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1 Waseda Next 1252009年度報告書 2010年9月24日 早稲田大学

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「Waseda Next 125」

2009年度報告書

2010年9月24日

早 稲 田 大 学

Waseda Next 125

2

Waseda Next 125 進捗状況および実績

早稲田大学の中長期計画「Waseda Next 125 は、今年度中間地点である 3 年目をむかえた。実行に

あたっての優先順位は以下の通りである。

<全体計画の優先順位の原則>

1.グローバル化推進にかかる事業を優先する。

2.研究体制の強化にかかる事業を優先する。

3.既存の予算内で実行可能なものについては、関連事業の整合性を踏まえ 2009~2010 年を中

心に実行する。

4.外部資金で実行可能なものについては、関連事業の整合性を踏まえ実行する。

5.実行後も進捗を管理し、適宜見直し修正を行い、毎年度の財政状況も踏まえつつ実行する。

2009 年の世界同時金融危機後は、企業からの研究費や寄付金の減少、資産運用益の減少、私立大

学への補助金の削減等、大学財政にとって厳しい状況が続いている。その厳しい中においても 2008

年度、2009 年度は目標に向けて主管部門および学術院等が最大限の努力を行い一定の成果をあげた。

【2009年度の概要】

2009 年度は、厳しい財政状況を鑑み、キャンパス整備計画については一部着工を延期した。

優先順位の高い「グローバル化推進」事業については、競争的資金を獲得したことにより、大学

財政の負担を軽減し、かつ内容の充実した改革をスタートさせた。6 月に国際アドミッションズ・

オフィスを設置し、正規留学生の受入(リクルート活動、入試実施)について機能強化を図った。

あわせて、奨学金の見直し、寮の整備、キャリア支援の強化を推進し、留学生全体の受入体制基盤

の構築を着実に実行した。受入留学生(交換等を含む)の総数は、当初計画に及ばなかったものの、

前年度から 200 名増の 3,125 名となった(2009.5.1 現在)。海外派遣学生においては、既存プログラ

ムの内容充実に加えて、海外におけるフィールドスタディー科目の新設などの新規プログラムによ

り、前年度から 500 名増の 2,317 名となり当初計画以上の学生が海外での学習経験を積んだ。また、

本学に在籍経験のある方々を中心に世界中の人々をつなぐため、Waseda International Network

(WiN)による国際的ネットワークを構築した。アカデミックカレンダーの変更については、セメス

ター制とクォーター制の並存を可能にするための授業日程を実現した。

英語版 WASEDA-ONLINE は英文ニューズレター発信の効果もあり、12 月度のページビューが 5万件

を超え、海外メディアでも多数取り上げられるなど世界への情報発信に寄与した。

研究体制の強化については、4 月に、全学レベルで組織的かつ戦略的な研究活動を推進するため

のプラットフォームとして「研究院」を設置し、これに合わせて、研究活動の調査・分析、戦略的

な研究推進の企画立案、外部資金獲得の支援等を行う機関として「研究戦略センター」を設置した。

さらに、全学の研究に関わる基本戦略の策定、大型競争的研究資金の獲得を目的としていた「研究

戦略会議」を「全学研究会議」として改組・拡充した。この「研究院」体制の下、本学が戦略的に

遂行する重点領域研究の創出を図っており、4重点領域において学内公募し、8研究課題を採択した。

なお、重点領域研究を実行する機関として「重点領域研究機構」を設置した。11 月には、国際部内

に International Scholar Services(ISS)を設置し、外国人教員・研究者の受入・生活支援体制

Waseda Next 125

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の強化を図った。海外においては、グローバル・オナーズ・カレッジ:パイロット・サマー・プロ

グラム、中国北京大学との共同大学院生育成事業、中国・シンガポールでの産学連携活動により教

育研究体制のグローバル化を推進した。学内の若手研究者育成にあたっては、博士後期課程若手研

究者養成奨学金制度の開始、企業等との連携による若手研究者育成プログラム等により育成体制の

推進を図った。

教育の質向上については、全学部・大学院のアドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、

ディプロマポリシーを明示した。その他、共同大学院の設置、GPA の導入、FD の推進など新教育研

究体制と教育システムの構築を進めた。また、演劇博物館における GCOE プログラムで高評価を得る

など、文化資源を活用しての多元的文化教育の推進を図った。

経営基盤の確立に向けては、とりわけ校友・父母等との連携強化に努めた。「キャンパスナウ」や

「西北の風」などの既存広報媒体による情報発信に加えて、QuonNet による同窓会機能開発や早稲田

カードリニューアルに伴うサービス拡張、地域コーディネーターによる全国校友との交流活動など

を実施した。また、今年度から募集を開始した「WASEDAサポーターズ倶楽部」は、当初目標

の2倍を超える寄付金が得られ、新たな財源を確保するための事業展開も着実な成果を収めている。

【2010年度の主な計画】

優先順位の高い「グローバル化推進」および「研究体制の強化」にかかる事業を計画通り進める

と共に、「教育の質向上と出口保証」についても、検討結果を踏まえ順次実行する。

4 月に設置した「健康医療教育研究検討委員会」において、健康医療分野の教育研究について本学

が具体的にどのように取り組むべきかを検討する。大学院は学生数・規模も拡大したことに伴い、

教務部に担当を置き大学院同士の連携や企業・海外との連携も含め強化する。EMBA プログラムに関

しては、世界標準を目指す。

日中韓の大学間交流構想である「キャンパス・アジア」構想に参画し、環境大学院をはじめ早稲

田独自の協同プログラムを開発する。

研究院では、重点領域研究の継続的創出、研究活動・成果の情報発信、研究マネジメント体制の

構築の着手等を行う。また、研究のさらなる活性化を図るため、9研究機構(総合研究機構、ナノ理

工学研究機構、先端科学・健康医療融合研究機構、IT研究機構、アジア研究機構、日米研究機構、

イスラーム研究機構、日欧研究機構、重点領域研究機構)を包摂する。

科学研究費補助金について、応募支援策を実施することにより、800 件超から 1,000 件の応募を目

指す。

学生との接点の強化や学生同士の新たな関わりについては、国際コミュニティセンターを活用し

たキャンパス内での異文化教育や、学生寮における RA(レジデント・アシスタント)を活用した寮

教育など全人教育の展開をさらに進める。職員の Next125 プロジェクトである「プロフェッショナ

ルズ・ワークショップ」「こうはいナビ」「テーマカレッジ授業支援」など、学生との接点の強化、

教職協働の視点をさらに取り入れ、新たな教育プログラムの展開や価値あるサービスを引き続き提

供する。

安定的な財源を確保するために、順調な滑り出しをした「WASEDAサポーターズ倶楽部」へ

の効果的な施策を実行すると共に早稲田カード会員増など校友会組織との連携を一層強化し、全教

Waseda Next 125

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職員が主旨を理解したうえで、一丸となって進めていく意識が必要である。また、2010 年度から稼

動される「法人情報検索システム」を有効活用して、大学と企業との関係情報(寄付実績、共同研

究実績、卒業生の数等)を総合的に把握するとともに、大型の競争的資金獲得までの情報収集を組

織的に行いながら、財源確保に努める。

Next125 計画を効率的かつ効果的に実施するにあたって、各部門の組織体制・配置等などについ

て必要に応じて見直すと共に各部門の連携を強化し、法人業務の一部アウトソーシング化も進める。

また、同時に各部門のセキュリティ管理を徹底させ機密情報の漏洩を防ぐ手段を講じる。

その他の改革の詳細は、5 ページ以降に示す。

Next125:改革の方向性(1)多文化が共存・融合する地球社会における知の基盤を構築する(2)総合大学の強みを生かした学際研究を推進する(3)地球上のいたるところを学びの場とし地球共同体のリーダーを育成する(4)日本文化・アジア文化の国際的研究拠点を形成する

Waseda Next 125

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<Waseda Next 125 概念図>

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< Waseda Next 125計画項目一覧 >(2009年度の実行状況および2010年度の実行計画)

1.グローバル化推進

(1)留学生 8,000 人の受入(学部 1 学年 1,000 人、大学院 4,000 人)

(2)本学学生の海外学習システムの構築

(3)優秀な留学生の獲得と多文化共生型キャンパスの実現

(4)連携と協働による教育・研究の国際化

(5)教育と研究の国際化を促進するための制度改革

(6)教育と研究の国際化を支える大学運営

2.新教育研究体制と教育システムの構築

3.学生リクルート

4.キャンパス等整備計画

5.情報基盤整備

(1)新教育研究体制

①学術院体制の強化 ②教員組織の整備および人事の活性化

③共同大学院の設置 ④芸術系組織の連携

⑤トップレベルの若手研究者集団育成 ⑥研究体制の強化・再編お

よび研究戦略企画の充実 ⑦研究環境の整備 ⑧教員数と学生数

⑨FDの推進 ⑩職員人材育成と職員組織の構造改革

6.経営基盤の確立

(2)教育システムの構築およびキャリア支援の充実

①全学的な教育システムの確立 ②外国語教育の充実

③オープン教育科目の充実 ④社会連携教育の実現

⑤ボランティア、フィールドワーク型授業の拡充 ⑥初年次教育と入学前教育の

展開とオンデマンド授業の活用 ⑦寮生活における全人教育の展開

⑧多種多様な文化資源を活用しての多元的文化教育の実践

⑨早稲田学の創設 ⑩新たな大学スポーツのモデル構築

⑪スポーツ選手の学習支援・キャリア支援 ⑫学業全般の適正な評価

⑬早稲田健康キャンパスの実現 ⑭女子学生のキャリア支援

⑮資格情報の一元管理・提供によるキャリアプランニング支援の充実

(5)優秀な地方出身学生の確保・地方出身者に対する奨学金の

拡充

(6)学部・大学院一貫教育(5 年で修士学位取得)

(7)全学レベルおよび各箇所の入試広報活動強化

(1)学部:大学院学生数=6:1を3:1へ

(2)一般入試と一般入試以外者を6:4にする

(3)小中高の一貫教育を視野に入れた中高等教育連携室(仮称)の設置

(4)附属・系属のプロジェクト室を設置

(1)キャンパス整備

(2)高等学院の建設

(3)(仮称)中野国際コミュニティプラザの建設

(4)外国人研究者向け宿舎・研究室の整備

(5)建物カルテの作成およびLCC

(6)各校舎耐震改修

(7)バリアフリー対策

(8)防災・安全対策

(1)サイバーセキュア(安心快適な情報環境)キャンパスの整備

(2)教育支援システムの構築

(3)研究支援システムの構築

(4)大学運営支援システムの構築

(5)新築建物に対応する情報環境の構築

(1)意思決定システムの見直し

(2)事業評価制度の構築

(3)大学行政文書管理保存体制の整備

(4)校友・父母等との連携強化

(5)財政基盤の確立

(9)エコ・省エネ対策

(10)その他

①記念会堂新築 ②研究開発センター整備

③近隣地域を含めたキャンパス整備

④遠隔地の有効活用

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1.グローバル化推進

(1)留学生 8,000 人の受入(学部 1 学年 1,000 人、大学院 4,000 人)

<2009 年度実行状況>

・留学生受入数は 3,125 人(当初計画 3,700 人)。

・既存の学部外国学生入試の志願者の増加に加え、中国指定校推薦、グローバル 30学部入試

(指定校・AO)など新設の入試制度を導入したことにより留学生受入数が増加した。また、

頂新国際集団奨学金プログラム、ベトナム教育訓練省奨学金プログラム等の奨学金プログ

ラム拡充による受入体制の充実化も奏功している。

・上記以外にもグローバル・オナーズ・カレッジ:パイロット・サマー・プログラムなどで

210 名を受け入れた。

・在留資格と連動して確実に留学生数を把握するシステムを構築した。

<2010 年度実行計画>

・4,600 人の受入れを計画。

(2)本学学生の海外学習システムの構築

<2009 年度実行状況>

・留学・海外学習者年間延総数 2,317 人(当初計画 2,000 人)。

・グローバルカレッジ科目群におけるフィールドスタディー科目として平和構築をテーマと

したフィールド科目1科目(3クラス:タイ・ミャンマー、東チモール、ルワンダ)を新

規設置した。

・エクステンションセンター実施の海外短期留学事業を留学センターに移管し実施したこと

で学生への留学情報が一元化された。

・短期留学プログラムのカリキュラム取り込みについて学部との協議を開始した。

<2010 年度実行計画>

・留学・海外学習者年間延総数 2,500 人を目指す。

・海外派遣のカリキュラム化、ワーキングホリデイ制度などを活用したプログラムなど、多

様な学生派遣プログラムや海外学習制度の検討を開始する。

Waseda Next 125

8

留学生受入数と留学・海外学習派遣者数

2317

29513125

1850

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

2008 2009 2010 2011 2012

留学生受入数目標 ※2015年度に8000人

留学・海外学習派遣者数目標

留学生受入数

留学・海外学習派遣者数実人数

(3)優秀な留学生の獲得と多文化共生型キャンパスの実現

<2009 年度実行状況>

・海外学生リクルート活動や海外学生入試の願書処理業務等を行うために 2009 年 6 月に国際

アドミッションズ・オフィスを設置し、体制作り、学術院との連携などを進めた。

・留学生向け奨学金を拡充し、アジア特別奨学金を 9 箇所 27 名に給付、入学金減免奨学金を

105 名に給付した。

・日本語プログラム(従来からの日本語で学位を取得するコース)では、中国指定校推薦で

6 校 14 名、韓国指定校推薦で 10 校 9 名が 2010 年度に入学した。

・英語プログラム(新たに始まった英語で学位を取得するコース)では、政治経済学部、基

幹・創造・先進理工学部がそれぞれ 5 校に対して中国指定校推薦を実施した。

・国際アドミッションズ・オフィスが中心となり、中国、韓国、台湾において早稲田大学の

入試説明会を実施した。中国:参加者 43 名(2月)、韓国:参加者 529 名(7 月。2 日間合

計)、台湾:参加者 447 名(10 月。2日間合計)。

・寮の整備を進めた。

[現在の入寮者数]

大学寮:約 300 名、国際学生寮:約 550 名、交換留学生用寮:約 380 名、国際交流会館、

社員寮:約 80名、推薦寮、和敬塾:約 1,640 名(ただし、他大学生入居可能部屋数も含む)、

合計:約 2,950 名

・留学生のキャリア形成支援として、留学生向就職ガイドブック増刷・留学生担当の嘱託職

員1名採用・留学生メールマガジン配信開始・外国人留学生のためのキャリアセミナー年

2 回(2 月)開催・11/27 留学生限定 OBOG カジュアルトークを開催した。

・留学生向け合同企業説明会を年 3 回開催(24 社が参加)・英語対応による留学生就職相談

を開始して支援強化を図った。

・国際コミュニティセンター(ICC)の活動として、年間を通じた定番企画に加え、前期に、

これまで個別に活動していた国際交流関係の学生サークルを集結させた大イベントを実施

した。後期は、アカデミックな企画として、各国における「働く」について 3 ヶ月に渡り

リサーチし、映像にして発表するプログラムを実施した。

Waseda Next 125

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・頂新奨学金プログラム、ベトナム教育訓練省奨学金プログラムを導入した。

<2010 年度実行計画>

・留学生向け奨学金を見直し、入学金減免奨学金の拡充、授業料減免奨学金の拡充を検討す

る。授業料減免奨学金においては、国の施策により補助金が廃止されたため、その原資確

保について検討する。

・台湾指定校推薦を実施する。

・各部門海外リクルート業務の共通化をさらに図る。

・引き続き留学生寮の整備を進める。

・引き続き留学生のキャリア形成支援を強化する。

・ICC の活動として、幅広く多くの学生が興味を持ち参加できるよう、楽しむイベントからア

カデミックなプログラムまで、内容を充実させる。また、留学生のサークル活動支援など

行い、留学生と日本人学生の交流を促進させる仕掛けを行う。さらに、学生支援 GPの次年

度以降の活動方針、および ICC の今後のあり方についての検証を行う。

入寮者数

2240

2950

0500

10001500200025003000350040004500

2008 2009 2010 ~ 2013

目標

実数

(4)連携と協働による教育・研究の国際化

<2009 年度実行状況>

・外国人教員を増員するために客員教員の配員ルールを明確化し、グローバル 30 採択による

外国籍教員の募集を開始した。

・著名外国人教員を招聘するため、対象協定校と協定見直しの交渉を実施した。

・2009 年 11 月に国際部内に International Scholar Services(ISS)を設置した。サービス

内容を整理し、広報用 Web ページを制作し、外国人教員ならびに研究者の受入・家族ケア、

地域案内、月一回の交流会などを含む、生活支援体制の強化を図った。

・グローバルカレッジプログラム実現のために、コロンビア大学、イエール大学、ハーバード

大学、ワシントン大学、北京大学、シンガポール国立大学および高麗大学校との間で、持続

可能な発展をテーマに議論と研究を共同で行い課題解決策を模索する、グローバル・オナー

ズ・カレッジ:パイロット・サマー・プログラムを開発し実施した。このプログラム実施に

より、世界トップレベル大学と連携した運営体制が整った。

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10

・2009 年 6 月、世界最高水準の研究基盤の構築と国際的な研究者の育成を目指す文部科学省

グローバル COE プログラムに、スポーツ科学学術院の「アクティブライフを創出するスポ

ーツ科学」が拠点として採択された。本学では 2007 年度に 4 拠点、2008 年度に 3拠点が

採択されており、私立大学では最多となった。シンガポール、中国等の海外拠点を活用し

たアジア地域での研究活動及び産学連携活動を引き続き実施した。シンガポールでは、本

学単独の研究拠点としてシンガポールバイオサイエンス研究所を開設し、シンガポール科

学技術庁(A*STAR)との包括協定を締結によりバイオ系研究を軸にした新しい学問領域研

究を開拓中である。また、北京では、北京大学との環境分野での共同研究活動を実施した。

なお、国からの委託事業等により産学官連携の国際化の加速が図られた。

・東京女子医科大学との共同研究教育施設(TWIns)を活用し、文部科学省私立大学学術研究

高度化推進事業等による重点的かつ総合的支援を受けながら、最先端の医・理・工融合生

命研究センタープロジェクトを推進した。

<2010 年度実行計画>

・著名外国人教員を招聘するため、オープン教育センターに協定校シリーズとして科目を設

置することを検討する。

・グローバルカレッジプログラム実現のために、外部評価の実施、コンソーシアム強化によ

る国際共同教育システム確立を目指す。

・台湾大学との学部・大学院レベルでのダブルディグリープログラム開発を継続実施する。

・国際競争力ある大学づくりの推進等のために、引き続きグローバル COE プログラムを着実

に実行する。

・アジア地域での研究活動、産学連携活動の継続的な取組みを行う。とりわけ、シンガポー

ルバイオサイエンス研究所では研究所運営のための体制整備や外部資金の獲得を目指す。

・従来機関との緊密な連携、新規機関との新たな連携等により、医・理・工融合生命研究セ

ンタープロジェクトを継続的に実施し、最先端の研究展開を行う。

(5)教育と研究の国際化を促進するための制度改革

<2009 年度実行状況>

・セメスター制とクォーター制の並存を可能にするための年間授業日程(半期 16 週の確保)

を実現した。また、グローバル 30対象学部にクォーター制の導入検討を呼びかけた。

・アカデミックライティング科目「学術的文章の作成」において 2009 年度前期に 924 名、後

期に 997 名、合計 1,921 名の受講者を受け入れ、目標をほぼ達成した(当初計画 2,000 名)。

一方で、受講希望者が受入可能定員を超過し、科目抽選による選外者が多数生じたため、

今後は指導者(大学院学生)の確保が重要な課題となる。

・政治経済学術院・社会科学総合学術院・理工学術院においてグローバル 30が採択され 2010

年 9 月入学に向けて受入準備を開始した。

・日本語教育研究センターにおける日本語教育プログラムの全体学生数は 1,794 名であった

(当初計画 1,850 名)。

<2010 年度実行計画>

Waseda Next 125

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・2010 年度よりすべての学部において科目登録、授業実施、成績発表の半期化を実現する。

・アカデミックライティング科目「学術的文章の作成」の履修者数年間 3,000 名を目標とす

る。

・日本語教育プログラムは、学生数 2,300 名を予定。

アカデミックライティング科目「学術的文章の作成」履修者数

19601209

0

2000

4000

6000

8000

10000

2008 2009 2010 2011 2012

目標 実数

日本語教育プログラム学生数

1794

1300

0500

10001500

20002500

30003500

2008 2009 2010 2011 2012

目標 実数

(6)教育と研究の国際化を支える大学運営

<2009 年度実行状況>

・帰国留学生に限定せず、本学に在籍経験のある世界中の人々をつなぐ国際的ネットワーク

作りを目指し、組織名称を当初予定していた Waseda Alumni (Walumni)から Waseda

Internationl Network (WiN)に変更し準備を進めた。同窓生ネットワーク構築のツールと

して英語版 QuonNet を構築した。

ネットワーク構築にあたって、帰国前オリエンテーション、来日時オリエンテーションで

のアンケート調査、PRを実施したところ、入会希望者は 818 名であった。また、組織設立

より、まずは主にインターネットを介したサービス提供機能としての展開へ方向転換した。

・各学部の英語版 Web サイトの作製、海外向け英文ニューズレターの発信等、新規に作製す

る広報物に加えて在学生父母や校友への情報発信においても、全ての媒体に University

Identity (UI)マークを多用することで、国内外において新たな早稲田イメージの定着を

図った。

・Web サイト「Waseda-Online」では、英語による国際社会への情報発信を意識し、時流にあ

わせたコーナー企画(オピニオン他)運営に注力した。また閲覧者数ランキング結果を企

画立案にフィードバックさせることで、更にブラッシュアップを図った。その結果、日本

語ページの月平均閲覧者数がコンスタントに 25万件を、英語ページは 3 万件を超え、日・

英ページの閲覧者数はともに前年度の約 2 倍に上昇した。JAL 再建問題(戸崎教授)のコ

ンテンツなどは海外メディアにも多数取りあげられた。

・英語版 Waseda-Online の中で好評を得た記事を中心に構成した英文ニューズレターを 7 月

以降、計 4回(7,9,12,3 月)各回約 2,000 件発信した。その結果、ニューズレターの発行

とリンクして英語版 Waseda-Online ページの閲覧者数が増加。特に JAL 問題とリンクした

12 月の英語ページの閲覧者数は初めて 5万件を超えた。

・全学部の Web サイトの英語版対応が完了した。

・学術刊行物の英文化充実のため、学術出版制度で刊行する全ての刊行物について英文

abstract を添付した。

Waseda Next 125

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・図書館、博物館等および学外機関との連携強化による所蔵資料の活用

演劇博物館 :データ入力件数 7,000 件、今年度 Web 更新(試験公開のものは除く)

14,925 件。

會津八一記念博物館:データ入力件数 654 件。

大学史資料センター:寄贈資料データ、写真データ等約 15,000 件を入力。

「早稲田大学文化資源ポータル」による収蔵資料総合データベースを Web 公開し、上記三

機関の収蔵資料の横断検索、文化資源の公開と教育研究への活用に貢献した。

會津八一記念博物館データベースの横断検索を追加した。

會津八一記念博物館東洋美術作品総合データベースを公開した。

<2010 年度実行計画>

・帰国外国人校友ネットワーク(WiN)の構築に向けて、インターネット(Web、メールマガ

ジン等)を介した定期的な情報提供サービス開始、校友会や海外稲門会との連携による交

流促進イベント開催の検討、会員獲得のための PR、スポンサー獲得に向けての働きかけを

実施する。

・早稲田キャンパスのサインについて多言語化(英語・中国語・韓国語)を実施する。

・英語版 Web サイトが未整備の大学院について、英語対応を完成させる。

※2001 年 10 月より朝日新聞「アサヒコム」上で展開していた大学広報サイト「WASEDA.COM」を 2008 年

4 月にリニューアル。読売新聞の「YOMIURI ONLINE」に掲載媒体を変更し、「WASEDA ONLINE」として日本

語版・英語版で新たにスタートした。

Waseda Next 125

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2.新教育研究体制と教育システムの構築

(1)新教育研究体制

①学術院体制の強化

2009 年度より、独立研究科であったアジア太平洋研究科、日本語教育研究科を国際学術院

に、国際情報通信研究科、情報生産システム研究科、環境・エネルギー研究科を理工学術

院にそれぞれ包摂した。

②教員組織の整備および人事の活性化

<2009 年度実行状況>

・教員・研究員の雇用条件、新教員種別の必要性、研究員に関する給与体系を検討した。

・学内における男女共同参画の推進運動により女性教員の実数は順調に増加しており、

全専任教員に対する女性教員の比率も上がっているが、さらなる取り組みが必要である。

③共同大学院の設置

<2009 年度実行状況>

・先進理工学研究科の 3つの共同専攻(共同先端生命医科学専攻、共同先進健康科学専

攻、共同原子力専攻)の設置申請を行った。

④芸術系組織の連携

<2009 年度実行状況>

・芸術学校、川口芸術学校のあり方の検討および基幹理工学研究科表現工学専攻設置を

検討した。

<2010 年度実行計画>

・川口芸術学校募集停止を決定する。

⑤トップレベルの若手研究者集団育成

<2009 年度実行状況>

・人材養成システムの構築、実践プログラムの実施を行い、企業等との連携プログラム

による若手研究者(20 名程度)の育成体制の推進を図った。

・テニュアトラック研究員を新たに 3 名を採用した。

・大学院博士後期課程若手研究者養成奨学金制度の運用を開始した。採用人数は 4 月入

学者 198 人中、20万円×2 人、40 万円×81人、60万円×115 人で、9月入学者 39人

Waseda Next 125

14

中、40 万円×3人、60万円×36 人であった。

この新制度の充実により、文研学生の博士課程進学者が上昇した。

<2010 年度実行計画>

・文部科学省テニュアトラックプログラムとの連携のもと、大学財源等により、テニュアト

ラック研究員 2 名を採用する。

・大学院博士後期課程若手研究者養成奨学金制度の運用方法を見直す。

⑥研究体制の強化・再編および研究戦略企画の充実

<2009 年度実行状況>

・設置した研究院のもと重点領域研究の設定(8領域)、4領域での重点領域研究の

公募、審査、採択(8課題)、重点領域研究機構の設置、設置期間が満了となる研

究機構の再設置に係る審査・評価、研究院教授等の呼称付与に関する審査等を行

った。

・研究戦略センターを設置し、研究情報の収集・分析に基づく戦略的な外部資金獲

得支援を開始した。

・欧州委員会の助成によるEUの学術研究・広報拠点の 1つとして「EUIJ 早稲田」

(EU Institute in Japan at Waseda University)の設置を契機として、日欧研

究機構を設置し、日本における EU・欧州地域研究の世界的拠点を創出を目指して

欧州地域研究の結集を図った。

・6 研究機構(アジア・日米・イスラーム・日欧・総合・重点)の事務所を統合し、

事務体制の効率化を図った。

<2010 年度実行計画>

・研究院を「箇所」として新たに位置づける。

・その一環として、9 研究機構(総合研究機構、ナノ理工学研究機構、先端科学・健

康医療融合研究機構、IT研究機構、アジア研究機構、日米研究機構、イスラー

ム研究機構、日欧研究機構、重点領域研究機構)を包摂する。

・2009 年度とは別の 4領域での重点領域研究の公募、審査、採択、研究活動・成果

の情報発信、研究マネジメント体制の構築の着手等を行う。

・先端イノベーション拠点(研究開発施設)としてグリーンコンピューティングシ

ステム研究開発センターについて、2011 年度開始に向けた研究体制・支援体制の

構築を行う。

⑦研究環境の整備および研究評価

<2009 年度実行状況>

・「学外機関等との学術提携等に関する報告」業務を実施するために、研究サポートシス

テムを機能改善した。

<2010 年度実行計画>

・研究資金管理、研究課題管理機能に係る研究サポートシステムの機能改善を行う。

⑧教員数と学生数(学生対教員比率の改善、外国人教員数を全教員数の20%へ)

<2009 年度実行状況>

・専任教員一人当たりの学生数平均は 24.9 名であり、2008 年度から若干改善された。

Waseda Next 125

15

・全教員数(非常勤講師含む)における外国人教員数の割合は 13.1%であった。外国人

教員数は増加しているが、全体に占める割合は減少している。

<2010 年度実行計画>

・グローバル 30 により外国人教員数は増える見込みであるが、全体の比率改善に向けた

具体的計画は今後の課題である。

⑨FDの推進

<2009 年度実行状況>

・授業評価アンケートを Web 方式のみによる単独方法から、マークシート方式を復活さ

せてWeb方式と併用で実施したことにより、回答率が5%から70%へ大幅に改善した。

・教育の PDCA サイクル確立に寄与するために、「授業の到達目標」「半期 15回分の授業

計画」を明示するようシラバス項目の見直しを実施した。

・FD 推進委員会にて、講義要項・シラバスの充実のための検討を重ね、最終報告書をま

とめた。

・新任教員セミナー(4 月)および、新任教員フォローアップセミナー(9月)を実施し

た。その他、Course N@vi 説明会や FD セミナーを実施した。Course N@vi については、

60%の専任教員が様々な方法で利用している。

・米国リベラルアーツ・カレッジへの派遣研修において、GLCA/ACM に 1 名、PSU に 3 名、

ワシントン大学に 12 名、計 16名を派遣した。

<2010 年度実行計画>

・成績評価方法や評価基準を明確にするため、シラバスシステムの項目を見直す。

・担当科目増加による負担を解消するためのカリキュラム改善・連携に関する検討を実

施する。

・GPA 導入後の科目間・学部間のレベル差を解消するための成績評価基準に関する検討

を実施する。

⑩職員人材育成と職員組織の構造改革

<2009 年度実行状況>

・職員スキル基準表を全部門で作成し、内容の精査・分析を開始した。この過程で各部

門における業務整理ができつつある。

・大学経営セミナーを 8テーマ・のべ 17回で講座を実施した。継続的なセミナーの実施

により、職員が自立的に学ぶ風土の醸成を狙っている。オンデマンドによるセミナー

は、受講者は少ない。

Waseda Next 125

16

・新規研修として、①海外協定大学派遣研修 ②2 年目職員研修③7年目研修(マネジ

メント入門研修) ④関西大学との合同研修 ⑤部長級管理職トップマネジメント研

修を実施し、力量を段階的に向上させる体系を構築した。

・大学職員および関連子会社の社員の能力・スキル向上を図るため、大学と関連子会社

との人事交流を促進。新規で 5名の職員を関連会社に派遣し、早稲田総研イニシアテ

ィブの社員 4 名を受け入れた。

・教育研究の新たな展開を支える職員組織を構築するため、多様な職員の採用に注力し

外国籍の専任職員 4名を採用した。また、研修施策、プロジェクトの展開をとおして、

職員育成に努めた。

(例)

①海外協定大学派遣研修→グローバル化を支える職員の育成

②「プロフェッショナルズワークショップ」、「こうはいナビ」→教育コーディネー

ター型職員の育成

③「Hello! Waseda」プロジェクト→校友・地域連携コーディネーター型職員の育成

<2010 年度実行計画>

・秋までに職員スキル基準表を完成し、これを活用した育成施策の企画・実施、体

制を構築する。職員が客観的に自身のスキルを把握するとともに、管理職が部下

を育成する土壌を構築する。

・Waseda Innovation Award や各種研修で発案される職員からの企画提案について、

部長会が評価し、質の高い内容であれば実現をサポートする。

・リーダーシップ・コミュニケーションスキル・マネジメント力の向上を図る4年

目職員研修を実施する。

・新しい機能、強化すべき機能を実現する職員の拡大を目指す。

ex.教育研究コーディネーター型職員やグローバル化を推進する職員の育成

・職員のプロフェッショナルを養成する大学院の設置について、当面は人事部にて「大

学経営セミナー」を開催する。

・管理職のマネジメント力を強化するために管理職 MBA セミナーを実施する。

Waseda Next 125

17

Waseda Next 125

18

(2)教育システムの構築およびキャリア支援の充実

①全学的な教育システムの確立

<2009 年度実行状況>

・学部教育の質向上に向けた議論を行った。論点にカリキュラムの体系化をあげ、この

中で学部間およびオープン教育センターとのカリキュラム連携について議論し、一部

の学部ではオープン教育科目の学部教養科目への参入検討に至った。

<2010 年度実行計画>

・カリキュラム連携に際しては、各授業内容のデータベース化が重要であり、プロジェ

クトチームにより、学術院と協力して進める。

②外国語教育の充実

<2009 年度実行状況>

・タイ・タマサート大学との連携による環境をテーマとしたフィールドスタディを実施

した。この成果を踏まえて 2010 年度よりオープン教育センター正規科目として授業を

行うことを決定した。

<2010 年度実行計画>

・北京大学、ポートランド州立大学との連携による授業科目をあらたに 2 科目設置する。

③オープン教育科目の充実

<2009 年度実行状況>

・大学院生を対象とした「研究法」に関する科目をオープン教育センターに新設した。

・大学院生のニーズ調査を行い、コミュニケーション関係、研究倫理などの科目の必要

性がわかった。

<2010 年度実行計画>

・大学院生を対象とした科目の充実化に向けて検討を継続する。

④社会連携教育の実現

<2009 年度実行状況>

・企業と大学(学生・教職員)による三位一体型ワークショップである「プロフェッシ

ョナルズ・ワークショップ」において、2 つのワークショップの科目化(単位化)を

実現した。NECとの連携によるワークショップは、NECが実際に抱える課題をテ

ーマに据えてメディアネットワークセンター設置科目として開講した。ANA総合研

究所との連携によるワークショップは「地域再生を専門家と考える」をテーマに据え

てオープン教育センター設置科目として開講した。その他、日産自動車、東京アパッ

チ(YooToo 共催)、長野県木島平村、Apple Japan、日本公文教育研究会とのワークシ

ョップを実施した。職員 23 名が運営に関与し、103 名の学生が参加した。

<2010 年度実行計画>

・「プロフェッショナルズ・ワークショップ」では、あらたに Jリーグ、JAXA などとの

ワークショップを加えて、10講座開講を目標とする。

・オープンカレッジ講座の地域展開や、子供プロジェクトの地域展開、産学連携 CSR プ

ロジェクトの展開を目指す。

⑤ボランティア、フィールドワーク型授業の拡充

Waseda Next 125

19

<2009 年度実行状況>

・平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)によるボランティア関連科目は 19 科目

から 21 科目へ増設した。履修者数は 1,909 名。

・WAVOC における 33 プロジェクトでは、2009 年度における参加者数が約 17,000 人から

約 20,000 人へと増加し、開設以来 8年間で、科目・プロジェクトの参加延べ人数が

10 万人を超えた。

・海外におけるリスク管理等のため、学生受入機関との覚書締結に検討・着手した。

<2010 年度実行計画>

・WAVOC の 3 ヵ年計画の具体的な実行策として、国内外の現場実習を伴うボランティア関

連科目の拡充、安全管理体制の強化を含む課外のボランティア活動の充実、ボランティ

アから学生の気づきや学びを生み出す「ふりかえり」手法の構築を計画する。

・WAVOC において、2009 年度、学生支援GPに応募したが、採択されなかったため、今

後の活動のための財源を検討する必要がある。

WAVOC参加者数

0

500

1000

1500

2000

2500

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009

0

5000

10000

15000

20000

25000

科目履修者数 プロジェクト参加者数

⑥初年次教育・入学前教育の充実とオンデマンド授業の活用

<2009 年度実行状況>

・授業支援システム「Course N@vi」は約 17,000 科目中約 5,000 科目で活用され、オン

デマンドを利用した授業の予習・復習効果を向上させた。

・フルオンデマンドによる「数学基礎プラスα(金利編)」の受講者は前期 581 名、後期

470 名、「数学基礎プラスα(最適化編)」は前期 500 名、後期 423 名、また後期より

「数学基礎プラスβ(金利編)」を新たに開講し 220 名の学生を受け入れ、全体で 2,194

名の学生に対し数学基礎教育を実施した。特に法学部の学生から高い評価を得た。

・教員免許更新プログラムを QuonNet で実施した。利用者は延べ約 700 名であった。

・入学前教育では、従来の附属・系属校に加えて、新たに公文国際学園、スイス公文学

園の 2高校に対して実施した。

<2010 年度実行計画>

・「数学基礎プラスβ(最適化編)」を新たに開講し数学基礎教育のラインナップを完成

するとともに、「数学基礎プラス」全体で受講者数 3,000 名を受入れることを目標とす

る。

Waseda Next 125

20

・QuonNet による教員免許更新プログラムは利用者が少ないため運用停止を予定してい

る。

・附属・系属校統一試験の実施を検討する。また、推薦等の他の入試制度にも拡大でき

ないか検討する。

1万人の数学「数学基礎プラス」履修者数

2194

7020

2000

4000

6000

8000

10000

2008 2009 2010 2011 2012

目標 実数

⑦寮生活における全人教育の展開

<2009 年度実行状況>

・田無学生寮において、寮生に対する教育プログラムの理解を深め、参加率をポイント

化することで教育プログラムの参加率を上げ、寮生活における全人教育の浸透を図っ

た。

・「RA(レジデント・アシスタント)」への教育が進み、指導力が高まっている。

・寮内生活における諸課題に対して、レジデンスセンター関係者が誠実に対応すること

により、ノウハウが蓄積されてきている。

<2010 年度実行計画>

・引き続き准教授(任期付)、嘱託職員、RA(レジデント・アシスタント)を活用した寮

内教育を実施する。

・寮教育、寮運営において、新たな財源確保を含めた基盤構築を図る。

⑧多種多様な文化資源を活用しての多元的文化教育の実践

<2009 年度実行状況>

・演劇博物館、會津八一記念博物館の博物館施設、収蔵庫見学および所蔵資料など文化

資源を活用して、幅広い分野の科目を提供した。

・會津八一記念博物館において、学習院大学、駒沢大学、多摩美術大学、東京学館新潟

高校、NHK文化センター、明日館、鹿鳴会の講座等で、学内外の少人数の学生・受

講生等を受入れて、授業を実施した。

・會津八一記念博物館におけるギャラリートークを実施し、延べ 34回、各回 10~20 名

の参加者を集めた。

・演劇博物館は、文化庁「平成 21 年度美術館・博物館活動基盤整備事業」を受託、新宿

区教育委員会と連携し小中学生へ日本の伝統文化を紹介した。冊子を 10,000 部作成、

新宿区の 41 小中学校の児童生徒教師へ 7,700 部配付。小中学生向け解説ボランティア

Waseda Next 125

21

養成講座を開催し、延べ人数 169 名を集めた。また、小中学生対象の体験ワークショ

ップを開催し、38名が参加した。

・演劇博物館は、2002 年度から継続的な外部資金の導入により、演劇・映像の国際的教

育研究拠点として機能しているが、2009 年度は、日本古典演劇、東洋演劇、西洋演劇、

舞踊、映像、芸術文化環境の各研究コースにおいて、コース横断的な研究会を含め自

由に参加できる研究集会を計 130 回開催した。2009 年度の研究成果の一つとして、現

存最古の人形浄瑠璃文楽のフィルム映像の発見・考証・紹介があげられる。また若手

研究者を国内外から 145 名受入れ、研究発表の場を提供し、RA雇用や海外研究発表支

援、博論成果出版支援等を行った。これらの支援により、2009 年度は博士学位取得者

20 名、専任研究職への就職者 10 名の成果をあげた。

・これまでの演劇博物館の教育研究拠点としての活動実績により、2009 年度に文部科学

省より共同利用・共同研究拠点に認定された。文部科学省から委託を受け、全国公募

により 18件の共同研究プロジェクトを立ち上げ、のべ 114 名の研究者が研究代表者ま

たは分担者として参加した。

<2010 年度実行計画>

・既存科目における文化資源活用の拡大を推進する。

⑨「早稲田学」の創設

<2009 年度実行状況>

・大学史資料センター提供オープン科目「早稲田学」(前後期)を開講し、所蔵資料を活

用した講義を実施した。登録者数前期 99 名、後期 99名であった。

・大学史資料センターにおいて、新入生対象の「早稲田大学基礎講義―早大生のための

リテラシー」をオンデマンド開講した。受講者数は 146 名であった。

<2010 年度実行計画>

・講義内容のさらなる充実を図る。

⑩新たな大学スポーツのモデル構築

<2009 年度実行状況>

・指導者の専門的知識の更なる向上のため、コーチサミットを年1回の開催から年2回

の開催へとした。

・早稲田大学校友会・稲門体育会と連携し、稲門祭(10 月 18 日)での「体育各部校友

パレード」を実施した。

<2010 年度実行計画>

・コーチサミットの内容をさらに充実させるとともに、スポーツを通じた社会貢献と国

際交流をさらに推進する。

・「稲門スポーツ強化資金(仮称)」の立ち上げを検討する。競技スポーツセンターのマ

ネジメントの下、体育各部への支援を目的とした、寄付金募集体制を組み立てること

により、早稲田スポーツの振興に資する財源確保システムを整備する。

Waseda Next 125

22

⑪スポーツ選手の学習支援・キャリア支援

<2009 年度実行状況>

・体育各部のキャプテンとマネージャーを対象した代表委員研修会等の各種講習会

を実施し、特に「文武両道」を実践したキャプテン経験者から体験談を伝えた。

また、「薬害防止の講習会」を実施した。

・キャリアセンター主催の各種活動への参加を促すとともに、民間の各種講演会に

も参加を促した。

<2010 年度実行計画>

・アスリートの競技生活終了後も考慮し、社会性を高めるとともに視野を広げるため、

学内他箇所と連携の上、ボランティア活動・インターンシップなども含めた教育的プ

ログラムを検討する。

・国際大会等で活躍する部員の学業サポートのための e-ラーニング導入を促進する。

⑫学業全般の適正な評価

<2009 年度実行状況>

・証明書類への記載方法など、GPA の運用方法を決定した。

<2010 年度実行計画>

・科目間の成績評価基準を検討する。

⑬早稲田健康キャンパスの実現

<2009 年度実行状況>

・健康キャンパスパンフレットを製作し、各種イベントにおいて配布した。

・4/15-17 アルコールパッチテスト、ヤニ検査、体組測定実施:参加者総数 1,872 名

・5 月大隈ガーデンホール1階にリフレッシュスタジオを開設し、プロのインストラク

ターによるヨガやピラティスなどの軽運動プログラムのレッスンを定期的に実施した。

登録者総数 594 名(内訳:男性 13% 女性 87% 学部生 57% 大学院生 16% 教職員 27%)

・健康まつりを開催した(生協と共催) 会場:大隈ガーデンハウス

春 6/4 :参加者総数 283 名 ヨガ体験、健康・食生活相談、体組織測定会など

秋 11/4:参加者総数 155 名 春のプログラムの他ビューティーアップセミナーなど

※9割以上の参加者が継続開催を希望

・9 月 運動、食、医療、心のケアという観点から、6 名の教員による「健康創成論」(オ

ンデマンド授業ながら 2回にわたるダンベル体操実習を取り入れ、健康を体感する場

を提供)を実施した:履修者数 150 名

・10/24 第1回総長杯東京六大学ハイクを実施した:慶應をスタートし、途中、法政・

明治・東大(※赤門前通過)・立教の各大学のキャンパスを巡り早大にゴールした。参

加者総数 約 200 名

・10 月 歯科検診、体組成測定会を実施した:参加者総数 1,524 名

・11 月 体育祭において、フットサル等の総長杯スポーツ大会や学外の方を対象とした

スポーツ体験教室を開催した:参加者総数 約 3,000 名

<2010 年度実行計画>

・健康増進を目的とした各種イベントを引き続き開催する。

・オープン科目「メンタルヘルスマネジメント概論」を新規に開講する。

Waseda Next 125

23

⑭女子学生のキャリア支援

<2009 年度実行状況>

・OB・OG カジュアルトークを 11 月に 7回開催した。30社の社員が参加し、各回約 100

名の参加学生(7 割が女性)を集めた。

・6/20 稲門女性ネットワークと共催でシンポジウム「未来の自分を発見しよう」を開催

し、5社の OGが参加した。

・女子学生のキャリア支援に関する Web コンテンツは未着手であった、

<2010 年度実行計画>

・引き続き、カジュアルトークやシンポジウムを開催する。

・女子学生のキャリア支援を目的とした Web コンテンツを作成する。キャリアセンター

HP の 1 コーナー的な位置づけとする。

⑮資格情報の一元管理・提供によるキャリアプランニング支援の充実

<2009 年度実行状況>

・資格情報の資料収集、調査を実施し、資格の種類整理を完了した。

<2010 年度実行計画>

・国家資格関連箇所にヒアリングを行う。

・資格ガイドブックやウェブコンテンツを作成する。

Waseda Next 125

24

3.学生リクルート

(1)学部:大学院数=6:1 大学院学生数比率の向上 学部:大学院数=3:1へ

<2009 年度実行状況>

2009 年度中に下記の大学院新設・定員見直しを行い、2010 年度の大学院入学定員を合計で

137 名増員した。また各研究科の入試制度見直し等の効果により、2010 年度の大学院学生

数は 9,286 名(2009 年度 8,693 名)となり、大学院学生数が増加した。学部学生数は 42,850

名(2009 年度 44,829 名)であり、学部:大学院生比率は 5.2:1から 4.6:1へ向上した。

・政治学研究科政治学専攻(博士後期)定員増届出(20名→30 名)

・経済学研究科経済学専攻 設置届出(修士 80名、博士後期 40 名)※1

・アジア太平洋研究科国際関係学専攻(修士)定員増届出(入学定員 100 名→120 名)

・基幹理工学研究科電子光システム学専攻 設置届出(修士 45名、博士後期 7 名)

・創造理工学研究科経営デザイン専攻 設置届出(修士 70名、博士後期 10 名)※2

・創造理工学研究科総合機械工学専攻(修士)定員増届出(60名→70 名)

・先進理工学研究科共同先端生命医科学専攻 設置届出(博士後期 5名)※3

・先進理工学研究科共同先進健康科学専攻 設置届出(博士後期 4 名)※3

・先進理工学研究科共同原子力専攻 設置届出(修士 15 名、博士後期 4名)※3

・基幹理工学研究科表現工学専攻設置検討

・国際コミュニケーション研究科設置検討(入学定員 50 名)

※1 理論経済学・経済史専攻、応用経済学専攻募集停止のため定員実数の増員はなし。

※2 経営システム工学専攻の定員減のため定員実数の増員は修士50名、博士後期5名。

※3 ナノ理工学専攻の定員減のため定員実数は修士 15 名減、博士後期 5名増。

<2010 年度実行計画>

・定員および学費の見直し実施

・基幹理工学研究科表現工学専攻届出

学部生・大学院生学生比率

8,6938,6096147 9,286

5.2 5.2

7.3

4.6

0

10000

20000

30000

40000

2002 ~ 2008 2009 2010

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

学部生 大学院生 比率

Waseda Next 125

25

(2)一般入試と一般入試以外者比率を6:4にする

<2009 年度実行状況>

・入学者比率は、一部の学部を除いて6:4を実現している。

・政治経済学部、基幹・創造・先進理工学部におけるグローバル 30のための中国指定校推

薦、AO 入試を実施した。また、頂新奨学金プログラム、ベトナム教育訓練省奨学金プロ

グラム等の留学生向け奨学金の拡充により、留学生の受入体制を充実し、入学者比率の

見直しを図った。韓国指定校の参加学部の増加、各新規入試制度の実施により、受験者

層、地域別の受け皿を増やすことができた。

・今後の指定校推薦選定に活用するため、全学の学部毎の入学手続状況、指定校推薦状況を

分析し、可能な範囲で情報提供した。入学後の成績についても全学を通じた高校別の状況

を各学部に紹介し、入試制度改革の材料を提供した。

<2010 年度実行計画>

・新入試制度導入(定員見直し)を検討する。

・社会科学部において、グローバル 30のための入試制度を新規に実施する。

・グローバル 30 のための指定校入試を韓国、台湾においても実施を検討する。

(3)小・中・高の一貫教育を視野に入れた中高等教育連携室(仮称)の設置

<2009 年度実行状況>

・高大連携の新しい形となる協力連携を試行的に行う「連携モデル校」として公文国際学

園、スイス公文学園、品川女子の 3校と品川女子学院へ模擬講義の提供、オープン教育

センター設置科目の遠隔配信を行った。

・公文国際学園、スイス公文学園と高大連携についての包括協定を締結し、両校へ人間科

学部設置のオンデマンド授業を提供し、4 名の高校生が受講した。

・浦和第一女子と品川女子学院の生徒を対象に「理工ものづくり体験教室」を実施し、約

40 名の生徒が受講した。

<2010 年度実行計画>

・引き続き人間科学部設置のオンデマンド授業を公文国際学園、スイス公文学園へ提供す

る。

・公文国際学園へ模擬講義を提供する。

(4)附属系属校の高大連携教育推進、教育内容の刷新

<2009 年度実行状況>

・新規系属校早稲田摂陵中・高校を設置した。

・附属・系属校連絡会、事務連絡会を開催し、高大連携教育の推進となる基盤体制を構築し

た。

・早稲田佐賀中・高校の首都圏入試を所沢キャンパスにて実施した。

・早稲田摂陵中・高校の首都圏入試を所沢・早稲田キャンパスにて数回実施した。

大隈講堂にて附属・系属校合同学校説明会を実施したことにより、首都圏での新規系属校

(早稲田摂陵・早稲田佐賀)認知および PR効果があり、首都圏入試で多数の生徒が受験し、

多数の入学者につながった。早稲田佐賀中・高の出身都道府県別入学者数は、中学では東

京が 3番目、神奈川県が 4 番目で、高校では東京が 3 番目、神奈川県が 5 番目であった。

Waseda Next 125

26

<2010 年度実行計画>

・高校間の教員人事交流を開始する。

(5)優秀な地方出身学生の確保

<2009 年度実行状況>

・入試出願前予約採用給付奨学金制度「めざせ!都の西北奨学金」の 2010 年度入学者の採

用候補者数は 424 名(2009 年度 141 名)で採用者数は 97名(2009 年度 37 名)であった。

また、採用授与式では、早稲田学生のリーダーとなるべく期待を伝えた。

・2010 年度採用候補者には、学生寮入寮案内を通知し、入学者 97名のうち、29人が入寮(田

無寮 7名、共立 22名)した。寮内のリーダーとなることが期待される。

<2010 年度実行計画>

・学生寮における校友会との連携に関して検討を行う。

(6)学部・大学院一貫教育(5 年で修士学位取得)の実現

・2010 年度以降検討する。

(7)全学レベルおよび各箇所の入試広報活動強化

<2009 年度実行状況>

・箇所個別のパンフレットの表紙を UIシステムと整合しサイズを統一化した。

・箇所個別の入試要項の校正において、文言を統一化した。

<2010 年度実行計画>

・入試データを活用した模擬講義、効果測定を実施する。

・入学案内等で受験希望者からのアンケートを実施する。

Waseda Next 125

27

4.キャンパス等整備

(1)キャンパス整備

①早稲田キャンパス3号館の建替え

<2009 年度実行状況>

・基本計画をもとに設計会社を選定した。

<2010 年度実行計画>

・実施設計および事前工事を開始する。

②戸山キャンパス新33号館の建替え

<2009 年度実行状況>

・行政との事前協議を継続実施した。

<2010 年度実行計画>

・解体工事を開始する。

③所沢キャンパス新教室棟(101 号館)の建設

<2009 年度実行状況>

・当初予定どおり、2009 年 7月 24 日に竣工した。

<2010 年度実行計画>

・計画完了

④本庄キャンパスの開発造成と本庄高等学院校舎建設を行う。

<2009 年度実行状況>

・校舎Ⅰ期の基本計画を策定した。

・南北道路造成については未実施であった。

<2010 年度実行計画>

・南北道路造成工事予定は無し。

・本庄高等学院計画予定地の造成工事を開始する。

・本庄高等学院校舎Ⅰ期建物設計を開始する。

(2)高等学院の建設

<2009 年度実行状況>

・当初予定どおり、2010 年 3月 15 日にⅠ期工事が竣工した。

<2010 年度実行計画>

・解体工事ならびに、再配置工事を開始する。

(3)(仮称)中野国際コミュニティプラザの建設

<2009 年度実行状況>

・基本設計まで実施したが、行政との協議を継続実施している。

<2010 年度実行計画>

・実施設計を行う。

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(4)外国人研究者向け宿舎・研究室の整備

<2009 年度実行状況>

・当初予定どおり、41-25 号館を改修し、2009 年 1 月 31 日に竣工した。

・2010 年 4 月「富坂国際の家」(13室)の利用を開始した。

<2010 年度実行計画>

・予定している計画は無し。

(5)建物カルテの作成およびLCC

<2009 年度実行状況>

・Life Cycle Cost(LCC)概念導入に向けて、建物カルテへのデータを蓄積・整備し、

工事履歴の一元化と共有を促進した。

<2010 年度実行計画>

・引き続き建物カルテへデータを蓄積する。

(6)各校舎耐震改修

<2009 年度実行状況>

・9(Ⅰ期),10,16,17,57,52,53,54,号館耐震改修が完了した。

<2010 年度実行計画>

・1,2,5,7,9(Ⅱ期),74,74-11 号館の耐震改修を行う。

(7)バリアフリー対策

<2009 年度実行状況>

・4,6,7,14,15,16,17 号館の手摺を改修した。

・14,16,36 号館自動ドアを新設した。

・32号館身障者便所を新設した。

<2010 年度実行計画>

・優先度を考慮のうえ、順次整備を行う。

(8)防災・安全対策

<2009 年度実行状況>

・防災訓練を各キャンパスで実施した。訓練時には、避難訓練に加えて起震車による地震

体験、煙ハウスによる火災発生時の煙体験、消火器の使用体験、AED の使用方法の講習、

アルファ米炊き出しによる配給等も行った。これにより、被災時にどのように行動した

らよいか、学生、教職員が問題意識を持つことができるとともに、大災害の恐ろしさを

身近に感じることができた。

・大地震に備えて、未対応だった震災時の対策本部対応用に備蓄用品(トイレや長期保存

可能食品等)の充実を行った。同時に既存の全キャンパスの防災倉庫のメンテナンス(賞

味期限や使用期限が迫っているものの入れ替え)も行い、備えを充実するとともに、バ

ランス化を図った。

・実験系の研究室を主な対象として、定期的に安全衛生巡回を実施し、不安全箇所の改善

Waseda Next 125

29

および関係法令順守の指導に努めた。

・防災管理者講習受講対象者に防災管理者講習の概要を説明し、受講を促し、法令遵守の

意識向上を図った。

<2010 年度実行計画>

・大地震を想定した組織対応体制を整備し、法令に基づく自衛消防組織等の機能強化、避

難訓練等への対応を行う。

(9)エコ・省エネ対策

<2009 年度実行状況>

・改正省エネ法に対応策として、エネルギー使用量把握(建物別)のための電力量メータ

ーの設置、および改正東京都環境確保条例に対応した CO2削減計画を策定した。

・現行の東京都環境確保条例対応計画の最終年度として、計画に基づき空調・照明設備等

の省エネ化を図った。

・エコフューチャー全体総括者を含めた点検チームによる省エネパトロールを開始した。

・早稲田・戸山・西早稲田キャンパスの飲料用自動販売機の省エネルギー化プロジェクト

を展開し、年間 CO2排出量を 45%削減した。

・環境系の学生団体をとりまとめ、それぞれの得意分野を生かした連携強化を行った。

<2010 年度実行計画>

・改正省エネ法に基づく全学的省エネ中長期計画を策定する。

・改正東京都環境確保条例に対応した CO2削減 5 ヵ年計画に基づく空調設備等の省エネ化お

よび運用改善による省エネを推進する。

・2011 年度より施行される埼玉県地球温暖化対策推進条例に基づく CO2削減計画を策定す

る。

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30

5.情報基盤整備

(1)サイバーセキュア(安心・快適な情報環境)キャンパスの整備

<2009 年度実行状況>

・Waseda-net メール SPAM 対策とセカンドメールサービスを開始した。

・Winny 等の P2P 通信制限装置を導入した。

<2010 年度実行計画>

・引き続き P2P 通信対策を強化する。

・全教職員向けセキュリティ教育(オンデマンド形式、専任・嘱託職員必須を目指す)を

実施する。

・セキュリティの向上施策の一環として、事務職員向け PCの一斉更新を行う。

(2)教育支援システムの構築

<2009 年度実行状況>

・Course N@vi を基盤とする学習ポートフォリオシステムを構築し、国際教養学部、日本

語センター、オープン教育センター、キャリアセンターにて試験運用を行い改修・機能

追加を実施した。

・Course N@vi のシステム上の積み残し課題や自由参加型ユーザーコミュニティを通じて

寄せられた約 100 項目の改修・改善を実施した。

・高負荷対策として Course N@vi 用サーバを増強した。

<2010 年度実行計画>

・Course N@vi について、性能面・インターフェースを中心に機能改善を行う。

・Course N@vi の携帯端末対応に向けた検討を開始する。

・オンデマンド授業コンテンツの制作環境を見直し、OS やブラウザ等の視聴環境にとらわ

れないコンテンツ配信を実現する。

(3)研究支援システムの構築

<2009 年度実行状況>

・研究支援システムについては、既存システム(研究者データベース、 研究資金・研究

課題管理、発注システム)の機能改善を中心に行った。

・研究者データベースと早稲田大学リポジトリ間でのデータ連携ができる機能を導入

し、利便性を向上した。

・研究者データベースに海外からもアクセスがあることや若手研究者が注目されているこ

とを確認した。

<2010 年度実行計画>

・研究支援システムの全体像を作成する。

・「新・研究者データベース(研究業績管理システム)」の要件を検討する。

・非常勤研究員、TA(教務補助員)/RA(研究補助員)、アルバイトの給与管理システムを構築

する。

Waseda Next 125

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(4)大学運営支援システムの構築

<2009 年度実行状況>

・調達システム構築ワーキンググループにより、電子購買システムの導入を軸に調達業務

を見直すことを決定した。

・法人情報検索システムを新規開発した。

<2010 年度実行計画>

・電子購買システムの導入および経理処理の集中化のためのシステム構築を実施する。

・事業別予算制度による年次決算の検証を実施する。

・法人情報検索システムのサービスを開始する。

(5)新規建物に対応する情報環境の構築

<2009 年度実行状況>

・所沢キャンパス新教室棟(101 号館)、高等学院新棟(Ⅰ期)の情報環境整備が完了した。

<2010 年度実行計画>

・グリーンコンピューティングシステム研究開発センターの情報環境を整備する。

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6.経営基盤の確立

(1)意思決定システムの見直し

<2009 年度実行状況>

・法人部門、教学部門の意思決定機能の見直し等を含む「規約整備検討ワーキンググループ」

の最終報告書を提出した。

・総長選挙制度検討委員会による中間報告書、最終答申書の提出を受け、総長選挙規則改正

案を施行した。従来制度の基本的枠組みは維持した上で、候補者推薦、信任投票、決定選

挙等の各段階における課題の改善が図られた。

・2008 年度に実施した契約監査の監査結果に基づき、フォロー監査を実施した。

・「総務部契約管理体制ワーキンググループ」において、規約の整備、契約審査体制の構築、

教職員のコンプライアンス意識の向上に関する改善提案を行った。

・「総務部契約リスクプロジェクト」において、全学的な契約管理体制強化のための改善提

案を行った。

・本部所管会議体の整理については、未着手となった。

・学術院等事務組織については、部門統合により機能強化、要員見直し等を実施した。

<2010 年度実行計画>

・本部所管各種会議体整理案を検討、実施する。2010 年 11 月理事会の交代を機に、本部各

箇所が所管する委員会等各種会議体を調査し、休眠状態の会議や既に機能を終えている会

議体の見直しを進める。

・新制度による総長選挙を実施する。

・2009 年度の契約管理に関する改善提案を基に具体案を策定のうえ、契約支援・管理体

制を確立する。具体的には「学外機関等との学術研究提携等、調達、雇用に関する関係規

約の整備」「契約締結に係る審査・承認手続の整備」「契約マニュアル・標準契約書(雛形)

の整備」「契約事務担当者の配置」「箇所長・教職員等に対する研修」を行う。

(2)事業評価制度の構築

<2009 年度実行状況>

・「PDCA」のマネジメントサイクルのうち、当面「Plan」の段階で、各事業実施後の評価の

ための指標を求めることで、事業実施段階での精度、透明度を高めるとともに、実施後の

評価を行うための基礎条件を明確化する「事業評価シート」について、部長会で検討を進

めたが、当初予定の制度策定までは至らなかった。

<2010 年度実行計画>

・「事業評価シート」を作成し、事業評価制度制度を試行する。

(3)大学行政文書管理保存体制の整備

<2009 年度実行状況>

・外部講師を招いて講演会「デジタル文書の管理・保存について」を大学史資料センターが

開催した。参加者は 50名であった。

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33

・文書管理規程、文書管理体制の課題について「百五十年史編纂準備委員会」で協議、また

有識者等から意見を聴取した。

<2010 年度実行計画>

・関係箇所間の協力により、次の項目に取り組む。

①大学アーカイブズ機能整備の必要性に対する認識の普及を図る。

②20 号館地下レファレンスルームのセキュリティ対策等ハード面の環境整備を実施する。

③文書管理規程および全学的文書管理体制を検討する。

(4)校友・父母等との連携強化

<2009 年度実行状況>

① 広報の強化

・9月に計画通り校友広報紙「西北の風」Vol.9 を 43 万部発行した。創立 125 周年記念募金

事業の報告、中学高校大学一貫校戦略やワセダスポーツ鼎談企画等、全校友に発信するこ

とを前提に、幅広い層で共感を得られるよう、情報網羅的な紙面を企画・作成した。前年

同様、多くの好意的な反響があった。

・学内広報誌「キャンパスナウ」を年 5回発行した。早稲田学報・早稲田ウィークリーとの

差別化を図りつつ、教職員には最新情報をレポート形式で詳しく伝えると同時に、父母を

意識した企画構成で学内情報を分かりやすくタイムリーに発信した。毎年継続して発送す

ることで、父母の大学に対する理解・共感マインドを醸成していく。

②システムの強化

・Waseda-net ポータル校友メッセージ送信機能を開発し 2010 年 4 月にサービス提供を開始

した。

・Waseda-net ポータル稲門会検索機能を開発し、2009 年 8 月にサービス提供を開始した。

・QuonNet の活用促進のため、校友会行事等での説明を行った。いかに卒業生に使ってもら

えるか、コンテンツの充実が課題である。

・QuonNet 同窓会機能を 2009 年 9 月に開始し、38団体の稲門会が登録した。

・教員免許更新講習を QuonNet 上で実施した。教育稲門会でのコミュニティ活性化について

は、今後の検討課題である。

・稲門人材バンクを通じた転職・就職希望者に対して提携企業にて面談を実施した。学生応

援希望者は、提携企業からキャリアセンターへ情報提供した。(求人市場が冷え込む中、

WEB サイト以外の広報活動は中止しているが、毎月一定数の転職希望の登録者がある。

・稲門人材バンクにおける能力活用希望者は転職・就職希望者登録に一本化し、ボランティ

ア希望者は、平山郁夫記念ボランティアセンターへの直接登録制に変更した。

③サービスの強化

・早稲田カードリニューアルに向けた準備作業(カード券面リニューアル、Paddy カードを早

稲田カード Students に、父母カード無料化)を進めた。

・早稲田カード券面デザイン作成、リーフレット作成、Web サイト・ポスター等のリニュー

アルを行った。

・早稲田カード父母会員カードの年会費を無料化した。

Waseda Next 125

34

・附属・系属校父母への働きかけを行い、加入促進をはかった。

④連携の強化

・ホームカミングデー招待年(25・35・45・50 年目)に 15年目を加え、校友会主催の 5 年祭と

あわせ、若手校友との連携強化を図る。

・「地域コーディネーター」は、渉外局への事務局移管に伴い、高校訪問等学生リクルート

に重きを置いた活動から、校友との連携にシフトした。主に、校友会都道府県支部総会、

地区別商議員懇談会、各稲門会総会等に出席し、大学への理解を深めてもらうための活動

を行った。また、「地域交流フォーラム」に参加し、在学生父母との交流を深め、「稲門

教育会総会・地区別総会」に出席し、校友教員との連携を深めた。これにより、校友会の

代議員会出席者数が 500 名を超えるなど、大学への関心が高まった。また、「めざせ!都

の西北奨学金」に対し 500 人を超える応募があった。

・若手校友や校友の子女、また受験生世代の方々にも参加してもらえるイベントを開催し、

新たな“早稲田サポーター”の開拓を目指した「Hello! WASEDA プロジェクト」を実施し

た。2009 年度は、愛知・大阪でイベントを開催し好評を得た。

・「法人情報検索システム」を新たに構築。企業法人に関する各種情報の、学内における共

有体制を強化した。

<2010 年度実行計画>

①広報の強化

・学内広報誌「キャンパスナウ」は、2009 年度と同様に発行予定。2009 年 3 月に実施した

読者アンケートを基に、一部コーナー企画のリニューアルを行う。

・校友広報紙「西北の風」は、2009 年度と同様に 9 月に発行する予定である。

②システムの強化

・QuonNet 同窓会機能の利用促進と基本機能向上を実施し、校友会奨学生、地方出身学生の

組織化、在学生と校友をつなぐツールとして活用する。

・Waseda-net ポータルと QuonNet のシングルサインオン機能を開発する。

・QuonNet 早稲田大学向け専用画面を開発する。

・地方父母会(地域交流フォーラム)との連携によるサービスを提供する。

・QuonNet 掲載コンテンツの早稲田関係者向けへの見直しを図る。

・稲門人材バンクは、校友課側と提携企業間で登録者個人情報がシステム上で参照可能にな

るよう提携企業側のシステムを改修する。

③サービスの強化

・早稲田カードをリニューアルする。

早稲田 Paddy カードを早稲田カード Students にリニューアルし、校友:Alumni、父母:

Parents、学生:Students の 3種類とする。現会員数は、校友:63,858 人、父母:2,902

人、学生:16,122 人であり、父母会員 4,000 人を目標とする。

・早稲田カード会員向けに、総長からの結婚式祝電サービスを開始する。

・早稲田カード会員数増加に向けた取り組みを継続する。

④連携の強化

Waseda Next 125

35

・「地域コーディネーター」は、地方校友会組織との連携強化に向けた従来の活動に加え、

地域に合わせた目標を設定する。また、地方の校友組織と当該地域出身学生との連携促進

を図る。

・2010 年度の「Hello! WASEDA プロジェクト」では、昨年度の愛知・大阪に広島・佐賀を加

えた 4県、それぞれのイベントを開催する。

早稲田カード会員数

58,798 60,103 61,562 62,716 63,337 63,85858,048

12,759 15,297 16,780 18,746 18,133 16,459 16,122

2,985 3,010 3,033 2,9022,8712,8722,9390

10,000

20,00030,000

40,00050,000

60,00070,000

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009

校友会員 学生会員 父母会員

(5)財政基盤の確立

<2009 年度実行状況>

・「WASEDAサポーターズ倶楽部」は、リニューアル初年度として、目標額の達成を目

指すとともに、制度の定着に重点を置いた周知活動を行った。会員サービスの面では、本

学名誉称号贈呈者である「特別会員」を対象とした、「早稲田大学をご支援いただいてい

る皆様との集い -WASEDAサポーターズクラブ エグゼクティブ・フォーラム 2009

-」を 11月に開催し、高額寄付者への礼遇充実の一環としての活動を行うとともに、全

会員(当該年度 3 万円以上の寄付者)に向けて、「早稲田講義録(年 1 回)」「WSC NEWS LETTER

(年 1回)」および「オフィシャルグッズ」を送付するなどの、各種会員特典の展開も予

定どおり実施した。

・総額 1,500 百万円を上限額に定め、1,353 百万円で期間 5年、利率 0.25%の法人向け学校

債を発行し、資金調達手段の多様化と、低利調達を図った。個人への募集については未定

である。

・文化推進事業において、「早稲田文化のご案内~文化振興募金のお願い~」パンフレット

を作成し、募金活動の準備作業を行った。

<2010 年度実行計画>

・「WASEDAサポーターズ倶楽部」の賛同者拡大に向けた各種施策を引き続き展開する。

名誉称号贈呈者への礼遇のさらなる充実に向けた取り組みを、効果的かつ強力に推進する

とともに、一般会員の獲得にも積極的に取り組むべく、校友会組織等との連携を含め、個

別戦略の組み立ておよび実行体制を強化する。

・重点企業の選定等、「法人情報検索システム」を有効活用した対企業法人との関係強化に

向けた取り組みの検討と実行を図る。また、篤志家の開拓にも、引き続き全力を挙げると

Waseda Next 125

36

ともに、「高等学院」および「本庄高等学院」が展開する事業募金の獲得にも取り組む。

・企業法人との関係強化を目的に、稲門経済人の組織化を検討する。当面は、従来からの「職

域代表者交歓会」を再編した形で「稲門経済人会(仮称)」を実施しながら、これを核と

して、地方の主要都市にも、稲門の経済人組織を構築していく等の展開を図る。

・学校債に関する事務マニュアルを作成する。

以上