のメンテナンスを目的に起業いたしました。そ

の後日産自動車テクニカルセンターの製図・翻

訳やグループ内の整備要領書の編集業務などを

手がけ、1988年、現社名に変更。

創業当初よりの考えで「アイデアやメカトロ

ニクスでモノづくりに貢献できないものか」と

多角化に取り組み、1995年にモーター制御商

品を、1998年に福祉機器を、1999年に小型

アーク溶接機をと、商品開発に力を注いでまい

りました。

そしてこれらの開発で培われた技術が無人搬

送車(AGV)や非接触自動充電器といった現

在の主力製品へとつながっていきます。AGV

およびAGV用自動充電器「AERO FACE」

はトヨタ自動車や日産自動車などすべての車両

メーカーの国内外の生産工場で利用されており、

完成車メーカーの採用が呼び水となったこれら

の製品は、部品メーカーを含めた車両関連企業

に欠かせないものとして浸透していきました。

給電部と受電部が完全非接触での充電は、

バッテリー交換の必要がないAGVの完全無人

化と24時間連続稼働に対応でき、お客様の生産

ラインやロケーションに合わせたご要望を実現

するべく設計からのフルオーダーで製作する弊

社のAGVは自動車産業はもとより物流産業や

労働人口不足を背景としたあらゆる分野からの

ニーズの高まりと共にご好評を賜っております。

2017年12月期にはグループ売上高30億円突

破が確実だがこれに満足せず、100億円企業を目

指せるよう今後も更なる技術開発を続けていく。

会 社 名

設 立

代 表 者

事 業 内 容

従 業 員 数

本 社 所 在 地

電 話 番 号

関 連 会 社 等

ホームページ

株式会社ヘッズ

1975(昭和50)年1月

代表取締役 本田 啓一

・ 無人搬送車、搬送システムの設

計製作据付け

・非接触充電器の製造販売

・車両用生産設備工事一括請負

・ 自動車部品品質検査選別、倉庫

管理附帯業務請負

140名

〒800-0321

福岡県京都郡苅田町新浜町1-34

093-383-8886

・ファイブエージャパン株式会社 330名

・ヘッズエンジニアリングCO.,LTD.(タイランド) 10名

http://www.headscorp.co.jp

会�

社�

概�

株式会社ヘッズ

21世紀を迎え、世

界中が更なる改革を

推し進める中で、弊

社も新しい価値観を

みいだし、当社の経

営理念『誠実・努力・

感謝・信頼・奉仕』の

もと現代社会が抱え

ている省エネ、環境

汚染、高齢化社会な

どの解決しなければならない問題に貢献す

べく、人にやさしい感性のある製品を提供

できるよう努力してまいりました。新たな

アイデア・技術・製品開発に取り組む中

で、さまざまな人とのつながりに感謝する

場面は多く、とても大切な事だと感じてい

ます。今後、会員の皆様方との新しい人の

つながりと良い関係が築けますことを楽し

みにしておりますの

で宜しくお願い申し

上げます。

代表取締役 本田 啓一

Page 32: 2017/12 CONTENTSとは言えない食材調達を行っていることに始 まり、長男の中国地域の収益の一部が弟企業 からの店舗賃貸収入で賄われていたり、四国

2017/12 九経連月報 31

<2017年9月22日入会>

新入会員紹介 Introduction of new members

会社概要

ミライロではユニバーサルデザインのコンサ

ルティング事業を展開しています。社員の3人

に1人は障害者であり、当事者目線での提案を

強みとしています。

現代の日本においてユニバーサルデザインを

必要している人々は、高齢者が3,300万人、障

害者が788万人、ベビーカー利用者が315万人

います。更に彼らには共に過ごす家族や友人が

いるため、ユニバーサルデザインの市場は更に

大きいといえます。

誰もが安心して過ごせる社会の実現のために

は「ハード」と「ソフト」、この両者のバラン

スのとれた取り組みが必要です。

ハードのユニバーサルデザインとは、施設や

製品など物理的なユニバーサルデザインです。

私たちは施設・製品コンサルティング、デザイ

ンコンサルティングを展開し、多くの方々に配

慮した施設・製品・情報のあり方をご提案して

います。

一方、ソフトのユニバーサルデザインとは、

思いやりやお声がけなど目に見えないユニバー

サルデザインです。「ハードはすぐに変えられ

なくても、ハートはすぐに変えられる。」この

キャッチフレーズのもと、ユニバーサルマナー

検定、障害のあるモニターを活用したリサーチ

事業を展開し、高齢者や障害者など多様な方の

視点に立ち、向き合う術やサポート方法をお伝

えしています。これらの取り組みにより、社会

性と経済性を両立した、ビジネスとしてのユニ

バーサルデザインの導入を目指しています。

会 社 名

設 立

代 表 者

事 業 内 容

従 業 員 数

本 社 所 在 地

電 話 番 号

ホームページ

株式会社ミライロ

2010年6月2日

代表取締役社長 垣内 俊哉

1 .店舗、設備、製品のユニバー

サルデザイン化に伴う企画、設計

2 .バリアフリーマップの企画、

デザイン制作及び販売

3 .ユニバーサルデザインに関す

る各種情報の収集及び提供

4 .企業、行政、教育機関におけ

る教育及び研修

51名(正社員・契約社員・アルバ

イト含む)

〒532-0011 大阪府大阪市淀川区

西中島3-8-15新大阪松島ビル8F

06-6195-7853

http://www.mirairo.co.jp/

会�

社�

概�

株式会社ミライロ

弊社では障害を価

値に変える「バリア

バリュー」という理

念を掲げています。

人には誰しも苦手な

こと、辛い過去、コ

ンプレックスがあり

ます。一見ネガティ

ブなものに見えます

が、見方を変えれば、それらはすべて価値

になります。障害のある人、LGBTの人、

さまざまな人が持つ経験や視点を価値に変

え、弊社では全ての人にとって使いやす

い、見やすい、心地よい、ユニバーサルデ

ザインのコンサルティングを行っていま

す。バリアバリューの考え方で、日本を、

世界を革新していきます。

代表取締役社長 垣内 俊哉

Page 33: 2017/12 CONTENTSとは言えない食材調達を行っていることに始 まり、長男の中国地域の収益の一部が弟企業 からの店舗賃貸収入で賄われていたり、四国

九経連月報 2017/12

修学旅行誘致 九州7県合同キャラバン(10/4~6:関西、中国、四国)

10月4日から6日にかけ、大阪・倉敷・丸亀市の中学校11校、JR西日本、旅行会社4社ほかに対し修学旅行誘致のため、初めての九州7県合同キャラバン(各県教育旅行担当者11名・機構3名)を実施いたしました。

訪問する中で、現在は修学旅行先に関東を選定している倉敷の中学校長より、平成32年度より九州へ変更するとの非常に嬉しいお言葉をいただくことができました。

また40年間にわたり修学旅行で九州を選定していただいている、姫路市立中学校(35校)の校長会に出席させていただき、九州観光推進機構、渡邉事業本部長より校長会会長の飯塚様へ感謝状と記念品を贈呈いたしました。今後も九州7県合同キャラバンを継続し、1校でも多くの学校から九州を選定していただけるよう努めます。

日本専門観光雑誌『行楽』の読者イベントを活用した九州観光情報説明会(10/15:上海)

日本専門観光雑誌「行楽」の読者を集め、九州の魅力を発信するイベントを開催しました。当日は約50名の方にお越しいただき、九州各地の魅力やJR九州観光列車の説明を行いました。また会場内では、ラーメンテイスティングゲームやラーメン顔はめパネルで記念撮影などを行い、最後に九州に関するクイズ大会、九州特産品の抽選会を実施して、来場者の方々に大変喜んでいただきました。「九州の観光情報」を日本の文化や観光に高い関心を持つターゲット層に対し、直接PRができました。今後においても、より効果的な手法を検討し創意工夫を行うことで、内容を進化させ継続していきたいと考えます。

台北国際旅行博(ITF2017)(10/27~30:台北)今年も台湾最大級の旅行博覧会「台北国際旅行博(ITF

2017)」に出展し、九州観光のPRを行いました。開催期間中は雨模様の日もあって客足が心配されまし

たが、36.6万人の来場者が訪れるなど、台湾の方々の旅行に対する興味関心の高さがうかがえました。

ブース来場者からの質問で多かったのが二次交通に関するものです。今後更に増加が見込まれるFITの旅行者に対応するため、広域二次交通の強化並びに情報発信が必要だと改めて感じました。

総じて台湾の消費者に対し九州観光のタイムリーな情報を直接提供でき、台湾からの誘客促進を図るうえで、非常に有意義な機会となりました。

32

感動と物語の九州―歴史と文化を掘り下げる薀蓄の旅 21

雑誌やテレビの企画で「プロポーズはどういうシチュエーションで?」「どういうプロポーズの言葉が

ほしい」などといった特集がよく組まれている。恋人同士であるなら一番重要なことは“タイミング”で

あろうと思うが、夫婦になって長い年月を経ると、その時の二人の事情や社会、時代背景というものは記

憶が薄れて「場所」「言葉」だけが思い出されてくる。より相手の心を動かす場所とセリフが重要。では

どこで? そこで皆さんにすすめたいのが「恋人の聖地」。

「恋人の聖地」とは、全国各地の“プロポーズにふさわしいスポット”を「恋人の聖地」として認定する

プロジェクトで、平成18年から始まった企画である。NPO法人地域活性化支援センターが運営主体と

なり、ファッションデザイナーの桂由美氏、華道家の假屋崎省吾氏、女優の菊川怜氏などが選定委員とし

て参画。清里(山梨県)やお台場のヴィーナスフォート(東京)、日本平(静岡)などそうそうたる観光地が

約50か所ピックアップされて選定されている。

この「恋人の聖地」は九州では6つが選定されている。ぜひ何度か訪れて、素晴らしい二人の歴史の地

を作ってもらいたいもの。絶好のシチュエーションはいずれも整っているので、あとは相手の心を動かす

“決めゼリフ”を用意するだけである。今後もプロポーズの言葉コンテストは企画、継続されるので、ぜ

ひ作品を応募されてはいかがだろうか。残念ながら「絶対成功するプロポーズの言葉百選」というものは

まだ存在しない。

恋人の聖地を巡る旅〜愛が芽生えた歴史の地。〜

−福岡県(北九州市)、佐賀県(玄海町)、長崎県(佐世保市)、大分県(佐伯市)、宮崎県(綾町)、鹿児島県(鹿屋市)−

NEWS九州観光推進機構

ニュース九州観光推進機構

ニュース

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2017/12 九経連月報

ハウステンボス(佐世保市)

異国情緒漂う長崎にヨーロッパの街並みを再現して作られたテー

マパークで、面積はディズニーランドとディズニーシーを足した広

さがある。街中には運河が張り巡らされ、船で施設内を移動するの

も目玉。季節の花々やカウントダウンなどのイベントは特に人気が

高い。

浜野浦の棚田(玄海町)

玄海町の一角、入り江に面したこの地区は海岸から

山の斜面にかけてたくさんの棚田が連なる。浜野浦海

岸に流れ込む浜野浦川による浸食谷に築かれたこの棚田は日本の棚田百選に選定。

玄界灘の風景と四季折々に美しい姿を見せる棚田の風景は佐賀を代表する景勝地で

ある。

門司港レトロ/ブルーウイングもじ(恋のはね橋)(北九州市)

門司港に架かる橋で、大きさは全国でも最大級。歴史的建築物が建つ門司第一

船だまり両岸のレトロ地域を結ぶ遊歩道の一部として造られた。橋が跳ね上がっ

て閉じた後、1番目に手をつないで橋を渡った男女は、一生結ばれるというジン

クスがあるそう。

大分県マリンカルチャーセンター(佐伯市)

「日本の渚百選」に選定された元猿海岸に建ち、レジャーをはじめ、観光、学

習、宿泊施設を備える総合海洋施設。特に海水プールやプラネタリウムなどが

人気がある。高台にある「たかひら展望公園」か

らは眼下に、白い客船のようなセンターや波当津

海岸などリアス式海岸の美しい風景を眺めること

ができる。

創造の森〈酒泉の杜〉(綾町)

国内最大規模を誇る綾町の照葉樹林。創造の森は、遊歩道が整備され、この貴重

な自然を身近に体感できる。また、綾南川に架かる「ほたる橋」からは、5月下旬

から6月上旬にかけて、幾千のほたるが乱舞する幻想的な光のショーを見ることが

できる。近接する「酒泉の杜」はお酒をテーマにした産業観光施設。

かのやばら園(鹿屋市)

鹿屋市南西部の霧島ヶ丘公園にある。約8haに世界のバラ約4,000種、50,000株

と言う日本最大級を誇るバラのテーマパーク。テーマごとにわけられたバラの花壇

やバラのトンネルは見応え十分。また、日陰やベンチが適度に配置された園内は、

散策にもぴったり。バラの切り花体験などができる温室や、オーナーとして自分の

バラを育てることができる体験型の施設もある。

33

1日目  各地→長崎空港(長崎駅)→佐世保市[ハウステンボス]→玄海町[浜

野浦の棚田]→北九州市(泊)

2日目  北九州市[門司港レトロ、ブルーウイングもじ(恋のはね橋)]→佐伯

市[マリンカルチャーセンター]→綾町(泊)

3日目  綾町[創造の森〈酒泉の杜〉]→鹿屋市[かのやばら園]→鹿児島空

港(鹿児島中央駅)→各地

《問い合わせ先》一般社団法人 九州観光推進機構 TEL:092−751−2943

九州観光推進機構のホームページ http://www.welcomekyushu.jp「九州旅ネット」 も併せてご覧ください。

2泊3日コース北九州市

綾町

鹿屋市

鹿児島空港

佐伯市

那覇空港

与論空港

奄美空港笠利町

名瀬龍郷町

住用町

玄海町

長湯温泉

佐世保市長崎空港

鹿児島県

沖縄県

福岡県

佐賀県大分県

長崎県熊本県

宮崎県

山口県

島根県

与論島

沖永良部島

徳之島奄美諸島

喜界島

奄美大島

屋久島種子島

大隅諸島

ハウステンボス(佐世保市)

門司港レトロ/ブルーウイングもじ(恋のはね橋)(北九州市)

創造の森〈酒泉の杜〉(綾町)

かのやばら園(鹿屋市)

浜野浦の棚田(玄海町)

大分県マリンカルチャーセンター(佐伯市)

Page 35: 2017/12 CONTENTSとは言えない食材調達を行っていることに始 まり、長男の中国地域の収益の一部が弟企業 からの店舗賃貸収入で賄われていたり、四国

九経連月報 2017/1234

若者の県内定着の促進に向けて

山口 Yamaguchi

佐賀 Saga

「肥前さが幕末維新博覧会」前売入場券販売中!

山口県では、県内大学などの魅力発信や若者の県内定着の促進に向けて、県内全ての大学・短期大学が参加した「大学リーグやまぐち」を設立し、この大学リーグと連携・協働しながら、さまざまな取り組みを進めている。

保護者も含め、各大学等の魅力や進学時の経済的メリット、地元就職率の高さなどについても理解してもらう必要があることから、高校生への働き掛けとして、県教委と一体となって、オープンキャンパスマップや進学ガイドブックの作成、「県内進学・仕事魅力発信フェア」の開催、県独自の奨学金返還補助制度のPRなどにも取り組んでいる。

さらに、大学間の共同授業などによる魅力向上をはじめ、SNS等を活用した高校生や大学生への効果的な情報発信、高校への出前講義の充実などを図っているところである。

また、大学生などへの支援としては、本年度から新たに、県若者就職支援センターに「就業体験支援員」を配置し、県内企業の魅力を知ってもらうための長期体験型インターンシップを実施している。

今後も、県では、若者の県内定着促進に向けて、「大学リーグやまぐち」を中心に、県内高等教育機関や産業界と連携した取り組みを進めていく。県内進学・仕事魅力発信フェア 日時:平成30年2月15日(木) 場所:維新百年記念公園    スポーツ文化センター《問い合わせ先》山口県学事文書課 TEL:�083-933-2140

福岡県では、水素エネルギー社会の実現を目指し、FCV(燃料電池自動車)の普及と水素ステーションの整備を一体的に推進している。平成29年7月には、地元関係者等で構成する「ふくおかFCバス研究会」

を立ち上げ、水素で走るFCバス(燃料電池バス)の導入に向けた検討を行っている。

この取組の一環として、トヨタ自動車株式会社から平成29年2月に日本で初めて発売された「トヨタFCバス」を借り受け、9月30日(土)から10月8日(日)までの9日間、バス事業者である西日本鉄道株式会社、昭和自動車株式会社、北九州市交通局が、県内で試験運行を実施した。

福岡県庁で開催された出発式では、小川県知事、樋口県議会議長、髙橋九州経済産業局長、加賀九州運輸局長などがFCバスに試乗し、クリーンで静かな乗り心地を確認した。《問い合わせ先》福岡県商工部自動車産業振興室TEL:092-643-3447

2018年は明治維新から150年。これを機に、幕末維新期の佐賀の偉人や偉業を顕彰し、その志を未来に繋いでいくために、2018年3月17日(土)から「肥前さが幕末維新博覧会」を開催する。

博覧会のメインパビリオンは佐賀市城内にある、市村記念体育館を「幕末維新記念館」として整備。幕末維新期の佐賀の偉業や偉人など、佐賀の魅力を最新の映像技術等によりダイナミックに紹介する。また近隣にテーマ館「葉隠みらい館」「リアル弘道館」を設置するほか、唐津・鳥栖にサテライト館を設けるとともに、県内市町とも連携し、県内各地で関連イベントを行う。

11月17日(金)からは全国のコンビニエンスストアをはじめ、主要旅行代理店、JR佐賀駅等で前売入場券の販売を開始。また、期間中3館に何度でも入館できるフリーパス券も販売中だ。

幕末維新期の「志」を次世代に繋ぐ博覧会にぜひ、お越しいただきたい。《開催期間》2018年3月17日(土)~2019年1月14日(月・祝)

《入場券料金》

《入場券問い合わせ先》入場券販売管理本部チケット管理センターTEL:0952-29-3671 ■主催 肥前さが幕末維新博推進協議会TEL:0952-25-7504�

福岡 Fukuoka

水素で走るFCバスの試験運行を実施!〜福岡県庁で出発式を開催〜

�さが維新博 検索

・ 障害者(介助者1名を含む)と、高校生以下は無料

・前売券は開幕前日まで購入可能・ 団体料金の設定もあり (有料入

場者20名以上)

テーマ館単館 チケット3(3館共通) フリー

パス前売券 当日券 前売券 当日券

幕末維新記念館 600円 800円

1,000円 1,200円 3,000円葉隠みらい館 300円 400円

リアル弘道館 300円 400円

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2017/12 九経連月報 35

長崎県の魚愛用店スタンプラリーキャンペーン開催中!

長崎 Nagasaki

おんせん県おおいたPR動画第5弾「プレミアムフロイデー」

大分 Oita

長崎県では、12月1日(金)から2月28日(水)まで

の3カ月間、食べて、集めて、豪華賞品が当たる「長

崎県の魚愛用店スタンプラリーキャンペーン」を開催

している。

「長崎県の魚愛用店」とは、県が認定した、県産の

旬の魚がいつでも食べられる県内の飲食店196店舗

(H29.10月末時点)で、県のホームページやガイド

ブック等で紹介している。

期間中、キャンペーン参加店舗で食事をするとスタ

ンプを1個押してもらえる仕組みで、応募はスタンプ

1個から可能。スタンプの数が多くなるほど賞品が豪

華になり、10個以上集めて応募すると長崎県の水産加

工品のトップブランド「平成『長崎俵物』」のギフト

セット(1万円相当)が抽選で当たる。

「長崎県の魚愛用店」のおすすめメニューは、「長崎

刺盛」。全国屈指の魚種の豊富さをそのままお皿の上

に表現したような県産魚のみの刺身盛

り合わせのことで、魚愛用店のうち和

食店で提供している共通メニューだ。

冬の旅行や年末年始の帰省の際には、

長崎県の美味しい魚介類が味わえるこ

のキャンペーンにぜひ参加いただき、

全国第2位の水揚げ量を誇る水産県な

がさき自慢の魚を思う存分ご堪

能いただきたい。

《問い合わせ先》長崎県水産加工流通課TEL:095-895-2871

昨年4月の熊本地震発生後、運休していた熊本~香

港線が、11月16日から、香港のLCC「香港エクス

プレス」により、週2便(木・日曜日)で運航される

ことになった。

同社の九州路線は、福岡・鹿児島に続き、3路線

目。香港~九州間の路線拡大により九州内の周遊性が

さらに促進されることが期待される。同社では熊本線

就航を記念して、同路線の利用者全員に、機内食(飲

茶セット、ミネラルウォーター付き)を無料で提供。

さらに、香港から熊本に到着する便では「搭乗記念く

まモンピンバッジ」も全員に配布される。

今回の香港線の再開により、阿蘇くまもと空港国際

線は、地震前の3路線(韓国ソウル・台湾高雄・香港)

すべてが再開することとなった。熊本からアジアへの

ゲートウェイである阿蘇くまもと空港の国際線は、昭

和54年に初の国際定期便としてソウル線が就航し、

この10月に国際線の利用者が100万人を突破。現在、

阿蘇くまもと空港は、熊本地震からの創造的復興のシ

ンボルとして、コンセッション方式の導入(空港運営

の民間委託)手続きが進められており、国内線・国際

線ターミナルビルの一体的整備が予定されている。

今後、更なる路線の充実、利用者の増加による創造

的復興の加速化が期待される。

《問い合わせ先》熊本県交通政策課TEL:096-333-2165

大分県は、源泉数・湧出量ともに日本一を誇る「お

んせん県おおいた」をPRする新作動画「プレミアム

フロイデー」を10月16日に公開した。働き方改革が

多様な視点で語られる中、「休めるときは、もっと休

みを実感しましょうよ」と休み方を提案し、「働き方

と同様に休み方も大切」というメッセージを込めた動

画となっている。

大分県内の温泉を舞台に総勢約70名が繰り広げる

ミュージカル仕立てのエンターテイメントは圧巻。オ

フィスの風景から突如温泉に場面が転換。オリジナル

ソング「Premium Furoiday」のリズムにあわ

せ、桶を使ったダンスや気持ちいいお湯しぶき、舞い

上がるシャボン玉など見所満載。ドローンによる映像

や花火のフィナーレも気持ちの良い仕上がりになって

いる。

「シンフロ」のメンバーであるオリンピックメダリ

スト・藤井来夏氏と彼女が主宰するプロのシンクロナ

イズドスイミングチームのメンバーも登場。息の合っ

たキレのある演技で、動画を盛り上げている。

おんせん県では、バラエティに富んだ温泉、満載の

「味力」、おもてなしの心で、プ

レミアムな時間を提供。皆様の

お越しをお待ちしている。 

動画は、特設WEBサイトで

絶賛公開中。

《問い合わせ先》大分県広報広聴課 TEL:097-506-2094

熊本〜香港間直行便就航

熊本 Kumamoto

�おんせん県おおいた 検索

「長崎県の魚愛用店」ロゴマーク

長崎刺盛

香港エクスプレス機体

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九経連月報 2017/1236

今年、国が主催するアプリコンテスト等において、県内の高校生が作成したアプリと県が開発したシステムがそれぞれ最高賞を受賞した。

国土交通省国土地理院主催のコンテストで、県立佐土原高校の生徒が作成した防災アプリ「SHS災害.info」が事前防災対策や災害発生時における有効性が特に優れていると評価され、高校生初の快挙となる大賞を受賞した。

このアプリは、登録地周辺や現在地周辺の緊急避難場所を迅速に確認できたり、非常時の持ち出し物品リストに関するアドバイスが表示されることから、災害時の安全確保だけでなく、地域防災学習などへの活用が期待できる。

また、県情報政策課が開発した地図情報システム「ひなたGIS」が内閣府主催「RESASアプリコンテスト」において最優秀賞を、さらに全国知事会主催の先進政策創造会議において、第1位の優秀政策に選ばれた。

このシステムは、パソコンの地図上に各種データを重ね合わせ、さまざまな情報を分析し、分かりやすく地図表現でき、専門的な分析が誰でも簡単にできる。たとえば、市町村別人口の移り変わりを過去から未来までアニメーションで表現できたり、地域住民が将来人口推計と医療福祉施設のデータから地域の課題を考えたりなど、アイデア次第で多彩な活用ができる。

それぞれ専門の民間企業が参加するコンテストで最高賞を受賞したものであり、地方創生のトップランナーを目指す本県にとって大いに弾みとなった。

ぜひ、多くの皆さんに御活用いただきたいと考えている。

《問い合わせ先》宮崎県情報政策課TEL:0985-26-7046

来年は明治維新から150周年の節目を迎える。鹿児島県では、平成29年4月から31年3月までの

2年間を「かごしま明治維新博」と銘打ち、オール鹿児島で官民一体となった取り組みを進めており、今年度は「記念シンポジウム」や「明治維新体感フェス!」などを開催した。

また、来年1月から、明治維新の原動力となった鹿児島出身の偉人西郷隆盛公の生涯を描く大河ドラマ

「西せ ご

郷どん」の放送が始まる。鹿児島においても、これまで2回にわたりロケが行

われ、総勢500人を超える地元エキストラやボランティアが参加するなど地元が一体となって撮影を歓迎した。今後、奄美群島でもロケが行われる予定である。

西せ ご

郷どんは、若い頃は藩の役人として、新政府の職を辞してからは狩りや湯治を目的に県内各地を巡っていて、逸話や好んだ温泉地が多く残るほか、二度の島暮らしにおける奄美群島での足跡など、ゆかりの地は県内各地に広がる。

大河ドラマをきっかけに、観光ボランティアガイドの育成やゆかりの地の整備など、観光振興や地域の活性化を図ろうという動きが県内各地で活発化しており、また、放送に合わせて鹿児島市と指宿市には大河ドラマ館がオープンする。

県としては、多くの観光客に鹿児島に来ていただけるよう今後とも取り組みを進めていく。

《問い合わせ先》鹿児島県観光課 TEL:099-286-3006

沖縄県では、移住定住促進事業を実施しており、県外での移住フェアへの出展や移住体験モニターツアーの開催、ホームページやフェイスブックでの情報発信など、各種移住定住施策を展開している。

今年度は、12月16日(土)に福岡県で行われる「ENJOY!ローカルライフ! 九州・山口・沖縄 移住&起業・就農フェア ~楽しく暮らす。豊かに暮らす。~」に県、石垣市、渡名喜村、多良間村、与那国町がブースを初出展する。ご興味がある方は、是非ご参加いただきたい。

また、平成30年1月と2月に沖縄移住を体験する移住体験モニターツアーを石垣市、宮古島市、うるま市で開催する。

このモニターツアーは、ツアーを行う市町村でテーマを設定し行うもので、昨年度は、「農業・漁業に取り組みたい方」「福祉分野での活躍を希望される方」

「保育士として活躍したい方」で、移住希望者を募集し、職業体験、暮らし体験、交流体験などを行った。

今年度も、3市でテーマを設定して行う予定であり、詳細が決まり次第、募集案内を県の移住応援サイト

「おきなわ移住の輪−結−」やフェイスブックで行う。

「おきなわ移住の輪�-結-」ホームページhttp://okinawa-iju.jp/フェイスブックページ https://www.facebook.com/okinawa.ijunowa/

《問い合わせ先》沖縄県地域・離島課 TEL:098-866-2370

福岡県で開催される「移住&起業・就農フェア」に初出展

沖縄 Okinawa

高校生が作成したアプリや県開発のシステムが最高賞を受賞

宮崎 Miyazaki

大河ドラマ「西せ ご

郷どん」まもなくスタート!かごんま!どんどん盛り上がります!

鹿児島 Kagoshima

県立佐土原高校の防災アプリ大賞受賞

Page 38: 2017/12 CONTENTSとは言えない食材調達を行っていることに始 まり、長男の中国地域の収益の一部が弟企業 からの店舗賃貸収入で賄われていたり、四国

2017/12 九経連月報 37

◆九経連ホームページ  http://www.kyukeiren.or.jp ◆九経連メールアドレス [email protected]  月報・ホームページをご覧になったご感想やご意見をお寄せください。

お知らせ:�本誌裏表紙に広告を募集します。詳しくは、本会総務広報部(Tel:092-761-4261)までお問い合わせください。

よみがえる幕末維新の輝き「薩摩切子」

表紙説明

 薩摩切子は、クリスタルガラスに色ガラスを厚く被せ細かなカットを施した、繊細にして優美な鹿児島県のガラス工芸で、透明から深い色彩へのグラデーションが特徴的な「ぼかし」や、端正なカット文様といった独特の意匠が魅力です。 幕末の薩摩藩では島津家28代当主島津斉

なりあきら

彬が大規模な近代化事業を推進し、日本初の工場群「集成館」が築かれ、製鉄、造船、紡績、石炭産業のほか、海外交易品・献上品として薩摩切子の本格的な開発・製造が行われました。しかし斉彬の急逝に伴う事業縮小と、薩英戦争での工場群焼失により、1877年頃にはその製造は途絶えてしまいます。 一度は幻となった薩摩切子ですが、その価値を惜しむ人々の努力により、およそ100年の時を経て再び復活を遂げました。伝統技法に新たな研究を重ね、現代鹿児島の職人たちにより幕末期に劣らぬ作品が生み出されています。 旧集成館を含む「明治日本の産業革命遺産」は、2015年世界文化遺産に登録されました。殖産興業により力をつけやがて明治維新へとつながっていく、幕末薩摩の先人たちの情熱が生み出した輝きが、現代によみがえります。

写真協力:公益社団法人 鹿児島県観光連盟《問い合わせ先》鹿児島県PR・観光戦略部かごしまPR課 TEL:099-286-3050

スケジュール(12月)

日(曜) 会合名等

4日(月) 顧問会(東京・ホテルオークラ東京)

6日(水) 山口・北九州合同地域委員会(下関市・シーモールパレス)

7日(木) 長崎地域委員会(長崎市・ANAクラウンプラザホテル長崎グラバーヒル)

11日(月) エネルギー講演会(福岡市・電気ビル共創館)

22日(金) 大分地域委員会・視察会(筑紫野市、佐賀市)

新入会員企業(10月)

社長 殿村 育生

㈱カステラ本家福砂屋

長崎市船大工町3-1 TEL:095-821-2938 従業員数:400名

事業内容:カステラ製造業

執行役員北九州統括 庄山 和利

西日本鉄道㈱北九州事務所

北九州市小倉北区砂津1丁目1-2 TEL:093-522-1111 従業員数:3名

事業内容:鉄道及び自動車による運送事業他

社長 岩松 孝昭

執行役員営業部長 野口 勇次

兼福岡営業所長

国際協商㈱

東京都大田区羽田空港3丁目3-2 TEL:03-5757-8311 従業員数:75名

福岡市博多区空港前2丁目5-35 TEL:092-621-3232 

事業内容:日本全国の免税店や一般店等への食品類、酒、雑貨等の卸売