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令和 2 年1月 22 日(水)
宇都宮 MaaS 社会実験実行委員会
会⾧ ⾧田 哲平
記 者 発 表 資 料
宇都宮 MaaS 社会実験の分析結果の概要について
令和元年 8 月から 10 月にかけて、宇都宮市のバス等が乗り放題となる無料パスを発行
した際の公共交通の利用変化を調査する「宇都宮 MaaS 社会実験」を実施しました。
この度、調査データの分析結果の概要がまとまりましたのでお知らせします。実施にあ
たっては、216 名の方にモニターとして実験やアンケート調査にご協力いただきました。
モニターの皆様にはご協力いただき、誠にありがとうございました。
<分析結果の概要>
① フリーパス配布前の期間(T1 : 8 月 21 日~9 月 5 日)に比べてフリーパスを配布した期
間(T2 : 9 月 6 日~30 日*1)では、モニターの公共交通の利用率がバスで約 1.4 倍、鉄
道(東武宇都宮駅~西川田駅間)で約 3.8 倍増加した。(資料 1)
② GPS ログデータより滞在場所の判定を行った結果、T1 期間に比べ T2 期間では宇都
宮市の外縁や宇都宮市外への移動が増え、行動圏域が約 2.7 倍に拡大した。(資料 2)
③ 実験中のモニターの外出頻度(通勤・通学を除く)について、週に4~5 回以上外出
すると答えたモニターが T1 に比べて T2 期間で約 10%増加した。(資料 3)
<総評>
本実験は、バス・鉄道の公共交通サービスを統合した約 1 ヶ月間のフリーパスを配布
し、モニターの公共交通の利用変化を調査した。実験結果として、フリーパスの導入によ
りバス・鉄道の利用率が増加し、自動車や自転車の利用率が微減するなど、交通手段のシ
フト及び外出機会自体が増加したことを確認した。
また、バスを利用した日光などの宇都宮市外の観光地への移動など、行動範囲の拡大も
確認することができた。アンケート調査では、乗換案内や時刻表検索、バスの位置情報提
供サービスのほか、スマートフォンを利用した予約・決済方法の充実を求める声が多く、
複数の交通手段の情報・予約や決済・交通サービスが統合された MaaS の潜在的な需要が
あることを確認した(資料 4)。今後は、MaaS 導入が地域にもたらす経済効果や事業採算
性についての検証が課題となる。
*1 データ取得の特性上、分析では 9/6~9/29(24 日間)のデータを使用した。
問い合わせ先
社会実験の概要について 宇都宮 MaaS 社会実験実行委員会 事務局
特定非営利活動法人宇都宮まちづくり推進機構
http://www.machidukuri.org
Tel:028-632-8215 / Email:[email protected]
分析結果について 早稲田大学(担当:高山)
Tel:03-5286-3098 / Email:[email protected]
(分析:早稲田大学、宇都宮大学、KDDI 株式会社、株式会社 KDDI 総合研究所)
令和 2 年1月 22 日(水)
宇都宮 MaaS 社会実験実行委員会
会⾧ ⾧田 哲平
【資料 1:GPS データ*2 を用いたフリーパス配布による公共交通の利用率の変化】
○ T1 期間に比べ、フリーパスの対象期間となる T2 期間での公共交通の利用率*3 は
バスで約 1.4 倍、鉄道で約 3.8 倍となった。
*2 GPS データは、実証実験開始前に各被験者から許諾を得て利用。
*3 グラフの縦軸は利用率(当該日の利用者数 / 実験参加者数)
【資料2:GPS データ*2 を用いた滞在エリアの可視化】
○ T1 期間に比べ、T2 期間ではフリーパスの配布により滞在場所件数が約 2.7 倍に増加し
た。特に宇都宮市の外縁や宇都宮市外で増加し、行動圏域が拡大したことが確認された。
*2 GPS データは、実証実験開始前に各被験者から許諾を得て利用。
令和 2 年1月 22 日(水)
宇都宮 MaaS 社会実験実行委員会
会⾧ ⾧田 哲平
【資料3:フリーパス配布前後での外出頻度の変化】
○ 実験前後のアンケート調査から、モニターの外出頻度(通勤・通学を除く)について、週
に4~5 回以上外出すると答えたモニターが T1 に比べて T2 期間で約 10%増加した。
【資料 4:フリーパスに追加してほしい機能・サービス】
○ 乗換案内や時刻表検索などの機能、バスの位置情報提供サービスなど、公共交通の運行状
況を提供するサービスが求められていることが確認された。
○ スマートフォンを利用した交通サービスの予約や発券機能のほか、簡単なキャッシュレス
決済サービスの需要も高く、予約・支払い方法の負担を軽減するサービスが求められてい
ることが確認された。