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「あらゆるものをつなぐ銀行」への道 邦銀の新たな可能性を目指して

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「あらゆるものをつなぐ銀行」への道邦銀の新たな可能性を目指して

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目次すべてのビジネスがデジタルになる 4

「あらゆるものをつなぐ銀行」を目指す邦銀の課題 6

「あらゆるものをつなぐ銀行」への最初の一歩 8まとめ 10

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1.082 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5(%)

大手行 地域銀行 信用金庫年度

4

すべてのビジネスがデジタルになる

2000年代にインターネットが普及して以来、日本の銀行はデジタル化の多大な影響を受けてきました。一部のインターネットユーザーがオンラインバンキングを利用するようになり、振込手数料などが安く預金金利が高いインターネット専業銀行を併用する動きも見られました。

しかし近年のデジタル化の波は、銀行業務にこれまでにない大きな変革をもたらし、ビジネスの在り方や業界構造さえも一変させてしまうほどの影響力を持っています。弊社の調査によると、北米では 2020年までに銀行業界のシェアの 35%が ITや小売業など異業種からの参入組に奪われる可能性があり 2、これもデジタル化がもたらす変化の一例と考えられています。弊社は最新グローバルレポート「あらゆるものをつなぐ銀行(TheBankofThings)」3の中でも、デジタル化時代に銀行が担うべき新たな役割を紹介しています。

デジタル化の波は、日本の銀行業界にも大きなインパクトをもたらします。波に飲み込まれるのではなく、いち早くこの波を捉えてビジネスに取り込む銀行こそが、将来の成長を手中に収められることは明らかです。

新しいビジネスモデルの 必要性従来のビジネスモデルのままで、現状の収益性を確保し続けることは困難です。人口減少などのマクロ要因により、国内では貸出をはじめとする銀行ビジネスが伸び悩む見通しで、特に地方銀行はこの傾向が顕著です。さらに邦銀はもともと諸外国の銀行に比べて預貸利鞘が低いうえ、低下傾向への有効な歯止めもなく、収益性が低下し続ける懸念があります。このような状況のなかで、邦銀は収益を確保する新しいビジネスモデルを模索しなければなりません。

アクセンチュアは、2013年のテクノロジー・ビジョンのなかで「すべてのビジネスがデジタルになる」1と宣言しています。デジタルはビジネスの在り方や業界の構造自体を大きく変えていきます。もちろん銀行も例外ではありません。

図 1:銀行の国内業務部門の貸出利鞘

出所:日本銀行金融システムレポート 2014年 4月

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「あらゆるものをつなぐ銀行」アクセンチュアは前述の最新グローバルレポート「あらゆるものをつなぐ銀行(BankofThings)」のなかで、近い将来におこる銀行の役割の変化を論じました。デジタル技術やモバイル技術の進歩を背景に、銀行はあらゆるものをつなぐ役割を担い、商品やサービスがきめ細かくリアルタイムで消費者に届けられるようになります。顧客ニーズにあわせたアドバイスやオファーで、特別な顧客体験を提供するようにもなるでしょう。たとえば、顧

客が自動車の修理を検討していると知るやいなや、銀行が修理の見積りや予約可能時間を調べ、各種ローンなどお支払いの選択肢をも瞬時に提案することが可能になります。その提案の内容には、直近の運転実績を踏まえた自動車保険料までが反映されているかもしれません。デジタル技術やモバイル技術の進歩は、まさに革命的な変化をもたらそうとしているのです。

「あらゆるものをつなぐ銀行」は、邦銀にも新たな成長機会をもたらします。具体的には、異

業種連携のハブとなることで他業界から手数料を獲得し、さらには顧客をうまく囲い込んで市場シェア拡大につなげられる可能性があります。顧客にとっても購入価格の割引や付加価値などの恩恵が増せば、銀行を使うメリットがこれまで以上に大きくなります。小売などの異業種企業も、銀行との提携によって大幅な売上増加が期待できます。銀行を中心とする拡張されたエコシステムでは、さまざまなプレーヤーにメリットが生まれるのです。

図 2:拡張されたエコシステム

自動車(購入・修理)

衣料/靴

家電食品電子機器燃料

ペット不動産(購入・賃貸)

電気/ガス

ハウスクリーニング/ホームケア

家屋の修理

家具

ホームセキュリティ

医療サービス

個人・家族保険

自動車保険

電話/インターネット

新聞/雑誌/書籍

航空便 イベント

ホテル

レジャー活動レストラン/バー

交通機関/駐車場

購入提案 比較機能

チケット発券

各種支払い形態

クーポン/引換券/ポイント

Dマーケットプレイス

対象を絞った広告

トレーニング/教育

スポーツ活動

エコシステム内のサービス

大企業

小売業者/中小企業/企業

消費財

住居

交通機関

情報

&教育

通信旅行&レジャー

健康

&予防

アドバイザー

としての銀行

価値のま

とめ役としての銀行

アクセス支援者とし

ての銀行

暮らし

のニーズに対するソリュ

ーショ

ンの調整金

融サービスニーズの充

出所:アクセンチュア 「あらゆるものをつなぐ銀行」

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「あらゆるものをつなぐ銀行」の エコシステムの構築に不可欠な 3 つの領域

出所:アクセンチュア「あらゆるものをつなぐ銀行」

出典:BIS, Celent 注 : データは 2008年

「あらゆるものをつなぐ銀行」を 目指す邦銀の課題

邦銀は顧客データが不足「あらゆるものをつなぐ銀行」に必要なのは、1. 異業種との適切なパートナーシップ拡大、2. 収集データのアナリティクス、3. 複数チャネルでサービスを提供するコネクティビティの 3要素です(前述のレポートより)。つまり提携などで顧客接点を増加させて詳細な顧客データを取得し、そのデータを綿密に解析し、よりよいサービスを多彩なチャネルで提案しなければなりません。ところが現在の邦銀は、購買情報などの顧客データを自行で十分に保有していないため、顧客の洞察を得るアナリティクスを十分に行うことができません。ここに先進的な欧米銀行との大きな違いがあります。邦銀の実情を詳しくみていきましょう。

邦銀にはデビットカード 情報もほぼ皆無日本のリテール決済市場は、諸外国と比べても現金決済が圧倒的に主流であり、英米で決済方法として広く普及しているデビットカードがほとんど使用されていないという特徴があります。日米英のデビットカード使用額を対 GDP比で比較すると、日本はわずか 0.2%に留まり、英国の 17.5%、米国の 9.4%と大きな差があります。デビットカード決済は現在も伸び悩んでおり、この傾向は今後も変わらない可能性が高いとみられています。一方、英米の銀行は顧客のデビットカードを通じてある程度の購買情報を保有しており、アナリティクスに基づく顧客の洞察を活用し、新たな提案をすることが可能です。

「あらゆるものをつなぐ銀行」になるため、現在の邦銀はどのような課題を解決する必要があるのでしょうか。

卓越したカスタマーエクスペリエンスを提供し、収益機会の拡大を牽引するために、複数のチャネルでシームレスに一貫性のある体験を創出します。あらゆるものをつなぐ銀行は、このような体験をベースにして成り立つものであり、外部の新しい配信チャネルを統合し、相互接続ネットワークを開発することで、既存の「銀行が所有する」従来型チャネルからリーチを拡大できます。

あらゆるものをつなぐ銀行を実現させるには、この新しいモデルを支えるビジネスのエコシステムを確立する3つの重要エリアに注目する必要があります。

リーチを拡大し、顧客の生活エリアのすべてに商品を組み込むために、エコシステムのパートナーと共同で取り組む必要があります。パートナーの例としては、他の金融サービス機関、モバイルペイメント開発企業、公益サービス企業、通信企業、小売業者、テクノロジー企業などが挙げられます。

銀行内部データのアナリティクスに基づく顧客の洞察を活用して、戦略的なビジネスの意思決定の土台が継続的に形成されます。ただし、エコシステムのすべてのパートナーとこれらのデータを集成できたときに初めて、あらゆるものをつなぐ銀行が真に完全で個別化され、統合されたカスタマーエクスペリエンスを提供できます。

1.収集データのアナリティクス

2.

コネクティビティ

3.

適切なパートナーシップ

卓越したカスタマーエクスペリエンスを提供し、収益機会の拡大を牽引するために、複数のチャネルでシームレスに一貫性のある体験を創出します。あらゆるものをつなぐ銀行は、このような体験をベースにして成り立つものであり、外部の新しい配信チャネルを統合し、相互接続ネットワークを開発することで、既存の「銀行が所有する」従来型チャネルからリーチを拡大できます。

あらゆるものをつなぐ銀行を実現させるには、この新しいモデルを支えるビジネスのエコシステムを確立する3つの重要エリアに注目する必要があります。

リーチを拡大し、顧客の生活エリアのすべてに商品を組み込むために、エコシステムのパートナーと共同で取り組む必要があります。パートナーの例としては、他の金融サービス機関、モバイルペイメント開発企業、公益サービス企業、通信企業、小売業者、テクノロジー企業などが挙げられます。

銀行内部データのアナリティクスに基づく顧客の洞察を活用して、戦略的なビジネスの意思決定の土台が継続的に形成されます。ただし、エコシステムのすべてのパートナーとこれらのデータを集成できたときに初めて、あらゆるものをつなぐ銀行が真に完全で個別化され、統合されたカスタマーエクスペリエンスを提供できます。

1.収集データのアナリティクス

2.

コネクティビティ

3.

適切なパートナーシップ

卓越したカスタマーエクスペリエンスを提供し、収益機会の拡大を牽引するために、複数のチャネルでシームレスに一貫性のある体験を創出します。あらゆるものをつなぐ銀行は、このような体験をベースにして成り立つものであり、外部の新しい配信チャネルを統合し、相互接続ネットワークを開発することで、既存の「銀行が所有する」従来型チャネルからリーチを拡大できます。

あらゆるものをつなぐ銀行を実現させるには、この新しいモデルを支えるビジネスのエコシステムを確立する3つの重要エリアに注目する必要があります。

リーチを拡大し、顧客の生活エリアのすべてに商品を組み込むために、エコシステムのパートナーと共同で取り組む必要があります。パートナーの例としては、他の金融サービス機関、モバイルペイメント開発企業、公益サービス企業、通信企業、小売業者、テクノロジー企業などが挙げられます。

銀行内部データのアナリティクスに基づく顧客の洞察を活用して、戦略的なビジネスの意思決定の土台が継続的に形成されます。ただし、エコシステムのすべてのパートナーとこれらのデータを集成できたときに初めて、あらゆるものをつなぐ銀行が真に完全で個別化され、統合されたカスタマーエクスペリエンスを提供できます。

1.収集データのアナリティクス

2.

コネクティビティ

3.

適切なパートナーシップ

デビットカードとクレジットカード統計の日米英比較

日本 米国 英国デビットカード 1枚当たりの年間使用回数 0.03 123.84 71.66

クレジットカード 1枚当たりの年間使用回数 16.38 18.67 27.05

GDP比デビットカード使用額 0.5% 9.4% 17.5%

GDP比クレジットカード使用額 8.4% 15.0% 7.9%

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邦銀はクレジットカード 情報の保有も不足別の決済手段であるクレジットカードはどうでしょう。英米に比べ、日本では銀行本体が発行するクレジットカードが少なく、邦銀が自行でクレジットカード決済情報を十分に活用できる環境はありません。日本のクレジットカード利用額は、対 GDP比で 8.4%を占めています。英国の 7.9%、米国の 15.0%と比べても使用率は高く、電子商取引の拡大に伴って今後も増加が見込まれています。しかし海外のクレジットカードの大半が銀行本体の発行するカードであるのに対し、日本では銀行系カード子会社、小売業者、信販会社などが発行するカードが主流で、銀行本体がクレジットカードの購買情報や信用状況を直接保有しにくい傾向があります。

また個人情報保護法による規制もあり、銀行が傘下のカード子会社の保有する情報を共有できるとは限りません。そのため、顧客情報を活用したマーケティングをおこなう環境が十分には整っていないと言えます。

銀行子会社が発行するカードが多数を占める背景には、銀行本体によるクレジットカードの発行がかつての銀行法で禁じられていたため、各行がカード会社を別途設立してきた経緯があります。しかし銀行本体がカードを発行できるようになった現在でも、銀行子会社によるカード発行は依然として多く、その結果として銀行と銀行系カード会社が二重に顧客を管理し、個別に営業活動をおこなうという非効率な状態が続いています。

以上のようなリテール決済市場の特殊性により、もともと邦銀には購買情報を中心とする顧客情報の保有量が不足しています。邦銀が保有する顧客情報は、顧客の属性と給与振込や口座振替の履歴が中心であり、一部の銀行を除いては、購買情報などの顧客情報が十分に入手できず、データを活用した有効なマーケティング活動が展開できない状況にあります。

図 3:発行体クレジットカード発行枚数

42.9%

31.0%

12.1%

4.3%0.9%

8.8%

銀行系

流通系

信販系

メーカー系

中小小売商団体

その他

出典:日本クレジット協会 2013年 3月資料よりアクセンチュア作成

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顧客データの拡充邦銀が「あらゆるものをつなぐ銀行」になるためには、最初の一歩として下記のような顧客データの拡充や活用法を検討する必要があります。

「あらゆるものをつなぐ銀行」への 最初の一歩

多くのライフスタイル企業と顧客をつなぐ「ライフスタイル銀行」になる方法。顧客接点を持つ小売業者などの異業種企業と提携し、購買情報を得る仕組みを確立して企業と顧客をつなぎます。収集データを解析することで、顧客のニーズにあったタイムリーな提案をおこないます。大手銀行であれば、各銀行グループのファーストフード、スーパー、コンビニ、百貨店などのライフスタイル系企業群と連携する方向性が考えられます。

新たなビジネスモデル構築の可能性へ以上のような方法で顧客データを拡充できれば、アナリティクスにより顧客理解を深め、さまざまなチャネルを通してサービスを提供する「あらゆるものをつなぐ銀行」への第一歩が踏み出せます。拡張されたエコシステムで顧客に新しい価値を提供することが、これまでにないビジネスモデルの構築を可能にするのです。

出所:イオン銀行、イオンフィナンシャルサービスホームページより

事例:親会社と一体のマーケティングで成長したイオン銀行異業種からの新規参入銀行は、すでに親会社との提携関係を活かした営業展開をおこなっているほか、ほとんどがクレジットカードなどの決済情報も自行で保有しています。その代表例がイオン銀行です。イオン銀行は、住宅ローン顧客にイオン店舗での 5%割引サービスを提供するなど、イオングループとの密接な業務提携で知られています。またイオンカードをイオン店舗で積極的に販売し、そこから収集されるデータをもとに積極的なマーケティングを展開しています。イオン銀行をはじめとする新規参入銀行の一部は、これまでに預金残高で地方銀行と同等の規模に成長し、さらにイオン銀行は営業開始からわずか 7年で連結当期利益100億円(2014年3月期)を計上するなど、業績面でも驚異的な成功を収めています。

1

事例:バンクオブアメリカの

「バンクアメリディールズ(BankAmeriDeals)」バンクオブアメリカは CLO企業のカードリティックス社(Card lytics)と提携し、加盟店負担のプログラム「バンクアメリディールズ」を実施中です。顧客のデビットカードやクレジットカードなどの購買情報をもとにターゲティングをおこない、4000店を超える小売店やレストランで現金割引などのサービスを提供しています。邦銀と異なり、クレジットカードやデビットカードの購買情報をマーケティングに利用しているのが大きな特徴です。スターバックスやレッドボックスなどのさまざまな小売業者が参加し売上増加に役立てる一方、顧客にはキャッシュバックなどのメリットがあります。カード利用履歴をもとにしたマーケティングはターゲットを絞り込みやすく、顧客のロイヤリティを高めてうまく囲い込むことができるため、収益増加にも寄与しているとみられます。

出所:バンクオブアメリカホームページより

イオン銀行のキャンペーン(例)

2カード情報の取得後にテクノロジー企業と提携し、顧客の購買履歴にもとづいたおすすめサービスを特別価格で提供する方法。クレジットカードを銀行本体が発行したり、カード子会社の統合をすすめるなどして、まずは顧客の購買情報を取得し、その後でカード・リンクト・オファー(CLO)企業と提携する方向性です。この CLO企業とは、顧客のカード利用履歴をもとにおすすめサービスを提供する企業。購買履歴にあわせ、ライフスタイル系など多彩な企業群の加盟店特典をクーポンなどの形で提案し、特別な価格設定で顧客に貢献することができます。

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まとめ「すべてのビジネスがデジタルになる」と、アクセンチュアは確信しています。近年のデジタル化の波は巨大で、邦銀もその影響から逃れることはできません。そしてデジタルの世界ではデータが大きな意味を持ち、データを持つものが競争優位を確立するといっても過言ではありません。本書の冒頭では、北米での異業種参入組が 2020年までに銀行業界のシェアの 35%を奪うことになるという試算を紹介しました。消費者のニーズを知り、アナリティクスに基づく洞察を活用して、より早く最善のサービスを提供できる企業が圧倒的に有利であることは事実です。日本独自の規制はありますが、邦銀も顧客データの拡充を図ることで、「あらゆるものをつなぐ銀行」になることができます。そして邦銀の成長を約束する大きな鍵は、まさにここにあると私たちは考えています。

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お問い合わせ先本レポートに関するご質問がある方は、下記までお問い合わせください。金融サービス本部マネジング・ディレクター宮良浩二銀行業統括[email protected]

参照資料1. Accenture Technology Vision 2013:

Every Business Is a Digital Business

http://www.accenture.com/us-en/technology/technology-labs/Pages/insight-technology-vision-2013.aspx

2. アクセンチュア グローバルプレスリリース Digital Banking Could Put 35 Percent of Traditional Banks’ Market Share Up for Grabs by 2020 in North America, According to Accenture Research

http://newsroom.accenture.com/article_display.cfm?article_id=5899

3. アクセンチュア 「あらゆるものをつなぐ銀行」www.accenture.com/jp/bankofthings

アクセンチュアについてアクセンチュアは、経営コンサルティング、テクノロジー・サービス、アウトソーシング・サービスを提供するグローバル企業です。29万3千人以上の社員を擁し、世界 120カ国以上のお客様にサービスを提供しています。豊富な経験、あらゆる業界や業務に対応できる能力、世界で最も成功を収めている企業に関する広範囲に及ぶリサーチなどの強みを活かし、民間企業や官公庁のお客様がより高いビジネス・パフォーマンスを達成できるよう、その実現に向けてお客様とともに取り組んでいます。2013年 8月 31日を期末とする 2013年会計年度の売上高は、約 286億USドルでした(2001年 7月19日 NYSE上場、略号:ACN)。

アクセンチュアの詳細は www.accenture.comを、 アクセンチュア株式会社の詳細は www.accenture.com/jpをご覧ください。

アクセンチュアリサーチについてアクセンチュアリサーチは、アクセンチュアのグローバル組織として、経済や戦略調査を専門に行う目的で設立されました。現在、200名のスタッフが、北米、欧州、アジア太平洋地域の主要オフィスで、経済や社会学、調査研究を専門に行っています。本レポートは、アクセンチュアリサーチによるグローバル調査の結果より、日本市場について取りまとめたものです。

アクセンチュアリサーチ・ジャパン河野 晃人銀行業担当

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