【2rf-1801】hp公開用 研究概要・概要図(関西大学 中規模輸送・長期保存用...

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【課題番号】2RF-1801 【研究課題名】中規模輸送・長期保存用水素貯蔵材料の開発 【研究期間】平成30年度~平成32年度 【研究代表者(所属機関)】近藤亮太(学校法人関西大学) 研究の全体概要 本研究では、Mg/Fe 積層体を水素の中規模輸送用と長期保存用の材料として応用することを目指す。 MgH 2 は水素貯蔵容量が 7.6mass%、体積密度が 55molH 2 dm -3 と比較的高いエネルギー密度を有し、安定 な水素化物を形成すること(生成エンタルピーが-74kJ mol -1 )、資源的な面で特定の地域に偏在しておら ず、豊富に存在する。現在、日本で進められている水素輸送インフラ構想が進められる中、 A. 水素の日 -諸外国間の輸出入や都市部への輸送だけでなく、地方都市への水素の供給が必要となること、B. 搬先での純水素の取出し設備を考えた場合、簡便に純水素が得られる仕組みを考えなければならないこ とが課題である。 MgH 2 を水素貯蔵材料として用いる研究は過去から進められていたが、脱水素化時のエンタルピーが 74 kJ と高いため、300℃程度の熱が必要となることが問題となる。その本質的な問題は、Mg 粉末から 完全な MgH 2 を得るには、サブミクロン程度まで微粉化しなければならず、微粉化した MgH 2 は脱水素 化時に金属 Mg へと戻るため、徐々に粉末の粒径が粗大化し、結果、容量低下へとつながることである。 粗大粒への成長を抑制するには、 Mg と反応しない壁が必要であり、本研究では Fe を候補として用いる。 本研究では、水素の中規模輸送用・長期安定保存用として Mg/Fe 積層体を開発することを目的として いる。そのために、①効率的な Mg/Fe 積層体作製方法の確立、②メッキ時の酸化物量の低減、有機ハイ ドライドからの水素吸蔵合金への直接反応のフィジビリティを明らかにすることを目指す。

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Page 1: 【2RF-1801】HP公開用 研究概要・概要図(関西大学 中規模輸送・長期保存用 … · 本研究では、Mg/Fe 積層体を水素の中規模輸送用と長期保存用の材料として応用することを目指す。

【課題番号】2RF-1801 【研究課題名】中規模輸送・長期保存用水素貯蔵材料の開発 【研究期間】平成30年度~平成32年度 【研究代表者(所属機関)】近藤亮太(学校法人関西大学)

研究の全体概要

本研究では、Mg/Fe 積層体を水素の中規模輸送用と長期保存用の材料として応用することを目指す。

MgH2は水素貯蔵容量が 7.6mass%、体積密度が 55molH2 dm-3と比較的高いエネルギー密度を有し、安定

な水素化物を形成すること(生成エンタルピーが-74kJ mol-1)、資源的な面で特定の地域に偏在しておら

ず、豊富に存在する。現在、日本で進められている水素輸送インフラ構想が進められる中、A. 水素の日

本-諸外国間の輸出入や都市部への輸送だけでなく、地方都市への水素の供給が必要となること、B. 運

搬先での純水素の取出し設備を考えた場合、簡便に純水素が得られる仕組みを考えなければならないこ

とが課題である。

MgH2 を水素貯蔵材料として用いる研究は過去から進められていたが、脱水素化時のエンタルピーが

74 kJ と高いため、300℃程度の熱が必要となることが問題となる。その本質的な問題は、Mg 粉末から

完全な MgH2を得るには、サブミクロン程度まで微粉化しなければならず、微粉化した MgH2は脱水素

化時に金属Mgへと戻るため、徐々に粉末の粒径が粗大化し、結果、容量低下へとつながることである。

粗大粒への成長を抑制するには、Mgと反応しない壁が必要であり、本研究では Feを候補として用いる。

本研究では、水素の中規模輸送用・長期安定保存用としてMg/Fe積層体を開発することを目的として

いる。そのために、①効率的なMg/Fe積層体作製方法の確立、②メッキ時の酸化物量の低減、有機ハイ

ドライドからの水素吸蔵合金への直接反応のフィジビリティを明らかにすることを目指す。

Page 2: 【2RF-1801】HP公開用 研究概要・概要図(関西大学 中規模輸送・長期保存用 … · 本研究では、Mg/Fe 積層体を水素の中規模輸送用と長期保存用の材料として応用することを目指す。

研究の全体概要図

研究課題番号: 2RF-1801

研究課題名: 中規模輸送・長期保存用水素貯蔵材料の開発

研究代表者: 近藤亮太

研究代表機関: 学校法人関西大学