candida albicansが産生するリパーゼの性状と その病原的意...

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日皮会誌:102 (3), 335-341, 1992 (平4) Candida albicansが産生するリパーゼの性状と その病原的意義について Candida albicans (C. albicans)はペプトンとグル コースを含むSabouraud液体培地で培養するとタソ パク質を分解するプロテアーゼを産生しないが,ペプ トンの代わりにケラチソ,牛血清アルブミソなどのタ ソパク質を添加した培養系ではそれを産生することが 知られている. C. albicansの産生するこのプロテアー ゼの生物学的性状については多くの報告があるが,本 菌がリパーゼをも,状況によっては産生するのではな いかと想定して,各種培養系におけるその産生誘導を 試みた.その結果, C. albicansはTween 80を含む液 体培地で培養すると,リパーゼ(脂質分解酵素)の活 性が検出された.そこで,このリパーゼ産生の誘導条 件と本酵素に関する若干の生化学的性状について検索 しその生物学的意義について考察した,即ち,C. albicansのリパーゼ活性は,比較検討した各種液体培 地中では,①yeast nitrogen base (YNB)に長鎖脂 肪酸エステルであるTween 80を添加した液体培地に おいて検出・産生され,②培養上清中に放出される菌 体外型のリパーゼを主とするものと考えられ,③菌数 の増加とこの酵素活性はよく相関し,また,④本酵素 活性の産生は添加培養したTween 80の濃度依存性で あった.一方,⑤炭素源を十分含むSabouraud培地や yeast carbon base (YCB)培地では,たとえTween 80を添加してもリパーゼ活性は認められなかった.ま た,⑥YNB培地にTween 20やTriton x・100を添加 した培地からもリパーゼ活性が認められなかった.以 上よりC. albicansにおけるリパーゼの誘導には炭素 源が極端に制限された培地に,ある種の長鎖脂肪酸を 含む脂質が共存するが如き,特定の条件が必要である ことが示唆された.更に,⑦本酵素は豚リパーゼと同 じく胆汁酸の存在下で活性が増加したが,⑧トリプシ ン処理による活性の増加は認められず,⑨その至適 順天堂大学医学部皮膚科学教室(主任 小川秀興教授) 平成3年9月12日受付,平成3年10月18日掲載決定 別刷請求先:(〒n3)文京区本郷3-1-3 順天堂 大学医学部皮膚科学教室 小松崎久乃 pHは5.5であった,また,本酵素の活性は,⑩各種タ ンパク分解酵素阻害剤や2価金属イオンの影響を受け ず,エステラーゼ阻害剤も活性を阻害しなかった.正 常ヒト皮膚角層表面にはトリグリセリドをはじめとす る種々の脂質か存在し,弱酸性を示すこと,などより, C. albicansはその置かれた条件,状況に応じてその産 生するリパーゼを利用しつつ生体の脂質を分解し,菌 の増殖を果たしている可能性が考えられた.以上,C. albicansの産生するリパーゼは,従来病原性因子と考 えられているプロテアーゼと同様に重要な病原性因子 となっている可能性が示唆された. 真菌感染の発症機序については,菌側,宿主側と多 角的に研究されてきたが,依然として不明な点も少な くない. Candida blbicans (C. albicans)は二形性を 示す代表的な病原性真菌で,比較的取り扱い易いこと もあり,病態生理解明のための基礎医学的実験に汎用 されている. 従来, C. albicansの病原性因子としては,菌の上皮 細胞への接着性,形態の変化,毒素あるいは酵素など, 実に多くのものが重要なものとして報告されてき た1).Hattori2),Negi3),Tsuboiら4)~6)はこれらの因子 の中で, C. albicansが細胞外に産生するプロテアーゼ (タンパク分解酵素)が重要な病原性因子となりうるこ とを詳細に検討して報告するのみならず,同様の観点 からその他の病原性真菌が産生するプロテアーゼの性 状についても詳細な検討を行い報告している7)~10)こ れらの実験結果を要約すると,①プgテアーゼの産生 は窒素源か制限されている培地,つまり窒素源飢餓の 状態に,加水分解が必要なタンパクを窒素源として添 加した時にのみ産生されること,②プロテアーゼの産 生度と菌の増殖度には密接な関係があること,③分離 されたプロテアーゼが,生体組織の構成タンパクであ るケラチンやアルブミソ,コラーゲソ等を分解するこ と,等が明らかとなった. しかし感染局所の状態は,窒素源が制限された場合

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  • 日皮会誌:102 (3), 335-341, 1992 (平4)

    Candida albicansが産生するリパーゼの性状と

         その病原的意義について

           小 松 崎 久 乃

              要  旨

     Candida albicans (C. albicans)はペプトンとグル

    コースを含むSabouraud液体培地で培養するとタソ

    パク質を分解するプロテアーゼを産生しないが,ペプ

    トンの代わりにケラチソ,牛血清アルブミソなどのタ

    ソパク質を添加した培養系ではそれを産生することが

    知られている. C. albicansの産生するこのプロテアー

    ゼの生物学的性状については多くの報告があるが,本

    菌がリパーゼをも,状況によっては産生するのではな

    いかと想定して,各種培養系におけるその産生誘導を

    試みた.その結果, C. albicansはTween 80を含む液

    体培地で培養すると,リパーゼ(脂質分解酵素)の活

    性が検出された.そこで,このリパーゼ産生の誘導条

    件と本酵素に関する若干の生化学的性状について検索

    しその生物学的意義について考察した,即ち,C.

    albicansのリパーゼ活性は,比較検討した各種液体培

    地中では,①yeast nitrogen base (YNB)に長鎖脂

    肪酸エステルであるTween 80を添加した液体培地に

    おいて検出・産生され,②培養上清中に放出される菌

    体外型のリパーゼを主とするものと考えられ,③菌数

    の増加とこの酵素活性はよく相関し,また,④本酵素

    活性の産生は添加培養したTween 80の濃度依存性で

    あった.一方,⑤炭素源を十分含むSabouraud培地や

    yeast carbon base (YCB)培地では,たとえTween

    80を添加してもリパーゼ活性は認められなかった.ま

    た,⑥YNB培地にTween 20やTriton x・100を添加

    した培地からもリパーゼ活性が認められなかった.以

    上よりC. albicansにおけるリパーゼの誘導には炭素

    源が極端に制限された培地に,ある種の長鎖脂肪酸を

    含む脂質が共存するが如き,特定の条件が必要である

    ことが示唆された.更に,⑦本酵素は豚リパーゼと同

    じく胆汁酸の存在下で活性が増加したが,⑧トリプシ

    ン処理による活性の増加は認められず,⑨その至適

    順天堂大学医学部皮膚科学教室(主任 小川秀興教授)

    平成3年9月12日受付,平成3年10月18日掲載決定

    別刷請求先:(〒n3)文京区本郷3-1-3 順天堂

     大学医学部皮膚科学教室 小松崎久乃

    pHは5.5であった,また,本酵素の活性は,⑩各種タ

    ンパク分解酵素阻害剤や2価金属イオンの影響を受け

    ず,エステラーゼ阻害剤も活性を阻害しなかった.正

    常ヒト皮膚角層表面にはトリグリセリドをはじめとす

    る種々の脂質か存在し,弱酸性を示すこと,などより,

    C. albicansはその置かれた条件,状況に応じてその産

    生するリパーゼを利用しつつ生体の脂質を分解し,菌

    の増殖を果たしている可能性が考えられた.以上,C.

    albicansの産生するリパーゼは,従来病原性因子と考

    えられているプロテアーゼと同様に重要な病原性因子

    となっている可能性が示唆された.

               緒  言

     真菌感染の発症機序については,菌側,宿主側と多

    角的に研究されてきたが,依然として不明な点も少な

    くない. Candida blbicans (C. albicans)は二形性を

    示す代表的な病原性真菌で,比較的取り扱い易いこと

    もあり,病態生理解明のための基礎医学的実験に汎用

    されている.

     従来, C. albicansの病原性因子としては,菌の上皮

    細胞への接着性,形態の変化,毒素あるいは酵素など,

    実に多くのものが重要なものとして報告されてき

    た1).Hattori2),Negi3),Tsuboiら4)~6)はこれらの因子

    の中で, C. albicansが細胞外に産生するプロテアーゼ

    (タンパク分解酵素)が重要な病原性因子となりうるこ

    とを詳細に検討して報告するのみならず,同様の観点

    からその他の病原性真菌が産生するプロテアーゼの性

    状についても詳細な検討を行い報告している7)~10)こ

    れらの実験結果を要約すると,①プgテアーゼの産生

    は窒素源か制限されている培地,つまり窒素源飢餓の

    状態に,加水分解が必要なタンパクを窒素源として添

    加した時にのみ産生されること,②プロテアーゼの産

    生度と菌の増殖度には密接な関係があること,③分離

    されたプロテアーゼが,生体組織の構成タンパクであ

    るケラチンやアルブミソ,コラーゲソ等を分解するこ

    と,等が明らかとなった.

     しかし感染局所の状態は,窒素源が制限された場合

  • 336 小松崎久乃

    だけでなく,炭素源が極端に制限された場合も想定さ

    れる.ヒト皮膚角層表面にはトリグリセリドをはじめ

    とする種々の脂質が存在することが知られており叫

    これらの脂質の加水分解は,炭素源の摂取という栄養

    学的観点のみならず,生体組織への接着,侵襲の立場

    からも重要と考えられる.

     最近, Ranら12)は,脂質好性真菌であるMalassezia

    furfurが,菌の細胞壁や膜に局在するリパーゼを産生

    することを報告した. Candida属の中では自然界から

    分離されたC. cylindracea CC. rugosa)"*やC.

    lip01ytiCa14)15)でリ゛-ゼ産生の報告があり, C. cylin-

    draceaについては工業用を目的として酵素の性質に

    ついても詳細に研究されているが16)~19)いずれも非病

    原性菌である. C. albicansについては,分類学の立場

    から,リパーゼの存在をT weensを混入した寒天培地

    上で明らかにした論文があるのみで20)21)更に精密な

    方法,即ち,α-naphtyl palmitate を基質として,その

    活性を測定し,更に,リパーゼの誘導条件や酵素の生

    化学的性質について検討し,その病原的意義について

    論及した報告は全く認められない.

     そこで,今回は, C. albicansがその誘導条件によっ

    てはリパーゼを産生しうるものとの想定の下に,各種

    培養条件を設定しその産生状況を比較検討した.

              方  法

     1)菌株:カンジダ血症の患者より分離された新鮮

    分離株C. albicans serotype A (A-714)を用いた.菌

    の同定は形態学的観察とカソジダチェック(ヤトロソ)

    を用いて行い,継代にはSabouraud斜面培地を用い

    た.

     2)培地および培養方法:実験に用いた培地は蒸留

    水1Z当たり以下の物質を含むものである.

     実験1:各種培養液中におけるC. albicansのリ

    パーゼ産生能について

     ⑥Sabouraud培地:ポリペプトソ①ifco) lOgと

    ブドウ糖(和光純薬) 40gを含むもの.

     ⑤YCB十BSA培地:yeast carbon base (YCB,

    Difco) lOgとbovine serum albumin (BSA, Sigma

    A-7030) 5gを含むもの.

     ⑥YNB培地:yeast nitrogen baseCYNB, Difco)

    7gを含むもの.

     ⑥YNB十Tween 80培地:⑥の培地にTween 80

    を25ml含むもの.

     ⑥Sabouraud十Tween 80培地:⑥の培地に

    Tween 80を25ml含むもの.

     ①YCB十BSA十Tween 80培地:⑤の培地に

    Tween 80を25ml含むもの.

     実験2:リパーゼ産生能に及ぼすTween 80の濃度

    依存性について.

     ⑥の培地にTween 80の濃度を変えて加えたもの,

    即ち, Tween 80をそれぞれ25ml, 5ml, 1mlずつ含む

    もの.

     実験3 :C. albicansのリパーゼ産生能に及ぼす界

    面活性剤あるいは脂質の影響について.

     ⑥ の 培 地 にTriton x-100(t・octylphe-

    noxypolyethoxyethanol, Sigma) 25ml, Tween

    20 (polyoxyethylene sorbitan monolaurate, Difco)

    25ml, tripalmitin (Sigma) 25g,あるいはtriolein

    (Sigma) 25mlを含むもの.

     YCB,BSA,YNBを含む液体培地は0.45μm bottle

    top filter(Falcon)で濾過滅菌し,その他の組成は,

    加熱滅菌した後,添加した.

     菌はSabouraud液体培地で37℃,24時間,前培養し,

    phosphate buffer saline(PBS)で2回洗浄した後,

    血球計算盤を用いて接種菌数が2×105個/mlになる

    ように調整した.

     ついで, 100mlの培養液を含む200ml容量の坂ロコ

    ルペソに菌を接種し,37℃,80 cycle/min で振畳培養

    した.培養24, 48, 72時間後の菌数とリパーゼ活性を

    経時的に測定した.菌数は希釈した後,血球計算盤を

    用いて算出した.

     3)酵素活性測定法:リパーゼ活性は, Whitakerの

    方法22)を改良した簡易測定法であるダイヤカラーリ

    パーゼキット(東洋紡績)を用いて測定した.基質に

    はリパーゼに特異性を示す長鎖脂肪酸エステルの合成

    基質であるα-naphtyl palmitateを用いた.方法は

    1.12inMα-naphtyl palmitate と0.1μMサリチル酸

    エゼリソを含む14mMクェン酸-74mMトリス緩衝

    液(pH 5.5) 1.0mlに培養濾液0.3mlを添加して(最

    終pH 5.5), 37℃,1時間反応させた.エゼリソは

    pseudocholinesteraseの阻害剤として添加した.酵素

    反応は0.5N NaOH溶液を0.5ml添加して止め, 0.6

    mg/mlのファーストバイオレットB溶液0.2mlを添

    加して発色させた.次いで, 5%Triton χ-100溶液1.0

    mlを添加して37℃,5分間加温して反応溶液中の混濁

    を可溶化させ, O.D. 520ninの吸光度を測定した.酵素

    活性は∠I0.D.520nm/h/ml培養濾液で表わした.

     4)酵素活性の局在,細胞内分布の検索:酵素の菌体

    外,菌体内の産生比率,および細胞内分布を検索する

  • C. albicansが産生するリパーゼ

    目的で,菌を0.7%YNBと2.5%Tween 80を含む液体

    培地で培養した. 500mlの培養液から得られた菌体は,

    PBSで2回洗浄した後,約2.5gを計りとり6mlの

    PBSに浮遊させ6gのGlasperlen (B. Braun Melsun-

    gen Co.)と混合して, HOM-MSK Homogenizer (B.

    Braun Melsungen Co.)で30秒×10回破砕した.光学

    顕微鏡で半数以上の菌体が破砕されていることを確認

    した後,10,000xg,30分間遠沈して,その上清と沈流

    画分におけるリパーゼ活性の局在を測定した.

     5)酵素活性のpHによる変化:pH 3.0~7.0は14

    mMクェソ酸-74mMトリス緩衝液を, pH 7.0~9.0

    は74mMトリス緩衝液を用いて酵素活性を測定した.

     6)各種試薬の酵素活性に及ぼす影響:リパーゼ活

    性に及ぼす各種試薬の影響を調べた.

     各種試薬は反応溶液中の最終濃度が以下に示す濃度

    となるように調整し,培養濾液0.3mlと37℃,15分間,

    前反応させた.ついで基質を添加して前述の方法に

    従ってリパーゼ活性を測定した.各種試薬は以下の通

    りである.

     ①serine proteinaseの阻害剤

     100μg/ml soybean trypsin inhibitor (SBTI,

    Sigma)

     lmM phenylmetylsulfonyl fluoride (PMSF,

    Sigma)

     100μg/ml leupeptin (ペプチド研究所)

     ②cysteine proteinase の阻害剤

     lmM N-ethylmaleimide (Sigma)

     ③carboxyl proteinase の阻害剤

     100μg/ml pepstatin (ペプチド研究所)

     ④metallo proteinaseの阻害剤

     1, lOmM ethylenediaminetetracetic acid(EDTA,

    Sigma)

     ⑤金属イオン

     lmM CaCl, (Sigma)

     lmM MgCl, (Sigma)

     lmM Fed, (Sigma)

     ⑥esteraseの阻害剤

     100μg/ml ebelactone B(ペプチド研究所)23,

     ⑦リパーゼの活性剤である胆汁酸   ,

     1, 5, lOmM sodium taurocholate (Difco)

     1, 5, lOmM taurodeoxycholic acid (Sigma)

     ⑧界面活性剤

     1, 5 %Tween 20

     1, 5 %Tween 80

    337

     ⑨100μg/ml trypsin (Sigma)

              結  果

     1)各種液体培地におけるリパーゼ活性と菌数の変

    化一産生誘導条件の検討-:前培養した接種菌数2×

    105/mlのC. albicans A-714を各種培地で培養したと

    ころ,いずれも酵母形の菌が観察された.図1はそれ

    ぞれの培地におげる菌数とリパーゼ活性の変化を経時

    的に示したものである.真菌用培地として頻用されて

    いるSabouraud培地や,プロテアーゼ誘導用の

    YCB-BSA培地では24時間以内に著明な菌の増殖が認

    めれれたが,リパーゼ活性は検出できなかった.また,

    YNBだけを含む培地では栄養源とくに炭素源が欠乏

    しているためか菌の増殖もリパーゼ活性も認められな

    かった.一方, YNB-Tween 80培地では著明な菌の増

    殖とリパーゼ活性が認められ,培養濾液中のリパーゼ

    活性は経時的に増加し,菌数の増加と良く相関した.

     Tween 80の添加が重要と考えられたので, Sabour-

    aud培地とYCB十BSA培地にTween 80を同じ比率

    で添加してリパーゼが産生されるかどうかを観察した

    が,図1に示すように菌の増殖への影響はなく,リパー

    ゼ活性もまったく認められなかった.

     リパーゼ誘導におけるTween 80の役割をさらに明

    らかにする目的で, YNB-Tween 80液体培地の

    Tween80の濃度を変化させて,菌の増殖とリパーゼ活

    性の関係を観察した.図2に示す様に, Tween80の濃

    度依存性に菌の増殖とリパーゼ活性の上昇が認められ

    た. 2.5%以上のTween80の濃度については培養液全

    体に対する割合か高くなり過ぎるので検索しなかった

    が,リパーゼの誘導条件としては1.0%程度の濃度で十

    分と思われた.

     Tween 80でリパーゼが誘導されたため,その他の脂

    質や界面活性剤を添加した培地を用いて,リパーゼが

    誘導されるかどうかをさらに検索した.図には示して

    いないが, YNB培地に2.5%Triton X-100, 2.5%

    Tween 20,2.5%triolein, 2.5%tripalmitinを含む培

    地では,菌の増殖とリパーゼ活性はいずれも認められ

    なかった.

     2)酵素活性の局在,細胞内分布:YNB・Tween 80

    液体培地500mlから得られた培養濾液と約2.5gの菌

    体をBraunホモジナイザーで破砕し,その上清と沈読

    についてリパーゼ活性の総量を相対比率で比較したと

    ころ,培養濾液中に97.5%,菌体破砕後の上清画分中

    にO%,菌体沈読画分中に約2.5%の酵素活性が認めら

    れた.以上の結果から,本酵素は細胞壁画分中ににも

  • 10

    338

    1 0 ゛

    105

    Cultivation time (hrs)

    3.0

    2.0

    1.0

    Lipase activity

    Cultivation time (hrs)

    図1 各種液体培地における菌数とリパーゼ活性の変

     化

     一一■一一Sabouraud, 一一▲一一YCB十BSA,--●--

     YNB,-○-YNB十Tween 80,-ローSabour-

     aud+Tween 80,-△-YCB十BSA十Tween 80

    >●-l

    100

    50

        3  4  5  6  7  8 pH

    図3 リパーゼ活性のpHによる変化

    小松崎久乃

    (f≪/sir≫o)

    ius!u≫3jo

    存在するが,菌により産生された後は速やかにその大

    部分が菌体外に分泌されていることが明らかとなっ

    た.

     3)酵素活性のpHによる変化:YNB-2.5%Tween

    80液体培地にて3日間培養した培養濾液について酵素

    活性のpH依存性を調べた.図3に示す様に活性は

    pH 4.5から検出された.弱酸性のpH 5.5に至適pH

    を有する単一のピークとして認められた,アルカリ性

    側では活性は検出されなかった.

     4)各種試薬の酵素活性に及ぼす影響:培養濾液に

    ついて各種試薬の酵素活性に及ぼす影響について検索

    した(表).

     本酵素のリパーゼ活性は各種タンパク分解酵素阻害

    剤や2価金属イオンの影響を受けなかった.また,エ

    ステラーゼの阻害剤であるebelactone Bは活性を抑

    Organism

    Cultivation time (hrs)

    Lipase activity

    Cultivhttp://www.

    図2 Tween 80の濃度による菌数とリパーゼ活性の

     変化

     Tween80の濃度 ●:o%,▲:0.1%,×:0.5%,

     0:2.5%

    表 各種試薬の酵素活性に及ぼす影響

    Reagent Concentration  Residualactivity(%)

    None

    Phenylmethylsulfonyl fluoride(PMSF)

    Soybean try sin inhibitor

    ?IBTI)

    Leupeptin

    N-ethylmaleimide

    Pepstatin

    EDTA

    Ebelactone B

    Caデ

    Mg゛什

    Fe升

    Sodium taurocholate (STC)

    Taurodeoxycholic acid

    Tween 20

    Tween 80

    Trypsin

     lmM

    100μg/ml

    100μg/ml

     lmM

    100μg/ml

     lmM

    100μg/tnl

     lmM

     1 mM

     1 mM

     10 mM

     10 mM

      5%

      5%

    100μg/ml

    100

    96

    96

    95

    94

    93

    97

    83

    87

    85

    99

    183

    103

    188

    215

     98

    制しなかった.一方,界面活性剤はすべてリパーゼ活

    性を増加させたが,なかでも豚リパーゼの活性剤とし

    て知られる胆汁酸の主要成分であるsodium tauro-

    cholate(STC)は,著明にリパーゼ活性を増加させた.

    培養濾液中の本酵素の一部が不活型の前酵素として存

    在する可能性も考えられたので, trypsinで前処理して

    活性を測定した.しかし活性の増加は認められなかっ

    た.

  • C. albicansか産生するリパーゼ

              考  按

     従来真菌が産生する酵素は分類学や代謝経路解明の

    立場から研究されることが多く,病原性因子としての

    アプ9-チは稀であった.しかし最近,加水分解酵素,

    特にプロテアーゼが生体組織の破壊や,窒素源が極端

    に制限された環境での栄養源摂取に重要な役割を果た

    してトることが解明されてきた2)~ぺ今回,炭素源が

    極端に制限された培地であるYNB培地に長鎖脂肪酸

    エステル, Tween 80を添加してC. albicansを培養し

    たところ,細胞外リパーゼが産生されることが判明し,

    窒素源制限培地下でのプロテアーゼ産生と同様の産生

    誘導の機序が働いている可能性が示唆された.

     リパーゼとは,酵素学的にはトリダリセリドのエス

    テル結合を分解してグリセロールと脂肪酸に分解する

    加水分解酵素のことである.最もよく知られている豚

    リ゛-ゼは,前酵素(zymogenないしproenzyme)の

    形で十二指腸に分泌され, trypsinの働きにより活性型

    となる.眸リパーゼは胆汁酸とCa¨イオンの存在下に

    脂質を分解する.リパーゼは油層と水層の境界で作用

    するため,界面活性剤として作用する胆汁酸の存在は,

    脂質の乳濁状態を作るうえで重要である2‘)2叫微生物

    が産生するリパーゼで乱縁リパーゼと類似の作用機

    序で働いているものと考えられている24)

     リパーゼの測定方法としては,乳濁状態のトリダリ

    セリドを基質として酵素溶液と反応させ,水酸化ナト

    リウムで滴定するのが原理的であるが,乳濁状態を作

    るのが難しく煩雑な上に正確でない.我々は

    Whitaker22)が開発したa-naphthyl palmitateを基質

    に用いる簡便法を採用した.この方法は脂肪酸部分に

    長鎖脂肪酸であるパルミチソ酸を用いているためリ

    ゛-ゼに特異性が高く,またα-naphtolが単一のエス

    テル結合を形成しているので,酵素反応を数量化する

    ことも容易である.内因性に存在する可能性のある

    pseudocholinesterase活性はサリチル酸エゼリソの添

    加により阻止されるよう工夫されている.以上のこと

    から我々が用いたリパーゼ活性測定法はトリク:リセリ

    ドを用いた反応ではないが,得られた結果はほぼリ

    パーゼと呼んで差し支えないものと思われる.

     今回,我々が設定した実験系においては,炭素源が

    極端に制限されている培地(YNB培地)にTween 80

    が添加された場合だけに細胞外リパーゼの産生が認め

    られた.一般に酵素学の実験ではTween 80は界面活

    性剤として使用される場合が多tヽ.今回の実験も,

    Tween 80が界面活性剤として作用したことが否定で

    339

    きなかったため,図1に示した様にSabouraud培地や

    YCB培地にTween 80を添加した系を設定し,その効

    果を検討した.しかしこれらの培地やTween 80単独

    の液体培地からはリパーゼの産生は誘導されなかっ

    た.以上のことから,リパーゼの産生には,炭素源が

    極端に制限されているがその他の栄養素は十分ある培

    地(YNB培地)に,ある種の脂質としてTween 80が

    共存している条件が必要と考えられた. Tween 80がリ

    パーゼの基質として働いていることは,図2において,

    リパーゼ活性と菌の増殖がTween 80の濃度依存性に

    増加したことからも推察される.一方,YNB培地に

    Tween 20を添加した系ではリパーゼ活性が認められ

    なかった.

     Tween 20の主要脂肪酸はラウリル酸(C,,,飽和脂

    肪酸)であり, Tween 80の主要成分はオレイソ酸(C18,

    不飽和脂肪酸)である,また酵素活性測定の基質には

    パルミチン酸(C16,飽和脂肪酸)を用いている.C,

    albicansが産生するリパーゼの基質特異性は長鎖脂

    肪酸の炭素数に起因すると考えられるが,今後それを

    確定するには炭素数が1つずつ異なる脂肪酸エステル

    を準備し誘導実験を行い酵素活性を測定する必要があ

    ろう.本実験ではトリグリセリドであるtrioleinや

    tripalmitateを含む培地からはリパーゼが誘導されな

    かったが,その原因として,これらの脂質は水に不溶

    性で,培養液中で均一な乳濁液が形成されなかったこ

    とが考えられた. Rudek">は, Tween20やTween 80

    を含む寒天培地上でCandida属を培養し,いずれの培

    地でもエステルは分解されなかったと報告している

    が,彼らは基礎培地としてSabouraud培地を使用して

    おり,検出できなかったのはそのためと考えられる.

     本酵素の活性は豚リパーゼと同様に胆汁酸の主要成

    分であるsodium taurocholate (STC)の添加により

    増加した24)25) しかし膠リパーゼと異なり,Ca++イオ

    ンの影響やトリプシンによる活性化がなく,至適pH

    は5.5と弱酸性であった.これらの性状はC.

    cylindraCea13)やMalassezia furfur12)のリパーゼと類

    似している.正常ヒト皮膚は弱酸性を示し26)角層表

    面11)や菌の細胞壁・’)には大量のトリグリセリドが含ま

    れることから,本酵素がこれらの基質を分解すること

    は十分考えられる.リパーゼ活性阻害物質については,

    活性基を直接阻害する物質の存在は未だ知られていな

    いが,本酵素はプロテアーゼの各種阻害剤やエステ

    ラーゼの阻害剤であるebelactone B23)によっては活

    性が阻害されなかった.

  • 340 小松崎久乃

      リパーゼと類似の性質を有する酵素としてはphos-

    pholipaseがある.この酵素は菌の細胞壁の重要な構

    成成分であるリソ脂質27)を分解する.構造的にはトリ

    ダリセリドとリソ脂質はよく似ており,リパーゼの中

    には同時にリソ脂質の加水分解機能を有するものもあ

    る. C. albicansが産生するphospholipaseについて

    は,すでにいくっかの報告があり,生化学的性状も明

    らかにされている28)~32)これらのphospholipaseは

    Sabouraud培地で誘導され,酵素学的にも安定である

    ため,今回我々が報告したものとは明らかに異なる酵

    素と考えられる.しかし厳密には一般的なリソ脂質で

    あるレシチンの加水分解性を調べる必要があろう.

     いずれにせよ今後の課題としては,本酵素を純粋な

                                文

      1) Odds FC: Gandida a肴d candidosis. 2nd Ed,

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      8) Tsuboi R, Sanada T, Ogawa H: I�^uence of

        culture medium pH and proteinase inhibitors

        on extracellualr proteinase activity and cell

        growth of Sporothrix schenckii, / Clin Mi-

    形に精製し,その生化学的性状を詳細に比較検討する

    ことが必要である.

     本酵素が,従来報告されたC. albicansが産生するプ

    ロテアーゼと同様に重要な病原性因子の1つとなりう

    ることを示すためには, in vitroで多数の菌株のリ

    パーゼ産生能を比較すると同時に,動物実験で菌の病

    原性との相関性を今後検索することが必要であろう.

     稿を終えるにあたり本論文の御指導と御校閲を賜りまし

    た小川秀興教授に心から感謝いたします.また実験を直接

    御指導戴きました坪井良治講師,そしてCandidaの新鮮分

    離株を提供していただいた順天堂大学中央臨床検査室の皆

    様にも深謝いたします.

        ご抑加叱26 : 1431-1433, 1988.

      9) Tsuboi R, Ko IJ, Takamori K, Ogawa H:

        Isolation of a keratinolytic proteinase from

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        activity at acidic pH,Infect Immun,57 :

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    Some Biochemical Properties and Pathogenic Roles of a

            Lipase from Candida albicans

                Hisano Komatsuzaki

      Department of Dermatology, Juntendo University School 0fMedicine

     (Received September 12,1991; accepted for publication October 18,1991)

      Lipase activitiesfrom Candida albicans were detected in liquid culture medium. and their biochemical

    properties and pathogenic roleswere investigated.Lipase activitieswere observed from culture medium containing

    yeast nitrogen base (YNB) and Tween 80,but not from Sabourud or yeast carbon base (YCB) media even in the

    presence of Tween 80.Cell growth and lipase activitiesin YNB-Tween 80medium were closelycorrelated and

    increased dependent on the concentration of Tween 80in the medium. Lipase activitywas not inhibited by the

    addition of proteinase inhibitors, divalent cations and an esterase inhibitor. Meanwhile, sodium taurocholate

    strongly stimulated enzyme activities.Biochemical properties of Candida lipase were different from those of

    pancreatic lipasein optimum pH (5.5)and no activationby trypsin。

      Lipase may contribute to fungal growth and invasion by causing degradation of skin triglycerides,and by

    supplying nutrients to the organisms in carbohydrate-restrictedconditions。

      びpn JDermatol 102: 335~341,1992)

    Key words: Candida albicans,lipase

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