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〔国際課税〕 12 日(水) 令元.6.12

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Page 1: 説明資料 - Cabinet Office · 〔国際課税〕 令和元年6月12 日(水) 財務省 説明資料 令元.6.12 総23-1

〔 国 際 課 税 〕

令 和 元 年 6 月 12 日(水)

財 務 省

説 明 資 料

令 元 . 6 . 1 2

総 2 3 - 1

Page 2: 説明資料 - Cabinet Office · 〔国際課税〕 令和元年6月12 日(水) 財務省 説明資料 令元.6.12 総23-1

目 次

1.G20福岡 財務大臣・中央銀行総裁会議及び国際租税に関する大臣級シンポジウムについて

・G20財務大臣・中央銀行総裁会議とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・05

・2019年日本議長下のG20における招待国・機関・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・06

・日本議長下でのG20プライオリティ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・07

・G20日本議長下での国際租税アジェンダ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・08

・G20福岡 財務大臣・中央銀行総裁会議・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・09

・国際租税に関する大臣級シンポジウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

・国際租税に関する大臣級シンポジウム 開会挨拶(6月8日 於:福岡) ・・・・・・・・・・・・・・11

・国際租税に関する大臣級シンポジウム セッション1 主な発言(6月8日 於:福岡) ・・・・・・・12

・国際租税に関する大臣級シンポジウム セッション2 主な発言(6月8日 於:福岡) ・・・・・・・13

・アジア大洋州租税・金融犯罪調査アカデミー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

・OECD BEPSウェブサイトの改定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

・G20財務大臣・中央銀行総裁会議 共同声明(仮訳抜粋)(2019年6月8-9日 於 : 福岡)・・・・・16

2.租税回避及び脱税の対応

・「BEPSプロジェクト」について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18

・BEPS実施フェーズ(Inclusive framework on BEPS)参加国・地域(2016.7~) ・・・・・・・・・・・20

・【行動13】移転価格税制に係る文書化制度の整備:平成28年度税制改正・・・・・・・・・・・・・・・21

・日本との間における国別報告書の自動的情報交換の実施対象国・地域・・・・・・・・・・・・・・・・22

・BEPS防止措置実施条約の概要及び経緯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23

・BEPS防止措置実施条約の署名国・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24

・非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度(CRS) ・・・・・・・・・・・・・・・・25

・CRSに基づく自動的情報交換の実施時期に関するコミット状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26

・OECD・G20の「国際的に合意された税の透明性基準を満足に実施していない法域のリスト」について・・27

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目 次

3.経済の電子化に伴う課税上の課題に関する国際的な動向

・経済の電子化への課税上の対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29

・OECDを中心とした検討の経緯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30

・「経済の電子化に伴う課税上の課題に対するコンセンサスに基づく解決策の策定に向けた

作業計画」の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31

・長期的解決策に関する具体的提案の概要①・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32

・長期的解決策に関する具体的提案の概要②・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33

・長期的解決策に関する具体的提案の概要③・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34

・長期的解決策に関する具体的提案の概要④・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35

4.租税条約について

・租税条約の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37

・租税条約等交渉の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38

・我が国の租税条約ネットワーク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39

(参考資料)

・「経済の電子化に伴う課税上の課題に対するコンセンサスに基づいた解決策の策定に向けた

作業計画」の概要(詳細版)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41

・作業計画で示された今後検討すべき長期的解決策の論点及び担当部会・・・・・・・・・・・・・・・・42

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1.G20福岡 財務大臣・中央銀行総裁会議及び国際租税に関する大臣級シンポジウムについて

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G20財務大臣・中央銀行総裁会議とは

• アジア通貨危機等により、国際金融システムの議論を行うに際しては、G7に

加え、国際資本市場へのアクセスを有する主要な新興市場国の参加が必要

とされることが認識され、1999年6月のケルン・サミットにおけるG7財務大臣

会議において、G20財務大臣・中央銀行総裁会議の創設が合意された。

• こうして創設されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議は、国際金融システム

上重要な国々が、主要な国際経済問題について議論し、世界経済の安定的

かつ持続可能な成長の達成に向けて協力することを目的としたフォーラム。

• 2008年に、米国のサブプライム問題に端を発する世界的な金融混乱が実体

経済にまで波及し、世界経済の先行きに対する懸念が急速に高まる中で、

先進国・新興国双方の首脳により対応を議論する必要性が強く認識された。

• 2008年11月に第1回G20サミットが開催され、それ以来、サミットプロセスの

一環として、毎年G20財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されている。

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2019年日本議長下のG20における招待国・機関

G20参加国

• アルゼンチン • オーストラリア • ブラジル • カナダ

• 中国 • フランス • ドイツ • インド

• インドネシア • イタリア • 日本 • メキシコ

• 韓国 • ロシア • サウジアラビア • 南アフリカ

• トルコ • イギリス • アメリカ • 欧州連合

財務トラック招待国

• チリ • エジプト • オランダ • セネガル

• シンガポール • スペイン • スイス • タイ

• ベトナム

財務トラック招待国際機関

• アジア開発銀行(ADB)

• 国際決済銀行 (BIS)• 金融活動作業部会

(FATF)• 金融安定理事会

(FSB)

• グローバル・インフラストラクチャー・ハブ(GIH)

• 国際通貨基金(IMF)• 経済協力開発機構

(OECD)• 国際連合 (UN)

• 世界銀行(WB)

※下線部分は財務トラックでのみ招待の国・機関

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日本議長下でのG20プライオリティ

Ⅰ.世界経済-リスクと課題

(A) 世界経済リスクのサーベイランス

(B) グローバル・インバランス問題への対処

(C) 高齢化の課題・政策対応

Ⅱ.成長力強化のための具体的取組

(D) 質の高いインフラ投資

(E) 自然災害に対する強靭性の強化

(F) 途上国におけるUHC(Universal Health Coverage)ファイナンスの強化

(G) 低所得国における債務透明性の向上及び債務持続可能性の確保

Ⅲ.技術革新・グローバル化がもたらす経済社会の構造変化への対応

(H) 国際租税

(I) 金融市場の分断を回避する国際的な連携・協力

(J) 金融セクターにおける技術革新-機会と課題

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G20日本議長下での国際租税アジェンダ

世界規模で公正、持続可能、現代的な国際課税制度の構築が重要。そのためには国際協調が鍵であり、「BEPSプロジェクト」を主導してきた我が国として、国際的な議論及び政治的気運の維持に貢献する。

※BEPS: Base Erosion and Profit Shifting(税源浸食と利益移転)

・経済の電子化への対応: 2020年までの長期的解決策のとりまとめに向け、議論を進展

・BEPSへの対応: 「BEPSプロジェクト」の実施を促進するとともに、今後の課題について議論

・税の透明性: 税の情報交換に関する取組みを推進

・税と開発: 「税に関する協働のためのプラットフォーム」(PCT)を中心に、税に関する能力構築支援を強化

⇒これらを議論する大臣級シンポジウムを、6月8日(土)午前に開催

主な議論内容

G20福岡会合までの進展

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09:00‐10:30 セッション3 国際租税

ヒルトン福岡シーホーク

10:45‐12:00 セッション4 グローバルインバランス

12:00‐14:15 セッション5 高齢化と政策課題

14:15‐15:30 セッション6 インフラ投資

15:30‐17:00 セッション7 金融セクター

17:45‐18:30 議長国記者会見

2019年6⽉9⽇(⽇)

2019年6⽉8⽇(⼟)08:30‐11:45 国際租税に関する大臣級シンポジウム ヒルトン福岡シーホーク

12:30‐15:30 金融技術革新の活用にかかるハイレベルセミナー ヒルトン福岡シーホーク

13:00‐15:30 コーポレートガバナンスにかかるセミナー ヒルトン福岡シーホーク

G20財務大臣・中央銀行総裁会議

14:00‐15:30 セッション1 開発金融

(低所得国の債務問題等) ヒルトン福岡シーホーク

15:45‐17:30 セッション2 世界経済

18:00‐22:00 文化プログラム及び夕食会 舞鶴公園/福岡市美術館

G20福岡 財務大臣・中央銀行総裁会議

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2019年6月8日(土) 於:ヒルトン福岡シーホーク

8:30-8:45開会挨拶- 麻生副総理兼財務大臣

- グリアOECD事務総長

8:45-10:00 セッション1:経済の電子化に伴う課税上の課題[司会]グリアOECD事務総長[パネリスト]日・中・仏・尼・英・米の財務大臣

10:00-10:25 コーヒーブレーク

10:25-11:40セッション2:租税回避及び脱税への継続的な取組[司会]浅川財務官[パネリスト]亜・豪・独・印・南アの財務大臣等、グリアOECD事務総長

11:40-11:45 閉会挨拶- 浅川財務官

※シンポジウム終了後同会場にて、麻生大臣立ち会いの下、国税庁とOECDによるアジア大洋州租税・金融

犯罪調査アカデミー設立覚書署名式を開催

※日本の支援により、BEPSプロジェクトと税の情報交換に関する取組みを紹介する新たなOECD BEPSウェ

ブサイトを立ち上げ( www.oecd.org/tax/beps )

国際租税に関する大臣級シンポジウム

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麻生大臣

麻生大臣の開会挨拶全文(英): https://www.g20fukuoka2019.mof.go.jp/ja/meetings/pdf/20190608_2.pdf

グリアOECD事務総長

○ 近年の税の透明性への取組みに大きな進展があり成果が上がっている。IF加盟国も129か国となり、多国籍企業への税逃れに対する対応策の取組みも継続。

○ 経済の電子化に伴う課税上の課題が現在のプライオリティ。ここにいる大臣のリーダーシップが共通の合意に向けて必要。当シンポジウムは今までの功績を正しく評価し、2020年までの解決策の策定に向け、我々の関係を深めるのに適切な機会である。

○ 国際課税はG20の成功例であるが、課題も残る。経済の電子化に伴う課税上の課題について、BEPS包摂的枠組み(IF)では、作業計画が合意されたところ。

○ BEPSプロジェクトは最終報告書から3年以上経過し執行の段階。税の情報交換も大きく前進。今こそ、これまでの成果を振り返り、今後の課題は何かを考える良い機会。

国際租税に関する大臣級シンポジウム 開会挨拶(6月8日 於:福岡)

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国際租税に関する大臣級シンポジウム セッション1 主な発言 (6月8日 於:福岡)

○ 経済の電子化に対応するため、国際課税原則の現代化、及び多国間でのアプローチが必須。

○ 解決策の1つ目の柱は、オンライン広告等の新たなビジネスモデルに対応する必要。電子化の影響以上に国際課税原則を見直せば経済に負の影響がありうるため、新たな課税権の対象は適切に制限すべき。2つ目の柱に関し、「底辺への競争」に以前から強い問題意識。日本は、2つの柱からなる解決策を支持。

○ 合意に向けて、電子化の影響は切り分けが難しいと認識の下、既存の国際課税制度と両立し、紛争防止・解決メカニズムを強化した、ルール変更で大きな負の影響を受ける国がない仕組みが必要。政治的な関与による後押しも必要。

Q1: 経済の電子化に伴う課税上の課題に対処するために考慮すべき事項とは?作業計画にて提案されているアプローチを、どう評価するか?

Q2: 経済の電子化に伴う課税上の課題に対して、どうすれば最も効果的に対処することができるか?解決策についてコンセンサスを得るための条件とは何か?

○ 2つの柱からなる解決策を支持。効果的な執行のため、支援と実施状況のモニタリング等も検討すべき。

○ 解決策が合意できれば国内で検討中の暫定的措置は取り下げる。2つの柱について国際合意を急ぐべき。

○ 高度に電子化されたビジネスが創造した価値は既存の国際課税原則で適切に課税されていない。作業計画の合意を歓迎し、価値の創造された場所で課税すべきという考え方を支持。

○ 一方的な措置の動きを懸念。合意に向け、政治的なガイダンス、妥協の精神等が必要。合意の時期が重要であり、特定の産業に差別的な措置に反対。また簡素で運用可能な手法である必要。

○ デジタル経済の成長は各国の税収に反映されていない。2つの柱からなる解決策はこの問題に対処できると期待。提案の明確化と、例えば、重要な(経済的)存在の基準等の技術的検討が必要。

麻生大臣

各国のパネリスト

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○ 2017年にBEPS合意に基づいた税制改革を行い財政収支が黒字化。引き続きBEPS合意を着実に実施していく必要。途上国へのキャパシティ支援も重要。

○ BEPSプロジェクトはG20の合意を着実に合意することが必要。経済の電子化に伴う課題についても、コンセンサスに基づく解決策に向けた作業を支持。

○ BEPSプロジェクトは成功を収めてきたが、国際課税制度にまだ抜け穴がある。ミニマム課税の導入を支持しており、2つの柱からなる解決策での合意が重要。

○ G20とOECDの共同作業は多国間枠組みの成功例となるもの。経済の電子化については、1つ目の柱の重要な経済的存在の考え方を支持。

○ 効果的な納税・徴収制度が鍵となる。IFについては2020年以降も続けるべき。情報交換に関するグローバルフォーラムも重要。

Q1: BEPSプロジェクト及び税の透明性に係る措置の功績についてどう見ているか。これらの措置の今までの執行運用状況についてどのように評価しているか?

Q2: 2020年以降のBEPSプロジェクト及びBEPS包摂的枠組み(IF)の今後をどう見ているか?国際課税で今後議論すべき一番重要な論点は何だと考えるか?

国際租税に関する大臣級シンポジウム セッション2 主な発言 (6月8日 於:福岡)

各国のパネリスト

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Page 14: 説明資料 - Cabinet Office · 〔国際課税〕 令和元年6月12 日(水) 財務省 説明資料 令元.6.12 総23-1

アジア大洋州租税・金融犯罪調査アカデミー

○ アジア大洋州の税務職員向けに、租税犯罪等に対する調査手法の研修を実施するため、

OECDとともに、税務大学校和光校舎(埼玉県和光市)に開設。先進国の税務職員や

OECD職員等を講師として、毎年3回程度の研修を実施。

○ 第1回の研修を2019年5月13-22日に実施。消費税の不正をテーマに、7か国から17名

が参加。

○ 2019年6月8日、G20財務大臣・中央銀行総裁会議(於:福岡)の機会に、麻生財務大臣

立ち会いの上、国税庁とOECDによる設立覚書の署名式を実施。

地域 開催地 開講年

欧州 イタリア 2013年

アフリカ ケニア 2017年

南米 アルゼンチン 2018年

アジア・大洋州 日本 2019年

(参考)各地域での開講状況

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OECD BEPSウェブサイトの改定

○ BEPSプロジェクトと税の情報交換に関する取組みの普及を目的として、日本の支援によ

り、G20財務大臣・中央銀行総裁会議(於:福岡)の機会に新たなOECDウェブサイトを立ち

上げ。

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G20財務大臣・中央銀行総裁会議 共同声明 (仮訳抜粋)(2019年6月8-9日 於 : 福岡)

11. 我々は、世界規模で公正、持続可能かつ現代的な国際課税システムのための協力を継続するとともに、

成長志向の租税政策を推進するための国際協力を歓迎する。我々は、G20/OECD「税源浸食と利益移転

(BEPS)」パッケージの世界的な実施及び税の安定性向上の重要性を再確認する。我々は、経済の電子化

に伴う課税上の課題への対応に関する最近の進捗を歓迎し、BEPS包摂的枠組みによって策定された、2つ

の柱からなる野心的な作業計画を承認する。我々は、2020年までの最終報告書によるコンセンサスに基づ

く解決策のための取組を更に強化する。我々は、税に関する金融口座情報の自動的交換の進捗を含む税

の透明性に関する最近の成果を歓迎する。我々はまた、国際的に合意された税の透明性基準を満足に実

施していない法域の更新されたリストを歓迎する。我々は、強化されたすべての基準を考慮した、OECDに

よるリストの更なる更新を期待する。リストに載った法域に対しては、防御的措置が検討される。この点にお

いて、我々は利用可能な措置を列挙した2015年のOECD報告書を想起する。我々は、全ての法域に対し多

国間税務行政執行共助条約への署名及び批准を求める。我々は引き続き、「税に関する協働のためのプラ

ットフォーム(PCT)」を通じた協調や、中期歳入戦略に関する経験の活用、能力が限られた国々における国

内資金動員を支援する各国の状況に合わせた努力等により、開発途上国における税に関する能力構築支

援を支持する。我々はPCTの最初の進捗報告書及び日本における「アジア大洋州租税・金融犯罪調査アカ

デミー」を歓迎する。

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2.租税回避及び脱税への対応

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Page 18: 説明資料 - Cabinet Office · 〔国際課税〕 令和元年6月12 日(水) 財務省 説明資料 令元.6.12 総23-1

○ BEPSプロジェクトとは(BEPS:Base Erosion and Profit Shifting)・ BEPSプロジェクトは、公正な競争条件(Level Playing Field)の確保という考え方の下、多国籍企業が課税所得を人為的に操作し、課税逃れを行うこと(BEPS)がないよう、国際課税ルール全体を見直し、世界経済並びに企業行動の実態に即したものとするとともに、各国政府・グローバル企業の透明性を高めることを目指すプロジェクト。

○ 背景・ グローバルな経済活動、ローカルな課税: 企業が調達・生産・販売・管理等の拠点をグローバルに展開し、電子商取引も急増するなど、グローバルなビジネスモデルの構造変化が進む中、この構造変化に各国の税制や国際課税ルールが追いつかず、多国籍企業の活動実態とルールの間にずれが生じていた(二重非課税という課題の重要化)。・ 負担の公平性: 各国がリーマンショック後に財政状況を悪化させ、より多くの国民負担を求める中、多国籍企業の課税逃れに対する批判が高まった。

○ 経緯・ 2012年6月、OECD租税委員会(当時の議長:浅川財務官)が本プロジェクトを立ち上げ。・ G20財務大臣からの要請も受け、2013年7月には、「BEPS行動計画」を公表。行動計画の実施に当たり、OECD非加盟のG20メンバー8カ国(中国、インド、南アフリカ、ブラジル、ロシア、アルゼンチン、サウジアラビア、インドネシア)も議論に参加。・ 2014年9月に、「第一弾報告書」、2015年10月には「最終報告書」を公表。11月のG20サミットにも報告し、首脳からは、支持とともに、合意事項を着実に実施するよう強い要請があった。・ 2016年6月末に、京都において、BEPS合意事項を実施に移すための「BEPS包摂的枠組み」を立ち上げ、参加国を大幅に拡大。(現在129カ国)

「BEPSプロジェクト」について

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A. グローバル企業は払うべき(価値が創造される)ところで税金を支払うべき 〔実質性〕

(企業が調達・生産・販売・管理等の拠点をグローバルに展開し、グループ内取引を通じた租税回避のリスクが高まる中、経済活動の実態に即した課税を重視するルールを策定)

B. 各国政府・グローバル企業の活動に関する透明性向上 〔透明性〕

(グローバル企業の活動・納税実態の把握のための各国間の情報共有等の協調枠組みを構築 等)

「BEPSプロジェクト」の三本柱

○ 現在の取組(BEPS実施フェーズ)

・ BEPS実施フェーズにおける取組として、現在以下の主要課題に対処。① 各国による合意事項の実施状況のモニタリング ⇒ BEPS包摂的枠組みの下、各作業部会に

おけるモニタリング方法等について議論。② 残された課題についての、継続検討 ⇒ BEPS包摂的枠組みの下、各作業部会で議論を継続。③ 開発途上国を含む幅広い国と関係機関が協調する枠組み(技術支援等を含む)の構築

⇒ IMF、OECD、国連、世銀等の国際機関並びに先進国及び開発途上国の協調の場としての「税に関する協働のためのプラットフォーム」の設置

・ 上記の取組みはG7・G20等で主要議題として取り上げられてきており、日本としても、2016年のG7議長国や2019年のG20議長国として、各国との協調をリード。

C. 企業の不確実性の排除 〔予見可能性〕

(租税に係る紛争について、より効果的な紛争解決手続きを構築するとともに、BEPSプロジェクトの合意の迅速な実施を確保)

「BEPSプロジェクト」について

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Page 20: 説明資料 - Cabinet Office · 〔国際課税〕 令和元年6月12 日(水) 財務省 説明資料 令元.6.12 総23-1

BEPS実施フェーズ(Inclusive framework on BEPS)参加国・地域(2016.7~)

注1:メンバー国・地域は、対等な立場(equal footing)で議論・議決に参加し、合意事項全体にコミットする。ただし、新たに加わった途上国等が合意事項を実施するタイミングについては、従来から参加している国とは異なることが許容されている。

注2:下線はBEPS包摂的枠組運営会合メンバー(2019年)の出身国を、◎は議長出身国を、●は議長代理出身国をそれぞれ指す。

(2019年3月6日現在)

アルゼンチン

オーストラリア カナダ ブラジル ベナン ブルネイ ブルガリア ブルキナファソ カメルーン

フランス ◎ドイツ インド コンゴ クロアチア キュラソー D.R.コンゴ エジプト

イタリア 日本 ●中国 ガボン ジョージア ガーンジー ハイチ 香港

英国 米国 インドネシア マン島 ジャージー ケニア リベリア リヒテンシュタイン

韓国 メキシコ ロシア マルタ モナコ ●ナイジェリア パキスタン パプアニューギニア

トルコ サウジアラビア パラグアイ ルーマニア サンマリノ セネガル シエラレオネ

南アフリカ シンガポール スリランカ ウルグアイ

ニュージーランド チリ コロンビア アンドラ アンゴラ ベリーズ バミューダ諸島 ボツワナ

ノルウェー アイスランド コスタリカ BVI ケイマン諸島 バルバドス コートジボワール ジブチ

イスラエル オランダ マカオ ジャマイカ タークス・カイコス カザフスタン マレーシア

ベルギー ルクセンブルク モーリシャス モンセラト パナマ ペルー セーシェル

フィンランド スウェーデン タイ ウクライナ ベトナム オマーン モルディヴ

オーストリア デンマーク カタール チュニジア トリニダード・トバコ

スペイン ポルトガル グレナダ バハマ諸島 ザンビア モンゴル セルビア

ギリシャ アイルランド アンギラ セントルシア バーレーン アラブ首長国連邦 北マケドニア

チェコ ハンガリー アルバ ドミニカ共和国 ドミニカ国 カーボべルデ クック諸島

ポーランド スロヴァキア モロッコ

エストニア スロベニア フェロー諸島 グリーンランド アルメニア

スイス ラトビア

リトアニア 計36カ国 計10カ国 計83カ国・地域

アンティグア・バーブーダ

メンバー国・地域  129カ国・地域

OECD非加盟国 = BEPS Associate従来から

参加していた国

【京都会合で参加】

【京都会合後に参加】

OECD加盟国京都会合及び会合後に参加した国・地域

セントクリストファー・ネイビス

セントビンセント及びグレナディーン諸島

G20メンバー

OECD加盟申請中

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Page 21: 説明資料 - Cabinet Office · 〔国際課税〕 令和元年6月12 日(水) 財務省 説明資料 令元.6.12 総23-1

BEPSプロジェクト

多国籍企業によるグループ内取引を通じた所得の海外移転に対して、移転価格税制を適切に運

用するため、経済界のコンプライアンス・コストに配慮しつつ、共通様式に基づいた多国籍企業

情報の報告等(移転価格に係る文書化)に関するルールを整備。

具体的には、多国籍企業グループに対して、①ローカルファイル、②マスターファイル、③国別報

告書(CbCR)の三種類の文書を共通様式に従って税務当局に提供(又は作成・保存)することを

義務付けるよう勧告(CbCRについては、2016年1月以降開始会計年度から適用開始)。

日本の対応

平成28年度税制改正により、上記勧告を踏まえた多国籍企業情報の報告等に係る制度を整備。

CbCRとマスターファイルについては、2016年4月以降開始会計年度から適用開始。

2016年1月から3月までの間に開始する会計年度のCbCRは、企業による自主的な提供が可能。

多国籍企業グループの活動の全体像に関する情報。

グループの組織図 事業概要 保有する無形資産の情報 グループ内金融活動に関する情報 グループ全体の財務状況

多国籍企業グループの国別の活動状況に関する情報。具体的には、親会社・子会社所在国ごとの多国籍企業グループの下記の情報。

総収入・利益・税額・資本金等の財務情報

従業員数 有形資産額 主要事業 等

国外関連取引における独立企業間価格を算定するための詳細な情報。

組織図 経営戦略 主要な競合他社 国外関連取引と取引背景 移転価格算定根拠 財務諸表 等

ローカルファイル<親・子会社が各々作成>

国別報告書(CbCR)<親会社が作成>

マスターファイル<親会社が作成>

【行動13】移転価格税制に係る文書化制度の整備:平成28年度税制改正

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(2019年5月31日現在)

日本との間における国別報告書の自動的情報交換の実施対象国・地域

1. アイスランド[2019.6.30]

12. オーストリア23. コスタリカ(*)

[2019.6.30]34. チェコ 45. フィンランド

56. マレーシア[2019.6.30]

2. アイルランド 13. オランダ 24. コロンビア35. 中国

[2019.6.30]46. ブラジル

57. マン島[2019.6.30]

3. アルゼンチン

[2019.6.30]14. ガーンジー

25. サンマリノ[2021.3.31]

36. チリ(***)[2019.6.30]

47. フランス 58. 南アフリカ

4. アンドラ(***)[2020.3.31]

15. カタール(*)[2019.6.30]

26. ジャージー 37. デンマーク 48. ブルガリア 59. メキシコ

5. イタリア 16. カナダ27. シンガポール

[2019.6.30]38. ドイツ 49. 米国

60. モーリシャス[2020.9.30]

6. インド 17. 韓国28. スイス

[2020.3.31]39. ナイジェリア(*)

[2020.6.30]50. ペルー(*)

[2019.6.30]61. ラトビア

7. インドネシア 18. キプロス(*) 29. スウェーデン 40. ニュージーランド 51. ベルギー 62. リトアニア

8. ウルグアイ[2019.6.30]

19. キュラソー(*)[2020.6.30]

30. スペイン 41. ノルウェー 52. ポーランド63. リヒテンシュタイン

[2019.6.30]

9. 英国 20. ギリシャ 31. スロバキア 42. パキスタン(**) 53. ポルトガル 64. ルーマニア(*)

10. エストニア 21. クロアチア 32. スロベニア 43. バミューダ(*) 54. 香港[2020.3.31]

65. ルクセンブルク

11. オーストラリア 22. ケイマン諸島(*) 33. 台湾(****)[2019.6.30]

44. ハンガリー 55. マルタ66. ロシア

[2019.6.30]

[ ] 内の日付は、日本からの国別報告書の初回の提供期限(現時点で未到来のもの)((*)の相手国・地域については、その国・地域からの初回の提供期限)(*) 日本から国別報告書の提供を行わない相手国・地域(日本が受領するのみ)(**) OECDによる審査において、国別報告書の適切使用の基準を満たしていないとされていることから、日本からの提供を現在のところ停止している国・地域(***) 日本から提供するためには、初回の提供期限までに国別報告書の適切使用の基準を満たす必要がある国・地域(****) 台湾については、公益財団法人日本台湾交流協会(日本側)と台湾日本関係協会(台湾側)との間の民間租税取決め及びその内容を日本国内で実現

するための法令によって、全体として租税条約に相当する枠組みが構築され、これに基づき日本は国別報告事項を提供し、また、台湾からは国別報告事項に相当する情報が提供される。

22

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経 緯

○ 本条約は、 BEPSプロジェクトにおいて策定されたBEPS防止措置のうち租税条約に関連する措置を、本条約の締約国間の既存の租税条約に導入することを目的としている。

○ 本条約の締約国は、租税条約に関連するBEPS防止措置を多数の既存の租税条約について同時かつ効率的に実施

することが可能となる。

○ 本条約により導入可能なBEPS防止措置は、①租税条約の濫用等を通じた租税回避行為の防止に関する措置、及び、

②二重課税の排除等納税者にとっての不確実性排除に関する措置から構成される。

○ 本条約の各締約国は、既存の租税条約のいずれを本条約の適用対象とするかを任意に選択することができ、また、

本条約に規定する租税条約に関連するBEPS防止措置の規定のいずれを既存の租税条約について適用するかを所定

の制限の下で選択することができる。

○ 2014年9月: BEPS報告書において、多数国間条約交渉のためのマンデートの策定を勧告。

○ 2016年11月24日:参加国による条文の採択。

○ 2017年6月7日:署名式(於パリ)において我が国を含む67カ国・地域が署名。

○ 2018年5月18日:第196回国会(平成30年通常国会)で承認。

○ 2018年7月1日:先に批准書等を寄託した5カ国・地域について発効。以後、批准書等を寄託した国・地域について順次発効。

○ 2018年9月26日:我が国が受諾書を寄託。これにより、本条約は我が国について2019年1月1日に発効。

○ 2019年5月29日現在:86カ国・地域が署名。内、25カ国・地域が批准書等を寄託。

改正

改正 改正

改正改正

改正 D国

B国A国

C国

BEPS防止措置実施条約(締約国間の租税条約に

一挙に適用)

すべての関心ある国に開放

B国A国

C国 D国

BEPS防止措置実施条約の概要及び経緯

概 要

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BEPS防止措置実施条約に署名した国・地域(2019年5月29日現在、86か国・地域)

(注1) 下線は、本条約の批准書等を寄託した国・地域(25か国・地域)を示す。

(注2) オランダは、キュラソーが締結した租税条約を本条約の対象とすることを通告している。

(注3) 中国は、香港が締結した租税条約を本条約の対象とすることを通告している。

BEPS防止措置実施条約の署名国

アイスランド アイルランド アラブ首長国連邦 アルゼンチン アルバニア

アルメニア アンドラ イスラエル イタリア インド

インドネシア ウクライナ ウルグアイ 英国 エジプト

エストニア オーストラリア オーストリア オランダ(注2) ガーンジー

カザフスタン カタール カナダ ガボン カメルーン

韓国 キプロス ギリシャ クウェート クロアチア

コートジボワール コスタリカ コロンビア サウジアラビア サンマリノ

ジャージー ジャマイカ ジョージア シンガポール スイス

スウェーデン スペイン スロバキア スロべニア セーシェル

セネガル セルビア チェコ 中国(注3) チュニジア

チリ デンマーク ドイツ トルコ ナイジェリア

日本 ニュージーランド ノールウェー パキスタン パナマ

パプアニューギニア バルバドス ハンガリー フィジー フィンランド

フランス ブルガリア ブルキナファソ ベリーズ ペルー

ベルギー ポーランド ポルトガル マルタ マレーシア

マン島 南アフリカ メキシコ モーリシャス モナコ

ラトビア リトアニア リヒテンシュタイン ルーマニア ルクセンブルク

ロシア

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[日本から外国への情報提供のイメージ] [外国から日本への情報提供のイメージ]

≪G20・OECDにおける合意≫

○ 2013年、G20首脳は、海外の金融機関を利用した国際的な脱税・租税回避に対処するため、税務当局間で非居住者に係る金融口座情報の自動的交換を実施することに合意。

○ これを受け、OECDは、各国税務当局が自国の金融機関から報告される非居住者の口座情報(氏名・住所、外国の納税者番号、口座残高、利子・配当等の年間受取総額等)を租税条約等に基づいて税務当局間で自動的に交換するための国際基準(共通報告基準)を策定し、2014年7月に公表。G20は、共通報告基準(CRS: Common Reporting Standard)を承認し、所要の法制手続の完了を条件として、2017年又は2018年末までに、自動的情報交換を開始することに合意。共通報告基準に基づく自動的情報交換は2017年9月から開始されている。

≪上記合意を受けた日本の対応≫

○ 平成27年度税制改正において、金融機関による非居住者の口座情報の報告制度を整備。

○ 金融機関の準備期間等を考慮し、2017年から金融機関による手続を開始。2018年から税務当局間での年一回の口座情報の交換を開始。

非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度(CRS)

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CRSに基づく自動的情報交換の実施時期に関するコミット状況

2017年に初回交換(49か国・地域) 2018年に初回交換(51か国・地域)2019年又は2020年に

初回交換(8か国・地域)

アイスランド

アイルランド

アルゼンチン

イタリア

インド

英国

(英)アンギラ

(英)英領バージン諸島

(英)ガーンジー

(英)ケイマン諸島

(英)ジブラルタル

(英)ジャージー

(英)ターコス・カイコス諸島

(英)バミューダ

(英)マン島

(英)モントセラト

エストニア

オランダ

キプロス

ギリシャ

クロアチア

コロンビア

サンマリノ

スウェーデン

スペイン

スロバキア

スロベニア

セーシェル

大韓民国

チェコ

デンマーク

(丁)フェロー諸島

ドイツ

ノルウェー

ハンガリー

フィンランド

フランス

ブルガリア

ベルギー

ポーランド

ポルトガル

マルタ

南アフリカ共和国

メキシコ

ラトビア

リトアニア

リヒテンシュタイン

ルーマニア

ルクセンブルク

アゼルバイジャン

アラブ首長国連邦

アンティグア・バーブーダ

アンドラ

イスラエル

インドネシア

ウルグアイ

オーストラリア

オーストリア

(蘭)アルバ

(蘭)キュラソー

(蘭)セントマーティン

カタール

カナダ

クック諸島

グレナダ

コスタリカ

サウジアラビア

サモア

シンガポール

スイス

セントクリストファー・ネービス

セントビンセント及びグレナディーン諸島

セントルシア

中華人民共和国

(中)香港

(中)マカオ

チリ

(丁)グリーンランド

ドミニカ国

トリニダード・トバゴ

トルコ

ナウル

ニウエ

日本

ニュージーランド

パキスタン

パナマ

バヌアツ

バハマ

バルバドス

バーレーン

ブラジル

ブルネイ

ベリーズ

マーシャル諸島

マレーシア

モナコ

モーリシャス

レバノン

ロシア

アルバニア(2020)オマーン(2020)カザフスタン(2020)ガーナ(2019)クウェート(2019)ナイジェリア(2019)ペルー(2020)モルディブ(2020)

(2019年6月1日現在)

(注) 下線は、2018年12月31日までにCRSに基づく自動的情報交換を開始した90か国・地域を表す。

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OECD・G20の「国際的に合意された税の透明性基準を満足に実施していない法域のリスト」について

【経緯】●2016年4月:パナマ文書の流出の後、課税逃れ等のための税務・金融情報の秘匿に対する批判が高まったこともあり、G20財務大臣会合(於:ワシントン)におい

て、OECDに対し、G20と協力しつつ、税の透明性に関する非協力的法域のリストを策定するための基準の作成が要請される。

●2016年7月、9月:G20財務大臣会合(於:成都)、G20サミット(於:杭州)において、基準を承認。

●2017年7月:G20サミット(於:ハンブルク)に、税の透明性に関する非協力的法域のリストを提出(トリニダード・トバゴのみ) 。更新版リストの次回サミットへの提出を要請。

●2018年7月:G20財務大臣会合(於:ブエノスアイレス)において「国際的に合意された税の透明性基準を満足に実施していない法域を特定するための基準」(新基準)を支持 。

●2018年11月:新基準を満たせないリスクがある法域の数をG20サミットに提出(15法域)。当該法域に基準クリアに向けた取組みを慫慂。

【今後の見通し】● 2019年10月のG20財務大臣会合に、新基準全体を用いて策定する最終版リストに掲載されるリスクがある法域の数を提出したのち、2020年に最終版リストが

提出される予定。

●リストに掲載された法域に対しては、防御的措置が検討される。

旧基準 新基準下記いずれかの条件に該当する国・地域をリストに掲載。

「税の透明性と情報交換に関するグローバル・フォーラム」(以下、グローバル・フォーラム)が実施する「要請に基づく情報交換」に関するピア・レビューにおける総合評価が不遵守(Non‐Compliant)の法域

下記の3つの基準のうち、2つ以上を満たさない法域

グローバル・フォーラムが実施する「要請に基づく情報交換」に関するによるピア・レビューにおける直近の総合評価が不遵守(Non‐Compliant)の法域

下記の基準2を満たさない法域 下記の3つの基準のうち、2つ以上を満たさない法域

基準1

グローバル・フォーラムが実施する「要請に基づく情報交換」に関するピア・レビューにおける総合評価が「遵守(Compliant)」あるいは「概ね遵守(Largely  Compliant)」

グローバル・フォーラムが実施する「要請に基づく情報交換」に関するピア・レビューにおける直近の総合評価が「遵守(Compliant)」あるいは「概ね遵守(Largely  Compliant)」

基準2

グローバル・フォーラム水準の税務当局間の金融口座情報の自動的交換を、遅くとも2018年までに実施することを約束

グローバル・フォーラム水準の税務当局間の金融口座情報の自動的交換に必要な全ての国内法の施行及び2018年末までの交換の開始、並びに概ね全ての適切な関心のある関係法域との交換合意の2019年末までの発効

基準3

「税務行政執行共助条約(多国間条約)」への署名「税務行政執行共助条約(多国間条約)」の(当該法域についての)発効 又は 要請

に基づく情報交換及び自動的情報交換を可能とする二国間協定の発効による十分に広範な交換ネットワークの構築

■□■2019年6月 G20財務大臣会合(於:福岡)における進捗■□■

新基準のうち2019年末までの目標とされている基準(基準2の一部)を除いて策定した暫定的更新版リストを提出(10法域)

アンティグア・バーブーダ、ブルネイ・ダルサラーム国、ドミニカ国、イスラエル、モントセラト、ニウエ、セントビンセント及びグレナディーン諸島、セント・マーチン、トリニダード・トバゴ、バヌアツ

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3.経済の電子化に伴う課税上の課題に関する国際的な動向

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○ 電子商取引等の電子経済に対し、現行の国際課税ルールでは間接税・直接税の課税が十分に行えていな

いおそれがあるため、BEPS(Base Erosion and Profit Shifting; 税源浸食と利益移転)プロジェクトの下、課税

上の課題について対応を検討。

背景

経済の電子化への課税上の対応

① 間接税

国境を越えて提供される電子サービスに対する消費課税(27年度税制改正で対応)

② 直接税

倉庫等でも一定の要件の下でPE認定できるようにPEの定義拡大(30年度税制改正で対応)

(参考)恒久的施設(PE: Permanent Establishment)とは、事業を行う一定の場所(支店等)・代理人をいう。例えば、外国企業

が日本国内で事業を行う場合、日本国内にその企業のPEがなければ、その企業の事業利得に課税できない(「PEなけ

れば課税なし」の原則)。

経済の電子化が現行の国際課税原則に与える影響を分析した上で、「PEなければ課税なし」等の国際課

税原則の見直しの実施に合意。

これまでの取組み

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OECDを中心とした検討の経緯

○ 2020年までにコンセンサスに基づいた解決策の取りまとめに向けて作業を進める(2019年にアップデートを行う)ことに合意。

「経済の電子化に伴う課税上の課題に係る中間報告書」

○ 経済全体が急速に電子化する中、税の観点から電子経済をその他の経済と区別することは困難。法人課税については2020年まで作業を継続することに合意。

「BEPS行動計画1最終報告書 電子経済の課税上の課題への対応」

2015年10月

2018年3月

○ 解決策の論点と今後の検討作業を取りまとめ。2020年末までに最終報告書を取りまとめるためこれらの作業の実施に合意(次ページ)。

「経済の電子化に伴う課税上の課題に対するコンセンサスに基づく解決策の策定に向けた作業計画」

2019年6月

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○ BEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクト参加国(約130か国・地域)の間で議論しており、2019年6月のG20財務大臣会合(於:福岡)に本作業計画を提出・承認。

○ 本作業計画では、以下の2つの柱からなる解決策について検討し、 2020年1月に解決策の制度の大枠について合意の上、 2020年末までに最終報告書を取りまとめることとされている。

解決策の2つの柱

「経済の電子化に伴う課税上の課題に対するコンセンサスに基づく解決策の策定に向けた作業計画」の概要

1つ目の柱:

国際課税原則の見直し①ユーザーの参加②マーケティング上の無形資産③重要な経済的存在

2つ目の柱:

軽課税国への利益移転に対抗する措置の導入

31

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一部の利益

一部の利益

十分な課税ができるようになる

本 店

≪B国(本店所在地国)≫≪A国(市場国)≫

長期的解決策に関する具体的提案の概要①

○ 経済の電子化に対応し、PEの定義や市場国で課税できる利益についての国際

課税原則を見直し、市場国で生み出された価値に見合った課税権を市場国に配分。

1つ目の柱

②ブランド等の無形資産が

重要なビジネス

PEなし↓

PEありと同様に

¥0→ →

市場国で課税できる利益を見直し

①オンライン音楽配信、

デジタル広告、オンライン

プラットフォームの提供など新たに課税

できるようになる

A国税務当局

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Page 33: 説明資料 - Cabinet Office · 〔国際課税〕 令和元年6月12 日(水) 財務省 説明資料 令元.6.12 総23-1

ユーザーの参加• SNSや検索エンジン等をユーザーが利用することにより生じた

利益について、ユーザーがいる国が課税できるようにする

マーケティング上の無形資産• 多国籍企業が市場国で生みだしたブランド価値を認め、それにより

生じた利益について、市場国が課税できるようにする

重要な経済的存在• 途上国でも執行が簡単な解決策として提案• 市場国で継続して売上をあげており、市場国との関係があると認められる場合、

市場国が課税できるようにする

○ 多国籍企業が売上をあげている国(市場国)でも一定程度課税ができるよう、市場

の特性に着目した3つの考え方を組み合わせて、国際課税原則を見直す。

1つ目の柱

長期的解決策に関する具体的提案の概要②

対象ビジネスの範囲

狭い

広い可能性

広い可能性

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長期的解決策に関する具体的提案の概要③

○利益配分方法のイメージ

①残余利益分割法:ノンルーティン利益のうち対象となる利益を特定し、各国へ配分

②定式配分法(Fractional apportionment method):グループ全体利益を配分基準により各国へ配分

③Distribution‐based approach:現地国(市場国)において稼得する売上(収入)にみなし営業利益率を適用

分割対象となる全体利益

全体利益からルーティン利益を分離(ノンルーティン利益

の特定)

Step2‐1

ノンルーティン利益の分割(対象・対象外)

Step2‐2

対象ノンルーティン利益を各国へ配分

Step3

分割対象となる全体利益

定式に使用する配分基準の選定

Step2

定式により各国へ配分

現地販売に係るみなし利益率を設定

Step   2各国の売上額にみなし利益率を掛け合わせてみなし利益を

各国へ配分

Step1

Step1

Step1

Step3

Step3

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使用料等の支払いを通して軽課税国に利益を移転

各国で上げた

収益を軽課税国に帰属

○ 国際的に最低限の税率を定めた上で、それを下回る国(=軽課税国)への利益移転に対し、利益を移転されている国が課税できるよう以下のルールを導入。

⑴ 軽課税国に所在する子会社等へ帰属する所得を親会社の所得と合算して課税

⑵ 軽課税国に所在する関連企業への支払い(例:使用料)に対し、支払会社側の国でその支払いに対し課税

2つ目の柱

≪A国(通常の税率)≫ ≪B国(軽課税国)≫

軽課税国へ支払い

(1)のケース

(2)のケース

長期的解決策に関する具体的提案の概要④

子会社等

親会社 子会社等

子会社所得を親会社と合算して課税

親会社の所得と合算A国

税務当局

支払いを否認することにより課税

親会社

A国税務当局

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4.租税条約について

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租税条約の概要

【OECDモデル租税条約の主な内容】

○ 課税関係の安定(法的安定性の確保)・二重課税の除去

・ 源泉地国(所得が生ずる国)が課税できる所得の範囲の確定

- 事業利得に対しては、源泉地国に所在する支店等(恒久的施設)の活動により得た利得のみに課税

- 投資所得(配当、利子、使用料)に対しては、源泉地国での税率の上限(免税を含む)を設定

・ 居住地国における二重課税の除去方法

- 国外所得免除方式又は外国税額控除方式

・ 税務当局間の相互協議(仲裁を含む)による条約に適合しない課税の解消

○ 脱税及び租税回避等への対応

・ 税務当局間の納税者情報(銀行口座情報を含む)の交換

・ 滞納租税に関する徴収の相互支援

租税条約は、課税関係の安定(法的安定性の確保)、二重課税の除去、脱税及び租税回避等への対応を通じ、

二国間の健全な投資・経済交流の促進に資するものである。

租税条約には、国際標準となる「OECDモデル租税条約」があり、OECD加盟国を中心に、租税条約を

締結する際のモデルとなっている。OECD加盟国である我が国も、概ねこれに沿った規定を採用している。

37

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租税条約等交渉の現状

(2019年6月1日現在)

1.租税条約

◇ 発効 2004 年 3 月 アメリカ(全) 2006 年 6 月 インド(部)

平成 18 年 10 月 イギリス(全) 2007 年 12 月 フランス(部) 2008 年 11 月 パキスタン(全)

平成 20 年 12 月 オーストラリア(全) 平成 20 年 12 月 フィリピン(部)

2009 年 12 月 ブルネイ(新) 平成 21 年 12 月 カザフスタン(新)

2010 年 7 月 シンガポール(部) 平成 22 年 8 月 ※バミューダ(新) 平成 22 年 12 月 マレーシア(部)

2011 年 8 月 香港(新) 8 月 ※バハマ(新) 9 月 サウジアラビア(新) 9 月 ※マン島(新) 11 月 ※ケイマン諸島(新) 12 月 オランダ(全) 12 月 スイス(部) 12 月 ルクセンブルク(部)

2012 年 12 月 ※リヒテンシュタイン(新) 2013 年 6 月 クウェート(新)

7 月 ※サモア(新) 7 月 ポルトガル(新) 8 月 ※ガーンジー(新) 8 月 ※ジャージー(新) 10 月 ★税務行政執行共助条約 10 月 ニュージーランド(全) 12 月 ベルギー(部)

2014 年 5 月 ※マカオ(新)

2014 年 9 月 オマーン(新)

10 月 ※英領バージン諸島(新) 10 月 スウェーデン(部) 12 月 イギリス(部) 12 月 アラブ首長国連邦(新)

2015 年 12 月 カタール(新) 2016 年 10 月 ドイツ(全)

10 月 インド(部) 12 月 チリ(新)

2017 年 3 月 ※パナマ(新) 7 月 ラトビア(新) 8 月 スロベニア(新)

2018 年 8 月 リトアニア(新) 9 月 エストニア(新) 10 月 ロシア(全) 10 月 オーストリア(全) 10 月 アイスランド(新) 12 月 ※バハマ(部) 12 月 デンマーク(全)

2019 年 1 月 ベルギー(全)

◇ 署名・未発効 2013 年 1 月 アメリカ(部) 2018 年 10 月 スペイン(全) 10 月 クロアチア(新)

12 月 コロンビア(新) 2019 年 1 月 エクアドル(新)

◇ 実質合意 2018 年 12 月 アルゼンチン(新)

12 月 ジャマイカ(新) 2019 年 4 月 ウルグアイ(新)

◇ 現在の正式交渉国

・ペルー ・モロッコ ・チュニジア ・ギリシャ ・フィンランド

2.その他 2016 年 6 月発効 台湾 2019 年 1 月発効 BEPS防止措置

実施条約 (注)「日台民間租税取決め」は、民間機関である公

益財団法人交流協会(現:公益財団法人日本台

湾交流協会)と亜東関係協会(現:台湾日本関

係協会)との間で作成された取決めであり、日

本国が締結した国際約束(条約・協定等)では

ない。

(注)1「※」は、租税に関する情報交換規定

を主体とするもの

2「★」は、情報交換・徴収共助等のた

めの多数国間条約

3「(全)」は、全面改正

4「(部)」は、部分改正

5「(新)」は、新規締結

38

Page 39: 説明資料 - Cabinet Office · 〔国際課税〕 令和元年6月12 日(水) 財務省 説明資料 令元.6.12 総23-1

我が国の租税条約ネットワーク

(74条約等、130か国・地域適用/2019年6月1日現在)

租税条約

情報交換協定

税務行政執行共助条約のみ

日台民間租税取決め

(注1)税務行政執行共助条約が多数国間条約であること、及び、旧ソ連・旧チェコスロバキアとの条約が複数国へ承継されていることから、条約等の数と国・地域数が一致しない。

(注2)条約等の数及び国・地域数の内訳は以下のとおり。

・租税条約(二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止を主たる内容とする条約):61本、71 か国・地域

・情報交換協定(租税に関する情報交換を主たる内容とする条約):11 本、11 か国・地域(図中、(※)で表示)

・税務行政執行共助条約:締約国は我が国を除いて 96 か国(図中、国名に下線)。適用拡張により 113 か国・地域に適用(図中、適用拡張地域名に点線)。このうち我が国と二国間条約を締結していない国・地

域は 47 か国・地域。

・日台民間租税取決め:1本、1地域

(注3)台湾については、公益財団法人交流協会(日本側)と亜東関係協会(台湾側)との間の民間租税取決め及びその内容を日本国内で実施するための法令によって、全体として租税条約に相当する枠組みを構築(現

在、両協会は、公益財団法人日本台湾交流協会(日本側)及び台湾日本関係協会(台湾側)にそれぞれ改称されている。)。

アジア・大洋州(25) インド シンガポール ニュージーランド フィリピン マレーシア

インドネシア スリランカ パキスタン ブルネイ サモア(※)

オーストラリア タイ バングラデシュ ベトナム マカオ(※)

韓国 中国 フィジー 香港 台湾(注3)

(執行共助条約のみ)

クック諸島 ナウル ニウエ バヌアツ マーシャル諸島

ロシア・NIS諸国 (12)

アゼルバイジャン ウズベキスタン ジョージア ベラルーシ アルメニア カザフスタン タジキスタン モルドバ ウクライナ キルギス トルクメニスタン ロシア

中東(9) アラブ首長国連邦 クウェート イスラエル サウジアラビア オマーン トルコ カタール (執行共助条約のみ) バーレーン レバノン

アフリカ(11) エジプト 南アフリカ ザンビア

(執行共助条約のみ) ウガンダ セネガル ガーナ チュニジア カメルーン ナイジェリア セーシェル モーリシャス

北米・中南米(31)

アメリカ

カナダ

チリ

ブラジル

メキシコ

ケイマン諸島(※)

英領バージン諸島(※)

パナマ(※)

バハマ(※)

バミューダ(※)

(執行共助条約のみ)

アルゼンチン

アルバ

アンギラ

アンティグア・バーブーダ

ウルグアイ

エルサルバドル

キュラソー

グアテマラ

グレナダ

コスタリカ

コロンビア

ジャマイカ

セントクリストファー・ネービス

セントビンセント及びグレナディーン諸島

セントマーティン

セントルシア

ターコス・カイコス諸島

バルバトス

ベリーズ

ペルー

モンセラット

欧州(42)

アイスランド ハンガリー

アイルランド フィンランド

イギリス フランス

イタリア ブルガリア

エストニア ベルギー

オーストリア ポルトガル

オランダ ポーランド

スイス ラトビア

スウェーデン リトアニア

スペイン ルクセンブルク

スロバキア ルーマニア

スロベニア ガーンジー(※)

チェコ ジャージー(※)

デンマーク マン島(※)

ドイツ リヒテンシュタイン(※)

ノルウェー

(執行共助条約のみ)

アルバニア サンマリノ

アンドラ ジブラルタル

キプロス フェロー諸島

ギリシャ マルタ

グリーンランド モナコ

クロアチア

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参考資料

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○ 経済の電子化に伴う課税上の課題に対し、以下の2つの柱を含む長期的解決策の検討と、これらの解決策による税収や経済的影響についての経済分析・影響度評価を行う。

1つ目の柱: 市場国又はユーザー所在国に対しより課税権を配分する観点から、ネクサス原則(各国の非居住者たる企業に対する課税権の決定ルール)及び利益配分原則(課税対象所得の算定及び配分ルール)を以下のいずれか(又は複数)の概念を踏まえ改定。

① ユーザーの参加 (user participation・英国案)

② マーケティング上の無形資産 (marketing intangibles・米国案)

③ 重要な経済的存在 (significant economic presence・インドなどの途上国案)

利益配分のルールに関し、3つの案について検討。

・ (通常利益を除外した残余利益を各国に配分する)残余利益分割法を簡素化する案

・ グループ全体の利益を一定のフォーミュラで各国に配分する案

・ 市場国で得る売上に一定の率を掛け合わせたみなし利益を各国に配分する案

2つ目の柱: 無税又は軽課税国への利益移転というBEPSの残された課題に対応する観点から、一定水準以下の実効税率を課している無税又は低税率国に所在する支店・子会社に対する所得合算ルールと、これらの国に所在する関連者への税源浸食的支払いに損金算入を否認するルールの2つを導入。

○ 2020年に国際合意に基づく長期的解決策に合意するため、今後下記のスケジュールで検討作業を行う。

「経済の電子化に伴う課税上の課題に対するコンセンサスに基づいた解決策の策定に向けた作業計画」の概要(詳細版)

2019年6月 OECD・租税委員会下の作業部会で技術的論点の検討を開始

2020年1月 解決策の制度の概要(1つ目の柱の3つの考え方の絞り込み等)についてIFで合意

2020年中 長期的解決策の方針及び技術的論点について合意を目指す

2020年末まで 最終報告書を策定

作業計画の概要 〔2019年5月31日公表 2019年6月のG20(於:福岡)に提出・承認〕

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作業計画で示された今後検討すべき長期的解決策の論点及び担当部会

担当作業部会 副担当作業部会

全体1. IFSG(※)のサポート及びパブリックコンサルテーション 電子経済タスクフォース

1つ目の柱1. 修正残余利益分割法 第6作業部会 (WP6) 第1作業部会 (WP1)

2. 定式配分法 〃 〃

3. Distribution-based approach 〃 〃

4. ビジネスライン/地域毎のセグメント 〃 〃

5. 対象スコープの制限 第1/6作業部会 (WP1/6) ―

6. 損失の取扱い 第6作業部会 (WP6) 第1作業部会 (WP1)

7. 新たなネクサスルール 第1作業部会 (WP1) 第6作業部会 (WP6)

8. 二重課税除去 第1/6作業部会 (WP1/6) FTA MAP Forum

9. 紛争解決 第1作業部会 (WP1) 第6作業部会 (WP6)、FTA MAP Forum

10. 紛争防止第1作業部会 (WP1)、

FTA MAP ForumFTA

11. 執行 第6/10作業部会 (WP6/10) 第1作業部会 (WP1)、FTA

12. 既存の租税条約の修正 第1作業部会 (WP1) 第6/11作業部会 (WP6/11)、FTA MAP Forum

2つ目の柱1. 所得合算ルール 第11作業部会 (WP11) 第1作業部会 (WP1)

2. スイッチオーバー・ルール 第1/11作業部会 (WP1/11) ―

3. 軽課税支払いに関するルール 第11作業部会 (WP11) 第1作業部会 (WP1)

4. Subject to tax ルール 第1/11作業部会 (WP1/11) ―

5. ルール間の調整、簡素化、閾値及び国際的義務の順守 〃 FTA

6. 2つ目の柱に関するその他の論点 第11作業部会 (WP11) ―

経済分析と影響度評価1. 経済分析と影響度評価の実施 ― 第2作業部会 (WP2)

※IFSG:BEPS合意の実施モニタリング等を目的としてOECDが設立した会議体であるBEPS包摂的枠組会合(IF)の運営会合(Steering Group)。日本もメンバーとして参加している。

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