table of contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfknowledge ---...

25
Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] Table of Contents. 塑性加工油とは?(役割と性能について) 塑性加工について 塑性加工油とは? 塑性加工油の役割について 塑性加工油に必要とされる性能ついて 各種塑性加工と加工油剤について 圧延加工と加工油剤について 押出し加工と加工油剤について 引抜き加工と加工油剤について 鍛造加工と加工油剤について プレス加工と加工油剤について 無洗浄プレスついて フィンプレス加工油剤について フィンプレス加工油とは? フィンプレス加工油の変遷 フィンプレス加工油に求められる性能 フィンプレス加工工程について 冷間鍛造について 冷間鍛造加工とは? 鍛造の長所と短所 ホーマー(フォーマー)について ネジの作り方について 冷間鍛造(ホーマー)加工油について 冷間鍛造関連用語集 - Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Upload: others

Post on 20-Apr-2020

6 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

Table of Contents.

塑性加工油とは?(役割と性能について) ◆ 塑性加工について ◆ 塑性加工油とは? ◆ 塑性加工油の役割について ◆ 塑性加工油に必要とされる性能ついて

各種塑性加工と加工油剤について ◆ 圧延加工と加工油剤について ◆ 押出し加工と加工油剤について ◆ 引抜き加工と加工油剤について ◆ 鍛造加工と加工油剤について ◆ プレス加工と加工油剤について ◆ 無洗浄プレス油について

フィンプレス加工油剤について ◆ フィンプレス加工油とは? ◆ フィンプレス加工油の変遷 ◆ フィンプレス加工油に求められる性能 ◆ フィンプレス加工工程について

冷間鍛造について ◆ 冷間鍛造加工とは? ◆ 鍛造の長所と短所 ◆ ホーマー(フォーマー)について ◆ ネジの作り方について ◆ 冷間鍛造(ホーマー)加工油について ◆ 冷間鍛造関連用語集

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 2: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

塑性加工油とは?(役割と性能について)

塑性加工について

加工方法に関するページに於いても述べましたが、塑性加工とは金属などの材料に弾性力を超える

大きな力を加えることで、曲げたり、伸ばしたり、圧縮して、永久に変形させること、即ち塑性変形させ

る事によって目的の形を得る加工方法です。 塑性加工に於けるメリットとしては、 ◆ 精度が高く、均一な製品を安価に大量生産できる ◆ 切屑がほとんどでない為、材料の無駄が少ない事 ◆ 加工で材料を硬く、剛性を増し、比較的軟らかい材料でも軽量で丈夫な製品を作れる事 などが挙げられ我々の物周りの多くの製品製造に用いられている加工方法です。

精度が高く、均一な製品を 安価に大量生産できる

切屑がほとんどでない為、

材料の無駄が少ない事

Recycle

Products

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 3: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

塑性加工油とは?

塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても その種類は多岐に及ぶ為、日本工業規格においても規格されていません。その種類は、油剤タイプ

では加工後に乾燥消滅してしまう「乾燥タイプ」から「潤滑油タイプ」「極圧タイプ」「固体潤滑剤含有 タイプ」まであり非常に幅も広く、更には油剤ではない「潤滑処理皮膜」「個体潤滑剤」「ペースト」など

もあります。

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 4: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

塑性加工油の役割について

塑性加工油の役割としては、「材料と工具間の摩擦を低減し、工具の摩耗、焼き付きを防止する事」

「加工に要する力を低減し、成形しやすくする事」「工具を冷却し、寿命を延長する事」「製品の防錆 及び防食」などがあげられます。

す~ す~ ストン シャキン

グゥ~ ガキッ ボロッグゥ~

ガリガリ ガリガリ ガリガリ ガリガリ

モクモク

潤潤滑滑有有りりのの場場合合

潤潤滑滑無無ししのの場場合合

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 5: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

塑性加工油に必要とされる性能ついて

では、具体的に「塑性加工油剤」にはどの様な性能が求められるのでしょうか? 次の様な性能が考えられます。 潤滑性に優れること 冷却性がよいこと 焼き鈍しで、変色、オイルステインを生じないこと 防錆、防食性がよいこと 脱脂性がよいこと 人体及び、環境に対して優しいこと

ススルルススルル~~

良良好好なな潤潤滑滑性性!!

良良好好なな冷冷却却性性!! ふぅ~ ヴゥ~

ガリガリ ガリガリ

モクモク

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 6: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

洗洗浄浄 ((脱脱脂脂))

加加工工油油塗塗布布

塑塑性性加加工工

良良好好なな脱脱脂脂性性

ワーク ステイン

スステテイインン・・変変色色防防止止!!

Page 7: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

ワーク 加工品

良良好好なな防防錆錆性性!!

作作業業者者やや環環境境にに優優ししいい

Page 8: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

各種塑性加工と加工油剤について

圧延加工と加工油剤について

このページでは、各種塑性加工に於ける加工油剤の概要について触れていきたいと思います。

板板材材圧圧延延 形形材材圧圧延延

素材鋼

アルミ

鉱油に極圧剤、乳化剤等を配合しエマルジョン化した油剤。

低粘度鉱油に油性剤を配合した油剤。焼き鈍し(350~400℃)で分解するもの。

アルミとほぼ同様。 アルミと同様。鉱油に油性剤等を配合し、エマルジョン化した油剤も使用される。

加圧水流中に鉱油、油性剤、極圧剤を配合した油剤を分散したもの、又は、鉱油、脂肪酸、乳化剤を配合しエマルジョン化した油剤。

熱間圧延油

油性剤を温水に強制的に分散させたもの。循環給油には油脂に極圧剤、防錆剤を配合しエマルジョン化した油剤。

冷間圧延油

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 9: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

押出し加工と加工油剤について

前方押出し 後方押出し

丸丸棒棒のの押押出出しし

中中空空製製品品のの押押出出しし

前方押出し 穴あけ

熱熱間間押押しし出出しし油油((剤剤)) アルミ、鉛、亜鉛には一般に潤滑剤は使用されない。銅、銅合金に 対しては鉱油、グリースに黒鉛を配合したものを使用する。 鋼に対してはガラス粉末を潤滑剤とし、溶けたガラスの成分が被膜を 形成し潤滑効果を与える。

冷冷間間押押しし出出しし油油 鉱油に、油性剤、極圧剤、グラファイトを単独又は、組み合わせて 配合したもの。

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 10: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

引抜き加工と加工油剤について

空空引引きき 芯芯金金引引きき

乾乾 式式 ステンレスやチタン合金の引き抜きに使用される。 潤滑剤としては粉末状の金属石けん、黒鉛(グラファイト)、 二硫化モリブテン、石灰の他、化成皮膜処理(リン酸塩、シュウ酸塩)、 皮膜処理(ポリ塩化ビニール他)がある。

湿湿 式式 銅やアルミ、鋼の引き抜きに使用される。銅、アルミには鉱油に 油性剤、ポリマーを添加したものや、水溶性のエマルジョン、 ソルブルが使用される。鋼(ステンレス)には、鉱物油に油性剤、 極圧剤を添加したものが使用される。

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 11: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

鍛造加工と加工油剤について

自自由由鍛鍛造造

伸伸ばば 据据ええ込込みみ せせぎぎりり ひひろろげげ

曲曲げげ穴穴抜抜きき 切切 断断

型型 鍛鍛 造造

製製製 品品品

ワワワーーーククク

熱熱間間((温温間間))鍛鍛造造油油 黒鉛等の固体潤滑剤を水又は、鉱物 油、鉱物油に油性剤を配合 したものに分散させたもの。

冷冷間間鍛鍛造造油油((潤潤滑滑剤剤)) ((11))化化成成皮皮膜膜処処理理

素材表面をリン酸塩、シュウ酸塩被膜処理し、金属石けんを付ける。

((22))不不水水溶溶性性

鉱油に油性剤、極圧剤等を単独又は、組み合わせて配合したもの。

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 12: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

プレス加工と加工油剤について 曲げ加工・剪断加工・絞り加工については、同じタイプの加工であり使用する加工油剤も類似した タイプのものが多い事から、プレス加工という括りで一つに纏めて話しを進めたいと思います。

剪剪断断加加工工

曲曲げげ加加工工

絞絞りり加加工工

必要な性能に応じ、鉱油に油性剤や極圧剤、固体潤滑剤を単独 又は、組み合わせて配合した油剤

厚厚板板のの精精密密打打ちち抜抜きき 油油性性剤剤++極極圧圧剤剤

かかじじりりのの激激ししいい加加工工 鉱鉱油油++油油性性剤剤

++極極圧圧剤剤 ++固固体体潤潤滑滑剤剤

難難加加工工材材のの打打ちち抜抜きき、、深深絞絞りり 鉱鉱油油++油油性性剤剤++極極圧圧剤剤

薄薄板板のの打打ちち抜抜きき、、軽軽絞絞りり 鉱鉱油油++油油性性剤剤 難難易易度度 易易

難難

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 13: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

無洗浄プレス油について

無洗浄プレス油は、フロン等オゾン破壊物質(ODS)の、代替洗浄技術対策の、比較的コストの かからない方法として開発使用されてきています。 洗浄作業の省略又は、簡素化が図れる一方、潤滑性に乏しい為、薄板の打ち抜き、曲げ、浅絞りと 使用用途が限定され電気、電子産業など比較的重加工の少ない分野を中心に使用が拡大されて きています。

プレス加工

加工油剤付着状態 加工油剤付着状態

洗 浄

ブロー(乾燥)

ブロー(乾燥)

普普通通ププレレスス油油 無無洗洗浄浄ププレレスス油油

無無洗洗浄浄ププレレスス油油

メメリリッットト ・加工後の洗浄が必要ない→工程簡素化・無汚染 デデメメリリッットト ・低粘度で潤滑性が乏しい→重加工は困難

加工用とが限定される! →薄板などの打ち抜き・曲げ・浅絞り

主主用用途途 ・熱交換機部品(フィンプレス) ・電気・電子産業用部品

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 14: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

フィンプレス油について

フィンプレス加工油とは?

このページでは、無洗浄プレス油剤に於ける代表的な加工であるフィンプレス加工の概要について 触れていきたいと思います。

フィンプレスとは、熱交換機やラジエターなどに使用されるアルミの放熱フィンを製造するプレス 加工の事を云います。 空調機の製造工程において、熱交換器用のアルミフィンは、プレス加工後、フィンの表面に付着して

いるプレス油を除去するため、従来はフロン系または塩素系溶剤で洗浄されていました。 しかし、フロン系および塩素系溶剤は、物理的・化学的性質などの面から優れた溶剤ですが、この化

合物がオゾン層を破壊することが解り、地球規模の環境破壊から地球を守るため、製造が中止されま

した。(塩素系溶剤は毒性の為、規制を受けるが使用は可能) 空調関係業界において、プレス油を揮発性にし、加熱により蒸発させることにより洗浄工程を省略し

ようとする計画が進みました。 現在、アルミフィンプレス油と呼ばれている油剤は、上記のような観点から、アルミフィン材に対して加

工性が良く、残油量が非常に少なく、加温により乾燥すること等が必須条件となっています。

加加 工工 (従来は油性タイプの

加工油剤を使用)

洗洗 浄浄 ハロゲン系洗浄剤を 使用

組組立立てて

過過 去去

加加 工工 (従来は無洗浄タイプ

の加工油剤を使用)

乾乾 燥燥 乾燥炉を使用して 乾燥

組組立立てて

現現在在のの主主流流

環環境境問問題題

↓↓ 洗洗浄浄剤剤のの

使使用用規規制制

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 15: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

フィンプレス加工油の変遷

次にフィンプレス加工油剤の変遷について簡単に紹介したいと思います。

従従来来のの加加工工油油 油性タイプ 40℃動粘度:

15mm2/s 以上

低低粘粘度度油油剤剤 油性タイプ 40℃動粘度:

10mm2/s 以下

低低粘粘度度化化 持ち出し量の削減や洗浄性 の向上を目的として低粘度化

が図られました。

無無洗洗浄浄ププレレスス油油剤剤 ((乾乾燥燥性性油油剤剤)) 40℃動粘度:

1~3mm2/s 程度 乾燥炉にて完全乾燥

加加工工性性優優先先油油剤剤 ((半半乾乾燥燥性性油油剤剤)) 40℃動粘度:

2~5mm2/s 程度 乾燥炉にて完全乾燥 (温度高め) 洗浄も一部併用

専専用用化化油油剤剤 銅パイプの拡管などの 専用油剤化

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 16: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

フィンプレス加工油に求められる性能

成型性能<Formability> ◆ 良好な潤滑性能 ◆ 添加剤の質と量 ◆ 親水性

腐食抑制 <Anti-Corrosion> ◆ アルミ材との相性 ◆ アルミコート材との相性 ◆ 銅管の腐食

安全性<Safety> ◆ 低刺激性(皮膚) ◆ 高引火点 ◆ 低臭気 ◆ 低ミスト性

乾燥性<Rinse Free> ◆ 揮 発 性 の 基 油

(乾燥性良好) ◆ 揮 発 性 の 潤 滑 剤

(残差の防止) ◆低粘度

上記のチャートは、フィンプレス加工油剤に必要とされる性能を表に示したものです。 何れの性能も不可欠な性能ではありますが、全てがバランスよく具現されている事が最も重要となり ます。

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 17: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

フィンプレス加工工程について

最後になりましたが、フィンプレス加工の工程について簡単に紹介したいと思います。

検 査 及び

組み立て

工程へ

乾 燥 炉

100~200℃

乾乾燥燥工工程程

銅銅管管接接合合工工程程 銅銅管管組組込込みみ工工程程 ベベンンデディィンンググ工工程程

ププレレスス工工程程

アアルルミミフフィィンン材材ロローールル

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 18: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

ププレレスス工工程程のの詳詳細細

PPiieerrccee--BBuurrrriinngg

IIrroonniinngg NNoo..11

IIrroonniinngg NNoo..22

FFllaarriinngg

1’st Drawing

22’’nndd DDrraawwiinngg

33’’rrdd DDrraawwiinngg

44’’tthh DDrraawwiinngg

PPiieerrccee--BBuurrrriinngg

FFllaarriinngg

Draw less Type

Draw Type

ドローレス加工 特徴としては少ない工程でフィン部の立ち上げ可能で非常に効率の良い加工であるといえます。 比較的、新しく考案された加工方法ですが、現在のフィンプレス加工の主流をなしている加工方法 です。 ドロー加工 この加工方法は昔より行われてきている老舗的な加工法であり、ドローレス加工に比較すると若干 多くの工程を必要としますが今も多く利用されている加工方法です。

Page 19: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

冷間鍛造について

冷間鍛造加工とは?

まず、始めに「冷間鍛造加工とはいかなる加工であるのか」という事から触れていきたいと思います。

加工方法のページに於いても触れましたが、 鍛造加工とは、材料に圧縮力を与えて加工する加工方法で加工を行う温度により、熱間鍛造・冷間 鍛造・温間鍛造加工に分類できます。

各各鍛鍛造造加加工工にに於於けけるる比比較較

冷冷 間間 温温 間間 熱熱 間間

加加工工のの難難易易度度 難難 易易

寸寸法法精精度度 良良 悪悪

仕仕上上ががりり品品のの 表表面面状状況況 良良 悪悪

加加工工温温度度 低低 ((室室温温)) 高高

総評すると 熱間鍛造加工はワークの温度を結晶化温度以上に上げて加工を行う事から、加工の自由度が高く 大きなワークについての加工も可能であるが、温度低下時の表面スケールの発生や温度による歪み

の発生など精密な仕上げには不向きである。 対して冷間鍛造は、室温にて加工を行う事から加工の難易度は高くなり大きなワークの加工などは 不可能であるが、高い寸法精度と良好な仕上がり表面を得る事が出来る。 と云う事が出来ます。

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 20: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

鍛造の長所と短所

◆◆ 長長 所所 ① 大量の製品を高精度に、高速度で、かつ低コストにつくることができる。 ② 加工により強度や、粘り強さ(じん性)の向上を図ることができる。 ③ 材料の損失が少なく、加工面がきれいで、光沢のある平滑面を得ることが

できる。 ④ 材料に多種の形を与えることが出来る為、素材材料形状選択の自由度が

高い。

◆◆ 短短 所所 ① 工具機械に対する大きな機械的、熱的負荷が加わり、特に工具寿命を

短くする。 ② 鍛造性、熱処理性、後加工性が良く、表面状態が良く、傷がない高価な

材料が必要となることが多い。 ③ 騒音、振動、酸化膜、燃焼潤滑剤などのため環境対策に費用がかかる。

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 21: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

ホーマー(フォーマー)について

冷間鍛造加工に於ける代表的な加工機であるホーマー(フォーマー)について簡単に紹介し

たいと思います。 フォーマー(ホーマー)とは、横型の多段式鍛造機械であり、供給された素材を一定寸法に

切断して、複数の対向する「型」の間に運び、型と型で圧力を加えて、素材を形作る横型 プレス機械です。 素材の切断から一気にネットシェイプまで行えるので中間在庫ができず、しかも縦型のプレ

ス機に比べて、圧倒的に高速生産が可能であるため、生産効率が非常に高く、また、「型」を

交換することによって、何種類ものパーツを成形することが出来るため、何種類もの製品の

加工が可能となります。

素 材

クランクシャフト

フレーム

ラ ム

切 断

型 ; ダイ

ダイブロック

型 ; パンチ

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 22: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

ネジの作り方について

ホーマー(フォーマー)を使用した代表的な加工であるネジの製造工程を紹介します。

11..ボボルルトトのの製製造造工工程程

伸 線 頭部・軸 成形

ネジ加工 熱処理

表面処理 洗 浄 出 荷

22..ナナッットトのの製製造造工工程程

伸 線 成形加工 ネジ加工 熱処理

表面処理 洗 浄 出 荷

頭部・軸部分の成形方法(冷間鍛造加工) ねじの頭部・軸部分は、ねじ用コイル線材を一定の長さに切断し、その断面を型の 中に押し込んだり、型の形に押しつぶして成形することによって作ります。 ねじ製造に使用される圧造機械は横型プレスの一種で、頭部成形を主として ヘディングと言い、ヘディングする機械をヘッダと呼んでいます。 ヘッダは、固定側の型(ダイス)と、打ち込む(blow、ブロー)側の型(パンチ)の数で 区別されます。1個のダイスと2個のパンチを持つ(1ダイ2ブロー、1D2B)二段打ちヘッ

ダを一般的にダブルヘッダ(double header)と呼んでいます。他にも 2D2B、2D3B、 3D3B ヘッダ等がありますが、4 段以上の多段打ちヘッダの中には、ボルト、またはその

類似品を成形する機械という意味でボルトホーマー(フォーマー)、いろいろな部品を 成形できる機械という意味でパーツホーマーと呼ばれるものもあります。

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 23: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

① 線送りローラで素材を送り込む ② ストッパーにあたった素材をナイ

フ機構で所定寸法に切断する ③ 素材をダイス側に運ぶ ④ 第一ダイスと第一パンチにより、

素材を第一ダイス内で前方に押

し出し成形する ⑤ 第二ダイスと第二・第三パンチに

より、ダブルヘッダと同様に成形

する

ダダブブルルヘヘッッダダのの成成形形工工程程

22 タダ゙イイスス 33 フブ゙ロローーヘヘッッタダ゙のの成成形形工工程程

① 線送りローラで素材を送り込む ② ストッパーにあたった素材をナイ

フ機構で所定寸法に切断する ③ 素材をダイス側に運ぶ ④ 呼び据え込みパンチ(第一パン

チ)で成形する ⑤ 仕上げ据え込みパンチ(第二パ

ンチ)で成形する ⑥ ノックアウトピンが製品を押し出す

Page 24: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

冷間鍛造(ホーマー)加工油について

冷間鍛造加工における問題点は、加工に要するエネルギーのほとんどが熱として消費され、「加工 部分に高熱が発生する」「局部的に高圧力が発生する」、「材料の新生面と工具との金属接触があ る」などで、潤滑が必要とされる部分の油膜は、他のプレス加工などと比べて形成されにくく、工具の

熱脆化・摩耗・焼付きなどが生じやすい。 したがって、冷間鍛造の場合は、潤滑の効果は極めて大きく、正しく潤滑することが特に必要となる。

この潤滑には、素材表面下地処理や固体潤滑剤などが多用されている。 液体潤滑剤は、素材に与えるのが容易で、型を冷却できかつ摩擦係数を低く保つことができるが、 素材と型の界面に十分な厚さの膜を維持することが困難であることから、あまり利用されていない。 しかしながら、自動多段プレスでの加工の場合、素材がせん断され直ちに次のステーションに送ら れるため、切断面の潤滑には液体状の潤滑剤を用いざるを得ない。 現在、冷間鍛造油(液状)は、主として自動多段プレス用として使用されています。

冷間鍛造(ホーマー)加工油に求められる性能

①① 工工具具磨磨耗耗がが少少なないいこことと。。 ②② 摩摩擦擦係係数数がが低低くく、、耐耐焼焼きき付付けけ性性にに優優れれるるこことと。。 ③③ 加加工工後後のの寸寸法法精精度度ののババララツツキキがが少少ななくく、、表表面面仕仕上上げげがが良良いいこことと。。 ④④ 防防錆錆性性にに優優れれるるこことと。。 ⑤⑤ 油油焼焼けけ等等スステテイインンのの発発生生ががなないいこことと。。

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識

Page 25: Table of Contents.nslube.com/pdf/products_04.pdfKnowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油] 塑性加工油とは? 塑性加工時に利用する潤滑剤は、加工の種類や材質により、様々であり切削油などと比較しても

Knowledge --- 金属加工油の基礎知識[塑性加工油]

冷間鍛造関連用語集

鍛 造

定定義義でではは、、工工具具、、金金型型ななどどをを用用いいてて、、固固体体材材料料のの一一部部ままたたはは全全体体をを

圧圧縮縮又又はは打打撃撃すするるここととにによよっってて成成形形おおよよびび鍛鍛錬錬をを行行ううこことと。。

パンチ

内内径径をを成成形形ままたたははダダイイ穴穴ににははままるるもものの。。

ダイ

金金型型ののううちち、、素素材材のの外外形形をを成成形形すするるもものの。。

コンテナ

成成形形中中のの材材料料をを取取りり囲囲んんでで、、最最初初のの形形をを保保持持すするるたためめのの、、主主ととししてて

中中空空円円筒筒状状のの金金型型部部品品。。

マンドレル(芯金)

中中空空状状ののビビレレッットトかからら、、リリンンググままたたはは中中空空軸軸をを鍛鍛造造成成形形すするる際際、、

穴穴のの中中にに挿挿入入さされれてて内内面面をを加加工工すするる棒棒状状のの工工具具。。

ニアネットシェイプ ネットシェイプ

鍛鍛造造品品のの付付加加価価値値増増大大のの重重要要なな鍵鍵はは鍛鍛造造後後のの仕仕上上げげ切切削削ががわわずず

かかでですすむむかか、、せせいいぜぜいい研研削削仕仕上上げげでですすむむよよううなな鍛鍛造造品品をを作作るるこことと

でで、、ここれれららををそそれれぞぞれれニニアアネネッットトシシェェイイププ((準準仕仕上上ががりり形形状状))おおよよびび

ネネッットトシシェェイイププ((仕仕上上ががりり形形状状))鍛鍛造造加加工工ととよよばばれれるる。。

ビレット スラグ

材材料料メメーーカカーーにによよっってて作作らられれたた棒棒、、管管、、形形材材をを切切断断ししてて、、成成形形、、前前工工

程程、、前前処処理理をを施施ししたたもものの。。そそののううちち短短いいももののははススララググとと呼呼ばばれれるる。。

据え込み

材材料料をを軸軸方方向向のの全全体体又又ははああるる長長ささににつついいてて軸軸方方向向にに圧圧縮縮しし、、そそのの

断断面面積積をを増増すす成成形形方方法法。。

ヘッダー

自自動動多多段段ププレレススののううちち比比較較的的長長いいビビレレッットトのの端端部部をを加加圧圧すするるもものの。。

せせんん断断、、据据ええ込込みみ成成形形にによよっってて比比較較的的長長いい軸軸状状鍛鍛造造品品をを作作るる、、

横横型型自自動動鍛鍛造造ププレレスス。。

ホーマー (フォーマー)

フフ ォォ ーー ママ ーー (( ホホ ーー ママ ーー )) とと はは 、、 横横 型型 のの 多多 段段 式式 鍛鍛 造造 機機 械械 。。

供供給給さされれたた素素材材をを一一定定寸寸法法にに切切断断ししてて、、複複数数のの対対向向すするる「「型型」」のの

間間にに運運びび、、型型とと型型でで圧圧力力をを加加ええてて、、素素材材をを形形作作るる横横型型ププレレスス機機械械。。

- Knowledge - 金属加工油の基礎知識