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特集1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況 -主権者教育の推進、18 歳・19 歳の投票率 主権者教育に関する国、自治体の取組 (データ)選挙権年齢の引下げ後に実施された選挙の結果 特集2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組 クルーズ船をめぐる国の動向 横浜市、他都市、他団体等における取組 写真:大さん橋に停泊するクルーズ船(港湾局提供) 市会ジャーナル 166 平成 29 年度 Vol.横浜市会議会局 政策調査課 政策調査レポート

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特集1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況 -主権者教育の推進、18 歳・19 歳の投票率

主権者教育に関する国、自治体の取組

(データ)選挙権年齢の引下げ後に実施された選挙の結果

特集2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

クルーズ船をめぐる国の動向

横浜市、他都市、他団体等における取組

写真:大さん橋に停泊するクルーズ船(港湾局提供)

市会ジャーナル 第166 号

平成 29 年度 Vol.5

横浜市会議会局 政策調査課

政策調査レポート

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市会ジャーナル 第166号 平成29年度 Vol.5

政策調査レポート

特集1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況 ―主権者教育の推進、18 歳・19 歳の投票率

はじめに 1

第1部 主権者教育に関する国の動き 2

1 国のこれまでの動き 2

2 国による主権者教育の具体的な取組 3

(1)主権者教育に関する副教材の作成 (総務省、文部科学省) 4

(2)主権者教育等及び 18 歳選挙権に関する意識調査(総務省) 5

(3)学校図書館への新聞配備(文部科学省) 5

(4)「主権者教育」普及実践事業(総務省) 5

3 主権者教育の現状と課題、今後の方向性

―主権者教育の推進に関する有識者会議とりまとめより―

6

第2部 自治体による主権者教育の取組 10

1 横浜市における取組 10

(1)選挙管理委員会による取組 10

(2)選挙管理委員会・教育委員会の連携 11

(3)議会局による取組 11

2 他都市における特徴的な取組 13

(1)川崎市 選挙管理委員会によるインターンシップ生の受入れ 13

(2)平塚市 「ひらつかスクール議会」 13

(3)名古屋市 青年選挙ボランティア 14

(参考データ)選挙権年齢の引下げ後に実施された選挙の結果 15

1 第24回参議院議員通常選挙における投票率 15

2 平成29年7月30日執行横浜市長選における投票率 17

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特集2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

はじめに 19

第1部 クルーズ船をめぐる動向 19

1 日本の港湾へのクルーズ船寄港状況 19

(1)日本の港湾へのクルーズ船寄港回数、入国者数 19

(2)港湾別の寄港回数 21

2 クルーズ船の寄港による経済効果 22

第2部 国の動向 23

1 「明日の日本を支える観光ビジョン」 23

2 官民連携によるクルーズ拠点の形成 24

(1)法改正及び制度創設の背景・必要性 24

(2)港湾法の一部を改正する法律案の概要 25

(3)国際旅客船拠点形成港湾の概要 25

3 クルーズ船受入れの更なる拡充に向けたその他の取組 28

(1)既存ストックを活用したクルーズ船の受入環境の整備 28

(2)国際クルーズ旅客受入機能高度化事業 28

(3)旅客施設等への無利子貸付 29

(4)クルーズ船の受入れを円滑化するための先導的事業 29

(5)「クルーズの振興のためのワンストップ窓口」の設置 29

(6)「みなとオアシス」の活用を通じた地域活性化 30

4 2020 東京オリンピック・パラリンピックを見据えた国の動き 31

第3部 横浜市の取組 33

(1)横浜港の官民連携国際クルーズ拠点形成計画書(目論見書)

の概要

33

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(2)新港地区 34

(3)大黒ふ頭 35

(4)大さん橋ふ頭 35

(5)山下ふ頭 36

第4部 他都市、団体等における取組 37

1 全国クルーズ活性化会議による取組 37

(1)主な取組内容(平成 27 年度実績) 37

(2)国・クルーズ船社への要望書 37

2 日本海側拠点港における取組 38

(1)博多港 39

(2)長崎港 40

(3)境港 40

(4)金沢港 40

市会ジャーナル「政策調査レポート」では、前号まで、1冊につき1つのテーマを取り

上げ、詳細に掲載しておりましたが、今号より、国の動向を中心として最新のテーマ

をタイムリーに取り上げ、掲載しています。

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

1

平成27年6月に成立した「公職選挙法」の改正により、選挙権年齢が18歳以上に引き下げ

られました(平成 28 年6月 19 日施行)。

これに伴い、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質や能力を育む教育

(主権者教育)を推進することが一層重要となりました。

総務省と文部科学省では、連携して政治や選挙等に関する副教材や指導資料の作成・配

布や、学校教育や出前授業の実施など、様々な取組を行ってきました。

法改正後に行われた平成 28 年7月 10 日の第 24 回参議院議員通常選挙において初めて

18 歳選挙権が導入されました。この結果を踏まえ、総務省は「主権者教育の推進に関する有

識者会議」を開催し、主権者教育の現状と課題について検討を進め、平成29年3月28日にと

りまとめ結果を公表しました。

この有識者会議のとりまとめ結果の概要を中心に、主権者教育に係るこれまでの国の動向

と、国や自治体による主権者教育の取組状況、そして法改正後に行われた第24回参議院議

員通常選挙における 10 代の投票結果をご紹介します。

1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況 ―主権者教育の推進、18 歳・19 歳の投票率

主権者教育とは

総務省開催の「常時啓発事業のあり方等検討会」が平成23年12月に提出した最

終報告書において、現代に求められる新しい主権者像を「国や社会の問題を自分

の問題として捉え、自ら考え、自ら判断し、行動していく主権者」と定義し、これから

の常時啓発のあり方として「シティズンシップ教育の一翼を担う新たなステージ『主

権者教育』へ」というスローガンを打ち出しました。

報告書の中で、「『シティズンシップ教育』は、社会の構成員としての市民が備える

べき市民性を育成するために行われる教育であり、

集団への所属意識、権利の享受や責任・義務の

履行、公的な事柄への関心や関与などを開発し、

社会参加に必要な知識、技能、価値観を習得さ

せる教育である。そして、『主権者教育』は、この

シティズンシップ教育の中心をなす、市民と政治

との関わりについて扱う教育である」と定義され

ています。

横浜市選挙管理委員会 選挙マスコット イコットちゃん

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

2

国のこれまでの動き

平成 19 年6月に公表された「教育再生会議(首相の諮問機関)」の第二次報告の中で、時代

の変化に合った教科や教育内容の再編等の検討を行い、「主権者教育」等、社会の要請に応

えた教育内容の充実を図ることが提言 された。

平成 21 年、教育再生会議の提言のフォローアップのため設置された「教育再生懇談会 主権

者教育ワーキンググループ」において、これからの我が国を担う若者に、主権者としての資質

を養うよう取り組んでいく主権者教育の必要があるとの認識の下、議論が行われた。

平成23年4月から総務省が開催した「常時啓発事業のあり方等研究会」において、時代に即

した啓発事業の検討が行われ、同年 12 月に提出された最終報告書により、「主権者教育」が

提唱された。この中で、総務省、文部科学省など関係各省が連携し、学習指導要領へ政治教

育を位置づけることが必要とされた 。

公職選挙法改正 (平成 27 年6月 19 日公布、平成 28 年6月 19 日施行)

平成27年11月、義家弘介文部科学副大臣の下に「主権者教育の推進に関する検討チーム」

を設置し、主権者教育の方策について検討を進め、平成 28年6月に公表された最終まとめの

中で、高等学校の 新科目「公共(仮称)」の検討を進め 、さらに 「深い学び」「対話的な学び」

「主体的な学び」を推進する こと、また、家庭や地域も主権者教育の担い手としての役割を果

たす必要がある との方向性が示された。

第 24 回参議院議員通常選挙 (平成 28 年7月 10 日)

第 24 回参議院議員選挙や各種調査の結果を踏まえ、主権者教育の現状と課題について検

討し、更なる主権者教育の推進を目的として、総務省において「主権者教育の推進に関する

有識者会議」が開催された。会議は平成 29年 1月から全3回開催され、同年3月にとりまとめ

が公表された。

1 主権者教育に関する国の動き

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

3

国による主権者教育の具体的な取組

総務省では、若者の投票率が低下傾向にある中、若者の政治意識の向上を図るため、啓発イ

ベントや選挙管理委員会による出前授業の支援、研修会など様々な取組を行い、主権者教育の

推進に努めています。

文部科学省では、高等学校等における政治的教養を育む教育が推進されるとともに、高校生

の政治的活動等に対する指導が適切になされるよう、昭和44年の通知を見直し、「高等学校等に

おける政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」(平成 27 年 10 月

29 日付け初等中等教育局長通知)を発出し、関連する Q&A も作成しました。

大学等においても、キャンパス内への期日前投票所の設置や、インターンシップなどを通じた

学生等への啓発活動等が充実するよう、大学等における先進的な取組を周知しています。

加えて、文部科学副大臣のもとに検討チームを設置し、政治の知識習得にとどまらず、社会の

中で自立し、他者と連携・協働しながら、地域の課題解決を主体的に担うことができる力を身に付

けるための取組を検討し、報告書を取りまとめました。

この報告書を受けて、文部科学省では、地域課題の解決に向けた実践的な体験活動などの取

組を平成 28 年度から実施しています。

また、総務省と文部科学省で連携して、模擬選挙などの実践的活動についてのワークシートな

ども盛り込んだ政治や選挙等に関する副教材や教員用の指導資料を作成し、国公私立全ての高

等学校等の生徒に配布しています。

出典:文部科学省「主権者教育の推進に関する検討チーム」最終まとめ

http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/ikusei/1369165.htm

地域学校連携活動、Spe

cial

プロジェクト2020、

常時啓発などの取組を通じて主権者教育を推進

子供たちの発達段階に応じ、学校・家庭・地域が主権者教育を推進

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

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(1)主権者教育に関する副教材の作成 (総務省、文部科学省)

学校現場における政治や選挙等に関する学習の内容の一層の充実を図るため、総務省と

文部科学省の連携により「私たちが拓く日本の未来」(生徒用副教材、教師用指導資料)を作成

し、平成 27 年9月に公表しました。

出典:総務省、文部科学省発行「私たちが拓く日本の未来」より抜粋

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

5

(2)主権者教育等及び 18 歳選挙権に関する意識調査(総務省)

総務省では、今後の主権者教育推進の参考資料とするため、全国の選挙管理委員会に対し

て、選挙出前授業などの取組状況についての調査を実施し、「主権者教育等に関する調査」を

とりまとめました。また、18 歳から 20 歳までの有権者に対して、投票や主権者教育受講の状況

などに関してインターネット調査を実施し、「18 歳選挙権に関する意識調査」をとりまとめていま

す。

(3)学校図書館への新聞配備 (文部科学省)

選挙権年齢の 18 歳以上への引下げに伴い、児童生徒が現実社会の諸課題を多面的に考

察し、公正に判断する力等を身につけることが一層重要になっており、発達段階に応じた学校

図書館への新聞の複数紙配備が必要となっています。これを受けて、平成 29 年度~平成 33

年度を計画期間とする第5次の「学校図書館図書整備等5か年計画」において、学校図書館へ

の新聞配備拡充のための地方財政措置が図られています。

(4)「主権者教育」普及実践事業 (総務省)

総務省では、都道府県・市区町村選挙管理委員会が、地域の明るい選挙推進協議会等と連

携し、「主権者教育」の普及実践に向けてモデルとなる取組を実施し、その成果を普及させるこ

主な調査結果

主権者教育等に関する調査(平成 27 年度~平成 28 年度)

・高校における出前授業の実施状況は、平成 25 年度と比較し、平成 27 年度の実施

学校数が約 30 倍、受講生数が約 50 倍に増加。

・出前授業を実施する上での意見としては、人員不足、学校の指導カリキュラムとの

調整が難しいなどの点が挙げられた。

18 歳選挙権に関する意識調査(平成 28 年 10 月 20 日~31 日)

•高校で選挙や政治に関する授業を受けた人の方が、受けていない人と比べ、投票を

した割合が約7ポイント高い。

•子どもの頃に親が行く投票について行ったことがある人の方が、ついて行ったことが

ない人と比べ、投票をした割合が 20 ポイント以上高い。

•投票に行かなかった理由は、「今住んでいる市区町村で投票できなかったから」が約

22%で最も多い。

•高校生が選挙や政治に関心を持つためには、学校での模擬選挙を体験することが

効果的であるとの回答が最も多い。

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

6

とにより、全国的な広がりへとつなげていく取組を行っています。平成 28 年度には南あわじ市

の小中学生による「ご当地めいすい選挙」、東京都目黒区のグループワーク、政策ワークショッ

プの取組のほか、松山市、高知県、徳島県、新城市の全6団体の事業が採択されました。

主権者教育の現状と課題、今後の方向性 ― 主権者教育の推進に関する有識者会議とりまとめ

(平成 29 年3月 28 日公表)より ―

○学校における主権者教育の取組と課題

・教育基本法により政治的中立性が要請されていることから、学校においては従来、政治的題

材を扱うこと自体が避けられてきた傾向にある。

・今回の選挙権年齢引下げにより、高校生に対する教育が重点的に行われたが、政治や選挙

の知識学習や投票体験に重点が置かれ、生徒が主体的に考え、十分に議論し、意思決定を促

す取組は多くない。

短期間で早急に取組が求められたこと、多くの教員にとって初めての取組であり、教員の考

える時間や教える時間が十分に確保できなかったことなど、様々な要因が考えられる。

主権者教育の取組と課題

選挙権年齢の引下げを踏まえた主権者教育と初の国政選挙

平成 27 年の公職選挙法改正による、選挙権年齢の引下げに伴い、若年層に対する主権

者教育の必要性が高まり、とりわけ、高等学校等における教育が急務とされた。

そのため、総務省及び文部科学省では副教材「私たちが拓く日本の未来」を作成・配布し、

ほぼすべての高校において主権者教育が行われた。また、各選挙管理委員会においても出

前授業など積極的な取組がなされた。

また、「18 歳選挙権」として社会的な注目を浴び、マスコミ関係やNPO法人、啓発団体、大

学生等による出前授業や各種イベントの開催等、各方面による取組も多く見られ、新たな有

権者の政治意識の醸成が図られたものと考える。

これらの取組により、平成 28 年7月の参議院議員選挙では、全体の投票率が 54.70%であ

った中、18 歳の投票率は 51.28%、19 歳は 42.30%となり、全体の投票率を下回ったものの、

20 歳代の投票率(35.60%)を上回る結果となった。

特に高校3年生相当の投票率は非常に高く、関係者による主権者教育等の努力が功を奏

し、社会全体で気運が高められた結果として評価でき、今後の投票参加にも期待できる。

一方、 解決すべき点も明らかとなり、更なる充実を図っていく必要がある。

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

7

・小・中学校においては、社会科の授業で政治や選挙制度の仕組みを学習するほか、学校によ

っては生徒会での選挙等を実施しており、また、選挙管理委員会による出前授業や選挙教材

の提供等が行われている。

○18 歳と 19 歳の投票率差

・19歳の多くが、直接的に教育や呼びかけを受ける環境になかったことや、各メディアの注目が、

18 歳の高校生の動向に集中した。

・大学生等の若者の多くが住民票の異動手続きを行っておらず、現在住んでいる住所地で投票

できなかった。不在者投票制度の認知度不足や手続きが煩雑であることも指摘されている。

○選挙管理委員会における主権者教育の取組と課題

・選挙の意義や選挙制度等の講義や模擬選挙など、学校の状況に応じた出前授業を実施して

いる。選挙機材を用い、外部者の説明も含む模擬選挙は、生徒も興味を持ちやすい有効な取

組となっている。

・学校からの出前授業の要望が急増しているが、人員不足により、体制が整わず、すべての要

望に対応できない事態が生じている。

○学校と外部との連携協力による主権者教育の取組と課題

・選挙管理委員会をはじめ、マスコミ関係や明るい選挙推進協議会、NPO法人等の民間団体

と連携した取組も多く行われた。

・一部の地方公共団体では、子供議会として、議会の模擬体験を行う取組や、議員と生徒の対

話など、様々な取組がなされている。

・連携する専門家についての情報が把握されておらず、十分整理されていない状況にあり、地

方公共団体に問い合わせる場合、対応が十分でないことがある。

・学校に議員を招く取組は、政治的中立性の観点から複数の会派の議員を招くことが求められ

るなど、学校側が主導して行うことが難しい。

○継続的に投票参加する主権者の育成

・知識学習や体験学習にとどまらず、「自ら考え、判断する学習」の取組を進めていくべき。模擬

選挙を一度限りの体験に終わらせず、あわせてディベートや話し合い活動を行うことにより、考

える力、判断する力を醸成する効果的な取組となる。

世の中の事象に関心を持てる力を養うために、地域の問題を考え、実際に行動していくこと

で、社会との関わりを実感し、関心を高めることができる。

考えられる方向性

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

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・子供から大人まで、あらゆる年代に対して継続した主権者教育の機会を提供すべきである。

年代や環境に応じた題材を扱い、考える力、判断する力、行動していく力を醸成する多様な取

組が求められる。

○発達段階に応じた取組の方向性

高校入学以前の子供段階

・親からの影響が大きいが、親世代は低い投票率で推移しており、親子共に学べる機会を提供

することが有効。

・平成 28 年の公選法改正により拡大された投票所への子供の入場については、ほかでは得ら

れない貴重な学習の機会である。

・給食やデザート等を投票により決定する取組は、自ら投じた一票が実現されていくことを身近

に感じる有効な取組。生徒会活動など、校内における社会参加の積極的な活用も望まれる。

・小学生高学年や中学生においては、家庭、地域を巻き込んで地域課題に取り組むことにより、

地域の一員としての自覚が生まれ、地域の代表を選ぶ重要性の理解にもつながる。

高校生段階

・公民以外の科目でも、考える力、判断する力を醸成する教育が重要。

・政治事象を題材としたディベートや、実際の選挙を題材とした模擬選挙、新聞やニュースを活

用した授業も効果的。

・特別支援学校においては、実施事例を共有し、工夫を凝らした取組が期待される。

高校卒業後の有権者

・大学における講座の開講や大学への期日前投票所の設置、さらに大学生による出前授業も

効果的な取組である。

・適切な住民票登録が前提であり、住民票異動の意義や必要性を保護者とともに理解してもら

うことが重要。

・不在者投票用紙のオンライン請求などの環境整備や、制度の認知度向上を図ることが必要。

・地域においては、選挙管理委員会のほか明るい選挙推進協議会や NPO 法人等の役割が重

要であり、セミナーやイベントを開催し、地域のメディアに取り上げられることによる啓発効果も

期待できる。

・議員と若者との間をつなぐイベントは、自由な立場で行うことができる民間団体が取り組みや

すく、積極的な取組が期待される。

○計画的・組織横断的な取組の方向性

・地域の機関が連携協力し、選挙の時期を念頭に置いた長期的計画を策定する。そのために

は計画立案の中核となるプランナーや協議会が必要である。

・地方公共団体の議員や職員、弁護士等と連携した教育や、実際の議会の傍聴も効果的。

・模擬議会や模擬請願による選挙以外の政治への関与の仕方を学ぶ。

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

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○国及び地方公共団体による取組の方向性

・国によるアドバイザー派遣の仕組みの構築。

・選挙管理委員会の出前授業において、資料をある程度共通化し、組織横断的・広域に対処す

ることで、人員不足を解消し、取組の質・量を拡大する。

・学校や生徒が問い合わせやすいよう、地方公共団体内へ主権者教育の問合せ窓口を設ける

ことが望ましい。

【参考・出典】

・総務省 主権者教育の取組状況等

http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/shukenshakyoiku/index.html

・総務省 「常時啓発事業のあり方等研究会」最終報告書(平成 23 年 12 月公表)

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/keihatsu/index.html

・第 11 回 教育再生懇談会

配布資料3 「教育再生懇談会主権者教育ワーキンググループ審議経過報告」

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku_kondan/kaisai/dai11/11gijisidai.html

・文部科学省「主権者教育の推進に関する検討チーム」最終まとめ

http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/ikusei/1369165.htm

・文部科学省 「政治や選挙等に関する高校生向け副教材等について」

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shukensha/1362349.htm

・文部科学省 平成 29 年度からの学校図書館関係の地方財政措置について

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/dokusho/link/1360320.htm

・国会図書館 「調査と情報 No889 『主権者教育をめぐる状況』」

http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/issue/2016/index.html

・18 歳選挙権研究会監修 「18 歳選挙権の手引き」

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

10

2 自治体による主権者教育の取組

横浜市における取組

(1)選挙管理委員会による取組

小学生に対する取組

給食選挙、デザート選挙、模擬投票

「小学校最後の給食のデザート」「給食のメインのおかず」

「卒業を祝う会で歌う歌」などを、児童が実際に投票して選び

ます。

実施にあたって、各区の選挙管理委員会の職員がスライ

ドやクイズを交えて、選挙のしくみや投票の方法等について

説明を行っています。また、独自の選挙公報の作成や演説会を開催し、実際の選挙で使わ

れている器材を用いるなど、本物の選挙の雰囲気を体験する機会となっています。

中学生に対する取組

社会科副教材「あと3年」の配付

横浜市内の中学校3年生に、政治や選挙の大切さをわかりやすく説明した社会科副教材

「あと3年」を配付し、学校教育の中で、将来の有権者となる中学生に啓発を行っています。

小・中学校、高校における取組

生徒会選挙等の支援

各区の選挙管理委員会では、生徒会選挙を本物そっくりに体験できるよう、投票箱、記載

台、たすき、腕章などの資材、物品の貸し出しを行っています。

大学生に対する取組

投票参加リーフレット「住民票を移して選挙に行こう」の発行

直近の全国調査によると、高校卒業後に親元を離れて進学した大学生等は6割以上が住

民票を移していない状況です。

選挙管理委員会では、新入生の多くが住所を移す時期をとらえ、「住民票を移して選挙に

行こう」と題したリーフレットを作成し、市内 27大学で配付しました。旧住所地で投票する学生

に対しては、住民票のある市町村に投票用紙を請求して、最寄りの選挙管理委員会で投票

ができる『不在者投票』の制度を紹介しました。

横浜市選挙管理委員会 選挙マスコット イコット Jr.

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

11

大学への期日前投票所の設置

18 歳選挙権が導入された平成 28 年7月の参議院議員選挙において、初の試みとして、市

内大学1か所(慶応大日吉キャンパス)に平日の2日間、期日前投票所を設置しました。

また、平成 29 年7月の横浜市長選では、市内3大学(慶応大、神奈川大、横浜市大)に期

日前投票所を設置し(いずれも平日2日間)、神奈川大学では、投票の立会人など投票所の

運営全てを学生が行いました。

(2)選挙管理委員会・教育委員会の連携

「主権者教育における連携・教育に関する協定」の締結(平成 28 年1月8日)

選挙権年齢の引下げを機に、選挙管理委員会と教育委員会がより相互の連携・協力を強化

し、学齢期を含む若年層への主権者教育の推進を図っていくために協定が締結されました。

協定では「小・中・高・特別支援学校における実践的な主権者教育の推進」「保護者、PTA、

家庭、地域の関係団体との連携協力」が連携事項として挙げられています。

この協定に基づき、市立高校2校(桜丘高校、戸塚高校定時制)での出前授業と模擬投票が

実施されました。

(3)議会局による取組

市民にとってより一層身近で親しみやすい議会を目指し、子どもの頃から政治や議会に興

味・関心を持つ機会を作るよう、様々な取組を行っています。

①児童・生徒を対象とした本会議傍聴、市会議事堂見学

市内小中学校・高校の児童・生徒を対象として、本会議傍聴を実施しています。

実際の本会議を 20 分程度傍聴し、併せて議会局職員による市会のしくみについての説明及

び質疑を行います。平成 28 年度実績では 12 校 970 人が本会議を傍聴しました。

また、閉会中には市会議事堂の見学を行い、起立採決の体験などを通して市会について

学んでもらっています。

②高校生による市会訪問

平成 27 年度から、高校生に市会を訪問してもらい、市会

議員(議会広報会議※の委員)との懇談と、横浜市会の本

会議場・委員会室等の見学を行っています。市会議員との

懇談では、打ち解けた雰囲気の中、ざっくばらんなやりとり

をとおして、高校生が議会や議員を身近に感じることで、議

会について考える機会となっています。 高校生と市会議員の懇談の様子

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

12

市会訪問はこれまで4回実施し、延べ 90 人の高校生が参加しています。

※議会広報会議…横浜市会のよりわかりやすく親しみやすい議会広報に向けて協議を行う組織

③子どもアドベンチャー「市会議事堂を探検しよう!」

教育委員会事務局が中心となり、市内の小・中学生を対象としたイベント「子どもアドベン

チャー」を毎年夏休み期間に開催しています。「子どもアドベンチャー」は、キャリア教育の視

点から、「働く」ことや、様々な社会体験の機会を提供することを目的とし、横浜市役所をはじ

めとした公的機関や民間企業等の協力を得て開催されています。

議会局では、「市会議事堂を探検しよう!」というプログラム

で、イベントが始まった平成 16 年からほぼ毎年参加していま

す。職員が説明やクイズを行いながら市会議事堂内を案内し、

本会議場では、議員の席に実際に腰かけてもらうなどして、子

ども達に市会を身近に感じてもらっています。平成 29年度は2

日間で延べ 468 人が来場しました。

④議会を学ぶDVD教材 『議会ってなんだろう?~わたしたちのくらしと横浜市会』

小学校6年生の児童を対象として、議会を学ぶ DVD 教材を作成し、市内私立小学校及び

特別支援学校に配付しています。

横浜版の学習指導要領では、小学校でも市会を扱うこととなっており、DVD教材はこの「横

浜版学習指導要領」に沿った内容となっています。

児童向け議会教材DVD 「議会ってなんだろう?

~わたしたちのくらしと横浜市会~」

映像本編

小学校6年生の児童を対象とした全体で約 25 分、3部構成の教材

字幕なし教材、字幕あり教材を収録

【第1部】地域の施設ができるまで (約8分)

市民の要望が議会を通じて実現される様子や流れを、実際の事例を用いて解説します。

【第2部】行ってみよう 横浜市会 (約 13 分)

横浜市会の仕組みについて解説します。

○市会議員と選挙 ○市会って何をするところ? ○委員会ってなんだろう?

○市会の主なルール ○市会議員の主な仕事 など

【第3部】市会・県議会・国会の役割 (約5分)

議会がどのような役割を果たす機関であるかについて解説します。

○市会の役割(まとめ) ○県議会と国会の役割 ○三権分立について など

資料編

映像中の図やナレーション原稿等をまとめた教材

教材映像は、Youtube でも閲覧可能となっています。http://www.city.yokohama.lg.jp/shikai/shikumi/kyouzai.html

本会議場見学の様子

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

13

他都市における特徴的な取組

(1)川崎市 選挙管理委員会によるインターンシップ生の受入れ

川崎市選挙管理委員会(以下市選管)は、平成 16 年度の参院選から日本大学と協定を結び、

また平成 28 年5月には専修大学とも協定を結び、両大学の学生をインターンシップ生として受

け入れています。

市選管による学生インターンシップの受入れにおいては、学生が実際の選挙の一連の事務

に就業し、体験することにより、「投票することの重み」を身をもって体感すること、また、インタ

ーンシップを体験した学生による波及効果が同世代へ伝わることが期待されています。

平成28年7月に行われた参議院議員選挙の選挙期間中には、両大学から計10人の学生が

市内6区の選管に市選管から派遣され、選挙事務に従事しました。

多摩区では、明るい選挙推進協会委員と街頭啓発を行ったほか、期日前投票、不在者投票

事務やその準備、投票所となる小中学校に搬入する掲示物、文具類の仕分け、投票日当日の

開票事務などに携わりました。幸区では、区選管担当者に同行して期日前投票の案内を行い、

公示日には投票を呼び掛けるチラシを配布しました。

(2)平塚市 「ひらつかスクール議会」

平塚市では、平塚青年会議所の主催により、高校生が議会形式で提言を行う「ひらつかスク

ール議会」を平成 29 年8月に開催しました。

平塚市では、過去に小・中学生による「青少年議会」を開催していましたが、(公財)平塚青年

会議所からの提案により、平塚市の共催で、今回初めて、高校生が議会形式で提言を行う形

で行われました。高校生が平塚の課題について考え、その課題解決に向けた提案をすることに

より、平塚のイメージ向上を図るとともに、未来の平塚を担う若者を育成することを目的としてい

ます。

事前に募集した平塚市内の高校生 28人が、「湘南ひらつか七夕まつり」「オリンピック・パラリ

ンピック リトアニアキャンプ地」「中心商店街の魅力アップ」の3委員会に分かれて7月 25 日、

26 日の2日間で現状や課題を調査し、8月7日には本会議場において議会が開催されました。

議会は保護者や市議会議員が傍聴する中、高校生が議長を務め行われました。各委員会

の代表者による市政に関する質問に対し、落合克宏市長などが実際に答弁を行いました。答

弁後、各委員会の委員長が「学生連合を学生主体でつくり、七夕まつりを盛り上げたい」「日本

とリトアニアの親善試合や、学生主体のパネル展示を行い、市民にリトアニアへの関心を持っ

てもらう」「若者によるSNSアドバイザーの派遣を」など具体的に提言しました。

落合市長は、高校生の視点を大切にして、是非まちづくりに生かしていきたいとしています。

2

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

14

(3)名古屋市 青年選挙ボランティア

名古屋市では、市内大学生を中心とした 10 代から 20 代の市民が選挙や政治についての啓

発活動を行う「青年選挙ボランティア」の取組を行っています。

「青年選挙ボランティア」は、名古屋市の呼びかけにより平成 10 年に発足しました。毎年ボラ

ンティアの新規登録者を募集し、メンバーは1年間、啓発イベントや講座の企画・運営を行った

り、選挙管理委員会が実施する様々な啓発事業に参加するなどの活動を行います。中でも、選

挙を身近に感じてもらう若者向けの模擬投票イベント「選挙フェスタ」の企画・運営では、毎月2

回の打合せを重ね、出演者との交渉、フェスタ全体の司会進行、台本の作成等細かな点まで

検討し、来場者が各コーナーを回ってもらえるよう、スタンプラリー形式にするなど、随所に若い

世代ならではのアイデアを盛り込んで実施されています。活動の様子は、フェイスブックでも発

信されています。

ボランティアは、イベントや啓発事業への参加のほか、選挙管理委員会が行う講演会や国の

研修会等にも参加して、ボランティア自身の政治や選挙の知識を深めています。

【参考・出典】

・総務省 「常時啓発事業のあり方等研究会」最終報告書 (参考2)全国の常時啓発活動の事例

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/keihatsu/index.html

・公益財団法人 明るい選挙推進協会 「Voters No.33」(平成 28 年9月)

・川崎市記者発表(平成 29 年8月 31 日)(別紙2)川崎市長選に向けた各種啓発事業の展開

・名古屋市「青年選挙ボランティア」

http://www.city.nagoya.jp/senkyokanri/page/0000010013.html

・平塚市「ひらつかスクール議会を初開催」

http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/press/page02_e00001_00125.html

・平成 29 年8月8日読売新聞「高校生議会平塚市に提言」

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

15

(参考データ)

選挙権年齢の引下げ後に実施された選挙の結果

第 24 回参議院議員通常選挙における投票率

35

40

45

50

55

60

65

70

18歳 58.6 60.7 60.9 55.4 56.4 50.5 66.7 56.9 55.2 65.9 60.5 46.9 50.9 51.3 54.3 47.3 60.8 52.9 55.5 52.7

19歳 51.2 52.5 52.2 50.1 52.2 45.0 57.1 48.0 45.6 60.8 59.3 39.4 44.3 48.0 47.3 43.0 55.1 47.2 47.0 47.3

投票率(%) 18歳 19歳

20

30

40

50

60

さい

18歳 51.3 53.8 51.8 60.2 57.3 60.9 60.7 55.4 47.6 47.5 50.4 54.3 52.5 51.4 46.2 50.7 48.0 44.0 44.3 51.5 45.8

19歳 42.3 45.4 41.9 50.8 49.4 52.2 52.5 50.1 36.7 36.1 38.4 44.7 44.3 43.0 40.2 40.1 34.8 33.6 35.1 40.8 34.5

投票率(%) 18歳 19歳

表1 18・19 歳投票率(全国・政令市)

表2 18・19 歳投票率(神奈川県内市)

神奈川県

市部計

※全数調査

※全数調査

さいたま市

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

16

(%)

自治体名 高校 3 年生相当 全数調査 全体の

投票率 投票率 備考 18 歳 19 歳

静岡県 81.3 県教委アンケートより

(新有権者約 4,900 人を対象) 48.7 37.15 55.76

福井県 70.73

全数調査より

平成 10 年4月2日~7月 11 日

生まれの者を抽出

48.1 36.24 56.5

京都府 73.4 府教委アンケートより

(新有権者約 3,200 人を対象) 51.12 42.78 51.16

愛媛県 67.72

全数調査より

平成 10 年4月2日~7月 11 日

生まれの者を抽出

41.43 29.9 56.36

佐賀県 68.2

佐賀新聞アンケート

(佐賀新聞ウェブサイトにて

県内 38 校 6,123 人が回答)

49.61 40.02 56.69

大分県 70.23

全数調査より

平成 10 年4月2日~7月 11 日

生まれの者を抽出

47.75 37.17 58.38

宮崎県 64.56 26 市町村のうち 19 市町村からの抽出 38.54 28.07 49.76

30

40

50

60

70

80

51.28

42.30

33.21 37.91

41.85 46.37

50.30

55.13

61.51 65.00

68.16 71.65

73.67 70.13

47.16

投票率(%)

年齢

18 19 20 25 30 35 40~~~~~

24 29 34 39 44

45 50 55 60 65 70 75 80~~~~~~~~

49 54 59 64 69 74 79

※20 歳以上は全国の投票区の中から抽出した 188 投票区の平均。

※18~19 歳は全数調査の結果。

表4 高校3年生相当の投票率(独自に調査を行った自治体のみ)

表3 年齢別投票率(全国・選挙区)

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

17

平成 29 年7月 30 日執行横浜市長選における投票率

15

20

25

30

35

40

西

18歳 30.3 34.9 38.1 35.6 34.1 35.5 34.9 33.1 35.5 33.6 37.1 36.5 38.0 34.7 34.0 37.9 34.7 28.5

19歳 20.1 23.3 24.2 22.9 21.8 25.8 24.3 23.0 24.1 25.7 25.1 23.4 24.9 24.9 24.3 27.2 23.0 22.5

投票率(%)

18歳 19歳

20

25

30

35

40

45

横浜市計

鶴見区

神奈川区

西区

中区

南区

港南区

保土ケ谷区

旭区

磯子区

金沢区

港北区

緑区

青葉区

都筑区

戸塚区

栄区

泉区

瀬谷区

37.2

33.2

35.4

37.6

35.5 35.5

39.6

37.2 37.4 38.1

41.1

36.2

38.9

35.7 35.4

39.9 42.1

39.2

35.8 投票率(%)

表5 横浜市長選における 18・19 歳投票率(区別)

表6 (参考)横浜市長選における投票率(区別)

※全数調査

※全数調査

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1 選挙権年齢の引下げをめぐる状況

18

【出典】

(表1)横浜市選挙管理委員会事務局の調査結果をもとに筆者作成

(表2)神奈川県選挙管理委員会事務局

「第 24 回参議院議員通常選挙(選挙区選挙)に係る 18 歳、19 歳の選挙人の投票者数等

(神奈川県)」 http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f5/p979361.html

(データをもとに筆者作成)

(表3)総務省「第 24 回参議院議員通常選挙年齢別投票者数調(抽出調査)」、

「第 24 回参議院議員通常選挙年齢別投票者数調(18 歳・19 歳)(全数調査)」

http://www.soumu.go.jp/senkyo/24sansokuhou/ (データをもとに筆者作成)

(表4)総務省 「主権者教育の推進に関する有識者会議」とりまとめ

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/syukensha_kyoiku/index.html

(表5)横浜市選挙管理委員会事務局提供データをもとに筆者作成

(表6)横浜市選挙管理委員会事務局「平成 29 年横浜市長選挙投票率」

http://www.city.yokohama.lg.jp/senkyo/tosho/data/h29shichou.html

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

19

近年、世界のクルーズ人口は、アジアの経済成長等を背景として大きく増加しています。

日本への外航クルーズ船の寄港回数も増加傾向にあり、大きな経済効果が望めることから、

日本の観光振興、地域振興につながることが期待されています。

まず、クルーズ船の最近の動向についてご紹介します。

日本の港湾へのクルーズ船寄港状況

(1)日本の港湾へのクルーズ船寄港回数、入国者数

平成 28 年の日本の港湾へのクルーズ船の寄港回数は、外国船社が運航するクルーズ船が

1,443回、日本船社が運航するクルーズ船が 574回となり、合計では過去最高の 2,017回(前年比

38.7%増)となりました。

現在、政府は、「明日の日本を支える観光ビジョン」(平成 28 年3月 30 日 明日の日本

を支える観光ビジョン構想会議)で掲げた「訪日クルーズ旅客を 2020 年に 500万人」の目

標の実現に向け、クルーズ船の受入環境の整備に取り組んでいます。

その一環として、港湾法が改正され、国土交通大臣が指定する港湾において、旅客タ

ーミナルビル等に投資を行うクルーズ船社に岸壁の優先的な使用を認める新しい制度が

創設されました。

改正港湾法が平成 29 年7月8日に施行されたことを受け、7月 26 日に、クルーズ船に

よる訪日客誘致の拠点となる「国際旅客船拠点形成港湾」に、横浜港など6港が指定さ

れました。

これら6港については、今後、港湾管理者が「国際旅客船拠点形成計画」を作成すると

ともに、同計画に基づき、港湾管理者と連携するクルーズ船社が岸壁の優先的な使用、

クルーズ船社による旅客ターミナルビルの整備等に関する協定を締結するなど、国際ク

ルーズの拠点の運用開始に向け、必要な取組を進めていくこととなります。

新たに創設された「国際旅客船拠点形成港湾」の制度を中心に、訪日クルーズ旅客の

誘致をめぐる状況についてご紹介します。

1 クルーズ船をめぐる動向

2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組 ―国際旅客船拠点形成港湾として横浜港など6港を指定(国土交通省)

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

20

クルーズ船寄港回数の増に伴い、クルーズ船による外国人入国者数も 199.2 万人(前年比

78.5%増)となり、こちらも過去最高となりました。政府は、「訪日クルーズ旅客を 2020 年に 500 万

人」を目標に掲げています(「明日の日本を支える観光ビジョン」(平成 28 年3月)詳細は後述)。

出典(表1、2):国土交通省「2016 年の我が国のクルーズ等の動向(調査結果)」

(資料2)2016 年の我が国港湾へのクルーズ船の寄港回数及び訪日クルーズ旅客数について

http://www.mlit.go.jp/report/press/kaiji02_hh_000220.html

表1 日本の港湾へのクルーズ船の寄港回数

表2 クルーズ船による外国人入国者数(概数)

注1)法務省入国管理局の集計による外国人入国者数で概数(乗員除く)。

注2)1回のクルーズで複数の港に寄港するクルーズ船の外国人旅客については、

(各港で重複して計上するのではなく)1人の入国として計上している。

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

21

(2)港湾別の寄港回数

現在、全国 123 の港湾にクルーズ船が寄港しています。横浜港は、2014 年まで1位でしたが、

2015 年は3位、2016 年は4位でした。日本船社が運航するクルーズ船では、2003~2016 年の 14

年連続で横浜港が1位でしたが、外国船社が運航するクルーズ船では、横浜港は8位となってい

ます。

港湾名 回数 港湾名 回数 港湾名 回数 港湾名 回数 港湾名 回数 港湾名 回数 港湾名 回数

1 横浜 122 横浜 119 横浜 142 横浜 152 横浜 146 博多 259 博多 328

2 神戸 103 神戸 107 博多 112 神戸 101 博多 115 長崎 131 長崎 197

3 博多 84 博多 55 神戸 110石垣

(石垣島)65 神戸 100 横浜 125 那覇 193

4 長崎 54 那覇 53 長崎 73 那覇 56 那覇 80 那覇 115 横浜 127

5 鹿児島 52石垣

(石垣島)49 那覇 67 東京 42 長崎 75 神戸 97 神戸 104

6 那覇 52 名古屋 28石垣

(石垣島)52 長崎 39

石垣

(石垣島)73

石垣

(石垣島)84

石垣

(石垣島)95

7石垣

(石垣島)47

宮之浦

(屋久島)23 名古屋 43 博多 38 小樽 41 鹿児島 53

平良

(宮古島)86

8 名古屋 27 長崎 21別府

(大分県)34 名古屋 35 函館 36 佐世保 36 鹿児島 83

9宮之浦

(屋久島)25 広島 19 鹿児島 34

二見

(父島)29 鹿児島 33 名古屋 34 佐世保 64

東京 22 鹿児島 18 大阪 33 広島 26 名古屋 30 広島 32 広島 47

広島 22

その他 319 その他 316 その他 405 その他 418 その他 475 その他 488 その他 693

合計 929 合計 808 合計 1,105 合計 1,001 合計 1,204 合計 1,454 合計 2,017

2013年 2014年 2015年 2016年

10

順位2010年 2011年 2012年

港湾名 回数 港湾名 回数 港湾名 回数 港湾名 回数 港湾名 回数 港湾名 回数 港湾名 回数

1 博多 61 石垣 42 博多 85 石垣 59 博多 99 博多 245 博多 312

2 那覇 46 那覇 37 長崎 72 那覇 41 長崎 70 長崎 128 長崎 190

3 鹿児島 45 博多 26 那覇 47 長崎 35石垣

(石垣島)69 那覇 105 那覇 183

4石垣

(石垣島)45 長崎 17

石垣

(石垣島)46 横浜 32 那覇 68

石垣

(石垣島)79

石垣

(石垣島)91

5 長崎 39 横浜 9 鹿児島 27 博多 19 横浜 48 鹿児島 51平良

(宮古島)84

6 神戸 22 鹿児島 8 横浜 26 神戸 18 神戸 32 神戸 42 鹿児島 80

7 横浜 18 広島 6別府

(大分県)25 広島 16 小樽 31 横浜 37 佐世保 62

8 広島 8 神戸 6 神戸 22 鹿児島 16 鹿児島 29 佐世保 34 横浜 40

9 大阪 6 大阪 5 大阪 22 大阪 12 函館 27 広島 25 広島 34

10 函館 4別府

(大分県)4 広島 14 境 12 釧路 21 大阪 18 神戸 32

その他 44 その他 17 その他 90 その他 113 その他 159 その他 201 その他 335

合計 338 合計 177 合計 476 合計 373 合計 653 合計 965 合計 1,443

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年

表3 外国船社及び日本船社が運航するクルーズ船の寄港回数

表4 外国船社が運航するクルーズ船の寄港回数

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

22

出典:国土交通省「2016 年の我が国のクルーズ等の動向(調査結果)」

(資料2)2016 年の我が国港湾へのクルーズ船の寄港回数及び訪日クルーズ旅客数について

※一部加工して作成 http://www.mlit.go.jp/report/press/kaiji02_hh_000220.html

クルーズ船の寄港による経済効果

客船が寄港するたびに、入港に伴う諸経費をはじめ、給油・給水や食材、アメニティグッズなど

各種船用品の需要が発生するとともに、乗客の土産物や観光客の支出なども加わり、地域経済

にさまざまな効果をもたらします。横浜港における経済効果は次のとおり試算されています。

クルーズプラン

(例)

世界一周クルーズ

(日本客船

50,000 総トン(GT))

国内クルーズ

(日本客船

50,000 総トン(GT))

アジア

(外国客船

110,000 総トン(GT))

経済効果 港費関係、給油、

船用品、乗客消費額、見学客消費額等

約2億 4,600 万円 約 6,200 万円 約1億 2,000 万円

出典:横浜市港湾局リーフレット「横浜港の経済効果」(平成 29 年7月発行)

http://www.city.yokohama.lg.jp/kowan/m-learn/chiikikeizai/

港湾名 回数 港湾名 回数 港湾名 回数 港湾名 回数 港湾名 回数 港湾名 回数 港湾名 回数

1 横浜 104 横浜 110 横浜 116 横浜 120 横浜 98 横浜 88 横浜 87

2 神戸 81 神戸 101 神戸 88 神戸 83 神戸 68 神戸 55 神戸 72

3 名古屋 25 博多 29 名古屋 38 東京 36 名古屋 27 名古屋 30 名古屋 31

4宮之浦

(屋久島)24 名古屋 27

二見

(父島)30 名古屋 32 博多 16 東京 15 東京 17

5 博多 23宮之浦

(屋久島)23 博多 27

二見

(父島)29

二見

(父島)15 博多 14 博多 16

6 東京 19 那覇 16 東京 21 博多 19 東京 13宮之浦

(屋久島)13

宮之浦

(屋久島)14

7 高知 15 東京 14 那覇 20 那覇 15宮之浦

(屋久島)13 仙台塩釜 11 広島 13

8 小樽 15 広島 13宮之浦

(屋久島)15

宮之浦

(屋久島)14 那覇 12 小樽 10 小樽 11

9 長崎 15 小樽 13 小樽 14 小樽 11 小樽 10 那覇 10 函館 11

10 広島 14 敦賀 11 大阪 11 青森 11 仙台塩釜 10 青森 9二見

(父島)10

秋田 9 那覇 10

その他 256 その他 274 その他 249 その他 258 その他 269 その他 234 その他 282

合計 591 合計 631 合計 629 合計 628 合計 551 合計 489 合計 574

2016年2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

表5 日本船社が運航するクルーズ船の寄港回数

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

23

国土交通省は、平成15年(2003年)を「訪日ツーリズム元年」と位置付け、日本も観光立国を目

指すことを明確に打ち出し、外国人旅行者の誘致に向けて積極的に動き出しました。以後、さまざ

まな取組が進められていますが、ここでは、最近の訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組を中

心にご紹介します。

「明日の日本を支える観光ビジョン」(平成28年3月策定)

クルーズ船により入国した外国人旅行者は、平成 27年(2015 年)には約 111.6万人(2014年は

41.6 万人)となり、「観光立国実現に向けたアクションプログラム 2015」(平成 27 年)で計画してい

た、2020 年に 100 万人という目標(クルーズ 100 万人時代)を5年前倒しで実現しました。

訪日外国人旅行者数 2,000 万人の目標達成も視野に入ってきたことを踏まえ(実際には、平成

28 年 10 月に 2,000 万人の目標を達成)、政府は、次の時代の目標を定めるとともに、必要な検討

を行うため、平成 27 年 11 月、「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」を立ち上げ、平成 28

年3月、新たな観光ビジョンとして、「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定しました。

「明日の日本を支える観光ビジョン」では、「2020年に訪日外国人観光客数 4,000万人」という目

標とともに、「2020 年に訪日クルーズ旅客を 500 万人に」という目標を掲げ、クルーズ船受入れの

更なる拡充を図ることとしています。

「明日の日本を支える観光ビジョン」における「クルーズ船の更なる拡充」部分(抜粋)

2 国の動向

北東アジア海域をカリブ海のような世界的なクルーズ市場に

(訪日クルーズ旅客を 2020 年に 500 万人、日本の各地をカジュアルから

ラグジュアリーまで幅広く対応したクルーズデスティネーションに)。

・クルーズ船寄港の「お断りゼロ」の実現

(受入環境緊急整備、船寄港地マッチングサービスの提供 等)

・世界に誇る国際クルーズの拠点形成(旅客ターミナル整備への貸付制度創設等)

・瀬戸内海や南西諸島など新たな周遊ルートの開拓、ラグジュアリークルーズ船の就航

・新たなクルーズビジネスの確立

(地域協議会や全国クルーズ活性化会議の活用、農水産物の販売環境の改善、

「みなとオアシス」の活用、港湾協力団体制度の創設 等)

・全国クルーズ活性化会議と連携し、寄港地の全国展開に向けたプロモーション

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

24

官民連携によるクルーズ拠点の形成【新制度の創設】

「明日の日本を支える観光ビジョン」(平成 28 年3月 30 日、明日の日本を支える観光ビジョン構

想会議)で掲げた「訪日クルーズ旅客を2020年に500万人」の目標の実現に向け、既存岸壁の改

良・延伸、クルーズ船の誘致を目指す自治体とクルーズ船社との商談会の実施など、ハード・ソフ

ト一体となったクルーズ船の受入環境の整備に向けた取組が行われています。

この取組の一環として、国土交通省は、クルーズ船社による旅客施設等に対する投資と国や港

湾管理者による受入環境の整備を組み合わせることにより、短期間で効果的な国際クルーズ拠

点の形成を図るため、平成 29年通常国会において港湾法を改正し、国土交通大臣が指定する港

湾において、旅客ターミナルビル等に投資を行うクルーズ船社に岸壁の優先的な使用を認める新

しい制度を創設しました。

この港湾法の一部改正が今年7月8日に施行されたことを受けて、7月 26 日、国土交通大臣に

より、横浜港を含む6港(横浜港、清水港、佐世保港、八代港、本部港、平良港)が、法律に基づく

新しい制度を適用する「国際旅客船拠点形成港湾」として指定されました。

経緯

平成 27 年 11 月 「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」発足

平成 28 年 3月 「明日の日本を支える観光ビジョン」決定

〃 9月 「官民連携によるクルーズ拠点形成検討委員会」発足

学識経験者等で構成する同委員会により、官民連携による国際

クルーズ拠点を形成するための新たな仕組みを検討。

〃 10 月 「官民連携による国際クルーズ拠点形成計画書」の募集開始

平成 29 年 1月 「官民連携による国際クルーズ拠点」を形成する港湾の選定

「官民連携によるクルーズ拠点形成検討委員会」における評価結果を

受けて、国土交通省が選定。

〃 3月 「港湾法の一部を改正する法律案」閣議決定、国会に提出

〃 7月 港湾法の一部改正(施行)

〃 7月 国際旅客船拠点形成港湾として6港を指定

(横浜港、清水港、佐世保港、八代港、本部港、平良港)

(1)法改正及び制度創設の背景・必要性

需要の急増と、クルーズ船が使用する係留施設の事前確保の困難

アジアのクルーズ市場の急成長を背景として、外航クルーズ船の日本の港湾への寄港需要

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

25

は増え続けており、クルーズ船社にとって、日本の港湾で寄港できる岸壁を確保することがま

すます困難になってきています。

クルーズ船社は、出航の一年以上前からクルーズ商品の造成を行っているため、早期に寄

港スケジュールを確定する必要がありますが、既存の貨物船用岸壁を活用してクルーズ船を

受け入れている港湾においては、貨物船とクルーズ船との岸壁の利用調整が問題になる場合

があります。

このため、特に寄港需要の大きい港湾においては、貨物船用岸壁を活用してクルーズ船を

受け入れる方法は限界に達しつつあり、クルーズ船を専用的あるいは優先的に受け入れる国

際クルーズ拠点の形成が必要 となっています。

自ら寄港地に投資をして受入環境の向上を図るクルーズ船社の意向

外国クルーズ船社の中には、日本の魅力ある地域の港湾に安定的に寄港するため、自ら寄

港地に投資をして受入環境の向上を図る意向を有する者も出現するようになってきました。

世界のクルーズ船社においては、自ら港湾地域に旅客施設や商業施設等を整備して寄港地

の魅力を高め、寄港している例も多数存在しますが、日本では、クルーズ船社が自ら投資して

寄港するという方法はこれまで例がありませんでした。

(2)港湾法の一部を改正する法律案の概要 (平成 29 年3月 10 日閣議決定)

①国際旅客船拠点形成港湾における官民連携国際旅客船受入促進協定制度

の創設等

国土交通大臣が指定した国際旅客船拠点形成港湾において、官民の連携によるクルーズ

船の受入れの促進を図るため、旅客施設等を整備し一般公衆の利用に供する民間事業者

による岸壁の優先的な利用等に関する協定制度を創設

②非常災害時における国土交通大臣による円滑な港湾施設の管理制度の創設

非常災害が発生した場合において、港湾管理者からの要請に基づき、国土交通大臣が港

湾施設の管理を行うことができる制度を創設

(3)国際旅客船拠点形成港湾の概要

短期間で効果的な国際クルーズ拠点を形成するため、クルーズ船社による投資と港湾管理者

による受入環境の整備を組み合わせた新しい方法で、国際クルーズ拠点の形成を図ります。

岸壁の安定的な確保

港湾管理者は、岸壁の安定的な確保を希望するクルーズ船社の意向を踏まえ、投資を

行うクルーズ船社に対して、岸壁の優先的な使用を確保します。

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

26

*優先的な使用を確保する方法としては、例えば、

当該クルーズ船社に対し、年間一定の日数の範

囲内で岸壁の優先予約を可能とする等の方法が

考えられます。

*使用する岸壁は公共岸壁であることから、当該

クルーズ船社に優先的な使用を確保する場合

であっても、当該岸壁が公共性を有しているこ

とが必要不可欠といえます。

*クルーズ船社が投資する施設は、

クルーズ旅客が利用する施設、例え

ば旅客施設、商業施設、あるいはそ

の組み合わせ等であって、他の諸施

設とともに国際クルーズ拠点を構成

する施設となります。

*投資にあたっては、クルーズ船社

は、岸壁の優先的な使用というメリッ

トを享受していることに鑑み、単に利

益を追求するだけでなく、地域に貢献

するという観点に配慮することも重要となります。

*クルーズ船社が投資する施設が旅客施設の場合、当該施設はCIQ※手続、旅客の待合、荷物

の受渡し等一定の公的機能を有することから、どのクルーズ船社に対しても平等に取扱うことが

前提であり、そのような運営がなされることが確保される必要があります。

※CIQ … 出入国手続(Customs(税関)、Immigration(出入国管理)、Quarantine(検疫))の略称

<クルーズ拠点形成の効果>

・港湾管理者とクルーズ船社が緊密に連携することにより、クルーズ船受入れのための施設が

効率的に整備され、また、クルーズ船の長期的、安定的な寄港が確保され、国際クルーズ拠

点としての機能を発揮する。

・クルーズ旅客や観光客の消費等に伴う経済効果、雇用拡大効果など。また、地元資本によ

る投資による地域経済効果も期待できる。

・外国人観光客の増加による地域の国際化、文化交流などのソフト面の効果。

出典:国土交通省「港湾法の一部を改正する法案」の概要

http://www.mlit.go.jp/policy/file000003.html

クルーズ船社による投資

クルーズ船社による効率的、効果的な投資により、国際クルーズ拠点に必要な

施設の整備を図ります。

出典:国土交通省「港湾法の一部を改正する法案」の

概要 http://www.mlit.go.jp/policy/file000003.html

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

27

・国際クルーズ拠点がすみやかに形成され、発展することにより、当該港湾が日本のクルーズ

の基地として機能し、全国の他の港湾とネットワークを結んでクルーズの全国展開を図ることも

可能となる。

<クルーズ船の受入拠点の形成の推進>

官民の連携により外航クルーズ船の受入拠点の形成を図る港湾を、国土交通大臣

が指定

官民の連携により外航クルーズ船の受入拠点を形成するための計画を、

港湾管理者が作成。同計画に基づく工事の許可等の特例

港湾管理者と施設所有者である民間事業者が、係留施設の優先的な使用、

旅客施設の一般公衆への供用 等に関する協定を締結

<「国際旅客船拠点形成港湾」として指定された6港>

出典:国土交通省記者発表資料「『官民連携による国際クルーズ拠点』を形成する港湾を選定

しました」(平成 29 年1月) 資料1「官民連携による国際クルーズ拠点」を形成する港湾

http://www.mlit.go.jp/report/press/port04_hh_000165.html

※横浜港の官民連携国際クルーズ拠点形成計画の詳細は「3 横浜市の取組」を参照

受入拠点の形成を図る港湾を国が指定

港湾管理者が受入拠点の形成のための計画を作成

港湾管理者が民間事業者と協定を締結

※ カーニバル・コーポレーション&plc : 世界やアジアで半分のシェアを持つクルーズ会社グループ。傘下に、 コスタ・クルーズ社、プリンセス・クルーズ社などクルーズ・ブランドを有している。

※ ロイヤル・カリビアン・クルーズ : オアシス・オブ・ザ・シーズなど世界最大のクルーズ船を有するクルーズ会社。

※ ゲンティン香港 : 傘下に、スタークルーズなどのクルーズ・ブランドを有し、日本に寄港する台湾発着クルーズの

シェアは8割強を占めるクルーズ会社。

※ 郵船クルーズ : 飛鳥Ⅱを所有する邦船社。

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

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クルーズ船受入れの更なる拡充に向けたその他の取組

(1)既存ストックを活用したクルーズ船の受入環境の整備(国土交通省)

クルーズ船の寄港増や大型化に対応するため、物流ターミナル等において、クルーズ船の受

入れに必要となる係船柱や防舷材等の整備を推進しています。

既存ストックを活用したクルーズ船の受入れ(八戸港)

出典:国土交通省 HP 掲載「平成 29 年度港湾局関係予算概要」

http://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_005277.html

(2)国際クルーズ旅客受入機能高度化事業(国土交通省)

港湾におけるクルーズ旅客の利便性や安全性を確保し、円滑な受入れを確保するため、地方

公共団体等が行う移動式ボーディングブリッジや屋根付き通路の設置等に要する経費に対する

補助制度が平成 29 年度から創設されました。

国際クルーズ旅客受入機能高度化事業概要

出典:国土交通省記者発表資料「国際クルーズ旅客受入機能高度化事業(第1回募集分)を採択しました」 http://www.mlit.go.jp/report/press/port03_hh_000029.html

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

29

平成29年度第1回募集分として、横浜港の「新港ふ頭地区」及び「大黒ふ頭地区」 の事業を

含む、24 港 29 地区の事業が採択されました。

(3)旅客施設等への無利子貸付(国土交通省)

クルーズ船を物流ターミナルにおいて受け入れる際に、物流ターミナルに待合所やCIQ※施設

が十分に整備されていないことなどから、クルーズ旅客への対応がやむを得ず非効率的となって

いる状況が発生しています。

こうした状況を改善するため、民間事業者による旅客施設の建設または改良に対して、資金の

無利子貸付による支援を行う制度が、平成 28 年度から創設されました。

(4)クルーズ船の受入れを円滑化するための先導的事業(国土交通省)

クルーズ船の寄港需要の急激な増加や船型の大型化に対応するため、既存の物流ターミナル

で対応する頻度が高まる一方で、物流ターミナルでは、元来旅客の利用を想定していないため、

貨物とクルーズ客などの同線分離の調整や、クルーズ旅客に対するサービスの提供が十分に行

われておらず、クルーズ船を円滑に受け入れることができていないという課題がありました。

そこで、物流ターミナルでクルーズ船を受け入れる際のバス駐車場、物販等のスペースの配置、

貨物と旅客の同線分離等の計画策定や、その計画に基づくクルーズ船受入れの実証をモデル的

に行い、その成果を全国的に普及することを目的に、全国的に先導的となる事例について実証調

査が行われています。

出典:国土交通省「平成 27 年度港湾局関係予算概要」

http://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_003865.html

(5)「クルーズの振興のためのワンストップ窓口」の設置(国土交通省)

外航クルーズ船の寄港促進に向けた取組の一環として、国土交通省により、関係各省庁と連

携し、主に外国のクルーズ船社から日本への寄港に関する様々な問合せに一元的に対応する

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

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「クルーズの振興のためのワンストップ窓口」が、平成 25 年に設置されました。

平成 28 年4月からは、クルーズワンストップ窓口において、新たに、クルーズ船寄港地マッチン

グサービスの提供が開始され、寄港地を探しているクルーズ船社に対して寄港可能な港湾を紹

介したり、希望する港湾への寄港が困難なクルーズ船社に対して日本の他の港湾を紹介したりす

るなどの活動を通して、日本の港湾における「お断りゼロ」に向けた取組が行われています。

(6)「みなとオアシス」の活用を通じた地域活性化(国土交通省)

国土交通省では、地域住民の交流や観光の振興を通じた地域活性化に資する「みなと」を核と

したまちづくりを促進するため、住民参加による地域振興の取組が継続的に行われる施設を「み

なとオアシス」として登録しています。平成 29 年 10 月7日現在、101 の施設が登録されています。

平成 29 年2月に、急増する訪日クルーズ旅客の受入れなど新たなニーズへの対応を図るため、

本制度の見直しが行われ、新たに「みなとオアシス運営要綱」が策定されました。

横浜港は、本要綱に基づく新規登録第1号となっています。

出典:国土交通省 「みなとオアシス」の概要

http://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_tk1_000001.html

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

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2020 東京オリンピック・パラリンピックを見据えた国の動き

「クルーズ船のホテルとしての活用に関する分科会(ワーキンググループ)」の発足

2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催時には、大会関係者や観客の多数の来

訪が見込まれるため、東京及びその周辺地域における宿泊施設の供給を十分に確保する必要

があり、「2020 年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の準備及び運営に関す

る施策の推進を図るための基本方針」(平成 27 年 11 月 27 日閣議決定)においても、大会の円滑

な運営に向けて「宿泊施設の供給確保に向けた対策を推進する」こととされているところです。

そのため、大会開催時の宿泊需要への対応の一つの方策として、クルーズ船のホテルとして

の活用(ホテルシップ)を検討するため、「2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け

た出入国に関する関係省庁等連絡会議」の下に、課長級の「クルーズ船のホテルとしての活用に

関する分科会(ワーキンググループ)」が設置され、平成 29 年6月 29 日に第1回目の分科会が開

催されました。

大会後における大規模イベント開催時におけるホテルシップの活用も見据えつつ、制度面を中

心とした課題の検討及び調整を推進するとされています。

官民連携の促進 ~「港湾協力団体」の活用~

クルーズ需要に対応し、クルーズ船入港時の歓迎イベントの増加等、港湾において NPO

法人等の民間団体による地域活性化のための活動が活発になっています。一方で、こうし

た多様化する港湾活動に、港湾管理者がきめ細かに対応することは、限られた人員等では

困難になっています。

このような状況を踏まえ、港湾管理者の負担を軽減し、NPO 法人等による活動を加速・支

援するため、港湾の利用促進や管理に資する業務を適正かつ確実に行うことができると認

められる NPO 法人等を、港湾管理者が「港湾協力団体」として指定する制度が平成 28 年7

月に施行されました。

「港湾協力団体」に指定された NPO 法人等は、業務の実施に関して必要な情報等を国及

び港湾管理者から受けられるようになるとともに、港湾区域内水域等を占有する際の手続

きも簡略化が図られています。

官民連携で、クルーズ旅客へのおもてなしの更なる向上を図ることが期待されています。

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

32

【参考・出典】

・国土交通省「2016 年の我が国のクルーズ等の動向(調査結果)」

http://www.mlit.go.jp/report/press/kaiji02_hh_000220.html

・国土交通省「平成 29 年度予算概要」組織別予算概要(港湾局)

平成 29 年度 http://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_005277.html

平成 27 年度 http://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_003865.html

・国土交通省「みなとオアシスの概要」

http://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_tk1_000001.html

・公益社団法人日本港湾協会発行 「港湾」 vol.93(2016 年4月、7月)、vol.94(2017 年4月)

・参議院事務局企画調整室編集・発行「立法と調査 2016. 9 No. 380」

クルーズの更なる振興に向けて―観光立国実現に向けたクルーズの重要性―

・国土交通省「2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた出入国に関する

関係省庁等連絡会議「クルーズ船のホテルとしての活用に関する分科会(ワーキング

グループ)(第1回)」の概要について」

http://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_fr4_000023.html

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

33

日本を代表するクルーズポートとして、より多くの客船で賑わう横浜港であり続けるため、

横浜港全体での客船受入機能強化の取組を進めています。

出典:横浜市港湾局 HP 掲載「平成 29 年度事業概要 港湾局」

http://www.city.yokohama.lg.jp/kowan/basicinfo/plan-unei/unei.html

(1)横浜港の官民連携国際クルーズ拠点形成計画書(目論見書)の概要

平成 29 年7月8日の港湾法一部改正を受けて、官民連携によるクルーズ船の受入促進を図る

新しい制度を適用する「国際旅客船拠点形成港湾」に横浜港を含む6港が指定されました。

指定に先立ち、国土交通省へ港湾管理者とクルーズ船社の連名による「官民連携国際クルー

ズ拠点形成計画書(目論見書)」が提出されました。この内容を踏まえ、今後はクルーズ船社とさ

らに連携し、ハード・ソフト両面において必要な取組を進めていくこととしています。

3 横浜市の取組

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

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出典:国土交通省記者発表資料「「官民連携による国際クルーズ拠点」を形成する港湾を選定

しました」(平成 29 年1月) 資料1「官民連携による国際クルーズ拠点」を形成する港湾

http://www.mlit.go.jp/report/press/port04_hh_000165.html

(2)新港地区

○カーニバル・コーポレーション&PLC との連携(国際旅客船拠点港湾の指定に伴う事業)

国際旅客船拠点港湾としての指定に伴い、カーニバル・コーポレーション&PLC が日本発

着クルーズの拠点として一定期間優先的に使用することが予定されており、横浜発着クルー

ズを数多く実施しているダイヤモンド・プリンセスの日本における母港化を目指すとしていま

す。また、カーニバル社が「屋根付き通路」を整備し、乗客の安全・快適な空間の創出が計画

されています。

○新港地区旅客ターミナル(仮称)の整備

CIQ施設とサービス・商業施設からなる「新港地区旅客ターミナル(仮称)」の整備を行いま

す。整備は公民連携事業による事業提案方式で公募を実施し、地元企業など7社と1団体で

つくる企業グループ「(仮称)Yokohama Pier9」を事業予定者に決定しました。

客船ターミナルは地上5階建で、CIQ施設のほか、食をテーマとした商業施設、高品質な

ホテル等を開発する計画です。平成 31 年春頃の供用を予定しています。

<事業の仕組み>

横浜市と事業者の間で定期借地契約を締結。事業予定者が客船ターミナル施設全体を

整備し、市が事業予定者からCIQ施設部分の床を賃借した上で管理運営を行う。

<事業予定者>

企業グループ名:(仮称)Yokohama Pier9

代表企業 :(株)横浜岡田屋

構成企業 :(株)小此木、藤木企業(株)、川本工業(株)、(株)T・Yホールディングス

(株)横浜グランドインターコンチネンタルホテル、野村不動産(株)、

京浜港ワッチマン業協同組合

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

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○ハンマーヘッドパーク(仮称)等の緑地整備

ターミナルに隣接して整備する「ハンマーヘッドパーク(仮称)」では、「ハンマーヘッドクレーン」

を港湾の歴史を伝えるモニュメントとして活用する予定です。同時期の英国製起重機として日

本に現存するのは佐世保、長崎を加えた3基のみであり、横浜・佐世保は近代化産業遺産に、

長崎は世界遺産の構成遺産に、それぞれ認定されています(ターミナルの開業に合わせて公

開の予定)。

(3)大黒ふ頭

○CIQ施設や駐車場の整備

(国際クルーズ旅客受入機能高度化事業)

現在、客船の受入れに適さない貨物用のター

ミナルで超大型船の受入れが行われており、受入

機能の強化が必要となっています。超大型客船の

受入れに対応できるよう既存岸壁の改良や大型

テントによるCIQ施設、駐車場の整備が行われま

す。

(4)大さん橋ふ頭

○郵船クルーズ株式会社との連携(国際旅客船拠点港湾の指定に伴う事業)

国際旅客船拠点港湾としての指定に伴い、郵船クルーズ株式会社の「飛鳥Ⅱ」が母港とし

て一定期間優先的に使用することが予定されています。また、郵船クルーズ株式会社により、

既存の客船ターミナルビルに乗船客を対象とした「待合ラウンジ」が整備されます。

○「みなとオアシス横浜港」の登録

平成 29 年2月に、「みなとオアシス横浜港」として登録され、制限区域の岸壁を活⽤した

「⼤さん橋マルシェ」など、大さん橋国際客船ターミナルを中心とした各種イベントの開催等に

よる賑わいの創出に向けた取組が行われています。

大黒ふ頭CIQ施設イメージ図

出典:港湾局記者発表資料「国際クルーズ

旅客受入機能高度化事業の採択について」

みなとオアシス横浜港 概要

○ 名 称 : みなとオアシス横浜港 ○主な開催イベント:

○ 設置港湾 : 横浜港 (港湾管理者:横浜市) ・横浜スパークリングトワイライト

○ 設置者 : 横浜市 ・アロハ横浜

○ 運営者 : 横浜港振興協会、神奈川新聞社 ・横浜港大さん橋マルシェ

ハリマビステム共同事業体 ・客船歓送迎イベント

○ 代表施設 : 大さん橋国際客船ターミナル ・横浜市民クルーズ

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

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○施設や周辺道路の整備改修

観光案内デジタルサイネージの新設や、空調・トイレ等施設改修とともに、施設周辺道路

の渋滞緩和策として、大さん橋客船ターミナル周辺道路(大さん橋1号線)の車道拡幅整備

が行われます。

(5)山下ふ頭

○既存岸壁の有効活用(2・3号岸壁)

水深 12m を有する岸壁を活用して、クルーズシーズンには大さん橋国際客船ターミナルで

受け入れられない場合の受け皿として活用されています。平成 29 年8月から受入れが実施

されています。

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

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日 全国クルーズ活性化会議による取組

全国レベルでクルーズ振興や誘致に係る必要な情報の共有や意見交換を行うとともに、各地

域に共通する課題の解決を図ることにより、港を通じた地域振興や経済の活性化等に資すること

を目的として、全国の港湾管理者や地方自治体の首長等が参加する「全国クルーズ活性化会議」

が、平成 24 年 11 月に設立されました。

会員数は、平成 29 年9月末現在で 129 団体となっています。最近では、海に面していない自治

体である岐阜県や奈良県が加入するなど、港湾管理者だけでなく、豊富な観光資源を有する周辺

自治体もメンバーとなり、日本全体でクルーズ客船、乗船客を迎え入れる雰囲気が醸成されつつ

あります。

平成 26年6月開催の第3回総会において、林文子横浜市長が会長に選出され、平成 28年7月

開催の第5回総会において再選されました。

(1)主な取組内容(平成 28 年度実績)

・シートレード・クルーズ・グローバル 2017 への参加

国と連携して、世界最大のクルーズ見本市である「シートレード・クルーズ・グローバル 2017」

に参加して、商談などを実施した。

・外国クルーズ船社キーパーソンとの商談会への参加

国が開催した外国クルーズ船社との商談会に参加した(平成 28 年度は5回実施)。

・地域のイベントを生かしたクルーズ船の寄港促進

ウェブサイト「CRUISE PORT GUIDE JAPAN」にてイベント開催情報などの船社等への一元的

な発信に協力し、港湾の周辺の地域等で開催されるイベントの魅力をクルーズ船の寄港に結

びつけ、地域の活性化を図った。

・研修クルーズの実施

会員自治体の職員を対象に、クルーズの魅力や受入体制の課題などを体験する「研修クル

ーズ」を実施。平成 28 年度は5月に「マリナー・オブ・ザ・シーズ」、8月に「ダイヤモンド・プリン

セス」、9月に「コスタ・ビクトリア」の計3回開催。

(2)国・クルーズ船社への要望書

平成 29 年6月に開催された第6回総会では、以下の内容の要望を決議しました。国への要

望は、大野泰正国土交通大臣政務官(当時)、クルーズ船社への要望は、代表して服部浩日本

外航客船協会副会長に、会長から要望書を渡しました。

4 他都市、団体等における取組

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

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※FIT…海外個人旅行(Foreign Independent Tour)

日本海側拠点港における取組

国土交通省では、経済成長著しい対岸諸国と地理的に近接する日本海側港湾において、伸ば

すべき機能の選択と施策の集中及び港湾間の連携を通じて、対岸諸国の経済発展を日本の成

長に取り入れるとともに、東日本大震災を踏まえた災害に強い物流ネットワークの構築にも資す

ることを目指し、平成 23 年 11 月に日本海側拠点港を選定しました。

出典:国土交通省「日本海側拠点港の取組状況について(報告)」

http://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_tk4_000016.html

○国への要望事項

・クルーズ関連港湾施設と受入設備の充実に対する戦略的・重点的な予算の確保と

整備の推進

・CIQ手続きの柔軟化及びさらなる迅速化

・海外のクルーズプロモーションに対する支援

・船舶航行安全に対する支援

・クルーズ船を活用した地域産品等の販売拡大への支援

・クルーズ船社への働きかけ

○クルーズ船社への要望内容

・寄港地の多様化

・ロング・クルーズの造成

・寄港地観光の質の向上

・FIT※を対象とした船内での地元観光情報の提供場所等の確保

・船社からの地元自治体に対する情報提供

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

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「国際定期旅客」「外航クルーズ(定点クルーズ)」「外航クルーズ(背後観光地クルーズ)」にか

かる拠点港に指定された各港での取組事例について、いくつかご紹介します。

(1)博多港

○中央ふ頭クルーズセンターの整備

「中央ふ頭クルーズセンター」を整備し、平成

27 年5月に供用を開始しました。同センターは、

税関・出入国管理・検疫を行うCIQ棟と、待合室

で構成されています。博多港では、これまで国際

ターミナルの8台のブースで入国審査を行ってい

ましたが、同センターのCIQ棟には最大 20 台の

ブースの設置が可能であり、出入国審査がより

円滑になり、1,000 人、2,000 人クラスの大型船に

よる大規模な博多港発着クルーズも可能になりま

した。

また、福岡市では、現在、ウォーターフロント地

区(中央ふ頭、博多ふ頭)の再整備に向けた検討

を進めています。

○福岡市無料公衆無線 LAN サービス「Fukuoka City Wi-Fi」

観光・集客産業振興の取組の核として、誰でも無料で使える自治体主体の公衆無線 LAN サ

ービスを先駆的に整備。平成 24 年4月に、地下鉄、観光案内所等 16 拠点でサービスを開始し

ました(自治体による地下鉄での Wi-Fi 提供は全国初)。

平成 23 年4月に設置された「福岡市公衆無線LANの環境整備に関する検討会議」において

行政として「どのように整備するのか」について検討を行い、市関連施設は市が整備し、民間施

設は民間の施設管理者等が整備する「官民共働」のスキームを構築。市が先導的に整備を進

め、民間を誘導することとしました。整備・運用にあたっては、経費を抑制するため、既存 Wi-Fi

サービスを提供している電気通信事業者の Wi-Fi クラウド環境・設備を活用しています。

平成 26 年8月から、訪日外国人が渡航前から本サービスや拠点等の情報等が得られるよう、

5言語対応のウェブサイトを新設するとともに、平成 27 年3月には、5言語でPR動画を制作。

YouTube 上にアップするとともに、空港・博多港国際ターミナルをはじめ、街頭のデジタルサイ

ネージなどで配信しています。

本事業は、総務省による「地域情報化大賞 2015」部門賞を受賞しています。

出典:福岡市政だより WEB 版 2015/06/15

「中央ふ頭クルーズセンターがオープンしま

した」

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

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(2)長崎港

○松が枝国際ターミナルビルの整備

近年、クルーズ客船が年々大型化していることを受け、国内初となる 10 万総トン級岸壁の整

備に着手し、平成 21 年3月に本格的に運用を開始しました。

また、国際ゲートウェイ(玄関口)機能を強化するため、平成 22 年3月には松が枝国際ターミ

ナルビル、平成 24 年8月にはCIQ施設に特化した第2ビルが完成しました。

整備前の狭く老朽化したターミナルでは機能が不足しており、入国に必要な手続きは船内で、

観光案内サービスなどは屋外で行っていましたが、整備後の新ターミナルは屋内で入国に必要

な手続きや観光案内サービスなどが可能になり、入国審査が整備前の約半分(1.5 時間程度)

に短縮されました。

ターミナルビルには、長崎の歴史・文化・観光を紹介するインフォメーション機能が充実し、ク

ルーズ客船寄港時以外は、各種イベント、サークル活動等に利用できるイベントホール等が完

備しています。

屋上は天然芝とウッドデッキ仕上げで、景観に配慮したものになっており、「2011 年グッドデ

ザイン賞」及び「土木学会デザイン賞 2013 優秀賞」を受賞しました。

(3)境港

○境港クルーズ客船環境づくり会議

鳥取・島根両県に跨る境港では、クルーズ船寄港誘致活動の一環として、誘致から寄港時

対応まで官民一丸となり行うことを目的とした「境港クルーズ客船環境づくり会議」を、平成 25

年4月に設立しました。船社や旅行会社の担当者を招いた勉強会を定期的に行い、クルーズ客

のスムーズな受入体制の構築や、外国人観光客に対する土産品販売強化等に取り組んでい

ます。

(4)金沢港

○「金沢港クルーズ・ウェルカム・クラブ」の設立

クルーズ船の出入港に際し、石川らしい「おもてなしの心」でお出迎えやお見送りをし、石川

のファンを増やしたいと考え、クルーズ船を県民挙げて歓送迎する「金沢港クルーズ・ウェルカ

ム・クラブ」を平成 25 年に設立しました。会員数は、平成 29 年1月末現在で 5,000 人を超え、石

川らしい”おもてなし”の心あふれる歓送迎を実施しています。

また、金沢港は、石川県・金沢市・金沢港振興協会が連携して行っている積極的な客船誘致

活動や、「金沢港クルーズ・ウェルカム・クラブ」のもてなしぶりなどが評価され、(一社)日本外

航客船協会による「クルーズ・オブ・イヤー2014 特別賞」を受賞しています。

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2 訪日クルーズ旅客の誘致に向けた取組

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【参考・出典】

・国土交通省 HP「日本海側港湾の機能別拠点化」

日本海側拠点港の取組状況について(報告)

平成 27 年(2015 年)取組内容報告(平成 29 年2月 23 日)

交通政策審議会第 59 回港湾分科会 日本海側拠点港の取り組み状況について(報告)

(資料 8)(平成 27 年 3 月 10 日)

交通政策審議会第 57 回港湾分科会 日本海側拠点港の取り組み状況について(報告)

(資料 1)(平成 26 年 8 月 6 日)

http://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_tk4_000016.html

・福岡市政だより WEB 版 2015/06/15「中央ふ頭クルーズセンターがオープンしました」

https://dayori.city.fukuoka.lg.jp/21731

・福岡市「ウォーターフロントネクスト(中央ふ頭・博多ふ頭の再整備)について」

http://www.city.fukuoka.lg.jp/jutaku-toshi/waterfront/shisei/wf_turnaround.html

・(一財)ITU 協会 ITU ジャーナル vol.46 (2016.1)

「新たな時代の都市インフラ-福岡市無料公衆無線 LAN サービス「FukuokaCity Wi-Fi」の

取組みー」福岡市広報戦略室広報課

https://www.ituaj.jp/?itujournal=2016_01

・総務省 HP 地域情報化の推進「ICT 地域活性化大賞(地域情報化大賞)」

表彰事例の紹介(2015 年度)

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/local_support/ict/taisho/2015.html

・長崎県 HP「環長崎港地域の都市再生整備状況」松が枝地区

https://www.pref.nagasaki.jp/bunrui/machidukuri/toshikeikaku-kokudoriyo/kannaga/seibijyokyo-kannaga/

・長崎港松が枝国際ターミナル HP「ターミナル概要」

http://www.kouenryokuchi.or.jp/matsugae/about_terminal.html

・長崎港 Port of Nagasaki「みなとの整備(松が枝地区)」

https://www.doboku.pref.nagasaki.jp/~rinkai/nagasaki_port/seibi_matsugae_01.html

・(一財)金沢港振興協会 HP「金沢港クルーズ・ウェルカム・クラブ」

http://www.k-port.jp/cruise/welcomeclub.html

・一般社団法人 日本外航客船協会 HP クルーズ・オブ・イヤー2014

http://www.jopa.or.jp/of_theyear/of_theyear2014-2.html

・境港管理組合 HP「境港クルーズ客船環境づくり会議」

http://sakai-port.com/publics/index/88/