日本の、そして世界の contents...contents...

2
Contents 博士課程(前期課程)または修士課程 博士課程(後期課程) 神学研究科 神学専攻 神学専攻 P06 文学研究科 哲学専攻 英文学・英語学専攻 文化史学専攻 国文学専攻 美学芸術学専攻 哲学専攻 英文学・英語学専攻 文化史学専攻 国文学専攻 美学芸術学専攻 P08 社会学研究科 社会福祉学専攻 メディア学専攻 教育文化学専攻 社会学専攻 産業関係学専攻 社会福祉学専攻 メディア学専攻 教育文化学専攻 社会学専攻 産業関係学専攻 P11 法学研究科 政治学専攻 私法学専攻 公法学専攻 政治学専攻 私法学専攻 公法学専攻 P14 経済学研究科 理論経済学専攻 応用経済学専攻 経済政策専攻 P17 商学研究科 商学専攻 商学専攻 P19 総合政策科学研究科 総合政策科学専攻 総合政策科学専攻 P21 文化情報学研究科 文化情報学専攻 文化情報学専攻 P24 理工学研究科 情報工学専攻 電気電子工学専攻 機械工学専攻 応用化学専攻 数理環境科学専攻 情報工学専攻 電気電子工学専攻 機械工学専攻 応用化学専攻 数理環境科学専攻 P26 生命医科学研究科 医工学・医情報学専攻 医生命システム専攻 医工学・医情報学専攻 医生命システム専攻 P30 スポーツ健康科学研究科 スポーツ健康科学専攻 スポーツ健康科学専攻 P32 心理学研究科 心理学専攻 心理学専攻 P34 グローバル・スタディーズ研究科 グローバル・スタディーズ専攻 グローバル・スタディーズ専攻 P36 脳科学研究科 【一貫制博士課程】 発達加齢脳専攻 P38 専門職大学院・司法研究科(法科大学院) 《専門職学位課程》法務専攻 P40 ビジネス研究科(ビジネススクール) 《専門職学位課程》 ビジネス専攻 《修士課程》 グローバル経営研究専攻 P42 留学・国際交流 P44 研究所・センター P46 図書館とICT/研究 P47 進路・就職 P50 学位の授与/教育職員免許状 P52 奨学金 P53 学費 P54 今出川校地 P56 京田辺校地 P57 沿革 P58 アクセス P59 ・掲載されている学生の学年は取材時、所属は入学年度による名称です。 自ら行動する力を育み、 一人ひとりに 自分の可能性を 気づかせる 自由主義 外国語を話せるだけでなく、 異なる価値観を受け入れ、 そこから「何か」を 見出せる人を育む 国際主義 精神と品行を陶冶する 活力を身につけ、 知識の修得だけでなく、 良心の涵養を促す キリスト教 主 義 日本の、そして世 界の 学 術・研 究の最 先 端を牽 引する。 同志社の創立者新島襄。幕末の1864(元治元)年、激動する日本の将来を憂い、国禁を犯して脱国し、 約10年間にわたってアメリカ、ヨーロッパで学び、キリスト教の洗礼を受けて帰国しました。 そして、国内外の多くの人々の協力を得て、1875(明治8)年11月29日、 京都の地に同志社大学の前身となる同志社英学校を設立しました。 新島は、学問の探求とともにキリスト教を徳育の基本として人格を陶冶する教育機関をめざし、 同志社においてキリスト教主義に基づき、自治自立の精神を涵養し、 国際感覚豊かな人物を育成することを教育の理念としました。 同志社の創立者・新島襄は、かつて一学生を諭して言いました。 「かの木曽山中の大木を見よ。それは数百年間成長したる後に伐られ、 而して伐られたる後また蓄 へられ、蓄 へられたる後また世の需 用に応じ、 かくして始めて棟梁の材となるではないか。凡そ学を為すものも亦、宜しく 斯くの如くあらねばならぬ。貴君願くば、決して小刀細工を為す勿れ。宜し く晩成を期して大工事をせられよ」(『片鱗集』)と。 学問の道は一朝一夕に成るものではありません。目先の成果を追って小 さな細工をするのではなく、広い視野を持ち、時間をかけて大工事をしなけ ればならないという新島の言葉は、どのような領域においても通用するもの でしょう。 大学院で学ぶ皆さんには、そのように、じっくりと腰を据えて研究に邁進 していただきたいと思います。そして、その研究が、やがて「世の需用に応 じて」「棟梁の材となる」よう、すなわち、いつかは世の中の役に立つように、 常に意識してほしいと思います。役に立つというのは、もちろん経済的利益 を生むといった実利的なことだけを言うのではありません。精神的充実を含 めた人々の幸福に寄与するということです。 同志社大学大学院のバラエティに富んだ研究科において、お一人お一 人が豊かな学問的達成を遂げられますことを心から願っています。 学 長 植木 朝子 宜しく晩 成を期して 大 工 事をせられよ 学長メッセージ 01 Doshisha University Graduate School Professional Graduate School

Upload: others

Post on 26-Aug-2020

55 views

Category:

Documents


1 download

TRANSCRIPT

Page 1: 日本の、そして世界の Contents...Contents 博士課程(前期課程)または修士課程 博士課程(後期課程) 神学研究科 神学専攻 神学専攻 P06

Contents

博士課程(前期課程)または修士課程 博士課程(後期課程)

神学研究科神学専攻 神学専攻 P06

文学研究科哲学専攻 英文学・英語学専攻文化史学専攻 国文学専攻美学芸術学専攻

哲学専攻 英文学・英語学専攻文化史学専攻 国文学専攻美学芸術学専攻 P08

社会学研究科社会福祉学専攻 メディア学専攻教育文化学専攻 社会学専攻産業関係学専攻

社会福祉学専攻 メディア学専攻教育文化学専攻 社会学専攻産業関係学専攻 P11

法学研究科政治学専攻 私法学専攻 公法学専攻 政治学専攻 私法学専攻 公法学専攻 P14

経済学研究科理論経済学専攻 応用経済学専攻 経済政策専攻 P17

商学研究科商学専攻 商学専攻 P19

総合政策科学研究科総合政策科学専攻 総合政策科学専攻 P21

文化情報学研究科文化情報学専攻 文化情報学専攻 P24

理工学研究科情報工学専攻 電気電子工学専攻機械工学専攻 応用化学専攻数理環境科学専攻

情報工学専攻 電気電子工学専攻機械工学専攻 応用化学専攻数理環境科学専攻 P26

生命医科学研究科医工学・医情報学専攻医生命システム専攻

医工学・医情報学専攻医生命システム専攻 P30

スポーツ健康科学研究科スポーツ健康科学専攻 スポーツ健康科学専攻 P32

心理学研究科心理学専攻 心理学専攻 P34

グローバル・スタディーズ研究科グローバル・スタディーズ専攻 グローバル・スタディーズ専攻 P36

脳科学研究科【一貫制博士課程】 発達加齢脳専攻 P38

専門職大学院・司法研究科(法科大学院)《専門職学位課程》 法務専攻 P40

ビジネス研究科(ビジネススクール)《専門職学位課程》 ビジネス専攻《修士課程》 グローバル経営研究専攻 P42

留学・国際交流 P44

研究所・センター P46

図書館とICT/研究 P47

進路・就職 P50

学位の授与/教育職員免許状 P52

奨学金 P53

学費 P54

今出川校地 P56

京田辺校地 P57

沿革 P58

アクセス P59

・掲載されている学生の学年は取材時、所属は入学年度による名称です。

自ら行動する力を育み、一人ひとりに自分の可能性を気づかせる

自由主義外国語を話せるだけでなく、異なる価値観を受け入れ、そこから「何か」を見出せる人を育む

国際主義

精神と品行を陶冶する活力を身につけ、

知識の修得だけでなく、 良心の涵養を促す

キリスト教主義

日本の、そして世界の学術・研究の最先端を牽引する。同志社の創立者新島襄。幕末の1864(元治元)年、激動する日本の将来を憂い、国禁を犯して脱国し、

約10年間にわたってアメリカ、ヨーロッパで学び、キリスト教の洗礼を受けて帰国しました。

そして、国内外の多くの人々の協力を得て、1875(明治8)年11月29日、

京都の地に同志社大学の前身となる同志社英学校を設立しました。

新島は、学問の探求とともにキリスト教を徳育の基本として人格を陶冶する教育機関をめざし、

同志社においてキリスト教主義に基づき、自治自立の精神を涵養し、

国際感覚豊かな人物を育成することを教育の理念としました。

 同志社の創立者・新島襄は、かつて一学生を諭して言いました。

 「かの木曽山中の大木を見よ。それは数百年間成長したる後に伐られ、

而して伐られたる後また蓄へられ、蓄へられたる後また世の需用に応じ、

かくして始めて棟梁の材となるではないか。凡そ学を為すものも亦、宜しく

斯くの如くあらねばならぬ。貴君願くば、決して小刀細工を為す勿れ。宜し

く晩成を期して大工事をせられよ」(『片鱗集』)と。

 学問の道は一朝一夕に成るものではありません。目先の成果を追って小

さな細工をするのではなく、広い視野を持ち、時間をかけて大工事をしなけ

ればならないという新島の言葉は、どのような領域においても通用するもの

でしょう。

 大学院で学ぶ皆さんには、そのように、じっくりと腰を据えて研究に邁進

していただきたいと思います。そして、その研究が、やがて「世の需用に応

じて」「棟梁の材となる」よう、すなわち、いつかは世の中の役に立つように、

常に意識してほしいと思います。役に立つというのは、もちろん経済的利益

を生むといった実利的なことだけを言うのではありません。精神的充実を含

めた人々の幸福に寄与するということです。

 同志社大学大学院のバラエティに富んだ研究科において、お一人お一

人が豊かな学問的達成を遂げられますことを心から願っています。

学 長 植木 朝子

宜しく晩成を期して大工事をせられよ

学長メッセージ

01Doshisha University Graduate School Professional Graduate School

Page 2: 日本の、そして世界の Contents...Contents 博士課程(前期課程)または修士課程 博士課程(後期課程) 神学研究科 神学専攻 神学専攻 P06

I n t e r v i e w 未知へ挑戦する

学部時代から、学生支援センターの障がい学生支援室でサポート活動に取り組んでいます。障がいを持つ学生と一緒に授業に出て、聴覚障がいの学生に先生の話をパソコンで通訳したり、視覚障がいの学生の代わりにノートをとったりするサポートです。援助の仕事を目指す上でも勉強になります。夏には障がいを体験しながら理解を深める、challenged キャンプにも参加しました。

徳田

文美

心理学研究科

博士課程(前期課程)1年次生

とくだ

 あやみ

「レジリエンス」から

心身の健康を考える。

AIが経済におよぼす

影響をモデルで分析

小暮

憲吾

経済学研究科

博士課程(前期課程)2年次生

こぐれ

 

けんご

基礎研究と臨床実践の両方が充実している点が魅力。心理的な支援の専門職に就きたいと考えているので、臨床心理士や公認心理師の取得のため大学院に進学しました。心理学研究科は、基礎研究と臨床実践の両方が充実しているのが魅力です。京田辺キャンパスは設備も整っていて研究環境として申し分ありませんし、今出川キャンパスには「同志社大学心理臨床センター」があり、先生がクライエントと面接をされている場面を見学できる他、心理検査、発達検査などを行う機会にも恵まれています。研究を通して自分の関心を探求しつつ、対人援助の技術も身につけることができます。

精神的な回復力が、心身の健康とどのように関わるかを研究。心の健康に関係する概念の1つに「レジリエンス」があります。「しなやかさ」「回復力」とも呼ばれるもので、困難な状況で精神状態が悪化しても、しなやかに回復する力のことです。私はこの「レジリエンス」を中心に、困難な状況でも心身ともに健康でいるために、人はどうすれば良いか、どんな援助が効果的かを研究しています。今は「レジリエンス」の尺度の内容を検討し、要素を分類している段階ですが、今後は、どのような要素が心身の健康に強く関わるのかを探り、最終的には、心身の健康を高めるプログラムが作れたらと考えています。

病気を抱えて生きる人の復学や復職を支援したい。前期課程修了後は、現場で経験を積みたいと思っています。今、最も関心を持っているのが、復学や復職の支援です。医療の発達によって死に至る病が少なくなりましたが、それは病気を抱えたまま長い人生を生きる人が増えているということでもあります。そんな人が病気とどのようにつき合い、進学や就労の場面でどのように自分らしい選択をしていくかを考える手助けができればと考えています。そのためにも「レジリエンス」という概念の検討を通して、困難に備える力、困難に学ぶ力を高める方法を探りたいと思っています。

自分で設定したテーマを追求する自由な世界に魅力を感じた。学部時代にマクロ経済学という分野に触れ、人々の自由な個別の行動の結果が、経済全体ではある一定の社会的法則性を生み出していることに興味を惹かれました。特に、数理モデルを用いた分析では実体経済をシンプルに描写することで、経済システムの本質的なメカニズムを明らかにしようとしますが、その点にも興味を持ちました。また、高校までのように、教科書に書かれた「正解」を覚えたり、それを活用して問題を解くのではなく、自分で設定したテーマを追求するという学問の世界の自由さにも魅力を感じました。わからないことを知りたい、もっと追求したい、そう考えて、ゼミの先生の移籍先である同志社大学大学院に進学しました。

AIの登場は、従来の技術進歩と違う要素があるのではと考えた。私が取り組んでいる研究は「技術の進歩が経済におよぼす影響の理論的分析」。経済の動きを「モデル」つまり数式によって分析するものです。主流派経済学のモデルでは、技術の進歩を資本の一部として分析しても、経済は安定の方向に向かうとされてきました。しかしAIの登場は従来の技術進歩とは違う要素があるのではないかと考えた私は、AIによる労働代替メカニズムを、タスクベースで考えるアプローチを採用し分析。その結果、経済はAIの普及に伴って不安定化する可能性が示唆される結果が得られました。政府の介入など、何らかの調整機能が必要になってくるのかもしれません。

人生は一度きり。後期課程に進学して研究の道を歩みたい。研究には、大量の先行研究を的確に読んで、深く理解し、整理するという地味でかつ重要な作業が必須です。先行研究をサーベイしているときは、機械を解体して、その仕組みを事細かに知るときのような、ある種の高揚感に駆られます。過去の研究者の視点を知り、新しいアイデアが浮かぶ楽しさと、そのアイデアはすでに誰かが手がけているという事実を知るつらさを行き来する苦しい作業でしたが、それでも読み続けていくと、先行研究に残された課題の狭間ともいうべきリサーチマップの「穴」が見えてきます。誰もいないその狭間で、独創的で精緻な分析が行えた瞬間はこの上ない喜びを感じます。今取り組んでいる研究も、すぐに社会の役に立つとは思っていません。何十年後、何百年後の研究者が、この時代にこういう視点があったと知る、そのことが学問の潮流の中では非常に大切なことだと思います。人生は一度きり。その喜びを求めて今後も研究の道を歩むつもりです。

理論研究の場合、多くの時間を机の前で過ごします。主要な分析手法を大学院のコアコースで学び、それから専門書や論文を通じてその応用と先端研究の系譜を理解する必要があるからです。しかし、論文の中で扱われている対象が現実経済の社会的課題とどのように整合的・対照的なのかということを忘れてはなりません。そのため、時には甘い物を食べに京都の街へ繰り出すことも重要になります(笑)。

02 03Doshisha University Graduate School Professional Graduate School Doshisha University Graduate School Professional Graduate School