第 30 号 広島大学大学院教育学研究科 日本語教育学...

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ISSN 1347-7226 広 島 大 学 日 本 語 教 育 研 究 30 広島大学大学院教育学研究科 日本語教育学講座 2020

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ISSN 1347-7226

広 島 大 学

日 本 語 教 育 研 究

第 30 号

広島大学大学院教育学研究科

日本語教育学講座

2020

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「広島大学日本語教育研究」投稿規定

1.刊行の目的

広島大学大学院教育学研究科日本語教育学講座所属の教員等の研究成果の発表に資する。

2.名 称

『広島大学日本語教育研究』〈英文名:Bulletin of the Department of Teaching Japanese as a Second Language,

Hiroshima University〉とする。

3.投稿資格・投稿内容等

(1) 投稿資格を持つ者は,広島大学大学院教育学研究科日本語教育学講座の教員(非常勤を含む),大学院生,大学院

修了生,前年度まで在職の教員等とする。現専任教員との共著に限り,学部卒業生・学部生・研究生・研修生,及

び講座の承認を得た者も投稿できる。

(2) 投稿できるのは,研究論文・研究報告・実践記録・講演原稿・資料等とする。なお、投稿内容は執筆者のオリジナ

ルなものに限る。剽窃等が認められた場合は、当該論文は不採用とする。

(3) 講座彙報・書評等を掲載する。ただし書評については,投稿があった場合は書評の欄を設けて掲載する。投稿がな

い場合には欄を設けない。

(4) 投稿できる論文数は,2編(個人研究1編・共同研究1編,または共同研究2編)までとする。なお,書評はその

数に含めない。

(5)(平成 29 年度第 28 号以降適用)本紀要の電子化(電子版のみの発行)に伴い,投稿は電子ファイルのみ受け付ける。

4.編集等

(1) 講座内に紀要編集委員を置く。

(2) 本紀要は年1回刊行する。

(3) 執筆者校正は行わない。執筆者におる確認を1回のみ行う(初校のみ)。

5.原稿執筆要領

(1) ページの余白を上,下,左,右,すべて 20mm とし,横書きは 23 字×45 行×2段,縦書きは 34 字×31 行×2

段をそれぞれ1頁として,8頁以内とする。図表等もこの制限内に収めること。

(2) 原稿は完全原稿とする。1頁目のはじめに論文題目,執筆者名,英文題目,執筆者名(ローマ字)を段組せずに記すこ

と。必要に応じてキーワード5語以内を付すことができる。注及び引用文献は論文末に一括して掲げること。な

お,要旨(英文・和文)は,ネイティブチェックを終えた完全原稿とする。

・論文題目(主題)は 14pt ,副題は 12pt とし,それぞれ中央揃え(センタリング)にして配置する。執筆者名(共

著の場合は,掲載順)は 11pt とし,右揃えとする。なお,英文題目(副タイトル含む),執筆者名(ローマ字)は

11pt とする。

・本文は原則 10pt とする。本文の日本語のフォントは,「MS 明朝」,英数字は「century」を使用すること。その他

の外国語については,論文に適切なフォントを選定すること。

・本文中の括弧は,基本的に全角括弧を使用すること。

・図表については,完全な原図を,論文内の適切な位置に配置すること。なお,図表の文字サイズについては,自由と

するが,鮮明で見やすい大きさにすること。

・論文末にすべての引用文献を明記すること。形式については,各研究分野の学会誌などの規程に沿って記載すること

とする。なお,論文の場合は「論文の著者名,発行年数,論文の題目,研究雑誌名,掲載号数,掲載ページ」を,

書籍の場合は,「著者名,書籍名,発行元,発行年」を必ず記載すること。また,引用文献は,著者名に沿って,

アルファベット順または,五十音順に統一して整列させること。

・Mac の PC を使用して論文を作成した場合,提出前に Windows の PC を利用して,図や表などの配置のズレ・文

字抜けなどがないかを確認した上で提出すること。

(3) 10 月 31 日の最終原稿提出時に,必ず,250 語以内の英文要旨を提出すること。

(4) 教員の投稿締切は毎年 11 月 30 日とし,紀要編集委員に午後5時迄に提出する。大学院生,大学院修了生のみで執

筆する場合は審査を行うため 10 月 31 日(午後5時)を投稿締切とし,最終稿は 11 月 30 日(午後5時)を締

切とする。ただし,締切が土曜日または日曜日の場合,その直前の金曜日を締切に替える。締切厳守のこと。

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(5) 提出原稿は返却しない。

(6) 原稿提出は,次の4種を揃えて提出すること。①原稿ファイル(Word, 一太郎,テキストファイルに限定。TeX の

方は PDF のみ),②それを変換した PDF ファイル(必ず,フォントを埋め込むこと。作成要領については別「P

DF ファイルの作成要領(フォントの埋め込み)」を参照),③投稿チェックシート,④要旨(英文・和文)。

(7) 提出は,添付ファイルにて [email protected] の講座アドレス宛に送付すること。件名には「○○年第▲

▲号講座紀要応募原稿・氏名」を明記すること。

(8) 日本時間の締切期限までに,上記ファイル一式が提出されたものについてのみ,応募を認めることとする。

6.大学院生の投稿の審査等

(1) 大学院生のみで執筆の場合は主任指導教員が主査となり,2名の副査と審査を行った後,講座の了承を得るものと

する。

(2) 教員と共著の場合は,当該教員の責任において採否を決定する。

7.大学院修了生の投稿規定

本講座の大学院博士課程前期・後期課程を修了した者の投稿を以下の条件において認める。

(1) 元指導教員または近接関連領域の教員(関連分野の教員がいない場合は外部に審査員を依頼)が主査となり,2名

の副査と審査を行なった後,講座の了承を得るものとする。

(2) 各号あたりの修了生の論文掲載枠を3編までとし,投稿が多数の場合は,編集委員と審査員で協議し,上位3編を

選び,掲載を認める。

(3) 投稿手続き及び締切等については大学院生の投稿規定に準じる。

(4) 教員との共著の場合は,当該教員の責任において採否を決定する。

8.著作権

(1) 『広島大学日本語教育研究』に投稿された論文の著作権は,広島大学大学院教育学研究科日本語教育学講座に属す

る。

(2) 著作者が自らの著作物を利用する時は,広島大学大学院教育学研究科日本語教育学講座として何ら制限しない。

(3) 広島大学全学の方針に基づき,平成 24 年度以降,本誌の内容を広島大学学術情報リポジトリに登録することとす

る。(登録を希望しない場合は投稿時に申し出ること。)

※平成 10 年 11 月4日,平成 13 年7月5日,平成 14 年 10 月 24 日,平成 22 年7月 22 日,平成 25 年4月 10 日,

平成 27 年3月4日一部改正,平成 29 年 9 月 30 日(電子化に伴い改正),2019 年 5 月 31 日一部改正。

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目 次

論文:

中国語を母語とする上級日本語学習者の聴解における未知語の意味推測

―作動記憶容量と文脈性を操作した実験的検討―

………………………………………………………于 溪妍・猪原晴菜・徐 婕・松見法男……… 1

研究ノート:

石垣りん四詩集初出一覧

…………………………………………………………………………竹中 典子・西原 大輔……… 8

英文要旨………………………………………………………………………………………………………… 21

彙報

2019 年度広島大学日本語教育学研究会発表要旨 …………………………………………………… 22

講座歳時記…………………………………………………………………………………………………… 24

講座教員名簿………………………………………………………………………………………………… 25

2019 年度(平成 31 年度・令和元年度)論文題目一覧…………………………………………………… 26

執筆者紹介 ………………………………………………………………………………………………… 29

編集後記…………………………………………………………………………………………………… 30

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CONTENTS

Articles:

Inferring of Unfamiliar Words in Listening Comprehension of Japanese Language

Among an Advanced Class of Chinese Students Learning Japanese:

An Experiment Test Operating Working Memory Capacity and Sentence Contextuality

Xiyan YU, Haruna INOHARA, Jie XU and Norio MATSUMI ……… 1

Research Note:

List of First Appearance, Ishigaki Rin’s Four Poetry Collections

Noriko TAKENAKA , Daisuke NISHIHARA ……… 8

Abstract ……………………………………………………………………………………………………… 21

Collection of Reports:

Summaries of Presentation at the Meeting of Hiroshima University

Teaching Japanese as a Second Language Association 2019 …………………………………… 22

Events ……………………………………………………………………………………………………… 24

Academic and Administrative Staff …………………………………………………………………… 25

List of Ph. D. Dissertations/ Master’s Theses/ Graduation theses ……………………………… 26

Authors ……………………………………………………………………………………………………… 29

The Editor’s Postscript …………………………………………………………………………………… 30

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1

中国語を母語とする上級日本語学習者の聴解における未知語の意味推測

―作動記憶容量と文脈性を操作した実験的検討―

于 溪妍・猪原晴菜・徐 婕・松見法男

Inferring of Unfamiliar Words in Listening Comprehension of Japanese Language

Among an Advanced Class of Chinese Students Learning Japanese:

An Experiment Test Operating Working Memory Capacity and Sentence Contextuality

Xiyan YU, Haruna INOHARA, Jie XU and Norio MATSUMI

キーワード:日本語学習者,聴解,意味推測,作動記憶容量,文脈性

1. はじめに

日本語学習者が文章を聴解する時,未知語の意味推

測はどのように行われているのであろうか。第二言語

(second language:以下,L2)学習者は,L2 の語彙

知識が十分ではなく,聴解において,未知の単語に遭

遇する可能性が高い。聴解とは,言語知識を活用し,文

脈・場面や背景知識を手がかりにして,音声から意味

を構築する過程である(国際交流基金・横山, 2008)。

文章の理解において,学習者が下位レベルにある語彙

情報,特にキーワードとなる未知語の意味を正確に認

識することは,文章内の意味的ギャップを埋め,文章

全体の意味を再構築することに貢献すると考えられる

(鈴木, 2016)。L2 聴解においても,文章全体の意味

を正しく理解するために,文章のキーワードとなる未

知語の意味推測は重要な課題となる。

未知語の意味推測に関しては,漢字圏の言語を母語

(native language:first language と同義とし,以下,

L1)とする日本語学習者を対象とした L2 読解の研究

が行われ,その過程が解明されつつある。漢字圏の日

本語学習者が読解において未知語に遭遇する場合,語

彙手がかり(形態素情報,個々の漢字から得られる日

本語・中国語の意味)と文脈手がかり(語彙を取り巻く

前後の文から得られる文法や意味に関する情報)を利

用すること(e.g., 崔, 2015a, 2015b)や,日本語の音韻

表象を経由せず,形態情報から未知語であることを判

断し,文脈を利用して推測すること(ジャ・常・林・王・

松見, 2018),が明らかにされている。ただし,L2 聴

解は L2 読解とは異なり,視覚的な情報がないため,未

知語の形態情報などを手がかりとしてその意味を推測

することは難しい。そのため,聴解における未知語の

意味推測は,聴覚呈示された文章の文脈性の高低に影

響されると考えられる。

聴解はもともと,時間の制約が大きい課題であり,全

体的な意味を把握するためには,次々と呈示される言

語情報を瞬時に処理しなければならない(福田, 2003)。

加えて,意味的に関連した後続情報が出てくるまで,

先行情報を覚えておく必要もある(福田, 2003)。この

ような聴解の遂行過程では,言語情報の処理と一時的

な保持を支える作動記憶(working memory:以下,WM)

が重要な役割を果たす(松見, 2006)。学習者は L2 聴

解で未知語に遭遇した時,音韻情報の保持と文の意味

処理を限られた時間内に遂行しなければならないため,

認知負荷が高いことが想定される。苧阪・西崎・小森・

苧阪(2002)によると,人間が認知負荷の高い課題を

遂行する際は,情報の処理と保持を同じ資源(resource)

に頼るため,資源が限界に近づき,課題の遂行に制約

が生じる。これを WM 理論で捉えるならば,学習者の

WM の容量(capacity)の大きさが未知語の意味推測

に影響を与える可能性がある。

以上のことを踏まえ,本研究では,漢字圏の日本語学

習者を対象とし,文脈性と WM 容量が未知語の意味推

測にどのような影響を与えるかを実験的に検討する。

2. 先行研究の概観

2.1 未知語の意味推測

崔(2015a)は,中国語を L1 とする日本語学習者の

未知語の意味推測の実態を解明するために,学習者が

未知語の意味推測に用いる手がかりについて,語彙手

がかりと文脈手がかりの 2 種類を設定し,選択式の意

味推測テストを作成して調査を行った。その結果,2 つ

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2

の手がかりをともに利用できる場合,中国語を L1 とす

る学習者はこれらの手がかりを統合して利用すること

がわかった。さらに崔(2015b)は,2 つの手がかりの

利用がどのような関係にあるかについて実験的に検討

した。その結果,2 つの手がかりのそれぞれの利用は

L2 習熟度に関係しないが,習熟度が高い学習者ほど,

2 つの手がかりをうまく統合して利用できることを示

唆した。ただし,これらの研究では,語彙の形態情報が

語彙手がかりの利用に影響を及ぼすかどうか,また,

文脈性の高低が文脈手がかりの利用に影響を及ぼすか

どうかについては,明らかにされていない。

ジャ他(2018)は,中国語を L1 とする上級日本語

学習者を対象に,未知語の表記形態と文の制約性(先

行呈示される文脈から後続するターゲット単語を容易

に制約的に推測できるかどうか)が,未知語の意味推

測に影響を及ぼすか否かについて実験的に検討した。

具体的には,未知語の表記形態(漢字表記,カタカナ表

記)と文の制約性(高制約文,低制約文)を独立変数と

して操作し,未知語の意味推測の反応時間と意味説明

の正得点を従属変数として測定した。ジャ他(2018)

は,未知語であることを保証するために,無意味語(日

本語として存在しない語)を用いた。実験の結果,漢字

表記の方がカタカナ表記よりも,未知語の意味推測に

おける反応時間が短く,意味説明の正得点が高いこと

がわかった。未知語の表記形態が意味推測に影響を及

ぼすことが明らかとなった。さらに,高制約文条件に

おいて,漢字表記がカタカナ表記よりも未知語の意味

説明の正得点が高く,文の制約性が未知語の表記形態

と相互に関連して影響を与えることがわかった。これ

らの結果から,中国語を L1 とする日本語学習者は,未

知語の意味を推測する際に,文脈を利用した意味推測

よりも,未知語そのものの意味推測を優先することが

示唆された。

2.2 作動記憶

WM は,高次の認知課題を遂行する際に,情報の一

時的保持と処理を並行させる能動的な記憶システムで

ある(Baddeley, 1986)。Baddeley(2000)は,WM

を 3 つのサブシステム(音韻ループ,視空間スケッチ

パッド,エピソードバッファー)と 1 つのメインシス

テム(中央実行系)で構成している。音韻ループは,音

韻的情報を一時的に貯蔵する役割を担い,音韻ストア

と構音リハーサルという 2 つの構成要素をもつ。音韻

ストアに一時的に貯蔵される情報を構音リハーサル過

程で能動的にリハーサルすることで,情報をより長い

時間保持することが可能になる。視空間スケッチパッ

ドは,視覚キャッシュと内的描写の 2 つの構成要素を

もち,視覚的情報を一時的に貯蔵する役割を担ってい

る。エピソードバッファーは,長期記憶からの情報検

索に対応し,複数の情報についての統合的な表象を一

時的に貯蔵する役割を担っている。そして,互いに独

立して機能するこれら 3 つのサブシステムは中央実行

系によって制御される。

WM には,認知活動を遂行する上で一定の容量限界

があり,それは処理資源と呼ばれる。言語・非言語情報

の処理と貯蔵において処理資源を適切に配分できるか

どうかが,課題の遂行成績を左右するが,そこには個

人差があることが指摘されている(松見・福田・古本・

邱, 2009)。苧阪他(2002)によると,認知負荷が高い

課題を遂行する場合,情報の処理と保持が同じ資源に

頼るため,資源が限界に近づき,課題の遂行に制約が

生じる。情報の処理効率が低下したり,情報の保持が

困難になったりして,記憶内容を忘れたり微妙に変容

したりする可能性があるという。L2 聴解は,学習者に

とって,まさに認知負荷の高い言語課題であり,その

遂行成績には,個人差が想定される WM 容量の大小が

何らかの影響を及ぼすことが予測できる。

2.3 聴解と作動記憶容量

聴解における言語の理解過程を情報処理の側面から

捉えると,Anderson(1983)による,「知覚」

(perception),「解析」(parsing),「利用」(utilization)

の 3 段階モデルが有益な示唆を与える。「知覚」は,

入力された音韻情報を保持する段階である。「解析」は,

単語の意味変換,文の統語的な解析と意味のある表象

を形成する段階である。「利用」は,既有知識に関連付

け,統合する段階である。

松見他(2009)によると,聴解時は,聴こえてくる

音声情報を即時的に処理しながら(音声情報から意味

情報にアクセスしながら),その内容を一時的に貯蔵

しなければならない。それは,まとまりのある表象を

形成するためである。処理された情報を活性化状態で

保つことにより長期記憶から関連情報を検索し,意味

や文脈を理解することができる。聴解のこのような一

連の過程を踏まえるならば,WM は Anderson(1983)

による 3 段階のすべてに関わると言える(福田, 2003)。

L1 における聴解力と WM 容量の関係を調べた研究

では,WM 容量が大きいほど聴解力が高いことが明ら

かにされている(e.g., Daneman & Carpenter, 1980)。

L2 聴解においても,聴解力と WM 容量を扱った研究

がある(e.g., 福田, 2004;前田, 2008)。例えば,前田

(2008)は,中国語を L1 とする日本語学習者を対象

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3

に,聴解力を予測(説明)する要因を調べるために,言

語能力としての語彙力と文法力,認知能力としての問

題解決能力と WM 容量を測定した。そして,語彙テス

ト,文法テスト,問題解決テスト,リーディングスパン

テストの得点を説明変数とし,聴解テストの得点を目

的変数とする重回帰分析を行った。その結果,L2 学習

者の聴解力が,語彙力および WM 容量と関わることが

示唆された。

3.本研究の目的と仮説

中国語をL1とする日本語学習者のL2読解における

未知語の意味推測過程がある程度解明され,文脈を利

用した意味推測よりも,未知語そのものの意味推測を

優先することが示唆された(ジャ他, 2018)。しかし,

視覚的な情報が利用できない L2 聴解において,学習者

がどのように未知語の意味推測を行っているかについ

ては,未だ解明されていない。

本研究では,中国語を L1 とする日本語学習者を対象

に,L2 としての日本語の聴解における未知語の意味推

測過程を明らかにするため,材料の文脈性と学習者の

WM 容量を操作・設定する実験を行う。具体的には,

未知語が文中に現れる位置(1 文目,2 文目)と WM

容量(大,小)を独立変数として設定し,未知語の音の

記憶テストと意味理解テストにおける得点および反応

時間を従属変数として測定する。

本研究における文脈性とは,未知語が現れた時点で

得られている言語情報の量を指す。聴解時は,文章中

に未知語が現れる位置によって,推測に利用可能な情

報量が異なると考えられる。本研究では,連続する 2 文

からなる文章を用いる。1文目に未知語がある場合は,

未知語が現れる時点で意味推測に利用できる情報量は

少ない。他方,未知語が 2 文目にある場合は,1 文目の

文情報を利用できるため,未知語が現れる時点で意味

推測に利用できる情報量は多い。

音の記憶テストを導入する理由は,次の通りである。

日本語には中国語との間で音韻が類似する漢字単語が

一定数存在するため,中国語を L1 とする日本語学習者

は,未知語の音韻情報を利用した意味推測もある程度

可能である。ただし,未知語の音韻情報を利用して意

味を推測するためには,未知語の音を正確に知覚・保

持しなければならない。音の記憶テストの得点は,未

知語の音が正確に知覚・保持できたかどうかを反映す

る。意味理解テストの得点は,未知語の意味推測に成

功したかどうかを反映する。反応時間には,音と意味

の処理という課題の遂行に要する時間の相対的な長短

が反映されると考えられる。

なお本実験では,ジャ他(2018)を踏まえ,未知語

であることを保証するため,日本語の音韻特徴を備え

た無意味語を用い,各文章のキーワードとなる名詞 1

つを無意味語に置き換える。

本研究の仮説は,以下の通りである。

【音の記憶テスト】

WM 容量の大きい学習者は WM 容量の小さい学習

者より処理資源を適切に配分し,効率よく処理ができ

るため,文章全体の意味理解と同時に,未知語の音の

保持にも処理資源を配分できると考えられる。よって,

未知語が現れる位置にかかわらず,WM 容量の大きい

学習者の方がWM容量の小さい学習者よりも得点が高

く,反応時間が短いであろう(仮説 1-1)。

1 文目条件では,WM 容量の大きい学習者は文章の

意味処理をしながら未知語の音をリハーサルすること

によって,文を聴き終わるまで未知語の音を正しく保

持することができると考えられる。2 文目条件では,未

知語の音を保持する時間が 1 文目条件ほど長くないた

め,認知負荷がより小さく,未知語の音をより正確に

保持できると考えられる。よって,WM 容量の大きい

学習者は未知語の位置による得点の差が見られないで

あろう(仮説 1-2)。WM 容量の小さい学習者は WM

容量の大きい学習者ほど処理資源をうまく配分できな

いと考えられる。よって,WM 容量の小さい学習者は,

1 文目条件より,2 文目条件の方が得点が高く,反応時

間も短いであろう(仮説 1-3)。

【意味理解テスト】

1 文目条件では,未知語が現れる時点で利用可能な

文脈情報が少ないため,2 文目を聴き終わってから文

章の意味構築が始まると考えられる。よって,未知語

の意味理解に時間がかかる。2 文目条件では,1 文目の

言語情報を手がかりとして利用できるため,文全体の

意味処理が比較的容易となり,未知語の意味も正確に

理解できると考えられる。よって,WM 容量の大きさ

にかかわらず,1 文目条件よりも,2 文目条件の方が得

点が高く,反応時間が短いであろう(仮説 2-1)。

また,1 文目条件では,1 文目の未知語の音を,文章

を聴き終わるまで保持しなければならず,それと同時

に文章全体の意味処理も求められる。そのため,情報

の保持と処理の両方に処理資源を配分できるWM容量

の大きい学習者の方が,それが難しい WM 容量の小さ

い学習者よりも,1 文目条件における反応時間が短い

であろう(仮説 2-2)。

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4

4.方 法

4.1 実験参加者

実験参加者は日本国内の大学院に在籍している中国

語を L1 とする上級日本語学習者 26 名であった。全員

が日本語能力試験 N1 を取得しており,日本での滞在

期間は 1 年以上であった。

4.2 実験計画

2×2 の 2 要因計画を用いた。第 1 要因は WM 容量

であり,大と小の 2 水準であった。第 2 要因は未知語

の位置であり,1 文目と 2 文目の 2 水準であった。第

1 要因は参加者間変数であり,第 2 要因は参加者内変

数であった。

4.3 実験材料

『ニュースで学ぶ日本語 聞き取り教材(中級用)』

(堀・三井・森松, 1986)から 16 の文章を抜粋し,修

正を加え,連続する 2 文からなる文章を作成した。各

文章のキーワードとなる名詞 1 つを無意味語に置き換

え,無意味語が 1 文目にある文章と 2 文目にある文章

をそれぞれ 8 つ用意した。無意味語は梅本・森川・伊

吹(1955)から 2 文字の非単語を 2 つずつランダムに

組み合わせて作成した。各文章のモーラ数は 40~60 で

あった。文章は,日本語 L1 話者(女性)によって関東

方言の発音で録音され編集された。表 1 に材料の例を

示す。

表 1 実験で用いられた材料の例

無意味語

の位置

実験材料

(下線がある単語はターゲット単語)

1 文目

来年の春卒業する学生はチアリナが高

い銀行に就職したい人が多いようで

す。

これは就職の状況がよくないため,生

活の豊かさを求めているからだと思わ

れます。

2 文目

東京・上野動物園で誕生したパンダの

赤ちゃんはすくすく育っています。

動物園では赤ちゃんパンダ誕生三ヶ月

を記念して,これまでのソイレハを公

開しました。

4.4 装置

パーソナルコンピューター(NEC VKL20F-1)を用

いた。実験プログラムは,SuperLab Pro(Cedrus 社

製 Version5.0)によって作成した。

4.5 手続き

実験は個別形式で行われた。図 1 に実験の手順(1 試

行の流れ)を示す。

まず,コンピューター画面中央に注視点が 1000ms

呈示され,2000ms 後に最大 20000ms の日本語文章の

音声が流された。実験参加者は,音声を聴き終わった

らすぐに,未知語の音の記憶テストと意味理解テスト

に解答するよう求められた。

音の記憶テストでは,「先ほどの無意味語はチアリ

ナ」(下線の無意味語は例)という文が画面に呈示され

た。実験参加者には,できるだけ速く正確に正誤判断

をし,YESまたはNOのキーを押すように教示された。

キーが押された後,次の画面に移り,意味理解テスト

が行われた。意味理解テストでは,「先ほどの無意味語

は給与水準」(下線の単語は例)という文が画面に呈示

され,実験参加者には,音の記憶テストと同様に正誤

判断するよう教示された。両テストともに,無反応の

場合は 10000ms 経つと自動的に次の試行に移るよう

設定されていた。反応時間は,問題文が呈示されてか

ら実験参加者がキーを押すまでの時間であり,コンピ

ューターを通じて自動的に計測された。

本試行を開始する前に,練習試行が 2 試行行われた。

本試行では,未知語が 1 文目にある条件と 2 文目にあ

る条件について 8 試行ずつ,計 16 試行において文章が

ランダムな順序で呈示された。すべての試行が終わっ

た後,実験参加者の WM 容量を測定するため,日本語

学習者用リスニングスパンテスト(listening span

test:以下,LST)(松見他, 2009)が行われた。実験

終了後,未知語の意味推測ストラテジーや実験材料の

ターゲット単語以外の未知語の有無を確認するため,

また日本語の学習背景について尋ねるため,調査を行

った。

図 1 実験における 1試行の流れ

5.結 果

LST の得点を算出したところ,平均点は 3.5 点であ

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5

った。LST の得点が 3.5 点以上の実験参加者(14 名)

をWM容量大群とし,3.0点以下の実験参加者(12名)

を WM 容量小群とした。両群間で 1 要因分散分析を行

ったところ,主効果が有意であり(F(1,24)=117.43,

p<.001, η²=.83),WM 容量大群の平均得点が WM 容

量小群の平均得点よりも有意に高いことがわかった。

実験では,未知語が 1 文目にある条件と 2 文目にあ

る条件を 8 試行ずつ,計 16 試行において文章を呈示し

たが,音の記憶テストの誤答率が高かった 1 文目条件

の文章 1 つと,文章中にターゲット単語以外の未知語

があると回答した学習者が多かった 2 文目条件の文章

1 つを分析対象から外した。そのため,未知語が 1 文

目にある条件と 2 文目にある条件の各 7 試行,計 14 試

行の文章についてデータの分析を行った。結果を以下

に述べる。

5.1 音の記憶テストの得点

音の記憶テストについて,実験参加者の平均得点と

標準偏差を図 2 に示す。2(WM 容量:大,小)×2(未

知語の位置:1 文目,2 文目)の 2 要因分散分析を行っ

たところ,WM 容量の主効果(F(1,24)=3.76, p=.06,

η²=.23)が有意傾向であり,WM 容量大群の方が WM

容量小群よりも得点が高い傾向にあった。未知語の位

置の主効果(F(1,24)=5.54, p=.003, η²=.23)も有意であ

り,2 文目条件の方が 1 文目条件よりも得点が高かっ

た。WM 容量×未知語の位置の交互作用(F(1,24)=.04,

p=.85, η²<.001)は有意ではなかった。

図 2 音の記憶テストの平均得点と標準偏差

5.2 音の記憶テストの反応時間

音の記憶テストについて,実験参加者の平均反応時

間と標準偏差を図 3 に示す。2(WM 容量:大,小)×

2(未知語の位置:1 文目,2 文目)の 2 要因分散分析

を行ったところ,WM 容量の主効果(F(1,24)=4.38,

p=.05, η²=.86)が有意であり,WM容量大群の方がWM

容量小群よりも反応時間が短かった。未知語の位置の

主効果(F(1,24)=3.83, p=.06, η²=.16)も有意傾向であ

り,2 文目条件の方が 1 文目条件よりも反応時間が短

い傾向にあった。WM 容量×未知語の位置の交互作用

(F(1,24)=.02, p=.90, η²<.001)は有意ではなかった。

図 3 音の記憶テストの平均反応時間と標準偏差

5.3 意味理解テストの得点

意味理解テストについて,実験参加者の平均得点と

標準偏差を図 4 に示す。2(WM 容量:大,小)×2(未

知語の位置:1 文目,2 文目)の 2 要因分散分析を行っ

たところ,WM 容量の主効果(F(1,24)=1.45, p=.24,

η²=.09),未知語の位置の主効果(F(1,24)=.01, p=.91,

η²<.001),そして WM 容量×未知語の位置の交互作

用(F(1,24)=2.20, p=.15, η²=.09)は,いずれも有意で

はなかった。

図 4 意味理解テストの平均得点と標準偏差

5.4 意味理解テストの反応時間

意味理解テストについて,実験参加者の平均反応時

間と標準偏差を図 5 に示す。2(WM 容量:大,小)×

2(未知語の位置:1 文目,2 文目)の 2 要因分散分析

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6

を行ったところ,WM 容量の主効果(F(1,24)=.03,

p=.87, η²<.001)は有意ではなかった。未知語の位置の

主効果(F(1,24)=4.57, p=.04, η²=.19)は有意であり,

1 文目条件の方が 2 文目条件よりも反応時間が短かっ

た。WM 容量×未知語の位置の交互作用(F(1,24)=.30,

p=.59, η²=.01)は有意ではなかった。

図 5 意味理解テストの平均反応時間と標準偏差

6.考 察

本研究では,中国語を L1 とする上級日本語学習者

が,L2 としての日本語の聴解において未知語に遭遇す

る際,学習者の WM 容量の大きさと文脈性が未知語の

意味推測にどのような影響を及ぼすかを調べるため,

未知語の音の記憶と意味理解について,テスト得点と

反応時間を指標とする実験を行った。以下では,それ

ぞれの結果を仮説に沿って考察する。

6.1 音の記憶テスト

音の記憶テストの結果について考察する。分散分析

の結果,未知語が現れる位置にかかわらず,WM 容量

が大きい学習者の方が WM 容量が小さい学習者より

も得点が高く,反応時間が短いことがわかった。仮説

1-1 は支持された。学習者は文章を聴解するとき,聴こ

えてきた未知語の音を音韻ループで保持しながら文章

全体の意味処理を行い,形成した意味表象を長期記憶

に転送する必要がある。WM 容量の大きい学習者は,

未知語の音の保持と文の意味処理を効率よく遂行でき

たと考えられる。一方,WM 容量の小さい学習者は,

認知負荷の高い聴解において,音の保持と文章の意味

処理の両方に効率よく処理資源を配分することが難し

く,WM 容量の大きい学習者ほどに未知語の音を正し

く記憶できなかったと考えられる。聴解における未知

語の音の保持は,WM 容量の大きさに影響されると言

える。

また,WM 容量の大きさにかかわらず,2 文目条件

の方が 1 文目条件より得点が高く,反応時間が短いこ

とがわかった。仮説 1-3 は部分的に支持された。1 文目

条件では,学習者が文の意味処理を遂行すると同時に

未知語の音の保持を行うため,処理にかかる負荷が大

きいと考えられる。しかし,2 文目条件では,未知語の

音を保持する時間が 1 文目条件ほど長くないため,認

知的な負荷が小さい。そのため,WM 容量の小さい学

習者でも,音の保持に一定の処理資源を回すことがで

きたと考えられる。

ただし,得点および反応時間における WM 容量×未

知語の位置の交互作用は有意ではなかった。仮説1-2は

支持されなかった。1 文目条件では,未知語の音を保持

する時間が長く認知負荷が高いため,WM 容量の大き

い学習者であっても,文章全体の意味処理と未知語の

音韻保持の両方に処理資源を配分し続けることが難し

く,1 文目条件か 2 文目条件かという未知語の位置と

の関連においては,WM 容量が小さい学習者と同じよ

うな現象が見られたと推察できる。

6.2 意味理解テスト

意味理解テストの結果について考察する。分散分析

を行った結果,得点については WM 容量の大きさおよ

び未知語の位置の両方において主効果は有意ではなく,

WM 容量×未知語の位置の交互作用も有意ではなかっ

た。仮説 2-1 と仮説 2-2 は支持されなかった。学習者

は聴解課題を遂行している時,未知語の音の保持より

も文章の意味処理に多くの処理資源を配分したため,

文章の理解度が高かったと推測される。どの条件にお

いても,学習者は比較的高い得点が取れたことから,

未知語の意味推測は,未知語が登場した時点で,それ

までに得られた言語情報のみに基づいて行われるので

はなく,文章を最後まで聴き終えてから,得られた情

報の全体に基づいて行われると考えられる。

反応時間については,WM 容量の主効果および,WM

容量×未知語の位置の交互作用は有意ではなかったが,

未知語の位置の主効果が有意であり,1 文目条件の方

が 2 文目条件よりも反応時間が短かった。仮説 2-1 は

支持されず,むしろ反対方向の結果となった。

1 文目条件において学習者は,単語の処理を行い,未

知語であることを認識しながら,その音を音韻ループ

で一時的に保持する。そして,文の意味処理を行い,可

能な限りまとまりのある意味表象を形成して長期記憶

に符号化する。一方,2 文目条件では,未知語が現れる

までに文の意味処理が行われ,長期記憶とのやりとり

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の中で未知語が現れた時,その音の保持と意味推測に

一時的に多くの処理資源を配分することになる。2 文

目条件では,1 文目条件に比べて,意味推測の情報の符

号化が時空間的に後になるため,テスト場面で再度未

知語の意味理解を行うとき,長期記憶からの情報検索

にかかる時間が長くなったと考えられる。

7.おわりに

本研究では,中国語を L1 とする上級日本語学習者を

対象に,L2 としての日本語の聴解における未知語の意

味推測過程を調べるため,WM 容量の大小と文脈性(未

知語の位置)を操作・設定し,それらが未知語の音の保

持と意味理解に及ぼす影響について検討した。本研究

の結果から,中国語を L1 とする日本語学習者が日本語

の聴解において未知語に遭遇した時は,未知語の音の

保持よりも文の意味理解を優先することが明らかとな

った。ただし,未知語の音の保持には,学習者の WM

容量の大小が関わることも明らかとなった。L2 読解で

の未知語の意味推測において,中国語を L1 とする日本

語学習者は,文脈を利用した意味推測よりも,未知語

そのものの意味推測を優先することが示唆されている

(ジャ他, 2018)。本研究における L2 聴解での未知語

の意味推測は,これとは異なる結果であった。

本研究の発展課題は,次の 3 点である。1 点目は,中

国語を L1 とする中級学習者においても,同様の結果が

見られるのかどうかを検討することである。2点目は,

非漢字圏の言語を L1 とする日本語学習者においても,

同様の結果が見られるのかどうかを検討することであ

る。3 点目は,学習者の個人差要因として,音韻的短期

記憶容量(phonological short-term memory span)の

大小を設定した場合に,未知語の意味推測においてど

のような現象が見られるのかを検討することである。

【引用文献】

Anderson, J. R. (1983). The architecture of cognition.

Cambridge, MA: Harvard University Press.

Baddeley, A. D. (1986). Working memory. New York:

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見る中国語を母語とする学習者の推測手がかりの利

用―漢字語彙の日中対応関係及び L2 習熟度の観点

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おける未知漢字語彙の意味推測」『第二言語としての

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ーキングメモリ容量─中国語母語話者を対象とした

習熟度別の検討─」『広島大学大学院教育学研究科紀

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堀 歌子・三井豊子・森松映子 (1986).『ニュースで学

ぶ日本語 聞き取り教材(中級用)』, 凡人社

ジャ ブルブル・常 笑・林 韻・王 校偉・松見法男

(2018).「中国語を母語とする上級日本語学習者の未

知語の意味推測過程─単語表記と文の制約性を操作

した実験的検討─」『広島大学大学院教育学研究科紀

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測する要因―語彙力,文法力,問題解決能力,作動記

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言語学習の心理』, 第 3 章第 1 節 (pp. 128-160), ス

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本語学習者用リスニングスパンテストの開発─台湾

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苧阪満里子・西崎友規子・小森三恵・苧阪直行 (2002).

「ワーキングメモリにおけるフォーカス効果」『心理

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推測方略の検証」『共栄大学研究論集』14, 107-117.

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節の無連想価及び有意味度」『心理学研究』26(3),

148-155.

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8

石垣りん四詩集初出一覧

竹中

典子・西原

大輔

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詩人石垣りん(一九二〇~二〇〇四)は、四冊の詩集を刊行している。

一、処女詩集『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』、書肆ユリイカ、

一九五九(昭和三十四)年十二月十日

二、第二詩集『表札など』、思潮社、一九六八(昭和四十三)年十二月

二十五日

三、第三詩集『略歴』、花神社、一九七九(昭和五十四)年五月九日

四、第四詩集『やさしい言葉』、花神社、一九八四(昭和五十九)年

四月二十一日

また、石垣りんの死後に『レモンとねずみ』、童話屋、二〇〇八(平成二十)年

四月十四日、が刊行されている。なお、第三詩集と第四詩集には、初出一覧が掲載

されているが、処女詩集と第二詩集には、初出一覧が掲載されていない。

本稿を作成するにあたり、国立国会図書館、日本近代文学館、神奈川近代文学館、

日本現代詩歌文学館、法政大学大原社会問題研究所、広島大学図書館、広島県立図

書館、南伊豆町立図書館石垣りん文学記念室、詩人石川敏夫様には大変お世話にな

りました。厚く御礼を申し上げます。

一、

処女詩集『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』

この詩集は、計四回にわたって刊行されている。

①『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』、書肆ユリイカ、

一九五九(昭和三十四)年十二月十日

②『現代詩文庫46

石垣りん詩集』、思潮社、

一九七一(昭和四十六)年十二月二十五日、第一詩集、第二詩集、

および構成詩、未刊詩篇等が収録されている。

③『石垣りん文庫1

詩集

私の前にある鍋とお釜と燃える火と』、

花神社、一九八八(昭和六十三)年二月二十一日

④『石垣りん詩集

私の前にある鍋とお釜と燃える火と』、童話屋、

二〇〇〇(平成十二)年十月十二日

1、原子童話

『女性詩』、創刊号、日本女詩人会、

一九五○(昭和二十五)年六月一日、三六頁、作者名を石垣りん子と表記

[再録]

『銀行員の詩集

一九五一年版』、全国銀行従業員組合連合会文化部、

一九五一(昭和二十六)年七月三十日、六頁、作者名を石垣りん子と表記

2、雪崩のとき

『時間』、第二巻第五号、時間社、

一九五一(昭和二十六)年五月一日、三四頁

[再録]

『銀行員の詩集

一九五二年版』、全国銀行従業員組合連合会文化部、

一九五二(昭和二十七)年五月一日、一四九―一五〇頁

3、祖国

『銀行員の詩集

一九五二年版』、全国銀行従業員組合連合会文化部、

一九五二(昭和二十七)年五月一日、一四―一六頁

4、感想

『銀行員の詩集

一九五三年版』、全国銀行従業員組合連合会文化部、

一九五三(昭和二十八)年七月二十五日、一四―一五頁

5、挨拶

『職組時評』、第一二八号平和特集号、日本興業銀行職員組合、

一九五二(昭和二十七)年八月二十五日、四面

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[再録一]

『銀行員の詩集

一九五三年版』、全国銀行従業員組合連合会文化部、

一九五三(昭和二十八)年七月二十五日、二一二―二一三頁

[再録二]

『ほしのその』、神戸市星の園幼稚園二十五周年記念誌、出版社不明、

頁不明、現物未確認

6、天馬の族

『ポエトロア』、第四輯、小山書店、

一九五四(昭和二十九)年七月一日、九二―九三頁

[再録]

『詩学』、第九巻第十三号、詩学社、

一九五五(昭和三十)年一月二十日、四八―四九頁

7、繭

初出未詳、現物未確認

8、夜話

『ひろば』、第九一号、全銀連教育宣伝部、

一九五五(昭和三十)年一月一日、三五三頁

9、百人のお腹の中には

『時間』、第一巻第三号、時間社、

一九五○(昭和二十五)年七月一日、二三頁、作者名を石垣りん子と表記

10、よろこびの日に

『銀行員の詩集

一九五一年版』、全国銀行従業員組合連合会文化部、

一九五一(昭和二十六)年七月三十日、一〇―一二頁、

作者名を石垣りん子と表記

11、白いものが

『銀行員の詩集

一九五一年版』、全国銀行従業員組合連合会文化部、

一九五一(昭和二十六)年七月三十日、八―九頁、

作者名を石垣りん子と表記

12、今日もひとりの

『銀行員の詩集

一九五二年版』、全国銀行従業員組合連合会文化部、

一九五二(昭和二十七)年五月一日、一三二―一三四頁

13、私の前にある鍋とお釜と燃える火と

『職組時評』、第一一二号、日本興業銀行職員組合、

一九五二(昭和二十七)年二月十四日、二面、

初出題名「私の前にある鍋とお釜と燃ゆる火と」

[再録]

『銀行員の詩集

一九五二年版』、全国銀行従業員組合連合会文化部、

一九五二(昭和二十七)年五月一日、五八―五九頁、

再録題名「私の前にある鍋とお釜と燃ゆる火と」

14、落花

『日本女性詩集

星宴』、和光社、

一九五四(昭和二十九)年九月二十日、九―一一頁

15、日記より

『現代詩』、第一巻第五号、百合出版、

一九五四(昭和二十九)年十二月一日、一二―一三頁、初出題名「日記」

[再録]

『銀行員の詩集

一九五五年版』、全国銀行従業員組合連合会文化部、

一九五五(昭和三十)年九月十五日、一五四―一五六頁

16、会議

『銀行員の詩集

一九五八年版』、銀行労働研究会、

一九五八(昭和三十三)年十月一日、七八―七九頁

17、女湯

『銀行員の詩集

一九五八年版』、銀行労働研究会、

一九五八(昭和三十三)年十月一日、三七―三八頁

18、手

『現代詩』、第三巻第一号、百合出版、

一九五六(昭和三十一)年一月一日、一三頁

19、この世の中にある

『銀河系』、第九号、銀河系詩社、

一九四八(昭和二十三)年十一月、七頁、作者名を石垣りん子と表記

[再録]

『NO

N・N

O

』、第十巻第二号、集英社、

一九八○(昭和五十五)年二月五日、頁不明

20、それを見るのは

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『銀河系』、第九号、銀河系詩社、

一九四八(昭和二十三)年十一月、六頁、作者名を石垣りん子と表記

21、0

『銀河系』、第八号、銀河系詩社、

一九四八(昭和二十三)年九月、一三―一五頁?、作者名を石垣りん子と

表記

22、峠

『銀河系』、第十号、銀河系詩社、

一九四八(昭和二十三)年十二月、七―八頁、作者名を石垣りん子と表記

23、海とりんごと

『時間』、第二巻第二号、時間社、

一九五一(昭和二十六)年二月一日、三〇頁、作者名を石垣りん子と表記

[再録]

『行友会誌』、日本興業銀行行友会、

一九五一(昭和二十六)年四月、二四―二六頁

24、顔

『時間』、第一巻第五号、時間社、

一九五○(昭和二十五)年九月一日、二一頁、作者名を石垣りん子と表記

25、悲劇

『行友ニュース』、日本興業銀行行友会、

一九五五(昭和三十)年十二月、頁不明、現物未確認

26、盗難

『銀行員の詩集

一九五七年版』、銀行労働研究会、

一九五七(昭和三十二)年十一月十日

二四四―二四五頁

27、三十の抄

初出未詳、現物未確認

28、屋根

『現代詩』、第一巻第一号創刊号、百合出版、

一九五四(昭和二十九)年七月一日、四二頁

[再録]

『銀行員の詩集

一九五四年版』、全国銀行従業員組合連合会文化部、

一九五四(昭和二十九)年七月二十五日、二〇一―二〇二頁

29、犬のいる露地のはずれ

『現代詩』、第二巻第五号、百合出版、

一九五五(昭和三十)年五月一日、三三―三四頁

[再録]

『ワン』、出版社不明、

二〇〇四(平成十六)年四月、頁不明、現物未確認

30、貧乏

『銀行員の詩集

一九五五年版』、全国銀行従業員組合連合会文化部、

一九五五(昭和三十)年九月十五日、一三六―一三七頁

31、家

初出未詳、現物未確認

32、夫婦

初出未詳、現物未確認

33、月給袋

『銀行員の詩集

一九五七年版』、銀行労働研究会、

一九五七(昭和三十二)年十一月十日、一六八―一六九頁

34、風景

『銀行員の詩集

一九五六年版』、銀行労働研究会、

一九五六(昭和三十一)年八月二十五日、六五頁

35、用意

『時間』、第二巻第一号、時間社、

一九五一(昭和二十六)年一月一日、八頁、作者名を石垣りん子と表記

[再録]

『銀行員の詩集

一九五一年版』、全国銀行従業員組合連合会文化部、

一九五一(昭和二十六)年七月三十日、七―八頁、

作者名を石垣りん子と表記

36、私はこの頃

初出未詳、現物未確認

37、ひめごと

『時間』、第一巻第四号、時間社、

一九五○(昭和二十五)年八月一日、一三頁、作者名を石垣りん子と表記

[再録]

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11

『ぼーぐなん』創刊号、ぼーぐなん、

一九八一(昭和五十六)年十二月二十日、頁不明

38、この光あふれる中から

初出未詳、現物未確認

39、不出来な絵

『銀行員の詩集

一九五三年版』、全国銀行従業員組合連合会文化部、

一九五三(昭和二十八)年七月二十五日、六四―六六頁

40、ぬげた靴

初出未詳、現物未確認

41、風景

『銀行員の詩集

一九五九年版』、銀行労働研究会、

一九五八(昭和三十三)年十月十五日、七八頁

42、その夜

初出未詳、現物未確認

[再録一]

『現代詩』、第七巻第四号、飯塚書店、

一九六〇(昭和三十五)年四月一日、八―九頁

[再録二]

『詩学』、第十六巻第三号、詩学社、

一九六一(昭和三十六)年三月十五日、四〇頁

43、落葉がみんな私に

『銀行員の詩集

一九五九年版』、銀行労働研究会、

一九五八(昭和三十三)年十月十五日

七七―七八頁

二、第二詩集『表札など』

この詩集は、計四回にわたって刊行されている。

①『表札など』、思潮社、

一九六八(昭和四十三)年十二月二十五日

②『現代詩文庫46

石垣りん詩集』、思潮社、

一九七一(昭和四十六)年十二月二十五日、第一詩集、第二詩集、

および構成詩、未刊詩篇等が収録されている。

③『石垣りん文庫2

詩集

表札など』、花神社、

一九八九(平成元)年五月二十日

④『石垣りん詩集

表札など』、童話屋、

二〇〇〇(平成十二)年三月三日

1、

シジミ

『新日本文学』、第二五七号、新日本文学会、

一九六八(昭和四十三)年十二月一日、六四頁

[再録]

『詩学』、第二八巻第六号、詩学社、

一九七三(昭和四十八)年六月三十日、四〇―四一頁

2、

子供

『歴程』、第一二〇号、歴程社、

一九六八(昭和四十三)年九月一日、一五―一六頁

[再録]

『フローリア』、学習研究社、

一九七二(昭和四十七)年三月、頁不明、現物未確認

3、

表札

『詩と批評』、第一巻第五号、昭森社、

一九六六(昭和四十一)年九月一日、一二―一三頁

[再録一]

『詩と批評』、第二巻第二号、昭森社、

一九六七(昭和四十二)年三月一日、一五―一六頁

[再録二]

『わいふ』、第一七三号、グループわいふ、

一九八二(昭和五十七)年一月一日、四―五頁

4、

くらし

『歴程』、第一一七号、歴程社、

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12

一九六八(昭和四十三)年六月一日、一四頁

[再録一]

『詩と批評』、第三巻第十二号、昭森社、

一九六八(昭和四十三)年十二月一日、一八頁

[再録二]

『家庭画報』、第十五巻第一号、世界文化社、

一九七二(昭和四十七)年一月二十日、九三頁

5、夜毎

『歴程』、第一二○号、歴程社、

一九六八(昭和四十三)年九月一日、一四―一五頁

[再録]

『伊豆新聞』、伊豆新聞社、

一九九七(平成九)年十二月二十一日、六面

6、旅情

初出未詳、現物未確認

7、海辺

『詩人連邦』、第十一巻第九号、詩人連邦発行所、

一九六六(昭和四十一)年九月一日、一二―一三頁、

初出題名「海辺のふるさと」

8、花

『歴程』、第九○号、歴程社、

一九六六(昭和四十一)年二月一日、一一頁

9、幻の花

『十勝毎日新聞』、十勝毎日新聞社、

一九六三(昭和三十八)年十月二十日、生活詩シリーズ、四面、

初出題名「菊」

[再録一]

『鹿児島新報』、鹿児島新報社、

一九六三(昭和三十八)年十月二十七日、六面、再録題名「菊」

[再録二]

『伊勢新聞』、伊勢新聞社、

一九六三(昭和三十八)年十一月一日、十一月のこよみ、五面、

再録題名

記載なし

[再録三]

『いはらき新聞』、いはらき新聞社、

一九六三(昭和三十八)年十一月三日、生活のうた、五面、再録題名「菊」

10、島

『朝日新聞』、朝日新聞社、

一九六五(昭和四十)年四月二十五日、春のうた④、一一面

11、えしやく

『草原』、第九号、地球社、

一九六六(昭和四十一)年十一月二十日、五頁

12、冠

『歴程』、八十九号、歴程社、

一九六五(昭和四十)年十二月一日、表二

13、杖突峠

『詩学』、第二十一巻第六号、詩学社、

一九六六(昭和四十一)年六月三十日、三七頁

[再録]

『詩学』、第二十八巻第六号、詩学社、

一九七三(昭和四十八)年六月三十日、四一―四三頁

14、崖

『無限』、第七号、政治公論社無限編集部、

一九六一(昭和三十六)年四月一日、一四五頁、初出題名「話」

15、健康な漁夫

『無限』、第十五号、政治公論社無限編集部、

一九六四(昭和三十九)年二月一日、四七頁

16、仲間

『現代詩』、第十巻第三号、飯塚書店、

一九六三(昭和三十八)年三月一日、四八―五〇頁

17、藁 『

詩と批評』、第二巻第一号、昭森社、

一九六七(昭和四十二)年一月一日、二四―二五頁

[再録一]

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13

『詩と批評』、第二巻第十一号、昭森社、

一九六七(昭和四十二)年十二月一日、一六―一七頁

[再録二]

『詩人会議』、第十三巻第五号、飯塚書店、

一九七五(昭和五十)年五月一日、二八頁

18、貧しい町

『鹿児島新報』、鹿児島新報社、

一九六三(昭和三十八)年三月六日、おんなのつぶやき、六面、

初出題名「貧しい街」

[再録一]

『スポーツニッポン』、スポーツニッポン新聞社、

南伊豆町立図書館石垣りん文学記念室

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「既刊詩・資料情報」において、一九六三(昭和三十八)年三月二十二日と

あるが、紙面不明、現物未確認

[再録二]

『いはらき新聞』、いはらき新聞社、

一九六三(昭和三十八)年四月十日、おんなのつぶやき、五面、

再録題名「貧しい街」

19、落語

『詩学』、第十八巻第三号、詩学社、

一九六三(昭和三十八)年三月三十日、三六―三七頁

20、めくらの祭り

『詩学』、第十六巻第八号、詩学社、

一九六一(昭和三十六)年七月三十日、五〇―五一頁

21、海のながめ

『無限』、第二○号、政治公論社無限編集部、

一九六六(昭和四十一)年五月一日、九二―九三頁

22、土地・家屋

『詩と批評』、第三巻第五号、昭森社、

一九六八(昭和四十三)年五月一日、一四―一五頁

[再録一]

『現代詩手帖』、第十一巻第十二号、思潮社、

一九六八(昭和四十三)年十二月一日、九三―九四頁

[再録二]

『家庭画報』、第十五巻第一号、世界文化社、

一九七二(昭和四十七)年一月二十日、九二頁

23、鬼の食事

『歴程』、第一二○号、歴程社、

一九六八(昭和四十三)年九月一日、一六頁

[再録一]

『現代詩手帖』、第十一巻第十二号、思潮社、

一九六八(昭和四十三)年十二月一日、九四―九五頁

[再録二]

『ユリイカ』、第二巻第十三号、青土社、

一九七○(昭和四十五)年十二月一日、一二七頁

24、経済

『歴程』、第一二○号、歴程社、

一九六八(昭和四十三)年九月一日、一四頁

25、愚息の国

『ユリイカ』、第五巻第三号、書肆ユリイカ、

一九六○(昭和三十五)年三月一日、三四―三五頁

26、カッパ天国

『行友ニュース』、日本興業銀行行友会、

一九六○(昭和三十五)年五月、現物未確認

[再録]

『現代詩』、第七巻第七号、飯塚書店、

一九六○(昭和三十五)年七月一日、七二―七三頁

27、銭湯で

初出未詳、現物未確認

28、公共

『詩と批評』、第二巻第四号、昭森社、

一九六七(昭和四十二)年五月一日、七二―七三頁

29、ひとり万歳

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14

『伊勢新聞』、伊勢新聞社、

一九六三(昭和三十八)年十二月三十一日、五面、初出題名「ひとり万才」

[再録]

『蒲郡名撰

おいでん』、第二十五号、おいでん編集室、

一九八九(昭和六十四)年一月一日、二―三頁、再録題名「ひとり万才」

30、弔辞

『行友ニュース』、日本興業銀行行友会、

一九六五(昭和四十)年八月十六日、頁不明、現物未確認

31、唱歌

『歴程』、第一二○号、歴程社、

一九六八(昭和四十三)年九月一日、一三頁

32、家出のすすめ

『現代詩』、第八巻第五号、飯塚書店、

一九六一(昭和三十六)年五月一日、四八―五○頁

[再録]

『現代詩手帖』、第五巻第十三号、思潮社、

一九六一(昭和三十六)年十二月一日、七○―七一頁

33、干してある

『歴程』、第一一六号、歴程社、

一九六八(昭和四十三)年五月一日、二四頁

34、母の顔

『歴程』、第一二○号、歴程社、

一九六八(昭和四十三)年九月一日、一三頁

35、ちいさい庭

初出未詳、現物未確認

36、童謡

『現代詩』、第八巻第十二号、飯塚書店、

一九六一(昭和三十六)年十二月一日、七二―七三頁、初出題名「えらい」

37、生えてくる

『詩人連邦』、第七巻第十一号、詩人連邦発行所、

一九六二(昭和三十七)年十一月一日、八ー九頁

三、第三詩集『略歴』

この詩集は、計三回にわたって刊行されている。

①『略歴』、花神社、

一九七九年(昭和五十四)年五月九日

②『石垣りん文庫3

詩集

略歴』、花神社、

一九八七(昭和六十二)年十一月二十日

③『略歴』、童話屋、

二〇〇一(平成十三)年六月十二日

、朝のパン

『手づくりのパンとお菓子』、学習研究社、

一九七六(昭和五十一)年六月、六頁

2、洗たく物

『京都新聞』、京都新聞社、

一九七四(昭和四十九)年六月九日、一一面

[再録一]

『四国新聞』、四国新聞社、

一九七四(昭和四十九)年六月二十三日、一一面

[再録二]

『秋田魁新報』、秋田魁新報社、

一九七四(昭和四十九)年六月二十五日、九面

[再録三]

『詩とメルヘン』、第五巻第十一号、サンリオ、

一九七七(昭和五十二)年十月一日、三○頁

3、村 『

花・現代詩』、第Ⅳ

号、花・現代詩編集部、

一九六九(昭和四十四)年八月十日、一頁

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15

4、儀式

『婦人之友』、第六十七巻第九号、婦人之友社、

一九七三(昭和四十八)年九月一日、二二〇―二二一頁

[再録]

『あじさい』、第十八号、神戸市立働く婦人の家、

一九八〇(昭和五十五)年七月三十一日、二四頁

5、

鬼籍

『詩とメルヘン』、第七巻第四号、サンリオ、

一九七九(昭和五十四)年四月一日、頁不明

6、

きのうの顔

『詩とメルヘン』、第二巻第二号、サンリオ、

一九七四(昭和四十九)年三月一日、頁不明

7、

新年の食卓

『佐賀新聞』、佐賀新聞社、

一九七七(昭和五十二)年一月一日、四七面

[再録一]

『福井新聞』、第三部、福井新聞社、

一九七七(昭和五十二)年一月一日、三三面

[再録二]

『秋田魁新報』、秋田魁新報社、

一九七七(昭和五十二)年一月一日、一〇〇面

[再録三]

『中国新聞』、中国新聞社、

一九七七(昭和五十二)年一月四日、文化、九面

[再録四]

『中部経済新聞』、中部経済新聞社、

一九七七(昭和五十二)年一月五日、一〇面

[再録五]

『南日本新聞』、南日本新聞社、

一九七七(昭和五十二)年一月六日、六面

[再録六]

『四国新聞』、四国新聞社、

一九七七(昭和五十二)年一月二十一日、一○面

[再録七]

『全人教育』、第五十二巻第一号、玉川大学出版部、

一九七八(昭和五十三)年一月十日、二六頁

[再録八]

『婦人しんぶん』、日本婦人会議、

一九八一(昭和五十六)年一月一日、三面

8、鏡

『アート・トップ』、第八巻第三号、芸術新聞社、

一九七七(昭和五十二)年六月一日、一頁

[再録]

『全人教育』、第五十二巻第一号、玉川大学出版部、

一九七八(昭和五十三)年一月十日、二七頁

9、海

『サンケイ新聞』、サンケイ新聞社、

一九七七(昭和五十二)年七月三十日、夕刊五面

[再録]

『全人教育』、第五十二巻第一号、玉川大学出版部、

一九七八(昭和五十三)年一月十日、二八頁

10、夏の本

『四国新聞』、四国新聞社、

一九七七(昭和五十二)年八月二十八日、一〇面

[再録]

『秋田魁新報』、秋田魁新報社、

一九七七(昭和五十二)年八月二十九日、九面、再録題名「夏の木」

11、略歴

『短歌』、第二十四巻第四号、角川書店、

一九七七(昭和五十二)年四月一日、一五六―一五七頁

12、行く

『現代詩手帖』、第二十一巻第二号、思潮社、

一九七八(昭和五十三)年二月一日、四〇ー四一頁

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16

13、木

『ユリイカ』、第九巻第六号、青土社、

一九七七(昭和五十二)年六月一日、二六―二七頁

14、わたくしをそそぐ

『ユリイカ』、第四巻第十一号、青土社、

一九七二(昭和四十七)年十月一日、五四―五六頁、

初出題名「心血をそそぐ」

15、定年

『民主文学』、第一二二号、新日本出版社、

一九七六(昭和五十一)年一月一日、一五二―一五三頁

16、白い猫

『歴程』、第一三○号、歴程社、

一九六九(昭和四十四)年七月一日、三頁

[再録]

『鳩よ!』、第六巻第二号、マガジンハウス、

一九八八(昭和六十三)年二月、七六頁

17、種子

『歴程』、第一二六号、歴程社、

一九六九(昭和四十四)年三月一日、一頁

18、遙拝

『歴程』、第一二九号、歴程社、

一九六九(昭和四十四)年六月一日、一七頁

19、町 『

歴程』、第一二七号、歴程社、

一九六九(昭和四十四)年四月一日、六頁

20、水槽

『歴程』、第一三○号、歴程社、

一九六九(昭和四十四)年七月一日、三頁

21、モン

『詩学』、第二十四巻第二号、詩学社、

一九六九(昭和四十四)年三月三十日、二六―二七頁

22、へんなオルゴール

『四季』、終刊号、潮流社、

一九七五(昭和五十)年五月二十日、一三一―一三三頁

23、追悼

『詩学』、第三十三巻第四号、詩学社、

一九七八(昭和五十三)年三月三十日、八一―八二頁

24、神楽坂

『歴程』、第二一五号、歴程社、

一九七六(昭和五十一)年九月一日、二―三頁

25、まこちゃんが死んだ日

『歴程』、第二一六号、歴程社、

一九七六(昭和五十一)年十月一日、一〇頁

[再録]

『詩とメルヘン』、第五巻第十一号、サンリオ、

一九七七(昭和五十二)年十月一日、二六頁

26、空をかついで

『幼年時代』、創刊号、矢立出版、

一九七八(昭和五十三)年一月十日、八―九頁

27、大根

『詩人会議』、第十六巻第四号、飯塚書店、

一九七八(昭和五十三)年四月一日、八頁

28、旅

『歴程』、第一二九号、歴程社、

一九六九(昭和四十四)年六月一日、一七―一八頁

29、着物

『草月』、第七十六号、草月出版、

一九七一(昭和四十六)年五月二十五日、三二頁

30、池

『歴程』、第二二八号、歴程社、

一九七七(昭和五十二)年十月一日、六頁

31、ミサ曲

『文學界』、第二十七巻第十号、文藝春秋、

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17

一九七三(昭和四十八)年十月一日、九頁

32、ケムリの道

『ユリイカ』、第七巻第二号、青土社、

一九七五(昭和五十)年二月一日、二四―二五頁

33、劇評

『歴程』、第一三九号、歴程社、

一九七○(昭和四十五)年四月一日、八―九頁

34、信用

『都市』、第三号、都市出版社、

一九七○(昭和四十五)年七月一日、二〇四―二〇五頁

35、情況

『新潮』、第六十九巻第六号、新潮社、

一九七二(昭和四十七)年六月一日、二一二―二一三頁

[再録]

『現代詩手帖』、第十五巻第十四号、思潮社、

一九七二(昭和四十七)年十二月一日、七二―七三頁

36、水 『

朝日新聞』、朝日新聞社、

一九六九(昭和四十四)年八月二十九日、一七面

37、別れ

『文藝春秋』、第四十九巻第十三号、文藝春秋、

一九七一(昭和四十六)年十月一日、八七頁

38、福島潟

『文藝春秋』、第五十四巻第八号、文藝春秋、

一九七六(昭和五十一)年八月一日、八九頁

39、地平線

『文藝春秋』、第四十七巻第六号、文藝春秋、

一九六九(昭和四十四)年六月一日、八七頁

40、夕鶴

『歴程』、第一三九号、歴程社、

一九七○(昭和四十五)年四月一日、八頁

41、風俗

『詩学』、第二十五巻第十四号、詩学社、

一九七○(昭和四十五)年四月三十日、一六―一七頁

42、十三夜

『歴程』、第一二五号、歴程社、

一九六九(昭和四十四)年二月一日、八頁

43、河口

『文藝』、第九巻第二号、河出書房新社、

一九七○(昭和四十五)年二月一日、一三八―一三九頁

44、荷 『

文藝』、第九巻第二号、河出書房新社、

一九七○(昭和四十五)年二月一日、一三九頁

45、式のあとで

『文藝』、第九巻第二号、河出書房新社、

一九七○(昭和四十五)年二月一日、一四〇―一四一頁

46、女 『

文藝』、第九巻第二号、河出書房新社、

一九七○(昭和四十五)年二月一日、一四一―一四二頁

47、子守唄

『文藝』、第九巻第二号、河出書房新社、

一九七○(昭和四十五)年二月一日、一四二頁

四、第四詩集『やさしい言葉』

この詩集は、計三回にわたって刊行されている。

①『やさしい言葉』、花神社、

一九八四(昭和五十九)年四月二十一日

②『石垣りん文庫4

詩集

やさしい言葉』、花神社、

一九八七(昭和六十二)年十二月二十日

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③『やさしい言葉』、童話屋、

二〇〇二(平成十四)年六月十二日

1、

喜び

『文藝』、第十九巻第二号、河出書房新社、

一九八○(昭和五十五)年二月一日、一四八―一四九頁

2、おみやげ

『ユリイカ』、第十三巻第四号、青土社、

一九八一(昭和五十六)年四月一日、三二―三三頁

[再録]

『びう』、教育総研、

一九八八(昭和六十三)年二月、現物未確認

3、摘み草

『いしゅたる』、第三号、いしゅたる社、

一九八三(昭和五十八)年七月十日、二―三頁

4、ことば

『文學界』、第三十六巻第二号、文藝春秋、

一九八二(昭和五十七)年二月一日、九頁

5、経済

一九七九(昭和五十四)年十二月、地下鉄明治神宮前駅壁面に掲示、

現物未確認

[再録]

『地下鉄のオルフェ』、オーデスク、

一九八一(昭和五十六)年四月、四六―四七頁

6、向こうから来た人

一九八二(昭和五十七)年五月一日から七月末日、新宿センタービルB一

水の広場に掲示、現物未確認

7、木のイメージ

『文學界』、第三十七巻第十一号、文藝春秋、

一九八三(昭和五十八)年十一月一日、九頁

8、やさしい言葉

『小説新潮』、第三十四巻第三号、新潮社、

一九八○(昭和五十五)年三月一日、二三頁

9、還暦

『日本経済新聞』、日本経済新聞社、

一九八○(昭和五十五)年六月一日、六月の詩Ⅰ

、二四面

10、穴 『

日本経済新聞』、日本経済新聞社、

一九八○(昭和五十五)年六月八日、六月の詩Ⅱ

、二四面

11、同時代

『日本経済新聞』、日本経済新聞社、

一九八○(昭和五十五)年六月十五日、六月の詩Ⅲ

、二四面

12、雀

『日本経済新聞』、日本経済新聞社、

一九八○(昭和五十五)年六月二十二日、六月の詩Ⅳ

、二四面

13、道

『日本経済新聞』、日本経済新聞社、

一九八○(昭和五十五)年六月二十九日、六月の詩Ⅴ

、二四面

14、挨拶状

『現代詩手帖』、第二十六巻第三号、思潮社、

一九八三(昭和五十八)年三月一日、四二―四三頁

15、地方

『山形新聞』、山形新聞社、

一九八○(昭和五十五)年二月二十日、二面

[再録一]

『京都新聞』、京都新聞社、

一九八○(昭和五十五)年二月二十一日、文化、一三面

[再録二]

『信濃毎日新聞』、信濃毎日新聞社、

一九八○(昭和五十五)年二月二十六日、夕刊四面

16、希望の方角

『秋田魁新報』、秋田魁新報社、

一九七九(昭和五十四)年八月二十七日、七面

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17、川のある風景

『毎日新聞』、毎日新聞社、

一九八○(昭和五十五)年八月二十三日、夕刊四面

18、鮎

『新潟日報』、新潟日報社、

一九八一(昭和五十六)年六月六日、あけくれの詩、夕刊七面

[再録一]

『信濃毎日新聞』、信濃毎日新聞社、

一九八一(昭和五十六)年六月二十二日、夕刊四面

[再録二]

『秋田魁新報』、秋田魁新報社、

一九八一(昭和五十六)年六月二十七日、九面

19、父の日に

『秋田魁新報』、秋田魁新報社、

一九七九(昭和五十四)年六月十二日、七面

[再録]

『新潟日報』、新潟日報社、

一九七九(昭和五十四)年六月十七日、一一面

20、時の記念日に

『新潟日報』、新潟日報社、

一九八○(昭和五十五)年六月八日、九面

[再録一]

『信濃毎日新聞』、信濃毎日新聞社、

一九八○(昭和五十五)年六月九日、夕刊四面

[再録二]

『秋田魁新報』、秋田魁新報社、

一九八○(昭和五十五)年六月十一日、九面

21、銀河

『信濃毎日新聞』、信濃毎日新聞社、

一九八○(昭和五十五)年七月七日、夕刊四面

22、跳躍

『信濃毎日新聞』、信濃毎日新聞社、

一九八○(昭和五十五)年四月二十一日、夕刊四面

[再録]

『秋田魁新報』、秋田魁新報社、

一九八○(昭和五十五)年四月二十三日、九面

23、春の日

『文藝春秋』、第五十八巻第四号、文藝春秋、

一九八○(昭和五十五)年四月一日、八九頁

24、勝負

『文藝春秋』、第六十巻第十四号、文藝春秋、

一九八二(昭和五十七)年十二月一日、八九頁

25、晴れた日に

『新潟日報』、新潟日報社、

一九八一(昭和五十六)年十一月二十八日、あけくれの詩、夕刊七面

[再録一]

『信濃毎日新聞』、信濃毎日新聞社、

一九八一(昭和五十六)年十一月三十日、夕刊四面

[再録二]

『秋田魁新報』、秋田魁新報社、

一九八一(昭和五十六)年十二月十九日、一○面

[再録三]

『岩手日報』、家庭版盛岡地域、岩手日報社、

一九八二(昭和五十七)年十一月二十日、一七面

26、青い鏡

『新潟日報』、新潟日報社、

一九八一(昭和五十六)年八月十五日、あけくれの詩、夕刊七面

[再録一]

『信濃毎日新聞』、信濃毎日新聞社、

一九八一(昭和五十六)年八月十七日、夕刊四面

[再録二]

『秋田魁新報』、秋田魁新報社、

一九八一(昭和五十六)年八月二十二日、七面

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20

27、コブラ

『秋田魁新報』、秋田魁新報社、

一九八○(昭和五十五)年八月六日、九面

28、きのうの夢

『朝日新聞』、朝日新聞社、

一九八二(昭和五十七)年七月一日、夕刊五面

29、演歌

『海』、第一七一号、中央公論社、

一九八三(昭和五十八)年六月一日、二八―二九頁

30、酔余

『日本経済新聞』、日本経済新聞社、

一九八一(昭和五十六)年四月十四日、夕刊九面

31、兵士の世代

『詩人会議』、第十八巻第三号、飯塚書店、

一九八○(昭和五十五)年三月一日、一六―一七頁

32、坂道

『歴程』、第二五九号、歴程社、

一九八○(昭和五十五)年五月一日、一○頁

33、太陽の光を提灯にして

テレビ静岡で放映、日本の夜明け、

一九八一(昭和五十六)年一月、現物未確認

[再録一]

『ぴいぷる』、出版社不明、

一九八五(昭和六十)年一月、現物未確認

[再録二]

『労働ニュース』、臨時増刊号、総評教宣局、

一九八五(昭和六十)年十二月二日、三二頁

34、初日が昇るとき

テレビ静岡で放映、

一九八三(昭和五十八)年一月、現物未確認

35、夜明けの風景

『赤旗』、日曜版第二部、日本共産党中央委員会、

一九八四(昭和五十九)年一月一日、一面

[再録一]

『小学生のお母さん』、福武書店、

一九八五(昭和六十)年一月一日、現物未確認

[再録二]

『チャレンジママ』、出版社不明、

一九八五(昭和六十)年一月一日、現物未確認

36、早春の旅

『読売新聞』、読売新聞社、

一九八○(昭和五十五)年三月二十八日、夕刊七面

37、洗剤のある風景

『女性のひろば』、第四十一号、日本共産党中央委員会、

一九八二(昭和五十七)年七月一日、一三頁

38、原町市にて

『福島県現代詩人会会報』、第十四号、福島県現代詩人会、

一九八一(昭和五十六)年十一月十日、二面、初出題名「原ノ町市にて」

39、大橋というところ

『花神』、第一巻第三号、花神社、

一九八一(昭和五十六)年八月一日、二―三頁

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Abstract:

Inferring of Unfamiliar Words in Listening Comprehension of Japanese Language

Among an Advanced Class of Chinese Students Learning Japanese:

An Experiment Test Operating Working Memory Capacity and Sentence Contextuality

Xiyan Yu, Haruna Inohara, Jie Xu and Norio Matsumi

Japanese learners have insufficient vocabulary knowledge and are likely to encounter unknown words in

the comprehension of Japanese sentences. Since inferring the meanings of unfamiliar words contributes to

the understanding of the whole sentences, it is considered to be an important strategy in listening

comprehension. We investigated the inferring process of unknown words among Chinese learners in an

advanced Japanese language class. In the experiment, we used learner's working memory capacity and

sentence contextuality as factors. The size of the working memory capacity and the position where the

unknown word appears in the sentence (first or second sentence) were set as independent variables. The score

and the reaction time of the phonological memory test of unknown words and the comprehension test were

measured as dependent variables. The results showed that the Japanese learners put the priority on

understanding the meaning of the whole sentence rather than on retaining the phonological information of

unknown words in the listening comprehension. Moreover, it became clear that the working memory capacity

of the learner could affect the retention of the phonological information of unknown words.

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彙 報

2019度広島大学日本語教育学講座言語・文化・教育研究会,特別講演会

◎第25回大会(2019年6月 6日)

◯研究発表

【口頭発表】

① 馮 文彦(博士課程後期3年)

日本語のフィラー「まあ」に関する一考察

② 成 利楽(博士課程後期1年)

中国の大学における中国人日本語教師の成長

【ポスター発表】

① 岡野 靖子(博士課程前期2年)

文章執筆に与える教師の明示性の異なる筆記によるフィードバックの効果

② 魏 達因(博士課程前期2年)

中国人日本語学習者におけるオノマトペの意味・用法の習得状況について

③ 李 御銘(博士課程前期2年)

「テクレル」及び「テモラウ」の非用に関する使用傾向の考察

―中級と上級の台湾人日本語学習者を対象に―

④ 浅田 岐依(博士課程前期2年)

地域日本語教室の対話クラスにおける参加者のインターアクション研究に向けて

⑤ 王 惠(博士課程前期2年)

中国語を母語とする日本語学習者の文章聴解における未知漢字単語の復唱効果

―WM容量と復唱内容を操作した実験的検討―

⑥ 大隈 萌恵(博士課程前期2年)

説明文の読解における質問作成の教示が文章の内容理解に与える影響

⑦ 山本 健太(博士課程後期2年)、三浦 千佳(博士課程前期2年)

短期留学性を対象としたサバイバル日本語教育の実践報告

⑧ 道法 愛

シナイの「未完了」とシテイナイの未完了

―両形式の成立・不成立場面に着目して―

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◎第26回大会(2019年10月31日)

◯講 演

文化的言語的多様な背景をもつ子どものことばとアイデンティティを育てる

―理論から実践へ― 櫻井 千穂 先生

【講演要旨】

本講演は、「文化的言語的に多様な背景をもつ子ども(Culturally Linguistically Diverse Children,

CLD児)の教育環境の構築といったテーマについて、国内外の先行研究や教育理論を踏まえ、講演者自身が

行ってきた調査や実践が紹介された。日本国内で増加する外国につながる子どもをはじめとする CLD児は、

家庭言語(母語)と社会や学校言語(日本語)が違う環境の中で幼児から学齢期までの言語形成期を過ごす

ことになる。このことは二(多)言語の獲得というプラスに作用する場合もあるが、言語的マイノリティの

立場におかれる日本では、日本語母語話者のために構築された強固な学校教育システムの中で、教科学習言

語能力の獲得の難しさや進学の壁、母語の喪失とアイデンティティの揺れなど、様々な困難を抱える CLD児

が圧倒的多数である。これはただ単に、表面的な日本語の指導で解決できる問題ではない。講演者は、これ

らの問題解決に向け、過去 15年に渡り、日本では実態解明が進んでいない CLD児の二言語能力調査、対話

型言語能力アセスメント DLAの開発(文部科学省委託研究)、公立学校での教育実践研究等を行ってきた。

教育実践については、日本の公立学校で実施可能な母語と日本語の育成プログラムが豊富な事例とともに

紹介された。講演時間一杯の盛り沢山の内容で、十分な質問時間が確保できなかったが、講演後も残った聴

衆から質問がなされるなど、本テーマへの関心の高さが窺われた。

◯研究発表

【ポスター発表】

① 于 慧(博士課程前期2年)

日本語の発話課題におけるプランニング教示が発話の流暢さ,正確さ,複雑さに及ぼす影響

② 田 茹夢(博士課程前期2年)

中国語を母語とする上級日本語学習者における中日2言語間の口頭翻訳過程

―作動記憶容量と課題の種類を操作した実験的検討―

③ 張 鶴鳳(博士課程前期2年)

中国人上級日本語学習者の文章読解における説明予期の効果

―文章の属性と読解前教示を操作した実験的検討―

④ 李 姝麗(博士課程前期2年)

中国語を母語とする上級日本語学習者の日本語漢字単語産出における心内辞書の働き方

⑤ 唐 寧雪(博士課程前期2年)

中接触場面における「ほめ」に関する研究―中国人上級学習者を中心に―

⑥ 山中 宗一郎(博士課程前期2年)

現代日本語の感情述語について―「がる」動詞と「む類」動詞の対立を中心に―

⑦ 曠 景明(博士課程前期2年)

動作主の脱焦点化についての日中対照研究

⑧ 李 昭鉉(博士課程前期2年)

LINEにおける「断り」に関する研究―日本語母語話者と韓国人日本語学習者を対象に―

⑨ 三浦 由衣(博士課程前期2年)

悼むことの文化社会学的考察

⑩ 朴 胤宣(博士課程前期2年)

韓国人上級日本語学習者の文理解における漢字単語の処理過程

―文脈性と韓日2言語間の音韻類似性を操作した実験的検討―

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2019年度(平成31年度・令和元年度) 日本語教育学講座 歳時記

2019年(平成31年・令和元年)

4月 1日 櫻井千穂先生 着任

3日 入学式

4日 新入生ガイダンス(学部・大学院)

8日 在学生前期ガイダンス(2年生〜過年度生)

13日 新入生オリエンテーション(於:HIPひろしま国際プラザ)

6月 6日 第 25回広島大学日本語教育学講座 言語・文化・教育研究会

7月 18日 卒業論文中間発表会

7月 25日 修士論文中間発表会

8月 17〜19日 林信蔵先生(福岡大学・准教授)、集中講義 -「日本文学と文化」

8月 20〜21日 2019年度オープンキャンパス

9月 3〜6日 金愛蘭先生(日本大学・准教授)、集中講義 -「日本語の語彙と意味」

11〜12日 大学院教育学研究科入学試験

博士課程前期(一般選抜・社会人特別選抜)

16〜19日 金愛蘭先生(日本大学・准教授)、集中講義 -「日本語教育学特講Ⅴ」

28日 在学生後期ガイダンス(4年生)

10月 1日 在学生後期ガイダンス(1年生〜3年生)

31日 第 26回広島大学日本語教育学講座 言語・文化・教育研究会

11月 23〜24日 AO選抜(総合評価方式・フェニックス方式)

2020年(令和2年)

1月 9日 西村史子先生(ワイカト大学日本語プログラム主任、第 1期卒業生)

講演「ニュージーランドってどんな国?-日本語教育と異文化体験」

(教育学部キャリア講演会との共催)

2月 3〜5日 小橋玲治先生(東京成徳大学・助教)、集中講義 -「日本語教育学特講Ⅰ」

6〜8日 小橋玲治先生(東京成徳大学・助教)、集中講義 -「日本の近現代文学」

2月 10日 修士論文審査会

10〜12日 中村春作先生、集中講義 -「日本文化研究」

12〜13日 大学院教育学研究科入学試験

博士課程前期

(一般選抜第二次・社会人特別選抜第二次・外国人留学生特別選抜)

博士課程後期

(一般選抜・社会人特別選抜・外国人留学生特別選抜)

17〜19日 小河原義朗先生(東北大学・教授)、集中講義 -「日本語の音声と発音」

18日 卒業論文最終発表会

25日 学部一般入試(前期日程)

3月 23日 学位記授与式

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日本語教育学講座 教職員名簿

2019年度(平成31年度・令和元年)

講座主任 柳澤 浩哉

教 授 白川 博之 永田 良太 仁科 陽江 西原 大輔 畑佐由紀子

松見 法男

准 教 授 中山亜紀子 西村 大志 渡部 倫子 櫻井 千穂*

事務補佐員 山田 典子

教育研究補助職員 李 在鉉*

*2019年度より当講座所属

客員教員授業科目

<学部>

日本語の音声と発音 小河原義朗 先生(東北大学・教授)

日本語の語彙と意味 金 愛蘭 先生(日本大学・准教授)

日本の近現代文学 小橋 玲治 先生(東京成徳大学・助教)

日本文化研究 中村 春作 先生

日本文学と文化 林 信蔵 先生(福岡大学・准教授)

<博士課程前期>

日本語教育学特講Ⅰ 小橋 玲治 先生(東京成徳大学・助教)

日本語教育学特講Ⅴ 金 愛蘭 先生(日本大学・准教授)

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2019年度(平成31年度・令和元年度)論文題目一覧

博士論文(2019年度)

氏名 指導教員

(主査) 称号 論文題目

李 在鉉 白川 博之 博士(教育学) 対照的視点による日韓アスペクト形式の研究

周 密 永田 良太 博士(教育学) マスメディアに表されるジェンダーの日中対照研究

―歌詞に表される男女像とその言語実践に着目して―

徐 婕 松見 法男 博士(教育学) 中国人学習者の日本語文における漢字単語の処理

―文の制約性と中日2言語間の形態・音韻類似性を

操作した実験的検討―

徐 暢 松見 法男 博士(教育学) 中国語を母語とする上級日本語学習者の聴解メカニズム

―作動記憶の機能の観点から―

陳 真 畑佐由紀子 博士(教育学) 中国人中上級日本語学習者のナラティブにおける評価方

略の使用実態

―言語形式と評価対象を中心に―

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修士論文(2019年度)

氏名 指導教員

(主査) 論文題目

淺田 岐依 畑佐由紀子 地域日本語教室の対話クラスにおける相互行為の実態

―相互理解と参加者間の関係に着目して―

李 昭鉉 永田 良太 SNSにおける「断り」に関する研究

―日本語母語話者と韓国語母語話者を対象に―

于 慧 松見 法男 日本語の発話におけるリハーサル時の使用言語が発話の流暢さ,正確さ,

複雑さに及ぼす影響

王 惠 松見 法男 聴覚提示された日本語漢字単語の処理に及ぼす形態想起教示の影響

―中国人上級学習者を対象として―

大隈 萌恵 松見 法男 日本語学習者の文章読解における質問作成の効果

岡野 靖子 畑佐由紀子 明示性の異なる筆記によるフィードバックの効果

魏 逹因 柳澤 浩哉 中国人日本語学習者におけるオノマトペの意味・用法の習得状況について

曠 景明 仁科 陽江 動作主の脱焦点化についての日中対照研究

張 鶴鳳 松見 法男 説明予期が中国人上級日本語学習者の文章の理解と記憶に及ぼす影響

―文章の具象性及び難易度を操作した実験的検討―

田 茹夢 松見 法男 中国語を母語とする上級日本語学習者における中日 2言語間の口頭翻訳過程

―作動記憶容量と課題の種類を操作した実験的検討―

唐 寧雪 永田 良太 日中接触場面における「ほめー応答」の連鎖に関する研究

―中国人上級日本語学習者を中心に―

朴 胤宣 松見 法男 韓国人上級日本語学習者の文の視覚呈示における漢字単語の処理過程

―文脈性と 2言語間の音韻類似性を操作した実験的検討―

三浦 由衣 西村 大志 偲ぶこと、対話すること

―安芸地方の盆燈籠をめぐる地域社会学―

山崎佳那子 永田 良太 日本語母語話者と韓国人日本語学習者の依頼の談話展開と前置き表現

―負担度に着目して―

山中宗一郎 白川 博之 現代日本語の感情述語について

―感情形容詞と感情動詞の対立及び「がる」動詞と「む類」動詞の対立を

中心に―

李 御銘 畑佐由紀子 恩恵場面における言語表現の使用傾向に関する考察

―中上級台湾人日本語学習者を対象に―

李 姝麗 松見 法男 中国語を母語とする上級日本語学習者口頭の翻訳課題における漢字単語の

処理

―中日 2言語間の形態類似性と音韻類似性を操作した実験的検討―

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卒業論文(2019年度)

氏名 指導教員 論文題目

青木 萌実 永田 良太 役割語としての感動詞に関する研究

赤間 大生 永田 良太 大学生における「ス」の使用について

石井千枝里 西村 大志 漫画から読み解く「性自認」

―『リボンの騎士』,『ベルサイユのばら』,『らんま1/2』を中心に―

石戸 愛 西村 大志 野球マンガにみる成長の形

―『巨人の星』・『ドカベン』・『タッチ』の分析を通じて―

稲垣 伽穂 松見 法男 日本語学習者における物語文の音読方法の違いが文章の理解と記憶に及ぼす効果

―中国人中・上級学習者を対象に―

井上 空 仁科 陽江 ビルマ語と日本語における受身表現の対照研究

入山 由奈 中山亜紀子 日本語教育を専攻する学生の進路選択について

―日本語教師にならない学生に着目して―

上田 聡華 永田 良太 SNSにおける謝罪表現 ―深刻度に着目して―

大澤 拓匡 仁科 陽江 動詞「言う」の文法化について

大槻 竜也 仁科 陽江 スペイン語の未来表現

杵島 真菜 柳澤 浩哉 レトリックによる教材分析 ―現在感を中心にして―

吉川 優花 中山亜紀子 商業的会話における誘い

神代 希咲 永田 良太 会計場面における「申し出」に対する「応答」

小林 萌愛 畑佐由紀子 訂正フィードバック後の教師による声かけの効果

近藤 風香 柳澤 浩哉 「ひとり」を表す言葉の多様化

三王 有稀 中山亜紀子 海外短期滞在者の帰国後の再適応に関する調査 ―日本人大学生に着目して―

高瀬 怜奈 中山亜紀子 海外援助志向の学生の進路選択について

―ネパールのために働く日本人女性のライフストーリー ―

知名 桐子 渡部 倫子 日本語学習の目標設定が WTCに与える影響

―生活のための日本語学習者を対象に―

内藤 真帆 渡部 倫子 SNSを活用した自律学習の実態 ―上級日本語学習者を対象に―

中村 優華 西村 大志 団地家族の文化社会学 ―歴史と表象に見る―

西 日菜子 永田 良太 方言広告のイメージに関する研究

花岡 里菜 松見 法男 韓国語を母語とする日本語学習者のカタカナ外来語の発音に対する自己評価

濱田 真子 西村 大志 水筒とジェンダー

檜垣 侑揮 柳澤 浩哉 川端康成の叙述変化 ―女性描写に注目して―

福井 悠太 永田 良太 ビジネス場面における「断り」

藤井 陽和 柳澤 浩哉 辻村深月『本日は大安なり』における人物造形 ―表現から人物の特徴を考える―

藤野 瑛 松見 法男 日本語学習者の地図情報の読み取りにおける視空間性ワーキングメモリ容量の影響

前田 萌子 松見 法男 つぶやき読みにおける音声の有無が文章の理解と記憶に及ぼす効果

―中国人中級学習者を対象として説明文と物語文を用いた検討―

村田 陽香 渡部 倫子 プロソディ・シャドーイングが長音の習得に及ぼす効果

―中国語を母語とする上級日本語学習者を対象に―

保田ゆきえ 中山亜紀子 英語以外の言語を積極的に学習する人の学習理由に関する調査

安本 麗香 柳澤 浩哉 田中角栄の演説におけるレトリック

山下 真琳 西村 大志 流言から見る口裂け女の都市民俗学

渡邊 志乃 渡部 倫子 文章内容に対する印象が読み速度と内容理解に与える影響

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執筆者紹介

松見 法男(日本語教育学講座 教授)

西原 大輔(日本語教育学講座 教授)

徐 婕 (日本語教育学講座 博士課程後期大学院生)

猪原 晴菜(日本語教育学講座 博士課程前期大学院生)

于 溪妍(日本語教育学講座 博士課程前期大学院生)

竹中 典子(教育学研究科 研究生)

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第30号 紀要編集委員会 中山 亜紀子・李 在鉉

編集後記

『広島大学日本語教育研究』第 30 号をお届けします。

2019 から 20 年のこの1年間で、本講座を取り巻く内外の状況は大きく変わりました。

春には講座内で大きな変化がありました。3月に金愛蘭(キム・エラン)先生が日本大学

に、教育研究補助職員の小橋玲治さんが東京成徳大学に異動となりました。お二人が去られ

たことは寂しいことですが、新しい門出をお祝いしたいと思います。入れ替わりに、4月に

櫻井千穂先生が同志社大学からご着任になり、白川ゼミの李在鉉さんが教育研究補助職員と

して事務室で仕事を行ってくれています。櫻井先生は、年少者日本語教育がご専門で、講座

に新しい風を吹き込んでくださっています。10 月の広島大学日本語教育学講座言語・文化・

教育研究会におけるご講演では、現在の日本を取り巻く喫緊の課題がテーマであるだけに、

講座内だけではなく他講座からも多数の参加がありました。李在鉉さんは、まさしく、かゆ

い所に手が届く仕事ぶりで業務に当たってくれています。

また秋には、国内で日本語教育に関わる変化がありました。曖昧な地位に置かれていた日

本語教師に国家資格(公認日本語教師、仮称)ができることになったのです。昨年 12 月の

入管法の改正(正式名称「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法

律」)と合わせて大きな変更です。国家資格の誕生自体は喜ばしいことですが、本講座にと

ってどんな影響があるのかは不透明です。いずれにせよ、この変革期に日本語教師が果たす

役割が大きいことに変わりがないでしょう。今後を注視していきたいと思います。

さらに 2020 年春、広島大学内で大きな変化を迎えます。教育学研究科が、従来の総合科

学研究科、文学研究科などを再編した人間社会科学研究科に移行するのです。この巨大な研

究科の中で、日本語教育学講座は、独立したプログラムとして歩むことになります。

学内外で激動する世界の中で、本講座はきらっと光るキャラの立った講座として歩んでい

きたいと思っています。学内外の関係者のみなさんのお力添えを引き続きお願いします。

(文責:中山)

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令和 2年3月 25日 発行

広島大学日本語教育研究 第 30 号

Bulletin of the Department of

Teaching Japanese as a Second Language,

Hiroshima University

No.30

編 集 広島大学大学院教育学研究科

日本語教育学講座紀要編集委員会

発 行 所 広島大学大学院教育学研究科

日 本 語 教 育 学 講 座

〒739-8524 東広島市鏡山 1丁目1番1号

Tel. (082) 424-6880

Fax. (082) 424-5245

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ISSN 1347-7226

Bulletin

Of

the Department of Teaching Japanese

as a Second Language,

Hiroshima University

(Hiroshima Daigaku Nihongo Kyoiku Kenkyu)

No. 30

2020

Department of Teaching Japanese as a Second Language

Graduate School of Education, Hiroshima University