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卒業論文審査会『Webブラウザ間通信を用いたコンテンツ配信法』

2013年2月5日

1W090344-6 知識友紀江早稲田大学基幹理工学部情報理工学科

後藤滋樹研究室 4年

研究の背景＜１＞

• アクセス集中の問題 ▪ レスポンスの低下やサーバダウンを引き起こす

▪ インターネット利用者の増加に伴い、問題が顕在化

• ダウンロード時間の重要性 ▪ ダウンロード時間が1秒長くなる

⇒ 閲覧数は11％低下 ⇒ 顧客満足度は16％低下

▪ 動画再生までにかかる時間が1秒長くなる ⇒ 5.8％のユーザが離脱

2013/2/5 卒業論文審査会知識友紀江 2


研究の背景＜２＞

• サーバ負荷分散

クライアント・サーバ型 P2P（Peer-to-Peer）型

長所 • 定常的な大量のアクセスに有効である

• 急激なアクセス数の変動へ柔軟に対応できる

短所 • 突発的なアクセス集中に対応できない • 過剰な運用コストがかかる

• 人気がないコンテンツのダウンロードが難しい • コンテンツの流通を管理できない

代表的な手法 • DNSラウンドロビン • ロードバランサ

• ピュアP2P • ハイブリッドP2P

研究の目的

• アクセスが集中すると通信品質が劣化する

• 多くのユーザへ短時間でコンテンツを届けたい

• 既存のサーバ負荷分散にはそれぞれ問題がある


大量のアクセスが集中するコンテンツを配信する際に、より多くのユーザへ迅速に配信する方式を提案・検証する

目的

提案手法

▪ 通常時：サーバから取得

▪ アクセス集中時：WS（WebSocket）サーバから取得


コンテンツ

コンテンツ

JavaScript

WebSocket サーバ

コンテンツ

JavaScript コンテンツ

コンテンツ

コンテンツ

WSサーバリスト

検証実験＜概要＞

アクセス集中環境を作るため、負荷テストツール「JMeter」を用いて 1分間に多数のHTTPリクエストを送り、パフォーマンスを測定する

（JMeter：http://jmeter.apache.org/ ）

▪ 評価項目コンテンツファイルのダウンロード時間

コンテンツ配信サーバのCPU使用率


コンテンツ

JMeter 50KB

500KB 5000KB ―約1分間の動画ファイル

映像：H.264（510kbps）／音声：ACC（128kbps）

2013/2/5 7 卒業論文審査会知識友紀江

検証実験＜対象＞

既存手法提案手法（1：2）

WSサーバ

WSサーバ

WSサーバ

検証実験＜結果：ダウンロード時間（5000KB）＞


0

20

40

60

80

100

50 100 150 200 250 300

ダウンロード時間

[秒

]

リクエスト件数 [件]

リクエスト件数に対する最大ダウンロード時間 (コンテンツサイズ：5000[KB])

既存手法提案手法

93.8%削減

提案手法の方がダウンロード時間が長い ⇒ WSサーバ・クライアント間の通信時間が長いため

検証実験＜結果：CPU使用率（50KB）＞


0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

0 10 20 30 40 50 60

CP

U使用率

[％

]

経過時間 [秒]

CPU使用率の変動 (コンテンツサイズ：50[KB]・リクエスト：3000[件])

既存手法提案手法

平均5.5％

平均3.5％

4割減

まとめ

• 既存手法ではダウンロード時間が長くなるようなアクセス集中の場合に提案手法が有効 ▪ ダウンロード時間に影響しない程度のアクセス集中でも、サーバの負荷分散としては有効

• 今後の課題 ▪ Webブラウザ間通信の拡張バイナリデータ送受信 NAT越え（NAT traversal）

▪ WSサーバの条件 ▪ 接続先WSサーバの選択法 ▪ WSサーバ・クライアント比率の適切な調整


参考文献（1） [1] J. Jung, B. Krishnamurthy, and M. Rabinovich, Flash crowds and denial of service attacks:

characterization and implications for CDNs and web sites, in Proc. of the 11th international conference on World Wide Web, pp. 293--304, 2002.

[2] Aberdeen Research, Gomez Users Rise Above the Best-in-Class in Monitoring the End-User Experience, May 2009, http://www.gomez.com/wp-content/downloads/aberdeen-gomez-best-in-class.pdf

[3] S. S. Krishnan, R. K. Sitaraman, Video stream quality impacts viewer behavior: inferring causality using quasi-experimental designs, in Proc. of the 2012 ACM conference on Internet measurement conference, pp. 211--224, 2012.

[4] I. Fette, The WebSocket Protocol, RFC 6455, December 2011, http://www.ietf.org/rfc/rfc6455.txt

[5] 與儀那広, 城間政司, 長田智和, 谷口祐治, 玉城史朗, WebSocketを用いたWebブラウザ間P2P通信の実現とその応用に関する研究, 電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム 110(372), pp. 59--62, 2011-01-13.


参考文献（2） [6] V. N. Padmanabhan, H. J. Wang, P. A. Chou, and K. Sripanidkulchai, Distributing streaming

media content using cooperative networking, in Proc. of the 12th international workshop on Network and operating systems support for digital audio and video, pp. 177--186, 2002.

[7] M. Deshpande, A. Amit, M. Chang, N. Venkatasubramanian, and S. Mehrotra, Flashback: A peer-to-peer web server for flash crowds, in Proc. of the 27th International Conference on Distributed Computing Systems, 2007.

[8] 小坂徳淳, 遠藤慶一, 高橋豊, P2Pファイル共有システムにおけるフラッシュクラウド耐性を備えた負荷分散法, 電子情報通信学会総合大会講演論文集 2009年通信(2), p. 261, 2009-03-04.

[9] 横田健治, 朝香卓也, 高橋達郎, フラッシュクラウド軽減のための負荷分散システム, 電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム 109(273), pp. 77--82, 2009-11-05.

[10] 堀江光, 浅原理人, 山田浩史, 河野健二, MashCache: Flash Crowds耐性を持つマッシュアップサービス実現手法, 情報処理学会研究報告. [システムソフトウェアとオペレーティング・システム] 2011-OS-116(1), pp. 1--9, 2011-01-17.


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