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HIROGIN INTEGRATED REPORT 〈ひろぎん〉レポート 2020 統合報告書

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Page 1: HIROGIN INTEGRATED REPORT 〈ひろぎん〉レ …...当行は、1945年(昭和20年)8月6日の原爆投下から僅か2日後 の8月8日に、日本銀行に営業室を借り受け、営業を再開しました。お

HIROGIN INTEGRATED REPORT

〈ひろぎん〉レポート 2020統合報告書

Page 2: HIROGIN INTEGRATED REPORT 〈ひろぎん〉レ …...当行は、1945年(昭和20年)8月6日の原爆投下から僅か2日後 の8月8日に、日本銀行に営業室を借り受け、営業を再開しました。お

経営理念(経営ビジョン+行動規範)経営ビジョン 当行グループの「目指す姿」

地域社会との強い信頼関係で結ばれた、頼りがいのある〈ひろぎんグループ〉を構築する

行動規範

「経営ビジョン」を具体的に展開する上での基本的な考え方、ステークホルダーとの約束

ひろぎんグループは、5つの行動規範に基づく健全経営に徹する

1. 地域社会と共に歩み、その発展に積極的に貢献します

2. お客さまのご満足とご安心の向上に取組みます

3. 企業価値の持続的な向上に努めます

4. 明るく働きがいのある企業をつくります

5. 高いレベルのコンプライアンスを実践します

「〈ひろぎん〉レポート2020 統合報告書」の発行にあたって

 広島銀行では、このたび、投資家を中心としたステークホルダーの皆さまに当行の持続的な価

値創造に向けた取組みをご理解いただくため、「〈ひろぎん〉レポート2020 統合報告書」を作

成いたしました。

 編集にあたっては、国際統合報告評議会(IIRC)が提唱する国際統合報告フレームワークや、

経済産業省が提唱する「価値協創のための総合的開示・対話ガイダンス」などを参考に、全行横

断的に各部門が協力して編集しています。当行のビジネスモデルを提示するとともに、持続的な

価値創造の仕組みを統合的に説明しており、当行は今後も全てのステークホルダーの方 と々の

対話のツールとして活用し、企業価値の向上に努めてまいります。なお、詳細な財務データ等に

つきましては、「〈ひろぎん〉レポート2020 ディスクロージャー誌」をホームページに公開してい

ますので、ご覧ください。

  代表取締役頭取

広島銀行 統合報告書 20201

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目次広島銀行について経営理念・経営ビジョン・行動規範沿革持株会社体制への移行についてトップメッセージ価値創造プロセス財務担当役員メッセージ財務ハイライト(2019年度)非財務ハイライト・広島銀行の事業エリアの特性中期計画2017個別事業戦略バンキング業務アセットマネジメント業務デジタルトランスフォーメーションの取組みサステナビリティへの取組み社会的責任(CSR)の考え方・SDGsへの取組み気候変動・地球温暖化への対応

地域社会・経済活性化への取組み人財戦略コミュニティへの価値提供コーポレート・ガバナンスリスクガバナンス社外取締役インタビュー役員一覧サステナビリティを支える力株主・投資家・お客さまとのコミュニケーションお客さま本位の業務運営の実践に向けた取組みお客さま保護等管理コンプライアンスリスク管理内部監査会社情報店舗ネットワーク概要・情報開示

1357

1315 171921

232731

3537

41435357616263

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広島銀行 統合報告書 2020 2

Page 4: HIROGIN INTEGRATED REPORT 〈ひろぎん〉レ …...当行は、1945年(昭和20年)8月6日の原爆投下から僅か2日後 の8月8日に、日本銀行に営業室を借り受け、営業を再開しました。お

 当行は、1945年(昭和20年)8月6日の原爆投下から僅か2日後の8月8日に、日本銀行に営業室を借り受け、営業を再開しました。お客さまのほとんどが無印鑑、無通帳でしたが、行員の記憶に基づき、便宜的に払い戻し請求に応じました。急場の臨機応変な対応にもかかわらず、後日さしたる紛争もなく当行の信用を保持し得ました。 原爆からの復興後は、地元経済の発展とともに順調に業容を拡大しましたが、バブル経済崩壊後の1997年(平成9年)11月に、風説の流布による株価急落と預金流出という2度目の大きな危機が起こ

りました。当行の業績や資産内容等を積極的に公開し、全従事者がお客さまを訪問して説明するとともに、大胆な構造改革を断行することで、市場からの信頼を回復させることができました。 2度の大きな危機に直面しながらも、お客さまの温かいご支援と従事者の真摯かつ誠実な取組みにより、苦難を乗り越え、今日まで成長することができました。強い使命感と責任感を大切にする「お客さま本位の業務運営」のDNAは、現在も変わらず当行に受け継がれています。

1964年 東京オリンピック1945年 原爆投下 1973年 �第一次オイルショック1979年 第二次オイルショック

1985年 プラザ合意1989年 消費税導入

1991年 バブル崩壊1995年 阪神・淡路大震災

1940~ 1960~ 1970~ 1980~ 1990~

広島銀行について

1878(明治11年)

1945(昭和20年)

1978(昭和53年11月)創業100周年

11月、当行の前身である第六十六国立銀行が県内最初の銀行として尾道に設立され、明治12年4月に開業しました。

(5月)藝備銀行、呉銀行、備南銀行、三次銀行、広島合同貯蓄銀行の5銀行が合併し、

(新)株式会社藝備銀行設立(8月6日)原爆による被災(広島市内16店舗中、11店舗が被災、役職員被爆犠牲者144名)

1971(昭和46年2月)東京・大阪両証券取引所市場第一部に上場

1950(昭和25年8月6日)原爆被災から5年目に、「平和都市ヒロシマ」にちなんで廣島銀行に行名変更

ひろしま美術館開館、ひろぎんの森開設

ひろしま美術館

被爆直後の本店建物(8月8日撮影)

1960

1970

1980

1965(昭和40年2月) 1974(昭和49年11月)本店新築完成 全店オンラインシステム完成

1988(昭和63年)(4月)CI実施、現在の行章を制定(7月)“廣島銀行”から“広島銀行”へ

沿革

1990

広島銀行 統合報告書 20203

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2005年 ペイオフ全面解禁2006年 日銀がゼロ金利を解除2007年 �米国でサブプライムローン     問題発生2008年 リーマン・ショック発生

2011年 東日本大震災発生2012年 �第二次安倍内閣発足�

「アベノミクス」スタート2013年 �日銀が�

「量的・質的金融緩和」を導入

2020年 新型コロナ�������������ウイルス感染症����������������拡大

2016年 日銀がマイナス    �金利政策導入2018年 平成30年7月    �豪雨2019年 新元号「令和」発表

2000~ 2010~ 2020~

沿革

1996(平成8年2月)上海駐在員事務所開設

2003(平成15年1月)福岡銀行とのシステム共同化

1997(平成9年11月)風説の流布により株価が急落

1998(平成10年)(2月)・構造変革策として「120年目のお約束」を発表・「地域の銀行」への回帰に向け、海外店舗や都市店舗の統廃合を実施(10月)新長期経営計画「リライアンス21」を策定

2009(平成21年4月)バンコック駐在員事務所開設

2013(平成25年7月)シンガポール駐在員事務所開設

2017(平成29年)

2020(令和2年)

2019(平成31年/令和元年)

2016(平成28年5月)〈ひろぎん〉中央ビルディング完成

(3月)「中期計画2017」を策定「地域のお客さまと共に成長を続ける『総合金融サービスグループ』を目指す!~真のファースト・コール・バンクグループとなるために~」をスローガンに掲げる(6月)ひろぎん証券完全子会社化

(4月)ひろぎんキャピタルパートナーズ設立(10月)

ひろぎんホールディングス誕生

(4月)�デジタル戦略部新設��������相続コンサルティングプラザ開設(9月)�持株会社体制への移行を発表(2020年10月予定)���������ハノイ駐在員事務所開設

2018(平成30年1月~)本店を仮店舗へ移転

1990

2000

2010

1990(平成2年2月)新電算センター「ゲネシスビル」完成

広島銀行 統合報告書 2020 4

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2015

2017

2018

2019

1月ひろぎん保証 ひろぎんカードサービス完全子会社化

※持分法適用関連会社 ※持分法適用関連会社

6月ひろぎん証券

完全子会社化現状

株 主広島銀行

ひろぎんビジネスサービスひろぎん証券

しまなみ債権回収ひろぎんリートマネジメント

ひろぎんキャピタルパートナーズひろぎんカードサービス

ひろぎん保証ひろぎんリース※

非連結子会社(3社)

持株会社設立後

ひろぎんホールディングス株 主

広島銀行ひろぎんビジネスサービスひろぎんリートマネジメントひろぎんカードサービス

ひろぎん保証非連結子会社(3社)ひろぎん証券

しまなみ債権回収ひろぎんキャピタルパートナーズ

ひろぎんリース※

8月ひろぎんリートマネジメント設立

4月ひろぎんリースによるひろぎんオートリースの吸収合併

▶持株会社体制移行の流れ

4月広島銀行による

ひろぎんウェルスマネジメントの吸収合併

7月ひろぎんビジネスサービスによるひろぎんビジネスサポートの吸収合併

持株会社のビジネスモデル

[持株会社体制におけるグループシナジーの発揮]10月1日から、新たなグループ経営形態のもと、グループ一体経営及びグループ内連携を更に強化するとともに、グループ各社の特長・強みを活かすことで、グループシナジーの極大化を図ってまいります。

ポテンシャル(経済規模・成長機会等)のある広島を中心とした地元4県(岡山・山口・愛媛)マーケットにおいて、業務軸及び顧客軸の深化・拡大を図るなか、地域社会・お客さまのあらゆる課題の解決に徹底的に取り組み、地域の発展に積極的にコミットすることで、経営理念を実現し、グループの持続的成長を図ってまいります。

他社との差別化(競争優位の源泉)

地域社会・お客さまとのリレーション

顧客軸の深化・拡大

業務軸の深化・拡大

地域社会・お客さまからの評価

地域の発展・お客さまの成長

SDGs達成への貢献

●これまでのグループ一体経営の取組み

マーケット(投資家・株主)からの評価

グループの持続的成長●収益力強化●安定した経営基盤確立●企業価値向上���(株主還元の充実)

持株会社体制移行を通じた業務軸の

更なる拡大

の提供ソリューション

地域における更なる

リスクテイク

経営理念(経営ビジョン)

広島銀行について

持株会社体制への移行について

地域社会の豊かな未来の創造に貢献します

お客さまに寄り添い、信頼される

〈地域総合サービスグループ〉として、

広島銀行 統合報告書 20205

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2020

4月ひろぎんキャピタルパートナーズ設立

グループの持続的成長

経営理念の実現

地域の発展・お客さまの成長への貢献お客さまの課題解決に向けたあらゆるソリューションの提供

経営理念(経営ビジョン+行動規範)

預貸金ビジネスを中心とした従来の金融分野への取組みに加え、更なるニーズの高まりが想定される相続・事業承継支援及びエクイティビジネス等を強化するなか、グループのあらゆる機能と他社・他業態とのアライアンスを活用し、非金融分野を含めたソリューション提供を進めてまいります。

今後の収益拡大イメージ

銀行

銀行以外

伝統的な金融業務に係る収益(貸出金利息等)

法人・個人のお客さまに対するコンサルティング業務に係る収益等

グループ会社収益等

●グループ全体の収益額に占める構成比イメージ

収益拡大の成長ドライバー業務軸及び顧客軸の深化・拡大

リレーション

ソリューション

グループのあらゆる機能とアライアンスを活用し、非金融分野を含めたソリューションを提供

事業性評価

世帯の資産管理(資産形成・運用含む)

ニーズの把握

法人のお客さま

個人のお客さま

安定した経営基盤の確立に向けた収益構造の改革

●�グループ会社機能の活用●�他社・他業態との �アライアンスの活用

●�相続・事業承継対策支援●�エクイティビジネス●�都市再開発支援・観光振興

持株会社体制

株式会社 ひろぎんホールディングス(Hirogin Holdings,Inc.)

グループ各社が今まで築き上げてきたブランドである“ひろぎん”を冠することで、当行グループの持株会社であることを明確化するとともに、当行グループの一体感の更なる醸成や市場人気の一層の向上を図るという想いを込めています。

行動規範

お客さまに寄り添い、信頼される〈地域総合サービスグループ〉として、地域社会の豊かな未来の創造に貢献します

ひろぎんホールディングスは、5つの行動規範に基づいて、地域社会と共に共通価値を創造し、持続可能な社会の実現に努めます

地域社会と共に歩み、その発展に積極的に貢献します1

商号に込めた想い

経営ビジョン

お客さまの視点に立って考動し、豊かな人生と事業の成長に貢献します2

企業価値の持続的な向上に努めます3

誰もが健康で明るく働きがいのある企業グループをつくります4

高いレベルのコンプライアンスを実践します5

多様化・複雑化・高度化するお客さまニーズに対し、非金融分野を含め、

あらゆる課題の解決に徹底的に取組む『地域総合サービスグループ』

を目指します。

地域の発展に積極的にコミット

2020 年 10 月持株会社体制に移行

広島銀行 統合報告書 2020 6

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お客さまに寄り添い、信頼される〈地域総合サービスグループ〉として地域社会の豊かな未来の創造に貢献し続けてまいります

代表取締役頭取

広島銀行について

トップメッセージ

 お客さまと共に成長を続ける 〈ひろぎんグループ〉

 1878年(明治11年)に尾道で創業した国立銀行・第六十六銀行を前身とし、その後、広島の地に本店を置いた“ひろぎん”は、地元と位置付ける広島、岡山、山口、愛媛のお客さまと共に歩み、育ってきました。 近年は、銀行業務にとどまらず、総合金融サービスグループとして、地域社会、また法人、個人のそれぞれのお客さまの課題解決のお手伝いを通じ、お困りのことがあれば、何でも相談していただける「真のファースト・コール・バンクグループ」をスローガンに事業展開を進めてきました。

 さらなる進化を目指し、 持株会社体制へ

 現在の金融機関、とりわけ地方銀行をとりまく経営環境は、人口減少に加え、異業種からの参入による競合激化、また、経済・社会情勢やライフスタイル・価値観の変化等を背景とした、お客さまニーズの多様化・複雑化・高度化、さらには、急速なデジタルトランスフォーメーションの進展を受け、大きく様変わりしています。こうした状況変化に柔軟かつ的確に対応していくには、従来の銀行業務の枠組みの中だけでは難しくなってきています。 こうした中、これからの当行のあるべき姿は、地域社会・お客さまの個々のニーズや課題を知り、リ

広島銀行 統合報告書 20207

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トップメッセージ

レーションを深めること(顧客軸の深化・拡大)、そしてニーズへの対応や課題解決に徹底的に取組み、確かなソリューションを提供すること(業務軸の深化・拡大)だと考えます。そこで、お客さまに寄り添い信頼される地域総合サービスグループとして、地域社会の豊かな未来の創造に貢献したいという想いを実現していくため、持株会社体制という新たなグループ経営形態への進化を図る決断をいたしました。 140年を超える長い歴史の中で培われてきた“ひろぎん”ブランドの信頼のもと、グループシナジーを最大限発揮し、金融に加え非金融分野におけるお客さまのあらゆるニーズにお応えできる「地域総合サービスグループ」として、今後も地域のお客さまと共に成長し続けることで、企業価値の持続的な向上を図っていきたいと考えています。

 世の中の変化と求められる 金融機能の変化〜融資から出資へ〜

 世の中が大きく変化する中で、国内のみで事業展開する地方銀行が、今後も金融サービス、特に融資を中心とした銀行業務だけで地域の発展に貢献していくことは困難であると考えます。日本経済が右肩上がりに成長する状況であれば、余剰資金をご預金としてお預かりし、資金が不足している企業等にご融資させて頂く、つまり資金仲介における「融資」が果たす役割は非常に大きいと考えます。しかしながら、昭和40年代の高度経済成長期のような経済成長が見込まれない中においては、融資が果たす役割は、従来よりも限定的になり、縮小していく

可能性が高いと見込んでおります。そうした中で、融資に替わって、果たす役割が大きくなりつつあるのが、エクイティ、つまり出資の機能です。 広島を中心とする地元4県は、製造業がとても多く、この貴重な産業構造をこれからも維持するとともに、製造業は今後も発展させていかなければならないと考えています。また、新たな産業を育成し、業種の幅を広げていくことも、地域の成長ポテンシャルをより高めることになると考えます。 そのためには、特に、これから立ち上がるスタートアップ企業や今後成長が期待できるベンチャー企業に対する支援が重要になってきます。その場合には、融資よりも出資の方がより的確にお取引先企業のニーズに適うと考えます。そのような観点から、当地において出資が果たす役割は、これから非常に大

きくなってくるものと認識しています。  今後さらに多種多様化が進む 課題やニーズにお応えするために

 これからは、お客さまの資金調達以外のニーズや、将来に向けて克服すべき課題の解決支援へ、より視野を広げていかなければ、お客さまから「ファースト・コール・バンクグループ」として認識していただけないでしょう。 お客さまニーズの多様化が進む中で、従来通りの提案ではご満足いただけないでしょうし、お客さまの真の課題解決に向けた「本質」に入り込むこともできません。ワールドワイドに活躍の場を拡大する企業や、地道に一定の規模を保ちながら確かな持続を目指す企業、また新たな領域へと挑戦を続ける企業等、様々なステージの企業がある中、それぞれの課題やニーズが異なるのは当然であり、それは個人のお客さまも同様です。 そのため、法人、個人のお客さまがそれぞれに抱える心のうちを、胸襟を開いてお話していただけるような強固なリレーションを築いていくことが、今後は何よりも大切になっていきます。 そして、お客さまの多種多様な課題・ニーズに対するソリューションの提案には、専門性を持って、高いクオリティでより「広く」「深く」対応していく必要があります。 この「強固なリレーションの構築と付加価値の高いソリューションの提供」の実現こそが、〈ひろぎん

■持株会社設立後のグループ体制(予定)

広島銀行 統合報告書 2020 8

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広島銀行について

グループ〉の存在価値を高めることになると確信しています。そして、その実現のために今後取組みを強化していこうと考えているテーマが大きく6つあります。それは、①地域経済の持続的発展への貢献、②新たな産業・事業創出と取引先企業の成長、③高齢者向けビジネスの拡充、④ファミリー経営・オーナー支援、⑤顧客ニーズに対応したチャネルの抜本的な見直し、⑥デジタルトランスフォーメーションの取組み強化です。

 リレーションとソリューションの 深化と拡大

①地域経済の持続的発展への貢献②新たな産業・事業創出と取引先企業の成長 国内いずれの地域も同じ状況だと思われますが、やはり最大のリスクは人口減少であると考えます。自然減を止めることは難しいものの、社会増を目指すためにどのようなことが出来るかといった視点を持つことが非常に大切です。つまり、地域経済が持続的に発展を遂げていく必要があり、そのためには新たな産業創出に加え観光分野等において新しい事業を創出していくという観点は欠かせません。 そのために必要となる銀行の役割が2つあります。1つは、銀行として適切かつ積極的な資金供給に加え、当行グループのあらゆる機能やネットワーク、

他社・他業態とのアライアンスの活用により、非金融分野を含めたソリューションを提供することを通じて、創業や事業成長への支援を行うことです。もう1つは、行政や専門機関と一体となり、産官学金の緊密連携により持続的にイノベーションが創生されるプラットフォームを創っていくことです。この2つが�〈ひろぎんグループ〉が当地で果たすべき、大きな使命であると考えます。 この使命を果たすための取組みとして、新たな産業・事業者を継続的に生み出すイノベーション・エコシステム(業界全体で価値を提供する仕組み)の構築を進めています。広島県・広島大学・ひろしま産業振興機構・ひろしまベンチャー育成基金・広島銀行の5団体が相互連携し、人財・資金・情報等を集積・結合させながら、地域産業の活性化を進めています。 また、広島県内企業の経営資源と全国のスタートアップ企業のサービスを結びつけるオープンイノベーションにより、地元企業の新規事業創出を目指す取組みとして、広島県とCreww株式会社、株式会社広島ベンチャーキャピタルと協業で、「広島オープンアクセラレーター�2019」を開催しました。これは、全国の地方銀行として初めて、また中国・四国・九州地方においても初めてとなる取組みであり、第1回では、8つの協業案が採択されています。 加えて、広島大学をはじめ、広島県内の大学が有する研究シーズを起点としたベンチャー企業を支援する広島大学初認定ファンドへの出資も行っております。今後、こうした資金面での支援も含めて、新たな産業や事業等を育てていく活動も積極的に実行し、地域産業との「共通価値の創造」に取り組んでいきたいと考えています。 もちろん、既存産業や既存のお客さまの持続的成長をいかに支援していけるかといった視点も極めて重要です。今後は、資金調達や事業承継問題への積極的な取組みに加え、コロナ禍を機に、働き方改革のより一層の進展が見られる中で、各企業の競争力強化、生産性向上、業務の高効率化に向けたIT化支援の取組みを強化する必要性を感じております。そこで、今般、当行システムの開発・運用や営業活動等において連携し、ビジネスパートナーとして信頼関係を構築してきた株式会社マイティネットと合弁事業の開始に向けた検討をスタートさせました。今後、当社のIT技術力と当行の事業性評価に基づくソ

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リューション提案力を融合させ、地元企業の経営課題の解決及びIT化の推進に貢献してまいります。 これまでご説明しました取組みに加え、現在は潜在的であるが今後顕在化する可能性が高いニーズへの対応も含め、将来に亘ってお客さまの課題解決を図るべく、あらゆる角度からご支援できる体制づくりを進めていきます。③高齢者向けビジネスの拡充 高齢化は日本、特に地方にとって喫緊の課題であり、ご高齢の世帯は非常に増えてきています。お預かりしている資金を単に運用・管理するだけでなく、いかに次世代に承継していくかといった金融面での支援の強化はもちろん、生活面の支援も含めてトータルでサポートをさせていただくことが、よりリレーションを強めることになると考え、2017年から「〈ひろぎん〉生活パートナーサービス」を展開してきました。 家庭内でのお困りごと、例えば、家事・清掃代行や庭の手入れ、不用品の処分、引越し、見守りや警備といった住まいやくらしのサポート、不動産の活用・売却や相続に関するサポートなど、非金融分野のサービスも含めた総合サービスとして、着実に利用件数も増え、認知度も高まってきています。 今後は、サポートメニューをさらに充実させながら、ご家族との接点を増やし、相続人の世代に対し課題解決に向けた問題点を早期にお伝えできるような仕組みづくりも進めていきたいと考えています。④ファミリー経営・オーナー支援 中小企業における後継者不足等の問題が顕在化

する中、次世代への資産・事業の円滑な承継は地域経済の発展にとって大きな課題です。そこで、事業承継やM&Aに関するニーズ拡大を受け、本年4月に法人営業部とアセットマネジメント部の事業承継に関する機能を統合し、法人営業部金融サービス室内に「事業承継・M&A担当」を新設しました。 また、ファミリー経営の中小企業およびオーナーの皆さまを中長期的にサポートすることを目的として、営業統括部内に「企業オーナーリレーション室」も新設しています。事業性評価を軸としたコンサルティングを中心に、ファミリー経営企業のオーナーさまとの関係性を深化させるとともに、銀行業務以外のグループ会社が展開するサービス機能を有効活用しながら、法人・個人いずれのお取引先においても一体的なサポートを強化していくことを通じて、頼りがいのある〈ひろぎんグループ〉としての存在感を高めていきたいと考えています。⑤顧客ニーズに対応したチャネルの抜本的な見直し⑥デジタルトランスフォーメーションの取組み強化 ウィズコロナ・アフターコロナにおいて新しい生活様式が求められる中、対面を基本とする店舗以外での接点の方法を早急に確立することが必要です。つまり、お客さまの生活様式・行動の変化に応じた抜本的なチャネルの見直しが急務だと考えています。従来、店舗で受付していた事務手続き等は、一部、ネット支店やひろぎんアプリなど、デジタルを活用した非対面のチャネル等をご利用いただけますが、今後、ご来店不要でお手続きいただける、さらなる機能拡充を進めてまいります。 その一方で、店舗の存在価値を「広島銀行でなければ困る」と思っていただけるような、専門性の高いコンサルティングを提供する「本音ベースでゆっくりと相談をする場」へと変容させていく取組みを強化してまいります。加えて、その付加価値を維持したオンライン面談等の仕組みも確立し、より身近でより頼りがいのあるサービス提供の場へと進化させていきます。 チャネルの変革と同時に、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取組強化も必要だと考えます。DX推進の目指す方向は大きく2つあります。1つはお客さまとの接点強化や業務の効率化を実現する既存事業のデジタル化、もう1つが、新たな収益の獲得を目指すデジタル新ビジネスの開発です。 デジタル新ビジネスの開発は、新事業創出への投

トップメッセージ

地域社会・お客さまとのリレーション

法人のお客さま:事業性評価個人のお客さま:世帯の資産管理(資産形成・運用含む)

ソリューショングループのあらゆる機能とアライアンスを活用し、非金融分野を含めたソリューションを提供

顧客軸の深化・拡大

業務軸の深化・拡大

広島銀行 統合報告書 2020 10

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資の一種です。若いメンバーを中心に意欲をもって取り組んでおり、引き続き積極果敢にチャレンジを続けていきます。現在、高齢者向けビジネス関連および企業の福利厚生に関する事案が具体的に進捗していますが、今後もよりお客さまとのリレーションおよびソリューションの深化・拡大を後押しするようなサービスの創出を目指していきます。

 効率的な業務運営を実現する 構造改革 リスクガバナンスの高度化と働きがいの 向上を通じた経営基盤の強化

 地域社会・お客さまの課題解決に資するには、金融インフラとしての機能を果たし、積極的なリスクテイクを可能とする強固な経営基盤の構築が必要です。その前提としてもっとも大切なのは、既存の業務運営の効率化を実現する“業務プロセスと意思決定プロセスの見直し”であり、生産性の向上に向けた抜本的な構造改革を進めています。 また、持株会社への移行を機にさらなる業務軸の拡大を目指す中で、「リスクを取ることで生み出した価値を、リターンとして得る」という事業の本質に立ち返り、改めて「リターンを得るために一定の許容範囲の中でいかにリスクテイクしていくか」という思考への転換が必要です。例えば、融資と出資、どちらのリスクが高いかは言うまでもありません。敢えて高リスクな事業に対し、積極的なリスクテイクを行って行くためには、より高度なリスクの見極めが必要になってきます。信用リスク、コンプライアンスリスクの所在を明確化し、管理する、リスクガバナンスの高度化も図っていきます。 一方で、ある程度のリスクを許容するということは、当然、失敗の機会も増えるということを意味します。失敗をマイナスと捉える組織では、新たに挑戦することが難しくなってしまうため、減点主義の発想を一掃する意識改革も必要です。「現状維持の思考は衰退の第一歩、できることがあるのに何もしないことが一番のマイナスだ」という考えが行き渡る企業風土を醸成していきたいと考えています。 また、私自身が常々思ってきたことですが、やはり人間は、やらされる仕事を嫌い、自らモチベーションを持って働いている時ほど生産性が高く、良い仕事ができると考えます。従事者一人ひとりが自分なりに

考え、自らやりたい、と思う仕事に専念できる組織にすること、これが働きがいの向上において何よりの要点になると認識しています。 時代の変化が極めて早く、ニーズの多種多様化が進む中では、従事者一人ひとりが自らの強みを持ち、進化し続ける人財でなければ、お客さまから信頼していただけません。自らの得意分野で能力を存分に発揮することは、お客さまのご満足にも繋がるという好循環に向けた意識をもってほしい、そうした想いを込めて人事制度も大きく変えました。真に意識・行動改革が実現できれば、持株会社化の狙いを結実させ、必ずや地域の発展に寄与し続ける〈ひろぎんグループ〉として、当地で命脈を保つことができると確信しています。

 ひろぎんのSDGs宣言と 地元企業のSDGs取組支援の強化

 これからは、国連において採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」達成を視野に入れた経営を行わない限り、企業として社会的責任を果たすことはできません。 〈ひろぎんグループ〉は、「地域」「高齢化」「人権」「環境」という4つのテーマを軸として、組織としてできることから一つずつ進めていく宣言を掲げました。あわせて、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、気候変動に関する対応強化、気候関連のリスク・機会に関する情報開示の充実に努めていくこととしました。� また、地元企業のSDGs取組支援として、銀行保証付私募債(SDGs型)の受託のほか、お取引先企業のSDGsへの取組状況を確認し、必要対応事項を整理した結果をフィードバックする「〈ひろぎん〉SDGs取組支援サービス」の取扱いを開始しまし

高齢化高齢化社会に対応した金融サービスの提供

環境地球温暖化・

気候変動への対応

地域地域社会・経済の活性化への取組み

人権ダイバーシティ・インクルージョン

地域のお客さまが安心して暮らせる社会づくりHIROGIN GROUP SDGs

■〈ひろぎんグループ〉SDGs宣言

広島銀行について

広島銀行 統合報告書 202011

Page 13: HIROGIN INTEGRATED REPORT 〈ひろぎん〉レ …...当行は、1945年(昭和20年)8月6日の原爆投下から僅か2日後 の8月8日に、日本銀行に営業室を借り受け、営業を再開しました。お

た。2020年1月からすでに取扱いが60件を超え、各企業のSDGs宣言の策定をサポートさせていただいています。 今後もさまざまな仕組みや商品の提供を通じて、地元の皆さまにSDGsの認識を深めていただき、地域全体でSDGsを前提とした活動がより一層進むよう、一翼を担っていきたいと思っています。

 2019年度の総括と2020年度の 注力ポイント

 2019年度の決算における親会社株主に帰属する当期純利益が前年を下回り、計画公表値に届かなかったことは、大きな課題であると認識しています。 一方で、重点的に取り組んできた事項には一定の成果が出つつあります。具体的には、当行が強みとしている事業性評価のほか、ひろぎん証券との連携に一定の成果が表れ、銀証連携が定着化しつつあること、また高齢者向けビジネスの一環として力を入れてきた信託関連業務も当初の計画を上回る結果が出ています。全体としては、確実に成果を得られた1年になったと総括しています。

 新型コロナウイルス感染症拡大への対応とともにスタートした2020年度においては、経済の血液である「資金」の循環を確保する、つまり企業等における資金繰り支援に向け、金融仲介機能を最大限発揮することを第一義として経営を進めてまいります。 また、アフターコロナにおいて、いかに正常な経済活動に戻していくかが重要であるとも考えています。そのためには、新しい時代に向かって、経営の効率化、生産性の向上を含め、ご融資以外の面でどのようにサポートさせていただくかが、大きな意味を持つことになると認識しています。 また、緊急事態宣言の発令等の影響により、4、5月は特に個人のお客さまとの接点を持つことのできない状況が続いたことを受け、重点的に取り組んでいるコンサルティング業務を推進していくためにも、新しい時代にふさわしい接点の持ち方の早期確立を目指していきます。

 ステークホルダーの皆さまへ 新・ひろぎんグループとしてさらなる 飛躍を目指します

 私たちは今、大きく変わらなくてはならない時に来ています。 持株会社体制という新たな経営形態への進化を図る最大の狙いは、業務軸を拡大して地域のお客さまのニーズ、課題解決に適切にお応えできる存在となることです。つまり「お金のことは銀行に」という常識を飛び越え、「困ったことは“ひろぎん”へ」という存在になることです。そうして「お客さまに寄り添い、信頼される〈地域総合サービスグループ〉として、地域社会の豊かな未来の創造に貢献します」という経営ビジョンの下、経済規模、成長機会ともに、大きなポテンシャルを有するこの地域のさらなる発展への積極的な貢献を通じて、持続的成長、企業価値の向上を目指してまいります。 皆さまにはぜひ、新しい時代に向かって共に夢を描き続ける仲間として、新生〈ひろぎんグループ〉へのご期待を高めていただくとともに、引き続きご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

代表取締役頭取

トップメッセージ

広島銀行 統合報告書 2020 12

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広島銀行について

価値創造プロセス

中長期的な経済・社会環境の変化

経営理念(経営ビジョン) 地域社会との強い信頼関係で結ばれた、  頼りがいのある〈

社会課題の深刻化

◎人口減少◎少子高齢化◎地域経済の縮小◎地球温暖化・気候変動

◎低金利環境の継続◎デジタライゼージョンの加速的な進展◎生産性向上の要請◎リスク管理高度化の要請

環境変化

戦略を支える無形資産

持続的成長を支える基盤

財務資本◎高い収益力  ◎健全な貸出資産◎充実した自己資本 ◎高度なリスク管理

社会・関係資本◎優良かつ強固なお客さま基盤◎創業時・原爆被災時から受け継がれるお客さま本位の 業務運営を徹底する企業風土 ◎地域に密着した店舗網

コーポレート・ガバナンス リスクガバナンス(コンプライアンス・リスク管理)

人的資本◎多様な人財 ◎FPスキルをはじめとした高度な専門性◎働きがいを追求した組織風土

知的資本◎これまでのノウハウが蓄積された事業性評価 ◎高度かつ多様なソリューション提供機能 ◎最先端のデジタル技術を活用した新サービスの開発機能

自然資本◎原爆ドームや厳島神社などの世界遺産をはじめとした恵まれ た観光資源 ◎瀬戸内海や中国山地に囲まれた温暖且つ恵まれた自然環境

地方創生への積極的なコミット

地域社会・お客さまとのリレーション

グループのあらゆる機能とアライアンスを活用し、 非金融分野を含めたソリューション

の提供働き方改革の推進とチャレンジ精神に溢れる組織風土の

醸成

事業性評価

資産形成・運用含む世帯の資産管理

広島銀行 統合報告書 202013

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価値創造プロセス

地域社会との強い信頼関係で結ばれた、  頼りがいのある〈ひろぎんグループ〉を構築する

『〈ひろぎんグループ〉SDGs 宣言』

知的資本◎これまでのノウハウが蓄積された事業性評価 ◎高度かつ多様なソリューション提供機能 ◎最先端のデジタル技術を活用した新サービスの開発機能

共通価値の創造

お客さま◎お客さまの成長 ( 企業価値の向上 )◎お客さまの安定的な資産形成・承継の 実現◎お客さまのご満足とご安心

地域社会◎地域社会の発展への貢献◎産業育成や雇用創出による地域経済の 活性化◎本業を通じた持続可能な地域社会づくり への貢献

従事者◎明るく働きがいのある職場◎多様な働き方の推進とワークライフバラン スの実現◎ダイバーシティ&インクルージョンの推進

株主◎株主価値の持続的な向上◎透明性の高い情報開示◎建設的な対話

SDGs における重点課題(マテリアリティ)

地域

人権

高齢化

環境

〈ひろぎんグループ〉の全てのステークホルダーへの

価値の提供

広島銀行 統合報告書 2020 14

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広島銀行について

内部留保の充実による自己資本比率の

維持・向上と適切なリスクテイクや戦略的投資により、

当行グループの企業価値の向上を図るとともに

地域の持続的な成長に貢献します。

取締役専務執行役員���尾木 朗

財務担当役員メッセージ

 業績見通しは、足もとの金利・為替・株価のマーケット水準と同レンジ内で推移するものとして策定しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響については、2020年5月12日時点で当行が把握可能な情報

を織り込んでおりますが、経済活動の停滞等が更に長期化した場合、当見通しは大きく変動する可能性があります。 なお、今後、業績見通しの修正が必要になった場合には、速やかに開示します。

2020年度業績見通し

2020年度 〈参考〉2019年度

親会社株主に帰属する当期純利益 225 億円 242億円

連結 ROE 4.5% 5.0%

コアOHR 64.1% 62.9%

業績

 2019年度の当地方の経済は、設備投資が底堅く推移したほか、災害復旧・復興に伴う公共投資が高水準を維持しました。 一方で、米中貿易摩擦をはじめとした地政学リスクの顕在化に伴う世界経済の減速等から、当地方の主要産業である製造業等における輸出や生産活動が低調に推移したほか、消費税率の引上げに伴い個人消費が減少するなど、弱めの動きが広がりました。 加えて、年明け以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて企業活動や消費活動が大きく低迷し、景気後退感が急速に強まりました。 このような経済環境の下、当行のコア業務粗利益は、貸出金利息の増加等により資金利益は増加しましたが、アセットマネジメント業務収益の減少を主因とした役務取引等利益の減少等により、前年比16億円減益の837億円となりました。 経費は、減価償却費の増加や消費増税等により物件費と税

金は増加したものの、退職給付費用の減少を主因として人件費が減少したことから、前年と同水準の527億円となりました。その結果、コア業務純益は前年比16億円減益の310億円となりました。 また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による株式市場の下落を受けて、株式の減損等を計上したものの、政策保有株式売却等により有価証券関係損益が前年比増加したことを主因として、経常利益は前年比15億円増益の374億円となりました。 なお、与信費用は前年比11億円増加しておりますが、これは、今後の経営環境を踏まえた予防的な引当の計上等によるものです。 当期純利益は、処分予定の有形固定資産に係る減損損失を計上した結果、前年比12億円減益の241億円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年比13億円減益の242億円となりました。

広島銀行 統合報告書 202015

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財務担当役員メッセージ

 当行の2020年3月末時点の連結自己資本比率は10.89%となり、これはリーマンショック時におけるマーケット等の変化を踏まえたストレステストを実施した場合であっても、規制値の4%※を十分に上回る水準となっております。 当行では、リスクアペタイト・フレームワークを活用し、健全性の維持と資本効率の向上に向けた経営を進めております。地域における積極的な信用リスクテイクと新たな収益機会獲得に向けた戦略的な投資を経営戦略の柱の一つとするなか、リスクアセット対比の適切な収益性の確保と、自己資本比率とのバランスを重視した運営を行うことで、中長期的に連結自己資本比率10%以上の水準を確保していく方針としております。(※)「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められる基準

 当行は、地域のリーディングバンクとして金融仲介機能を発揮し地域の持続的成長に貢献していくため、株主還元とともに内部留保の充実にも意を用い、「安定配当金」に加えて、親会社株主に帰属する当期純利益に応じた「業績連動型の配当金」を実施しております。 本年2月、中長期的に目指す自己資本比率の水準と株主還元のバランスを総合的に勘案した結果、連結配当性向を20%~24%程度から31%~36%程度とするよう配当目安テーブルの見直しを行いました。 なお、2019年度は、上記見直しを受け、1株当たりの年間配当金額22.5円の普通配当を実施し、連結配当性向は28.8%となりました。2020年度につきましては、配当目安テーブルに基づき、1株当たりの年間配当金額24円を予定しております。 引き続き、内部留保の充実を勘案する中、株主還元の強化を検討してまいります。

 当行は、「地域経済の発展や当行の企業価値の向上に資するなど保有意義が認められる場合を除き、保有しない」ことを政策保有株式保有の基本方針としております。 保有する株式については、その保有意義を確認し、その意義が不十分と判断される場合には、当該企業と対話を行い、保有の可否を判断します。 2019年度は発行体との対話を進めるなか、前年比41億円削減しました。

資本政策

株主還元

政策保有株式の保有方針

日本格付研究所(JCR)

格付投資情報センター(R&I) Moody’s

AA- A+ A2

0’18/3末 ’19/3末 ’20/3末 将来

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

35000

40000

34,642

11.07% 11.01%10.89%

10%以上

連結自己資本比率

35,335 36,646

増加

維持

リスク・アセットの額(億円)

’17/3末 ’18/3末 ’19/3末 ’20/3末

非上場株式等上場株式

0

542

734 730 719678

533 521 477

192 197 198201

(単位:億円)

〈参考〉外部格付

■配当目安テーブル(2020年2月見直し実施)

政策保有株式に係る方針等の詳細はP.60をご参照ください

親会社株主に帰属する当期純利益

1株当たり配当金額連結配当性向

①安定配当 ②業績連動配当 ①+②330億円超

18円

18円 36円 ~ 34.1%未満300億円超~330億円以下 15円 33円 31.2%以上~

34.4%未満270億円超~300億円以下 12円 30円 31.2%以上~

34.7%未満240億円超~270億円以下 9円 27円 31.2%以上~

35.1%未満210億円超~240億円以下 6円 24円 31.2%以上~

35.7%未満180億円超~210億円以下 3円 21円 31.2%以上~

36.4%未満

180億円以下 0円 18円 31.2%以上~

■1株あたりの配当金額および配当性向の推移

10

1214 14

10 10 1012

1618

22 22

1820

10

42

18.1% 20.1%27.9% 22.4% 22.3% 21.3% 21.7% 21.1% 21.8% 21.9% 21.7% 24.3% 28.8%

33.2%60.5%

44 6 6 6

26

10 10

10 10 10 10 12 12 12 12 12 12 12

22.524

7.5

18

0

5

10

15

20

25

0

5

10

15

20

25

’06年度 ’07年度 ’08年度 ’09年度 ’10年度 ’11年度 ’12年度 ’13年度 ’14年度 ’15年度 ’16年度 ’17年度 ’18年度 ’19年度 ’20年度予想

配当目安テーブル導入

創業130周年記念配当

創業140周年記念配当

安定配当増配

6 0

安定配当

増配

業績連動配当記念配当 配当性向

15

(注)当行は、2017年10月1日に株式併合(2株を1株に併合)を実施しております。2017年度以前の1株あたりの配当金額は、株式併合を勘案した金額を掲載しております。また、2019年度に関しましては、配当目安テーブルの見直しを行ったことから、見直し前・後を按分して記載しております。

広島銀行 統合報告書 2020 16

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財務ハイライト(2019年度)広島銀行について

当期純利益 親会社株主に帰属する当期純利益

個人ローン残高

コア業務純益(除く投資信託解約損益)

中小企業向け貸出金残高貸出金残高

64,797億円(2019年3月末比�+4,651億円) (2019年3月末比�+1,278億円) (2019年3月末比�+713億円)

310億円(前年比�△16億円)

26,447億円

241億円(前年比△12億円)

242億円(前年比�△13億円)

16,192億円

2018年度

323

2017年度

326

2019年度

310

2018年度

270

2017年度

253

2019年度

241

24,263 25,169

2019年3月末

26,447

2020年3月末

2018年3月末

14,85915,479

2019年3月末

16,192

2020年3月末

2018年3月末

4,173 4,404

610411

759399

9,663 9,915

4,657

847

10,297

389

■ ■ アパート

58,523 60,146

43,66344,667

14,859 15,479

2019年3月末

64,797

48,604

16,192

2020年3月末

2018年3月末

■ 事業性貸出等 ■ 個人ローン

2018年度

258

2017年度

255

2019年度

242

(単位 : 億円)

(単位 : 億円)

(単位 : 億円)

(単位 : 億円)

(単位 : 億円)

(単位 : 億円)

■ 目的別ローン等 ■ カードローン ■ アパートローン  ■ 住宅ローン  

広島銀行 統合報告書 202017

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※�預金等は、譲渡性預金を含んでいます。

※�金融再生法開示債権額は、単位未満を四捨五入して 表示しています。

※�ひろぎん証券の非預金商品残高は、時価ベースです。

財務ハイライト(2019 年度)

2019年3月末

74,593

2018年3月末

74,790

47,21647,216 48,31348,313

22,91122,911 22,84522,845

4,4654,465 3,6303,6302020年3月末

77,090

49,99849,998

23,58023,580

3,5113,5110

10000

20000

30000

40000

50000

60000

70000

8000090,706 90,753

16,113 15,962

74,593 74,790

2019年3月末

92,15115,060

2020年3月末

2018年3月末

77,090

4.00

11.07 11.01 10.89

2019年3月末

2020年3月末

2018年3月末

国内基準行に求められる規制上の最低水準

35.6 35.2 34.9

2017年度 2019年度2018年度

5.5 5.3

2017年度 2019年度2018年度

5.0

62.5 61.7

2017年度 2019年度2018年度

62.9

1.20% 1.15% 1.06%

2019年3月末

2020年3月末

2018年3月末

■ 要管理債権 ■ 危険債権■ 破産更生債権等 ● 不良債権比率  

714 701 698

483457

168 185

63 59

461

176

61

総預り資産残高(ひろぎん証券含む)

不良債権比率

預金等残高

連結自己資本比率

92,151億円(2019年3月末比�+1,398億円)

77,090億円(2019年3月末比�+2,300億円)

1.06%

62.9%

5.0%

34.9%

(2019年3月末比�△0.09ポイント)

(前年比△0.3ポイント)

(前年比 +1.2ポイント)

10.89%(2019年3月末比�△0.12ポイント)

非金利収入比率(ひろぎん証券含む)

コアOHR

連結ROE

(単位 : 億円) (単位 : 億円)

(単位 : 億円)(単位 :%)

(単位 :%)

(単位 :%)

(単位 :%)

(前年比 △0.3ポイント)

■ 要管理債権 ■ 危険債権■ 破産更生債権等 ● 不良債権比率  

■ 非預金商品(ひろぎん証券含む)■ 預金等

■ 個人預金 ■ 法人預金■ 公金・金融預金  

広島銀行 統合報告書 2020 18

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広島銀行について

非財務ハイライト

 

約31,000社(2020 年 3 月末)

3,539 先

7,112億円(2020 年 3 月末)

280 件

923百万円(2019 年度)

12.5%(172名)

(2020年4月1日)2.2%(82名)(2020年6月1日)

■事業性評価に基づく融資を行っている 与信先数及び融資残高

■事業承継アドバイザリーサービス相談受付件数

■温室効果ガス排出量の  削減率

2017 年度→ 2018 年度

■障がい者雇用率 ■女性活躍推進 (女性管理・監督職率)

■健康経営 ホワイト 500 認定

■創業・新事業支援融資実行件数及び実行額

■M&A支援

1級→356名

2級→1,556名 (2020 年 3 月末)

27件(2019 年度)

249件(2019 年度)

10.6%削減

■法人のお客さま ■FP資格保有者

(注)1級にはCFP、2級にはAFP保有者を含む

広島銀行 統合報告書 202019

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広島銀行の事業エリアの特性

外国人観光客

275万人総観光客数

6,504万人(2018 年)

中国地方(10年連続1位)

15,536社

16.02%広島県(10年連続1位)

14,515社

37.21%(2019年10月末)

■ メインバンク社数 ■広島県内観光客数

■当行の地元 4 県の人口・GDP

出所:観光庁、広島県出所:帝国データバンク

非財務ハイライト・地域特性

岡山県

山口県

愛媛県

広島県

人口約751万人

愛知県に匹敵する規模

出所 総務省「住民基本台帳に基づく人口」   (2019年1月)

GDP約 31兆円

神奈川県に匹敵する規模

出所 内閣府(2016年度)

広島銀行 統合報告書 2020 20

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地域のお客さまと共に成長を続ける

〜真のファースト・コール・バンクグループとなるために〜『総合金融サービスグループ』を目指す!

地域金融機関を取り巻く経営環境は、人口や事業所数の減少に加え、低金利環境の長期化や異業種による銀行業への参入など、これまで経験したことがないほどの厳しい状況が続いています。また、ICTの進展に伴い、お客さまの行動が急速に変化しており、預金や貸出金を中心とした従来のビジネスモデルは大きな転換期を迎えています。このような状況下においても、当行グループの総力を結集し、お客さま本位の業務運営を実践するなかで、新たな成長ドライバーを確立し、お客さまと共に成長していこうという思いを込め、2017年3月に「中期計画2017」を策定しました。

お客さまニーズを起点とした付加価値営業の実践に基づく

収益構造の改革

地方創生への積極的なコミット

働き方改革の推進とチャレンジ精神に溢れる

組織風土の醸成

■ 基本方針(中期計画の三本柱)

付加価値の高いバンキング業務への取組強化

収益基盤の強化

お客さまの資産形成ニーズ等の高まりに応えるアセットマネジメント業務

への取組強化

■ 重点取組項目

広島銀行について

中期計画 2017

広島銀行 統合報告書 202021

Page 23: HIROGIN INTEGRATED REPORT 〈ひろぎん〉レ …...当行は、1945年(昭和20年)8月6日の原爆投下から僅か2日後 の8月8日に、日本銀行に営業室を借り受け、営業を再開しました。お

地域社会との強い信頼関係で結ばれた、頼りがいのある

〈ひろぎんグループ〉を構築する

■ 主要戦略

営業戦略 有価証券戦略

人財戦略

働き方改革新たなサービス展開の強化

中期計画 2017

10月1日の持株会社体制への移行に伴い、現在の「中期計画2017」の見直

しを実施し、2020年10月から2023年度までを計画期間とする、新たな中

期計画の策定を進めております。

持株会社化によりグループシナジーを最大限に発揮し、地域社会やお客さ

まの課題解決への取組みを通じて、地域の発展に貢献してまいります。

広島銀行 統合報告書 2020 22

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コンサルティングプロセス

個別事業戦略

バンキング業務

広島銀行の強みである「事業性評価」を軸とした

「付加価値の高いバンキング業務」の実践に取り組んでいます。

当地は、自動車や造船など特色のある産業が集積しており、

当行では従前より産業動向や事業内容の理解及び課題解決支援に

積極的に取り組むとともに、属人的になりがちな『目利き』の能力を体系化し、

組織的な活用を図ってまいりました。

当行の「事業性評価」は、事業の将来性に繋がる定性情報の重要度を

過去より体感してきたことが背景にあり、「付加価値の高いバンキング業務」を

実践するための、顧客ニーズを起点とした営業の軸と位置付けております。

「事業性評価」を軸とした地元企業の本業支援を通じ、地域経済とともに成長を図る

【環境認識・課題】マイナス金利の長期化、人口や事業所数の減少、企業ニーズの多様化

【取り組むべき事項】企業の成長や新たな事業創出の支援、地域の活性化と持続的な経済発展への寄与

【目指す姿】強みである「事業性評価」を軸とした付加価値の高いバンキング業務の実践

地元産業の特性に応じたサポートを、長い間重ねてきたことで培ってきた「事業性評価」が強みです。地域と産業を理解し、お取引先の成長につながる融資や本業支援を実践することが、

地域で生きていく金融機関としての目指す姿です。

理解と課題の共有

【リレーションの構築】

コンサルティングの発揮

【ソリューションの提供】

●定性分析●中期計画策定支援 他

●コンサルティング型融資商品● M&A /事業承継●ビジネスマッチング●デリバティブ(為替・リスクヘッジ)●海外進出支援●人材紹介業務●エクイティビジネス       他

業界RM自動車、船舶・海運、医療・介護、観光 他

ひろぎん経済研究所

事業性評価を軸としたコンサルティング

当行のコンサルティングプロセス

お客さまとの対話

お客さまとの相互理解

経営課題の抽出 課題解決提案 課題解決

広島銀行 統合報告書 202023

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広島銀行の「事業性評価」について

バンキング業務

 不良債権処理に追われていた1990年代、当行は自動車業界のサプライヤー(部品メーカー)の財務面を見て、融資を実行していました。しかし、自動車業界では代替できない技術を持つサプライヤーは、財務内容が厳しくても経営再建まで踏み込んで支えなければいけません。財務内容だけを見るのではなく、産業クラスターにとって必要なのか否かといった観点から定性情報を重要視する必要が出てきたのです。 2001年1月、自動車関連業界の取引先の多様化・高度化に的確にお応えするため、自動車業界からの転籍者を迎えるなどして、「自動車関連対策室」を新設しました。専門家がサプライヤーの工場へ出向き、技術面を把握。これに銀行の財務分析を合わせ、「技術」「財務」の両面から企業を理解することに。リーマン・ショックなど急激な外部変化があっても、当行は軸がぶれることなく対峙することができました。これが、当行の事業性評価に繋がっていきました。

2020年4月に本店の機構改正を実施

◎事業承継やM&Aに関するニーズ拡大に向けて、法人営業部とアセットマネジメント部の事業承継に関す

る機能を統合し、法人営業部金融サービス室内に「事業承継・M&A担当」を新設

◎ファミリー経営の中小企業およびオーナーの皆さまを中長期的にサポートするため、営業統括部内に「企

業オーナーリレーション室」を新設

■ 取組みの経緯

トピックス

■ 広島銀行の「事業性評価」

取引先企業の適切な評価 コンサルティング機能の発揮(解決策の提案及び実行支援)

地域経済や産業の把握・分析

創業・成長■持続可能な企業

地域経済を牽引する企業や大口与信先等

地域に根ざして営業を行う企業等

保証債務の整理■継続困難な企業

経営者保証に関するガイドラインの積極的な活用

……

本業支援生産性向上売上増加

事業承継

 外部専門機関等の活用 地域経済活性化支援機構(REVIC)・中小企業再生支援協議会・信用保証協会・民間コンサルタント 等

目利き(能力) 財務データや担保・保証、返済履歴等に必要以上に依存しない

…定性分析 ・・・営業店

・・・本部中計策定支援

様々なライフステージにあるお取引先の事業内容や成長可能性を適切に評価

●ひろぎん 経済研究所●産業・企業調査 担当(本部)

金融支援 条件変更資金供給 会社分割

DES DDS 債権放棄DES:債務の株式化 DDS:債務の劣後転換

課題に対し

…産学官金の連携、政府系金融機関、ファンド等

広島銀行 統合報告書 2020 24

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個別事業戦略

「事業性評価」を軸とした法人戦略(重点施策)

■ 広島銀行の目利き能力

■ 人材紹介業務への取組み

■ 広島県には、マツダ株式会社を中心に、数多くのサプライヤーが集積(クラスター)しており、当行は融資部に自動車関連審査担当、法人営業部に自動車関連担当を設置し、この「マツダクラスター」全体をお取引先の対象と捉えています。

■ マツダ株式会社や自動車業界の現状把握・動向分析を行い、地域経済への影響が大きいサプライヤー

(Tier1、Tier2、Tier3...)のお取引先の経営改善支援や海外進出支援等を積極的に実施しています。

 2019年4月に人材紹介業務を開始し、お取引先企業の人材不足解消に向けて取り組んでいます。なかでも、事業性評価を通じてお客さまの経営課題

を共有してきた強みを活かし、課題解決のご支援の一環として、経営幹部層の紹介に注力しています。

「マツダクラスター」

一次サプライヤー

二次サプライヤー

三次、四次・・・

サプライヤーの主な課題

課題共有

海外展開

定性分析

合理化

技術開発

他メーカー展開多角化展開

海外生産シフト・海外調達増加  コスト競争力強化

マツダクラスターの

競争力維持・向上

面的ソリューション

■事業計画策定(成長戦略、再建計画)■海外進出支援(ファイナンス、FS策定)■現場改善サポート■ビジネスマッチング(個別+商談会等)                 ・・・etc

広島銀行の目利き能力について 自動車産業への取組み(当行支援の全体像)

Tier2Tier2 Tier2Tier2

Tier1Tier1

Tier3 Tier3Tier3 Tier3 Tier3

マツダ(株)

・経営幹部のうち法人営業部が事業性評価を実施した先について、当行本体で人材紹介を行う ・ミドル層・実務層・専門家層については、人材紹介は提携先紹介会社が対応 

経営層

専門家

実務層

マッチング

業企先引取お

者職求

●業務改革を行いたいが、社内にノウハウのある人材がいない●社長の後継者が育っていない

●業務改善や新事業に取り組みたい●これまでの経験を活かし、経営に近い立場で仕事がしたい

■ 2019年4月~2020年3月の活動実績 ※比率は構成比

求人受付件数(268件) 成約件数(57件)

【BM】経営幹部

43件16.0%

【当行対応】経営幹部9件3.4%

45件16.8%

125件46.6%

46件17.2%

11件19.3%

12件21.1%

11件19.3%

17件29.8%

ミドル 実務者 専門家

【当行対応】経営幹部6件10.5%

広島銀行 統合報告書 202025

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■事業承継への取組み

■エクイティビジネスへの取組み

バンキング業務

 高齢化や後継者不足を背景に、事業承継が地域経済にとって益々重要な課題となるなか、当行ではM&Aアドバイザリー業務を通じて事業承継をサポートしており、ご相談件数は年々増加しています。

 また2020年4月から、親族内承継をサポートする部門を統合し、あらゆるニーズにワンストップで支援できる体制を整えました。

 当行は、ひろぎんキャピタルパートナーズ株式会社が新たに組成する3つのファンド「事業再生ファンド」、

「事業承継ファンド」、「ベンチャーファンド」へ出資しています。 本ファンドを活用し、地域課題の解決に貢献する取引先や事業成長に取り組む取引先への「エクイティ出

資」と、従来から培ってきた「コンサルティング機能」を活かし、「事業参画」という形で伴走型支援を超えた支援を行っていきます。これにより、当行グループの顧客軸・業務軸を深化・拡大させ、投資先企業の企業価値向上と地域経済の活性化の実現を目指します。

50

0

5

01997 2000 2005 2010 2015 2019

10

15

20

25

30

100

150

200

250

300

350

400

450

500

550

600

650(件)

(件)

4

6 6 6

14

9 910 11

11

88

9

13 13

1818

23

14

27

14

12 12

■■ 成約件数(左目盛)  案件受付件数(右目盛)

10年間で約3倍

名 称 HiCAP1 号投資事業有限責任組合

HiCAP2 号投資事業有限責任組合

HiCAP3 号投資事業有限責任組合

投 資 対 象 領 域 事業再生※ 事業承継 ベンチャー

フ ァ ン ド 総 額 20 億円 20 億円 10 億円

組 合 員 構 成 有限責任組合員 (LP) :株式会社広島銀行無限責任組合員 (GP):ひろぎんキャピタルパートナーズ株式会社

設 立 日 2020 年 7 月 3 日

※ 事業再生ファンドでは、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大により直接的・間接的に悪影響を受けられた取引先に対しても、積極的に支援していきます。

HiCAP1号20 億円

HiCAP2号20 億円

HiCAP3号10 億円

事業承継 ベンチャー事業再生

H i C A P

ひろぎんキャピタル パートナーズ株式会社

■ ファンドの概要

■ M&A成約件数と相談件数 ■ 事業承継の主な流れ

経営者引退

誰に? どうやって?

事業継続しない

資産の売却(廃業)

親族内に後継者がいる

親族内に後継者がいない

親族への承継

(親族内承継)

第三者への承継

(M&A)

事業継続する

事業承継

広島銀行 統合報告書 2020 26

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個別事業戦略

アセットマネジメント業務

広島銀行では、お客さまのライフサイクルや各世代のニーズに応じた

最適なソリューションのご提案に取り組んでいます。

「人生100年時代」を迎えるなか、拡大する高齢者マーケットに対し、

次世代への円滑な資産承継や資産の有効活用等をサポートし、

認知症等で判断が難しくなった場合に備え、財産管理ができるコンサル

ティング型の信託等を活用した最適なソリューションを提供してまいります。

また、ひろぎん証券の高度かつ専門的な運用提案等を活用し、

〈ひろぎんグループ〉全体で、お客さまの資産運用・資産形成をサポートいたします。

ライフサイクルに応じたコンサルティング提案を通じ、お客さまとともに成長を図る

【環境認識・課題】マイナス金利の長期化、人口減少・高齢化の進展、

お客さまニーズの多様化・高度化・複雑化

【取り組むべき事項】お客さまの世帯資産管理、多種多様な資産形成支援、

円滑な資産移転・資産承継支援

【目指す姿】長期継続的なお取引(生涯取引)の実現

〈ひろぎんグループ〉一体となって、金融資産の運用・提案だけでなく、相続や贈与等のご相談を通じて、不動産等多岐にわたる「資産全体」の

管理・活用方法をご提案させていただきます。また、相続人等へのスムーズな資産引継ぎ方法のご案内や、その後の運用・管理までお手伝いさせていただくことにより、

「ご家族の大切な資産」を永続してトータルでサポートさせていただくことが、当行の目指す姿です。

セグメント

富裕層(法人オーナー)

相続・事業承継コンサルティング

資産運用層

資産形成層

取組事項

銀行の顧客基盤を活用した長期・積立・分散 ( 小口 ) 投資の推進

 ひろぎん証券を活用した資産運用提案の高度化

他業態も含めたアライアンスの活用による更なる裾野拡大

法人オーナー(法人含む)向け商品の拡充

共同店舗の拡充による銀証一体運営

■ 推進イメージ

広島銀行 統合報告書 202027

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アセットマネジメント業務

◎休日でも、お客さまの相続コンサルティングニーズにお応えするため、〈ひろぎん〉相続コンサルティングプラ ザ」を開設 ①2019年4月~ 広島駅北口支店内(土曜・日曜限定:9時~15時) ②2019年8月~ 本店営業部内(平日限定:9時~15時) ③2019年10月~ 福山営業本部内(日曜限定:9時~15時)

◎高齢期に不安を抱えることなく、ゆとりのある生活を維持していただくため、信託商品をお申込みのお客 さま向けに「安心の見守りサービス」を取扱開始 ①警備会社が提供する、安心・安全に暮らす「見守りサービス」 ②保険会社が提供する、万一に備える「補償サービス」

トピックス

バリューワンブランドデビット

キャッシュレス決済

貯蓄・資産形成 ゆとりあるセカンドライフへの備え

介護・認知症・相続対策

ジュニアNISA 積立投信・つみたて NISA・iDeCo・平準払い保険 等 遺言信託・遺産整理業務

特約付き金銭信託 等

投資信託(NISA)・年金保険・終身保険 等

キャッシュレス決済サービスカードローン、マイカーローン 等

リフォームローン

住宅ローン 教育ローン

リフォーム資金調達

教育資金調達

住宅購入資金調達

結婚資金調達

就職

収入

結婚 出産 介護住宅購入

子供の進学

子供の結婚

マイカー購入資金調達

銀行口座の作成

10 代 30 代20 代 40 代 50 代 60 代 70 代

認知症・相続

本人・相続人ともに不動産を含めた家計ポートフォリオを把握し、相続対策を含めた資産形成に資する提案を実現します。

退職

人生 100 年時代

ライフサイクル

お悩み

ご提案商品・サービス等

結婚・住宅購入・教育資金等への備え【貯蓄・資産形成】

積立投信・つみたて NISA・iDeCo・平準払保険 等

各支店のコンサルティングアドバイザーに加え、保険プラザ、相続コンサルティングプラザ、ひろぎん証券の専門スタッフによるアドバイス

ひろぎんアプリや提携ネット証券のご利用により、お好きな時間で自由にお取引へ提携専門業者のご利用により、リフォームや清掃等住まいやくらしに関するご相談に対応

ゆとりあるセカンドライフへの備え【介護・認知症・相続対策】

投資信託(NISA)・年金保険・終身保険・遺言信託・遺産整理業務・金銭信託 等

ライフイベントに応じたソリューションのご提案

 当行ではお客さまのライフイベントや各世代のニーズに応える最適なソリューションのご提案を図っております。資産形成層に対しては長期・分散積立投資による安定的な資産形成に貢献してまいります。高齢者層に対しては、相続関連業務への取組みを強化し、円滑な相続、資産承継をお手伝いすることに加え、二次相続対策提案などを通じて、次世代とのリレーション構築も進めてまいります。

広島銀行 統合報告書 2020 28

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個別事業戦略

資産運用・資産形成に関する提案力の強化

■ ひろぎん証券との共同店舗拡大

■ 金融商品仲介業務

 資産運用や相続対策のご相談・ご要望に幅広くお応えする体制を整え、ワンストップでの対応が可能な共同店舗を22ヵ店開設しています。(以下の広島銀行の店舗内にひろぎん証券の店舗を設置)

 広島銀行では、ひろぎん証券の口座開設やひろぎん証券の一部商品を取り扱っています。 ひろぎん証券では、株式をはじめとして幅広い商品を取扱っています。

お客さま(個人・法人)

広島銀行で「証券口座」開設手続き

〈広島銀行〉 〈ひろぎん証券〉

1

3

ひろぎん証券に仲介

ご提案・お取引【主な取扱商品】株式、投資信託、債券など

2

■〈ひろぎん証券〉仲介口座数、及び残高推移 ■〈ひろぎん証券〉仲介収益推移

0

500

2,500

2,000

1,500

1,000

3,000

2019年度2017年度 2018年度

2,583

2,962

1,691

(百万円)

0 0

1,000

1,500

500

2,000

3,000

2,500

4,000

8,000

12,000

20,000

16,000

2019/3末 2020/3末2018/3末

仲介口座■■ 仲介残高

10,698

14,777

18,584

1,419

2,007

2,326

(億円) (先)

安定運用型商品のご提案により資産運用層の裾野拡大

積極運用型商品のご提案

証券取引ニーズの紹介

相続、保険ニーズの紹介

相続関連業務への取組強化

金融商品仲介業務への取組強化

広島銀行 ひろぎん証券 開設時期

ゆめタウン広島出張所 ゆめタウン広島営業所 2008年 2月

廿 日 市 支 店 廿 日 市 支 店 2008年11月

岡 山 支 店 岡 山 営 業 所 2014年 5月

三 原 支 店 三 原 営 業 所 2018年 1月

古 市 支 店 サテライトブース古市 2018年 3月

宇 部 支 店 宇 部 支 店 2018年 3月

可 部 支 店 可 部 支 店 2018年 5月

呉 支 店 呉 支 店 2018年 5月

府 中 支 店 府 中 支 店 2018年 7月

今 治 支 店 今 治 営 業 所 2018年 8月

十 日 市 支 店 三 次 支 店 2018年10月

広島銀行 ひろぎん証券 開設時期

岩 国 支 店 岩 国 支 店 2018年11月

福山営業本部 福 山 支 店 2019年 1月

東 京 支 店 東 京 支 店 2019年 3月

西 条 支 店 東 広 島 支 店 2019年 7月

尾 道 支 店 尾 道 支 店 2019年 8月

広 島 西 支 店 広 島 西 支 店 2019年 9月

松 山 支 店 松 山 営 業 所 2019年11月

因 島 支 店 因 島 支 店 2019年12月

竹 原 支 店 竹 原 支 店 2020年 1月

海 田 支 店 海 田 営 業 所 2020年 1月

徳 山 支 店 徳 山 支 店 2020年 2月

皆 実 町 支 店 皆実町営業所※ 2020年 4月

■共同店舗開設実績(2020年4月末現在)

※ゆめタウン広島営業所は廃止

広島銀行 統合報告書 202029

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アセットマネジメント業務

相続対策ニーズへの最適なソリューション提供

■ 相続コンサルティングプラザ

■ 主なソリューション提案

 完全予約制・専用の相談ブースにて対応し、相続専門のスタッフが無料で分かりやすく丁寧にサポートするコンサルティングプラザを開設しています。

 相続の生前対策から相続発生後のお手続きサポートまで、お客さまに最適なソリューションを提案します。

■相続関連信託商品の契約件数・残高 ■ 遺言信託・遺産整理業務の受付件数・収益額

0

2,919

4,197

5,196

1,000

0

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

100

200

500

400

300

600

2019/3末 2020 /3 末2018 /3末

■ 残高計※

契約件数

(億円) (件)

207242

291

0

100

150

200

250

300

350

50

0

2018年度2017年度 2019年度

(件)

■■ 収益額 代理店■■ 収益額 本体

合計件数

161185

305

23,97817,861

27,52318,490

192,302

50,000

100,000

200,000

150,000

250,000(千円)

※アセットトラスト・家族つなぐ信託・想いつづく信託・家族つなぐ信託(積立投信型)

日曜限定 福山営業本部内(福山市霞町1-1-1)

平日限定 本店営業部内(広島市南区西蟹屋1-1-7)

土曜・日曜限定 広島駅北口支店内(広島市東区若草町11-2)

ご相談内容 ソリューション

・円滑な相続・遺言の作成 ・相続対策提案

・遺言信託・暦年贈与信託・遺産整理業務・遺言書執行・保険    等       ・スムーズな手続き

・二次相続の対策 

被相続人

相続人

広島銀行 統合報告書 2020 30

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 少子高齢化、大都市一極集中といった業界横断的・地方共通的な市場縮小傾向に加え、マイナス金利政策、金融サービスの規制緩和・異業種参入といった金融業界固有の課題に直面するなか、当行を取り巻く環境は決して楽観的ではありません。一方

で、当行がもつ「地域顧客とのリレーション」「地域を中心とした膨大なデータ」や「地域での信用力」といった強みを活かし、デジタル化の流れをうまく取り込むことで、それらの脅威は大きなチャンスに変わるものと認識しています。

 上記のような環境認識のもと、当行では2016年8月に非金融ビジネスも含めた抜本的な新ビジネス創出を目指し中長期的スパンで検討を行う部署として総合企画部内に「新事業開発推進室」を立ち上げ、2018年2月には同室を「金融のデジタル化」の中核部署に位置付けるとともに、スマホアプリ機能を統

合し「デジタルイノベーション室」へ改組。2019年4月にはキャッシュレス決済機能を融合し「デジタル戦略部」へ昇格。経営トップのイニシアティブのもと、より一層スピーディーでチャレンジングな「デジタルトランスフォーメーションへの取組強化」を進めるべく体制を強化しております。

背景・環境認識

組織・対応方針

デジタルトランスフォーメーションの取組み

個別事業戦略

当行では、急速に進展するデジタル化の流れの中で、

デジタルトランスフォーメーション(デジタルによる事業構造の変革)への

取組みは重要な経営戦略の1つであると考えています。

地方銀行として地域社会との関係性に根差すことを大前提にしつつ、

最先端のデジタル技術を活用して、

地元を中心とした法人・個人のお客さまの利便性向上や地域経済の

活性化に向けたチャレンジを継続していきます。

広島銀行 統合報告書 202031

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環境分析 戦略・対応方針 具体的な取組施策

データ利活用

社内業務効率化

✓地銀として地域社会との関係性に根差しつつ抜本的なデジタルトランスフォーメーションを促進

✓他業態を含む多様なプレイヤーとのアライアンスも視野に新ビジネス・ オープンイノベーションの創出

✓データ利活用への本格的な取組み

2016/8 新事業開発推進室の組成2018/2 デジタルイノベーション室

へ改組2019/4 デジタル戦略部へ昇格

少子高齢化ひろしまサンドボックス

新ビジネスの創出・オープンイノベーション

既存業務のデジタル化

API公開

データ連携基盤構築

ひろぎんアプリ高度化

Wallet+サービス

RPA

大都市一極集中

マイナス金利政策

規制緩和・異業種参入

地域顧客とのリレーション

膨大な顧客情報等

脅 威

機会(チャンス)

金融コモディティ化・競争激化

チャネル・デバイスの劇的変化

オープンイノベーションの進展

データ利活用技術の進展(IoT・AI・API)

データ利活用法制度の整備

キャッシュレス化推進強み

デジタル戦略

「地銀×デジタル×地域社会」の最適解を“ひろぎん”が実現する

広島銀行デジタル戦略部では、以下3つの主要戦略のもと、より一層の地域社会への貢献を目指し、抜本的なイノベーションを実現してまいります。①既存サービス・チャネルの抜本的見直し

(新技術の活用、お客さまの行動変化への対応)

②「地域金融機関として」強みを活かしつつあるべきモデルを模索し、他業態とのアライアンスを含めた新ビジネス・オープンイノベーションを創出③データ利活用の促進

 社会インフラの一翼を担う金融機関として、デジタル化は早急に対応すべき優先課題であるとの認識のもと、「銀行アプリのリリース・高度化」「キャッシュレス決済サービスのラインナップ化・逐次投入」「RPAの導入」など、「既存サービス・チャネルの抜本的な見直し」に向けた様々な施策へ鋭意取り組んでいます。 一方で、当行は地域社会とともに成長すべき銀行として、常に時代の流れを読みながら中長期的なスパンで地域のお客さまの利便性向上や地域経済活性化に資するビジネスモデルを構築していく必要が

あります。そのため「データ利活用」に着目し「地元を中心としたあらゆる産学官とのアライアンス(連携)」等によるオープンイノベーション型の新ビジネス創出を目指して、たゆまぬチャレンジを続けていきます。 5年後・10年後の地域の法人・個人のお客さまにとって何が必要か?地域金融機関として何をすべきか?ーーそれはまさに当行の経営の在り方そのものにかかわる話です。デジタル戦略は当行において今後10年間の最も基本的な戦略になるとの認識のもと、取り組んでまいります。

デジタル戦略は当行において今後10年間の最も基本的な戦略となる

広島銀行 統合報告書 2020 32

Page 34: HIROGIN INTEGRATED REPORT 〈ひろぎん〉レ …...当行は、1945年(昭和20年)8月6日の原爆投下から僅か2日後 の8月8日に、日本銀行に営業室を借り受け、営業を再開しました。お

特集個別事業戦略

 ひろぎんアプリは、店舗窓口、ATMに続く、より身近で便利に使っていただける新しい窓口と位置付け、2019年2月のリニューアル以降、機能の充実を図っています。キャッチフレーズは「手の中に、いつも〈ひろぎん〉」。 ひろぎんアプリを入口とし、残高照会から銀行取引まで、日常の銀行取引がこのアプリを起点として簡単にできるポータルアプリをめざし、今後も機能追加、利便性の向上を行ってまいります。

【これまで追加した機能】◎2016/11月:ひろぎんアプリリリース/口座開設申込み機能(ひろぎんカープ支店)/自動応答FAQ機能(AIサポート) ◎2017/4月:セキュリティチェック機能追加 ◎2019/2月:残高照会機能追加◎2019/8月:インターネットバンキングへの生体認証ログイン機能追加 ◎2019/12月:投資信託口座開設申込み機能追加 ◎2020/4月:ネット証券(SBI・楽天証券)との連携

 働き方改革の一環として、銀行内部の業務効率化に向け「RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)」へ積極的に取り組んでいます。 実証実験を経て、2018年10月より本格的に本部業務全般へのRPA適用を開始。抜本的なコスト構造の改善を図るとともに、捻出時間を最大限有効に活

用し、より付加価値の高いサービス提供に向けたリソース配分の見直しを図っていきます。

ひろぎんアプリの高度化

ひろぎんが取り組むDXのご紹介

RPAの活用による働き方改革の推進

 複数の電子マネーを搭載したICカードをお取引先の社員証として活用いただく『多機能IC社員証』の発行支援を行っています。同社員証は、キャッシュレス決済機能に加え、ICカードによる本人認証機能を活かしたセキュリティ(入退室)管理や勤怠管理の電子化による働き方改革対応など、事務省力化や社内管理効率化にお役立ていただいています。

 昨今利用が急増しているスマホ決済サービスへの対応も強化しております。これまで各種サービスへの当行口

座からのチャージの取扱いを拡大して参りましたが、2020年6月には当行独自のスマホ決済サービ

ス「こいPay」をリリースしました。全国の「銀行Pay」マークのある店舗で利用でき、決済代金は即時に利用者の口座から引き落としされるためチャージは不要で、加盟店への入金も最短翌営業日に入金される利便性の高いサービスです。 今後も、地域キャッシュレス化への貢献に向け、積極的な取組みを継続して参ります。

キャッシュレス化への対応

広島銀行 統合報告書 202033

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デジタル戦略デジタル戦略

 高齢者がアクティブな生活を長く楽しむことを後押しし、蓄積したデータを活用する機能を提供する“subME(サブミー)”サービスの実現と事業化を目的とした「CONNECTED SENIORS コンソーシアム」((株)日本総合研究所ほか)に参画しています。人生100年時代を迎える中、多くの人が退職する70歳以降の長い余生を、高齢者が自らの力で充実させ続けられるよう、サイバー空間に

自身の情報を再現したデジタルツイン「subME」により支援する試みです。〈ひろぎん〉は地域金融機関としてどのような貢献ができるのか… 2022年以降の本サービス事業化を見据え、今から本気で考えています。

 広島県の委託事業「ひろしまサンドボックス」に採択された「データ連携基盤構築実証事業」へ、ソフトバンク、中国電力、イズミとともに参画しています。業態の異なる多様な企業が自社で保有する情報を同一基盤上へ提供し融合のうえで加工・分析することにより、従来単独企業では実現できなかった新サービスが創出される可能性を探ることで、広島

における企業間のデータ流通促進および県民の利便性向上に資するサービスの構築に資するべく、実証を行っています。

充実した“老後の11,000日”のために!~「CONNECTED SENIORS コンソーシアム」~

データ連携基盤構築実証事業

えん・ひろしま©プロジェクト

・「広島地域の循環プラットフォームとして地域経済の活性化に寄与する」とのコンセプトのもと、広島銀行が新たに立ち上げた地域・異業種連携イノベーションハブのブランドです。

・“YEN” には、①通貨の “円”、②地域内循環プラットフォームの “円”、③人/企業のつながりの “縁” という3つの思いを織り込んでいます。

・シンボルマークは、5円硬貨をモチーフとし、これら3つのイメージを端的に象徴するとともに、瀬戸内海の造形と併せて当行のコーポレートカラーである青で表現することで、当行と地域との良好な共創関係を表しています。

・“YEN HIROSHIMA(えん ひろしま)” は、今後も継続的に広島地域の経済活性化に貢献する様々な取組みを実施していきます。

コンソーシアムデータ オープンデータ 他コンソーシアムデータ

金融関連情報

インフラ(電力)関連情報

購買分析関連情報

人流データ

オープンデータ 本実証事業による収集データ

他コンソーシアム

データ連携基盤(仮称)

広島銀行 統合報告書 2020 34

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サステナビリティへの取組み

社会的責任(CSR)の考え方・SDGsへの取組み

 〈ひろぎんグループ〉は、地域のリーディングバンクグループとして多くのお客さまのご支持をいただき、その歴史を積み重ねてきました。 これまでも、そしてこれからも、地域になくてはならない銀行グループであるために、本業を通じて地

域経済の持続的成長に貢献することはもちろんのこと、社会貢献や環境保全といった、CSRに関するあらゆる面で積極的に行動し、全てのステークホルダーからの信頼を勝ち取り、存在価値を更に高めていくことを目指します。

〈ひろぎんグループ〉の社会的責任(CSR)の考え方

CSR 経営の推進

地域全体の好循環を創造

ひろぎんグループの持続可能性(サステナビリティ)の向上

CSR 経営の推進

地域社会・お客さまの成長への貢献、企業価値の向上

全てのステークホルダー(地域社会、お客さま、株主、市場、従事者)からの信頼

地域の経済・産業を支える

地域の文化・ひとを育てる

地域の環境を守る

(経済的側面)

1.企業活動 (1)コンプライアンス (2)ガバナンス(企業統治) (3)IR 活動 (4)配当 / 納税

2.銀行業務 (1)高付加価値の金融商品・ サービス・ソリューション の提供 (2)円滑な資金供給

(社会的側面)

1.社会貢献 (1)地域文化の振興 (2)地域スポーツの支援 (3)金融教育支援 (4)社会福祉活動の実施 (5)地域活動への参加

2.ダイバーシティ (1)ワーク・ライフ・ バランスの推進 (2)多様な人材の   活躍支援

(環境的側面)

1.環境負荷低減 (1)環境保全活動の実施 (2)環境配慮型商品の提供 (3)森林保全活動の実施 (4)環境啓蒙の実施 (5)ペーパーレス化の推進

広島銀行 統合報告書 202035

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CSR基本方針、SDGs宣言

 〈ひろぎんグループ〉は、国連において採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向け、グループ一体となり、付加価値の高い金融サービスの提供を通じて、地域の社会・環境課題の解決と

持続的な成長に貢献していくため、2019年9月に当行グループの取組方針をまとめた「〈ひろぎんグループ〉SDGs宣言」を策定しました。

〈ひろぎんグループ〉SDGsハンドブック SDGsに関する解説とひろぎんグループが実践している取組みを「地域」・「高齢化」・「人権」・「環境」のテーマでわかりやすくまとめた「SDGsハンドブック」を発行しています。

〈ひろぎんフリーカレッジ〉SDGsセミナー 「2030SDGsカードゲーム」を使用して、SDGsの本質を理解するワークショップ型セミナーを従事者向けに実施しました。

従事者向け階層別研修 SDGsの本質と、当行の取組み方針への理解を深めるため、階層別研修を実施し、啓蒙を行っています。

〈ひろぎんグループ〉のSDGs

SDGs啓蒙への取組み

▶地域社会・経済の活性化への取組み• 地域産業・企業の持続的な成長への支援を通じて、地域経済の活性化に貢献してまいります。• 地方創生への取組みを通じて、暮らしやすい地域のまちづくりに貢献してまいります。

▶高齢化社会に対応した金融サービスの提供• お客さま本位の業務運営を実践するとともに、金融経済教育の推進や最適なコンサルティング提案等を通じて、将来に向けた

安定的な資産形成および円滑な相続・事業承継等をサポートしてまいります。• お客さまがそれぞれのライフステージ等に応じて選択可能な、先進的かつ利便性の高いネットワークおよび金融サービスの提

供を通じて、お客さまの生活・暮らしの豊かさの向上に貢献してまいります。

▶ダイバーシティ・インクルージョン• すべての人々の人権を尊重するとともに、社会および個人の多様性を踏まえ、誰もが働きがいをもって仕事に取組み、充実した

生活を送ることができる社会づくりに貢献してまいります。▶地域のお客さまが安心して暮らせる社会づくり• 市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力等との一切の関係を遮断するとともに、マネー・ローンダリングやテロ資金供与をは

じめとした金融犯罪防止対策の高度化に努め、お客さまが安心して暮らせる社会づくりに貢献してまいります。

▶地球温暖化・気候変動への対応• 地域社会の環境負荷低減や瀬戸内海をはじめとする郷土の環境保全活動に取組むとともに、お客さまの環境保全に向けた事

業・取組みを支援することで、気候変動リスクの低減に努め、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

1. 地域

2. 高齢化

3. 人権

4. 環境

〈ひろぎんグループ〉SDGs宣言

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サステナビリティへの取組み

気候変動・地球温暖化への対応

広島銀行は、「行動憲章」において「環境保全活動への取組み」を定め、

環境保全を銀行経営の根幹に位置づけるとともに、「環境宣言」および「〈ひろぎんグループ〉SDGs宣言」において、

環境保全に係る積極的な取組みを進めていくことを表明しております。

今後も、地域社会の環境負荷低減や瀬戸内海をはじめとする郷土の環境保全活動に取組むとともに、

お客さまの環境保全に向けた事業・取組みを支援することで、気候変動リスクの低減に努め、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 近年、気候変動に起因する社会変化への対応が国際的にも重要視される中、当行は 2020 年 3 月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言※ 1 に賛同いたしました。 引き続き、気候変動に関する対応強化を図るとと

もに、TCFD 提言をふまえた気候関連のリスク・機会に関する情報開示を充実してまいります。

※ 1「気候関連財務情報開示タスクフォース (TCFD)」提言2015 年 12 月、金融安定理事会 (FSB) は、G20 財務大臣および中央銀行総裁の意向を受け、「気候関連財務情報開示タスクフォース (TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」を設立。2017 年 6 月、企業による自主的な開示を促すための提言をまとめた最終報告書を公表。提言は、金融セクターだけを対象としたものではなく、全ての企業が対象。

気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応

ガバナンス

取締役会、経営会議において、「〈ひろぎんグループ〉SDGs宣言」策定等に際し、TCFDへの対応状況の確認や今後の対応事項の検討等を実施しています。また、経営計画等の策定に際し、今後、銀行経営において起こり得るリスクシナリオとして「気候変動リスク」を挙げ、定量面・定性面における影響度や蓋然性の評価を行っています。

戦略

「〈ひろぎんグループ〉SDGs宣言」において、当行のSDGsにおける優先的取組事項(マテリアリティ)として「環境(地球温暖化・気候変動への対応)」を定め、環境配慮型融資商品をはじめとした付加価値の高い金融サービスの提供を通じて、気候変動リスクの低減に向けた取組みを進めています。

リスク管理気候変動に起因する移行リスクおよび物理的リスクが、当行の事業・財務内容に影響を与えることを認識しております。今後、当該リスクに係る影響を把握・分析するとともに、統合的リスク管理の枠組みにおける管理態勢の構築を検討していきます。

指標と目標 温室効果ガス排出量を算出し、削減に取り組んでいます。(P.40をご参照)

広島銀行 統合報告書 202037

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環境への取組み

事業名 内 容

地域 ESG 融資利子補給事業

地域金融機関のESG融資の促進と、融資先のESG経営への取組促進を目的として、CO2削減効果の高い再エネ・省エネ設備投資に対する融資を対象に、年率1%を上限に3年間利子補給を実施

(環境の要素を含むESG融資の実行目標を100億円として、2020年度も指定金融機関に応募申請中)

地域におけるESG 金融促進事業

地域金融機関のESG融資の促進を目的として、有望なグリーンプロジェクト等の地域の市場調査、将来性・利益性の掘り起こし、支援先におけるESG要素を考慮した事業性評価及びそのプロセス構築等の支援を実施

■環境配慮型ファイナンスの推進 当行は、再生可能エネルギーの活用をはじめとした低炭素社会の実現と脱炭素社会への移行に向け、環境配慮型融資制度を通じた気候変動対策に

資する企業やプロジェクトへの資金支援を積極的に実施しております。

 当行は、グリーンボンドへの投資を通じて、社会貢献活動に積極的に取り組む企業や個人のお客さ

まの支援を図るとともに、社会貢献活動を積極的に推進しております。

 当行は、2019年9月、環境省が実施する「地域ESG融資促進利子補給事業」の指定金融機関および「地域におけるESG金融促進事業」の2019

年度の支援先機関として、中国地方の金融機関で唯一採択されました。

■〈ひろぎん〉太陽光発電向け専用融資制度

■地球環境対応支援制度「エコハーモニー」

金融仲介機能の発揮による気候変動対策への取組み

「グリーンボンド」への投資

■環境省が実施するESG金融促進事業への採択

制度の特長

制度の特長

◎再生可能エネルギー固定買取制度利用者が対象

◎期間 15 年まで対応可能

◎ ISO14001 認定取得企業や「エコ・アクション 21」認証登録企業等の環境負荷の低減を図る企業が対象

◎低公害車の購入、クリーンエネルギー設備の設置、排出権取得資金へ対応可能

0

50

100

150

200

250

300

350

400(億円)

2017.3末 ’18.3末 ’19.3末 ’20.3末

85

61

81

72

69

153

72

322394

223

153146

■環境配慮型ファイナンスの実績

■〈ひろぎん〉太陽光発電向け専用融資制度■ 地球環境対応支援制度「エコハーモニー」

広島銀行 統合報告書 2020 38

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環境配慮型の新本店ビルを建設中

 2021年2月に完成予定の新本店ビルでは、最新の技術を用いることで、省電力や水資源の節約など環境にやさしいオフィスビルを目指しています。

環境負荷の軽減に向けた取組み

BEMS

(WC等)

❷❸

❼❽

❹❻

サステナビリティへの取組み

【新本店ビルの環境配慮計画】

熱❶風の塔(エコボイド・重力換気):建物の四隅にオフィスの重力換気ルートを確保し、風の流れを作り出し、自然換気効果を高める ❷ 空気式放射空調:天井面の温度をコントロールし、快適な空調環境と室内温度緩和 ❸庇による日射遮蔽:外装に細かく配置した庇を設置し、眺望を確保しつつ日射を遮蔽 ❹地中熱利用ヒートホンプ:地中熱利用配管を埋設し、本店エントランスの空調に利用❺BEMS(ビルディング・エネルギー・マネジメント・システム):消費エネルギーの見える化

水❻雨水利用:雨水を植物用の散水や便所洗浄水等の雑用水として再利用

ヒートアイランド抑制❼テラス緑化:低層部と2階テラスを緑化し、潤いを創出しヒートアイランド現象を緩和 ❽ミスト散布:鯉城通りピロティ部分からドライミストを散布し、クールスポットの創出とヒートアイランドを抑制 

広島銀行 統合報告書 202039

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【電力・ガス・コピー用紙の使用量削減推進】 階段の使用励行、両面印刷やNアップ印刷の励行を行い、電力・ガス・コピー用紙の使用量削減に努めています。

【夏季・冬季の室温管理】 夏季・冬季の室温管理により、電力・ガスの使用量削減(CO2排出量削減)に取組んでいます。従事者の身だしなみについて、TPOに合わせて個人の判断により快適な服装を可能としており、空調の設定温度を控えめにする意識も高めています。

【環境に配慮した営業車両の導入】 環境負荷の軽減を目的に、営業車両に低公害車を導入し、温室効果ガスの排出の抑制に努めています。

【エコキャップの回収】 再資源化と発展途上国の子どもたちへワクチンを贈ることを目的に、2010年2月から、エコキャップの回収を実施しています。

2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度

電気使用量(千kwh) 21,113 19,881 20,371 20,559 18,795

CO2排出量(t-CO2) 15,682 14,400 14,631 14,665 13,096

【電気使用量及び CO² 排出量】

環境に配慮したオフィス活動

環境への取組み

 郷土の豊かな自然環境を守り、将来の世代により良く引き継いでいく活動として、2010年から5年間、役職員とその家族で「ひろぎんの里山」(広島県山県郡安芸太田町/3.0ha/約9,000坪)にクリ、クヌ

ギ、ブナ、ヤマザクラの苗木計1,500本の植樹に取り組みました。さらに、2015年からは、これまで植樹した里山の木々を生長させるため、下草刈り等の森林整備を行っています。

 環境保全活動の一環として、2010年から2019年までの10年間、当行研修所「ひろぎんの森」において、新入職員によるサクラの苗木の植樹を実施しました。計60本のサクラの木々は、順調に育っています。

 地方銀行 64 行が加盟する「日本の森を守る地方銀行有志の会」に設立当初から参加しています。本会の活動理念である「次世代へ美しい健全な森林を引き継ぐ」に準じ、今後も豊かな自然を育む活動に継続して取り組んでいきます。

環境保全活動への取組み森林を守る活動

「ひろぎんの里山」 整備活動

広島銀行 統合報告書 2020 40

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サステナビリティへの取組み

私募債(SDGs型)「地域まちづくり貢献型」・「企業SDGs PR型」の受託

 本私募債の発行により、私募債発行額の0.2%以内で地域社会への貢献を目的とした寄付・寄贈や、発行企業さまのSDGsの取組みについてPRを実施します。

〈ひろぎん〉SDGs取組支援サービスの取扱い

 お取引先企業のSDGsへの取組状況を、当行オリジナルのチェックシートにより確認し、結果をフィードバックするとともに、対外PR支援として、“SDGs宣言”の策定を支援する法人向けサービスです。策定した“SDGs宣言”は、ホームページへの掲載等に使用可能なデータにてご提供いたします。

 当行では、地域をより良くし持続的な成長に繋げるために、お取引先のSDGsへの取組みを支援しています。企業にとって社会的要請事項となりつつあるSDGsへの取組みは、事業拡大やイノベーション等のビジネスチャンス拡大に繋がり、人材確保にも

効果的であることから、地域金融機関として、地元企業のSDGsへの取組みを積極的に促進・支援しています。事業活動を通じてESG課題を解決することで、地域と〈ひろぎん〉の持続的成長を実現します。

地元企業の SDGs への取組支援

地域社会・経済活性化への取組み

2019年11月取扱開始~2020年6月末現在の実績 取扱件数45件/金額53.7億円

2020 年 1 月取扱開始~ 2020 年 6 月末現在の実績 取扱件数 68 件

地域まちづくり貢献型寄贈式の様子

美容サロン経営の株式会社マイキット様が、地元の児童養護施設・広島修道院に、小学校を卒業する子どもたちへの卒業旅行を寄贈されました。「本当に必要とされる支援になった」との喜びのお声をいただきました。

企業SDGs PR型 広告の例

広島銀行 統合報告書 202041

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地域・経済活性化への取組み

広島オープンアクセラレーター2019の開催

 広島県内企業の経営資源と全国のスタートアップ企業のサービスを結びつけるオープンイノベーションによる新事業創出に向けた取組みを行っています。2019年度は8つの協業案が採択されました。2020年も2回目を開催しており、7月から参加企業の募集を開始しています。

地域産業との「共通価値の創造」

地元企業顧客基盤や資金等の

経営リソースを提供新規事業創出

全国のスタートアップ

Crewwプラットフォームに4,000社以上が登録

協業アイデア・特徴的な

サービスを提供

プラットフォームを提供

広島県:プログラム実施㈱広島銀行:プログラム実施

Creww㈱:プラットフォーム提供、プログラム実施㈱広島ベンチャーキャピタル:スタートアップへの助言・出資

運営

認定大学

LP

LP出資

認定 支援

GP出資

投資実行

上場、M&A等

認定大学拡大予定

GP

協力VC

広島大学・広島県内大学発ベンチャー支援投資事業有限責任組合

広島県内大学発ベンチャー企業

地域経済発展に資する企業への成長

連携協定

運営ファンドによる投資実行

広島大学初の認定ファンドへの出資 広島大学をはじめとして広島県内の大学、研究機関が有する研究シーズや、研究者・学生等の関係者を起点とするベンチャー企業に対して投資を行い、地域経済の持続的な発展と雇用創出による「地方創生」に貢献します。

 投資先支援の充実を図るため、研究シーズへの投資と事業化支援に豊富な実績を有する京都大学イノベーションキャピタル株式会社の協力を得ることで、革新的な技術を持つ投資先の早期発掘と加速度的な企業価値向上の実現を目指し、広島県内大学における事業化機運の醸成を図ります。 また、本ファンドによる運用収益の一部を広島大学に寄付し、次世代の研究シーズ創出につながる創業エコシステムの環を拡げていきます。

広島銀行 統合報告書 2020 42

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 当行では、従事者一人ひとりが、銀行業務を通じて地域社会に貢献することに意欲と誇りを持ち、主体的に成長し、65 歳まで行内外で活躍できることを目指し、職員の質(スキル・能力)と意識(モチベーション・働きがい)を高め、組織力の向上に資することを目的として人財戦略を展開しています。  具 体 的には、「 中 期 計画2017」の人財戦略にて、

「変化に即応し、地域社会

に価値を創出できる人財の育成」及び「ダイバーシティの推進」を柱とした取組みを進め、従事者の働きがい向上の実現を図っています。

 お客さまニーズを起点としたコンサルティング営業を高度化していくために、若手を中心とした職員

に対して様々な成長支援を行っています。

 中期計画 2017 の人財戦略のなかで、重点項目として「変化に即応し、地域社会に価値を創出できる人財の育成」を掲げています。 当行の経営ビジョン「地域社会との強い信頼関係

で結ばれた、頼りがいのある<ひろぎんグループ>を構築する」を実現するためには、人財育成の強化は不可欠であるとの考えのもと、以下の施策を展開しています。

❷Off-JTの充実 初任者から中級 ・上級者への着実なステップアップを目指し、業務分野別で育成プログラムや研修体系を整備しています。 座学による知識習得型の研修のみならず、グループワークやアクティブラーニングなど、実践的な研修プログラムを積極的にとり入れるなか、研修効果の向上を図っています。

基本方針

人財育成の強化

人財戦略

シアターラーニング:コミュニケーション力向上やチームビルディングのトレーニングを目的とした劇場体験型研修ブラインドサッカー:目隠しをしたサッカーを通じて、相互理解・コミュニケーション力の向上や、一体感の醸成を目的とした研修

アクティブラーニングの具体的事例

1. 若手職員の成長支援による早期戦力化

❶ 若手職員の育成にかかる体系 ・ 制度等の整備 入行から 3 年間は、新入職員を中核人材として育て上げるための重要な育成期間と考えています。 1 年目は、銀行業務の基本的な流れから理解できるよう計画的に複数業務を経験させ、2・3 年目で着実にレベルアップを図るなか中核的なプレイヤーとなれるよう「ジョブローテーションルール」を定めています。

 また、職員一人ひとりが自身のキャリアパスをイメージしやすくし、「専門性の高度化」を実現させるための一助として、業務分野別の「キャリアパスモデル」を示しています。 加えて、組織的に新入職員を育てていくとの考えのもと、「インストラクター制度」を整備し、業務面のみならず、メンタル面や人間力の育成にも努めています。

変化に即応し、地域社会に価値を創出できる人財の育成

『働きがい』の創出

全従事者の『プロ』意識の醸成

多様な人財が特徴を最大限活かし活躍できる環境づくりの推進(ダイバーシティの推進)

全従事者の『強み』の発揮

「働き方改革」の推進『働きやすい』職場の実現

サステナビリティへの取組み

広島銀行 統合報告書 202043

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ビジネス・銀行員の基本を身につけ、組織の一員(戦力)となる

独力でやりきり、成果を生み出す力を身につける

創意工夫を凝らし、自ら定めた高い目標を達成できる

入行 1年目(新入職員)

営業事務(~ 6月)

入行 2年目 入行 3年目

バンキング業務エリアリテール担当・融資(コンサルティングアドバイザー)

アセットマネジメント業務 コンサルティングアドバイザー・(エリアリテール担当)

極力、両業務に配置

業務 受講者数バ ン キ ン グ 110 名個 人 ロ ー ン 66 名アセットマネジメント 116 名

合 計 292 名

マイスター分類 受講者数バ ン キ ン グ 業 務 48 名コ ン サ ル テ ィ ン グ 9 名アセットマネジメント業務 42 名

合 計 99 名

2019年度認定者23名5 名

22 名50 名

人財戦略

■ 2019 年度新入職員における入行 3 年間の育成体系(ジョブローテーションルール)

■各業務に対応した担当者向け研修体系(2019年度)

■ 2019 年度における受講者数等・初任者育成プログラム ・マイスター必須研修 ・マイスター認定者数

バンキング  

 フォロー研修(振り返り・マインド強化)

 新入職員導入研修(銀行業務全体像・社会人基礎力・マナー・各業務基礎)

営業事務

共通

アセットマネジメント

入行 1年目(新入職員)

検印補佐レベルアップ

入行 2~ 4年目 入行 5年目以降 目指す姿

検印補佐認定

外為業務担当者

外為相談窓口担当者

国際業務 アドバイザー

上級役席補佐

国際業務アドバイザー養成

新任 AR

アセットマネジメント業務(資産運用)

アセットマネジメント業務(相続コンサル・不動産活用)DMセンター研修

個人ローンセンター研修

アセットマネジメント業務(保険コンサルティング)

アセットマネジメント業務(相続基礎)

事業保険基礎

役席補佐認定

FP上級・FP1 級知識習得

AR フォロー

カウンセラーバンキング

法人営業部トレーニー

法人向け AM 業務

遺言信託担当者・相続

コンサルティング

法人スキルアップ・事例研究

個人ローン・個人ローンの基本

バンキング・融資の基本・事業性評価

初任者育成プログラム

初任者育成プログラム

アセットマネジメント・金融商品基礎・相続対策

融資トレーニー初級(短期)

マイスター必須研修

事業性評価(FP・法務・

財務 2 級)

FP 実践力強化(FP1 級・法務・

財務 2 級)

アセットマネジメント上級

(FP2 級)

マイスター

コンサルティングマイスター

バンキング業務

マイスター

アセットマネジメント

業務マイスター

広島銀行 統合報告書 2020 44

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一般行員 監督職 管理職

C6, 7C6, 7 C5 C3, 4 C3, 4 C1, 2

職位

資格

上級 実践

選抜

監督職エントリー 新任監督職

監督職マネジメント

マネジメント力アップ

管理職エントリー 新任管理職

法人向けアセットマネジメント

新任支店長 新任支店長フォロー

部店長マネジメント

全体(階層別)

金融商品営業責任者・顧客保護管理・法令等遵守体制

支店長向けコンサルティング

強化・アセットマネジメント業務マネジメント力強化

新任融資責任者・必要な業務知識

責任者バンキング・融資推進

事業保険上級

コンサルティング能力強化

(バンキング)・事業性評価

・コンサルティング営業

コンサルティング能力強化

(アセットマネジメント)・アセットマネジメント業務マネジメント力強化

営業責任者・事務処理体制強化、事務厳正化

新任渉外責任者・必要な業務知識

新任営業責任者・必要な業務知識

融資

渉外

営業

全体(業務選択)

中級

「ひろぎん経営塾」 ~一貫したトレーニングの実施とキャリアに応じた配置に基づき経験を積ませる~

選抜 選抜 選抜

❸ 学びの機会創出 土曜日開催の自由参加型セミナー「フリーカレッジ」の開催や自宅のパソコンやスマートフォンでの学習を可能とする「自宅学習サポートシステム

@ Home-Web(アットホームウェブ)」を導入するなど、学べる環境を整えるなか、職員の自己研鑽を促しています。

 金融を取り巻く環境が益々高度化していくなか、お客さまのご要望にしっかりとお応えしていくためには、職員一人ひとりの専門性を高度化していく必要があるとの考えのもと、担当者の業務スキルの最終

ゴール(目標)として「マイスター認定制度」の制定や、国内外の経営大学院(ビジネススクール)への積極的な派遣など、様々な取組みを行っています。

2. 専門性の高度化

 当行では、将来の経営者候補育成として、慶應義塾大学大学院ならびに株式会社グロービスの協力のもと、「ひろぎん経営塾」を実施しており、経営戦略や事業変革等を考える上での「経営者としての思考力」の強化を図っています。

 リーダーシップ・マネジメント論やビジネスフレームワークを具体的なケースを用いるなかで学び、最終的に経営への提言を行うプログラムを実施しています。

3. 将来を担う経営者層の育成(将来に亘るガバナンスの強化を目指して)

■マネジメント層(管理職 ・ 監督職)における研修体系(2019 年度)

サステナビリティへの取組み

広島銀行 統合報告書 202045

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人財戦略

 時代の変化に伴い変革し続ける力は、企業の永続的な成長において欠かすことのできない要素です。変革は、多様な視点・価値観を持つ一人ひとりの従事者が、自らの意志や気付きをもとに能力を発揮することで実現します。そのために必要なのは、多様な人財がイキイキと働き続けることができる環

境と職場風土です。 当行では『中期計画2017』において「ダイバーシティの推進」を主要な人財戦略の一つに据え、1.多様な価値観やスキルを保有した専門人財の採用 2.女性のキャリアアップ支援策の実施を行なっています。

 現在、当行の新卒採用における男女比はほぼ半々です。入行者の約半数を占める女性職員が、結婚・出産・育児・介護等、様々なライフイベントと仕事を両立し活躍し続けるために、制度の構築や学びの機会の充実を図っています。

ダイバーシティ&インクルージョン

レベル 主な内容 講師 受講者数

中級□リーダーシップ応用□人財育成・質問力□主体性を促すファシリテーション

株式会社グロービス

19名

上級 □経営戦略□テクノベート・ストラテジー 24名

実践□リーダーとしての志 ・ 人間力□組織改革□事業革新による競争優位の

獲得

慶應義塾大学大学院付属ビジネス・スクール 18名

合計 61名

研修名 対象者 開催頻度 受講者数

新任管理職研修 管理職昇進者 年 2 回 41 名

新任支店長研修 新任支店長 年 2 回 15 名

新任支店長フォロー研修

新任支店長の着任後3ヶ月経過時点

年 1 回 (注1) 20 名

部店長マネジメント研修 全部店長 年 1 回 178 名

■2019年度における選抜型研修「ひろぎん経営塾」の実施状況

■過去 3 年間のキャリア採用実績

■ 2019年度における管理職向け階層別研修の実施状況

 人事制度の目的である、従業員の質と意欲を高めるためには、公正な評価に基づく公平な処遇と評価のフィードバックによる育成が必要です。 そのため、当行では、「ミッション」及び「評価基

準」を明確にするとともに、目標管理に基づく成果評価と行動評価を組み合わせることにより、成果と能力のバランスをとり、処遇に反映しています。

4. 公正な評価処遇

 IT人財や弁護士等専門スキルを持った人財を中心に、毎年10名前後のキャリア採用を実施しています。入行した後も離職することなく能力を発揮できる環境を整備するため、毎年「キャリア採用者との懇話会」を開催し、彼らの声を吸い上げると共に、キャリア採用者同士のネットワーク構築を支援しています。

1. 多様な価値観やスキルを保有した専門人財の採用

2. 女性のキャリアアップ支援策の実施

区 分 2017年度 2018年度 2019年度

本部専門人財 7 名 8 名 8 名

営業店即戦力人財 3 名 2 名 2 名

※各研修にて、マネジメント力の強化、人事管理、コンプライアンスの徹底、ハラスメント絶無等の講 義を実施(注1)例年年2回開催しているが、2019年度下期は新任支店長の人数が些少であったため開催せず

広島銀行 統合報告書 2020 46

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キャリアアップのための学び・交流の機会 女性が様々なライフイベントを乗り越え、自分らしくキャリアを構築していくために、キャリアステージ・ライフステージごとに気付き・学びと交流の機会を用意しています。

 出産・育児を迎えると、それまでのように仕事ができなくなることから、自信を失いキャリアを諦めてしまうケースが少なくありません。そうした事態を防止するために、当行ではライフイベントを迎える前の若

■ 広島銀行の両立支援制度

※■■■は法定どおりの内容 ※この養育を目的とした6時間、7時間の選択は、対象となる子一人あたり通算5年半(2010日)まで

【両立支援制度】 「結婚をしたので一緒に生活をしたい」「子供に転校をさせたくない」「介護のために親の近くにいたい」などといった生活の変化に伴うニーズに応えるべく、当行では勤務地域を限定するコースを用意しています。また、入行後のコース転換も可能であり、まずは地域を限定せず多様な経験を積み、家族の近くにいる必要が発生した際には地域を限定するなど、柔軟な働き方を実現できる仕組みが整備されています。 育児や介護と仕事の両立についても、法定以上の制度を整備しています。例えば、産前休暇については遠慮することなく休めるよう6週間(多胎妊娠の場合は14週間)の取得を義務付けています。また、短時間勤務は6時間・7時間・8時間から選択可能で

す。更に、復帰後に活用できる認可事業所内保育施設を広島県と共同で構えています。介護についても、介護休業や介護休暇、介護による短時間勤務制度を整えています。 こうした制度の趣旨をしっかりと伝え、最適な活用を促すために、産休に入る前の職員向けに制度レクチャーを実施しています。また、育児休業や短時間勤務制度利用者向けに、両立支援セミナーを実施し、同じ悩みを抱える仲間との交流を促し、共に学びあうよう支援しています。こうした取組みの結果、出産を理由とした退職はほぼ皆無となり、2019年度には新たに65名の職員が育児休業を取得しております。

休暇・休業

勤務軽減

手当て等

産前産後休暇

短時間勤務

結婚祝金

コース転換基本エリア変更

コース転換基本エリア変更

出産祝金

通勤緩和、勤務時間内通院 始業終業時刻の繰上げ繰下げ

短時間勤務※

時間外勤務の免除

時間外勤務の制限 (月24時間・年150時間)

深夜勤務の免除時間外勤務の制限深夜勤務の免除

コース転換・基本エリア変更

短時間勤務

介護・看護休暇(年間 5 回)(家族の介護および看護 ( 配偶者の出産含む ) に利用)

ケアキュア休暇(年 7 日間) ※半日取得可

育児サービス利用補助(1 人あたり 5 千円~ 30 千円)

育児休業 介護休業 (1 人につき通算365日)

2016 年 3月、広島県との認可事業所内保育施設の共同利用を開始

結婚 出産妊娠 1歳 2歳 3歳産前6週間

産後8週間

小学校入学

小学校6年生

介護

サステナビリティへの取組み

広島銀行 統合報告書 202047

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人財戦略

手職員に中長期的なキャリアを考える機会を提供しています。更にその次のステージでは、管理監督職を展望してスキルアップや意識を高めるための機会を、管理監督職に対しては相談できる同性のつながりを持てるよう交流の機会を提供しています。 このような取組みを通じ、当行の女性管理監督職

数は現在172名(全管理監督職の12.5%)と、5年前の1.9倍にまで増加しました。 今後は更に、性別による固定的な役割意識の払拭や、積極登用ポストの検討等を進めていく予定です。あわせて、LGBT理解促進等、ジェンダーダイバーシティに配慮した取組みも検討しております。

管理監督職中堅育児中出産前入行3年目

中長期的なキャリアを考えるセミナー

産前産後に使える制度と活用方法の レクチャー

短時間勤務等の制度利用者同士の交流イベント

女性管理監督職同士の交流イベント

・スキルアップ セミナー・異業種交流

男性 女性

管理職 544 名 12 名

監督職 786 名 50 名

一 般 1,074 名 1,298 名

男性 女性

管理職 535 名 19 名

監督職 670 名 153 名

一 般 1,039 名 1,227 名

配属 職務 仕事内容 特徴

ワークサポートセンター 庶務 手形・名刺印刷、封入・発送業務、書類の仕

分け・発送、印刷業務等

障がいを持った方が安心して働けるよう、バリアフリー・休憩所の整備等、充実した環境を整備

総務課 清掃庶務 本店内の清掃 聴覚障害やその他、障がいを持った方が

チームになって活動

営業店 庶務 ロビーでのご案内、店舗内外の清掃、駐車場の整理等

自宅から通えるよう、各地の支店で採用を実施

事務センター 庶務 データ入力業務(税金、為替振込等) データ入力業務が初心者でも出来るよう指導体制の充実

■ 従事者数(男女別)2010 年 4 月 1日現在 2020 年 4 月 1日現在

 当行では「障がい者の自立生活を支援する」という社会的使命を踏まえ、積極的な雇用を実施しております。単なる「社会参加の場」ではなく、「人生の充実感・働きがいを感じてもらえる職場」を目指し、障がいの種類やご本人の適性に合った仕事・職場環

境を整えており、フォロー体制も充実させることで、離職の防止にも努めています。2020年6月1日現在の雇用率は2.2%であり、法定雇用率を達成しております。

※その他、障がい者の方の特性に合わせ、本店各部で職務開発を実施中。

3. 障がい者雇用

広島銀行 統合報告書 2020 48

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■ 具体的な取組み

0

5

10

15

20

2015

15.1213.88

12.2811.13 10.33

2016 2017 2018 2019 2020

2020 年度目標10 時間以内

(時間)

0

5

10

15

2015 2016 2017 2018 2019 2020

10.1 10.112.1 12.7

10.0

(日数)

2020 年度目標13 日以上

■ 一人当り月平均時間外勤務時間数 ■ 一人当り平均有給休暇取得日数

風土の改革  ・従業員の「成果評価」「行動評価」へ「労働生産性向上への取組み状況」を追加

業務の改革 ・電子決裁ワークフローの導入・会議ペーパーレス化の実施 ・店頭タブレットの導入・リモートワークの試行

制度の改革 ・36 協定特別条項申請時の上限時間の引き下げ  ・勤務間インターバル制度(11 時間)の導入 ・フレックスタイム制におけるコアタイムの廃止(2019 年 4 月より)

風土の改革

業務の改革

制度の改革

サステナビリティへの取組み

 当行では、多様な人財が働きがいを持ち、活き活きと働くことが、お客さまへの付加価値の高いサービスの提供へつながると考え、働き方改革を「中期計画2017」の3本柱の一つとし、組織風土の醸成に取り組んでいます。 また、働き方改革を強力に推し進めるため、2017年10月に頭取を本部長とする「働き方改革推進本部」を立ち上げました。「風土の改革」、「業務の改革」、「制度の改革」を働き方改革の柱として据え、バランスを意識した改革を進めております。「業務の改革」「制度の改革」を通じた、従事者の意識・行動の変革による「風土の改革」、また、「風土の改革」を通じた、さらなる「業務の改革」「制度の改革」を意識し、

各改革の相互連携により、従事者の働きやすい職場環境作りを進めています。 これらの取組みの結果として、時間外勤務時間数は2015年度からの5年間で32%減少しました。また、有給休暇の平均取得日数についても、5年間で10日から12.7日まで増加しました。 また、このような取組みが評価され、2017年9月に、

「第1回広島県働き方改革実践企業 」に認定されました。 引き続き、働き方改革の推進により、従事者の働きがい向上へ努め、付加価値の高いサービスの提供へつなげてまいります。

働き方改革

広島銀行 統合報告書 202049

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 従事者およびその家族の心身の健康保持・増進が企業の持続的な成長に不可欠であるとの認識のもと、2018年8月に「広島銀行健康経営宣言」を策定。取組みの方向性を定めた指針に基づき、頭取・人事担当役員の指揮命令の下、人事総務部と社内外の関係機関・団体が相互に連携し、体制の運営・

推進を図っています。重点取組項目として「健康保持・増進への取組み」、「明るく働きがいのある職場づくり」、「地域社会への密着と貢献の推進」を掲げ、健康経営の実現に向けて活動しています。 活動の結果として、2020年3月に「健康経営優良法人2020(ホワイト500)」に認定されております。

社員の健康

健康保持・増進への取組み 産業医や健康保険組合との連携による健康管理・相談体制の整備に注力するとともに、人間ドックやがん検診の受診勧奨を精力的に行っています。人間ドックは特別休暇を取得して受診できることに加え、一定の年齢に達した被保険者の人間ドック受診費用や乳がん・子宮がん検診費用を全額補助するなど、サポート体制も充実しています。 改正健康増進法への対応として、2020年4月よ

り敷地内禁煙となるにあたり、喫煙者の禁煙支援促進を支援するため、広島銀行健康保険組合において、2019年10月1日から「禁煙費用補助制度」を新設しました。 健康保持・増進に向けた取組みを推進するため、広島国際大学と健康に関する協定書を締結しました。

明るく働きがいのある職場づくり ワークライフバランスの考え方を重視し、働き方改革に積極的に取り組んでいます。長時間労働の削減を目指し、勤務間インターバル制度を導入。原則として終業から始業までの間に11時間の休息を取ることをルール化しました。早仕舞いの風土を醸成するとともに、真に必要な業務に集中して取り組む意識が浸透しつつあります。一方で職場内コミュニケー

ションの活性化を目的とした費用補助制度を設けて社内のレクリエーション活動を推奨したり、全従事者を対象としたスポーツ大会を毎年開催するなど、生産性の向上と職場環境の改善の両立に向けた施策を展開し、働きがいのある職場づくりを実践しています。

地域社会への密着と貢献の推進 2015年5月に地域の事業所の健康増進と発展に寄与することを目的に全国健康保険協会(協会けんぽ)広島支部と業務連携し、健康づくり支援に本格的に取り組んでいます。本業を通じた健康投資の拡

大に向けた取組みの一環として、「〈ひろぎん〉健康経営評価融資制度」を創設。地域の中小企業等へ積極的に提供することで社員の健康増進に向けた取組みを促し、普及・拡大に努めています。

人財戦略

広島銀行 統合報告書 2020 50

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 多様化する個人の価値観やライフスタイルの変化を尊重し、広島銀行では従業員一人ひとりが主体的にキャリアパスを描き、理想の働き方を実現するための制度や研修体系を整備しており、働きがいのある企業風土の醸成に努めています。 また、「専門性を高め、活かすことのできる制度の構築」「能力・スキルの適材適所での発揮」などを目的として、2020年7月に人事制度を改定しました。自らの適性に応じ、BK業務フィールドとAM業務フィールドのいずれかを選択し、その業務フィールドの中で専門性を高めるように改定するとともに、IT分野やマーケット分野等の特定の分野で、専門性をより高めることを追求することが可能となる、コース区分別の人事制度を採用しております。 従業員が持てる能力を最大限発揮し、モチベーション高く働くためには、各人の事情や意欲をくみ取るきめ細かい配慮が必要となります。広島銀行では勤務地域や職務を限定するコースや短時間勤務制度を設けており、従業員が身体的・経済的負担の程度に応じた働き方を選択することが可能です。また、キャリアパスの実現に向けて各人が希望のポストにチャレンジで

きる「ポストチャレンジ制」や、自分自身の頑張りにより希望の部署に挑戦することができる「ドリームチャレンジ」などの制度を用意しており、従業員のチャレンジ精神の醸成を図っています。 多様な働き方を実現するためには部店長をはじめとした周囲の理解が不可欠となります。階層別研修や支店長会議等を通じて地道に意識改革に取り組み、時間をかけて環境整備を進めており、各人のチャレンジを後押しする風土の醸成に力を入れています。 「褒める」とは「ヒト・モノ・出来事」の価値を発見して伝えることであるとの認識のもと、当行では「果敢にチャレンジする風土」や「褒める文化」の定着を目指しています。 また、活気ある職場・組織風土の創造を目的として、管理・監督職向けのコーチング研修やハラスメント研修を実施しております。さまざまな意見を取り入れた上で施策を導入するため、従業員組合との対話を重視しており、2019年度は30回実施しました。なお、広島銀行の職員のうち従業員組合への加入率は、2020年3月末時点で58%を占めています。

企業風土の醸成

サステナビリティへの取組み

ドリームチャレンジチケット交付式

広島銀行 統合報告書 202051

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人財戦略

 銀行は、日常業務における取引を通じて、多くのお客さまと深い関わりを持っています。 それにより、従事者一人ひとりの言動が、お客さまや社会に対して大きな影響を及ぼす可能性があることから、当行においては、人権の尊重を念頭に置い

て経営・業務を行うことは、企業の社会的責任(CSR)の一つであると考えています。 また、当行では、企業と人権の関わりを考えるうえで、「同和・人権問題」は重要な問題と位置付けております。

人権

1. 倫理規程の整備

 広島銀行ならびに全従事者の行動基準を明らかにして、信用の基礎となる企業倫理の確立を図り、銀行の社会的責任と公共的使命を果たすことを目的として、当行では「倫理規程」を制定しております。 近時のSDGs/ESGへの関心の高まりや、それらへの対応を進めるために、2018年12月に「倫理規

程(広島銀行の行動憲章)」を改正しました。 企業は、より幅広い視点から人権侵害をなくすための取組みが求められており、当行としても広く人々の人権を尊重する必要があることから、「広島銀行は、すべての人々の人権を尊重する」との条文を新設しました。

2. 定期的な啓発活動の実施

 入行時や、昇進昇格といった節目となるタイミングでの研修時、ならびにスタッフ採用時研修やキャリア採用(中途採用)研修において、「同和・人権問題」に関する講義を実施するなど積極的に取り組ん

でいます。 また、研修時の啓発に加え、毎年一回「同和問題職場学習」として、行内のe-ラーニングを利用し、従事者全員に対し啓発活動を行っております。

3. 同和問題への取組み

 当行では、同和問題への対応を、人権啓発推進のなかでも特に重要なテーマとして捉えております。 「同和問題の正しい理解と認識を深め、企業の社会的責任を遂行する」ことを目的として、1977年に

人事総務部担当役員を委員長とする「同和問題啓発推進委員会」を設置し、偏見や差別の根絶に向け取り組んでいます。

4.セクハラ・パワハラ等、各種ハラスメントの防止 当行では、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントといったハラスメント行為は主要な厳禁行為として防止に努めています。 ハラスメント行為の未然防止に向け、毎期初に実施している全店支店長会議のなかで啓蒙を図っているほか、同行為の早期発見に向け、定期的に全従事

者を対象とした「無記名アンケート」を行っています。 また、ハラスメントが発生した場合の相談・苦情については、本店部内及び外部弁護士事務所に「ホットライン」を設置しており、加害者には厳正な対処を行っています。

5. 公正な採用選考 当行では、性別・学歴等の属性ではなく、人物重視の採用活動を行っております。エントリーシート  での選別は一切行わず「全員に会う」ことをモットーとし、面接によって適性や意欲を見極めております。

■ 過去 3 年の男女別採用数

入行年度採用数

合計 男 女

2018 175 名 88 名 87 名

2019 166 名 84 名 82 名

2020 114 名 61 名 53 名

広島銀行 統合報告書 2020 52

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サステナビリティへの取組み

 地元金融機関として、地域社会とのふれあいを大切にしたいとの思いから、地域のさまざまなイベントへ積極的に参加しています。

 広島市内での「ごみゼロ・クリーンウォーク」や「クリーン太田川河川一斉清掃」など、地域の清掃活動に、従事者とその家族が参加しています。ま

た、地域の皆さまへの日ごろの感謝の気持ちを込めて、店舗周辺の清掃活動にも積極的に取り組んでいます。

 原爆被災により、焦土の中で水を求めながら亡くなられた多くの犠牲者の慰霊と恒久平和への祈りを込め、1964年11月に、広島平和記念公園に「祈りの泉」を建設し、広島市に寄贈しました。2018年には創業140周年記念事業の一環として、全面リニューアル工事を行いました。

 また当行では、原爆により亡くなられた方々をはじめ、当行の発展の礎となられた諸先輩方の偉業を称え、1968年に原爆物故者慰霊碑を建立し、毎年8月6日には役員をはじめ、OBや従事者が参拝しています。

地域との交流イベントへの参加

清掃活動

平和都市への貢献

ひろしまフラワーフェスティバル「花の総合パレード(折りづるみこし)」

ごみゼロ・クリーンウォーク

平和記念公園噴水池「祈りの泉」

新入職員による清掃活動

原爆物故者慰霊碑

ひろしまフラワーフェスティバル「きんさいYOSAKOIパレード」

福山ばら祭「ローズパレード」 三原やっさ祭り

コミュニティへの価値提供

広島銀行 統合報告書 202053

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コミュニティへの価値提供

 地域の未来を担う若い世代の皆さまに、生活になくてはならない「金融」をもっと身近に感じていただくため、さまざまな金融教育を実施しています。 小学生を対象とした「〈ひろぎん〉キッズ・マネースクール」では銀行内の見学や、お金の大切さと正しい使い方を学ぶ講義を、中学・高校生を対象とした「職場体験学習」では、金融の仕組みや経済情勢等を学ぶ講座を実施し、「金融リテラシーの向上」に資する機会を提供しています。 また、地元の大学に当行の役員や各分野の担当者が出向き、出張講座を行っています。金融の仕組みから、銀行の金融商品やサービス、当行の経営戦略等について、これから社会人となる学生の皆さまに向けた講義を実施しています。

 甚大な被害をもたらした「平成30年7月豪雨」からの復興に向けて、地域金融機関として以下の対応を行いました。《義援金》広島銀行及びグループ会社による寄付、役職員による寄付《お客さまからの義援金の受付》《対策推進本部の設置》《地域の被災者への支援対応》①便宜的対応 ②「災害復旧特別融資」の創設 ③「大雨災害に対するご相談窓口」の設置 ④ 保険契約での災害救助法適用地域の特別取扱い ⑤ 被災者の貸金庫利用時の手数料免除 ⑥「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」への対応 ⑦ 被災者へのお見舞い、救援物資等の提供 他

《ボランティア》 被災地への従事者派遣 延べ約300名《西日本豪雨復興支援ファンドの設立》 本ファンドは、被災地域の主要な金融機関が連携することにより、被災地域全域をカバーし、被災された事業者の皆さまの事業継続や再開、再建を支援してまいります。

 1994年から毎年、広島県内の児童養護施設にクリスマスプレゼントを贈呈しています。  加えて2007年からメットライフ生命保険株式会社と共同で、次世代を担う子どもたちが平等な教育・社会参加ができ健やかに生まれ育つ環境を作るために、社会福祉法人として組織化されている児童養護施設や乳児院、里親会への寄付金の贈呈を行っています。

金融教育の支援

福祉・ボランティア活動

金融教育の実施

平成 30 年 7 月豪雨への対応

福祉活動

広島銀行 統合報告書 2020 54

Page 56: HIROGIN INTEGRATED REPORT 〈ひろぎん〉レ …...当行は、1945年(昭和20年)8月6日の原爆投下から僅か2日後 の8月8日に、日本銀行に営業室を借り受け、営業を再開しました。お

サステナビリティへの取組み

 創業100周年を迎えた広島銀行が、地域とともに歩んだ歴史の記念事業として、1978年11月に設立したものです。1945年8月6日の原爆により廃墟と化した広島の人々の心のやすらぎの場となることを願

い、“愛とやすらぎのために”をテーマに、香り高い美の殿堂として誕生しました。今日の広島の礎となられた原爆犠牲者の方々への鎮魂の祈りと平和への願いがこめられています。

●所蔵品 ドガ・モネ・ルノワール・ゴッホ・ピカソなど、19世紀半ばのロマン派からエコール・ド・パリまでのフランス印象派を中心とするヨーロッパ近代美術作品や、日本画を含む明治以降の日本近代美術作品、合わせて約300点を所蔵。所蔵作品の中から約80点を通年展示しています。

 その他にも、地元の女子サッカーチーム「アンジュヴィオレ広島」や、プロバスケットボールチーム「広島ドラゴンフライズ」の支援も行うなど、スポーツによる地域の活性化に貢献しています。

 広島三大プロである、広島東洋カープ、サンフレッチェ広島、広島交響楽団の支援を行っています。地元企業合同での応援観戦や、スポンサード・ゲームの開催、広島交響楽団による「〈ひろぎん〉トゥモロウコ

ンサート」などを実施しています。 また2019年度からは、“次世代育成”の観点から、広響と高校生が共演する機会を提供する「〈ひろぎん〉夢・未来コンサート」を開催しています。

文化・スポーツの振興ひろしま美術館

広島三大プロの支援

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コミュニティへの価値提供

・「融資相談窓口(休日含む)」の設置・ GW期間中の休日融資相談窓口の設置 ・「新型コロナウイルス対応特別融資」 (上限10億円、据え置き期間最大5年)の取扱い・お取引先に対する商品販売支援即売会の実施

・実質無利子融資制度の取扱い・融資関連手数料の一部無料化 (融資条件変更手数料等)・お取引先(購入希望先)の紹介・〈ひろぎん〉ビジネスWEBサービス 新規ご契約者さま向け料金優遇

・全店にアクリル板・ビニールシートを設置・営業店内備品等の定期的な消毒・営業日、営業時間の短縮および臨時休業の実施・最小限の人員による業務運営の実施(昼休業の導入)・時差出勤・リモートワーク促進・本部でのスプリットオペレーション(分散勤務)実施

・医療態勢の強化や企業支援等に幅広く役立てていただくため、広島県に1千万円の寄付を実施

・広島県にマスク・レインコート・防護服を寄付

・リモートでの新入職員研修の実施・本店来行予定者とのテレビ会議システムの利用(決算発表やIRなどもテレビ会議で実施)・医療・福祉関係者への感謝の意を込めて「フライデーオベーション」を実施

引き続き、お客さまや従事者の健康と人命保護を最優先とするなか、「新しい生活様式」を念頭に、飛沫感染予防やリモートワーク等を行い、社会機能維持に不可欠な金融インフラとして業務を継続し、地域の経済活動をサポートしてまいります。

 新型コロナウイルス感染症の流行が全国に拡大するなか、当行は社会機能の維持に不可欠な公共機関として、お取引先の資金繰り支援を始め、経済活動をサポートする役割を担っており、業務継続を基本として

対応してきました。何よりも「お客さまおよび従事者の健康と人命保護」を最優先とし、地域金融機関として何ができるのかを常に考え、対応を行っています。

新型コロナウイルス感染症への対応

お客様へのご支援

お客さま・従事者の安全・安心のため

寄付

その他

広島銀行 統合報告書 2020 56

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(1)株主の皆さまの権利を尊重し、平等性を確保するとともに、権利行使に係る適切な環境を整備します。(2)企業の社会的責任(CSR)への取組みを強化するとともに、地域社会、お客さま、従業員等の全てのステークホルダーとの適切な協

働に努め、その権利や立場を尊重する企業文化・風土を醸成します。(3)ディスクロージャーの充実による適時適切な情報開示を通じて、経営の透明性を確保します。(4)取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、業務執行の実効性の高い監督と迅速な意思決定を行います。(5)株主の皆さまとの建設的な対話を行い、適切な対応に努めます。

基本的な考え方

ガバナンス強化への歩み

社外役員の推移

コーポレート・ガバナンス体制の概要

コーポレート・ガバナンスサステナビリティへの取組み

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

社外役員比率■社外取締役 ■社外監査役

(単位:名)

18.8% 20.0%25.0% 25.0%

33.3%40.0% 40.0% 40.0% 40.0% 42.8%

3 3 3

1

3

1

3

2

33 33 33 33

2020年

33

・社外取締役(女性)を 1名選任・取締役会の員数削減・ 任期1年化・取締役の業績連動型 報酬の見直し・執行役員制度の見直し

・報酬・指名諮問委員会 の設置

・社外取締役1名増員 ・取締役・執行役員に対 する株式報酬制度(BIP 信託)導入

2015 年 6月 2015年 12月 2016年 6月 2017年 6月

 当行の取締役は、社外取締役3名を含めた9名で構成し、経営の意思決定、業務執行の監督という位置付けから、取締役会を原則月1回開催しています。また、取締役会で決定した基本方針に基づく経営全般の重要事項を協議決定する機関として、会長・頭取の

ほか各部門の担当役員をメンバーとする経営会議を設置し、原則週1回開催しています。加えて、取締役会の基本方針に基づく重要な貸出案件について協議決定する機関として、会長・頭取のほか審査部門等の担当役員をメンバーとする審査会を設置し、原則週1回

 当行は、社会的責任と公共的使命を果たすなか、経営の健全性、効率性及び透明性を高めることで、ステークホルダーであるお客さま、株主の皆さま等から高い評価と揺るぎない信頼を確立し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。 そのため、株式会社東京証券取引所による「コーポレートガバナンス・コード」の趣旨・精神を尊重し、実効的なコーポレート・ガバナンスの実現に向け、次の5つの基本方針を掲げて取組んでまいります。

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コーポレート・ガバナンス

開催しています。なお、当行は、定款において、取締役の員数を15名以内とし、年度ごとの経営責任をより明確にするとともに、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制を構築するため、任期を1年としています。 社外取締役は、取締役会において、内部監査、監査役監査及び会計監査の結果並びに内部統制部門からの統制状況に係る報告を受け、社外の視点から経営監督を行う役割を担っています。特に、内部監査部門及び内部統制部門からは、取締役会議案及び報告資料の事前説明を詳細に受け、事前説明又は取締役会の場で、適切な提言・助言を行うなど、社外取締役による経営監督機能の実効性の向上に努めています。 当行の監査役は、社外監査役3名を含めた5名で、監査役会

は、毎月1回に加え、適時開催しており、各監査役は、取締役会等に出席し、経営の意思決定に際し、適切な提言・助言を行っています。 社外監査役を含む各監査役は、内部監査部門あるいは会計監査人と積極的に意見及び情報の交換を行うほか、内部監査部門の営業店監査や会計監査人の往査に立ち会うなど、緊密な連携を図り、効率的な監査の実施に努めています。加えて、各監査役は、内部統制部門から、内部統制システムにおける各体制の整備状況及び各体制の実効性に影響を及ぼす重要な事象について、対応状況を含め定期的又は随時に報告を受け、必要に応じて説明を求める、又は助言、勧告を行うなど監査役の立場から内部統制システムの整備・強化に努めています。

 当行では、以下の理由・目的から、監査役設置会社形態を採用し、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。

現状のコーポレート・ガバナンス体制を選択している理由

(業務執行・経営の監視の仕組み)

※上記のほか、取締役を兼務しない執行役員16名(2020年6月25日現在)を取締役会で選任し、業務を執行させております。

選任・解任監査役会

監査役 5名(うち社外監査役3名)

株主総会

取締役会取締役 9名

(うち社外取締役3名)

経営会議 審査会

選任・解任

会計監査人有限責任 あずさ監査法人

・銀行業務・銀行経営に関する専門的知識や豊富な経験を有し当行の業務の運営・執行状況を詳細に把握している社内取締役が、取締役会の構成員として、経営上の意思決定や他の取締役の職務執行状況を監督する体制が、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応し、業務の適正を確保していくうえで重要であること

・監査役会を設置し、社外監査役を含めた監査役が、取締役の職務の執行を監査していくことが、経営監視機能として有効であること

・独立性の高い社外取締役及び社外監査役が、それぞれ中立の立場から公正かつ客観的な経営監督機能及び監査機能を発揮し、取締役の職務の執行状況や内部統制の運用状況などについて、適切な提言・助言を行っており、経営監視の面で十分な体制が整備されていること

なお、持株会社体制移行(2020年10月1日予定)後、持株会社は、グループガバナンスの強化という設立趣旨に鑑み、監査等委員会設置会社形態を採用し、コーポレート・ガバナンスの強化に努めてまいります。

取締役会の構成、機能等 取締役会は、中期計画策定などの経営の重要な意思決定を行うほか、実効性の高い経営監督機能を発揮するため、取締役会の全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性を重視し、当行の業務に精通した社内取締役と、専門分野での豊富な経験、幅広い知見を有する社外取締役で構成しています。なお、会

社法で定められた社外取締役の要件及び株式会社東京証券取引所が定める社外役員の独立性基準に基づいて、独立役員である社外取締役を選任しています。 そのなかで、取締役会は、年度毎に、業務の適正を確保するための体制の整備・運用状況について報告を受け、適切に整

(2020 年 6 月 25 日現在)

広島銀行 統合報告書 2020 58

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取締役会の実効性の分析・評価 取締役会は、内部統制システムの整備・運用状況について、事業年度ごと年度末に報告を受け、その実効性に問題のないことを確認しております。 なお、次の取組みにより、取締役会の実効性の向上に努めております。

 また、当行では、事業年度ごと年度末に、取締役及び監査役の自己評価をベースに、取締役会の実効性について分析・評価

することとしており、2020年4月の取締役会において、2019年度の分析・評価を実施いたしました。 その結果、当行の取締役会は、構成員の知識・経験・能力のバランス、運営状況から総合的に判断し、実効性の高い経営監督機能を発揮していることを確認しております。また、取締役及び監査役がその役割・責務を適切に果たしていること、社外役員に対する十分なサポート体制が構築されていることを確認しております。 併せて、今後の経営環境を踏まえ、ダイバーシティへの対応や持株会社体制における業務拡大等について、より一層の取組みが必要との認識を共有化いたしました。 引続き、当行の取締役会では、以上の分析・評価を踏まえて十分な議論を行い、対応の改善等を図っていくとともに、ガバナンスの強化に向けた取組みを進めてまいります。

・社外役員の選任と社外役員に対する取締役会資料の事前説明の実施

・事前説明で出された意見の取締役会での的確な反映・経営会議・各種委員会等による事前の審議・論点整理・取締役会決議事項・報告事項の随時の見直し、など

備・運用されていることを確認するとともに、「取締役会自己評価アンケート」を実施し、その結果をもとに取締役会の実効性について分析・評価を行っています。 また、取締役・監査役がその役割・責務を実効的に果たすた

めに必要な知識・情報を習得するなど自己研鑽に努めることを推奨・支援しており、外部機関・団体による各種研修・セミナー等を斡旋・提供しています。

サステナビリティへの取組み

社外役員の有効な活用 独立性の高い社外取締役及び社外監査役が、それぞれ中立の立場から公正かつ客観的な経営監督機能及び監査機能を発揮し、取締役の職務の執行状況や内部統制の運用状況などについて適切な提言・助言を行っており、経営監視の面で十分な体制が整備されています。 そのなかで取締役の報酬・指名については、決定プロセスにおける透明性・客観性を確保するため、社外取締役をメンバーに含む報酬・指名諮問委員会を設置しており、同諮問委員会における審議を踏まえ、これを決定しています。 なお、社外役員に対して、当行外の場でも取締役会議案・報告資料を事前に閲覧・確認できるシステムを導入しており、その閲覧用の端末を配付しています。加えて、取締役会に係る事務を所管する秘書室及び各所管部が、社外役員に対して資料の事前説明会を開催しているほか、行内規定・通達等の行内情報を閲覧

できる環境を整備するなどのサポート体制を構築しています。 加えて、社外取締役と監査役との連絡会(社外役員連絡会)を開催し連携強化に努めるなど、情報共有と共通認識の確保を図っています。

社外

   広島市立大学教授

   元・日本電信電話(株)会長

   元・日本銀行支店長、日本証券アナリスト協会理事

社外

   公認会計士

   元・(株)アンデルセン社長

   弁護士

取締役

社内

社内

監査役

● 監査役5名中3名が社外監査役● 社外監査役1名が女性

● 2015年6月、女性取締役  1名選任● 取締役の1/3が社外取締役

役員の報酬を決定するに当たっての方針と手続き 当行では、取締役会において、次の方針と手続き、持続的成長に向けた健全なインセンティブに加え、透明性、客観性及び公正性

の観点を踏まえ、決定しております。 役員の報酬については、同規模他行の役員報酬の状況、過去か

役員報酬制度

広島銀行 統合報告書 202059

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コーポレート・ガバナンス

らの支給実績および従業員の給与水準等を総合的に勘案し、取締役及び執行役員は、取締役会決議により、また、監査役は、監査役の協議により決定します。ただし、取締役・監査役の報酬については、株主総会で決議された総額の範囲内で取扱うものとします。

(イ)取締役(社外取締役を除く)については、役位別の確定金額報酬、業績連動型報酬及び株式報酬制度により構成し、当行業績及び株主利益との連動性に配慮のうえ、適切な割合に設定

しております。(ロ)執行役員については、役位別の確定金額報酬、賞与及び株式報酬制度(役員報酬BIP信託)により構成し、当行業績及び株主利益との連動性に配慮のうえ、適切な割合に設定しております。

(ハ)社外取締役及び監査役については、中立性を確保するため、業績や株価に連動する要素を含めず、確定金額報酬のみとします。

報酬・指名諮問委員会による審議 取締役及び執行役員の報酬の決定プロセスにおける透明性・客観性を確保するため、独立社外取締役がメンバーの過半

数を占める報酬・指名諮問委員会を設置しており、同諮問委員会における審議を踏まえ、これを決定します。

 当行は、従事者を対象とした階層別の研修体系を整備し、職位・階層毎に必要となる要件・能力を明確化するなか、計画的な人財育成に努めています。そのなかで、中長期的な観点から経営幹部を育成するため、将来の経営を担うことが期待される従事者を選抜

し、「経営者としての思考力(経営戦略、事業変革等)」の強化を図る研修(「ひろぎん経営塾」)を実施しています。(詳細については P.45をご参照)

 当行では、次の通り(1)上場株式の政策保有に関する方針及び(2)政策保有株式に係る議決権行使基準を定め、政策保有株式

について適切に対応しております。

経営幹部の後継者育成について

政策保有株式について

(1)上場株式の政策保有に関する方針 当行は、政策保有株式について、地域経済の発展や当行の企業価値の向上に資するなど保有意義が認められる場合を除き、保有しないことを基本方針とします。保有する株式については、(イ)銘柄毎に便益やリスクが保有株式にかかる資本コストに見合っているか、(ロ)その企業の(a)地域経済への貢献度合い、(b)成長性・将来性、(c)銀行取引の中長期的採算性などを、取締役会で定期的に検証し、保有意義を確認しております。なお、2019年12月の取締役会において、政策保有株式の検証を行った結果、約8割の銘柄が基準を満たしております。基準を満たさない銘柄につきましては、取引採算向上や縮減に向けた対話を実施しております。

(2)政策保有株式に係る議決権行使基準 当行は、議決権行使に当たって、当該企業の経営方針やコーポレート・ガバナンスの整備状況を勘案した上で、(イ)当該企業が中長期的な企業価値の増大や株主価値の向上に繋がる適切な意思決定を行っているかという観点や、(ロ)株主として不利益を被る可能性はないかという観点を踏まえ、総合的に賛否を判断します。特に、企業価値や株主価値に影響を及ぼす可能性について精査する項目は以下の通りです。(イ)財務の健全性に著しく悪影響を及ぼす可能性のある剰余金処分議案、(ロ)赤字や無配が一定期間に亘る企業の取締役・監査役の選任議案及び退職慰労金贈呈議案、(ハ)買収防衛策議案 等

取締役 執行役員 社外取締役及び監査役

確定金額報酬 ○ ○ ○株式報酬制度※ ○ ○ ー

業績連動型報酬 ○ ー ー

役員賞与 ー ○ ー

■役員報酬制度

※役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託と称される仕組みを活用した制度。対象役員の報酬額を原資として当行株式が信託を通じて取得され、退任時に当行株式の交付及び当行株式の換価処分金相当額の金銭を給付。

広島銀行 統合報告書 2020 60

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リスクガバナンス

 当行では、強固なリスクガバナンスを確立するために、リスクアペタイト・フレームワークを導入し、リスクアペタイト・フレームワークの枠組み、リスクアペタイト等についてリスクアペタイト・ステートメントとして文書化し、行内に徹底を図っています。

 さらに、リスクアペタイト・フレームワークを有効に機能させるため、当行のリスクテイクに対する価値観や、リスクアペタイトに沿った行動を促す健全なリスクカルチャーの醸成に取り組んでいます。

 地域社会の持続的な発展および広島銀行の持続的な企業価値の向上を実現するためには、従事者一人ひとりが、コンプライアンスの遵守はもとより、お客さまを含めた全てのステークホルダーの期待や要請ならびに当行の経営理念に沿って、判断し、行動することが必要不可欠です。 当行では、リスクカルチャーを、リスク認識・リスクテイク・リスク管理等に係る組織および個人の意思

決定に係る基本的な考え方であり、強固なリスクガバナンスを構築する基盤となる要素であるという認識のもと、行動規範との一貫性を確保するなか、「広島銀行のリスクカルチャー」を制定しています。 また、リスクカルチャーを行内に醸成・浸透させるため、経営陣からのメッセージ配信、研修などを通じて共有・周知に取り組んでいます。

 当行は、リスクアペタイト・フレームワークを、適切な環境・リスク認識のもと、当行全体の「リスクテイクの推進およびリスクのコントロール」を目的とした経営管理を支える枠組みとして位置付けています。 リスクアペタイト・フレームワークの導入によっ

て、経営計画を達成するためのリスクアペタイト(進んで受け入れるリスクの種類と水準)が明確となり、より多くの収益機会の追求と、適切なリスクテイクの推進が可能となります。

リスクガバナンス

リスクカルチャー

リスクアペタイト・フレームワーク

経営理念(経営ビジョン+行動規範)

多角的かつ十分な議論

戦略・施策 資源配分 収益計画

リスクカルチャー

経営計画

リスクアペタイト

環境・リスク認識

ストレステスト

リスクガバナンスサステナビリティへの取組み

広島銀行 統合報告書 202061

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   地域社会において“ひろぎん”グループに   期待する役割をどのように考えますか。

 広島銀行の経営姿勢には、地方銀行としての地域に対する責任感の強さを非常に感じます。特に今のような厳しい時期だからこそ、ここで頑張らねばといった気概が感じられます。資金提供を通じた地元企業への支援等に加え、産官学金の相互連携による地域活性化や事業創出等の取組みにおいて、広島銀行が果たす役割はますます大きいものになると思っています。 インバウンドの滞在客増加や国際会議の誘致という面から観光事業に寄与する世界的に知名度の高いホテルの誘致(2022年開業予定)にも積極的に関わりました。また「ものづくり産業」が集積するこの地で、最新IT技術や多種多様なデータ利活用とリアルな異分野産業との融合によるイノベーション創出に向け、「IT融合フォーラム」や「広島オープンアクセラレーター 2019」などへ参画しています。資金面やノウハウといったサポートを含め、スピーディかつスムーズに新事業の創出を促す役割への期待も高まっています。

 生活インフラとして必要不可欠となったインターネットですが、IoTやデータ収集、デジタルトランスフォーメーションなど、新たな価値創造の基盤として果たす役割はさらに大きくなっています。 従来の銀行システムは銀行の中だけで独立したものでしたが、スマートフォンアプリなどを通じて、エンドユーザーがインターネット経由で銀行機能(例えば残高照会や取引履歴確認など)を利用する機会も増えつつあります。今後は銀行システムとインターネット上で提供するサービスをいかに早く、スムーズに、かつ安全に繋いでいくかが非常に重要になってきます。 社外取締役に就任してから5年、キャッシュの使われ方も大きく様変りしてきました。今後は情報やデータが、お金が持つ貨幣価値に代わる価値を持つことになるかもしれません。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、キャッシュも含めて物が動かせない状況となったことを機に、銀行に求められるあり方も変わってくると思われます。「情報銀行」という言葉も現れ、情報やデータをいかに利活用するかの視点が非常に重要になってくる中で、長年この分野で培ってきた経験や知識を役立たせる機会は増えていくのではないかと捉えています。

   広島銀行のコーポレート・ガバナンスを  どのように評価されますか。

 全取締役のうち、1/3となる3名の独立社外取締役を選任し、また私のようなIT分野の人間を銀行に迎え入れるなど、時代の変化を意識した非常に前衛的な判断がなされていると感じます。加えて、実効性という観点からも、社外取締役たちが多様な分野の知見や専門性を持っており、バランスが取れていると思います。そうした中で、それぞれの見地からのリスクガバナンスを意識した発言はもちろん、専門外からの思いがけない質問や痛烈な意見に対しても建設的に議論を深め、考え方や具体的な対処の提示、あるいはすぐには実行できないことには方向性を示す形で確実に回答いただくなど、執行と監督のそれぞれの機能がうまく発揮されていると思います。例えばAPIの開放についても、積極的に進められていることは、企業価値の向上、持続的成長の視点からの有意義な判断であり、現在の体制が上手く機能している事例の1つだと捉えています。

   今後を見据え、必要となる視点の   シフトチェンジについてお聞かせください。

 持株会社への移行を決断した前提にもなるものですが、お客さまとの接点の持ち方です。 従来、銀行という経営体は、対面チャネルに重きを置き、営業店に来店されるお客さまの数で銀行の価値を測っているところがありました。昨今では、APIの開放を通じた銀行とFintech事業者とのオープン・イノベーションの促進を金融庁が促すなど、今後は、銀行も多様な接点を作り、対面でなくともできることを増やしていく姿勢が求められると思います。これまでは、地元の銀行を利用していても、生活拠点が変わると、生涯にわたって利用いただくことは難しかったかもしれません。しかし、これからの時代、銀行のサービスがネットワーク上にどんどん広がっていくことを踏まえて、他都市や海外に転居しても、使い続けていただけるサービスを提供するなど、接点の持ち方を変えていく必要があります。 そうしたシフトチェンジのもと、持株会社への移行を機に、銀行の信用・信頼・安心感を礎としながら、これまで銀行という枠組みの中だけでは動けなかった分野等への進出、新しい技術・環境を活用した新サービスを創出する取組みを加速することが、さらなる企業価値の向上につながるものと考えます。

Q Q

Q Qご自身の強みを活かした社外取締役としての役割をどのようにお考えでしょうか。また、今後、企業価値を高めるために、広島銀行はどのようにしていくべきだと考えますか。

社外取締役インタビュー

時代の変化を意識した先進的かつチャレンジングな決断で進みゆく次なるステージでの新たな価値創造に期待

社外取締役 前田香織

profile広島県生まれ。広島大学工学部助手を経て、1990年に日米共同研究機関である財団法人放射線影響研究所入所。そこで、日本ではまだ珍しかったインターネットの接続ポイント※設置に取り組んだことを機に、情報通信とコンピュータネットワーク分野研究の道へ進む。1994年6月より広島市立大学勤務、2007年4月同大学院情報科学研究科教授。2015年6月より当行社外取締役。※企業やプロバイダーが提供するインターネットに接続するためのポイント

広島銀行 統合報告書 2020 62

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1977年4月、当行入行。総合企画部長、常務執行役員福山営業本部本部長などを歴任後、2009年6月に常務取締役総合企画部長に就任。2012年6月から6年間、取締役頭取を務め、2018年6月から現任。主に営業部門、企画部門を歩み、豊富な業務経験を有し、業務全般を熟知。代表取締役頭取を6年、代表取締役会長を2年務め、経営経験も豊富な人物であり、その経験や知見を当行取締役会において活かすことにより、取締役会の意思決定機能や監督機能の実効性を強化。

1985年4月、当行入行。融資部長、執行役員尾道支店長などを歴任後、2018年6月から現任。融資部、船舶ファイナンス部担当。主にコンプライアンス部門、融資部門を歩み、豊富な業務経験を有し、業務全般を熟知。

1982年4月広島大学工学部助手。広島市立大学情報科学部情報工学科助手、広島市立大学情報処理センター助教授などを歴任後、2007年4月、広島市立大学大学院情報科学研究科教授(現任)。2020年 4月、広島市立大学情報科学部長・大学院情報科学研究科長

(現任)。2015年6月から当行取締役(現任)。IT分野における学識者としての経験、および幅広い知識と高い見識を有し、IT専門家としての豊富な経験や幅広い見識を活かし、経営陣から独立した立場で当行取締役会の意思決定機能や監督機能の実効性強化に貢献。

1983年4月、当行入行。総合企画部長、常務執行役員本店営業部本店長などを歴任後、2016年6月、取締役常務執行役員。2018年6月から現任。秘書室、東京事務所、デジタル戦略部担当。主に営業部門、企画部門を歩み、豊富な業務経験を有し、業務全般を熟知。代表取締役頭取を2年務め、その経験や知見を当行取締役会に活かすことにより、取締役会の意思決定機能や監督機能の実効性を強化。

1986年4月、当行入行。大手町支店長、執行役員呉支店長などを歴任後、2020年6月から現任。営業統括部、法人企画部、公務営業部担当。主に営業部門、企画部門を歩み、豊富な業務経験を有し、業務全般を熟知。

1996年6月、日本電信電話㈱取締役人事部長。東日本電信電話㈱代表取締役社長、日本電信電話㈱代表取締役社長などを歴任後、2018年6月、日本電信電話株式会社特別顧問(現任)。日本生命保険相互会社社外取締役(現任)。2016年6月から当行取締役(現任)。日本電信電話株式会社代表取締役社長および取締役会長として経営に携わり、経営者としての業務執行統括の経験を有する。その豊富な経験や幅広い見識を活かし、経営陣から独立した立場で当行取締役会の意思決定機能や監督機能の実効性強化に貢献。

1986年4月、当行入行。人事総務部長、総合企画部長などを歴任後、2018年10月、常務執行役員、2019年6月に取締役常務執行役員。2020年4月から現任。総合企画部、IT統括部、事務統括部担当、デジタル戦略部補佐。主に企画部門、営業部門を歩み、豊富な業務経験を有し、業務全般を熟知。

1987年4月、当行入行。個人営業部長、人事総務部長、執行役員尾道支店長などを歴任後、2020年6月から現任。人事総務部、リスク統括部担当。主に営業部門、人事部門を歩み、豊富な業務経験を有し、業務全般を熟知。

2009年7月、日本銀行検査役。公益社団法人日本証券アナリスト協会事務局長、代表理事などを歴任後、2017年8月、公益社団法人日本証券アナリスト協会理事(現任)。2020年6月から当行取締役(現任)。日本銀行支店長および日本証券アナリスト協会代表理事として経営・運営に携わり、業務執行統括の経験を有する。経営者としての豊富な経験や幅広い見識を活かし、経営陣から独立した立場で当行取締役会の意思決定機能や監督機能の実効性強化に貢献。

 取締役

役員一覧(2020年6月25日現在)

サステナビリティへの取組み

代表取締役会長

池い け だ

田 晃こ う じ

取締役常務執行役員

清き よ む ね

宗 一か ず お

男取締役常務執行役員

深ふ か ま ち

町 心し ん い ち

取締役

三み う ら

浦 惺さとし

取締役

新し ん め ん

免 慶よ し の り

代表取締役頭取

部へ や

谷 俊と し お

雄取締役専務執行役員

尾お ぎ

木 朗あきら

取締役

前ま え だ

田 香か お り

取締役常務執行役員

中な か ま

間 克か つ ひ こ

社 外 社 外社 外

広島銀行 統合報告書 202063

Page 65: HIROGIN INTEGRATED REPORT 〈ひろぎん〉レ …...当行は、1945年(昭和20年)8月6日の原爆投下から僅か2日後 の8月8日に、日本銀行に営業室を借り受け、営業を再開しました。お

1985年4月、当行入行。福岡支店長、広島西支店長などを歴任後、2017年4月、コンプライアンス統括部理事。2017年6月から現任。

1986年4月、当行入行。秘書室長、広島東支店長を歴任後、2019年4月、リスク統括部理事。2019年6月から現任。

1980年3月、公認会計士登録。あずさ監査法人広島事務所長などを歴任後、2011年7月、髙橋公認会計士・税理士事務所代表(現任)。2015年6月から当行監査役

(現任)。

2006年4月、(株)アンデルセン代表取締役。アンデルセン・パン生活文化研究所代表取締役社長、(株)アンデルセン・パン生活文化研究所コーポレートアドバイザー。2018年6月損害保険ジャパン株式会社社外取締役

(現任)。2015年6月から当行監査役(現任)。

1982年4月、弁護士登録。2011年7月、弁護士法人広島総合法律会計事務所入所、2019年1月、弁護士法人広島総合法律会計事務所所長(現任)。西川ゴム工業株式会社取締役(監査等委員)(現任)。2020年6月から当行監査役(現任)。

 監査役

 執行役員

役員一覧

監査役

髙た か は し

橋 義よ し の り

監査役

吉よ し だ

田 正ま さ こ

子監査役

大お お さ こ

迫 唯た だ し

専務執行役員(地区担当役員) 本ほ ん か わ

川 浩ひ ろ し

司常務執行役員(地区担当役員) 岡

お か の

野 帝き み お

男常務執行役員(資金証券部担当) 東

ひ が し や ま

山 浩ひ ろ ゆ き

幸常務執行役員(ひろぎん証券(株)代表取締役社長) 苅

か り や だ

屋田 史ふ み つ ぐ

嗣常務執行役員(地区担当役員、東部統括本部長) 戸

と い

井 秀ひ で き

樹常務執行役員(今治支店長) 箱

は こ だ

田 浩こ う じ

二執行役員(岡山支店長) 國

く に む ら

村 充あ つ ひ ろ

弘執行役員(監査部長) 山

や ま し た

下 佳よ し た か

執行役員(法人営業部、国際営業部,アセットマネジメント部、個人ローン部担当)  坂さ か い

井 浩こ う じ

司執行役員(福山営業本部本部長)         佐

さ と う

藤 弘ひ ろ の り

規執行役員(徳山支店長)            徳

と く な が

永 光み つ と し

俊執行役員(東京支店長) 柳

や な ぎ だ

田 剛つよし

執行役員(尾道支店長) 岩い わ て

手 弘ひ ろ み

己執行役員(本店営業部本店長) 藤

ふ じ ひ ろ

広 稔みのる

執行役員(呉支店長兼呉市役所出張所長) 廣ひ ろ え

江 裕ゆ う じ

治執行役員(総合企画部長) 横

よ こ み

見 真し ん い ち

(※)取締役 前田香織、三浦惺、新免慶憲は、会社法第2条第15号に定める社外取締役であり、株式会社東京証券取引所の定める独立役員です。取締役 前田香織の戸籍上の氏名は、相原香織(あいばらかおり)です。

(※)監査役 髙橋義則、吉田正子、大迫唯志は、会社法第2条第16号に定める社外監査役です。なお、髙橋義則及び大迫唯志は株式会社東京証券取引所の定める独立役員です。

社 外

社 外 社 外

監査役

片か た や ま

山 仁ひとし

監査役

益え き

裕ゆ う じ

広島銀行 統合報告書 2020 64

Page 66: HIROGIN INTEGRATED REPORT 〈ひろぎん〉レ …...当行は、1945年(昭和20年)8月6日の原爆投下から僅か2日後 の8月8日に、日本銀行に営業室を借り受け、営業を再開しました。お

サステナビリティを支える力

株主・投資家・お客さまとのコミュニケーション

IRに関する活動状況

株主総会

個人投資家向け活動 当行についてご理解をいただけるよう、個人投資家の皆さまを対象とした会社説明会の開催やIR資料のホームページへの掲載など、情報提供に努めています。加えて、より幅広い株主の方々に当行の魅力をお伝えできるよう、関連会社であるひろぎん証券やひろしま美術館での説明会を毎年実施しています。

IR に関する新たな取組み IRに関する新たな取組みとして、アナリスト・機関投資家の皆さまと持株会社体制移行後の成長戦略、資本政策について、意見交換を行うため、2020年1月にスモールミーティングを開催いたしました。 また、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、例年、東京で開催しているアナリスト・機関投資家向け会社説明会を、テレビ会議システムを活用したオンラインにて実施いたしました。 開催当日は、数多くの方にご参加いただき、頭取による決算内容の説明および参加者の皆さまからのご質問への回答を行いました。

機関投資家向け活動 アナリスト・機関投資家を主な対象として、本決算・中間決算に合わせて年2回、決算会社説明会を開催しています。加えて、国内・海外の機関投資家と個別の面談を実施し、経営戦略や財務状態などについて、説明を行っています。

 毎年6月に開催する定時株主総会は、株主の皆さまの議決権行使環境や利便性向上に努める※1とともに、本年は新型コロナウイルス感染症拡大防止対応を実施※2しました。また、ご来場いただけない株主の皆さまのために、総会の様子をインターネットで配信(ライブ配信による視聴のみ)しました。※1 招集通知の早期発送、開示(発送の約1週間前に証券取引所や当行ウェブ

サイトに掲載)、議決権行使プラットフォームへの参加、パソコンまたはスマートフォンからインターネットによる議決権行使が可能、株主総会終了後には当行ウェブサイトに決議通知を速やかに掲載等

※2会場の座席数を削減し、ソーシャルディスタンスを確保、株主さまをはじめ参加者全員のマスク着用ならびに検温の実施、運営担当者のフェイスガード着用、議長席ならびに株主さま発言席へのアクリル板設置等

■ 2019 年度活動実績

個人投資家向け活動 実施回数 参加人数

個人投資家向け会社説明会 8 回 491名

機関投資家向け活動 実施回数 参加人数・社数

アナリスト・機関投資家向け会社説明会 2 回 260名

アナリスト・機関投資家向けスモールミーティング 1 回 7社

海外機関投資家との面談 9 回 ー

国内機関投資家との面談 16 回 ー※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため2020年2月以降、会場での説明会をすべて中止しております。

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、オンラインにて説明会を実施

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、飛沫防止対策をした来場受付

広島銀行 統合報告書 202065

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お客さまご意見カード お客さまの目につきやすい場所(カウンター、記帳台等)に備え置きし、お客さまの幅広い声を収集しています。また、お客さまからいただいたご意見を、サービス向上に活かしています。

 営業店やコールセンターに寄せられる「お客さまの声」のほか、各営業店に備え置く「お客さまご意見カード」により多くのご意見・ご要望を頂戴しています。また、定期的なアンケート調査を実施し、お客さまのご要望の“見える化”に努めています。お客さまの声を、満足度の向上につなげていくため、お客さまからのご意見・ご要望をもとに商品・サービスの改善ポイントを把握し、営業店及び本部が連携して対応策を検討することで、より良い商品・サービスの提供に努めています。

実態調査 個人、法人のお客さまを対象とした満足度をお聞きするアンケート調査を定期的に実施しています。 調査結果をもとに、お客さま満足度の向上に向けた改善ポイントを把握し、営業店及び本部が連携して、サービス等の改善・強化に努めています。

お客さまの声を集める仕組み

お客さまの声をお客さま満足の向上につなげる仕組み

コールセンター お客さまからの電話によるご意見やお問い合わせは、お客さま相談室、コールセンターにてお伺いし、いただいたご意見・ご要望をもとに、お客さま満足度の向上に向け取り組んでいます。 2019年度の電話でのお問い合わせ・各種照会件数は約39万件でした。

ご提供

収集 把握

改善

お客さま

より良い商品・サービスの開発

お客さまのご要望の“見える化”

お客さまの声

営業店

お客さまご意見カード

本部

アンケート調査

株主・投資家・お客さまとのコミュニケーション

広島銀行 統合報告書 2020 66

Page 68: HIROGIN INTEGRATED REPORT 〈ひろぎん〉レ …...当行は、1945年(昭和20年)8月6日の原爆投下から僅か2日後 の8月8日に、日本銀行に営業室を借り受け、営業を再開しました。お

 当行は、「地域社会との強い信頼関係で結ばれた、頼りがいのある〈ひろぎんグループ〉を構築する」を経営ビジョンとして掲げ、そのビジョンを実現するための行動規範として倫理規程「広島銀行の行動憲章」において、『地域経済を支える金融機関としての自覚を持ち、お客さまの利益の適切な保護にも十分配意した最高品質の価値ある金融サービスの提供により、お客さまのご満足とご安心の向上を図るとともに、地域経済の発展に貢献する』ことを定め、全役職員が共有し、実践しております。

 特に、金融商品販売においては、お客さま本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)により、お客さまの利益の実現を最優先に考え、お客さまの視点に立って、高度な専門性を保持し、付加価値の高い商品・サービスを提供することが、結果として当行の中長期的な企業価値の増大につながるとの認識のもと、「〈ひろぎん〉のお客さま本位の業務運営の実践に向けた取組方針」を策定・公表し、実践してまいります。

 広島銀行、ひろぎん証券はグループ一体となって、お客さまの資産運用目的、知識・経験、資産・負債構成、リスク許容度等に応じた様々な資産形成ニーズにお応えできる、幅広い金融商品の品揃えを行っております。 新たな金融商品を採用する場合には、営業店(コンサルティングアドバイザー)、リスク統括部、営業統括部、法人企画部、アセットマネジメント部、資金証券部で構成される「商品選定会議」で以下の「商品選定における検討事項」を中心に検討し、お客さま本位の商品選定を行っております。

【商品選定における検討事項】○想定するお客さまのニーズに合致しているか

○想定するお客さまに理解しやすい(販売担当者が説明しやすい)商品か○想定するお客さまのリスク許容度、期待リターンに合致した商品か○手数料水準が利益相反管理において問題がないか○類似商品と商品性を比較し、お客さまの利益に繋がる商品か○過去の運用実績が運用方針に合致した商品か 等 また、商品選定会議では、既存商品のラインナップが上記検討事項に合致しているか定期的に検証しております。 商品採用時に投信会社等の信用力やサポート体制等についてチェックポイントをもとに検証しております。

 投資未経験者や投資初心者に対しては、ライフイベントに応じた資産運用の必要性、リスクとリターンの関係、運用方法等を資産運用ハンドブック「ライフプランガイド」を活用して分かりやすく説明しております。 また、お客さまの投資目的やリスク許容度、ニーズ、知識・経験・保有金融資産等を「ご相談シート」、「保険商品に関するアンケート」を活用して、正確に把握します。 そこで把握したお客さまの投資目的やリスク許容度、ニーズ等に則った個別商品の提案にあたり、「投資信託ラインナップ」や「各種商品パンフレット」、「ポートフォリオ提案ツール」の活用等により、

お客さまが負担する手数料を含め、お客さまの理解度に応じて、分かりやすい商品説明を行っております。 加えてお客さまの商品申込時の事務負担軽減のため、事務手続きの電子化による事務の効率化を進めております。 お客さまの資産運用に関する多様なニーズにお応えするため、ロボアドバイザーの導入等、FinTech分野の研究と積極的な活用を進めるとともに、お客さまの金融リテラシー(マーケット環境の把握や金融・投資知識)の向上にお役に立つセミナーを積極的に開催しております。

基本的な考え方

お客さま本位の商品ラインナップの整備

お客さまの資産形成に資するポートフォリオ提案(長期・積立・分散投資の促進)の実践

お客さま本位の業務運営の実践に向けた取組みサステナビリティを支える力

広島銀行 統合報告書 202067

Page 69: HIROGIN INTEGRATED REPORT 〈ひろぎん〉レ …...当行は、1945年(昭和20年)8月6日の原爆投下から僅か2日後 の8月8日に、日本銀行に営業室を借り受け、営業を再開しました。お

 高齢者のお客さまに対しては、1年に最低1回は、商品内容の確認、保有商品の運用状況を説明するとともに、当初把握した投資目的やリスク許容度、ニーズ等、お客さまの意向の変化を確認し、ポートフォリオの見直し提案等、お客さまの理解度に応じて、分かりやすく情報提供しております。 また、仕組債等、複雑な仕組みの商品を保有されるお客さまに対しては、販売後3ヶ月以上経過したのちに、当初把握した投資目的やリスク許容度、ニーズを踏まえ、商品内容の再確認を、お客さまの理解

度に応じて、分かりやすく情報提供しております。 相場が急変した場合、商品性が変化した場合、発行体の格付けが格下げした場合等には、お客さまの不安解消に向け、お客さまのリスク許容度に応じて、 適時適切な情報提供を行っております。 加えて、お客さまが保有される商品について、関連するマーケットの動向、運用状況等、お客さまの投資判断に必要な情報を提供するため、定期的にセミナーを開催しております。

 お客さま本位の業務運営に資する業績評価制度を構築しております。 また、お客さまの多様かつ高度化する資産運用ニーズに対し、高度な専門性を保持するため、行内での認定制度により販売員を任命するとともに、コンサルティングレベルの一層の高度化に向け、FP資格取得者の拡大、アセットマネジメントスキルアップ

講座(e-ラーニング)等を通じた従事者向け教育の強化や業績評価運営の高度化を進めています。 加えて、販売担当者によるお客さま本位のコンサルティング及び情報提供状況について、本部モニタリングにより検証し、販売担当者の教育に活用しております。

 「〈ひろぎん〉のお客さま本位の業務運営の実践に向けた取組方針」の遵守状況について、半期毎に検証し、年度毎に公表します。

お客さま本位の業務運営を追求するための従業員等に対する適切な動機づけの枠組みの整備

お客さま本位のアフターフォローの実践

お客さま本位の業務運営に関する取組状況の報告

お客さま本位

広島銀行 統合報告書 2020 68

Page 70: HIROGIN INTEGRATED REPORT 〈ひろぎん〉レ …...当行は、1945年(昭和20年)8月6日の原爆投下から僅か2日後 の8月8日に、日本銀行に営業室を借り受け、営業を再開しました。お

■ 高度な専門性を有する人材の育成FP 資格保有者数は順調に拡大しており、専門性の高度化に向けた取組みを強化しております。

▶︎FP資格保有者数

▶︎積立投信契約者数・振替額

▶︎お客さま向けセミナー開催回数

▶︎金融商品保有者数・残高

■お客さまの資産形成に資するポートフォリオ提案の  実践(長期・積立・分散投資の促進)資産形成層への積立投信推進強化により契約者数、一般積立投信(無期限)振替額は着実に増加しております。

「お客さま本位の業務運営」取組状況(2019年度)当行ホームページ上で公表している KPI の説明や上記以外の取組状況も含めてご覧いただけます。

■ お客さまへの情報提供の充実iDeCo、相続、資産運用等のお客さまセミナーを積極的に開催し、各種情報提供に努めております。

■ お客さま基盤の拡充投信残高の減少を主因とし、金融商品残高は横ばいであるものの、お客さま本位の業務運営を実践することにより、金融商品保有者数は増加しております。

「お客さま本位の業務運営に関する取組状況」について

0

500

1,000

1,500

2,000 FP2級FP1級

1,215

1,4021,531

1,7181,844

1,912

0

500

1000

1500

2000

197

1,0181,155

1,2541,418

1,5071,556

247 277 300 337 356

2015年3月

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

(名)

一般積立投信(無期限)年間振替額期間指定型積立投信年間振替額積立投信契約者数

20

30

40

50

0

10

20

30

40

50

0

5000

10000

15000

20000

2019年度

2018年度

2017年度

2016年度

2015年度

2014年度

(億円)

(先)

7 7

7

4,998 5,102

10,79312,749

16,84419,470

7

8210

0 0 1319

22

262236

48

41

49

投信公共債

金融商品仲介合同金信

保険(保険残高は一時払保険のみ)金融商品保有者数

(億円)132,461 135,468

144,388147,566

152,162

8,793 8,7669,685

10,499 10,480

0

2000

4000

6000

8000

10000

12000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2,458

844 963 1,490 2,137 2,457

4,087 4,104 4,106 4,278 4,352

1,116288 362

344321

1,0971,724

1,959 2,042

2,240 2,021 1,804 1,329

300

(先)

iDeCo信託

相続その他

資産運用

2017年度 2018年度 2019年度

(回)

0

100

200

300

400

500

600

700

800

0

100

200

300

400

500

600

700

800

106175

26712793

169205237

13536

147054

36544

573

737

130

0

100

200

300

400

500

600

(注)FP資格保有者(FP1級・CFP又はFP2級・AFP)

サステナビリティを支える力

広島銀行 統合報告書 202069

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お客さま本位

 当行は、金融商品の勧誘にあたって、次のルールを守ります。1. お客さまの金融商品に対する知識やご経験、資

産構成や運用のご意向などに配慮した適切な商品をおすすめするように努めます。

2. 商品のご購入はお客さまご自身でお決めいただけますよう、商品内容やリスク内容などの重要事項

について適切な情報提供と説明に努めます。3. 断定的判断や事実と異なる情報の提供など、お

客さまの誤解を招くような勧誘は行いません。4. お客さまにとって不都合な時間帯やご迷惑な場所

での勧誘は行いません。5. お客さまにご満足いただける健全で適切な勧誘を行

うため、商品知識などの研鑚を続けてまいります。

 当行は、顧客の保護及び利便性の向上にかかる態勢の整備・確立を図るための大綱として、顧客保護等管理規程を取締役会で定めております。 顧客保護等管理規程では、顧客説明、顧客サポート(相談・苦情)、顧客情報、外部委託及び利益相反に関する各管理事項及び方針を定め、従事者に

周知しております。 また、リスク統括部を顧客保護等管理の統括部署として、顧客保護等を実現するための基本的な実践計画として「コンプライアンス・プログラム」を半期毎に、取締役会で定めるとともに、その進捗状況を定期的に取締役会に報告しております。

 当行は、公表しております「個人情報保護宣言」に基づき、個人情報の取得や提供について厳正な対応を進めるとともに、サイバー攻撃に対応するためシステム強化等の安全管理措置等に関して継続的な改善に努めております。 お客さまからお預りしている大切な情報資産を適切かつ厳格に管理するため、全従事者に対して、情報セキュリティ研修等を継続的に実施し、情報の取り扱いに関し、行動レベルで常に高い意識を持つよ

う徹底しております。 また、個人情報の取り扱い状況については内部監査等を厳格に実施することにより、その実効性の向上に努めております。 なお、お客さまご本人が、個人データの開示、訂正または利用停止を請求された場合、ご本人さまであることを確認した上で、開示等の対応を行っています。

勧誘方針

お客さま保護管理体制

情報管理

お客さま保護等管理

広島銀行 統合報告書 2020 70

Page 72: HIROGIN INTEGRATED REPORT 〈ひろぎん〉レ …...当行は、1945年(昭和20年)8月6日の原爆投下から僅か2日後 の8月8日に、日本銀行に営業室を借り受け、営業を再開しました。お

 金融機関を取り巻く環境が大きく変化するなかで、当行が株主・投資家の皆さまやお客さまからのゆるぎない信頼を確保するためには、地域におけるリーディングバンクとして幅広いニーズにお応えし、より強固な経営基盤を確立するとともに、コンプライアンス重視の経営を実践していくことが大切であ

ると考えております。 こうしたなかで、当行では、コンプライアンスを経営の最重要課題として位置づけ、企業倫理を風土として定着させるため、コンプライアンス態勢の確立やその周知徹底などに全力で取り組んでおります。

 法令および社会的規範の遵守の徹底と企業倫理の確立を図るため、「コンプライアンス委員会」を設置し、法令等遵守に関する事項を審議・検討するなど、コンプライアンス違反の未然防止の徹底を図っております。 また、本店各部、全支店にコンプライアンス管理者を配置し、法務情報の交換や日常的なコンプライ

アンス状況の点検を実施するとともに、「リスク統括部」による法令等遵守に係る一元管理体制と統括機能の強化に継続的に取り組んでおります。 さらに、監査部にコンプライアンス監視者を配置し、独立した立場からのモニタリングを実施することで、内部牽制機能の強化を図っております。

 コンプライアンスを実現するための実践計画として「コンプライアンス・プログラム」を半期毎に取締役会において決議し、それに基づいた取組みを着実に実施しております。 具体的には、行内イントラネットに「コンプライアンス・マニュアル」を公開し、階層別研修やコンプライアンス管理者を対象とした研修の実施等、さまざまな活動を通じてその周知徹底を図るとともに、法令等遵守に対する経営陣の積極的関与とコンプライアンスの一元管理体制の強化を通してチェック体制の整備等を進めております。 このような「コンプライアンス・プログラム」については、四半期毎に進捗状況や達成状況を検証し、問題点の把握と課題の解決に努めるなかで、より高いコンプライアンスの実現に向けた不断の取組みを進めております。

【マネー・ローンダリング防止態勢】 当行及び当行グループ会社では、FATF 等の国際機関の要請や、国内外のマネー・ローンダリング及びテロ資金供与(以下「マネー・ローンダリング等」という)に関する規制法令などによるマネー・ローンダリング等の防止に向けた取組みの高まりから、

マネー・ローンダリング等の防止を重要な経営課題の一つと捉え、経営陣の関与の下、組織全体として実効性のある管理態勢整備を行っております。 具体的には、健全な経済活動に重大な悪影響を与えるマネー・ローンダリング等に当行及び当行グ

基本的な考え方

態勢の確立

運営

マネー・ローンダリング等防止体制

コンプライアンス

■法令等遵守体制

監査役会事務局

監査役(監査役会)職務執行監査

報告

報告

指導指導報告・連絡・相談

報告・連絡・相談

報告・連絡・相談

支援・指導

報告

内部監査

報告

コンプライアンス委員会(事務局:リスク統括部)

本店部(コンプライアンス管理者)

営業店(コンプライアンス管理者)

グループ会社

監査部(コンプライアンス監視者)

取締役会

リスク統括部

サステナビリティを支える力

広島銀行 統合報告書 202071

Page 73: HIROGIN INTEGRATED REPORT 〈ひろぎん〉レ …...当行は、1945年(昭和20年)8月6日の原爆投下から僅か2日後 の8月8日に、日本銀行に営業室を借り受け、営業を再開しました。お

コンプライアンス

ループ会社の各種取引や商品・サービスが利用されるのを防止する為、取引開始時の取引時確認等の強化、資産凍結措置対象者などの経済制裁者との取引防止、疑わしい取引の検知強化などを中心とした対策に取り組んでおります。 当行を取り巻く事業環境・経営戦略などを踏まえ、リスクベース・アプローチによるマネー・ローンダリング等のリスク特定・評価を行い、当該リスクに沿った低減措置を図り、マネー・ローンダリング等防止に向けた取組みを行っております。

【贈収賄防止態勢】 当行及び当行グループ会社では、贈収賄・汚職防止に関する法令遵守について行内規定に定め、コンプライアンス上の重要な事項の一つと捉え、経営陣の関与の下、全行的に防止に向けた取組みを行っております。 具体的には、接待・贈答などに対する事前承認制度、ホットライン制度、内部監査等によるモニタリングや役職員に対する研修・テストを定期的に実施することなどにより内部管理態勢の強化を図り、贈収賄・汚職防止に向けた継続的な取組みを行っております。

 当行は、2007年6月に政府が策定した「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を踏まえ、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力等に対して、他社(信販会社等)との提携による金融サービスの提供などの取引を含め一切の関係を遮断しております。 リスク統括部を反社会的勢力等との関係遮断の統括部署として定め、反社会的勢力等との関係遮断

を図るため、諸規定を整備するとともに、定期的に従事者に対して研修を実施しております。 また、平素から警察、暴力追放運動推進センター、弁護士等の外部専門機関と緊密な関係構築に努めるなど、取引関係遮断の体制を整備しております。万一、不当要求があった場合には、警察等外部専門機関と連携のうえ、あらゆる法的手段を講じ断固として対決することにしております。

 当行は、下記の指定紛争解決機関と手続実施基本契約を締結しております。下記団体では、お客さま

からの苦情の申し出及び紛争の申立てをお受付しております。

【内部通報制度(ホットライン)】 当行は、不祥事件の未然防止及び早期発見のため、2006年より内部通報制度(ホットライン)を制定しております。内部通報制度の実効性を確保するため、通報者・調査報告者に不利益が生じないように保護措置を講じるとともに、複数の通報手段を設定し、また2020年3月には外部受付窓口に女性弁護士(非顧問)を追加しております。 実効性のある内部通報制度(ホットライン)は、当行の自浄作用の向上やコンプライアンス重視の経営に寄与し企

業価値の向上につながると考え、全店支店長会議や全部店コンプライアンス・デー勉強会等において、内部通報制度の内容及び重要性について従事者に対して周知を図っております。

反社会的勢力への対応

指定紛争解決機関

銀行業務

一般社団法人全国銀行協会連絡先 全国銀行協会相談室

(https://www.zenginkyo.or.jp/adr/)【ご相談窓口】電話 0570-017109       または 03-5252-3772

信託業務

一般社団法人信託協会信託相談所(https://www.shintaku-kyokai.or.jp/profile/profile04.html)

【ご相談窓口】電話 0120-817335(フリーダイヤル) または 03-6206-3988

受付窓口 リスク統括部 顧問弁護士、女性弁護士(非顧問)

通報手段 内線、専用電話、携帯電話、電子メール

専用電話電子メール

■「ホットライン」の受付窓口・通報手段

広島銀行 統合報告書 2020 72

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 銀行が、お取引先や株主の皆さまからの信頼にお応えするためには、様々な「リスク」に的確に対処することにより、経営の健全性を維持・向上しつつ、適切な収益を確保し、安定的な経営を行っていく必要があります。

 当行では、リスクを的確に管理するため、取締役会で定めた「統合的リスク管理規程」に基づき、毎期のリスク管理方針を決定し、各種リスクを統合的に管理しております。

 主要なリスクである信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナルリスクの管理については、それぞれの管理部署を明確化し、リスク統括部が全行のリスク管理を統括して一元的な管理を行っております。また、「統合的リスク管理委員会」を設置するとともに、監査部がリスク管理体制の適切性・

有効性を定期的に監査し、多様化・複雑化するリスクに対して適切に対応する体制を構築しております。 こうしたリスク管理体制の下で、自己資本/リスク/収益のバランスのとれた、健全で収益力の高い経営を実現してまいります。

基本的な考え方

リスク管理体制

■リスク管理体制(2020 年 4月1日現在)

リスク管理

監査役会事務局 リスク統括部(全行のリスク管理統括)

事務リスク【事務統括部】

システムリスク【IT統括部】

人的リスク【人事総務部】

有形資産リスク【人事総務部】

風評リスク【総合企画部】

コンプライアンス・リスク

【リスク統括部】

監査役(監査役会)

審査会

オペレーショナルリスク【リスク統括部】市場リスク【リスク統括部】

流動性リスク【リスク統括部】

信用リスク【リスク統括部】

取締役会

経営会議

統合的リスク管理委員会 コンプライアンス委員会

監査部

営業店・本店部・グループ会社

サステナビリティを支える力

広島銀行 統合報告書 202073

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 当行では、銀行が直面する様々なリスクを統計的手法などを利用したVaR等の統一的な尺度で計量化し、合算して経営体力と対比することにより、一元的なリスク管理を行っております。 具体的には、信用リスク、市場リスク、オペレーショナルリスクといったリスク毎にリスク量の上限(リスクリミット)を設定し、それぞれの管理部署がリスク量のコントロールを行っております。また、リスク統括部がこれらのリスク量を自己資本と対比して一元的に把握するとともに、リスク管理の状況につ

いて定期的に取締役会等へ報告を行い、状況に応じて適切に対策を実施していく体制を構築しております。 また、定期的にストレステストを実施し、統計的手法では捕捉できないリスクの発生による損失が自己資本や収益等に及ぼす影響を把握することにより、自己資本充実度の評価・検証を行っております。

 信用リスクとは、信用供与先の信用状態の悪化等により、資産の価値が減少ないし消失し、損失を被るリスクのことです。

【審査体制】 当行では、営業店が採り上げる主要な貸出案件について、営業部門とは独立した審査部門が、厳正な審査を行う体制となっております。審査部門では、業種毎に審査ラインを設けて対応しているほか、お取引先の財務内容を健全化し、企業再生を実現するための専担ラインを設けており、お取引先の経営改善支援の取組みにも力を注いでおります。 貸出案件の採り上げに当たっては、取締役会が定めた「与信基本原則規程」に基づき、法令や公序良俗に反する案件を排除することはもちろん、資金使途や返済原資、保証や担保等を十分確認するほか、収益性や公共性の観点からも慎重な検討を行っております。 また、お客さまからのお借入条件の変更等のお申込みについては、同様に取締役会が定めた「金融円滑化管理に関する基本方針」に基づき、お客さまの実態に合わせた真摯な対応を行っています。審査においては財務諸表等の表面的計数や特定の業種であることのみに基づく機械的・画一的な判断を行わない等、お客さまのニーズ・悩みを共有し、創意工夫するなかで、適切かつ迅速な審査を行うこととしています。 審査体制の充実・強化については、個別与信管理の中で企業の信用力の適切な把握に努めているほか、様々な研修等により職員の審査能力向上を図る等、継続的に取り組んでおります。

【信用格付制度をベースとしたリスク管理】 貸出金の信用リスクを客観的に把握するため、当行では信用格付制度を導入し、お取引先の信用力格差を財務データ等に基づき12段階に細分化して、その変化を継続的に把握しております。また、格付に基づく信用リスクの計量化を実施し、貸出資産における信用リスクの状況の把握等に活用しております。 さらに、格付別のデフォルト率やデフォルト先からの回収実績等、信用リスクの計量化に必要なデータを蓄積・整備するとともに、高度な計量化手法を導入し、より精緻にリスク量を把握するよう努めております。

【資産の自己査定】 信用格付制度の運営と並行して、毎期行う資産の自己査定により、貸出等の資産内容の健全性を厳しくチェックしております。具体的には、営業店で融資先の財務状況に基づき査定した結果について、その妥当性を本店の審査部門でチェックいたします。さらに、リスク統括部が主要なものを抽出し、再度、その妥当性と正確性を厳格に検証するとともに、監査部門がプロセス監査を実施しております。この自己査定に基づいて、回収ができないと合理的に見込まれるものは、全額引当処理(当期の損失として計上すること)を行い、資産の内容を常に健全な状態に保っております。

統合的リスク管理

信用リスク

リスク管理

広島銀行 統合報告書 2020 74

Page 76: HIROGIN INTEGRATED REPORT 〈ひろぎん〉レ …...当行は、1945年(昭和20年)8月6日の原爆投下から僅か2日後 の8月8日に、日本銀行に営業室を借り受け、営業を再開しました。お

 市場リスクとは、金利、有価証券等の価格、為替等の様々な市場のリスク・ファクターの変動により、保有する資産の価値が変動し、損失を被るリスクのことです。 当行では、有価証券だけでなく、預貸金等を含めた資産・負債の総合管理(ALM)の充実・強化を図ることによって金利をはじめとする市場リスクをコントロールし、収益の安定化を図っております。ALMに基づく分析・シミュレーション結果は、経営計画策定上の重要な判断要素として毎期の経営方針に反映しております。 また、市場リスクの管理を厳格に実施するため、リスク量の限度額等を設定するとともに、ヘッジ方針や資産価値が減少した場合の報告・協議ルール等を定め、市場の動きに迅速かつ適切に対応し、収益の安定化を図る体制を構築しております。限度額等の遵守状況は、ポジション額、リスク量、損益状況等の主要な計数とともに日次で管理しております。

 また、時価主義会計に的確に対応して、保有目的区分に基づく厳正な会計処理を行い、市場価格の変動を適切に財務内容に反映しております。

【トレーディング勘定のリスク管理】 トレーディング勘定(有価証券及びオフバランス取引において、短期的な売買差益やお客さまの依頼に基づく取次等を目的とした取引)については、バンキング勘定(預貸金取引及び投資有価証券取引とそれに関連する取引)との性格の違いから、特別な管理を行っております。当行では特定取引勘定を設置し、時価に基づく透明な会計処理を実施して管理強化を図っております。自己ポジションによるディーリングについては、ポジション枠やロスカット等に関する厳格なルールの下で、限定的なポジションでの運営に努めているほか、対顧客取引については、原則として銀行間市場でフルカバーをとることにより、スクエアポジションでの運営を実施しております。

 流動性リスクとは、予期せぬ資金の流出等により、資金繰りがつかなくなる場合や、通常より著しく高い金利での資金調達を余儀なくされること等により損失を被るリスクのことです。 当行では、短期間のストレス下における資金流出に備えるため、国債などの高流動性資産を確保しております。また、長期的な資金調達リスクの軽減を図

るため、流動性の乏しい貸出金と預金、長期市場調達等の安定性調達との差額である安定性ギャップを管理しております。 さらに、資金繰り及び流動性リスクの状況や資金繰りに影響を与える事項についてモニタリングを行い、不測の事態が発生した場合も迅速かつ的確に対応する体制を整備しております。

 オペレーショナルリスクとは、銀行の業務の過程、従事者の活動もしくはシステムが不適切であること、または外生的な事象により損失が発生しうるリスクのことです。 当行では、オペレーショナルリスクを網羅的かつ的確に管理するため、事務リスク、システムリスク、人的リスク、有形資産リスク、風評リスク、コンプライアンス・リスクといったサブカテゴリーに分類し、総合的な管理を実施しております。

【事務リスク】 事務リスクとは、従事者が正確な事務を怠る、あるいは事故や不正等を起こすことにより、損失を被るリスクのことです。 当行では、様々な研修を通じ、正確・迅速・親切・丁寧を旨とした事務取扱を徹底するとともに、事務の五原則(記録主義の原則、現物主義の原則、個人責任主義の原則、検証主義の原則、確認主義の原則)に基づく事務取扱の規定の整備を図っております。 また、当行は、お客さまから寄せられた苦情・ご意

市場リスク

流動性リスク

オペレーショナルリスク

サステナビリティを支える力

広島銀行 統合報告書 202075

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リスク管理

見や、主要な事務ミス・事務事故をシステムによって報告する体制を整備しております。報告内容については、その要因や傾向を分析し、必要に応じて有効な対策を講じるとともに、事務ミス・事務事故等の再発防止を図るための基礎データとして積極的に活用しているほか、潜在的な事務リスクについても抽出・分析し、未然防止策を実施するなど、内部規律・モラルの維持・向上を図っております。

【システムリスク】 システムリスクとは、コンピュータシステムの停止・誤作動等のシステム面の不備やコンピュータの不正使用等により、損失を被るリスクのことです。 当行では、情報資産を適切に保護するための基本方針であるセキュリティポリシーや具体的な運営ルールを定め、情報システム及び情報(データ)の重要度に応じた管理体制を整備しております。 情報システムについては、その重要度に応じてコンピュータ・通信回線・電源等の二重化を実施しております。特に、重要なシステムについては、福岡銀行とのシステム共同化に伴い、広島センターと福岡センターの二拠点でのバックアップ体制を構築しており、大規模な災害で一方が被災しても、継続して業務が遂行できるよう万全を期しております。 お客さまの重要な情報(データ)についても、暗号化や不正アクセス・情報漏洩の防止策を講じる等厳格なセキュリティ管理を実施しております。 また、近年の巧妙化・深刻化するサイバー攻撃に対しては、経営の最優先課題の一つとして位置付け、平常時から攻撃動向等の情報を収集・分析するとともに、サイバー攻撃が発生した際に迅速に対応するための体制として「ひろぎん〈CSIRT(注)〉」を設置するなど、セキュリティ管理態勢の強化に取り組んでおります。 さらに、コンピュータシステムの安定稼動が危機にさらされるような万が一の不測の事態やサイバー攻撃の発生等に備えて、コンティンジェンシープラン

(危機管理計画)を策定するとともに、定期的な模擬訓練を実施しております。

(注)Computer Security Incident Response Team の略

【人的リスク】 人的リスクとは、従事者の生産性の低下や退職、当行の信用失墜につながる行為等により損失を被るリスクのことです。 従事者の雇用形態等に応じた適切な人事管理及び人事運営を行うことを基本とし、教育・研修や職場指導等により、的確な管理を行っております。また、新型インフルエンザや大規模災害の発生により業務継続に支障をきたす事態を想定し、感染拡大の段階に応じた準備及び労務安全管理の強化や本店部事務加勢要員確保による業務継続体制の構築に努めております。

【有形資産リスク】 有形資産リスクとは、災害や不法行為、不適切な資産管理の結果生じる有形資産の毀損等により損失を被るリスクのことです。 当行が所有または賃借する動産・不動産の所在及び現状を把握し、災害や不法行為等による被害に備え的確な管理を行っております。

【風評リスク】 風評リスクとは、事実と異なる情報が広まることで、顧客やマーケットの間における当行の信用が低下することにより損失を被るリスクのことです。 透明性の高いディスクロージャーを実施するとともに、風評のモニタリングを行うことにより、リスクの顕在化の未然防止に努めております。

【コンプライアンス・リスク】 コンプライアンス・リスクとは、法令違反や契約不履行等に伴う罰則・法的責任の発生等により損失を被るリスクおよび社会的規範から逸脱した行為によりお客さまや市場の公正・透明に重大な影響を及ぼし当行の信頼を大きく毀損するリスクのことです。 法令等および社会的規範の遵守について日常的に啓蒙・研修を実施するとともに、法的チェックの着実な実施や法務相談体制の整備等により、的確な管理を行っております。

広島銀行 統合報告書 2020 76

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 当行では、健全かつ適切な業務の運営に資することを目的として、内部監査部門が公正かつ独立した立場で、被監査部門の内部管理態勢の適切性・有効性を、規律遵守の態度をもって評価し、客観的意

見を表明するとともに、問題点の改善要請または是正勧告、及び助言を行っています。

 当行の内部監査につきましては、取締役会がコンプライアンスの実現とリスクの種類・程度に応じた実効性のある内部監査態勢の構築を図り、健全かつ適切な業務の運営に資することを目的として制定した「内部監査規程」に基づいて、被監査部門から独立した内部監査部門が、各部店・子会社・関連会社及び当行の外部委託先を対象に行います。 具体的には、コンプライアンスに関する事項、リスク管理に関する事項、財務報告に係る内部統制に

関する事項など半期ごとに取締役会で制定する「内部監査基本計画」に沿って内部監査を実施し、その結果を毎月、取締役会に報告しています。 また、内部監査部門は、被監査部門に対して、内部監査結果を文書で通知するとともに、改善・是正を要する事項については、改善要請または是正勧告を行い、その対応状況を定期的に取締役会に報告しています。

基本的な考え方

実施体制

リスク管理・内部監査

内部監査

 以上のリスク管理体制に加えて、地震等の大規模災害や感染症流行など、業務が継続できなくなるリスクへ適切に対応するため、「業務継続計画(BCP)」

として優先して継続する重要業務等を「危機管理規程」に定めるなど、適切な危機管理体制を構築しております。

危機管理体制

サステナビリティを支える力

広島銀行 統合報告書 202077

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店舗ネットワーク会社情報

安芸太田町(1ヵ店)

北広島町(1ヵ店)

安芸高田市(2ヵ店、1出張所)

広島市(52ヵ店、3出張所)

広島市(52ヵ店、3出張所)

大竹市(1ヵ店)

東広島市(7ヵ店、1出張所)

竹原市(1ヵ店)

三原市(3ヵ店、2出張所)

世羅町(1ヵ店)

尾道市(8ヵ店)

福山市(17ヵ店、1出張所)

府中市(2ヵ店)

神石高原町(1ヵ店)

三次市(2ヵ店)

庄原市(2ヵ店)

大崎上島町(1ヵ店)大崎上島町(1ヵ店)

呉市(6ヵ店、4出張所)

安芸郡(4ヵ店)

江田島市(2ヵ店)江田島市(2ヵ店)

廿日市市(4ヵ店)

岡山県10ヵ店

島根県1ヵ店

山口県7ヵ店

愛媛県6ヵ店

兵庫県2ヵ店

福岡県2ヵ店

広島県120本支店12出張所

+

+

店舗ネットワーク(2020 年 7 月1日)国内本支店 151 うち振込専用支店 1 インターネット支店 1 (ひろぎんカープ支店)

出張所 12

【その他国内】東京都1ヵ店/愛知県1ヵ店/大阪府1ヵ店

【海外駐在員事務所】上海/バンコック/シンガポール/ハノイ

店舗ネットワーク

広島銀行 統合報告書 2020 78

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概要・情報開示

当行の会社概要や IR 情報等をホームページでもご覧いただけます。

トップページ(https://www.hirogin.co.jp/)

広島銀行のご案内(https://www.hirogin.co.jp/company/)

IRライブラリー(https://www.hirogin.co.jp/ir/ir_library/) 

〈ひろぎんグループ〉のSDGs(https://www.hirogin.co.jp/company/csr/sdgs/) 

CORPORATE DATA当行の概要(2020 年 3 月 31日現在) グループネットワーク(2020年4月1日現在)

本店所在地

電 話 番 号創 業資 本 金預 金貸 出 金従 業 員 数

子 会 社

関連会社

〒732-0804広島市南区西蟹屋一丁目1番7号〔仮店舗〕

(082)247-51511878年(明治11年)11月545億73百万円7兆5,415億円6兆4,797億円3,412名

ひろぎん証券株式会社しまなみ債権回収株式会社ひろぎんリートマネジメント株式会社ひろぎんキャピタルパートナーズ株式会社ひろぎんカードサービス株式会社ひろぎん保証株式会社ひろぎんビジネスサービス株式会社

エイチビー・アセット・ファンディング・コーポレーションブルーインベストメント投資事業有限責任組合しまなみ価値創造投資事業有限責任組合ひろぎんリース株式会社

金融商品取引業務債権の管理・回収業務資産運用業務投資業務クレジットカード業務信用保証業務連結決算・印刷・製本業務担保不動産評価業務契約書精査業務

ファクタリング業務

投融資業務投融資業務リース・オートリース業務

会社情報

広島銀行 統合報告書 202079

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発行:2020年 7月編集:株式会社広島銀行 総合企画部 広報・地域貢献室 〒 732-0804 広島市南区西蟹屋一丁目1番 7号〔仮店舗〕 TEL(082)247-5151 ホームページアドレス https://www.hirogin.co.jp/

証券コード

8 3 7 9

2020 統合報告書