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特 集

Precision Medicine 時代のAbdominal Imaging 2020

先人たちの足跡と未来への道

「特集 Precision Medicine時代のAbdominal Imaging 2020─先人たちの足跡と未来への道【前編】MRI/US」は前号(2020年4月号/35巻4号)に掲載しました。

後 編 CT/X-ray/核医学/WS企画協力:藤永康成 信州大学医学部画像医学教室教授

INNERVISION (35・5) 2020  3

腹部造影CT診断の歩み 1972年にHounsfieldらによってX線CTが発明されて以降,X線CTが診断から治療に至るまで現代医療において必要不可欠な役割を果たしてきたことは周知の事実である1)。腹部画像診断においては,1989年にsingle detector helical CT(SDCT)が,そして,1990年代後半にmulti detector helical CT(以下,MDCT)が実用化され,時間分解能が飛躍的に向上したことの恩恵が特に大き

い。それは,多時相のダイナミック造影CT撮影が可能となり,臓器・疾患ごとに診断に適した造影時相のCT画像を得ることができるようになったためである2)。MDCTの実用化以降,適切な造影時相のCT画像を得るためのさまざまな工夫が,造影剤投与法(造影剤濃度・造影剤量・注入速度・注入時間)およびCT撮影法(撮影タイミング・撮影技術)の両面から検討されてきている2)~8)。さらには,得られた画像から視覚的評価のみでは認識が困難な,より高次の情報を抽出する後処理法(perfusion imaging・

radiomics)も注目を集めている9)~13)。 本稿では,腹部造影CT診断における技術動向を,造影剤投与法,CT撮影法,後処理法に分けて概説し,最新トピックスの一例として,現在われわれの施設で特許を取得し実用化をめざしている「時間encoding-decoding造影CT」について紹介させていただく14),15)。

造影剤投与法 腹部造影CT診断の進歩の歴史において,多彩な造影剤濃度の製剤が今日

〈0913-8919/20/¥300/ 論文 /JCOPY〉

Ⅳ  CT:腹部領域における技術の到達点と臨床の最前線

1.CTの技術進歩で変わる臨床の今と未来1) 腹部造影CTの技術動向と最新トピックス

山田  哲 信州大学医学部画像医学教室

政木 勇人/山本 翔太/牧 一之進 PSP(株)

特集 Precision Medicine時代のAbdominal Imaging 2020【後編】

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