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Volume Thirty-One アーティクル 9GHzまでのRF機能を扱うセミカスタム"QuickChip" ASIC 3 シリコンバイポーラ広帯域幅PLLビルディングブロックIC 4 1.9GHz用の低電力シリコンBJT LNA 8 デザイン・ショーケース SPIチップセレクトを拡張するシリアル制御マルチプレクサ 11 PFMブーストコンバータに電流モード動作を付加する回路接続 12 高効率電圧スプリッタを形成する電圧インバータIC 13 ニュープロダクト データコンバータ サンプリングレート90Mspsを提供する低電力6ビットADC (MAX1011) 15 精度0.1%以内のピエゾ抵抗センサ用信号処理 (MAX1457) 15 アンプ/バッファ/コンパレータ 低電力、低ノイズの超高速SOT23オープンループバッファ (MAX4200~4205) 15 消費電流が僅か10μAのSOT23、超低電圧、 beyond-the-railsオペアンプ (MAX4240~4244) 16 5ピンSOT23パッケージに収まる880MHz、低ノイズ、 (MAX4104/4105、 低歪みオペアンプ MAX4304/4305) 16 4.5ns伝播遅延を実現する低電力、単一電源コンパレータ (MAX961~964、 MAX997/999) 16 8ピンμMAXパッケージに収まる8MHzオペアンプ/ 185nsコンパレータ/10ppmリファレンスIC (MAX9000~9005) 17 アナログスイッチ及びマルチプレクサ 低電圧、単一電源動作のマルチプレクサ/スイッチIC (MAX4524/4525) 17 レイルトゥレイルの低電圧アナログ位相反転スイッチ (MAX4528) 17 ATE用ケルビン検出機能を提供するフォース/センススイッチ (MAX4554/4555/4556) 18 80Ωオン抵抗を備えた低電圧CMOSマルチプレクサ/スイッチ (MAX4581/4582/4583) 18 パワーマネージメントIC 同期整流付のCPU駆動用高速ステップダウンコントローラ (MAX1639) 19 SMBusインタフェース付シリアル-パラレル負荷スイッチコントローラ (MAX1661/1662/1663) 19 コードレス電話のRF PAを駆動する95%効率のDC-DCコンバータ (MAX1700/1701/1703) 19 125mAを供給する安定化負電源、インダクタ不要 (MAX1673) 20 3Vから5V/250mAのブーストコンバータ、インダクタ不要 (MAX682/683/684) 20 LCD及びバラクタ用に±28Vを提供するディジタル可変DC-DCコンバータ (MAX686) 20 μP監視回路 3,224種類のユニークな組合せを提供するμP監視回路 (MAX6316~6322) 21 インタフェースIC ±15kV ESD保護機能付の10Mbps、3V/5VクワッドRS-422レシーバ (MAX3095/3096) 21 ±15kV ESD標準適合、携帯アプリケーション用の1μA、1Mbps、 3V RS-232 IC (MAX3224E~3227E) 21 消費電流が僅か1.6μAの差動RS-485/RS-422トランシーバ (MAX3471) 22 ワイヤレスIC 低価格RFアップ/ダウンコンバータ、LNA及びPAドライバ付 (MAX2410/2411A) 22 リミッタ、RSSI、及びクワッド変調器を備えた低電力IFトランシーバ (MAX2510/2511) 22 低価格900MHz無線装置に最適なイメージ除去RF IC (MAX242X/244X/246X) 23 プログラマブルゲインを備えたアップストリームCATVドライバアンプ (MAX3532) 23 ディレーライン ±2ns精度の3本セットシリコン遅延ライン (MXD1013) 23

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Volume Thirty-One

アーティクル 9GHzまでのRF機能を扱うセミカスタム"QuickChip" ASIC 3

シリコンバイポーラ広帯域幅PLLビルディングブロックIC 41.9GHz用の低電力シリコンBJT LNA 8

デザイン・ショーケース SPIチップセレクトを拡張するシリアル制御マルチプレクサ 11

PFMブーストコンバータに電流モード動作を付加する回路接続 12高効率電圧スプリッタを形成する電圧インバータIC 13

ニュープロダクト データコンバータ• サンプリングレート90Mspsを提供する低電力6ビットADC (MAX1011) 15• 精度0.1%以内のピエゾ抵抗センサ用信号処理 (MAX1457) 15

アンプ/バッファ/コンパレータ• 低電力、低ノイズの超高速SOT23オープンループバッファ (MAX4200~4205) 15• 消費電流が僅か10µAのSOT23、超低電圧、beyond-the-railsオペアンプ (MAX4240~4244) 16

• 5ピンSOT23パッケージに収まる880MHz、低ノイズ、 (MAX4104/4105、低歪みオペアンプ MAX4304/4305) 16

• 4.5ns伝播遅延を実現する低電力、単一電源コンパレータ (MAX961~964、MAX997/999) 16

• 8ピンµMAXパッケージに収まる8MHzオペアンプ/185nsコンパレータ/10ppmリファレンスIC (MAX9000~9005) 17アナログスイッチ及びマルチプレクサ• 低電圧、単一電源動作のマルチプレクサ/スイッチIC (MAX4524/4525) 17• レイルトゥレイルの低電圧アナログ位相反転スイッチ (MAX4528) 17• ATE用ケルビン検出機能を提供するフォース/センススイッチ (MAX4554/4555/4556) 18• 80Ωオン抵抗を備えた低電圧CMOSマルチプレクサ/スイッチ (MAX4581/4582/4583) 18パワーマネージメントIC• 同期整流付のCPU駆動用高速ステップダウンコントローラ (MAX1639) 19• SMBusインタフェース付シリアル-パラレル負荷スイッチコントローラ (MAX1661/1662/1663) 19• コードレス電話のRF PAを駆動する95%効率のDC-DCコンバータ (MAX1700/1701/1703) 19• 125mAを供給する安定化負電源、インダクタ不要 (MAX1673) 20• 3Vから5V/250mAのブーストコンバータ、インダクタ不要 (MAX682/683/684) 20• LCD及びバラクタ用に±28Vを提供するディジタル可変DC-DCコンバータ (MAX686) 20µP監視回路• 3,224種類のユニークな組合せを提供するµP監視回路 (MAX6316~6322) 21インタフェースIC• ±15kV ESD保護機能付の10Mbps、3V/5VクワッドRS-422レシーバ (MAX3095/3096) 21• ±15kV ESD標準適合、携帯アプリケーション用の1µA、1Mbps、3V RS-232 IC (MAX3224E~3227E) 21

• 消費電流が僅か1.6µAの差動RS-485/RS-422トランシーバ (MAX3471) 22ワイヤレスIC• 低価格RFアップ/ダウンコンバータ、LNA及びPAドライバ付 (MAX2410/2411A) 22• リミッタ、RSSI、及びクワッド変調器を備えた低電力IFトランシーバ (MAX2510/2511) 22• 低価格900MHz無線装置に最適なイメージ除去RF IC (MAX242X/244X/246X) 23• プログラマブルゲインを備えたアップストリームCATVドライバアンプ (MAX3532) 23ディレーライン• ±2ns精度の3本セットシリコン遅延ライン (MXD1013) 23

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マキシム社では、標準製品ICに加え、クイックレスポンスASICサービスも提供しています。QuickChipTM

として知られるセミカスタムアレイは、JFET、ショットキダイオード、ESD保護ダイオード、MOSコンデンサ、トリミング可能なナイクローム抵抗、及びfTが27GHzまでのバイポーラトランジスタといった数々の半導体デバイスを提供します。これらのチップにカスタムメタルマスクセットを加えることにより、選択したコンポーネントを相互接続し、高周波の高性能回路を作成することができます。

このQuickChip ASICでは、QuickChip設計において第一パスの目標仕様が満たされるようにするために、設計、確認、レイアウトの完全ソフトウェアツールが開発されています。このソフトウェアツールは、UNIXとPCの両方をサポートしています。

QuickChipには、3つのファミリが用意されています。7つのアレイから成るQC10ファミリは、それぞれ9GHzと6GHzのfTを特長とするNPN及びPNPのコンプリメンタリバイポーラプロセスで作成されたものです。このファミリは、アナログ信号のアクイジション、増幅、及びソース電流用として最適化されています。

4つのアレイから成るQC6ファミリは、9GHz NPN及び80MHz PNP fTのプロセスで製造されたものです。これらのアレイは、広範なファイバ、IF、及び計器アプリケーションに適しています。

QC9アレイは27GHzプロセスで製造されたもので、RF及びHFアプリケーション用です。このQC9アレイは、発売以来35種類以上の設計が完成されており、この例として900MHzトランシーバ、7GHzプリスケーラ、何種類かのGPSレシーバ、OC48アンプ、パルス及びウィンドウコンパレータ、2×2クロスポイントスイッチがあります。

次に、QuickChip ASICの機能を設計例(IEEEからの使用許可済)で示します。

詳細又はマキシム社の高周波数ASIC開発ハンドブックをご希望の方は、ファックス(0120-231691)でマキシム・ジャパンまでお問い合わせください。

3

QuickChipはマキシム社の商標です。

9GHzまでのRF機能を扱うセミカスタム"QuickChip"ASIC

ソフトウェア�トレーニング�(2日間)

設計及びレイアウト�(プロジェクトに依存)�

テープアウト�(2週間)��

ウエハ製造�(QC6/QC10の場合4週間)�(QC9-60Dの場合6週間)�

チップ準備及び�パッケージ化�(3週間)��

プロトタイプの�引渡し��

ASIC定義��

マキシム社のQuickChip IC設計アプローチ��

プロトタイプは、顧客側のアプリケーションで評価できます。�

実現の可能性を判断し、初期目標仕様を設定して、プロセスを�選択し、QuickChip及びパッケージオプションを選択してから、�ソフトウェアを注文します。プロセスの選択には、サンプル�デバイスシミュレーションモデルを利用することができます。��

QuickToolsパッケージに含まれるAnalog Design System (回路図�のキャプチャー及びシミュレータ)、QuERC(電気ルールチェッカー)、�及びQuicKic(レイアウトエディタ)QuickChipデザインツールの�使い方を、マキシム社のエンジニアがトレーニングします。��

回路の設計とシミュレーションを行い、QuERCを使用して電気�ルール違反をチェックし、QuicKicを使用して回路設計をレイアウト�します。マキシム社が、回路設計とレイアウトの両方を検討します。��

マキシム社は、テープアウトの前に、最終レイアウト対回路図の�確認、電気ルールチェック、及びレイアウト設計ルールチェックを�行います。最終設計データベースの確認及び署名入りカスタマ�レイアウトリリースが完了すると、マキシム社はマスクを注文します。��

マキシム社は、3~6個のQuickChipナイクローム、メタル、及び�マスクを使用してチップを製造します。��

マキシム社は、テスト前のプロトタイプチップをパッケージ化�します。この時、製造テストも実行できます。��

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摘要

0.5GHz~9GHzの信号周波数に対応する、広帯域幅位相ロックループビルディングブロックICを紹介します。この設計は、選択可能な分周比を持つプリスケーラ、位相検出器、製造テスト用電圧制御発振器、及び関連回路を統合したものです。チップは、シリコンバイポーラリニアアレイ技術で設計され、16ピンのプラスチック性デュアルインラインパッケージにパッケージ化されています。これによって、各種のPLLシステムに対する低価格、広帯域幅解決策が得られます。

序論

高速PLL設計に対する開発の焦点は、研究レベルから経済的な課題へと進展しています。システム設計者は、高い集積度で競争価格を達成するための解決策を求めています。低価格の解決策は、高速性能への悪影響にもかかわらず、安いプラスチックパッケージの使用を要求する場合が殆どです。集積度を高くすると、消費電力が増大し、プラスチックパッケージに伴なう問題がより深刻になってしまいます。本書で紹介するPLLビルディングブロックの目標は、低消費電力で広帯域幅性能を達成し、性能に対するパッケージ制限の影響を最小にすることにあります。

設計

このPLLビルディングブロックICは、0.5GHz~9GHzの入力信号周波数範囲に対応できるため、衛星通信システム、高速計測機器、RFデータ通信等の殆どのPLLアプリケーションに有効です。チップは、NPNトランジスタfT及びfmaxをそれぞれ24GHz及び22GHzとし、シリコンバイポーラ技術で製造したものです。このチップでは、市場への導入時間を短縮するために、リニアアレイを採用しています。ディジタル機能用の配置済みゲートの代わりに、アナログ設計用の配置済みトランジスタ、抵抗、及びコンデンサなどを使用していることを除けば、このリニアアレイはゲートアレイと同様です。リニアアレイ

を使用することによりターンアラウンド時間をさらに短縮できますが、レイアウト寄生要素が増加し、エレメントの数量および値が制限されるため、最適な設計が得られないこともあります。今回のチップでは、このような制限にもかかわらず、利用できるコンポーネントを最大限に活用したレイアウトと設計によって、広帯域性能を達成しました。

図1に、チップのブロック図を示します。このチップは、0.5GHz~9GHzの周波数範囲内で外部ソースから変調信号を受け取ります。受け取った信号は、オンチップ位相検出器及びオフチップ・ループフィルタによって、外部RF入力に位相ロックされます。プリスケーラは、8分周ブロックと8/9分周ブロックの2つに分割されています。このビルディングブロックを各種のシステムアプリケーションで利用できるようにするために、チャージポンプ、VCO及びループフィルタはチップ外に配置してあります。

8分周ブロックのフリップフロップには、クロック周波数を2分周するためにQバー出力をデータ入力にフィードバックする、マスタ/スレーブ構造を適用しています。図2に、8分周チェーンの最初のフリップフロップの回路図を示します。このフリップフロップは、「キープアライブ」(回路図内のIK)と呼ばれる電流を含むことを特長として

図1. PLLビルディングブロック及びPLLの完全回路

¸8 ¸8/9 ¸2

Div_out

Div_2

up

ChargePump

PhaseDetector

PD Buffer

Output Buffer

Divide-by-64/72

on-chip

Input Buffer

VCO

Test Oscillator

select

Data In downlock

VCO on/off

シリコンバイポーラ広帯域PLLビルディングブロックIC

Cynthia Baringer, Lawrence Larson1, Jeffrey Shealy2

Hughes Research Labs2560 9th Street, Suite 213A, Berkeley, CA 94710

Phone: (510) 647-0852 Fax: (510) 647-0851 Email: [email protected] of California, San Diego, 2Hughes Network Systems, Germantown, Md.

ã1997 IEEE. Reprinted, with permission, Proceedings of the 1997 Bipolar/BiCMOS Circuits and Technology Meeting (BCTM); September 28–30, 1997.

QuickChip設計例1

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います。キープアライブ電流は、トランジスタがオフにならないようにすることによってQ9~Q16の完全スイッチング時間を短縮します。使用した値は、メイン差動ペア電流(ID)の1/10です。エミッタフォロワの低出力インピーダンスと高電流駆動能力がトグルレートを増大するため、8分周の最初のフリップフロップには8つのエミッタフォロワ(Q1~Q8)が必要です。次に続く段では、速度が問題にならない場合、エミッタフォロワを除去し(又は数を減らし)、差動ペア電流を低減して消費電力を最小にしました。

この研究で使用した位相検出器は、標準設計に基づくものです。図3に、位相検出器のブロック図を示します。この位相検出器には、UP、DWN、及びLDの3つの出力があります。ループのロック解除時は、入力信号周波数がリファレンス周波数よりも速いか遅いかによって、UP出力かDWN出力のいずれかに不規則なパルス列が発生します。フィルタリングした他方の信号出力は、ハイに維持されます。信号周波数とリファレンス周波数が等しい場合は、出力パルス列が周期的になり、平均値は位相オフセットの測定値になります。

PLLビルディングブロックの製造で成功を収めるには、低価格「アットスピード」試験の開発が鍵になります。ここでは、オンチップの高周波数(~5GHz)リング発振器が含まれています。この発振器の目的は、ニアスピードウェハ又はパッケージ試験時に分周器の試験方法を提供することにあります。VCOは、補間を利用して周波数応答を増大するためのリング発振器です[1]。発振器は、外部のイネーブルピンを介して個別に駆動されています。発振器の動作は、この外部イネーブルピンによってグランドに接続されるとディセーブルされ、電源に接続されるとイネーブルされます。2分周回路は、試験出力信号を低速ウェハ試験及びチップソート用周波数に低下するために使用しています。

パッケージ化

高い周波数においてPLLビルディングブロックICの正常な動作を得るには、図4に示すようにプラスチックパッケージの再設計が必要になりました。良好な位相ノイズ応答を達成するために、グランドインダクタンスを最小にすることが必要でした。高周波プリスケーラ入力(VRF)は、位相検出器入力(REFIN)から完全に絶縁することが必要です。SOPパッケージの16ピンの内の6つはグランドピンであり、パドルに短絡されています。再ツーリングは、接続すべきチップグランドとチップサブストレートに対して、比較的クリーンなグランド点を提供します。高周波入力信号を4つのグランドピン(各側に2個ずつ)で囲むと、入力信号の絶縁効果が向上しました。さらにパッケージの再ツーリングによって、熱抵抗が大幅に向上しました。パッケージのФjaは~100℃/W

図2. 8分周波数チェーンの最初のフリップフロップの回路図

Q1

Q9 Q10 Q11 Q12

Q2 Q3 Q4 Q5 Q6 Q8Q7

Q13

IKIKIKIK ID ID

Q14 Q15 Q16

CK CK CK CKoutout

図3. 位相検出器のブロック図

図4. パッケージ図

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から72℃/Wに低下し、チップの最大ジャンクション温度は、全てのケースで125℃を超えることはありませんでした。

パッケージの物理的特性に基づき、ランプしたパラメータパッケージモデルを開発しました。このモデルを、シミュレーションで使用したパラメータ値と共に図5に示します。(ここで示した値は、リード長を最短にした時の値です。)ワイヤボンディングとリードインダクタンスを最小にするために、高周波数入力信号をパッケージの中央に配置した結果、より低いカップリングとマッチングの向上が得られました。

測定結果

図6に、パッケージ化したPLLビルティングブロックの検出可能最小入力信号対入力周波数のグラフを示します。広範囲の周波数にわたる動作には、-20dBm以下の入力信号で十分です。この設計は0.5GHz~9GHzで動作しますが、周波数限界ではこれよりもやや高い入力パワーレベルが必要です。パッケージ後のチップの測定値は、温度範囲(-35℃~+90℃)で取得しています。より低い温度では、ジャンクション温度の低下でトランジスタfTが増加するため、PLLビルディングブロックは、ある与えられた入力信号レベルでより高速に動作します。性能に対する温度の影響は、シミュレーション結果から予想することができます。電源は、各温度で4.5Vから5.5Vに変化させました。図6のデータから、回路の性能は電源電圧にそれ程依存しないことが分ります。

パッケージ前のチップに関しては、メンブレンプローブを使用して分周器の感度も測定しました。図7に示した2つの曲線の類似から、パッケージの広帯域幅性能が分かります。9GHzまでの測定値は、ウェハとパッケージとで殆ど変わりません。

分周器を駆動している入力バッファは、50Ωインピーダンスにマッチングするよう設計してあります。図8に示すS11の測定結果は、入力バッファの構造図で説明す

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図7. 分周器の感度:公称状態でのパッケージとウェハのプローブデータの比較(T = 25℃、VCC = 5V)

図8. パッケージ後のPLLビルディングブロックの入力インピーダンス図5. パッケージモデル

図6. 電源電圧と温度を変化させた時のパッケージデバイスの分周器感度

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ることができます。インピーダンスマッチングは、入力とバイアス電圧間に接続した50Ω内部抵抗で得ています。非常に低い周波数では、バイアス回路のインピーダンスによって入力インピーダンスが増大します。バイアスノードのコンデンサは周波数が高くなるに従いバイアス回路のインピーダンスを低くします。良好なマッチングは中間帯域幅で得られます。周波数が高くなると、パッケージとレイアウトの寄生要素によって入力インピーダンスが劣化し始めます。ここで示したデータは、高周波数で性能をさらに劣化させるSMAコネクタのインピーダンスも反映しています。S11に対して-5dB以上の性能は、殆どの閉ループアプリケーションに十分な動作周波数の全帯域幅にわたって達成できます。

試験で使用した内蔵発振器の発振周波数は約5GHzです。この設計は速度に対して最適化されていませんが、より高い周波数を達成することは可能です。位相ノイズの測定値は、オフセット周波数100kHzで-69dBc/Hzです。

位相検出器は、分周器の全範囲にわたって正常に動作します。出力は、外部負荷を持つオープンコレクタです。150Ω負荷におけるUP及びDWNピンの出力電圧は1.1Vです。LD出力は、500Ωの抵抗負荷で2Vスイングを達成します。必要な最小リファレンス入力信号は-18dBm(50Ωにマッチング)ですが、+10dBmまで許容します。

回路のチップサイズは、70 mil x 75 milです。PLLビルディングブロックの設計には、リニアアレイの約85%を使用しました。公称状態(T = 25℃、VCC = 5V)における消費電力は、約500mWです。

結論

本書で述べた設計は、0.5GHz~9GHzの信号周波数に対応できる広帯域幅PLLビルディングフロックです。性能を犠牲にすることなく、低価格で市場導入時間の速い設計が可能なことは、製造部品によって例証されています。このチップは、効率的なパッケージモデル、内蔵試験、及び再ツーリングによって、低価格パッケージに伴なう設計の問題を解消します。

謝辞

PLLビルディングブロックの開発にご協力いただいたHughes Network SystemsのLarry Blue氏、TomJackson氏、Steve Rosenbaum氏、及びマキシム社のWill Grimes氏にここで感謝の意を表明します。

参考文献

(1) B. Razavi and J.-J. Sung, "A 6 GHz 60mWBiCMOS Phase-Locked Loop", IEEE Journal ofSolid-State Circuits, Vol. 29, pp. 1560-1565,Dec. 1994.

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摘要

ノイズ測定値2.3dB、総合利得15dBの2段1.9GHzモノリシック低ノイズアンプ(LNA)を、標準シリコンバイポーラトランジスタアレイで製造しました。3V電源からの消費電力は、バイアス回路を含め5.2mWです。入力リターンロス及びアイソレーションは、それぞれ-9dB及び-20dBです。

I. 序論

セルラ電話やディジタルコードレス電話などの携帯通信機器メーカは、サイズ、重量、消費電力、及び価格を有利にするために、できるだけ多数のディスクリードデバイスを高密度ICで置き換えるよう努力しています。S帯域幅用の低電力LNAは、最近の数々の文書でも紹介されています[1,2,3]。これらのLNAは、高度なGaAsフルカスタムプロセスを採用して製造されたものです。最新技術であるシリコンバイポーラプロセスの高周波数性能は向上を続け、限られたコンポーネントのセミカスタムアレイにより、RFアプリケーションの妥当な解決策が提案されています。

この文書では、このような解決策を実証するために、バイアス電流を含めた消費電流合計が1.75mAの超低電力モノリシック1.9GHzシリコンLNAを紹介します。

II. 回路設計

図1に、2段LNAの回路図を示します。この回路は、高利得コモンエミッタ段(Q1~RL)及びエミッタフォロワ出力段(Q2~Q3)を採用しています。このアプローチにより、コンデンサ結合が不要になります。第1段の電流は、ノイズが悪化しないように外部マッチングインダクタ(L1)に接続した抵抗性並列フィードバック(R3及びR4)によって設定されます。この結果、必要な電源電圧は1つだけです。このフィードバックは、アンプのバイアス及びRF安定度も向上します。

回路のシミュレーションは、アクティブデバイスの測定S-及びノイズパラメータデータを基に、Spice及びリニアシミュレータで行いました。性能は、図2に示すように、シミュレーションと測定とでほぼ一致しています。

III. 測定

回路は、Maxim GST-2ファウンダリプロセスを使用することにより、Quickchipトランジスタアレイ上に製造しました。図3に、HP8970B/HP8971C雑音指数計で測定した時の回路の利得及びノイズを示します。700MHz~2GHzのノイズ値に対するアンプの周波数応答は、比較的平坦になっています。2.3dBの最良の50Ω

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図1. LNAの概略回路図(灰色の領域:オフチップマッチング)

図2. シミュレーションで得られた利得及び入力リターンロス対測定から得られた利得及び入力リターンロス

1.9GHz用低電力シリコンBJT LNAJakub J. Kucera and Urs Lott

ETH Zürich, Laboratory for EM Fields and Microwave Electronics,Gloriastrasse 35, CH-8092 Zürich, Switzerland ; email: [email protected]

ã1998 IEEE. Reprinted, with permission, from 1998 IEEE Microwave and Guided Wave Letters, Vol. 3, No. 3, pp. 136-137

QuickChip設計例2

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ノイズ値は1.7~2.3GHzで得られます。この時のアクティブデバイスの最小ノイズ値は1.9GHzで1.5dBです。

公称バイアス3Vでは、小さな信号利得が2GHzまでで15dB以上になっています。これに該当する利得/DC電力の性能係数は、2.9dB/mWです。他のL帯域LNAに比べると、図4に示すようにこの設計の消費電力はより低く、ノイズも競争レベルです。

このノイズ値は、バイアス電圧の変化にそれ程影響されません。電源電圧を2.7Vから5Vに変化させた時のノイズ値は、2.2dB~2.5dBの範囲を維持します。

設計したアンプの-1dB入力圧縮ポイントは-24dBmで、これは出力圧縮ポイント-9dBmに等しくなります。3次相互変調インターセプトポイントは、-21dBm入力

パワーで測定します。DECTハンドヘルド機器には、これで十分です。

図5に、LNAを含む1.9 x 1.8mm2大型チップの右下部の写真を示します。図6は、このチップをプリント入力及び出力マッチングインダクタで囲み、サブストレートに搭載した時の写真です。

IV. 結論

1.9GHz用のシリコンバイポーラ低電力LNAを設計し、試験しました。このLNAのノイズ値は2.3dB、利得は15dBです。消費電力は僅か5.2mWで、利得/DC電力の性能係数は2.9dB/mWの高さになっています。設計は、フルカスタム設計に比べると性能劣化が殆どないトランジスタアレイで行いました。

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図3. 利得とノイズの測定値(VCC = 3V、ICC = 1.75mA)(太線:平均ノイズ値)

図4. 幾つかの最新技術のL帯域及びS帯域LNAのノイズ値に対する利得/DC電力比

図5. LNAを含む1.9 x 1.8mm2大型チップの右下部の写真。このチップをプリント入力及び出力マッチングインダクタで囲み、サブストレートに搭載した時の写真は、図6を参照。

図6. 試験サブストレートに搭載したQuickchipの写真。右側は、入力及び出力マッチング用のプリントインダクタ。

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V. 謝辞

GST-2 Quickchip技術を使用させていただいたマキシム社に感謝の意を表明します。

VI. 参考文献

[1] Heaney, F. McGrath, P. O’Sullivan, C. Kermarrec,”Ultra low power low noise amplifiers for wirelesscommunications”, IEEE 1993 GaAs IC Symposium, pp.49 - 51

[2] M. Nakatsugawa, Y. Yamaguchi, M. Muraguchi,”An L-band ultra low power consumption monolithiclow noise amplifier”, IEEE 1993 GaAs IC Symposium,pp. 1745 - 1750

[3] U. Lott, ”2 GHz monolithic low noise amplifierusing lower than 1 V supply voltage”, 1997 WirelessCommunications Conference, pp. 138 - 140

[4] K. W. Kobayashi, A. K. Owi, L. T. Tran, D. C.Streit, ”Ultra-low dc power GaAs HBT S- and C- bandlow noise amplifiers for portable wireless applications”,IEEE Trans. MTT, vol. 43, no. 12, pp. 3055 - 3061, Dec.1995

[5] K. R. Cioffi, ”Monolithic L-band amplifiersoperating at milliwatt and sub-milliwatt dc powerconsumptions”, IEEE 1992 Microwave and Millimeter-Wave Monolithic Circuits Symposium, pp. 9 - 13

[6] N. Suematsu, M. Ono, S. Kubo, H. Sato, Y. Iyama,O. Ishida, ”L-Band internally matched Si-MMIC lownoise amplifier”, IEEE 1996 - S. Int. Microwave Symp.Digest, pp. 1225 - 1228

[7] D. K. Shaeffer, T. H. Lee, ”A 1.5 V, 1.5-GHz CMOSlow noise amplifier”, IEEE Journal of Solid-StateCircuits, vol. 32, no. 5, pp. 745 - 759, May 1997

10

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11

SPITM及びMicrowireTMバスは、スマート周辺機器及びマイクロコントローラ(µC)間の接続に必要なワイヤ数を最小にするポピュラーで便利な手段を提供します。これらの同期バスは、各周辺機器用のチップセレクトラインに加え、シリアルクロック、データイン、及びデータアウトラインを構成します。

1つのデバイスについて1つのチップセレクトラインを提供する方法では、µCシステムの重要なポートピンを直ちに使い尽くしてしまいます。この方法に対し、図1に示すデュアル4チャネルアナログマルチプレクサ(SPIデバイス自体)は、1つのポートピン(PC0)を多重化し、システム内の他の4台のSPI周辺機器にチップセレクトを提供します。2番目のポートピン(PC1)は、マルチプレクサのセレクト用です。

このマルチプレクサのすべてのスイッチは、双方向性です。2つの部分は互いに独立しており、(従来の差動マルチプレクサとは異なり)各出力は4つの入力チャネルの内のいずれか又は全部に接続するようにプログラムすることも、どの入力チャネルにも接続しないようにプログラムすることもできます。上部は下部に依存せず、µCで利用できるアナログチャネル数を拡張します。µCの内部マルチプレクサは8チャネルをサポートするため、この方法(1つで4つを提供する方法)を使用すると、合計11個の入力チャネルを得ることができます。

逆方向に動作させた場合、下部の4:1マルチプレクサは、選択した周辺機器のCS入力にPC0信号を送ります。この時PC0をローで駆動すると、SPIデータの受取り先としてこの機器が選択され、PC0をハイで駆動すると、4台全部が選択解除されます。チップセレクトを前もって設定しておくことを除けば、読取り及び書込みシーケンスは一般のSPIシステムと同じです。PC0がローになると、読取り/書込み動作が実行され、PC0がハイに戻ると、デバイスが選択解除されます。

この操作は容易に実現できます。典型的なSPIシステムには、頻繁に対応すべきデバイス(ディスプレイ装置など)が1台存在し、他のデバイス(EEPROMやリアルタイムクロックなど)は必要な時にだけ対応するようになっています。このチップセレクトマルチプレクサを使用することにより、使用頻度の高いデバイスを常に選択した状態にし、更新処理は新しいデバイスが選択された時にだけ実行できます。

チップセレクトラインとアナログ拡張ラインの他の組合せに対応するには、必要に応じて8つのシリアルアドレスSPSTスイッチを設定できるMAX395などのデバイスで、MAX350を置き換えます。

図1. デュアル4チャネルマルチプレクサは、このマイクロコントローラがサポートする入力チャネル及びチップセレクトラインの数を拡張します。

NO. 1VCC

47k (x4)

VCC

6

COMA

COMB

AN01

EXTR

AAN

ALO

G IN

PUTS

AN0•••

AN7

PC0

SCLK MISO M0SI PC1

IC168HC11

SPI mCONTROLLERe.g., 68HC11

SPI BUS

AN02

AN03

AN04

CS1

CS2

CS3

CS4

7

8

9

13

12

11

10

15

4

5

14

18

3 16 1

NO. 2 NO. 3

SPIDEVICES

NO. 417 2

DIN

DO

UT

SCLK

CS

DIN

DO

UT

SCLK

CS

DIN

DO

UT

SCLK

CS

DIN

DO

UT

SCLK

CS

IC2

MAX350

DIN

DO

UT

CLK

GND

V-CS

RST V+

DESIGN SHOWCASE

SPIチップセレクトを拡張する

シリアル制御マルチプレクサ

SPIはMotorola, Inc.の商標です。MicrowireはNational Semiconductor Corp.の商標です。

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12

マキシム社の特定のブーストコントローラICで採用している制御方法(電流制限パルス周波数変調又はPFM)は、PFMの低自己消費電流及びパルス幅変調(PWM)の負荷駆動能力を組み合せることによって、広範囲の出力電流にわたって高い効率を実現します。この制御方法を使用することにより、負荷、出力フィルタコンデンサ、及びフィードバック抵抗をグランドではなく電流検出ピン(CS)に接続するだけで、電流モード制御を提供することもできます(図1)。

図1の回路は、中間負荷から重負荷における動作時に図2bの波形で示した標準アプリケーション回路よりも出力リップルが低く、インダクタ電流もより安定しています(図2a)。これらの接続から得られる改良点は自己消費電流に影響することもなく、回路の追加も必要としませんが、図に示すようにRSENSEとの接続用として個別の入力グランドと出力グランドが必要です。

この回路は、RSENSEを通じて、つまりtON時は(VINの大きさに依存する)FETを介し、tOFF時はダイオードと出力フィルタコンデンサ(最小2.3µs)を介してイン

ダクタ電流を常に監視することによって、電流モード制御を達成します。RSENSEを流れるインダクタ電流は、出力フィルタコンデンサを介して結合するCSで信号を発生し、この信号をFBの通常フィードバック信号に付加します。OUTとCSの間に負荷を接続することにより、このCS信号によるVOUTのリップルの増大を防ぐことができます。

図1. この回路は、自己消費電流を増大することなく、マキシム社の電流制限PFMブーストコントローラに電流モード動作を付加します。

N

VOUT

VIN

RSENSE

MAX608MAX770-3MAX863MAX1771

LOAD

ON/OFF EXT

OUT

FB

CS

SHDN

REF

GND

AGND

図2. 図1の回路のインダクタ電流と出力リップル波形(a)は、標準動作構成の回路(b)よりも安定性が良く、リップルもより低くなっています。

20ms/div

(2b) 標準的な構成�

A

NOTE: MAX608: VIN = 2V, VOUT = 5V, IOUT = 300mA, ILIM = 2A,COUT = 200mFA WAVEFORMS = IC AT 1A/divB WAVEFORMS = VOUT RIPPLE AT 50mV/div, AC COUPLED

2A

0A

20ms/div

(2a) 電流モード�

A

B

B

2A

0A

DESIGN SHOWCASE

PFMブーストコンバータに

電流モード動作を付加する回路接続

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電圧スプリッタとして構成したスイッチドキャパシタ電圧インバータ(図1のIC1)は、1つ以上のデュアル電源ICを特長とする単一電源システムに便利な、バイポーラ(デュアル電源)ローカル電源を提供します。さらに、小型SOT23パッケージ及び関連部品が占めるボード面積は、非常に小さくなっています。

電源を入れると、フライングコンデンサ(C2)が、蓄積コンデンサC3/C4及びC5/C6に交互に接続します。この動作によってこれらのコンデンサの電圧が等価となり、VOUT » 1/2VINを維持するために必要な電流がVIN又はVOUTから消費されます。

VINとVOUTの間及びVOUTと0Vの間の負荷が等しい時は、ICが休止状態になり、自己消費電流が約36µAに低下します。VOUTを電源電圧の中間レベルに維持するためにフライングコンデンサに必要な電流は、負荷の差による差電流だけです。負荷電流が100µA以下の場合は、ICの自己消費電流によって効率が低下しますが、1mA以上では、90%以上の効率が達成できるため、低電力又はバッテリ駆動アプリケーションに最適です。(電圧誤差及び効率は、図2及び図3に示すように負荷電流によって異なります。)

このスイッチドキャパシタ回路は、一般の分圧器よりもレギュレーションに優れ、分圧器とオペアンプバッファを組み合せた場合よりも高い効率を達成します。主な欠点は、負荷に伴なって出力ノイズが増大することです(表1参照)。VINは(IC仕様によって)最大5.5Vに制限されています。つまり、これがピン2と4の間又はピン1と4の間に許される最大電圧になります。

図1. このコンパクトで効率的なチャージポンプ回路は、単一電源システムでローカルデュアル電源を実現します。

VIN

0V

VIN

VOUT (~VIN/2)

1

2

C1

C23.3mF

C30.1mF

C43.3mF

C50.1mF

C63.3mF

0V

3

5

4

IC1

MAX829

C1+

GND

OUT

IN

C1-

図2. 図1の出力電圧誤差は、負荷電流に伴なって増大します。

140

01m 10m 100m 1m 10m 100m

電圧誤差 対 �負荷電流�

20

40

負荷電流 (A)

電圧誤差 (mV)

60

100

80

120

DESIGN SHOWCASE

高効率電圧スプリッタを形成する電圧インバータIC

図3. 効率も、図1の負荷電流に伴なって増大します。

100

01m 10m 100m 1m 10m 100m

効率 対 �負荷電流�

20

負荷電流 (A)

効率 (%)

40

60

80

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14

¥

RLOAD(Ω)

36.5

入力電流(µA)

出力電流(µA)

VOUT誤差(mV)

効率(%)

リップル(mVp-p)

36.5 0.25— 0.34—10M

37.7 2.5— 3.32—

48.9 250.1 25.56—100k

1M

156 2501.4 80.04~1

1240 249013.5 99.72~51k

2630 526028.5 98.83~8

11,410 23,700126.9 98.71~30100

470

10k

表1. 電圧スプリッタの性能(VIN = 5V)

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NEW PRODUCTSサンプリングレート90Mspsを提供する低電力6ビットADC

MAX1011 A/Dコンバータは、内部リファレンス及びオーバドライブ機能付きクロック発振器を兼ね備え、低電力(190mW)及び高速処理(90Mspsまでのサンプリングレート)を実現しています。MAX1011はベースバンド信号を直接変換できるため、IFサンプリングレシーバ、VSATレシーバ、及びQAM復調器に最適です。

入力アンプの-0.5dBアナログ帯域幅は55MHzで、真の差動入力を備え、125mVp-p、

低電力、低ノイズの超高速SOT23オープンループバッファ

MAX4200~MAX4205シリーズの超高速オープンループバッファは、高速性能を可能にするマキシム社独自のアーキテクチャを採用しており、MAX4201/MAX4202は780MHzで-3dBの帯域幅、280MHzまでの0.1dB利得平坦性を提供します。また、全デバイスで4200V/µsのスルーレートを実現しています。これらのデバイスは±5V電源で動作し、自己消費電流が僅か2.2mAと低いため、容量性負荷に対し優れた駆動能力を提供します。MAX4200/MAX4203

の出力では、最小±90mAを駆動することができます。

これらシングルバッファ(MAX4200~M A X 4 2 0 2 )と デ ュ ア ル バ ッ フ ァ(MAX4203~MAX4205)の違いは内部の逆終端抵抗値で、それぞれ50Ω伝送ライン用の50Ω(MAX4201/MAX4204)と75Ω伝送ライン用の 7 5Ω(M A X 4 2 0 2 /MAX4205)になっています。MAX4200とMAX4203には、内部終端抵抗はありません。

高速性能と低ノイズ性能(2.1nV/√Hz電圧ノイズ密度及び0.8pA/√Hz電流ノイズ密度)を備えたこれらのバッファは、データコミュニケーションや高速A/Dコンバータの入力駆動に最適です。シングルバッファは5ピン

精度0.1%以内のピエゾ抵抗センサ用信号処理

MAX1457は、ピエゾ抵抗センサのキャリブレーション及び補正用として最適化されたモノリシックアナログ信号プロセッサです。このデバイスには、センサ励磁用プログラマブル電流ソース、3ビットプログラマブル利得アンプ(PGA)、12ビットA/Dコンバータ、独立したオペアンプ、及び5個の16ビットD/Aコンバータから構成されています。MAX1457はオフセット、フルスパン出力(FSO)、オフセット温度係数(TC)、FSO TC、及びフルスパン出力非直線性を補正し、総合誤差率はセンサの再現性誤差の0.1%以内です。

MAX1457は、D/Aコンバータを介してセンサのスパンとオフセットを調整するこ

とによって、1次温度誤差を補正します。残留する高次誤差の補正が必要な場合は、外部EEPROMルックアップテーブルに保存されている1次係数補間を使用して誤差を補正します。

MAX1457は、テストコンピュータでセンサ性能データを収集するプレテスト、プレテストデータから得られた係数を外部EEPROMに保存するキャリブレーション及び補正、さらにトランスデューサをプレテストソケットに配置したままキャリブレーションと補正を確認する最終テストの3つのセンサ製造過程を1つに統合します。

内部の独立したオペアンプは、回路利得を増大する場合や2線式4~20mA電流トランスミッタ出力を取り付ける場合に利用できます。MicrowireTM及びSPITM標準とコンパチブルなMAX1457シリアルインタフェースは、外部EEPROMに直接接続されています。

250mVp-p、又は500mVp-pのユーザ選択が可能です。ACカップリング信号の入力オフセットは±1/4LSB(typ)で、積分及び微分非直線性(INL及びDNL)も±1/4LSB(typ)です。有効ビット数は、20MHz入力信号に対して5.85LSB、50MHz信号に対して5.7LSBとなっています。

MAX1011は+5Vアナログ電源及び+3.3Vディジタル電源で動作し、24ピンQSOPパッケージで提供されています。価格については、¥370(1,000個以上)からとなっています。

PGA ADC

REF

6OUTPUTBUFFER

CLKOUT

MAX1011

SOT23及び8ピンSOPパッケージで、デュアルバッファは8ピンµMAX及びSOPパッケージで提供されています。価格については、¥210 (1,000個以上)からとなっています。

100

10

11 10 100 1k 10k 100k 1M 10M

周波数 (Hz)

ノイズ密度 (nV/ Hz)

入力電圧ノイズ密度�

さらに、複数のセンサモジュールの製造とキャリブレーションを可能にするテスト機能も内蔵されているため、製造コストを低減することができます。MAX1457はピエゾ抵抗センサ用として最適化されていますが、2、3の外部コンポーネントを追加することで、加速度計、ストレインゲージ、及びその他の抵抗センサ用として利用することもできます。

MAX1457は32ピンTQFP及び28ピンワイドSOPパッケージで提供されています。価格については、¥1,220(1,000個以上)からとなっています。この製品には評価キットを用意しています。デバイスを正しく分析するためには、評価キットの使用をお勧めします。

MicrowireはNational Semiconductor Corp.の商標です。

SPIはMotorola, Inc.の商標です。

MAX

4200-MAX4205

3.0mm x 3.0m

m

5ピン�SOT23

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NEW PRODUCTS5ピンSOT23に収まる880MHz、低ノイズ、低歪みオペアンプ

MAX4104/MAX4105及びMAX4304/MAX4305は、広い出力スイング(100Ω負荷で±3.4V)と高い出力電流能力(±70mA)を提供する超高速、低ノイズオペアンプです。これらのオペアンプの低入力電圧ノイズ密度(2.1nV/√Hz)とスプリアスフリー・ダイナミックレンジ(-88dBc)は、ビデオや電気通信の低ノイズ、低歪みアプリケーションに最適です。

MAX4104はユニティゲイン安定で、僅か20mAの消費電流で880MHz帯域幅と400V / µsスルーレートを提供します。MAX4304は最小利得2V/V用に補償されており、730MHz帯域幅及び1000V/µsスルーレートを提供します。MAX4105は5V/V以上の利得用に補償されており、430MHz帯域幅と1400V/µsスルーレートを提供します。また、MAX4305は10V/V以上の利得用に補償されており、350MHz帯域幅及び1400V/µsスルーレートを提供します。

オペアンプMAX4104/MAX4105及びMAX4304/MAX4305は5ピンSOT23及び8ピンSOPパッケージで提供されています。価格については、¥210 (1,000個以上)からとなっています。

消費電流が僅か10µAのSOT23、超低電圧、beyond-the-railsオペアンプ

MAX4240~MAX4244は、全電源電圧に対して信号範囲を使用可能にするBeyond-the-RailsTM入力とレイルトゥレイル®出力を備えたシングル/デュアル/クワッド、低電力、低電圧オペアンプです。これらのアンプは90kHz利得帯域幅積を提供し、回路当たりの消費電流は僅か10µAです。携帯及びバッテリ駆動システムでは、2個の単三アルカリ電池で200,000時間まで動作可能です。

MAX4240~MAX4244オペアンプは、+1.8V~+5.5Vの単一電源又は±0.9V~±2.75Vのデュアル電源で動作します。MAX4241とMAX4243は、出力をハイインピーダンス状態にして、消費電流を1µA

4.5ns伝播遅延を実現する低電力、単一電源コンパレータ

MAX961~MAX964及びMAX997/MAX999は、低電力、超高速シングル/デュアル/クワッドコンパレータです。5mVオーバドライブで4.5nsの伝播遅延を特長とするこれらのコンパレータは、3.5mVの内部ヒステリシスを内蔵し、各コンパレータの自己消費電流は僅か5mAです。これらのデバイスは、全て3V及び5V単一電源動作用に最適化されています。入力コモンモード電圧範囲は電源電圧範囲の100mV外側まで拡張され、出力は、グランド又はVCCの0.52V以内で4mAのシンク/ソース能力があります。

以下まで低減するシャットダウンモードを備えています。入力コモンモード電圧範囲は、各電源電圧の200mV外側まで拡張され、出力スイングは、100kΩ負荷で各電源電圧から8mV以内になっています。これらのアンプは200µVの低入力オフセット電圧を備え、200pFまでの容量性負荷に対してユニティゲイン安定です。

これらの製品は、超小型5ピンSOT23(シングルMAX4240)、8ピンµMAX(シングルMAX4241)、8ピンµMAX又はSOPパッケージ(デュアルMAX4242)、10ピンµMAX又は14ピンSOPパッケージ(デュアルMAX4243)、及び14ピンSOPパッケージ(クワッドMAX4244)で提供されています。価格については、¥110(1,000個以上)からとなっています。

Beyond-the-Railsはマキシム社の商標です。

レイルトゥレイルは、日本モトローラ社の登録商標です。

100

10

11 10 100 1k 10k 100k 1M 10M

周波数 (Hz)

ノイズ密度 (nV/ Hz)

5ピンSOT23

3.0mm x 3.1mm41

04

これらのコンパレータは、MAX962とMAX999を除き、消費電流を270µAまで低減するシャットダウンモードを備えています。また、MAX961/MAX963は有効な出力状態を維持できるラッチイネーブル付きのコンプリメンタリ出力を備えています。シングルMAX999は省スペースの5ピンSOT23、シングルMAX961/MAX997及びデュアルMAX962は8ピンSOP又はµMAX、デュアルMAX963は14ピンSOP、クワッドMAX964は16ピンナローSOP又はQSOPパッケージで提供されています。価格については、¥250(1,000個以上)からとなっています。

これに対して競合他社は�

MAX961–MAX964/MAX997/MAX999

3Vと5Vの�両仕様�

9696

5ns 10ns 15ns伝播遅延�

20ns 25ns

714 3601016

5Vのみ仕様�

MAX999

5ピ

ンSOT23

3.0mm x 3.0m

m

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NEW PRODUCTS8ピンµMAXパッケージに収まる8MHzオペアンプ/185nsコンパレータ/10ppmリファレンスIC

MAX9000シリーズのICは、高速信号を検出します。すべてのICはオペアンプとコンパレータを兼ね備え、その内の4つは精密1.230V ±1%電圧リファレンスも内蔵しています。各デバイスは+2.5V~+5.5Vの単一電源で動作し、自己消費電流は僅か340µAです。MAX9001/MAX9004は、消費電流を2µAに低減し、出力をハイインピーダンスに設定するシャットダウンモードを備えているため、ポータブルアプリケーションに最適です。

MAX9000/MAX9001/MAX9002のオペアンプはユニティゲイン安定に補償され、利得帯域幅積は1.25MHzです。MAX9003/MAX9004/MAX9005のオペアンプは、10V/V以上の閉ループ利得に対して安定で、利得帯域幅積は8MHzです。入力コモンモード電圧範囲は、アンプに対してはマイナス電源電圧の150mV下からプラス電源電圧の1.2V以内まで(コンパレータに対してはプラス電源電圧の1.1V以内まで)拡張されています。

アンプ出力及びコンパレータ出力のスイングはレイルトゥレイルで、優れたDC精度を維持しながら、アンプに対し±2.5mAを、コンパレータに対し±4.0mAを供給します。コンパレータの出力段は、ユニークな設計によって出力遷移時のスイッチング電流を大幅に低減し、電源グリッチを除去します。コンパレータの内部ヒステリシス±2mVは、

低電圧、単一電源動作のマルチプレクサ/スイッチIC

MAX4524/MAX4525は、4チャネルのマルチプレクサ/デマルチプレクサ(MAX4524)及びDPDTスイッチ(MAX4525)として構成されたCMOSアナログスイッチです。+2V~+12Vの単一電源で動作し、3Vと5V動作の両方で最適化されています。オン抵抗は、5V電源で200Ω、3V電源で500Ωです。各スイッチはレイルトゥレイルのアナログ信号を扱うことができ、全信号経路を同時に開く抑止入力を備えています。

オフリーク電流は、+25℃で僅か2nA(+85℃で20nA)です。ディジタル入力のロジックスレッショルド(0.8V及び2.4V)は、5V電源動作時のTTL/CMOSとのコンパチビリティが保証されています。MAX4524/MAX4525は10ピンµMAXパッケージで提供されています。価格については、¥140(1,000個以上)からとなっています。

ノイズ耐性を提供すると共に、変化の遅い入力信号の場合も発振を防ぎます。

内部バンドギャップリファレンス(MAX9000/MAX9001及びMAX9003/MAX9004)の温度係数は低くなっており(8ppm/℃)、1mAまでの電流をシンク又はソースすることができます(MAX9000及びMAX9003では、コンパレータの反転入力がリファレンス出力に内部接続されています)。オペアンプ出力及びリファレンス出力は、それぞれ250pF及び100nFまでの容量性負荷に対して安定です。

MAX9000/MAX9002及びMAX9003/MAX9005は8ピンµMAX又は8ピンSOP、MAX9001/MAX9004は10ピンµMAX又は14ピンSOPで提供されています。価格については、¥150(1,000個以上)からとなっています。

レイルトゥレイルの低電圧アナログ位相反転スイッチ

MAX4528は、位相反転スイッチとして構成された低電圧CMOSアナログIC(内部接続された2つのSPDTタイプ)です。高速遷移時間(±5V電源で100ns(max))、低チャージインジェクション(5pC(max))、及びマッチングオン抵抗(Δ4Ω(max))を備え、同期(バランスド)変調器や復調器などの高速アプリケーションに最適です。

MAX4528は、+2.0V~+12V単一電源又は±2.7V~±6Vデュアル電源で動作し、

消費電流は10µA(max)です。各スイッチはレイルトゥレイルのアナログ信号を扱うことができ、(±5V電源での)オン抵抗は70Ωです。オフリーク電流は、+25℃で10nA、+85℃で100nAです。

ディジタル入力は、2kVまで静電放電(ESD)保護されており、ロジックスレッショルド(0.8V及び2.4V)はTTL及びCMOSロジック信号とコンパチビリティが保証されています。MAX4528は8ピンµMAX、DIP、及びSOPパッケージで提供されています。価格については、¥120(1,000個以上)からとなっています。

LOGIC LO

XB

A

MAX4528 MAX4528

真理値表�

IN

O

1

A

Y

X

B

X

Y

V-

INPUTS

V+

V+

V-

OUTPUTSY

LOGIC HI

XB

A

GND V-

V-

INPUTS

V+

V+

OUTPUTSY

IN

GND

IN

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NEW PRODUCTSATE用ケルビン検出機能を提供するフォース/センススイッチ

MAX4554/MAX4555/MAX4556は、自動試験機器(ATE)のケルビン検出用フォース/センス用アナログスイッチとして構成されたICです。他のアプリケーションとしては、キャリブレータ、精密電源、自動キャリブレーション回路、及びループバックを備えた非対称ディジタル加入者線(ADSL)等があります。各デバイスは、電流のフォース用として1個以上の高電流、低抵抗スイッチと電圧の検出又はガード信号の切換え用として2個以上のより高い抵抗スイッチを備えています。

各デバイスは、+9V~+40Vの単一電源又は±4.5V~±20Vのデュアル電源で動作します。消費電力は僅か1µWです。±15V電源動作時のフォース経路オン抵抗は6Ω(max)で、1Ω以内にマッチングされます。また、センス経路オン抵抗は60Ω(max)で、8Ω以内にマッチングされます。これらの

80Ωオン抵抗を備えた低電圧CMOSマルチプレクサ/スイッチ

MAX4581/MAX4582/MAX4583シリーズは、8チャネルマルチプレクサ(MAX4581)、デュアル 4 チャネルマルチプレクサ(MAX4582)、及び3個の単極/双投スイッチ(MAX4583)から構成されているCMOSアナログICです。各マルチプレクサは、低いオン抵抗(80Ω)と連続低電圧動作(+2V~+12Vの単一電源、±2V~±6Vのデュアル電源)を保証します。

MAX4581/MAX4582/MAX4583は、工業標準74HC4051 / 7 4HC4052 /74HC4053デバイスとピンコンパチブルです。これらのデバイスはレイルトゥレイルのアナログ信号を扱い、チャネル間のオン抵抗マッチング(4Ω(max))と低オンリーク電流(+25℃で1nA、+85℃で5nA)を保証します。全てのディジタル入力には、5V又は±5V電源動作時にTTL/CMOSロジックとのコンパチビリティを保証する、標準ロジックスレッショルド(0.8V及び2.4V)を備えています。

MAX4581/MAX4582/MAX4583は16ピンQSOP、DIP、及びナローSOPパッケージで提供されています。価格については、¥80(1,000個以上)からとなっています。

スイッチは全て、電源電圧範囲のアナログ信号を扱い、オフリーク電流は+25℃で僅か0.25nA(+85℃で2.5nA)です。ディジタル入力のスレッショルドは、TTLロジック及びCMOSロジックとコンパチブルな0.8V/2.4Vです。これらのデバイスは、MIL-STD-8833015.7法に付き2kV以下のESD保護を特長としています。

MAX4554は、三極/単投ノーマリオープンスイッチとして構成した2個のフォーススイッチ、2個のセンススイッチ、及び2個のガードスイッチを備えています。MAX4555は、4個の独立したノーマリクローズSPSTスイッチを、MAX4556は、フォーススイッチ1個とセンススイッチ2個の、合計3個のSPDTスイッチを備えています。MAX4554/MAX4555/MAX4556は16ピンDIP、ナローSOP、及びQSOPパッケージで提供されています。価格については、¥300(1,000個以上)からとなっています。

SELECT B

FORCE

MEASURE

FORCE

GUARD

SENSE

試験�

素子へ�

1/2 MAX4554

FORCE

FORCE

MEASURE

SELECT A

GUARD

SENSE1/2 MAX4554

100

0.0110 1k 10k100 100k

0.1

周波数 (Hz)

THD (%)

1

10

600W IN AND OUT

10,000

100 102 3 4 5 6 7 8 91

オン抵抗 対 VCOM�(単一電源)

100

1000

VCOM (V)

RON (

W) V+ = 2.7V

V+ = 2V

全高調波歪み (THD)�対 周波数�

V+ = 3.3VV+ = 5V

V+ = 10V

V+ = 7.5V

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NEW PRODUCTSSMBusインタフェース付シリアル-パラレル負荷スイッチコントローラ

MAX1661/MAX1662/MAX1663は、外部パワーMOSFETを制御するために設計された負荷スイッチコントローラです。これらの小型、低コストデバイスをシステムマザーボードに取り付けることにより、2線SMBusTMシリアルインタフェースを通じてポイントオブロードスイッチングを制御できます。いずれのデバイスもTTLコンパチブルロジック入力又は高電圧オープンドレイン出力として動作する3つの双方向端子を備えています。

これらの双方向端子は28Vの電圧に耐えるため、ノートブックコンピュータのバッテリ電圧分配スイッチを制御することができます。また、入力に関しては、シリアル入力データを3つのパラレル出力に配線するか、又はこれらの出力でディジタルデータを受け取り、シリアルSMBusを介して送信用にフォーマットすることで、シリアルパラレルアプリケーション及びパラレルシリアルアプリケーションでMAX1661/MAX1662/MAX1663を利用することができます。

MAX1661の出力は、NチャネルMOSFETの駆動用として設計されているため、パワーアップ時はアクティブローになります。一方MAX1662/MAX1663の出力は、PチャネルMOSFETの駆動用で、パワーアップ時はハイインピーダンスです。これにより、パワーアップ時にMOSFETがオフであることが保証されるため、システムがパワープレーンシーケンスを実行できます。

MAX1661/MAX1662/MAX1663を2.7V~5.5Vの単一電源で動作させた時の消費電流は、僅か3µAです。2つの内部制御データレジスタのいずれかをSMBSUS入力で選択し、2つの異なるパワープレーン構成をホストシステムで選択できるため、シリアルバスに起因する待ち時間を排除できます。その他の機能としては、サーマル及び過電流保護、超低消費電流、及びハードウェア/ソフトウェア割込み機能が挙げられます。

これらのデバイスには、評価と設計サイクルの迅速化を目的とした評価キット(MAX1662EVKIT)が提供されています。MAX1661/MAX1662/MAX1663は省スペースのµMAXパッケージで提供されています。価格については、¥160(1,000個以上)からとなっています。

SMBusは、Intel Corp.の商標です。

同期整流付のCPU駆動用高速ステップダウンコントローラ

MAX1639は、ハイエンドコンピュータのCPU駆動を目的とした超高性能、ステップダウンDC-DCコントローラです。正常な動作を保証するために出力電圧精度と良好なトランジェット応答が要求される、仕様の厳しいアプリケーション用として設計されたこのデバイスは、5V±10%電源で動作し、出力範囲1.1V~4.5V、精度±1%で35A以上を供給します。

MAX1639の優れたダイナミック応答は、最新のダイナミッククロックCPUで問題となる出力トランジェットを防ぎます。このデバイスのフライングコンデンサ・ブートストラップ回路は、低価格な外付けNチャネルMOSFETを駆動し、同期整流によって90%

コードレス電話のRFPAを駆動する95%効率のDC-DCコンバータ

MAX1700/MAX1701/MAX1703は、最新のコードレス電話のRFパワーアンプを駆動するために必要な高い電流を発生するステップアップDC-DCコンバータです。内部同期整流器とパワースイッチを特長とするこれらのICは、95%もの効率を達成します。コンバータMAX1700/MAX1701は800mAの出力電流を供給し、ボード占有面積が8ピンSOPパッケージと同じ16ピンQSOPパッケージで提供されています。MAX1703は16ピンナローSOPパッケージで提供され、1.5Aを供給します。

コンバータMAX1700/MAX1701/MAX1703は、1~3セルのNiCd/NiMH水素や1セルのLiイオン等のバッテリで動作するように設計されています。これらのコンバータはブートストラップモードで動作し(専用のステップアップ出力電圧で駆動)、1.1Vまでの入力から起動するように保証されています。一旦起動すると、0.7Vまでの入力に対して安定です。出力電圧は3.3V又は5Vの固定、あるいは、外部抵抗分圧器を使って2.5V~5.5Vの範囲内で調整することもできます。

フルパワー動作時は、パルス幅変調と300kHz一定の高スイッチング周波数によって、コンバータのノイズが最小に保たれます。低電力モードでは、自己消費電流が40µAに低減(シャットダウンモードでは、僅か1µAに低減)するため、レシーバとスタンバイ機能に150mAを提供しながらバッテリ寿命を最大限拡張することができます。

MAX1700及びMAX1701は、1つのモーメンタリスイッチでプッシュオン/プッシュオフを可能にするデュアルシャットダウン制御を特長としています。また、MAX1701及びMAX1703には、低バッテリ警告又はパワーグッド信号を発生するためのコンパレータに加え、DSP、無線ベースバンド、及びその他の電話機器を駆動するための低ドロップアウトリニアレギュレータを作成する場合に便利な利得ブロックを備えています。

MAX1700/MAX1701/MAX1703は、温度範囲は拡張工業(-40℃~+85℃)のものが用意されており、価格は¥400(1,000個以上)からとなっています。マキシム社では、設計の迅速化に役立つ完全評価キットを提供すると共に、外付け部品の推奨も行っています。

以上の効率を実現します。スイッチング周波数は300kHz、600kHz、及び1MHzからピン選択できるようになっています。スイッチング周波数を高くすると、より小さな表面実装インダクタと出力フィルタコンデンサを使用することができ、ボード面積とシステムコストを節約できます。

出力が正常レギュレーションポイントから200mV上昇すると、クローバー回路がローサイドMOSFET(デューティ100%)をオンにし、出力を過電圧から保護します。他の機能としては、内部ディジタルソフトスタート、パワーグッド出力、及び3.5V±1%リファレンス出力が挙げられます。MAX1639は、16ピンSOPパッケージで提供されており、温度範囲は拡張工業(-40℃~+85℃)のものが用意されています。価格については、¥420(1,000個以上)からとなっています。

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NEW PRODUCTS

3Vから5V/250mAのブーストコンバータ、インダクタ不要

MAX682/MAX683/MAX684は、2.7V~5 .5Vの入力から最大出力電流それぞれ250mA、100mA、及び50mAにて5Vの安定化出力を供給するステップアップDC-DCコンバータでインダクタ使用のDC-DCコンバータに比べ、チャージポンプとしては新しい性能標準を記録しています。

MAX682/MAX683/MAX684は、コンパクトアプリケーションで3.3V入力から5Vを供給する、高効率のローカル電源です。必要な部品は、1つの抵抗と3つの小さなコンデンサだけです。インダクタは必要ありません。シャットダウンモードでの消費電流は僅か0.1µAです。これらのコンバータは、高いスイッチング周波数とユニークな安定化方式を採用しているため、出力電流100mA当たりに必要な出力コンデンサは僅か1µFです。

安定化は、スキップモード又は固定周波数(リニア)モードで実現しています。スキップ

モードでは、負荷電流の関数としてスイッチング周波数を変化させることで、On-DemandTMスイッチングが得られるため、外部コンデンサを小型化し、自己消費電流を極めて低く抑えています。重負荷時は、2MHzまでの周波数で入力から出力にエネルギーを転送します。軽負荷時は、スイッチング速度をより遅くし、自己消費電流を僅か100µAに低減します。

固定周波数モードでは、全負荷電流にわたってスイッチングレートを一定にし、スイッチング経路の抵抗を制御することによって安定化します。この技法を用いることにより、低ノイズアプリケーションで容易にフィルタリングできる固定周波数リップルが得られます。外部抵抗は、固定周波数を50kHz~2MHzの範囲内に設定します。

250mAのMAX682は8ピンSOPパッケージで提供されています。100mAのMAX683と50mAのMAX684は、高さが僅か1.1mmの省スペース8ピンµMAXパッケージで提供されています。MAX684の価格については、¥210(1,000個以上)からとなっています。

LCD及びバラクタ用に±28Vを提供するディジタル可変DC-DCコンバータ

MAX686は、低電圧入力から正又は負の高電圧を発生する高効率のブーストコンバータです。6ビットDACを内蔵し、ハンドヘルド機器のLCD又はセットトップボックスのバラクタチューナに、ディジタル可変バイアス電圧を提供します。必要な電源スイッチをチップに内蔵し、スペースとコストを節約しています。MAX686は、内部DAC、低消費電流、小型パッケージ、

125mAを供給する安定化負電源、インダクタ不要

MAX1673 DC-DCコンバータは、2V~5.5Vの正入力電圧から、-VINまでの安定化負出力電圧を発生する反転チャージポンプで、125mAまでの出力電流を供給します。2つの外部抵抗が出力電圧を設定し、3つの小さな外部コンデンサがチャージポンプをサポートします。

MAX1673は、スキップモード又はリニアモードで安定化します。スキップモードでは、負荷電流に従ってスイッチング周波数を変化させます。このOn-DemandTMスイッチングにより、超小型コンデンサの使用と極めて低い自己消費電流の実現が可能となります。重負荷時は、350kHzで入力から出力にエネルギーを転送します。軽負荷時は、スイッチング速度をより遅くし、自己消費電流を35µAに低減します。

リニアモードでは、負荷電流に関係なく常に350kHzでスイッチングを行い、スイッチング経路の抵抗を制御することによって安定化します。この技法を用いることにより、低ノイズアプリケーションで容易にフィルタリングできる固定周波数リップルが得られます。MAX1673には、1µAロジック制御シャットダウンモードも備わっています。

MAX1673は8ピンSOPパッケージで提供されており、温度範囲は拡張工業用(-40℃~+85℃)のものが用意されています。価格については、¥240(1,000個以上)からとなっています。

On-Demandは、マキシム社の商標です。

MAX682

SHDN

GND

CXN CXP

IN OUT

SKIPREXT1mF 2.2mF

0.47mF

入力�2.7V~5.5V

出力�5.0V/250mA

及び超小型外部部品等の特長を備えているため、LCD用として極めてコンパクトで効率の良い高電源電圧を提供します。

MAX686は、極性選択ピンによって正又は負の出力電圧に設定できます。必要な電源電圧は+2.7V~+5.0Vですが、ステップアップインダクタは、バッテリから直接駆動することも、0.8V~VOUTの範囲内の電圧で駆動することもできます。MAX686は+28V又は-28Vで10mAを供給します。

MAX686では、電流制限パルス周波数変調(PFM)制御方式により、広範囲の負荷条件にわたって93%という高効率を実現しています。シャットダウンモードでは、動作

電流(70µA)が1 µAまで低下するため、MAX686はバッテリ駆動アプリケーションに最適です。また、高いスイッチング周波数(300 kH zまで)と500mAあるいは250mAのピン選択可能な電流リミットにより、超小型で低価格なインダクタの利用が可能になります。

MAX686は8ピンSOPパッケージと同じサイズの16ピンQSOPパッケージで提供されています。価格については、¥3 7 0(1,000個以上)からとなっています。

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NEW PRODUCTS

±15kV ESD保護機能付の10Mbps、3V/5VクワッドRS-422レシーバ

クワッドRS-422レシーバMAX3095/MAX3096には、国際標準に適合する耐静電放電(ESD)機能が備わっています。耐ESD適合製品としては、初めて±15kV定格を達成し、厳しい工業標準に基づいて試験された頑丈な内部ESD保護を提供しています。レシーバ入力は、ヒューマンモデル及び IEC1000-4-2エアギャップ放電で±15kVまで、

±15kV ESD標準適合、携帯アプリケーション用1µA、1Mbps、3V RS-232 IC

MAX3224E~MAX3227Eは、耐静電放電(ESD)の国際標準に適合した携帯及びバッテリ駆動機器用の高速、低電力、3VRS-232 ICです。全てのトランスミッタ出力及びレシーバ入力は、ヒューマンモデル及びIEC 1000-4-2エアギャップ放電で±15kVまで、IEC 1000-4-2接触放電で±8kVまでESD保護されています。

MAX3224E及びMAX3225Eは、トランスミッタとレシーバを2個ずつ、MAX3226E及びMAX3227Eは(余分なハンドシェーク及びコントロールラインを必要としない、使用面積に制限のあるアプリケーション用として)トランスミッタとレシーバを1個ずつ備え、それぞれ16ピンSSOPパッケージ

で提供されています。消費電流は1µAと低く、バッテリ寿命を最大限まで拡張します。MAX3224E/MAX3226Eは250kbpsまでのデータレートを保証し、MAX3225E/MAX3227E(マキシム社のMegaBaudTM

機能付)は、ISDNモデム通信のような高速アプリケーション用として1Mbpsまでのデータレートを保証します。

MAX3224E~MAX3227Eは、マキシム社独自の電圧ダブラ及び低ドロップ電圧出力段を備えているため、3V~5.5VのVCCにわたって真のRS-232性能を提供します。電力の大きな電圧トリプラとは違い、これらのデバイスは、電源電圧に関係なく4つの外部コンデンサしか必要としません。マキシム社のAutoShutdown PlusTM構造により、ソフトウェアに変更を加えることなく電力を自動的に節約できます。

有効なRS-232の動作が30秒以上検出されない場合(例えばRS-232のケーブルの接

続が切れた場合やデバイスと周辺機器間の通信が途切れた場合など)、MAX3224E~MAX3227Eは低電力シャットダウンモードに入ります。このシャットダウンモードは、レシーバ又はトランスミッタ入力に有効な動作が検出されると解除されます。

これらのデバイスはDIP及びSSOPパッケージで提供されています。価格については、MAX3224E/MAX3225Eが¥280(1,000個以上)から、MAX3226E/MAX3227Eが¥180(1,000個以上)からとなっています。

MegaBaudはマキシム社の商標です。AutoShutdown Plusはマキシム社の商標です。

IEC 1000-4-2接触放電で±8kVまでESD保護されています。

MAX3095は+5V電源で、MAX3096は+3.3V電源で動作します。レシーバの伝播遅延は、既定値の±8ns以内に保証されているため、異なる製造ロットのデバイス間であっても、16nsの最大スキューを保証できます。この性能は、電気通信機器のバスレシーバに最適です。

10Mbpsまでのデータレートで動作するMAX3095及びMAX3096は、1つのバスで128個のレシーバを使用できる1/4ユニット負荷入力インピーダンスを備えています。

3,224種類のユニークな組合せを提供するµP監視回路

MAX6316~MAX6322*ファミリは、ディジタルシステムの電源電圧とマイクロプロセッサの動作を監視するマイクロプロセッサ(µP)監視回路です。これらのデバイスは、ソフトウェアウォッチドッグ、マニュアルリセット及び様々な組合わせのプッシュ/プル、オープンドレイン、及び双方向性リセット出力(Motorola 68HC11とコン

パチブル)を提供しています。各デバイスの機能については、マキシム社の「製品選択ガイド」をご覧ください。

デバイスの組合わせは、出荷時にトリミングした26種類のリセット電圧(100mV単位で2.5V~5V)、4種類の最小リセットタイムアウト時間(1ms、20ms、140ms、1.12sec)及び4種類の最小ウォッチドッグタイムアウト時間(6 . 3m s、102ms、1.6sec、25.6sec)から選択できます。各デバイスの消費電流は僅か5µAで、いずれもVCCからの負の高速トランジェットを無視

するように設計されています。リセット出力は、1VまでのVCCに対して有効であることが保証されています。

MAX6316~MAX6322は5ピンSOT23パッケージで提供されており、温度範囲は民生用(0℃~+70℃)のものが用意されています。価格については、¥140(2,500個以上)からとなっています。標準以外のデバイスのご注文は、10,000個以上です。詳細はお問い合わせください。

* MAX6317/MAX6321/MAX6322は開発中です。発売時期についてはお問い合わせください。

コンプリメンタリイネーブル入力を使用することで、レシーバ出力をハイインピーダンスにし、消費電流を1nAまで低減する低電力シャットダウンモードに設定することができます。これらのデバイスの動作電流は僅か2.4mAです。

MAX3095/MAX3096は、共に工業標準’26LS32とピンコンパチブルで、省スペースの16ピンQSOP、16ピンDIP、及びナローSOPパッケージで提供されています。価格については、¥250(1,000個以上)からとなっています。

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リミッタ、RSSI、及びクワッド変調器を備えた低電力IFトランシーバ

MAX2510は、超小型パッケージで多数の機能を提供する中間周波数(IF)トランシーバです。このデバイスは、第1IFの範囲が200MHz~500MHzで第2I Fが30MHzまでのアプリケーションと、RF入力範囲が200MHz~500MHzで第1IFが30MHzまでのアプリケーションに適しています。このようなアプリケーションとしては、PWT1900、PACS、PHS、DECT電話及びベースステーション等のPCSシステム、400MHz ISMトランシーバ、IFトランシーバ、ワイヤレスデータリンクなどがあります。

MAX2510のレシーバ部は、ダウンコンバータミキサとRSSI付のリミティングアンプから構成されています。ミキサは、優れたダイナミックレンジを備えています。入力1dB圧縮点は-23dBmになっているため、U.S. PCSシステムなどのように干渉が発生し易いアプリケーションに最適です。リミ

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NEW PRODUCTS低価格RFアップ/ダウンコンバータ、LNA及びPAドライバ付

MAX2410及びMAX2411Aは、低価格のシリコンバイポーラアップ/ダウンコンバータです。各デバイスは、時分割デュープレックス(TDD)通信システムにおいてRFフロントエンド送受信機能を果たします。MAX2410/MAX2411Aは広範囲の周波数で動作し、約1.9GHzのRF周波数用として最適化されています。アプリケーションとしては、最もポピュラーなコードレス及びPCS標準であるPWT1900/DCT1900、PHS、及びDECTが挙げられます。

MAX2410は、ノイズ値2.4dB及び入力3次インターセプトポイント(IIP3)-10dBmの低ノイズアンプ、ノイズ値9.8dB及び3.3dBm IIP3の低ノイズダウンコンバータ、アップコンバータミキサ、局部発振器バッファ、及び可変利得PAドライバアンプから構成されています。アンプの利得は、最大15dB~最小-20dB(typ)の範囲内でアナログ電圧で調整することができます。

MAX2410には、送信用と受信用の2つのI Fポートがあります。MAX2411Aは、MAX2410と同じ機能を提供しますが、送受信に同じIFフィルタを使用するユニークな双方向性差動IFポートを採用することによって、コストと部品数を低減しています。これらのデバイスは、共に柔軟なパワーダウンモードと低消費電力を特長とし、消費電力は受信時が60mW、フルパワー送信時が90mW、シャットダウンモード時は僅か0.3mWになっています。

MAX2410/MAX2411Aは28ピンQSOPパッケージで提供されており、温度範囲は拡張工業(-40℃~+85℃)のものが用意されています。価格については、¥430(1,000個以上)からとなっています。

ティングアンプから得られる受信信号強度インジケータ(RSSI)のダイナミックレンジは90dB以上で、優れた直線性を示します。保証最大相対エラーは±2dBです。

トランスミッタ部は、サイドバンド抑制に優れた(40dB)直交変調器と可変利得0dBmの出力バッファアンプから構成されています。このアンプでは、希望の出力電力を維持しながら消費電流を最小限に抑える、ユニークなバイアス方式を採用し、バッテリ寿命を拡張します。

MAX2510の動作電源電圧範囲(+2.7V~+5.5V)は、3セルバッテリとの直接接続を可能にします。シャットダウンモードでは、チップの消費電流が2µA以下に低下します。

トランスミッタ側だけでなく、レシーバ側にもイメージ除去が必要となるアプリケーションでは、MAX2510と同じ機能(リミッタ、RSSI、制御機能等)を提供するMAX2511が最適です。MAX2510は28ピンQSOPパッケージで提供され、価格は¥660(1,000個以上)からとなっています。

消費電流が僅か1.6µAの差動RS-485/RS-422トランシーバ

MAX3471は、バッテリ駆動RS-485/RS-422アプリケーション用のハーフデュープレックスデータトランシーバです。+3.6V電源からの消費電流は僅か1.6µA(typ)で、電源電圧範囲が+2.5V~+5.5Vと広いため、リチウムバッテリの寿命を通じて動作を保証します。

フェイルセイフ機能により、レシーバ入力がオープン又は短絡時にロジックハイのレシーバ

僅か1.6 Aの�消費電流�

+2.5Vの�低電圧動作を�

実現�

(RS-485ネットワークへ)

MAX3471

FULL

EMPTY

+3.5V

+2.5V

DE

DI

RORE

出力を保証します。このため、終端バス上の全てのトランスミッタがディセーブルされハイインピーダンスになると、MAX3471レシーバ出力がロジックハイに設定されます。ドライバ出力がイネーブルされ、VCC以上又はグランド以下にプルされると、内部回路によってバッテリの逆充電が防止されます。MAX3471の入力抵抗は、1/8ユニット負荷と等価です。

MAX3471は8ピンµMAXパッケージで提供されており、価格は¥210(1,000個以上)からとなっています。

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NEW PRODUCTS

低価格900MHz無線装置に最適なイメージ除去RF IC

MAX242X/MAX246Xシリーズの高集積RFトランシーバIC及びMAX244XシリーズのRFレシーバICは、900MHzコードレス電話、ワイヤレスモデム、及びRFトランシーバのコストを低減します。従来のRF製品と異なり、これらのデバイスはアクティブイメージ除去ミキサを備えているため、外部RFフィルタを必要とせず、コストとスペースを節約することができます。さらに、これらのデバイスの殆どは、低レシーバIF周波数用に最適化されているため、余分な周波数変換の必要がなく、さらにコストとスペースの節約につながります。

標準の送受信イメージ除去は35dBです。フロントエンドLNAのノイズ値は1.8dBのため、ダウンコンバータのノイズとしては合計4dBを許容します。また、LNAの可変利得により、最大LNA利得のIIP3 -17dBmから最小LNA利得のIIP3 +2dBmまでレシーバのダイナミックレンジを増大することがで

±2ns精度の3本セットシリコン遅延ライン

MXD1013は、3本の独立したロジックバッファ付き遅延ラインを含むモノリシックICです。内部補償は、指定された温度及び電源電圧範囲にわたって公称遅延値を維持します。立上りエッジ又は立下りエッジの公称遅延値は、10ns~60nsで±2%、

きます。内部VCOの位相ノイズは、10kHzオフセットで僅か-84dBc/Hzです。組込みプリスケーラは、CMOS PLLでは64/65分周モード、BiCMOSシンセサイザではバッファモードで動作します。

送信及び受信経路のイメージ除去機能を備えたMAX2420/MAX2421/MAX2422及びMAX2460/MAX2463は、10.7MHzと110MHz間のIF周波数用に最適化されています。送信イメージ除去ミキサの代わりにダブルバランスドミキサを使用しているMAX2424/MAX2426は、BPSK変調及びVCOを直接変調するアプリケーションとコンパチブルです。MAX2440~MAX2442は、受信専用のICです。

MAX242X/MAX244X/MAX246Xファミリの10種類のICは、全て+2.7V~+4.8Vの単一電源で動作し、3セルバッテリに直接接続できます。標準の低消費電流は、レシーバが23mA、トランスミッタが26mA、オシレータが9.5mAです。シャットダウンモードでの消費電流は僅か0.5µAです。これらのデバイスは28ピンSSOPパッケージで提供されており、価格¥370(1,000個以上)からとなっています。

RXIN (900MHz) Adjustable-

Gain LNA

VCO

Rx Mixer

MAX2420

MAX2421

MAX2422

MAX2460

MAX2463

Buffer

PA Driver Tx Mixer

RXOUT (IF)

MOD (FROM PLL)

PREOUT (TO PLL)

DIV1

TXIN (IF)

TXGAIN

LNA GAIN

RXON

TXON

VCOON

TXOUT (900MHz)

POWER

MANAGEMENT

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プログラマブルゲインを備えたアップストリームCATVドライバアンプ

MAX3532は、アップストリームケーブルアプリケーション用に設計されたプログラマブルパワーアンプです。36dBmV連続波入力で1:2(電圧比)トランスを駆動するMAX3532は、最大62dBmVの出力を発生します。利得は3線シリアルディジタルバスで制御しており、0dBmVから62dBmVまで1dBごとに調整が可能です。動作周波数範囲は5MHz~42MHzです。

MAX3532のモードには、最大出力電力を提供するハイパワーモード、より低い電力レベルでノイズを最小にする低ノイズモード、及びTDMAシステムのバースト間で使用し、高いアイソレーションにより出力ノイズを最小にする伝信ディセーブルモードの3つがあります。MAX3532は+5V単一電源で動作し、消費電力は350mW(typ)です。

パワーダウンモードには、プログラムした利得設定を維持したまま全てのアナログ回路をパワーダウンするソフトウェアシャットダウンモードと、内部回路全体をディセーブルすることによって消費電流を50µA以下に低減するハードウェアシャットダウンモードの2つがあります。MAX3532は36ピンSSOPパッケージで提供されており、価格は¥550(1,000個以上)からとなっています。

MAX3532VOUT-

VIN+

SHDN

VIN-

CS SDA SCLK

VOUT+

TXEN

SERIAL DATA INTERFACE

BIAS

70ns~100nsで±3%、150ns~200nsで±5%で、公称遅延値は、10ns~200nsの範囲で18レベルあり、部品番号の終わり3桁で示されます(カスタム値については、お問い合わせください)。各出力では、10個の標準74LS負荷を駆動することができます。Dallas Semiconductor社のDS1013は消費電流が40mAであるに対し、MXD1013の消費電流は僅か20mAです。ハイブリッドデバイスと比較しても、MXD1013は性能、信頼性、及びコスト面でより優れています。

MXD1013は省スペース8ピンµMAXパッケージ、8ピンSOP又はプラスチックDIP、14ピンプラスチックDIP、及び16ピンナローSOPパッケージで提供しています。価格については、¥340(1,000個以上)からとなっています。