vol.62 津山高専津山高専だよりだより ·...

18
2009,3,12 TSUYAMA NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY Tsuyama National College of Technology Tsuyama National College of Technology Vol.62 CONTENTS 津山高専 だより ロボコン大賞受賞おめでとう …2 将棋部 ……………………………6 ACM国際大学対抗 プログラミングコンテスト …6 ヨーロッパ研修旅行 ……………7 上海研修旅行 ……………………8 ペンカレ研修旅行 ………………9 退職される先生からの言葉 ……10 弥生祭 ……………………………13 卒業生の寄せ書き ………………14 学生表彰・行事予定 ……………18 ロボコン大賞受賞 おめでとう!! 特集

Upload: others

Post on 09-Aug-2020

3 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

2009,3,12

TSUYAMA NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY

Tsuyama

 National College

   of Technology

Tsuyama

 National College

   of Technology

Vol.62

CONTENTS

津山高専だより津山高専だより

ロボコン大賞受賞おめでとう …2

将棋部 ……………………………6

ACM国際大学対抗

 プログラミングコンテスト …6

ヨーロッパ研修旅行 ……………7

上海研修旅行 ……………………8

ペンカレ研修旅行 ………………9

退職される先生からの言葉 ……10

弥生祭 ……………………………13

卒業生の寄せ書き ………………14

学生表彰・行事予定 ……………18

ロボコン大賞受賞おめでとう!!

特 集

Page 2: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

ロボコン大賞受賞おめでとう!!ロボコン大賞受賞おめでとう!!

やったね!ロボコン大賞やったね!ロボコン大賞

 2005年の全国大会優勝の後、池田君を中心にした新たなメンバーによる情報総研チームは2006年に技術賞、2007年に準優勝と中国地区大会で活躍してきた。しかし、あと一歩で全国大会に出場することができず、悔しい思いで2008年の大会に臨んでいた。2008年の課題は3分間のタイムレースながら、多足歩行ロボットから二足歩行ロボットへの変身パフォーマンスとその歩行競技で構成され、例年と違ってアイデア重視の課題となっていた。そこで勝敗には敢えてこだわらず、インパクトのあるアイデアと技術で全国大会出場を狙おうと、部長の池田君と相談し、メンバーのユニークでおもしろいアイデアを期待した。そして出てきたのが本格的な二足歩行ロボットへの挑戦と鉄棒での大車輪、その後、空中で一回転して着地するというウルトラCの演技を目指すものであった。正直、無謀すぎるアイデアである。しかし、何故か自信ありげな池田君の説明に、100%は無理でもまず他のチームは真似できないし、半分でも実現できれば全国大会が狙えると思い直し、これで進めることになった。 実現できればロボコン大賞も夢ではない、そう思いながらも設計・製作は今までで最も難しく、試験走行でもなかなか上手く歩いてくれなかった。大会でもトラブルが続き、もうダメかと挫けそうになる場面が何度もあったが、ルールの抜け道を使って簡単な機構にしても評価されない。やはり難しいところに正面からチャレンジしてこそ高く評

価される。最初に目指したアイデアを何とか実現しようと頑張るチームに、回りの人たちからも温かい応援がたくさんあった。そうやって中国地区大会、全国大会を乗り切ることができた。 今振り返っても「やったね!」と思えるシーンがいくつか浮かんでくる。中国地区大会では、伝統技?である倒れても起き上がるロボットで会場から拍手喝采をもらった。全国大会ではあの大車輪で広い国技館がどっと沸いた。さらに、会場の子供達による特別試合への推薦投票もダントツの1位だった。ロボコン実行委員会顧問の森政弘先生も「卓越したパフォーマンスで会場を最も沸かし、ロボットの楽しさを伝えた」と絶賛してくれた。最後まで挫けずにやり遂げた池田君とチームの皆にもう一度「ロボコン大賞おめでとう」。

情報総合研究部顧問 河合雅弘 情報総合研究部 池田将洋達成できた夢達成できた夢

 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果たし、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することができた。この賞は取ろうとして取れるものではなく、総合的に一番優れたロボットに贈られるものである。僕たちがどのようにして栄光を勝ち取ったのかを報告しておきたい。 きっかけは「大車輪」だった。人型ロボットで「大車輪」するという未知のアイデアにはメンバーの誰もが本当にできるのか疑問に思った。けれども、常識を超えたアイデアに挑戦してみたかった。苦労することは予想していたが、思っていた以上に自分たちが実現しようとしているものは難しく、来る日も来る日も製作と調整の連続だった。ハードスケジュールだったが、どんなに大変な作業でも、部員一人一人がちゃんと自分の役割を果たし、決して諦めなかった。努力の末、アイデアを実現させることができた。 ただ、そのロボットはメンテナンスが難しく、完璧に動いたことはあまりなかった。実際は中国地区大会でも全国大会でも本番前日のテストランではゴールすらできず、本当にこれで期待に応えられるだろうかと不安だった。でも今まで頑張ってきたことを無駄にはしたくなかったので、できるだけのことはしようと必死だった。そんな困難を乗り越えて本番で成功できたのも、メンバーが最後まで懸命だったからだと確信している。

 最後になりましたが、応援して下さった皆さん、ありがとうございました。多くの人の支えがあってこそのロボコン大賞だと思っています。また、多くの人の期待に応えられたことで、情報総研一同はより一層成長しました。これからも独創的なアイデアと技術力で“ものづくり”の楽しさを広めていこうと思います。またお世話になることも多いと思いますが、今後ともどうぞよろしくお願いします。

アイデア対決全国高専ロボコン2008アイデア対決全国高専ロボコン2008

津 山 高 専 だ よ り第62号 第62号

― 2 ―

《ロボコン大賞受賞おめでとう!!》

津 山 高 専 だ よ り

― 3 ―

《ロボコン大賞受賞おめでとう!!》

Page 3: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

ロボコン大賞受賞おめでとう!!ロボコン大賞受賞おめでとう!!

やったね!ロボコン大賞やったね!ロボコン大賞

 2005年の全国大会優勝の後、池田君を中心にした新たなメンバーによる情報総研チームは2006年に技術賞、2007年に準優勝と中国地区大会で活躍してきた。しかし、あと一歩で全国大会に出場することができず、悔しい思いで2008年の大会に臨んでいた。2008年の課題は3分間のタイムレースながら、多足歩行ロボットから二足歩行ロボットへの変身パフォーマンスとその歩行競技で構成され、例年と違ってアイデア重視の課題となっていた。そこで勝敗には敢えてこだわらず、インパクトのあるアイデアと技術で全国大会出場を狙おうと、部長の池田君と相談し、メンバーのユニークでおもしろいアイデアを期待した。そして出てきたのが本格的な二足歩行ロボットへの挑戦と鉄棒での大車輪、その後、空中で一回転して着地するというウルトラCの演技を目指すものであった。正直、無謀すぎるアイデアである。しかし、何故か自信ありげな池田君の説明に、100%は無理でもまず他のチームは真似できないし、半分でも実現できれば全国大会が狙えると思い直し、これで進めることになった。 実現できればロボコン大賞も夢ではない、そう思いながらも設計・製作は今までで最も難しく、試験走行でもなかなか上手く歩いてくれなかった。大会でもトラブルが続き、もうダメかと挫けそうになる場面が何度もあったが、ルールの抜け道を使って簡単な機構にしても評価されない。やはり難しいところに正面からチャレンジしてこそ高く評

価される。最初に目指したアイデアを何とか実現しようと頑張るチームに、回りの人たちからも温かい応援がたくさんあった。そうやって中国地区大会、全国大会を乗り切ることができた。 今振り返っても「やったね!」と思えるシーンがいくつか浮かんでくる。中国地区大会では、伝統技?である倒れても起き上がるロボットで会場から拍手喝采をもらった。全国大会ではあの大車輪で広い国技館がどっと沸いた。さらに、会場の子供達による特別試合への推薦投票もダントツの1位だった。ロボコン実行委員会顧問の森政弘先生も「卓越したパフォーマンスで会場を最も沸かし、ロボットの楽しさを伝えた」と絶賛してくれた。最後まで挫けずにやり遂げた池田君とチームの皆にもう一度「ロボコン大賞おめでとう」。

情報総合研究部顧問 河合雅弘 情報総合研究部 池田将洋達成できた夢達成できた夢

 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果たし、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することができた。この賞は取ろうとして取れるものではなく、総合的に一番優れたロボットに贈られるものである。僕たちがどのようにして栄光を勝ち取ったのかを報告しておきたい。 きっかけは「大車輪」だった。人型ロボットで「大車輪」するという未知のアイデアにはメンバーの誰もが本当にできるのか疑問に思った。けれども、常識を超えたアイデアに挑戦してみたかった。苦労することは予想していたが、思っていた以上に自分たちが実現しようとしているものは難しく、来る日も来る日も製作と調整の連続だった。ハードスケジュールだったが、どんなに大変な作業でも、部員一人一人がちゃんと自分の役割を果たし、決して諦めなかった。努力の末、アイデアを実現させることができた。 ただ、そのロボットはメンテナンスが難しく、完璧に動いたことはあまりなかった。実際は中国地区大会でも全国大会でも本番前日のテストランではゴールすらできず、本当にこれで期待に応えられるだろうかと不安だった。でも今まで頑張ってきたことを無駄にはしたくなかったので、できるだけのことはしようと必死だった。そんな困難を乗り越えて本番で成功できたのも、メンバーが最後まで懸命だったからだと確信している。

 最後になりましたが、応援して下さった皆さん、ありがとうございました。多くの人の支えがあってこそのロボコン大賞だと思っています。また、多くの人の期待に応えられたことで、情報総研一同はより一層成長しました。これからも独創的なアイデアと技術力で“ものづくり”の楽しさを広めていこうと思います。またお世話になることも多いと思いますが、今後ともどうぞよろしくお願いします。

アイデア対決全国高専ロボコン2008アイデア対決全国高専ロボコン2008

津 山 高 専 だ よ り第62号 第62号

― 2 ―

《ロボコン大賞受賞おめでとう!!》

津 山 高 専 だ よ り

― 3 ―

《ロボコン大賞受賞おめでとう!!》

Page 4: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

ついにロボコン大賞受賞!!!ついにロボコン大賞受賞!!!

10月26日に高専ロボコン2008中国地区大会を久米総合文化運動公園体育館にて開催津山高専は「アイデア賞」を受賞

10月26日に高専ロボコン2008中国地区大会を久米総合文化運動公園体育館にて開催津山高専は「アイデア賞」を受賞

津山高専ロボコン総括 里吉昭宣

 アイデア対決全国高等専門学校ロボットコンテスト2008(以下高専ロボコン)は、中国地区大会が10月26日に津山市久米総合文化運動公園体育館で、全国大会が11月23日に東京都墨田区の国技館でそれぞれ開催されました。今年の課題は、「ROBO-EVOLUTION 生命大進化」で、ロボットが多足歩行から二足歩行に進化し、途中でパフォーマンスを行った後、歩いてゴールという難しいものでした。 中国地区大会は、津山高専から「モン吉(Aチーム:電子制御工学科有志)」と「キカイタイソウ(Bチーム:情報総合研究部)」の2チームが出場し、Aチームは1回戦敗退、Bチームは2回戦敗退でしたが、キカイタイソウロボットが鉄棒で大車輪を行った後、人間らしい二足歩行するという会場をアッと言わせるパフォーマンスにより、「アイデア賞」を受賞するとともに、「全国大会推薦出場」が決まりました。 全国大会は、1回戦でのゴールタイムによる上位8チームの優勝争いと、審査員推薦の2チームと会場のアンケートの上位2チームの合計4チームの特別試合を実施するという地区大会とは異なる試合形式でした。1回戦は、試合時間3分以内で、パフォーマンスを披露し、ゴールに向いますが、たとえ一方のチームがゴールしても、もう一方のチームは3分間をフルに使い、パフォーマンスを披露できます。津山高専チームは、1回戦ではゴールできませんでしたが、3分間と試合後の時間ももらって、大車輪や二足歩行に加え、地区大会から進化した3点倒立、礼、万歳等のポーズもすべて披露しました。その結果、会場のアンケートでは第1位で、特別試合に選出されました。特別試合では、ロボットが転んでも自力で起き上がるパフォーマンスも行いました。1回戦が済んだ時点で、「ロボコン大賞」がちらついている感じでした。私は、写真撮影のため審査委員長の近くにいましたが、特別試合後、審査委員長の反応を見て、また、決勝戦までの間の審査会議後にカメラマンが津山高専の応援席に行ったのを見て「ロボコン大賞受賞」をほぼ確信はしていましたが、表彰式では、最後の特別賞に名前が挙がり、一瞬「ロボコン大賞はだめか」と思いました。このときには、私は、競技役員や協賛企業表彰者の方たちと一緒に花道にいました。審査委員長のロボコン大賞の選考理由の中で「大車輪」という言葉を聞き、次いで

津山高専の名前が挙がったとき、うれしさで涙が出てしまいました。そして、その後の多くの競技役員や協賛会社の方々たちから、握手や祝福の言葉をいただき、その間中、涙が止まりませんでした。本当に感激の瞬間でした。津山高専の常勤最後の年に、競技委員長の大役を無事果たせ、最良の餞(はなむけ)になりました。学生諸君や応援をいただいた教職員、保護者、OBの皆様に感謝するばかりです。本当にありがとうございました。 最後に、今後も、全国優勝とロボコン大賞を目指して、チームが協力するとともに競争しあってくれることを心から期待しています。

津 山 高 専 だ よ り第62号 第62号

― 4 ―

《ロボコン大賞受賞おめでとう!!》

津 山 高 専 だ よ り

― 5 ―

《ロボコン大賞受賞おめでとう!!》

Page 5: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

ついにロボコン大賞受賞!!!ついにロボコン大賞受賞!!!

10月26日に高専ロボコン2008中国地区大会を久米総合文化運動公園体育館にて開催津山高専は「アイデア賞」を受賞

10月26日に高専ロボコン2008中国地区大会を久米総合文化運動公園体育館にて開催津山高専は「アイデア賞」を受賞

津山高専ロボコン総括 里吉昭宣

 アイデア対決全国高等専門学校ロボットコンテスト2008(以下高専ロボコン)は、中国地区大会が10月26日に津山市久米総合文化運動公園体育館で、全国大会が11月23日に東京都墨田区の国技館でそれぞれ開催されました。今年の課題は、「ROBO-EVOLUTION 生命大進化」で、ロボットが多足歩行から二足歩行に進化し、途中でパフォーマンスを行った後、歩いてゴールという難しいものでした。 中国地区大会は、津山高専から「モン吉(Aチーム:電子制御工学科有志)」と「キカイタイソウ(Bチーム:情報総合研究部)」の2チームが出場し、Aチームは1回戦敗退、Bチームは2回戦敗退でしたが、キカイタイソウロボットが鉄棒で大車輪を行った後、人間らしい二足歩行するという会場をアッと言わせるパフォーマンスにより、「アイデア賞」を受賞するとともに、「全国大会推薦出場」が決まりました。 全国大会は、1回戦でのゴールタイムによる上位8チームの優勝争いと、審査員推薦の2チームと会場のアンケートの上位2チームの合計4チームの特別試合を実施するという地区大会とは異なる試合形式でした。1回戦は、試合時間3分以内で、パフォーマンスを披露し、ゴールに向いますが、たとえ一方のチームがゴールしても、もう一方のチームは3分間をフルに使い、パフォーマンスを披露できます。津山高専チームは、1回戦ではゴールできませんでしたが、3分間と試合後の時間ももらって、大車輪や二足歩行に加え、地区大会から進化した3点倒立、礼、万歳等のポーズもすべて披露しました。その結果、会場のアンケートでは第1位で、特別試合に選出されました。特別試合では、ロボットが転んでも自力で起き上がるパフォーマンスも行いました。1回戦が済んだ時点で、「ロボコン大賞」がちらついている感じでした。私は、写真撮影のため審査委員長の近くにいましたが、特別試合後、審査委員長の反応を見て、また、決勝戦までの間の審査会議後にカメラマンが津山高専の応援席に行ったのを見て「ロボコン大賞受賞」をほぼ確信はしていましたが、表彰式では、最後の特別賞に名前が挙がり、一瞬「ロボコン大賞はだめか」と思いました。このときには、私は、競技役員や協賛企業表彰者の方たちと一緒に花道にいました。審査委員長のロボコン大賞の選考理由の中で「大車輪」という言葉を聞き、次いで

津山高専の名前が挙がったとき、うれしさで涙が出てしまいました。そして、その後の多くの競技役員や協賛会社の方々たちから、握手や祝福の言葉をいただき、その間中、涙が止まりませんでした。本当に感激の瞬間でした。津山高専の常勤最後の年に、競技委員長の大役を無事果たせ、最良の餞(はなむけ)になりました。学生諸君や応援をいただいた教職員、保護者、OBの皆様に感謝するばかりです。本当にありがとうございました。 最後に、今後も、全国優勝とロボコン大賞を目指して、チームが協力するとともに競争しあってくれることを心から期待しています。

津 山 高 専 だ よ り第62号 第62号

― 4 ―

《ロボコン大賞受賞おめでとう!!》

津 山 高 専 だ よ り

― 5 ―

《ロボコン大賞受賞おめでとう!!》

Page 6: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

熱中!キャンパスライフ熱中!キャンパスライフ

 本校将棋部は、これまで高校・高専・大学のさまざまな将棋大会に出場し、高校県大会や全国高専将棋大会で何度も優勝経験があります。この伝統を守るべく、顧問と現役部員は一丸となって、日々練習に励んでいます。 今年度は、女子部員の赤田桃子(C-2)さんの活躍がいちじるしく、春と秋の県高校女子個人戦で優勝し、「第44回全国高校将棋選手権大会」(前橋市)と「第17回全国高等学校文化連盟将棋新人大会」(岐阜市)に県代表として出場しました。特に中国大会で女子学生チャンピオンになったのはすばらしい戦績でした。 写真は、秋の高校県大会で優勝したときのものです。男子団体戦優勝メンバーは、長尾拓哉(S-3)くん、市原臣時(C-3)くん、小野宏大(C-3)くんたちです。このように、読者のみなさんも、なにか熱中するものを持って、充実した学生生活をおくってください。

将棋部顧問 稲田知己

アジア地区予選に出場!!アジア地区予選に出場!!システム研究部 山下晃弘

 今年度の10月26日にACM大学プロコンのアジア地区予選大会に出場してきました。夏に行われた国内予選で選抜された、全35チームが集まり、5時間の制限時間の中で、どれだけ多くのプログラムの問題を解けるかを競いました。会場内では英語が公用語なので、受付や質問を英語で行わなければならず、また問題文も英文だったので、プログラミング以前に問題内容を理解するのにずいぶん時間をかけてしまい、悔しい思いをしました。競技のほかにも、パーティや観光のようなもの

があり、他の大学生とともに和やかな雰囲気の中、過ごすことができました。良い成績を残すことはできませんでしたが、大会に参加したことで他の多くの価値ある経験ができたと思います。来年度の大会にも出場し、良い結果が残せるように、プログラミングと特に英語の力を強化していきたいと思います。

将 棋 部将 棋 部

津 山 高 専 だ よ り第62号

― 6 ―

左から情報工学科4年山下晃弘 石本龍己 メンディ

《将棋部・ACM国際大学対抗プログラミングコンテスト》

ACM国際大学対抗

プログラミングコンテスト

Page 7: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

 私は今回、『環境をテーマにヨーロッパの先進技術を見る』という目的でドイツ、フランスの2カ国に研修をしてきて、様々なことを学びました。 まずドイツでは、環境という言葉をバックグラウンドに交通、太陽光エネルギー、建築物、ゴミ対策と様々なことが整備されていました。その中でも、私が一番印象に残っているものは、フライブルクにある VauBan 団地でした。この団地はこの研修のドイツで学んだほとんどの環境配慮が含まれた団地だと思いました。太陽光パネルや特殊な壁の造り、そして完璧な交通規制。私はこの団地のこういったコンセプトにとても魅力を感じます。住民が考えて、住民が環境に優しく、そして団地全体が環境に優しいような団地は日本にも必要だと思いました。

 次にフランスでは、LPCE、CNES、AirBus、と環境というよりは最先端技術について学んできました。私の研究が流体工学ということから AirBus 社を見学できることにとても魅力を感じていました。その見学もとても有意義なもので、普段見ることのできない貴重な体験ができたと思います。 そして今回の体験を通じて、様々な研修や課外活動に積極的に参加し将来に役立てていきたいとも思いました。 今回のヨーロッパ研修はアメリカ研修(ペンカレ)と違って毎年実施されているプログラムとは違うのでまたこのような機会があれば、みなさん、ぜひ参加することをおすすめします。 最後にこのような貴重な体験ができたのも岡山経済同友会津山支部様のご支援、津山高専の教職員、そして引率していただいた福田教員と芳原教員のおかげです。ありがとうございました。

機械工学科5年 岡村知明

第62号津 山 高 専 だ よ り

― 7 ―

《ヨーロッパ研修旅行》

環境をテーマにEUの最先端技術を見る

ヨーロッパ研修旅行

Page 8: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

 今回の上海研修ではいろいろなことを体験し、学ぶことができました。自分自身初めての海外ということや、中国の悪いイメージから行くことに少し不安もありました。が、しかし、実際に中国という国に来て、4日間だけ過ごしただけでも、そのイメージは一部にしか過ぎないんだと実感させられ、自分が想像していたよりもずっと有意義な研修になりました。行く前に先生が言っていた、「中国人は元気だ」という言葉の意味を肌で実感し、同時に少し元気をもらえたような気がします。特にそのことで印象に残ったのは、靴工場に見学に行った際に聞いた劉さんの話です。生活の面でということもあるかもしれないですが、自分の学びたいことに真っすぐで、ハングリーさがあり、今現在も進路ややりたいことについて悩んでいる自分にとって良い刺激となりました。もちろん劉さんだけではなく、日本語を商売のために覚えている人達も一緒で、目的のためのハングリーさというものは、日本人には足りない部分であると同時に、必要な部分でもあると思います。 また、ミズノ上海工場に行った時に聞いた、「日本に居ては日本のことは分からない」という言葉にはすごく考えさせられました。今回の上海研修に参加した理由が、違う価値観に触れて新しい価値観を学びたいという理由だったので、そういった意味で共感する部分もあ

り、とても印象に残りました。中国の人に聞く日本のイメージと、自分が思う日本のイメージには違いがあったり、格差の問題や、給料の話なども、日本とはまったく違う意識や状況を知ることが自分にとって考えるきっかけになって、プラスになったと思います。 しかし、やはり言葉の壁にはぶつかり、困りました。買い物をするとき、言葉が全然通じなく、欲しい物が買えなかったり、話したい相手と会話できなかったりと、違う国に行く大変さも改めて実感させられました。でも、人によってはジェスチャーなどを使って説明してくれたり、なんとなく通じたりと、言葉が通じなくてもコミュニケーションがとれることがとても楽しかったです。 もしまた今度中国に行く機会があれば、その時は今より中国語が喋れるようになっていたいです。

電子制御工学科4年 森 陽平上海研修レポート

上海研修旅行

津 山 高 専 だ よ り第62号

― 8 ―

《上海研修旅行》

Page 9: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

 ペンシルバニア・カレッジ・オブ・テクノロジー(ペンカレッジ)は、米国ペンシルバニア州ウィリアムスポートにキャンパスを構える技術大学。工学、情報、建築などの技術系は勿論のこと、ビジネスや医療など幅広い分野の学士課程が設けられ、実に7千人近くの学生が学んでいます。一見すると高専と似た学校のように思えますが、その規模はまさにアメリカンサイズという言葉が似合うでしょう。 そのペンカレッジと津山高専は、毎年数名の学生を互いに派遣し合って国際交流に努めています。 昨年5月、ペンカレッジの学生を津山高専に迎えたことから私達の交流活動は始まりました。日本文化に興味を持って来日した6人の学生、そして先生との親睦を深め、私達は来るペンカレッジ研修への期待に胸を膨らませたのです。

 それから数ヶ月の準備を経て、待ちに待った10月下旬、私達はついにアメリカの大地に降り立つことになりました。 期待にたがわず、アメリカでの1週間は夢のような日々でした。ホストファミリーの方々の優しさに感謝しながらアメリカの生活文化に浸りきったホームステイ、豊かな自然に囲まれたペンカレッジでの開放感溢れるキャンパスライフ、クラスに交じって実験に参加したルブラン先生の物理の授業…。目に映るもの全てが興味の対象であり、私達は貪欲にそれらを吸収していきました。 その中でも一際強く心に残っているのは、やはりホストファミリーや学生をはじめとする多くの人達との交流に他なりません。互いの趣味や生活のことを話したり、子供と一緒に遊んだりする内に、人と人との交流に言葉の違いや国境などは関係ないのだということを私達は実感することができました。 ここで知り合った人達とは今後も連絡を取り続けたいですし、今後の人生においても積極的に他国の人達とのコミュニケーションの機会を求めていきたいと思っています。

情報工学科4年 先原直樹ペンカレッジに参加して

第62号津 山 高 専 だ よ り

― 9 ―

《ペンカレ研修旅行》

ペンカレ研修旅行

Page 10: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

 平成21年3月に1年間の再雇用を終え、2度目の退職となります。この最後の平成20年度は、私にとって本当にすばらしい年でした。すなわち、アイデア対決高専ロボコン2008中国大会で競技委員長の大役を多くの方のご支援で無事終

えたこと、そして、全国大会出場で念願の「ロボコン大賞」受賞に立ち会えたからです。私は、2003年映画「ロボコン」に現在活躍中の俳優の人たちと出演しました。その後、津山高専の2チームがそれぞれ技術力をつけ、2005年の全国大会で初の1勝が初優勝し、2007年には中国地区大会で初優勝し、その年の全国大会「風林火山 ロボット騎馬戦」でベスト8でした。同年には、また、「レスキューロボコン総合優勝」と「レスコン工学大賞」受賞も加え、参加してきた主たるロボコンの最高賞すべてに関わることができました。学生諸君、教職員やOBの皆様等に本当にありがとう。 さて、私は昭和19年に広島市に生まれ、生後8ヶ月で爆心地から1.5kmの屋内で母親に抱かれた状態で原爆を受けました。その母は、10年後に白血病で亡くなりましたが、すべてを母親の背中が守ってくれたと思っています。その後、地元広島大学大学院精密工学専攻課程を修了後、当時、内地留学で大学にこられていた故重松清先生の紹介で津山高専機械工学科助手として赴任しました。研究テーマは、「鋳型壁移動の基礎的研究」でしたが、平成3年の機械工学科1クラスの改組に伴い、新設の電子制御工学科に配置換えとなり、研究テーマも変えざるを得ませんでした。機械工学科では、人間的にも多くのことを教えられ学びました。特に、昭和年号の最後の時期に厚生補導の非行関係を担当し、調査のため多くの学生と接触できたことが、以後の私の教育等に関する考え方を大きく変えました。 改組に伴う概算要求資料等の作成、湾岸戦争による学

 皆さん、申し訳ありません。家族の都合で津山高専を離れます。もっと、もっと色々なことを皆さんと頑張りたかったのですが、ごめんなさい。 津山高専に赴任し、衛星設計コンテストや米国ロケット打上げ、

金星衛星の開発などを皆さんといっしょに行ってきました。徹夜作業が数日続いても必死に頑張っている皆さんの姿に、私も勇気付けられました。最寄りのコンビニまで300kmもあるアメリカの砂漠のど真ん中で、東京大学や東北大学、スタンフォード大学の学生たちと互角に戦っている皆さんの姿は、私の誇りでした。本当にありがとう。 以前、ある塾教師の勧めでマンガのドラゴン桜を読んだことがあります。その内容の薄さに正直びっくりしました。人生は、ドラゴン桜に描かれているほど単純ではありません。 私が長年従事した宇宙船開発の現場は、正に修羅場でした。その修羅場では、出身校などは全く意味を持ちません。私たちの目の前には、人類がはじめて遭遇するような難題があり、そこから逃げずに立ち向かうエンジニアが評価されました。 私は、修羅場のような開発現場にいることが辛かったのですが、また逆に仲間とその修羅場で頑張っていることが何よりも愛おしいと感じていました。私は仲間と難題に立ち向かっていることが幸せでした。 皆さん、どうか生涯をかけて立ち向かう価値のあることを学生時代に見つけてください。人生は一回限りであり、自分の人生の意義を学生時代に見つけてください。答えは、ドラゴン桜から発見できないと私は思います。 私は蒲郡市の大学に異動します。近くに来たときには、遊びに来てください。美味しいお茶でもご馳走します。

科の見切り発車、実験室等の整備など大変だったことが思い起こされます。改組後は、現在と同じ4学科体制で、志願倍率は4学科とも高く、上々のスタートでした。 電子制御工学科への配置換えの平成3年から寮務主事代行で長い北辰寮の改革の一歩を踏み出しました。当時の北辰寮は、新入寮生が入寮後、桜の名所の鶴山公園の最上部で逍遥歌を披露しており、この練習に絡んで上級生が新入生に対して暴力行為を伴った行き過ぎ指導など、これが北辰寮の伝統だと、多くの新入生が泣き寝入りしていました。この問題を改善するのにその後10年がかかりました。他方、女子学生数が増加したため、女子寮の設置も進めていましたが、私が寮務主事のとき、やっと設置が決まり、男子寮であった第1寮を女子寮に改修し、現在に至っています。その後、学生主事のときには、現状の免許取得制などにも取り組み、主事が終わってからは電子制御工学科主任を昨年まで務めました。しかし、一番悔いの残ることは、担任が機械工学科で4年間と電子制御工学科で1年間の合計5年間しかないことです。その他に関しては、退職にあたって悔いのない充実した満足のいく教員生活でした。これも多くの教職員のご支援があったからで、皆様に心から感謝しています。本当に長い間ありがとうございました。 最後に、高専の状況も年々厳しくなるとともに、世の中も不況のまっただ中で先行きほんとうに不安ばかりのこの頃です。多くの有能な教職員の方々が入ってこられていますので、皆様でこれからも地域に密着した強い津山高専にしていただくよう心から切望しています。 また、学生の皆さんには、授業中に寝ることなく集中してほしいこと、自由には責任と義務が伴うことを肝に銘じてほしいこと、適切な判断のできる知識と礼儀を身につけてほしいこと、そして今しかできないことを見つけてチャレンジしてほしいと願っています。

電子制御工学科 里吉昭宣津山高専の発展を期待しつつ…

電子制御工学科 奥山圭一

 短い間でしたが津山高専での勤務は新鮮な驚きの連続でした。皆さんありがとう。 私は、赴任前の過去7年間ヨーロッパで働いておりました。フランスでは国立環境物理化学研究所で、フランス初のマイクロ衛星DEMETER

ミッションに入り、衛星打ち上げの関連業務と先行研究を行いました。スウェーデンでは王立宇宙物理研究所にてオーロラを眺めつつ、ヨーロッパ宇宙機構の大型衛星から刻 と々送られてくる最新の科学データの解析に従事し、イギリスシェフィールド大学では衛星データの解析とともにショック物理の素養も身につけることができました。この研究生活から見えてきたものは、Work, Finish, Publishの思想と国際協力の大切さです。研究を行い、結果をまとめ、そして学術論文として発表するというサイクルです。また、ヨーロッパは様々な国家、民族が混在し、母国語も違うのですが、科学者達に国境はないということでした。皆、知識欲にあふれ、情熱を持って、一流の研究を行おうという意識と、新しい科学成果を得るためには一致団結して協力するという姿勢でした。ここで必要となるのは、コミュニケーションツールとしての英語でした。 この体験を日本の若い学生達にも味あわせたいと願っておりましたが、高専という比較的自由な教育研究機関において、ある程度実現することができたと思っております。短い卒業研究の期間において、ひたむきな努力により、国際的に通用する仕事を終え、立派に学会発表をこなした学生達、英語での発表を経験した学生もおりました。また、ヨーロッパ研修旅行の企画引率に携わらせていただき、私のフランスの旧勤務先を含め、学生達が自国とは違う文化を肌で体験し、一回り大きくなって帰ってきたことを非常に嬉しく思いました。 4月より東京の大学の方に仕事場を移しますが、津山高専とは今後も共同研究等も行う予定ですので、遠慮なくコンタクトしてきてください。 最後に‘世界へ羽ばたけ高専生諸君!’

電子制御工学科 芳原容英津山高専の皆さん、ありがとうございました 若き学生諸君へ

津 山 高 専 だ よ り第62号 第62号

― 10 ―

《退職される先生からの言葉》

津 山 高 専 だ よ り

― 11 ―

《退職される先生からの言葉》

Page 11: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

 平成21年3月に1年間の再雇用を終え、2度目の退職となります。この最後の平成20年度は、私にとって本当にすばらしい年でした。すなわち、アイデア対決高専ロボコン2008中国大会で競技委員長の大役を多くの方のご支援で無事終

えたこと、そして、全国大会出場で念願の「ロボコン大賞」受賞に立ち会えたからです。私は、2003年映画「ロボコン」に現在活躍中の俳優の人たちと出演しました。その後、津山高専の2チームがそれぞれ技術力をつけ、2005年の全国大会で初の1勝が初優勝し、2007年には中国地区大会で初優勝し、その年の全国大会「風林火山 ロボット騎馬戦」でベスト8でした。同年には、また、「レスキューロボコン総合優勝」と「レスコン工学大賞」受賞も加え、参加してきた主たるロボコンの最高賞すべてに関わることができました。学生諸君、教職員やOBの皆様等に本当にありがとう。 さて、私は昭和19年に広島市に生まれ、生後8ヶ月で爆心地から1.5kmの屋内で母親に抱かれた状態で原爆を受けました。その母は、10年後に白血病で亡くなりましたが、すべてを母親の背中が守ってくれたと思っています。その後、地元広島大学大学院精密工学専攻課程を修了後、当時、内地留学で大学にこられていた故重松清先生の紹介で津山高専機械工学科助手として赴任しました。研究テーマは、「鋳型壁移動の基礎的研究」でしたが、平成3年の機械工学科1クラスの改組に伴い、新設の電子制御工学科に配置換えとなり、研究テーマも変えざるを得ませんでした。機械工学科では、人間的にも多くのことを教えられ学びました。特に、昭和年号の最後の時期に厚生補導の非行関係を担当し、調査のため多くの学生と接触できたことが、以後の私の教育等に関する考え方を大きく変えました。 改組に伴う概算要求資料等の作成、湾岸戦争による学

 皆さん、申し訳ありません。家族の都合で津山高専を離れます。もっと、もっと色々なことを皆さんと頑張りたかったのですが、ごめんなさい。 津山高専に赴任し、衛星設計コンテストや米国ロケット打上げ、

金星衛星の開発などを皆さんといっしょに行ってきました。徹夜作業が数日続いても必死に頑張っている皆さんの姿に、私も勇気付けられました。最寄りのコンビニまで300kmもあるアメリカの砂漠のど真ん中で、東京大学や東北大学、スタンフォード大学の学生たちと互角に戦っている皆さんの姿は、私の誇りでした。本当にありがとう。 以前、ある塾教師の勧めでマンガのドラゴン桜を読んだことがあります。その内容の薄さに正直びっくりしました。人生は、ドラゴン桜に描かれているほど単純ではありません。 私が長年従事した宇宙船開発の現場は、正に修羅場でした。その修羅場では、出身校などは全く意味を持ちません。私たちの目の前には、人類がはじめて遭遇するような難題があり、そこから逃げずに立ち向かうエンジニアが評価されました。 私は、修羅場のような開発現場にいることが辛かったのですが、また逆に仲間とその修羅場で頑張っていることが何よりも愛おしいと感じていました。私は仲間と難題に立ち向かっていることが幸せでした。 皆さん、どうか生涯をかけて立ち向かう価値のあることを学生時代に見つけてください。人生は一回限りであり、自分の人生の意義を学生時代に見つけてください。答えは、ドラゴン桜から発見できないと私は思います。 私は蒲郡市の大学に異動します。近くに来たときには、遊びに来てください。美味しいお茶でもご馳走します。

科の見切り発車、実験室等の整備など大変だったことが思い起こされます。改組後は、現在と同じ4学科体制で、志願倍率は4学科とも高く、上々のスタートでした。 電子制御工学科への配置換えの平成3年から寮務主事代行で長い北辰寮の改革の一歩を踏み出しました。当時の北辰寮は、新入寮生が入寮後、桜の名所の鶴山公園の最上部で逍遥歌を披露しており、この練習に絡んで上級生が新入生に対して暴力行為を伴った行き過ぎ指導など、これが北辰寮の伝統だと、多くの新入生が泣き寝入りしていました。この問題を改善するのにその後10年がかかりました。他方、女子学生数が増加したため、女子寮の設置も進めていましたが、私が寮務主事のとき、やっと設置が決まり、男子寮であった第1寮を女子寮に改修し、現在に至っています。その後、学生主事のときには、現状の免許取得制などにも取り組み、主事が終わってからは電子制御工学科主任を昨年まで務めました。しかし、一番悔いの残ることは、担任が機械工学科で4年間と電子制御工学科で1年間の合計5年間しかないことです。その他に関しては、退職にあたって悔いのない充実した満足のいく教員生活でした。これも多くの教職員のご支援があったからで、皆様に心から感謝しています。本当に長い間ありがとうございました。 最後に、高専の状況も年々厳しくなるとともに、世の中も不況のまっただ中で先行きほんとうに不安ばかりのこの頃です。多くの有能な教職員の方々が入ってこられていますので、皆様でこれからも地域に密着した強い津山高専にしていただくよう心から切望しています。 また、学生の皆さんには、授業中に寝ることなく集中してほしいこと、自由には責任と義務が伴うことを肝に銘じてほしいこと、適切な判断のできる知識と礼儀を身につけてほしいこと、そして今しかできないことを見つけてチャレンジしてほしいと願っています。

電子制御工学科 里吉昭宣津山高専の発展を期待しつつ…

電子制御工学科 奥山圭一

 短い間でしたが津山高専での勤務は新鮮な驚きの連続でした。皆さんありがとう。 私は、赴任前の過去7年間ヨーロッパで働いておりました。フランスでは国立環境物理化学研究所で、フランス初のマイクロ衛星DEMETER

ミッションに入り、衛星打ち上げの関連業務と先行研究を行いました。スウェーデンでは王立宇宙物理研究所にてオーロラを眺めつつ、ヨーロッパ宇宙機構の大型衛星から刻 と々送られてくる最新の科学データの解析に従事し、イギリスシェフィールド大学では衛星データの解析とともにショック物理の素養も身につけることができました。この研究生活から見えてきたものは、Work, Finish, Publishの思想と国際協力の大切さです。研究を行い、結果をまとめ、そして学術論文として発表するというサイクルです。また、ヨーロッパは様々な国家、民族が混在し、母国語も違うのですが、科学者達に国境はないということでした。皆、知識欲にあふれ、情熱を持って、一流の研究を行おうという意識と、新しい科学成果を得るためには一致団結して協力するという姿勢でした。ここで必要となるのは、コミュニケーションツールとしての英語でした。 この体験を日本の若い学生達にも味あわせたいと願っておりましたが、高専という比較的自由な教育研究機関において、ある程度実現することができたと思っております。短い卒業研究の期間において、ひたむきな努力により、国際的に通用する仕事を終え、立派に学会発表をこなした学生達、英語での発表を経験した学生もおりました。また、ヨーロッパ研修旅行の企画引率に携わらせていただき、私のフランスの旧勤務先を含め、学生達が自国とは違う文化を肌で体験し、一回り大きくなって帰ってきたことを非常に嬉しく思いました。 4月より東京の大学の方に仕事場を移しますが、津山高専とは今後も共同研究等も行う予定ですので、遠慮なくコンタクトしてきてください。 最後に‘世界へ羽ばたけ高専生諸君!’

電子制御工学科 芳原容英津山高専の皆さん、ありがとうございました 若き学生諸君へ

津 山 高 専 だ よ り第62号 第62号

― 10 ―

《退職される先生からの言葉》

津 山 高 専 だ よ り

― 11 ―

《退職される先生からの言葉》

Page 12: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

 私は高校教員を経て、津山高専

に赴任してから26年が過ぎようと

している。この間、教職員の皆

様、意欲ある学生に恵まれ、住み

良い環境で過ごすことができ、感

謝している。在職中の校務は学生

指導に多く携わり、種々な経験をしてきたと思ってい

る。その中から、学生の皆様へ最後のお願いを申し上

げ、退任の挨拶としたい。

 まず「勉学以外にも打ち込める事を持とう」。課外活

動は学業では得ることのできない貴重な力を身に付けら

れる貴重な教育活動である。最近の教育研究でも「ス

ポーツ活動は学力を低下させないばかりか、むしろ学力

向上に役立つ」と報告されている。そして、これらの活

動に参加することが、実社会に出てからのすばらしい糧

となるので、勉学と課外活動の両立に真剣に打ち込んで

欲しい。

 次に、「高専の自由について考えて下さい」。高専に

は、高専のルールがあるが、高校生ほど個人の行動を規

制していない。高専の学生は物事の良し悪しが解ること

を前提とした「自己責任にもとづいた自由」である。

我々は自ら考え、判断し、行動し、それらのすべてにつ

いて、自らが責任を取らなくてはならないのである。学

生時代は、ある程度の失敗は許されることもあるが、実

社会では許されない。あらためてマナーとモラルについ

て自分に問い直してみて欲しい。

 最後に、津山高専に心からありがとう。そして、発展

をお祈りいたします。

一般科目 田渕俊彦感謝と最後のお願い

 誰も記録していないので、退職

を記念して水泳部のことを書き残

しておきたい。本校の水泳部は中

国地区高専大会には第6回から参

加しているが、長く雌伏の時が続

いた。

 第30回の主管校が津山の年、初めて個人種目で1位が

誕生した。200m自由形で同タイム審判判定の1位であ

る。津山高専水泳部初の快挙であった。

 翌年の徳山大会は、団体で初の2位となり、顧問の私

は服を着たままプールに放り込まれた。高専大会では水

泳部は試合が1日のため、いつも大会参加バスは同じ日

程の陸上部と一緒であった。成績の良い陸上部と成績の

良くない水泳部の組み合わせで、いつも肩身の狭い思い

をしてきた。だが、この年の帰りのバスは優勝した陸上

部と2位の水泳部でバスの中は大いに盛り上がり、水泳

部員もバスの中で再度2位になった喜びを噛みしめたも

のであった。

 大会から帰った後、意外な事実が伝えられた。総合得

点で計算ミスがあり、優勝は津山高専だというのであ

る。弱小チームのため、2位でも各校の驚きであったた

め、誰も計算ミスに気がつかなかったのである。津山高

専の全員も、当日の2位の発表後、喜びの余り、細かい

計算など気にしなかった。2位で大満足だったのであ

る。

 この年から津山高専水泳部は高専大会で5連覇を成し

遂げることになる。津山高専水泳部黄金時代の始まりで

あった。本当に素晴らしい5年間であった。

一般科目 梶田隆之思 い 出

津 山 高 専 だ よ り第62号

― 12 ―

《退職される先生からの言葉》

Page 13: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

第62号津 山 高 専 だ よ り

― 13 ―

《第44回 弥生祭》

Page 14: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

津 山 高 専 だ よ り

― 14 ―

《卒業生の寄せ書き》

クラス目標「挑戦と妥協」

M-5

第62号

Page 15: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

E-5

津 山 高 専 だ よ り

― 15 ―

《卒業生の寄せ書き》

第62号

Page 16: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

S-5

津 山 高 専 だ よ り

― 16 ―

《卒業生の寄せ書き》

第62号

Page 17: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

C-5

津 山 高 専 だ よ り

― 17 ―

《卒業生の寄せ書き》

第62号

Page 18: Vol.62 津山高専津山高専だよりだより · 今年度の高専ロボコンでは念願の全国大会出場を果た し、さらに目標であったロボコン大賞を獲得することが

編 集 発 行津山工業高等専門学校 蕁(0868)24-8293〒708-8509 岡山県津山市沼624-1

行 事 予 定(前期)本  科 専攻科 本  科 専攻科

4.14.74.8

4.9

4.104.13

4.14

4.154.204.21

4.224.234.24

4.27

4.284.295.35.45.55.65.75.95.115.125.135.14

5.185.20

5.225.255.296.26.56.66.96.126.196.22

6.236.246.277.3

7.117.137.147.17

7.207.218.138.148.18

8.218.269.19.89.14

9.18

9.219.229.239.24

水火水

金月

水月火

水木金

火水日月火水木土月火水木

月水

金月金火金土火金金月

火水土金

土月火金

月火木金火

金水火火月

月火水木

*春季休業(1日~6日)*始業式・オリエンテーション*入学式(新入生,編入生,留学生)新入生オリエンテーション*2~5年授業開始(午前中授業)*1年課題テスト,1年生歓迎会*1年授業開始*胸部レントゲン(13:00~授業並行)(1年,留学生3年)*耳鼻科検診(13:00~授業並行)(1年生)*資格関連科目の説明会(合併教室)(15:30~)*進学手続説明会(視聴覚教室)(15:30~)*心電図(9:00~授業並行)(1年生)*開校記念日(通常授業)*4年生へのJABEE説明会(合併教室)(15:30~)*学外実習説明会(合併教室)(JABEE説明会終了後)*検尿(始業前)(全学生)*検尿(始業前)(全学生)*検尿(始業前)(全学生)*校外教育,工場見学・申込締切(1,2,4年生)*選択科目(資格関連科目も含む)履修願提出締切(学外実習除く)*水曜日の授業昭和の日憲法記念日みどりの日こどもの日振替休日*水曜日の授業*美作総体(9日~10日)

*学生総会*春季スポーツ大会(雨天延期)*歯科検診(13:15~授業並行)(1~5年)*授業公開週間(18日~22日)*(春季スポーツ大会予備日)

*授業参観日

*前期中間試験時間割発表

*県総体(6日~7日)*前期中間試験(9日~15日)*2~5年第1回単位認定試験時間割発表

*救急処置実技講習会

*2~5年第1回単位認定試験*中国地区高等専門学校体育大会(夏季大会)(3日~5日)(宇部,松江,徳山)*休講*2~5年第1回単位認定試験

*金曜日の授業*特別補習期間(1年~5年)(17日~24日)*月曜日の補習海の日*夏季休業(7月21日~8月31日)*一斉休業日*一斉休業日*全国高専体育大会(18日~28日)(九州地区)*オープンキャンパス2009*4年次編入学試験*授業開始*留学生と語る会*前期末試験時間割発表

*補講日*オフィスアワーデー敬老の日国民の休日秋分の日*前期末試験(24日~30日)

*春季休業(1日~6日)

*入学式,新入生オリエンテーション(含,JABEEプログラムの説明)*授業開始(午前中授業)

*履修願・再履修願提出締切*開校記念日(通常授業)

*検尿(始業前)(全学生)*検尿(始業前)(全学生)*検尿(始業前)(全学生)*中四国専攻科生研究交流会

*水曜日の授業

*水曜日の授業

*推薦入試願書受付期間(11日~15日)

*春季スポーツ大会(雨天延期)

*(春季スポーツ大会予備日)

*推薦入試*推薦入試合格発表(9:00)

*前期学力入試願書受付(5日~11日)

*前期学力入試*特別研究テーマ発表会(MS,ECとも)

*前期学力入試合格発表(9:00)

*休講

*学位申請説明会*金曜日の授業

*夏季休業(7月21日~8月31日)

*授業開始

*校外実習報告書提出締切(含,長期インターンシップ報告書)*前期末試験時間割発表

*前期末試験(24日~30日)

TSUYAMA NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY

《学生表彰・平成21年度前期行事予定》

【本科】学生の表彰

賞  名 機械工学科 電気電子工学科 電子制御工学科 情報工学科優  秀  賞 芦田 達哉 岸本 慎平 内田 健斗 保田 健太

【専攻科】賞  名 機械・制御システム工学専攻 電子・情報システム工学専攻

箕  作  賞 福田 佑太 岩野 祐太

箕  作  賞 三浦 寛史 安藤 慎一 松﨑 晃大 藤田 貴久

畠  山  賞 西岡 秀隆 ̶ 三浦陽比古 ̶

電気・情報関連学会 中国支部賞 ̶ 石川 彰人 原田  匠 池淵 貴政