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─ 19 ─ 平成22年度福祉インターンシップ 担当教員:福田順子 米山恒雄 家富誠敏 福祉インターンシップは,福祉施設ではなく,「福祉経営」を実践している先端的な営利企業や NPO で実習を行い,新しい福祉の取り組みについて学ぶ授業です。7年目を迎えた今年度は10名の 学生が受講し,夏休みを利用して各々10日間の実習を行いました。 福祉インターンシップの実習先は「障がい者が中心となって働いているベーカリーや蕎麦屋」「学 童保育や地域貢献活動に力を注いでいる不動産会社」 「自然と共生したまちづくりに取り組む牧場」 「リ サイクルを通じて環境保全・地域開発を行なっている企業」「豊かな食事で利用者満足を達成してい る有料老人ホーム」「障がい者雇用を推進しているNPO」など特徴的な企業や団体から成り立ってい ます。 その共通点として,障がい者や高齢者を「弱い立場の人」ではなく,「生かせる力を持った人」と して捉えるという考え方を持っており,弱者救済や弱者対策として福祉サービスを捉えていません。 そのため,これらの実習先での就業体験は,学生たちに新しい視点で福祉を考えるきっかけとなって います。例えば,障がい者と一緒に働いてその技術や能力の高さに気付いたり,山地を利用した酪農 にふれて環境循環や持続可能性について考えたり,営利追求だけでなく地域貢献によってまちが活性 化することを学んだり,利用者が支払う金額以上のサービスを提供する意味やその仕組みについて知 識を得たり,といった具合です。 また,これらの取り組みを可能にするためには,ヒト・モノ・カネ・情報といった経営の4つの要 素を上手に組み合わせることが必要となります。人を動かすにはモチベーションが必要であり,欠け た部分を補うにはアウトソーシングのノウハウが不可欠であり,売れる製品を作るにはマーケティン グが必要であり,利用者に喜ばれるには顧客満足の考え方と方法が必要であり,といったマネジメン トの必要性についても実習の過程で実感します。その結果,より実践を意識する方向へ,確実に学生 たちの考え方が変わっていくことが見受けられています。 福祉インターンシップを通じて,新しい体験と発見を彼らが持ち帰ってくれることを楽しみにしな がら,教員一同,訪問および事前・事後指導に力を注いでいます。本年度の福祉インターンシップ成 果レポートの一部を紹介いたします。

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Page 1: 03 Internship reportjupiter2.jiu.ac.jp/books/academy/2010/welfare/03.pdf20 福祉インターンシップレポート 「有限会社ヴイ王子 スワンベーカリー十条店」

─ 19 ─

平成22年度福祉インターンシップ

担当教員:福田順子 米山恒雄 家富誠敏

 

 福祉インターンシップは,福祉施設ではなく,「福祉経営」を実践している先端的な営利企業や

NPO で実習を行い,新しい福祉の取り組みについて学ぶ授業です。7年目を迎えた今年度は10名の

学生が受講し,夏休みを利用して各々10日間の実習を行いました。

 福祉インターンシップの実習先は「障がい者が中心となって働いているベーカリーや蕎麦屋」「学

童保育や地域貢献活動に力を注いでいる不動産会社」「自然と共生したまちづくりに取り組む牧場」「リ

サイクルを通じて環境保全・地域開発を行なっている企業」「豊かな食事で利用者満足を達成してい

る有料老人ホーム」「障がい者雇用を推進している NPO」など特徴的な企業や団体から成り立ってい

ます。

 その共通点として,障がい者や高齢者を「弱い立場の人」ではなく,「生かせる力を持った人」と

して捉えるという考え方を持っており,弱者救済や弱者対策として福祉サービスを捉えていません。

そのため,これらの実習先での就業体験は,学生たちに新しい視点で福祉を考えるきっかけとなって

います。例えば,障がい者と一緒に働いてその技術や能力の高さに気付いたり,山地を利用した酪農

にふれて環境循環や持続可能性について考えたり,営利追求だけでなく地域貢献によってまちが活性

化することを学んだり,利用者が支払う金額以上のサービスを提供する意味やその仕組みについて知

識を得たり,といった具合です。

 また,これらの取り組みを可能にするためには,ヒト・モノ・カネ・情報といった経営の4つの要

素を上手に組み合わせることが必要となります。人を動かすにはモチベーションが必要であり,欠け

た部分を補うにはアウトソーシングのノウハウが不可欠であり,売れる製品を作るにはマーケティン

グが必要であり,利用者に喜ばれるには顧客満足の考え方と方法が必要であり,といったマネジメン

トの必要性についても実習の過程で実感します。その結果,より実践を意識する方向へ,確実に学生

たちの考え方が変わっていくことが見受けられています。

 福祉インターンシップを通じて,新しい体験と発見を彼らが持ち帰ってくれることを楽しみにしな

がら,教員一同,訪問および事前・事後指導に力を注いでいます。本年度の福祉インターンシップ成

果レポートの一部を紹介いたします。

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福祉インターンシップレポート「有限会社ヴイ王子 スワンベーカリー十条店」

2年 坂本 遥子

1.研修先の概要

 1.1 スワンベーカリーとは

 「スワンベーカリー」は,障がい者の自立と社会参加の支援を目的として,ヤマト福祉財団および

ヤマト運輸が中心となって設立したベーカリーチェーンである。その理念である「障がいのある人も

ない人も,共に働き,共に生きていく社会の実現」のために,スワンベーカリーで働く障がい者には

月給10万円以上を支払うとともに,「焼きたてのおいしいパン」を提供する人気店で生き甲斐を持っ

て働くことを両立している。スワンベーカリーの命名者は故・小倉昌男理事長で,みにくいアヒルの

子と思っていたら実は「白鳥=スワン」だった,というデンマークの童話がヒントになっている。

 スワンベーカリーは全国にチェーン展開しており,1998年スワンベーカリー銀座店が第1号店とし

てオープンしたのをはじまりに,現在では直営店3店,チェーン店は24店を超えている。働いている

障がい者の数は,知的,精神,身体に障がいのある方を含めて,全店で282名を超えており,そのう

ち知的障がいの方たちが最も多く7割以上を占めている。

 1.2 スワンベーカリー十条店について

 今回研修をさせていただいた十条店は,1999年にオープンした。「王子養護学校の卒業生を応援す

る会」が母体となり,「有限会社ヴイ王子」として開業したベーカリーである。

 十条店の特徴は,特に「外販」に力を注いでいることである。厚生労働省等官庁・病院・学校等に

積極的に販売に出かけているとともに,家庭を会員とした顧客の組織化にも成功している。

 店舗での販売に加えて,定期的な配達も行っており,地域の多くのお客に支持され,安定した収入

を上げているのが特色である。

2.研修の目的・目標

 今回,多くの研修先から,スワンベーカリー十条店での研修を希望した理由は,もともとスワンベー

カリーに対し強い関心を持っていたからである。スワンベーカリーで,障がいを持った方が生き甲斐

を持って仕事をしているという話を聞いて印象に残っていたので,その方たちがどのような職場環境

で働いているのかに関心を持ち,ぜひ職場を体験したみたいと考えたからである。また,障がい者と

共に働くことで,障がいを持った方が,職場や地域でどのように受け入れられているかを知ることに

も興味があり,研修先として希望させていただいた。

 研修では次の2つを目標として取り組んだ。1つ目の目標は,障がい者が企業に受け入れられる例

として,ごく普通に仕事をこなすことが可能な職場である「スワンベーカリー」の特徴や運営の仕組

みを学ぶことである。2つ目の目標は,働いている障がい者と職員やお客である地域の方とのコミュ

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ニケーションの様子を実際に見て,どのような関係を築いているかを知るということである。

 この2つの目標に加えて,社会人としての自覚と責任を持って,しっかりと働くことを念頭におい

て研修に臨んだ。

3.研修日程と概要

 研修では2つの期間に分かれて,障がい者と共にスワンベーカリーでの業務を体験した。日々の業

務を行いながら,特に障がい者に対する職員の関わりに着目し,自分も同じように関わりながら,可

能であれば作業支援を行うことを念頭において取り組んだ。

一期

8月6日:店舗の見学 / パンの袋詰め / スポーツセンターでの販売

  7日:パンの袋詰め / 淑徳短期大学での販売

  8日:淑徳短期大学での販売

  9日:パンの袋詰め / 都庁での販売 / 冷蔵庫・窯の掃除

  10日:パンの袋詰め / 都立障害者センターへ配達 / 窯の掃除

  11日:パンの袋詰め / 北医療センターでの販売 / カフェの掃除

二期

8月20日:パンの袋詰め / 店舗の掃除 / 窯の掃除

  21日:パンの袋詰め / 夏祭りでの販売

  23日:ケースの消毒 / パンの袋詰め / 店舗の掃除 / 窯の掃除

  24日:パンの袋詰め / ヤマト運輸での販売 / 窯の掃除

4.研修で学んだこと

 4.1 スワンベーカリー十条店の特色 ~外販を通じた地域との交流について

 今回の研修で一番印象に残ったのは,スワンベーカリー十条店の特色でもある外販と配達の業務で

あった。スポーツセンターや北医療センターなど,店舗から近い場所にある施設をはじめ,都庁や都

立障害者センターなど,電車・バスを使って行く施設にも販売を行っており,スワンベーカリーのパ

ンを楽しみに待っている方たちが沢山いることが分かった。

 初日に,スポーツセンターへと一緒に行った障がい者は,お客様に積極的に声をかけ,パンの説明

をしたり世間話などをしたり,とても楽しそうに仕事をしていた。また,計算はあまり得意ではなかっ

たらしいが,全て計算機を使うのではなく,暗算をしながら会計をしている様子がみられた。後ほど

指導者の方から「初めからできたわけではなく,仕事を続けていく中で身につけてきた」という話を

伺い,外販という高いハードルの仕事を通じて,能力を伸ばし,新たな力に気づいた障がい者が何人

もいることを知った。

 また夏祭りでの販売では,スワンベーカリーの他に身体障害者の方たちが運営している出店もあっ

た。そこでは車椅子の体験なども行っており,障がい者が社会に溶け込んで生活している様子を感じ

た。最終日に行ったヤマト運輸でも,スワンベーカリーのパンを楽しみに待っている職員の方が沢山

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いた。そして,ヤマト運輸で働いている障がい者の姿を見ることもできた。私が思っている以上に,

障がいを持った方たちは社会に出て仕事をしていることを実感し,同時に彼らのように,仕事をした

いと思っている障がい者もまだまだ沢山いるのではないかと思った。

 4.2 障がい者と職員の関わり

 一緒に仕事をさせていただいた障がい者の姿や言葉から,スワンベーカリーで働くことに生き甲斐

を感じ,楽しみながら働いていることが伝わってきた。工房での作業は,とても暑く,思わず「暑い」

「疲れる」と声を漏らしてしまいそうになったが,スワンベーカリーで働いている方からは,そういっ

た言葉を一度も聞くことがなかった。また,ある障がい者に,「毎日のお仕事は疲れませんか?」と

尋ねたことがあった。するとその方は,「いろいろと仕事をしたくて仕方がないんです。」と笑顔で答

えて下さった。彼らの仕事に対し真剣に取り組む姿と,楽しみながら仕事をする姿を見て,私も毎日

の研修により一層の意欲を感じるようになった。

 また,それぞれの人が,得意な仕事を見つけ力を出しているという印象を受けた。無理をせず,自

分で行うことが難しい作業は「手伝ってください」などと声をかけ,できることから確実に仕事をこ

なしていた。自分でどんどん仕事を見つけ,勤務時間の間しっかりと働いている姿が印象的であった。

そして職員の方は,障がいを持った方に対して,個人にあった仕事を行ってもらい,決して無理はし

ないように見守っているように感じた。しかし,その心遣いの中にも,お客様への態度や気遣い,自

分の役割をきちんと果たすことなど,仕事をする上で大切なことを伝えていた。障がい者が仕事に対

して達成感や生き甲斐を感じることができる環境を整え,お店全体が明るく元気な雰囲気に包まれて

いることが印象に残った。

 そして,スワンベーカリーのパンを楽しみにしてくれている地域の方々や施設・企業の方々の存在,

職員の方のサポートなどのつながりが,スワンベーカリーの障がい者雇用と収入確保に結びついてい

ることを強く感じた。

5.まとめ

 スワンベーカリーでの実習は,自分が携わった商品がお客様の手に渡るという責任を感じてプレッ

シャーもあったが,その中でも一緒に仕事をした方と,仕事の喜びや達成感を共有することで,とて

もやりがいを感じることができた。障がい者の方も忙しい中で沢山のことを教えてくださり,一緒に

仕事の喜びを得ることができた。

 仕事の技術のみならず,常に一生懸命で真剣に取り組む姿からは,多くの感銘を受けた。職員の方

も快く受け入れてくださったため,研修中は自然とスワンベーカリーの一員として,自覚と責任を持っ

てしっかりと働けたのではないかと思う。

 今回の研修を通して,「仕事ができることは,幸せなことである」と強く感じることができた。多

くの障がい者がその幸せを感じることこそが,まさにノーマライゼーションの実現につながっていく

のだと思った。今後は,インターンシップで学んだことや体験したことを勉学に活かし,障がいを持っ

た方と生活し仕事をすることが当たり前の社会を作っていくために,私たちにできることは何かとい

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うことを,自分なりに考えていきたい。

 最後に,お忙しい中,インターンシップの受け入れをしてくださった,小島靖子様をはじめ,スワ

ンベーカリーの皆さま,貴重な体験をさせていただき,ありがとうございました。

福祉インターンシップ研修レポート「NPO 法人ビーアンビシャス」

3年 高橋 隆一

1.はじめに

 私は8月18日から8月29日までの10日間,千葉県成田市の NPO 法人ビーアンビシャスで実習させ

ていただいた。ビーアンビシャスでの実習を希望した理由は,耳にしたことはあるが実際にはどのよ

うな組織か知らなかった「NPO 法人」という組織の理念を知ることと,また障がい者が働く職場で

はどのような職員間の連携が行われているのかを知りたいと思ったからである。

2.実習先の概要

 (1) NPO法人ビーアンビシャスの理念

 ビーアンビシャスでは「知的障がい,身体障がい,発達障がいの方々が社会の中で,安定した自立

生活ができるよう『手に職をつける』を目標に,その技術を習得する」ことを目標にしている。日々

業務に励み,実際に障がい者が皆で協力し,製麺,お菓子の製造,接客,受託業務の作業などに取り

組んでいる。

 (2) 業務の概要

 ビーアンビシャスの業務の内容は次のとおりである。

 ①製麺作業(蕎麦の実の製粉,蕎麦とうどん粉のこね,麺棒での延し,蕎麦切り)

これらの作業はすべて障がい者の社員が行っている。その作業を彼らに教えたのはビーアンビ

シャスの理事長の五十嵐美恵子さんの夫である専務の五十嵐重捷さんである。

 ②菓子の製造作業(材料の計量,成型,焼き上げ)

 ③「まごころ庵」での作業(店舗接客,レジ,厨房業務,製品梱包,発送業務)

「まごころ庵」は水曜日~日曜日の11:30~14:00に営業し,ビーアンビシャスの障がい者社

員が一日3万円以上の売り上げを目指して注文の受注やレジ,作った蕎麦やお菓子の販売を行っ

ている。

 ④各企業からの受託業務(飛行機内のヘッドフォンの清掃,飛行機内の毛布の毛玉取り)

空港に近い立地であり,航空会社から各種業務を受託し,それぞれの障がい者の能力を活かし

て業務を行っている。

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3.実習内容

 ビーアンビシャスでの実習では,障がい者と共に各種業務を行うとともに,作業に対する支援を実

践できるよう心掛けた。その内容は以下の通りである。

・受託業務(飛行機内で使用されているヘッドフォンのクリーニング)

研修ではじめに行ったのがこのヘッドフォンのクリーニング作業であった。絡まっているヘッド

フォンを作業前に解き,それを消毒してからヘッドフォンのコードを結ぶという作業であったが,

一見簡単な作業に見えて意外と複雑で難しいものであった。障がい者と一緒に作業を体験したが,2,

3度繰り返してやっとできるようになったものの,他の方はそれ以上のスピードで作業をこなして

いて,熟練した力を感じた。また皆真剣に取り組んでいるが,ぴりぴりしているわけではなく,時

折会話を交えながら楽しそうに作業をする姿が印象に残った。

・接客(注文・接客の指導)

ビーアンビシャスの直営店「まごころ庵」での接客指導では,開店前に社員の方達や中村副理事

長に接客の仕方を教えていただいた。その後,接客を実践したが,飲食店での接客は初めての体験

で,オーダーのとり方を間違えるというミスもあり,難しさを感じた。そのような中,店内が混雑

している状況でもあわてずに中心となって動く社員と,指示に従って的確に動ける社員の人たちを

見て,これも障がい者の方が長い時間をかけて繰り返し練習した賜物であると感じた。

・製麺作業(蕎麦の実の製粉・蕎麦うち・麺棒での延し・麺切り)

製麺作業では,まず社員の方に蕎麦の実の製粉の仕方,蕎麦の混ぜ方,蕎麦の生地のこね方,麺

棒での生地の延し方や切り方を教えていただいた。製粉や蕎麦を混ぜる作業はすぐにできたが,こ

ねる作業や延す作業,麺を切る作業は未経験では大変難しく,二度ほど行ってみたが生地がボロボ

ロ,麺も太さがバラバラになり,社員の方が行ったようにはいかなかった。やはりこれも真剣に年

単位での歳月をかけて習得した力を感じた。社員の方はさすがといえる素晴らしい技術を持ち,全

く障がいを感じさせない様子が印象的であった。

・他事業所見学(千葉県成田市福祉作業所のぞみの園)

他の事業所見学では,ビーアンビシャスと同じく成田市にある福祉作業所の「のぞみの園」を見

学させていただいた。ビーアンビシャスと同じく航空会社からの委託業務や,ビーアンビシャスに

はない T シャツに文字をプリントする作業,また雑誌の付録を梱包する作業などが行われていた。

こちらでも社員の皆さんが真剣に一生懸命作業をしている姿をうかがうことができた。

4.実習で学んだこと ~作業支援を通じて実感したこと

 今回の実習では,一人の障がい者の指導を担当する機会に恵まれた。私が担当になったのはある自

閉症の男の子であった。彼は力が弱いらしく,コードを結ぶという作業が難しいため,コードを結ぶ

作業をできるように指導するというのが一つの目標であった。

 最初は会話をするのも大変で打ち解けるのも時間がかかった。二日目に作業をしている途中,手

が止まっていたため年長の社員が注意したところ,言葉遣いが荒くなりトラブルになりかけたことが

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あった。職員が収めてくれた後,話を伺うことができたのだが,昔いじめられていたことがあったら

しく,強く言われると時折,言葉遣いが荒くなるらしいということであった。私も小学校のころに似

たような経験があったので気持ちは痛いほどわかったため,それから年長の社員の方に男の子に対す

る注意や指導は私に任せてくださいと頼み,できるだけはっきり,優しく指示を行うよう心掛け,聞

いてなかったりしたときにはもう一度 ・・・ といった具合にできるだけ怖がらないように,それでいて

わかりやすいように指導することにした。

 6日目あたりからは男の子から声をかけてくれることも多くなり,ほかの人たちとトラブルが起き

ることも少なくすることができたように思う。最終的にコードを結ぶ作業を完全にすることはできな

かったが,一人一人にあわせて支援を行うこと,より良い対応を行うためには相手を理解することが

重要であることを実感した貴重な経験だった。

5.まとめ

 初めて障がい者と一緒に働く職場を体験したが,障がい者は健常者よりも意欲を持ち真剣に仕事に

取り組んでいることを強く感じた。五十嵐理事長,五十嵐専務,中村副理事長や他の職員の皆さんは

長い目で見ることが障がいのある人をサポートするうえで大切だと教えてくれた。「できて当たり前」

ではなく「最初は皆できない」と考え,丁寧に教えていくことが重要だと実感した。

 菓子を作る作業や蕎麦を作る作業のように小さなミスが大きく出る作業を障がい者たちがこなせる

ようになったのは,本人の努力はもちろん経営者の人たちが丁寧に長い目で見て教えてきたからだと

考えられる。私たち健常者と比較しても意欲や誇りを持ち真剣に仕事に取り組む姿勢は見習うべきも

のであり,今回の研修は私にとって障がい者の人たちへの見識を改めて変えてくれたと感じた。

福祉インターンシップレポート「株式会社 中洞牧場」

3年 寺田 大紀

1.はじめに

 私は8月22日から9月1日に株式会社中洞牧場で研修をさせていただいた。私が中洞牧場での研修

を希望した理由は,自然との触れ合いを体験するとともに,今まで知らなかった山地酪農の仕組みや

環境循環について学びたいと考えたからである。

2.研修先の概要

 中洞牧場は牛舎に繋がず,牛を山に放牧することで自然のありのままの姿で育てる山地酪農を展開

している。これまでの酪農と異なる「中洞牧場のコンセプト」や「山地での放牧地の作り方」などを

学ぶため,日本全国から研修に訪れる人も多い。

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 現在は,山地で牛の餌を育てる自給自足の牧場を目指しており,「無理,無駄なく限りなく自然の

ままに」を牧是として山地酪農を日本に広めている。

3.研修目的

 研修では,自然に近い牧場を実際に体験することで山地酪農について理解を深めるとともに,牛を

放牧することで山地がどのように有効活用されているのかを学ぶことを目的として掲げた。特に牛舎

に繋がれている牛と,自然に近い生態の牛がどのように違うのかには非常に興味があったため,山地

酪農の特徴を知ることに関心を持ち研修に臨んだ。

4.研修内容

 研修では,実地で山地酪農について学ぶとともに,以下の酪農体験を行った。

・牧場の改築作業:U 字溝の設置,畑を耕すための石の除去

・搾乳の準備:餌の配合と餌まき,また子牛の餌の用意

・搾乳(朝と夜):

  ※山地酪農における搾乳の流れ

①  餌を餌場の溝に撒く

②  牛を数頭牛舎に入れる

③  牛の乳をきれいな濡れ雑巾で拭く

④  搾乳機を牛の乳に取り付ける

⑤  搾乳が終わったら計測し記録する

⑥  乳から搾乳機を取り,牛の乳を消毒する

⑦  搾乳し終わった牛を外へ出し,次の牛を入れる

 ・牛舎掃除と搾乳の後片付け:

   朝:搾乳後,竹箒での掃除と牛糞の処理

   夜:搾乳後,竹箒での掃除と牛糞を集め,朝に処理できるようにする

 ・牛の移動:

   牧場の近くにある隔離した牛の親子を牧場にいる群れと合流させる

 ・バター作り体験:

   搾乳した牛乳を容器に入れ,ひたすら振ることで脂肪が固まりバターができる。そして余った

  牛乳が低脂肪牛乳となる

 ・芝張り:

   芝の種の入ったシートを斜面に張る

   ※ 芝が斜面に根付くことで斜面が崩れにくくなり土砂崩れが起きにくくなる。

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5.研修で学んだこと

 5.1 山地酪農について

 山地酪農は,膨大な土地(山地など)に牛を放牧し,山地と牛が調和できるようにできるだけ自然

に近づける酪農方法である。牛は自然に近い生活ができるため牛舎に縛られることがない。山地酪農

では餌は自然に生えている草なので,それほどコストがかからない。また草が伸び放題な所を牛が食

べることで土に光が届き新たな草が生えやすくなるというサイクルが成り立つ。

 さらに牛が歩くことで土が固められ地盤が強くなる効果もある。自然酪農は牛を活用することで自

然(山地)を管理することができ,牛によって地盤が踏み固められ土砂崩れなど自然災害の防止につ

ながる。牛にとってはありのままの姿でいられる酪農であるとともに,いわば牛に管理させることで

荒れた森が再生し,地域に暮らす人々が「安全な憩いの場」として利用できるようになるという効果

も持つ。

 また自然酪農では牛乳の質も大きく異なる。牛舎で飼われている牛たちに比べ中洞牧場の牛たちは

気ままに牧場の山々を歩き回っているので引き締まった筋肉質の牛である。搾乳時以外は山で過ごし,

餌はあたりに生えている草を食べ,出産・繁殖は山のどこかで牛が自ら自然的に行っている。牛舎に

縛られていることでの過剰なストレスもなく豊かな自然と自由に動き回り優雅に過ごしているように

感じられた。日本では最も自然に近い牛であると思われる。

 自由に動き回り運動をし,自然と調和した牛は本来の姿であり健康的といえる。本来,牛は自然の

中で生きるものであり,自然に任せることで牛が持っている生命力・能力・本能が健康的になると考

えられるからである。また餌は農薬を使用したものではなく,山の草を食べているので牛の体に害と

なるものがほとんど入っていない。そして健康であるということは病気による乳への影響がないとい

うことである。中洞牧場の牛乳はとても健康に良い牛乳であり,味もあっさりしていてとても美味し

いものであった。

 5.2 牛のストレス

 人間にかかわらず生き物にはストレスというものがある。ストレスは肉体的・精神的な刺激である。

例えば電車を待っていてイライラする。これもストレスの一種である。敵に襲われそうな状況にある

動物やそれを狩ろうとしている動物にも気付かずにストレスを感じている。ストレスは適度であれば

良い影響を与えるらしい。とある水族館ではサンマと一緒にサメを同じ水槽に入れ飼うことでサンマ

に適度な刺激(ストレス)が生まれ,寿命が延びる効果がみられている。

 しかし,ストレスが溜まり過ぎると体や精神に影響が出てくる。そして体調を崩す。人間も同じで

ある。牛にも言えると考えられる。お店で販売されている牛乳は狭い牛舎に押し込まれた牛から生産

されている。身動きのできない牛舎で運動もできずに閉じ込められ,毎日のように乳を出している。

運動もできずに繋がれている牛はストレスが溜まっていると考えられる。狭い部屋に閉じ込められ身

動きができないのではストレスが溜まるのは明らかである。さらに規制により牛乳を高タンパク質に

するため牛を太らせ肥満にさせている。人間の社会ですら健康維持として肥満予防をしている人もい

るのに牛を肥満にさせては牛も健康であるはずがない。肥満でストレスの溜まった牛の体は健康な牛

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と比べ血流が悪くなるなどの病気の元だと考えられる。

 飼育している牛であっても健康な生活は重要であり,不自然なストレスを減らして,幸せに暮らせ

る環境を整えることの大切さを学んだ。

6.まとめ

 牛舎と比べ中洞牧場の牛は少し小柄で乳量は多くはない。しかし牛乳の味は市販のものと比べ物に

ならないくらいとてもあっさりして美味しい牛乳であった。健康的な牛からとれたことが,美味しい

理由だと考えられる。また中洞牧場の牛は夏と冬で乳の味が変わると実習中にお聞きした。理由は夏

にはたくさん水分を摂取するため水分が多く,冬は逆にあまり水分を摂取しないので濃い牛乳ができ

るとのことであった。成分を調整していないことで,四季を味覚で感じられるのもおいしいと思う要

素になるのではないかと感じた。

 また動物にとっての福祉を考えると,人が飼う場合にも,幸せに暮らせる状態を人が提供すること

が必要ではないかと思われる。しかし現状では人間の都合によって狭い場所に追いやられ,満足に動

けずに太らされていることが多い。また人間の都合の良い薬を投与されていることもある。このよう

な現状では牛の福祉はない。人間に福祉があるように動物にも福祉があり,飼育する動物に対しても

福祉の考えは必要であると考えられる。

 これからの時代においては,利益だけを求めず,環境と動物,そして人間がどのようにしたら互い

を侵害せず共存できるかを考えていくことが,より良い世界を実現するための課題ではないかと感じ

た。

参考文献                       

 「幸せな牛からおいしい牛乳」 自然放牧酪農家 中洞 正

福祉インターンシップレポート「千葉県障害者就労事業振興センター」

4年 青栁 篤史

1.千葉県障害者就労事業振興センターの概要

 千葉県障害者就労事業振興センターは特定非営利活動法人として2005年9月に設立され,「千葉県

内の福祉施設の授産活動の活性化と,そこで働く障害者の自立を支援します」というスローガンを掲

げ,工賃向上を目的に活動している組織である。

 その主な活動は次のとおりである。

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①販路・受注拡大:

作業所や授産施設と協力し企業や団体,行政機構に営業活動を行い,販路と受注を拡大させる

ことを目的に活動する。

②事業開拓・商品開発:

作業所などで新たな障がい者が働けるよう事業の開拓を行い,また市場で注目を浴びるような

魅力ある商品開発を共同で行う。

③研修:

 作業所などで働く職員の能力向上を目的に研修会を開き,更なる発展を促す。

④ネットワーク化と情報提供:

 作業所や授産施設と,協力機関や企業などとのネットワークを構築し,ホームページや E メール,

 FAX などを利用した情報提供,共有を行う。

⑤相談業務:

作業所や授産施設の経営に関することや,企業や団体,行政機構からの依頼などの相談にのり,

問題解決のため行動する。

2.研修内容および日程

 研修では,千葉県障害者就労事業振興センターの各種活動に参加し,障がい者の工賃向上のための

取り組みについて学んだ。

 研修日程および活動内容の概要は以下の通りである。

研修日 研修内容

8月6日 合同販売会の準備(チラシ作り,美浜店から商品引き取り)

8月7日 合同販売会での販売活動(千葉ニュータウンでの呼び込み,接客)

8月8日 合同販売会での販売活動(千葉ニュータウンでの呼び込み,接客)

8月9日 合同販売会後の後片付け(美浜店へ売れ残りの返品など)

8月16日 睦沢町役場への営業活動に同行(官公需受注促進事業の説明に同行)

8月17日 販売スキルアップ研修(販売員の基本的な行動について)

8月18日 合同販売会の準備(チラシ作り,抽選クジ作り)

8月19日hana,チャレンジドジャパン訪問

(社会起業家として活躍している人から話を聞く)

8月27日 合同販売会での販売活動(柏イオンでの呼び込み,接客)

8月30日 合同販売会後の後片付け(売れ行き計算,分析)

3.研修で学んだこと

 3.1 販売について

 これまでにも何度か福祉施設の作業所でボランティアを経験したことはあったが,経営や営業活

動についてはあまり知る機会がなかった。今回,千葉ニュータウンと柏イオンで行われた合同販売会

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「はーとふるメッセ」では,これら作業所で作成した商品の販売を手伝うことで,経営や営業の一端

を知ることができた。

 まず,作業所で作成し販売を行った商品は,革のカバン,ブックカバー,木工の玩具など,どれも

通常のデパートなどでは取り扱わない物ばかりであった。一見,そのままではすぐ売れるとは思えな

かったが,陳列の仕方を工夫したり,呼び込みを行ったりするうちに商品は売れていき,幼児用木工

玩具の中には売り切れが出たものもあった。

 だが,参加した作業所の全ての商品が同じだったわけでもなく,あまり売れないところもあった。

これは持ってきた商品とお客のニーズが合わず興味を持ってもらえなかったことが原因のようであっ

た。

 その後,振興センターの販売員に話を聞き,市場調査や職員のスキルが如何に重要かを知ることが

できた。未だに市場を顧みず,商品を作成している作業所もあるが,商品を工夫して少しでも経営を

良くするために努力している作業所の人たちがいることを知り,福祉に対する認識を深めることがで

きた。

 3.2 社会起業家について

 今回の研修の中,社会起業家として活躍している hana とチャレンジドジャパンの方に,経営につ

いての話を聞く機会が得られた。特に,hana の筒井啓介さんは20歳という若さで IT の会社をたちあ

げ,25歳で大学院にいながら会社を作業所として起業した経歴を持ち,大変に興味深い話を聞くこと

ができた。

 もともと,筒井さんは仕事がなくて困っている障がい者に PC データ入力の仕事を任せたのがきっ

かけで,その後,障がい者の雇用を頼まれるようになり,現在のような作業所に会社の形を変えたそ

うである。

 筒井さんは「人を選ぶのは間違っている」という考えを持ち,障がい者を選ぶことなく採用してい

るが,それがどれだけ大変なのか話を聞いているうちに理解することができた。また「社長になれば

社員を自由に選ぶことができる」という考えから,本当に障がい者と共に働きたいと考えている人し

か採用しないため,少人数ではあるが優秀な社員がそろっており,社員全員から熱意が感じられたこ

とが印象的であった。障がい者を選ぶことなく採用し,熱意ある人たちが支えているという経営スタ

イルを知り,この熱意こそが福祉経営において重要なのだと実感することができた。

 3.3 振興センターの活動について

 研修では,作業所の訪問や販売会など外部での活動が多かったため,振興センター内は「はーとふ

るメッセ」の準備を行う間しか見ることができなかったが,職員の方たちが仕事をしている姿を見て

感じたことがあった。それはネットワーク構築の大切さと,難しさである。

 例えば,はーとふるメッセの準備のため,当日参加できない作業所から商品を集めたり,少しでも

売り上げを増やし工賃を稼げるようにしようとマーケティングを行ったり,作業所との連携を深める

ために様々な努力をしていることが分かった。

 振興センターの目的である作業所の工賃向上を実現するためには,作業所との連携および信頼関係

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の構築が重要であり,上記の他にも,作業所などを回って相談に乗ったり,町役場では官公需受注促

進のため仕事を回してもらえるよう頼んだり,ネットワークを構築するのに力を注いでいる姿勢が強

く感じられた。

4.まとめ

 千葉県障害者就労事業振興センターの研修では,障がい者と直接関わるようなことはあまりなかっ

たが,作業所の在り方に関しては学ぶことが多かった。福祉の現場で働く職員は,全員が経営に関す

る知識を持っているわけではないため,振興センターのように作業所と連携して情報提供を行い,施

設の発展を補助する役割が極めて重要だと知ることができた。また各作業所が自分の仕事を成し遂げ

るだけで満足するのではなく,連携しながら工賃向上のため職員のスキルアップなどを積極的に行う

必要があり,幅広いネットワークを構築することが求められているのではないかと感じた。

 さらに,起業家として福祉の世界に新規参入するのならば,社会の仕組みを知るために福祉とは違

う業種の視点も大切であると考えられる。福祉は限られた範囲のものだけではなく発展を見込んでい

く広い視点が重要であり,hana の筒井さんのように一般的な業務でも障がい者を選ばずに採用する

ような「新たな挑戦をし続ける人たち」が,福祉の現場を変えていく可能性を持っているのではない

かと感じることができた。

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