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VMware vSphere ® Replication 5.5 の概要 シンプルで効果的な仮想マシン保護 テクニカル ホワイト ペーパー

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VMware vSphere® Replication 5.5 の概要シンプルで効果的な仮想マシン保護

テクニカル ホワイト ペーパー

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テクニカル ホワイト ペーパー / 2

VMware vSphere® Replication 5.5 の概要

目次

はじめに . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

vSphere Replication について . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

vSphere Replication の仕組み . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5

機能性を損なわない簡素化 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7

仮想マシンのリカバリ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10

複数の履歴ポイントの保持 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11

次のステップ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13

vSphere Replication で仮想マシンを損失やダウンタイムから保護する . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13

その他のドキュメント . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13

執筆者について . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13

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VMware vSphere® Replication 5.5 の概要

はじめにIT 保護の基本となるのは、ハードウェアからアプリケーションまで、コンピューティング スタックのあらゆるレベ

ルで仮想マシンが提供するサービスの回復性と堅牢性を確保することです。

VMware vSphere® Replication は、VMware vSphere プラットフォームの機能の 1 つです。VMware vSphere®

Replication は、実行中の仮想マシンを別の場所に継続的にレプリケーションする機能を組み込むことで、vSphere

プラットフォームのリカバリ機能を強化します。vSphere Replication では、仮想マシンのコピーを作成してローカ

ルのクラスタ内や別のサイトに保存でき、これにより仮想マシンを数分以内で迅速にリストアするためのデータ ソー

スを提供します。

vSphere Replication は、vSphere の可用性を保護するマトリックスの構造を強化します。複雑でコストのかかる

完全なストレージ アレイ ベースのレプリケーション構成を導入することなく、ビジネス継続性プランを強化し、バッ

クアップと完全なディザスタ リカバリを補完するソリューションを提供します。vSphere Replication は仮想マシ

ン ベースでのレプリケーション構成に対応し、vSphere で提供される保護機能をより完全なものにします。

このホワイト ペーパーでは、VMware vSphere Replication についての理解を深め、機能上のいくつかの利点を説

明し、仮想マシンを障害から保護する仕組みについて概説します。

vSphere Replication についてvSphere Replication は、VMware vSphere プラットフォームの機能の 1 つです。vSphere Replication は、仮

想マシンをクラスタ内または異なるクラスタの別の場所にコピーし、そのコピーを VMware vSphere Web Client

によるリストアや、VMware® vCenter ™ Site Recovery Manager ™ などの完全なディザスタ リカバリ製品のオー

ケストレーションによるリストアで利用できるようにします。

vSphere Replication は、仮想マシンを継続的に保護します。仮想マシンに対して行われる変更のみがコピー先に

レプリケーションされることで、仮想マシンは常に保護され、外部ツールを使用せずに vSphere Web Client から

直接リカバリに利用できます。

vSphere Replication は、VMware vSphere Essentials Plus Kit から VMware vSphere Enterprise Plus

Edition ™ まで、対象となるすべての vSphere ライセンスの無償コンポーネントとして提供されます。VMware

vSphere Data Protection ™ によるバックアップと同様に、仮想マシンの保護はデータセンターのハイパーバイザー

プラットフォームで必要不可欠な機能です。

vSphere Replication の統合管理は、次世代の vSphere Web Client を介して実現されます。つまり、レプリケーショ

ン、バックアップ、リストアなどの多くの保護機能を含む、仮想データセンター管理のあらゆる機能を操作できる共

通の統合画面が提供されます。

レプリケーション テクノロジーの中には、仮想マシン内のアプリケーション データの整合性を考慮せず、リモート

サイトで仮想マシンの単なるコピーしか提供しないものもあります。vSphere Replication は、仮想マシンのデー

タとともに整合性のあるアプリケーション データを確保するように構成でき、仮想マシンのレプリケーションを構成

する場合もワン クリックで実行できます。

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VMware vSphere® Replication 5.5 の概要

図 1: vSphere Web Client との統合

Microsoft Volume Shadow Copy Service (VSS) との自動統合により、レプリカ データの生成時に Microsoft

Exchange Server や Microsoft SQL Server データベースなどのアプリケーションは静止状態となり、整合性が維

持されます。仮想マシンの VSS レイヤーに対するクイック コールにより、未処理のアプリケーションの書き込みを

フラッシュしてレプリケーションするデータを静的な状態に保ち、完全にリカバリ可能な形で確保します。

図 2: VSS によるアプリケーションの整合性

このプロセスでは、アプリケーション エージェントや管理操作は不要です。アプリケーションの整合性は、vSphere

Replication で作成されたコピーに継承され、Microsoft Windows オペレーティング システム(OS)とのインストー

ルされる VMware Tools ™ を介したコミュニケーションによって確保されます。

また、vSphere Replication を利用することで、管理者はリカバリしたシステムを戻す際の履歴ポイントの候補と

して履歴レプリケーションを保持することも選択できます。仮想マシンのレプリケーションを構成する際に、管理者

はまず複数の履歴ポイントのコピーを保持するかどうかを選択し、保持する履歴コピーの数と保持する日数を選択す

ることができます。最大 24 の履歴ポイントのコピーを保持することができ、保持する構成もカスタマイズできます。

たとえば、毎日 1 個のコピーを 24 日間保持したり、1 日 24 個のコピーを 1 日だけ保持するなど、要件に応じてさま

ざまな選択が可能です。

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VMware vSphere® Replication 5.5 の概要

vSphere Replication の仕組みvSphere Replication は、vSphere プラットフォームと緊密に連携するコンポーネントで、現時点で真に 「ハイパー

バイザー レベル」 と言える唯一のレプリケーション エンジンです。実行中の仮想マシンについて仮想マシン ディス

ク内の変更されたブロックがセカンダリ ロケーションに送られます。このブロックを仮想アプライアンスが受け取り、

オン ディスク REDO ログに書き込みます。データ セットが仮想マシンのオフライン (保護) コピー用の仮想マシン

ディスクに適用されるのは、REDO ログが完了し、指定されたレプリケーションのすべてのブロックが受け取られた

ときのみです。

VM VM VM VM VM

図 3: 仮想マシンの変更されたブロックのレプリケーション

vSphere Replication は、各ホストに配置されている中核となる vSphere 5.5 インストール パッケージに含まれる

エージェントと、管理インターフェイスから展開される仮想アプライアンスのセットによって構成されます。概念的

な観点からは、エージェントが実行中の仮想マシンで変更されたデータを追跡して送信し、アプライアンスはリモー

ト サイトでレプリケーションを受け取って、仮想マシンのオフライン ディスク ファイルに適用します。vSphere

Replication アプライアンスはレプリケーションも管理します。これにより管理者は、仮想マシンの保護状況を確認

し、いくつかの簡単な操作でリカバリを実行できるようになります。

VMware vCenter ™ Server のすべての処理を実行するために使用する 1 つの管理インターフェイスを使って、最大

500 台の仮想マシンのレプリケーションを構成できます。構成操作は簡単で、仮想マシンを右クリックしてレプリカ

の保存先を選択するだけで完了します。

図 4: 複数の仮想マシンの RPO を選択

このプロセスの中で目標復旧ポイント (RPO: Recovery Point Objective) を選択し、vSphere Replication が仮

想マシン コピーを使用する期限を指定します。RPO は、リカバリ ロケーションにあるデータの 「古さ」 の許容範囲

を定義します。仮想マシンのリカバリが必要になった場合、指定された RPO が最も古いデータになり、それより古

いデータは使用されません。vSphere Replication は、常に RPO を満たすようにデータのレプリケーションを行い、

仮想マシン データが各仮想マシンでレプリケーション用に定義されたポリシーより古くならないようにします。多く

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テクニカル ホワイト ペーパー / 6

VMware vSphere® Replication 5.5 の概要

の場合、vSphere Replication には、構成された RPO より実際に新しいデータがあります。これは、トラフィック

パターンの履歴に基づいて予想される帯域幅のボトルネックを軽減するために、レプリケーションが適切なタイミン

グでインテリジェントに転送されるためです。

vSphere Replication は、ソース仮想マシンとレプリカ コピーの初回完全同期を実行します。必要に応じてデータ

のシード コピーをコピー先に配置することで、初回のレプリケーションに必要な時間を短縮し、帯域幅を低減します。

仮想マシンのシード コピーはオリジナルの仮想マシン ディスク ファイルのクローンで構成されており、さまざまな

メカニズムでコピー先に配置することができます。シード化は必須のプロセスではありません。シードの有無にかか

わらず vSphere Replication はコピー先に初回のコピーを作成します。ユーザーがレプリケーション用のシードを

提供する場合、格納されているデータを使用することで、プライマリ ディスクとそのレプリカの初回同期に必要なレ

プリケーション量が低減されます。シードは手動で作成することも、管理者が選択した任意のメカニズムを使用して

クローニングして所定の場所に配置することもできます。たとえば、オフライン コピー、FTP、「スニーカーネット」

を使用したり、シードのディスク UUID がコピーするオリジナルのシステムと同じであれば、ISO や仮想マシンのク

ローンなども利用できます。

基本データの同期が完了したら、vSphere Replication は、変更されたデータのブロックのみを転送する状態へと

切り替わります。vSphere カーネルが保護対象の仮想マシンのディスク ファイルに対する各書き込みを追跡し、構

成された RPO で、各書き込みがあったブロックのみを特定してレプリケーションします。このため、ネットワーク

を経由してコピー先に送られるデータが最小限になり、厳密な RPO の設定が可能になります。固有のデータを送

信した後で、再送信する必要はありません。変更分のみがレプリケーションされ、それらのブロックはコピー先の

vSphere Replication アプライアンスに送信されます。

VM1VM1VM1 VM3

Protected VMs Replica Location

vSphere

VR Agent

vSphere

VR Agent

VMDK1 VMDK2

Storage

vSphere vSphere

vCentervCenter VRAppliance

VRAppliance

VMDK1 VMDK2

Storage

NetworkFile Copy

NetworkFile Copy

ChangedBlocks

図 5: vSphere エージェントから vSphere Replication アプライアンスへのレプリケーションのデータ フロー

コピー先の場所で、データは vSphere Replication アプライアンス内で受け取られ、チェックされます。完全な整

合性を備えたデータのみが Network File Copy 経由でコピー先クラスタにある vSphere ホストの REDO ログに

書き込まれます。データがディスクに書き込まれるのは、REDO ログが完了し、予想されるすべてのデータが受け取

られたときのみです。このように、完全な整合性を備えたブロック グループを待つことによって、転送中にデータが

失われたり、転送中のある時点でクラッシュが発生したりしても、常にレプリカ仮想マシンのリカバリが可能になり

ます。

保護対象の仮想マシンの観点から見ると、このプロセス全体は完全に透過的で、構成や管理を変更する必要がありま

せん。レプリケーションはシンプルで、仮想マシン内の OS に関係なく実行できます。

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VMware vSphere® Replication 5.5 の概要

機能性を損なわない簡素化vSphere Replication は、本質的に軽量なレプリケーション プロトコルです。変更されたブロックのみを継続的に

レプリケーションすることで、ネットワーク帯域幅を節約し、データ処理に要する時間を最小限に抑えることができ

ます。

vSphere Replication フレームワークは、単一の vCenter Server システムと組み合わされる vSphere Replication

アプライアンスで構成されます。このアプライアンスは、vSphere Replication の管理フレームワークを提供し、レ

プリケーションされたブロックのコピー先として機能します。規模の拡大や複数のリモート サイトの必要性に合わせ

て、最大 9 個の追加 vSphere Replication サーバ仮想アプライアンスを導入することができます。これらのアプラ

イアンスは、オリジナルの vSphere Replication アプライアンスと同じ方法で導入されます。しかし対照的に、これ

らのアプライアンスはレプリケーションのコピー先として厳密に機能し、レプリケーション フレームワークの簡潔な

スケーリングと分配を可能にします。これらは vSphere Replication の管理には関与せず、さまざまなトポロジを有

効にしてトラフィックを分離させるためのものです。

vSphere Replication 5.5 では、vCenter Server システムと vSphere Replication アプライアンスが両方配置さ

れている別のサイト、vSphere Replication サーバのみが配置されている別のサイト、データセンター内のディス

ク上の別の場所、あるいは任意の組み合わせの場所など、ユーザーは多くの異なる場所へのレプリケーションを選択

できます。また、vSphere Replication サーバのみを導入し、vCenter Server システムや vSphere Replication

アプライアンスを導入していない 2 か所のリモート オフィス間でのレプリケーションも選択できます。ただし、こ

れらのオブジェクトをすべて導入している中央オフィスで管理を行う場合に限ります。選択したトポロジにかかわら

ず、1 つの vSphere Replication アプライアンス インスタンスで最大 500 台の仮想マシンのレプリケーションを管

理できます。

Protected Site Target Site 1

Target Site 2

vSphere

VRA

vSphere

NFC

vSphere

NFC

VMDK1 VMDK2Storage

VMDK2Storage

VMDK2Storage

VRAppliance

vSphere Client

vCenter Server

VR Server

VR Server

図 6: 複数のサイトと vSphere Replication サーバによるレプリケーションのフレームワーク: 1 か所のデータセンターで 2 か所のリモート サイトにレプリケーションを行う場合

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VMware vSphere® Replication 5.5 の概要

このフレームワーク内では、15 分から 24 時間の範囲で各仮想マシンの RPO を定義できます。この RPO は中断な

しで必要なときに変更できるので、管理者は変動率や帯域幅の可用性などの動的な要素に基づいてレプリケーション

を微調整することができます。

Multiple Sites – Single vCenter

Main Datacenter – Single vCenter

Sample Replication Topologies

Site 1 Site 2 Site 3

Site 4

VRAppliance

VRAppliance

VRAppliance

vSphere

vSphere

VRAppliance

vSphere

vCenterServer

vCenterServer

vSphere

ReplicationDirection

図 7: その他のオプション: 異なる vCenter Server システム インスタンスによって管理される複数のリモート サイト間でのレプリケーション

RPO は各仮想マシンに対して固有なので、重要度が高い仮想マシンには他の仮想マシンより厳密なレプリケーショ

ン目標を割り当てることができます。また、仮想マシンのグループを選択して大規模な変更を適用することもできま

す。仮想マシン内のディスクごとにレプリケーションするかどうかを構成することで、さらに帯域幅を節約し、リカ

バリに要する時間を短縮できます。たとえば、データベースが複数のディスクで構成されており、いずれかのディス

クを一時的なスクラッチ専用の場所として使用している場合があります。このディスクはレプリケーション不要です。

同様に、スワップ ファイルやページング ファイルが専用ディスクにリダイレクトされる場合もあります。これらの

のディスクもレプリケーションから除外できるため、一時データの帯域幅を節約できます。

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VMware vSphere® Replication 5.5 の概要

図 8: レプリケーション = 仮想マシンのポリシー

レプリケーションされたディスクは、プライマリ コピーの形式、レイアウト、スナップショットとは無関係です。

たとえば、プライマリ ロケーションでファイバ チャネル SAN にシック プロビジョニングされる仮想マシン ディ

スク ファイルを、リカバリ用にローカル ロケーションにシン プロビジョニングできます。その場合、vSphere

Replication は、レプリケーションのストレージ ハードウェアが同一であるという要件を排除します。同様に、リカ

バリ実行時に仮想マシン レプリカは 「コールド ブート」 されるため、クラスタ間でレプリケーションする場合はサー

バ ハードウェアが同一である必要はありません。

図 9: 仮想マシンのレプリケーション プロパティの選択: 履歴ポイントのインスタンスの保持など

基本的には、vSphere Replication はポリシー ベースのシステム保護を可能にします。これはオブジェクトのレプ

リケーション構成が仮想マシン自体のプロパティとして添付されるためです。また、変更やオーバーヘッド、中断な

しで、仮想マシンを継続的に動作させることもできます。

仮想マシンの変更されたブロックを識別する追跡メカニズムはストレージ レイヤーの上にあるため、ディスクの場所、

ディスク形式、シンまたはシック プロビジョニング ディスクにかかわらず、またスナップショットが仮想マシンに

よって使用されるかどうかにかかわらず、レプリケーションを実行できます。

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VMware vSphere® Replication 5.5 の概要

仮想マシンのリカバリ仮想マシンのリカバリは、テスト、近い将来の障害、ディザスタ リカバリなどの多くの理由で必要になります。

vSphere Replication は、管理者が vSphere Web Client で数回クリックするだけで、個々のマシンを手動でリカ

バリできるように設計されています。

vSphere Replication の目指すものは、vCenter Site Recovery Manager のようにディザスタ リカバリの複雑な

オーケストレーションを提供することではなく、仮想マシン ベースのレプリケーションを提供することにより、必

要な環境で緻密なリカバリ構成を可能にすることです。ただし、必要に応じて、vSphere Replication を vCenter

Site Recovery Manager のリカバリ エンジンとして使用できます。この場合、追加構成やセットアップに対する特

別な配慮は不要です。vCenter Site Recovery Manager は、vSphere Replication で保護されているマシンを認

識し、それらの保護を 「継承」 することができます。

図 10: レプリケーションのステータスを右クリックして仮想マシンをリカバリ

vSphere Replication では、3 つの方法のいずれかで仮想マシンのリカバリを簡単に開始できます。vSphere Web

Client の [vSphere Replication] にあるレプリケーションの [Status] に移動したら、まずリカバリする仮想マシ

ンを選択します。リカバリ アクションは、右クリックするか、リカバリ アイコンをクリックするか、[Actions] ドロッ

プダウン メニューから [Recover] を選択することで開始できます。

オリジナルの仮想マシンが接続可能な状況で、まだパワーオン状態の場合、レプリカをパワーオンしてリカバリする

ことはできません。リカバリ プロセスを続行するには、仮想マシンのプライマリ コピーに vCenter Server から接

続できない状態になるか、プライマリ コピーをパワーオフする必要があります。次の手順では、格納するフォルダと

パワーオンされるクラスタまたはリソース プールなど、仮想マシンのコピー先を選択します。ここで、最新の変更を

同期するかどうか、保護されている仮想マシンが利用可能かどうかなど、リカバリ方法を選択できます。ただし、保

護されているシステムが利用できない状態か、望ましくない状態の場合、ユーザーは最新の変更を同期せず、最新の

健全なレプリケーションを使用して仮想マシンのリカバリを続行できます。

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VMware vSphere® Replication 5.5 の概要

図 11: 仮想マシンのリカバリの完了

これらの項目を選択すると、リカバリが開始されます。このプロセスにより、レプリカ ディスクに接続された仮想マ

シンのパワーオン コピーが作成されますが、仮想ネットワーク カードはポート グループに一切接続されません。こ

の動作によって、重複によるブロードキャスト競合やルーティング問題とともに、同じ仮想マシンがネットワーク上

の 2 つの場所で同時にアクティブになる事態を防ぐことができます。仮想マシンが完全に起動したら、管理者はリカ

バリ状況と起動したレプリカの状態を確認し、仮想マシンを適切なネットワークに接続してリカバリを完了します。

複数の履歴ポイントの保持vSphere Replication 5.5 では、リカバリ用に履歴ポイントを保持するオプションを導入しました。すでに述べたよ

うに、このポリシーは仮想マシンのレプリケーションを構成する際に選択します。

図 12: レプリケーションのポリシーとして保持する履歴ポイントを選択

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VMware vSphere® Replication 5.5 の概要

仮想マシンをレプリケーションし、履歴ポイントの保持を選択すると、管理者は仮想マシンを以前のいずれかのレプ

リカに戻すことができます。履歴ポイントは仮想マシンのスナップショットとして保持されます。このスナップショッ

トは、VMware vSphere Client ™ スナップショット マネージャを使用して参照できます。履歴ポイントのスナップ

ショットには、作成日時を示す日付スタンプ ラベルが付けられます。管理者は使用するスナップショットを選択し、

その履歴ポイントに戻したり、1 つまたは複数のスナップショットを削除したりできます。

図 13: 保持された履歴ポイントで仮想マシンをリカバリし、スナップショット マネージャを使用して以前の段階に戻す

仮想マシンのリカバリは、GUI で数回クリックするだけで安全に安定して実行できる簡単なプロセスです。

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VMware vSphere® Replication 5.5 の概要

次のステップ

vSphere Replication で仮想マシンを損失やダウンタイムから保護する

vSphere Replication を vSphere 5.5 の一部として導入することで、リスクを負担することなく仮想マシンの可用

性を改善できます。今すぐ登録して vSphere をお試しください。重要な仮想マシンのレプリケーションを IT プラッ

トフォームに組み込むメリットを実際にご体験いただけます。

その他のドキュメント

vSphere の詳細については、製品ページをご覧ください。

http://www.vmware.com/jp/products/datacenter-virtualization/vsphere/overview.html.

以下のリンクで、vSphere および vCenter Server のドキュメントにオンラインでアクセスできます。

• 製品ドキュメント

• VMware ナレッジ ベース

執筆者についてKen Werneburg は、VMware のシニア テクニカル マーケティング マネージャです。クラウドおよびインフラス

トラクチャ管理グループで、ビジネス継続性とディザスタ リカバリ ソリューションに取り組んでいます。Ken は

2006 年に VMware に入社しました。

• Ken のブログをフォロー:http://blogs.vmware.com/vsphere/uptime (英語)

• Twitter で Ken をフォロー:@vmKen

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ヴイエムウェア株式会社 〒105-0013 東京都港区浜松町 1-30-5 浜松町スクエア 13F www.vmware.com/jpCopyright © 2012 VMware, Inc. All rights reserved.本製品は、米国および国際的な著作権法および知的財産法によって保護されています。VMware の製品は、http://www.vmware.com/go/patents のリストに表示 されている 1 つまたは複数の特許の対象です。VMware は、米国およびその他の地域における VMware, Inc. の登録商標または商標です。他のすべての名称ならびに製品についての商標は、それぞれの所有者の商標または 登録商標です。アイテム No.:VMW-TWP-vSPHR-REP-5.5-OVERVW-A4-101 Docsource:OIC - 13VM004.04

本資料は原題 「VMware vSphere® Replication 5.5 Overview」 の翻訳版です。