it系メディアのライティング手法 紙からwebへ

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情報科学シンポジウム « 第2回 情報科学者のためのテクニカルライティング http://www.coins.tsukuba.ac.jp/sym/fp/?page=tw

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IT系メディアのライティング⼿法

紙からWebへ

⽇経BP社 ITpro副編集⻑ ⾼橋信頼

⾃⼰紹介ITpro副編集⻑担当分野はOSS、ソフト開発、スマートフォン、UX/UIなど

– 1989年第三学郡情報学類卒– 1991年理⼯学研究科修了

研究室はHLLA(現Softlab)– ⽇経コンピュータ編集、シリコンバレー⽀局な

どを経て現職Android Application Award事務局オープンソースカンファレンス.Government実⾏委員松江オープンソースビジネスプランコンテスト審査委員

https://www.facebook.com/nobuyori/友達申請お待ちしております

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⾃⼰紹介

• ITのプロフェッショナルのためのメディア• 登録会員数 約100万⼈• ⽉間ユニークブラウザ 約300万

⾃⼰紹介ITproはイベントやコンテストも主催しています。

学⽣賞もあります!

⾃⼰紹介

ある⽇の編集部

お⾒苦しい映像がありましたことをお詫び申し上げます。

m(__)m

⾃⼰紹介Q. なぜ出版社に?

A.ハッカーになれなかったから。  プロの選⼿になれなかった  スポーツ新聞記者のようなもの。   もちろん、書く事とコンピュータが  ⼤好きだったから。

今⽇お話したいこと• Web時代の「書く事」の⼒

–誰もがメディアに• 伝わる書き⽅

–読まれるタイトルの作り⽅–わかりやすい表現の技術–伝わる⽂章の条件

Web時代の「書く事」の⼒

• 広く情報を届けられるのはマスメディアだけ

• 論⽂を⽬にするのは研究者仲間だけ

紙の時代

Web時代の「書く事」の⼒

• 誰もが世界に発信できる環境に–個⼈や⼀般の組織が書いたものが、マスメディアに匹敵する影響⼒を持ち得る。

Webの時代

でも、多くの⼈の⾏動様式はそんなに変わっていない

Web時代の「書く事」の⼒• ⾳楽の世界で起きたことと似ている

–誰もがニコニコ動画やYouTubeで発信できる

–初⾳ミクなど、ツールも安価に⼊⼿できる

      ↓多くの才能が活躍

⾳楽の世界がとても豊かなものに

Web時代の「書く事」の⼒・研究者も情報発信を使いこなせ ニコニコ学会の江渡浩⼀郎⽒(産総研)は「思いを伝える」ことでクラウドファンディングで140万円を集めた

伝わる書き⽅

伝わる書き⽅

• 読まれるタイトルの作り⽅• わかりやすい表現の技術• 伝わる⽂章の条件

読まれるタイトルの作り⽅• タイトルは内容と同じくらい重要• 紙では⽂字の⼤きさやビジュアルで

⼿に取らせることができるが、ネットでは⽂字だけ

• クリックしてもらわなければ始まらない

• 「横を向いている⼈の頭をひっつかんでこちらを向かせる」気概を!

読まれるタイトルの作り⽅メディア的いいタイトルの条件

•記事のいちばん重要な情報が伝わること•読んでもらいたい⼈の⽬に留まるキーワードが⼊っていること(SEO的にも重要)•なぜその⼈がこの⽂章を読まなければならないか(あるいはなぜ読むといいことがあるのか)伝わること•簡潔で⼒強いこと

読まれるタイトルの作り⽅     タイトル案の作り⽅   

1. 要約をタイトルにする2. 本⽂の中の印象的なフレーズを抽出する3. 本⽂の内容をタイトルにする ex.「〜するための⽅法」「〜の理由」4.設問をタイトルにする ex.「〜は〜なのか」5. 流⾏語やパロディ ex.「いつ〜やるか。今でしょ!」

読まれるタイトルの作り⽅

http://www.amazon.co.jp/dp/4344416457 http://itpro.nikkeibp.co.jp/NC/

読まれるタイトルの作り⽅ブラッシュアップの⽅法

1. 候補をいくつも作る2. 語の並びを変えてみる3. 他の⾔葉で⾔い換える4. そぎ落とす

読まれるタイトルの作り⽅タイトルをこう変えた例

スマートフォン・アプリで個⼈タクシーに乗る↓

スマホアプリで個⼈の⾞がタクシーに          

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20130607/483329/宮本和明のシリコンバレー最新技術報告

読まれるタイトルの作り⽅

タイトルをこう変えた例

「ほこ×たて」とホワイトハッカーの受難↓

「ほこ×たて」対決の功罪、ロシア⼈ホワイトハッカーに裏側を聞いた

          「当事者による内情」という情報をタイトルで伝える

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20130702/488888/

読まれるタイトルの作り⽅

タイトルを変えた例

「仮想化ソフトとサーバー運⽤⾃動化」↓

「らくらくクラウド運⽤管理術」          

クラウドというキーワード効率化を示す「らくらく」、くだけた感じで初心者にも読んでほしい

伝わる書き⽅

• 読まれるタイトルの作り⽅• わかりやすい表現の技術• 伝わる⽂章の条件

わかりやすい表現の技術• 「理解」とは「⾃分が知っていることに

置き換えること」。– 読む⼈の前提知識に応じ、⽤語を解説– アナロジーを適切に活⽤

• ⼈間は「条件記述」より「例⽰」を理解しやすい– コンピュータと逆。ニューラルネットワーク

的学習

わかりやすい表現の技術わかりにくい⽂章

1. ⻑い。→1主語1述語の短⽂に!

2. 係り受けが遠い。→修飾語は被修飾語の近くに、主語は述語の近くに!

3. 段落が⻑い。→段落の最初の⽂は結論。段落の残りの⽂章でその詳細や理由を述べる。

わかりやすい表現の技術わかりにくい⽂章

1. ⻑い。→1主語1述語の短⽂に!

  松江市は、同市が実施している中学生向けRuby教室で使用しているソフトウエア一式を、ソフトウエア開発プロジェクトホスティングサイトの「GitHub」で無償公開した。

↓ 松江市は、中学生向けRuby教室のソフトウエア一式を無償公開した。教室は同市が実施しているもの。ソフトウエア開発プロジェクトホスティングサイトの「GitHub」で配布している。

わかりやすい表現の技術わかりにくい⽂章

2. 係り受けが遠い。→修飾語は被修飾語の近くに、主語は述語の近くに!

Androidは優れた、スマートフォン向けの、Linuxのカーネルをベースに開発された、javaの実行環境やGUIライブリなどを備えた、OSである。

わかりやすい表現の技術わかりにくい⽂章

3. 段落が⻑い。→段落の最初の⽂は結論。段落の残りの⽂章でその詳細や理由を述べる。 Code for Americaは、開発者と政府・自治体をつなぎ、行政を改善するアプリを開発し適用するプロジェクト。自治体に腕利きのプログラマを約1年間派遣し、市民が行政に参加しやすくなるためのアプリなどを開発するフェローシップなどの活動を行なっている。その活動により、市民が消火栓など市の施設を自分たちの手で保守するのを支援するアプリなどが開発された。

結論

詳細

美しい表現の技術• 「〜です。」「〜です。」など同じ語尾

を続けない。「です。」の次は体⾔⽌めにするなど、変化をつける。

• 「実⾏」「実⾏」など同じ⾔葉を続けない。「実⾏」の次は「処理」にするなど、表現を変える。

伝わる書き⽅

• 読まれるタイトルの作り⽅• わかりやすい表現の技術• 伝わる⽂章の条件

伝わる⽂章の条件• 何よりもまず「伝えたいこと」「思い」

があること

• その上で、それを読んでほしい⼈の⽴場にたって⽂章に落とし込む

伝わる⽂章の条件• 読み⼿は最初の段落でそのあと読み続け

るかどうかを決める。映画の冒頭のような“つかみ”を⽤意する。– 技術のインパクトの⼤きさ

• 「コストを30%削減」、「期間を半減」、「主記憶と2次記憶という概念がなくなる」

– 読み⼿がはっとする問いかけ• 「プログラマは若者に魅⼒的な職業と思われてい

るだろうか」– 印象的な場⾯の描写– 象徴的な台詞

伝わる⽂章の条件• 説得⼒は表現ではなく事実が作る

– 「⾼い」「優れた」などの形容詞ではなく 「1.3倍」「23%減」など情報を積み重ねる

・主観より客観- ⾃分の⾔葉より、他⼈の⾔葉- ⾔葉より事実

伝わる⽂章の条件• 図・写真は強⼒な武器

• この図・写真で何を伝えたいのかを意識する– ⼀つの図に主題は⼀つ。詰め込まない。– 写真撮影の際は「写真に何の情報を⼊れるの

か」から構図を作る

伝わる⽂章の条件

協力ということが一目で分かるよう、握手してもらいましたヽ(´▽`)ノhttp://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130723/493644/

伝わる⽂章の条件

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Active/20130529/480627/

““““第3333のメモリー””””の衝撃、ストレージとDBDBDBDBが一変する

付録:インタビューのコツ• 可能な限り予習する。• でもわからないことはわかってるふりをせず

恥ずかしがらず聞く。– 「不勉強ですみません、●●って何ですか」

• 例を話して、話を引き出す。– 「…っていうことがあったんですが、こんなこ

とはありませんでしたか」• 仮説を持って聞く。

– ただし仮説に固執せず、外れたら柔軟に新しい仮説を作る。

参考⽂献・記事

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090625/332595/

参考⽂献・記事

http://www.amazon.co.jp/dp/4121006240

まとめ• 誰でも世界に発信できるインターネ

ットの環境を活⽤しよう• タイトルは本⽂と同じくらい⼤事。

考え抜き、磨き抜こう• 「伝えたいこと」「思い」を読み⼿

の⽴場にたって⽂章にしよう

ご清聴ありがとうございました

ご質問などお気軽にこちらへnob@nikkeibp.co.jp

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