mizuho-topics-2014-3-cctmri.co.jp/report_topics/pdf/1403.pdfみずほ信託銀行...

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  • トピックス1 事業法人による不動産取得増加とその背景������2

    トピックス2 都心5区オフィスビルにみる価格上昇の動き�����6

    マンスリーウォッチャーみずほビジネスセミナーを開催�����������8

    2014

    3March

  • 2 March, 2014 みずほ信託銀行 不動産トピックス

    事業法人による不動産取得増加とその背景2013年の事業法人による不動産取得額は前年比2.9倍と大幅に増加しました。金融・経済情勢の

    好転を背景として、業績改善による投資余力や信用力(資金調達力)の向上、賃料や不動産価格の上昇予測による持たざるリスクへの懸念などが複合的に作用したものと考えられます。

    [図表1-1]事業法人による不動産取得額・件数の推移(全取引対象)

    [図表1-2]事業法人による大型取引件数の推移(グループ間取引を除く)

    不動産売買実態調査※1による事業法人※2の不動産取得額は、2013年上期が2,941億円で前年同期比92%増、下期が3,420億円で前年同期比411%増と、上期、下期とも2000年以降では最高額を記録しました[図表1-1]。高額取引も多く、グループ間での取引を除いた50億円以上の取引件数は通期22件(上期12件、下期10件)で、うち100億円以上が13件、200億円以上が6件といずれも2000年以降では最多件数となっています[図表1-2]。以下、事業法人の設備投資の動きから不動産取得動向を概観したのち、不動産取得増加の背景や特徴を考察します。

    2013年の事業法人の不動産取得額は2000年以降では最高額に

    資料:図表1-1、1-2、1-6は都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

    ※ 1:不動産売買実態調査は、「上場有価証券の発行者の会社情報の適時開示等に関する規則(適時開示規則)」に基づき東京証券取引所に開示されている固定資産の譲渡または取得などに関する情報や、新聞などに公表された情報から、上場企業等が譲渡・取得した土地・建物の売主や買主、所在地、面積、売却額、譲渡損益、売却理由などについてデータの集計・分析を行うもの。なお、本調査では、情報開示後の追加・変更等に基づいて既存データの更新を適宜行っている。

    ※ 2:不動産売買実態調査における買主業種から投資法人、投資目的法人、SPC、不動産、建設、保険、その他金融(リース会社等)、日銀 /生 ・損保、その他法人(医療法人、学校法人、社会福祉法人等)、公共、個人、海外企業、不明を除外して集計。なお、事業法人の取得動向を対象とするため、サービス業や卸売業に分類されてはいるが、デベロッパー、AM会社として事業活動をしていると判断できる大手商社や不動産サービス企業等は除外した。海外物件除く。

    0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

    100

    0500

    1,0001,5002,0002,5003,0003,5004,000

    2000年上期

    2000年下期

    2001年上期

    2001年下期

    2002年上期

    2002年下期

    2003年上期

    2003年下期

    2004年上期

    2004年下期

    2005年上期

    2005年下期

    2006年上期

    2006年下期

    2007年上期

    2007年下期

    2008年上期

    2008年下期

    2009年上期

    2009年下期

    2010年上期

    2010年下期

    2011年上期

    2011年下期

    2012年上期

    2012年下期

    2013年上期

    2013年下期

    (億円) (件)

    件数(右軸) 取引額(薄色:上期、濃色:下期)

    2000年上期

    2000年下期

    2001年上期

    2001年下期

    2002年上期

    2002年下期

    2003年上期

    2003年下期

    2004年上期

    2004年下期

    2005年上期

    2005年下期

    2006年上期

    2006年下期

    2007年上期

    2007年下期

    2008年上期

    2008年下期

    2009年上期

    2009年下期

    2010年上期

    2010年下期

    2011年上期

    2011年下期

    2012年上期

    2012年下期

    2013年上期

    2013年下期

    (件)

    0

    5

    10

    15

    50億以上100億円未満 100億以上200億円未満 200億円以上

  • 3みずほ信託銀行 不動産トピックス March, 2014

    [図表1-3]設備投資総額に占める土地取得額比率の推移(資本金1億円以上の企業)

    設備投資の観点からは今後の不動産取得額は堅調ないしは増勢で推移する可能性も

    資料:財務省「法人企業統計調査」に基づき都市未来総合研究所作成

    不動産取得は設備投資の一要素と考えられます。設備投資総額※3に占める土地取得額比率を算出したところ、製造業、非製造業(資本金1億円以上対象。非製造業は金融業、保険業、不動産業、建設業除く。)とも、1990年代前半のバブル崩壊以降は、2000年前半頃に一時比率が上昇した時期を除き、低下基調で推移してきました。バブル崩壊以降は、不動産(土地)の価格下落幅が他の設備より大きかったと思われること※4や有利子負債圧縮、資産効率向上などの観点から「持たざる経営」が主流となり※5、不動産に対する貸借志向が強まったことも影響しているのかもしれません。しかし、2005年頃には土地取得額比率の低下基調に歯止めがかかり、それ以後は製造業が1%前後、非製造業が2%前後の水準で横ばいで推移しています。 設備投資に関しては今後緩やかに回復することが見込まれており※6、土地取得額比率が現状の水準を下回ることなく推移するならば、今後の不動産取得額は堅調ないしは増勢で推移する可能性があります。

    ※3:法人企業統計では固定資産の増減を示す項目として「新設」と「譲受振替等」があり、「新設」には新製品の取得額等が計上され、「譲受振替等」には中古品の購入額等が計上される。土地は新たに生み出されないため、取得額は「譲受振替等」に計上され、「新設」には整地費・造成費が計上される。本稿における「設備投資総額」は「新設」と「譲受振替等」の合計額(ソフトウェア・土地含む)、「土地取得額」は土地譲受額としている。2009 年 1 ~ 3 月期の非製造業の土地譲受額が 35 兆円と非現実的な額となっている。これは法人企業統計では合併等により存続法人が消滅会社の資産を取得した場合、譲受振替額に計上されることや母集団推計により当該譲受振替額が増幅される可能性が民間調査機関にて指摘されている。上記 35 兆円は特殊要因として前 4四半期平均値に置き換えて集計した(他にも同様の事象が存在する可能性がある)。法人企業統計では図表 1-3 の期間中に標本抽出方法の変更等が行われており、接続性を有していない部分がある。

    ※ 4:不動産(土地)と他の設備の価格変動を正確に比較することは困難であるが、簡便化し、一般財団法人�日本不動産研究所「市街地価格指数」と日本銀行「国内企業物価指数」の 1993年から 2005 年までの変動率を比較すると、市街地価格指数(六大都市・全用途)の変動率(-18 ~-4%)は各年とも国内企業物価指数(総平均)(-3~ 2%)を大きく下回っていた。直近 3年(2011 ~ 2013 年)は市街地価格指数の変動率(-3~ 0%)は国内企業物価指数の変動率(-1~ 2%)とほぼ同水準となっている。

    ※ 5:国土交通省「土地所有・利用状況に関する企業行動調査」では「今後、土地・建物について、所有と借地・賃借では、どちらが有利になると思うか」という設問があり、所有が有利とする割合は 1993 年度調査(67%)から 2002 年度調査(36%)までほぼ一貫して低下後、2003 年度に上昇に転じた。その後は上昇、下落を繰り返しながらおおむね横ばいで推移し、直近 3年(2010 ~ 2012 年度)は所有が有利とする割合は 37 ~ 41%で推移している。

    ※ 6:内閣府の月例経済報告(2014 年 1 月)においては、設備投資は企業収益の改善等を背景に持ち直し傾向が続くことが見込まれると報告されている。

    0%

    2%

    4%

    6%

    製造業(原数値) 非製造業(原数値)

    ※非製造業は金融・保険・不動産・建設除く。 ※原数値は四半期ごとの公表数値。最新データは2013年7~9月期

    1980年

    1981年

    1982年

    1983年

    1984年

    1985年

    1986年

    1987年

    1988年

    1989年

    1990年

    1991年

    1992年

    1993年

    1994年

    1995年

    1996年

    1997年

    1998年

    1999年

    2000年

    2001年

    2002年

    2003年

    2004年

    2005年

    2006年

    2007年

    2008年

    2009年

    2010年

    2011年

    2012年

    2013年

    12 区間移動平均(製造業(原数値)) 12 区間移動平均(非製造業(原数値))

  • 4 March, 2014 みずほ信託銀行 不動産トピックス

    不動産取得が増加したのは金融・経済情勢の好転を背景として、図表1-4に例示したような内部要因、外部要因が複合的に作用したものと考えられます。不動産増加の特徴を考察するため、図表1-5のとおり、不動産売買実態調査の事例を取得先(外部/グループ間取引)、取得目的(事業用不動産/収益不動産)、スキーム(単純取得/賃借物件の取得)から、「事業用不動産(単純取得)」、「事業用不動産(賃借物件の取得)」、「収益不動産の取得」、「グループの経営効率化(グループ間取引)」の4つに分類して取得額を集計※7したところ、2013年の取引事例では「事業用不動産(賃借物件の取得)」と「収益不動産の取得」の増加が目立ちました[図表1-6]。以下、増加の動きが目立った「事業用不動産(賃借物件の取得)」、「収益不動産の取得」について、詳しくみます。

    賃借物件の取得事例の増加の背景

    賃借物件の取得(賃借から保有への変更)に関しては業績改善・財務改善による投資余力や信用力(資金調達力)の向上(内部要因①)を前提に、賃料上昇が予測されていること(外部要因③)、借入金利が低水準にあること(外部要因⑥)から賃借より保有の方がコスト面で有利になる可能性が高まったことが背景と考えられます。賃借から保有への変更事例としては業容悪化時に財務改善の一環で流動化したビルを買戻す事例やホテルオペレーターが開発後にセール&リースバックした物件を買戻す事例などがみられました。また、商業施設を貸主から取得する事例が複数みられました。商業施設の場合は保有への変更に伴うコスト削減効果のほか、大規模リニューアル等でオーナーの調整が不要になり、機動的・柔軟的な対応が可能となるメリットもあわせて考えられます。なお、不動産価格の上昇予測(外部要因④)

    2013年は賃借物件の取得事例と収益不動産の取得事例の増加が目立つ

    [図表1-4]事業法人による不動産取得が増加する背景

    [図表1-5]事業法人による不動産取得の取得先・目的・スキームによる分類

    資料:図表1-4、1-5は都市未来総合研究所作成

    ※ 7:「事業用不動産(単純取得)」、「事業用不動産(賃借物件の取得)」、「収益不動産の取得」の分類は不動産売買実態調査に収録されている売却理由・取得理由等の内容から判断した。「不明・その他」には取得理由が未記載の事例のほか、販売目的事例、受動的な取得事例(交換、再開発事業の権利変換等、貸付債権の回収、自己競落等)等が含まれる。なお、事業用不動産には福利厚生施設を含む。グループ間取引は

    理由のいかんを問わず「グループの経営効率化」とした。「不明・その他」以外の4項目に分類できた割合は全データ(2000~ 2013 年)の 72%(金額ベース)。

    内部要因 業績拡大等に向けた不動産取得 外部要因(不動産市況)

    賃借から保有への変更

    収益不動産の取得

    外部要因(資金調達環境)

    金融・経済情勢の好転(金融緩和⇒国内景気回復)

    ⑥不動産融資に対する緩和姿勢継続+低金利

    ⑦株価堅調でPO環境良好

    ①業績改善・財務改善による投資余力・信用力(資金調達力)の向上

    ②将来の収益環境変化を見据えた新たな収益基盤の構築

    ③賃料上昇予測⇒賃借コスト上昇/賃貸事業の収益向上

    ④不動産価格上昇予測⇒早期取得のインセンティブ/保有リスク低減

    ⑤建築費上昇予測⇒③賃料、④不動産価格に徐々に波及

     

    グループの経営効率化グループ間での売買

    事業会社による不動産取得 外部からの取得 事業用不動産の取得 単純取得

    収益不動産の取得

    賃借物件の取得(賃借から保有への変更)

  • 5みずほ信託銀行 不動産トピックス March, 2014

    [図表1-6]事業法人による不動産取得の取得先・目的・スキーム別金額の推移

    は、資産価格下落リスク(保有時の減損リスクや将来売却する際の売却損発生リスク等)を軽減させる方向に作用することも取得増加の要因となると考えられます。

    収益不動産の取得事例の増加の背景

    自社事業における将来の収益環境の変化を見据え、新たな収益基盤を構築(収益多角化)する一環として、収益不動産を取得するケースは従来からみられますが(内部要因②)※8、現状は賃料上昇が予測され(外部要因③)、取得後の収益向上シナリオが描きやすいことが収益不動産の取得を後押しすると考えられます。また、不動産価格上昇が予測されていること(外部要因④)から、長期保有だけでなく出口戦略を念頭に置いた投資も可能な状況といえます。反面、収益不動産の取得は不動産のプロであるファンドやデベロッパーと競合する可能性が高いことから、価格上昇期待が一層高まると物件取得が困難となる可能性があるため、早期取得のインセンティブが働くと考えられます。2013年の取引事例では、自社事業に大幅な回復期待が見込めない※9とする企業が積極的に多くの収益不動産を取得する事例がみられました。

    資金調達環境

    不動産取得では資金調達を伴うケースが多いため、金融機関の不動産融資に対する緩和姿勢が続き、借入金利が低水準であること(外部要因⑥)、また、株価が堅調に推移し増資を行いやすい環境にあること(外部要因⑦)が、資金調達面(デット、エクイティとも)から不動産取得を下支えしていると考えられます。

    持たざる経営からの変化

    以上のような内部要因、外部要因の変化は、企業の不動産に対する意識を従来の「持たざる経営」志向から「持たざるリスクを意識した経営」や「戦略的な不動産取得」志向に変化させるきっかけとなるかもしれません。

    (以上、都市未来総合研究所 湯目 健一郎)

    ※ 8:不動産賃貸事業が企業収益の向上に寄与するのは不動産賃貸事業の資産効率が本業等の資産効率を上回っていることが条件となる。しかし、資産効率が本業等を下回っていても、収益変動が大きい事業を行っている企業や将来的に業績低迷が見込まれるケースでは企業収益の安定性や下支えに寄与する。また、本業等での資金ニーズがなく余剰資金がある場合は不動産賃貸事業を行う方が企業収益の向上に寄与すると考えられる。

    ※ 9:決算短信における記述。

    0

    500

    1,000

    1,500

    2,000

    2,500

    事業用不動産の取得(単純取得)

    事業用不動産の取得(賃借物件の取得)

    収益不動産の取得

    グループの経営効率化(グループ間取引)

    不明・その他

    (億円)

    2000年

    2001年

    2002年

    2003年

    2004年

    2005年

    2006年

    2007年

    2008年

    2009年

    2010年

    2011年

    2012年

    2013年

  • 6 March, 2014 みずほ信託銀行 不動産トピックス

    都心 5区オフィスビルにみる価格上昇の動き東京都心5区の商業地の地価は2013年第1四半期から変動率がプラスとなる地区の数が横ばいや

    下落地区よりも多くなり、地価上昇の動きが鮮明となりました。本稿では、J-REITが保有する東京都心5区のオフィスビルの鑑定評価額データを用いて、2013

    年度上期までの価格上昇の動向を振り返ります。

    国土交通省が公表する地価LOOKレポート※1によると、東京都心5区※2商業地で地価が上昇した地区の数は、2012年第1四半期以降増加しています。2013年第1四半期から地価が上昇した地区の数が横ばいや下落地区よりも多くなり、同第2四半期には、調査対象18地区のうち17地区(94.4%)が上昇、地価上

    昇の動きが鮮明となりました[図表2-1]。地価とオフィスビルの価格動向について、本稿では、J-REITが保有しているオフィスビルの鑑定評価額※3データ※4(以下「J-REITデータ」といいます。)とともに振り返ることにします。

    [図表2-1]地価LOOKレポートデータによる東京都心5区商業地の総合評価(地区数一覧)

    [図表2-2] J-REITオフィスビルの変動率区分の物件数の時系列推移

    [図表2-3]価格が上昇した物件・地区数の推移

    資料:国土交通省「地価LOOKレポート」データ、都市未来総合研究所「ReiTREDA」データより作成

    資料:国土交通省「主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)」データに基づき作成

    資料:都市未来総合研究所「ReiTREDA」データより作成

    [集計方法]地区毎の総合評価(変動率)推移から、東京都心5区の商業地に該当する地区を抽出し、再集計した。

    2013年に入って価格上昇の動きが鮮明に

    0 5

    10 15 20 25 30 35 40 45 50

    物件数

    09年度上期

    09年度下期

    10年度上期

    10年度下期

    11年度上期

    11年度下期

    12年度上期

    12年度下期

    13年度上期

    上昇:

    6%以

    上昇:

    3%以

    上6%

    未満

    上昇:

    0%超

    3%未

    横ば

    い:0%

    下落:

    0%超

    3%未

    下落:

    3%以

    上6%

    未満

    下落:

    6%以

    上9%

    未満

    下落:

    9%以

    上12

    %未

    下落:

    12%

    以上

    33.9% 39.4%

    11.1%

    83.3%

    94.4%

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100物件数・地区数 構成割合

    09年度上期

    09年度下期

    10年度上期

    10年度下期

    11年度上期

    11年度下期

    12年度上期

    13年度上期

    12年度下期

    J-REITの上昇物件数(左軸) 地価LOOKレポートの上昇地区数(左軸) J-REIT上昇物件の構成割合 地価LOOKレポート上昇地区の構成割合

    半期 四半期上昇 横ばい 下落

    横計6%以上 3%以上6%未満

    0%超3%未満 0%

    0%超3%未満

    3%以上6%未満

    6%以上9%未満

    9%以上12%未満 12%以上

    2009年第2 1 9 8 182009年度上期 2009年第3 3 14 1 18

    2009年第4 4 13 1 182009年度下期 2010年第1 3 6 9 18

    2010年第2 3 12 3 182010年度上期 2010年第3 5 12 1 18

    2010年第4 7 11 182010年度下期 2011年第1 3 14 1 18

    2011年第2 5 13 182011年度上期 2011年第3 7 11 18

    2011年第4 8 10 182011年度下期 2012年第1 2 11 5 18

    2012年第2 2 11 5 182012年度上期 2012年第3 2 11 5 18

    2012年第4 3 12 3 182012年度下期 2013年第1 15 3 18

    2013年第2 17 1 182013年度上期 2013年第3 17 1 18

  • 7みずほ信託銀行 不動産トピックス March, 2014

    [図表2-4]J-REITオフィスビルの2011年度上期、下期の上昇物件の区別の構成比率

    2009年度上期以降のJ-REITデータの価格変動率の動向について、地価LOOKレポートに準じた変動率区分毎の物件数を時系列で整理すると、2009年度下期以降で上昇した物件が散見されるようになります[図表2-2]。価格が上昇した物件を抽出し、それらの動きについて、地価LOOKレポートの地区データと比較([図表2-3])すると、次のような特徴を指摘できます。①地価LOOKレポートのデータでは、2011年度下期から上昇地区が現れるようになりました。これに対しJ-REITデータでは2年早い2009年度下期から上昇物件が現れるようになり、その後もおおむね増加しています。②J-REITデータでは、2011年度上期、下期の上昇物件数の構成割合がそれぞれ33.9%、39.4%と全体の1/3を超えました。これに対し、地価LOOKレポートのデータでは2011年度下期で11.1%です。③地価LOOKレポートのデータでは2012年度下期(2013年3月末)以降には上昇地区数の構成割合が急増して83.3%もの地区で上昇

    となっています。これに対して、J-REITデータでは、比較的早い時期に上昇物件がみられ、1/3を超える割合まで増加したものの、2013年度上期でも上昇物件数はそれほど増加していないという結果となっています。これは、J-REITデータには上昇が持続しない物件があり、総数として上昇物件数がなかなか積み上がらなかったためです。④J-REITデータにおいて、2011年度上期、下期それぞれに上昇した物件数を区ごとに集計して、全体の構成比率と比較すると、千代田区と新宿区では、2011年度上期下期共に上昇した物件の構成比率が、全体に比べて大きくなっており、初期段階で上昇した物件が比較的多くなっています。逆に、中央区では上昇した物件の構成比率が全体に比べて小さくなっており、初期段階で上昇した物件が比較的少なくなっています[図表2-4]。

    (都市未来総合研究所 仲谷 光司)

    ※1:地価LOOKレポート(主要都市の高度利用地地価動向報告)は、主要都市の地価動向を先行的に表しやすい高度利用地等の地区を対象にしている。

    ※2:東京都心5区は次の通り。千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区。※3:本稿では不動産価格の動向を鑑定評価額でとらえる。※4:J-REITが保有している東京都心5区のオフィスビルの中から、2009年度上期から2013年度上期まで鑑定評価額変動率データが欠損な

    く得られる物件(109物件)を抽出。

    J-REITオフィスビルでは2011年度に1/3超が上昇

    0% 0% 0% 5% 5% 5%

    10% 10% 10% 15% 15% 15% 20% 20% 20% 25% 25% 25% 30% 30% 30% 35% 35% 35% 40% 40% 40% 45% 45% 45%

    港区

    渋谷区

    新宿区 千代田区

    中央区

    全体 11年度上期上昇 11年度下期上昇

    全体 11年度上期上昇 11 年度下期上昇

    物件数 構成比率 物件数 構成比率 物件数 構成比率

    港区 40 36.7% 15 40.5% 14 32.6%

    渋谷区 13 11.9% 3 8.1% 5 11.6%

    新宿区 10 9.2% 5 13.5% 6 14.0%

    千代田区 19 17.4% 9 24.3% 11 25.6%

    中央区 27 24.8% 5 13.5% 7 16.3%

    総計 109 100.0% 37 100.0% 43 100.0%

    資料:都市未来総合研究所「ReiTREDA」データより作成

  • ※本資料は参考情報の提供を目的とするものです。当行は読者に対し、本資料における法律・税務・会計上の取扱を助言、推奨もしくは保証するものではありません。 本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成していますが、その正確性と完全性、客観性については当行は責任を負いません。※本資料に掲載した記事の無断複製・無断転載を禁じます。

    ■本レポートに関するお問い合わせ先■みずほ信託銀行株式会社 不動産企画部 夏目 和宏  TEL.03-3274-9079(代表)株式会社都市未来総合研究所 研究部 佐藤 泰弘、池田 英孝 TEL.03-3273-1432(代表)

    不動産トピックス 2014.3発  行 みずほ信託銀行株式会社 不動産企画部 〒103-8670 東京都中央区八重洲1-2-1 http://www.mizuho-tb.co.jp/編集協力 株式会社都市未来総合研究所 〒103-0027 東京都中央区日本橋2-3-4 日本橋プラザビル11階 http://www.tmri.co.jp/

    みずほ信託銀行は、みずほ銀行、みずほ証券と共に「みずほビジネスセミナー」を開催し、�企業経営者を中心とした多くの方々にご参加いただきました。(東京開催:2014年2月17日、大阪開催:2014年2月20日)

    第一部講演では「日本経済再生シナリオ~アベノミクスでデフレ突破は可能か~」と題し、�日本の政治の動向や景気の回復に向けた動きを中心に講演をご提供いたしました。第二部講演では「反転期を迎えた不動産市場と攻めの企業不動産戦略」と題し、地価の上昇など一部に�回復の兆しが見え始めた2013年の不動産市場を振り返り、企業不動産戦略のあり方について�ご案内いたしました。

    今後もみずほ信託銀行では、皆様の経営の一助になる有益な情報を提供する所存です。� (以上、みずほ信託銀行 夏目 和宏)

    みずほビジネスセミナーを開催

    [図表]ご参考:みずほ信託銀行の不動産業務

    ◆事業用仲介・流動化等、多岐にわたって有数の実績を有しております。

    ◆ IFRS対応、企業組織再編手法の活用等の財務コンサルティングを併せ、信託銀行ならではの企画提案力を発揮しております。

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    みずほ信託の不動産業務

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    不動産有効利用(事業法人)    (個 人)    (公的団体 PRE)

    鹿児島県 鹿児島支店

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    不動産営業広域担当

    みずほ信不動産販売2店舗

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    資料:みずほ信託銀行作成(※全国ネットワークと取引基盤網は、2014年2月時点)