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4第 章
システマティックレビュー
1 システマティックレビューの概要 ······························································30
2 エビデンスの収集 ··································································································32
3 エビデンス総体の評価 ·······················································································34
4 エビデンス総体の統合 ·······················································································37
5 エビデンス総体のエビデンスの強さの決定 ·········································39
6 システマティックレビューレポートの作成 ·········································39
30
第4章 システマティックレビュー
システマティックレビューの概要
1)システマティックレビューとは
システマティックレビュー(systematic review)とは,クリニカルクエスチョン(clinical question;CQ)に対して,研究を網羅的に調査し,同質の研究をまとめ,バイアスを評価しながら分析・統合を行うことである。Cochrane レビューをはじめとし,数多くのシステマティックレビューあるいはメタアナリシスが発表されている。現在,システマティックレビューを計画時点で登録するウェブサイトが運用されている。診療ガイドラインのための CQ に基づくシステマティックレビューも論文としての発表を計画する場合には,個々に PROSPERO(International pro spective register of systematic reviews)への登録を検討する必要がある。
・定性的システマティックレビュー研究や除外された研究の数,対象者の特性と人数,比較と介入の方法,バイアス
リスクの評価などを記述し,深い理解を与えるために定性的にまとめたものをいう。定性的システマティックレビューの結果はエビデンスの強さの判定に反映させる。
・定量的システマティックレビュー(メタアナリシス)定量的システマティックレビューでも,いわゆるメタアナリシスの前にバイアス
の評価など定性的な評価を行い,定量的に統合できるか異質性(heterogeneity)を検討する必要がある。メタアナリシスとは,効果指標の値を統計学的に統合し,統合値と信頼区間を計算し,定量的統合を行うことである。
2)既存のシステマティックレビューの利用
診療ガイドライン作成を目的としたシステマティックレビューは,通常のシステマティックレビューとは異なり,エビデンス総体の強さを評価し推奨の作成に役立てることを目的としている。特に注意すべき点は,明確な CQ に対する網羅的文献検索と文献採用基準が求められること,益と害のアウトカムの両方が重要視されること,同じ研究でもアウトカムが異なると質の評価が異なること,同じ研究が異なるアウトカムに対して適用される可能性があるため文献管理を一元的に行う工夫が必要となることである。
既に同じ CQ に対応するシステマティックレビューが出版されている場合には,それを利用することが可能な場合もある。図 4 ─ 1 にその際の方針を示すように,既に同じ CQ に対応する診療ガイドラインが出版されていて,そこに含まれるシステマティックレビューを利用しようとする場合には,AGREE Ⅱ(Appraisal of Guide
1
第4章
システマティックレビュー
31
lines for Research & Evaluation Ⅱ),AMSTAR(Assessment of Multiple Systematic Reviews)などのツールを用いて評価し,質の高いものを選択し,同じ方針を採用する。①統合結果をそのまま利用する。② 論文で採択されているもとの研究のデータを再評価し,もとの研究から CQ に
適合するものを選択してシステマティックレビューを行う。③ 同じ文献検索戦略を用い得られた文献で,新たにシステマティックレビューを
行う。④ 新しい研究を追加してメタアナリシスを行うか定性的な統合を行う。⑤ 文献検索戦略の一部を用いて得られた文献で,新たにシステマティックレ
ビューを行う。
どの方針を用いるかは,そのシステマティックレビュー出版後の新たな研究がどれくらいあるか,それらの結果を含めると結果が変わる可能性があるかなどを評価して決める。
図 4─1 既存のシステマティックレビューを利用する場合の方針(①〜⑤は,本文の同番号を示す)
3)システマティックレビューの手順の概略
ガイドライン作成グループから受け取ったスコープは,システマティックレビューチーム(SR チーム)に対するシステマティックレビューの指示書とも言える
●①そのまま利用**
既存の SR*
AMSTAR全項目“はい” 新たに SR実施する
CQの PICOに合致 文献検索戦略が適切
最新の研究まで参照一部の研究がCQに対応
文献検索戦略の一部がCQに対応
●②感度分析実施
●⑤文献検索戦略の一部を用いて得られた文献で新たにSR実施
最新の研究が既知
●③同じ文献検索戦略で得られた文献で新たにSR実施
●④新しい研究を追加してメタアナリシスを行うか定性的統合を
行う
*:既存の診療ガイドラインに含まれるシステマティックレビュー(SR)も対象とする。**:エビデンス総体の評価シートに追加する(Step2)。
はい
はいはい
はいはい
はい
なし
あり
はいいいえ
いいえ
いいえ
いいえ
いいえ
いいえいいえ
32
第4章 システマティックレビュー
ものである。スコープに記載されたシステマティックレビュー方法論を確認・検討し,独立した SR チームは中立的な立場でスコープに記載してある方法に従い,以下の手順でシステマティックレビューを行う。PROSPERO に準じたシステマティックレビューのプロトコールを作成することが望ましい( 参考 1 )。参考 1 システマティックレビュープロトコール(p.112)
①PICO に基づく包括的な文献検索②介入 / 要因ばく露とアウトカムの組み合わせごとに明示的な基準に基づく一次ス
クリーニング(タイトルとアブストラクトによる選定)および二次スクリーニング(全文の評価による選定)による文献集合の作成。二次スクリーニングで除外した研究のリストを作成し除外理由を記録しておく。
③各アウトカムについて介入 / 要因ばく露とアウトカムおよび研究デザインの組み合わせごとに,個別研究の質的評価を行う。この際に,PICO の非直接性の評価を必ず行い,コメントを記述する。(定性的システマティックレビュー)
④PICO の類似性が高く,効果指標算出のためのデータが得られる研究については定量的システマティックレビューを行う。
⑤エビデンス総体を評価し,エビデンスの強さを決定する。⑥システマティックレビューの結果をシステマティックレビューレポート(SR レ
ポート)にまとめ,ガイドライン作成グループに提出する。
エビデンスの収集
1)先行するガイドラインの検索
国内・海外の先行する診療ガイドラインの検索は,現状把握のためのスコーピングサーチの一環としてスコープ作成時に行うことが望ましい。参考 2 に示すように,NGC(National Guideline Clearinghouse),NICE(National Institute for Health and Care Excellence)などを検索する。国内の質の高いガイドラインは Minds に収載されているので,特にほかの作成団体による先行するガイドラインが公表されている場合は十分に吟味し,整合性についてあらかじめ検討する。参考 2 主な診療ガイドライン検索のためのデータベース(p.113)
2)文献検索データベース
網羅的な検索を行うため,PubMed/MEDLINE,The Cochrane Library,医中誌 Web の 3 つ の デ ー タ ベ ー ス は 必 ず 検 索 す る。 医 学 領 域 の EMBASE や
2
第4章
システマティックレビュー
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JMEDPlus,社会・心理学的研究の PsycINFOⓇや看護研究の CINAHLⓇなど重要なデータベースも併せて検索する。必要と考えられる場合は,PROSPERO,臨床試験登録,会議録,医薬品副作用情報なども検索することを検討する。特に,事前登録された大規模な未発表のランダム化比較試験(RCT)が既知であるときには,Grey Literature Report(New York Academy of Sciences)などの情報も積極的に拾い上げる。参考 3 文献検索データベース(p.113)
3)文献検索戦略
SR チームは,CQ ごとにキーワード,シソーラス(MeSH など)を組み合わせた検索式を 2 名(1 名は図書館員など医学文献検索専門家であることが望ましい)が独立して立て,最適な検索式を作成する。データベースごとに検索式,検索期間,検索日を記載する。検索文献の引用文献,教科書の参照などの情報収集を行った場合は記録しておく。
【テンプレート ID:4 ─ 1 データベース検索結果 R *1】
すべての検索,文献選択の経過は,【テンプレート ID:4 ─ 2 文献検索フローチャート R】に示すように,CQ ごとに,PRISMA(Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta ─Analyses)声明のフローダイアグラムを改変したフローチャートに記載する。
【テンプレート ID:4 ─ 2 文献検索フローチャート R】
参考 4 益の検索の進め方(p.114)に検索例を示す。
4)スクリーニング
あらかじめスコープで決められた文献選択基準,除外基準に基づいてスクリーニングを実施する。
❶一次スクリーニング原則として SR チーム 2 名が独立して一次スクリーニングを行う。一次スクリー
ニングでは,タイトル,アブストラクトから CQ に合っていないものを除外する。抄録で判断できないものは原則として残す。2 名の結果を照合し,二次スクリーニング用データセットを作成し,文献本文を収集する。
❷二次スクリーニング原則として SR チーム 2 名が独立してフルテキストを読み,二次スクリーニング
を行う。選択基準に合った論文を選び,2 名の結果を照合するが,2 名の意見が異
* 1:テンプレートは名称の最後に以下のように使用するドキュメントに対応した記号が付されている。 R:システマティックレビューレポート
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第4章 システマティックレビュー
なる場合は第 3 者の意見を取り入れ,採用論文を決定する。研究の二次スクリーニング後の一覧表を【テンプレート ID:4─ 3 二次スクリーニング後の一覧表 R】としてまとめる。
5)文献管理
電子的に収集した文献をインターネット上のクラウドなどで共有する,あるいは大量に印刷して配布するなどの行為は,著作権侵害に当たる可能性があるので十分注意する。文献は,文献コードによって一元的に管理することが望ましい。文献管理の方法はいくつかあるが,異なる CQ で何度も同じ文献が出てくる可能性があることから,著者名,発行年で本文中に挿入し,CQ ごとにまとめて引用文献を記載するハーバード方式(例:Smith 2013)を推奨する。引用文献は,CQ ごとに採用論文 , 不採用論文 , その他の引用論文に分けて筆頭著者のアルファベット順に列挙する。不採用論文についてはその理由を記録に残すことが重要である。
【テンプレート ID:4 ─ 4 引用文献リスト R】エビデンスの統合は研究デザイン,介入 / 要因ばく露の組み合わせごとにまとめ
られたアウトカムについて行われ,アウトカムがまとめられてエビデンス総体を形成する。【テンプレート ID:4 ─ 3 二次スクリーニング後の一覧表 R】にまとめられた文献集合をアウトカムごと,研究デザインごとに並べ替え,エビデンス総体の評価の準備をする。
エビデンス総体の評価
1)エビデンス総体とエビデンス総体の総括
❶エビデンス総体(body of evidence)ある CQ に対して収集しえたすべての研究報告を,介入 / 要因ばく露の組み合わ
せごとにアウトカムごと,研究デザインごとに評価し,その結果をまとめたものをエビデンス総体(body of evidence)と呼び,強さを決定する(表 4─ 1,p.39 参照)。
❷エビデンス総体の総括エビデンス総体をアウトカム横断的に統合した全体を,「エビデンス総体の総括」
と呼ぶ。ガイドライン作成過程において,CQ に対する推奨診療を提示する場合(表5 ─ 1,p.53 参照)に,エビデンス総体の総括としての強さをひとつだけ決定する。
2)エビデンス総体の評価の概要
アウトカムごとにまとめられた文献集合の個々の論文について RCT,観察研究
3
第4章
システマティックレビュー
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など研究デザインごとにバイアスリスク,非直接性(indirectness)を評価し,対象人数を抽出する。次に,研究デザインごとにそれぞれの論文をまとめ直し,改めて非直接性,非一貫性(inconsistency),不精確(imprecision),出版(報告)バイアス
(publication bias)などを評価する。本書では,具体的な作業手順として Step 1,Step 2 の 2 段階の評価方法を紹介する。
Step 1 では,個別研究に対し評価シートを用いて評価する。個々の論文についてバイアスリスク,非直接性,リスク人数,効果指標,信頼区間を記載する。
Step 2 では,エビデンス総体の評価シートを用いて最終的にエビデンスの強さを決定する。研究デザインごとにまとめられた論文に対し,バイアスリスク(Step 1 の結果をまとめる),非直接性(Step 1 の各個評価+複数論文としてのまとめ),非一貫性,不精確,出版(報告)バイアス,評価を上げる 3 項目等について評価する。さらに可能であればリスク人数(アウトカム率)の合計値,効果指標,信頼区間を計算し,記載する。この結果を用いて,エビデンス総体のエビデンスの強さを決定し,アウトカムの重要性を再評価する。
・ Step 1 で用いるテンプレート・RCT 評価用 【テンプレート ID:4 ─ 5 評価シート 介入研究 R】・観察研究評価用 【テンプレート ID:4 ─ 6 評価シート 観察研究 R】・ Step 2 で用いるテンプレート・ エビデンス総体評価用 【テンプレート ID:4 ─ 7 評価シート エビデンス総体 R】
3) 各研究のバイアスリスク,非直接性の評価と効果指標に関連するデータの抽出
【テンプレート ID:4 ─ 5 評価シート 介入研究 R】,【テンプレート ID:4 ─ 6 評価シート 観察研究 R】を用いて,各研究のバイアスリスク,批判的吟味としてのPICO の成分の同質性の評価を行う。効果指標に関連するデータの抽出を行い,効果指標の提示方法が異なる場合は,リスク比,リスク差などに統一して記載する。RevMan(Review Manager)などを用いてメタアナリシスと併せて計算すると簡便
である。〔4 章
1
2
3
4
5
6
7
8
9
2),p.38 参照〕
❶バイアスリスク(risk of bias)個々の論文の質を評価する方法としてバイアスリスクがある。各ドメインの概念
はランダム化比較試験向けだが,観察研究にも適用される。
①選択バイアス:ランダム割り付け,割り付けの隠蔽(コンシールメント) 研究対象の割り付けの偏りにより生じるバイアス。特に,比較される群の研究
36
第4章 システマティックレビュー
対象が介入や危険因子への曝露以外の点で異なることによってアウトカムが影響を受けるバイアス。
②実行バイアス:参加者と医療提供者の盲検化 比較される群で介入・ケアの実行に系統的な差がある場合に生じるバイアス。③検出バイアス:アウトカム測定者の盲検化 比較される群でアウトカム測定に系統的な差がある場合に生じるバイアス。④症例減少バイアス:ITT(intentiontotreat)解析,不完全アウトカムデータ 比較される群で解析対象となる症例の減少に系統的な差がある場合に生じるバ
イアス。減少した分の症例はアウトカムが不明であると考えられるので,不完全アウトカムデータとしてとらえられる。ITT 解析は治療企図分析のことで,RCT の統計解析において,脱落例やプロトコール非合致例を無効例として割り付け通りに解析することで,症例減少バイアスを減らす方法である(用語集,p.118 参照)。
⑤その他のバイアスリスク・選択的アウトカム報告バイアス
測定された複数のアウトカムのうち一部しか報告されていない場合,効果の大きい都合のいい結果だけが報告されるという報告バイアスを生じる可能性がある。
・早期試験中止バイアス 中間解析が計画されたデザインでないにもかかわらず,あるいは適切に計画さ
れたデザインでないにもかかわらず,当初計画されたサンプルサイズを満たす前に効果が証明されたとして中止された臨床試験の場合,効果が過大評価されるバイアスが生じる可能性がある。
❷非直接性(indirectness) 一般に,外的妥当性(external validity),一般化可能性(generalizability),適用
可能性(applicability)と同義で使われている。CQ と評価される研究の間の臨床状況・集団・条件との相違である。Minds では Step 1 で個々の研究について評価したのち,Step 2 の総合評価として以下の項目について改めて検討する方法を「手引き 2014」で採用した。①研究対象集団の違い②介入の違い ③比較の違い ④アウトカム測定の違い
❸非一貫性 (inconsistency) アウトカムに関連して抽出されたすべての研究をみると,報告によって治療効果
の推定値が大きく異なる〔すなわち,結果に異質性(heterogeneity)または,ばらつきが存在する〕ことを指し,根本的な治療効果に真の差異が存在することを意味する。
第4章
システマティックレビュー
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❹不精確(imprecision) サンプルサイズやイベント数が少なく,そのために効果推定値の信頼区間が幅広
い。プロトコールに示された予定症例数が達成されていることが必要である。❺その他のバイアス
・出版(報告)バイアス (publication bias) 研究が選択的に出版されることによって,根底にある益と害の効果が系統的に過
小評価または過大評価されることをいう。forest plot で判定されることもある。
4) エビデンス総体のバイアスリスク,非直接性,非一貫性,不精確,出版(報告)バイアスなどの評価
・評価を下げる 5項目研究の限界について前述の 5 項目〔❶バイアスリスク,❷非直接性,❸非一貫
性,❹不精確,❺出版(報告)バイアス〕に対し,以下の 3 段階で評価する。
全く問題なし 0軽度の問題あり 0 コメントを記載深刻な問題あり - 1 コメントを記載重大な問題あり - 2 コメントを記載
・評価を上げる 3項目観察研究の場合は,下記 3 項目についても評価する。
①介入による大きな効果②用量─反応勾配③可能性のある交絡因子による効果の減弱
エビデンス総体の統合
1)定性的システマティックレビュー
エビデンスを質的に統合することを定性的システマティックレビューという。定性的システマティックレビューは各研究のバイアスリスクの評価と非直接性の評価,それらを反映したエビデンス総体のバイアスリスクと非直接性の評価,エビデンス総体を構成する研究間の非一貫性,不精確,出版バイアスなどの評価と臨床的
4
注: 0〜2 は,各項目の深刻さを示しているものであり,加算するものではない。
38
第4章 システマティックレビュー
文脈の評価も含まれる。定量的システマティックレビューを行った場合でも,効果指標の統合値と信頼区
間だけでエビデンスの強さを決定せず,定性的システマティックレビューの結果もエビデンスの強さの評価に反映させる。
研究論文がひとつしかないとき,あるいは研究間の異質性が高いときは量的統合に進まず,エビデンスの定性的システマティックレビューからエビデンスの強さを決定し,推奨を決定する。
【テンプレート ID:4 ─ 8 定性的システマティックレビュー R】
2)定量的システマティックレビュー(メタアナリシス)
診療ガイドライン作成のためのシステマティックレビューで,研究デザインが同じで,PICO の各項目の類似性が高い場合には,効果指標を量的に統合するメタアナリシスが可能となる。メタアナリシスの結果,効果指標の統合値と信頼区間が得られるとともに,forest plot が得られる。このプロットは非一貫性,不精確の判定にも有用となる。固定効果モデルとランダム効果モデルの 2 つのモデルが用いられるが,複数の研究の効果指標の平均値と信頼区間だけを問題にすればよい場合には前者を,研究間のばらつきを考慮すべき場合には後者を用いる。通常は,後者を用いることが推奨される。
【テンプレート ID:4 ─ 9 メタアナリシス R】
・メタアナリシスのためのソフトウェアメタアナリシスのためのソフトウェアは多数存在するので,それぞれが使いやす
いと思われるものを必要な機能に応じて使用すればよい。無料で公開されているソフトウェアを示す。
・Review Manager (RevMan)(現バージョンは 5.2.9) http://tech.cochrane.org/revman/download・metafor(R をプラットフォームとする) http://www.rproject.org/
第4章
システマティックレビュー
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エビデンス総体のエビデンスの強さの決定
診療ガイドラインにおけるエビデンスの強さは,その治療効果などの推定値が推奨を支持するうえでどの程度十分かを示す。表 4─1 にエビデンスの強さの例を示すが,作成グループにおいてどのような基準を採用するか,スコープであらかじめ決めておく。研究報告単位の研究デザインのみに基づいたエビデンスレベル付けは行わない。
診療ガイドライン作成のためのシステマティックレビューの中で,エビデンス総体のエビデンスの強さを決定する具体的な作業例は,以下のごとくである。
RCT では初期評価「A(強)」から評価を開始し,本章での評価結果を参考にして,評価を下げる必要の有無や程度に応じて A,B,C,D を決定する。観察研究では,初期評価「C(弱)」から開始し,同様に評価を下げる 5 項目について評価する。この場合,同時に評価を上げる 3 項目についても評価検討し,強さを決定する。
表 4─1 システマティックレビューのエビデンス総体の強さの評価と定義
A (強) :B (中) :C (弱) :D (とても弱い):
効果の推定値に強く確信がある効果の推定値に中程度の確信がある効果の推定値に対する確信は限定的である効果の推定値がほとんど確信できない
エビデンスの強さの評価についての詳細は,以下も参照されたい。・GRADE http://www.gradeworkinggroup.org/・ The Cochrane Handbook for Systematic Reviews of Interventions http://handbook.cochrane.org/
システマティックレビューレポートの作成
SR チームは,質的,または量的システマティックレビューの結果をエビデンス総体の強さとして SR レポートにまとめ,推奨作成を行うガイドライン作成グループに提出する。
【テンプレート ID:4 ─ 10 SR レポートのまとめ R】CQ のうち,適切な論文が検索されなかった場合,または検索されたすべての論
文の質が高くなかった場合は,CQ 取り下げをガイドライン作成グループに提案す
5
6
40
第4章 システマティックレビュー
る。将来的な研究が必要と判断される場合は,future research question として記載する。
【テンプレート ID:4 ─ 11 future research question R】ガイドライン作成グループは,提出された SR レポートをもとに推奨作成のス
テップに進む。
第4章
システマティックレビュー
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4─1 データベース検索結果 R:記入方法
タイトル:混同のないようすべてのテンプレートにタイトルを記載する
CQ:混同のないようすべてのテンプレートに CQ 番号と CQ 文を記載するデータベース:データベース名とその検索期間を記載日付:検索日を記載検索者:2 名の検索者を記載。公開時には削除または,イニシャルに変更すること
♯ 検索式 文献数検索式を AND/OR,ti/ab/kw などを含めて記載 文献数を記載
最終検索結果は,最上段,最下段いずれでもよいが,全体で統一する。
検索を行ったデータベースの数だけ作成されるが,代表的なもののみ診療ガイドラインに記載してもよい。
42
第4章 システマティックレビュー
4─2 文献検索フローチャート R:記入方法
NGC NICE PubMed Cochrane 医中誌 EMBASE WHO PsycINFO® CINAHL Others( )各 CQ ごとに使用した文献 DB から得られた文献数を記載。使用しなかったものは NA とする。CQの数だけできるが,代表的なものを診療ガイドライン巻末に資料として掲載するのでもよい。
Total records identified through database searching (n = )
Records screened ( 1st Screening )(n = )
Studies included in qualitative synthesis (n = )
Additional records identified through other sources (n = )
Full-text articles excluded, with reasons
(n = )
Records excluded (n = )
Studies included in quantitative synthesis (meta-analysis) (n = )
Full-text articles assessed for eligibility( 2nd Screening ) (n = )
複数の DB から同じ論文が見つかることも多いので重複を削除
テンプレート 4 ─ 4 の採用論文の数と一致する。
テンプレート 4─ 4 の不採用論文の数と一致する。
文献検索で見つからなかったが有用な文献があれば追加してもよい。
メタアナリシスを行わない場合は 0 と記入
〔PRISMA 声明を改変〕
第4章
システマティックレビュー
43
4─3 二次スクリーニング後の一覧表 R:記入方法
文献 研究デザイン P I C O 除外 コメント
著者名,出版名で一元的に管理
サンプル数,セッティング,P の特徴を記載
記載されている I とその形式
記載されているCとその形式
記載されているOとその形式
P:Patients,Population,I:Interventions,C:Controls,Comparisons,Comparators,O:Outcomes.
二次スクリーニングには残ったが,バイアスリスクの検討などで後に除外された論文がある場合はここに明記し,コメントに理由を記載する。
4─4 引用文献リスト R:記入方法
採用論文 ハーバード方式による文献整理 ID (本文と対応)
【4─ 3 二次スクリーニング後の一覧表 R】に残った,システマティックレビューに使用した論文の書誌情報
不採用論文 ハーバード方式による文献整理 ID (本文と対応)
【4 ─ 3 二次スクリーニング後の一覧表 R】からその後のステップで削除された論文の書誌情報
その他の引用論文
ハーバード方式による文献整理 ID (本文と対応)
総論や,疫学などシステマティックレビューを行わない章において引用した論文の書誌情報
44
第4章 システマティックレビュー
4─5 評価シート 介入研究 R:記入例
診療
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第4章
システマティックレビュー
45
診療
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紙に
まと
める
対象
自己
免疫
性肝
炎介
入/
要因
曝露
PSL
単独
また
はAZ
P併
用療
法対
照無
治療
アウ
トカ
ム生
化学
的・
組織
学的
寛解
個別
研究
バイ
アス
リス
ク*
選択
バイ
アス
実行
バイ
アス
検出
バイ
アス
症例
減少
バイ
アス
その
他上
昇要
因*
*非
直接
性*
リス
ク人
数(ア
ウト
カム
率)
研究
コー
ド研
究デ
ザイ
ン背
景因
子の
差ケ
アの
差
不適
切な
アウ
トカ
ム測
定
不完
全な
フォ
ロー
アッ
プ
不十
分な
交絡
の調
整
その
他の
バイ
アス
まと
め量
反応
関係
効果
減弱
交絡
効果
の大
きさ
まと
め対
象介
入対
照ア
ウト
カム
まと
め対
照群
分母
対照
群分
子(
%)
介入
群分
母介
入群
分子
(%
)効
果指
標(
種類
)
効果
指標
(値
)信
頼区
間
Cza
ja 2
008
コホ
ート
研究
−1
−1
0−
1−
2−
20
00
0−
2−
2−
10
−2
87
87.5
7233
45.8
RR
0.52
0.16
─0.8
9
Cza
ja 2
008
コホ
ート
研究
−2
−1
0−
1−
2−
20
00
0−
2−
20
−2
NA
NA
NA
206
7636
.9N
AN
AN
A
Al-C
hala
bi20
08コ
ホー
ト研
究−
2−
10
−1
−1
−2
00
00
−1
−2
0−
2N
AN
AN
A23
510
4.26
NA
NA
NA
Feld
JJ
2005
コホ
ート
研究
−2
−1
0−
10
−2
00
00
−1
−2
0−
2N
AN
AN
A99
1515
.2N
AN
AN
A
コメ
ント(
該当
する
セル
に記
入)
後ろ
向き
コホ
ート
研究
軽症
例で
マッ
チさ
せて
いる
疑わ
れる
組織
学的
寛解
評価
は一
部で
ある
がA
LT
測定
で十
分と
考え
られ
る
フォロ
ーア
ップ
期間
が不
定
多変
量解
析で
の調
整は
未施
行
軽症
例の
みの
解析
アザ
チオ
プリ
ンが
我が
国で
は使
えな
い
寛解
の定
義:
症状
消失
,黄
疸な
し,
血清
ALT
正常
ない
し上
限2
倍未
満,
γ-g
l正常
,肝
組織
正常
化ミ
ニマ
ルチ
ェン
ジ
非寛
解人
数に
換算
非寛
解人
数に
換算
非寛
解率
を表
す評
価者
が計
算
同上
の内
単一
群
単一
群の
ため
大き
いと
みな
す
疑わ
れる
同上
フォロ
ーア
ップ
期間
が不
定
多変
量解
析で
の調
整は
未施
行
初診
時23
%が
肝硬
変同
上単
一群
のた
め評
価な
し。
非寛
解人
数に
換算
非寛
解率
を表
す
後ろ
向き
コホ
ート
研究
の単
一群
同上
疑わ
れる
同上
同上
ロジ
ステ
ィッ
ク回
帰分
析が
行わ
れて
いる
英国
人主
体
プレ
ドニ
ゾロ
ン+
アザ
チオ
プリ
ンが
標準
治療
同上
非寛
解率
を表
す
後ろ
向き
コホ
ート
研究
の単
一群
同上
疑わ
れる
同上
同上
Co
xの
比例
ハザ
ード
解析
が用
いら
れて
いる
初診
時約
30
%が
肝硬
変
プレ
ドニ
ゾロ
ン+
アザ
チオ
プリ
ンが
標準
治療
同上
4─6 評価シート 観察研究 R:記入例
46
第4章 システマティックレビュー
4─7─① 評価シート エビデンス総体 R:記入例
総死
亡Al
tepl
ase
Plac
ebo
Risk
Rat
ioRi
sk R
atio
Stud
y or
Sub
grou
pEv
ents
Tota
lEv
ents
Tota
lW
eigh
tIV
, Ran
dom
, 95%
Cl
Year
IV, R
ando
m, 9
5%Cl
IST ─
340
815
1540
715
2090
.5%
1.01
[0.
89, 1
.13]
2012
EPIT
HET
1352
749
1.8%
1.75
[0.
76, 4
.02]
2008
ECAS
SⅡ
4340
942
391
7.7%
0.98
[0.
65, 1
.46]
1998
Tota
l(95
% C
l)19
7619
6010
0.0%
1.01
[0.
91, 1
.13]
Tota
l eve
nts
464
456
Het
erog
enei
ty:
Tau2 =
0.00
;C
hi2 =
1.70
,df
=2(
P=
0.43
);l2 =
0%Te
st fo
r ov
eral
l effe
ct:
Z=0.
24(
P=
0.81
)
依存
性Al
tepl
ase
Plac
ebo
Risk
Rat
ioRi
sk R
atio
Stud
y or
Sub
grou
pEv
ents
Tota
lEv
ents
Tota
lW
eigh
tIV
, Ran
dom
, 95%
Cl
Year
IV, R
ando
m, 9
5%Cl
IST ─
396
115
1596
815
2060
.1%
0.98
[0.
93, 1
.03]
2012
EPIT
HET
2852
2949
8.3%
0.91
[0.
65, 1
.28]
2008
ECAS
SⅡ
187
409
211
391
31.5
%0.
85[
0.74
, 0.9
7]19
98
Tota
l(95
% C
l)19
7619
6010
0.0%
0.93
[0.
84, 1
.03]
Tota
l eve
nts
1176
1226
Het
erog
enei
ty:
Tau2 =
0.00
;C
hi2 =
3.62
,df
=2(
P=
0.16
);l2 =
45%
Test
for
over
all e
ffect
:Z=
1.37
(P
=0.
17)
頭蓋
内出
血Al
tepl
ase
Plac
ebo
Risk
Rat
ioRi
sk R
atio
Stud
y or
Sub
grou
pEv
ents
Tota
lEv
ents
Tota
lW
eigh
tIV
, Ran
dom
, 95%
Cl
Year
IV, R
ando
m, 9
5% C
lEC
ASS
Ⅱ36
409
1339
144
.8%
2.65
[1.
43, 4
.92]
1998
EPIT
HET
452
049
6.2%
8.49
[0.
47, 1
53.7
0]20
08IS
T ─3
104
1515
1615
2049
.0%
6.52
[3.
87, 1
0.99
]20
12
Tota
l(95
% C
l)19
7619
6010
0.0%
4.43
[2.
07, 9
.48]
Tota
l eve
nts
144
29H
eter
ogen
eity
:Ta
u2 =0.
24;
Chi
2 =4.
95,
df=
2(P
=0.
08);
l2 =60
%Te
st fo
r ov
eral
l effe
ct:
Z=3.
83(
P=
0.00
01)
0.01
Favo
urs
Alte
plas
eFa
vour
s Pl
aceb
o0.
11
1010
00.
01Fa
vour
s Al
tepl
ase
Favo
urs
Plac
ebo
0.1
110
100
0.01
Favo
urs
Alte
plas
eFa
vour
s Pl
aceb
o0.
11
1010
0
診療
ガイ
ドラ
イン
虚血
性脳
卒中
に対
する
アル
テプ
ラー
ゼ
エビ
デン
スの
強さ
はR
CT
は”強
(A
)”か
らス
ター
ト,
観察
研究
は弱(
C)か
らス
ター
ト。
*各
項目
は”高
(−
2)”,
”中/
疑い(
−1)
”,”低
(0)
”の3
段階
**エ
ビデ
ンス
の強
さは
”強(
A)”
,”中(
B)”
,”弱(
C)”
,”非
常に
弱(D
)”の
4段
階*
**重
要性
はア
ウト
カム
の重
要性(
1~9)
対象
虚血
性脳
卒中(
79歳
まで
の成
人)
介入
6時
間以
内の
アル
テプ
ラー
ゼ0.
6mg/
kg静
注
対照
プラ
セボ
エビ
デン
ス総
体リ
スク
人数(
アウ
トカ
ム率
)
アウ
トカ
ム研
究デ
ザイ
ン/
研究
数
バイ
アス
リス
ク*
非一
貫性
*
不精
確
*
非直
接性
*
その
他(
出版
バイ
アス
など
)*
上昇
要
因
(観
察
研究
)*
対照
群分
母対
照群
分子
(%
)介
入群
分母
介入
群分
子(
%)
効果
指標
(種
類)
効果
指標
統合
値信
頼区
間エ
ビデ
ンス
の強
さ**
重要
性**
*コ
メン
ト
6か
月後
の総
死亡
RC
T/3
00
0−
10
1960
456
23.3
1976
464
23R
R1.
010.
91─1
.13
強(A
)9
差が
ない
6か
月後
の依
存性
(m
RS0
─2)
RC
T/3
00
0−
10
1960
1226
62.6
1976
1176
60R
R0.
930.
84─1
.03
中(B
)7
mR
S0─2
がア
ウト
カム
1週
間以
内の
脳出
血R
CT/
30
00
−1
019
6029
1.5
1976
144
7R
R4.
432.
07─9
.48
強(A
)9
脳出
血例
のほ
とん
どが
死亡
第4章
システマティックレビュー
47
診療
ガイ
ドラ
イン
自己
免疫
性肝
炎
エビ
デン
スの
強さ
はR
CT
は“強(
A)”
から
スタ
ート
,観
察研
究は
弱(C
)から
スタ
ート
。*各
項目
は“高(
−2)
”,“
中/
疑い(
−1)
”,“
低(0)
”の3
段階
**エ
ビデ
ンス
の強
さは“
強(A
)”,“
中(B
)”,“
弱(C
)”,“
非常
に弱(
D)”
の4
段階
**
*重
要性
はア
ウト
カム
の重
要性(
1~9)
対象
自己
免疫
性肝
炎
介入
PSL
+A
ZAま
たは
PSL
単体
対照
無治
療
エビ
デン
ス総
体リ
スク
人数(
アウ
トカ
ム率
)
アウ
トカ
ム研
究デ
ザイ
ン/
研究
数
バイ
アス
リス
ク*
非一
貫性
*
不精
確*
非直
接性
*
その
他(
出版
バイ
アス
など
)*
上昇
要因
(観
察研
究)*
対照
群分
母対
照群
分子
(%
)介
入群
分母
介入
群分
子(
%)
効果
指標
(種
類)
効果
指標
統合
値信
頼区
間エ
ビデ
ンス
の強
さ**
重要
性**
*コ
メン
ト
生化
学的
・組
織学
的寛
解コ
ホー
ト研
究/3
−2
0−
1−
28
790
540
101
18.7
NA
NA
NA
弱(C
)8
PSL+
AZA
また
はPS
L単体
は寛
解導
入に
有効
と考
えら
れる
コメ
ント(
該当
する
セル
に記
入)
Cza
ja20
08の
研究
の介
入群
は1
つに
まと
める
軽症
例の
みの
値
寛解
率は
81%
4─7─② 評価シート エビデンス総体 R:記入例
48
第4章 システマティックレビュー
4─8 定性的システマティックレビュー R:記入方法
CQ 管理番号 CQ の文章を記入
P CQ の文章を補足する十分詳細な記述。タイミングやセッティングも必要に応じて記述する。
I 介入の詳細
C 比較は 1:1 の比較が望ましいが,必要に応じて複数の比較を行う。
臨床的文脈 診療のプロセスのどこに位置づけられるか,診断,治療,予防,予後予測,その他のいずれに分類されるかなどを記述する。
O1 害のように CQ の文章に表れない場合もあるがエビデンス総体の対象がわかるように記述する。
非直接性のまとめ CQ と得られたエビデンス総体の間の乖離について記述する。介入の比較が非直接的である場合や日本人患者への適用に問題がある場合には必ず記述する。
バイアスリスクのまとめ
特に問題となるバイアスリスク,推奨の決定に影響を及ぼすバイアスリスクを記述する。
非一貫性その他のまとめ
複数の研究間の相違の大きさ,信頼区間やバイアスリスクから判定した不確実性,効果の大きさなどについてまとめを記述する。研究デザインが異なるものをまとめた場合はそれについて記述する。
コメント このアウトカムに関するエビデンス総体の評価において特に注意すべき点があればそれを記述する。
O2
O3
第4章
システマティックレビュー
49
4─9 メタアナリシス R:記入方法
CQ 【4 ─ 8 定性的システマティックレビュー】と同様に CQ の文章を記入
P IC O研究デザイン 文献数 コード
モデル ランダム効果 方法 Inverse-variance method (RevMan5.2)効果指標 リスク比 統合値 0.93( 0.84−1.03 ) p =0.17Forest plot
例
コメント:NNT=1/(1 ─ 0.93)=14.3 程度の効果が期待されるという結果であるが,有意水準に達していない。
Funnel plot
例
コメント:報告バイアスを示唆する分布は認められない。
その他の解析□ メタリグレッ
ション□ 感度分析
施行せず。 コメント:有意水準に達しない。
0.01
0.15
0.2
0.1
0.05
0SE(log[RR])
0.1 1 10 100RR
Alteplase Placebo Risk Ratio Risk RatioStudy or Subgroup Events Total Events Total Weight IV, Random, 95% Cl Year IV, Random, 95%ClIST ─ 3 961 1515 986 1520 60.1% 0.98[0.93, 1.03] 2012EPITHET 28 52 29 49 8.3% 0.91[0.65, 1.28] 2008ECASS Ⅱ 187 409 211 391 31.5% 0.85[0.74, 0.97] 1998
Total(95% Cl) 1976 1960 100.0% 0.93[0.84, 1.03]Total events 1176 1226Heterogeneity:Tau2=0.00;Chi2=3.62,df=2(P=0.16);l2=45%Test for overall effect:Z=1.37(P=0.17)
0.01Favours Alteplase Favours Placebo
0.1 1 10 100
以下,記入例を示す
50
第4章 システマティックレビュー
4─10 SRレポートのまとめ R:記入方法
【4 ─ 8 定性的システマティックレビュー R】,【4 ─ 9 メタアナリシス R】の結果をまとめる。スコープで決定した内容で改訂が必要なものを明記する。
4─11 future research question R:記入方法
現在までの研究では解明されていない課題から,将来の研究で回答が得られるであろうクリニカルクエスチョンを作成する。以下の項目を記述する。・リサーチクエスチョン・背景・可能な研究計画の概略