4.メディカルチェック - waseda university4...
TRANSCRIPT
4.メディカルチェック
早稲田大学ラグビー蹴球部メディカルチェック
2004年度からスタートしたメディカル・ストレングスサポート体制の一貫として 2006年度より、新 1年生を対象に賛助病院である河北総合病院健診センターの協力のもとメディカルチェックを実施している(図 1.2008年度メディカルチェックの流れを参照)。それまでの手順は以下のとおりである。 3月・4月 毎年 3月下旬から 4月上旬に行われる入部説明会において、入部希望者に対しメディカルチェックの
目的・方法等を説明し、同意書(資料①)と問診表(資料②参照)を配布し記入させている。
問診表の内容は、メディカルトレーナーが確認した上で、筋力(徒手筋力テスト)・関節可動域 (ゴニオメーターを使用)・スペシャルテスト・周径囲を測定し記録した(資料③メディカルチェックシ
ート参照)。筋力、可動域、スペシャルテスト、周径囲を計測する理由は以下の通りである。 ① 既往歴に記入された障害の確認と健側との比較 ② 障害の既往はないが、健側との差が認められる部位の状態確認
また、各測定(筋力、可動域、スペシャルテスト)の評価基準は以下の通りである。 ① 徒手筋力測定
筋力の判定結果を筋収縮が無い状態(ゼロ)から正常(段階 5)までの 6段階で 評価している。(表.1)
② 関節可動域測定 関節可動域測定は、日本整形外科学会と日本リハビリテーション医学会が協力して 関節可動域表示とその測定方法を示している。
今回はこの手法を用いて、参考可動域との比較・左右の比較などを行い評価した。(表 2) ③ スペシャルテスト
各部位においてアライメント評価、運動時痛、圧痛検査、タイトネステスト、各種徒手 検査などを実施。
評価基準としては、痛みレベル・タイトネス・関節の不安定性・主訴・などから評価した。 ④ 周径囲 周径囲は測定部位を設定し、左右の比較を行い評価した。
問診表及びメディカルトレーナーのチェックで評価に問題(怪我の既往や可動域・筋力などの左右差)
が認められた場合、その内容は人体図チェック専用のシート(資料④)に記載され、必要であれば賛助
医師や病院を受診した。検査の結果から問題となる判断基準としては、日本整形外科医科学会が定めた
関節可動域より①20%以上の制限または顕著な左右差、②徒手抵抗テスト(MMT)が 4未満、③周径囲の健側・患側差が 10%以上のもの、のいずれか 2つ以上の条件に該当するもの若しくはスペシャルテストにおいて問題となる項目及び主訴があり選手本人と保護者から要望があったものとした。 上記の条件に当てはまらない場合においても、メディカルトレーナーが怪我の予防として改善すべき
項目があると判断した場合は、メディカルトレーナーもしくは筋力トレーニングコーチによって改善メ
ニュー(Follow up menu)が作成され指導された。
4月上旬には、河北総合病院健診センターにて血液・尿検査などを含む健診を行った。検査の目的は先天性疾患及び習慣性疾患の発見とその疾患による運動制限の可否を判断するために行っている。具体的
な健診内容は資料⑤の健診内容を参考にして頂きたい。
5月 入部式前(2008年度は 5月 18日)に河北総合病院健診センターから健診結果が提出される。健診結果は各項目で『要再検査』、『要経過観察』、『要注意』などの所見が記載されている(参考資料⑥健診結
果例参照)。各入部希望者の承諾のもと、メディカルトレーナーとの個別相談を行い、再検査を必要・希
望する選手においては通院の手続きを行っている。 すべての検査結果は一覧表にされ、監督・グランドドクター・メディカルドクターに報告されている。
上記の検査結果からグランドドクターより通院が必要と判断された場合は、メディカルトレーナーが通
院手続きを行った。(資料⑦メディカルチェック一覧表例)。
メディカルチェックまでの流れ
河北健診センターにて検査
(身体特性、血液・尿検査、心電図エコ
ー、腰部レントゲン)
入部説明会・問診表記入
検査結果
トレーナーチェック
(既往歴、関節可動域、徒手抵抗テ
スト、関節不安定性などを中心に実
施)
練習参加
メディカルトレーナー(MT)が問診表を確認
監督に報告・相談**
通院
4月 1日 上旬 中旬 4月下旬
名簿を河北健診センターに郵送
異常あり 異常なし
入部式
問題なし
図 1
運動制限有り
資料① メディカルチェックに対する同意書
平成 20年 月 日
早稲田大学ラグビー蹴球部
部長 佐藤 英善 殿
スポーツ医・科学担当責任者 宝田雄大 殿
私、 は、早稲田大学ラグビー蹴球部の新人練習に参加するにあたり、メ
ディカルトレーナーから問診表、首の検査及びチェック、そしてメディカルチェックの必
要性について説明を受け、その必要性について十分に理解しました。
また、首の検査及びメディカルチェックにかかる費用を全て支払うことに同意いたします。
氏名: 印
保護者名: 印 (未成年のみ必須)
資料② 問診表
氏名: 住所:〒 生年月日:西暦 年 月 日( 歳) ポジション: 形態データ 身長 cm 体重 kg 体脂肪率 % スポーツ歴 問1. ラグビー経験: クラブチーム 歳から 歳まで、ポジション
中学校 年生から 年生まで、ポジション 高校 年生から 年生まで、ポジション 問2. その他のスポーツ経験
クラブチーム 歳から 歳まで、スポーツ 中学校 年生から 年生まで、スポーツ 高校 年生から 年生まで、スポーツ 既往歴 問1. 下記の部位について、現在又は過去に異常がありましたか?1日でも運動または通院し
た場合は○をつけて下さい。 項 目 印 項 目 印 項 目 印
1 脳震盪 14 膝 27 腎臓 2 頭(顔含む) 15 すね 28 すい臓 3 頚(ヘルニア、バー
ナー含む) 16 足首 29 胃
4 肩(肩鎖骨脱臼含む) 17 ふくらはぎ 30 十二指腸 5 胸 18 足(甲、土踏まず、指) 31 小腸・大腸 6 肘 19 せき髄 32 直腸 7 手首(手・指) 20 眼 33 膀胱 8 背中 21 耳(聴力、打撲) 34 皮膚 9 腰 22 呼吸 34 骨 10 臀部 23 血圧 35 貧血 11 股関節 24 心臓 36 アレルギー 12 前もも 25 肺 37 その他 13 もも裏 26 肝臓 38 上記の項目に印をつけた方は問2の質問を答えて下さい。印をつけなかった方は問 3 から答えてください。 問2. 上記に印をつけた項目について下記の質問にお答え下さい。
ア. いつごろの事でどのような治療(手術、処置を含む)をされましたか? • 項 目 番 号 歳 疾 患 名 治 療
• 項 目 番 号 歳 疾 患 名 治 療
• 項目番号 歳 疾患名 治療 • 項目番号 歳 疾患名 治療
イ. 現在も治療・薬・通院が続いているものはありますか? ある ・ ない あるに○を付けた方はその患部の状態や治療などを詳しく記入して下さい。
問3. 今までに頭を打ったことが ある ・ ない ア. 何回ぐらい? 回 イ. 一番最近はいつですか? 年 月 日 ウ. どうやって?その後どのような状態でしたか?
エ. 病院にいきましたか? はい ・ いいえ 問4. バーナー症候群になったことが ある ・ ない
ア. 何回ぐらい? 回 イ. 一番最近はいつですか? 年 月 日 ウ. どうやって?その後どのような状態でしたか?
エ. 病院にいきましたか? はい ・ いいえ 問5. 今まで、膝を怪我したことが ある ・ ない
ア. どっちの膝ですか? 右 ・ 左 何回ぐらい? 回 イ. 一番最近はいつですか? 年 月 日 ウ. どうやって?その後どのような状態でしたか?
エ. 病院にいきましたか? はい ・ いいえ 問6. 今まで、肩、腕、手、脚などが痺れたり、力が入らなくなったりしたことがあります
か? はい ・ いいえ ア. どっちの腕ですか? 右 ・ 左 イ. 一番最近はいつですか? ウ. 現在はどのような状態ですか?
問 7.今まで、意識を失ったことや記憶を失ったことがありますか? はい ・ いいえ エ. 何回ぐらい? 回 オ. 一番最近はいつですか? 年 月 日 カ. どうやって?その後どのような状態でしたか?
問7. 現在、薬(サプリメントを含む)を服用していますか? している ・ していない ア. し て い る に 印 を 付 け た 方 は ど ん な 薬 で す か ?
イ. その薬は医師から処方されたものですか? されている ・ されていない
医師から処方されていない場合は誰またはどこで知りましたか?
ウ. 服用頻度は?一回 mg ・ 錠 一日 回 週 回 エ. 薬 の 効 果 は な ん で す か ?
オ. 副作用はありますか? ある ・ ない ある場合はどんな副作用ですか?
問8. 過去、医師に運動制限または禁止された事はありますか? ある ・ ない ある方はその内容を詳しく記入して下さい。
問9. 昨シーズンもしくは現在テーピングやサポーターをしている(していた)箇所にすべ
て○をつけてください。 1.首 2.肩 3.肘 4.手首 5.指 6.腰 7.腿 8.膝 9.足首 10.その他
問10. 現在、痛い箇所がある人は下に詳しく記入してください。 部位: いつから: 日・週間前から 精細:
部位: いつから: 日・週間前から 精細:
部位: いつから: 日・週間前から 精細:
問11. 過去に下記の感染症にかかったことがあるか否かを答えてください。かかっていな
い場合は予防接種の有無を答えてください。不明の場合は保護者にご連絡いただきご
確認ください(必須)。 麻疹: 有 ・ 無 無しの場合:予防接種 有( 回) ・ 無 風疹: 有 ・ 無 無しの場合:予防接種 有( 回) ・ 無 破傷風: 有 ・ 無 無しの場合:予防接種 有( 回) ・ 無
メディカルチェックシート
氏名: 生年月日:西暦 年 月 日( 歳) ポジション: 1. 周径囲 測定者: コメント
首 cm 上腕(緩) 右 cm 左 cm 胸囲 cm 上腕(硬) 右 cm 左 cm 胴囲 cm 大腿囲 右 cm 左 cm 殿囲 cm 下腿囲 右 cm 左 cm 握力 右 kg 左 kg
資料③
2.MMTと ROM 筋力測定者: 可動域測定者:
部位 MMT筋力(動作、左/右) 可動域 頸部(前屈 後屈 側屈) 正常(5) 異常 / 60/50/50前 後 側 / 肩 挙上 正常 異常 / 正常 異常( )
肩 伸展/屈曲 正常 異常:伸展 / 屈曲 / 45/180 右 / 左 / 肩 外転/内転 正常 異常:外転 / 内転 / 180/0 右 / 左 / 肩 1st外旋/内旋 正常 異常:外旋 / 内旋 / 60/80 右 / 左 / 肩 2nd外旋/内旋 正常 異常:外旋 / 内旋 / 90/ 肘 屈曲/伸展 正常 異常:屈曲 / 内旋 / 145/0 右 / 左 / 手関節 背屈/掌屈 正常 異常:背屈 / 掌屈 / 正常 異常 股関節 屈曲/伸展 正常 異常:屈曲 / 伸展 / 120/30 右 / 左 / 股関節 内転/外転 正常 異常:内転 / 外転 / 正常 異常 膝関節 屈曲/伸展 正常 異常:屈曲 / 伸展 / 135/0 右 / 左 / 足関節 背屈/底屈 正常 異常:背屈 / 底屈 / 45/20 右 / 左 / 母趾 背屈/底屈 正常 異常( ) 正常 異常 コメント
3.反射・Special Test 測定者: 頸部 Jackson(右 - + 左 - + ) Spurling(右 - +左- ± +)
Apprehension(右- ± +左- ± +) ABD-ER(右- ± +左- ± +) Impingement sign(右- ± +左- ± +) Speed test(右- ± +左- ± +)
Instability ant. (右- ± +左- ± +) Instability post. (右- ± +左- ± +)肩
Instability inf. (右- ± +左- ± +) UCLint 0度(右 左 ) 30度(右 左 )
Biceps reflex(右- ± +左- ± +) Triceps reflex(右- ± +左- ± +) 肘
Brachioradialis reflex(右 - ± + 左- ± + )
手 Snuff Box (右- ± +左- ± +) 指変形 (右- ± +左- ± +)
ADT(右 - ± + 左 - ± +) PDT(右 - ± + 左 - ± +)
McMurray(右 - ± + 左 - ± +) Valgus(右 - ± + 左 - ± +) 膝/足
Patellar(右 - ± + 左 - ± +) Achilles(右 - ± + 左 - ± +)
足首 ADT(右 - + 左 - + )
コメント
氏名
人体図チェック表
既往歴または可動域・MMT などで問題が見られた部位
赤字:現在問題が見られた部位
黒字:過去に問題が見られた部位、カッコ内は問題があった時期。例2年前→(2)
トレーナーコメント
資料④
資料⑤
メディカルチェック検査項目
実施:河北総合病院健診センター
検査項目 内 容
尿 検査 蛋白 糖 ウロビリノ-ゲン 潜血 比重
ケトン体 沈渣
頚椎X線検査 直接撮影
腰椎X線検査 直接撮影(既往歴有りの者のみ)
心電図 検査 負荷心電図(マスタ-法)
赤血球 白血球 ヘモグロビン ヘマトクリット
血小板
平均赤血球容積(MCV) 平均赤血球Hb量(MCH)
平均赤血球Hb濃度(MCHc)
血液学的検査
血液像(白血球百分率) ヘモグロビンA1c(HbA1c)
HBs抗原 HCV抗体 HIV抗体 免疫学的検査
梅毒検査(ガラス板法・TPHA・RPR法)
総コレステロール HDLコレステロール
LDLコレステロール 中性脂肪 動脈硬化指数
総ビリルビン 総たん白 アルブミン A/G比
GOT GPT γ-GTP ALP ZTT
LDH アミラ-ゼ 空腹時血糖
尿酸 尿素窒素 クレアチニン
血
液
検
査
生化学的検査
コリンエステラーゼ 血清鉄
資料⑥