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緑風舎自由空間
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第35回 緑風舎コンサート
Sun. Apr. 17, 2016 6p.m.-
宮下直子 デュオ・リサイタルシリーズ vol.3
Naoko Miyashitapiano
Kazuki Sawaviolin
緑風舎音楽ホール
Schubert《2つのファンタジー》
ヴァイオリンとピアノの夕べ
澤 和樹を迎えて
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和歌山県出身。和歌山県立桐蔭高校を経て東京藝術大学音楽学部卒業。「安宅賞」受賞。1983~88年ロンドンに留学、マリア・クルチョ女史に師事。 在英中、オックスフォード・ジャパニーズソサエティに招聘されリサイタルに出演、皇太子殿下の御臨席の栄誉を得る他、英国各地にてソロ・アンサンブル・国際コンクール伴奏の活動をする。一時帰国の際、大阪フィルハーモニー交響楽団とプロコフィエフ、ラフマニノフのコンチェルトを協演。帰国後、和歌山、東京、大阪にてデビューリサイタルを開催。以後、日本各地にて多くのリサイタルや、「紀陽コンサート」にて日本センチュリー交響楽団とシューマンのピアノ協奏曲の協演他、内外オーケストラとの協演、室内楽、ドイツリート伴奏、オーケストラの鍵盤楽器奏者としても活躍、NHK-FM放送等に出演し著名なアーティストとの共演を重ねるなど、多彩な活動を行っている。また、和歌山では、「冬の旅」「シューベルティアーデ」「サタデーアフタヌーンコンサート」等独自の企画によるコンサートシリーズを開催。近年では和歌山放送クラシック音楽番組「音楽の散歩道」を担当し、同名のコンサートをアートギャラリーOnomachiαにて展開する他、酒樽サロンホールにて「作曲家バースデーコンサート2015」を開催、J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲全曲演奏、B.ブリテン:ピアノ作品全曲演奏を果たす。1998年和歌山県文化奨励賞、2007年和歌山市文化奨励賞を受賞。 出口美智子、小林仁、井口秋子の諸氏に師事。現在、相愛高校・相愛大学音楽学部講師。
1979年、東京藝術大学大学院修了。「安宅賞」受賞。ロン=ティボー、ヴィエニアフスキ、ミュンヘン(ピアノの蓼沼恵美子とのデュオ)などの国際コンクールに入賞。イザイ・メダル、ボルドー音楽祭金メダル受賞などヴァイオリニストとして国際的に活躍。'80年より文化庁在外研修員としてロンドンに派遣され、ジョージ・パウク、ベラ・カトーナ両氏に師事。'84年に東京藝大に迎えられるとともに本格的な演奏活動を開始。'89年には、文部省在外研究員としてロンドンの王立音楽院に派遣され、さらに研鑽を重ねた。この時期、アマデウス弦楽四重奏団メンバーとの出会いにより澤クヮルテットの結成を決意する。'96より指揮活動を開始。2003年、'04年には響ホール室内合奏団、'05年には東京弦楽合奏団を率いて英国各地で演奏し絶賛される。九州交響楽団、東京フィル、日本フィル、札幌交響楽団、紀尾井シンフォニエッタ等にも客演し、好評を博す。ヴィオラ奏者としては、アマデウス弦楽四重奏団メンバーとの共演を始め、グスタフ・マーラーQ、ロータスQ、クスQ、ヘンシェルQらと共演。ヘンシェルQとは、2009年にマックス・ブルッフの弦楽五重奏曲 変ホ長調の世界初演および世界初録音を行った他、2011年には、スペイン王室所蔵のストラディヴァリウスコレクションで第2ヴィオラを担当した。2004年、和歌山県文化賞受賞。現在、東京藝術大学音楽学部教授、音楽学部長。英国王立音楽院名誉教授。洗足学園音楽大学客員教授。大阪音楽大学客員教授。英国北王立音楽院学術特別研究員。響ホール室内合奏団ミュージックアドヴァイザー。千里フィルハーモニア・大阪常任指揮者。2014年、和歌山県立図書館音楽監督に就任。2016年4月、東京藝術大学学長に就任。
宮下直子(みやした・なおこ/ピアノ)
澤 和樹(さわ・かずき/ヴァイオリン)
Today’s ProgramSchubert
《2つのファンタジー》
ピアノソナタ第18番 ト長調 D.894「幻想」
ヴァイオリンとピアノのための幻想曲 ハ長調 D.934
♬ピアノ:STEINWAY HAMBURG製
第1楽章:モルト・モデラート・エ・カーンタービレ/第2楽章:アンダンテ/第3楽章:メヌエット/第4楽章:アレグレット
第1部:アンダンテ・モルト/第2部:アレグレット/第3部:アンダンティーノ/第4部:アンダンテ・モルト/第5部:アレグロ・ヴィヴァーチェ/第6部:プレスト
── 休 憩 ──
フランツ・シューベルト(1797−1828)は、31年の短い生涯に600曲以上の歌曲
を作曲しただけでも奇跡以外の何ものでもないが、オペラや、宗教曲、交響曲、室内楽、
そしてピアノ曲など膨大な数の作品を世に送り出した。その創作の源は神様から与
えられたとしか考えられない。彼の中のミューズはこんこんと湧く泉のように霊感
を溢れさせ、ソナタでさえ詩に生まれ変わった。晩年彼はベートーヴェンたらんと
して悪戯に苦闘することをやめ、ファンタジーのおもむくまま“歌”をテーマにパッ
セージを紡いでいった。自然で巧みで聴く者はいつしかそのファンタジーの森に誘
い込まれ虜になる。
シューベルトの遺した音はその美の森の中に、時空を超えた宇宙の響きが隠されて
います。これは、私がいつも感じる感覚です。子供のころからシューベルトは私の
ごく身近に寄り添ってくれる音楽でした。嬉しい時も辛い時も、迷った時には道標
を指し示してくれました。今日、シューベルトを世界に広めた偉大なシュナーベル
のお誕生日に、大先輩のヴァイオリニスト、澤和樹さんをお迎えして、長年憧れ続
けた二つの幻想曲を並べたプログラムをここ緑風舎で実現させて頂ける事に心から
感謝します。 宮下直子