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公財の暮らし再生機構 〈リモつうしん〉 新潟県長岡市(太田東山・小国・山古志・栃尾・川口)・南魚沼市 LIMO 通信 2013 Winter vol.21 笑顔の交流から生まれるもの 山里ガイ 山里ガイド】 ド】 山里の最新情報 山里の最新情報 【山の特産品】 【山の特産品】山からの清 山からの清な水が旨味を作る「魚沼きのこ」 な水が旨味を作る「魚沼きのこ」 LIMO通信 2013〈Winter〉第21号 平成25年12月20日発行 発行/公益財団法人 山の暮らし再生機構 LIMO通信編集委員会 TEL0258-30-1213 http://www.yamanokurashi.jp/ 「LIMO通信」は山の暮らし再生機構が、太田東山・小国・山古志・栃尾・川口・南魚沼の地域活動や支援活動を発信 している情報誌です。この「LIMO通信」を通して地域復興支援員の活動を皆さまに知っていただき、各地域のパ イプ役としてお役に立つことを願っています。 LIMO通信とは? 【山の暮らし再生機構】里山を生命の源を育むマザーランドとしてとらえ、「Life in Motherland=LIMO(リモ)」を通称に活動しています。 ※LIMO通信は公益財団法人 新潟県中越大震災復興期金の助成を受け年4回発行しています。 編集後記 豊かな水から 生まれる旨味の宝庫 「魚沼きのこ」 中越の中山間地域には「さいの神」と呼ばれる平安時代より 伝わる冬の伝統行事が受け継がれています。雪原にワラや カヤで大きなさいの神を作り、燃やして豊作や集落の人々の 無病息災を祈るものです。震災後は地域の復興祈願を重ね合わ せています。火が高く燃え上がるほどよいとされるさいの神。 この冬も多くの人の願いを込めて各地で開催されます。 きのこというと秋のイメージがあるが、 鍋料理での需要が増える11月から1月が生 産のピークだ。 郵便はがきに①住所、②氏名、③年齢、 ④性別、⑤本誌のご感想、ご意見をご 記入の上、下記までご応募ください。 〒940-0062新潟県長岡市大手通 1-4-11 水野ビル3F 公益財団法人 山 の暮らし再生機構 第21号プレゼント係 TEL0258-30-1213 魚沼きのこ 「簡単!アイデアレシピ コンテスト2013」 きのこを使ったオリジナルレシ ピを大募集。きのこを2種類以上 使った誰でも手軽に作れるオリ ジナルレシピでご応募くださ い。今年のテーマは「きのこ料 理でお・も・て・な・し」です。詳し くはHPをご覧ください。 魚沼きのこ http://uonumakinoko.jp/ 新潟県内の平成24年度きのこ生産量 は96,803トン。長野県に次いで全国第2 位です。なかでも魚沼地域(南魚沼市、 魚沼市、十日町市、津南町、長岡市川口 地域)は新潟県の約6割を生産するきの この産地です。 日本でも有数の豪雪地域として知ら れているこの地域できのこ栽培が行わ れるようになったのは、昭和40年頃で、 冬の出稼ぎ対策として始まったそうで す。当時は、原木栽培や簡易なハウス・小 屋を利用した冬季のみの「季節栽培」で したが、施設整備や栽培技術の進歩とと もに、常に室内をきのこが好む環境に保 ち一年中生産する「通年栽培」ができる ようになりました。 きのこ栽培には適度な湿度が必要で、 「水」は重要な役割を果たしています。 八海山、中ノ岳、越後駒ヶ岳の越後三山 をはじめ高い山々に囲まれたこの地域 は、冬の間に降り積もった雪が長い時間 をかけて湧水として、また伏流水として 大地を潤しています。この清らかな水を 利用して、えのきたけ、まいたけ、ぶなし めじ、エリンギ、なめこ、ひらたけ、生しい たけの7種類の栽培を行っています。 魚沼きのこ・山菜振興協議会では、平 成20年に「安全なきのこを生産するこ と」「環境を守ること」「労働者の安全を 確保すること」を目的として、「魚沼きの こGAP認証制度」をスタートしました。 この制度では、国が定めたGAP(Good Agricultural Practice)のガイドライン などを参考に作った「魚沼きのこGAP審 査基準」をクリアして生産されているき のこを「魚沼きのこ」として認証してい ます。 味・香り・品質・安全性にこだわりを持っ て取り組んでいる魚沼きのこは、県内は もちろん首都圏、関西圏にも広がりつつ あるブランドです。 LIMO通信の設置場所 「魚沼きのこ 詰め合わせ」 3名様にプレゼント 新潟県/長岡市役所(アオーレ長岡)、ながおか市民センター、旧長岡市内 図書館(中央・互尊文庫・西地域・南地域・北地域)、南魚沼市役所・庁舎、 十日町市役所、新潟県各地域振興局ほか中越地域の「道の駅」 首都圏/表参道・新潟館ネスパス(渋谷区神宮)、ブリッジにいがた(中央区 日本橋)、認定NPO法人 ふるさと回帰支援センター(千代田区有楽町)  ※バックナンバーはLIMOホームページでもご覧いただけます。 山の 特産品 豊かな自然から生まれた山の特 産品。古くから伝わるこの地な らではの品々を紹介します。 ※ご記入いただいた個 人情報は、プレゼントの 発送および今後の誌面 作りの参考にのみ使用し ます。当選者の発表は商 品の発送をもってかえさ せていただきます。 平成26年 2 20 日(木) 消印有効 応募締切 公財山の暮らし再生機構 笑顔の交流から生まれるもの 新しいコミュニティ形成に向けて 積極的に取り組んでいる集落の歩み。 新しいコミュニティ形成に向けて 落の歩み 集落の歩み。 組んでいる集 組んでいる集 積極的に取り積極的に取り組んでいる集落の 的に取り組んでいる集落 取り組んでいる集落の歩 積極 積極 的に取り組んでいる集落 積極 積極的に取り組んで でいる集 極的に取り組んでいる集「生まれ変わる中山間地域の集落」 生まれ変わる Re Re 再生 再生 Reborn 魚沼きのこ・山菜振興協議会 TEL025-772-8266 南魚沼市六日町960(南魚沼振興局 林業振興課内) Present きのこには旨味成分であるグルタミン酸が豊富に含まれている。数種類のきのこを組み合わせると旨味 の相乗効果でさらに深みのある味になる。

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(公財)山の暮らし再生機構

〈リモつうしん〉新潟県長岡市(太田東山・小国・山古志・栃尾・川口)・南魚沼市

LIMO通信2013 Wintervol.21

笑顔の交流から生まれるもの

【【山里ガイ山里ガイド】 ド】 山里の最新情報山里の最新情報

【山の特産品】【山の特産品】 山からの清 山からの清冽な水が旨味を作る「魚沼きのこ」な水が旨味を作る「魚沼きのこ」

LIMO通信 2013〈

Winter〉第

21号 平成25年

12月20日

発行 発行/公益財団法人 山の暮らし再生機構 LIM

O通信編集委員会 TEL0258-30-1213 

http://www.yam

anokurashi.jp/

「LIMO通信」は山の暮らし再生機構が、太田東山・小国・山古志・栃尾・川口・南魚沼の地域活動や支援活動を発信している情報誌です。この「LIMO通信」を通して地域復興支援員の活動を皆さまに知っていただき、各地域のパイプ役としてお役に立つことを願っています。

LIMO通信とは?

【山の暮らし再生機構】 里山を生命の源を育むマザーランドとしてとらえ、「Life in Motherland=LIMO(リモ)」を通称に活動しています。

※LIMO通信は公益財団法人 新潟県中越大震災復興期金の助成を受け年4回発行しています。

編集後記

豊かな水から生まれる旨味の宝庫「魚沼きのこ」

中越の中山間地域には「さいの神」と呼ばれる平安時代より伝わる冬の伝統行事が受け継がれています。雪原にワラやカヤで大きなさいの神を作り、燃やして豊作や集落の人々の無病息災を祈るものです。震災後は地域の復興祈願を重ね合わせています。火が高く燃え上がるほどよいとされるさいの神。この冬も多くの人の願いを込めて各地で開催されます。

▲きのこというと秋のイメージがあるが、鍋料理での需要が増える11月から1月が生産のピークだ。

郵便はがきに①住所、②氏名、③年齢、④性別、⑤本誌のご感想、ご意見をご記入の上、下記までご応募ください。

〒940-0062新潟県長岡市大手通1-4-11 水野ビル3F 公益財団法人 山の暮らし再生機構 第21号プレゼント係 TEL0258-30-1213

魚沼きのこ「簡単!アイデアレシピコンテスト2013」きのこを使ったオリジナルレシピを大募集。きのこを2種類以上使った誰でも手軽に作れるオリジナルレシピでご応募ください。今年のテーマは「きのこ料理でお・も・て・な・し」です。詳しくはHPをご覧ください。

魚沼きのこ http://uonumakinoko.jp/

 新潟県内の平成24年度きのこ生産量は96,803トン。長野県に次いで全国第2位です。なかでも魚沼地域(南魚沼市、魚沼市、十日町市、津南町、長岡市川口地域)は新潟県の約6割を生産するきのこの産地です。 日本でも有数の豪雪地域として知られているこの地域できのこ栽培が行われるようになったのは、昭和40年頃で、冬の出稼ぎ対策として始まったそうです。当時は、原木栽培や簡易なハウス・小屋を利用した冬季のみの「季節栽培」でしたが、施設整備や栽培技術の進歩とともに、常に室内をきのこが好む環境に保ち一年中生産する「通年栽培」ができるようになりました。 きのこ栽培には適度な湿度が必要で、「水」は重要な役割を果たしています。八海山、中ノ岳、越後駒ヶ岳の越後三山をはじめ高い山々に囲まれたこの地域は、冬の間に降り積もった雪が長い時間をかけて湧水として、また伏流水として大地を潤しています。この清らかな水を利用して、えのきたけ、まいたけ、ぶなしめじ、エリンギ、なめこ、ひらたけ、生しいたけの7種類の栽培を行っています。 魚沼きのこ・山菜振興協議会では、平成20年に「安全なきのこを生産すること」「環境を守ること」「労働者の安全を

確保すること」を目的として、「魚沼きのこGAP認証制度」をスタートしました。この制度では、国が定めたGAP(Good Agricultural Practice)のガイドラインなどを参考に作った「魚沼きのこGAP審査基準」をクリアして生産されているきのこを「魚沼きのこ」として認証しています。 味・香り・品質・安全性にこだわりを持って取り組んでいる魚沼きのこは、県内はもちろん首都圏、関西圏にも広がりつつあるブランドです。

LIMO通信の設置場所

「魚沼きのこ詰め合わせ」を3名様にプレゼント

●新潟県/長岡市役所(アオーレ長岡)、ながおか市民センター、旧長岡市内図書館(中央・互尊文庫・西地域・南地域・北地域)、南魚沼市役所・庁舎、十日町市役所、新潟県各地域振興局ほか中越地域の「道の駅」

●首都圏/表参道・新潟館ネスパス(渋谷区神宮)、ブリッジにいがた(中央区日本橋)、認定NPO法人 ふるさと回帰支援センター(千代田区有楽町) 

※バックナンバーはLIMOホームページでもご覧いただけます。

山の特産品

豊かな自然から生まれた山の特産品。古くから伝わるこの地ならではの品々を紹介します。

※ご記入いただいた個人情報は、プレゼントの発送および今後の誌面作りの参考にのみ使用します。当選者の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。

平成26年2月20日(木)

消印有効

応募締切

(公財)山の暮らし再生機構

笑顔の交流から生まれるもの

新しいコミュニティ形成に向けて積極的に取り組んでいる集落の歩み。新しいコミュニティ形成に向けて

集落の歩み集落の歩み。組んでいる集組んでいる集積極的に取り組積極的に取り組積積 取取 集集組組極極 落 歩落落的的 組組 み極 みにに るるりり んん い組 い の組んでいる集落の取的に取り組んでいる集落のの歩取り組んでいる集落の歩極積極 歩歩歩歩積積極的的に取り組んでいる集落極積極 落落組組 で積極的に取り組んでででいる集取取極極極的に取り組んでいる集落

「生まれ変わる中山間地域の集落」

巻頭特集

巻頭特集

生まれ変わるReRe再 生再 生

Re

bo

rn

●魚沼きのこ・山菜振興協議会 TEL025-772-8266 南魚沼市六日町960(南魚沼振興局 林業振興課内)

Present

▲きのこには旨味成分であるグルタミン酸が豊富に含まれている。数種類のきのこを組み合わせると旨味の相乗効果でさらに深みのある味になる。

12

▲真冬の2月に行われる「百八灯」。午前中から有志が集まり準備を整え、日が暮れる頃には竹之高地に縁のある人が集まり始める。

▲地震後に行われるようになった滝行。毎回20名ほどの人たちが滝に打たれる。

▲竹之高地で農作業をする「米三俵の会」

 

池谷集落は急斜面に位置

し、震災で全住宅が全壊、農地

も甚大な被害を受けました。

帰村を決断した住民も住宅を

建て替えることはできても、農

作業所やトラクターなどの整

備・復旧までは手がまわらず、

このままでは池谷の農業が消

滅してしまうという危機感を

持っていました。そこで住民は

仮設住宅に避難中から集落の

農業を維持するために様々な

会議を行い、機械の共同利用や

作業を請け負う組織、営農組

合「歩夢南平『あゆむなんぺ

い)」を平成20年3月に設立し

ました。このことは、仮設住宅

への入居に際し従来のコミュニ

ティの繋がりを意識して、集落

ごとにまとまった形をとったこ

とが幸いした例の一つです。

 

組合名に集落名を入れてい

ないのは、集落を離れて「かよ

い農業」をする元住民を考慮

したことと、大久保集落など

他の集落の田んぼの作業も請

けやすくするためです。

 

現在、池谷集落には、平場か

ら7世帯の人たちが夏場のほ

ぼ毎日、農作業で池谷に通って

います。田んぼや畑に行けば

誰かがいる、作業の合間には一

緒にお茶を飲んだり、種を交

換したりと、地震の前と変わ

らない風景があるのです。ま

た、盆踊りやさいの神といった

伝統行事は隣り合う3集落が

力を合わせて「三ヶ地区合同」

により継続しています。

 

池谷集落は、周辺の集落と

共同でコミュニティを維持して

いくことを選んだのです。

 

長岡の奥座敷として知られ

る蓬平温泉からさらに1㎞ほ

ど急坂を登った先に竹之高地

という集落があります。集落

の歴史は古く、「武田二十四

将」の一人である原美濃守が川

中島の合戦で敗れ、当時、無人

であったこの地に落ち着いたの

が始まりだといわれています。

 

それ以前には、弘法大師が

全国行脚した際にこの地を訪

れ、滝のほとりに不動明王の

石像を安置したといういわれ

があり、美濃守の守護神も不

動明王であったため社殿を建

立したのが現在の「竹之高地

不動社」です。竹之高地は、こ

の「お不動さま」を中心に集

落が形成されていきました。

 

最盛期には60ほどの世帯が

ありましたが、昭和35年頃か

ら生活の変化による影響から

徐々に住民の移転が始まりま

した。住居を平場に移し、竹之

高地で田んぼや畑、養鯉など

の作業を行う「かよい農業」の

スタイルを選ぶ人もでてきま

した。

 

竹之高地は長岡市のなかで

も雪深い地です。小学校は集

落内にありましたが、中学校

は徒歩で1時間ほどかかる濁

沢集落まで通っていました。中

学生は冬の3カ月間、通学が

困難なため、寄宿舎で生活し

ていました。高校生になると

蓬平温泉のある蓬平集落まで

行き、バスで通学していまし

た。子どもたちに雪で大変な

思いをさせたくないという親

の想いから、就学児童のいる

若い世帯から徐々に人口流出

が始まり、平成16年には、11世

帯にまで減少、そのほとんど

が高齢者世帯となりました。

 

また、中越地震の被害が大

きかった竹之高地は、全住民

が避難勧告を受け、仮設住宅

や平場にある子どもの家など

に身を寄せることになり、集

落を離れました。震災からの

復旧・復興が進む中、避難勧告

は解除されましたが、冬の重

労働となる除雪作業や、病院

への通院など利便性が悪いこ

となどを理由に、竹之高地で

生活を再建する家がなくな

り、住民がいなくなりました。

 

中越地震で全世帯が転居

した竹之高地ですが、地震か

ら2年後には転居した住民

が、地域の中心である「竹之

高地不動社」の移転と再建を

行いました。今も不動さまの

命日である2月28日には集落

に500年以上伝わる「百八

灯」を開催しています。その

ほかにも道普請、夏の大祭、

盆踊りなど集落行事を従来

と変わらず実施しています。

この作業を取りまとめている

のが転居した住民たちが組織

した「竹之高地まほろの会」

や「竹之高地同友会」です。ま

た、「米三俵の会」が結成さ

れ、耕作放棄された田んぼや

畑を維持・管理するため、出

身者以外の会員と共に活動

しています。

 

竹之高地に暮らす住民はい

なくても集落や田んぼ、畑は昔

と同じように守られています。

また、震災を機に「滝行(不動

滝の滝開き)」、「竹之高地新

そば祭り」など新たな催しも

行われるようになりました。

 

このように、住人がいなく

ても竹之高地出身者と新たな

行事などで係わりを持った人

たちが新しいコミュニティを形

成し、集落を維持しています。

 

中越地震で全村避難をした

山古志地域のなかでも被害が

大きかったのが池谷集落、大

久保集落、楢木集落です。震災

後、帰村した住民は従来の半

分に留まり、高齢化問題や農

業の担い手不足、また集落の

行事の実施などが困難になり

ました。特に深刻だったのは池

谷集落で、33世帯100名い

た住民が3分の1の13世帯30

名になりました。

中越地震で被災した中山間地域は過疎・高齢化という課題を抱えています。

震災を機に過疎化に拍車がかかり、コミュニティを維持することが困難に

なった集落も少なくありません。そんな状況にありながらも「新しいコミュ

ニティ形成」に向けて積極的に取り組む集落をご紹介します。

生まれ変わる集落

新しいコミュニティの姿を求めて

新 し い コ ミ ュ ニ テ ィ 形 成 に 取 り 組 む

生まれ変わるReRe再 生再 生

Re

bo

rn

太田地区

竹之高地山古志地域

池谷

▲復興基金を活用して建てた歩夢南平の作業所。

▼池谷集落の棚田。棚田の耕作放棄は土地を荒廃させ、景観を損なうだけではなく、土砂崩れ、地滑りなどの災害にもつながる。

竹之高地集落図万蔵

源六

徳蔵

天上銀次

惣蔵

玉蔵

虎蔵

万助

常蔵

糠塚

順平

橋場上村

(吉蔵)

金右門

五郎ェ門

助七与助

弥助縫次

新六

与蔵

音松 富蔵

助蔵

音蔵玉吉 板垣

銀蔵

金一隠居

権平

虎雄

万吉

しも

富所

定四郎(甚助)

甚助(四郎左ェ門)

三六(佐七)

藤兵ェおじ

(惣蔵)

伊三次おじ

弥太郎

藤兵ェ

権兵ェ

仁平治 武治郎

三太郎

門次郎

五兵ェ

長兵ェ

周兵ェ

又四郎

伊三次

久次郎

三四郎

車や

公民館

不動様

学校

善五郎

藤右門

徳佐ェ門

金佐ェ門

久佐ェ門

佐七(三六)

保一(辰蔵)

文七(慶蔵)

長左ェ門

太郎兵ェ

住民ゼロで

地域再生

  

太田地区竹之高地

集落の枠を超え

棚田を守る

  

山古志地域池谷集落

34

 

地元の小学生との交流を

行っている栃尾地域の新山集

落。新山集落は全国名水百選

に選ばれている「杜々の森」

の隣に位置し、美味しい湧水

やブナ林など、豊かな自然に

恵まれた里いもや棚田米の特

産地です。中越地震発生前は

52世帯が住んでいましたが、

現在は32世帯(88名)が暮ら

しています。多くの中山間地

域と同じく、この集落も住民

の少子高齢化が大きな問題

となっており、子どもがいる

家庭は集落内に2世帯となっ

てしまいました。

 

集落の特産品の販路拡大

のために、田んぼを活用して

特産品のPRをすることから

始まった「田んぼ交流」は、栃

尾サテライトの地域復興支援

員が栃尾地域の「まち場」と

呼ばれる市街地に住む多くの

小学生が田んぼでの作業経験

がないことに着目して、田ん

ぼをツールにした交流を提案

し平成22年度から始まりまし

た。田植え、草取り、稲刈り、

収穫祭など1年に数回行わ

れ、まち場の子どもは田んぼ

を通して自然を知り、新山集

落の子どもは他の学校の子ど

もと関わることができる有益

な場となっています。

 

まち場の子どもと、山あい

の子ども、また、集落住民に

とっても年間を通して活動が

できる田んぼ交流は、集落が

ひとつとなって取り組める地

域資源になっています。

 

南魚沼市立六日町小学校

は、市街地にある児童数47

0名(平成25年度)の大規模

校です。毎年2月に5年生の

児童が沖縄の小学校に雪だ

るまを届けています。子ども

たちの手で雪だるま型の発泡

スチロールに6㎏ほどの雪を

詰め、梱包、発送作業を行い

ます。毎年、この雪を楽しみ

にしている沖縄の子どもたち

のために、少しでも真っ白い

雪を届けたいと、新雪に入っ

ていく子どもたちの姿はたく

ましく見えます。

 

子どもたちが「雪贈り」と

呼ぶこの行事は、17年前から

六日町ライオンズクラブの事

業に協力して実施していま

す。もともと六日町と沖縄県

本部町(もとぶちょう)のラ

イオンズクラブ役員の「雪国

と南国の子どもたちで何か交

流ができないか」との想いが

重なり合ったことがきっかけ

で始まった行事です。本部町

ライオンズクラブは解散しま

したが、今も青少年事業の一

環として六日町小学校と本

部小学校の「雪だるま交流」

は続いています。

 

2年ほど前から本部小学校

の他に、沖縄県金武町(きん

ちょう)の嘉芸(かげい)小学

校にも「雪贈り」が始まりま

した。平成20年から、嘉芸小

学校の子ども会の6年生は毎

年2月の第2土曜・日曜に催

される「南魚沼市雪まつり」

の雪上ステージで沖縄の伝統

舞踊「琉球太鼓エイサー」を

披露しています。同じ雪まつ

りの舞台に立つ六日町小学

校の「和太鼓クラブ」の子ど

もとの交流の場にもなってお

り、お互いの地域紹介や、太

鼓の披露などで親交を深め

ています。

 

嘉芸小学校への雪贈りは、

当時の南魚沼センターの地域

復興支援員が支援し、実現し

ました。六日町ライオンズク

ラブや六日町小学校に協

力を求めるの

はもちろ

ん、沖縄と

の交流を

開始するた

めに、相互の「つな

ぎ役」となり、また子ども

たちの活動を多くの人にPR

しました。その他にも、支援

員はプログラムが完成するま

での様々な調整を行い、学校

間でこの活動が継続する仕組

み作りをコーディネートしま

した。

 

現在、雪贈りの事業は支援

員の手を離れ、ライオンズクラ

ブと各小学校間で、継続して

沖縄の二つの小学校に雪だる

まが贈られています。

 

山の暮らし大学校のフラッグ

アーティストで音楽家の谷村新

司さんをお迎えして、「谷村新司

さんと共に学ぶ林間学校in長岡

2013」を10月13・14日の両

日、長岡市寺泊地域と太田地区

を会場に市内外の60名からご参

加いただいて実施しました。

 

4年目を迎えた今回は、海の

幸と山の魅力を存分にお楽し

みいただきました。

 

寺泊地域では、日本海の幸を

味わっていただき、太田地区で

は、谷村新司さん、詩織さん親

子も参加し

て、わら細工

の匠から手

ほどきを受

けながら、鍋

敷き作りに

取り組み、匠の熱心な指導のも

と、参加者全員が鍋敷きを完成

させました。

 

わら細工の体験は大変好評

で、「家でもまた作ってみたいか

ら」とわらを持ち帰る参加者も

ありました。また、指導にあたっ

た匠も「こんなに大勢に教えた

のは初めてだったが、楽しかっ

た」と充実した表情を浮かべて

いました。

 

谷村新司さんが長岡市・中山

間地域の魅力を語っている姿と

参加された皆さんの明るい笑

顔が印象に残る秋晴れの二日

間でした。

 

太田地区を含む中山間地域で

は、過疎・高齢化が進んでいま

す。当財団では、今回のように

「山の魅力」に触れる場を提供

し、そこから生まれる交流を通

じて、中山間地域が活性化する

様々な取り組みの支援を続けて

いきます。

中越地域の小中学校には自分が住む「地域を知る」ことを目的に総合

学習を実施している学校がいくつもあります。地域の歴史や食、文化

を学び、魅力を知れば、進学や就職で地域を離れても、自分が生まれ

育った土地に愛着や誇りを持ち続け、自信を持って自分の故郷を紹介

することができます。そんな子どもたちの熱い想いが地域の活性化へ

と繋がっていきます。

南は、市

0名

校で

児童

るま

たち

スチ

詰め

ます

にし

のた

雪を

中越

学習

を学

育った

する

と繋

交流から生まれる子どもたちの笑顔と活性化する地域活動~地域復興支援員が交流の架け橋に~

生まれ変わるRe再 生再 生

Re

bo

rn

谷村新司さんと

共に学ぶ林間学校

  

in長岡2013

山の暮らし大学校

▲交流会ではお互いの地域紹介や太鼓の披露などで親交を深めている。

◀▼5月に自分たちで植えた田んぼを小学生と集落の大人が一緒になって手で刈り、はざかけしていく。

▲25年度の新米には稲刈り交流の写真が張られている。

▶沖縄の小学生から支援員に届いた感謝の手紙。はじめて雪と触れた冷たさや感動が描かれている。

▲今年度も嘉芸小学校の児童たちは南魚沼市雪まつり(平成26年2月8日(土)、9日(日))で熱い踊りと太鼓のエイサーを見せてくれる。

▶毎年30個の雪だるまを沖縄の小学校に贈っている。

▼やはり現代っ子、新山集落の小学生とまち場の小学生はゲームで盛り上がっている。

▲集落の人と棚田米や里いもなど新山のごっつぉ(ご馳走)を囲んでの収穫祭。新山クイズやわら細工などのお楽しみもある。

沖縄へ雪だるま

の宅急便

南魚沼市・六日町小学校

まち場と山あいで

田んぼ交流

  

栃尾地域新山集落

山里ガイドFrom a rural village

新しいお店から季節のイベントなど山里の情報をお届けします。

56

理事長 山口 壽道

長岡の奥座敷・蓬平温泉。すべすべとした美肌の湯としても知られている。

表紙のことば

長岡市周辺で食されるお赤飯は全国でも珍しい茶色の醤油味。一説では昔、ささげが貴重で手に入りにくかったため、醤油で色づけしたのが始まりといわれています。本来はせいろで蒸し、時間や手間がかかりますが、今回は家庭でも手軽に炊ける炊飯器でのレシピです。

雪の恩恵新潟県中越地方の中山間地

域は豪雪地帯として知られ、

一晩で1メートル以上積もる

こともめずらしくありません。

雪に覆われた厳しい冬の暮ら

しが、この土地ならではの文

化を築いています。例えば、

「食」。日本一美味しいといわ

れるコシヒカリ、淡麗辛口の

日本酒などは雪解け水で潤さ

れた大地から生まれます。ま

た、保存食・発酵食などの雪国

独特の食文化もあります。雪

と寄り添う暮らしから生まれ

たものが、現在まで大切に受

け継がれているのです。

 

去る10月

23日、山古志

地域に計画

されていたメ

モリアル施

設「やまこし

復興交流館」がオープンし

た。これで「中越メモリアル

回廊」の4メモリアル施設・

3メモリアルパークが完成

し、グランドオープンとなっ

た。この「やまこし復興交流

館」の愛称を公募したのだ

が、たくさんのご応募を頂い

た。名付けられた愛称は「お

らたる」。この地域の方言で

「おれたちの居場所」という

意味だと聞いた。応募の多

かった愛称を選んでいない

ところが、いかにも山古志ら

しい。

 

もちろんこの施設は、中

越大震災の「経験」と「教

訓」を伝えることを第一義と

しているし、山古志住民の

方々は、自分たちを支援し

てくれたボランティアの皆

さんを含む多くの方々に、

恩返しをしたいと考えてい

る。その恩返しだが、自分た

ちが元気で、前向きに生き

ていることを見て、感じても

らうことこそが、何よりの

恩返しだと考えている。

 

中越地震発災から9年の

歳月が流れているが、この

間、地域住民の意識は大き

く変わってきた。地域の自立

と、地域が持続することと

はどういうことなのかを議

論し、やれるところから行

動に移し始めている。

 

平成26年10月23日で震災

から10周年迎える。山の暮

らし再生機構「LIMO」の

役割も転換期にきている。

山 里こぼればなし

理事長コラム山山のごっつぉ田舎のレシピ

山の「おっかぁ」たちが代々受け継いできたレシピや自慢の新しい味。どことなく懐かしい味を紹介します。

長岡赤飯

●作り方①金時豆は一晩水に浸し、少し硬めに下ゆでしておく。②もち米、うるち米は研いだ後、30分以上ざるにあげておく。③炊飯器にお米、戻して下ゆでした金時豆を入れ、、金時豆のゆで汁を炊飯器の目盛りより2割程度少なめに入れ、調味料を加えて炊く。④仕上げに白ごまを振る。

もち米…2合うるち米…1合醤油…大さじ1

酒…大さじ1みりん…大さじ1金時豆…60g白ごま…適量

●材料(3合分)

TEL/0258-59-2343(山古志支所産業建設課)住所/長岡市山古志種苧原「四季の里古志」日時/平成26年3月8日(土) 11時~18時30分(点火式は18時からを予定)

古志の火まつり

こしのひまつり

Yamakoshi

古志エリア

勢い良く燃え上がる巨大さいの神。今回巻かれ

るカヤは11月に「カヤ刈りツアー」に参加した

ボランティアにより集められた。

 山古志地域挙げての一大イベント「古志の火まつり」。住民一人一束ずつ持ち寄ったカヤで大きな祭りができないかと昭和63年から始まった祭りです。無病息災、五穀豊穣を願うと共に、中越地震後は山古志の復興を願う行事にもなっています。巨大なさいの神は山から切り出した樹齢100年ほどの杉の木を芯柱に、降雪前に刈り取っておいた約10トンのカヤを巻き、高さ25m、直径10mという日本一の大きさです。闘牛太鼓が鳴り響くなか、その年に成人を迎える山古志の男たちが巨大さいの神に点火、一気に燃え上がるその姿は迫力満点です。この他にも、雪中闘牛やステージショーなどが行われます。

●和泉屋TEL/0258-23-2231住所/長岡市蓬平甲1508-2http://www.yomogi-izumiya.com/

●蓬莱館 福引屋TEL/0258-23-2221住所/長岡市蓬平甲1227http://www.fukubikiya.co.jp/

●よもやま館TEL/0258-23-2121住所/長岡市蓬平甲130-1http://wwwyomoyama.co.jp/

巨大さいの神新成人の男たちが点火巨大さいの神新成人の男たちが点火 蓬平温泉の浴衣をユニホームにピンポン球を打ち合

う「第1回蓬平 温泉卓球」が開催されます。1チーム4人の団体戦方式で、優勝チームはもちろん、入賞チームにも賞品が用意されています。ピンポン終了後は蓬平で行われる小正月の伝統行事「さいの神」にも参加できます。

温泉地ならではのユニークな卓球大会温泉地ならではのユニークな卓球大会

 南魚沼市塩沢の牧之通りを中心に開かれる春恒例のイベント。地元の射干の会が「蔵や押入れで眠っているおひな様を、もう一度多くの人から見てもらおう」という思いからスタートし、今回で9回目の開催となります。展示されるおひな様は江戸時代の貴重なものから明治、大正、昭和、平成のもの、塩沢の織物である塩沢お召しで作った木目込みなど多彩なおひな様が飾られ、時代と共に変化して行く様子がうかがえます。この他、素敵なプレゼントが用意されている「おたのしみスタンプラリー」もあります。TEL/ 025-782-1116(射干の会) 住所/南魚沼市塩沢牧之通り周辺開催日/平成26年2月15日(土)~4月3日(木) 9時30分~16時    (各家によって開催期間、時間、休日は異なる)

風情ある街並みで楽しむおひな様めぐり風情ある街並みで楽しむおひな様めぐり

蓬平温泉卓球&さいの神

よもぎひらおんせんたっきゅう&

さいのかみ

O

htah igashiyama

田東山エリア

大切に保存されていた「古今雛」から平成の「塩沢お召しの木目込み」のおひな様まで楽しめる。

南魚沼・大和区●表紙/越後三山

会場/長岡市濁沢485 長岡市立太田小・中学校日時/平成26年1月12日(日)13時~15時30分参加料/一人2000円(保険料、わらぞうり、3旅館入浴チケット・さいの神参加チケット込)

三国街道塩沢宿ひな雪見かざりみくにかいどうしおざわじゅく

ひなゆきみかざりMinamiuonu

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a

魚沼エリア

小国地域のもったいない村、道の駅

越後川口

あぐりの里などで販売中。

 小国町桐沢集落は「花と名水の里」と呼ばれ、四季折々の自然豊かな表情を見せます。そんな集落で親しまれてきた郷土食「やたらみそ」を(農)桐沢担い手生産組合が商品化。一年漬け込んだ赤しその香りとみその香ばしさが「やたらにうまい」。炊きたてのごはんのお供や酒の肴に適した逸品です。

TEL/0258‐95‐2008 農事組合法人 桐沢担い手生産組合販売価格/580円(税込)

新発売のごはんのお供は集落に伝わる雪国の保存食

やたらみそOguni

小国エリア