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ELM typeⅠ設定解説書 Version 2.1 2015/06/04

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ELM typeⅠ設定解説書 Version 2.1

2015/06/04

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目次

1. はじめに ..................................................................................................................... 4

新規に望遠鏡を設置する場合の設定手順 ....................................................................... 5

制御 PCの入れ替えを行なった場合の設定手順 ............................................................. 9

2. 基本情報設定 .............................................................................................................10

基本情報 ........................................................................................................................10

FIT設定情報 .................................................................................................................15

3. FITモジュールの設定 ...............................................................................................20

CONTEC FITシリーズ同梱 CD(Setup Disk)のインストール ..................................20

Fitview.exe を使用した各種設定 ...................................................................................21

コントローラ(CPU-CA20(FIT)GY)のサブメニュー .................................................22

コントローラの設定 ..................................................................................................22

デジタル I/O(DIO-16/16GY)のサブメニュー ............................................................23

診断モニタの実行 ......................................................................................................23

カウンター(CNT24-2GY)のサブメニュー.................................................................24

ディバイス設定 .........................................................................................................24

Z 相のないエンコーダやドーム回転の絶対位置検出リミットスイッチを使用しない場合

の特記事項 ....................................................................................................................26

診断モニタの実行 ......................................................................................................27

4. ステラナビゲータの推奨設定 .....................................................................................28

1. 専用ショートカットの作成.....................................................................................28

2. ステラナビゲータの設定 ........................................................................................29

望遠鏡コントロールの設定.....................................................................................32

5. その他 ........................................................................................................................33

1. 同期と原点、Z相について .....................................................................................33

2. 新規に設定した赤道儀の当初の同期の方法について ..............................................34

6. IPアドレス................................................................................................................35

制御 PCと望遠鏡を1対1で直接接続する場合 ...................................................36

制御 PCに IPアドレスを設定する ...................................................................36

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制御 PCと望遠鏡を構内ネットワークの一員として接続する場合 ....................39

制御 PC自身の IPアドレスを調べる方法 ........................................................39

使用していない IPアドレスを調べる方法 ........................................................40

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1. はじめに

このたびは、ELM typeⅠをご購入いただきまして、ありがとうございます。

本製品をご利用いただくための設定をお客様ご自身で行なっていただく場合に本書をお役

立て下さい。

本システムの設定および動作には、予め以下のソフトウェアを使用する PCにインストー

ルしておく必要があります(各ソフトのインストールする順番はありません)。

API-CAP(W32) (CONTEC社製)

本システム納品時に同梱されている CDをインストールして下さい。

20 ページからの「FITモジュールの設定」を参照して下さい。

ELMtypeⅠ(スカイグローブ社製)

別紙または同梱 CD のルートにある「インストールマニュアル 64.pdf」ファ

イルを参照してインストールして下さい。

ステラナビゲータ(アストロアーツ社製)

ソフトに同梱された説明書などを参考にしてインストールして下さい。

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新規に望遠鏡を設置する場合の設定手順

1. PC の IPアドレスの確認または設定を行います。

PC と望遠鏡の双方に適切な IPアドレスが設定されている必要があります。

35 ページの IPアドレスの章を参照して下さい

2. 望遠鏡と PC 間が LAN ケーブルで接続されており双方の電源を ON(AUTO)にしてく

ださい。

望遠鏡と PCをダイレクトに接続する場合、HUBを経由して接続する場合のどちらも

一般的な LANケーブル(CAT5e以上)をご使用下さい。

3. CONTEC API-CAP(W32)フォルダー内の Fitview を起動してコントロールモジュー

ルの接続を確認します。

LAN 配線などに問題がないにも関わらず Fitview からコントローラ等が認識できない

場合は、コントローラの設定を工場出荷状態に戻すことで復旧させることが出来る場

合があります。工場出荷状態に復帰させる方法は購入された販売店等にお問合わせ下

さい。

4. Fitvewにてコントローラの IPアドレスを設定します。

22ページのコントローラの設定を参考にして設定して下さい。

5. Fitvewにて赤経・赤緯・ドームの各カウンタモジュールの設定とカウント方向を設定

します。

24 ページのカウンター(CNT24-2GY)のサブメニュー、ディバイス設定を参考にし

て設定して下さい。

カウント方向の確認には、望遠鏡・ドームをハンドコントローラなどを使用して手動

で動作させ、回転方向とカウント値のアップ/ダウンを選択肢ます。

27 ページ、診断モニタの実行を参考にカウント方向を確認して下さい。

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エンコーダの回転方向を調べる際の注意

望遠鏡の電源スイッチ(「ON」または「AUTO」)にする前(ELMの「スタートストップボタン」も OFF)

で ELM メニューバーから[設定(S)][基本情報(U)]の順でクリックして基本情報設定画面を表示させ

て下さい。

図のように起動・終了時の動作で「望遠鏡電源 ON」「プログラム終了」「望遠鏡電源 OFF」以外のチ

ェックを外して「OK」をクリックして下さい。

これにより、スタートストップボタンを ON にしても原点検出動作を実行せずにハンドコントローラ

が使用可能になります。

エンコーダの回転方向やパルス数の測定が済みましたら、必要に応じて起動時終了時の動作の各項目

にチェックを入れて下さい。

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6. Fitviewにてドームの全周パルス数の測定をします。

前項と関連していますが、ドームエンコーダのパルス数をモニターして、ドームを右

回りに 1周させた時のパルス数を測定します。その結果を次項で ELMtypeⅠの基本情

報設定・FIT情報設定(17ページ)でドームの全周パルス数を設定して下さい。

7. ELMtypeⅠにて「基本情報」「FIT情報」の設定を行います。

10ページからの基本情報設定を参考にして設定して下さい、

8. PC のシステムタイマーを正確に合わせます。

制御 PC がインターネットに接続されている場合は、「桜時計」などの時刻合わせのソ

フトウェアを使用して常にタイマーが正確な時刻となるよう設定することをお薦めし

ます。

手動で時刻合わせを行なう場合は、本システムに付属している「超簡単時刻合わせ」

をご使用下さい。(詳しくは、「ELMtypeⅠ操作説明書」を参照して下さい)

9. ELMtypeⅠを再起動させて天頂で原点位置の仮設定を行います。

ここまで設定が済んだら、望遠鏡の電源スイッチを入れなおして、システムを最初か

ら起動させます。

原点検出が完了したところで、ハンドコントローラを使用して望遠鏡を「ほぼ天頂」

に向けます。(ドイツ式赤道儀の場合はテレスコープイーストです)

この時、「望遠鏡姿勢のエラー」という画面が表示される場合があります。この時は「無

視」ボタンをクリックして下さい。

ELMのメニューバーから「設定(S)」「天頂で同期(S)」の順にクリックします。

天頂で同期処理の画面が表示されますので、

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望遠鏡がほぼ天頂を向いていることを確認して「OK」をクリックします。

この段階では望遠鏡は天体の自動導入が不正確ながらも実行可能になりました。

*18 ページの「6.原点位置同期(シンクロ)」で、「原点位置記録する」にチェックが

入っている必要があります。

10. 天体(恒星)と「同期」を行い原点位置を正確に設定します。

適切な高度にある恒星をステラナビゲータから自動導入して下さい。導入が完了した

らハンドコントローラを使用して視野の正確な中央へ移動させます。

ステラナビゲータから「同期」を実行します。この段階で天体の自動導入が可能にな

りました。

ドイツ式赤道儀の場合の注意

Version 2.1からドイツ式赤道儀ではテレスコープイーストとウェストの 2つの姿勢でそれぞれ同期を

行なって下さい。

天頂による仮同期では画面の指示通りテレスコープイーストだけで実行しますが、恒星による同期は必

ず子午線の東西の出来るだけ高度の高い恒星を選んでそれぞれで同期を実行して下さい。

子午線の東西で鏡筒が入れ替わっても導入精度が向上しています。

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制御 PCの入れ替えを行なった場合の設定手順

制御 PCを入れ替え作業を行なうには、設定されている基本情報ファイルを USBメモリな

どを使用して、新しい PCにコピーします。

基本情報ファイルは、通常は Cドライブ、C:¥Skygrove¥ELMtype1フォルダー内の

ELMtype1.ini というテキストファイルです。このファイルを USBメモリなどに保存して

下さい。

次に新しい PCを使用して各ソフトウェアをインストールした後に「新規に望遠鏡を設置す

る場合の設定手順」の 1と 2を実行します。

先に保存したELMtype1.iniをC:¥Skygrove¥ELMtype1フォルダー内に上書きコピーをし

ます。

この基本情報ファイルは重要ですので、このファイルだけを保存しておけば、PCが故障し

た場合なども現状復旧が可能です。

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2. 基本情報設定

ELM メニューバーから[設定(S)][基本情報(U)]の順でクリックすることで基本情報設定画

面が表示されます。ただし、パスワードが設定されている場合は、設定したパスワードを

入力する画面が表示されますのでパスワードが正しくない場合は先へ進めません。

ELMtypeⅠでは、「基本情報」と「FIT設定情報」の 2つのページ(タブ)から設定します。

基本情報

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1. パスワード

基本情報設定画面表示のためのパスワード(任意の文字列)が設定できます。

これは、使用者が不用意に設定内容を変更することを制限・禁止する場合にご使用下

さい。

2. 観測地情報

観測地の位置情情報を正確に設定します。

*ステラナビゲータから望遠鏡制御で「日時送信」を行いますとステラナビゲータ側

で設定した観測場所(緯度・経度・タイムゾーン)が ELM側にも設定されます。

3. 座標表示精度

望遠鏡の現在位置を表示している座標の表示フォーマットです。

導入精度とは無関係です。

4. 太陽導入許可

天体メニューから「太陽」ボタンが選択できないようにします。

星図ソフトや座標指定などからも太陽の座標付近の導入が制限されます。

*太陽導入禁止に設定すると、太陽を中心におよそ±2°の範囲が導入禁止領域となり

ます。

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5. 定位置姿勢の設定

定位置の方位角、仰角を度単位で設定します。

方位角は、南:0度、西:90度、北:180度、東:270度となります。

仰角は地平:0度、天頂:90度です。

6. 観測可能最低高度(度)

自動導入制限や、高度警告の基準となる値です。

自動終了動作にチェックが入っている場合は、追尾中などに望遠鏡の高度が基準以下

となった場合に警告画面を 1分間表示した後に終了動作へ自動的に移行します。

7. 観測可能最高高度(度)

使用していませんが、90度と入力しておいて下さい。

8. 赤経軸のオーバーラン許容

赤経軸が可動範囲(0~180°)を越えた場合に警告を表示しますが、経過時間(分)後

の動作を設定できます。

基本的には「再導入」を選択しておいて下さい。

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9. 連動星図ソフト

本システムと連携して動作をする星図ソフトを設定します。

星図ソフトを起動する事のできるショートカットアイコンをデスクトップに用意しま

す。そのショートカットをドラッグドロップします。

また起動時の動作が書かれているスクリプトファイルを選択します。

星図ソフトと内部で通信を行なうためのシリアルポート番号を選択します。基本的に

は COM9を選択して下さい。

10. 起動・終了時の動作

本システム起動時(スタート・ストップボタン ON)、に行なう動作と終了時に行なう

動作を選択します。

11. サウンドファイル(Wave/Mid/Mp3)

表示されている各動作のタイミングで鳴らすサウンドファイルを選択します。

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12. 望遠鏡架台の種類

使用する望遠鏡の架台の種類を「フォーク式赤道儀」「ドイツ式赤道儀」を選択します。

経緯儀は選択できません。

13. 同時起動画面

本システム起動時に、表示させる画面を選択します。

この選択はファンクションボタンと対応しています。

尚、プロフェッショナルエディション以上のみ「おすすめ天体」が使用できます。

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FIT設定情報

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1. FIT I/Oコントローラ

FIT I/Oコーラのロータリースイッチで設定した 0から 7のいずれかをここで設定し

ます。

このUNIT IDは同じネットワークセグメント内に複数のFITコントローラーがある場

合にそれらを区別するための番号となります。

2. 望遠鏡架台エンコーダ

赤経・赤緯エンコーダーの全周パルス数を設定します。値は正の整数です。

また導入完了を判断する基準となるパルス数を設定します。基本的には 0です。

最高速で移動中に目標から何パルス前になったら停止するかの目安がスローダウンの

パルス数となります。

測定ボタンを押しますと自動的に最高速から停止するまでのパルス数を測定できます。

3. デジタル出力(リレー出力)

各動作項目ごとにデジタル出力の ON/OFF/NOPを各ビットごとに設定します。

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4. 観測ドーム

不動点:赤経軸と赤緯軸の交点

光軸中心距離:主鏡光軸と不動点の距離

◆ドームエンコーダー

全周パルス数

ドームを右方向に1回転させた時のエンコーダパルス数を設定します。

許容誤差(度)

ドームスリットと望遠鏡の方位の差を何度まで許容するかという値で、通常は 2 度か

ら 8度程度が適切な値となります。

ドーム半径(m)

ドーム外径の半径の値をm単位(小数点可)

ホームポジション角(度)

観測終了時のドームの方位角を設定して下さい。

(北:0度、東:90度、南:180度、西:270 度)

開閉作動時間(秒)

スリットの開閉に要する時間を秒単位で設定します。この値は実際に要する時間より

少し多めに設定してください。

(スリット開閉制御を使用しない場合は設定は不要です)

◆架台とドームの関係

望遠鏡の鏡筒とドームスリットが正確に連動できるように以下のパラメータを設定してく

ださい。

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東西オフセット(m)

架台不動点のドーム球中心からの東西方向のズレの距離で、東方向が+、西方向が-

です。m単位で設定します。

南北オフセット(m)

架台不動点のドーム球中心からの南北方向のズレの距離で、北方向が+、南方向が-

です。m単位で設定します。

上下オフセット(m)

架台不動点のドーム球中心からの上下方向のズレの距離で、上方向が+、下方向が-

です。m単位で設定します。

光軸中心オフセット(m)

不動点から主鏡光軸までの距離をm単位で設定します。

ミラーカバー

開閉作動時間(秒)

ミラーカバー(主鏡蓋)が電動開閉構造の場合、開閉に要する時間を秒単位で実際よ

り少し長めに設定してください。

5. エンコーダ

標準型(外付け)を選択して下さい。

6. 原点位置同期(シンクロ)

ステラナビゲータから天体(恒星)を自動導入した後、実際の視野からのズレをハン

ドコントローラなどで視野中央へ移動させ、ステラナビゲータの「同期」をクリック

した時の動作を指定します。

原点位置を記録する

ステラナビゲータから「同期」を実行した時、ELMと同期が行われます。さらに赤経・

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赤緯のエンコーダの原点位置の情報も書換えられます。

次回起動して「原点検出」が実行された時にも反映されます。

原点位置を記録しない

ステラナビゲータから「同期」を実行した時、ELMと同期が行われます。しかし赤経・

赤緯のエンコーダの原点位置の情報は書換えられません。

次回起動して「原点検出」が実行された時には今回の同期は無効となります。

原点位置同期不可

ステラナビゲータから「同期」を実行した時、ELMと同期は行われません。赤経・赤

緯のエンコーダの原点位置の情報も書き換わりません。

7. 原点検出回転方向

赤道儀の格納位置(定位置)から原点検出動作をする時の回転方向を設定します。

ELMでは正回転(CW)を赤経軸は日周運動方向、赤緯軸は、テレスコープイーストで北

方向、ドームは上空から見下ろした場合の右方向です。

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3. FITモジュールの設定

ELM typeⅠでは CONTEC社製の FITシリーズを使用しています。

ここでは、FITシリーズに同梱されているサポート用の CDを使用して ELMで運用するた

めに必要な設定方法など簡単に説明します。

制御ソフト「ELM」を実行する PCには必ず CONTEC FITシリーズに同梱されている CD

(Setup Disk)をインストールして下さい。

CONTEC FITシリーズ同梱 CD(Setup Disk)のインストール

CD をセットしてもインストールプログラムが実行されない場合は、Setup Disk エラー!

参照元が見つかりません。の「Autorun.exe」または「Autorun64.exe」を直接実行します。

(使用する Windows によります)

Autorun が実行されますと、

「API-CAP(W32) CD-ROMの

内容」という画面が表示されま

すので、「6.インストール」を選

び、その後「実行環境のみのイ

ンストール」をクリックしてイ

ンストールを行なって下さい。

尚、「開発環境(実行環境を含

む)」を選択してもかまいませ

ん。

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Fitview.exeを使用した各種設定

先のインストールが完了しますと標準的には

「C:¥Program Files¥CONTEC」に「API-CAP(W32)」というフォルダーが作られていま

す。

「API-CAP(W32)」には図のような

ファイル類がインストールされて

います(開発環境でインストール)。

この中の「Fitview.exe」を使用し

てこの後の各種設定を行なってい

きます。

FITコントローラなどに通電してFitvewを実行すると、下図のような画面が表示されます。

「root」からツリー構造で、「コントローラー」、その配下に各モジュールが表示されます。

このツリー化された各種機器のアイコンを右クリックするとサブメニューが表示されます。

ELMプログラム実行中でもこの FitView.exeを実行して各モジュールの診断モニタを実行

することで動作中の内容を確認することができます。ただし、設定変更はできません。

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コントローラ(CPU-CA20(FIT)GY)のサブメニュー

ここでは、「コントローラの設定」を選択します。

コントローラのネットワーク環境を設定して下さい。

Fitviewのヘルプファイルから抜粋で必要設定項目を説明して

います。

コントローラの設定

■IPアドレス(必須)

コントローラの IPアドレスを設定します。

ネットワーク管理者が割り当てたアドレスに設定して下さい。

(例)192.168.1.200

■サブネットマスク(必須)

サブネットを使用している場合に、サブネットマスクを設定します。

(例)255.255.255.0

■デフォルトゲートウェイ(必須)

本コントローラが所属しているネットワークのルータの IPアドレスを設定します。

(例)0.0.0.0

■UDPポート番号(必須)

F&eITプロトコルで通信を行うためのポート番号を設定します。

ユーザにて機器へアクセスするアプリケーションを開発する場合に変更することができる

ためのフィールドです。

出荷時設定:「5007」(16進数表示)通常は出荷時の設定から変更しないでください。

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デジタル I/O(DIO-16/16GY)のサブメニュー

「ディバイス名設定」でディバイス名は絶対に変更しない

で下さい。

診断モニタの実行

診断モニタ画面の緑の部分をクリックすると赤に変わり信号がOFFからONに切り替わり

ます。さらにクリックすると緑に変わり信号が OFFになります。

入力・出力それぞれのポート 0が上図のグループ 0、ポート 1がグループ 1と対応していま

す。

また Bit0から Bit7はグループ 0では端子番号 00~07、グループ 1では端子番号 10~17 と

対応しています。

この診断プログラムは、各スイッチを直接 ON/OFFの動作試験が行えますので、事前の結

線のチェック及び動作確認に使用することができます。

ELMで設定される各動作別リレー文字列では左からBit0,Bit1,Bit2,・・・・,Bit15に対応して

いますので注意して下さい。

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カウンター(CNT24-2GY)のサブメニュー

「ディバイス名設定」でディバイス名は絶対に変更しない

で下さい。

ディバイス設定

カウンターモジュール(CNT24-2GY)にはチャンネル 0と 1 の2つのエンコーダーが接続で

きます。

カウンタの動作に必要なモード設定としては、以下のような項目があります。

各設定値は以下に括弧内の赤字で表示している値に設定して下さい。

Z 相モード設定(次の 1回)

Z 相の使用回数(未使用/次の 1回/毎回)を設定します。

Z 相は、カウント値をゼロクリアする信号です。カウンタボードを使用するには、これらの信号の意

味を理解して、入力される信号の種類に対して、ソフトウェアのパラメータを合わせて設定する必

要があります。

Z 相論理設定(負論理)

Z 相の論理(正論理/負論理)を設定します。

カウント方向設定(アップカウント/ダウンカウント)

入力されるパルスに対して、アップカウントするかダウンカウントするかを設定しま

す。

相数設定(2相)

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単相/2相/ゲートコントロール

入力信号 A相、B相の使用方法を設定します。

逓倍設定(4逓倍)

入力信号 A相、B相の数え方を設定します。

クリアモード設定(同期クリア)

同期クリア/非同期クリアのいずれかを設定します。

同期クリア

同期クリアでは、B 相が LOWで Z 相が有効なとき、A 相の立ち上がりでゼロクリアします。Z相が

LOW でクリアするか、HIGH クリアするかは、Z 相論理の設定で LOW ACTIVE にするか HIGH

ACTIVEかで決まります。

非同期クリア

非同期クリアでは、A 相 B 相の状態を考慮せず、Z 相が有効になったタイミングでゼロクリアしま

す。Z 相の立ち上がりでクリアするか、立ち下がりでクリアするかは、Z 相論理の設定で LOW

ACTIVEにするか HIGH ACTIVEかで決まります。

デジタルフィルタ設定(0.1μs)

デジタルフィルタの係数を設定します。

デジタルフィルタは、カウンタの入力信号が、指定したフィルタ時間一定でなかった場合に、その

信号をカウントしないようにする機能です。ノイズなどの混入による、カウンタの誤動作を防ぐ働き

があります。

カウント一致設定(0)

カウント値が指定した比較値と一致した場合に、ステータスを立てたり外部にパルス

を出力したりする機能です。

初期値(使用する)

カウント初期値(4194304)

Z相の扱いについての補足説明

起動後(コールドスタート)Z 相を最初に通過した時にカウント値をゼロにセットします(次の1回に設定

されている場合)。しかし、Z 相通過に関するフラッグがありませんので、応用として「カウント一致」機

能を利用してカウント値が0になった場合にフラッグを立てるようにします。このため、起動時(コールド

スタート)から Z 相検出までにカウント値が0にならないように、起動時初期値を「4194304」(2^24

/4)としています。

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Z 相のないエンコーダやドーム回転の絶対位置検出リミットスイッチを使用しない場合の

特記事項

Z相を使用しない場合は以下のように設定して下さい。

Z 相モード設定(未使用)

カウント一致設定(0)

初期値(使用しない)

カウント初期値(0)

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診断モニタの実行

この画面を使用してエンコーダの動作チェックが可能です。

「全チャネルスタート」ボタンをクリックすることで動作が開始されます。

「全チャネルストップ」ボタンをクリックすると初期状態(コールドスタート)にりせっ

とされますので再度「全チャネルスタート」ボタンで最初から開始できます。

カウンタ値の変化からアップカウント/ダウンカウントの設定を確認します。

* ELM では赤経軸は日周運動方向がアップカウント、赤緯軸は(ドイツ式は TE)は南から北方向が

アップカウント、ドームは上空から見下ろした場合の右回りがアップカウントとなるようにカウント方

向を設定して下さい。

この画面ではカウンタ値は正の整数で表していますので

Z 相通過はステータスの「比較」が ON になることを確認して下さい。マイナス1

=16777215(&h00FFFFF)と表現されます。

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4. ステラナビゲータの推奨設定

ここでは、ステラナビゲータ 10(文中ではステラと称します)を例に ELMtypeⅠでご使用

いただく場合の推奨設定についてご説明します。

1. 専用ショートカットの作成

ステラの起動

ステラのインストールが完了したら、デスクトップに出来上がったステラのショート

カットアイコンをクリックして起動します。

専用の起動ショートカットの作成

ステラのメニューバーの「ファイル(F)」「名前をつけて保存(A)」の順にクリックしま

す。

このまま保存するとマイドキュメント内に「星図.sns」というファイルで保存されます

が、この段階でファイル名を「星図.sns」を「ELM 用星図.sns」のように、わかりや

すい名前に変更しておくことをおすすめします。

次に、Windows スタートボタンから「コンピュータ」を選びます。

「ライブラリー」の中の「ドキュメント」をクリックします。

マイドキュメントフォルダーが表示され、先ほど保存したステラの SNSファイル(例

では ELM用星図.sns)が含まれています。

このファイルを右クリックします。そして「送る(N)」「デスクトップ(ショートカット

の作成)」の順にクリックしますと、デスクトップに SNS ファイルのショートカット

が作成されます。

以降は、このショートカットからステラを起動させて設定を行って下さい。

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2. ステラナビゲータの設定

ステラメニューバーの「設定(S)」

環境設定(N)

環境設定画面では以下の項目を設定して下さい。

起動(T):

「前回終了時の設定で起動」にチェック(必須)

「日時」、「場所」、「アニメ」にチェック(必須)

起動時の更新確認(U):

すべての項目のチェックをはずします(推奨)

終了(E):

「終了時に確認メッセージを表示」チェックをはずします(必須)

スタイルの設定:

スタイル(S):「望遠鏡」(推奨)

項目(O):

「クイックアクセスバーを表示」チェックをはずします(推奨)

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アニメーション設定(A)

アニメーション設定画面では以下のように設定して下さい。

時間間隔(T):

「内部時計でリアルタイム」にチェック(必須)

リアルタイム描画間隔(I):

「60」秒(推奨)

アニメ実行(A)ボタンをクリックして下さい。

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天体情報画面の設定

任意の天体などをクリックすると「天体情報」画面が表示されますが、「投稿画像のサ

ムネイルボタン」を OFFにしてください(推奨)。

また、「設定ボタン」をクリックして天体情報画面に表示される項目の内、不要と思わ

れるもののチェックをはずして下さい(推奨)。

ステラのその他の画面設定

星座名や惑星名などのステラの画面を用途や好みに応じて設定して下さい。

ただし、星座絵や星雲・星団のように、表示することで PCに大きな負荷となる設定は

できるだけ避けて下さい。

ここまでの設定が終わったら、ステラのメニューバー、「ファイル(F)」「上書き保存

(S)」を行なってから、ステラの右上の☓で一旦終了させて下さい。

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望遠鏡コントロールの設定

この設定(または変更)を行なう時は、ELMtypeⅠを先に立ち上げて下さい。

(ELMが起動しただけの状態で結構です)

起動後、ステラを起動させます。

ステラのメニューバー「観測(B)」「望遠鏡コントロール(T)」で望遠鏡コントロール

画面を表示させて下さい。

メーカー(V):

「ミード」を選択して下さい(必須)

望遠鏡(T):

「LX200GPS」を選択して下さい(必須)

ポート(P):

「COM9」を選択して下さい(必須)

*このポート番号は、ELMの「基本情報」の「仮想シリアル」で設定したポート番号

です。(デフォルトで COM9になっています)

「現在位置表示」にチェックをして下さい(必須)

入力が完了したら「接続(N)」ボタンをクリックします。

ここまでの設定が終わったら、ステラのメニューバー、「ファイル(F)」「上書き保存

(S)」を行なってから、ステラの右上の☓で一旦終了させて下さい。

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5. その他

1. 同期と原点、Z相について

ELM typeⅠでは、望遠鏡が向いている座標を求める根拠として「計算上の原点」を基準と

しています。この計算上の原点は、子午線と天の赤道との南の交点になります。言い換え

れば、赤経軸は、時角=0、赤緯軸は赤緯=0 が計算上の原点ということになります。

一方、赤道儀にはロータリーエンコーダという角度の変化を数値として出力するセンサ

が取り付けられています。このエンコーダーには「Z相」とよばれる物理的な絶対位置を原

点としてこの位置をゼロとして CW方向をプラスとしてカウントされます。

Z 相と計算上の原点との差をオフセット値とよびます。つまり、エンコーダーのカウント値

からオフセット値を引いた値が望遠鏡の現在の座標となります。

オフセット値は制御用 PCの基本情報ファイルに保存されています。

位置の確定している天体(恒星など)を導入した場合に、実際に望遠鏡の視野中央から

ずれている場合、ハンドコントローラを使用して視野中央に移動させた例を考えますと、

当初の導入した位置と視野中央に移動した位置との差分を当初のオフセット値に加えてや

れば、その後の天体は理論上は正しく視野中央に導入されるはずです。

勿論、現実問題として赤道儀の極軸の設置誤差、赤経軸と赤緯軸の直交精度、大気差など

様々なエラー要因のためにズレは生じます。

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2. 新規に設定した赤道儀の当初の同期の方法について

新規で ELM typeⅠを制御用 PCにインストールした時は初期値として、

物理的原点位置(Z相)と計算上原点位置が一致した状態になります。つまりオフセット値=0

に設定されています。

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6. IPアドレス

ここでは、ELM をご使用になるお客様ご自身で IP アドレスを設定するための方法のひ

とつを簡単に説明します。ELM では制御 PC と望遠鏡の双方に適切な IP アドレスという

所在地を示す番地に相当する値が設定されている必要があります。この IPアドレスの設定

には少々厄介なルールや難解な言葉が登場しますが、ここでは ELMの設定だけを目的とし

て説明しますので、ネットワーク用語が正式なものと違っている場合や、別の設定方法が

あるかもしれませんがご了承ください。

制御 PC と望遠鏡の接続形態によって IP アドレスの設定手順などが変わりますので、以

下の図の の直接接続と のネットワーク接続の 2 つの接続形態について順を追って

説明します。

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制御 PCと望遠鏡を1対1で直接接続する場合

制御 PC と望遠鏡が LAN ケーブルで直接接続したり、間に一般的な HUB(ハブ)を仲介

させた接続の場合は、制御 PCに対して IPアドレスを設定する必要があります。

制御 PCに IPアドレスを設定する

制御 PC の「コントロールパネル」を開き「ネットワークとインターネット」「ネットワー

ク共有センター」を選択します。

「コントロールパネル」の開き方

Windows7、Windows Vista の場合

「スタート」 -「コントロールパネル」を選択します。

Windows8.1/8 の場合

「Windows」キーを押しながら「 X」キーを押します。画面左下に一覧が表示されます。「コントロール パネル」を選択

します。

コントロールパネルの表示方法が「カテゴリ」以外の場合は、表示内容が異なります。

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1. 「ネットワークと共有センター」を選択します。

2. 「アダプタの設定の変更」を選択します

3. アダプターを選択します

ローカルエリア接続(無線 LANで接続している場合はワイヤレスネットワーク接続)

を右クリックし、「プロパティー」を選択し、「インターネット・プロトコル バージ

ョン 4(TCP/IPv4)」を選択します。

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4. IPアドレスを設定します

「次の IP アドレスを使う」を選択し、

IPアドレス 「192.168.1.201」

サブネットマスク 「255.255.255.0」

と入力し「OK」をクリックします。

IP アドレスについて

IP アドレスには国際的な取り決めがあり、小さなプライベートネットワーク(クラス C)に対して自由に設定できるアド

レスの範囲を 192.168.0.0~192.168.255.255 と決められています。

ここでは、制御 PC と望遠鏡が1対1ですので「 192.168.1.201」と勝手に決めました。

一般的なプライベートネットワークでは「 192.168」は常に共通です。そしてその次の数値「 1」の部分をセグメントと呼

びます。望遠鏡はこの制御 PC と違う IP アドレスで、さらに同一のセグメントでなければなりません。

望遠鏡の IP アドレス 192.168.1.200

望遠鏡のサブネットマスク 255.255.255.0

とします。

サブネットマスクについて

サブネットマスクはいわばネットワークの大きさを表していますが、単に「 255.255.255.0」と丸暗記しておいて下さい

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制御 PCと望遠鏡を構内ネットワークの一員として接続する場合

制御 PC が構内ネットワーク(LAN)に繋がっていて、インターネットにもアクセスが可

能な環境にある場合は、制御 PC 自身の IPアドレスは自動的に設定されています。この場

合は、望遠鏡に設定する IPアドレスは、構内のネットワークと同じセグメントで尚かつ使

用されていないアドレスでなければいけません。このあと、望遠鏡に設定する IPアドレス

を決定するための手順を説明します。

制御 PC自身の IPアドレスを調べる方法

自身に設定された IPアドレスを調べるには「コマンドプロンプト」画面を使用します。

「コマンドプロンプト」画面は昔のMS/DOSを知っている方なら馴染みのある操作ですが、

初めての人にとっては少し違和感があるかもしれません。

ここでは、黒い背景に白文字色で「>」マークの後に「_」が点滅していますので、この点

滅へマウスで一度クリックして下さい。この後はキーボードから入力して様々な操作を行

います。

ここでは、「ipconfig」と入力して「ENTER」キーを押して下さい、

「コマンドプロンプト」の開き方

Windows7、Windows Vista の場合

「スタート」 -「すべてのプログラム」 -「アクセサリ」 -「コマンドプロンプト」の順にクリックします。

Windows8.1/8 の場合

「Windows」キーを押しながら「 X」キーを押します。画面左下に一覧が表示されます。「コマンドプロンプト」を選択し

ます。

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上図のような内容が表示されます。(もちろんこの通りではありません)

この中の、IPv4アドレス項に表示されている数値がこの PCに割り当てられた IPアドレス

です。この例では「192.168.1.39」です。

「.」で区切られた左から 3つ目までの数値「192.168.1」は構内のネットワークで共通です。

望遠鏡に割り当てる IP アドレスは 192.168.1.0 から 192.168.1.255 までの何れかとなりま

す。

使用していない IPアドレスを調べる方法

望遠鏡に設定する IPアドレスは、現在使用されていないアドレスを指定しなければなりま

せん。そのため「使用されている」「使用されていない」を最も簡単に判断できる「ping」

コマンドを使用した方法をご説明します。

一般的に 200番台は使用される可能性が低いので、ここでは「ping 192.168.1.200」を試し

てみます。

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192.168.1.200 が使用されていない場合は、「宛先ホストに到達できません」の表示が出ま

すので、この IPアドレスは使用されていないということになります。

もしも、このアドレスが使用中であれば、次に「192.168.1.201」というように順次 ping

を試して下さい。

試しに、使用されているアドレス「192.168.1.9」で pingしました。

この場合はバイト数=nn 時間<1ms TTL=nnn という表示が出ます。

この pingを使用する方法は小規模なネットワークで適当なアドレスを検討を付けて送りつ

けるという原始的な方法ですが、最も簡単な方法であるとも言えます。