society5.0時代における九州ヘルスケア産業の展望~...•佐賀県・佐賀大学と連携協定にて、ai・ドローンを活用したスマート農業ソリュー...
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平成29年度九州地域ものづくり中小企業事業化支援事業(技術開発戦略策定)
九州地域における次世代ヘルスケア戦略に関する調査報告書 概要版~Society5.0時代における九州ヘルスケア産業の展望~
2018年2月
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「九州地域における次世代ヘルスケア戦略に関する研究会」の実施
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検討テーマ
(座長) 有江 勝利正興ITソリューション㈱代表取締役(内閣府協議会新事業創出WG委員)
(委員) 坂本 剛QBキャピタル合同会社 代表パートナー冨山 幸子宮崎県産業振興機構 常務理事中村 享有希㈱OKEIOS 代表取締役
松尾 洋㈱くまもと健康支援研究所 代表取締役山田 栄子内閣官房IT総合戦略室 参事官吉田 大悟九州大学大学院 医学研究院助教
(参与) 寺田 孝英九州ヘルスケア産業推進協議会業務部長
(招聘委員)永木 賢士㈱ワイズ・リーディング 専務取締役
参加委員等
第1回【2017/7/19】○企業ベンチャー、地域・大学の取組みと課題○健康寿命延伸に向けた地域戦略・目標の展望
第2回【2017/9/13】○データ活用の現状、制度を巡る動向○オープンイノベーションと地域企業の取組
第3回【2017/11/1】○調査報告書の構成と重点分野○自治体プレゼン・報告
第4回【2017/12/19】○ヘルステックの動向と九州の課題○調査事項、報告書関連○戦略プロジェクトの推進について
第5回【2018/2/9】○地域ヘルスケアの動向紹介○報告書調査事項○牽引プロジェクト
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報告書の構成はじめに
第1章 ヘルスケア産業を巡る動向1.わが国及び九州における医療保健福祉の現状2.健康寿命延伸に向けた政策と論点3.次世代ヘルスケア産業(新ヘルスケア産業)
第2章 第4次産業革命潮流とヘルスケアビジネス1.技術革新を活用した新たなアプローチ2.制度・施策を取り巻く状況:データ流通と利活用
第3章 AI・IoTを活用した九州における取組の現状と課題1.ベンチャー・新事業とヘルスケアビジネス2.地域実証と自治体における取組3.地域ヘルスケアプロジェクトとビジネス課題
第4章 AI・IoT活用と主要分野の九州における展開1.AI・IoTを活用した九州におけるヘルスケアビジネスの可能性2.遠隔医療分野3.認知症・フレイル対策分野4.生活習慣病分野
第5章 次世代ヘルスケア戦略に向けた方向性1.九州におけるヘルスケア産業の課題と展望2.2025年、目指すべき九州のヘルスケア像(展望)3.重点分野のロードマップ4.戦略:5つの柱5.九州次世代ヘルスケア戦略に係る牽引プロジェクト
補論 AI・IoTの活用とヘルスケア分野における技術開発1.サポイン制度による技術開発支援2.ものづくり補助金による技術開発支援
参考資料 3
• 我が国及び九州の保健医療の課題抽出• 次世代ヘルスケア産業の定義
• AI・IoT等の最新テクノロジーによるヘルスケア革命の潮流の把握
• 制度・施策等の対応状況の整理
• ベンチャー・新事業の動向・課題• 自治体プロジェクトと地域実証取組整理
• AI・IoTの活用が期待される分野の特定• 各分野の課題整理
• 次世代ヘルスケア産業振興に向けた課題の整理・戦略の策定
• 技術開発関連の制度の状況整理
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我が国と九州の保健医療の課題
○政府「未来投資戦略2017」・重点5戦略。トップは「健康寿命延伸」①医療介護データ活用基盤、②保険者・経営者に対する予防インセンティブ、③遠隔診療・AI開発・実用化、④自立支援に向けた科学的介護、⑤医療介護の国際化・・
○省庁横断的なヘルスケア産業施策の推進厚生労働省:医療構想、地域包括ケア 国土交通省:健康福祉のまちづくり、住宅総務省:救急、EHR 文部科学省:ヘルスケア領域の研究開発経済産業省:健康サービス創出、PHR 農林水産省:介護食品
○経済産業省におけるヘルスケア産業施策の推進・「健康寿命社会」がキーワード・次世代ヘルスケア産業施策を2011年から戦略的に実施(現在は第4期目)・事業性と地域貢献性を両立する持続可能な社会経済モデルの構築→現役世代に対する生活習慣病等の予防の推進→引退後における生涯現役社会構築に向けた環境整備の推進
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次世代ヘルスケア産業とは●サービスフローの変化→ヘルスケアデータを核としたサービスの拡充・連携
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個人の健康状態
医療
サービス
介護
サービス
健康増進
サービス
・自己管理・判断
・家族、専門職等の第三者判断
▼従来のヘルスケア産業のサービスフロー
個人の健康状態
医療
サービス
介護
サービス
健康増進
サービス
・自己管理・判断
・家族、専門職等の第三者判断
・アプリ等による病気予測、通知
▼次世代ヘルスケア産業のサービスフロー
医療情報、介護情報、健診情報、バイタルデータ等
統合、提供
健康、虚弱、軽症、中等、重傷等のスクリーニング
適切なサービスとの提案・マッチング
利用状況のフィードバック
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次世代ヘルスケア産業とは●領域の拡大→地域包括ケアにおける公的サービスに加え、→健康増進サービスの拡充と→AI・IoTに代表される最新テクノロジーを活用したヘルステックの活用が進む
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地域包括ケア
■医療
・医療機関(病院、診療所)
・在宅医療(遠隔)
・調剤薬局
■介護
・施設介護事業所
・在宅介護(遠隔)
・介護予防関連
・地域包括支援センター等
健康増進サービス
・行政(健康啓発)
・サプリメント、健康食品
・家庭用健康管理機器
・健康指導、運動指導、フィットネス
・観光、旅行、レジャー、美容
・生活支援全般(住まい、食事、移動、
買い物、生涯学習等)
ヘルステック
・医療機器・システム ・介護機器・システム ・福祉機器・システム
・ITベンダー(IoT、AI) ・ロボティクス ・大学(最新医療、疫学研究等)
・データ流通・分析
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第四次産業革命潮流とヘルスケアビジネス
●技術革新を活用した新たなアプローチ・第四次産業革命の到来→様々なデータを収集し、各種データを蓄積(ビ ッグデータ化)し、これらのデータについて人工知能(AI)等も活用しながら処理・分析を行うことで、現状把握や、将来予測、ひいては様々な価値創出や課題解決を行う
●IoTとは・様々なモノが、ネットワークを通じてサーバーやクラウドに接続されることにより、データを収集し、ビックデータとして処理・変換・分析することで、解析結果を現実世界へフィードバックする仕組み→ヘルスケア分野においては、ウェアラブル機器を活用したバイタルデータの取得に注目
●AIとは・「人工的につくられた人間のような知識、ないしはそれをつくる技術」を言い、「推論・探索」、「知識表現」、「機械学習」、「ディープラーニング」等の技術によって構成→例えば、IoTで収集したバイタルデータやCT等の画像をAIでディープラーニングさせることで、特定疾患の診断予測を行うことが可能に。
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ヘルスケア産業を変革するヘルステック
●ヘルステック=Healthcare + Technologyの略語・世界の医療市場が600兆円と言われる中で、ヘルステックを活用したスタートアップやベンチャーが次々と誕生→ターゲットも個人から医療機関まで、領域は予防、遠隔、製薬、メディア等幅広い
・日本では1,000社近いベンチャー企業が創業→グローバルなベンチャーキャピタルの活動支援→大手通信事業者やポイント事業者によるスタートアップイベント等が後押し
・日本では、厚生労働省「保健医療2035」(2015年)が分水嶺→次世代型保健医療ICT基盤の整備と第四次産業革命が直結しヘルスケアの産業化へ→①ウェアラブル端末によるIoT+②ビッグデータとAIによる保険外サービスの創出
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ヘルスケア産業を変革するヘルステック
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我がヘルスケア産業を巡る制度動向
●官民活用推進基本計画の推進・ポイントは、「官と民の垣根を超える」こと。→官が持っていたデータを官だけが使うのではなく、民に解放。→さらに官の政策策定の段階で、民のデータをもっと活用することがポイント
・仕組みとして、PDS(Personal Data Store)や情報銀行、データ取引市場等を模索
●施策・事業動向(例)・IoT推進のための新産業モデル創出基盤整備事業→産業分野別にIoT等を活用した実証を通じて、制度等の環境整備を検討
・健康寿命延伸産業創出支援事業→地域に根ざしたヘルスケア産業創出と個人・企業の健康投資の促進
・健康・医療情報を活用した行動変容促進事業→生活習慣病等の予防や重症化予防のための個人の生活習慣や行動変容検証
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実績のある地域企業・ITベンダーによるスタートアップ
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【事業概要】佐賀大学医学部附属病院と連携して、AI・IoTを活用し、高度医療、地域医療との連携、医療業界の問題の解決を図ることを目的とした「メディカル・イノ
ベーション研究所」を2016年に設立。佐賀大学医学部の医学的知見、佐賀大学医学部付属病院の臨床データと実践の場、オプティムのIoT・AI技術を組み合わせ、医療現場の課題に対して効率的かつ効果的な医療を実施するための研究を実施。
研究の第1段として同研究所では、AIを用いた眼底検査の画像診断支援を実施
■「メディカル・イノベーション研究所」の設立•佐賀県・佐賀大学と連携協定にて、AI・ドローンを活用したスマート農業ソリューション等を開発。医療の分野においても佐賀大学医学部附属病院との協業が実現し、メディカル・イノベーション研究所を2016年に設立。佐賀大学により医療ニーズや知見をオプティムが具現化するプロジェクトが始動。
AIを用いた眼底検査の画像診断支援株式会社オプティム
構想・立ち上げ
連携・協業
■メディカル・イノベーション研究所としての研究第一弾として眼底検査を実施•2016年にクラウド基盤の「OPTiM Cloud IoT OS」をリリース。•大学病院との意見交換を重ね、クラウド基盤で活用可能な眼底検査の画像診断向けAIの開発を実施。
特徴・優位性
開発・事業化
■AI画像診断支援による医師の診断スキルの平準化• 人の経験による診断結果の差異を防ぐため、AIに学習させたツールでの診断
支援することで、スキルの平準化を目指している。• 眼底検査の画像診断により、眼の病気だけではなく、他の様々な病気の予兆
も発見することが可能。
■膨大な眼底画像から教師データを作成し汎用化• 大学と共同で診断結果をAIに学習させ、画像解析するという手法によりAIによる
診断支援ツールを開発。• 教師データは、実際に医師が診断した画像を活用し、医師の知見を基にデータ
を作成。
成長・新展開
■眼科医不足に対応するためのスマホアプリへの展開を検討中•地方では眼科医の不足が懸念されている。•将来的には、眼底検査をスマートフォン搭載のカメラでも簡単に診断できる画像が取得可能予定。開発したアルゴリズムをスマホアプリとして展開する可能性を検討している。
企業概要
代表取締役社長:菅谷 俊二設立:2000年住所:佐賀市本庄町1(佐賀大学内)
オプティム・ヘッドクォータービルTel:0952-41-4277URL:https://www.optim.co.jp/
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異分野からの進出と柔軟な解決方法の模索
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【事業概要】バイタルデータの収集、解析により異常値の検知及び病名の候補を提示する、学習型人工知能を搭載した自動診断支援システムを開発中。AIを搭載することで、高い精度で病態の鑑別を行うことが可能となり、あたかも経験豊富な医師が診断の支援をするかのように、高齢者医療を均一的、
かつ大幅に向上させることが可能に。
■バブル崩壊を契機に医療分野へ進出•同社は設立当時、ゼネコン業者であったが、バブル崩壊後に医療分野に事業進出。医療法人芙蓉会を立ち上げ、筑紫南ヶ丘病院の開院と同時に同社は、医療システムの開発を担当。運営する中で、オペレーションの脆弱さが浮き彫りとなり、解決を図るため遠隔診療の取組に着手。現在、遠隔診療で得られたデータを基に、AIによる自動診断支援システムを開発中。
学習型人工知能を搭載した自動診断支援システム芙蓉開発株式会社
構想・立ち上げ
連携・協業
■長崎大学医学部との連携•遠隔医療導入時より、医療の質の担保を目的に、長崎大学医学部に協力を仰いでおり、 自動診断支援システムに必要となるバイタルデータや既往歴等の情報取得に共同で取り組む。
•システム開発は外注していたが、ここ数年で完全に自前でできる体制を構築。
特徴・優位性
開発・事業化
■独自の自動鑑別診断アルゴリズムを開発
• 対象を高齢者に絞り、体温・血圧・酸素飽和度といったバイタルの個人ごとの異常値を検知し、疾患の候補まで提示する診断支援アルゴリズムを開発中。その結果をフィードバックしAIに学習させることで、更に精度の高い診断の支援を目指す。
成長・新展開
■高齢者以外の世代への応用を検討•自動診断支援システムの結果を基に、医師に疾患の可能性を示すことで、医師の判断支援ツールとして活用。システムの完成は2019年を予定。
•高齢者だけでなく、若い世代に対しては、ストレス等を検知して疾患を予測する健康診断キットへの応用も検討。
■既存リソースの活用•自社のグループ病院というフィールドを活用して、ワンストップ開発により迅速なシステム開発とサービス実証が可能。
•検知だけではなく、病名の候補まで分かるシステムの開発に取り組んでおり、高齢者の死因のうち8割とも言われる肺炎や心不全等の病気を判定。
企業概要
代表取締役社長:野中 美和設立:1986年住所:福岡市博多区山王1-10-29Tel:092-471-8585URL: http://www.minamigaoka.jp/fuyokaihatsu/
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自社に留まらないイノベーション拠点の創出
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【事業概要】 遠隔画像診断システムによる放射線画像の読影を強みとし、放射線科専門医が不足する医療機関に質の高い診断結果を届ける熊本大学発ベン
チャー 企業。放射線科専門医は、日々大量のレポートを作成しており、文書作成作業に多くの時間を割く必要がある。 放射線科専門医の文書作成負担の軽減を図るため、AIを用いたレポート作成支援システム「ワイズチェイン」を開発。事務作業の効率化と内容の標準
化を可能とし、全国の医療機関で導入が進んでいる。
■熊本大学の放射線診断専門医が創業• 創業者の中山氏は、熊本大学学医学部付属病院で放射線診断専門医(読影医)として勤務。画像診断医の不足を背景に熊本大学医学部放射線医学教室の協力を得ながら、遠隔地から検査画像を診断する事業に着手。
AIを活用したレポート作成支援システム:ワイズチェイン株式会社ワイズ・リーディング
構想・立ち上げ
連携・協業
■大手IT企業とのパートナーシップ、病院との連携により推進• 熊本大学との2009年に富士フイルムメディカル(株)とネットワークを活用した「遠隔画像診断システム」を共同開発。
• 熊本機能病院等と連携。専属読影医師は48名で、契約医療機関は全国70機関に上る。
特徴・優位性
開発・事業化
■目的・専門性に応じた対応による高い質を提供• 契約医療機関から送られた画像データを、検査目的や内容を把握した上で、その分野を専門とする読影医に振り分け。専属の放射線科専門医が診断し、必要に応じベテラン医が二次読影まで行うことで、質の高い診断結果の提供を実現。
• 診断から書類作成プロセスにおいて、特に書類作成部分の省力化・効率化を実現。
■AIの研究所を設立し新商品開発を加速• 2015年に社内に「人工知能研究所」を設立。システム開発をスタートさせることにより、医療関連の新製品を次々とローンチ。「 Ys keeper:患者見守りシステム(特に認知症)」、「Ys bridge(退院支援効率化システム)」、「 Ys Navigator(交通事故診断システム)等
成長・新展開
■オープンイノベーション拠点を開発• 2017年、IoMTラボ「SOCKET」をオープン。ニーズは沢山あるがエンジニアがいないという病院と、エンジニアはいるが、医療業界のニーズが分からないという地場ソフトウェア企業等のミスマッチ解消等に期待が集まる。
• 「SOCKET」は、医師達の持つアイディアや情報が集積する場所として機能させ熊本発のオープンイノベーション拠点として注目
企業概要
代表取締役社長:中山 善晴設立:2007年住所:熊本県熊本市北区飛田3-10-21Tel:096-342-7878URL:http://www.ysreading.co.jp/
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地域ものづくり企業による医工連携
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■歩くだけでロコモの測定が可能に• 同社が開発した計測機器は、特殊な機器を身体に装着することなく、人の骨格を
検知することができ、歩行状態の特徴点である歩幅、歩行速度、ひざ角度を簡便かつ定量的に計測。さらに宮崎大学医学部・工学部と共同研究により開発したアルゴリズムによって、自動で客観的かつ定量的にロコモ度を判定。
• これによりこれまで一人の対象者を数人掛かり、10分程度掛かっていたロコモ判定作業が、数十秒で完了。
■ヘルスケア事業への進出• 元々、全国的なカード関連機器の開発製造メーカーであるが、既存事業の成長
性を考慮して、医療介護分野の新事業を模索。• 別の医療支援機器の開発で相談を行っていた宮崎大学産学地域連携センターと
の連携の中で、宮崎大学のロコモプロジェクトでの開発課題を知り、開発着手。
ロコモティブシンドロームの測定:歩行計測機器三和ニューテック株式会社
構想・立ち上げ
連携・協業
■宮崎大学医学部と工学部による全面サポート•宮崎大学工学部の田村教授と共に、宮崎大学の特許技術を使って、人の歩行状態からロコモ点数を算出するアルゴリズムソフトなどを共同開発。
•日本整形外科学会の理事である宮崎大学医学部の帖佐教授や看護学科の鶴田教授により機器の測定結果の評価監修を全面サポート。
特徴・優位性
開発・事業化
■本格販売は今年から• 歩行計測機器は、宮崎県の補助事業を利用して、2016年まで研究開発を実施。• 宮崎大学監修の下、数百人の歩行(歩幅、速度、ひざ角度)データを活用し、ロ
コモ25(アンケート)と相関のあるロコモ点数(推定値)を算出。ロコモ推定値をロコモ度の判定基準により判定した結果と簡易なコメントを表示。特許取得済。
成長・新展開
■将来的にはアプリ展開や、ロコモ度判定に留まらないプロジェクト展開も検討• 2018年より機器として販売開始。まずは医療機関や介護施設へ拡販。この他、
フィットネスクラブや調剤薬局、また健康イベントを行っているターゲットへの拡販を展開予定。将来的には、歩行計測機器に用いられているアルゴリズムをアプリに移植して、スマホでも測定できるように検討中。
• さらにロコモ判定結果を基にしたロコモ予防、運動指導などのプロジェクトを検討中。
企業概要
代表取締役社長:金内 隆一設立:1970年住所:宮崎市清武町正手1-11Tel:0985-85-1234URL:http://www.sanwa-newtec.co.jp/index.html/
【事業概要】宮崎大学医学部・工学部と連携し、対象者が何も装着せずに、装置前を3m歩行するだけでロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)を数値で測定できる
計測機器を開発。2018年から機器としての販売を開始するとともに、同製品を活用した健康増進プロジェクト等も検討中。ロコモについては、健康寿命延伸に係る大きな要因として考えられており、日本整形外科学会が推奨する測定方法は、対象者の身体的負担、 検査者の
人員負担の両方が大きく、また主観的なアンケートもあることから、同製品は、客観的かつ簡便にロコモ評価が行える測定方法として期待される。
【測定時】
【収納時】
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医療従事者による創業
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【事業概要】医療機関との提携、民間企業との協力により、利用者を24時間看取るサービス「ウォッチコンシェルジュ」を展開。24時間の見守りサービスを実現するため、最先端IoT機器である非接触型の生体センサーシステムを採用。生体データを24時間リアルタイムにモニタリン
グし、遠隔で看護師・訪問看護師が見守ることで、利用者の体調急変等、緊急時に迅速に対応することが可能・社会問題となっている孤独死の減少を目指す。
■医療機関の勤務経験を持つ看護師が設立•代表取締役である青木社長は、看護師として医療機関に勤務した経験を活かし、夜間を含む過酷な労務負担を背負う訪問看護師の現状を解決するため、第2のナースステーションを目指して、「ウォッチコンシェルジュ」構想を立ち上げ。
孤独死を防ぐための生体センサー遠隔モニタリング株式会社ワーコンプロジェクト
構想・立ち上げ
連携・協業
■民間企業との連携による生活サポートの充実•呼吸や脈拍などを遠隔から測定できる既存機器を活用しつつ、2016年秋には㈱モバイル社会戦略研究所と共同で独自の非接触型センサーシステムの開発に着手。
•さらに生活全般もサポートするため、クリーニングや家事代行会社を始め、弁護士、ファイナンシャルプランナーなど幅広い分野の事業者と提携。
特徴・優位性
開発・事業化
■通信会社との連携によりサービスに集中できる環境を構築(調整中)
• センサー情報を、オリジナルの解析ソフト搭載ルーターを通じて、スマートフォンやパソコンで家族等が閲覧できるシステムの構想策定中。
• システム開発からサービス提供に本格的に軸足を置く体制を構築予定。
成長・新展開
■連携先の拡大と福岡市の「実証実験フルサポート事業」への採択• 医療機関や個人向けサービスだけでなく、マンションデベロッパー等との連携
による新展開を模索。• 生体センサー遠隔モニタリングの取組が福岡市の「実証実験フルサポート事
業」に採択され、実証開始。実証実験を踏まえた料金体系等のビジネスモデルの構築を検討中。
■看護師労働環境を意識したサービスの展開•サービス展開に向けて、クラウドコールセンターシステムを構築し、在宅ワークの仕組みを導入。本部と連絡を取り合い、生体センサーの動きで容体をチェックする見守り部隊として在宅就業が可能に。
•これにより離職した潜在看護師が再び働ける環境を創出。
企業概要
代表取締役社長:青木比登美設立:2016年住所:福岡市博多区博多駅南1-4-10-1108Tel:092-260-7610URL:http://wa-conpro.com/index.php
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医療従事者による創業
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【事業概要】地域包括ケアシステム構想や、2013年にスタートしたデータヘルス計画において、医療機関以外の場所で医療状況の評価が必要となり、重症化予防における保健指導の質の向上が急務。各疾患に対し、入院から退院までの処置や食事、リハビリなどの最適なプロセスを示す「クリティカルパス」の概念をもとに、自社で保健指導した約1万人のデータと、Deep Machine Learningや発電所制御技術(プラントテーブル理論)を活用した「医療カーナビ」を開発中。
■九州大学発の医療系ベンチャー•九州大学発の医療系ベンチャー企業として、平成18年に設立。代表社員である日山氏は看護師であり、社員も九州大学病院や福岡大学筑紫病院の医師らによって設立。
•生活習慣病を対象に、日本型Disease Management(疾病管理)を行うことにより、発症予防、早期発見・早期治療、合併症予防及び重篤化防止を目指す。
2025年問題に活用する個別性に対応した地域連携クリティカルパスの開発合同会社カルナヘルスサポート
構想・立ち上げ
連携・協業
■産学、医工連携によるシステム開発•医学的側面を九州大学、福岡大学筑紫病院と連携し、AIの開発等、工学的側面は、九州工業大学や九州電力と連携して同システムを開発
特徴・優位性
開発・事業化
■野村総研と業務提携し拡販予定
• データヘルス計画の関連市場は約400億円と想定しており、クリティカルパスをもちいた保健指導の販売により、売上30億円の達成が目標。
• 野村総研と業務提携し、野村総研が営業・コンサルテーションを行い、カルナヘルスサポートが対象者抽出や重症か予防を担う。2018年度より本格的に営業開始予定。
成長・新展開
■AIの技術を海外に展開• 海外、特に発展途上国には、無医村の地域が数多く存在しており、遠隔医療
のニーズは高い。• 医療の海外輸出のためには、日本のプロトコルだけをアナログに輸出しても対
応不可。対象国の医療についてAIで傾向を掴み、その国独自のクリティカルパスを作成することにより、適切な医療を提供することを目指す。
■医師の考えをクリティカルパスで再現•糖尿病・高血圧症・脂質異常症・CDK等、8疾患の治療及びプロセスを管理。•基礎的な仕様は医師の考えを再現する内容。理想的な治療及び指導プロセスの掲示や、現在の医療状況の適正を判定。
•また、AIがデータを基にクリティカルパスの妥当性を検証。
企業概要
代表社員:西田大介・日山 富士代設立:2006年住所:福岡市博多区綱場町1-16 5FTel:050-5306-1092URL: http://carna-hs.co.jp/
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自治体との連携模索
17
【事業概要】 「超聴診器」と呼ばれる製品を開発中。同製品は、心音だけでなく、心筋活動電位の発生タイミングとデジタル化された聴診音を合成し、独自プログラム
で処理することにより、自動診断アシスト機能を実現。 潜在患者数が100万人いると言われている大動脈弁狭窄症のスクリーニングを主目的にしているが、今後、他のバイタルデータも取得することで、他の
心疾患についても対応可能な聴診器の開発を目指している。
■循環器内科医である小川氏が起業• 医師でもある小川社長が心臓突然死を減らしたいという思いでAMI株式会社を設立。遠隔診療での取り組みや熊本地震での医療ボランティアでの経験から更に機能を見直し、同製品の研究開発を加速させている。
大動脈弁狭窄症自動検出機能付遠隔診療対応聴診器AMI株式会社
構想・立ち上げ
連携・協業
■学内の医工連携により開発を推進• 熊本大学工学部の山川俊貴助教の協力の下、研究開発を実施。熊本テックプラングランプリに登壇し審査員特別賞の受賞を契機に本社を京都から熊本に移転。
• 2017年2月には次世代ベンチャー創出支援事業化可能性調査委託事業に採択され、2017年10月にはNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の研究開発型ベンチャー支援事業に採択。
特徴・優位性
開発・事業化
■聴診器にテクノロジーイノベーションを• 心疾患の発見に関して、心音だけでなく、心筋活動電位の発生タイミングと、デジタル化された聴診音を合成することで、独自プログラムにより聴診音の自動診断アシスト機能を実現。
• 専門医不在の地域でも心臓疾患の簡易スクリーニングが可能に。
■首都圏のベンチャーの集まりに積極的に出かけ、ビジネスモデルを検討• 超聴診器のプロトタイプは、100円ショップで材料を購入し、自ら工作。その後、医用工学の研究者である熊本大学工学部の山川俊貴助教と出会い、また3Dプリンターなどの最新技術を利用することでプロダクト開発。
• オムロンコトチャレンジやKDDI ∞ Laboなどのアクセラレータープログラムにも積極的に参加し、いずれも最優秀賞。見識を広げ、ビジネスモデル等を検討
成長・新展開
■AI・IoT搭載で診断アシストをより高精度に• 将来的にAIによる心疾患の診断アシストだけでなく、血圧・酸素飽和度・心電・脈拍等のバイタルデータを同時に計測できる機能を追加。
• さらに大動脈弁狭窄症以外の心疾患や呼吸器疾患にも対応可能な聴診器の開発を目指す。
• 地元自治体において、超聴診器を活用した実証プロジェクトも計画中。
企業概要
代表取締役社長:小川晋平設立:2015年
住所:水俣市浜松町5番98号URL:http://ami-kumamoto.com
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地域実証と自治体における取組み●九州の地域実証のベースとなった久山研究(久山町×九州大学)・1931年に始まった久山町を対象とする疫学調査(コホート研究)・久山町住民(約8,400人)を対象に脳卒中、心血管疾患等の疫学調査を実施・九州の実証実験の礎であり、全国各地で行われているコホート研究・実証のベース
●九州における実証実験の特徴・テクノロジーを活用した「ポピュレーション・アプローチ」による予防の展開も
→福岡ヘルス・ラボ「イオン九州内でのウォーキングラリー」、唐津市「からつ健康マイレージ(仮称)」等→一部自治体では、健康増進効果及び将来的な医療費削減効果、並びに事業の継続性等を検証までを実施
・遠隔医療等を通じた将来の地域医療への対応の検証→福岡市×㈱インテグリティ・ヘルスケア、日南市×㈱ポート→地元関係者との協力が不可欠で、計画が首尾良く進まないケースもあり
・健康経営の普及等、職域レベルにおける取組が本格化→大企業(一保険者)による取り組みから、中小企業へ普及段階に。→古賀市では、複数企業が集積立地する工業団地等において、企業が連携して取り組みを計画あり
・医療・介護、特定疾患等の予防に係る検証や実証事業が立ち上がりつつある→久山町×九州大学の疫学研究に加え、糸島市×九大のフレイル予防、久留米市における糖尿病予防、延岡市における循環器系疾患予防等の取組が進みつつある 18
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地域ヘルスケアプロジェクトと自治体・リーダーが取組を牽引後押し・自治体の役割は、予算というよりも実証フィールドとの調整
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ヘルスケアサービスモデルの創出
施策
経緯
概 要
テクノロジー
予 算
行政の機能
推進体制
キーとなる企業
組 織
指
標
大学・研究機関
高齢化率
病院数
医師数
介護施設数
地方都市A 地方都市B 学術研究都市 大都市
人口5万人前後(例 日南市)
人口10万人以上(例 延岡市)
人口10万人程度(例 糸島市)
人口 100万人以上(例 福岡市)
無医・小医地区の医療体制の再構築
医師不足に端を発する健康長寿のまちづくり
九州大学・企業と連携したラボ(高齢者福祉拠点)運営
福岡100構想
遠隔医療を中心とした地域医療サービスの維持
生活習慣病対策などを軸とした健康長寿のまちづくり
認知症予防とフレイル対策に関連した地域医療・介護サービス維持と新産業創出
取り組み目的
誘致企業と協力して、同社の遠隔医療サービス(「ポートメディカル」)を活用し、その有効性を実証中。
市が持つ健康データを研究機関に提供・分析し、市内で実施される健康プロジェクト等を効果検証。
延べ2,500人の高齢者健康データを3年間に亘り収集し、運動指導の効果などを検証中。
高齢化に即した持続可能な社会システムに向け、官民連携のプロジェクト「福岡ヘルス・ラボ」により実証を実施中。
-(IoTやAIの活用は未定)
テレビや電話等のICT IoTを活用した高齢者のデータ収集
個別プロジェクトによる
イオン九州、 正興ITソリューション等九州大学
㈱ポート
-
-
国立循環器病センター
住友理工、 正興ITソリューション等九州大学
市立病院などの活用、実証地区の調整等
市のヘルスケアデータの提供
糸島市住民の参加、健康福祉データの提供
市内ステークホルダーの調整、助言、実証フィールドの提供等
・健康促進課地域医療対策室
・健康長寿推進室・工業振興課/メディカルタウン推進室
・商工観光課・介護高齢者支援課
・保健福祉局政策推進課・福岡地域戦略推進協議会(FDC)
・市独自・国立循環器病センター
・日本医療研究開発機構(AMED)
-(実施企業による自己負担)
34.90%
12.70施設
176.58人
14.62施設
31.10% 26.80%
8.29施設
175.17人
12.61施設
20.70%
7.47施設
330.99人
16.11施設
※人口10万人当たり
※人口10万人当たり
※75歳以上人口1,000人当たり
18.49施設
227.40人
13.91施設
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地域ヘルスケアプロジェクトとビジネス課題
●地域ヘルスケアプロジェクトの形成の壁・合意形成の壁 →合意形成が得られず、連携・補完関係を形成できない・行政内部の連携の壁 →部局間の連携不足や知見の不足・産学との連携の壁 →地域実証フィールドに対して、企業・大学がリーチできない
●課題解決の糸口としてのオープンイノベーション・地域課題とヘルステックとのマッチングができていない・熊本県では、㈱ワイズリーディングが主体となって地域医工連携拠点として「SOCKET」を展開中
●社会的使命とマネタイズ・ヘルスケア産業特有の収益化の長期化・医療・介護≠ビジネスを嫌う商習慣
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AI・IoTを活用した九州におけるヘルスケアビジネス
●ヘルスケア産業におけるAI・IoTの活用領域・個人情報や健診データ等の集約とIoTによるライフログ、バイタルデータの収集・統合・AI活用領域としては、ゲノム医療、画像診断支援、診断・治療支援、医薬品開発、介護・認知症、手術支援
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個人情報 健診情報 医療情報 介護情報ライフログ、バイタルデータ
IoT活用が期待されるヘルスケア領域
ゲノム医療
ゲノム解析
創薬ターゲット探索
画像診断支援
放射線画像
病理
内視鏡
皮膚科・眼科・超音波
診断・治療支援
PHR統合解析支援
(専門外)診療・診断サポー
ト
疾病の早期発見、疾病管理、難病
診断
電子カルテ連動による羅漢予測
医薬品開発
創薬ターゲット選定、論文探索
化合物設計、薬理活性の最適化
FS調査
介護・認知症
日常生活支援(生活リズム、排せつ等)
認知症診断、行動パターン予測
手術支援
術者の意志決定支援
術中の容体予測
AI活用が期待されるヘルスケア領域
九州という地域性を考慮すると、まずは画像診断支援や診断・治療支援、介護・認知症が実現性が高いか
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重点分野①:遠隔医療分野
●現状と課題・九州各県の都道府県別人口10万人対一般診療所数は、全国平均によりも高い・また、医師の平均年齢も、全国平均に比べて、1.5~3歳程度高い・これらを考慮すると、将来的に無医村・少医村地域が九州各地で出現することが予想され、地域医療体制の維持が困難になるものと予想される。
●AI・IoTを活用したサービスの展開方向・既に診療・診断・病理等の様々な遠隔医療ツール・システムが登場・現在は、普及フェーズに入っており、特に遠隔診療は全国各地で行われている
●今後の展開・特に九州は、離島の多い地域として知られ、先進的な離島医療政策が長年実行・離島・へき地における遠隔医療プロジェクトを実行可能な上、従来の市区町村単位の小規模な取組ではなく、より規模・管轄の大きい実証実験が可能
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重点分野②:認知症・フレイル分野
●現状と課題・健康寿命延伸のための認知症・フレイル対策は不可欠・九州は、医療・介護が充実しているものの、社会給付費の適正化という視点に立てば、ヘルステック導入によるニーズの高い地域
●AI・IoTを活用したサービスの展開方向・認知症・フレイル分野におけるAI・IoTの活用は、見守りや徘徊対策などがほとんど・今後は、疫学研究による予防の観点を重視した実証が必要
●今後の展開・糸島市では、フレイル予防のためのIoTを用いた非対面型(遠隔)運動プログラムの開発を通して、研究成果を活用したサービスモデルを検討中
・さらにはその先として、高齢者のアセスメントを行い、過去のログ等のデータから、より最適化された介護予防サービスのレコメンドを自動判定するAI搭載のマッチング等のサービス展開が求められる
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重点分野③:生活習慣病分野●現状と課題・生活習慣病に関しては、未病対策や重症化予防への対策・実証に傾斜→特に糖尿病と高血圧の2点が重点分野
・九州においては、特に地方都市を中心に「コンビニ受診」が指摘されており、医療サービスの適正化が求められる
・さらには、医療従事者の高齢化によるリタイヤの増加により、無医村・少医村地区が多くなると思われる
●AI・IoTを活用したサービスの展開方向・IoTデバイスによるウェアラブル機器の開発・様々なフィールドで規模の大小を問わず様々な実証実験
●今後の展開・ヘルスケアサービスの実証の過渡期にあり、規模の大小を問わず、九州において先進的なプロジェクトを実施・ビックデータを活用し易い環境を整えることで、ヘルスケアビジネスを模索する企業や研究機関の九州への誘致 24
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遠隔医療分野におけるロードマップ
25
2017 2018 2020 2025地域の医療格差の拡大 地域格差の縮小
遠隔医療の保険点数化、遠隔診療報酬・対象疾患の拡大 在宅による服薬支援 地域医療体制の維持
■市場規模は89.7億円 ■市場規模は192億円に→診断項目の拡大が市場拡大に鍵
■ICTを活用した遠隔診療の実証 ■IoTによるバイタルデータ取得とAIによる診療補助
■医療プロセスの見える化、標準化 ■診療プロセスのAI化による診療サポート
医療知識・高度医療人材のシェアリング
■AIによる特定疾患の診断補助システムの開発 ■AIによる特定疾患診断項目の拡大と診断補助システムの市場投入
・全体的な方向性として、地域医療格差の拡大が懸念されており、ICTを活用した地域医療体制の再構築が求められる。これに対して、遠隔医療の本格導入に当たり、実証が繰り替えさえることにより、地域社会に遠隔医療を根付かせ、少ない医療資源でも効率的な医療が行える体制が図られていく。・診療面では、都市・地方を問わず、ICTを活用した遠隔診療の実証が行われており、遠隔診療による地域医療の有効性の確認の後、診療報酬改定などが進められることで、遠隔診療が浸透するとともに、IoTによるバイタル取得、AI診断等の導入により、少ない医療資源でも効率的な医療サービスが提供できる体制が必要となる。また放射線専門医等の専門人材のシェアリングもますます拡大することが期待される。さらに医師の医療プロセスをAI化することで、遠隔医療プロセスの標準化が進められる。・読影・診断分野では、心臓や眼などの疾患において、バイタルデータや画像取得による診断補助の研究が実施中である。これらは対象疾患の拡大が図られ、診断補助から診断ツールとして活躍することが期待される。
診療
読影・診
断
国民健康保険法等一部改正・国民健康保険の国庫負担金算定の変更
・前期高齢者交付金、後期高齢者医療の国庫金
算定の変更
診療報酬改定・地域包括ケアシステムの構築のための取組強化
・外来医療の機能分化、重症化予防
(生活習慣病の増加等に対応できるICTの有効活用)
・安心・安全で質の高い医療の実現・充実
(イノベーションを含む先進的な医療技術の適切な評価)・医療従事者の負担軽減、働き方改革
(ICT等の将来の医療を担う新たな技術の着実な導入)・制度の安定性・持続可能性の向上
(薬価制度の改革と後発医薬品の使用促進)
診療報酬改定
健康・医療・介護ICT本格稼働・データヘルス改革により、膨大な健康・医療・介護情報等のビッグデータを分析・活用す
ることにより、予防・健康管理・重症化予防の環境整備を推進する。
バイタルデータの取得により、解析しやすい疾病
から試験的にシステム開発
現状では、医療機器としての販売となることから、PMDA認可を
考慮すると、市場投入は2020年前後か
スマホアプリなどを
活用して、自宅でも
診断可能に
OPTIIMは眼底診断、AMIは心疾患の診断システムを開発
開発を促すために、CT画像集約・病理データの集
約を図る動きもある
既に様々なサービスが登場。価格競争にならな
いための仕掛けが重要にワイズリーディングが放射線専門医のシェアリングサービスを提供
都市部、過疎地問わず、高齢者の多い地域・地
区などでの実証が盛ん
福岡市、日南市などが実証中
芙蓉開発は、介護施設での高齢者健康把握システムを開発中日常モニタリングを行うことで、医師の診察をサポート
体温等の個人差をAI等で解析し、高度な健康管理モニタリングを可能にAI化されることで、
無少医村などで
の地域医療の維
持ツールとして
期待
医療サービスの標準化等を図るために、サービス提供
プロセスのクリティカルパスを作成糖尿病分野では、カルナヘルスサ
ポートが作成中
疾患別のクリティカルパス作成により、医師の作業を棚
卸しし、遠隔診療や訪問看護をサポートカルナヘルスサポートが一部実証済
若手医師の都心集中加速。地域医療の維持が、困難に
なる地域が顕在化
メドメインが病理診断に関する遠隔診断サービスを開始
課題・
方向性
制度改正
等
![Page 26: Society5.0時代における九州ヘルスケア産業の展望~...•佐賀県・佐賀大学と連携協定にて、AI・ドローンを活用したスマート農業ソリュー](https://reader033.vdocument.in/reader033/viewer/2022042310/5ed7c16e72825f520a2f15f7/html5/thumbnails/26.jpg)
認知症・フレイル分野におけるロードマップ
26
2017 2018 2020 2025
介護人材不足 介護体制の適正化
被介護者増加 個人の健康増進
認知症の人数(うち高齢者に占める割合 631万人(18.0%) 730万人(20.6%)
※新オレンジプランより抜粋 ※2050年には1,000万人突破
■位置情報を活用した高齢者の徘徊対策・活動調査(個人情報保護等の制度面改訂)
■医療・介護事業所内の情報システムの強化と見守り
■医療・介護事業者間の情報流通基盤の構築 ■医療・介護事業者間の情報流通基盤の展開によるサービス最適化
■地域のビッグデータ作成
■重症化防止と関連デバイスの充実(認知症マーカー、ドライブレコーダー等)
■認知症発症等のメカニズム解析
■フレイル・ロコモ予防・基礎体力のデータ取得と共有化
・介護人材の不足に対応する介護体制の適正化や、被介護者抑制のための個人の健康増進を達成するサービスとテクノロジーが期待される。・そのために、まずは事業者業務支援として、個別に開発されている徘徊対策や見守りシステム等の実証を進めた上で、活用拡大に進む。・また認知症などになってからも生き甲斐のある暮らしを達成できるよう高齢者のQoL向上を目指し、重症化予防・生活サポートのための関連デバイスの開発を進める。さらに医療・介護業者、保険等の情報を統合し、適正な介護体制を構築するたの情報流通基盤の整備が必要となり、この分野には、安全な情報流通技術と対象者をスクリーニングするAI等が必要となる。・さらに解明されていない認知症予防のメカニズムを解明する取組を進めるとともに、フレイル対策を目的とした基礎体力などの情報収集と対象者のスクリーニング、さらには遠隔を前提とした運動始動等のサービス開発を進め、個人の健康増進を図っていく必要がある。
自治体(介護保険)向けサービス・ソリューション
事業者業
務支援
高齢者
QoL向上
認知症
発症予
防
介護報酬改定・介護人材処遇改善
新オレンジプラン・認知症高齢者等に優しい地域づくり
介護報酬改定介護報酬改定・地域包括ケアシステムの推進
(医療と介護の役割分担と連携の一層の推進)
・自立支援・重症度防止
・多様な人材の確保と生産性の向上
(介護ロボット、ICTの活用)
健康・医療・介護ICT本格稼働・データヘルス改革により、膨大な健康・医療・介護情報等のビッグデータを分析・活用す
ることにより、予防・健康管理・重症化予防の環境整備を推進する。
課題・
方向性
制度改正
等
運動中におけるIoTによるバイタルデータの
取得により、対面指導と遠隔指導による指導
差をなくして、体力強化プログラムを導入
運動指導におけるAI化を実現し、専門職不足
に備えるとともに、自動プログラム・アプリを
導入
発症メカニズムの解明と関連デバイスの開発
により、認知症においても発症前予防プログ
ラムやアプリが登場
高齢者データの収集と蓄積
高齢者データの蓄積を基にした疫学研究とサービス実証
九州大学が糸島市において実証中
介護サービスの活用
に対する効果検証
介護サービスとケア
プランのAIマッチング
地域包括ケアにお
ける施策の検証と
いった行政KPI管理
への利用拡大等
制度改編を機とした各サー
ビスの本格導入
オプティムが織田病院とシステム開発、ワーコン
プロジェクトでは24時間見守りを実施
収集データを活用したサービス最適化のためのAIスクリーニ
ング、遠隔医療と連携して最新技術を活用した24時間見守り
サービスの登場
データ共有によるケアプランの向上 AIを活用した個別ケアプランの作成補助と介護内容のマッチング
個人向けサービス・ソリューション
![Page 27: Society5.0時代における九州ヘルスケア産業の展望~...•佐賀県・佐賀大学と連携協定にて、AI・ドローンを活用したスマート農業ソリュー](https://reader033.vdocument.in/reader033/viewer/2022042310/5ed7c16e72825f520a2f15f7/html5/thumbnails/27.jpg)
生活習慣病分野におけるロードマップ
27
2017 2018 2020 2025
ヘルスケアサービスの適正化
効果的な予防医療の展開
■ポイントカード等と連携した健康増進の取組 (健康マイレージ・健康経営)
■保健医療に関する情報流通基盤の構築
■特定健診等の受診率の向上
■重症化予備軍のヘルスケアデータ収集とスクリーニング手法の開発
■重症化予防の実証ターゲット選定(糖尿病、高血圧、循環器等)
■ゲノム医療との融合
■行動変容のためのヘルスケアサービスの実証
■重症化予防のプル型健康指導(対面・電話・イベント)
■重症化予防のプッシュ型健康指導(アプリ)
■ウェアラブル機器との連携・実証
・全体的な方向性として、医療費増大を解決するヘルスケアサービスの適正化と効果的な予防医療の実現に向けた次世代ヘルスケアビジネスが必要となる。・予防医療実現のため、まずは発症予防・メカニズムの解析が必要であり、糖尿病や高血圧、循環器等に関する個別の疾患事例の分析が必要になるとともに、重症化予備軍の特定のためのデータ集約とスクリーニング手法の開発が求められる。最終的にスクリーニング等にはAIが活用されることで、効果的・効率的な予備軍が特定され、個別事例に応じたサービスマッチングが行われる。・保険者向けサービスは、健診データを含むデータ統合が進められるとともに、特定保険者の個別事例の取組から、より多くの保険者が連携しつつ、ポピュレーションアプローチが実践され、地域全体の健康増進プログラムが実行される。・保険外サービスは、プル型・プッシュ型等の様々な行動変容のための実証が繰り替えされることで、多くの形態のサービスが登場。その後、スクリーニングによって特定された予備軍に対して、AI等を活用し、サービスマッチングが実施される。
医療費の増大
保険者向け
サービス
発症予防・
メカニズム
保険外
サービス
国民健康保険法等一部改正・国民健康保険の国庫負担金算定の変更
・前期高齢者交付金、後期高齢者医療の国庫金
算定の変更
診療報酬改定
健康・医療・介護ICT本格稼働・データヘルス改革により、膨大な健康・医療・介護情報等のビッグデータを分析・活用す
ることにより、予防・健康管理・重症化予防の環境整備を推進する。
診療報酬改定・地域包括ケアシステムの構築のための取組強化
・外来医療の機能分化、重症化予防
(生活習慣病の増加等に対応できるICTの有効活用)
・安心・安全で質の高い医療の実現・充実
(イノベーションを含む先進的な医療技術の適切な評価)・医療従事者の負担軽減、働き方改革
(ICT等の将来の医療を担う新たな技術の着実な導入)・制度の安定性・持続可能性の向上
(薬価制度の改革と後発医薬品の使用促進)
課題・
方向性
制度改正
等
通信事業者による遠隔型の特定健診サービスの実証 KDDIサービス。九州でも中津市、
国東市、小林市等で実証
糖尿病未治療者に加え、特定疾患のリスクの高い予備軍の抽出サービスが登場。AIを活用することで、幅広い疾患、
幅広い世代に対応した予備軍の抽出が可能になり、効果的な保健指導を実施
職域を超え、保険者が連携することで、全世代に亘るポピュレーションアプローチを実施し、ウォーキングイベントやヘ
ルスツーリズムのサービスが活性化
古賀市では先行して、工業団地を対象とした健康経営PJを実施
久留米市では糖尿病PJを検討中。延岡市でも循環器を対象としたPJを実施予定
九大別府病院では、Yahooと連携して、癌とゲノム医療の疫学実証を検討中
ゲノム医療と連携し
た疾病予測システム
の高精度化
発症予防等のサービス、メカニズム研究
などの海外展開
インバウンドを対象とした医療ツーリズ
ムの拡大
AIによる個人に合わせた最適なサービスの提案が行われ、個人が好みに合わせて様々な健康サービスを購入
健康連動型保険商品の登場とウェアラブル機器の本格普及
生活習慣病リスクの見える化や疾病予測アプリなどの高精度化と保険外
サービス等の市場拡大
医学的エビデンスを備えた地域の食材を活かした食品開発、ヘルスツーリズムの展開、食事改善プログラムや運動プロ
グラムの市場拡大
OKEIOSが広島で実証中
自治体(介護保険)向けサービス・ソリューション 個人向けサービス・ソリューション
九州大学疫学研究室では、久山研究を基にした疾病予測アプリを提供
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九州における次世代ヘルスケア産業戦略
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「Society5.0」時代における生涯現役社会の構築・実現に貢献する 地域ヘルスケア産業の創出2025年以降の次世代を展望し、九州地域において求められるヘルスケア領域に関して、AI、IoT等のテクノロジー活用等を通じて、産業化・ビジネス化を強力に後押しする。
遠隔医療 生活習慣病 認知症・フレイル
(1)医療・健康(費用・受益) (2)地理・集積(離島・中山間地域) (3)産業化・ビジネス創出(①データ・情報、②収益化、③時間軸・スピード) (4)地域モデル(①連携・合意形成、②知見・経験、③持続性・継続性)
●AI、IoT、ロボティクス、ゲノム解析、ドローン等、最新のテクノロジー等を活用したサービス、機器・システムの実証・実装化の支援
●データ・情報等の流通基盤整備を見据えたヘルスケアデータ等の利活用促進
●IoMT等、オープン・イノベーションの発想が促進可能な拠点の活用と支援
●大手や大学等のニーズ・シーズを起点とした新たなビジネス創出支援や課題の共有
●異分野グローバル企業との協業促進
●健康課題に対応しヘルスアップに貢献するフード・飲料や健康メニューの開発・支援(地域資源のヘルスケア分野への活用推進)
●インバウンドや観光ツーリズム資源を活用したヘルスケア・プログラム/サービス提供の促進
●高度なものづくり技術を保有する中小とグローバル・ヘルスケアメーカーとのマッチング支援
●拡大するアジア市場を見据えたビジネス・ネットワークの構築、サービス・介護等システム分野の市場展開の後押し
2025年を見据えた「ロードマップ」の共有
次世代ヘルスケア戦略:5つの柱
●ヘルステックベンチャーのスケール支援●「死の谷」克服に向けたリスクマネー供給の充実●「リビング・ラボ」や「アイデアソン」等を活用した住
民と協働・連携した課題解決・新価値創造●職域レベルの健康予防活動の醸成(「健康経営」)
4.地域資源活用とその融合地域に眠る資源の価値を活かした、異分野への融合展開
5.グローバル展開世界とつながり稼ぐビジネス支援とグローバルネットワーク構築
「牽引プロジェクト」の共有
1.テクノロジー活用「Society5.0」時代を見据えたデータ・情報流
通の利活用や技術革新の活用
2.オープン・イノベーション促進新たなアイデアの活用や協業に向けたオー
プン・イノベーションの促進
3.ヘルスケア・エコシステム構築ヘルステックベンチャーや新ビジネス創出と
循環に向けたエコシステムの構築
課 題
展 望(1) AI,IoTや最新の技術を活用し医療現場の生産性向上や地域社会の課題を克服が可能なヘルスケア先進地域(2) 「人生100年時代」に健康で楽しみながら生き切る、九州ならではのリソースを活用した多様なライフモデル(3) 異なる分野・領域・事項等との掛け合わせによる新たな価値創造や世界と結びついた産業づくり
着目する重点3分野
![Page 29: Society5.0時代における九州ヘルスケア産業の展望~...•佐賀県・佐賀大学と連携協定にて、AI・ドローンを活用したスマート農業ソリュー](https://reader033.vdocument.in/reader033/viewer/2022042310/5ed7c16e72825f520a2f15f7/html5/thumbnails/29.jpg)
九州における牽引プロジェクトマップ
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