joiss2015 グレブナー基底発表joisinoお姉ちゃんを救おう

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数え上げお姉ちゃんを救おう 勝又海 raven38

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数え上げお姉ちゃんを救おう

勝又海

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数え上げお姉ちゃんを救おうjoisino

勝又海

raven38

グレブナー基底つらい

みなさん 代数方程式系を解きたいと思うときありますよね

42c2e2 + 29ab2c2de+ 19ab2d2 = 0

35b2c+ 52ab2cd2e2 + 46c2d� 5ade2 � 3a2b2c2de2 = 0

37abcd = 0

�5abe+ 30ac2d2e = 0

�31ac2 + 51ab2c2d = 0

手で解くのは辛い

グレブナー基底を使うと幸せになれる

グレブナー基底を使うと幸せになれる

代数方程式系の 解きやすい(考えやすい)形の多項式の集合

予備知識

• 項:変数をいくつかかけたもの • 係数:項についてる定数 • 単項式:項に係数をかけたもの • 多項式:有限個の単項式の和 • 代数方程式:多項式=0の形のもの • 多項式全体の集合は環になります

変数はたくさん

f(x) = anxn + an�1x

n�1 + · · ·+ a1x+ a0

予備知識

代数方程式系:代数方程式を有限個持ってきて並べたもので、解はすべての を同時に満たすもの

S :

8>>><

>>>:

f1(x1, x2, ..., xn) = 0,f2(x1, x2, ..., xn) = 0,...fr(x1, x2, ..., xn) = 0.

f1 = 0, ..., fr = 0

アフィン多様体

は多項式集合 の解の集合とするV (F ) F

すべての f 2 F に対してf(↵) = 0}V (F ) = {↵ = (↵1, ...,↵n) |

多項式の集合 に対して を基底とするイデアル を以下のように定義する

F

hF iF

hF i =(

X

finite

a(X)f(X) | a(X)は多項式,f(X)はFの元)

多項式 が に属すれば、 任意の多項式 に対して, も に属する。

イデアルの基本的性質

多項式      が に属すれば、 も に属する。

hF i =(

X

finite

a(X)f(X) | a(X)は多項式,f(X)はFの元)

a(X)

b(X)

a(X) + b(X)

a(X)b(X)

I

a(X), b(X) I

I

I

(1)

(2)

個の多項式 に対して、r fi, ...fr

V (hfi, ...fri) = V ({f1, ..., fr})

個の多項式 に対して、

証明  とする。 には が含まれるので は に含まれる。

逆に、 のある元を とする。 を の元とすると は に多項式をかけて和を とったものなので になるから

r fi, ..., fr

V (hfi, ...fri) = V ({f1, ..., fr})

I = hfi, ..., fri I {f1, ...fr}

V ({f1, ..., fr})V (I) V ({f1, ..., fr})

I g(X)

V (I)

0

f(↵) = 0 g(↵) f(↵)

V ({f1, ..., fr}) は に含まれる。

,

イデアルの解のことは零点とも呼ぶ

の解全体はイデアル の零点全体と同じになる つまり、元の代数方程式系のかわりに

イデアル を考えてよいことになる

hf1(X), ..., fr(X)i

hf1(X), ..., fr(X)i

S :

8>>><

>>>:

f1(X) = 0,f2(X) = 0,...fr(X) = 0

元の方程式系とそのイデアルの解が一致することを考えると イデアルからうまく多項式をとってきてそれについて考えれば

よいのではないかと考えます

それがグレブナー基底だ

項順序

Tを項の集合とする。Tの全順序 で次の性質を満たすもの

1. ならば 2. 任意の に対して

項順序 を1つ定めたとき、頭項、頭係数、頭単項式、 単項簡約、正規形などが定義できる

というものを定義

t 2 T

ut � ust, s, u 2 T, t � s

1 � t

項順序

2変数の場合を考える。ここで項は である。

辞書式順序 ,または のときに

全次数順序 または

x

iy

j(0 i, j)

i < k i = k, j < lx

iy

j � x

ky

l

1 � y � y

2 � · · · � x � xy � xy

2 � · · · � x

2 � x

2y � · · · � x

3 � · · ·

i+ j < k + l, i+ j = k + l, i < k

x

iy

j � x

ky

lのとき

1 � y � x � y

2 � xy � x

2 � y

3 � xy

2 � x

2y � x

3 � · · ·

項順序

:頭項、順序の一番大きな項 :頭係数、頭項の係数 :頭単項式、

,辞書式順序であるとする

3x3 + 4x2y + x

2 + 2xy2 + x+ 3y2 + 4y

HT�(f)

HC�(f)

HM�(f) HC�(f) ·HT�(f)

�は省略可x � y

項順序

:頭項、順序の一番大きな項 :頭係数、頭項の係数 :頭単項式、

,辞書式順序であるとする

3x3 + 4x2y + x

2 + 2xy2 + x+ 3y2 + 4y

HT�(f)

HC�(f)

HM�(f) HC�(f) ·HT�(f)

HT�(f)

x � y

項順序

:頭項、順序の一番大きな項 :頭係数、頭項の係数 :頭単項式、

,辞書式順序であるとする

3x3 + 4x2y + x

2 + 2xy2 + x+ 3y2 + 4y

HT�(f)

HC�(f)

HM�(f) HC�(f) ·HT�(f)

HC�(f)

x � y

項順序

:頭項、順序の一番大きな項 :頭係数、頭項の係数 :頭単項式、

,辞書式順序であるとする

3x3 + 4x2y + x

2 + 2xy2 + x+ 3y2 + 4y

HT�(f)

HC�(f)

HM�(f) HC�(f) ·HT�(f)

HM�(f)

x � y

単項簡約

を多項式とする。の項の中で の倍多項式になっているものがあるとする。この項を ,係数を とする。このとき

とする。この操作を による単項簡約と呼び、

で表す。

f, g f HT (g)

M CM

h = f � CMM

HM(g)g

g

f �!g

h

単項簡約

一般に有限多項式集合 に属する多項式による単項簡約を1回、あるいは0回以上繰り返すことにより が得られたとき、

それぞれ

で表す。 のどの要素でも単項簡約が出来ないとき、 は に関して正規形であるという。

単項簡約では順序が必ず小さくなる

多項式の除算でより次数の低い余りを求めていく感じ

G

h

f �!G

h, f⇤�!G

h

G f G

単項簡約f = 2x3

y + x

2 + 2x+ 3g = x

2 + y

h = f � 2x3y

x

2g

h = 2x3y + x

2 + 2x+ 3� 2x3y

x

2(x2 + y)

h = x

2 � 2xy2 + 2x+ 3

f

⇤�!g

�2xy2 + 2x� y + 3

グレブナー基底

を項順序とする。有限集合 が イデアル の に関するグレブナー基底であるとは、

で、任意の に 対しある が存在して となること

( は で割り切れる)

�I �

G ⇢ I r {0}

G = {f1, ...fm}

f 2 I r {0}

fi HT�(fi) | HT�(f)

HT�(f) HT�(fi)

グレブナー基底は冗長な基底を持つ場合がある

あるイデアルのグレブナー基底にそのイデアルの要素を 付け加えても、同じイデアルのグレブナー基底と

なるからである。

簡約グレブナー基底

あまり冗長なグレブナー基底は困るので 必要最小限の元からなるグレブナー基底を求めたい

はイデアル のグレブナー基底とする。任意の についてが に関して正規形かつ のとき を

簡約グレブナー基底と呼ぶ。

簡約グレブナー基底

つまり が のほかの元で簡約できない

g 2 GG I

g Gr {g} HC(g) = 1

G

G

g

これで、グレブナー基底を求めるために必要なことがたくさん定義されました。このあとの人たちがどのようにグレブナー基

底を求めるか発表してくれます。

ご清聴ありがとうございました