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Instructions for use Title 「健康のための行動変容」における「健康行動理論」の有用性の検討(総説) Author(s) 森谷, 絜 Citation 天使大学紀要, 7, 1-14 Issue Date 2007 Doc URL http://hdl.handle.net/2115/32851 Type article File Information 天使紀要1.pdf Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

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Title 「健康のための行動変容」における「健康行動理論」の有用性の検討(総説)

Author(s) 森谷, 絜

Citation 天使大学紀要, 7, 1-14

Issue Date 2007

Doc URL http://hdl.handle.net/2115/32851

Type article

File Information 天使紀要1.pdf

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

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天 使 大 学 紀 要2007Vo1.7

「健康のための行動変容」における「健康行動理論」の有用性の検討(総説)

ABriefReviewoftheUseflllnessof``TheHealthBehavior

Theory"inChangingHumanHealthBehaviorforGood

森 谷 黎KiyoshiMORIYA

Eating,physicalactingandrestingbehaviorisconsideredasimportanthealth

behaviortopromoteourhealthlevel.Severalhealthbehaviortheorieshavebeen

developedapPlyingtochangeourhealthbehaviorsforgoodincounseling,health

educationandactionprograms.Therearethreetypesofhealthbehaviortheory,

mainlyutilizingtoperson,mainlyapplyingtogroupandtopopulation.Thestagesof

behaviorchangetheoryisusefulforgroupsaswellasforpeopleinhealthcounseling,

inordertoassessthesituationofsubjectsandtailorinterventionplans,implement

andevaluatetheeffects。Thetranstheoreticalmode1(TTM)developedfromthe

theoryofthestagesofbehaviorchangewasintroducedindetail.Alecturecoursefor

universitystudents,dieteticsandhealth,performedfollowingthetheoryofstagesof

behavior-changewasdescribed.Lecturesonhealthbehaviortheory,healthandeating

behavior,food-productiveactivitiesandsoforthweregivenandthestagesofeating

behavior-change,realeatingstyleandsoforthweresurveyedeverymonth(totally

fourtimes).Thestageofeatingbehavior-changeelevatedinthesecond,thirdand

fourthsurveyascomparedtothefirstone.Diagnosticresultsofeating(the

satisfactoryratesoffoodkindsandnutrients)alsoimproved.Scoresofstageofeating

behavior-changepositivelycorrelatedwithsatisfactoryratesoffoodkindsand

nutrients.Utilizinghealthbehaviortheoryiseffectivetopromotehealthyeating

behavior.Examiningthecreativeprogramformultiplehealthbehaviorschange,

physicalactingandrestingbehaviorsinadditiontoeatingbehaviorshouldbe

consideredasimportant.

Keywords:healthbehavior(健 康 行 動)

changeofbehavior(行 動 変 容)

healthbehaviortheory(健 康 行 動 理 論)

stagesofbehaviorchangetheory(行 動 変 容 ス テ ー ジ理 論)

programformultiplehealthbehaviorchange(総 合 的 健 康 行 動 変 容 プ

ロ グ ラム)

天使大学大学院看護栄養学研究科 (2007年1月22日 受稿、2007年3月12日 審査終 了受理)

一1一

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森谷 禦 「健康のための行動変容」における「健康行動理論」の有用性の検討(総 説)

1.は じめ に

近年,多 くの人々が 「健康のための行動(健 康

行動)変 容」に高い関心をもつようになっている。

「健康行動理論」は行動変容を確実で容易にする

ために,考 案され体系化された理論である。 「自

ら」の,「 家族」の,「 職場や地域集団」などの生

活行動を,健 康行動に変容させたいと望んでいて

も,健 康行動理論を理解していない人たちの多い

のが現状である。しか し,健 康行動理論を紹介す

る書籍の出版が相次いでお り1-6),講 演 会や講習

会も開催されることか ら,今 後 「健康行動変容」

において,「 健康行動理論」 の理解と活用が専門

家か ら一般の人々へと拡がっていくと考える。健

康行動理論を理解し活用することで,効 果的に行

動変容を進めていくことができる可能性が高い。

筆者は,健 康教育 ・健康科学を担当していた20

00年 ごろか ら,健 康行動理論に関心をもって,有

効性の検討を続けてきた。本稿において,今 の時

代が望んでいる 「健康行動変容」の内容 と背景,

それに対応する 「健康行動理論」の内容,さ らに

その有効性について一教育研究事例から検討して

記述する。

2.健 康のための行動変容

本稿では,健 康のための行動(健 康行動)変 容

を,「 病気からの回復や予防などを意図する健康

のための行動変容」,「健康増進 ・健康づくりのた

めの行動変容」を意味する言葉 として用いる。健

康行動とは 自己の心身の健康を維持・増進し,病

気予防や病気回復のために行 う行動全般をさして

いる。健康行動は病気予防的あるいは病気回避的

であるというだけではなく,よ り豊かな社会生活

と内面生活を過 ごすための前提 として,望 ましい

健康状態を形成・維持・増進させるように方向づけ

られた行動であることを意味する7"-9)。

「健康のための行動」は,「 健康行動」 と呼ば

れることが近年多い。健康づくりのための健康行

動と呼ばれる生活行動として,「適切な食事(量 ・

栄養バランス ・食事時間など)」,「 身体活動 ・運

動」,「ス トレス対処を含む休養」は日常的であり,

重要な3要 因であるので,こ れらを対象にして考

え記述する。 「喫煙⇒禁煙」,「過度の飲酒をしな

い」,「働きすぎない」,「食後に歯を磨 く」,「適正

体重を維持する」なども健康行動である。

また,目 に見える行為だけでなく,記 録や測定

が可能な精神状態や感情までも含めて考えること

がある10)。Gochman11)の 定義 によれば,健 康行

動 とは,① 信念 ・期待 ・動機 ・価値 ・知覚 ・その

他の認知要因などの個人特性,② 感情的な状態や

特性を含む人格特性,③ 健康の維持 ・増進 ・回復

に関係する行動パターン,行 為,習 慣をさす。さ

らに広義には,社 会的変化 政策策定と施行,コ ー

ピングスキルの向上,生 命(生 活)の 質(QOL)

の向上など個人はもとより,集 団や組織での活動

や これらに影響する決定要因,関 連要因,結 果要

因などを含むとされる12)。

2-1)「 食事 ・食行動」:生 きるために,「食

物」を摂ることは必須の営みである。食物から,

エネルギー,身 体構成成分,体 内化学反応(代 謝)

の調節物質(補 酵素など)を 得ることで,生 きる ・

発育 ・発達 ・活動のすべてが可能になる。古来よ

り,ヒ トは充分な食物を得るために動き回ってき

た。それでも必要な食物を摂れないことが多かっ

たのに対し,近 年の日本では飽食の時代を迎え,

身辺に食物が豊富にあるのが常態となった。食欲

を調節する仕組みの中で,空 腹を気付かせる信号

は鋭いのに対し,満 腹や食べ過ぎには鈍感である。

それはヒトの進化の歴史を反映すると考えられる

が,運 動量を知る仕組みもこれに似ていて,運 動

量が大きすぎる時には,倒 れる前に息がきれる,

胸が苦しいなどの信号がでる。そのためペースを

落として休息するのに対 し,運 動量が不足したと

きの急性の信号は皆無に等 しい。徐々に進んだ身

体の機能低下で気付 くことになる。先進国の人々

をとりまく生活環境では,運 動不足は飽食 とセッ

トになって存在することが多い。その結果,わ が

国の健康上の課題として生活習慣病がクローズアッ

プされている。平成17年 版厚生労働白書13)では,

以下のように述べている。『栄養 ・食生活は,多

くの生活習慣病 と関連が深 く,ま たQOLと の関

連も深い。健康 ・栄養状態の改善を図り,良 好な

食生活を実現するためには,個 人の行動変容を促

す こと,個 人の行動変容を支援する環境を確保す

ることが必要である。 このため,科 学的根拠に基

づ く施策の推進 として,国 民の健康の増進,エ ネ

ルギーおよび栄養素欠乏症の予防,生 活習慣病の

予防,栄 養素の過剰摂取による健康障害の予防を

一2一

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天 使 大 学 紀 要2007Vol.7

目的に,エ ネルギーおよび各栄養素の摂取量の基

準として,2005(平 成17)年 度から2009(平 成21)

年度までの5年 間使用する 「日本人の食事摂取基

準(2005年 版)」(2005)を 策定 した。 また,厚 生

労働省,文 部科学省,農 林水産省の連携により,

2000(平 成12)年 に策定 した 「食生活指針」(200

0)の 普及啓発 を行っている。 さ らに,具 体的に

「何を」 「どれだけ」食べればよいかについて,わ

か りやすい情報提供を行い,個 人の行動変容を促

すために厚生労働省と農林水産省との連携のもと,

2005(平 成17)年6月 に 「食事バ ランスガイ ド」

(2005)を 作成し,公 表した。』

一方,自 然界の動物に肥満は見られないという。

彼らは食欲が満たされると,食 物が目の前にあっ

ても食べない。食欲調節中枢が摂食行動を良く支

配しているのに対し,人 間では肥満や拒食などの

摂食障害が社会問題となるほど生 じている。 この

背景には,心 理社会的ス トレスによる身体機能の

歪みがあると考えられる。無理なく行 う身体活動 ・

運動には,ス トレスを解消する効果が知 られてい

る14)。また,学 校などにおけるス トレス対処教育

の重要性が主張されている15)。

2-2)「 身体活動 ・運動」:動 物であるヒ ト

(人間)に は,動 く(活動 ・運動する)こ とに適 した

身体の仕組みが備わっている。有史以来,食 物を

得るために,狩 猟 ・採集 ・農耕 ・漁業 と身体を駆

使して活動し続け,そ れでも充分な食物を得るこ

とのできない生活を続けてきた。近年になって,

慢性的な運動不足という未知の体験を多 くの日本

人がしていることになると考えられる。厚生労働

白書(2005)13)で は,以 下のよ うに述べている。

『糖尿病を始めとする生活習慣病の予防には,バ

ランスのとれた食事に加えて適度な運動を生活習

慣 として定着させていくことが重要である。 厚

生労働省では,健 康づくりのための運動を安全か

つ適切に行うことができる施設を健康増進施設 と

して認定してお り,さ らに,医 学的基礎知識 運

動生理学の知識などに立脚しつつ,個 人の身体状

況に応 じた運動プログラムの提供および指導を行

う健康づくりのための運動指導者(健 康運動指導

士および健康運動実践指導者)の 養成事業の認定

等を行っている。』また,「 健康づ くりのための運

動所要量(1989)」 「健康づくりのための運動指針

(1993)」 「健康づくりのための運動基準(2006)」

が厚生労働省を中心に策定され,普 及啓発活動が

熱心 に取 り組 まれている16・17)。

2-3)「 休養(ス トレス対処 を含む)」:活 動

し,食 べて休 息する ことは1日 の生活 リズムであ

る。 このよ うなサイ クル を繰 りかえ して,ヒ トの

歴 史はつ くられてきた。疲労か らの回復 を意味す

る 「休 息」 にとどまらず,疲 労 しにくい心身を養

う 「積 極的休養」が現代社会では大切である。積

極 的休 養 法 と して,身 体活 動 ・運動 ・ス ポ ーツ

は有 効 な も の の一 つ で あ る14)。 厚 生 労働 白書

(2005)13)で は,『 健 康 の増 進 を図 り,生 活 の質 を

高める には,栄 養,運 動面だけでな く,休 養 を 日

常 生活 に適切 に取 り入れた生活習慣 を確 立す る こ

とが重要 であ る。 このた め,1994(平 成6)年 に

「鯉康づ くりのための休養指針」を策定し,健 康

づくりのための休養に関する情報提供を行ってき

た。また,2003(平 成15)年3月 には,「 健康づく

りのための睡眠指針」を策定し,普 及啓発を行っ

ている。』 と述べている。

2-4)総 合的な健康行動:「 適切な食事」,

「身体活動 ・運動」,「ス トレス対処を含む適切な

休養」は,相 互に連関する生活習慣であり,日 常

生活を健康的に過ごすうえで重要な鍵 となる生活

行動 と言えよう。ヒトの身体 には,「 身体の知恵」

と呼ばれるような健康に生きるためのメカニズム

が備わっている。一つずつの行動をとりだすこと

では改善しにくい仕組みになっていると考えられ

る。適切な量の食事を摂ると,血 糖濃度が上昇し,

空腹中枢神経細胞の活動(電 気発射)は 小さくな

り食欲が抑えられる。脳内(間 脳)視 床下部食欲

中枢の活動に関与するのが,血 糖濃度であり,脂

肪細胞から分泌されるレプチンなどである。血中

レプチン濃度は体脂肪量と正比例することが報告

されているが,肥 満者ではレプチン濃度は高いに

も関わらず食欲は充進 していることが多い。 また

過剰なス トレスは,視 床下部食欲中枢の適切な働

きに異常をもたらす。食欲中枢の正常な機能維持

のためにも,「 身体活動 ・運動」が必要かもしれ

ないが,こ れらの科学的根拠(エ ビデンス)は 今

後明らかにされていくに違いない。メカニズムが

充分に解明されていない現状でも,健 康行動を総

合的に捉えることが求め られよう18)。日本人の健

康的生活習慣 として,疫 学的研究方法で明らかに

された森本らの8つ の生活習慣は一般的である19)。

朝食を毎 日食べる,適 度な睡眠時間,適 度な労働

時間,運 動 ・スポーツを定期的に行 う,栄 養バラ

一 一3-一 一

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森谷 黎 「健康のための行動変容」における「健康行動理論」の有用性の検討(総 説)

ンスを考えて食事する,自 覚的ス トレス量が多く

ない,タ バコをすわない,過 度の飲酒をしない,

の8項 目であ り,健 康行動を総合的にとらえる重

要性を示している。

3.現 在までの健康行動理論

3--1)主 に個 人を対象 とする健康 行動理論

(①健康 信念モ デル//② 合 理的行為 の理論//③ 行

動計画理論//④ 行 動変容ステージ理論:行 動変容

ステージモデル/ト ランスセオ レテ ィカルモデル

/理 論横断モデル/汎 理論モデルな どと呼ばれ る)

3-1一 ①)健 康 信 念 モ デ ル:1960年 代 に

Rosenstock20)が 提唱 し,Becker21)が 発展 させた。

人々は,健 康行動 をとることの利益 ・恩恵 と不利

益 ・負担 を評価 し,バ ランスな どを分析す る。 こ

れ らの評価 分析 プロセス を重ねる ことを通 して,

健康行動の有効性 についての信念が形成 され,健

康障害 ・病気 に対する個 人的脅威 と相 まって,実

際の健康行 動 に結びつ くと考え られ る。

3-1一 ② と③)② 合理的行為の理論 と

③ 行 動計 画 理論:Fishbein&Ajzen22)に よ っ

て提唱 された。②合理的行為の理論では,健 康行

動は行動意図(動 機)に よって導かれ ると考 える。

その後,さ らに包括的 に拡張 され,③ 行動計画理

論 とな った23)。行動計画理論 では,行 動意図(動

機)に 「行 動 コ ン トロール 感」 が加 え られ た。

「行動 コ ン トロール感」 は ,行 動 を達成で きる見

込み ・能力 を示すが,健 康行動の実行は意 図(動

機)と コン トロール感 によ って決定 され ると考 え

る。

3-1一 ④)④ 行動変容ステ ージ理論:行 動

変容ステー ジモデル/ト ランスセオ レテ ィカルモ

デル:transtheoreticalmodel:TTM/理 論横

断モデル/汎 理論モデル:行 動変容ステー ジ理

論(thestagesofthebehaviorchange

theory)は,Prochaska他 によ って開発 され

た24一26)健康行 動理 論で あ り,行 動変容 ス テー ジ

モデル,ト ランスセオ レティカルモデル(TTM)

な どと呼ばれて いるモデルは,理 論 の具体化で あ

る。 本稿 では,ト ランスセ オ レテ ィカルモ デル

(TTM)と い う用語 を代 表 と して用 いる。TT

Mは,① 変化 ステー ジ(stageofchange),②

変化 過程(processesofchange),③ 意志 バ ラ

ンス(decisionalbalance),④ セ ル フエ フ ィカ

シー一(self-efficacy)の 四要素を盛 り込んだ包括

的健康行動変容モデル とされている。TTMは,

変容のステージを利用 して,こ れまでの主要な健

康行動の変容(介 入)に 関する理論から,変 化に

関するさまざまなプロセスと原理を統合 し,発 展

させ られた新 しいモデルである。Prochaska&

DiClemente24)は,心 理療法や行動変容に関する

有力な理論(フ ロイト理論 ・スキナー理論 ・ロジャー

ス理論な ど)を 比較分析 し,統 合化 した。現在,

TTMと 行動変容モデルは優れた個人対象の健康

行動理論として活用されている。人の健康行動に

は,準 備状態(レ ディネス)や 実践の程度に応 じ

て5段 階の連続するステージ(段 階)が 存在 し,

人はステージを進行するが,立 ち止まったり逆戻

りしたりもすると考えられている{前 熟考ステー

ジ(期)か ら維持ステージ(期)へ 向かって上る

「らせん状の階段」が描かれている}。TTMと 行

動変容モデルでは,ス テージを移動させるために,

それ らのステージに応 じて,強 調する介入内容,

つまり働きかけを変えていく必要性が唱えられて

いる。5つ の連続する行動変容ステージと10の変

容プロセス(働 きかけ),意 志のバランス(行 動

変容による恩恵 とコス ト・負担などのバランス),

セルフエフィカシー(自 己効力感)を 高めること

の重要性をその内容 としている。TTMは,身 体

運動の変容プロセスで近年最 もよく活用されてい

るように見受けられる1)3)5)32)。TTMを 栄養教育

に適用 した研究をまとめた最近の赤松 と武見の総

説27)によれば 欧米での研究が多 く,日 本での研

究報告は未だ多 くない。食行動は,複 数の行動変

容(食 物を適量食べる/栄 養バランスを考えて食

べる/野 菜を食べる/食 塩を控える/油 脂 を適正

に,な ど)を 含むために教育や評価に困難が多い

ものの,TTMの 栄養教育への活用 による効果が

見 られていると述べている。TTMで は,5つ の

ステージ{前 熟考(無 関心)ス テージ/熟 考(関

心)ス テージ/準 備ステージ/実 行ステージ/維

持ステージ}と,そ のステージを進めるために使

用される固有のプロセスの関係が見出されている。

この関係は,唯 一で個別化された介入をテイラー

化(個 人の体型に合わせて洋服を仕立てるように,

行動変容のステージに応じて,最 も適切な介入方

法を適用)す るために,ス テージに合わせたモデ

ルの基盤を形成するという意味で重要である。テ

イラー化された方法は,レ ディメー ドに比べて個々

一4一

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天 使 大 学 紀 要2007Vo1.7

意識の高揚ドラマティックリリーフ自己再評価環境的再評価社会的解放

変化 プロセス

反対条件づけ援助関係強化マネジメント自己解放刺激コントロール

問題行動を変える恩恵 ・利得

行動変容のセルフエフィカシー

変容を妨げる誘惑の克服 ・排除

図1.ト ランスセオ レテ ィカル モデル(TTM)に お ける行動変容の と らえ方

*異 なるステージへの移行には異なる関係が存在する。ステージ固有モデルの開発のためにさらなる研究が必要である。

高齢者の運動と行動変容一トランスセオレティカル ・モデルを用いた介入(竹中晃二監訳,2005)を 一部筆者が修正した。

表1.行 動変容ステージ理論(ト ランスセオレティカルモデル)に おける10の 行動変容プロセス

一考え方 ・認知の変化を促す方法 一

①意識の高揚:健 康問題に関する新しい情報を探し,問 題行動に関する理解やフィー ドバ ックを得るための

努力をし,そ れを理解すること。セルフモニタリングを得ること

② ドラマティックリリーフ(情 動的経験):行 動変容しないことでの健康への脅威や健康行動をとることに

関 して,激 しい感情的な経験をすること

③自己の再評価:不 健康な行動を続けることや,健 康行動をとることが,自 分にとってどういう影響を及ぼすのかを情動的 ・認知的に再評価すること

④環境の再評価:不 健康な行動を続けることや,健 康行動をとることが物理的 ・社会的環境に与える影響を,その人なりに再評価すること

⑤社会的開放:代 替療法をとった り,健 康的な生活行動をお くることが社会でどのように進んでいるのかに

気づいたり,利 用の可能性を探った り,受 容した りすること

一行動の変化を促す方法 一

①置換(反 対条件づけ):問 題行動の変わ りになる健康的な考え方や,行 動を取 り入れること

②援助関係の利用:健 康行動へのソーシャルサポー ト(気 遣って くれる他者の援助を信頼 し,受 容 し,活 用すること)を 求めて利用すること

③強化マネジメント:行 動変容に対して自分自身に褒美を与えることや,他 人か ら褒美をもらうこと

④コミットメント(自 己解放):行 動変容することを選び,決 意し,そ れを表明することや,行 動変容する

能力を信 じること⑤刺激の統制:問 題行動のきっかけになる刺激を避けることや,健 康行動をとるきっかけになる刺激を増や

す こと

一一5-一 一

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森谷 禦 「健康のための行動変容」における「健康行動理論」の有用性の検討(総 説)

人に対応した方法を選びやすい。TTMに おける

行動 変容 の と らえか た を 図1(Burbank&

Riebe,竹 中晃二監訳28)を筆者が一部修正)に,

変容プロセスの説明を表1(鈴 木他9)29)などを一

部修正して作成)に 示した。あるステージにいる

対象者を,次 のステージに進めるために有効な介

入法は以下のように整理されている9)30-32)。

(1)前 熟考(無 関心)ス テージ→熟考ステージ:

行動変容の必要性の自覚(意 識の高揚)/病 気 ・健

康行動に関する知識の増加(意 識の高揚)/メ リッ

ト ・リスクの認識(意 識の高揚,感 情的経験 環

境の再評価)/病 気 ・健康行動に対する対象者の

考えや気持ちを表すことによる気持ちの切 り替え

(感情的経験)

(2)熟 考(関 心)ス テージ→準備ステージ:動

機付け(自 己の再評価)/行 動変容に対する自信を

持たせる(自 己の再評価)/障 害の明確化 と対処

(環境の再評価)/継 続的な行動変容 に対する情

報提供(意 識の高揚)

(3)準 備ステージ→実行ステージ:行 動計画を

立てる(コ ミットメント)/行 動変容の決意を固め

る(コ ミットメント)

(4)実 行ステージ→維持ステージ:行 動変容の

決意が揺 るがないようなフォロー(代 替行動の学

習,刺 激の統制)/行 動的な技術 トレーニング(褒

美,セ ルフモニタリング)/ソ ーシャルサポー ト

による支援(援 助関係の利用)

(5)維 持ステージ(維 持する):再 発予防のた

めの問題解決/問 題解決の技術と社会的,環 境的

支援/セ ルフモニタリングの維持/継 続的なソー

シャルサポー トによる支援

TTMは 個人を対象とする健康行動理論である

が,集 団を対象とする公衆衛生領域においても有

用である。それは,以 下のような特徴を持つか ら

と考え られる。

1)テ イラー化された介入であること:行 動変容

プログラムは,個 々人の行動変容に応 じて,最 も

相応しい介入方法を適用することで効果をあげる

ことができる。行動変容を起こそうとする準備状

態(レ ディネス)は すべての人たちで同じではな

い。行動変容について全く考えていない人もいれ

ば,行 動を変化させ新しい健康行動をより容易に

維持する方法を探している人がいるかもしれない

など,様 々な準備状態に対応できる。

2)意 志が強 くな くても効果が期待できること:

従来,変 化するためには 「強い意志が必要」 とさ

れてきたが,必 ず しもその必要はない。行動変容

ステージ理論やTTMを 適用することは,そ の人

が現在どのステージにいるのかにかかわらず,強

い意志にあまり頼ることなく,そ の変化を維持ス

テージに向かって少 しずつ前方に進めることがで

きる。この適切なプロセスを科学的に適用するこ

とで,行 動変容を説明し,手 段を提供することが

できる。

3)広 い視野を持っていること:TTMは 幅広い

様々な健康行動に適用可能であることが示されて

きた。従来の研究か ら,行 動変容に関するこの統

合モデルが,公 衆衛生的関心を集めている様々な

問題行動(例 えば喫煙行動)を 変容させるのに適し

ていることを示 している33)。

4)ヘ ルスケア現場の人たちに役に立つこと:行

動変容に対 して強いアプローチになっているTT

Mは,研 究者と同様に,ヘ ルスケア現場で働くど

のような人でも使用できることが明らかになって

いる。 このモデルは,様 々な行動で実証されてい

るので,医 師,看 護師,栄 養士などのヘルスケア

専門家による活用が可能である。問題行動の変化

を成功裡に進めることが可能なために,臨 床的介

入 と公衆衛生的介入を組み合わせた能力を持って

いると考えられている34)。

5)他 の介入法に比較 して成功度が高い:禁 煙行

動の持続などでのフォローアップ調査から,成 功

度が高いという結果が得 られている。

3-2)複 数対象者集団に対する健康行動理論

(①社会的学習理論 ・社会的認知理論の応用//

②ソーシャルネットワーク ・ソーシャルサポー ト

の応用)複 数の対象者に対 して行われる健康行

動指導で活用される。社会的学習(認 知)理 論は,

教室タイプの指導などに用いられる行動変容理論

であり,人 の行動,学 習 ・認知(思 考 ・記憶 ・想

像など),社 会的環境は相互に影響しあうという

3者 間の互恵的な関係が強調されている。例えば,

ある地域で食事バランスガイ ドを使う人が増えて

くる,ウ ォーキングを行 う人が増えてくる(社 会

的環境)と,そ れを見た人が自分も行ってみよう

かなと考える(学 習 ・認知)よ うにな り,も しそ

の人が実際にバランスガイ ドを使った り,ウ ォー

キングなどの健康行動を行う(行 動)よ うになれ

一6一

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天 使 大 学 紀 要2007Vol.7

ば さらにその行動 自体が社会的環境に影響を与

えていくことになる。 この理論では,特 に,他 人

を観察す ることによって行動が学習される こと

(観察学習),ま た 「セルフエフィカシー(自 己効

力感)」 という行動実践の見込み感を強化するこ

とが将来 の行動を予測するために重要である。

「観察学習」は,類 似の能力,目 標などを持つ人

たちをグループに組織 してグループワークを行わ

せ,う まく実践,さ らに継続できている人の経験

を他の構成員に見せたり,聞 かせたりするなど,

他人の成功を観察させて学習させていく方法とさ

れる。 「自己効力感」の増強には,4つ の原則的

な情報源があるとされている35)36)。 それ らは,

(1)遂行行動の達成(失 敗)経 験(2)代 理的体

験(3)言 語的説得,(4)生 理的 ・情動的喚起で

ある。遂行行動の達成経験 とは,あ る行為を行 う

ことに対する過去の成功体験や失敗体験のことで,

この体験は,直 接的に,遂 行の程度に関する情報

を与えてくれるために最も強力で効果的な情報源

となり,達 成可能な目標を定め,成 功体験を重ね

ることで自己効力感を強化できる。代理的体験と

は,観 察学習 と同様に,他 人の成功や失敗の様子

を観察することによって,代 理性の経験を持つこ

とを言う。 「あの人ができるな ら自分にもできる

かも一」 と思うことも多い。現代社会では,テ レ

ビ番組のようなマスメディアを通じて代理性の経

験を積むことも多い。言語的説得とは,そ の人が

「ある能力」を持っていることを,指 導者などか

ら言語 という形式で影響を受けることによって気

付いて得 られる。 「できる」 という自信を持たせ

てくれるような他人か らの教示,ま たは確認であ

る。生理的 ・情動的喚起は,人 々の能力,強 度や

機能について,五 感を通 して身体各部から感 じ取

ること,そ れ らの情報か ら自分が上達 したことを

感じ取ることである。運動や身体活動のプログラ

ムの評価では,筋 力や持久力の数値による評価の

他に,例 えば階段を上っている時に心臓や呼吸が

楽になっている,軽 く汗ばむことを心地良く感じ

るようになっている,大 腿筋の疲労が以前と較べ

て改善されているなど,身 体の変化を自覚できる

ような内部情報に目を向けることで得られる。食

行動で過食の解消を目的にした時,体 重を測るこ

とや血液成分の検査などの他に,動 いているとき

身体が軽く感 じられる,体 調が何 となく良い,自

分の体型に自信がもてたなどの主観的感覚が大切

である。このような感じか ら,「できる,で きた」

という有能感や快感情が増強する。有能感や快感

情を意識化することで,運 動や食行動変容の継続

が苦痛ではな く楽 しくなる。 これ ら4つ の情報源

を活用して,個 人の自己効力感を増強できたとい

う研究報告が多くなっている。健康行動介入プロ

グラムにこれ らの要素を盛 り込む ことで,継 続に

効果が期待できると考えられる。

3--3)環 境や規則に働きかける健康行動理論;

社会の健康行動理論(① ヘルスプロモーション

//② コミュニティ ・オーガニゼーション//③プリ

シー ド・プロシー ドモデル)健 康行動を地域

社会や集団,政 策というマクロな観点から捉え,

構成員の行動変容を促すことは重要なことである。

構成員の行動変容のために,啓 発活動,健 康教育,

行動変容援助事業などを通 じて,知 識や技能を伝

えていくことが可能である。健康行動を継続 しや

すい環境づ くりが,地 域や市町村などをあげて推

進されることも可能である。

4.実 証研究:大 学1年 生対象の講義

「食の健康 学」 におけ る健康 行動 理論

(行動変容ステージモデル)適 用の試み*

4-1)研 究の目的:大 学生の健康的 「食」行

動変容をめざすクラス ・レベルの取 り組みとして,

講義を通じた食育と食事診断などの調査を行った。

講義 は,平 成16年 度後期 にH大 学で開講された

「食の健康学一食料生産活動を活かした食育」で

あった。従来の調査などか ら食生活に問題の多い

ことが推察された大学1年 生を対象に,行 動変容

ステージ理論に基づいて食行動の変容をめざす授

業をH大 学で初開講 した。受講生の認知的変容

プロセス(意 識の高揚/ド ラマティックリリーフ

/自 己再評価/環 境的再評価/社 会的解放)の た

めに,栄 養学全般の知識に加えて,農 漁業を身近

に体験できるような講義を専門の講師が講義し,

食品が生物由来であること,旬 の問題などに関心

を高めた(講 師は計7名 で担当した)(表2:講

義題 目一覧)。 講義時間の一部を使って,食 事診

断 と行動変容ステージなどの調査を行 い,そ の結

*本 実証研究の一部は森谷他によって学会発表された37)。

一7一

Page 9: Instructions for use · る。このようなサイクルを繰りかえして,ヒ トの 歴史はつくられてきた。疲労からの回復を意味す る 「休息」にとどまらず,疲

森谷 黎 「健康のための行動変容」における「健康行動理論」の有用性の検討(総説)

表2.食 の健康学一食料(品)生 産活動と結びついた食育の可能性一2004年 の授業内容

第1講:現 代社会 と食教育の課題/生 活 と食物第2講:食 物の生産過程

第3講:栄 養素と非栄養素の役割 第1回 食事診断と質問紙調査

第4講:栄 養所要量 と食事診断法

第5講:健 康行動理論 ・食事改善目標 をたてる

第6講:大 学生の食生活 と食育の課題

第7講:農 産物の流通 と食の安全性 第2回 食事診断

第8講:漁 業資源の評価 と将来展望

第9講:海 洋性食品の栄養 と機能性物質

第10講:病 気発症 と関係する食生活第11講:パ ンを焼 く/ハ ーブと玉葱のサラダ 第3回 食事診断と第2回 質問紙調査

(切 り干 し大根50gを 使った調理体験と小レポート提出:冬 休み期間の課題)

第12講:食 物 とライフステージ/高 校生の食事状況(調 査結果の紹介)

第13講:長 寿 と食事

第14講:小 レポー ト課題のまとめ 第4回 食事診断と第3回 質問紙調査

氏 名

i㌔ 齢…性男鰻 鋤 度…学生餐暑

身 長

体 重

BM1

肥満判定

目標体重

172.0

58.0

19.6

普 通 体 ■

65.1

体重ア ドバイス

塩 分 チ ェ ッ ク

cmあ なたが一 日に とった食塩 は

kg8.99

★目標一 日

10.Og以 下kg

あなたの体■は普通体■の範囲内です。寓血圧、糖尿癖、窩脂血症.痛 凪などの生活習慣癖予防 ・改替のため、現在の体■を雑持するようにしましょう●

塩分 ア ドバ イス

あなたの塩分摂取量は.窩 血圧予防の面において、とても董ま

しい量です。

栄嚢充足率

摂取量 食事摂取茜準 100鴨200腸エネルギー(ko81》 2519 2233・ 》3005 一i 100.0

菓子・曜好飲糾鼠(kc81)

アルコール(koaD

33

93

「※総エネルギー中に∬

占める齢 です・Iili

ヨil'1

1.3

3.7たんぱく質(g) 77.0 70.0飼70.0 一 110.0

脂貿(9》 57.7 ㎎.6"83.5「一 100.0

炭水化物ω 398.1 360.1僧425.6 一7 100.oカルシウム(㎎) 895 700鱒700 〃z〃〃クz㎜Zz〃 刎 127.8

鉄(耐 8.4 10.0~10.0 一i 83.6レチノール当量(μ`) 1323 600~600

-一冨 220.5ビタミン81《㎎) 1.13 1.10鱒1.10 一} 103.1ビタミン82(㎎) 1.62 1.20~1,20 一i 134.9ビタミンCO㎎) 156 100鯉100 一 155.8食物繊維総量(9) 19.9 22.3~30.1 一1 … 89.1ビタミン0(μΩ 4.0 2.5"2.5 一 一 159.4

コレステ回一ル(mg) 292 200旬300 一 … 100.0

食 品 群 別 バ ラ ンス 急介 類

21.5%油脂類

82.3%.!!'

魏 謬/

砂糟類158.2蝋

蝋果契 類㎞47

.311

肉 類

i-.80,9%

"

野菜類82.8%

'

\ 卵 類・、57.4%

・景 £

,/乳 類

177.3%

食品例

急介頬 急、貝.練 製品、干物など

肉 顛 獣鳥鯨肉.ハ ム、ソーセー ジなど

卵 藁 塾卵.う ずら卵など

豆 類 大豆.大 豆製晶、豆 ・豆製晶など

乳 顛 牛乳、乳製晶など

野菓獺 野菜頗、藻獺.き のこ頬な ど

果実類 果実顕

穀芋顛 ごはん.パ ン、麺、芋頗な ど

砂糖類 砂糖.蜘 ■.み りん.ジ ャムなど

藁子口 薬子、し好飲斜、アルコールなど

油脂顛 植物演、動物性油謄、種突頬など

、色物血め繊るいる

。なし解

。嘲け

りま黄食脂薦物いな

いてねるま

スすどが

なん緑

。高お食ていて

つん入みレまな心

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.にどりてしませにてトリるに

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よ秘曹な足れをたま呂しスな入う

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レもでよ回活風も

、コと織予き

◎疲なトか分く労な

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・・晶のまもがゆ

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◎養

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の思かうりる落う

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鉄す

ほ野繊症で維と

のよた寝ど

よ消睡

日ま

図2.Wellness21「 食事診断個人表」例

果を希望者に返す ことで受講生の行動的変容プロ

セス(反 対条件づけ/援 助関係/強 化マネジメン

ト/自 己解放/刺 激コン トロール)を 促す一助 と

した。 また 「パンを焼 く」 「サ ラダづ くり」の疑

似体験授業,冬 休み期間に 「切 り干 し大根の自由

な調理」を課題とすることで,行 動的変容プロセ

スを強化することを意図した。毎回の講義終了直

前 に出席 カー ドを兼ね て感想 ・質 問 ・回答を記述

して提出 させ る ことで,講 師 と受講 生の フィー ド

バ ックを図った。

4-2)方 法:2004年 度後期(10月 一1月)に,

選択講義科 目 「食 の健康学」(受 講 生約200名)に

お いて,「 食」 をテーマ に毎週1コ マ90分 の授 業

を計14回 行 った。 クラスの食育効果 を,10月 か ら

一8一

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天 使 大 学 紀 要2007Vo1.7

6

5

4

艇嘩聖謎馳園癒に

3

℃、、、 、 、、 、、℃℃、℃、 、 、 ℃、、 、、、、、 、、 、、 、 、-℃ ℃ 、 、、

repeatedmeasuresonewayANOVA:

F=21.59,p〈0.001(n=111)

*P〈0.05vs2004年10月(Bonfemni)

***

1Li

2004年10月 11月 12月 2005年1月

図3.講 義 「食の健康学」 における行動変容ステージの推移

毎 月1回,計4回 の食行動変容 ステージ調査 と食

事診断結果 な どか ら評価 した。 受講生の 「食(生

活)行 動変容 ステー ジ」 を尺度質問紙9)で 調査 し,

行動変容段 階得点 を求 めた。 本質問紙 では,5つ

の行動変容ス テー ジ ごとに該当す る選択肢が2項

目あ り,最 もよ く当ては まる1項 目を選択させ た。

前熟考 ス テー ジの行 動変容段 階得点 は1-2点,

熟考 ステー ジは3-4点,準 備 ステv・・・…ジは5-6点,実

行 ステー ジは7-8点,維 持 ステ ー ジを9-10点 と し

た。 「食事 診断:栄 養摂取状 況 と食 品摂取状 況」

をWellness21(TopBusinessSystem)の 質

問紙 と評価 ソ フ トを用いて,頻 度法で調査 した。

毎回の調査 結果 を集計 し,講 義 の中で クラス の平

均値 な どを受講生 に知 らせ るとともに,希 望者 に

自分 の 「食事診 断個 人表(図2)」 を返 しセル フ

モニ タ リングを促 した。10,12,1月 の食事診 断

に併せ て,一 般性 自己効力感 を質 問紙で3回 調査

した。 一般性 自己効 力感質 問紙38)では,「 何か仕

事 をや る時は 自信 をもってや るほうで ある」 な ど

16の 質問項 目に,4択 のいずれか を選択す る。 最

も自信の高 い回答 に4点,最 も低 い回答 に1点 を

与え,合 計点 を一般性 自己効 力感得点 とした(16-

72点)。 さ らに,健 康 生 活 習 慣 指 数(Health

PracticeIndex:HPI)質 問紙19)によって,8つ

の生活 習慣が健 康的 か否 か を尋 ねた。2択 の回答

の 中,健 康 的な生活習 慣 に1点 を,そ れ以外 は0

点 とした ので,O-8点 に分布す る。

統計解 析 は,repeatedmeasuresANOVA,

Spearman順 位 和相 関係 数 によ った。p<0.05を

有意 と した。

4-3)結 果 と考察

4-3--1)行 動変容 ステージの推移

5つ の行動変容 ステージか ら選 んだステー ジと

行動変容段 階得点 の関係 は以下のよ うである。行

動変容段 階得点1-2点 は前熟考 ステー ジ/3-4点 は

熟考 ステージ/5-6点 は準備 ステー ジ/7-8点 が実

行 ステージ/9-10点 が維持ステー ジを意味す る。

2004年10月 実施 の第1回 調査か ら2005年1月 実施

の第4回 実施まで,全 て に回答 のあった受講 生は

111名 で あった。得 点は1点 か ら9点 に分布 し,平

均値(SEM)は3.5±0.16(n=111)で あった(熟

考 ステー ジ)。1ヶ 月後の第2回 調査 の得点は1点

か ら10点 に分布 し,平 均値(SEM)は4.5±0.18

と高 くなった(準 備ス テー ジ)。 第3お よび4回

調査 の得 点は いず れ も1点 か ら10点 に分布 し,平

均 値(SEM)は4.6±0.19と4.7±0.17で あ っ た

(準備 ステ ー ジ)。repeatedmeasuresANOVA

で 統 計 的 に有 意 な上 昇 で あ り,多 重 比 較検 定

(Bonferroni法)の 結果,第1回 調査 に比べ て,

第2,3回,4回 調査結果 はいずれ も有意 に高値

で あった(図3)。1ヶ 月間の講義受 講が充 分 に

「意識 の高揚」 な どを もた らし,認 知 的 ・行 動的

変容 を促 した ことが推察 され る。そ の後,第3お

よ び4回 調査 で も2回 目同様 に高い行 動変容段階

得点が維持 された。平均値でみる と,熟 考(関 心)

ステー ジか ら,準 備 ステージ に移行 した ことにな

る。5段 階のステージで見る と,第1回 目調査で

一9一

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森谷 黎 「健康のための行動変容」における「健康行動理論」の有用性の検討(総 説)

(唾)唾嘩旧田ω摯望1

41

40

39

38

37

36

35

、回 葛嶺ae""^・s①2@e顧 」〈2""A・s2> 3⑥ePt9〈2""5's'

図4.講 義 「食の健康学」における一般性 自己効力感(SE)の 推移

栄養素別充足率(%)の 推移

130

*

120

110

100

ま9。

語凶80

70

60

50

*

*

40

i2i341213412314

にネルギ=幽 脂質

1}234

炭水化物

*

Mean±SEM(n=120)*

*P<O.05(ropoatod

moasurosANOVA)

.*

コ     る       る コ     る コ     る

ルシウ4鉄 レ ンール当VSI一

*

*

12341234

v・B2y£一

*

躍 騰 二12134

ステ ロー レ

栄養素(■査回数)

図5-1.栄 養 素 別 充 足 率 の 講 義 に 伴 う 変 化

栄養素 の中で,た んぱ く質 ・カルシ ウム ・鉄 ・レチ ノール 当量 ・ビタ ミンB1,ビ タ ミンB2,

ビタミンC,食 物繊維,ビ タミンD充 足率が有意 に増加 改善 した(下 線のある栄養素)

は,前 熟考(無 関心)ス テージ19%,熟 考(関 心)

ステー ジ59%,準 備ステー ジ13%,実 行 ステージ

8%,維 持ス テー ジ1%で あったが,第2回 目調査

で は,前 熟考 ステ ージが7%,熟 考 ステー ジ49%

と低下 し,準 備 ステー一ジ23%,実 行ステー一ジ19%,

維持ステー ジ3%と 増加 した。第4回 目調査では,

さ らに実行ス テージ26%ま で増加 し,行 動変容ス

テー ジの高 ま りが明 らかであった。

4-3-2)一 般 性 自己効 力感(SE)得 点

の推移

一般性 自己効 力感(SE)得 点 は16点 か ら72点

に分布 し得 るが,2004年10月 実施 の第1回 調査の

得点 は19点 か ら54点 に分布 し,平 均 値(SEM)

は37.5±0.67(n=136)で あ った。2ヶ 月後 の第

2回 調査 の得点 は20点 か ら58点 に分布 し,平 均値

(SEM)は38.4±0.74で あ った。 さ らに1ヶ 月後

の第3回 調査 の得点 は17点 か ら61点 に分布 し,平

均 値(SEM)は39.3±0.78で あ り,repeated

一10一

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天使大学紀要2007VoL7

食品群別充足率(%)の 推移

  

伽「100

轟U

O

Oり

轟0

(ま

)管

40

20

0

食品群(■査回数)

図5-2.食 品群別充足率の講義 に伴 う変化

食品群の中で,魚 介類 ・豆類 ・野菜充足率が有意に増加改善した(下線のある食品群)

70

60

50

睦40

30

20

10

1 2 3 4 5 6 7 8

HPZ得 点

図6.講 義 「食の健康学」における健康生活習慣指数(HPI)得 点と一般性 自己効力感(SE)得 点の相関

measuresANOVAで 統 計的 に有意な上昇であ

り,多 重比較検定の結果,第1回 調査に比べて,

第3回 調査結果は有意に高値であった(図4)。

「食の健康学」講義受講で,一 ・般性SE得 点が高

まったことは,食 事 ・食行動に関 しても自己効力

感の高まったことを推測させる。

4-3-3)栄 養素充足率と食品群別充足率

の推移

栄養素充足率はたんぱく質,カ ルシウム,鉄,

レチノール当量,ビ タミンBl,ビ タミンB2,ビ

タミンC,食 物繊維,ビ タミンDで1回 調査か

ら4回 調査における経時的変化で有意に増加し,

改善が見 られた(図5-1)。 食品群の中では,魚

介類 豆類,野 菜充足率が1回 調査から4回 調査

で有意に増加 し,改 善が見 られた(図5-2)。 平

均栄養素充足率と食品群充足率も,1回 調査から

4回 調査における経時的変化で有意な増加が認め

られた。

一一11一

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森谷 禦 「健康のための行動変容」における「健康行動理論」の有用性の検討(総 説)

4-3-4)健 康生活 習慣指数(HPI)の 推

健康生活習慣指数(HPI)得 点は0点 か ら8点 に

分布 し得るが,2004年10月 実施の第1回 調査の得

点は1点 か ら8点 に分布 し,平 均値(SEM)は5.3

±0.14(n=122)で あ った。2ヶ 月後 の第2回 調

査の得点は1点 か ら8点 に分布 し,平 均値(SEM)

は5.4±0.15で あった。 さ らに1ヶ 月後 の第3回 調

査の得点は1点 か ら8点 に分布 し,平 均値(SEM)

は5.4±0.14で あ り,repeatedmeasures

ANOVAで 統 計的に有意な変化は認 め られなか っ

た。

4-・3-5)行 動変容 ステ ージとSE・HPI・

栄養素充足率 ・食品群 別充足率の相関

行動変容段 階得点 とSE得 点 の間には有 意な正

の相関が認 め られ,HPI得 点 とSE得 点の間 にも

有意 な正相関が見 られた(図6)。 行動変容 段階

得点 とカル シウム充足率な どの栄養素充足率間 に

も有意な正相関が認め られた。

4-4)ま とめ

健康行動理論(行 動変容ステージ理論)を 活用

して,大 学生の食行動変容を意図し,講 義 「食の

健康学」で食育効果を検討 した。講義を通 じて,

食行動変容ステージが高まり,食 品 ・栄養素摂取

に改善が見 られた。 この改善効果は1ヶ 月後に認

められ,3ヶ 月後も継続した。個人を主対象にし

て用いられることが多い行動変容ステージ理論を,

100名 をこえる大学生の集団を対象にして主に

講義を通して展開した結果,学 生集団で行動変容

が認め られた ことになる。行動変容ステージの高

まりと相まって,自 己効 力感(SE)の 高ま りが

認め られた。 またSE得 点 と健康 生活 習慣指数

(HPD得 点に正相関が認め られた。受講生は,講

義によって行動変容ステージ理論を理解 し,自 分

の食行動変容ステージと食事診断結果を知 り,自

己効力感やサポー ト状況も認識 していると考えら

れるので,セ ルフモニタリングによって,自 己指

導するように動機づけられたと推察される。専門

的な講義 と質問紙な どを用いた授業によって,食

行動変容のために 「意識と行動の変化」が促され,

食事内容を改善できるようになった可能性を示唆

する。本講義の受講生は100名 をこえたが,授 業

の中で質問紙調査結果の平均値の推移や典型例な

どを提示されたことから,集 団学習理論の 「観察

学習」効果も加味されている可能性が推察される。

5.今 後 の課題

健康行動として,食 事 ・食行動,身 体活動 ・運

動,休 養を主要な課題 と記述 しながら,実 証研究

としてとりあげたのは食行動のみであった。また,

引用文献(図 書)は,運 動変容(介 入)が 多かっ

た。今後,食 行動,身 体活動 ・運動,休 養をあわ

せて総合的に検討 していくための第一歩と本稿を

位置づけたい。Prochaska教 授は 日本健康心理

学会15回 大会(2003)の 招待講演で,TTMを 用

いた健康行動変容プログラムの適用例 として,自

宅場面,臨 床場面,職 域場面のプログラムを紹介

し,複 数の健康行動を同時に変容させることを目

的 としたプログラムについても講演されたと紹介

されている39)。このように複数の健康行動を同時

に変容させることができれば 健康行動変容とし

て理想的である。 「天使健康栄養クリニック(代

表:関 谷千尋教授):2006年9月 開始一12月終了」

の実践の中で,筆 者 らは参加者の現在の行動変容

ステージを評価 したうえで,「運動行動」 「休養行

動」 「食行動」の指導とサポー トを行 う体験をし

た。3-4ヶ 月間の継続指導後において,指 導開

始前に比べて,自 己評価 した 「3つの行動全ての

行動変容ステージ」が高くなった参加者は全体の

3分 の2に 上っていた(グ ル ープA)。 グル ープ

Aは それ以外の3分 の1の 人たち(グ ループB)

に比べて,中 性脂肪などの血液組成の改善や体脂

肪率の低下が顕著で,QOLの 向上が大きかった

(森谷他,未 発表データ)。 このことか らも,複 数

の健康行動変容は効果的と考 えられる。今後,健

康づくりの立場から,総 合的な健康行動変容プロ

グラムとして検討していきたい取 り組み方法であ

る。また,健 康行動理論を 「生活習慣病予防 ・治

療」のためだけでなく,あ らゆる対象者のQOL

を高めるために活用できるエビデンスを積み上げ

ていくことが重要と考える。

6.謝 辞

2006年4月 から,本 学大学院栄養管理学専攻で,

健康行動理論を中心とした学習と研究活動の機会

を与えて頂いたことに深謝します。本稿の執筆に

石川ひろみ氏の助力を得たことを記して謝意を表

一12一

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天使 大 学 紀 要2007Vol.7

します。

7.引 用文献

1)Marcus,B.H.,Forsyth,LH.:Motivating

peopletobephysicallyactive,2003.下 光

輝 一,中 村 好 男,岡 浩 一 朗 監 訳:行 動 科 学 を

活 か し た 身 体 活 動 ・運 動 支 援,1-224,大 修 館

書 店,2006.

2)Glanz,K.,Rimer,B.K.,Lewis,F.M.:

Healthbehaviorandhealtheducation:

Theory,researchandpractice,3rdEdition,

2002.曽 根 智 史,湯 浅 資 之,渡 部 基,鳩 部 洋 子

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