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Page 1: 技術資料 - boehringer-ingelheim.jp...技術資料 目 次 CONTENTS はじめに フロントライン プラスの特長 有効成分の概要 1.フィプロニルの物理・化学、作用機序

Technical Bulletin

技術資料

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Technical Bulletin

技術資料

目 次C O N T E N T S

はじめに

フロントライン プラスの特長

有効成分の概要

 1.フィプロニルの物理・化学、作用機序

 2.(S)-メトプレンの物理・化学、作用機序

フロントライン プラスの安全性

フロントライン プラスの有効性

製品情報

総合的ノミ対策

引用資料

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

・・・・・・・・・・3

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22

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―1―

はじめに

 フロントライン プラスはフェニルピラゾール系のフィプロニルと、昆虫幼若ホルモン類似体の昆虫成長抑制剤(IGR)である(S)-メトプレンを有効成分とするスポットオン製剤で、ドッグは犬のノミ駆除・寄生予防およびマダニ・シラミ・ハジラミ駆除に対して、キャットは猫のノミ駆除・寄生予防およびマダニ・ハジラミ駆除に対して承認を受けています。 従来のフィプロニル単味製剤でもノミやマダニに対する高い駆除効果がありましたが、(S)-メトプレンを配合することによって、ノミ寄生の予防効果をプラスし、総合的なノミ対策が可能となりました。 とくにノミは成虫だけでなく、飼育環境中にある卵、幼虫、サナギなどを除去しなければ、再寄生の原因となります。フロントライン プラスは、未成熟段階のノミの成長を止めることによって、飼育環境を浄化することができます。

フロントライン プラスの特長

①フェニルピラゾール系のフィプロニルというノミ・マダニ・シラミ・ハジラミ駆除成分と昆虫成長抑制成分の(S)-メトプレンを含有します。

②寄生するノミ成虫を24 時間以内に、マダニを48 時間以内に、シラミ(犬)、ハジラミを48 時間以内にほぼ 100%駆除します。

③(S)-メトプレンは、ノミの卵の孵化と幼虫からサナギへの変態を阻害することにより、ノミ寄生を予防します。

④優れたノミの駆除および寄生予防効果は犬で約1~3カ月間、猫で約1~1.5カ月間、マダニ駆除効果は犬で約1カ月間、猫で約3週間持続します。(適切な投与間隔については獣医師に相談してください。)

⑤シャンプーや水浴をしても効果にはほとんど影響しません。

⑥8週齢以上(体重制限なし)から使用可能です。

⑦肩甲骨間に滴下するだけの簡単投与です。

⑧世界113カ国以上で愛用されている、信頼のブランドです。

はじめに/フロントライン

プラスの特長

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―2―

有効成分の概要 有効成分の概要

1. フィプロニル⑴物理・化学化 学 名(IUPAC名):(R±S)-5-amino-1-(2,6-dichloro-α-α-α-trifl uoro-p-tolyl)-4-trifl uoromethylsulfi nylpyrazole-3-carbonitrile化 学 式:C12H4Cl2F6N4SO分 子 量:437.14原体の性状:白色~帯黄白色の微粉末。

水にほとんど溶けない(0.003 g/L)。原体の純度:95%以上

⑵作用機序 フィプロニルは、フェニルピラゾール系に属する殺虫・殺ダニ作用の強い化合物で、無脊椎動物の中枢神経系における塩素イオンチャンネルのガンマアミノ酪酸(GABA)受容体および 2 種類のグルタミン酸受容体(GluCl-Dおよび GluCl-N)に特異的に結合する1-3。これにより神経細胞への塩素イオンの流入が阻害され、過剰興奮となって殺虫する。

 フィプロニルは 3つの作用部位を持つため、薬剤抵抗性を獲得する確率が非常に低い。また、GABA受容体は哺乳類と無脊椎動物では構造が異なるうえ、GluCl 受容体は哺乳類には存在しないという選択毒性のため、哺乳類での高い安全性がある。 フロントライン製剤中のフィプロニルは皮脂および皮脂腺への親和性が高く、皮脂腺から持続的に放出されるため長期間にわたって皮膚および被毛中に残留する。

塩素イオンチャンネル生理 フィプロニルは 3つの受容体に作用

グルタミン酸

GABA

フィブロニルおよび代謝産物の分子

GABA受容体

GluCI-D受容体

GluCI-N受容体

GABA受容体

GluCI-D受容体

GluCI-N受容体

フィプロニルの物理・化学、作用機序

Page 5: 技術資料 - boehringer-ingelheim.jp...技術資料 目 次 CONTENTS はじめに フロントライン プラスの特長 有効成分の概要 1.フィプロニルの物理・化学、作用機序

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2.(S)- メトプレン⑴物理・化学化 学 名(IUPAC名):Isopropyl (E,E)-(7S)-11- methoxy-3,7,11-trimethyldodeca- 2,4-dienoate化 学 式:C19H34O3分 子 量:310.48 原体の性状:黄色~琥珀色の透明な液。 水にほとんど溶けない (0.0005 g/L)。原体の純度:94%以上

⑵ 作用機序 (S)-メトプレンは、昆虫幼若ホルモン類似薬に属する昆虫成長抑制剤(IGR: Insect Growth Regulator)で昆虫の未成熟ステージの発育を阻害する。メトプレンにはR体とS 体の光学異性体が存在し、S 型異性体はこの化合物の生物学的な活性型で幼若ホルモン様活性を示し、R 型異性体は同活性を持たない。 (S)-メトプレンを被毛中に分布させると、皮膚から吸収されずに長期にわたって被毛中に残留し、体表上に産み落とされたノミの卵の孵化を効果的に阻害する。 (S)-メトプレンの脂溶性はフィプロニル以上に高いうえ、フィプロニルと同様に皮脂腺から長期にわたって持続的に皮膚および被毛中に残留すると考えられている。 ノミ卵殻への直接浸透作用と(S)-メトプレンの感作を受けた雌の成虫(卵巣内に濃縮)を介する2経路によって卵孵化を阻害する。

有効成分の概要

左側 (S)-メトプレンに曝露されたノミの虫卵

右側 正常なノミの虫卵

(S)―

メトプレンの物理・化学、作用機序

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―4―

フロントライン

プラスの安全性

フロントライン プラスの安全性

1. ヒトおよび動物に対する毒性⑴フィプロニルの毒性試験フィプロニルの毒性試験結果の要約を以下に示した。以下の試験を実施した結果、安全上の問題点は特に認められなかった。

⑵(S)- メトプレンの毒性試験(S)- メトプレンの毒性試験結果の要約を以下に示した。以下の試験を実施した結果、安全上の問題点は特に認

められなかった。

試験種類 投薬方法 供試動物 LD50 または最大無作用量(mg/kg)急性毒性 経口 マウス ♂:49(37~ 65)、♀:57(40 ~ 81)

経口 ラット ♂ :92(64 ~128)、♀:103(73 ~141)経口 イヌ ♂♀:>640経皮 ラット ♂♀:>5000

亜急性毒性 混餌 ラット 25ppm 以下慢性毒性 混餌 ラット 無作用量1ppm, 無毒性用量 30ppm

強制経口 イヌ最高許容量 2.9mg/kg/ 日と10.0mg/kg/ 日 ,無作用量 0.5mg/kg/ 日

特殊毒性 眼刺激 ウサギ 非刺激性皮膚刺激 ウサギ 非刺激性皮膚感作 モルモット 遅延型接触性過敏症は認められず催奇形性 ラット 影響なし催奇形性 ウサギ 影響なし2 世代 ラット 連続混餌投薬の無作用量は 3ppmAMES 突然変異 細菌 陰性遺伝子突然変異 チャイニーズハムスター (V79) 細胞 陰性小核 マウス 誘起しない染色体異常 ヒトリンパ球 陰性

   DNA修復 細菌 陰性

試験種類 方法 供試動物 LD50 または最大無作用量 急性毒性 経口 ラット ♂♀:>5000 mg/kg

経口 ラット ♂♀:>34000 mg/kg経皮 ウサギ ♂♀:>5000 mg/kg

亜急性毒性 経皮 ウサギ >400mg/kg慢性毒性 混餌 ラット >5000ppm

混餌 イヌ >5000ppm特殊毒性 皮膚刺激 ウサギ 非刺激性

眼刺激 ウサギ ほぼ非刺激性催奇形性 マウス 影響なし催奇形性 ウサギ 影響なしAMES 突然変異 細菌 陰性復帰変異 細菌 陰性小核 マウス 誘起しない突然変異誘発 マウスリンパ腫細胞 陰性染色体異常 チャイニーズハムスター卵巣細胞 陰性

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―5―

フロントライン

プラスの安全性

⑶フロントライン プラスの毒性フロントライン プラスは動物の皮膚上に直接滴下するスポットオン製剤である。急性及び特殊毒性試験をGLPに準拠した方法で実施した。その結果、予想に反する合剤の毒性や各有効成分の相互作用は認められず、フロントラインスポットオン ドッグおよびキャットと同様であった。

⑷使用者の安全性に関するリスクアセスメントフロントライン プラス ドッグを投薬した犬および子犬、またフロントライン プラス キャットを投薬した猫および子猫に対する曝露から使用者に対する潜在的な危険性を評価するために、使用者の安全性リスクアセスメントを実施した。(S)-メトプレンは独自の作用機序により昆虫の成長サイクルを妨害する昆虫成長抑制剤であるため、哺乳動物における作用部位または生化学的な作用機序は存在せず、哺乳動物に対して事実上無毒性と考えられている。従って、フィプロニルの残留による使用者への経口または経皮における急性 / 亜急性の曝露を想定し評価を実施した。その結果、フロントライン プラス ドッグの犬への使用ならびにフロントライン プラス キャットの猫への使用は、子供を含むヒトに潜在的な健康被害を起こさないと考えられ、使用者に対するフロントライン プラスの高い安全性が示唆された。

試験種類 方法 供試動物 LD50(mg/kg)

急性毒性 経口 ラット ♂:870 ♀:580経皮 ラット ♂♀:>5000

特殊毒性 急性皮膚刺激 ウサギ 軽度の皮膚刺激性皮膚感作 モルモット 誘導されない急性眼刺激 ウサギ 非刺激性

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フロントライン

プラスの安全性

2.犬におけるフロントライン プラス ドッグの安全性⑴反復投薬安全性試験<目  的> フロントライン プラス ドッグを最大推奨投薬量の1倍、3倍および 5 倍量で犬に投薬した場合の安全性を評価すること。<試験機関> Covance Laboratories(イギリス)<供試動物> 初回投薬時 56±4日齢(体重 1.17~ 3.13kg)のビーグル犬の子犬 48 頭。<方  法> 子犬は無作為に12 頭ずつ 4 群(各群雌雄各 6頭)に区分し、それぞれ無投薬対照と最大推奨投薬量の1、3および 5 倍量投薬群とし、約1ヵ月間隔で計 6回投薬した。3倍量および 5倍量投薬群では、3および 5箇所に分けて皮膚上に投薬した。投薬部位の皮膚反応に重点をおいた臨床観察、体重測定、体温測定、血液検査、血清生化学および病理組織検査を実施し、統計解析を行った。

<結  果>各群ともに、投薬に関連する臨床所見、血液検査所見、血清生化学検査所見、肉眼的および顕微鏡的所見、皮膚病理組織学的所見のいずれも認められなかった。以上の結果から、フロントライン プラス ドッグの犬に対する高い安全性が確認された。

群 投薬量投薬レベル 投薬時の

滴下場所数動物

(mL/kg 体重 ) 雄 雌1 0 対照(無投薬) 0 6 62 1x 0.133 1 6 63 3x 0.399 3 6 64 5x 0.665 5 6 6

試験群

投薬後における安全性の評価項目及び日程

項 目 日 程投薬 1、29、57、85、113 および141日目

臨床観察 皮膚、眼、筋肉、消化器、一般行動各投薬後 6時間迄に1時間毎および各投薬約 2、4、8、15、22日後

血液検査血液一般検査、網状赤血球指数、プロトロンビン時間等 各投薬日および各投薬約 2週間後

血清生化学検査BUN, クレアチニン、AST、ALT、ALP、総ビリルビン、 総蛋白、グルコース、電解質等

病理組織検査 155日目

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―7―

フロントライン

プラスの安全性

⑵繁殖犬に対する安全性試験<目  的> フロントライン プラス ドッグを最大推奨投薬量およびその3倍量で投薬した際の妊娠及び授乳中の雌成犬における安全性を確認すること。<試験機関> White Eagle Toxicology Laboratories(米国)<供試動物> 2.0 ~ 7.8 歳齢(体重 8.4 ~14.7kg)のビーグル犬 46 頭(雌 36 頭、雄 10 頭)<方  法> 雌犬 36 頭を体重および産歴を基に 3頭ずつ12 区に割り付け、無作為に12 頭ずつ3群に区分した。雄犬は無作為に1~10の番号を付け、雌犬が発情する度に雄犬を番号順に交配させた。雄犬には投薬はしなかった。各試験群の雌犬には、無投薬対照あるいは最大推奨投薬量の1および 3倍量を、初回投薬日を 0日とし、以後交配するまで 28日間隔で投薬した。その結果、雌犬には交配前に1~ 7回の投薬が行われた。さらに雌犬には、初回交配後 24 時間以内に投薬を実施し、その後離乳するまで 28日間隔で投薬した。

繁殖前に全ての雄犬の身体検査を実施し、雌犬の身体検査は、投薬前および試験終了時(分娩後 41から 43日)に実施した。子犬は分娩後 24 時間以内に身体検査を実施し、その後およそ2、4および6週齢時に検査を実施した。雌犬及び子犬の臨床観察は毎日記録した。

<結  果> 投薬と関連する臨床所見、身体検査所見のいずれも認められなかった。以上の結果から、フロントライン プラス ドッグを、最大推奨投薬量の1倍およびその3倍量で繁殖、妊娠および授乳期間中の雌犬に 28日間隔で投薬する際の安全性が確認された。

群 投薬量投薬レベル

(mL/kg 体重)投薬数(雌)

1 0 対照(無投薬) 122 1x 0.133 123 3x 0.399 12

試験群

初回投薬(0日目) 群 2および 3 のすべての雌犬に投薬。投薬後 6時間まで約1時間ごとの観察

初回投薬後28日間隔、ただし交配まで投薬前日又は投薬日の体重測定;群 2および 3 の投薬投薬後 6時間まで約1時間ごとの観察

初回交配日又は翌日 投薬量算出のための体重測定初回交配後1日目(約 24 時間後) 群 2および 3 の全雌犬への投薬。投薬後 6時間まで約1時間毎の観察。初回交配後28、56、84 および113日目(子犬が 42日齢に満たない場合)

投薬量算出のための雌犬の体重測定および投薬

初回交配後 42日目 雌犬の体重測定分娩後3日以内 分娩雌犬の体重測定分娩後24 時間以内 子犬の体重測定および身体検査 a);死亡子犬の体重測定および剖検分娩後13~15日目および27~29日目 子犬の体重測定および身体検査 a)

分娩後 41~ 43日目 子犬の体重測定および身体検査 a);試験終了a)身体検査項目:精神状態(行動、鬱状態)、平衡状態/調和(足どり、姿勢、運動失調)、目(瞳孔反射、眼振症、脅迫反射)、筋肉(一般状態)、外皮、投薬部位、胃腸(触診、嘔吐、下痢の有無)、心臓血管(心拍数、粘膜、不整脈、雑音の有無)、呼吸(呼吸数、呼吸音)、行動、食欲、体重、直腸温度、一般状態

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フロントライン

プラスの安全性

3. 猫におけるフロントライン プラス キャットの安全性⑴反復投薬安全性試験<目  的> フロントライン プラス キャットを最大推奨投薬量の1倍、3 倍および 5 倍量で猫に投薬した場合の安全性を評価すること。<試験機関> Biological Laboratories Europe Ltd.(アイルランド)<供試動物> 初回投薬時 52~ 59日齢(体重 0.5~ 0.9kg)のアメリカンショートヘアーの子猫 48頭<方  法> 子猫は無作為に12 頭ずつ 4 群(各群雌雄各 6頭)に区分し、それぞれに無投薬対照と最大推奨投薬量の1、3および 5 倍量投薬群とし、約1カ月間隔で計 6回投薬した。3倍量および 5倍量投薬群では、3および 5箇所に分けて皮膚上に投薬した。投薬部位の皮膚反応に重点をおいた臨床観察、体重測定、体温測定、血液検査、血清生化学および病理組織検査を実施し、統計解析を行った。

<結  果>各群ともに、投薬に関する臨床所見、血液検査所見、血清生化学検査所見、肉眼的および顕微鏡的所見、皮膚病理組織学的所見のいずれも認められなかった。以上の結果から、フロントライン プラス キャットの猫に対する高い安全性が確認された。

群 投薬量投薬レベル 投薬時の

滴下場所数動物

(mL/kg 体重 ) 雄 雌1 0 対照(無投薬) 0 6 62 1x 0.133 1 6 63 3x 0.399 3 6 64 5x 0.655 5 6 6

試験群

項 目 日 程投薬 1、29、57、85、113及び141日目

臨床観察 皮膚、眼、筋肉、消化器、一般行動各投薬後 6時間迄に1時間毎および各投薬約 2、4、8、15、22日後

血液検査血液一般検査、網状赤血球指数、プロトロンビン時間等

各投薬日および各投薬約 2週間後血清生化学検査

BUN, クレアチニン、AST、ALT、ALP、総ビリルビン、 総蛋白、グルコース、電解質等

病理組織検査 154日目

投薬後における安全性の評価項目及び日程

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フロントライン

プラスの安全性

⑵繁殖猫に対する安全性試験<目  的> フロントライン プラス キャットを最大推奨投薬量およびその3倍量で投薬した際の妊娠及び授乳中の雌成猫における安全性を確認すること。<試験機関> White Eagle Toxicology Laboratories(米国)<供試動物> 2~6歳齢(体重2.3~7.3kg)のドメスティックショートヘアー猫60頭(雌36頭、雄24頭)<方  法> 雌猫 36 頭を体重及び産歴を基に 3 頭ずつ12 区に割り付け、無作為に12 頭ずつ 3群に区分した。各区の雌猫には、繁殖単位を形成するために無作為に出生起源の異なる2 頭の雄猫を割り当て、雄猫には投薬はしなかった。各試験群の雌猫には、無投薬対照あるいは最大推奨投薬量の1および 3倍量を、初回投薬日を 0日とし、以後交配するまで 28日間隔で投薬した。その結果、雌猫には交配前に1~ 5回の投薬が行われた。さらに雌猫には、初回交配後 24 時間以内に投薬を実施し、その後離乳するまで 28日間隔で投薬した。再発情が認められた雌猫は、前述と同様に再び繁殖及び投薬を実施した。

繁殖前に全ての雄猫の身体検査を実施し、雌猫の身体検査は、投薬前および試験終了時(分娩後 41から 43日)に実施した。子猫は分娩後 24 時間以内に身体検査を実施し、その後およそ2、4および6週齢時に検査を実施した。雌猫および子猫の臨床観察は毎日記録した。

<結  果> 投薬に関連する臨床所見、身体検査所見のいずれも認められなかった。以上の結果から、フロントライン プラス キャットを、最大推奨投薬量の1倍およびその3倍量で繁殖、妊娠および授乳期間中の雌猫に 28日間隔で投薬する際の安全性が確認された。

群 投薬量投薬レベル

(mL/kg 体重)投薬数(雌)

1 0 対照(無投薬) 122 1x 0.133 123 3x 0.399 12

試験群

初回投薬(0日目) 群 2および 3 のすべての雌猫に投薬。投薬後 6時間まで約1時間ごとの観察

初回投薬後28日間隔、ただし交配まで投薬前の体重測定;群 2および 3 への投薬、投薬後 6時間まで約1時間ごとの観察

初回交配後1日目(約 24 時間後)投薬量算出のための体重測定。群 2および 3 の全雌猫への投薬。投薬後 6時間まで約1時間毎の観察

交配後28日間隔で離乳するまで 群 2および群 3 の全雌猫に投薬交配後 42日目 各雌猫の体重測定分娩後3日以内 各雌猫の体重測定分娩後24~ 48 時間 生存子猫の体重測定および身体検査 a);死亡子猫の体重測定および剖検分娩後14~15日目および26 ~28日目 子猫の体重測定および身体検査 a)

分娩後 42~ 44日目 雌猫および子猫の体重測定及び身体検査 a);試験終了a)身体検査項目:精神状態(行動、鬱状態)、平衡状態/調和(足どり、姿勢、運動失調)、目(瞳孔反射、眼振症、脅迫反射)、筋肉(一般状態)、外皮、投薬部位、胃腸(触診、嘔吐、下痢の有無)、心臓血管(心拍数、粘膜、不整脈、雑音の有無)、呼吸(呼吸数、呼吸音)、行動、食欲、体重、直腸温度、一般状態

投薬後における安全性の評価項目及び日程

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―10―

フロントライン

プラスの有効性

フロントライン プラスの有効性

1. フロントライン プラス ドッグ⑴ノミ成虫駆除に対する効果試験目  的:ネコノミ(Ctenocephalides felis)を人工寄生させた犬に、フロントライン プラス ドッグを投薬した際のネコノミに対する駆除効果を評価する。試験実施機関:Sinclair Research Center Inc.(米国)方  法:供試犬としてビーグル犬 16 頭を無投薬群(試験群 1)とフロントライン プラス ドッグ投薬群(試験群 2)に均等に分けた。

ノミ成虫駆除効果の評価:Day0 に試験群に投薬を行った。Day-1、8、29及びその後 Day57まで毎週、各供試犬に未吸血ネコノミ約100 匹を寄生させ、24 時間後に各供試犬に寄生しているノミ成虫を計測した。ノミ駆除率については次の式にて算出した。

ノミ駆除率(%) = 無投薬対照群の成虫数幾何平均値 - 投薬群の成虫数幾何平均値 

× 100           無投薬対照群の成虫数幾何平均値

結果と考察: フロントライン プラス ドッグを投薬した犬は、全ての計測時において無投薬対照群と比較して有意なノミ駆除効果(p<0.05、> 95%)が認められた。このことから、フロントライン プラス ドッグは優れたノミ駆除効果が少なくとも8週間持続することが確認された。

⑵ノミ成長ステージに対する抑制効果試験目  的:ネコノミ(Ctenocephalides felis)を人工寄生させた犬に、フロントライン プラス ドッグを投薬した際のネコノミの卵および成虫新生の抑制効果を評価する。試験実施機関:Young Veterinary Research Service(米国)方  法: 供試犬としてビーグル犬 32 頭を次の 4 群に均等に割り付けた。Day0 に 1回各製剤を外用投薬した。

試験群 1:無投薬対照試験群 2:フロントライン スポットオン ドッグ(10%フィプロニル)を最小推奨用量

である 0.067mL/kg の用量で投薬試験群 3:9%(S)- メトプレン溶液を最小推奨用量である 0.067mL/kg の用量で投薬試験群 4:フロントライン プラス ドッグ(10%フィプロニル、9%(S)- メトプレン)を

最小推奨用量である 0.067mL/kg の用量で投薬

1009080706050403020100 1 9 30 37

試験日44 51 58

フロントライン プラス

ノミ駆除率(%)

ノミ成虫駆除率

■対応外部寄生虫

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―11―

フロントライン

プラスの有効性

ノミ成長ステージに対する抑制効果の評価:Day1、22及びその後 Day85まで毎週未吸血ネコノミ約 200 匹を人工寄生させた。また、寄生後 3日目から約 24 時間かけて各供試動物から200 個を目標にノミ卵を採取した。採取した卵は、100 個ずつ標本1(25 個 x4 皿)と標本 2(25 個 x4 皿)に分けた。採卵が 200 個未満の場合は、標本1と標本 2に均等に配分した。標本1は投薬による幼虫孵化の抑制効果評価用、標本 2は成ノミ新生抑制効果用とし、発育に適切な環境下(温度 24~30℃、湿度 70 ~ 85%)で培養した。孵化幼虫は採卵から72 時間培養後に標本1のペトリ皿にて計測した。新生成ノミ数は採卵から35日後に標本 2のペトリ皿にて計測し、その際、蛹を切開し成ノミの発育状態を観察し、十分に発育しているものは新生成ノミとして加算した。ノミ卵の孵化抑制率、ノミ成虫新生阻止効果についてはそれぞれ次の式にて算出した。

ノミ卵の孵化抑制率(%) = 無投薬対照群卵孵化率 - 投薬群卵孵化率 

× 100         無投薬対照群卵孵化率

ノミ成虫新生阻止効果(%) = 無投薬対照群成虫新生率 - 投薬群成虫新生率 

× 100        無投薬対照群成虫新生率

結果と考察:フロントライン スポットオン ドッグ投薬群では、卵の孵化抑制およびノミ成虫新生抑制する効果が、6週後以降から成ノミ新生抑制効果が低値となった。しかし、フロントライン プラス ドッグ投薬群では、優れた卵孵化抑制効果(>90%)が8週間と、優れた成ノミ新生抑制効果(>90%)が 12 週間認められた。結論として、フロントライン プラス ドッグはノミの成長ステージに効果を及ぼし、犬に寄生するノミの成長ステージを阻害して12 週間にわたり優れた防除効果をもたらした。なお、本試験期間中に投薬に起因する有害事象は認められなかった。

1009080706050403020100 1 22 433629 50

人工寄生日57 64 71 78 85

フロントライン スポットオン

9%(S)メトプレン

フロントライン プラス

※36日まで、フロントライン スポットオンとフロントライン プラスは採卵可能なノミ卵無し ※36日まで、フロントライン スポットオンとフロントライン プラスは採卵可能なノミ卵無し

孵化抑制率(%)

1009080706050403020100 1 22 433629 50

人工寄生日57 64 71 78 85

フロントライン スポットオン

9%(S)メトプレン

フロントライン プラス

発育阻害率(%)

ノミ卵の孵化抑制率 新生成ノミの発育阻害率

■対応外部寄生虫

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―12―

フロントライン

プラスの有効性

⑶犬に自然に寄生したノミに対する国内臨床試験および使用成績調査

方  法:初回来院時にノミが寄生している犬に対してフロントライン プラス ドッグを用法用量通りに投薬。2日後、1カ月後、2カ月後および 3カ月後に寄生ノミ数を計測。

駆除率(%)= 投薬前の寄生数幾何平均値 - 投薬後の寄生数幾何平均値  

× 100          投薬前の寄生数幾何平均値

結  果:初回来院時の各供試犬のノミ寄生数は 5~ 50 匹以上で、ノミ駆除率は国内臨床試験および使用成績調査共に投薬 2日後で 96%以上、その後の全ての来院時においては 98%以上であった。以上のことから、フロントライン プラス ドッグは犬に寄生するノミを駆除し、少なくとも3カ月間ノミの再寄生を防除することが臨床の場で確認された。

⑷マダニ駆除に対する効果試験目   的:マダニを人工寄生させた犬に、フロントライン プラス ドッグを投薬した際のマダニに対する駆除効果を評価する。試験実施機関:Sinclair Research Center Inc.(米国)方  法: 供試犬としてビーグル犬 16 頭を8 頭ずつ、無投薬群とフロントライン プラス ドッグ投薬群に無作為に割り付けた。投薬はDay0 に外用投薬した。マダニは、Day7、14、21、28及び 35に、各供試犬に未吸血のクリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus) 及びアメリカイヌカクマダニ(Dermacentor variabilis)をそれぞれ約 50 匹ずつ寄生させ、48 時間後に寄生マダニを種別に計測し、除去した。

マダニ駆除率(%) = 無投薬対照群の虫体数幾何平均値 - 投薬群の虫体数幾何平均値 

× 100         無投薬対照群の虫体数幾何平均値

上市前の国内臨床試験(GCP 準拠)実 施 時 期:上市前の2001年~2002 年試験実施施設:国内の動物病院供   試 犬:67 頭

使用成績調査(GPSP 準拠)実 施 時 期:上市後の2004 年~2009 年試験実施施設:国内の動物病院供 試 犬:65 頭

1009080706050403020100 2日後 1ヶ月後 2ヶ月後 3ヶ月後

96.296.296.2 99.899.899.8 98.998.998.9 100100100 98.598.598.5 99.499.499.4 98.898.898.8 99.999.999.9

国内臨床試験使用成績調査

ノミ成虫駆除率(%)

ノミ成虫駆除率

■対応外部寄生虫

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―13―

フロントライン

プラスの有効性

結果と考察:フロントライン プラス ドッグを投薬した犬は対照群と比較して全ての計測時点において両マダニ数が有意に少なかった(P<0.01)。有効性はDay9において100%でありDay37においても95%以上であった。フロントライン プラス ドッグは犬に寄生するマダニに対して優れた駆除効果を有すると共にマダニの再寄生を投薬後少なくとも5週間防除することが確認された。なお、本試験期間中に投薬に起因する有害事象は認められなかった。

⑸犬に自然に寄生したマダニに対する国内臨床試験および使用成績調査

方  法:初回来院時にマダニが寄生している犬に対してフロントライン プラス ドッグを用法用量通りに投薬。2日後、1カ月後に寄生マダニ数を計測。

駆除率(%)= 投薬前の寄生数幾何平均値 - 投薬後の寄生数幾何平均値 

× 100         投薬前の寄生数幾何平均値

結  果:初回来院時の各犬のマダニ寄生数は1~ 50 匹以上で、マダニ駆除率は国内臨床試験および使用成績調査共に投薬 2日後で 95%以上、1カ月後の来院時においては 97%以上であった。以上のことから、フロントライン プラス ドッグは犬に寄生するマダニを駆除し、少なくとも1カ月間マダニの再寄生を防除することが臨床の場で確認された。

1009080706050403020100 1 2 3

投薬後週齢4 5

100100100 100100100 99.499.499.4 100100100 99.499.499.4 99.699.699.6 97.997.997.9 97.797.797.7 97.997.997.9 98.198.198.1

クリイロコイタマダニアメリカイヌカクマダニ

マダニ駆除率(%)

対照群と比較した際のマダニ駆除率

上市前の国内臨床試験(GCP 準拠)実 施 時 期:上市前の2001年~2002 年試験実施施設:国内の動物病院供 試 犬:62 頭

使用成績調査(GPSP 準拠)実 施 時 期:上市後の2004 年~2009 年試験実施施設:国内の動物病院供 試 犬:94 頭

10090807060

% 50403020100 2日後 1ヶ月後

95.195.195.1 97.497.497.4 97.497.497.4100100100

国内臨床試験使用成績調査

マダニ駆除率

■対応外部寄生虫

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―14―

フロントライン

プラスの有効性

⑹犬に自然に寄生したシラミ・ハジラミに対する国内臨床試験および使用成績調査

方  法:初回来院時にシラミあるいはハジラミが寄生していた犬に対してフロントライン プラス ドッグを用法用量通りに投薬。2日後、1カ月後に寄生シラミあるいはハジラミ数を計測。

駆除率(%)= 投薬前の寄生数幾何平均値 - 投薬後の寄生数幾何平均値  

× 100         投薬前の寄生数幾何平均値

結  果:初回来院時の各供試犬のシラミ・ハジラミ寄生数は 5~ 50 匹以上で、駆除率は国内臨床試験および使用成績調査共に投薬 2日後で 99%以上、1カ月後の来院時においては100%であった。以上のことから、フロントライン プラス ドッグは犬に寄生するシラミ・ハジラミを駆除し、少なくとも1カ月間シラミ・ハジラミの再寄生を防除することが臨床の場で確認された。

上市前の国内臨床試験(GCP 準拠)実 施 時 期:上市前の2001年~2002年試験実施施設:国内の動物病院供   試 犬:86 頭

使用成績調査(GPSP 準拠)実 施 時 期:効能追加後の2005年~2009年試験実施施設:国内の動物病院供 試 犬:39 頭

10090807060

% 50403020100 2日後 1ヶ月後

国内臨床試験使用成績調査

99.999.999.9 100100100 100100100 100100100

■対応外部寄生虫

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―15―

フロントライン

プラスの有効性

2.フロントライン プラス キャット⑴ノミ成虫駆除効果試験目  的:ネコノミ(Ctenocephalides felis)を人工寄生させた猫に、フロントライン プラス キャットを投薬した際のネコノミに対する成虫駆除効果を評価する。試験実施機関:Sinclair Research Center(米国)方  法:供試猫として短毛種猫 16 頭を次の 4 群に均等に割り付けた。 試験群 1:無投薬対照群 試験群 2:フロントライン プラス キャット投薬群Day0 に試験群 2には 0.5mL のフロントライン プラス キャットを1回外用投薬した。

ノミ成虫駆除効果の評価:各群の供試猫にDay-1, 7, 21及びその後 Day56 まで 1週間毎にノミ約100 匹を人工寄生させ、24 時間後に各供試猫に寄生しているノミ成虫を計測し除去した。ノミ駆除率については次の式にて算出した。

ノミ駆除率(%) = 無投薬対照群の成虫数幾何平均値 - 投薬群の成虫数幾何平均値 

× 100            無投薬対照群の成虫数幾何平均値

結果と考察:フロントライン プラス キャット投薬群は、投薬後 5 週間にわたり猫に寄生したノミに対して優れた効果(>95%)が認められた。結論として、フロントライン プラス キャットは猫に寄生する成ノミに対して5週間にわたり優れたノミ駆除効果をもたらした。なお、本試験期間中に投薬に起因する有害事象は認められなかった。

⑵ノミ成長ステージに対する抑制効果試験目  的:ネコノミ(Ctenocephalides felis)を人工寄生した猫に、フロントライン プラス キャットを投薬した際のネコノミ卵と成虫新生の抑制効果を評価する。試験実施機関:Young Veterinary Research Service(米国)方  法:供試猫として短毛種猫 32 頭を次の 4 群に均等に割り付けた。Day0 に試験群 2,3,4 には各

製剤 0.5mL を1回外用投薬した。 試験群 1:無投薬対照群 試験群 2:フロントライン スポットオン キャット(10%フィプロニル)投薬群 試験群 3:12% (S)-メトプレン溶液投薬群 試験群 4:フロントライン プラス キャット(10%フィプロニル、12% (S)-メトプレン)投薬群  

10090807060

% 50403020100 1 8 22 29

人工寄生日36 43 50 57

フロントライン プラス

成虫駆除率

■対応外部寄生虫

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―16―

フロントライン

プラスの有効性

ノミ成長ステージに対する抑制効果の評価:Day1、22及びその後 Day57まで毎週ノミ約 200 匹を人工寄生させた。また、寄生後 3日目から約 24 時間かけて各供試動物から200 個を目標にノミ卵を採取した。採取した卵は、100 個ずつ標本 1(25 個x4皿)と標本 2(25 個x4皿)に分けた。採卵が 200 個未満の場合は、標本1と標本 2に均等に配分した。標本1は投薬による幼虫孵化の抑制効果評価用、標本 2は成ノミ新生抑制効果用とし、発育に適切な環境下(温度 24~ 30℃、湿度 70 ~85%)で培養した。孵化幼虫は採卵から72 時間培養後に標本1のペトリ皿にて計測した。新生成ノミ数は採卵から35日後に標本 2のペトリ皿にて計測し、その際、蛹を切開し成ノミの発育状態を観察し、十分に発育しているものは新生成ノミとして加算した。ノミ卵の孵化抑制率、ノミ成虫新生阻止効果についてはそれぞれ次ぎの式にて算出した。

ノミ卵の孵化抑制率(%) = 無投薬対照群卵孵化率 - 投薬群卵孵化率 

× 100        無投薬対照群卵孵化率

ノミ成虫新生阻止効果(%) = 無投薬対照群成虫新生率 - 投薬群成虫新生率 

× 100        無投薬対照群成虫新生率

結果と考察:フロントライン スポットオン キャット投薬群では、卵の孵化抑制およびノミ成虫新生抑制する効果が投薬後 4週間持続したが、5週後以降から卵孵化および成ノミ新生が認められた。しかし、フロントライン プラス キャット投薬群では、優れた卵孵化抑制効果(>90%)及び優れた成ノミ新生抑制効果(>90%)が 6週間認められた。結論として、フロントライン プラス キャットはノミのライフサイクル全ステージに効果を及ぼし、猫に寄生する成ノミに対する駆除効果とノミの成長ステージを阻害して6週間にわたり優れた総合的なノミ駆除 /防除効果をもたらした。なお、本試験期間中に投薬に起因する有害事象は認められなかった。

10090807060

% 50403020100 1 22 433629 50

人工寄生日57

フロントライン スポットオン

12%(S)メトプレン

フロントライン プラス

※36日まで、フロントライン スポットオンとフロントライン プラスは採卵可能なノミ卵無し ※36日まで、フロントライン スポットオンとフロントライン プラスは採卵可能なノミ卵無し

10090807060

% 50403020100 1 22 433629 50

人工寄生日57

フロントライン スポットオン

12%(S)メトプレン

フロントライン プラス

ノミ卵の孵化抑制率 新生成ノミの発育阻害率

■対応外部寄生虫

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フロントライン

プラスの有効性

⑶猫に自然に寄生したノミに対する国内臨床試験および使用成績調査

方  法:初回来院時にノミが寄生していた猫に対してフロントライン プラス キャットを用法用量通りに投薬。2日後、1カ月後および 2カ月後に寄生ノミ数を計測。

駆除率(%)= 投薬前の寄生数幾何平均値-投薬後の寄生数幾何平均値 

× 100       投薬前の寄生数幾何平均値

結  果:初回来院時の各猫のノミ寄生数は 5匹以上で、ノミ駆除率は国内臨床試験および使用成績調査共に投薬 2日後で 98%以上、その後の全ての来院時においては 96%以上であった。以上のことから、フロントライン プラス キャットは猫に寄生するノミを駆除し、少なくとも2カ月間ノミの再寄生を防除することが臨床の場で確認された。

⑷猫に自然に寄生したマダニに対する国内臨床試験および使用成績調査

方  法:初回来院時にマダニが寄生していた猫に対してフロントライン プラス キャットを用法用量通りに投薬。2日後、1カ月後に寄生マダニ数を計測。

マダニ駆除率(%)= 投薬前の寄生数幾何平均値-投薬後の寄生数幾何平均値 

× 100          投薬前の寄生数幾何平均値

上市前の国内臨床試験(GCP 準拠)実 施 時 期:上市前の2001年~2002 年試験実施施設:国内の動物病院供 試 猫:67 頭

使用成績調査(GPSP 準拠)実 施 時 期:上市後の2004 年~2009 年試験実施施設:国内の動物病院供 試 猫:80 頭

10090807060

% 50403020100 2日後 1ヶ月後 2ヶ月後

96.196.196.199.499.499.4

96969610010010098.398.398.3 99.899.899.8

国内臨床試験使用成績調査

ノミ成虫駆除率

上市前の国内臨床試験(GCP 準拠)実 施 時 期:上市前の2001年~2002年試験実施施設:国内の動物病院供 試 猫:88 頭

使用成績調査(GPSP 準拠)実 施 時 期:効能追加後の2005年~2009年試験実施施設:国内の動物病院供 試 猫:46 頭

■対応外部寄生虫

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フロントライン

プラスの有効性

結  果:初回来院時の各猫のマダニ寄生数は1匹以上で、マダニ駆除率は国内臨床試験および使用成績調査共に投薬 2日後で 96%以上、1カ月後においては 98%以上であった。以上のことから、フロントライン プラス キャットは猫に寄生するマダニを駆除し、少なくとも1カ月間マダニの再寄生を防除することが臨床の場で確認された。

⑸猫に自然に寄生したハジラミに対する国内臨床試験および使用成績調査

投  薬:初回来院時にハジラミが寄生していた猫に対してフロントライン プラス キャットを用法用量通りに投薬計  測:2日後、1カ月後

駆除率(%)= 投薬前の寄生数幾何平均値-投薬後の寄生数幾何平均値 

× 100        投薬前の寄生数幾何平均値

結  果:初回来院時の各猫のハジラミ寄生数は 5匹以上で、ハジラミ駆除率は国内臨床試験および使用成績調査共に投薬 2日後で 96%以上、1カ月後においては 98%以上であった。以上のことから、フロントライン プラス キャットは猫に寄生するハジラミを駆除し、少なくとも1カ月間ハジラミの再寄生を防除することが臨床の場で確認された。

10090807060

% 50403020100 2日後 1ヶ月後

96.196.196.197.597.597.5 98.898.898.8 989898

国内臨床試験使用成績調査

上市前の国内臨床試験(GCP 準拠)実 施 時 期:上市前の2001年~2002年試験実施施設:国内の動物病院供 試 猫:99 頭

使用成績調査(GPSP 準拠)実 施 時 期:効能追加後の2005年~2009年試験実施施設:国内の動物病院供 試 猫:120 頭

10090807060

% 50403020100 2日後 1ヶ月後

98.498.498.4 999999 100100100 99.999.999.9

国内臨床試験使用成績調査

■対応外部寄生虫

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製品情報

特長

フェニルピラゾール系のフィプロニルというノミ・マダニ・シラミ・ハジラミ駆除成分と昆虫成長抑制剤の(S)-メトプレンを含有します。

寄生するノミ成虫を24時間以内に、マダニを48時間以内に、シラミ・ハジラミを48時間以内にほぼ100%駆除します。

新配合の(S)‐メトプレンは、ノミの卵の孵化と幼虫からサナギへの変態を阻害することにより、犬へのノミ寄生を予防します。

優れたノミ駆除および寄生予防効果は約1~3カ月間、マダニ駆除効果は約1カ月間持続します。(適切な投与間隔については獣医師に相談してください。)

シャンプーや水浴をしても効果にはほとんど影響しません。

8週齢以上の子犬(体重制限なし)から使用できます。

肩甲骨の間に滴下するだけの簡単投与です。

世界113ヵ国以上で愛用される、信頼のブランドです。

フェニルピラゾール系のフィプロニルというノミ・マダニ・ハジラミ駆除成分と昆虫成長抑制剤の(S)-メトプレンを含有します。

寄生するノミ成虫を24時間以内に、マダニを48時間以内に、ハジラミを48時間以内にほぼ100%駆除します。

新配合の(S)‐メトプレンは、ノミの卵の孵化と幼虫からサナギへの変態を阻害することにより、猫へのノミ寄生を予防します。

ノミに対する優れた駆除および寄生予防効果は約1~1.5カ月間、マダニ駆除効果は約3週間持続します。(適切な投与間隔については獣医師に相談してください。)

シャンプーや水浴をしても効果にはほとんど影響しません。

8週齢以上の子猫(体重制限なし)から使用できます。

肩甲骨の間に滴下するだけの簡単投与です。

世界113ヵ国以上で愛用される、信頼のブランドです。

1

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10kg未満10~20kg未満20~40kg未満40~60kg未満

0.67mL入りピペット1.34mL入りピペット2.68mL入りピペット4.02mL入りピペット

1個全量1個全量1個全量1個全量

体 重 容量規格 ピペットの数

動物用医薬品 犬用ノミ駆除・寄生予防/マダニ・シラミ・ハジラミ駆除剤

動物用医薬品 猫用ノミ駆除・寄生予防/マダニ・ハジラミ駆除剤

[成分・分量] 1mL中 フィプロニル 100.0mg(S)-メトプレン 120.0mg[効能・効果]猫:ノミ、マダニ及びハジラミの駆除ノミ卵の孵化阻害及びノミ幼虫の変態阻害によるノミ寄生予防

[用法・用量]8週齢以上の猫の肩甲骨間背部の被毛を分け、皮膚上の1部位にピペット全量を滴下する。[使用上の注意][一般的注意]⑴本剤は効能・効果において定められた目的にのみ使用すること。⑵本剤は定められた用法・用量を厳守すること。⑶本剤は獣医師の指導の下で使用すること。(4)猫以外の動物には使用しないこと。特にウサギには使用しないこと。

[使用者に対する注意]⑴内容液を直接手で触らないこと。⑵喫煙や飲食をしながら投与しないこと。⑶本剤投与後、完全に乾くまでは投与部位に直接触れないこと。また、投与したことを知らない人も触れないように注意すること。特に小児が、投与した猫に触れないように注意すること。⑷内容液が皮膚に付着した場合は、まれに一過性の皮膚反応が起こることがあるので、使用後は石けんで、手をよく洗うこと。⑸もし、誤って目に入った場合は直ちに流水中で洗い流すこと。刺激が続くような場合は、眼科医の診察を受けること。⑹誤って薬剤を飲み込んだ場合は、直ちに医師の診察を受けること。

[猫に対する注意]1制限事項⑴衰弱、高齢、妊娠中あるいは授乳中の猫には、慎重に投与する

こと。⑵本剤使用後2日間は、水浴あるいはシャンプーを控えることが望ましい。

2副作用⑴副作用が認められた場合には、速やかに獣医師の診察を受けること。⑵もし、動物が舐めた場合、溶媒の性状のため一過性の流涎が観察されることがある。そのため、滴下部位を他の動物が舐めないように注意すること。⑶まれに、他の外用殺虫剤と同様に本剤の使用後、個体差による一過性の過敏症(投与部位の刺激によるそう痒、発赤、脱毛)が起こることがある。もし、症状が持続または悪化する場合は、直ちに獣医師に相談すること。

3適用上の注意⑴本剤は外用以外に使用しないこと。⑵本剤は1回投与すると通常ノミに対し1~1.5カ月間、マダニに対し約3週間新規の寄生を防御することができる。更に本剤は、ノミの全ての発育ステージ(卵、幼虫、蛹)を最大6週間阻害する作用を有する。次回の投与は、これらの寄生虫を防御する期間を考慮して行うこと。

[取扱い上の注意]使用済みの容器等は、地方公共団体条例等に従い処分すること。[保管上の注意]⑴小児の手の届かないところに保管すること。⑵直射日光を避け、なるべく湿気の少ない涼しいところに保管すること。

特長

[成分・分量] 1mL中フィプロニル 100.0mg(S)-メトプレン 90.0mg[効能・効果]犬:ノミ、マダニ、シラミ及びハジラミの駆除ノミ卵の孵化阻害及びノミ幼虫の変態阻害によるノミ寄生予防

[用法・用量]8週齢以上の犬の肩甲骨間背部の被毛を分け、皮膚上の1部位に直接次のピペット全量を滴下する。

[使用上の注意][一般的注意]⑴本剤は効能・効果において定められた目的にのみ使用すること。⑵本剤は定められた用法・用量を厳守すること。⑶本剤は獣医師の指導の下で使用すること。⑷犬以外の動物には使用しないこと。特にウサギには使用しないこと。

[使用者に対する注意]⑴内容液を直接手で触らないこと。⑵喫煙や飲食をしながら投与しないこと。⑶本剤投与後、完全に乾くまでは投与部位に直接触れないこと。また、投与したことを知らない人も触れないように注意すること。特に小児が、投与した犬に触れないように注意すること。⑷内容液が皮膚に付着した場合は、まれに一過性の皮膚反応が起こることがあるので、使用後は石けんで、手をよく洗うこと。⑸もし、誤って目に入った場合は直ちに流水中で洗い流すこと。刺激が続くような場合は、眼科医の診察を受けること。⑹誤って薬剤を飲み込んだ場合は、

直ちに医師の診察を受けること。[犬に対する注意]1制限事項⑴衰弱、高齢、妊娠中あるいは授乳中の犬には、慎重に投与すること。⑵本剤使用後1日間は、水浴あるいはシャンプーを控えることが望ましい。

2副作用⑴副作用が認められた場合には、速やかに獣医師の診察を受けること。⑵もし、動物が舐めた場合、溶媒の性状のため一過性の流涎が観察されることがある。そのため、滴下部位を他の動物が舐めないように注意すること。⑶まれに、他の外用殺虫剤と同様に本剤の使用後、個体差による一過性の過敏症(投与部位の刺激によるそう痒、発赤、脱毛)が起こることがある。もし、症状が持続または悪化する場合は、直ちに獣医師に相談すること。

3適用上の注意⑴本剤は外用以外に使用しないこと。⑵本剤は1回投与すると通常ノミに対し1~3カ月間、マダニに対し約1カ月間新規の寄生を防御することができる。更に本剤は、ノミの全ての発育ステージ(卵、幼虫、蛹)を最大3カ月間阻害する作用を有する。

次回の投与は、これらの寄生虫を防御する期間を考慮して行うこと。[取扱い上の注意]使用済みの容器等は、地方公共団体条例等に従い処分すること。[保管上の注意]⑴小児の手の届かないところに保管すること。⑵直射日光を避け、なるべく湿気の少ない涼しいところに保管すること。

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―20―

総合的ノミ対策 ノミを住環境から完全に除去するためには総合的なノミ対策が必要

ノミのライフサイクル自体は単純のようにみえるが、環境中から取り除くことはなかなか難しい。ノミの再寄生を防止するためには、ノミのライフサイクルを断ち切って、さなぎへの成長を止めることが鍵となる。

住環境におけるノミ集団の動態

D0 D30 D60 D90

成虫

幼虫

さなぎ

何も対策しない場合の動態

ノミ発生源であるさなぎの急速な増加が起こる。卵から幼虫は早い世代交代を繰り返すが、ライフサイクルの中でもっとも弱いステージであり、死亡率が高い。さなぎの死亡率は低い上、6カ月~1年間生存可能であり、長期的なノミの再寄生の発生源である。

成虫駆除剤と IGR(昆虫成長抑制剤)の合剤(フロントライン プラス)を1回投与したときの動態

フロントライン プラスの成長駆除効果は少なくとも1カ月間続くため、寄生したノミは急速に殺虫され、さなぎの数は減少する。しかし、1カ月後からは数%のノミは産卵可能な24時間以上生存する可能性がある。フロントライン プラスの投与から60日間にわたって、さなぎの数は激しく減少するが、完全には消えない(ゼロにはならない)。投与を繰り返さないと、ノミのライフサイクルは再び回りだし、新しいノミが発生し、動物は再寄生を受ける。

D0 D30 D60 D90

成虫

幼虫

さなぎ

(S)-METHOPRENEFIPRONIL

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―21―

総合的ノミ対策

ノミ駆除剤を用いないと、ノミ成虫が殺虫されずに卵が増加し、幼虫は少しずつ増加する。また、再寄生の元になっているさなぎは指数的に増加する。

フロントライン プラスは、成虫駆除剤とIGRを含まれており、犬で約12 週間(3カ月間)、猫で約 6週間(1.5カ月間)ライフサイクルを遮断することができる。飼育しているすべての犬と猫に毎月1回フロントライン プラスを投与することにより住環境からノミをほぼ 100%除去することができる。

成虫駆除剤と IGR(昆虫成長抑制剤)の合剤(フロントライン プラス)を毎月1回、3回投与したときの動態

成虫

幼虫

さなぎ

フロントライン プラスを毎月投与することによってライフサイクルを遮断すれば、2~ 4 カ月以内に環境中からさなぎを排除でき、ノミの再寄生がおこらなくなる。定期的な投与だけが完全なノミ対策を実現できる。

D0 D30 D60

FIPRONIL(S)-METHOPRENE

D90

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引用資料

引用資料1. Ikeda T, et.al (2003): Fipronil Modulation of Glutamate-Induced Chloride Currents in Cockroach Thoracic Ganglion Neurons. Neurotoxicology 24: 807-815.

2. Zhao X, et.al (2004): Fipronil Is a Potent Open Channel Blocker of Glutamate-Activated Chloride Channels in Cockroach Neurons. J Pharmacol Exp Ther 310: 192-201.

3. Zhao X, et.al(2005): Sulfone Metabolite of Fipronil Blocks Gamma-Aminobutyric Acid- and Glutamate-Activated Chloride Channels in Mammalian and Insect Neurons. J Pharmacol Exp Ther 314: 363-373.

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