千葉市道路舗装維持管理計画 - chiba2 1-2 道路の路面状況 千葉市 で...

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千葉市道路舗装維持管理計画 平成 27 年 12 月 千葉市 建設局土木部 維持管理課

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千葉市道路舗装維持管理計画

平成 27 年 12月

千葉市 建設局土木部 維持管理課

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■ 目 次

1. 市の道路舗装の現状と課題 ...................................................................... 1

1-1 道路整備の現況 ............................................................................................. 1

1-2 道路の路面状況 ............................................................................................. 2

1-3 舗装予算の推移 ............................................................................................. 3

1-4 シミュレーション .......................................................................................... 5

2. 市の道路舗装維持管理の方針 ................................................................... 7

3. 舗装維持管理の計画 .............................................................................. 11

3-1 ライフサイクルコストの導入 ....................................................................... 11

3-2 舗装管理情報の収集・蓄積 .......................................................................... 14

4. 舗装維持管理基本計画の更新 .................................................................

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1.市の道路舗装の現状と課題

千葉市は、国道、県道、市道合わせて約 3,300kmの道路を管理しています。これら

の道路は、昭和 40 年代後半から昭和 50 年代にかけて急速に整備を進めてきました。こ

れまで、道路の舗装については、道路パトロールや市民からの要望により、道路の損傷

を把握し、補修を実施してきましたが、将来、舗装の老朽化に伴い、補修費の増加が見

込まれ、補修時期についても集中して発生することが考えられます。

このようなことから、予防保全型の維持管理手法を取り入れた千葉市道路舗装維持管

理計画を策定し、将来、膨大な補修費の平準化、縮減を図るとともに、計画的な補修を

実施することにより、舗装を良好に維持管理することで、生活基盤の充実した安全で快

適なまちの形成を目指します。

1-1 道路整備の現況

平成 26 年 4 月 1 日現在、市が管理する道路は、13,898 路線、延長約 3,300km、面

積では約 23.1k㎡(図-1)となっており、そのほとんどが舗装(舗装率 97.1%)さ

れています。また、市道のほか国道 14 号、国道 126 号、主要地方道、一般県道を管理

しています。

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

0.0

500.0

1,000.0

1,500.0

2,000.0

2,500.0

3,000.0

3,500.0

4,000.0

4,500.0

5,000.0

昭和

46年度

昭和

48年度

昭和

50年度

昭和

52年度

昭和

54年度

昭和

56年度

昭和

58年度

昭和

60年度

昭和

62年度

平成

1年度

平成

3年度

平成

5年度

平成

7年度

平成

9年度

平成

11年度

平成

13年度

平成

15年度

平成

17年度

平成

19年度

平成

21年度

平成

23年度

平成

25年度

道路面積

(k㎡

)

道路延長

(㎞)

道路延長

道路面積

※路線認定調書(平成 26 年 4 月 1 日現在)より

図 1 千葉市管理道路の管理延長と面積の推移

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1-2 道路の路面状況

千葉市では維持修繕を必要と感じる路面状態を主観的に表す指標としてMCI値(旧

建設省において開発された日本独自の指数で、「ひび割れ」、「わだち掘れ」、「平坦

性」の3つの要素により算出される値)により、健全度を評価しています。

●MCI値について

MCI値(Maintenance Control Index)とは、道路管理者が主観的に維持修繕を必

要と感じる路面状態を確認するために用いられる指標です。

MCI値は 10 点満点の減点法で評価され、供用開始直後は 10 に近い値ですが、そ

の後自然劣化や交通荷重によって年々低下していきます。

表 1 MCI値による標準的な補修判定基準

ランク 水 準 判定基準(出典※1)

水準Ⅰ 0.0 ≦ MCI ≦ 3.0 大規模な修繕が必要

水準Ⅱ 3.0 < MCI ≦ 4.0 小規模な修繕が必要

水準Ⅲ 4.0 < MCI ≦ 5.0 予防的維持または局部的な修繕

水準Ⅳ 5.0 < MCI 日常の維持管理

※1 出典1:舗装維持計画作成時の参考資料 路面―車道編(財)国土開発技術研究センター

市が管理する道路の路面性状調査は、国道、県道、市道を対象に、総道路延長の 10.19%

にあたる 338km を調査しており、MCI値は平均 6.2 であり、その分布は、図-2 に示

すとおりです。

調査している路線のうち、MCI値5以上の区間は約 87.0%(約 294km)です。こ

れに対して、補修が必要とされる道路延長は、約 44.0km(国・県道:11.9km、市

道:32.1km)です。

市が管理する道路の9割近くが水準Ⅳの範囲内にあり、非常に高い水準であることが

分かります。

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0.6 1.0 1.6 2.1 6.3 8.4 9.3

24.8 34.1

101.6

192.2

293.7

0.0

50.0

100.0

150.0

200.0

250.0

300.0

350.0

400.0

国・県道 主な市道 全体

MCI値 > 5.0

5.0 ≧ MCI値 > 4.0

4.0 ≧ MCI値 > 3.0

3.0 ≧ MCI値

道路延長

(km

)

※平成 26 年度までに路面性状調査を行った区間

図 2 市の路面性状調査結果

1-3 舗装予算の推移

平成 23 年度から平成 25 年度までの舗装に関する予算は、平均で約 11.12 億円です。

平成 23 年度から平成 25 年度の3年間では、約 5.45 億(約 64.11%)増加しています

が、これは、近年のインフラ管理に対する市民の意向を反映した結果の予算となって

おり、限られた予算の中でさらに適切に舗装の維持管理を行うことが求められている

といえます。

図 3 市が管理する道路の舗装関連工事額の推移

舗装改良工事

舗装改良工事

舗装改良工事

道路改良工事

道路改良工事

道路改良工事

歩道整備工事

歩道整備工事

施設関連工事

施設関連工事

災害復旧工事

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

平成23年度 平成24年度 平成25年度

その他

災害復旧工事

施設関連工事

歩道整備工事

交差点改良工事

道路改良工事

舗装改良工事

舗装関連工事額(百万円)

+2.40 億円

+3.05 億円

13.95 億円 10.91 億円 8.50 億円

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舗装関係工事の幹線道路と生活道路の内訳は、平成 23 年度~平成 25 年度の平均で

それぞれ約 59%、約 41%の割合です。

ここで、幹線道路とはおおむね国道、県道、都市計画道路の市道を指しており、生

活道路はそのほかの市道を想定しています。

図 4 市が管理する道路の舗装関連工事費の内訳

56.50%

61.80%58.14%

58.92&

43.50%

38.20%

41.86%

41.08%

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

平成23年度 平成24年度 平成25年度 3年間の平均

生活道路

幹線道路

舗装関連工事額(百万円))

5.84 億円

8.11 億円

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1-4 シミュレーション

舗装の補修方法は、現在、案件ごとに判断しています。ここでは、おもに幹線市

道で採用している、切削オーバーレイと打換えを繰り返す補修方法(現況型シナリ

オ)を採用して、必要となる補修経費や将来的な道路の MCI 値を試算します。

シミュレーションにあたっては、舗装に関するひびわれ、わだち掘れ、平坦性の

劣化を予測するため、大型車交通量に応じて千葉市独自の劣化予測式を用いていま

す。

シミュレーションを試算する期間は、「舗装設計施工指針」において、舗装(国道)

のライフサイクルコストの解析期間の目安として示されている 40 年間とします。

(1)現在の管理水準を維持する場合の補修経費

現在の路面状況と同じMCI値6.2を維持する場合についてシミュレーション

を実施したところ、平均約 25.73億円/年と試算しています。

図 5 現在の管理水準(MCI値 6.2)を維持する場合の補修経費の予測結果

012345678910

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

平成

28年

平成

30年

平成

32年

平成

34年

平成

36年

平成

38年

平成

40年

平成

42年

平成

44年

平成

46年

平成

48年

平成

50年

平成

52年

平成

54年

平成

56年

平成

58年

平成

60年

平成

62年

平成

64年

平成

66年

MC

I

年間補修経費

(百万円

)

計画年度

年間補修経費の推移

工費 平均MCI

補修経費 平均約 25.73 億円/年

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(2)水準Ⅳ(MCI値 5.0)を維持する場合の補修経費

MCI値5.0を維持する場合についてシミュレーションを実施したところ、平

均約 13.22億円/年と試算しています。

図 6 水準Ⅳ(MCI値 5.0)を維持する場合の補修経費の予測結果

(3)現在の補修経費を継続する場合の路面状況(MCI)

現在の幹線道路の補修経費である 8.11 億円程度を将来に渡って継続することを

想定し維持管理した場合は、MCI値が現状の6.2から3.4に劣化すると試算

しています。

0

2

4

6

8

10

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

平成

28年

平成

30年

平成

32年

平成

34年

平成

36年

平成

38年

平成

40年

平成

42年

平成

44年

平成

46年

平成

48年

平成

50年

平成

52年

平成

54年

平成

56年

平成

58年

平成

60年

平成

62年

平成

64年

平成

66年

MC

I

年間補修経費

(百万円

)

年間補修経費の推移

補修経費(年平均MCI6.2以上) 補修経費(補修経費8.11億円/年以下)

平均MCI(年平均MCI6.2以上) 平均MCI(補修経費8.11億円/年以下)

計画年度

図 7 現在の補修経費を継続する場合のMCI値の予測結果

現在の MCI 値 6.2 から

3.4 まで減少

012345678910

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000平成

28年

平成

30年

平成

32年

平成

34年

平成

36年

平成

38年

平成

40年

平成

42年

平成

44年

平成

46年

平成

48年

平成

50年

平成

52年

平成

54年

平成

56年

平成

58年

平成

60年

平成

62年

平成

64年

平成

66年

MC

I

年間補修経費

(百万円

)

計画年度

年間工費合計の推移

工費 平均MCI

補修経費 平均約 13.22 億円/年

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2.市の道路舗装維持管理の方針

シミュレーションの結果から、今後増加すると考えられる舗装の維持修繕需要に対し、

厳しい予算制約で効率的かつ効果的な維持管理を実践するため、舗装の維持管理の基本

的な考え方を次のとおりとします。

① 路線の重要度に応じた管理区分を設定することで、効果的・効率的な維持管

理を行う。

② 従来の劣化した箇所から補修する事後保全型の管理から、主要な路線につい

ては、補修が必要な箇所や経費を予測して事前に補修する予防保全型に転換

することで、補修更新費の節減を図る。

③ 路線の重要度に応じた点検・パトロールにより、道路の状況把握に努める。

また、これらの点検結果や補修履歴の収集・蓄積を行う。

④ 交通ネットワークや社会情勢の変化に対応するため、5 年毎に「道路舗装維持

管理基本計画」を更新する。

① 路線の重要度に応じた維持管理手法へ転換

道路を路線の重要度に応じて以下の4区分に分類し、効果的・効率的な維持管理

を実践します。

路線の重要度に応じて適切な管理水準を設定し、計画的に維持管理を実施すること

により、道路利用者の安全性の確保、舗装補修費の効果的・効率的な執行を目指しま

す。

表 2 路線の重要度に応じた管理区分の設定

管理区分 緊急輸送道路

一次路線

緊急輸送道路

二次路線

緊急輸送道路以外の

N5~N7の路線

緊急輸送道路以外の

交通結節点に接続する

N4以下の路線

管理区分Ⅰ ○

管理区分Ⅱ ○ ○

管理区分Ⅲ ○

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表 3 管理区分の定義

管理区分 管理水準 区分の条件 路線数

(路線)

路線延長

(km)

現状の

平均 MCI

管理区分Ⅰ 平均 MCI 値5.5以

上を保つ 緊急輸送道路一次路線 16 69.4 6.0

管理区分Ⅱ 平均 MCI 値4.0以

上を保つ

緊急輸送道路二次路線

及び交通量区分 N7,N

6,N5の路線

38 170.9 6.0

管理区分Ⅲ 平均 MCI 値3.5以

上を保つ

交通結節点に接続し、

交通量区分 N4,N3,N

2,N1の路線

113 139.4 6.2

管理区分Ⅳ

生活道路の路線、区間

を対象に通行に支障

がないよう維持する

管理区分Ⅰ,Ⅱ,Ⅲに含

まれない路線及び全て

の歩道舗装

13,767 3,238.3 -

※交通量区分は、平成 22 年度道路交通センサスの大型車交通量より

参考)交通量区分の定義

交通量区分は、日本道路協会が発行する「舗装の構造に関する技術基準・同解説」に

おいて定められている、大型車交通量による道路の分類方法です。

参考表 交通量区分の定義

交通量区分 大型車交通量

(単位:台/日・方向)

N7 3,000 以上

N6 1,000 以上 3,000 未満

N5 250 以上 1,000 未満

N4 100 以上 250 未満

N3 40 以上 100 未満

N2 15 以上 40 未満

N1 15 未満

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② 管理区分Ⅰ、管理区分Ⅱ及び管理区分Ⅲを対象に、予防保全へ転換

維持管理手法を「予防保全型」「事後保全型」に分類し、的確な維持管理を図り

ます。

舗装の維持管理にあたっては、路線の重要度、現在のMCI値や将来予測結果を踏ま

えた上で、管理水準を路線ごとに適切に設定する必要があります。

また、財政的な制約条件があるため、路線の重要度などに応じて、維持管理手法を「予

防保全型」「事後保全型」に分類し、的確な維持管理を図るものとします。

表 4 維持管理手法の分類

管理区分 維持管理手法 管理方法

管理区分Ⅰ

予防保全型

路面性状(MCI値)の低下に応じて、適切な補

修工法と時期を選択したうえで機能維持を図る管

理方法。

管理区分Ⅱ

管理区分Ⅲ

管理区分Ⅳ 事後保全型 機能不全に陥る前に迅速な対応を図る管理方法。

③ 舗装の管理情報の適切な収集・蓄積

維持管理に関連する点検結果や補修履歴などの管理情報を適切に収集・蓄積します。

道路の適切な管理水準を確保するためには、路面の状態を表す舗装データを把握する

ことが重要です。なお、舗装データには、位置・規格等のデータだけでなく、点検デー

タ、補修データ、要望データ等も併せて蓄積・活用していくことが、効率的な舗装管理

に求められていると考えます。

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④ 5 年毎に「道路舗装維持管理基本計画」を更新します

道路交通ネットワークや社会情勢の変化により、本計画を適宜更新します。

効率的で道路利用の実態に合う舗装の維持管理を継続するために、本計画を適宜更新

していくものとします。更新は、PDCAサイクルに則り、年度ごとに更新される市管

理の路線や区間を反映し、定期的な巡回や点検、調査を行い、道路の利用状況や舗装の

劣化状況を把握し、本計画の更新に活用するものとします。

図 8 PDCA サイクルの実施メニュー

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維持管理計画のサイクル

3

改善舗装維持管理計画の見直し

DO

CHECKACTION

PLAN

計画舗装維持管理計画の策定

実行舗装維持管理計画の実施

評価路面調査、点検、補修

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3.舗装維持管理の計画

3-1 ライフサイクルコストの導入

従来の補修方法から予防保全を活用した補修方法(コスト低減型シナリオ)に転換し、

補修間隔が異なる補修工法を組み合わせることで、効率的な舗装管理を行います。これ

によって、舗装のライフサイクルコストが低くなるよう計画します。

M C

I

計画年数

切削OL→打換え

(現況型シナリオ)

切削OL→切削OL→打換え

(コスト低減型シナリオ)

補修判定基準 切削OL

(補修経費小)

補修判定基準 打換え(補修経費大)

コスト低減型シナリオ 1サイクル

現況型シナリオ 1サイクル

図 9 補修シナリオと LCC のイメージ

(1)補修方法のシナリオ

従来の補修方法を見直す場合のシナリオを以下に想定します。

表 5 補修経費を試算するためのシナリオ

シナリオ 内容の想定 位置付け

現況型

シナリオ (切削 OL)→(打換え)の繰返し

おもに幹線市道で採用して

いる補修方法

コスト低減型

シナリオ (切削 OL)→(切削 OL)→(打換え)の繰返し 今後想定する補修方法

※舗装の施工にあたっては舗装構成の調査や交通量を勘案し、断面を決定して施工し

ます。

※切削 OL や打換えの時期にならなくても、現地の状況に応じてシール材やパッチ等の

必要な補修対応を行います。

参考) 補修工法単価

表 6 補修工法単価一覧

補修工法単価(円/㎡) 工法

交通量区分 打換え系 切削 OL 系

N1~N4 11,000 7,000

N5 15,000

N6 25,000 11,000

N7 27,000 12,000

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12

(2)補修区間の優先順位評価

予算、劣化程度、市民の要望、災害発生などの年度毎の事情に応じて補修する

区間を選定するため、優先順位を定めます。

優先順位の評価には、路面性状データの他に「道路種別」「交通量区分」「バス

路線」「空洞調査結果」「緊急輸送道路」を項目とします。各評価項目に、重要度

に応じて配点に重みを付け、総合得点を比較することで補修区間の優先順位評価

を行います。

評価項目とその配点を以下の様に定めます。

表 7 評価項目とその配点

評価項目 配点基準 配 点

MCI MCI≦3.0 5

3.0<MCI 2

道路種別

国県道 3

幹線市道 2

一般市道 1

交通量区分

N5 以上 2

N5 未満 1

大型車交通量データ無し 0

バス路線 有り 1

無し 0

空洞 有り 1

無し 0

緊急輸送道路

1 次路線指定あり 3

2 次路線指定あり 2

指定なし 0

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(3)市の道路舗装維持管理の方針によるシミュレーション結果

コスト低減型シナリオの補修方法を用いて、管理区分ごとに異なる管理水準を

設定することで、将来的に必要な補修経費を低減させることができます。現在の

幹線道路の補修経費で千葉市内の道路を維持管理していくために、管理区分毎に

各年の経費を平準化し、計画的に維持管理します。

図 10 管理区分に応じた予防保全を行った場合の平均MCIと補修経費

(4)管理計画を見直すことによる経費削減効果

現況型シナリオで現在の路面状況と同じMCI値6.2を維持する場合(従来の

管理状況)と、コスト低減型シナリオで管理区分ごとの管理水準を設定する場合(計

画後の管理状況)を比較したところ、今後 40 年間でおよそ 550 億円(およそ 6 割)

の縮減が見込まれます。

図 11 管理計画の見直しに伴う削減効果

0

2

4

6

8

10

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

平成

28年

平成

30年

平成

32年

平成

34年

平成

36年

平成

38年

平成

40年

平成

42年

平成

44年

平成

46年

平成

48年

平成

50年

平成

52年

平成

54年

平成

56年

平成

58年

平成

60年

平成

62年

平成

64年

平成

66年

MC

I

年間補修経費

(百万円

)

年間補修経費の推移

補修経費(管理区分Ⅰ) 補修経費(管理区分Ⅱ) 補修経費(管理区分Ⅲ)

平均MCI(管理区分Ⅰ) 平均MCI(管理区分Ⅱ) 平均MCI(管理区分Ⅲ)

計画年度

0

20000

40000

60000

80000

100000

0

1000

2000

3000

4000

5000

平成

28年

平成

30年

平成

32年

平成

34年

平成

36年

平成

38年

平成

40年

平成

42年

平成

44年

平成

46年

平成

48年

平成

50年

平成

52年

平成

54年

平成

56年

平成

58年

平成

60年

平成

62年

平成

64年

平成

66年

補修経費

累計(百万円)

補修経費(百万円)

MCI6.2を維持した場合

計画的な保全管理をした場合

MCI6.2を維持した場合(累計)

計画的な保全管理をした場合(累計)

約907億円

約360億円

コスト削減額約550億円

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3-2 舗装管理情報の収集・蓄積

舗装データは、舗装の位置・規格等だけでなく、点検データ、補修データ、市民・道

路利用者からの要望データなども対象とします。

(1)舗装データの管理

現在でも点検結果などの舗装データを電子化していますが、さらに、補修履歴デ

ータ、要望データを追加して管理するものとします。

(2)舗装の点検

舗装の損傷状況を的確に把握し、効率的な舗装補修を行うため、的確な舗装の点

検を行い、これらの点検結果を基に、管理区分に応じた補修時期・工法の選定を行

います。

舗装の点検については、管理区分Ⅰ、管理区分Ⅱ、管理区分Ⅲの路線を、当面5

年に1回の詳細点検を実施するものとします。また、データの蓄積等により劣化予

測式の精度向上等を図り、点検手法及び詳細点検頻度についても適宜見直しを行う

ものとします。

表 8 舗装の点検頻度

管理区分 舗装管理水準 点検手法

管理区分Ⅰ 良好な走行性

の確保 日常点検 巡回パトロール

詳細点検

路面性状調査 (1回/5年)

管理区分Ⅱ 供用性の確保

管理区分Ⅲ 供用性の確保

管理区分Ⅳ 供用性の確保 巡回パトロール

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舗装の点検の種類は、以下に示すとおり。

表 9 舗装の点検の種類と内容

舗装の点検の種類 点検の内容

日常点検

巡回パトロール

舗装の走行安全性に着目して、異常を早期に発見するために実施す

るものです。

詳細点検

路面性状調査

劣化状況の把握、舗装の劣化予測を行い、ライフサイクルコストに

よる管理を行う基礎データとします。詳細点検は、路面性状調査を

実施します。

目視調査

巡回パトロールで損傷が著しいと判断された箇所に対して、その損

傷範囲、損傷程度、設計に必要な条件を確認します。詳細点検は、

目視調査を実施します。

管理区分Ⅰ~Ⅲについて、路面性状調査による詳細点検を行う時期を計画的に組み

立て、以下のように設定します。

表 10 路面性状調査の実施計画

単位:m計画年 選出基準 調査対象延長1年目 管理区分Ⅰ 69,4142年目 管理区分Ⅱのうち主要地方道、一般都道府県道、一般市道 73,0223年目 管理区分Ⅱのうち幹線市道 97,8474年目 管理区分Ⅲのうち幹線市道の一部 76,0005年目 管理区分Ⅲのうち幹線市道の一部、一般都道府県道、一般市道 63,438

(参考表) 路面性状調査の実施計画内訳

●道路種別毎,管理区分毎_管理区分Ⅰ~Ⅲ 単位:m

Ⅰ Ⅱ一般国道 6,049 - 6,049主要地方道 10,422 56,155 66,577

一般都道府県道 8,149 12,897 24,745幹線市道 41,706 97,847 #### 247,886一般市道 3,088 3,970 34,464合計 69,414 170,869 379,721139,438

道路種別管理区分

合計Ⅲ--3,699

27,406108,333

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4.舗装維持管理基本計画の更新

社会情勢や交通状況の変化により、本計画を適宜更新します。

効率的で道路利用の実態に合う舗装の維持管理を継続するためには、本計画をPDC

Aサイクルにより適宜更新していくことが重要です。

そのために定期的な点検を行い、道路の利用状況や舗装の劣化状況を把握し、本計画

の更新に活用するものとします。

「舗装維持管理基本計画」の更新時には、主に次の項目を検討対象とします。

表 12 本計画の更新時に検討する項目

検討項目 検討内容

管理区分

道路の新設・移管等を踏まえた管理区分の更新をします。

最新の道路交通センサスに基づき管理区分の更新をします。

路線、区間の道路利用状況や沿道状況等を踏まえた管理区分に

更新します。

劣化予測式 蓄積された調査結果から劣化予測式の適合率を判定し、必要に

応じて劣化予測式を更新します。

点検手法・頻度 劣化予測式の精度等を踏まえ、管理区分毎の点検手法及び点検

頻度について妥当性の検証を行い、必要に応じて更新します。

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