新聞 表1表4 版下 修正 - city.tsukuba.lg.jp ·...

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Q Female researcher shining in Tsukuba ForWARD For Women’ s participation And human Resource Development つくばリビング Introduction of “RIKEJYO” staff of tsukuba city hall ForWARD For Women’ s participation And human Resource Development つくばリビング 調便25 読めばこの街を 好きになる… つくば で 輝く 女性研究者 横浜市生まれ。東京工業大学工学部卒 業、同大学院理工学研究科で経営工学を 専攻後、博士(工学)取得。現在は筑波大 学システム情報系社会工学域教授として 「数理最適化モデルのアルゴリズムと応用」 を研究。 Akiko Yoshise 筑波大学キャンパスで 家族そろって浅草へ 30 40 20 便ルーマニア生まれ。ポリテクニカ大学でコン ピュータサイエンス専攻。ブカレスト交通研 究所を経て、筑波大学大学院で博士(工 学)取得。現在は筑波大学システム情報系 情報工学域の助教としてコンピュータサイ エンスを研究。 Simona Vasilache つくば市内で 家族の写真 交流から生まれる 新たな研究テーマ - 使調大阪市生まれ。広島大学生物生産学部卒 業、同大学院生物圏科学研究科で博士号 (農学)を取得。現在は産業技術総合研究 所で植物遺伝子制御による生産技術開発 を研究。 Yoshimi Oshima 植物栽培室で 未知の領域に憧れ 植物の可能性を探る 25 さいたま市生まれ。東京理科大学基礎工 学部卒業、北海道大学大学院で博士号 (地球環境科学)取得。カリフォルニア大学 バークレー校を経て、現在は森林総合研究 所で遺伝学的アプローチから野生動物を 研究。 Junco Nagata 森林総合研究所で 調趣味のマウンテンバイク と家族 大自然に魅了され 野生動物の研究へ (54) (45) (36) 留学生との交流 つくば 市 役 所 のリケジョ職 員 紹 介 問合せ先 T E L: E-mail 029-883-1111 [email protected] つくば市科学技術振興課 ①.名前(よみがな)⑤.今の専門職を目指した理由 ②.所属部署・職 ⑥.市役所を目指した理由 ③.勤続年数 ⑦.休日の過ごし方 ④.日頃の業務内容 質 問 大谷 和代 (おおたに かずよ) 都市計画部  都市計画課・係長 13年目 廣瀬 愛耶乃 (ひろせ あやの) 都市計画部市街地振興課 学園地区市街地振興室 技師 3年目 子どもの頃に、住宅のチラシ を見るのが好きで、そのうちに 雑誌等を見るようになり、自然と建 築を勉強したい、建築家になりたいと思う ようになりました。 都市計画には、土地利用に一定のルー ルを設け、望ましい都市のあり方へ誘導 する役割があります。例えば、戸建て 住宅地の中に高層の建物ができない ようにしたり、駅前にお店や事務所を誘導し たり、というものです。 既に決まっているルールの問い合わせ対応 や、新しいルール作成の検討をしてい ます。 家族(夫と保育園に通う娘) と一緒に過ごしています。この 間は、研究所の一般公開に行き ました。家族で楽しめるので おすすめです。 学園地区市街地振興室は、 つくば市の中心市街地であるつく ば駅を中心としたまちの活性化を 担当する部署です。私は、中心市街地 のまちづくりに関する計画の作成や、 良好なまちなみを形成するための誘 導手法などの検討を行ってい ます。 父親が大工であったことの影 響から、建築や土木工学を学べる 大学に進学しました。その後、民間 企業で都市計画に関する仕事を経験 し、これまでの知識と経験を活かすた めに土木技師として入庁しました。 音楽が好きなので、学生の時 から仲の良い友人と集まっ て楽器の演奏をしたり、職場の 音楽好きが集まる音楽イベント に参加したりしています。 2018 年8月特別号 2018 年8月特別号 常陽リビング 平成 29 年 6 月 24 日号掲載 常陽リビング 平成 29 年 7 月 22 日号掲載 常陽リビング 平成 29 年 8 月 26 日号掲載 常陽リビング 平成 29 年 9 月 23 日号掲載 大学卒業後、民間のハウスメーカーで、 戸建て住宅の商品開発の部門に勤務して いました。大学の同級生が(他の市です が)市役所で建築職として働いていて、 彼女から話を聞いたことが、自分も行 政で働きたいと思ったきっかけです。 それから、つくば市の出身なので、 地元に帰りたいということも ありました。 土木関係の職場は、まだまだ男性の比 率が高い傾向にありますが、市役所は専 門職も事務職も同じ勤務環境にあります ので、結婚してからも仕事も続けられ る環境が揃っており、魅力的な職場 だと考えました。

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Page 1: 新聞 表1表4 版下 修正 - city.tsukuba.lg.jp · 安るなど数学への関心を深マを数理モデルで解決すは、高校生が考えたテー会に役立つ数理技術」でとの連携プロジェクト「社実施している県内の高校究。

Q

Female researcher shining in TsukubaForWARD For Women’ s participation And human Resource Development つくばリビング Introduction of “RIKEJYO” staff of tsukuba city hallForWARD For Women’ s participation And human Resource Development つくばリビング

《研究と交流》

 「数学を応用した社会

システムの最適化」が研

究の核。鉄道の運行管理

や自動車のナビゲーション

といった社会インフラに

関係するものから、会社

の勤務シフトや大学の履

修科目の効率的な選択

など、社会生活に役立つ

システムについて幅広く研

究。また、2006年から

実施している県内の高校

との連携プロジェクト「社

会に役立つ数理技術」で

は、高校生が考えたテー

マを数理モデルで解決す

るなど数学への関心を深

める活動も行っている。安

全な通学路を作る街灯

と信号の最適配置などの

地域インフラや、高校生

が好き

なお菓

子と必

要な栄

養素を

調査し、満腹、健康、おい

しい食生活という食の最

適化も学生と共に研究。

「高校生の斬新な発想が

私たち研究者にとっては

刺激的で驚かされること

ばかりです」と吉瀬さん。

《理系女子の歩み》

 

小学生の頃から算数が

好きだったが、学問として

の数学より人に役立つ

「モノ作り」に憧れ、機械

工学系に強い東京工業

大学に進学。「社会に役

立つ」数学を研究するた

め大学院では経営工学

を専攻した。「当時は女

子更衣室がないなどいろ

いろと不便でしたが、研

究室では分け隔てなく自

由に研究できる恵まれた

環境でした」。

 

大学時代に所属した

サークルの先輩と結婚。

愛娘は美術大学を卒業

後、アニメーション業界で

活躍中。「夫の趣味は自

転車作り、娘は仕事三

昧。家族が皆自分の好き

なことに夢中ですが、家

事では何かと夫の方が上

手でまったく頭が上がり

ません」。

 

横浜市からつくば市に

移り住んで25年。筑波大

学の自由な環境で研究活

動を続けてきたが、最近

は管理職としての業務が

多くなり、研究に集中す

ることが難しくなったこと

が悩み。

 

吉瀬さん本人の趣味は

週3回のジム通いと自宅

での腹筋運動。「やっぱり

健康が大事ですから」と

笑顔。

読めばこの街を   好きになる… つくばで輝く

  女性研究者

筑波大学システム情報系

社会工学域教授

吉瀬

章子さん

横浜市生まれ。東京工業大学工学部卒業、同大学院理工学研究科で経営工学を専攻後、博士(工学)取得。現在は筑波大学システム情報系社会工学域教授として「数理最適化モデルのアルゴリズムと応用」を研究。

Akiko Yoshise

筑波大学キャンパスでシンポジウムでの講演

家族そろって浅草へ

学生との交流から生まれる

「新しい視点」

つくばの暮らし

《大学の授業と研究》

 

コンピュータのソフトウ

エア開発プロセスを研究。

また、筑波大学の外国人

向けプログラム「G30」に

も参加し、40カ国以上か

ら来日している約100

人の留学生にコンピュータ

を指導している。最初か

ら答えを出さない

ディスカッション中心

の授業を通し、生ま

れ育った国の文化や

考え方の違いがシス

テム構築に影響する

ことに気づいた。「ソ

フトウエア開発の背

景には各国の文化

的側面も大きく作

用します。これから

研究したい新しい

テーマですね」。

《ルーマニアから日本へ》

 

ルーマニアのポリテクニ

カ大学でコンピュータサイ

エンスを専攻。卒業後に

大学時代のクラスメート

と結婚して首都ブカ

レストの交通研究所

に勤務。1997年に

夫が筑波大学の留学

生となったのを機に

共に来日し、当初は

専業主婦だったが筑

波大学大学院に入

学し博士号(工学)を

取得。その後、ALT

(アシスタント・ラン

ゲージ・ティーチャー)

として小学生に英語

を指導する中、外国人だ

からこそ気づく日本文化

の良さを体験した。「子ど

もの栄養を考えた日本の

学校給食は世界に誇れ

る素晴らしい制度だと思

います」。日ごろのボラン

ティア活動などで保護者

との親睦を深めるほか、

筑波大学に着任後は学

生や留学生との交流も積

極的に行っている。

 

現在はつくば市に夫婦

と長男・長女の家族4人

で暮らす。都内の会社に

通勤する夫は「20年前と

違い、今はつくばエクスプ

レスや高速道路のおかげ

で本当に便利になりまし

た」と話す。自身は大学

勤務と2人の子育てで忙

しい毎日。「豊かな自然や

公園など環境に恵まれ、

研究機関の一般公開など

もあり、とても魅力的な

街だと思います」と笑顔。

 

週末にはサイクリング、

冬にはスキーを楽しむな

どそろってアウトドア派

の一家は日本の暮らしを

満喫している。

筑波大学システム情報系

情報工学域助教

シモナ

ヴァシラケさん

ルーマニア生まれ。ポリテクニカ大学でコンピュータサイエンス専攻。ブカレスト交通研究所を経て、筑波大学大学院で博士(工学)取得。現在は筑波大学システム情報系情報工学域の助教としてコンピュータサイエンスを研究。

Simona Vasilache

つくば市内で

家族の写真

交流から生まれる新たな研究テーマ

つくばの暮らし

《植物の可能性》

 

植物の表面を覆うクチ

クラや花の形態形成の遺

伝子制御技術、パラゴムノ

キのラテックス合成組織

などを研究。産総研(産

業技術総合研究所)が開

発したCRES-

T法(キ

メラリプレッサージーンサ

イレンシング法)を使って

発見したクチクラの形成

制御システムは風雨や乾

燥、紫外線、病害などか

ら植物を保護し、作物育

成や植物性ワックス、有

用脂質生産での応用が期

待されている。また、花び

らの風合いや品種改良、

気候変動に対応する植

物なども研究。「新しい発

見も多く、植物には未知

の可能性がたくさん秘め

られています」。

《分子生物学への関心》

 

高校在学中、複雑で精

巧な仕組みを持つ生物に

興味を持ち、広島大学生

物生産学部に

進学。「生体現

象を引き起こ

す生体内の相

互作用を一つ

ひとつ研究す

る分子生物学

に魅力を感じ

ました。また、

植物バイオテ

クノロジーは適

用範囲が広

く、世界中の

畑に夢が広が

ると考えて植物研究者に

なりました」。同大学院で

生物資源開発学を専攻

し博士号(農学)を取得。

2008年から産総研で

植物の遺伝子研究を続

けている。「実用化には地

域や作物の適応性、経済

性など社会的な要件も

あり道のりは険しいです

が、未来に向けて必要な

技術だと信じて研究して

います」。

 

現在は大学院で知り

合った夫とつくばで暮ら

す。「最初は夫の職場に合

わせて東京住まいでした

が、私の研究を応援する

夫の協力もありつくばに

移住しました」と大島さ

ん。TXで都内に通勤す

る夫は「つくばに来てから

夫婦で始めたゴルフや家

庭菜園、料理などを楽し

むライフスタイルになりま

した」と話す。自身は調味

料作り、ピアノ、産総研の

合唱サークル活動、夫婦

で楽しむゴルフや家庭菜

園と充実の毎日を送る。

「家庭菜園は栽培室とは

違い思い通りにいきませ

ん。大変だけど勉強にな

りますね」と笑顔。

産業技術総合研究所

生物プロセス研究部門 

研究員

大島

良美さん

大阪市生まれ。広島大学生物生産学部卒業、同大学院生物圏科学研究科で博士号(農学)を取得。現在は産業技術総合研究所で植物遺伝子制御による生産技術開発を研究。

Yoshimi Oshima

植物栽培室で

海外研究チームとの共同研究

未知の領域に憧れ植物の可能性を探る

つくばの暮らし

《研究とアプローチ》

 

野生動物の遺伝子分

析など科学的根拠に基づ

いた「保護管理」が主な

研究テーマ。全国的に増

えすぎたニホンジカが引

き起こす農林業被害を防

除するための管理体制の

基礎データとなる個体群

の遺伝子分析ほか、アマミ

ノクロウサギなど絶滅危

惧種の糞に残るDNAを

解析することで生息数推

定法の開発なども行って

いる。「フィールドワークが

好きですが、研究室での

DNA解析も重要な仕

事。動物と人間が共存で

きるような生態系のバラ

ンスを大切にしたいです

ね」。

《陸上から理系女子へ》

 

幼少の頃は、実家近く

でのザリガニ釣りやカブ

トムシ捕りなどに忙しい

生き物好きだった。中学・

高校では陸上部で活躍

し、オリンピック出場まで

夢見ていたがケガで断

念。大学1年の時に過ご

した北海道長万部で地

球環境の研究に興味を

持った。「北海道の大自然

に魅了された

時の感動が、

今の仕事につ

ながっていま

す」。大学では

バイオテクノロ

ジーを学び、最

先端のゲノム

プロジェクトに

も参加。卒業

後に「憧れの

地」となった北

海道で大学院

に進み博士号を取得。そ

の後、日本学術振興会海

外特別研究員として渡米

し2年間研究に没頭する

中、シェアハウスで出会っ

たアメリカ人と結婚。公

私ともに充実の日々を過

ごした。「研究に集中でき

た上に苦手な英語も上

達したのは主人のおかげ

です」。

 

結婚後しばらくは日

米で離れての生活が続い

たが、現在は活発な男の

子2人と夫婦の家族4人

でつくば市に住んでいる。

自身も暮らしやすいと感

じているが、生物学者とし

て都内の大学に通勤する

夫も「つくばは外国人も

多くフレンドリーな雰囲

気。自然も豊かで暮らし

やすい街」と満足している

という。趣味のマウンテン

バイクでは、25歳の時にケ

ニアの大会に初参加して

から現在まで各地の大会

に参加している。「ハード

なスポーツなので生傷が

絶えませんが、私を支え

てくれる大切な趣味なん

です」と笑顔。

森林総合研究所

野生動物研究領域 

主任研究員

永田

純子さん

さいたま市生まれ。東京理科大学基礎工学部卒業、北海道大学大学院で博士号(地球環境科学)取得。カリフォルニア大学バークレー校を経て、現在は森林総合研究所で遺伝学的アプローチから野生動物を研究。

Junco Nagata

森林総合研究所で

ニホンジカのフィールド調査

趣味のマウンテンバイクと家族

大自然に魅了され野生動物の研究へ

つくばの暮らし

(54)

(45) (36)

留学生との交流

趣味のゴルフ

つくば市役所のリケジョ職員紹介

問合せ先T E L:E-mail:

029-883-1111[email protected]つくば市科学技術振興課

①.名前(よみがな) ⑤.今の専門職を目指した理由

②.所属部署・職 ⑥.市役所を目指した理由

③.勤続年数 ⑦.休日の過ごし方

④.日頃の業務内容

質 問

大谷 和代(おおたに かずよ)

都市計画部 都市計画課・係長②

13年目③

廣瀬 愛耶乃(ひろせ あやの)

都市計画部市街地振興課学園地区市街地振興室 技師②

3年目③

 

  子どもの頃に、住宅のチラシ

を見るのが好きで、そのうちに雑誌等を見るようになり、自然と建

築を勉強したい、建築家になりたいと思うようになりました。

 

都市計画には、土地利用に一定のルールを設け、望ましい都市のあり方へ誘導する役割があります。例えば、戸建て住宅地の中に高層の建物ができない

ようにしたり、駅前にお店や事務所を誘導したり、というものです。 既に決まっているルールの問い合わせ対応や、新しいルール作成の検討をしてい

ます。

  家族(夫と保育園に通う娘)と一緒に過ごしています。この間は、研究所の一般公開に行きました。家族で楽しめるのでおすすめです。

 学園地区市街地振興室は、つくば市の中心市街地であるつくば駅を中心としたまちの活性化を担当する部署です。私は、中心市街地のまちづくりに関する計画の作成や、良好なまちなみを形成するための誘導手法などの検討を行っています。

 父親が大工であったことの影響から、建築や土木工学を学べる大学に進学しました。その後、民間企業で都市計画に関する仕事を経験し、これまでの知識と経験を活かすために土木技師として入庁しました。

音楽が好きなので、学生の時から仲の良い友人と集まって楽器の演奏をしたり、職場の音楽好きが集まる音楽イベントに参加したりしています。

2018 年8月特別号 2018 年8月特別号

常陽リビング 平成 29年 6月 24 日号掲載 常陽リビング 平成 29年 7月 22 日号掲載

常陽リビング 平成 29年 8月 26 日号掲載 常陽リビング 平成 29年 9月 23 日号掲載

 

 大学卒業後、民間のハウスメーカーで、戸建て住宅の商品開発の部門に勤務していました。大学の同級生が(他の市ですが)市役所で建築職として働いていて、彼女から話を聞いたことが、自分も行政で働きたいと思ったきっかけです。それから、つくば市の出身なので、地元に帰りたいということもありました。

 土木関係の職場は、まだまだ男性の比率が高い傾向にありますが、市役所は専門職も事務職も同じ勤務環境にありますので、結婚してからも仕事も続けられる環境が揃っており、魅力的な職場だと考えました。