平成20年度(財)港湾空港建設技術サービスセンター(scope...

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平成20年度(財)港湾空港建設技術サービスセンター(SCOPE) 研究開発助成報告 港湾・空港施設を対象とした 統一様式による地盤性能報告書の 統一様式による地盤性能報告書の 作成方法に関する研究 広島大学大学院工学研究院 土田 研究の目的と背景 土木構造物は仕様規定型設計から性能規定型設計へ 極限時の安定のみなく 供用後 定期間および地震時を対 極限時の安定のみなく供用後定期間および地震時を対 象とした変形(性能)照査を行い合理的な断面を追求. ・ しかし,コンクリート構造物や鋼構造物の設計に比べ,地盤に 関する性能設計の手法はまだ十分に確立していない. 港湾・空港施設と地盤改良 ・ 多くは軟弱な地盤の上に構築され,地盤改良が実施されている. いうまでもなく改良された地盤の性能は、上に構築される構造物の いうまでもなく改良された地盤の性能は、上に構築される構造物の 性能に決定的な影響を与える。 港湾空港構造物の設計を考える場合 「地盤改良の性能設計」を 港湾 空港構造物の設計を考える場合「地盤改良の性能設計」を どう考えるかは、非常に重要な問題である。 地盤の性能、地盤改良の性能とは? 地盤の性能、地盤改良の性能とは? 来 破壊安全率 支持力 沈下予測 破壊安全率支持力沈下予測 性能設計:上記に加えて 当該地盤・周辺地盤の長期的変形 地震変形挙動 地盤の変形が構造物・施設に及ぼす影響 地盤 変形を考慮した施設 構造物 維持管理計画 地盤変形を考慮した施設構造物維持管理計画 地盤の性能設計へのニーズ 近年の港湾空港事業では 既存の施設に隣接した 近年の港湾空港事業では既存の施設に隣接した 臨港道路・場内道路の整備など、近接施工が強いら れる現場が増加している. 周辺に既設構造物の杭基礎,建屋,ライフライン埋 周辺に既設構造物の杭基礎,建屋,ライフライン埋 設物などが近接していることが多い. 盤変 による地盤変形量を量的に予測して既設造物へ与える影響を評価し,必要に応じて対策工を 実施する必要がある.

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Page 1: 平成20年度(財)港湾空港建設技術サービスセンター(SCOPE ...平成20年度(財)港湾空港建設技術サービスセンター(SCOPE) 研究開発助成報告 港湾・空港施設を対象とした

平成20年度(財)港湾空港建設技術サービスセンター(SCOPE)研究開発助成報告

港湾・空港施設を対象とした統一様式による地盤性能報告書の統一様式による地盤性能報告書の

作成方法に関する研究

広島大学大学院工学研究院

土田 孝

研究の目的と背景

土木構造物は仕様規定型設計から性能規定型設計へ

極限時の安定のみでなく 供用後 定期間および地震時を対・ 極限時の安定のみでなく,供用後一定期間および地震時を対

象とした変形(性能)照査を行い合理的な断面を追求.

・ しかし,コンクリート構造物や鋼構造物の設計に比べ,地盤に

関する性能設計の手法はまだ十分に確立していない.

港湾・空港施設と地盤改良

・ 多くは軟弱な地盤の上に構築され,地盤改良が実施されている.

・ いうまでもなく改良された地盤の性能は、上に構築される構造物のいうまでもなく改良された地盤の性能は、上に構築される構造物の

性能に決定的な影響を与える。

・ 港湾・空港構造物の設計を考える場合 「地盤改良の性能設計」を港湾 空港構造物の設計を考える場合、「地盤改良の性能設計」を

どう考えるかは、非常に重要な問題である。

地盤の性能、地盤改良の性能とは?地盤の性能、地盤改良の性能とは?

従 来 破壊安全率 支持力 沈下予測従 来:破壊安全率・支持力・沈下予測

性能設計:上記に加えて

当該地盤・周辺地盤の長期的変形

地震時の変形挙動地震時 変形挙動

地盤の変形が構造物・施設に及ぼす影響

地盤 変形を考慮した施設 構造物 維持管理計画地盤の変形を考慮した施設・構造物の維持管理計画

地盤の性能設計へのニーズ

近年の港湾空港事業では 既存の施設に隣接した近年の港湾空港事業では,既存の施設に隣接した

臨港道路・場内道路の整備など、近接施工が強いら

れる現場が増加している.

周辺に既設構造物の杭基礎,建屋,ライフライン埋周辺に既設構造物の杭基礎,建屋,ライフライン埋

設物などが近接していることが多い.

事 盤変 定 構工事による地盤変形量を定量的に予測して既設構

造物へ与える影響を評価し,必要に応じて対策工を

実施する必要がある.

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地盤性能報告書とそのねらい

軟弱地盤上に構築される港湾・空港構造物においても詳細な軟弱地盤 構築される港湾 空港構造物 お も詳細な「地盤の性能」とそれらを反映した施設の維持管理計画が求められている.

このためには、地盤の性能・品質に関する必要十分な情報を報告書にまとめ,建設後長期間にわたって地盤の維持・管理に利用できる環境を整えることが不可欠であるできる環境を整えることが不可欠である

しかし,現状をみると,建設後時間が経過するとともに散逸するなど管理が十分に行われていないのが実状であるなど管理が十分に行われていないのが実状である.

港湾・空港施設における地盤改良・基礎工事を対象に性能規定型設計に対応した地盤性能報告書の作成を提案型設計に対応した地盤性能報告書の作成を提案.

報告書が含むべき情報,設計・解析事項を分析し,作成要領を検討する.検討する

目 次目 次

1.  研究の背景と目的

2.  性能設計の観点から見た地盤改良設計の現状と課題

3.  港湾空港事業における地盤改良性能評価のための新たな構成モデルと

そのバ チカルドレ ン工法による改良地盤への適用そのバーチカルドレーン工法による改良地盤への適用

4.  サンドコンパクション(SCP)改良地盤における変形性能評価

5.  真空圧密工法で改良された地盤における変形性能評価

6.  港湾・空港施設の地盤品質報告書作成マニュアル(案)

性能評価のために必要な情報の検討6.1 性能評価のために必要な情報の検討

6.2 バーチカルドレーン工法で改良地盤の品質報告書に必要な内容

6.3 SCP工法で改良された地盤の品質報告書に必要な内容6.3 SCP工法で改良された地盤の品質報告書に必要な内容

6.4 真空圧密工法で改良された地盤の品質報告書に必要な内容

6.5 地盤の品質報告書作成の方法について

2.  性能設計の観点から見た地盤改良設計の現状と課題

地盤対策の設計の流れ

地盤 土質条件 構造物 性能 物性 重 性原地盤の土質条件 構造物の性能、物性、重要性

原地盤条件での設計

軟弱地盤対策の必要性、目的の判断

可能性のある対策工法(複数)の選定(構造物形式の変更、地盤改良計画)

対策工法に特有の調査の追加対策工法に特有の調査の追加

対策工法の比較設計 施工図の検討改良地盤の挙動予測

工法の決定

詳細設計補足調査

詳細設計

施工計画・施工管理計画現地試験

施工・計測管理

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沈下量の慣用設計法

バーチカルドレーン工法は,1948年にBarronによって理論的解析法が提案され,設

計法はほぼ確立され 今も基本的な考え方は変わらない すなわち 圧密速度以外計法はほぼ確立され,今も基本的な考え方は変わらない.すなわち,圧密速度以外は通常の載荷重工法の設計法と変わらず,慣用設計法ではmv法,Cc法,e‐log p法などにより最終沈下量Sfが求められる.

mv法: (2.1)

n

pHmS1i

ivif

Cc法: (2.2) 0i

0i

1ii

0i

cif log

1 PppH

eCS

n

ne‐log p法: (2.3)

粘土層を 層 分割 たとき 層番号 荷重増分 層 層厚

n

He

eeS1i

i0i

i0if 1

ここに,i:粘土層をn層に分割したときの層番号,�p:荷重増分,�Hi:i層の層厚,Cci:i層の圧縮指数,p0i:i層中央の初期鉛直応力,e0i:p0iに対する間隙比,ei:p0i+��pに対する間隙比,mvi:p0i+Δp/2に対する体積圧縮指数

圧密速度に関する慣用設計法(バーチカルドレーン)

慣用法用いられる圧密速度に関する仮定1)ドレーンの透水性は無限大である,2)サンドマットの透水性は無限大である2)サンドマットの透水性は無限大である,3)ドレーンへの応力集中は起こらない,4)ドレーン周辺部にスミアドゾーンは生じないとの仮定

慣用設計法では次のバロンの解の近似式が多用される.

)(

8exp1 hhh nF

TSTSTU t

dcT 2

hh

2

2

2

2

413ln

1)( nnnnF

ここに,ch:水平方向圧密係, dw:ドレーン径,de:等価有効円の直径 d:ドレーン打設間隔

)(f nFS d 2e

22 41 nn

正三角形配置:de=1.05d正方形配置 :de=1.13d

水 方向 密係数 般 垂直方向 密係数 倍水平方向圧密係数ch :一般に垂直方向圧密係数cvの1~3倍慣用法では ch = cv

考えられる理由 ドレ ン打設時の粘土地盤の攪乱により が低下する考えられる理由:ドレーン打設時の粘土地盤の攪乱によりchが低下する。検証は必ずしも十分でないのが現状である.

水平方向圧密係数と鉛直方向圧密係数の関係(大阪湾沖積粘土)

慣用設計法の課題(バーチカルドレーン工法)

・慣用設計法は一次元的な圧密のみを対象としているため,二

次元的および三次元的荷重が作用した場合の荷重分散効

果や非排水せん断変形の影響を考慮できない.

・ゆえに側方変形量を予測することができない点,未改良部の

連れ込み沈下量を計算できない点など,その用途は限定さ算 限定

れる.

・地盤条件や施工工程が複雑な場合に 初期条件や境界条件地盤条件や施工工程が複雑な場合に,初期条件や境界条件

の設定が忠実に考慮できないなどの適用限界がある

地盤の長期的な変形を予測するためには二次圧密を考慮す・地盤の長期的な変形を予測するためには二次圧密を考慮す

る必要があるが,現行のバーチカルドレーンの慣用設計法

では二次圧密の取り扱いが十分確立されていないでは二次圧密の取り扱いが十分確立されていない.

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沈下量の慣用設計法(SCP工法)バーチカルドレーン工法に対する設計法の準用.ただし,砂杭への応力集中を考慮して沈下量の低減を行う 最終沈下量 は 般的に次式で表される慮して沈下量の低減を行う.最終沈下量Sfは一般的に次式で表される.

ここに S は原地盤(無改良地盤)の圧密沈下量で βは沈下低減係数 f0f SS

ここに,Sf0は原地盤(無改良地盤)の圧密沈下量で,βは沈下低減係数

低置換率(as<50%): 高置換率(as≧50%):

san )1(11

sa 1 s)(

圧密速度(SCP工法)

Barronの理論解を準用。しかし,砂杭打設による水平方向圧

密係数 の現象を考慮する密係数chの現象を考慮する。

016.025.0 vh cc

savh

慣用設計法の課題(SCP工法)

• SCP工法に対する地盤変形予測の慣用設計法は,バーチカルドレー

ン工法と同様の課題がある.

• 応力分担比,沈下低減率,圧密係数の修正係数など,経験的なパラ

メータや補正係数を導入しているため 現場の条件によっては実測メ タや補正係数を導入しているため,現場の条件によっては実測

沈下量が予測値と大きく異なる.

側方変形量や改良部と未改良部の遷移領域の変形量を精度良く算• 側方変形量や改良部と未改良部の遷移領域の変形量を精度良く算

定することも必要となってくる.

• 杭材として自然砂と力学特性が異なる材料を用いる場合,経験値が

そのまま利用できず,予測計算自体が行えない問題が生じる.

• 二次圧密沈下の取り扱いが確立していない.地盤改良を行った場合,

改良後の地盤の性能として二次圧密沈下について何らかの評価を

行うことは重要.

SCP改良地盤(a=27%)における沈下速度と経過時間(広島県東部浄化センター埋立護岸)(広島県東部浄化センタ 埋立護岸)

10 8

m/年

) Parapet 1210 (West)

Calculated (Cα=0.04)

6

速度

(cm

2

4

沈下

0

2

0 50 100 150 200 250

建設後の経過時間 (month)

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圧密沈下量(深層混合処理工法)

改良率が低い場合や未改良部分を残した浮き型改良を採用した場合,着底型であってもその下部に粘性土層が存在する場合に,圧密沈下の検討が必要となるが必要となる.

複合地盤として圧密沈下量を計算する(下図)応力分担比n=10~20の範囲で仮定

1.01.0

深層混合処理工法の技術マニュア

0.6

0.8

係数 

n=4n=3

0.6

0.8

係数 

n=4n=3

ルによる補正式

0.4

沈下

低減

係 n=4n=5

SCP工法

(砂杭)n=10

0.4

沈下

低減

係 n=4n=5

SCP工法

(砂杭)n=10

ここに,αは補正係数である.過去の事例よりα=0 15~0 40

f0f SS

0.0

0.2深層混合処理工法

(砂杭)n 10

n=20n=15

0.0

0.2深層混合処理工法

(砂杭)n 10

n=20n=15

の事例よりα=0.15 0.40.

水平変位量の評価方法として,有限要素法を別途用いることを推奨

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0改良率 a s(%)

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0改良率 a s(%)

要素法を別途用いることを推奨

現行設計法における改良地盤の沈下計算手法(慣用設計法)の限界

・地盤の鉛直変位の予測を中心とし 地盤全体の変形には・地盤の鉛直変位の予測を中心とし、地盤全体の変形には適用できない。

・地盤全体の変形に関しては「地盤変形解析(数値解析)」に地盤全体の変形に関しては「地盤変形解析(数値解析)」による。

・過去の施工事例にもとづいた「補正係数」過去の施 事例にもと いた 補正係数」

・計算に用いられる仮定の妥当性が不明確。 ch=cvなど

・変形予測の精度が不明変形予測の精度が不明

現在の地盤変形解析は性能設計にどの程度対応できるか?現在の地盤変形解析は性能設計にどの程度対応できるか?

性能設計に求められる盤変 解析地盤変形解析の要件と課題

1) 地盤変形解析結果の予測精度は 慣用圧密計算法と比べて信頼性が低1) 地盤変形解析結果の予測精度は,慣用圧密計算法と比べて信頼性が低

い.予測結果が解析技術者や解析プログラムによって大きくばらつく.

2) 特に水平変位(せん断変形)の予測精度は 鉛直変位(圧密沈下)に比べ2) 特に水平変位(せん断変形)の予測精度は,鉛直変位(圧密沈下)に比べ

て低く,過大評価される場合が多いとされる.

3) 改良地盤のモデル化手法について体系的な解析手法が確立されていない.) 改良地盤の デル化手法 て体系的な解析手法 確 されて な

このため、対策工法や断面形状を比較検討する際の解析手法がバラバラ

になり,土構造物の性能を統一された手法で評価することができない.

4) 性能設計の考え方では,施設や構造物に要求される機能や性能を満たせ

ば,いかなる断面や材料を採用することが可能であり,設計断面の合理化

を期待する とが きる しかし 現在 地盤変形解析は 解析上 重要なを期待することができる.しかし,現在の地盤変形解析は、解析上の重要な

仮定が過去の経験に基づいているため、新しい材料を用いた場合に対応で

きるかどうかが不明であるきるかどうかが不明である.

軟弱地盤上の試験盛土に対する一斉解析地盤 学会関西支部 土構造物 品質評価に関する研究委員会 年度)地盤工学会関西支部 土構造物の品質評価に関する研究委員会(H13~H15年度)

・長期的な沈下量のばらつきは大きく,最大28cm(約8%)の差

が生じている.実測値と比較すると,いずれの解析結果も沈下量は過大評価とな ている下量は過大評価となっている.

・間隙水圧については 水圧の消散速度に大きな差があり 圧間隙水圧については,水圧の消散速度に大きな差があり,圧密度を議論する上で無視し得ない差が生じているとしている.

・側方変位については,プログラムの違いによって最大9%の差が生じており,ばらつきは沈下量と大差ない.しかし,10cm未満の実測値に対して 解析結果は1 2 を越える側方変位を満の実測値に対して,解析結果は1.2mを越える側方変位を計算している.

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地盤変形解析に必要な情報と予測精度を左右する影響因子

(A) 解析の前提となる情報1.原地盤の物性値,成層状態に関わる情報とそのばらつき2.地盤調査や室内土質試験から求められる土質定数の量と

その精度3 原位置における初期応力および境界条件(変位 排水)に3.原位置における初期応力および境界条件(変位,排水)に

関する情報とその精度4.地盤改良,埋立,護岸の構築など施工履歴に関する情報4.地盤改良,埋立,護岸の構築など施工履歴に関する情報5.施工中の沈下,変形などの計測の信頼性

デ(B) 解析時のモデル化に関する情報6.  慣用解析法か数値解析法のいずれを用いたか.7 慣用解析法を用いた場合7 . 慣用解析法を用いた場合1) 解析に用いた手法2) 解析に用いたパラメータの決定方法) 解析に用いた ラメ タの決定方法3) 解析結果

地盤変形解析に必要な情報と予測精度を左右する影響因子

8. 数値解析法を用いた場合1) 原地盤の力学特性の構成モデルの選択とモデルの精度(力学挙

動の再現性)2) 解析に用いるパラメータの決定方法(簡易決定法,あるいは,土

質試験からどのように決定しているか など)質試験からどのように決定しているか,など)3) 改良後の地盤特性の変化の考慮の有無(改良による攪乱の効果

など)盛土や埋立土 デ 化 方法ある は与えた剛性など4) 盛土や埋立土のモデル化の方法あるいは与えた剛性など

5 )使用した解析プログラム(ソフト)の特徴とその解析結果への影響

・数値計算法の違い(応力積分法 収束計算法 負荷判定法 特数値計算法の違い(応力積分法,収束計算法,負荷判定法,特異点処理法)

・変位と水頭の離散化手法解析次元(二次元か三次元か 荷重分散効果の考慮の有無)・解析次元(二次元か三次元か,荷重分散効果の考慮の有無)

・微小変形理論(幾何学的線形性)と有限変形理論(幾何学的非線形性)線形性)

6) 解析技術者の習熟度7) 解析結果(建設後の地盤の経時的な変形の予測値)

地盤改良性能評価のための地盤改良性能評価のための新たな構成モデルとその改良地盤への適用その改良地盤への適用

1 バ チカルドレ ンで改良した1.バーチカルドレーンで改良した埋立地盤

異方圧密粘土の構成モデル異方圧密粘土の構成モデル

わが国の実務における軟弱地盤の変形解析では,わが国の実務における軟弱地盤の変形解析では,関口・太田モデル(弾塑性,弾・粘塑性)の適用事例が圧倒的に多い.例が圧倒的に多

しかし,沈下量に比べて,水平変位の予測精度が低い(過大評価)ことが従来より指摘されてきた

提案する構成モデルのコンセプト

低い(過大評価)ことが従来より指摘されてきた.

提案する構成モデルのコンセプト

関口・太田モデルによる水平変位の過大評価を改善する構成モデル

土質パラメータは関口・太田モデルと同じ(実用性)

24

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異方圧密粘土の構成モデル異方圧密粘土の構成モデル

■関口・太田の弾塑性モデル

pv

*

0

pv ln),(

DppMDf ※Cam-clay型降伏曲面

※特異点有り(数値計算上不安定)0

※降伏曲面の回転は初期応力比と一致 00*

23

ijijijij

■提案モデル(修正関口・太田モデル)

※修 型降伏曲面 2**2

Mp

223

※修正Cam-clay型降伏曲面※特異点なし(数値計算上安定)

pv2

0

pv ln ln,

M

MMDppMDf

00

**32

32

23

ijijijij ※降伏曲面の回転は初期応力比の2/3→自然堆積粘土のK0値,強度異方性を表現→ただし,伸張側の一部は弾性応答となる

25

q M*M **M

B

D

0

00 p

q

q M

AC 1

0

032 p

dd修正関口・太田

1 3

異方性を= で考慮

pvd

pdd p

vd

関口・太田

2/0p

異方性を=0で考慮した修正Cam-clay

p

B

C

提案モデルD

p0p pv, dp

塑性せん断ひずみの比較

B (修正関口・太田)

関口 太田モデル

26

関口・太田モデル

修正Cam-clay型降伏曲面と破壊時応力比

修正Cam-clay型の降伏曲面では,破壊時応力比は非排

修正Cam clay型降伏曲面と破壊時応力比

修 y型の降伏曲面では,破壊時応力比は非排水せん断試験から求まるMとは一致せず,過大なせん断強度を与えてしまう.言い換えると,試験結果のMを入力値と与えると 破壊時応力比は次式 値となる値と与えると,破壊時応力比は次式の値となる.

20

22* MM の場合

の場合(提案モデル)

0MM の場合

2

022** 2

MM 場合(提案 デ )03

MM

降伏曲面の回転を初期応力比からある程度寝かすことに降伏曲面の回転を初期応力比からある程度寝かすことによって(2/3),圧縮側のMの過大評価は軽減され,伸張側はより大きな強度となり,適切な強度異方性を表現できる.

27

提案モデルの非排水せん断特性提案モデルの非排水せん断特性

75

100M*

M** 75

100

M*

25

50

)

M

25

50

M*M**

M

-25

0

q (kPa)

:関口・太田-25

0

q (kPa)

:関口・太田

-75

-50

0 25 50 75 100 125 150 175

:関 太田:β=η0:提案モデル(β=2/3η0)

-75

-50

0 25 50 75 100 125 150 175

:関口 太田:β=η0:提案モデル(β=2/3η0)

0 25 50 75 100 125 150 175

p' (kPa)

K0=1-sin'より,'=36.9度M =1.500(関口・太田)

0 25 50 75 100 125 150 175p' (kPa)

K0=1-sin'より,'=23.6度M =0.920(関口・太田)

M* =1.803(=0)M**=1.641(提案モデル,=2/30)

(a) K =0 4

M* =1.072(=0)M**=0.992(提案モデル,=2/30)

(b) K =0 6

28

(a) K0=0.4 (b) K0=0.6

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施工事例に対する検証

Site 構造形式 地盤改良工法

施工事例に対する検証

構造 改良 法

関西国際空港

2期島緩傾斜石積式護岸 サンドドレーン

期島

徳山下松港[徳山地区]土砂処分場

緩傾斜石積式護岸低置換率SCP

(as=30%)s

呉港[阿賀地区] ケーソン式岸壁複合置換率SCP

(上部70%+下部50%)

成田市A地区

(内陸部・高有機質土)

試験盛土(H=4.7m)

プラスチックボードドレーン

徳山下松港[徳山地区]T-9浚渫埋立地

臨港道路建設の

ための地盤改良真空圧密(+盛土)

29

検証事例1:関空2期島護岸検証事例1:関空2期島護岸

先行確認部①(CB4)先行確認部①(CB4)

N

先行確認部②(CB7)先行確認部②(CB7)

磁気伝送水圧式沈下計 埋立部37箇所護岸部 7箇所

沈下板 埋立部15箇所護岸部36箇所護岸部36箇所

洪積層計測櫓 2箇所

計測計器配置図

30

計測計器配置図

検証事例1:関空2期島護岸検証事例1:関空2期島護岸

護岸法線

上部ブロック[天端水平変位]

50m 30m10m

捨石②盛砂③

被覆石

直投,揚土

敷砂②・盛砂①

敷砂①

捨石①盛砂②盛砂①

Aライン(CB4-A)[沈下]

Cライン(CB4-C)

[沈下]

Bライン(CB4-B)[沈下]

敷砂①

護岸部標準断面図

[沈下][沈下] [沈下][地中水平変位]

[ ]:計測項目

護岸部標準断面図

検証事例1:関空2期島護岸検証事例1:関空2期島護岸

沖積粘土(無改良)

沖積粘土(

沖積粘土(SD 2 5 1 6 )

堤外揚土

-20.0m排水境界

(無改良)(SD:2.5m×2.5m) (SD:2.5m×1.6m)2.0m×2.0m相当

非排

排水

サンドマット

排水境界

水境界

Tc

Ma13 Ma13~Ma2,Ds1~Ds12をモデル化

-299.4m

950m非排水境界

SD杭を表す排水境界SD部詳細図

有限要素メッシュ

950m

※揚土2荷重は分布荷重として与える.

32

有限要素メッシュ

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0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

経過時間 (日)

10

20

30

40

50

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

土厚

さ 

(m

)上部工

CB4-C CB4-ACB4-B

0

10盛 Cライン 護岸法線 Aライン

0

2

4

6

(m

提案モデル

実測値(CB4-A) (a)CB4-A

-43 3mMa13

-20.0m

6

8

10

12

14

沈下

供用後10年

供用後5年

供用開始

関口・太田

一次揚土中

二次揚土後

50m

10m

30m

Tc43.3m

挿入式傾斜計(CB4-B)

-3

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000経過時間(日)

(m

実 値

0

2

4

6

8

下量

(m

) 実測値(CB4-B)

(b)CB4-B

提案モデル-2

-1

0

ク水

平変

位量

供用

供用

供用

上部

埋立側

提案モデル実測値

8

10

12

14

沈下

0

2 ( )C 4 C

提案 デ

関口・太田

1

2

3上部

ブロ

ッ 用後10年

用後5年

用開始

部ブロック設置

海側

関口・太田

2

4

6

8

10沈下

量 (

m)

提案モデル

(c)CB4-C実測値(CB4-C)

33

12

14関口・太田上部ブロックの水平変位

沈下板位置の総沈下量

上部工

345

3380 3400 3420 3440 3460 3480 3500 3520 3540X(m)

上部工

CB4-C CB4-ACB4-B

CB4-A56789

10沈下

量 

(m)

次揚土施 中Tc

-43.3mMa13

-20.0m CB4-BCB4-C

10111213

実測値(2003/2/3)関口・太田提案モデル

(b)一次揚土施工中(t=1120日)50m

10m

30m挿入式傾斜計(CB4-B)

34

3380 3400 3420 3440 3460 3480 3500 3520 3540X(m)

34

3380 3400 3420 3440 3460 3480 3500 3520 3540X(m)

(c)二次揚土施工後CB4-A

CB4-BCB4-C

56789

沈下

量 

(m)

56789

沈下

量 

(m) CB4-A

CB4-BCB4-C

(c)二次揚土施工後(t=2121日)

10111213

実測値(2005/11/1)関口・太田提案モデル

10111213

実測値(2001/9/6)関口・太田提案モデル

(a)捨石②施工後(t=604日)

総沈下量の水平分布形状

1 0 5 0 0 5 1水平変位 (m)

1 0 5 0 0 5 1水平変位 (m) 海側埋立側 海側埋立側

10

0

-1 -0.5 0 0.5 1

10

0-1 -0.5 0 0.5 1

544日(捨石②)955日(直投②)1280日(堤外揚土)実測値(544日)

-20

-10

埋土

-20

-10 実測値(544日)実測値(955日)実測値(1280日)

埋土

-30

高(m)

Ma13-30

高(m)

Ma13

50

-40標高

Tc

50

-40標高

Tc

-60

-50Ds1

Dtc-60

-50Ds1

Dtc CB4-BCB4-B

-70

Dtc

Ds2-70 Ds2

関口・太田モデル提案モデル

CB4 BCB4 B

学位論文公聴会 35

関 太田 デル(変形モードが逆)

提案 デル(変形モードは一致)

-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5水平変位 (m)

-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5水平変位 (m)

-10

0544日(捨石②)955日(直投②)1280日(堤外揚土)実測値(544日) -10

0544日(捨石②)955日(直投②)1280日(堤外揚土)実測値(544日)

-20

10実測値(955日)実測値(1280日)

埋土-20

10 実測値(544日)実測値(955日)実測値(1280日)

埋土

-30

標高

(m)

Ma13-30

標高

(m) Ma13

-50

-40標

Tc

D 1-50

-40標

Tc

-60

Ds1

Dtc -60

Ds1

DtcCB4-Bより15m埋立側

CB4-Bより15m埋立側

関口・太田モデル提案モデル

-70Ds2

-70Ds2

15m埋立側15m埋立側

36

関 太田 デル(変形モードが逆)

提案 デル(変形モードは一致)

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地盤改良性能評価のための新たな構成モデルと新たな構成モデルとその改良地盤への適用

2.サンドコンパクション(SCP)改良地盤における変形性能評価る変形性能評価

検証事例2:徳山下松港土砂処分場検証事例2:徳山下松港土砂処分場

A’港外

記号

事前調査

調査時期

A’N

(7) (9)

埠頭用地 3m

SCP打設後

2段階施工後

1段階施工中

事前調査

m北護岸計測位置

(7)

(7)(8)

(8)(9)

(9)

SCP改良範囲

5m

2段階施工後

85m

東護岸計測位置土砂処分場(浚渫土砂)

A(13)(13)

(10)

( )はSCP打設後の月数

東護

南護岸

8m25

m 85m( )

(10)

(9)(2)(2)

(28)

地盤調査位置平面図

100m

28

100m 100m 100m 100m

( )(3)(12)(2) (9)(12)

38

地盤調査位置平面図

検証事例2:徳山下松港土砂処分場検証事例2:徳山下松港土砂処分場

※③第1段敷砂(1.5m)より計測開始 第4段腹付土砂(2)

上部コンクリート+5 9+6 0

表示単位:m

より計測開始第4段腹付土砂(1)

第2段捨石第1段捨石

第3段捨石第4段被覆石

第4段腹付土砂(2) +5.9浚渫土(~H13.3)

-6.0 -4.0

+3.8

浚渫土(~H11.2)

+6.0+3.0

+1.4浚渫土(~H11.3)沈下板 第1段敷砂(1.5m)

敷砂(1.5m) -10.0-13.0-10.0

-16.0

23 5

-8.8m

clay2

clay4

clay1SCP(30%)clay3-18.0

12.512.510.0 10.0-30.0

-23.5 clay4

sand15.5挿入式傾斜計

25.028.0

護岸部標準断面図

39

非排水境

排水境界

排水境界

一様モデル

沈下低減率:=1/{1+(m-1)as}

排水境界

排水境界

境界

1012 512 510

排水境界低減率 { ( ) s}

m:応力分担比,as:改良率

Model-A:一様モデル

150m150m 25m28m排水境界10m12.5m12.5m10m

第4章

着目要素(応力分担比)砂杭弾塑性モデル

( )

非排水境

(Mohr-Coulomb)

杭間粘土

25m28m

4m2m 着目要素(有効応力経路)

排水境界

排水境界

境界

杭間粘土cv

学位論文公聴会 40

150m150m25m28m

Model-B:分離モデル

排水境界

第6章~

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検証事例2:徳山下松港土砂処分場検証事例2:徳山下松港土砂処分場

解析ケース解析ケース

Case 構成モデル応力分担比m沈 低減率

限界状態応力比MC se 構成 デル

(沈下低減率) 原地盤 S.C.P.

A1 提案モデルm=4

M=1 5 M=1 5A1 提案モデル(=0.526)

M=1.5 M=1.5

関 太m=4

B1 関口・太田(=0.526)

M=1.5 M=1.5

m=5B2 関口・太田

m=5(=0.455)

M=1.5 M=2.0

41

20

30

500 1000 1500 2000 2500 3000 3500経過時間 (日)

さ 

(m

護岸法線(N-3)護岸背面(N-4)解析結果(沈下)

0.00

10

盛土

厚さ

護岸背面(N 4)

(a)N-2[海側]実測値(N-3)

N-3 N-4N-1 N-2

0.5

1.0

1.5

2 0

沈下

量(m

第四段第第第

(a)N 2[海側]実測値(N 3)

H=15mSCP As=30% H=15mSCP As=30%

提案モデル

関口・太田B1

関口・太田B2

2.0

2.5

0.0

0 5

腹付土1

一段捨石

二段捨石

三段捨石

(b)N-3[護岸法線]実測値(N-3)

関口 太田B1

■解析ケース(一様モデル)提案モデル:m=4, M=1.5関 太

0.5

1.0

1.5

2.0沈下

量(m

( )

提案モデル

関口・太田B2

関口・太田1:m=4, M=1.5関口・太田2:m=5, M=2.0

m:応力分担比M:限界状態応力比

0.0

0.5

2.5

(c)N-4[埋立側]

関 太 B2

実測値(N-4)

関口・太田B1

1)提案モデルは,m=4,M=1.5の組み合わせで実測沈下を良好に再現した.

提案 デ と 定数を た関 太

M:限界状態応力比

1.0

1.5

2.0沈下

量(m

提案モデル

関口 太田B1

関口・太田B22)提案モデルと同じ定数を用いた関口・太田モデルは,実測沈下を過大評価した.

3)関口・太田モデルにおいて,m=5,M=2.0の組

み合わせであれば 実測沈下を良好に再現で2.5 関口・太田B1み合わせであれば,実測沈下を良好に再現で

きた.

N-3 N-4N-1 N-2■解析ケース(一様モデル)

H=15mSCP As=30% H=15mSCP As=30%

■解析ケ ス( 様モデル)提案モデル:m=4, M=1.5関口・太田1:m=4, M=1.5関口・太田2:m=5, M=2.0

応力分担比

0 5

-30 -20 -10 0 10 20 30X (m)

0 5

-30 -20 -10 0 10 20 30X (m)

m:応力分担比M:限界状態応力比

-0.5

0

0.5

1

1 5

下量

 (m

)

-0.5

0

0.5

1

1 5量 

(m)

N-2 N-3 N-4N-1

( )

1.5

2

2.5

3

沈下

1.5

2

2.5

3

沈下

( )

(a)第一段捨石 (c)第三段捨石

-0.5

0

0 5

-30 -20 -10 0 10 20 30X (m)

m)

-0.5

0

0 5

-30 -20 -10 0 10 20 30X (m)

m)

実測値 提案モデル0.5

1

1.5

2

2.5

沈下

量 

(m

0.5

1

1.5

2

2.5

沈下

量 

(m

(b)第二段捨石 (d)第四段腹付土

関口・太田B1関口・太田B2

43

3 3(b)第二段捨石 (d)第四段腹付土

■解析ケース(一様モデル)N 4 N 5第二段捨石時 ■解析ケ ス( 様モデル)提案モデル:m=4, M=1.5関口・太田1:m=4, M=1.5関口・太田2:m=5, M=2.0

応力分担比

N-4 N-5N-1 N-2

第二段捨石時

-100-50050100

水平変位 (cm)

-100-50050

水平変位 (cm)

-100-50050

水平変位 (cm)

-100-50050

水平変位 (cm)

m:応力分担比M:限界状態応力比

H=15mSCP As=30% H=15mSCP As=30%

0

5

-100-50050100

0

5

-100-50050

0

5

-100-50050

0

5

-100-50050

N-2 N-4 N-5N-1実測値

提案モデル

-10

-5

m)

-10

-5

m)

-10

-5

m)

-10

-5

m)

提案モデル

関口・太田B2

-20

-15標

高 

(m

-20

-15

標高

 (m

-20

-15

標高

 (m

-20

-15

標高

 (m

関口 太田B1

-30

-25

-30

-25

-30

-25

-30

-25

関口・太田B1

-35 -35 -35 -35

埋立側海側 埋立側海側 埋立側海側埋立側海側

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第四段腹付時 1)提案モデルは,m=4,M=1.5の組み合わせで実測水平変位第四段腹付時 )提案 デ , , 組み合わ 実測水平変位を良好に再現した.

2)提案モデルと同じ定数を用いた関口・太田モデルは,実測水平変位を3倍以上過大評価した.

3)関口 太田モデルにおいて 5 M 2 0の組み合わせでも3)関口・太田モデルにおいて,m=5,M=2.0の組み合わせでも,実測水平変位を2倍程度過大評価した.

-100-50050100

水平変位 (cm)

-100-50050

水平変位 (cm)

-100-50050

水平変位 (cm)

-100-50050

水平変位 (cm)

0

5

10050050100

0

5

10050050

0

5

-100-50050

0

5

-100-50050

N-2 N-4 N-5N-1実測値

提案モデル

-10

-5

m)

-10

-5

m)

-10

-5

m)

-10

-5

m)

提案 デル

関口・太田B2

-20

-15

標高

 (m

-20

-15

標高

 (m

-20

-15

標高

 (m

-20

-15

標高

 (m

関口・太田B1

-30

-25

-30

-25

-30

-25

-30

-25

関口・太田B1

45-35 -35 -35 -35

埋立側海側 埋立側海側 埋立側海側埋立側海側

せん断ひずみ分布

20. 18. 16. 14. 12. 10. 8. 6. 4. 2. 0.20.18.16.14. 12.10. 8. 6. 4. 2. 0. (%) 20. 18. 16. 14. 12. 10. 8. 6. 4. 2. 0.( )

(a)関口・太田モデル(B2)(a)関口・太田モデル (a)関口・太田モデル(B2)(a)関口・太田モデル

(b)修正関口・太田モデル(b)修正関口・太田モデル

46

徳山下松港護岸(低置換率SCP)関空二期島護岸(SD)

地盤改良性能評価のための新たな構成モデルと新たな構成モデルとその改良地盤への適用

3 真空圧密工法で改良された地盤における3.真空圧密工法で改良された地盤における変形性能評価

検証事例5:浚渫埋立地の真空圧密工法検証事例5:浚渫埋立地の真空圧密工法

T-8埋立地

N

T-8埋立地

徳山湾

m

埠頭用地T-9埋立地L=

250m

護岸

真空圧密改良範囲

東護

南護岸

w=44.4m

南護岸

48

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真空載荷区域F

真空載荷区域E

真空載荷区域D

真空載荷区域C

真空載荷区域B

真空載荷区域A

20m

15m

10m

250m

44.4

m改

良域

)10

m(

48.0m 40.8m 40.8m 40.8m 40.8m 50.4mN

傾斜計 沈下板,水平変位杭

間隙水圧計(ドレーン内)

集中計測管理区域

一般計測管理区域

【凡例】 真空ポンプ圧力計(元圧)

排水流量計集水管端部圧力計(デジタル)

集水管端部圧力計(アナログ) 間隙水圧計(土中)

49

プ ド 負 集中計測管理区域の

集水管

キャップ付ドレーン□1.2m×1.2m:L=27.0m

P

負圧シール層(H=1.5m)標高

DL(m)▽GL 0.0m

集中計測管理区域の間隙水圧計設置深度

ドレーン▽+5.0

埋立粘土1

▽GL 0.0m

▽+0.0 6.0m

1.3m1.5m▽ 5.0

▽GL-7 3m

埋立粘土2 改良

10.8m埋立粘土

▽GL-7.3m

浚渫粘土

良層厚

28m▽-12.0▽GL-18 1m

在来粘土Ac

▽GL 24 7

28m

6.6m在来粘土Ac

▽GL 18.1m

基盤砂礫層

▽GL-24.7m

1.0m▽-23.0間隙水圧計

土中

50

基盤砂礫層 間隙水圧計

経過時間 (日)0ドレーン打設

0

1.0

3500 50 100 150 200 250 300

自重圧密による沈下

沈下量

2.0

1.0

解析対象(正規圧密)

改良域中央より52.2m(2-4)

改良域端部(2-7)

改良域中央(2-9)

沈下量(m)

2.0

3.0負圧載荷

75日後130日後178日後(負圧載荷)199日後252日後312日後

改良域(44.4m)

負圧載荷による沈下

量(m)

4.0

3.0(正規圧密)

(未圧密)4.0

5.0

自重圧密による沈下 負圧載荷による沈下 -100 100-50 0 50改良域中央からの距離 (m)

5.0

(a) 時間~沈下関係(区域B) (b) 横断方向の地表面沈下形状(区域B)

75日後 130日後178日後(負圧載荷) 199日後252日後 312日後

0

1.0 自重圧密による沈下水

75日後130日後178日後(負圧載荷)199日後252日後2 0

6.0

4.0改良域内水平変位

負圧載荷による水平変位

2.0

3.0F A

沈下量(m)

水平変位量( )

252日後312日後

2.0

0

2.0

水平変位

改良域内

自重圧密による水平変位

負圧載荷による沈下

0

4.0

25050 100 150改良域端部(区域F側)からの距離 (m)

5.0200

E D C B(m)

-100 100-50 0 50改良域中央からの距離 (m)

改良域(44.4m)

4.0

改良域内水平変位

51

改良域端部(区域F側)からの距離 (m) 改良域中央からの距離 (m)

(c) 縦断方向の地表面沈下形状(区域A~F中央部) (d) 横断方向の地表面水平変位(区域B)

水平変位着目位置CL 排水境界

5m1.

5m

水平変位着目位置L

埋立粘土1

排水境界

非排

12m

1

埋立粘土2 8節点アイソパラメトリック要素積分次数:応力2次×水圧2次

排水境界

11m

1m

在来粘土

w=22.2m改良範囲

1

80.0m排水境界点線:負圧作用境界

ド 近傍 ドレ ン間中央

1.2m

ドレーン近傍 ドレーン間中央(応力,間隙水圧の着目点)

ドレーン

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経過時間 (日)0 50 100 150 350250200 300

経過時間 (日)0 50 100 150 350250200 3000

1.0

0 50 100 150 350250200 300FEM(x=52.2m,改良域外)

0

1.0

0 50 100 150 350250200 300FEM(x=52.2m)

沈下量(m)

2.0

3.0 FEM(改良域端部)

沈下量(m)

2.0

3.0FEM(改良域端部)

実測(x=52.2m)

実測(改良域端部)

実測(改良域中央)

5.0

4.0負圧載荷

FEM(改良域中央)実測(x=52.2m)

実測(改良域端部)

実測(改良域中央)

5.0

4.0負圧載荷

FEM(改良域中央)

0 0

FEM(t=6日後)

0

1.0 FEM(t=6日後)

0

1.0

実測(6日後)実測(30日後)実測(70日後)

FEM(t=30日後)

FEM(t=70日後)

FEM(t=98日後)

沈下量(m)

2.0実測(6日後)実測(30日後)実測(70日後)

FEM(t=30日後)

FEM(t=70日後)

FEM(t=98日後)

沈下量(m)

2.0

実測(98日後)実測(134日後)

FEM(t=134日後)

100-100 -50 0 50改良域中央からの距離 (m)

改良域3.0

実測(98日後)実測(134日後)

FEM(t=134日後)

100-100 -50 0 50改良域中央からの距離 (m)

改良域3.0

53

(b) 修正Cam-clayモデル(a) 修正関口・太田モデル

実測(6日後)実測(30日後)

実測(6日後)実測(30日後)

(b) 修正Cam-clayモデル(a) 修正関口・太田モデル4.0 4.0実測(30日後)実測(70日後)実測(98日後)実測(134日後)

実測(30日後)実測(70日後)実測(98日後)実測(134日後)

水平

2.0

3.0

1.0

改良域内水平変位 FEM(t=6日後)

FEM(t=30日後)水平

2.0

3.0

1.0

改良域内水平変位 FEM(t=6日後)

FEM(t=30日後)変位量(m)

0

改良域内水平変位

1.0

2 0

( )FEM(t=70日後)

FEM(t=98日後)

変位量(m)

0

改良域内水平変位

1.0

2 0

( )FEM(t=70日後)

FEM(t=98日後)

100-100 -50 0 50改良域中央からの距離 (m)

改良域2.0

3.0FEM(t=134日後)

100-100 -50 0 50改良域中央からの距離 (m)

改良域2.0

3.0FEM(t=134日後)

水平変位量 ( ) 水平変位量 ( )5

0

水平変位量 (cm)300 0100200

FEM(134)

5

0

水平変位量 (cm)300 0100200

FEM(134)

標高DL

-5

10

FEM(134)

FEM(98)

FEM(70)

FEM(30)

標高

-5

10

FEM(134)

FEM(98)

FEM(70)

FEM(30)

実測(6日後)実測(30日後)

DL(m)

-15

-10FEM(6)

実測(6日後)実測(30日後)

DL(m)

-15

-10FEM(6)

実測(30日後)実測(70日後)実測(98日後)実測(134日後)

-25

-20改良域内水平変位

実測(30日後)実測(70日後)実測(98日後)実測(134日後)

-25

-20改良域内水平変位

-0.5

0.0軸対称FEM(側方変形)

1 5

-1.0

(m

K0=0.5K0=0.6

実測値

-2.0

-1.5

沈下

量 

実測値(改良域中央部)

二次元FEM今井(2005)

K0=0.4

-3.0

-2.5沈

実測値(改良域中央部)軸対称FEM(側方変形)軸対称FEM(側方拘束)二次元FEMBarron理論

Barron

軸対称FEM(側方拘束)

-3.50 20 40 60 80 100 120 140

理論今井(2005)[K0=0.4~0.6] (側方拘束)

0 20 40 60 80 100 120 140経過時間 (日)

改良域中央部の沈下量改良域中央部の沈下量

検証解析のまとめ検証解析のまとめH=15mSCP As=30% H=15mSCP As=30%

CL

H=4.7m

CLCL

H=4.7m

Sabd Drain Sabd DrainMa13H=30mSabd Drain Sabd DrainMa13H=30m

(b) 徳山下松港(低置換率SCP)

Plastic Boad Drain H=9.7mPlastic Boad Drain H=9.7m

Ds1~Ma2H=240mDs1~Ma2H=240m

(a) 関空二期島(SD)(a) 関空 期島(SD)

(d) 成田試験盛土(PD)CCC

MPD

25%

SCP As=70%H=37m

MPD

25%

SCP As=70%H=37m

H=27m

CL

真空圧U=-65kPa H=27m

CLCL

真空圧U=-65kPa

50%25%

50%25%

( ) 呉港(複合置換率SCP) ( ) 徳山下松港(真空圧密)(c) 呉港(複合置換率SCP) (e) 徳山下松港(真空圧密)

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検証解析のまとめ検証解析のまとめ

呉港( ) 呉港( )

10

12 呉港(SCP)徳山下松港(SCP)関空二期(SD)N試験盛土(PBD)徳山下松港(VC) 3

4 呉港(SCP)徳山下松港(SCP)関空二期(SD)N試験盛土(PBD)徳山下松港(VC)

6

8

値 

(m)

徳山下松港(VC)

2

3

値 

(m)

徳山下松港(VC)

4解析

1

解析

解析が過小

0

2

0 2 4 6 8 10 12

0

0 1 2 3 4

(a) 鉛直変位(沈下量) (b) 水平変位

0 2 4 6 8 10 12

実測値 (m)

0 1 2 3 4

実測値 (m)

(a) 鉛直変位(沈下量) (b) 水平変位

改良した地盤に対する新たなモデルによる解析結果のまとめ

サンドドレーン改良地盤,低置換率SCP改良地盤,複合置換率SCP改良地盤 プラスチックボードドレーン合置換率SCP改良地盤,プラスチックボ ドドレ ン

改良地盤,真空圧密による改良地盤における沈下量を高い精度で予測できるを高い精度で予測できる.

従来過大評価されることが多かった水平変位についても 変形モ ドや水平変位量の絶対量を実務上十ても,変形モードや水平変位量の絶対量を実務上十分な精度で予測可能であることを確認した.

限られた検証解析による結論であるため 他の事例限られた検証解析による結論であるため,他の事例についても,再現解析を実施する必要がある.

港湾・空港施設の地盤品質報告書作成マニュアル(案)

バーチカルドレーン工法で改良された地盤の品質報告書に必要な内容 (1) 地盤調査結果の情報報告書に必要な内容 (1) 地盤調査結果の情報

1.  現場の位置情報

2. 構造物と地盤改良の平面図,代表断面の位置図

3. 代表断面の断面図

4. 土質柱状図と土質特性

粘性土: 深度と自然含水比,液性限界,塑性限界,単位体積重量

深度と非排水せん断強さsu(あるいは一軸圧縮強度quの1/2)u u

深度と圧密降伏圧力pc,圧縮指数Cc,正規圧密領域の圧密係数cv代表試料による有効応力に関する内部摩擦角φ’,静止土圧係数K0代表試料による有効応力に関する内部摩擦角φ ,静止土圧係数K0

砂質土: 深度とN値および細粒分含有率,N値からφdの求め方

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バーチカルドレーン工法で改良された地盤の品質報告書に必要な内容(2) 設計時の情報報告書に必要な内容(2) 設計時の情報

5. 設計時の情報

5.1 改良の目的・考え方

5.2  設計に用いた代表断面(数値解析の場合はメッシュ図)

5.3 設計に用いた地盤のパラメータ(数値解析の場合は構成モデル).

パラメータ設定の根拠.水平方向圧密係数の設定方法.強度増加率の設定とその根拠.率 設定 そ 根拠

5.4 ドレーンの配置とドレーンの長さ,ドレーン材の種類,砂の場合は粒度,透水係数

ド 粒度 透水係数5.5 サンドマットの粒度,透水係数

5.6 載荷履歴(設計時)

5 7 安定解析の方法5.7 安定解析の方法.

5.8  各施工段階での安定解析結果.

5.9 沈下解析の方法.水平変位の計算方法.二次圧密の計算方法5.9 沈下解析の方法.水平変位の計算方法. 次圧密の計算方法

5.10 各段階での時間~沈下関係.各段階での時間~水平変位関係

バーチカルドレーン工法で改良された地盤の品質報告書に必要な内容(3) 地盤の数値解析に関する情報書に必要な内容(3) 地盤の数値解析に関する情報

5.11 (数値解析を用いた場合)(数値解析を用 場合)

1) 原地盤の力学特性の構成モデルの選択

モデルの精度(力学挙動の再現性)に関する情報

2) 解析に用いるパラメータの決定方法

3) 改良後の地盤特性の変化の考慮の有無(改良による攪乱の効果など)

盛土や埋立土の デ 化の方法あるいは与えた剛性など4) 盛土や埋立土のモデル化の方法あるいは与えた剛性など

5)使用した解析プログラム(ソフト).プログラムの特徴

応力積分法 収束計算法 負荷判定法 特異点処理法応力積分法,収束計算法,負荷判定法,特異点処理法

変位と水頭の離散化手法

小変形理論(幾何学的線形性)か有限変形理論(幾何学的非線形性)変形 論(幾何学的線形性) 有限変形 論(幾何学的非線形性)6) 解析次元.

二次元の場合,三次元を二次元にモデル化するために用いた仮定.

バーチカルドレーン工法で改良された地盤の品質報告書に必要な内容(4) 施工時の情報と性能評価結果書に必要な内容(4) 施工時の情報と性能評価結果

6 施工時の情報6. 施工時の情報

6.1 施工に用いたドレーン,サンドマットの情報.

6 2 ドレーンの打設方法6.2 ドレ ンの打設方法.

6.3 施工時の地盤の載荷履歴.

6.4 沈下,水平変位の計測データ.設計時の沈下予測との比較.

6.5 強度増加,間隙水圧消散の確認データ.設計時の予測値との比較.

7.改良地盤の性能評価結果

造成した地盤の施工後50年間の変形予測および強度予測.周辺地盤

への影響の予測 (設計時に予測 施工時に問題がなければ設計時への影響の予測.(設計時に予測.施工時に問題がなければ設計時の予測値.施工中および施工後に見直した場合は見直した予測値)

地震時の地盤変形の予測結果と評価

サンドコンパクションパイル工法で改良された地盤の品質報告書に必要な内容 (1) 地盤調査結果の情報質報告書に必要な内容 (1) 地盤調査結果の情報

1.  現場の位置情報

2. 構造物と地盤改良の平面図,代表断面の位置図

3. 代表断面の断面図

4. 土質柱状図と土質特性

粘性土: 深度と自然含水比,液性限界,塑性限界,単位体積重量

深度と非排水せん断強さsu(あるいは一軸圧縮強度quの1/2)u u

深度と圧密降伏圧力pc,圧縮指数Cc,正規圧密領域の圧密係数cv代表試料による有効応力に関する内部摩擦角φ’,静止土圧係数K0代表試料による有効応力に関する内部摩擦角φ ,静止土圧係数K0

砂質土: 深度とN値および細粒分含有率,N値からφdの求め方

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サンドコンパクションパイル工法で改良された地盤の品質報告書に必要な内容(2) 設計時の情報( )

5. 設計時の情報

5.1 改良の目的・考え方

5.2 設計に用いた改良平面図(数値解析の場合はメッシュ図),配杭図,改良率

5 3 設計に用いた地盤のパラメ タ パラメ タ設定の根拠 水平方向圧密係5.3 設計に用いた地盤のパラメータ.パラメータ設定の根拠.水平方向圧密係数の設定方法.強度増加率の設定とその根拠)

5.4 砂杭の強度定数とその考え方.応力分担比の設定とその根拠.

5.5 施工および地盤の載荷履歴(設計時)

5.6 改良地盤の安定解析の方法.複合地盤の強度算定方法.

5.7 各施工段階での安定解析結果(改良後の安全率).安定解析の安全率の計算方法.

5 8 改良後の沈下量の計算方法 沈下低減係数の考え方(chの設定法) 水5.8 改良後の沈下量の計算方法.沈下低減係数の考え方(chの設定法).水平変位,二次圧密の計算方法.

5.9 各段階での時間~沈下関係.各段階での時間~水平変位関係

5.10 盛り上がり形状の推定結果(設計)

サンドコンパクションパイル工法で改良された地盤の品質報告書に必要な内容(3) 地盤の数値解析に関する情報

5.11 (数値解析を用いた場合)

1) 原地盤の力学特性の構成モデルの選択

モデルの精度(力学挙動の再現性)に関する情報

2) 解析に用いるパラメータの決定方法

3) 改良後の地盤特性の変化の考慮の有無(改良による攪乱の効果など)3) 改良後の地盤特性の変化の考慮の有無(改良による攪乱の効果など)

4) 水平方向圧密係数の設定方法.強度増加率の設定とその根拠.

5) 複合地盤のモデル化の方法(砂杭と杭間粘性土を一体として扱う一様モデ5) 複合地盤のモデル化の方法(砂杭と杭間粘性土を 体として扱う 様モデルか,砂杭と杭間粘性土を別々の力学モデルで分離して扱う砂杭モデルか)

6)砂杭の強度定数とその考え方.応力分担比の設定とその根拠.

7) 使用した解析プモデル化ログラム(ソフト).プログラムの特徴

応力積分法,収束計算法,負荷判定法,特異点処理法

変位と水頭の離散化手法変位と水頭の離散化手法

微小変形理論(幾何学的線形性)か有限変形理論(幾何学的非線形性)6) 解析次元:二次元の場合 三次元を二次元にモデル化するために用いた6) 解析次元:二次元の場合,三次元を二次元にモデル化するために用いた

仮定.

サンドコンパクションパイル工法で改良された地盤の品質報告書に必要な内容(4) 施工時の情報と性能評価結果

6.1 施工進捗図(改良順序,打設方向)

6.2 施工方法(打設方式,1ステップの造成長さ)

6.3 サンドマットの有無.使用した砂の産地と粒度特性.砂の細粒分含有率,最大,最小密度.

6 4 砂投入量(食い込み率)6.4 砂投入量(食い込み率)

6.5 杭心におけるN値.N値の測定頻度.その他の品質確認の有無(コーン貫入試験など).

6.6 動態観測データ(周辺地盤の変位計測などあれば)

6.7 盛り上がり量の計測結果.

盛り上がり土 対する対処(撤去 撤去しな 場合 処理方法)6.8 盛り上がり土に対する対処(撤去,撤去しない場合の処理方法)

6.9上載構造物施工後の沈下量および側方変位量(あれば)

7 改良地盤の性能評価7.改良地盤の性能評価

造成した地盤の施工後50年間の変形予測および強度予測.周辺地盤へ

の影響予測.(設計時に予測.施工時に問題がなければ設計時の予測値.施工中および施工後に見直した場合は見直した予測値)

地震時の地盤変形の予測結果と評価

地盤の品質報告書作成の方法

① 構造物が満足すべき性能を発注者が規定し、設計コンサルタントに発注する。

② 設計コンサルタントは性能をもとにもっとも合理的な設計を行い、設計書とともに,地盤の品質報告書に設計時の情報行い、設計書とともに,地盤の品質報告書に設計時の情報を記載し、発注者に提出する.

③ 発注者は施工者に本報告書を渡し 設計の趣旨にそった施③ 発注者は施工者に本報告書を渡し,設計の趣旨にそった施工を実施するよう促すとともに、施工時の情報の追加を求める.施工者は施工時の情報を本報告書に追加して発注者に提出する.

③ 発注者は施工時の情報が含まれた報告書を設計者に渡し,地盤の性能に関して再検討を依頼する.設計者は設計時の予測と施工時の情報を比較検討し,改良後の地盤の性能評価を行い 「改良した地盤の性能報告書」を完成させる価を行い,「改良した地盤の性能報告書」を完成させる.

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地盤の品質報告書の意義地盤 品質報告書 意義

以上の手順で作成された改良地盤の品質報告書は,その上

に構築される港湾・空港施設において今後発生する地盤の変

形とそれによる維持補修の計画を立案する上で有用な情報と形とそれによる維持補修の計画を立案する上で有用な情報と

なる.

また,建設後年月を経て施設を改変する際にも地盤の条件

が明確になり大きく役立つと予想される また 耐震強化策のが明確になり大きく役立つと予想される.また,耐震強化策の

検討や,地震等で被災した際の復旧においても直ちに活用で

き,港湾・空港施設のアセットマネジメントにおいて基本となる

情報になると考える情報になると考える.