all living beings are created equal · 2017. 8. 14. · 乳がん部会発足会に20人が出席...

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乳がん部会発足会に 20 人が出席 16 25 西Sentinel Node 調14 西10 16 20 14 20 25 徳洲会はオンコロジー(腫瘍学)プロジェクトの一環として、 第1回消化器がん研究会を10月22日、都内で開催する。消化 器がん診療のレベル向上のため、徳洲会は今年4月に消化器 がん部会(代表:下山ライ・湘南鎌倉総合病院オンコロジーセ ンター長)を発足、研究会は同部会活動の柱のひとつだ。 第1回研究会ではASCO(米国臨床腫瘍学会)2017とESMO (欧州臨床腫瘍学会)2017から注目すべき内容を紹介。最新情 報に触れる貴重な機会だ。 また、今回は消化管悪性腫瘍に対象疾患を絞った症例検討 会を実施。テーマは、副作用や合併症による治療困難例など 教育的示唆に富む薬物療法がともなう症例だ。しばしば遭遇 する副作用や特殊な副作用への対策など臨床現場で参考とな る内容の指定演題を準備中。加えて同プロジェクト事務局が現 在、上記テーマ・趣旨に合致する演題を募集中で、応募演題 の発表も予定する。 徳洲会グループで消化器がん診療に携わる医療従事者すべ てが応募可能。応募の締め切りは9月11日で(演題の採択は主 催者に一任)、研究会への参加は10月13日まで受け付ける。 さらに後半は昨今注目の「大腸がんのconversion therapy」 をテーマとする招 しょう へい 講演も実施。Conversion therapyとは切除 不能ながんを縮小させ切除可能とすることを目指す化学療法の ことだ。 第1回消化器がん研究会 日時: 10月22日(日)午後1時〜(午後6時に終了) 会場: フクラシア八重洲(東京都中央区八重洲2-4-1) プログラム: 【午後1時〜】 ASCO 2017レビュー(発表:下山ライ 湘南鎌倉総合病院オンコロジーセンター長)、 ESMO 2017レ ビュー(発表:新津洋司郎・徳洲会オンコロジープロジェクト顧 問)、 消化器がん症例検討会、 【午後3時20分〜】 招聘講演「大腸がんのconversion therapy 〜Triplet regimenの可能性〜」(演者:佐藤康史・徳島大学消化 器内科学特任教授)、 意見交換会 参加無料。宿泊・交通費は各自負担。申し込み・問い合わせは徳洲会グループオン コロジープロジェクト事務局(未来医療研究センター内☎ 03-3263-4801)まで長崎北徳洲会病院は宇和島徳洲会病院 (愛媛県)の池田佳広院長を講師に招き、 「病院経営を考えてみよう!世界一簡単な 経営学」と題し講演会を開いた。職員の 意識改革が狙い。池田院長は2013年に 国内の大学院でh-MBA(医療経営学修 士)の資格を取得している。 はじめに経営の基本を解説。経営資源 3要素のうち、優先順位はヒト、カネ、モ ノであり、「これらをやり繰りすることが経 営」と示唆。「A(当たり前のことを)、K(きち んと)、B(馬鹿にしないでやる)が重要」と 持論を展開した。 そのうえで宇和島病院と長崎北病院の 経営状況の比較を明示。宇和島病院のほ うが病床数、医業収益ともに2倍以上な がらも職員数は2倍を下回り、急性期病 棟の日当円は約1万2,500円高い状況を指 摘した。池田院長は日当円と在院日数の 関係をグラフで示し、外科系と内科系で 効率の良い経営 を実践するポイ ントを解説。必 要な検査をきち んとオーダーす るために外来パ スを利用したり、 DPC(診断群分 類別包括評価)期間を見て転棟のタイミングを計った りすることなどを勧めた。 自院の工夫も紹介。近年、介護施設からの紹介や 救急搬送などで高齢の患者さんが増えている状況をふ まえ、地域連携室の職員を1人増員したほか、 近隣の施設への訪問を従前の3倍に増やしたこ となどを披露した。介護施設とは年3回交歓会 を行い、顔が見える関係づくりにも尽力している ことを明かした。感染対策などにも言及した。 講演は約2時間で終了。随時、池田院長が参 加者に積極的に質問し、経営に対する関心を高 めようとする姿が印象的だった。 講演を企画した長崎北病院の鬼塚正成副院 長は「池田院長と10年来の仲で、以前から考え ていました。地方の中小病院という同じような 環境で、なぜ経営に差が見られるのか、職員が 考える良い機会になったと思います」と笑顔。講 演後、長崎北病院でも介護施設への訪問活動 や必要な検査の徹底などを行うようになったと いう。「当院は新築移転を予定しており、より良 い病院づくりの気運を職員一丸で高めていきた いと思っています」(鬼塚副院長)。 第1回消化器がん研究会 参加者を大募集! 徳洲会オンコロジープロジェクト 13 「徳洲会グループが一丸 になれば、乳がん診療で かなり大きな力を発揮で きると思います」と乳が ん部会代表の間瀬院長 池田院長(左)は長崎北病院の職員 48 人に講 義(右は鬼塚副院長) 小児科部会 救急部会 泌尿器科部会(ロボット支 援手術懇話会) 脳神経外科部会 心臓血管外科部会 麻酔科医会 透析部会 病理部会 消化器内視鏡部会(ENDO CLUB) 呼吸器部会 消化器がん部会 乳がん部会 徳洲会グループの部会 (診療科部門)※ 順不同 乳がん部会が発足 グループ全体の診療の質向上へ 徳洲会グループ 14 25 命だけは平等だ 平成 29 8 14 日 月曜日│ No. 1095 月曜日 8 14 発行:一般社団法人徳洲会 〒102-0083 東京都千代田区麹町3-1-1 麹町311ビル8階 TEL:03-3262-3133 制作:一般社団法人徳洲会 編集室 〒102-0083 東京都千代田区麹町3-1-1 麹町311ビル8階 TEL:03-6272-3687 FAX:03-3263-8125  Email:news@tokushukai.jp No. 1095 14/AUG. 2017 ALL LIVING BEINGS ARE CREATED EQUAL

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Page 1: ALL LIVING BEINGS ARE CREATED EQUAL · 2017. 8. 14. · 乳がん部会発足会に20人が出席 す」と力を込めた。成していくことが大切で職種のエキスパートを育乳がん診療に関係する多ます。専門医だけでなく、していくことが求められ

乳がん部会発足会に20人が出席

していくことが求められ

ます。専門医だけでなく、

乳がん診療に関係する多

職種のエキスパートを育

成していくことが大切で

す」と力を込めた。

このあと、徳洲会グル

ープ全体の乳がん診療状

況や出席者への事前アン

ケートの結果を間瀬院長

が報告。全がん種のがん

登録件数は、グループ全

体で1万8346件(16

年)。このうち乳がんが

1387件を占めた。ア

ンケートでは、医師以外

の医療従事者に対する教

第25回日本乳癌学会学

術総会の厳選口演のセッ

ションで、東京西徳洲会

病院乳腺腫瘍科の渕上ひ

ろみ医師が「Sentinel Node

転移陽性乳癌に対する安

全な非郭清を企図した術

前腋え

窩か

評価の重要性」を

メージが強いですが、疾

病構造の変化などに対応

し、がん医療に力を入れ

ていく必要があります。

そのためには、乳がん診

療に取り組むすべての徳

洲会病院で、患者さんに

対し標準的な治療を提供

席した。

はじめに同プロジェク

トの新津洋司郎顧問(札

幌医科大学名誉教授)が

「乳がん部会発足の一番

の目的は患者さんに良い

医療を提供することです。

それには医師に限らず薬

剤師や看護師なども含め

た徳洲会グループ全体の

診療レベルの向上が大前

提となります」と強調。

続いて乳がん部会代表

の間瀬院長が挨拶に立ち

「徳洲会は救急医療のイ

14年に第2回研究会を開

いて以降は、開催が中断

していた。乳がん部会を

通じて、質の高い医療の

提供に資する継続的で幅

広い活動に取り組んでい

きたい考えだ。

発足会には札幌東徳洲

会病院、札幌徳洲会病院、

東京西徳洲会病院、湘南

鎌倉総合病院(神奈川県)、

大垣病院、宇治徳洲会病

院(京都府)、吹田徳洲

会病院(大阪府)、福岡

徳洲会病院など10病院の

16人をはじめ計20人が出

エビデンス(科学

的根拠)にもとづく

安全で質の高いがん

標準治療を推進する

ため、徳洲会は20

04年からオンコロジー

(腫瘍学)プロジェクト

に取り組んでいる。

同プロジェクトの一環

で、乳がん分野に関して

も主に臨床研究の推進な

どを目的として、これま

でに乳がん研究会を2回

開催し、実際に臨床研究

乳がん診療のレベル向

上を図るには、グループ

病院間で情報共有や連携

強化を図ることが重要だ。

また、がん診療は検査、

診断、手術、薬物療法、

放射線治療、緩和医療と

幅広い分野の専門性が欠

かせない。医師、薬剤師、

看護師、臨床検査技師、

診療放射線技師など多職

種が、グループのスケー

ルメリットを生かしなが

ら研け

んさん鑽を積んでいく場と

して徳洲会乳がん部会は

発足した。

徳洲会グループは乳がん診療のレベル向上を目的として、乳がん部会を7月14日

に設立した。同部会の発足会を同日、福岡市内で開催。医師、薬剤師、看護師な

ど20人が出席し、大垣徳洲会病院(岐阜県)の間瀬隆弘院長を同部会代表に選出

した。部会の趣旨・目的、徳洲会全体の乳がん診療状況などについて報告があっ

たほか、今後の具体的な活動の柱のひとつとして症例検討などを行う徳洲会乳が

ん研究会を定期的に開催していくことを決定した。同時期に福岡市で開催された

第25回日本乳癌学会学術総会での徳洲会からの演題発表もあわせて紹介する。

徳洲会はオンコロジー(腫瘍学)プロジェクトの一環として、第1回消化器がん研究会を10月22日、都内で開催する。消化器がん診療のレベル向上のため、徳洲会は今年4月に消化器がん部会(代表:下山ライ・湘南鎌倉総合病院オンコロジーセンター長)を発足、研究会は同部会活動の柱のひとつだ。

第1回研究会ではASCO(米国臨床腫瘍学会)2017とESMO(欧州臨床腫瘍学会)2017から注目すべき内容を紹介。最新情

報に触れる貴重な機会だ。また、今回は消化管悪性腫瘍に対象疾患を絞った症例検討

会を実施。テーマは、副作用や合併症による治療困難例など教育的示唆に富む薬物療法がともなう症例だ。しばしば遭遇する副作用や特殊な副作用への対策など臨床現場で参考となる内容の指定演題を準備中。加えて同プロジェクト事務局が現在、上記テーマ・趣旨に合致する演題を募集中で、応募演題の発表も予定する。

徳洲会グループで消化器がん診療に携わる医療従事者すべてが応募可能。応募の締め切りは9月11日で(演題の採択は主催者に一任)、研究会への参加は10月13日まで受け付ける。

さらに後半は昨今注目の「大腸がんのconversion therapy」をテーマとする招

しょう

聘へ い

講演も実施。Conversion therapyとは切除不能ながんを縮小させ切除可能とすることを目指す化学療法のことだ。

第1回消化器がん研究会日時:10月22日(日)午後1時〜(午後6時に終了)会場:フクラシア八重洲(東京都中央区八重洲2-4-1)プログラム:【午後1時〜】●ASCO 2017レビュー(発表:下山ライ湘南鎌倉総合病院オンコロジーセンター長)、●ESMO 2017レビュー(発表:新津洋司郎・徳洲会オンコロジープロジェクト顧問)、●消化器がん症例検討会、

【午後3時20分〜】●招聘講演「大腸がんのconversion therapy〜Triplet regimenの可能性〜」(演者:佐藤康史・徳島大学消化器内科学特任教授)、●意見交換会※参加無料。宿泊・交通費は各自負担。申し込み・問い合わせは徳洲会グループオンコロジープロジェクト事務局(未来医療研究センター内☎03-3263-4801)まで。

長崎北徳洲会病院は宇和島徳洲会病院(愛媛県)の池田佳広院長を講師に招き、「病院経営を考えてみよう! 世界一簡単な

経営学」と題し講演会を開いた。職員の意識改革が狙い。池田院長は2013年に国内の大学院でh-MBA(医療経営学修士)の資格を取得している。

はじめに経営の基本を解説。経営資源3要素のうち、優先順位はヒト、カネ、モノであり、「これらをやり繰りすることが経営」と示唆。「A(当たり前のことを)、K(きちんと)、B(馬鹿にしないでやる)が重要」と持論を展開した。

そのうえで宇和島病院と長崎北病院の経営状況の比較を明示。宇和島病院のほうが病床数、医業収益ともに2倍以上ながらも職員数は2倍を下回り、急性期病棟の日当円は約1万2,500円高い状況を指摘した。池田院長は日当円と在院日数の関係をグラフで示し、外科系と内科系で効率の良い経営を実践するポイントを解説。必要な検査をきちんとオーダーするために外来パスを利用したり、DPC(診 断 群 分類別包括評価)期間を見て転棟のタイミングを計ったりすることなどを勧めた。

自院の工夫も紹介。近年、介護施設からの紹介や救急搬送などで高齢の患者さんが増えている状況をふ

まえ、地域連携室の職員を1人増員したほか、近隣の施設への訪問を従前の3倍に増やしたことなどを披露した。介護施設とは年3回交歓会を行い、顔が見える関係づくりにも尽力していることを明かした。感染対策などにも言及した。

講演は約2時間で終了。随時、池田院長が参加者に積極的に質問し、経営に対する関心を高めようとする姿が印象的だった。

講演を企画した長崎北病院の鬼塚正成副院長は「池田院長と10年来の仲で、以前から考えていました。地方の中小病院という同じような環境で、なぜ経営に差が見られるのか、職員が考える良い機会になったと思います」と笑顔。講演後、長崎北病院でも介護施設への訪問活動や必要な検査の徹底などを行うようになったという。「当院は新築移転を予定しており、より良い病院づくりの気運を職員一丸で高めていきたいと思っています」(鬼塚副院長)。

第1回消化器がん研究会

参加者を大募集!徳洲会オンコロジープロジェクト

発表した。センチネルリ

ンパ節(SN)転移陽性

例に対する安全な郭清(外

科的切除)省略を企図し、

術前評価による転移個数

4個以上の症例予測の可

否を検討。「腋窩超音波

およびPET(陽電子断

層撮影)︱

CT(コンピ

ュータ断層撮影)でもリ

ンパ節転移を疑わない場

合は、高度リンパ節転移

陽性症例はきわめて少な

く、SN転移陽性例に対

する安全な郭清省略の可

能性が示唆されました」

と結んだ。このほか、厳

選ポスターなどで計13人

が発表した。

育活動の強化が望ましい

とする回答などがあった。

また発足会では日本乳

癌学会の認定・関連施設

を増やし、乳腺専門医の

育成を促進していく方針

も確認した。最後に、乳

がん部会の活動の柱のひ

とつとして、乳がん研究

会を再始動し定期的に開

催していく方針を決定。

第3回乳がん研究会を来

年3月3日に東京駅付近

で開く計画を固めた。内

容は多職種を対象とした

症例検討会や招聘講演を

予定している。

「徳洲会グループが一丸になれば、乳がん診療でかなり大きな力を発揮できると思います」と乳がん部会代表の間瀬院長

池田院長(左)は長崎北病院の職員48人に講義(右は鬼塚副院長)

小児科部会救急部会泌尿器科部会(ロボット支援手術懇話会)脳神経外科部会心臓血管外科部会麻酔科医会透析部会病理部会消化器内視鏡部会(ENDO CLUB)呼吸器部会消化器がん部会乳がん部会

にも取り組

んできた実

績がある。

ただし、実

施した臨床

研究の終了

にともない、徳洲会グループの部会(診療科部門)※順不同

乳がん部会が発足グループ全体の診療の質向上へ

徳洲会グループ

乳がん研究会を定期開催

長崎北徳洲会病院で職員向けに

徳洲会から14演題

第25回日本乳癌学会学術総会

池田・宇和島徳洲会病院長

病院経営をテーマに講演会

徳 洲 新 聞徳 洲 新 聞 生い の ち

命だけは平等だ❶ 平成 29 年 8 月14日 月曜日 │ No.1095

月 曜 日8 月14日

発行:一般社団法人徳洲会  〒102-0083 東京都千代田区麹町3-1-1 麹町311ビル8階  TEL:03-3262-3133制作:一般社団法人徳洲会 編集室  〒102-0083 東京都千代田区麹町3-1-1 麹町311ビル8階 TEL:03-6272-3687 FAX:03-3263-8125  Email:[email protected]

No.109514/AUG. 2017

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