case-4 ア ンボ ド プ レキャ ス ト・ コ クリー柱の …フジタ技術研究報告第...

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フジタ技術研究報告 第㻡㻡号 㻞㻜㻝㻥年 大庭 正俊 佐々木 高森 直樹 アンボンドプレキャスト・プレストレストコンクリート(以下アンボンド㻼㻯㼍㻼㻯)圧着工法は、シース管内にグラウトを注入しない工 法で、プレストレスト力によるひび割れ制御や残留変形がほとんどない高い原点指向性といった構造性能とプレキャスト部材を 建設現場で圧着接合してフレームを構築するため工期短縮、生産性が向上するといった特徴を持っている。 高強度コンクリートを用いた圧着接合によるアンボンド㻼㻯㼍㻼㻯柱のせん断性能に関する基礎資料を得ることを目的に、逆対 称加力によるせん断破壊実験を行った。実験の結果、各試験体とも斜めにせん断ひび割れが発生し、その後曲げひび割れが 生じ、最大耐力に至った。最大耐力後、横補強筋比が大きい試験体ほどひび割れ発生量が少なく破壊した。最大耐力はコン クリート強度、軸応力が大きくなるにつれて大きくなり、横補強筋比は頭打ちの傾向が見られた。主応力度式により得られたせ ん断ひび割れ耐力の算定式と実験より得られた結果を比較した結果、コンクリートの引張強度を割裂強度から求めた値を用い ると精度良く評価でき、 0.33 t B = を用いた場合は安全側に評価できた。せん断終局耐力はトラス㻙アーチ機構によるせ ん断終局強度算定法のアーチ機構分のみが機能すると考え計算すると、実験値が計算値を上回り安全側の評価となった。 E x p e r i m e n t a l s t u d y o n s h e a r s t r e n g t h o f u n b o n d e d p r e c a s t p r e s t r e s s e d c o n c r e t e c o l u m n s A b s t r a c t Unbonded precast prestressed concrete has the following features: it does not inject grout into the sheath tube; it has structural performance such as high criterion crack control by prestressed force and high origin directivity with little residual deformation; it is assembled in the factory and at the construction site. Construction time will be shortened and productivity will be improved. Shear fracture experiments were conducted to obtain basic data on the shear performance of unbonded PCaPC columns. As a result of the experiments, shear cracks occurred diagonally and the maximum yield strength was achieved. After maximum stress, the specimen with the larger transverse reinforcement ratio had less cracking and failed. The maximum stress increased in line with higher concrete strength and axial stress. As a result of comparing the calculation formula of the shear crack strength and the experimental result, using the value obtained from the splitting strength of concrete, it was possible to make evaluates with a good accuracy level, and when 0.33 t B = was used, it was evaluated on the safe side. When the ultimate shear strength was calculated assuming that only the arch mechanism of the ultimate shear strength calculation functioned, the experimental value exceeded the calculated value and was evaluated on the safe side. キーワードプレストレス、アンボンド、圧着柱 せん断ひび割れ、せん断耐力 31

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Page 1: CASE-4 ア ンボ ド プ レキャ ス ト・ コ クリー柱の …フジタ技術研究報告第 号 H H FÆCASE-4FÇ せん断力 値:(正)448k N (2 )-180kN 最大値:

フジタ技術研究報告 第 号

- -

【CASE-4】 せん断力平均値:(正)448kN (負)-180kN

最大値: 754kN 検定比 平均値:(正)0.357 (負)0.149

最大値 : 0.631

検定比は全てのケースにおいて 1 を下回ることを確認

した。 CASE-1と2を比較した場合、接合部内部のせん断力は

外周梁段差の大きさに影響を受けず同じであった。 CASE-1 と 3 を比較した場合、直交梁が外周梁外側フ

ランジに取付き梁せいが大きくなると、接合部内部の正

のせん断力は大きく、負のせん断力は小さくなった。全

体の平均せん断力はほぼ同等であった。 CASE1-2 と 4 を比較した場合、直交梁の梁せいが大き

くなると、接合部内部の正のせん断力および負のせん断

力ともに大きくなる傾向を示した。 §4.まとめ

FSRPC-B 構法における梁が偏芯した柱梁接合部を対

象に,火災時の構造安全性を検証することを目的に,3次元有限要素解析により、伝熱解析および構造解析を行

った。 伝熱解析では既往の実験結果を用いて物性値のフィ

ッティングを行い、実大サイズの接合部の材料強度残存

率を求めた。加熱 3 時間時のコンクリートおよび接合部

全体の残存率は 72%であった。 次に設計上想定される3種類の梁段差を有する偏芯接

合部について、火災による建物外周側への梁の伸び出し

を想定し、ト字形部分架構モデルで外周構面に直交する

梁に押出し力を与え、接合部内に生じるせん断力を求め

た。また、同時にねじりを考慮したせん断耐力を求めた。

その結果、検定比は最大 0.631 であり、柱幅が 750mm以上、かつ、梁の偏芯率が柱幅の 1/6 以下であれば安全

であることを確認した。

参 考 文 献

1)シングラヴィ 他:バンドプレートおよび囲み板により補強された柱 RC・梁 S と

する混合構造に関する実験的研究 その 3 からその 5、日本建築学会大会

学術講演梗概集 2)松戸正士 他:鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁混合構造の耐火性能-その 1 部

分架構を対象とした載荷加熱実験結果および柱梁接合部の耐火性能-、日本建築学会構造系論文集 第 77 巻 第 679 号、pp.1463-1471、2012.9

3)Commission of European Communities : Eurocode No.4 、 Design of Composite Structures part10、Structural Fire Design、1990.4

4)一瀬賢一・川口徹:高強度コンクリートを使用した鉄筋コンクリート柱部材の

火災時における軸方向変形挙動に関する解析的研究、大林組技術研究所

報 No.67、p.2、2003.12 5)日本建築学会:鋼構造耐火設計指針、2008.3

6)日本建築学会:阪神・淡路大震災と今後のRC構造設計、付録3 ねじりモー

メントの影響による柱梁接合部せん断耐力の耐力低下についての考察、

pp.336-348、1998.10 7)佐々木仁 他:柱 RC・梁 S とする混合構造柱梁接合部のせん断抵抗機構、

日本建築学会構造系論文集、第 461 号、pp.133-142、1994.7 8)西村敏雄:応用力学演習問題解析法、理工図書、pp.41-46、1968.5

図8 構造解析:発生せん断力の鉛直方向分布

飯田康介

ひ と こ と

最近、火災による甚大な被害が数多く報道

されています。火災被害の低減に少しでも

つながれば幸いです。

交直

のら

か心

中梁

側[

離距

向方

せん断力 [ ]

接合部耐

力接合部耐

力接合部耐

力接合部耐

力外周 上フ

ランジ外周 下フ

ランジ

交直

のら

か心

中梁

[離

距向

方]

せん断力 [ ]

接合部耐力

外周 上フラン

ジ

外周 下フラン

ジ

CASE-1,2フランジ間

CASE-1フランジ間

CASE-3フランジ間

接合部耐力( )

直交

側梁

中心

からの

方向

距離

[]

せん断力 [ ]

接合部耐力

接合部耐力

接合部耐力

接合部耐力

外周 上フランジ

外周 下フランジ

外周 上フランジ

外周 下フランジ

(直交梁せい )

(直交梁せい )

直交側梁中心からの

方向距離[

せん断力 [ ]

接合部耐力

接合部耐力

接合部耐力

接合部耐力

外周 上フランジ

外周 下フランジ

外周 上フランジ

外周 下フランジ

接合部耐力( )

接合部耐力( )

直交

梁中

心か

らの

方向

距離

[]

せん断力 [ ]

接合部耐力

外周 上フランジ

外周 下フランジ

外周 下フランジ

外周 上フランジ

外周 下フランジ

接合部耐力

接合部耐力

接合部耐力

接合部耐力( )

(直交梁せい )

(直交梁せい )

直交梁中心からの

方向距離[

せん断力 [ ]

接合部耐力

外周 上フランジ

外周 下フランジ

外周 下フランジ

外周 上フランジ

外周 下フランジ

接合部耐力

接合部耐力

接合部耐力

直交

梁中

心か

らの

方向

距離

[]

せん断力 [ ]

接合部耐力

外周 上フランジ

外周 下フランジ

外周 下フランジ

外周 上フランジ

外周 下フランジ

接合部耐力

接合部耐力

接合部耐力

直交

梁中

心か

らの

方向

距離

[]

せん断力 [ ]

接合部耐力

外周 上フランジ

外周 下フランジ

外周 下フランジ

外周 上フランジ

外周 下フランジ

接合部耐力

接合部耐力

接合部耐力

CASE-1 vs CASE-2(外周梁段差の影響)

せん断力[kN]

せん断力[kN]

交直

のら

か心

中梁

[離

距向

方]

せん断力 [ ]

接合部耐力

外周

外周

外周

外周

外周

接合部耐力

接合部耐力

接合部耐力

CASE-2フランジ間

CASE-4フランジ間

せん断力[kN]

1-1 1-2

1-1 1-2

1-1

1-3

1-4

1-1 1-2

接合部耐力

(外周梁段差 )

(外周梁段差 )

直交

梁中

心か

らの

方向

距離

[]

せん断力 [ ]

接合部耐力

外周 上フランジ

外周 下フランジ

外周 上フランジ

外周 下フランジ

外周 上フランジ

外周 下フランジ

接合部耐力

直交

梁中

心か

らの

方向

距離

[]

せん断力 [ ]

接合部耐力

外周 上フランジ

外周 下フランジ

外周 上フランジ

外周 下フランジ

外周 上フランジ

外周 下フランジ

接合部耐力直交

梁中

心か

らの

方向

距離

[]

せん断力 [ ]

接合部耐力

外周 上フランジ

外周 下フランジ

外周 上フランジ

外周 下フランジ

外周 上フランジ

外周 下フランジ

接合部耐力

CASE-4 vs CASE-2(直交梁せいの影響)

CASE-3 vs CASE-1(直交梁せいの影響)

CASE-4

CASE-2

CASE-3

CASE-1

CASE-2

CASE-1

のら

か心

中梁

交直

[離

距向

方]

フジタ技術研究報告第 号 年

アンボンドプレキャスト・プレストレストコンクリート柱のせん断耐力に関する実験的研究

大庭 正俊 佐々木 仁

高森 直樹

概 要

アンボンドプレキャスト・プレストレストコンクリート(以下アンボンド )圧着工法は、シース管内にグラウトを注入しない工

法で、プレストレスト力によるひび割れ制御や残留変形がほとんどない高い原点指向性といった構造性能とプレキャスト部材を

建設現場で圧着接合してフレームを構築するため工期短縮、生産性が向上するといった特徴を持っている。

高強度コンクリートを用いた圧着接合によるアンボンド 柱のせん断性能に関する基礎資料を得ることを目的に、逆対

称加力によるせん断破壊実験を行った。実験の結果、各試験体とも斜めにせん断ひび割れが発生し、その後曲げひび割れが

生じ、最大耐力に至った。最大耐力後、横補強筋比が大きい試験体ほどひび割れ発生量が少なく破壊した。最大耐力はコン

クリート強度、軸応力が大きくなるにつれて大きくなり、横補強筋比は頭打ちの傾向が見られた。主応力度式により得られたせ

ん断ひび割れ耐力の算定式と実験より得られた結果を比較した結果、コンクリートの引張強度を割裂強度から求めた値を用い

ると精度良く評価でき、 0.33t B = を用いた場合は安全側に評価できた。せん断終局耐力はトラス アーチ機構によるせ

ん断終局強度算定法のアーチ機構分のみが機能すると考え計算すると、実験値が計算値を上回り安全側の評価となった。

Experimental study on shear strength of unbonded precast prestressed concrete columns

Abstract

Unbonded precast prestressed concrete has the following features: it does not inject grout into the sheath tube; it has structural performance such as high criterion crack control by prestressed force and high origin directivity with little residual deformation; it is assembled in the factory and at the construction site. Construction time will be shortened and productivity will be improved.

Shear fracture experiments were conducted to obtain basic data on the shear performance of unbonded PCaPC columns. As a result of the experiments, shear cracks occurred diagonally and the maximum yield strength was achieved. After maximum stress, the specimen with the larger transverse reinforcement ratio had less cracking and failed. The maximum stress increased in line with higher concrete strength and axial stress. As a result of comparing the calculation formula of the shear crack strength and the experimental result, using the value obtained from the splitting strength of concrete, it was possible to make evaluates with a good accuracy level, and when 0.33t B = was used, it was evaluated on the safe side. When the ultimate shear strength was calculated assuming that only the arch mechanism of the ultimate shear strength calculation functioned, the experimental value exceeded the calculated value and was evaluated on the safe side.

キーワード: プレストレス、アンボンド、圧着柱

せん断ひび割れ、せん断耐力

−31−

Page 2: CASE-4 ア ンボ ド プ レキャ ス ト・ コ クリー柱の …フジタ技術研究報告第 号 H H FÆCASE-4FÇ せん断力 値:(正)448k N (2 )-180kN 最大値:

フジタ技術研究報告 第 号

- -

§1 実験概要

1.1 はじめに アンボンドプレキャスト・プレストレストコンクリート(以下

アンボンド PCaPC)圧着工法はシース管内にグラウトを注

入しない工法で、プレストレスト力によるひび割れ制御や

残留変形がほとんどない高い原点指向性といった構造性

能とあらかじめ工場で製作し、建設現場で圧着接合して

フレームを構築するため工期短縮、生産性が向上すると

いった特徴を持っている。 プレストレスは常時荷重下を考慮して導入されることが

多いため梁に関する研究が多く、アンボンド PC 柱部材の

せん断に関する研究はない。そこで、昨年度の曲げ耐力

に関する実験に引き続き、高強度コンクリートを用いた圧

着接合によるアンボンド PCaPC 柱のせん断性能に関する

基礎資料を得ることを目的に、逆対称加力による曲げせ

ん断実験を行った。 1.2 実験概要 試験体一覧を表1に示す。実験パラメータは、コンクリー

ト強度、横補強筋比、軸圧縮力比である。コンクリート強度

は、Fc=60N/mm2と100N/mm2の2種類、横補強筋比は

0.20、0.41、0.58%の3種類、軸圧縮力比は基本0.25とし、

C100-0.6Nのみ0.15として比較した。 試験体は、超高層建物の下層階を想定した。図1に示す

よ う に 1/3 縮 尺 で 、断 面 が 350×350mm で内 法 長さ

560mm(M/QD=0.8)の柱とした。スタブ断面は、900×600mmとし、試験体部とスタブ部分を別々に打設した後、20mm厚

の高強度無収縮モルタルを介して両者をプレストレスにより

圧着接合した。試験区間の組立筋はD10(SD295A)の異

形普通強度鉄筋、横補強筋はS10(KSS785)の高強度せん

断補強筋を使用しPC鋼材はφ17PC鋼棒(C種1号)を4本、

定着端間の距離は5760mmとした。目標導入プレストレス

力のPC鋼棒規格降伏耐力に対する比率は0.68とした。シ

ースの内径は30mmとし、シースによる断面欠損は全断面

積に対して2.31%である。 試験体に用いた各種材料の試験結果を表2および表3

に示す。コンクリートは縮小試験体のため骨材径13㎜の粗

骨材を用いた。各使用材料に用いた材料試験について、

コンクリートおよびモルタルの圧縮試験はJIS A 1108、割裂

引張試験はJIS A 1113、鉄筋およびPC鋼棒はJIS Z 2241に基づいて行った。 載荷装置を図2に示す。試験体の両端にジャッキで一定

軸力を加えながら、逆対称加力を正負交番繰返しで行っ

た。載荷はスタブ間で計測した柱部材角(Rc)で制御し、Rcが1/2000で1回、1/800、1/400、1/200、1/133、1/100、1/66.7、1/50で、それぞれ正負各2回、1/33で1回の交番載荷を行っ

た。

表 試験体一覧

試験体名幅 ×せい ×

コンクリート基準強度横補強筋( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )

せん断スパン比・柱内法高さ ・鋼棒本数・径 φ組立筋 主筋

実験時

有効プレストレスト力初期軸圧縮力 )軸応力σ軸力比σ σ

, , , ,

図 試験体配筋

ジャッキジャッキ

図 載荷装置

軸力軸力 正

負負正

正負

試験体スタブ スタブ

−32−

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フジタ技術研究報告 第 号

- -

§1 実験概要

1.1 はじめに アンボンドプレキャスト・プレストレストコンクリート(以下

アンボンド PCaPC)圧着工法はシース管内にグラウトを注

入しない工法で、プレストレスト力によるひび割れ制御や

残留変形がほとんどない高い原点指向性といった構造性

能とあらかじめ工場で製作し、建設現場で圧着接合して

フレームを構築するため工期短縮、生産性が向上すると

いった特徴を持っている。 プレストレスは常時荷重下を考慮して導入されることが

多いため梁に関する研究が多く、アンボンド PC 柱部材の

せん断に関する研究はない。そこで、昨年度の曲げ耐力

に関する実験に引き続き、高強度コンクリートを用いた圧

着接合によるアンボンド PCaPC 柱のせん断性能に関する

基礎資料を得ることを目的に、逆対称加力による曲げせ

ん断実験を行った。 1.2 実験概要 試験体一覧を表1に示す。実験パラメータは、コンクリー

ト強度、横補強筋比、軸圧縮力比である。コンクリート強度

は、Fc=60N/mm2と100N/mm2の2種類、横補強筋比は

0.20、0.41、0.58%の3種類、軸圧縮力比は基本0.25とし、

C100-0.6Nのみ0.15として比較した。 試験体は、超高層建物の下層階を想定した。図1に示す

よ う に 1/3 縮 尺 で 、断 面 が 350×350mm で内 法 長さ

560mm(M/QD=0.8)の柱とした。スタブ断面は、900×600mmとし、試験体部とスタブ部分を別々に打設した後、20mm厚

の高強度無収縮モルタルを介して両者をプレストレスにより

圧着接合した。試験区間の組立筋はD10(SD295A)の異

形普通強度鉄筋、横補強筋はS10(KSS785)の高強度せん

断補強筋を使用しPC鋼材はφ17PC鋼棒(C種1号)を4本、

定着端間の距離は5760mmとした。目標導入プレストレス

力のPC鋼棒規格降伏耐力に対する比率は0.68とした。シ

ースの内径は30mmとし、シースによる断面欠損は全断面

積に対して2.31%である。 試験体に用いた各種材料の試験結果を表2および表3

に示す。コンクリートは縮小試験体のため骨材径13㎜の粗

骨材を用いた。各使用材料に用いた材料試験について、

コンクリートおよびモルタルの圧縮試験はJIS A 1108、割裂

引張試験はJIS A 1113、鉄筋およびPC鋼棒はJIS Z 2241に基づいて行った。 載荷装置を図2に示す。試験体の両端にジャッキで一定

軸力を加えながら、逆対称加力を正負交番繰返しで行っ

た。載荷はスタブ間で計測した柱部材角(Rc)で制御し、Rcが1/2000で1回、1/800、1/400、1/200、1/133、1/100、1/66.7、1/50で、それぞれ正負各2回、1/33で1回の交番載荷を行っ

た。

表 試験体一覧

試験体名幅 ×せい ×

コンクリート基準強度横補強筋( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )

せん断スパン比・柱内法高さ ・鋼棒本数・径 φ組立筋 主筋

実験時

有効プレストレスト力初期軸圧縮力 )軸応力σ軸力比σ σ

, , , ,

図 試験体配筋

ジャッキジャッキ

図 載荷装置

軸力軸力 正

負負正

正負

試験体スタブ スタブ

アンボンドプレキャストプレストレストコンクリート柱のせん断耐力に関する実験的研究

- -

1.3 ひび割れ状況 最大耐力時のひび割れ状況を図 に、最終ひび割れ状

況を図 にそれぞれ示す。

横補強筋比 の試験体

横補強筋比 の試験体 および は斜

め方向にせん断ひび割れが発生( ~ )し、そ

の後せん断ひび割れが進展、曲げひび割れが発生し最大

耐力に達した( ~ )。最大耐力に達した後せ

ん断ひび割れの本数が増え、ひび割れ幅が大きくなり耐

力が低下し軸力を保持できなくなり実験を終了した

( ~ )。

横補強筋比 の試験体

横補強筋比 の試験体 および も斜

め方向にせん断ひび割れが発生( ~ )し、そ

の後せん断ひび割れが進展、曲げひび割れが発生し最大

耐力に達した。最大耐力時の部材角は横補強筋比 に

比べ若干大きくなった( ~ )。最大耐力後のひ

び割れの発生も横補強筋比 に比べて少ない。

横補強筋比 の試験体

横補強筋比 の試験体 、 および

も斜め方向にせん断ひび割れが発生( ~

)し、その後せん断ひび割れが進展、曲げひび割れ

が発生し最大耐力に達した( ~ )。最大耐力

後、軸力比 の試験体は部材角 超で破壊したのに対

して軸力比 の試験体は耐力低下が緩やかとなり部材

角 で実験を終了となった。

§2 せん断ひび割れ耐力

2.1 柱せん断力-部材角関係 図 に各試験体のせん断力と部材角関係を示す。○は

初せん断ひび割れ発生時、▲は最大耐力を示す。

表 に初せん断ひび割れ時せん断力および部材角、表

に最大せん断力および最大せん断力時部材角をそれぞ

れ示す。

部材角が ~ で初ひび割れが発生し ~

で最大耐力となった。最大耐力に達した後の耐力の

低下は横補強筋比が大きいほど小さくなり、軸力が保持で

きなくなる部材角も大きくなる傾向が見られた。軸力比の小

さい試験体では最大耐力後の耐力の低下が軸力比の大き

い試験体に比べ緩やかとなり部材角も大きい。

2.2 せん断ひび割れ耐力(実験値) 図 に各試験体のせん断ひび割れ耐力を示す。横軸を

コンクリート強度、 横補強筋比、 軸応力として示す。

コンクリート強度が高く、軸応力が大きいほどひび割れ

耐力が大きくなることが確認できた。横補強筋量とせん断

ひび割れ耐力に相関は見られなかった。

表 コンクリートおよび目地モルタルの材料試験結果圧縮強度

σ( )

圧縮強度時歪( )

ヤング係数×

( )ポアソン

コンクリート

目地モルタル

表 鋼材の材料試験結果

材料 使用部位 降伏点 引張強度 弾性係数×

破断伸び( )

普通強度鉄筋( ) 軸方向筋

高強度せん断補強筋

(せん断補強筋 ※

φ 鋼棒( 種 号) 鋼材 ※

*は オフセットひずみ時の値

図 最大耐力時ひび割れ状況

図 最終ひび割れ状況(柱上面)

−33−

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フジタ技術研究報告 第 号

- -

2.3 せん断ひび割れ耐力の計算 せん断ひび割れ耐力は、ウェブに生じる主引張応力が

コンクリートの引張強度に達すると斜めひび割れが発生す

ると仮定し得られる主応力度式により算定した。矩形断面

の断面重心位置でのせん断ひび割れ耐力 scrV は、弾性

理論から次式で求まる。

223scr t t gV b D = + (1)

ここで、 t :コンクリート引張強度( 0.33 B )、 g :軸

圧縮応力度 eN Pb D+

、 B :コンクリート圧縮強度、 :部材

幅、 :部材せい、 :軸力、 :有効プレストレス力

表 にコンクリートの圧縮強度と引張割裂強度試験結果

を示し、図 に圧縮強度と引張割裂強度の関係を示す。割

裂引張強度は概ね 0.33 B ~0.51 B の範囲となっ

た。

図 に実験値 計算値の結果を示す。各試験体とも実

験値 計算値は よりも大きくなり平均値 、変動係数

は %となった。

図 にコンクリートの引張強度に割裂引張試験結果を

用いた場合の実験値 計算値の結果を示す。平均値は

、変動係数は %となった。

表 初せん断ひび割れ時せん断力および部材角

試験体 せん断力( ) 部材角( )正側 負側 正側 負側

表 最大せん断力および最大せん断力時部材角

試験体 せん断力( ) 部材角( )正側 負側 正側 負側

試験体 試験体

試験体 試験体

試験体 試験体

試験体

図 せん断力-部材角関係

コンクリート強度 横補強筋比

軸応力

図 せん断ひび割れ耐力実験結果

表 コンクリートの強度試験結果 ( )

試験体 σ σ 試験体 σ σ

852.4

-916.8

1146.2

-1078.0-1500

-1000

-500

0

500

1000

1500

-2 -1 0 1 2

せん断力

(kN)

部材角(%)

-808.1

808.9931.3

-935.5-1500

-1000

-500

0

500

1000

1500

-2 -1 0 1 2

せん断力

(kN)

部材角(%)

949.6

-831.1

1277.5

-1220.4-1500

-1000

-500

0

500

1000

1500

-2 -1 0 1 2

せん断力

(kN)

部材角(%)

-685.2

876.7

1035.4

-976.9-1500

-1000

-500

0

500

1000

1500

-2 -1 0 1 2

せん断力

(kN)

部材角(%)

775.7

-861.8

1278.0

-1205.5-1500

-1000

-500

0

500

1000

1500

-2 -1 0 1 2

せん断力

(kN)

部材角(%)

805.5

-818.7

1060.9

-1012.3-1500

-1000

-500

0

500

1000

1500

-2 -1 0 1 2

せん断力

(kN)

部材角(%)

757.3

-730.4

1010.2

-1034.5-1500

-1000

-500

0

500

1000

1500

-4 -2 0 2 4

せん断力

(kN)

部材角(%)

0

400

800

1200

50 70 90 110

実験値(

kN)

圧縮強度 σB(N/mm2)

0

400

800

1200

0 0.2 0.4 0.6 0.8

実験値(

kN)

横補強筋比 pw(%)

0

400

800

1200

10 15 20 25 30

実験値(

kN)

軸応力 σg(N/mm2)0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4

1.6

1.8

0 0.2 0.4 0.6 0.8

実験値

/計算値

横補強筋比 pw(%)

C60-0.2 C60-0.4C60-0.6 C100-0.2C100-0.4 C100-0.6C100-0.6N

−34−

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フジタ技術研究報告 第 号

- -

2.3 せん断ひび割れ耐力の計算 せん断ひび割れ耐力は、ウェブに生じる主引張応力が

コンクリートの引張強度に達すると斜めひび割れが発生す

ると仮定し得られる主応力度式により算定した。矩形断面

の断面重心位置でのせん断ひび割れ耐力 scrV は、弾性

理論から次式で求まる。

223scr t t gV b D = + (1)

ここで、 t :コンクリート引張強度( 0.33 B )、 g :軸

圧縮応力度 eN Pb D+

、 B :コンクリート圧縮強度、 :部材

幅、 :部材せい、 :軸力、 :有効プレストレス力

表 にコンクリートの圧縮強度と引張割裂強度試験結果

を示し、図 に圧縮強度と引張割裂強度の関係を示す。割

裂引張強度は概ね 0.33 B ~0.51 B の範囲となっ

た。

図 に実験値 計算値の結果を示す。各試験体とも実

験値 計算値は よりも大きくなり平均値 、変動係数

は %となった。

図 にコンクリートの引張強度に割裂引張試験結果を

用いた場合の実験値 計算値の結果を示す。平均値は

、変動係数は %となった。

表 初せん断ひび割れ時せん断力および部材角

試験体 せん断力( ) 部材角( )正側 負側 正側 負側

表 最大せん断力および最大せん断力時部材角

試験体 せん断力( ) 部材角( )正側 負側 正側 負側

試験体 試験体

試験体 試験体

試験体 試験体

試験体

図 せん断力-部材角関係

コンクリート強度 横補強筋比

軸応力

図 せん断ひび割れ耐力実験結果

表 コンクリートの強度試験結果 ( )

試験体 σ σ 試験体 σ σ

852.4

-916.8

1146.2

-1078.0-1500

-1000

-500

0

500

1000

1500

-2 -1 0 1 2

せん断力

(kN)

部材角(%)

-808.1

808.9931.3

-935.5-1500

-1000

-500

0

500

1000

1500

-2 -1 0 1 2

せん断力

(kN)

部材角(%)

949.6

-831.1

1277.5

-1220.4-1500

-1000

-500

0

500

1000

1500

-2 -1 0 1 2

せん断力

(kN)

部材角(%)

-685.2

876.7

1035.4

-976.9-1500

-1000

-500

0

500

1000

1500

-2 -1 0 1 2

せん断力

(kN)

部材角(%)

775.7

-861.8

1278.0

-1205.5-1500

-1000

-500

0

500

1000

1500

-2 -1 0 1 2

せん断力

(kN)

部材角(%)

805.5

-818.7

1060.9

-1012.3-1500

-1000

-500

0

500

1000

1500

-2 -1 0 1 2

せん断力

(kN)

部材角(%)

757.3

-730.4

1010.2

-1034.5-1500

-1000

-500

0

500

1000

1500

-4 -2 0 2 4

せん断力

(kN)

部材角(%)

0

400

800

1200

50 70 90 110

実験値(

kN)

圧縮強度 σB(N/mm2)

0

400

800

1200

0 0.2 0.4 0.6 0.8

実験値(

kN)

横補強筋比 pw(%)

0

400

800

1200

10 15 20 25 30

実験値(

kN)

軸応力 σg(N/mm2)0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4

1.6

1.8

0 0.2 0.4 0.6 0.8

実験値

/計算値

横補強筋比 pw(%)

C60-0.2 C60-0.4C60-0.6 C100-0.2C100-0.4 C100-0.6C100-0.6N

アンボンドプレキャストプレストレストコンクリート柱のせん断耐力に関する実験的研究

- -

§3 せん断終局耐力

3.1 せん断終局耐力の計算 せん断終局耐力を 性能評価指針 指針 に基づ

き 式で計算する。

( )00 0 1 2 tan

2su w w y B w w yb DQ b j p f p f = + −

ここで、 0b :重心軸位置での断面幅、 0j :圧縮鉄筋と引張鉄筋の重心間距離、 wp : 0b を用いた長方形断面に対して計算されるせん断補強筋比、 w yf :せん断補強筋の規格降伏点( w yf のときは w yf とする)、

D :全せい、 B :コンクリート圧縮強度、

1 2

'1 g

rB

L

= +

ただし、 ≦ 1 ≦ とする。

2 60 B = ( 2 ≦ )、 ( )2rL M QD= ( rL ≦ )

22 2tan 1M MQD QD

= + −

式は第 項がトラス機構分、第 項がアーチ機構分で

ある。 性能評価指針 によると端部でアンボンド 鋼材

のみが用いられる部材に対して、トラス アーチ機構による

せん断終局強度算定法( 式)を用いる場合は、アーチ機

構のみ考慮しトラス機構は無視するとされ、トラス機構を無

視する場合は第 項の𝑝𝑝𝑤𝑤は としてよいとされている。よって

アンボンド のせん断終局耐力は 式で計算できる。

01 tan

2su Bb DQ =

アーチのみ考慮した場合のせん断終局強度と実験値結

果の関係を図 に示す。実験値 計算値は平均 、変動

係数 となり、コンクリート強度 でやや実験値

が大きくなったもの安全側の評価となった。なお、フジタで

行った実験に加え長寿命建築システム普及推進協議会で

行った実験結果 を他実験として評価している。

3.2 せん断終局耐力(実験値) 図 に各試験体のせん断終局耐力を示す。横軸を コ

図 圧縮強度と割裂引張強度の関係

図 せん断終局強度の実験値と計算値の比較 指針

コンクリート強度 横補強筋比

軸力比

図 終局耐力実験結果

( )σ σ

( )割裂強度

図 ひび割れ耐力 実験値 計算値

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

0 20 40 60 80 100 120

σ t(

N/mm

2 )

σB(N/mm2) 0

300

600

900

1200

1500

0 300 600 900 1200 1500

実験値(

kN)

計算値(kN)

C100-0.2 C60-0.2

C100-0.4 C60-0.4

C100-0.6 C60-0.6

C100-0.6N 他実験

平 均 値 :標準偏差:変動係数:

実験値/計算値

0

300

600

900

1200

1500

30 40 50 60 70 80 90 100 110

実験値(

kN)

圧縮強度 σB(N/mm2)

C100-0.2 C60-0.2

C100-0.4 C60-0.4

C100-0.6 C60-0.6

他実験0

300

600

900

1200

1500

0 0.2 0.4 0.6 0.8

実験値(

kN)

横補強筋比 pw(%)

C100-0.2 C60-0.2

C100-0.4 C60-0.4

C100-0.6 C60-0.6

他実験

0

300

600

900

1200

1500

0.1 0.15 0.2 0.25 0.3

実験値(

kN)

軸力比 ηN+pe(%)

C100-0.6

C100-0.6N

0

200

400

600

800

1000

1200

0 200 400 600 800 1000 1200

実験値(

kN)

計算値(kN)

C60-0.2 C60-0.4C60-0.6 C100-0.2C100-0.4 C100-0.6C100-0.6N

平 均 値 :標準偏差:変動係数:

実験値/計算値

0

200

400

600

800

1000

1200

0 200 400 600 800 1000 1200

実験値(

kN)

計算値(kN)

C60-0.2 C60-0.4C60-0.6 C100-0.2C100-0.4 C100-0.6C100-0.6N

平 均 値 :標準偏差:変動係数:

実験値/計算値

−35−

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フジタ技術研究報告 第 号

- -

ンクリート強度、 横補強筋比、 軸力比として示す。

コンクリート強度が高く、軸力比が大きいほど終局耐力が

大きくなることが確認できた。また横補強筋比が大きいほど

終局耐力が大きくなる傾向が見られた。

各試験体の横補強筋にひずみゲージを貼付した。図

に各試験体の横補強筋の最大耐力時の最大ひずみ度を

示す。最大耐力を示した時点では横補強筋は降伏してい

なかった。

3.3 コンクリートの圧縮強度有効係数の修正 実験結果の軸力比に注目すると、軸力比が大きくなるに

つれてせん断終局耐力が大きくなった。 性能評価指針

では軸力をコンクリートの有効係数 1 で考慮している。そこ

で、実験結果を踏まえて軸力比の項'g

B

に係数 1k を考

慮し実験値から 1k を求め、式 を得た。

1 2 1

'1 g

rB

L k

= +

1 5.18k = ただし、 ≦ 1 ≦ とする。

実験から求めた 1k を図 に示す。係数の平均値は

となりその係数で有効係数を求めてせん断終局強度を計

算した。実験値とその計算値の関係を図 に示す。実験

値 計算値は平均 、変動係数 となり、平均値が

に近くなりばらつきも小さくなった。

§4 まとめ

横補強筋比、コンクリート強度、軸圧縮力比を実験パラメ

ータとしてシアスパン比 のアンボンドPCaPC圧着柱に対して、逆対称曲げを与える実験を行った。実験の結果、以

下の知見を得た。 (1) 各試験体とも斜めにせん断ひび割れが発生し、その

後曲げひび割れが生じ、最大耐力に至った。最大耐

力後、横補強筋比が大きい試験体ほどひび割れ発

生量が少なく破壊した。 (2) コンクリート強度が大きいほどひび割れ発生時のせん

断力、最大せん断力は大きかった。横補強筋量とひ

び割れ耐力の相関は見られなかった。 (3) 主応力度式により求めたせん断ひび割れ耐力では、

コンクリートの引張強度を割裂強度から求めた値を用

いると精度良く評価でき、σt = 0.33 B を用いた場

合は安全側に評価できた。 (4) 最大耐力はコンクリート強度、軸応力が大きくなるに

つれて大きくなり、横補強筋比は頭打ちの傾向が見

られた (5) せん断終局耐力をPC指針に基づきアーチ機構分で

計算すると実験値が計算値を上回り安全側の評価と

なった。 (6) PC指針のコンクリートの有効係数 1 に軸力の効果を

考慮することによりせん断終局耐力の実験値と計算

値の適合性良好となった。

参 考 文 献1) プレストレストコンクリート造建築物の性能評価型設計施工指針

案 ・同解説,日本建築学会, 2) 江頭、藤井、樋渡、岡安、五十嵐、島崎;アンボンドPC圧着梁の

せん断耐力確認実験,日本建築学会大会学術講演会梗概集, 2013

ひとこと

大庭 正俊

昨年度の曲げ実験に引き続

き、アンボンドPC柱に対するせん断性能を把握するためせん断

破壊実験を行った。アンボンド

PCは高い構造性能と生産性を持っているため、実用化に向け

てさらに研究開発を進めていき

たい。

図 最大耐力時の横補強筋のひずみ度

図 式 による の実験値

図 せん断終局強度の実験値と計算値の比較提案式

0

200

400

600

800

1000

1200

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

横補強筋の応力度(N/

mm

2 )

ひずみ度(%)

材料試験結果 C100-0.2 C100-0.4C100-0.6 C100-0.6N C60-0.2

5.18

0

1

2

3

4

5

6

7

0 0.1 0.2 0.3 0.4

係数

k 1

軸力比(σg/σB)

C100-0.2 C60-0.2C100-0.4 C60-0.4C100-0.6 C60-0.6

0

300

600

900

1200

1500

0 300 600 900 1200 1500

実験値(

kN)

計算値(kN)

C100-0.2 C60-0.2

C100-0.4 C60-0.4

C100-0.6 C60-0.6

C100-0.6N 他実験

平 均 値 :標準偏差:変動係数:

実験値/計算値

−36−