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ストーリーテリングワークショップ資料 千葉工業大学 山崎和彦 UX TOKYO 脇阪善則 14th Jan 2012 at CIT Tsudanuma

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Handout of Storytelling workshop at CIT千葉工大で開催したストーリーテリングWSのハンドアウト資料ですhttp://kazkazdesign.blogspot.com/2011/12/blog-post_29.html

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Page 1: Storytelling workshop handout

ストーリーテリングワークショップ資料千葉工業大学 山崎和彦UX TOKYO 脇阪善則

14th Jan 2012 at CIT Tsudanuma

Page 2: Storytelling workshop handout

ストーリーテリング・ワークショップストーリーテリングとは、ある思いやメッセージを他者に伝える方法であり、ビジョンやコンセプトなどを共有・浸透する方法としてビジネスの分野で活用されていますが、デザインの世界でも、ユーザー情報の共有、アイデアの創出、アイデアの評価、ビジョンやコンセプトの共有方法として活用が期待されます。

今回は、「ユーザエクスペリエンスのためのストーリーテリング -よりよいデザインを生み出すストーリーの作り方と伝え方」という本を翻訳されたUX TOKYOのメンバーから楽天の脇阪さんを講師・アドバイザーとしてお招きして、最新手法をワークショップを通して学びます。

Page 3: Storytelling workshop handout

アジェンダ10:00-10:40 ストーリーテリングとは、脇阪善則(楽天)10:40-11:00 ワークショップの進め方、脇坂義則(楽天)、山崎和彦(千葉工大)11:00-14:30 ワークショップ(含む昼食)・ストーリーを聞いて、集める・ストーリーを構成を組み合わせて、作る・ストーリーを使ってアイデアを生み出す14:30-15:00 各グループの発表(ストーリーとアイデアを伝える)15:00-15:20 ストリーテリングの今後、山崎和彦(千葉工大)

Page 4: Storytelling workshop handout

ワークショップの流れ1. ストーリーとアイディアの組み合わせパタン①「モノのテーマ→モノのストーリー」から「モノのアイディア」=モノ×モノ②「モノのテーマ→サービスのストーリー」から「サービスのアイディア」=モノ×サービス③「サービスのテーマ→モノのストーリー」から「モノのアイディア」=サービス×モノ④「サービスのテーマから→サービスのストーリー」から「サービスのアイディア」=サービス×サービス

アネクドートを集める リアリーリスニングによってアネクドートを集める たくさんのアネクドート

アネクドートを選ぶ ストーリーを一つ選ぶ アネクドートを一つ選ぶ

ストーリーをクラフトする 選んだストーリーをストーリーの構造にあてはめる アネクドートを構造にあてはめる

ストーリーをクラフトする ストーリーにディテールを加える ストーリーにディテールを加える

ストーリーを伝える グループ内でストーリーをレビューする ストーリーをグループ内で共有

ストーリーを使う 完成したストーリーからアイディアを考える ストーリーからアイディアを出す

ストーリーを伝える WSの参加メンバー全員にアイディアを伝える アイディアを全体に共有

① グループワーク

② 個人ワーク

③ グループワーク

2. ワークショップの流れ

ストーリーからデザインアイディアを創出するパタンを、「モノ」と「サービス」の組み合わせで検証する

Page 5: Storytelling workshop handout

グループ 1 2 3 4

発想 ものから発想 ものから発想 ひとから発想 ものから発想

構造 英雄構造 その他の構造 英雄構造 その他の構造

提案 プロダクト提案 プロダクト提案 サービス提案 サービス提案

グループと課題

グループ 5 6 7 8

発想 ものから発想 ものから発想 ひとから発想 ものから発想

構造 英雄構造 その他の構造 英雄構造 その他の構造

提案 プロダクト提案 プロダクト提案 サービス提案 サービス提案

Page 6: Storytelling workshop handout

アクティブリスニングのためのTIPSTIPS 行動 やるべきこと

 関心を向ける・受け入れる 関心を持っていることを、相手に認識してもらう

○ 相手に対峙し、目をあわせる、うなずく。 × 相手のことを見ないでそわそわする。

 復唱する 相手の言語的なメッセージに反応する○ 確かめたいフレーズを繰り返し言う。 × 話題を変えてしまう。

 振り返る 耳にしたこと、感じたことについて振り返る

○ 言外のことに耳を傾ける。「つまりあなたは○○と感  じているんですね」などと答える。 × 相手のことを軽視する、ないがしろにする。

 解釈する 相手の気持ち、意味することについて解釈を与える

○ 相手に心を開き、話す内容を思い浮かべながら聞く × もうわかっていることとして決めつける

 要約する・統合する 話の焦点をあわせるために、気持ちや経験をひとつにまとめる

○ 簡潔かつ正確に、聞いたことを復唱する × 相手が話していることを詳細に説明してしまう

 フィードバックする 個人的な情報を開示しつつ、相手の考えや思いへ共感していることを伝える

○ 3秒待ってから、「あなたは○○と思ってるんです  ね」、「私は○○の時にそう思います」等と応える。 × 話の腰を折る、解決策を提供する、説教する、など。

 支持する ぬくもりや思いやりを示す○ 言外のこと(気持ち、表情、ジェスチャーなど)に注  意を払う。 × 先に相手の話の内容を判断して、対応を考え始める。

 聞いたことを確かめる 解釈や認識の妥当性について確かめる○ 「私はあなたが○○と言ってるんだとおもうのです  が」などと言って、自分の認識を確認する。 × 思い込みで判断したり自分で先に結論を出す。

 黙っている 相手に話す時間、考える時間を与える○ 相手の感じていることに理解・共感する。 × 沈黙を破って話しだす。自分のペースを相手に押し付  ける。

資料:ストーリーを集める1

Page 7: Storytelling workshop handout

インタビューの構成(例)1. あなたが話したい活動についての話題を築く質問から始める。

「○○をしたことがありますか?」※質問はオープンクエスチョン(「はい」「いいえ」で答えられる質問)から始める。

2. テーマが相手にどれだけあてはまっているのかを質問する。

「○○はよくどのようにしますか?」「なぜ○○しようと決めたのですか?」「会社や家でいつもすることを教えてください。」※この質問への標準的な回答を示唆してもよい。

3. 特定の事例について考えてもらう。

「最近○○をしたのはいつですか?」

4. 特定の出来事が頭に浮かんだら、その状況を繰り返して、正しく理解する。

「そのことについて教えてください。」

資料:ストーリーを集める2

Page 8: Storytelling workshop handout

リスニング記入例資料:ストーリーを集める3-1

プラグマティックペルソナ:ジミープラグマティックペルソナ:ジミープラグマティックペルソナ:ジミーデモグラフィクス・20代半ば・どこかの大学生・自宅でウェブを利用している・造園家として働いている

安心してオンラインバンキングを利用することは難しいが、オンラインショッピングで買い物することはできるだろう。スポーツの試合結果をみるためにウェブを利用する。ホテルをオンラインで予約したことがある。新しいことはウェブで検索して調べる。

コメント・引用・ストーリーコメント・引用・ストーリーコメント・引用・ストーリー・私はただ、これを自分のホームページとして使います。何故ならウェブでサインアップした時に、そのページが表示されるからです。・ストーリー:彼の妹は、インターネットで誤って自分が欲しいものとは別のものを購入してしまった。彼女はこの注文をキャンセルしようとしたが、できなかった。店舗の方は彼女の返品を受け付けようとはしなかった。そこで彼女は最終的にその商品の代金をクレジットカードで支払った。それはさほど高い買い物ではなかったが、家族は皆、彼女からこの悲惨な話を聞かされている。そして長い間、ジミーをオンラインショッピングから遠ざけている。・試合結果を控えておくのに、ESPNを使っている。友だちは携帯電話にスコアを送るのに”何らかのツール”を使っていて、ジミーもそれを使いたいと思っている。・YouTubeが大好きで、友だちと”おバカ”なビデオをたくさん観ている。

・私はただ、これを自分のホームページとして使います。何故ならウェブでサインアップした時に、そのページが表示されるからです。・ストーリー:彼の妹は、インターネットで誤って自分が欲しいものとは別のものを購入してしまった。彼女はこの注文をキャンセルしようとしたが、できなかった。店舗の方は彼女の返品を受け付けようとはしなかった。そこで彼女は最終的にその商品の代金をクレジットカードで支払った。それはさほど高い買い物ではなかったが、家族は皆、彼女からこの悲惨な話を聞かされている。そして長い間、ジミーをオンラインショッピングから遠ざけている。・試合結果を控えておくのに、ESPNを使っている。友だちは携帯電話にスコアを送るのに”何らかのツール”を使っていて、ジミーもそれを使いたいと思っている。・YouTubeが大好きで、友だちと”おバカ”なビデオをたくさん観ている。

お気に入りのページ・ISP・ヤフー・ESPN・Travelocity / Expedia・YouTube・WebMD・SportsAuthority

・私はただ、これを自分のホームページとして使います。何故ならウェブでサインアップした時に、そのページが表示されるからです。・ストーリー:彼の妹は、インターネットで誤って自分が欲しいものとは別のものを購入してしまった。彼女はこの注文をキャンセルしようとしたが、できなかった。店舗の方は彼女の返品を受け付けようとはしなかった。そこで彼女は最終的にその商品の代金をクレジットカードで支払った。それはさほど高い買い物ではなかったが、家族は皆、彼女からこの悲惨な話を聞かされている。そして長い間、ジミーをオンラインショッピングから遠ざけている。・試合結果を控えておくのに、ESPNを使っている。友だちは携帯電話にスコアを送るのに”何らかのツール”を使っていて、ジミーもそれを使いたいと思っている。・YouTubeが大好きで、友だちと”おバカ”なビデオをたくさん観ている。

・私はただ、これを自分のホームページとして使います。何故ならウェブでサインアップした時に、そのページが表示されるからです。・ストーリー:彼の妹は、インターネットで誤って自分が欲しいものとは別のものを購入してしまった。彼女はこの注文をキャンセルしようとしたが、できなかった。店舗の方は彼女の返品を受け付けようとはしなかった。そこで彼女は最終的にその商品の代金をクレジットカードで支払った。それはさほど高い買い物ではなかったが、家族は皆、彼女からこの悲惨な話を聞かされている。そして長い間、ジミーをオンラインショッピングから遠ざけている。・試合結果を控えておくのに、ESPNを使っている。友だちは携帯電話にスコアを送るのに”何らかのツール”を使っていて、ジミーもそれを使いたいと思っている。・YouTubeが大好きで、友だちと”おバカ”なビデオをたくさん観ている。

ニーズ:慣れ親しんだサイトでする様に”失敗すること”を恐れない様にしたい。

Page 9: Storytelling workshop handout

リスニング用テンプレート資料:ストーリーを集める3-2

プラグマティックペルソナ:プラグマティックペルソナ:プラグマティックペルソナ:

写真・イラストあるいは説明書き

デモグラフィクス・年齢・性別・仕事・その他

この人物を特定するのに役に立つ属性や役割、仕事などに関する情報

コメント・引用・ストーリーコメント・引用・ストーリーコメント・引用・ストーリー有用な引用、観察したこと、短い簡易的なストーリーなど有用な引用、観察したこと、短い簡易的なストーリーなど 行動やタスクの分析:訪問したサイト、完了したタス

ク、など有用な引用、観察したこと、短い簡易的なストーリーなど有用な引用、観察したこと、短い簡易的なストーリーなど

ニーズ:最も重要なユーザビリティや機能に関するニーズ

Page 10: Storytelling workshop handout

ストーリーの選択基準資料:ストーリーを選ぶ

‣複数の人から聞いたストーリー-複数の人が同じ様なストーリーを話していたら、重要なことである可能性が高い

‣詳しい行動を述べたストーリー-出来事を最初から最後まで説明したストーリーは、利用状況の理解に役立つ

‣ユーザーを理解しやすくするストーリー-コンテクストの情報は登場人物を理解する(When, How, Whyなど)のに役立つ

‣UXチームの興味を惹くストーリー-自分やプロジェクトチームが興味のあるテーマに関するストーリーは興味深い

‣意見を覆すが、説得力のあるストーリー-新しいデザインの方向性やデザインへのニーズを教えてくれる

Page 11: Storytelling workshop handout

ストーリーの要素一覧資料:ストーリーをクラフトする1

‣視点-ストーリーが語られる視点、ストーリーの設定、経験者の視点、客観的な視点、など-視点を加える方法:メインキャラクターに話をさせる、ナレーション形式で進める、予想外の状況やコンテクストをつくる

‣キャラクター-ストーリーの登場人物、ユーザーという捉え方に具体性や質感を与えてくれる、役割ではなく動機や目的、好みを表現する-意味のあるディテールを選ぶ、形容(伝える)ではなく行動(表す)、伏線(つかみ)を張る、想像の余地を残す

‣コンテクスト-物理的コンテクスト:時刻、時期、季節、場所、場所の大きさ、など-情緒的コンテクスト:うれしい、悲しい、怒っている、すねている、など-知覚的コンテクスト:世界の見え方、どんな音がするのか?どんな臭いがするのか?質感はどんな感じか?-歴史的コンテクスト:ある時代の出来事(iPhoneが発売した時...)や時代背景(まだケータイでウェブをみる人は少なく...)-記憶コンテクスト:過去への個人的な結びつきへの振り返り(まだ子供の頃...、30年前には...)

‣心的イメージ-(映像、画像、言葉などによる)視覚的なイメージ、オーディエンスに余地を残すために具体的になり過ぎない様にする-その場の情景を思い浮かべることができるコンテクストやキャラクターのディテールが心的イメージとなる

‣言葉づかい-ストーリーの話し方と進め方:キャラクターのことば使いで話す、要点をしぼって話す、オーディエンスにあった話し方をする

Page 12: Storytelling workshop handout

ストーリーのパタン一覧資料:ストーリーをクラフトする2

‣英雄的構造-神話や民話にで使われてきた英雄が旅する要素を用いた構造

‣規範的構造-穴埋めでストーリーを作ることができる構造化されたテンプレート

日常の世界

冒険の世界

冒険へのきっかけ

はじまりと試練

日常世界への帰還

目的の達成

世界の境界線

‣なじみのあるものから見慣れないものへ-オーディエンスが慣れ親しんでいる心地よい話から始め、次第に新しい見慣れない話を展開していく構造

‣フレーム化-はじまりと終わりが似たような構造のストーリー

Page 13: Storytelling workshop handout

ストーリーのパタン:英雄的構造資料:ストーリーをクラフトする2

‣英雄的構造-英雄的構造は以下の4つのステップから成り立っています•冒険へのきっかけ:日常世界からはじまり、冒険へと誘われます•儀式や試練:儀式や試練に突き当たり、それを仲間と共に克服します•目的を達成する:冒険の目的を果たすことにおより目的を達成します•帰還する:冒険により成長した主人公は、日常世界に帰っていきます

日常の世界

冒険の世界

冒険へのきっかけ

はじまりと試練

日常世界への帰還

目的の達成

世界の境界線

例:バスを待つ  [アクションへの呼びかけ]氷雪の中で作業させられることほど気の滅入るものはありません。公共の交通機関を使うときは特にそうです。[拒絶]サンドラは毛布を頭までかぶって、病欠の電話をしようかどうかを考えていました。自分がどれだけ雪を好きじゃないかを考えながら、ラジオの広告を聞いていたのです。何十回も聞いたことがある広告でしたが、ちゃんと聞いたのはこれが初めてでした。 [超自然的な]「RideFindがあれば」、「バスが今どこにいるのか、二度と考える必要はないでしょう。」と、広告は説明していました。[冒険を受け入れる]「そうよ」、彼女は思った。「これを試す時がきたんだわ。」 [儀式と試練]一時間後、彼女は起き上がり、着替えて出発の準備をしました。[試練]外に出ると、彼女の家の玄関の両側に雪がかき分けられ、山のように積上っていました。[試練]歩道を歩いていると、地面が凍っているせいで滑って転んでしまいました。彼女は地面に尻餅をつきながら、玄関を物欲しそうに眺めて思いました。今なら無事に家に帰って、病欠の電話ができるのです。[試練]彼女は立ち直りながら、1台のバスがゆっくりと通り過ぎて行くのを見ました。彼女が乗る路線のバスでしょうか?それとも違うバスでしょうか?これは、RideFindの番号を試すのにちょうどよいタイミングに思えました。[試練]彼女はバス停の標識があるポールの前に滑り込み、標識から雪を払って、ラジオ広告が言う通りに停留所の番号を見つけました。 [目標の達成]そこで彼女は携帯を取り出しました。そして、手袋を外しました。番号を打って…返事が来るのを待ちます。この時もしバスが15分以上来なかったら、引き返して家に帰っていたでしょう。数秒後、さっそく返信が来ました。[帰還(暗黙的)]バスはあと10分で到着するそうです。 [知識を利用する]彼女が待っている間に他にも人が来たので、サンドラはよい知らせを教えてあげました。[解決]その朝、二人とも無事仕事に間に合いました。

Page 14: Storytelling workshop handout

ストーリーのパタン:規範的構造資料:ストーリーをクラフトする2

‣規範的構造-論理的な文法構造よりも上の概念で構成されているシンプルな穴埋め式アプローチ-例)前提条件Xにおいて、もしYならば、Zである→このXやY,Zに当てはまる要件を明らかにする-ダン・ノースが提唱する”ビヘイビア駆動型開発”では以下の規範的構造を使う(穴を埋める時にはどんな結果を用いてもよい)•タイトル•前提(コンテクスト)•そして(追加のコンテクスト)•いつ(イベント)•それから(結果)•さらに(もうひとつの結果)

例:幸せのための製品  [前提]ジョンは、General製品をかれこれ3年は使っています。[さらに]彼は、この期間で、この製品の充電頻度や、最もよく使うお気に入りの2つの機能にたどり着くためのメニューの操作方法を学習しました。 [いつ]ある日、ジョンは、自分が気に入ってる2つの機能を完備していて、しかもずっと使いやすいAcme製品の広告を見つけました。[そして]ジョンは長い間、その製品の機能性や使いやすさについて考えた後、お店で実際に触ってみることにしました。検討した結果、彼はAcme製品を購入することにしました。[結果]さらに嬉しいことに、Acme製品の値段は、今使っている製品の半分しかしませんでした。

Page 15: Storytelling workshop handout

ストーリーのパタン:なじみのあるものから見慣れないものへ

資料:ストーリーをクラフトする2

‣なじみのあるものから見慣れないものへ-オーディエンスを旅に連れ出し、最初は見慣れた心地よいものから始まり、次第に親しみのない新しいものが登場する-見慣れたものと不慣れなものを比較したり、見慣れた世界の中で新しい何かを説明しながら、オーディエンスを徐々に新しい世界に引き入れていく

例:日本の弁護士[なじみのある話]米国の巨大電気メーカーのために働いている弁護士は、出張で日本へと旅立った。彼はポケットベルを持っていたので、オフィスの誰かが彼に連絡をとりたい時は、彼のポケットベルの直通番号をダイアルし、コールバックして欲しい番号を打ち込むだけでよかった。ダイヤルすると、彼は数秒以内にメッセージを受け取ることができた。世界中の医師や会社の重役、そして彼のような弁護士が同様にポケットベルを使っていた。彼は、自分と同じようなニーズを持っている日本の消費者のために、日系企業と交渉し、彼の会社の相当数のポケットベルの取引をうまく進めたいと望んでいた。

[不慣れな価値観への移行]日本での最初の夜、彼はクライアント企業の重役たちと夕食を共にした。彼は今まで一度も床に座って食事をしたことは無かった。分厚いカーテンのような煙草の煙を通して、年配の重役が、いつ飲むか、いつ話すかといった、次にすることを合図してくれた。重役のトップは、風味や柔らかさで有名な、神戸牛のステーキを注文するよう、彼に勧めた。彼は喜んでそのステーキを注文した。

[さらに慣れないものへ]彼はそれまで日本が蓄牛の国だとは思っていなかったので、その肉の産地がどこなのかを丁重に質問した。すると、この肉の産地は兵庫県産だという答えが返ってきた。同時に、神戸では蓄牛は放牧地と共に細心の注意を払って育てられていることも教えられた。そこでは、神戸牛の世話をするためにたくさんの人が雇われている。牛たちは毎日確実に放牧用の土地に出て、特別に調合された餌を食べ、マッサージを受けるために小屋にもどるように飼育されている。彼はモンタナ州の蓄牛の盛んな地方の出身だったので、蓄牛に関する飼育方法はいくらか知っていたが、蓄牛のマッサージなど聞いたこともなかった。

[見知らぬものに飛び込む]彼は、その企業がそれまで牧場主に向けてポケベルのマーケティングをしたことがあるかどうか聞いた。軽くクスクス笑いながら、「いいえ。牧場主は医者や弁護士のようじゃありませんから。」と答えた。そこで弁護士は「牧場主自身のためではなく」と切り出した。「蓄牛用です。牛たちはビープ音に反応して、餌にもどってくるように訓練することができます。それぞれの畜牛にポケベルを付ければ、牛たちは自分たちは自力で戻ってくることができるので、牧場主の作業を削減することができるでしょう。

[解決]経営者らは、このとても型破りな提案に最初は面食らっていた。しかしその後、この提案について考え、良いチャンスであると理解した。販売契約は次の日に締結された。

Page 16: Storytelling workshop handout

ストーリーのパタン:フレーム化資料:ストーリーをクラフトする2

‣フレーム化-ストーリーにフレーム(骨組み)があると、ストーリーは同じ場所で始まり同じ場所で終っているように見えます-同じフレームを使うことでストーリー内ストーリーが同じ様に見える反面、違いもわかりやすくなります-始まりと終りを同じフレームにして途中に違うフレームを挟みます:「今−あの頃−今」、「私−彼ら−私」、「ここ-そこ-ここ」

例:携帯でメールする[そこ]地元に戻って誰かに会いたいと思った時、私たちはお互いのスケジュールを調整して会います。誰もEメールなんて使いませんでした。単にお互いが携帯メールでやりとりすれば、何とかなったのです。彼らが急に終日忙しくなったり、逆に私が忙しくなったりすることもあるのですが、そんな時もSMSで連絡を取り合って、互いのスケジュールの隙間を見つけていました。[ここ]しかしアメリカでは違いました。「9時に会いましょう」といったら、それでおしまい。予定は変更できないのです。この習慣に慣れるのは大変でした。もし私が忙しくなったらどうすればいいのでしょうか?あるいは彼らが忙しくなったらどうするのでしょうか?しかしそんなことはお構いなく、9時に会うと言ったら9時でした。私はアメリカにいるのは好きですが、時間があれば地元に帰っていました。[そこ]地元に戻るといつも、昔の方法でスケジュールを調整します。「会いたい?明日会おうよ。僕の携帯にメールしてね。」、と。

例:執筆のメカニズム[フレーム]本の執筆に取りかかる時、私は机に座り、コンピュータの電源を入れ、いつも使ってるフォルダにアクセスし、ドキュメントファイルを開きます。すると、いつも使っているワープロソフトが起動するので、最後に保存した箇所までスクロールでたどり着き、作業していた箇所を眺め、ホイットニーが文章中に記入したコメントや変更箇所をチェックしてから、書く内容を考え始めます。[フラッシュバック]私がテクニカルライターとしてコンピュータ産業で働き始めた1980年代では、出社するとまず机につき、DECstationコンピュータを起動し、ドライブの特定のディレクトリにアクセスし、アプリケーションとドキュメントを開いてました。そして、自分が最後に作業していた箇所まで画面をスクロールすると、ようやくこれから書く内容を考えて始めることができました。25年前に望んでいたことは、この執筆プロセスがもっと簡単にならないかなということでした。今日では、いくつかのメカニズムは当時よりも随分と簡単になりました。DECstationは、マックよりもスクロールするのが面倒でした。今ではSCADS(アナログとデジタルを組み合わせたシミュレーションシステム)を使えば、以前よりも簡単にテキストやドキュメントを検索したり見つけたりすることが出来ます。[フレーミングの完了]メカニズムは当時に比べて簡単になりましたが、それらは執筆プロセスの最も些細な部分でしかありません。従って、四半世紀経った今でも、何か書こうと思って椅子に座った時、私は自分の考えをリマインドさせなければいけません。メカニクスについては心配するな、まず始めに考えろ、メカニクスはあとで考えろ、なのです。

Page 17: Storytelling workshop handout

横に並べる

構造(英雄構造、その他の構造を利用)

サークルに並べる

Page 18: Storytelling workshop handout

リアリーリスニングによって抽出したストーリーのポイントを、ポストイットに書き出していきます。

発想 人から発想 モノから発想

ポイント

マテリアルを見ながら、「マテリアルから、受ける印象や想像する体験」を各自がストーリーを語る。

携帯電話を使った、「うれしい体験」のストーリーを各自が語る。

発想のポイント

Page 19: Storytelling workshop handout

ストーリーテリングを使って、プロダクトやサービスの提案を行います。

提案 プロダクトの提案 サービスの提案

ポイント

携帯電話や携帯電話サービスに関連するプロダクトの提案をする。プロダクトの提案は、どのようなプロダクトであるか、ストーリーによって提案する。

携帯電話をサービス提案する。サービスの提案は、どのようなサービスであるか、ストーリーで提案する。

提案のテーマ

Page 20: Storytelling workshop handout

以下の2タイプのオーディエンスのうちどちらかを選んでストーリーをプレゼンテーションしてください。

オーディエンス 関係(知識) ストーリーに必要なこと

企画担当者

商品やサービスを提案する先の企業の企画担当者

商品やサービスに関する知識はある。デザイン、人間中心、ストーリー、シナリオなどの知識はない。

プレゼンする人が。企画担当者のことを理解していること。商品やサービスが、ビジネス的に成功すること。

利用者

提案する商品やサービスを購入して、利用する人

商品やサービスに関しては一般的な知識しかない。デザイン、人間中心、ストーリー、シナリオなどの知識はない。

プレゼンする人が、利用者のことを理解していること。商品やサービスが、利用者にとってどのようなよい点があるかということ。

プレゼンテーションのターゲット

Page 21: Storytelling workshop handout

ストーリーの伝え方資料:ストーリーをクラフトする3

‣文書のストーリー-ストーリーを適切な長さに保つ-コンテクストなどを使ってストーリーを明瞭にする-不必要な説明や補足コメントは省略する-ストーリーの話者を決める(視点を決める)-ストーリーのポイントを明確にする、結論もストーリーに組み込む

‣ビジュアルストーリー-イラストや写真を使ってストーリーを補足する(オーディエンスにあなたが思う様なビジュアルを描いてもらう)-ストーリーボード:ディテールを明示的に表現することでディテールを解釈しやすくする、アイディアを伝える-ビジュアル:一枚のビジュアルでディテールも全体像も見せることができる

‣オーディエンスサーフィン-プレゼンテーションではオーディエンスをうまく巻き込む-オーディエンスと対話する:質問を投げかける、オーディエンスにストーリーの一部を語ってもらう

‣ストーリーの話し方-プレゼンテーションペーシング:エキサイティングなところは速く、ゆったりした場面はゆっくりと-ナラティブのペーシング:ストーリー展開のこと、実際は一瞬の出来事に時間を割いたり、逆に重要でないところはさっと流す-上手くないうちはアクセントや抑揚は控える、迷ったときは簡潔にまとめる、沈黙を恐れず「間」を上手く使う

UXの担当者 オーディエンス

ストーリー

Page 22: Storytelling workshop handout

ありがとうございました。

Contects:Kazuhiko [email protected]://kazkazdesign.blogspot.com/FB: kazuhiko yamazakitwitter @designkaz

Yoshinori [email protected]: yoshinori wakizakatwitter @wackiesrock