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Title 銅耐性酵母の銅メタロチオネイン : 精製とアミノ酸組成 Author(s) 内貴, 信夫 Citation [岐阜大学教養部研究報告] vol.[22] p.[117]-[132] Issue Date 1986 Rights Version 岐阜大学教養部生物学教室 (Department of Biology, Faculty of General Education, Gifu University) URL http://hdl.handle.net/20.500.12099/47598 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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Title 銅耐性酵母の銅メタロチオネイン : 精製とアミノ酸組成

Author(s) 内貴, 信夫

Citation [岐阜大学教養部研究報告] vol.[22] p.[117]-[132]

Issue Date 1986

Rights

Version 岐阜大学教養部生物学教室 (Department of Biology, Faculty ofGeneral Education, Gifu University)

URL http://hdl.handle.net/20.500.12099/47598

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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銅耐性酵母の銅メ タ ロチオネイン

117

内 貴 信 夫

岐阜大学教養部生物学教室

精製とア ミ ノ酸組成

Copper-M etallothioneins in a

Copper-Resistant Yeast Strain

Purification and Amioacid Compositions

NObUO NAIK I

Department of Biology, Faculty of GeneraI Education, Gifu University

は じ め に

ズタ ロチオネイソは約30年前に Margoshes等1)によ りウマの腎皮質よ り, 低分子でシステ

イン残基が多 く , 芳香族ア ミ ノ酸残基の少ない, 含金属タ ンパク質として分離された。 その

後1970年までにこのタ ンパク質がヒ ト, ウサギ, ウシ, ネズ ミ等の哺乳類の種々の臓器に含

まれているこ とが報告されるよ うになった。 1970年以降には哺乳類以外の生物や組織培養さ

れたガソ細胞, 上皮細胞にも誘導的にこのタ ンパク質が形成されることが報告され, 金属汚

染の社会的環境とあいまって, にわかに脚光を浴るよ うになった。 1975年以降にはメ タ ロチ

オネイソのラジオイムノ分析法による新しい微量分析法や, 高速液体ク ロマ トグラフ法が開

発され, このタ ンパク質の分子レベルでの研究の端緒が開かれ, ラ ッ ト肝り ポリブームよ り

カ ド ミ ウムーj タ ロチオネイソのm-RNA が分離され, マウス DNA の遺伝子塩基配列が

報告されるに至った。 1980年以降には酵母の銅チオネイソの遺伝子が単離され塩基配列の確

認と共に遺伝子移植への応用面が開拓されるよ うになった。

筆者は1972年の第38回日本植物学会大会で銅耐性酵母からメ タ ロチオネイソ様の銅ペプチ

ッ ドを分離し, その性質につき報告し, 1976年に論文として発表した潤) その後他の研究を

手掛けたことや, この分野の目まぐるしい進展に取 り残されたことから, 未発表のまま今日

にいたったデーターがある。 この報告は酵母の銅チオネイソの精製と, そのア ミ ノ酸組成に

関し整理 し, い くつかの知見を付記したものである。

材 料 と 方 法

使用した菌株はSacck yomycesceR玩sieαで, 培地組成はKH2P04, 3g; (NH4)2804, 2g;

MgS0 4 ・ 7H20 , 2g ; CaC12 ・ 2H20 , 0.25g ; 粉末酵母エ キス (極東 ) , 2g ; ペ プ ト ン (極東 ) ,

3g; ブ ドウ糖, 40gを 1,000ml 中に含んでいる。 銅耐性株はこの液体培地に銅を 1mM に加

え, 母株を接株し 5 日後に lmM 寒天培地上にひろげて良好な生育を示す褐色のコロニーを

分離した。 分離した耐性株はその後 1mM の銅を含む液体培地に継代培養し 4°Cで保存した。

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118 内 貴 信 夫

菌株からの銅- メ タ ロチオネイソ (Cu-MT) の抽出は, 生菌にその重量の約2.5倍容量の

1mM y ル カ プ ト エ タ ノ ール水 ( M E ) を 加 え , 沸 と う 水 中80°C 3 分 加熱後 , 直 ち に氷 冷 し

遠心上清を集めた。 以後の精製過程に使用する水溶液はCu-MT の酸化防止のため常に脱気

し0.5mM のME を加えた。 また Cu-MT 液を長時間 (10時間以上) 放置する場合は, 容器

に窒素ガスを充填し 4°Cで保存した。

銅の定量は抽出液または精製液を適当な濃度にうすめ, 日立-508原子吸光光度計で銅専用

陰極ランプ (HAL-4S) を用いて測定した。

Cu-MT のもっ けい光強度は, 測定液が無色の時 (DEAE-ファデックス精製以後) では一

定の水素イオン濃度下で定量操作に使用できる (図8参照)。 この測定には試料を 0. 5mM

ME を含む 50mM リソ酸緩衝液 (pH 7.0) になるよう調整し, 励起光 300nm, けい光測光

波長595nm で 日立 MPF-4分光けい光光度計を使用した。

タンパク質の定量はLowry法を用いた。 Cu-MT はそのア ミ ノ酸残基にチロシンや ト リ

プ トフ ァンを持っていないが, フ ェ ノ ール試薬と反応し, 既知濃度の牛血清アルブ ミンとほ

ぼ等しい発色性を示した。

ポリアク リルア ミ ドゲル電気泳動は, ゲル濃度10% で厚さ 1mのスラブゲルを使用した。

泳動後のゲル染色は5% ホルムアルデハイ ド, 10% 酢酸, 25% エタ ノールに0. 1% のクマシ

ーブルーを含む液で 4時間染色を行ったご) ゲル中のタンパク質の染色法には種々の固定法が

あるが, Cu-MT の染色には上記の方法かグルタールアルデハイ ドー銀染色法4)が有効であっ

た。

等電点電気泳動は冷却管を備えた110以用のカラムにpH 3. 5 5. 0のアソホライソを充填 し

て行ったよ)亘糖による濃度勾配は30% O% とし, 通常の50% O% の濃度勾配よりうすい

ものを使用した。 これは分離後セフ ァデックスG-25による糖及びアソホライソの除去を容易

にするためである。 また泳動中の酸化を防ぐため充填液にはいずれも ME を 1mM になるよ

う加えた。 18時間600V で泳動 し , 下端の陽極液をすてた後, カ ラム内液を流速約 0. 6m£/min

で2. 5融の分画におけて分取した。

精製に用いた種々の液体カラムク ロマ トダラフはいずれも流出液を280nmの紫外吸収でモ

ニターした。 この紫外吸収は通常のタ ンパク質に含まれる芳香族ア ミ ノ酸によるものではな

く 1価銅とチオールの結合による吸収波長で, したがって銅をのぞいてアポ化した Cu-MT

ではみられないぎ)・

Cu-MT のア ミ ノ酸組成は二種の加水分解物の定量値よ り求めた。 一つは封管中を窒素ガ

スにおきかえ, 6N-HC1と ともに110°CにL8時間加水分解を した。他は4で, 4時間の過蟻酸

酸化後6N-HCI で同温同時間加水分解をおこなった。 後者からはプロリンとシステ ィ ン酸の

含量を求めた。 ア ミ ノ酸分析に使用した機種は日本電子のJLC-6AH アミノ酸自動分析機で

ある。

実 験 結 果

Cu M T の生産 と培養液の銅濃度一 酵母 の Cu-M T を 精製す る には菌体中に Cu-M T を

最も多 く生産する培地条件を求める必要がある。 培地中の銅濃度の上昇は菌体収量の減少と

して現われ, また銅濃度の低下はCu-MT 生産量の減少を と もな う。 そこで Cu-MT 収量を

高めるため培地中の銅濃度を検討してみた。

1mM 銅培地に48時間培養した銅耐性株 (R1・o) を種々の濃度に銅を含む500mぐの液体培

地に5㎡接種して30°C, 48時間培養し, それぞれの培地よ り菌を集めた。 集めた菌は凍結乾

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Table 1 Effectof copper concentrationson theproduction of Cu-M T in theyeastcells.

銅耐性酵母の銅メ タ ロチオネイソ 119

燥して秤量後, その一定重量よ卜り80°C, 3分で抽出液を取 り, セフ ァデックス G-50を通 し

て低分子物質を除去した後, 3mM リソ酸緩衝液 (pH 7. 0) で平衡化したDEAE-セファデッ

クス A-25 カラム ( 2 ×10cm) に添着した。このカラムからのタ ンパク質の溶出は250mMの

食塩を含む 3mM リソ酸緩衝液の一段階溶出法を用いた。粗抽出液中の褐色の色素はカラム

上端に吸着され, 溶出液はほぼ無色づタンパク質分画と して集まる。 この分画を凍結濃縮し

てセフ ァデックス G-25で脱塩し0. 5mM ME を含む50mM リソ酸緩衝液 (pH 7. 0) と してけ

い光強度を測定しだ。 表 1は実験した培地の銅濃度と菌収量, けい光強度よ り 100以 の培地

よ り得られる Cu-MT を調べたものである。

CuConCn. Cellsyield

in culture (g dry ce11S

medium per 100 ml

(mM) medium)

Effluentfrom DEAE-Sephadex A -25 column

Eχtractable Eχtractable F luorescent Fluorescent

protein Cu from g c11 町 intenSity intenSity

from g dry dry cells protem from g dry from 100ml

cells (mg) (μg) (μg/mg) cells medium

0 0 . 442

0. 2 0 . 402

0 . 5 0 . 362

0. 75 0 . 310

1. 0 ゛ 0 . 207

13 . 26 36 . 4 2 . 7 39 . 8 17 . 6

7 . 05 203 . 9 28 . 9 442 . 4 177 . 8

7 . 50 317 . 2 42 . 3 565 . 0 204 . 5

7 . 86 412 . 0 52 . 4 779 . 8 241. 7

6 . 34 316 . 9 50 . 0 660 . 9 136 . 6

接種 した銅耐性株は1mM の銅培地に継代されていたにもかかわ らず培地中の銅濃度の上

昇と と もに48時間後の菌収量は減じ, 1mM 銅培地では無銅培地の半量以下の菌体しか得ら

れない。 一方けい光強度は銅濃度の上昇と共に高 く な り0. 75mM 含銅培地で最も高い値を示

している。 したがって同量の培地よ り効率よ く Cu-MT を得るには0.75mM 附近の銅濃度培

地を用いるのがのぞましい。 タ ンパク質あた りの銅含量は培地中の銅濃度の上昇と共に増加

し0.75mM と1.0mM ではほぼ等しい含有量を示している。 これは低濃度培養菌は銅を含ま

ないか銅含有量の低いタ ンパク質を多 く生産している結果と思われる。 そこでそれぞれのD

EAE 溶 離液をポ リアク リルア ミ ド電気泳動で展開してタ ンパク質の種類を調べてみた (図

1)。

無銅培地で生育した銅耐性菌 (Ro) からの DEAE 溶離液には明らかに多 く の種類のタ ン

パク質またはペプチ ドが含まれている。 銅濃度の上昇と と もに移動度の低いタンパク質は減

少し0. 75mM 以上で生育した菌からの溶離液には移動度0.5以下のタンパク質成分はみられ

ない。 一方泳動ゲル中に展開したタ ンパク質バン ドから銅と結合しているタ ンパク質を知る

には二つの方法がある。 一つはタンパク質染色前に360nmの紫外線をゲル平板に照射するこ

とによ り一価銅とチオール基の結合に由来する赤桃色のけい光の位置を見る方法であ り, 他

は同時に展開した別のゲル平板を 0.2 % ジェ チルジチオカルバミ ソ酸ナ ト リウみ液に2 3

時間つけ銅の褐色バン ドを検出する方法である。 この両検出法を適用して銅の位置を し らべ

ると, どち らも移動度0.5以下に銅バン ドは検出されなかった。 また移動度0.5以上では両検

The yeast celIs previously cultured in lmM Cu-medium were inoculated in the indicated Cu

concentration media. T he cells were harvested at 48-hr of culture age, washed, lyophilized and

weighted. Each extract obtained by treatment at 80°C for 3 minwas purified by a combination of

Sephadex G-50 filtration and DEAE-Sephadeχ A -25 chromatography, An one step elution from

theDEAE columnwasaccomplishedby using 3 mM phosphatebuffer containing 250 mM NaCI.

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120 内 貴 信 夫

RO R0.2 R0.5 R0.75 RI.0○ s↑ort

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出法は一致した数ヶ所の位置に銅バンドが見られた。 この事はRoにみられる移動度0.5以下

のバン ドは銅と無関係なタ ンパク質であること及びタ ンパク質と結合した銅はどれも 1価銅

と して結合している こ とが類推される。 いずれの溶離液もけい光の最も強いバン ドは移動度

0.63 0. 65附近で, これが酵母Cu-MT の主成分であ り, 他のバン ドはCu-MT のイ ソタ ソ

パク質かそれよ り作られた副産物と思われる。

Roか らの抽出液にも移動度0.63付近にけい光バン ドが見られるのは, 接種の際に持ち こ

まれた菌体及び銅培地中の銅によるものと思われる。

銅チオネイ ンの精製- O、7mM 銅培地約10.5吋こ48時間培養 したRI.oを1/100サイ ズに接

種し48時間培養後菌を集めた (生菌量約140g)。これに350d の1mM ME 溶液を加えて80°C,

3分間抽出し褐色の上清液約380m£を得た。 これを凍結乾燥し, 0. 5mM ME液にとかし遠心

して濃褐色の粗抽出液を得た。 =

Stゆ 1 第一 回セ フ ァ デ ッ ク ス G-50 ゲル炉過- 0. 5mM ME 液 で平衡化 したセ フ ァデ ッ

クス G-50カ ラ ム (3.5×45cm) に抽出液の全量 (約20d ) を添着 し500d の同溶液で溶出, 10

以の分画と して集めた。 抽出液中の褐色の大部は溶出先端にあらわれ, 流出中央部では漸次

淡褐色 とな り, 再度褐色は濃 く な り流出末端は黄色や赤色の分画があらわれた。 各分画の銅

を定量す る と銅のピークは先端部 と中央部及び末端の三つに分かれた。 このうち最も多量に

検出されるのは中央部の淡褐色の領域である。 しかし タ ンパク賃 あた りの銅含量は初流分画

に高い。 おそらく この分画は硫化銅のような不溶性の無機銅が多く含まれているものと思わ

れる。 末端部のわずかな銅のピークは遊離した銅イオンの流出分画と思われる。 紫外線吸収

Fig 1. Polyacrylamidegel electrophoresispatternof theDEAE-Sephadex effluentswhich

obtained from the ce11s grown in the various copper concentration media. Samples

(50μgprotein) treatedwithDEAE-SephadexA-25wereloadedon10% p01yacrylamide

slab gel and run at 2.5mA/cm for 4hrs. Thegel wasstainedwith 0.1% CoomassieBr11-

11ant BlueR-250 dissolved in 5% formaldehyde, 10% aceticacid and 25% ethanol for

4hrs. and destained by diffusion in acetic acid/ethanol/water (1 : 2.5 : 6.5 by vol.) . Ro,

R0. 2夕R0. 5夕R0. 75and R1. 0 1ndicatetheresistantstrainsgrown inmediacontained 0, 0.2,

0.5, 0.75 and 1.0 mM Cu respectively.

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は末端部に強 く あらわれた。 各分画のけい光は中央部の銅ピーク と平行して見られ初流及び

末端の銅分画には観察されない。 けい光発色を示した分画を集め凍結乾燥後第二回ゲル炉過

の試料と した。

S則) 2 第二回セフ ァデ ックス G-50ゲル戸過- Stゆ 1 と同一のカ ラム, 流出条件で第

二回目のゲル戸過を行った。 流出分画の一部を取 り30倍に うすめて定量した結果は図 2でみ

られる。

→qTJAIlsue4u14ue3seJonlj

。。。15

10

5

銅耐性酵母の銅メ タ ロチオネイン 121

(・….・‥)E&のN↑De3uDqJosqV

Iu 2 0 , j o 4 u

Tube N0.

Fig 2, Second Sephadex G-50 elution profile of R0. 7 eχtrad . A column (3.5×45cm) was

equilibrated with 0.5 mM mercaptoethan01 (M E) solution. After applying the crude

Cu-M T solution to thecolumn, it waseluted with the sameM E solution at a rate of

10ml/ tube/10min. Aliquotsofthefractionsweredilutedto30timeswith50mM phos-

phate buffer (pH 7.0) c(jntaining 0.5mM M E , andthen analyzed.

流出先端のピークはタ ンパク質の流出量に対し銅がかな り高 く , けい光値は極めて低い。

中央部の大きな ピークはタ ンパク質, 銅, けい光のピークがほぼ一致して行動し紫外線の吸

収ピークだけが, かな り末端方向にかたよって現われた。 この結果, けい光の強い分画 (N0.

24 34) を集めて次の精製の試料と した。

駁ゆ J 陰 イ オン交換体に よ る分離- 3mM リ ソ酸緩衝液 (pH 7. 0) で平衡化 した DE-

AE-セ フ ァデ ッ クス A-25をつめたカ ラム (1.9×25cm) に Stゆ 2 の試料約 110融 を添着し,

同じ緩衝液で洗 じ ょ う した。 このカ ラムからの溶出には, 同緩衝液の750d とそれに300mM

の食塩を加えた750d の間で直線的濃度勾配をつけて行った。 8耐ずつ集めた各分画の溶出曲

線は図 3で示した。

けい光強度は前実験に用いた感度を10倍にして測定した。 紫外吸収, 銅含量, けい光強度

のいずれも 7つのピークに分かれた。 各ピークのけい光強度の最も強い分画を中心に24㎡を

分取し , セフ アデックス G-25カ ラムを通して脱塩し濃縮して 0.5mM ME 存在下窒素ガス

中に保存した。 これ等各分画の銅含量とタ ンパク質収量を表 2にまとめた。

分画 I のタ ンパク質あた りの銅含量は他の分画よ りやや低い。 この分画は図3からもわか

るよ うにけい光強度が銅含量に比して低 く また紫外吸収, けい光, 含銅量のピークが少しず

っずれている。 分画II Ⅶのタ ンパク質あた りの銅含量はほぼ類似した値を示した。 各分画

の中で最も収量の多いのは分画II で, これが酵母Cu-MT の主成分と思われる。 各分画の純

(

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122 内 貴 信 夫

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Table2 Copper content andprotein yield of thesevenCu-M T components。

Protein Cu Cu-Protein Protein yield

(mg/ml) (μg/m1) (μg/mg) (mg)

1 1 9 . 6 370 . 51 138 . 6 17 . 3

11 10 . 4 489 . 0 47 . 0 31 . 4

111 2 . 2 112 . 3 51 . 0 4 . 4

Ⅳ 3 . 1 163 . 2 52 . 6 8 . 4

V 2 . 7 133 . 6 49 . 5 5 . 5

V1 1 . 9 87 . 2 45 . 9 3 . 8

Ⅶ 2 . 3 100 . 8 43 . 8 4 . 5

Fig 3. Chromatography onaDEAE-SephadeχA-25 0f themainpeak of secondSephadex

gel filtration. DEAE-Sephadex column (1.9×25cm) was previously equilibrated with

3mM phosphatebuffer (pH 7.0) . ThecolumnwasdevQlopedby linear gradientelution

with themixing chamber containing 750ml of 3mM phosphatebuffer and thereservoir

containing 750ml of 0.3M N aCl in thesamebuffer. Fractionswerecolled ed at a rate

of 8ml/tube/ 5min. ご

度を調べるため SDS- ポ リアク リルア ミ ドゲル電気泳動をした結果図4の分離像を得た。

DEAE- ヒフ ァデ ックス A-25で明確に分離した ピークの先端部のみを集めた分画であるに

もかかわらず含まれるタ ンパク質成分は分画 I と II 及びⅣとVのよ うによ く似た成分が検出

さ れた。 CU-MT の試料は どれ も SDS と ME で処理 し て変性 させる と未変性のも の よ り移動

度が小さ く なる。 DEAE- カラムよ り低イオン強度で溶離した分画には移動度の小さ な成分が

多 く含まれ, 高イオン強度で溶離す る分画ほど移動度の大きな成分が含まれている。 この夕

ンパク質の染色バン ドの位置は紫外線照射によるけい光のバン ドと一致していた。 標準資料

として同時に展開した分子量12,300のチ トク ロームCの移動度は0.93の値を示した (図 4右

Fractionsobtained from DEAE-Sephadex A -25 by the salt gradient elu-

tion chromatography were desalted by Sephadex G-25 filtration and concen-

trated to nearly 2 0r 3 ml. T hesecomponents in 0.5 mM M E solution were

stocked inTunberg tubesunder N2gasat 4°C.

50 Tube N0. 100

○冰

●●

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123銅耐性酵母の銅メ タ ロチオネイソ

I Ⅲ IV V ・ ・∇1 ∇II Cyt C

一 一

端)。

鈴木等7)によると, CUイオンを含むMT には含まれる銅の荷電の差や含有量によ り種々

の等電点や移動度の差が生ずる。 図4の電気泳動にみられる多 く のタ ンパク質バン ドも結合

する銅の存在様式によるのかも しれない。 そこで各分画に KCN 液の少量を加えてブポ化し,

ぞの SDS一泳動像を調べてみた。 7分画と もタ ンパク質の染色バン ドは非常に不詳明な幅広

いバン ドが移動度0.32 0. 56の間に形成された。 しかし分離像の濃染された位置は分画 I

IIIは0.35, Ⅳと Vは0.42, VI とⅦは0.53を中心と して分布していた。 勿論このゲル平板では,

けい光のバソ ドはみられない。 このアポタ ソパク質の泳動結果は酵母CU-MT に少 く とも 3

つのイ ソタ ソパク質がある可能性を示唆するように思われる。

Fig 4. SDS-polyacrylamidegel electrophoresispatternsof thesevenCu-M T components.

Sampleswerepreparedby incubation in 1% SDS and 1% M E for over night. Fifty μg

of protein was loaded on 10% polyacrylamide slab gel containing 0.1% SDS. A fter

eled rophoresis, the staining and the destaining Were carried out asdescribed in the

legend of Fig 1.

を pH 3 . 5 5 のア ソ ホ ラ イ ソ を用いて等電点電気泳動 を 行 った。 こ の泳動に際 し前述のよ

うに分画Ⅳとvはほぼ類似のタ ンパク質を含むので混合して泳動した。 また分画ⅥとⅦは夕

ンパク質収量が少ないので, これも一括して行った。 図 5(a)では分画 I と II , 同図(b)ではIII

と Iv, vの混合物及びvI , Ⅶの混合物の紫外線吸収による溶出曲線が示されている。 図中に

は示さ なかったが各分画のけい光強度及び銅含量は紫外線吸収の溶出曲線と一致して増減し

た 。

DEAE で分離された どの分画も等電点電気泳動で 3 4個のピークに分れた。 分離された

pH 値から DEAE セフ ァデ ックスのイオン強度による溶出ピークの差異は含まれるタ ンパク

質成分の量的差異によるものと推察できる。 等電点電気泳動で分離された各分画はセフ ァデ

ックス G-25カ ラムを通して糖及びアソホライ ソを除去 し, 濃縮して窒素ガス下凍結保存し

た。 各分画のタ ンパク質70μgを SDS-ポリアク リルア ミ ドで電気泳動した結果は図6で見ら

れる。 いずれの分画も単一なタ ンパク質成分にはなっていないが含まれる成分の数は減少し

て精製の進んだことを示している。

等電点電気泳動で得られた各ピークのタ ンパク質収量と銅含量は表 3にまとめた。 この表

でほぼ等しい等電点を示す分画II C, mC及びⅣ, vC (いずれもlp4.28 4.30) のタ ンパク

S㈲) 4 等電点電気泳動による分画 DEAE セファデックスで分離された分画 I 寵まで

-

-

-

-

-

Front●● i ●Q●i ●l ●ふ ●● ●・●

1.0

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TUb●NQ.

tO

H

.

p

5

○ stGrt

Fig 5. 1soelectricfocusingprofilesof theCu-M T componentswhichobtainedwithDEAE-

Sephadex fractionation. Isoeled ricfocusing wasperformed in 110mI column equipped

with a cooling jacket by using a sucrose density gradient (O 30% W /V ) containing

lmM M E toprevent oxidation. Ampholine (40% W /V , pH 3.5 5.0) wasused ascar-

rier ampholyte. Proteinsweremiχed to a part of 12.5 20% sucrosedensities. A po-

tential of 600V wasused for 18hr. A fter this time, 25ml anode s01ution (bottom) was

discarded, andthecontentswerecollectedatarateof 2.5ml/tube/4minwithmonitored

at 280nm .

(a) Profielesoffractionl (solidline) andII (brokenline).

(b) ProfielesoffractionⅢ(brokenlinewithdote), mixtureofⅣ andV (solidline) and

mixtureof Ⅵ andⅦ (broken line).

124 内 貴 信 夫

05

eauDqjosqV

5ECOのN

↑O

50

J}

一 一 一

S・Xtit輿 g ・; ・S・; ㎜ ㎜

皿 ・ ㎜

㎜ ㎜

Fig 6. SDS-p01yacrylamidegel electrophoresisof the fractionsobtained with the isoelec-

tric focusing frad ionation. Samples were prepared with pretreatment asdescribed in

Fig 4.

1.0 Fron↑

;Eii; 1;1:

齢細

0

co一↑o」25一eA11DleU

訊 I A B I C I C I∇y N y Xy1;∇ll VI;ⅦC D D E

四 回

■鱗纒 S

;: : X; ; ; : ;

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ら nに口

口ヨ

竃 ゛ べら りうμ 4 4 0 8 9

5 2 3 3

3 5 0 7 8

4 8 0 0 6

3 8 3 6

5 L 7 1

←1

∞ Cj)

つ べI

C乃

む、⊃

ぴ1

n

T a b l e 3 1 s o e l e c t r i c p o i l t C u c o n t e n t a n d X o t e i n y i e l d o f t h e C u M T c o m p o n e n t s

I ) u r i f i e d b y t h e i s o e l e c t r i c f ( ) ( x u s m g

l s o e l e c t r i c

p o i n t ( り ) { }

4 0 9 8

4 3 1

4 J 9

4 2 8

4 j O

4 3 ( )

4 0 0 4

4 J 2

3 j 1惣 M t M m o m 2 u x 9 9 t 1 4 y に J

9{ 気 ヘ ヨ } )

4 L 3

7 2 3

2 3 8 j

1 2 4 0 ( )

7 2 3

3 9 j

1 2 J

2 5 2

1 4 0 5

( い O ヨ り O O Q R

( 2 u Z P r o t e i n

( 為 ヘ ヨ 咬 )

} ) r o t e i n

{ ヨ ミ ヨ } )

O j 2

L 3 8

6 j 6

鴻 雁 改 心 ○ 惣 l m u 4 1 h l E 4 8 4 3 8 4 5 L 7 4 Z m g t f W j 4 q X t 4 1 y 1 6 h 6 ゜

回 に 猫 俘 震 湘 芦 { 仰 目 圃 ( 4 K l p 4 J 9 4 0 5 D o m P c t 醐 鴻 叫 首 か ゜ [ 首 召 計 岬 y 〈 m u t

7 y t 9 4 y O 罫 琳 0 胴 冷 冷 叫 「 か 卜 叫 〈 師 脚 ざ 廿 い か ゜ 聯 酬 知 酬 μ 哭 忠 E 4 c u M T o m 贈

K 1 1 4 f a 0 9 1 s s R 9 山 R l O Z B j 4 j y 4 7 臨 t a 7 w j 9 4 7 a E u 0 9 聯 池

E 摺 6 雁 が ・ べ ぞ 胞 崩 皿 単 聊 ぺ 斗 犬 2 M 4 K 1 6 a 1 8 4 r M 4 t j g y 4 7 鴻 0 回 灯 池 ㈲ ざ ぺ

図 妙 I 改 ゜

φ 申 帥 S 浪 柵 ― 帥 { } s j lJ 7 j D 1 7 1 F y tt a g t a c u M T 4 y ご 統 鋲 彊 ~ y y l

為 b,

QI

← ‘lヽ

A m p h o l y t e s w e r e r e m o v e d b y c h r o m a t o g r a p h y o n S e p h a d e x G I S ’

g、 、 0 0 5 0 0 7 0 0 9

P Q 「 ↓ 一 ↓ 一 〇 コ c o e f f i c i e n t ( く I I く o ) ¥ ( く ↓ 1 く o )

F i g 7 0 S e p h a r o s e g e l c h r o m a t o g l a p h y o f C u M T s i n 6 M g u a n i d i n e h y d r o c h I o r i d a M o l e

c u l a r w e i g h t w a s d e t e r m i n e d b y g e l c h r o m a t o g r a p h y O n 4 c o l u m n 6 9 × 4 5 c m ) o f c r o s s

1 1 n k e d S e p h a r o s e 6 B i n 6 M g u a n i d i n e H C 」 b u f f e r e d w i t h O j M p h o s p h a t e ( p H 7 j j

c o n t a i n i n g l m M M E o S a m p l e s w e r e t r e a t e d p r e v i o u s l y w i t h 6 M g u a n i d i n e H C l c o n t a

i n i n g 5 m M M E f o r 3 h n B l u e d e x t r a n a n d D N P a l a n i n e w e r e u s e d a s v o i d a n d i n n e r

v o l u m e m a r k e r S r e s p e c t i v e l y o S a m p l e o f O j m l c o n t a i n i n g 1 呂 M

w a s a p p l i e d o n t h e c o l u m n o T h e e f f l u e n t f r a d i o n s w e r e m o n i t e r e d b y m e a s u r i n g a b

s o r D a n c e a t 2 8 0 n m t o d e t e r m i n e t h e e l u t i o n v o l u m e s o f t h e s a m p k 4 v e J o f D N P a l a n

i n e v t a n d o f b l u e d e x t r a n o v o o P a r t i t i o n c o e f f i c i e n t v a l u e o f e a c h m a r k e r p r o t e i n w a s

d e t e r m i n e d i n a s e p a r a t e e x p e r i m e n t o T h e f o l l o w i n g p r o t e i n s w e r e u s e d a s s t a n d a r o s 2

M y o g l o b i n t M o W o 1 7 0 2 0 0 n c y t o c h r o m e c ( M W J 2 J 0 0 E m y o g l o b i n l ( g ・ 1 . ?

2 7 0 E i n s u l i n t o m i t t e d M E t r e a t m e n o M W o 5 0 7 0 0 n i n s u l i n B c h a i n t M o W o 3 0 4 0 0 ) ・

LogloMolecutarWelgh↑

と:M

O

へ ← W W

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口(^)

つ W こ

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つ l⊃ヽ∞

つ C八W 4,

つ こ こ

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Q

H

ResidueM ole

(% )-

12 . 82

3 . 08

10 . 68

18 . 64

2 . 85

22 . 92

8 . 43

7 . 24

1. 78

11. 52

I

N

Q

O

N

I

7

2

4

0

1

0

4

2

1

4

1

1

13 . 62

2. 90

10 . 03

19 . 35

3 . 04

23 . 20

12 . 54

2 . 14

2 . 18

10 . 75

M ole

( % )-

13 . 77

3. 34

11. 40

19 . 61

3 . 20

19 . 05

9 . 04

5. 98

2 . 09

12 . 60

VI , V I【D

M ole Nearest

( % ) integer

Table 4 Aminoacidcompositionsof thefour Cu-M T components.

126 内 貴 信 夫

と して用いたチ トク ロームCよ りも移動度が小さ く (図 4参照) , したがって分子量がそれよ

り大きいと考えねばならぬ。 しかし今までに分離された種々の金属チオネイソの分子量はほ

ぼ5, 000 10, 000ダル トンの値を示している。 これ等の分子量決定には6M塩酸グアニジン

によるゲル炉過法が常用されている。 そこで分離した 5種 (A, B, C, D, E) の CU-MT 成

分に 6M塩酸グアユジンのゲル炉過法9,10)を試みた。用いた試料は鋭敏なけい光検出を利用す

るため, 分子内チオール基をカーボキシメチレーシ ョ ソ しなかった。 しかしジスルフ ィ ド結

合を防ぐため標準タ ンパク質のインシュ リン以外は常にMEの存在下で実験を遂行した。 ミ

オグロビン I をのぞ く標準タンパク質はいずれもシグマー製品である。 ミオグロビン I は鯨

ミオグロビンを 0. 1N 塩酸溶液中でブロモシアソを作用させセフ ァデックスG-25を通して

分離精製した。11)測定の結果は図7で見られる。 し

等電点電気泳動で精製した 5種のCU-MT の分子量は, どれも未変性のインシュ リン (M.

W . 5700)たりやや低い位置に溶出した。 全体の傾向と して, 等電点の高いもの (IA) ほど分

子量が大きな値に位置しているが, それがこの実験法の誤差範囲に入るのかどうかは分明で

ない。

CU-MT のア ミ ノ酸組成一 分離した 5種のCU-MT のうち 4種のア ミ ノ酸組成につき分

析した結果は表 4に見られる。

IA

Nearest

integer

ⅡB

Nearest

integer

IV , VC

M ole Nearest

( % ) integer

48004800

H

」rs

4種 とも非常によ く似たア ミ ノ酸組成を示している。 ヒスチジンを基準と した最少残基数

でみる と, システインはIA がやや少 く HBで多い。 リジソはIA, HBが IV, VC及びVI ,

VHD に比して多 く含まれている。 加水分解に使用した CU-MT は前述のごと く アソホライ

ソの混入があ り, したがって分解にと もな うア ミ ド態窒素を求めるこ とはできな いが DEA

E- フアッデックス精製段階の試料から求めたものでは, いずれもかな りの遊離アンモニアが

検出された。 したがって表中のアスパラギン酸及びグルタ ミン酸はアスパラギンやグルタ ミ

ンの型で存在するものが比較的多いと予想される。

なおア ミ ノ酸組成よ り求めた CU-MT の最少分子量は, IA, 5. 100; HB, 5, 850; Ⅳ, VC,

4, 800; Ⅵ , VHD, 4, 800とな り, ア ミ ド態窒素及び銅を加えると上記ゲル炉過で得られた分

5800M W ** 5100

* Determined ascysteic acid.

** Calculated form aminoacidresidues.

C

H

7

2

5

9

2

9

4

3

H

Q

Aps

Thr

Ser

Glu

Pro

Cys*

Gly

A la

H is

Lys

15 . 42

3 . 81

9. 37

21. 30

1. 90

23 . 05

8. 26

4 . 76

2 . 20

9. 85

3

ra

4

1

βり

I

1

11

」Q

Q

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WGveteng↑h(nm)

SO

60

A11sueluI

銅耐性酵母の銅メ タ ロチオネイソ r27

A41sue↑c一↑ueaseJonlj

・ 40

g巴

ヨ 20U.

CU-MT のけい光

びけい光励起スペク トル曲線を求めると図 8(a)が得られた。 測定に用いた緩衡液は 0.5mM

ME を含む50mM リソ酸溶液 (pH 7. 0) であるが, 水素イオン濃度が上昇すると, 廿い光 ・

励起光とも曲線は上昇した。 しかし最高吸収波長は水素イオン濃度指数に影響を うけなかっ

た。

pH 7 . 0の 50mM リ ソ 酸緩衝液 を 用 い て , こ の け い光 と Cu-M T 濃度 の関係 を み る と 図 8 (b)

が得られた。 両関係は直線性を持ち定量に使用することができる。 しかし このけい光はME

の添加をのぞいて空気と接すると漸次減少した。

考 察

メ タ ロチオネイソの精製は, 熱処理後, ゲル炉過とイオン交換体を用いて行われる0 が一

般的な方法で, 時に多量に含まれるチオール基を利用してコバレソ トク ロマ トグラフ12,13,14)

やアソホライ ソを用いた等電点電気泳動法15’16)が採用 される。 材料を異にす るいずれの金属

チオネイソ もゲル炉過では単一ピークをあたえるものが多く , 他の方法では2 またはそれ以

上に分離する。

哺乳類の組織よ り得られるCd√Zn-MT はイオン交換体でも等電点電気泳動でもア ミ ノ酸

組成のわずかに異心2つのイ ソタ ソパク質が分離されている。 等電点泳動で分離された 2種

のCd, Zn-MT は結合する金属の差 (特にZn) が分離に大き く影響するのではないかと考え

られている丿)

Proiein concn心19/ mk)

Fig 8. (a) Excitation and emission sped ra of’Cu-M T II B. Protein concentration was

100μg/ml in50mM phosphatebuffer containing 0.5mM ME. Emissionsphctrawere

obtained by excitationat 300nm, and excitationspectreobservedby setting theemiss-

ionat595nm. A sensitiviltylof thespectrofluorometer wasusledat χ10.

(b) Concentrationdependenceof thefluorescent intensity of ⅡB Cu-MT com-

ponent.

子量に近い値 となる。

最も多量に分離された nB の精製標品を用いて, けい光吸収曲線及

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128 内 貴 信 夫

一方種々の生物や組織より精製されるCu-MT の分離はCd, Zn-MT よ り更に複雑でイオ

ン交換体での分離は少なく とも 3つ以上のピークを形成するご’13’17’18’19)したがって最も多量に

取る こ とのできる分画をそのCu-MT の主成分と して研究が進められる場合が多い。 鈴木等

7’20)はネズミの肝臓よ り得られるCd, Zn-MT に 1価銅及び2価銅を 泌 uityOに加えてチオネ

イソ の金属部分を銅に置換しながら SW- ゲルカラムを通 して溶出像をし らべ, 2価銅を加

えた時の含銅タンパク溶出像はCd, Zn-MT の本来の2 ピークに加えて別のピークが出現ず

るこ と, 2価銅は分子内チオール基で 1価銅に還元され結合するこ と, その結果分子内にジ

スルフ ィ ド結合が形成されて電荷に変化が生じるこ とを報告し , イオン交換カラムでの分離

及び等電点電気泳動での分離だけでイ ソタソパク質の存在を推論することの危険性を指適し

て い る。

こ こで報告した精製実験の全過程に使用した試薬溶液には常にメルカプ トエタ ノ ールを添

加し , 保存には窒素ガスを満たして酸化をおさえることに留意 した。したがって精製過程で分

子間あるいは分子内のジスルフ ィ ド結合は全て還元されている可能性が高 く事実分離された

Cu-MT の分子量は分子間ジスルフ ィ ド結合で生ずる二量体や多量体は得られなかった。 し

かし菌体内ですでに分子内ジスルフ ィ ド結合が種々のレベルでっ く られているとすれば, M

E によ り生ずるチオール数に種々の変化がみられるだろ う。 またア ミ ド態窒素の数の有無も

表面荷電に大き くかかおる要因であるが, この実験では定量 されていない。 しかし DEAE

カ ラ ムよ りの溶出差異がCu-MT の表面荷電によるのならば, 荷電の効果を除去するSDS中

での電気泳動で移動度の差が生じるこ とを説明できない。

種々の組織からCu-MT を精製した論文で, DEAE溶出分画は電気泳動的に単一成分とな

った との報告が多い。 ここで行った実験はDEAE カラム溶出像の各ピーク先端部を採取した

試料であ りながら, SDS電気泳動では決して単一バン ドとな らなかった。 む し ろ含有す る

い く つかの成分の量的差異がDEAE カラムからの溶出の遅速と してあらわれている。 等電点

泳動の結果もその事を支持する結果となった。

こ こで報告した実験から Cu-MT イ ソタ ソパク質がい く らあるかは明瞭でない。 しかし D

EAE溶出分画をアポロ化した SDS電気泳動で異る 3 ヶ所の位置にタ ンパク質の濃染が観察

された。 IVeser 等19)は酵母 Cu-MT を DEAE セ フ ァ デ ッ ク ス で分離 し 4 つのピーク を分取

し, それぞれのタ ンパク質分子あた り銅原子を 1, 8, 2 , 1を持つ均一なタ ンパク質で, い

ずれも銅 1原子に対しシステイン 2分子を含むこ とを報告している。 ここで報告した結果は

DEAE セファデックスの溶出分画はどれもタ ンパク質あた りの銅含量はほぼ似た値を示し,

ア ミ ノ酸分析O結果もシステイン残基の数に大きな差はみられず, Weser等の実験とかなり

異る結果となった。

前述のように各分画のSDSポリアク リルア ミ ド電気泳動の移動度は未変性用の電気泳動像

のモれよ りも小さな値を示し, かつそれ等の移動度は分子量12,500のチ トク ロームCより小

さな (分子量としては大きな) 値 となった。 ヒ トの肝臓21)やネズミ肝22)のCu-MT のよ うに,

SDSゲル泳動で分子量を求めている報告もあるが, 多 く の場合チオネイソの分子量決定は6

M一塩酸グアユジン中のゲル炉過法が採用されている。 6M一塩酸グアニジンで分子量を求

めると, 大きなもので5,900 (IA) 小さいもので4, 950 (Ⅵ U E) の値を得た。 一方ア ミ ノ

酸分析の結果からは銅及びア ミ ド態窒素をのぞいた最少分子量は大きいもので5, 400 ( II B)

小さい もOで4,500 ( ⅣVC) でこの両者よ りの分子量はほぼ一致した値を得た。 また銅含量

はDEAE分画の段階で多いもので51. 8μg/mg( II ) , 少ないもので38.6μg/mg ( I ) であっ

た。 仮に分子量5,000とすれば1分子当 りの銅は3 4原子となる。 Weser19)の分離した酵母

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N

Q

7

n乙n/心20 . 0

-

13 . 0

3. 0

13 . 0

18 . 0

3 . 0

8 . 0

12 . 8

3 . 1

10 . 7

18 . 6

2. 9

8 . 4

1

3

I

I 02

0

0

N

N

-

Asp

Thr

Ser

GIu

Pro

Gly

Ala

Cys

Va1

M et

I-1eu

Leu

Tyr

phe

His

Lys

Arg

Premakumar Prinzet VVeser et

al. (19)-

14 . 5

5 . 2

9 . 5

16 . 1

4 . 7

10 . 1

2 . 2

20 . 0

1. 7

0 . 5

銅耐性酵母の銅j タ ロチオネイソ 129

8Cu-MT の分子量は10,000と報告されている。 この値はもし分子量5,000とすればタ ンパク

質分子あた り銅は4原子とな り, ここで報告した値とほぼ近似のものとなる。

一方チオネイ ソの分子内金属とシステイ ン残基の比を見ると Cd, Zn-MT では金属 : Cys

= 1 : 3であるが, Cu-MT は酵母19,23,24)やネズ ミ肝18,13,25)ではともにCu: Cys= 1: 2で銅の1

原子は4 ヶのイオウ原子と結びついたテ ト ラヘ ドラル構造を した六面体型であるこ とが報告

されているご6’14)またアカパンカ ビのCu-MT (M. W. = 2, 200) はCu: Cys= 1 : 1である。27)

この実験のア ミ ノ酸組成からのシステイ ン残基は少いものでタンパク質 1分子(M. W.こ5, 000)

あた り 9 ( I A) , 多いもので13 ( II B) であ り Cu: Cys= 1 : 3 と な り上述の諸報告に比

して銅 1原子に対するシステイ ン残基が多い。 このこ とは分子内の一部システイ ンが菌体中

で分子内ジスルフ ィ ドを形成していたためかも しれない。

等電点電気泳動で分離した Cu-MT のうち 4種につきア ミ ノ酸組成を調べたが, どのア ミ

ノ酸残基にも特に注目すべき差は認められなかった。 数人の研究者によ り報告された酵母の

Cu-MT のア ミ ノ酸組成の比較を表 5にまとめた。

Table 5 Amino acid compositions of yeast Cu-M Tswhich have been reported by the various

workers. V aluesareeχpressed as % of total number of reseduesin themolecules.

et al (28)-

11 . 1

4 . 4

5 . 4

16 . 3

4 . 2

・ 1 2 . 0

6 . 4

13 . 0

4 . 1

0 . 4

2 . 4

3. 2

1. 0

2. 0

1. 5

8 . 8

3 . 6-

8, 000

al. (23)-

14 . 6

4 . 7

9 . 6

19 . 2

4 . 7

9. 6

0 . 9

24 . 3

0 . 7

0

0 . 4

0 . 6

K arin et Present

al. (29)** report(nB)

K imura

(24)*-

n . 9

4. 8

14 . 3

21. 4

2 . 4

9 . 5

-

19 . 0

-

10 8 . 4

4, 500 4, 7000

* Calculated from aminoacidsequence.

** Calculated from nucleotidesequence.

初期の報告28,23,19)では分子量が大きく , したがって分子当りの銅含量も高い。 この報告の

分析値は他の報告と比較してアラニンがかな り多 く含まれている。 表 4の分析結果からもわ

かるよ うにアラニンは変動の大きなア ミ ノ酸ではあるが, どの試料からもその存在が認めら

れた。 酵母のCU-MT 遺伝子の塩基配列よ り求められた メ チオユン, イツ ロイシソ, ロイシ

ン, フェニルアラニンは?9) ここで分析したどの試料にも含まれていない。 この点木村24)の酵

4 3 0r 4

MW

Cu atom

per mol.

3 . 0

2 . 0

12 . 0

-

-

0

0

1. 8

8

ra

I

I1

-

12 . 0

0 . 2-

10 , 000

1. 8

8 . 9

0-

9, 500

2 . 4

14 . 3

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引 用 文 献

(1957) A cadmium protein from equinekidney cortex. J. Am.

130 内 貴 信 夫

母Cu-MT のア ミ ノ酸配列の結果とはアラニン以外はよく一致する。

Cu-MT錯紫外線照射下で赤桃色のけい光を出すyo)アカパンカビから精製された Cu-MT

は励起光305nm, けい光565nmに極大波長をもっご0)このけい光強度は測定溶媒の粘度と酸素

の存在で影響を うけるご1)酵母よりのCu-MT は280nmより310nm附近に幅広い励起波長極大

をもち, けい光の極大は595nmであった。 アカパンカ ビのCu-MT に比しけい光波長が少し

長波長にずれているが, 使用した緩衝液の種類によるものかもしれぬ。 ちなみにグルタチオ

ンとシステインが1価銅と結合して示すけい光極大は575nm及び580nmであるごo)酵母Cu-M

T のけい光も酸化的状件下ではその影響を受けた。 しかしけい光消失はそれほど速かなもの

ではない。 し た が っ て 0. 5mM ME の存在下で は Cu-MT の濃度の半定量的指標 と し て用い

るこ とが可能と思われる。

要 旨

銅耐性菌の熱処理抽出液よ りCu-MT をゲル炉過法, DEAE- セファデックス及び等電点電

気泳動法を用いて精製した。 ゲル炉過では単一のピークに集ま り, この分画を DEAE- セフ

ァデックスで分離すると 7つのピークに分かれた。 各ピークの先端分画を取 り, タ ンパク質

あた りの銅含量を調べるとほぼ類似の値を示し, 溶出の差は銅分子の含有量の差によるもの

でないこ とがわかった。 各分画を SDS- ポ リアク リルア ミ ドゲル電気泳動にかけると, 銅を

含むい くつかのCu一MT のタ ンパク質バン ドが現われ, 各分画はこれらのバン ドの含有量に

差異が見られた。 また各分画を KCN でアポ化したもののSDS- ゲル泳動では移動度の異な

る三つの領域が識別され, 酵母のCu-MT に 3分子種がある可能性を暗示した。 アソホライ

ソを用いた等電点電気泳動で各成分の純度は上昇するが, セフ ァデ ックス G-25炉過による

アンホライソの除去は十分でなかった。 等電点の異る 4成分を選び6M- グアユジン塩酸中

のセフ ァ ロズゲル炉過で分子量を求めると, 4, 950 5, 900の値を示した。 この値はア ミ ノ酸

組成よ り求めた分子量とほぼ一致した。 また 4成分の含有ア ミ ノ酸には特に目立った差異は

見られなかった。

銅耐性酵母に最も多量にっ く られる Cu-MT ( 11B) を用いて, その励起 ・ けい光波長を50

mM リソ酸緩衝液で求めると, 励起波長は300nm, けい光波長は595nmに極大を持ち, 溶媒

の水素イオン濃度指数が減少すると, けい光の吸収も減じた。 このけい光強度はCu-MT の

濃度と比例し定量的に変化した。

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