reinsurance market outlook: value proposition to …...2019/01/04  · 9...

18
再保険マーケット・アウトルック

Upload: others

Post on 25-Jul-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

再保険マーケット・アウトルック

Page 2: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

1 Reinsurance Market Outlook

目次

エグゼクティブサマリー:注目すべき市場ダイナミクスにかかわらず、出再者にとって再保険の提供価値は、

依然として高い 2

世界の再保険資本 3

逆境下でのレジリエンス 3

伝統的再保険資本 4

代替的資本 6

需要のわずかな増加と新興リスクへの注目 7

米国の洪水リスク 7

2018 年の巨大災害による損害額は、平均より多いが、保険業界の対応には問題ない 9

カリフォルニアで大規模な山火事が 2年連続で発生し、山火事ペリルに大きな関心が集まっている 11

キャンプ・ファイア 13

格付け業者と規制のアップデート 14

S&P による規準の提案は、資本管理戦略に影響を及ぼす可能性がある 14

Moody’s は、サイバー・エクスポージャーを格付け分析に組み入れる方針 14

A.M. Best のビルディング・ブロック・アプローチを使った最近の格付け状況 15

お問い合わせ先 16

Page 3: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

2 Reinsurance Market Outlook

エグゼクティブサマリー:注目すべき市場ダイナミクスにかかわ

らず、出再者にとって再保険の提供価値は、依然として高い

2018 年 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

ロテクションを確保することが可能である。世界の再保険資本は、2017 年末の 6,050 億米ドル

から 2%減少し、5,995 億米ドルとなった。伝統的資本は、金利の上昇と米ドル高の影響も手伝

い、4%減少したが、代替的資本は、前年末から 11%増加して 990 億米ドルとなった(増加額

は、100 億ドル)。代替的資本市場は、最近、引き続き損害を被っているが、長期的投資家の

当セクターへのコミットメントは変わらないものとみられる。 再保険の需要は、規制強化の傾向、出再者に有利な市場環境、ピーク・テリトリー以外での最近の損害発生が

契機となったカバー見直しへの動きなどが後押しして、伝統的商品・種目でわずかな増加がみられた。しかし、供

給が需要を上回る状況に変わりはない。料率の設定や改訂に必要なデータ・クオリティの改善がすべてのマーケ

ットでみられ、個別のクライアント、種目、その地域の成績などをより反映したものとなっている。再保険市場は、

資本の有効活用に向けた新たな方法を模索しており、さらなる分析がさまざまな新興リスクに対して継続している。

これらは、すでによく知られたもの(洪水、サイバー、政府のリスク負担軽減(ディリスキング))から、まだ研究の

初期段階にあるもの(シェアリング・エコノミー、食中毒、長寿リスク、年金の不足リスク)などさまざまである。 過去 2 年間の巨大災害による保険損害は、合計で約 2,300 億米ドルに上っている。2017 年の損害は、約 1,470億米ドルと過去最大級となったが、2018 年の保険損害も 850 億米ドルと推定されており、2000 年から 2017 年の

平均 560 億米ドルを 47%上回っている。これらの損害は十分に分散されてはいるが、(再)保険業界が吸収しなけ

ればならない大きな負担であることに変わりはない。 4 月の更改に関しては、更改対象となる契約の内容からみて、1 月更改と同様の市場ダイナミクスを予想している。

Page 4: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

Aon 3

世界の再保険資本

逆境下でのレジリエンス 弊社の推定によると、2018 年 9 月 30 日現在、世界の再保険者の資本は 5,950 億米ドルで、2017 年末と比較し

て 2%減少した。この数値は、元受保険者がリスク移転にあたって利用できる資本の目安を示している。伝統的資

本は 200 億米ドル減少して 4,960 億米ドル(4%減)となり、 代替的資本は 100 億米ドル増加して 990 億米ドル

(11%増)となった。 図表 1:世界の再保険資本の推移

Traditional capital Alternative capital Global reinsurer capital 700

600

500

400

300

200

100

0 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 9M 2018

出典:各社財務諸表、Aon Business Intelligence、Aon Securities Inc. 世界の再保険者資本は、過去 2 年間の巨大災害による保険損害合計が約 2,300 億米ドルに達しているにもかか

わらず、引き続き損害への耐性(レジリエンス)を示している。再保険ソリューションに対する世界的な需要増加に

もかかわらず、再保険キャパシティの余剰が引き続き存在している。

再保険者が負担する保険損害の割合は比較的低く、発生保険金の特性や大手保険者による高い保有レベルを

勘案するとおそらく 25%を超えることはないものとみられる。さらに、再保険者が負担する損害は、以前と比べて、

はるかに幅広い投資家に分散されている。

格付け業者や規制当局の資本モデルによって確認されているように、伝統的再保険者は、引き続き強固なリスク

調整後資本を有している。伝統的再保険者は、資本市場を利用することでグロス・エクスポージャーを効果的に管

理し、巨大自然災害による損害の正味保有を抑える一方で、投資収益によって収益を支えている。この結果、伝

統的再保険者は、資本を毀損することなく、最近の損害を乗り越えてきた。

損害の影響は、代替的資本市場において、より顕著となった。2017 年の第 4 四半期には、多くの投資家が、予想

よりも低い 2018 年の更改価格に直面し、2017 年の既発生損害の悪化を経験し、2018 年には、さらなる損害を被

ることとなった。相当量のコラテラルが凍結され、比較的新しい市場参加者の継続的なコミットメントが試されてい

る。こうした影響は、レトロなど、代替的資本市場への依存が最も高い分野において顕著となっている。

575 595 605 595 540 565

505 2% -2% 470 455 6% -2% 5%

385 410 7% 400 -3% 11%

6% 340 -17%

18% 18% 516

490 511 493 514 496

447 461

368 388 378 428

321

17 22 19 22 24 28 44 50 64 72 81 89 99

USD

(bill

ions

)

Page 5: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

4 Reinsurance Market Outlook

伝統的再保険資本

Aon Reinsurance Aggregates (ARA:弊社が編纂する主要再保険者の業績レポート)の構成会社 21 社のうち、

16 社が、2018 年 9 月 30 日までの 9 か月間の業績を報告している。純資産は、米ドル高の影響もあり、90 億米ド

ル減少し、1,670 億米ドル(5%減)となった。104 億米ドルの純利益は、74 億米ドルの配当および自社株買い、21億米ドルの為替差損、および 43 億米ドルの未実現投資損失により、相殺された。

図表 2:ARA^対象再保険者の合計資本の推移

Common equity Preferred shares Minorities Total Equity 250

200

150

100

50

0 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 FY 9M

2017* 2018* 出典:各社財務諸表、Aon Business Intelligence

^ARA 対象会社は、Alleghany、Arch、Argo、Aspen、AXIS、Beazley、Everest Re、Fairfax、Hannover Re、Hiscox、Lancashire、MAPFRE、Markel、Munich Re、Partner Re、QBE、Ren Re、SCOR、Swiss Re、Validus、XL Catlin *2018 年 1~9 月期の業績を公表していない Beazley 、Hiscox、 QBE 、Validus 、AXA を除く。

2018 年 1~9 月期において、業績を発表した 16 社は、過去の M&A の影響などもあって、概ね堅調な

増収を示した。受再保険料は、一部の会社が需要増の恩恵を受けたこともあり、およそ 18%の伸びを示

した。一方、損害保険の受再の正味既経過保険料の増収率は 14%であったが、これは、レトロ手配が増

加したことが影響している。 正味コンバインドレシオは 96.7%で、2017 年 1~9 月期の 111.3%から改善した。巨大自然災害による

損害はこのうち 4.9 ポイントで、前年同期の 18.9 ポイントから低下した。過年度積立支払備金の改善に

よる利益(戻入益)は、前年同期の 2.0 ポイントから 1.4 ポイントへ引き続き減少した。 2018 年の 1~9 月期では、インカムゲインの投資利回りの低下は底打ちし、2.7%とわずかに上昇したが、

保有債券の含み損を含むトータルリターンは 3.0%にとどまった。 純利益は、2017 年 1~9 月期の 22 億米ドルから増加して 104 億米ドルとなり、年換算の ROE は、前

年同期の 1.5%から 7.8%に上昇した。

196 184 186 192 199 204

176 157 161 167

146 152

130 122

174 175 185 180 185 189 146 150 163 154

122 138 148 114

USD

(bill

ions

)

Page 6: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

Aon 5

図表 3:再保険セクターの業績 120%

Combined ratio Ordinary investment return 5%

110% 4%

100% 3%

90% 2%

80% 1%

70% 2008 2010 2012 2014 2016 9M

2018

0% 2008 2010 2012 2014 2016 9M

2018

14% 12% 10%

8% 6% 4% 2% 0%

Return on equity

2008 2010 2012 2014 2016 9M

2018

1.2

1.1

1.0

0.9

0.8

0.7

0.6

Valuation – price to book

2008 2010 2012 2014 2016 YTD

出典:Aon Business Intelligence *Aon’s Reinsurance Aggregate に基づく

Page 7: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

6 Reinsurance Market Outlook

代替的資本

代替的資本の全体の成長は、やや減速している。過去の発生損害が悪化し、撤退を望む比較的少数の投資家

からの償還の要求によって、新たな資本の参入が相殺されているからだ。 しかし、弊社は、代替的資本市場が、過去 2 年間に発生した損害を完全に消化した後には、以前の成長率が回

復すると予想している。多くの長期投資家は、通算では高いリターンを得ており、分散化の目的で保険リスクに

投資するという戦略の有効性は変わっていない。例えば、この分野で最大の投資家のひとつであるオランダの

年金運用会社 PGGM が、発生確率の低い米国のプロパティ・キャタストロフビジネスに焦点を当て、

RenaissanceRe との新たな合弁事業に 6 億ドルを拠出したことは注目に値する(Vermeer Re)。 図表 4:代替的資本の推移

Catastrophe bonds Sidecars ILWs Collateralized re 100

80

60

40

20

0 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 9M

2018

出典:Aon Securities Inc. 2018 年のキャットボンドの発行額は、合計 97 億米ドルとなり、史上 2 番目に活発な年となった。市場の未償還残

高は、300 億米ドルを超え、史上最高となっている。 図表 5:四半期毎のキャットボンド発行額

12,000

10,000

8,000

6,000

4,000

2,000

0 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

出典:Aon Securities Inc.

Q1 Q2 Q3 Q4 10,681

1,353

7,859 8,027 780 7,141

1,550

2,048 5,855 1,877 2,075 250

6,271 5,790

1,356 4,850 4,271

3,396 1,888

529 1,441

1,425 650

3,955 2,830 320

1,794

716

1,600 411 810 575

2,018 232

2,300

300

1,990

674 592

1,015

4,492 2,095 2,702

3,303

1,850

925 800

6,378 4,029

3,580

500 1,343 520 1,210 1,494 2,215 2,170

USD

mill

ions

Li

mit

(USD

bill

ion)

Page 8: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

Aon 7

需要のわずかな増加と新興リスクへの注目 1 月の再保険更改では、個別のプレースメントで、大幅な減少があったものの、市場全体ではわずかな

需要増がみられた。規制当局や格付け業者の資本要件、ピーク・テリトリー、ピーク・ペリル以外での最

近の損害発生、出再者有利な市場環境などがこのダイナミクスを生んだ要因である 伝統的な再保険市場に加えて、多くの新興リスク(あるいは既存リスクの進化)が伸展し、そうしたリスク

に対する保険需要や、アナリティクスの投資が増えている。弊社は、この傾向がやがて、再保険による

リスク移転の増加につながるものと考えている。こうした新興リスクには、たとえば以下のようなものが

ある。

米国の洪水リスク

米国の洪水リスクに対し、世界の再保険者は、最近プレースメントが完了した連邦緊急事態管理局

(FEMA)との再保険取引にみられるとおり、そのエクスポージャーをサポートするための継続的な、

あるいは今まで以上のコミットメントを示している。FEMA へのサポートには、米国の洪水リスクを担

保する史上初のキャットボンドも含まれている。米国の住宅物件の洪水リスクをカバーする最大の

保険会社として、FEMA はカウンターパーティが洪水リスクの特性をより理解することができるよう

努めている。全米洪水保険プログラム(NFIP)からのリスク移転に関して、伝統的再保険者や資本

市場の参加者との連携を深めることで、FEMA は、これらの資本提供者が、新たに出現した米国住

宅物件の洪水リスクの民間市場で、より重要な役割を果たすことができるようサポートを行っている。

Current protection gap

Corporate debt

utilization

Government de-risking Cyber Foodborne

illness

Catastrophic animal disease

Urbanization Flood Coastal migration

Longevity and pension shortfall

Sharing economy

Drones, robotics, etc.

Privatization of

government infrastructure

Infrastructure replacement Big data

Rising casualty

catastrophe risk

Safer, autonomous

vehicles

Sharing economy

Page 9: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

8 Reinsurance Market Outlook

再保険者はいままで、米国洪水リスクの再保険引受に関し、その機会をうかがいながらも長期的な

目標として考えてきた。ハリケーン「ハービー」によって、NFIP の再保険プログラムが 10 億米ドル

の損失となった直後、FEMA は、2018 年の再保険契約を伝統的再保険者と交わし、なおかつプロ

グラムのキャパシティを 4 億米ドル拡大することに成功した。さらに、FEMA は、最近、2019 年度の

伝統的再保険プログラムを、2018 年とほぼ同様の再保険者との間で、同様の条件、キャパシティ

で更改した。このことは、米国洪水リスクに関して、再保険市場が安定したサポートを提供している

ことを示している。

NFIP の再保険プレースメントの成功は、民間の洪水保険者にも直接的、間接的に利益をもたらす。

再保険者や ILS 投資家は、現在、洪水キャパシティを提供する機会が限定されており、キャパシテ

ィ提供者は、NFIP 以外の洪水リスクをサポートすることでリスクの分散をはかりたいと考えている

からだ。具体的には、NFIP のポートフォリオは、ハイリスクの洪水ゾーンに集中しているので、洪水

キャパシティを提供する再保険者は、NFIP との相関を持たない民間の洪水リスクのポートフォリオ

を求めているのである。

さらに、洪水被害を含む最近の巨大自然災害は、既存の洪水モデルのどこに欠陥があるかを

如実に示すこととなった。これらの欠陥のいくつかは、公に利用可能になりつつある、より新し

いモデルによって解決されているが、モデルの成熟度および地理的範囲のレベルは、依然とし

てハリケーンあるいは対流性暴風雨のようなペリルに対するより進化したモデルと比べて後れ

を取っている。それでも、「ハービー」、「イルマ」、「フローレンス」、「マイケル」などの災害は学

習の機会を提供している。モデルユーザーは、それぞれの機会から個々のモデルの長所と短

所、信頼性を検証し、洪水モデル全体への信頼レベルを高めている。

洪水商品を開発し、そのツールをマーケットに提示したいと考えている民間の元受保険者、特にリ

スク選択と価格設定の習熟度を示すことができる元受保険者は、再保険者や ILS 投資家の歓迎を

受けるだろう。最近、若干の問題がでているのは、バインディング・オーソリティを通じて、ロイズに

依存しているプログラムである。

Page 10: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

Aon 9

USD

bill

ion

(201

8)

2018 年の巨大災害による損害額は、平均より多いが、

保険業界の対応には問題ない 2018 年の巨大自然災害による損害額は、ほぼ史上最高となった 2017 年の損害額からは大幅に減少した。し

かし、過去の年間損害額をインフレ調整ベースで比較すると、民間保険業界と政府管掌プログラムによる支払

いは過去 4 番目に多かったことがわかる。保険損害は、大西洋、太平洋で活発となった熱帯性暴風雨、米国の

巨大な山火事、激しい対流性暴風雨(サンダーストーム)の発生によってもたらされた。2018 年の災害の多くが、

年の終盤にかけて発生したこともあり、現時点での損害合計は、暫定的なもので、今後変更される可能性があ

ることをお含みいただきたい。 図表 6:年毎のペリル別保険損害推移

160

140

120

100

80

60

40

20

0

出典:Aon Reinsurance Solution のアナリティクス部門

2018 年の世界の保険損害は暫定ベースで 850 億米ドルとみられるが、これは 2000 年から 2017 年の平均

560 億米ドルを 47%上回っている。また、損害額は、2017 年の損害(1,470 億米ドル)を 42%下回っている。17年間の損害の中央値から年間損害を分析すると、2018 年の値は、520 億米ドルで、64%高いこととなる。中央

値分析は、異なる角度からの、より正確な損害の分析を可能とし、異常値データからのゆがみを最小限に抑える

のに役立つ。

1980 年まで、さらに長期的な記録をみると、850 億米ドルという世界の保険損害額は、史上 4 番目ということに

なる。インフレ調整ベースで、2011 年の損害(1,480 億米ドル)、2017 年の損害(1,470 億米ドル)、2005 年の損

害(1,360 億米ドル)はこれを上回っている。 2 年連続で、米国は、世界の保険損害の大半を占めることとなった。世界の損害額の 65%が米国で最も多く、ア

ジア太平洋地域が 23%で 2 番目、EMEA(ヨーロッパ、中東およびアフリカ)が 10%で 3 番目、米国以外のアメリ

カ大陸が 2%であった。

Drought Earthquake EU windstorm Flooding Other Severe weather Tropical cyclone Wildfire Winter weather

Page 11: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

10 Reinsurance Market Outlook

2018 年に最も高額な損害をもたらしたペリルは、熱帯性暴風雨で、大西洋、西太平洋で数々の暴風雨が発生

し、上陸した。ハリケーン「マイケル」(米国)、台風 21 号(日本)、ハリケーン「フローレンス」(米国)、台風 24 号

(日本)、台風 22 号(香港、中国、フィリピン)などである。これらの熱帯性暴風雨のもたらした損害の合計は、

290 億米ドルである。この損害額は、しかし、ハリケーン「ハービー」、「イルマ」、「マリア」がもたらした 2017 年

の損害の合計 940 億米ドルと比べれば、大幅な減少である。台風 21 号と 24 号による支払額は 100 億米ドル

を超え、日本の保険業界の支払いとしては、過去最高額を記録した。 甚大な損害を牽引したもうひとつの要因は、山火事のペリルである。カリフォルニア州は再び、5 つの山火事に

直面することとなったが、そのうちの 3 つが甚大な損害となった。すなわち、「キャンプ・ファイア」(11 月)、「ウー

ルジー・ファイア」(11 月)、「カー・ファイア」(7 月および 8 月)である。「キャンプ・ファイア」だけでも、暫定的に

110 億米ドルもしくはそれ以上の支払いが見込まれており、2018 年のもっとも高額な損害となった。世界の山火

事の損害は、全体で 170 億米ドルを超え、この額は、2017 年の 165 億米ドルをさらに上回っている。 2015 年以降、その損害額は最も低額となったものの、悪天候(対流性暴風雨)のペリルも、世界中に損害をもた

らした。世界中で、竜巻、大規模な雹害、深刻な暴風により 180 億米ドルを超える損害が発生した。米国だけで、

150 億米ドル近くの保険金支払いが発生したが、その多くが大規模な雹害と深刻な暴風によってもたらされた。サ

ンダーストームがもたらしたその他の甚大な災害として、イタリアで、災害シーズンの終わりに発生した数日にわ

たるストーム、12 月下旬にオーストラリアのシドニー大都市圏で発生した大規模な雹害がある。 図表 7:地域ごとの保険損害

2018 10 year average 10 year median 2000-2017 average

60

50

40

30

20

10

0 Americas APAC EMEA United States

出典:Aon Reinsurance Solution のアナリティクス部門

2018 年の最新の世界のキャタストロフ・データおよびその他の過去の損害情報については、Aon の

Catastrophe Insight ウェブサイトをご覧いただきたい:http://catastropheinsight.aon.com/. Impact Forecasting による「天候、気候および巨大災害の洞察:2018 年版」は、2019 年 1 月中旬から下旬に

発行される見込みで、年間の災害に関する総括的な概要を提供している。

55

43 39

30

19 16

11 7 9 8 9 8 9

2 3 5 USD

bill

ion

(201

7)

Page 12: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

Aon 11

カリフォルニアで大規模な山火事が 2年連続で発生し、

山火事ペリルに大きな関心が集まっている

2017 年、2018 年と 2 年連続で、カリフォルニア州は破壊的な山火事損害を被った。同州の過去の山火事で

最も建造物への被害が大きい 10 件のうち 6 件は、2017 年 7 月から 2018 年 11 月までの 16 カ月間に発生

した(以下の図表を参照)。これら 6 件の山火事だけで保険業界が支払う保険金は 320 億米ドル近くに上ると

見込まれ、すべてのぺリルによる損害の中で、これは過去最大の保険損害 5 件のひとつにランク付けされる。

このように損害の規模が大きかったため、(再)保険業界では、山火事ぺリルに関する議論が、より活発となっ

ている。 図表 8: カリフォルニア州で建造物への被害が最も大きな山火事 10 件

Ran Fire Name Start Month Affected Counties Acres Structures

1 Camp November 2018 Butte 153,336 18,804 2 Tubbs October 2017 Sonoma 36,807 5,636 3 Tunnel (Oakland October 1991 Alameda 1,600 2,900 4 Cedar October 2003 San Diego 273,246 2,820 5 Valley September 2015 Lake, Napa & 76,067 1,955 6 Witch October 2007 San Diego 197,990 1,650 7 Woolsey November 2018 Ventura 96,949 1,643 8 Carr July 2018 Shasta & Trinity 229,651 1,604 9 Nuns October 2017 Sonoma 54,382 1,355

10 Thomas December 2017 Ventura & Santa 281,893 1,063 出典:Cal Fire

最もよくある質問は、2017 年と 2018 年の山火事損害の急騰はなぜ起きたのかということであろう。残念ながら、

これに対する答えを明確に示すのは簡単ではない。カリフォルニア州のリスクが高まったことには、いくつか複数

の要因 が絡んでいる。ただ、山火事リスクが高まったのはカリフォルニア州だけの話ではなく、世界の多くの地

域にこれと似た地形と気象現象がある。しかし、カリフォルニア州に特有なのは、植物を生育させるのに十分な

降水量をもたらす雨季の後に、やや長期間に及ぶ干ばつが発生することである。この雨季と干ばつのパターン

は、カリフォルニア州の北部から南部に亘って、多くの可燃物―すなわち、枯れた植物―を発生、堆積させる。 ただ、カリフォルニア州の消防当局と気象学者は、降雨のパターンが変化していることに注目している。同州の

公式の水年は 10 月 1 日に開始されるが、以前は雨季がこの頃に始まっていた。しかし近年は、ここから数週間

遅れて雨季が始まっている。これによって、夏のような乾燥が遅い時期まで長引き、季節風「サンタ・アナ」と「デ

ィアブロ」が吹く秋まで火災が発生しやすい状況が続いている。 「サンタ・アナ」と「ディアブロ」は、ほぼ同じ気候条件で発生する。カリフォルニア州南部では「サンタ・アナ」、北部

では「ディアブロ」という名称で知られているだけの違いである。また、北部の強風と山火事は、コースト山脈とシ

エラ・ネバダ山脈から吹き降ろす強風の影響も極めて強く受けている。「サンタ・アナ」は通常 9 月から 4 月の間

に発生し、平均的には 2 日間程度続き、一週間近く続くことは稀である。

Page 13: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

12 Reinsurance Market Outlook

一方、「ディアブロ」は通常、春と秋に吹くことが多く、植物の乾燥が進んでいる秋に発生すると危険度が増す。 燃焼挙動の変化、消火技術の未整備、土壌の水分の減少、気象現象に変化を及ぼす気候変動の進行、ほぼ 1年中続く火災の季節などすべてが、カリフォルニアの山火事リスクを高めているだけではなく、山火事リスクがあ

るとして知られている郡や地域の人口が増加し、エクスポージャーが増大している。これらの地域は、ワイルドラ

ンド・アーバン・インターフェイス(WUI)、インターミックス WUI という名称で知られている。 カリフォルニア州保険局の 2010 年のレポートによると、同州の家屋の 32.6%に当たる 446 万戸が WUI 地域

にある。WUI は、建物が植物の原生地に近接する地域と定義され、火災が発生する最大のリスクを抱えている。

その後も年ごとに人口は増加したので、この戸数はおそらくさらに増え続けたものとみられる。既にリスクの存在

が知られたこの地域のエクスポージャーと人口の継続的な増加は、災害が巨大化することを意味している。巨

大で激しい火災が起これば、その災害がさらに巨額化することは言うまでもない。 インターミックス WUI ゾーンは、建物と植物の原生地が直接的に混在している地域である。様々な調査が、WUIゾーンでのエクスポージャーの増加がインターミックスゾーンを上回っていることを示しており、このことが火災リ

スクをさらに拡大している。 図表 9: カリフォルニア州の WUI ゾーンマップ

出典:カリフォルニア州保険局

Page 14: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

Aon 13

キャンプ・ファイア

2018 年 12 月に、科学者と Aon の社員などのブローカーで構成されるチームがカリフォルニア州北部を訪れ、

キャンプ・ファイアによる被害を調査した。この調査によって燃焼挙動がより明確に解明され、どの建物が燃えず

に済み、どの建物が燃えたのかが明らかになった。そして、速度の速い火災の燃焼の進行によって、パラダイス

の町のほとんどの建物は、建築構造や実施された消火方法に拘わらず、火災による著しい損傷リスクにさらされ

たことが分かった。人口密集地域がほとんど全焼した中で、唯一燃焼を免れた建物があった理由を聞かれた消

防士は、「単なる幸運にすぎない」と答えている。

建物への構造的損害以外では、煙による損害が重要な要素となる。キャンプ・ファイアの周囲で燃焼を免れた建

物の多くでは、激しい煙によって室内の家財がほぼ全損となった。営業中断による純粋な損失に加えて、この損

害が保険金をさらに増加させる要因となった。

2017 年の大西洋ハリケーンやカリフォルニアの山火事の後と同様に、保険業界の損害額が完全に確定するま

でには多くの月数を要するとみられる。このように保険損害がゆっくりと増加し、確定までのプロセスが長期化す

るのは、係争中の裁判、長期の営業中断などが損害額の確定を遅らせる原因となるためである。 図表 10: キャンプ・ファイアの進行状況

出典:Aon の Reinsurance Solution のアナリティクス部門

Page 15: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

14 Reinsurance Market Outlook

格付け業者と規制のアップデート

S&P による規準の提案は、資本管理戦略に影響を及ぼす可能性がある

2018 年 11 月 26 日、Standard and Poor’s(S&P)は「ハイブリッド資本:手法と想定」という規準に関する意見

募集を公表し、2019 年 1 月 18 日までに意見の回答を求めている。S&P が提案している主要な変更は、2008年以前に発行されたハイブリッド資本は、残存期間が少なくとも 20 年というガイドラインをもはや満たさないた

め、資本性の評価を認めないというものである。この変更は、保険会社が発行したハイブリッド証券の最大 6%に影響を及ぼすと見込まれる。S&P の保険資本モデルには変更はないため、これらの会社の自己資本要件に

はマイナス効果をもたらすことになる。ハイブリッド証券の資本性評価の変更は、既存証券の借り換えや償却、

資本要件管理のための戦略的再保険の利用など、さまざまな資本管理戦略に影響を与えることになる。

S&P は、保険業界に関する規準書について、最近これ以外にも 2 件の意見募集を公表した。

・ 「保険者の格付け手法」―意見の締め切りは 2019 年 2 月 1 日

・ 「グループの格付け手法」―意見の締め切りは 2019 年 1 月 31 日

これらの変更の提案の主な目的は、アナリティカルな判断の余地を広げるとともに、現行の規準書を簡素化し

統合することにある。また、これらの提案には、今後の保険会社の資本管理戦略に影響を及ぼす可能性のある

いくつかの特徴的な項目が含まれている。たとえば、「フィナンシャル・フレキシビリティ」は、「ファンディング・スト

ラクチャー」に内容を変更し、以前のように、「フィナンシャル・フレキシビリティが強い(Strong)」との評価が、財

務リスク・プロフィール評価にあたってのメリットとなるようなことはなくなる。

保険業界からのフィードバックを受けてから、S&P は、即時発効となる最終的な規準のアップデートを公表する

前に、すべての意見を検討し公表する予定である。詳しくは、最新の Evolving Criteria Bulletin でそれぞれの

意見募集のサマリーを参照いただきたい。

Moody’s は、サイバー・エクスポージャーを格付け分析に組み入れる方針

2018 年第 4 四半期、Moody’s はサイバー・リスク・グループを立ち上げ、(再)保険者や一般企業の信用格付

けへのサイバー・エクスポージャー組み入れ開始の予定を発表した。2018 年 11 月 15 日に開催された

Moody’s の年次保険カンファレンスでは、サイバー攻撃によって受ける主要な影響について、企業のリスク評価

を始めることが表明された。サイバー・エクスポージャーにいかに対応するか、企業の関心はますます高まり、

元受会社、再保険会社いずれにとっても、引き続きサイバー(再)保険市場のいっそうの拡大がもたらされる可

能性がある。

Page 16: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

Aon 15

A.M. Best のビルディング・ブロック・アプローチを使った最近の格付け状況

A.M. Best は、2017 年 10 月 13 日に新たな BCRM(Best’s Credit Rating Methodology: 信用格付け基準)を

完成させた。この基準の完成以降、弊社は、格付けの対象ユニットごとのビルディング・ブロック評価を追跡して

いるが、現在では世界の対象ユニットの 96%は新基準で格付けされている。また、このうち 174 社はこのプロセ

スによる格付け評価を 2 度以上受けている。以下の図表は、旧基準から新基準への変更によって、格付けが引

き上げられた会社と引き下げられた会社について、ビルディング・ブロックのどの構成要素が変更されたのかを

示す内訳を表したものである。 図表 11: ビルディング・ブロック構成要素の変更の内訳

Upgrades Downgrades

Balance Sheet Strength

Operating Performance

Business Profile

ERM 出典:A.M. Best の社別レポート

格付けが最近引き上げられた会社の半分近くは、バランスシートの強靭性の評価が上昇したことによるもので

ある。そして、これらの評価の多くは、BCAR(Best’s Capital Adequacy Ratio: 自己資本比率算出モデル)の

スコアが上昇したためである。また、格付けが引き上げられた会社の 14%は、ERM 評価が「必要最低限」から

「妥当」に改善したことに起因している。 ERM 評価は、格付けが引き下げられたユニットの半分近くの引き下げ要因であり、そのほとんどの現在の評

価は「必要最低限」である。また、これらの会社の多くは、会社自体が、あるいは関連ユニットが 2017 年と

2018 年の災害による損害の影響を受けている。リスク許容度とストレスをもたらす災害の吸収能力は、引き続

き A.M. Best が ERM を検証する際の主要テーマである。

14%

19% 48%

19%

29%

47%

18% 6%

Page 17: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

16 Reinsurance Market Outlook

お問い合わせ先

Tracy Hatlestad Global Chief Operating Officer of Analytics Reinsurance Solutions +65 6512 0244 [email protected]

Peter Cheesman Head of Analytics, APAC Reinsurance Solutions +61 2 9650 0462 [email protected]

Greg Heerde Head of Analytics & Inpoint, Americas Reinsurance Solutions +1 312 381 5364 [email protected]

Mike Van Slooten Head of Business Intelligence, International Reinsurance Solutions +44 0(20) 7522 8106 [email protected]

Kelly Superczynski Head of Analytics, EMEA Reinsurance Solutions +44 0(20) 7086 2175 [email protected]

Marie Teissier Business Intelligence, International Reinsurance Solutions +44 0(20) 7522 3951 [email protected]

© Aon Securities Inc. 2019 | All Rights Reserved Aon Securities Inc. is providing this document and all of its contents (collectively, the “Document”) for general informational and discussion purposes only, and this Document does not create any obligations on the part of Aon Securities Inc., Aon Securities Limited or their affiliated companies (collectively, “Aon”). This Document is intended only for the designated recipient to whom it was originally delivered and any other recipient to whose delivery Aon consents (each, a “Recipient”). This Document is not intended and should not be construed as advice, opinions or statements with respect to any specific facts, situations or circumstances, and Recipients should not take any actions or refrain from taking any actions, make any decisions (including any business or investment decisions), or place any reliance on this Document (including without limitation on any forward-looking statements).

This Document is provided for the purpose of providing general information and is not intended, nor shall it be construed as (1) an offer to sell or a solicitation of an offer to buy reinsurance, (2) an offer, solicitation, confirmation or any other basis to engage or effect in any transaction or contract (in respect of reinsurance, a security, financial product or otherwise), or (3) a statement of fact, advice or opinion by Aon or its directors, officers, employees, and representatives (collectively, the “Representatives”). Any projections or forward-looking statements contained or referred to in this Document are subject to various assumptions, conditions, risks and uncertainties (which may be known or unknown and which are inherently unpredictable) and any change to such items may have a material impact on the information set forth in this Document. Actual results may differ substantially from those indicated or assumed in this Document. No representation, warranty or guarantee is made that any transaction can be effected at the values provided or assumed in this Document (or any values similar thereto) or that any transaction would result in the structures or outcomes provided or assumed in this Document (or any structures or outcomes similar thereto). Aon makes no representation or warranty, whether express or implied, that the products or services described in this Document are suitable or appropriate for any cedent, sponsor, issuer, investor, counterparty or participant, or in any location or jurisdiction.

The information in this document is based on or compiled from sources that are believed to be reliable, but Aon has made no attempts to verify or investigate any such information or sources. Aon undertakes no obligation to review, update or revise this Document based on changes, new developments or otherwise, nor any obligation to correct any errors or inaccuracies in this Document. This Document is made available on an “as is” basis, and Aon makes no representation or warranty of any kind (whether express or implied), including without limitation in respect of the accuracy, completeness, timeliness, or sufficiency of the Document.

Page 18: Reinsurance Market Outlook: Value Proposition to …...2019/01/04  · 9 月末の世界の再保険資本は減少したが、出再者は、引き続き有利な資本コストでプ

Aon 17

Aon 17