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1 4端子MOSトランジスタ 松田順一 平成26年度 集積回路設計技術・次世代集積回路工学特論資料 本資料は、以下の本をベースに作られている。 Yannis Tsividis, Operation and Modeling of the MOS Transistor Second Edition,McGraw-Hill, New York, 1999.

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1

4端子MOSトランジスタ

松田順一

平成26年度 集積回路設計技術・次世代集積回路工学特論資料

本資料は、以下の本をベースに作られている。

Yannis Tsividis, Operation and Modeling of the MOS Transistor Second Edition,McGraw-Hill, New York, 1999.

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概要 • 完全チャージ・シート・モデル

• 簡易チャージ・シート・モデル – ソース参照モデル

– 対称モデル

• 強反転モデル – 完全対称モデル

– 簡易対称モデル

– 簡易ソース参照モデル

• 弱反転モデル

• EKV(C. C. Enz, F. Krummenacher, E. A. Vittoz)モデル

• 実効移動度

• 温度依存性

• pチャネル・トランジスタ

• 付録:擬フェルミ電位を用いたモデル(Pao-Sah)

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3

nチャネルMOSトランジスタ (基板に対する各端子電圧)

x xx

0x Lx

DBV

SBV

GBVn n

G

S D

B

DI

subp

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4

nチャネルMOSトランジスタ (ソースに対する各端子電圧)

DSV

SBV

GSV

n n

G

S D

B

DI

subp

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電流電圧特性

Strong inversion

Moderate inversion

Weak inversion

4GSGS VV

3GSGS VV

2GSGS VV

1GSGS VV

MGS VV DSV

DSI

HGS VV

Strong inversion

Moderate inversion

Weak inversion

4GBGB VV

3GBGB VV

2GBGB VV

1GBGB VV

HBGB VV

MBGB VV DBV

DSI

SBV

0

0

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電流式モデルの階層

(A) 完全チャージ・シート・モデル

(C) 簡易対称チャージ・シート・モデル

(E) 簡易対称強反転モデル

(B) 簡易ソース参照チャージ・シート・モデル

(F)簡易ソース参照強反転モデル

(D) 完全対称強反転モデル

(G) 弱反転モデル

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反転層の微小要素

s

x

)(xI

反転層

)(xs )( xxs

バルク

W

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8

(A)完全チャージ・シート・モデルの導出(1)

'

2

'

1

''

''

0

''

'

'00

'

'00

'

'00

,

0

)(

)(

I

Q

Q

tDSsIDS

I

Q

Q

tsIDS

I

Q

Q

tsI

L

DS

It

sI

dQL

WIdQ

L

WI

dQdQL

WI

dQWdQWdxI

Lxx

dx

dQW

dx

dQWxI

xIx

IL

I

sL

s

IL

I

sL

s

IL

I

sL

s

   

ここで、

  

   

まで積分すると、からとなる。これを

  

拡散電流から、ドリフト電流

は、における電流チャネル内の点

''

'

00

'

00

ILLxI

IxI

sLLxs

sxs

QQ

QQ

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(A)完全チャージ・シート・モデルの導出(2)

21

0

21

0

'

2

23

0

232

0

2

0

'

1

21

'''

'

'''

'

'

0

'

2

'

1

3

2

2

1

,

0

ssLtssLtoxDS

ssLssLssLFBGBoxDS

DSDS

soxBSsFBGBox

OX

BsFBGBoxI

I

IILtDSsIDS

CL

WI

VVCL

WI

II

CQVVC

C

QVVCQ

Q

QQL

WIdQ

L

WI

sL

s

  

    

は以下になる。とで与えられるから、

)  (    

  

はとなる。ここで、

   

積分の外に出すと、移動度を一定として、

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(A)完全チャージ・シート・モデルの導出(3)

となる。

  

  

は、ととすると、

、ドレイン端:ソース端:

  

の関係式においてと以下の

tDBFsL

tSBFs

tCBFs

V

tsLFBGBsL

V

tsFBGBs

sLs

DBCBSBCB

V

tssFBGB

sGB

eVV

eVV

VVVV

eVV

V

/2

/2

00

0

/2

0

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(A)ドレイン端での表面電位とドレイン基板間電圧

)( GBsa V

constant:GBV

)( GBQ VV )( GBW VV )( GBU VV

Weak

DBF V2

SBF V2

sL

0s

DBV

SBV

1 2 3

4

5

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(A)IDS-VDB特性と表面電位との関係

)( GBsa V

0s

DBV

DSV

SBV QVWV

SBV

0

DSHV DSMV

4GBGB VV

0

DBVSBV

sL

DSI

Drain end

in strong

inversion

Drain

end in

moderate

inversion

Drain end

in weak

inversion

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(A)ドレイン~ソース電流成分

IDS1:ドリフト電流

IDS2:拡散電流

Strong Moderate Weak

1DSI

2DSIDSI

axis

log

DBV

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(A)完全チャージ・シート・モデル式の対称性

じ式になる。インを入れ替えても同これは、ソースとドレ

  

ここで、

  

から

如く変形できる。ト・モデルは、以下の完全なチャージ・シー

21232'

0

21

3

2

2

1stssstFBGBoxs

ssLDS

DSDS

VVCf

ffL

WI

II

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(A)チャネル内の表面電位と反転層電荷

   

も求まる。におけるの式から、

のを与える。また、以下におけるこれが、

   

したがって、

  

で表される。における電流は、以下であるから、

  

電流式が、

ssFBGBoxI

II

s

ssL

ss

ssDS

ssLDS

VVCQ

QxQ

x

ff

fxf

L

x

fxfx

WI

x

ffL

WI

''

''

0

0

0

0

)(

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(B)簡易チャージ・シート・モデルの導出(1)

sesseseFBGBoxI

I

se

sesse

soxBses

se

se

ox

B

sasses

ox

B

VVCQ

Q

CQC

Q

C

Q

''

'

''

'

'

0

'

'

211

2

  

は次式になる。したがって、

  ここで、

     

ラー展開する。までの任意点)でテイ~(

を簡単化する。

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(B)簡易チャージ・シート・モデルの導出(2)

0

'

2

2

0

2

0

'

1

'

0

'

2

2

2'2'

0'

'

'

''

1

1

'''

2

2

1'

'00

ssLtoxDS

ssLssLseseseFBGBoxDS

IILtDS

DS

ILI

ox

I

ox

Q

Q

IsIDS

DSoxsII

CL

WI

VVCL

WI

QQL

WI

I

QQCL

WdQ

CQ

L

WdQ

L

WI

ICddQQ

IL

I

sL

s

 

 

次式が得られる。となる。したがって、

 

は以前と変わらず、一方、

 

は次式になる。になるため、から、

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(B)簡易チャージ・シート・モデルの導出(3)

(ソース参照モデル)

である。

 

はとなる。また、

 

    

はと として近似すると、

0

1

0

'

2

2

0000

'

1

210

21

2

s

ssLtoxDS

ssLssLssFBGBoxDS

DSDSsse

CL

WI

VVCL

WI

II

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1:

:

21:

0

c

ab

as

いの場合より僅かに小さ

(ソース側での外挿) 表面電位特性の近似  . )B('

'

vsC

Q

ox

B

sa ssL0s0

a b

c

'

'

ox

B

C

Q

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(C)簡易チャージ・シート・モデルの導出(4)

(対称モデル)

0

'

2

2

0

2

0

'

1

21

22

21

ssLtoxDS

ssLssLsaFBGBoxDS

DSDS

sa

sase

nCL

WI

nVVC

L

WI

II

n

  

   

は次式になる。ととなり、

  

 として近似すると、

。の誤差の影響は少ない 全半導体電荷への

いが、の近似の精度は良くなが支配的であるとき、

の近似の精度は良い。が支配的であるとき、

域にある。であるため、弱反転領≪ では、

'

''

''

''

B

BI

BB

BIsas

Q

QQ

QQ

QQ

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での外挿)( 表面電位特性の近似  sa

ox

B vsC

Q. )C(

'

'

sas

sL0s0

'

'

ox

B

C

Q

0s

'

'

ox

B

C

Q

'

'

ox

B

C

Q

'

'

ox

B

C

Q

s

'

'

ox

B

C

Q

0s

'

'

ox

B

C

Q

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(C)順方向と逆方向電流(対称モデル)

saturationrevDSILt

ox

ILR

saturationDSIt

ox

IF

RFILt

ox

ILIt

ox

I

IILtILI

ox

DS

DSDS

IILtDSILI

ox

DS

IQnC

Q

L

WI

IQnC

Q

L

WI

IIQnC

Q

L

WQ

nC

Q

L

W

QQQQnCL

WI

II

QQL

WIQQ

nCL

WI

n

.,

'

'

2'

,

'

0'

2'

0

'

'

2''

0'

2'

0

'

0

'2'2'

0'

21

'

0

'

2

2'2'

0'1

2

2

22

2

1

,2

     

    

ここで、

    

  

を求めると、から、

    

)式(・モデルを簡単化した完全チャージ・シート

0

,0

,

0

,0

,

'

0

0

'

F

I

sasSB

R

IL

sasLDS

I

Q

V

I

Q

V

   

    

 大:

   

    

 大:

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(C)MOSトランジスタの動作領域の定義

Strong

inversion

Moderate

inversion

Weak

Inversion

Reverse operation

Forward operation

0 ,0 , DSDSSBDB IVVV

0 ,0 , DSDSSBDB IVVV

DBV

WV

SBV

QV

WVQV0

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(D)完全対称強反転モデル

SBGBDBGBDSN

SBDBSBDBFBGBox

SBDB

SBDBSBDBFBGBoxDSN

DSNDSsLs

ssLssLssLFBGBoxDS

tFDBsLSBs

sLs

VVgVVgL

WI

VVVVVVVVCL

W

VV

VVVVVVCL

WI

II

VVCL

WI

VV

SBDB

,,

3

2

2

1

3

2

2

1

3

2

2

1

62,

23

02

3

0

22

0

'

23

02

3

0

2

0

2

0

'

10

23

0

232

0

2

0

'

1

0000

0

  

対称である。、ソースとドレインがこれは、次式で表され

  

                   

 

)と、(を代入して、整理するとこの式に、上の

  

式を用いる。リフト成分)の以下の・シート・モデル(ドここで、完全チャージ

)   (但し、    

は以下で表される。とも強反転では、ソースとドレイン端と

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(D)完全対称強反転モデル(直接導出)

CBTBGBoxCBCBFBGBox

CBoxB

ox

BCBFBGBoxI

I

CBI

V

V

DSN

DBCBSBCB

CBI

sIDSN

DSN

DBCBSBCB

CBs

s

VVVCVVVVC

VCQC

QVVVCQ

Q

dVQL

WI

VVLxVVx

dx

dVQW

dx

dQWI

I

VLVVV

xVx

xx

DB

SB

'

00

'

0

''

'

'

0

''

'

'

0

''

0

0

)(,)0(

)()(

)(

     

      

求まる。全対称強反転モデルがに次式を代入すと、完となる。

  

)まで積分すると、()から(となる。これを、

:定数)  (  

考慮して、はドリフト成分のみを

である。 ここで、

  

は以下になる。では、チャネル内の点

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26

(D)完全対称強反転モデル(飽和点と飽和領域)

PSB

PDB

VVDSNDS

DBSB

PDBDS

PDBDSN

DS

DS

VVDSNDSDBSBP

GB

WPF

FBGBP

PDBDBDSN

II

VV

VVI

VVII

I

IIVVV

V

VV

VVV

VVdVdI

"

'

'

0

0

22

,

,

:

2

42

0

  

下の如くになる。の場合の飽和電流は以となる。また、

 

   

は、

とすると、)をでの電流(飽和電流

で決まる値である。からの電圧としてとなる。これは、外部

界)(弱反転と中反転の境とおくと、ここで、

  

となる。(ピンチオフ電圧)は、における

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27

(D)完全対称強反転モデルでのIDS-VDS特性

Non-saturation Saturation

DSI

DBV

PVQV WVSBV

'

DSI

DSNI DSNI

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28

(D)完全強反転モデル

PSB

PDB

VVDSNDS

VVDSNDS

II

II

"

'

Forward saturation

Rev

erse saturatio

n

Non-saturation

DSNDS II '

DSDS II

"

DSDS II

PV

QV

PVQV0DBV

SBV

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29

(E)簡易対称強反転モデル(1)

で飽和)  (  

で飽和)(    

は、次式となる。と逆方向飽和電流順方向飽和電流

  

)は、以下になる。(非飽和領域の

を用いると、にととなる。

  

の項を無視して、ら、強反転領域ではこ項は拡散成分であるか内の第の

  

ル簡単化された対称モデ

PSBDBPoxDS

PDBSBPoxDS

DSDS

DBPSBPoxDSN

DSDSN

CBPoxIILI

ILI

ox

DS

IILtILI

ox

DS

VVVVn

CL

WI

VVVVn

CL

WI

II

VVVVn

CL

WI

II

VVnCQQQ

QQnCL

WI

QQQQnCL

WI

2'"

2''

"'

22'

''''

0

2'2'

0'

'

0

'2'2'

0'

2

2

2

2

1

2

2

1

P

FBGBP

Vn

VVV

0

0

22

21

42

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30

(E)簡易対称強反転モデル(2)

20

'"

2

0

''

"'

22

0

'

22'

0000

2

1

2

1

0

2

2

DBTGBoxDS

SBTGBoxDS

DSDS

DBDSNPDBDSN

SBDBSBDBTGBoxDSN

DBPSBPoxDSN

FBTTGB

P

P

nVVVn

CL

WI

nVVVn

CL

WI

II

dVdIVVI

VVn

VVVVCL

WI

VVVVn

CL

WI

VVn

VVV

V

  

  

は、次式になる。と逆方向飽和電流電流この場合、順方向飽和

となる。で、はとなる。

  

、に代入し、整理すると

  

これを、

但し、    

ルを簡単化する。の近似を用いて、モデ 

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(F)簡易ソース参照強反転モデル

SBFBVT

DSDSVTGSoxDSN

GSSBGBDSSBDB

SB

SBDB

SBDBSBFBSBGBoxDSN

DBsLSBs

ssLssLssFBGBoxDS

VVV

VVVVCL

WI

VVVVVV

VVV

VVVVVVCL

WI

VV

VVCL

WI

SB

SB

00

2'

0

1

2

00

'

000

2

0000

'

1

2

,

21

2

2

     但し、

 

。とおくと、次式を得るとなる。ここで、

 但し、        

  

での非飽和電流は、を代入すると、強反転、

   

おいて、照モデルの以下の式に簡単化されたソース参

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32

(F)簡易参照強反転モデル(直接導出:1)

SBCBSBFBSBGBox

ox

BCBFBGBoxI

I

SBCBSB

ox

B

oxB

oxB

SBSBCBCBoxB

SBCBSB

ox

B

oxBSBoxB

VVVVVVC

C

QVVVCQ

Q

VVVC

Q

CQ

CQ

VVVVvsCQ

VVVC

Q

CQVCQ

00

'

'

'

0

''

'

0'

'

''

1

''

1

01

''

1

10'

'

''''

1

21. 1

1

  

 

は次式となる。これから、

  

は、以下になる。)を考えると、(

るため、その代わりにを過剰に見積もっていは、である。

での傾きであり、の は、

  

、2項までとる)するとテイラー展開(最初の

をの辺りでの近似式を使う。直接導出する場合、

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33

(F)簡易参照強反転モデル(直接導出:2)

じになる。ソース参照モデルと同となり、簡単化された

     但し、

  

:一定)は、(但し、

、として、積分を行うと、

  

を以下の式に用い、

SBFBVT

DSDSVTGSoxDSN

DSN

SBGSGBSBDSDB

CBI

V

V

DSN

I

VVV

VVVVCL

WI

I

VVVVVV

dVQL

WI

Q

SB

SB

DB

SB

00

2'

'

'

2

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34

(F)強反転での-QB’/Cox’ とチャネル内の逆バイアスVCB

0SBV

'

' )(

ox

CBB

C

VQ

DBVCBV

SBV0

CBV0

a

b

c

ゼロ次近似

の改善1次近似

次近似テイラー展開による1

:

:

at :

c

b

VVa SBCB

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35

(F)簡易参照強反転モデル(飽和点と飽和領域)

2

0

2

2

''

'

''

000

000

00

2'

TGSoxDS

DS

TGSDSDSDSDSDSN

FBT

SBTT

SBTSBFBT

DSDSTGSoxDSN

DSN

VVC

L

WI

I

VVVVVdVdI

VV

VVV

VVVVV

VVVVCL

WI

I

  

。は、以下の如くになる流となる。この場合の電

)は、(のところでのである。

    

  

または、

に依存する。は     

  となる。ここで、  

  

は非飽和領域では、

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36

(F)簡易参照強反転モデル(まとめ)

 

           

    ここで、  

    

れる。は以下の如くにも表さ域を一緒にして、また、非飽和と飽和領

      

 

  

。すなわち、以下になる

 

   

は電流

'

'

'

2'

'

2

'

'2'

''

'

,0

,1

1

,2

,2

,

,

,

DSDS

DSDS

DS

DS

DSDS

DS

DSDSTGS

ox

DSDSDSDSTGSox

DS

DSDSDS

DSDSDSN

DS

DS

VV

VVV

V

II

I

VVVV

CL

W

VVVVVVCL

W

I

VVI

VVII

I

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37

(F)IDSN-VDS特性:含むVDS>VDS’(ソース参照強反転)

0DSV

Saturation Non-saturation

DSI

SBV

DSNI DSNI

'

DSV

'

DSI

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38

(F)IDS-VDS特性(ソース参照強反転)

4GSGS VV

3GSGS VV

2GSGS VV

1GSGS VV

0 DSV

Saturation Non-saturation

DSI

TGSDS

VVV

'

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39

(F)VSBを変えた場合のIDS-VDS特性

DSV

DSI

V2

V0SBV V3SBV

V5GSV

V5GSV

V4

V3V4

V3

0

DSI

DSV0

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40

(F)パラメータη vs. VDS

1

'

DSVDSV

0

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41

(F)αの近似(1)

の過少見積もり)、の過少見積もり(  

の過剰見積もり一般に、  

似が小さい場合:良い近  

の過剰見積もり)、の過剰見積もり(  

の過少見積もり  

)層幅:一定(ソース端チャネルに沿った空乏  

''

'

0

1

''

'

0

21

1

DSDSI

B

SBDBDS

SB

DSDSI

B

VIQ

Q

VVV

V

VIQ

Q

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42

(F)αの近似(2)

0

4

3

03

3

21

1

212

2

0

22

41

12

1

,1

)8.05.0(:2

1

  

:定数     

~修正係数  

SB

SBB

SB

V

kkVkkd

dV

d

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43

(F)チャネルの任意点における電位(1)

DBSBGB

CBSBGB

CB

CBSBGBDSN

DBSBGBDSN

DSN

VVVh

xVVVh

L

x

xVx

xVVVhx

WI

x

h

VVVhL

WI

I

,,

)(,,

)(

)(,,

,,

  

の以下の関係を得る。と上2式から、

  

る。での電流は、以下になチャネルに沿う点

は関数である。で表される。ここで、

  

は、強反転領域での電流

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44

(F)チャネルの任意点における電位(2)

   

は次式になる。いとして解くと、に関する上2式を等し

  

る。での電流は、以下になう点である。チャネルに沿

          

    

ここで、

   

は電流

2

22

'

'

'

'

'

2

2

'

111)(

)(

)(112

,

,0

,1

12

,

L

xVVVxV

xVI

VxVVV

VVC

x

WI

x

VVV

VV

VVV

V

VVC

L

WI

I

TGSSBCB

CBDS

SBCB

TGS

TGSoxDS

TGSDS

DSDS

DSDS

DS

DS

TGSoxDS

DS

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45

(F)チャネルに沿っての基板からの電位

3DSDS VV

2DSDS VV

1DSDS VV

0DSV

)(xVCB

SBV

0 Lx

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46

(G)弱反転モデル(基本)

'

0

'

'

22

42)(

)(

IILtDS

B

GB

FBGBGBsa

GBsas

s

QQL

WI

Q

V

VVV

V

 

用いる。・モデルの拡散成分を完全チャージ・シートしたがって、ここでは

ない)存在:ドリフト成分は(電流は拡散成分のみ  

電位チャネルに沿って同じ 

ルに沿って一定)(空乏層深さはチャネ 

しない。はチャネル位置に依存 

の関数になる。となり、

 

 

は、電位弱反転領域では、表面 )(' xQI

)(' xQIL

)('

0 xQI

L

x

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47

(G)弱反転モデル(対称モデル)

tFGBsa

tDBtSB

tDBtFGBsa

tSBtFGBsa

tCBtFGBsa

V

t

GBsa

As

GB

VV

GBIILtDS

DS

VV

t

GBsa

As

IL

VV

t

GBsa

As

I

ILI

VV

t

GBsa

As

I

eV

NqVI

eeVIL

WQQ

L

WI

I

eeV

NqQ

eeV

NqQ

QQ

eeV

NqQ

/2)(2

'

0

'

/2)('

/2)('

0

''

0

//2)('

)(2

2)(

)(

)(2

2

)(2

2

,

)(2

2

   但し、 

  

。は、以下の如くである域のしたがって、弱反転領

  

  

を以下の如くとする。を用いて、

・  

(空乏領域でも成立)弱反転領域の電荷の式

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48

(G)弱反転モデル(対称モデル別表現)

を得る。

  

を用いると、更に、

  

る。を用いると、以下を得

   

、(対称モデル)の式で弱反転の

tDBTGBtSBTGBtF

tDBPtSBPtF

nnVVVnnVVV

toxDS

TGBP

VVVV

toxDS

ox

As

GBP

Psa

DS

eeenCL

WI

nVVV

eeenCL

WI

C

Nq

VVnV

I

000

0

22'

0

22'

'

0

0

1

1

2,

)(21,

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49

(G)弱反転モデル(ソース参照モデル)

  

。で固定)は以下になる(

 を用いると、ここで、

 

は以下になる。であるから、ここで、

  

以下である。弱反転での電流式は、

tDStMGS

tMGS

tDS

tDStSBDB

VnVV

MDS

SBSBDS

nVV

MI

V

ItDS

DS

VVV

IIL

I

ILItIILtDS

eeIL

WI

VVI

eQQ

eQL

WI

IeeQQ

Q

QQ

L

WQQ

L

WI

1

1

1

)/()('

'

)/()(''

0

'

0

/'

0

'

'

0

''

0

'

0

'

'

'2

'

'

221 ,22 ,

22

2

SBF

SBFFFBMt

SBF

As

M

VnVVV

V

NqI

 

t

SBF

As

M

V

NqQ

'

'

22

2

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50

(G) Log ID vs. VGS特性

t

DS

GS

n

Id

dVS

3.2

log

Swing Gate

  

Weak inversion

equation

Charge sheet model

Strong inversion

equation

DIlog

jIlog

fixed:

fixed:

SB

DS

V

V

Weak Moderate Strong

GSVMV HVTV

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51

EKVモデル(対称モデルへの展開1)

デルになる。化された対称強反転モとなる。これは、簡単

  

から≫ 

 であるから、≫指数項強反転かつ非飽和領域

とおいたものとなる。を 

の別表現の式で弱反転(対称モデル)が得られる。これは、

 

から≪  1 であるから、≪指数項弱反転領域

転と強反転に近づく。で使用。漸近的に弱反非飽和と飽和の全領域

 

如くである。のモデル式は、以下の

22'

222

2

2'

22222'

2

1,ln1ln

1

21

2

1,1ln

1ln1ln2

EKV

0

DBPSBPoxDS

yyy

VVVV

toxDS

VVVV

toxDS

VVVVn

CL

WI

eyee

nen

eenCL

WI

xxx

eenCL

WI

tF

tDBPtSBP

tDBPtSBP

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52

EKVモデル(対称モデルへの展開2)

式になる。た対称強反転モデルのすなわち、簡単化され

   

 

であるため、≫項強反転の下では、指数

得る。を代入すると、以下をの式にまた、

る。は順方向飽和電流であとなる。

で飽和)  ( 

き、目の指数関数は無視でが大きくなると、2番の式で、

22

0

'

2

0

2

0

'

22222'

0

'

2''

2

2

1

1

1ln1ln2

EKV

2

EKV

00

SBDBSBDBTGBox

DBTGBSBTGBoxDS

nnVVVnnVVV

toxDS

TGBP

DS

PDBSBPoxDSDS

DS

VVn

VVVVCL

W

nVVVnVVVn

CL

WI

eenCL

WI

nVVV

I

VVVVn

CL

WII

V

tDBTGBtSBTGB

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53

EKVモデル(展開時の誤差)

い。大きな誤差にはならな

へのの僅かな変化は大きいので、となり、括弧内の値は

 

式は、反転飽和領域での電流は少ない。例えば、強

反転領域での誤差この増大があっても強できる。したがって、

で対応め、ほんの少しの増大は指数関数内にあるたできる。

ことがを正しい値に近づけるでを少し増大させることは、

この置換えによる誤差とおいたものとなる。を 

表現の式で転(対称モデル)の別となる。これは、弱反

 

であるから、≪項弱反転領域では、指数

DST

SBTGBoxDS

T

DST

nnVVVnnVVV

toxDS

IV

nVVVn

CL

WI

V

IV

nen

eenCL

WI

tF

tDBTGBtSBTGB

0

2

0

'

0

0

2

2'

2

1

21

2

1

0

00

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54

EKVモデル(ソース参照モデル1)

(固定)     

      

  

モデルに対応する。の弱反転のソース参照となる。これは、以下

   

 

であるから、≪弱反転の場合、指数項

できる。チャネル効果等を考慮には、イオン注入、短この

    

 

になる。デルに変えると、以下モデルをソース参照モ

''

'

2'2

'

'

)/()('

2'

2'

000000

22222'

22

221,1

22

2

1

12

2

1

,

1ln1ln2

EKV

S

SS

SS

SBSBSBFFFBM

SBF

toxt

SBF

As

M

VnVV

MDS

VnVV

tox

nnVVVnVV

toxDS

T

FBTSBTT

nnVVVnVV

toxDS

VVVVV

VnnC

V

NqI

eeIL

WI

eenCL

W

eenCL

WI

V

VVVVV

eenCL

WI

tDStMGS

tDStTG

tDSTGtTG

tDSTGtTG

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55

EKVモデル(ソース参照モデル2)

である。反転モデル(非飽和)化されたソース参照強となる。これは、簡単

  ここで   

 

であるから、≫モデル中の両指数項)、強反転の場合(非飽和

に変わる。はがる。この場合により、更に精度は上

に換えることをにおいてる。また、に近づけることができ

で調整でき、正しいの違いを指数の中のとすなわち、

      

     

   

とである。に置き換わっているこが 

デルとの違いは、モデルとソース参照モ弱反転において、

nVVVVCL

W

nVVVVVn

CL

WI

n

nI

VVnn

Vn

Vn

VVV

VVV

enen

DSDSTGox

DSTGTGoxDS

FDS

MT

SBSBF

FSBFBT

SBFFFBM

nVVnVV tTGtMGS

,2

2

1

1EKV

2

21

21

221

2,

22

21

EKV

2

S

'

2

S

2

S

'

3

000

)/()( S

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56

EKVモデル(ソース参照モデル3)

非常に有効である。

強反転の間)モデルにレーション(弱反転とモデルは、インターポ

計算には向いている。しており、上式は近似

イスは飽和領域で動作では、たいていのデバとなる。アナログ回路

は無視でき、モデル中の2番目の項が高いと反転とは無関係に

ある。反転モデル(飽和)で化されたソース参照強となる。これは、簡単

 ここで     

 

であるから、≪番目の指数項

、≫項モデル中の最初の指数、強反転の場合(飽和)

EKV

1ln2

EKV

,2

1

2

1

12

1EKV

222'

2

S

'

2

S

'

S tTG nVV

toxDS

DS

TGox

TGoxDS

enCL

WI

V

nVVCL

W

VVn

CL

WI

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57

ソース参照モデルの利点

• 通常の印加電圧に対応している。

• 閾値電圧が電流式中に自然に表れる。

• バックゲートを第2のゲートとして扱える。

• キャリア速度飽和をVDSによって簡単に扱える。

• 非対称デバイスに対応できる。

• ソース参照モデルが高周波動作に対応している。

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58

基板参照モデルの利点

• 対称デバイスに対応できる。

(アナログ回路対応)

• 電流の飽和点をVSBに関係なくVDBで直接表現できる。

(基板参照長チャネルモデル)

• 弱反転領域をよく表現できる。

(ΨsaはVGBのみに依存)

• 縦方向電界による移動度変化をよく扱える。

• IDSとその微分はVDS=0で連続に扱える。

(コンピュータシミュレーションに適合)

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59

表面移動度と平均縦電界

1AA NN

2AA NN

21 AA NN

(log scale)

(lo

g s

cale

)

aveyE ,

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60

実効移動度(1)

'

0

''

'

0

''

''

0

0

0

IILtsIeffDS

DS

eff

IILtsIDS

It

sIDS

DS

QQdQL

WI

I

QQdQL

WI

Lxx

dx

dQW

dx

dQWI

I

sL

s

sL

s

  

は以下になる。で置き換えると、

依存性あり)(実効移動度:縦電界をとなる。ここで、

  

、は積分の外にでるため

まで積分すると、からを一定とし、となる。

  

は、流を併せたドリフト電流と拡散電

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61

実効移動度(2)

Leff

eff

IILtsI

L

DS

It

sIDS

DS

dxL

QQdQWdx

I

Lxx

dx

dQW

dx

dQWI

I

sL

s

0

'

0

''

0

''

11

1

0

0

  

られる。比較すると、以下が得

を含む式をートで求めたとなる。この式と前シ

  

まで積分すると、からで割り、の両辺を

  

拡散電流を併せた一方、ドリフト電流と

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62

実効移動度(3)

s

IBavey

avey

s

Byb

s

BIys

ybys

ybys

avey

avey

QQ

QQQ

''

,

,

'''

,

,

0

5.0

,

2

1

  

は次式になる。である。この場合、

    

まり、縦方向電界である。つ

は反転層下での、は表面での縦方向電界である。

  

ここで、

  

の如く近似できる。は強反転の場合、以下実験データから、

21

111

Mathiessen

  

の法則

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63

実効移動度(4)

DB

SB

V

V

CBIBsSBDB

eff

effSBDBCB

DS

CB

L

IBs

eff

eff

IBs

avey

dVQQaVV

LVVdxdV

V

xV

dxQQaL

QQa

''

0

0

''

0

''

0

,

5.011

5.011

5.01

  

は次式になる。 となるため、

の場合成立)、ものとすると(低い

に対し線形に変化するがである。ここで、

  

は、更に、

  

は以下の如くなる。の式に代入すると、、を

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64

実効移動度(5)

SBFBT

DSSBTGS

DSSBFBGS

SBDB

SBDBSBDBFBGB

ox

s

eff

eff

VVV

VVVV

VVVVf

f

VV

VVVVVVf

f

Cf

00

0

00

23

0

23

00

'0

212

21

3

2

2

1

21

   但し、

   

 

は、の場合のース参照強反転モデル一方、簡単化されたソ

 

デルの場合、は、完全対称強反転モとなる。

 但し、    

は計算の結果、

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65

実効移動度(5)

を代入して計算する。

  

   

(直接導出)の式

ルソース参照強反転モデまたは、簡単化された

    

   

(直接導出)からの式完全対称強反転モデル

に代入する式として、との式の中の

SBCBSBFBSBGBoxI

SBCBSB

ox

B

CBCBFBGBoxI

CBoxB

IBeff

VVVVVVCQ

VVVC

Q

VVVVCQ

VCQ

QQ

00

''

0'

'

00

''

0

''

''

1

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66

実効移動度(6)

した。に関する項を線形近似の中の (2) 

える。を一定とした式)を使      (

に関し、今までの式飽和電圧      

。に関する項を落としたの中の (1) 

は、となる。ここでの近似

は定数但し、     

更に近似すると、

を照強反転モデルからの簡単化されたソース参

SB

DS

DS

B

SBBTGS

eff

eff

Vf

V

Vf

VVV

'

0

1

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67

IDS vs. VGS特性

DSI

GSI

smallvery :

fixed:

DS

SB

V

V

0TV

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68

温度依存性

)(2

1)(

35.0

)()(

0.22.1

)()(

'

0

4

4

3

3

TVVC

L

WTI

VV

KmVk

TTkTVTV

V

kTT

T

TTT

TGSox

DS

FBT

rrTT

T

r

k

r

r

  

次式となる。モデル:飽和状態)は

照強反転簡単化されたソース参これらから、電流式(

つ。により温度依存性を持とは、

は定数である。~ここで、

  

で表される。の温度依存性は、以下

は定数である。~は室温、は絶対温度、ここで、

  

、以下で表される。移動度の温度依存性は

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69

飽和領域でのIDS1/2 vs. VGS

GSV0

Increasing

temperature

DSI

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70

Log ID vs. VGS(低電流領域)

DIlog

GSV0

Increasing

temperature

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71

pチャネルMOSFET

pp

B

G

S D

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72

pチャネルMOSFET IDS-VDS 特性

DSV

DSI

V0SBV V3SBV

2V

V5GSV

V4

V3

0

DSI

DSV

V5GSV

V4

V3

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73

Pチャネルトランジスタ電流式

は負の値である。とここで、

    

  

下の如くになる。ここで、閾値電圧は以

 

、以下の如くになる。強反転領域の電流式は

0

000

000

2'

2

SB

FBT

SBTSBT

DSDSTGSoxDSN

V

VV

VVVV

VVVVCL

WI

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74

付録 擬フェルミ電位を用いたモデル(Pao-Sah)

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75

擬フェルミレベルを用いたドレイン電流(1)

Pao-Sahモデル:反転層内の電流

バルク

表面y x

x

y

y

I 反転層

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76

擬フェルミレベルを用いたドレイン電流(2)

dx

xdV

x

yxyxn

x

yxn

xyxn

VLVVV

xV

enyxn

yxn

x

yxnqWdyyxdI

x

yxyxnqWdyyxdI

yxdIyxdIdI

t

DBSB

xVyx

tdiff

drift

diffdriftDS

t

,,,

,

,0

,

,

,,

,,,

,,

,

0

  

得る。で微分すると、以下をを

   

差である。面との擬フェルミ電位は基板の深い領域と表

    

。は、以下の如くである電子密度

    

    

  

くである。れる電流は、以下の如反転層内微小領域を流

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77

擬フェルミレベルを用いたドレイン電流(3)

DB

SB

c

surface

V

V

IDS

I

y

y

DS

c

csurface

DS

DSdrift

diff

diff

dVQL

WI

dx

xdVQWdyyxnq

dx

xdVWI

yy

yyyy

dx

xdVyxnqWdydI

dIyxdI

dx

xdV

x

yxyxnqWdyyxdI

yxdI

'

',

,

,

,,,

,

  

なる。って積分すると以下に次に、チャネル長に沿

   

に依存しない)はを無視でき、より下では、電子密度(

得る。まで積分して、以下をから全電流は、

  

は以下となる。の式から、この式と

  

は次式になる。

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78

擬フェルミレベルを用いたドレイン電流(4)

dVd

eqN

L

WI

IQ

eeeeNq

V

nn

de

eqNQ

Q

s

c

tFDB

SB

ttt

F

t

s

c

t

tF

VV

V

ADS

DSI

V

t

Vy

tt

y

t

s

As

Fc

i

c

yV

AI

I

2

'

)(2)(

)(2'

'

)(2

)(

  

表される。は、下記の2重積分でからで与えられる。上記

  

は、である。また、

  

わちのところにとる。すなである。便宜的に、

電位ところの基板に対するは、電子が無視できるここで、

  

は以下になる。、に存在するとした場合電子と正孔が空乏層内