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13
3-64 緑茶 (1)市場実態 1)生産量・輸出入量、販売量の動向 (生産量・輸出入量の動向) 世界の茶の主な生産国としては、中国、インド、スリランカ、ケニア、トルコ、インド ネシア、ベトナム等があげられる 33 。シンガポールでは、茶はほとんど生産されておらず、 輸入されており、また、一部はシンガポールを経由して再輸出されている。 シンガポールにおける 2006 年の緑茶の輸入量は、191.5t、金額ベースで 440.4 万シンガ ポール・ドル(3.4 億円)に達する。日本からの輸入が約半分で最も多く、次いでイギリス 22.9%と多くなっている。中国は 13.7%と全体で見て第 3 位に位置する。 輸出は、23.4t42.6 万シンガポール・ドル(0.3 億円)であり、輸入量の 10 分の 1 にと どまっている。日本とマレーシアが 20%台で多くなっており、次いでタイ、香港、インド ネシアなどの東南アジア諸国である。 金額ベースで見た割合では、輸出・輸入ともに日本は一位の緑茶の貿易相手国であるこ とが分かる。 図表 シンガポールの緑茶の輸入量・輸入額(2006 年) 国名 (kg) 金額(S$) 割合(金額ベース) 世界全体 191,505.15 4,404 100.0% 日本 60,926.15 2,148 48.8% イギリス 15,422.17 1,008 22.9% 中国 64,484.89 604 13.7% アメリカ合衆国 12,429.49 248 5.6% ベトナム 11,210.50 114 2.6% 台湾 10,954.10 70 1.6% インドネシア 2,870.80 48 1.1% マレーシア 2,640.00 34 0.8% 韓国 4,494.16 32 0.7% 香港 1,582.11 23 0.5% フランス 510.85 17 0.4% 南アフリカ 975.1 16 0.4% タイ 1,270.73 15 0.3% オーストラリア 793 10 0.2% スリランカ 747.9 8 0.2% カナダ 55.4 5 0.1% ドイツ 83.8 3 0.1% 出所)International Enterprise Singapore” Singapore Import and Export Trade Statistics”り作成(HS コードは 09021010 を使用) 33 帝国書院統計資料(http://www.teikokushoin.co.jp/statistics/world/index26.html )による。

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3-64

4.緑茶

(1)市場実態

1)生産量・輸出入量、販売量の動向

(生産量・輸出入量の動向)

世界の茶の主な生産国としては、中国、インド、スリランカ、ケニア、トルコ、インド

ネシア、ベトナム等があげられる 33。シンガポールでは、茶はほとんど生産されておらず、

輸入されており、また、一部はシンガポールを経由して再輸出されている。 シンガポールにおける 2006 年の緑茶の輸入量は、191.5t、金額ベースで 440.4 万シンガ

ポール・ドル(3.4 億円)に達する。日本からの輸入が約半分で も多く、次いでイギリス

が 22.9%と多くなっている。中国は 13.7%と全体で見て第 3 位に位置する。 輸出は、23.4t、42.6 万シンガポール・ドル(0.3 億円)であり、輸入量の 10 分の 1 にと

どまっている。日本とマレーシアが 20%台で多くなっており、次いでタイ、香港、インド

ネシアなどの東南アジア諸国である。 金額ベースで見た割合では、輸出・輸入ともに日本は一位の緑茶の貿易相手国であるこ

とが分かる。

図表 シンガポールの緑茶の輸入量・輸入額(2006 年)

国名 量(kg) 金額(千S$) 割合(金額ベース)世界全体 191,505.15 4,404 100.0%日本 60,926.15 2,148 48.8%イギリス 15,422.17 1,008 22.9%中国 64,484.89 604 13.7%アメリカ合衆国 12,429.49 248 5.6%ベトナム 11,210.50 114 2.6%台湾 10,954.10 70 1.6%インドネシア 2,870.80 48 1.1%マレーシア 2,640.00 34 0.8%韓国 4,494.16 32 0.7%香港 1,582.11 23 0.5%フランス 510.85 17 0.4%南アフリカ 975.1 16 0.4%タイ 1,270.73 15 0.3%オーストラリア 793 10 0.2%スリランカ 747.9 8 0.2%カナダ 55.4 5 0.1%ドイツ 83.8 3 0.1%

出所)International Enterprise Singapore” Singapore Import and Export Trade Statistics”よ

り作成(HS コードは 09021010 を使用)

33 帝国書院統計資料(http://www.teikokushoin.co.jp/statistics/world/index26.html)による。

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3-65

図表 シンガポールの緑茶の輸出量・輸出額(2006 年)

国名 量(kg) 金額(千S$) 割合(金額ベース)世界全体 23,436.96 426 100.0%日本 1,546.20 96 22.5%マレーシア 5,666.96 87 20.4%タイ 940.02 50 11.7%香港 5,050.00 48 11.3%シリア 3,000.00 36 8.5%インドネシア 2,610.60 34 8.0%アメリカ合衆国 1,270.48 23 5.4%イギリス 150 9 2.1%インド 659 6 1.4%ベルギー 511.2 6 1.4%ブルネイ 950 5 1.2%カンボジア 78.54 5 1.2%オランダ 316.8 5 1.2%オーストラリア 84 5 1.2%カナダ 140.58 3 0.7%エジプト 98.88 2 0.5%フランス 10 2 0.5%ミャンマー 180 1 0.2%フィリピン 16.3 1 0.2%ドイツ 19.2 1 0.2% 出所)International Enterprise Singapore” Singapore Import and Export Trade Statistics”よ

り作成(HS コードは 09021010 を使用)

(日本からの輸出入量の動向)

シンガポールへの緑茶の輸出量は 1996 年からの 10 年間で著しく増加しており、2006 年

には約 2.3 億円に達している。この増加の背景には、日本食レストランの増加、日本食ブー

ム、メディアなどでとりあげられたことにより健康効果への認知が高まったことなどがあ

ると考えられる。

図表 我が国からシンガポールへの茶の輸出実績

(単位:1000 円) 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006

0902

090210000緑茶(発酵していないもので、正味重量が3キログラム以下の直接包装にしたものに限る。)

42,279 45,599 58,978 107,347 189,900 159,346 167,372 168,066 170,998 190,204 215,301

090220000その他の緑茶(発酵していないものに限る。)

1,175 2,264 6,712 8,696 4,552 11,455 1,087 4,515 3,540 5,755 11,448

0902 計 43,454 47,863 65,690 116,043 194,452 170,801 168,459 172,581 174,538 195,959 226,749計 43,454 47,863 65,690 116,043 194,452 170,801 168,459 172,581 174,538 195,959 226,749

茶(香味を付けてあるかないかを問わない。)統 計 番 号 ・ 品 名

出所)財務省貿易統計より作成

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3-66

(販売量と金額)

シンガポールにおける緑茶は、茶専門店(茶屋、茶館)の他、大手小売店、スーパーマ

ーケット、コンビニ・ドラッグストア、市場などで広く販売されている。形態としては、

茶葉(リーフ)、粉末、ティーバッグであるが、ペットボトルの販売も多い。 シンガポールにおける販売量を示す統計はないが、生産がほとんど行われていないこと

を勘案すると、輸入量から輸出量を差し引くことによって、約 168 t、410 万シンガポール・

ドル(3.1 億円)程度が販売、消費されていると推察される。

写真 日本産緑茶の販売形態

2)小売価格の動向

(煎茶リーフ)

リーフの日本茶の小売価格はチャイナタウンの一般的小売店では 100g あたり 5.4 シンガ

ポール・ドル(414 円)で販売されているが、伊勢丹などの高級スーパーでは 24.8 シンガ

ポール・ドル(1,902 円)のものもあり、価格帯とお茶のグレードに幅がある。

図表 日本産緑茶の小売価格(リーフ)

店舗名 価格(S$) 生産者 単位

30.00 福寿園煎茶(銀閣) 100gあたり 26.00 福寿園かぶせ茶 100gあたり

16.00 福寿園煎茶(金) 100gあたり

12.00 福寿園煎茶(銀) 100gあたり

9.00 福寿園煎茶(緑) 100gあたり

24.80 100gあたり

20.20 福寿園(伊右衛門)

100gあたり

伊勢丹

19.31 やまま満寿多園 100gあたり

19.80 福寿園 100gあたり

13.22 福寿園 100gあたり Fair Price finest

10.90 やまま満寿多園 100gあたり

5.80 福寿園 100gあたり 奥奇

(チャイナタウン) 5.40 福寿園 100gあたり

出所)2007 年 10 月の各種小売店調査による。

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3-67

(ティーバッグ)

ティーバッグについては、25 袋入り、50 袋入りなどの箱詰めで販売されているものがほ

とんどであり、日本産の中でも製造企業やグレードによって価格が異なり、OSK の緑茶のよ

うに安価な商品もあるが、一般的に見て中国企業や台湾企業のものの方が安価である。

図表 緑茶の小売価格(ティーバッグ)

店舗 価格(S$) 生産者 単位

0.19 中国(Gold Kili) 1袋あたり

0.16 ポッカ 1袋あたり

0.11 福寿園 1袋あたり 伊勢丹

0.34 福寿園(伊右衛門) 1袋あたり

0.15 タフー 1袋あたり

0.11 OSK 1袋あたり

0.15 ポッカ 1袋あたり

0.35 山本山 1袋あたり

0.50 やまま満寿多園 1袋あたり

0.20 福寿園 1袋あたり

0.14 中国(TLY) 1袋あたり

Fair Price finest

0.07 中国(福建緑茶) 1袋あたり

0.15 ポッカ 1袋あたり

0.11 OSK 1袋あたり Fair Price

0.30 中国(Sod Ruibos) 1袋あたり

0.17 ポッカ 1袋あたり

0.13 OSK 1袋あたり

0.15 OSK 1袋あたり

0.31 山本山 1袋あたり

0.17 宇治の露茶 1袋あたり

0.35 福寿園(伊右衛門) 1袋あたり

0.36 中国(super) 1袋あたり

0.48 中国(Maate) 1袋あたり

コールドストレッジ

(高島屋)

0.18 中国(Red Sun) 1袋あたり

0.25 伊藤園(おーいお茶) 1袋あたり

0.14 OSK 1袋あたり

0.34 福寿園(伊右衛門) 1袋あたり

0.12 山本山 1袋あたり

0.11 中国(天仁茗茶) 1袋あたり

明治屋

0.13 中国(車仔) 1袋あたり

0.14 OSK 1袋あたり

0.12 中国 1袋あたり

0.13 中国 1袋あたり

0.04 中国 1袋あたり

0.11 中国 1袋あたり

0.13 中国(車仔) 1袋あたり

奥奇

(チャイナタウン)

0.14 中国(Red Sun) 1袋あたり

0.12 OSK 1袋あたり ローカル路面店

0.14 中国(TLY) 1袋あたり

出所)2007 年 10 月の各種小売店調査による。

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3-68

(ペットボトル)

緑茶のペットボトルは日本産のサントリーや伊藤園のものが概ね 3~4 シンガポール・ド

ル(230~207 円)であるのに対し、中国産のものは 1~1.2 シンガポール・ドル(77~92円)であり、日本産は倍以上の価格となっている。

図表 緑茶の小売価格(ペットボトル)

店舗 価格(S$) 生産者 単位

Fair Price 1.02 中国産(Green tea) 500mlあたり

3.50 伊藤園(おーいお茶) 500mlあたり Fair Price finest

3.10 サントリー(生茶) 500mlあたり

1.20 中国 500mlあたり 奥奇

(チャイナタウン) 1.20 中国(veo’s) 500mlあたり

3.50 伊藤園(おーいお茶) 500mlあたり

3.10 若武者 500mlあたり

3.95 サントリー(伊右衛門) 500mlあたり

コールドストレッジ

(高島屋)

2.15 サントリー(伊右衛門) 500mlあたり

3.90 サントリー(伊右衛門) 500mlあたり 明治屋

3.75 サントリー(生茶) 500mlあたり

出所)2007 年 10 月の各種小売店調査による。

(玉露・粉茶など)

玉露に関しては、上記の緑茶と比べて圧倒的に高価なものも販売されている。福寿園の

店舗では、こういった高価な玉露の方がむしろ売れ筋が良く、需要過多な状況も発生して

いる。 その他、ヒアリングによれば、緑茶以外では、玄米茶がシンガポール人の口に合うとの

ことである。

図表 その他緑茶の小売価格

種類 店舗名 価格(S$) 生産者 単位

リーフ 福寿園 60.00 福寿園(玉露金閣) 100gあたり

ティーバッグ 福寿園 40.00 福寿園

(玉露ティーバッグ) 100gあたり

Fair Price finest 40.30 100gあたり

玉露

リーフ 伊勢丹 34.80

やまま満寿多園 100gあたり

抹茶 福寿園 200.00 福寿園(栄松の昔) 100gあたり

抹茶 福寿園 100.00 福寿園(青友の白) 100gあたり 抹茶

粉 コールドストレッジ

(高島屋) 35.33 ダイゴ商店 100gあたり

出所)2007 年 10 月の各種小売店調査による。

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3-69

図表 その他お茶類の小売価格

種類 店舗名 価格(S$) 生産者 単位

Fair Price finest 4.00 福寿園 100gあたり

ほうじ茶 リーフ コールドストレッジ

(高島屋) 5.35 マルフジ(ダイゴ商店) 100gあたり

コールドストレッジ

(高島屋) 0.35 福寿園(伊右衛門) 1袋あたり

0.25 伊藤園(おーいお茶) 1袋あたり

0.24 OSK 1袋あたり

ティーバッグ

明治屋

0.12 山本山 1袋あたり

伊勢丹 4.68 福寿園(伊右衛門) 1袋あたり

玄米茶

リーフ 福寿園 0.06 福寿園 100gあたり

麦茶 粉 Fair Price finest 0.09 ハウス 1袋あたり

Fair Price finest 3.10 サントリー(午後の紅茶) 500mlあたり

紅茶 ペットボトル コールドストレッジ

(高島屋) 3.15 午後の紅茶 500mlあたり

出所)2007 年 10 月の各種小売店調査による。

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3-70

3)消費者の嗜好

(消費者の緑茶購買行動の特徴(嗜好、買い物)

①普段購入するお茶の種類

アンケート調査によれば、よく購入するお茶の種類としては、花茶 43.8%が も多く、

緑茶 35.6%がこれに次いでいる。緑茶は花茶の次によく購入されている茶であり、シンガ

ポールの生活に根付いていることが窺われる。 また、普段購入するお茶はティーバッグが 46.2%と も多く、次いでペットボトル 34.7%

となっている。リーフは 15.8%にとどまっている。 ヒアリングによれば、シンガポールでは、日本と比較してあまり家でお茶を淹れる習慣

がなく、現地の一般的なローカルスーパーでは、ティーバッグのお茶の需要が高い。日本

茶の専門店等で、リーフの形状のお茶を買うのは日本人が多いとのことであった(特に煎

茶のリーフの需要が高い)。

図表 普段購入するお茶の種類

43.9%

13.5%

3.0%

35.6%

1.7%

1.7%

4.6%

5.6%

18.8%

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

花茶(ジャスミンなど)

その他中国茶(烏龍茶・プーアルなど)

紅茶

緑茶(煎茶・玉露含む)

玄米茶

ほうじ茶

抹茶

その他

買ったことがない

N=303

図表 普段購入するお茶の形状

15.8%

46.2%

6.6%

34.7%

0.0%

18.8%

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0%

リーフ(茶葉)

ティーバッグ

粉末

ペットボトル

その他

買ったことがない

N=303

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3-71

ペットボトルの場合、砂糖や蜂蜜入り緑茶といった甘いものをシンガポール人は好んで購

入する傾向がある。ただ、健康志向が高まってきたこと、日本食レストランが増加してき

たことなどを背景に、近年では砂糖抜きのものが好まれるようになってきた。 ②生産地選択と理由

「普段どこで生産された緑茶をよく購入しますか」という問いに対しては、「香港産」

(53.5%)、「日本産」(49.2%)という回答が他と比べて非常に多い。 また、もっともよく購入する産地としては、日本産が 50.2%と過半数を占め、シンガポ

ールが次いでいる。シンガポールの消費者の日本茶に対する認知度が比較的高く、日本産

緑茶を購買する習慣がある程度定着していることが窺われる。 図表 普段どこで生産された緑茶を購入しますか

26.1%

16.8%

5.0%

53.5%

49.2%

2.0%

1.3%

1.0%

1.3%

9.2%

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

シンガポール

中国産

台湾産

香港産

日本産

韓国産

マレーシア産

欧米産

その他

産地は気にしない

50.7%

52.7%

0.0%

7.7%

8.2%

29.5%

1.0%

2.9%

3.9%

4.8%

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

おいしいから

健康によいから

他国産には同じようなものがないから

知名度やブランドイメージがあるから

安全で安心だから

価格が手頃だから

広告でよく見るから

フェアで試飲したことがあるから

友人、知人の口コミで勧められたから

その他(具体的に:             N=207

また、産地を選択する理由としては、「健康に良いから」「おいしいから」という回答が 5

割前後を占め、おいしいだけでなく、健康によいという理由で消費されていることが窺わ

れる。「価格が安いから」という回答は3割程度にとどまっている。

台湾産

2.4%

日本産

50.2%

産地は気にしない

0.0%

シンガポール

32.4%

中国産

12%

香港産

0.5%

韓国産

0.5%

マレーシア産

0.5%

N=303

図表 どこで生産された緑茶を

最もよく購入しますか

図表 産地選択の理由

N=207 N=303

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3-72

産地選択の理由を日本産品と中国産・シンガポール産品に分けると、日本産と中国産につ

いては、「健康によいから」「おいしいから」が高くなっている。加えて、中国産を選択す

る理由として「価格が手頃だから」という理由を挙げる回答が日本産のものよりもかなり

多い。野菜、果実等と異なり、中国産でもおいしい、健康によい、との理由で購入する割

合が高いことが特徴である。

また、シンガポール産は「価格が手頃だから」「おいしいから」が多く、価格重視で選択

されていることが窺われる。

ヒアリング調査によれば、日本産のお茶は送料を上乗せし、日本の定価の 2 倍程度の価格

で販売されている。日本人は日本での価格を知っているため、むしろ購入しにくい傾向に

あるが、地元の人は高くても良いものを購入する傾向があるといわれている。

図表 産地選択の理由(産地別)34

50.0%

75.0%

0.0%

0.0%

0.0%

45.8%

0.0%

0.0%

8.3%

12.5%

56.7%

71.2%

0.0%

13.5%

5.8%

5.8%

1.0%

2.9%

1.9%

4.8%

44.8%

20.9%

0.0%

1.5%

16.4%

61.2%

1.5%

3.0%

1.5%

1.5%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

おいしいから

健康によいから

他国産には同じようなものがないから

知名度やブランドイメージがあるから

安全で安心だから

価格が手頃だから

広告でよく見るから

フェアで試食したことがあるから

友人、知人の口コミで勧められたから

その他

中国日本シンガポール

③購入に際して重視すること

また、緑茶を購入する際に一般的に重

視することとしては、「味」44.6%が も多く、

次いで「健康への良さ」17.2%となっている。「価

格」を も重視するとした割合は 5.3%と高くな

く、緑茶に関しては価格の重要度は相対的に低

いと考えられる。

④購入に際して参考にする情報

普段、緑茶を購入する際に参考にする情報媒体としては、「知人・友人・身内からの紹介、

口コミ、評判」が約 3 割と多く、「店頭表示や店頭での店員による推薦」がこれに次いでい

る。テレビ CM、新聞・雑誌広告も2割を占める。

34 母数は、中国が 24、日本が 104、シンガポールが 67 である。

淹れやすさ(ティーバッグ、粉末など)

1.3%

衛生・安全面1.0%

健康に良いか17.2%

価格(高価、低価)5.3%

わからない12.9%

香り、風味11%

味44.6%

その他(具体的に3.3%

店頭表示、店員の説明0%

お茶のブランド(品種、産地など)

2.3%

見た目(葉の状態、形、色合いな

ど)1.0%

N=303

図表 購入する際に重視すること

Page 10: (kg) S$) - maff.go.jp

3-73

図表 お茶の購入に際して参考にする情報

21.5%

14.2%

18.5%

20.8%

5.0%

5.9%

2.0%

26.7%

32.3%

3.0%

18.2%

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

テレビCM

テレビ番組(特集番組、料理番組など)

新聞・雑誌記事

新聞・雑誌広告

インターネット

チラシ・ポスター・DM

物産展

店頭表示や店頭での店員による推薦

知人・友人・身内からの紹介・口コミ・評判

その他

わからないN=303

⑤緑茶の購入用途

アンケート調査によれば、緑茶は自宅用に購入されることが大半を占めている。我が国

とは異なり、あまり贈答を目的として購入することはないと考えられる。

図表 日本産のお茶の購入用途 35

自宅、贈答用の

両方

0.6%

自宅用

98.1%

贈答用

1%

N=160

35 分からないとの回答や無回答を除いて集計している。

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3-74

4)日本産品の潜在需要

(日本産品の認知・体験)

日本産のお茶をスーパーや店舗で見かけるとした人は、「よく見かける」「たまに見かけ

る」を併せて約 78.3%と非常に多い。 また、日本産の緑茶を飲んだことがある回答者が 7 割を超えており、そのうち自分で購

入して飲んだことがある人も 4 割近くに上る。ただし、飲んだことが無いという回答も3

割程度を占めており、市場の開拓余地も残されていることが窺われる。

図表 日本産のお茶をスーパーや店舗でよく見か

けますか

あまり見かけない

7.9%

何国産かわからない

5.3%

よく見かける39.3%

たまに見かける38.6%

ほとんど見たことがない8.9%

N=303

図表 日本産のお茶を飲んだことがありますか

人にもらって飲んだことがある

1.7%

レストラン等で飲んだことがある

32.0%

自分で買って飲んだことがある

37.0%

飲んだことはない29.4%

N=303

(日本茶に対する評価)

日本茶の味に対する評価は、「おいしい」とする回答が 56.1%と過半数を占めている。

図表 日本茶に対する評価(味)

購入しない25.1%

まあまあ13.2%

おいしい56.1%

わからない5.6%

まずい0.0%

N=303

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3-75

また、茶葉等の見た目については、「普通」との回答が約5割を占めるが、「良い」とい

う回答も3割程度である。 価格については、「高い」との回答が 34.0%であったが、「普通」との回答も同様の割合

であり、必ずしも大多数が高価であると認識しているわけではないことが分かる。

図表 日本茶に対する評価(見た目)

悪い0.0%

分からない4.3%

良い23.1%

普通47.2%

購入したことがない

25.4%

N=303

図表 日本茶に対する評価(価格)

購入したことがない

24.4%

普通34.3%

高い34.0%

分からない7.3%

安い0.0%

N=303

(今後の需要)

今後飲んで見たい緑茶の種類は「玉露」が 38.9%と も多くなっている。ヒアリング調

査においても、シンガポールの富裕層に対しては煎茶の中でもグレードの高いものや、玉

露のような高級品の需要が高いとの調査結果が得られている。シンガポールにおいては、

比較的良質な緑茶に対する需要が強いということができる。

図表 今後飲んでみたい日本茶の種類

22.4%

13.2%

38.9%

22.1%

5.0%

2.3%

19.1%

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

煎茶

玄米茶

玉露

抹茶

ほうじ茶

その他(具体的に:

特に飲んでみたいものはない

N=303

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3-76

飲んでみたいお茶の種類を所得別にみると、総じてどの所得においても玉露に対する購

買意欲が高いことが分かる。特に年収 20,000 シンガポール・ドル(153.4 万円)以上の高

収入層では非常に多くなっている。

図表 飲んでみたいお茶の種類(年収別)

種類 単位SGD2,000

未満SGD2,000 -SGD3,999

SGD4,000 -SGD5,999

SGD6,000 -SGD7,999

SGD8,000 -SGD9,999

SGD10,000-

SGD11,999

SGD12,000-

SGD14,999

SGD15,000-

SGD17,999SGD20,000

以上 分からない

全体 % 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0煎茶 % 22.2 31.1 33.8 23.1 15.4 9.5 0 0 0 12.5玄米茶 % 11.1 9.8 12.3 17.9 7.7 23.8 42.9 0 11.1 10.4玉露 % 44.4 37.7 30.8 46.2 38.5 42.9 42.9 0 77.8 35.4抹茶 % 11.1 24.6 35.4 23.1 15.4 28.6 28.6 0 0 12.5ほうじ茶 % 5.6 6.6 1.5 7.7 7.7 4.8 0 25.0 0 4.2その他 % 2.8 3.3 0 2.6 7.7 0 0 0 0 4.2特にない % 25.0 8.2 15.4 15.4 30.8 9.5 14.3 75.0 11.1 35.4

家計の月収

飲んでみたい理由としては、健康に良いから、との回答が 53.5%と も高く、シンガポ

ールにおける健康志向の高さが窺える。また、次いで味、香り・風味が評価されている。

フェアでの試飲や口コミによって購買意欲が向上されていることも注目される。

図表 飲んでみたい理由 36

38.8%

16.7%

53.5%

0.0%

0.8%

3.3%

0.8%

0.4%

28.2%

14.7%

3.7%

2.0%

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

おいしいから

香り、風味が良いから

健康によいから

他国産には同じようなものがないから

知名度やブランドイメージがあるから

安全で安心だから

価格が手頃だから

広告でよく見るから

フェアで試飲したことがあるから

友人、知人の口コミで勧められたから

料理に合わせて一緒に飲むから

その他

N=245

36 飲んでみたいとした人に対して聞いている。