耳を客様一人 傾 ひとりの 大切声に - amazon web services · 2020-02-12 ·...

2
20084MSR?4MSR沿MSR調MSRMSR調西MSRMSRDS24 DS

Upload: others

Post on 30-Jul-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 耳を客様一人 傾 ひとりの 大切声に - Amazon Web Services · 2020-02-12 · の向上を図っている。ようにし、目標数値に対する主体性. 店舗のスタッフと共同して作成する

御社では2008年4月からミ

ステリーショッピングリサーチ

(以下、MSR)をご導入いただ

いていますが、どのような成果

が生まれていますか?

 

弊社では昨年

から4つのプロ

ジェクトチーム

を組んで、お客

様満足を高める

ための取り組み

を進めておりま

すが、MSRの

導入は「それら

の取り組みが本当にお客様に喜ばれ

るものだったのだろうか」、「自己満

足になってはいなかっただろうか」

ということを見直す、良いきっかけ

になったと考えています。

 

と言いますのも、プロジェクト

チームでは「お客様に喜んでいただ

くために、どういう取り組みが必要

か」というアイデアを出し合って、

そのアイデアに沿って取り組みを進

めていたのですが、MSRの調査結

果を見てみると、「このお店にまた

来たい」と思った理由として挙げて

いただいたものと、スタッフが発案

した取り組みの間にはギャップがあ

りました。

 

これを受け、外部の先生のお力を

借り、スタッフには「マスサービス」

と「パーソナルサービス」という言葉

を用いて話をしました。「マスサービ

ス」というのは、できていて当たり

前で、できていなければクレームに

なるようなサービスのことを指しま

すが、MSRでお客様が評価して下

さっていたのは「店に入ったらすぐ

に気づいて挨拶をしてくれた」「笑顔

で対応してくれた」といったような、

とても簡単で、シンプルなことだっ

たのです。お客様満足のためにとい

うと、どうしても高度な知識や専門

性を活かした取り組みを考えがちで

すが、MSRの調査結果を見て、ス

タッフもマスサービスを徹底するこ

環境が激変する今だからこそ、

お客様一人ひとりの声に

耳を傾けることを大切に

取材▼江端

慎二

文▼西山

博貢

量の面での勝負ではなく、質の部分での勝負

との重要性を、改めて痛切に感じた

のではないかと思います。

 

それとMSR導入のもう一つの成

果だと感じているのは、現場のス

タッフの間に主体性が芽生えてきて

きたことです。お恥ずかしい話です

が、現場のスタッフはどうしても目

先の仕事に追われて日々忙しく働い

ているので、仮にお客様から何らか

のクレームをいただいたとしても、

もちろんそのクレームには誠心誠意

対応しますが、では根本的に何が問

題なのか、どうしたら再発を防げる

のかというところまで考えたり、話

し合ったりということが、これまで

はほとんどありませんでした。

 

実は、そういう店舗の状態に対し

て本部は強い危機意識を抱いていま

したが、本部の声だけでは現場はな

かなか動けず、意識が変わるという

ところまでは行かなかったのです。

それが、MSRによってお客様の声

を直接聞けるようになったことで、

現場のスタッフの意識は確実に変わ

り始めましたし、また、検討材料が

明確になったことで話し合いもしや

すくなり、店舗での朝礼やミーティ

ングが確実に行われるようになりま

した。

薬事法の改正によりドラッグス

トア(DS)業界も激変の時代を

迎えていますが、そうした環境

下での生き残りについて、御社

はどのようにお考えですか?

 

今回の改正によってコンビニエン

スストアなども直接的な競合となっ

てくるわけですが、都内で何千店舗

もある、そして24時間営業のコンビ

ニエンスストアに対して、店舗数を

増やす、あるいは営業時間を延長す

るという方向で弊社が対抗していく

のは現実的に不可能です。私たちに

できるのは、こうした量の面での勝

負ではなく、質の部分での勝負です。

といっても、取り立てて新しいこと、

斬新な取り組みをするつもりはあり

ません。弊社はこれまでも、「地域

密着」という経営方針を掲げてさま

ざまな取り組みをしてまいりました

ので、この取り組みを全店舗の現場

レベルにまで徹底して落とし込んで

いくこと、お客様お一人お一人の声

に耳を傾けながら、まずは当たり前

の小さなことを確実にやっていくこ

と、それがこれからのDS業界で生

き残っていくための道であるという

ふうに考えています。

株式会社ケイポートドラッグマート 

ドラッグストア業態

Ryushi.Ninomiya
タイプライターテキスト
copyrights. MS&Consulting
Page 2: 耳を客様一人 傾 ひとりの 大切声に - Amazon Web Services · 2020-02-12 · の向上を図っている。ようにし、目標数値に対する主体性. 店舗のスタッフと共同して作成する

店舗のスタッフと共同して作成する

ようにし、目標数値に対する主体性

の向上を図っている。

 

また、これと同時に、全社員を対

象とした人事評価制度を策定した。

これまで、CSの成果は評価項目に

含まれていなかったが、MSRの結

果やアンケートの評価などを人事評

価に組み込む形で運用を開始してい

る。

 

その他、店舗の設備面についても、

同社では以前からユニークな取り組

みを行っていたが、それらについて

もCSの観点からさまざまな見直し

を行っている。たとえば、2003

年から設置されているエステルーム

では、壁の一部をガラス張りに改装

した。施術を受けるお客様はこれま

で通り隠しながらも、エステティ

シャンやエステルームの様子を外か

ら見えるようにすることで、お客様

が安心して気軽に利用できる雰囲気

を作り出した。

 

また2008年6月からは、足湯

を設けたリラックスルームを設置

(一部店舗)するなど、従来のドラッ

グストアの枠を超えた、地域の美容・

医療の中心としての機能の充実を

図っている。

「地域密着型ドラッグストア」を

目指した取り組み紹介

 

都内城南地区を中心に14店舗を展

開するケイポートドラッグマートで

は、「地域密着型ドラッグストア」を

目指し、2007年9月21日を皮切

りに「CS改善プロジェクト」として

さまざまな取り組みを行っている。

 

その中心となっているのが、

2007年10月からスタートした

「チーム活動」である。同社には大き

く分けて調剤・薬・化粧品の3つの

グループが存在するが、チーム活動

はこれら3グループ全てからメン

バーを選出した、社員を対象とした

全社横断的なプロジェクトである。

プロジェクトのテーマは「接客」「品

格」「MD:マーチャンダイジング

(Merchandising

)の略。店舗レイア

ウトや販促計画、ホームページの作

成等を行う」「知識」の4つ。それぞ

れでチームを作り、本部または各店

舗で集まり、CS向上について定期

的にミーティングを開催している。

このプロジェクトの中からいくつも

の取り組みが生まれている。

 

たとえば、2008年3月までの

接客チームのテーマは、理想像を明

確にするため、接客だけに焦点を絞

り、事例を含めた100ページ近い

マニュアルを作成することであっ

た。その内容は、マナー5原則、電

話対応、クレーム対応、接客力向上、

CS・ES・ホスピタリティー、接

客チェックシート、営業ルールに分

かれ詳細に記されており、現場ス

タッフが執筆・編集を手掛けている。

 

さらに、2008年4月からは、

現場の主役であるアルバイトのスキ

ルアップを重視し、理想的な接客を

実現するための新しい研修体系を整

備した。テーマは初級・中級・上級

の3段階に分かれており、店舗で行

う少人数制の研修としている。研修

は現場の最も適切なタイミングで行

うため、多い時では週4回に及ぶこ

ともある。

 

同月から導入したMSRは、お客

様目線を確認するツールとして使用

している。導入をきっかけに店舗内

ミーティングでお客様目線からの意

見を促し、アルバイトを含めた改善

案発表の場を持つようにした。その

中から、お客様と接する最初の10秒

間の印象を良くするための意見を出

し合う「10秒トーク」という取り組み

も生まれ、朝礼の内容として定着し

た店舗もある。

 

2008年9月からは、これまで

本部が作成していた店舗別予算を、

プロジェクトのテーマは「接客」「品格」「MD」「知識」

「10秒トーク」という取り組みが定着した店舗

江端 慎二

この企業はここが凄い

Ryushi.Ninomiya
タイプライターテキスト
copyrights. MS&Consulting