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1 特定非営利活動法人 医学統計研究会 Biostatistical Research Association Newsletter No.111882019.11.26 だんだんと寒さが厳しくなって参りました.衣裳選びに逡巡する時節ですが,会員の皆様には,その後 もご健勝にてご活躍のことと拝察いたします.今年も残すところ1ヵ月となりました.例年どおり,今 1年の成果を確実にするために,最後のひとふんばりといきましょう. 10 26 日(土)に開催されました定例シンポジウム 2019 「医療で必要とされる統計的基礎知識」 の参加者からのご感想を以下に掲載いたします.時宜の関係で遅くなりました.ご容赦ください. 主題および講演・討論についてのご意見・ご感想 ・この業界で利用できそうな機械学習分野を学習できる本を知りたい(医療統計分野).SAS がこの 業界の標準ソフトウェアになっているが,機械学習に関して SAS でも実装できるのか. (匿名) ・定例シンポジウムに複数回にわたって参加しておりますが,毎回,新しく学ぶことがあり,ありが たく感じています. (匿名) Bayes 統計の話が今までと異なるアプローチとしてあることに気付けて参考になりました.今後 も続けていただき,社内の他のメンバーにもすすめたいと思います. (匿名) ・機械学習のお話がおもしろかったです. R の勉強します. (匿名) ・統計的基礎知識のシンポジウムではあるが,統計担当者として学びの多い会であった.演題も多岐 にわたり,1日飽きることなく聴講できた.統計科学の専門でない方には,若干むずかしい内容も あったとは思うが,どこまで基本的事項に焦点を当てるべきか,検討の余地があるかもしれない. より基礎的なものに特化した方が,参加者は増えるのではないでしょうか. (匿名) ・基礎的な話から,少し応用まで入り込んだ講演ばかりで,全体的にバランスの良い演題だったと感 じました.しかしながら,統計の初学者にとっては少し重い話が多く,基礎というより中級レベル の内容という印象でした. Pfizer で参加者を募った際も「初級レベル」であることを前面に押し出 していたので,より初級レベルかつ実践的な話(例えば「t検定って何」「正規分布って?」)くら いの演題があったら,より幅広い層を取り込めると思いました(が,本研究会の方向性などあると 思うので,参考程度にしていただければと思います). SY・臨床試験データから得られる評価をする者として,本シンポジウムでのお話は日々の業務をすすめ る上でも有用な情報が多かった.特に p 値の取り扱い, Bayes,因果推論の内容は,基礎を学ぶ上 で大変にわかりやすかった.回帰解析の基本は,よりベーシックな内容であるとよいかと思いまし た.私見ではありますが,数学的,学術的な要素は,基礎を学ぶ上で無視できないと思うが,本シ ンポジウムの参加者には難しいかもしれません. (匿名)

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特定非営利活動法人

医学統計研究会

Biostatistical Research Association

Newsletter No.11(188) 2019.11.26

だんだんと寒さが厳しくなって参りました.衣裳選びに逡巡する時節ですが,会員の皆様には,その後

もご健勝にてご活躍のことと拝察いたします.今年も残すところ1ヵ月となりました.例年どおり,今

年1年の成果を確実にするために,最後のひとふんばりといきましょう. 1 10 月 26 日(土)に開催されました定例シンポジウム 2019「医療で必要とされる統計的基礎知識」

の参加者からのご感想を以下に掲載いたします.時宜の関係で遅くなりました.ご容赦ください.

主題および講演・討論についてのご意見・ご感想

・この業界で利用できそうな機械学習分野を学習できる本を知りたい(医療統計分野).SAS がこの

業界の標準ソフトウェアになっているが,機械学習に関して SAS でも実装できるのか. (匿名) ・定例シンポジウムに複数回にわたって参加しておりますが,毎回,新しく学ぶことがあり,ありが

たく感じています. (匿名) ・Bayes 統計の話が今までと異なるアプローチとしてあることに気付けて参考になりました.今後

も続けていただき,社内の他のメンバーにもすすめたいと思います. (匿名) ・機械学習のお話がおもしろかったです.R の勉強します. (匿名) ・統計的基礎知識のシンポジウムではあるが,統計担当者として学びの多い会であった.演題も多岐

にわたり,1日飽きることなく聴講できた.統計科学の専門でない方には,若干むずかしい内容も

あったとは思うが,どこまで基本的事項に焦点を当てるべきか,検討の余地があるかもしれない.

より基礎的なものに特化した方が,参加者は増えるのではないでしょうか. (匿名) ・基礎的な話から,少し応用まで入り込んだ講演ばかりで,全体的にバランスの良い演題だったと感

じました.しかしながら,統計の初学者にとっては少し重い話が多く,基礎というより中級レベル

の内容という印象でした.Pfizer で参加者を募った際も「初級レベル」であることを前面に押し出

していたので,より初級レベルかつ実践的な話(例えば「t検定って何」「正規分布って?」)くら

いの演題があったら,より幅広い層を取り込めると思いました(が,本研究会の方向性などあると

思うので,参考程度にしていただければと思います). (S・Y) ・臨床試験データから得られる評価をする者として,本シンポジウムでのお話は日々の業務をすすめ

る上でも有用な情報が多かった.特に p 値の取り扱い,Bayes,因果推論の内容は,基礎を学ぶ上

で大変にわかりやすかった.回帰解析の基本は,よりベーシックな内容であるとよいかと思いまし

た.私見ではありますが,数学的,学術的な要素は,基礎を学ぶ上で無視できないと思うが,本シ

ンポジウムの参加者には難しいかもしれません. (匿名)

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・統計学の知識がない状態でも理解できるよう,講演者の方々が工夫して下さっていたため良かった

です.p 値に関しては,議論をもっと聞いてみたかったです. (匿名) ・Bayes や因果推論のご発表では数式があまり出てきませんでした.複雑な数式に抵抗を感じてし

まう私にとりまして非常に聴きやすかった.多くのシンポジウムでは基礎といいつつ,ある程度ま

で知識があるような方でないとついていけないことがしばしばあると感じています.統計のバッ

ク・グラウンドが薄い私にとってはこのようなご講演も時にあると入り口として今後の勉強につな

げやすいためありがたいのです. (N・Y) ・近年,p 値に関する議論を 1 個のトピックとして取り上げたのがとてもよかったと思います.本日

のご講演を通じてとても勉強になりました.ありがとうございました. (S・N) ・発表の時間がもう少し長いほうが良いと感じました.入りやすいところから説明して頂けて理解し

やすかった. (匿名) ・実務でよく使う手法の基礎知識をていねいに説明していただいて非常に勉強になりました.(匿名) ・難しかったです. (匿名) ・昨今の p 値に関わる問題について,最新の論文を引用しながら分かりやすく説明してくださった

永久保太士先生の講演が勉強になりました.なかなか,英語論文を 1 つ 1 つ読むことは難しい(特

に統計解析手法自体にまつわるようなもの)ので,貴重な機会でした. (匿名) ・規制側からみた勉強会は数多くありますが,本研究会のような生物統計家からみた勉強会は少なく

とても貴重な場であると感じるとともに,考え方自体も自身と近くほっとします.問題点について

多く取り上げていただき,その部分が自分も悩んだ経験があることが多いので非常に参考になりま

す.機械学習について(本以外で)はじめて聴講したので面白かった.CART 法の具体的な説明

も良かった. (匿名) 今後にとりあげるべき主題や話題についての意見・提案 ・医療統計分野における機械学習の活用.医療統計分野における Bayes 活用 (匿名) ・データマネジメント,CDISC(SDTIM,ADaM)についてのシンポジウムも増やしてほしい.

(匿名) ・個人的な興味で恐縮ですが,一般化線形モデルの基礎と応用実例,非線形混合効果モデルを用いた

M&S,数理統計学の基礎,機械学習を医薬開発に活かした実例の話題を取り上げていただければ

良いなと思っております. (S・Y) ・講演Ⅱ,Ⅴ,Ⅵは引き続き本シンポジウムでお願いしたいと思いました.医学統計学の基礎を学ぶ

者として,得るものが多かったため. (匿名) ・Estimand (匿名) ・RWD 解析(JMDC,NDB,MID,NET などの活用事例).プラグマティック・トライアルなど,

レジストリを用いた解析について. (匿名) ・機械学習,ICH E17,Bayes 統計 (S・N) ・探索研究と検証研究の方法論の対比.疫学研究の手法 (匿名) ・Estimand に関する実務的な話題を希望します.(プロトコル,SAP にどのように記載するか等)

(匿名)

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今後の活動についての要望・提案 ・活動に興味はあるが,入会費・年会費が高すぎるのが,活動に関わりたいと思う者のハードルになっ

ているように思える. (匿名)

-定例シンポジウム 2019 でのひとこま-

2 秋季セミナー2019 が定例会[大阪]2019-11-16 と定例研究会[東京]2019-11-16 の共催で以下

の次第で開催されました[敬称略]. 日時:2019 年 11 月 16 日(土)9:30~17:30 場所:かごしま県民交流センター 演者・演題: プログラム: ・森川耕輔:脱落のある経時データに対する多重頑健推定量 ・高守史子:被ばく線量のサブグループ解析の検討 ・池田公俊:再発イベントデータにおける Reference-Based-Imputation を用いた欠測データ

の解析

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・丸尾和司:経時データ解析におけるモデル誤特定について ・下川敏雄:多変量適応型回帰スプライン法に基づく治療効果推定モデル ・坂本 亘:Bayes 階層モデリングによる疾病地図解析 ・杉本知之:2 変量ログランク検定に基づく群逐次デザインについて ・野間久史:The most powerful overall test for GWAS to detect molecular predictive

markers with heterogeneous subgroup effects ・菊地早織(小正醸造株式会社):酒とおなごと薩摩の文化

課題検討会は「お魚工房 魚(いを)」で開かれ,26名の方々が参加されました.

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-秋季セミナー鹿児島 2019 でのひとこま-

3 ウィンター・フォーラム 2019 が以下の次第で開催されます.多数の会員の方々のご参加を期待い

たします.

①研究・活動報告会

日時:2019 年 12 月 7 日(土)9:30~17:30 会場:豊中市立中央公民館 講座室

住所:豊中市曽根東町 3-7-3

②納会

日時:2019 年 12 月 7 日(土)18:00~21:00 会場:「笹庵」https://tabelog.com/osaka/A2706/A270601/27008883/

4 定例研究会[東京]が以下の次第で開催されます. 日時:2019年12月13日(金)13:00~17:00 会場:ファイザー㈱ 会議室 幹事:河合統介・大江基貴・五十川直樹

プログラム:参加の方々にご連絡いたします.

5 今後の予定をお知らせいたします.来年にわたりますので,予定に書き入れていただくと幸いで

す[敬称略].

(1)定例会[大阪]が以下の次第で開催されます.

日時:2020年1月31日(金)13:00~17:00 会場:参天製薬会議室

幹事:池田敏広・尾崎寿昭・吉川隆範

プログラム:参加者の方々に配信いたします.

(2)特定主題シンポジウム2020が,以下の次第で開催されます.

日時:2020 年 3 月 7 日(土)9:50~17:30.

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会場:アステラス製薬㈱ 会議室 組織者:伊藤雅憲・山口祐介・河合統介

プログラムは近日中に配信いたします.多くの方々のご参集をお願いいたします. (3)大分統計談話会・第 61 回大会が以下の次第で開催されます.

日時:2020 年 2 月 6 日(木)-7 日(金). 会場:富士通大分システムラボラトリ 2F AVホール 世話人:越智義道・河合統介・後藤昌司 幹事[窓口]:志賀 功・衛藤俊寿 プログラムは近日中に配信いたします.多くの方々のご参集をお願いいたします.

メールアドレス:[email protected][email protected] --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 編集後記①:末尾に記している絵をご存知でしょうか.これは,我が故郷に残っている「亥の子祭り」の風習で,(大分

県)杵築と(広島県)呉にしか遺っていないといわれています.ただし,現在の状況はわかりません. 編集後記②:毎年,恒例のお知らせのようになりましたが,「特定非営利活動法人」としての懐具合は芳しくありません.

今年(令和元)度分およびそれまでの未納の方々[以下の会員番号]には,早急に納入していただくようにお願いいたし

ます. 会費未納状況:0410032,0410028,0410036,0410037,0410030,0510043,0530011,0510025,0630020,0710060,

0710061,0710064,0910071,0930036,1010073,1210074,1210075,1230053

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Newsletter 編集:

後藤昌司・松原義弘・坂本 亘・冨金原 悟・河合統介・藤澤正樹・杉本知之・大門貴志・伊藤雅憲・吉川隆範

連絡先:医学統計研究会 事務局[大沼ゆかり・後藤 孚]

〒560-0085 豊中市上新田2丁目22-10-A411号

Tel & Fax:06-6835-8790 / e-mail:[email protected] / URL: http://www.bra.or.jp

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