12.12.12 62012/12/12  · 0 [わかみず会(12.12.12)] 第6版 maxwell の方程式:...

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[わかみず会(12.12.12)] 第6 版

Maxwell の方程式: 相対論的変容

柳生 孝昭 0. 特殊相対性理論 0.0 前史 0.1 光速不変性とその帰結 0.2 Lorentz 変換の決定 0.3 Lorentz 変換の帰結: 相対論的運動学 0.4 Tensor 解析についての準備 0.5 相対論的力学 1. 相対論的電磁気学 1.0 Maxwell の方程式(再掲) 1.1 Maxwell の方程式の Tensor 方程式化(Lorentz 変換不変性) 1.2 Lorentz 変換不変性の帰結 ─ 諸物理量の変換 1.3 Lorentz 変換不変性の帰結 ─ 幾つかの特別な場合 2. 付記 2.0 Maxwell 理論の論理的構造、併せて物理学の分かり難さについて 2.1 2次元 Tensor と添字に対する操作の行列表現 3. 文献 [0] 太田浩一:「電磁気学」,Ⅰ,Ⅱ,丸善,2000. [1] 中野菫夫:「相対性理論」,岩波書店,1984. [2] 小玉英雄:「相対性理論」,培風館,1997. [3] 山内恭彦:「一般力学」,岩波書店,1953 [4] 安達忠次:「ベクトル解析」,培風館,1963. [5] M. Spivak / 斉藤正彦:「多変数解析学」,東京図書,1972. [6] L. Schwartz / 吉田耕作・渡辺二郎:「物理数学の方法」,岩波書店,1972. [7] 柳生孝昭:「Maxwell の方程式:古典電磁気学の第一原理」, 「わかみず会」資料,2008.11.23. [8] 柳生孝昭:「Maxwell の方程式:電磁場の力学と電磁波の理論」, 「わかみず会」資料,2010. 1.30.

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0. 特殊相対性理論 0.0 前史 [0] Maxwell の方程式と Galilei 変換の矛盾([0] 11.11 節、[7] 5.2 節): 慣性系 S (x , t ) に対して等速度V で動く点電荷q に固定した慣性系を S (x , t )、それぞれに 於ける電磁場をE 、B 、E 、B とすると、(両慣性系で不変な)Lorentz 力場は E + V ×B =E 従ってまた E - V ×B =E (0.0) これらが任意のV 、B について成り立つのであるから B =B (0.1) これは Biot‐Savart の法則に矛盾する。 即ち B (x, t )= m0qV ×(x -Vt ) /4p|x -Vt |3 ≠ 0 =B (0.2) 尚、精確には付記2.0節を参照。 Ether 説 ∧ Galilei 変換 → Fresnel 随伴係数(a )=1- 1/n 2

相対性原理 « a =1 (n : 屈折率)

[1] Ether 理論の展開と破綻 Ether 説 ∧ ¬ Galilei 変換 ∧ 相対性原理 は無矛盾(物理的描像?) [1.0] Fresnel の随伴係数(a: 静止空間に対する速度 V の物質中の Ether の速度 =aV )決定の実験(H. Fizeau (1851)、Hoek(1868)) [1.1] 地球の Ether に対する速度検出の(失敗に終わった)実験(A.A. Michelson (1881)、A.A.M.‐E.W. Morley (1887)、E.W.M‐D. Miller (1904)) [2] 運動体の収縮仮説(G. FitzGerald (1889)、H.A. Lorentz (1892))と座標変換の 提案(H.A. Lorentz (1904)) 0.1 光速不変性とその帰結 寧ろ全ての? [0] 慣性系: 慣性の(Newton の第 2)法則が成り立つような座標系; 一つの慣性系 に対して等速で動く系は、全て慣性系である。(相対性原理) [1] 光速不変性: 真空中の光の速さ(c)は、全ての慣性系に於いて等しい。 簡単の ために、慣性系S に対するS の速度V の向き、x 及びx の正方向が全て一致して いるとする(この条件を V∥x∥x と略記)。 またx 上の静止点をA 、B 、中点をL d =xB -xA d =xB -xA (0.3) とする。 ct [1.0] 同時性の相対化: L から発した光が両端に tA +tB 達する事象をPA 、PB 、その時刻をS で tA 、tB tB S で tA´、tB とすると tA (c (+|-)V )tA|B =d / 2 ctA = ctB =d / 2 (0.4) 従って tA ≠tB 即ちS に於いて同時的である A L B x PA とPB は、S に於いては同時的でない。 tA|B =d / 2(c (+|-)V ) 図0. 同時性の相対化

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[1.1] 距離の収縮: 逆にS から見れば、L の光がx 上の 静止点 xL (-|+)ctA|B に達する事象は、それぞれS に於いて 時間 tA 、tB を要し、PA 、PB に他ならないので、両点間の 距離はd として観測される。 従ってS とS での長さの xL + ctB xL- ctA 比は、空間の等方性と伸縮の線型性を仮定すれば xB xA

g ≡d /d = c (tA +tB) /d =d / (1 - (V / c )2)d 図1. 距離の収縮

g = (1 -b 2)-1/2 b ≡V / c (0.5)

[1.2] 時計の遅れ: 両端に鏡を置くと、反射した二筋の光はS は勿論、S に於いても 同時にL に戻る。 その時刻はS 、S でそれぞれ tA +tB 、tA +tB である。 従って この間の時計の進みの比は (tA +tB) / (tA +tB ) = (d / c (1 -b 2)) / (d / c ) =g (0.6) 即ちS の観測者に取っては、S の時計は g の割合で遅れるように見える。

[1.3] 世界距離 Ds 2 の不変性: 光の軌跡 [(t , x ), (t + Dt , x + Dx )] については、慣性系 によらず、常に c =|Dx|/ Dt 一定なのであるから Ds 2 ≡ - c2Dt 2 + Dx 2 = 0 (0.7) (t , x ) と (t , x ) の関係が一次変換であると仮定すれば、Ds 2 も (Dt , Dx ) の二次式と なり、 Ds 2 = 0 ⇔ Ds 2 = 0 より、Ds 2 : Ds 2 は定数である。 特に (Dt , Dx ) をS に固定した時計の時間の刻み (Dt , 0) とすると、(0.6) により Ds 2 = - c2Dt 2 = - c2Dt 2 /g 2 = c2Dt 2(-1 + (V / c)2) = - c2Dt 2 + Dx 2 = Ds 2 (0.8) 従ってこの関係は、任意の [(t , x ), (t + Dt , x + Dx )] について成り立つ。

[1.4] 固有時の概念: 一つの慣性系 S から見て、運動する点に固定した時計の、軌跡 (t (s ), x (s )) の各位置で、加速が止み、等速運動に移ると仮定した時に刻む時間 t を、 その点の固有時と言う。 慣性系 S の時間は、その各静止点の固有時に他ならない。 逆に運動点の各位置は、固有時を時間とし、その点が静止している慣性系を定めるから 式 (0.8) により s =t として

dt = ((dt /ds )2 - (dx /ds )2 / c2)1/2ds 特に dt =dt /g (0.9) [1.5] 双子の逆理: 双子の内の一人が高速の宇宙旅行から戻った時の、彼(女)の身に 着けていた時計による固有時間の経過 t を、近似的な慣性系である地球に止まって いたもう一人の経た歳月 t と比べるために、(0.9) を積分すると t =∫dt /g =∫(1 -b 2)1/2dt <t (0.10) 宇宙旅行を地球の宇宙船に対する運動と見れば、上とは逆に t <t 即ち双子の加齢は 逆転する。しかし宇宙船は慣性系とは言えないので、(0.9) の t と t を入れ替えた式は 成立せず、逆理的な状況も出現しない。

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0.2 Lorentz 変換の決定 慣性系 S (x 0 = ct , (x 1, x 2, x 3) = (x , y , z )) と、S に対して原点 (0, 0, 0, 0) を共有し、 等速度V で動いているS の関係を一次変換と仮定し、次の形とする: x =Lx L ≡ p tq x =r 1ct +A1 t(x , y , z ) y =r 2ct +A2 t(x , y , z ) z =••• (0.11) r A し、空間成分を等置

L を定めるために、先ずS の静止点(例えば原点)について両辺を t で微分すると 0 = cr +AV 即ち r = -Ab b ≡V / c (0.12) 次に (0.8) を書き下すと c2Dt 2 - Dx 2 = (cpDt + tqDx ) 2 - (crDt +ADx ) 2 =

c2Dt 2 - Dx 2 = c2(p 2 - tb tAAb )Dt 2 + 2c(p tq + tb tAA)Dt Dx + tDx (qq - tAA)Dx 従って = 1 = 0 = -1

tAAb = -pq tAA -qq = (p 2 - tb tAAb )1 (0.13) 両式から tAAb を消去して 0 =pq +qqb + (p 2 +p tbq )b = (p + tbq )(q +pb ) 一方 (0.11)、(0.12) から 0 ≠|L|= p + tqb tq = (p + tqb )|A| 従って q = -pb (0.14) r + Ab A

これと (0.13) の第一式を第二式に代入して tAA =p 2bb + (p 2 -p 2b 2)1 =p 2(1 -b 2)(1 + g 2bb ) = (p /g )2(1 + (g 2 / (1 + g ))bb )2 (0.15) 1 + (2g 2(1 + g ) + g 4b 2) / (1 + g )2)bb 2g 2 / (1 + g ) + g 2(g 2 -1) / (1 + g )2 =g 2

即ち (g /p)A(1 + (g 2 / (1 + g ))bb )― 1) は直交行列であるから、直交変換を行ってこれを 1 とすると、e ≡p /g と置いて g

A =e (1 + (g 2 / (1 + g ))bb ) Ab =e (1 + (g 2 / (1 + g ))b 2)b =pb (0.16) 更にS 、V とS 、-V を入れ替えた変換 L(-V ) を (0.11) に作用させると 1 =L(-V )L(V ) = e (-V )e (V ) g -g tb g g tb =e (-V )e (V ) -g b g b 1(L の推移性を先取り)

空間の等方性から、e はV の方向には依存しないと考えられる。 従って e (-V ) =e (V ) =e (V ) e (V )2 = 1 特に L(0) = 1 より e (0) = 1 従って e = 1 (0.17)

以上を纏めて L = g -g b (0.18) -g b 1 + (g 2 / (1 + g ))bb

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特に条件 V∥x∥x (0.1[1] 項)の下では x 1

L = g -g b (0.19) x 1 -g b g 1 q = tan- 1b 1 x 0

以降は、この場合を仮定する。 q

x 0 0.3 Lorentz 変換の帰結: 相対論的運動学 図2. Lorentz 変換 [0] 速度の変換則、光速の限界、光円錐、及び光行差 [0.0] 先ず (0.8) から、慣性系相互の速度が光速を越えないことに注意する: V ≦c 即ち 0≦1 -b ≦1 (0.20) [0.1] 同じく Ds 2 = 0 を境界とする領域(光円錐内: Ds 2 <0、 外部: Ds 2 >0)は、 慣性系に依らない。 V を -V に、L をL -1 に代え [0.2] 次に (0.11) を時間で微分すると v =L -1 /g (1 +v 1 b / c)•v の第1成分を取り 非線型!

v =dx /dt =Ldx /dt •dt /dt =Lv / (dt /dt ) =L /g (1 -v 1b / c)•v =L´v (0.21) 特に c±v 1 = c±(V + v 1 ) / (1 + v 1´b / c) = (1 ±b )(c ±v 1 ) / (1 + v 1´b / c) であるから、 (0.20) と併せて |v 1|≦c ⇔ |v 1´|≦c 即ち、或る慣性系での速度が光速以下ならば、 如何なる慣性系での速度も、光速を越えることは無い。 [0.3] 光行差: v =v (cosq , sinq , 0)、v =v (cosq , sinq , 0) の場合 v (cos|sin)q = (v cosq -V |v sinq /g ) / (1 -v cosqb / c) 特に v =v = c ならば tanq = sinq /g ( cosq -b ) cos - 1b (0.22) x 1

[1] 過去、未来、及び因果性: 現時点O を t = 0 、 x 1 過去、未来を単純に t の負、正の領域とすれば、 P 図3のP はS では未来、S では過去に属する。 x 0 しかし、正に今生じたと観測される事象は、過去の 因果的 O 因果的 或る時点 t まで、観測者から光速以下の伝達速度で 過去 未来 x 0 遡行した時空点に於いて生じた筈であるから、 過去とはかかる時空領域、即ちO を頂点とする、 t <0 の光円錐内に他ならない。 逆に未来はO の 図3. 過去、未来、及び因果性 事象が光速以下で伝達し得る範囲、即ち t >0 の 光円錐内である。 これらはそれぞれO での観測に対して、物理的に作用または被作用 の可能性を持ち、その意味で因果的過去、未来と呼ばれる。 P は、因果的にはS 、S 共に、過去にも未来にも属さないのである。 光円錐内部を時間的、外部を空間的、面 上を光的領域とも言う。 時間的とは、原点(現時点)から到達可能の謂いである。

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[2] Minkowski 時空間・計量・不等式: Lorentz 変換によって対応する一群の xS

を同一視し、それらの全体を Minkowski 時空間と言う。 時空 vector の内積 Dx ≡x 1 -x 0 Dy ≡y 1 -y 0 (Dx , Dy ) ≡ -Dx 0 Dy 0 + SDx k Dy k ≡ tDx h Dy (0.23) によって、計量を与える。 (9頁0.5節[3]注意) h =(h mn ): 計量 tensor(h 00=-1、h mj =h i n =d mn ) (Ds 2 の不変性から Lorentz 変換を導いたが、逆に Lorentz 変換による内積の不変性は、(0.19) から直ちに分かる。)

互いの世界距離が時間的(即ち互いに到達可能)であるような3点 xi(i = 0 ~ 2) について、次の Minkowski の不等式が成り立つ: Dij ≡xj -xi として D010D120 > 0 ならば |D02|≧|D01|+|D12| (0.24) |D02|2=|D01 +D12|2=(D010 +D120)2 - S(D01k +D12k )2=|D01|2 +|D12|2 + 2(D010D120 - SD01k D12k ) (Schwartz) (|D01|+|D12|)2=|D01|2 +|D12|2 + 2(((D010)2 - S(D01k )2)((D120)2 - S(D12k )2))1/ 2 ≧(S(D01k )2S(D12k )2)1/ 2 - SD01k D12k ≧0 f (l )≡((D010)2 - S(D01k )2)l 2 - 2(D010D120 - SD01k D12k )l + (D120)2 - S(D12k )2=(D010l - D120)2 - S(D01kl - D12k )2 とすると f (±∞ ) > 0 ≧f (D120 /D010) 従って f (l )=0 は実根を持ち、従って (D010D120 - SD01k D12k )2 ≧((D010)2 - S(D01k )2)((D120)2 - S(D12k )2) (0.25)

[3] Doppler 効果 [3.0] 音波の(Galilei 変換に従う)場合: 音速をv 、振動数をn 0 、音源・観測者間の速度をV として [3.0.0] 音源が観測者に近づくならば、単位時間に発したn 0個 の波が距離v -V の間に詰まるので、観測者が見る振動数は 図4.0 音源の接近

n =n 0v / (v -V ) (0.26) [3.0.1] 逆に観測者が音源に近づくならば、単位時間の間に 距離v +V の間の波を受け取ることになるから n =n 0(v +V ) /v 進行方向(波数 vector) (0.27) [3.1] 光波 sin(wt -kx ) の(Lorentz 変換に従う)場合: 図4.1 観測者の接近 w ≡ 2pv k ≡ (w / c)n ≡ (k1, k2, k3) として、対応する 時空点 x と x =Lx に於いて位相が等しいとすると (w / c, -k )x = (w / c, -k )x = (w / c, -k )Lx 従って (w / c, -k ) = (w / c, -k )L (0.28) 特に k = (w / c)(cosq , sinq , 0) 且つ、光源がS に固定されている場合は w =w g (1 +b cosq ) n =n 0g (1 + b cosq ) n 0 =w / 2p (0.29) [3.1.0] q = 0(光源の観測者への接近): n =n 0 g (1 + b ) k (0.30) [3.1.1] q = p(光源の観測者からの後退): n =n 0 g (1 -b ) k (0.31) [3.1.2] q = p / 2(光源の観測者との並進): n =n 0 g S (0.32) (w / c (1, -(0. 1. 0)) → w / c(g , -(gb , 1, 0)))

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[4] 双子の逆理(再論): 地球E に対して等速度V xE 0 (復路は -V )で航行する宇宙船H を、近似的に e xH 0 慣性系と見なせば、H から見てE の時計は遅れるので、 E の世界線 s 逆理はやはり成り立つのではないか? しかしH から e S の世界線 見た同時刻線es は、E に対して静止している恒星S で H の世界線 xH 1 折り返す瞬間に、se に代わり、H が観測する慣性系E の時刻は、e からe に不連続的に飛躍するのである。 xE 1

図5 双子の逆理

0.4 Tensor 解析についての準備 [0] n 次線型空間X 上の (p ,q) 型 tensor 空間 T pq ≡X Ä•••ÄX ÄX *Ä•••ÄX * p q •••Ä(ax +by )Ä••• =a (•••Äx Ä•••) + b (•••Äy Ä•••) (0.33) [1] 作用子としての tensor:t =x 1Ä•••Äxp Äx 1Ä•••Äx q : Tm +r n +s → T p ― m +sq -n +r mnt (y 1Ä•••Äy m Äz 1Ä•••Äz r Äy 1Ä•••Äyn Äz 1Ä•••Äz s) 添字の上げ下げの定式化 =x 1Ä•••Äxp ― m Ä(xp ― m +1y 1)•••(xp y m)z 1Ä•••Äz r Ä x 1Ä•••Äx q ― n Ä(x q ― n +1y 1)•••(x qyn )z 1Ä•••Äz s (0.34) [2] 線型変換 K : X → X L : X * → X * が導く変換 K pLq : T pq →T pq [3] 基底 {em : 0≦ m ≦n -1} と双対基底 {e m } に基づく変換の行列表現: t(em ) = t(en )K (em = Sn en Kn

m ) (e m ) =L(en ) (e m = Sn L mn en ) (0.35) として (en )•(an )(=t(em )K -1(an )) と (en )t(en )(=tK -1(em )t(e ´m)tL-1) の変換 不変性を要求すると = (a m ) =1 KL =1 (em ) = tK(en ) = tL-1(en )(≡ Sn Lm

nen 、Sr L mr Lnr = d mn ) (a m ) =L(an )

em1 Ä•••Äe m p +q = Sn1•••n p +q Lm1n1•••Lm p +qn p +q en1Ä•••Äen p +q

a n1•••n pn p +1•••n p +q = Sm1•••m p +q Ln1m1•••Ln p +qm p +qa m1•••mpm p +1•••m p +q (0.36)

[4] 変換 K または L に従う vector を、それぞれ共変または反変と呼ぶ。 特に座標 (a m ) は反変、双対座標 (am ) は共変である。 [5] 特に基本(計量)tensor h((0.23))による添字の上げ下げ(共変・反変の転換): (h mn ) ≡ - e 0Äe 0 + S e i Äe i (hmn ) ≡ - e 0 Äe 0 + S e i Ä e i (0.37) h mnVn =V m ((- e 0 Äe 0 + S e i Äe i )SnVn en = - V 0e 0 + S iVi e i ) hmnV n =Vm h mrTrn =T mn T msh sn =T mn hmrT rn =Tm

n Tmshsn =Tmn (0.38)

h mrhrn =h mn = Sr er Äe r =1 (任意のT に対して h mnT =T ) (0.39)

hmr Lrs h sn =Lm

n (0.19)、(0.39) を併せて h -1Lh = tL-1 Lh tL =h tLh -1L =h -1 (0.40)

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[6] 行列表現の不規則性についての注意 [6.0] (0.35) 両辺を転置し (em ) = tK (en ) tK = (Km

n ) と書きたくなるが、この記法は別の定義 (0.40) を与えられて おり、そこでは L の第1行及び1列の符号を逆転させるので、L - 1 となる((0.36) に於いて先取りしているように)。 [6.1] L 従って K は対称であるから、(0.35) の転置は em =Kn

m en あるいは em =Kmn en と書いてもよい。 ここで

は Einstein の規約に従い前者を採ることにするが、問題は和を取る添字n が隣接していない点である。 しかしかかる 不規則性は、(0.36) 終式を導く際に用いる em =Ln

m en に於いても現れている。 実は Lnm は L の転置を表し、右辺

は従って enLnm と読むべきなのである。 実際 (0.35) から (en ) = tK - 1 (em ) = tL( em ) である。 一般に和を取る添字

が離れている時は、或る因子については転置と解釈し、それと積和を取る因子(と必要が有れば添字)の順を入れ替える ことで、不規則性を解消することができる。 尚、付記2.1節を参照。 a mem =a nen =a nL

mn em

a m =L mn a n

[7] (0.36) に於いて a =h mn とすると h ´mn =L mr Lns h r s 、 且つこの右辺は上の

注意により (Lh tL) mn 、 従って (0.40) と併せて、h は座標系に依らない: h =h (0.41) [8] 内積、固有時間、及び時間微分 積和による、残る添字の共反変性の保存(23頁) [8.0] (0.34) の特別な場合として、共反変 vector の内積 tVW ≡V mWm t((V ) )(W ) = tV tLKW = tVW (0.42) は scalar(変換不変量)である。

[8.1] 各 T pq は和、scalar 倍、及び座標変換に関して閉じている。 特に有向線分座標 Dx((Dx m))は反変、h Dy(( - Dy 0, Dy k))は共変であるから、前項により内積 Dx •Dy = - Dx 0Dy 0 + SDx k Dy k 特に Ds 2 = - c2Dt 2 = - c2Dt 2 + Dx 2((0.8)) は scalar である。 Dx =Dy として Ds 2 =

[8.2] 固有時間による微分 d /dt は tensor 型を保つ(t は scalar)。 [9] 微分作用子、Dyadic、Levi-Civita Tensor e 、外積、□2 a mb ne im Äe n = te im Ä(a m)(b n)e n [9.0] 微分作用子 (¶ /¶x m) の共変性: ¶ /¶x m =¶ /¶x n•¶x n /¶ x m =¶ /¶x n•Kn

m (0.43) [9.1] Dyadic a tb = (a mb n ) の反変性: (0.36) の特別な場合((a mn ) の反変性) [9.2] Levi-Civita Tensor emnrs = sign(m ,n , r , s ; 0,1, 2, 3) の共反変性: Μ = K |L

Μ mmΜ nnΜ rr Μ ss emnrs sign(m ,n , r , s ; m ,n , r , s) sign(m ,n , r , s ; 0,1, 2, 3) =Μ mmΜ nnΜ rr Μ ss sign(m ,n , r , s ; m ,n , r , s) emnrs =|Μ |emnrs (0.44) [9.3] 外積 a ×b = (emnrs a rb s ) の共変性: [9.1]、[9.2]、(0.36) による。(共反変性の保存)

[9.4] □2 の Lorentz 変換不変性と Galilei 変換(G )非不変性: (0.43) より - □ 2 =¶ /¶x •h ¶ /¶x =¶ /¶x •Kh tK ¶ /¶x =¶ /¶x •h ¶ /¶x = - □2

G : (t , x ) = (t , x -Vt ); ¶ /¶t =¶ /¶t -V •Ñ ¶ /¶x =¶ /¶x Ñ2 =Ñ 2 ¶ 2 /¶t 2 =¶ 2 /¶t 2 -V •Ñ´¶ /¶t - ¶ /¶t (V •Ñ ) +V •Ñ (V •Ñ ) =¶ 2 /¶t 2 - 2¶ /¶t (V •Ñ ) + (V •Ñ )2

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0.5 相対論的力学 [0] 運動方程式 [0.0] 静止質量m 0: 物体が静止している任意の慣性系に於いて同一。 [0.1] 運動方程式: 慣性系 S に於ける質点の時空位置を原点とし、その点での速度を そのまま保つ系 S は、その点での質点の(移動距離が 0 であるから)固有時を時間 とする慣性系である。 従ってS に於いて成り立つ運動方程式は m 0du /dt =f :4元力 u ≡dx /dt = (c, dtx j)dtt =vg :4元速度 (0.45) となるが、dt が scalar であるから、これはS に於いても成り立つ筈である。 [0.2] 速度と力の成分の自由度: (0.8) より m 0du /dt =f ´(相対性原理!)

- c2 = - (u 0)2 + S(u j )2 t で微分して 0 = -u 0dt u 0 + Su jdt u j =u •f /m 0 (0.46) [1] 運動量と Energy 静止系から運動系に移ることによって [1.0] 運動方程式 (0.45) 及び (0.46) を書き替えて u → v m 0 → m そこで

dp /dt =f p ≡m 0u =m 0g v =mv :4元運動量 m :運動質量 (0.47) d (cp 0) /dt =u 0dt /dt •f 0dt /dt = Sdt x j•F j F ≡f /g =dp /dt :Newton 力 (0.48)

(0.48) の右辺は単位時間に力の為す仕事、即ち運動 energy の増加を表す。 また静止 状態では cp 0 = cm 0u 0 =m 0 c2 を考慮して

Ek ≡ cp 0 - m 0 c2:運動 energy m 0 c2:静止 energy

E ≡ cp 0 =m 0 c2g :全 energy E 2 = c2p 2 + m 02 c4((0.46) 第1式) (0.49) [1.1] 光子の場合: (0.47)、(0.49) より、次の Einstein の関係式を得る。 p の空間成分 p s =m 0gdt x = c-2Edt x c 従って p = c-1E (0.50) 例えば質量欠損を伴う粒子の分裂に於ける運動量の保存則より 0 =D cp 0 =(Dm 0) c2 + DEk [2] 運動量と Energy の保存、核分裂、及び融合の Energy [2.0] 粒子の崩壊: 質量m の静止粒子の、質量m i 、速度v i 、運動量p i 、energy E i (i =1, 2)の娘粒子への分裂に伴う保存 Energy; m c2 =E 1 + E 2 > m 1c2 + m 2 c2 従って m > m 1 + m 2 (0.51) 運動量 ; 0 =p 1s + p 2s 従って p 1 =p 2 (0.52) (0.49) と併せて E 12 - m 12 c4 =E 22 - m 22 c4 (0.53) (0.51) と併せて E 1|2 = (m 2 + m 1|22 - m 2|12)c2 / 2m (0.54)

p 1 =p 2 = (E 12 - m 12 c4)1/2 / c = ((m 2 + m 1|22 - m 2|12)2 - 4m 2m 12)1/2 c / 2m = ((m + m 1 + m 2)(m + m 1 - m 2)(m - m 1 + m 2)( m - m 1 - m 2))1/2 c / 2m (0.55)

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[2.1] 質量欠損: 質量(∪a i) + 結合 Energy = S 質量(a i) (0.56)

核分裂; 核子当たり平均質量欠損の大きな粒子への分裂による energy 放出 核融合; 核子当たり平均質量欠損の大きな粒子への融合による energy 放出 即ち、より安定した

[3] 注意: Lorentz 変換の結合率と4元 Vector の定義可能性 慣性系S に対して速度v でS が、S に対して速度v でS が動いている時、S のS に対する速度v は、(0.21) より次のように計算される:

c =L ( -v ) c = 1 b c / (1 +v b / c) = c v v b 1 v (v +v ) / (1 +v b / c) (0.57) 従って次の結合率が成り立つ: S のS に対する速度は-v L(v ) =L(v )L(v ) (0.58) (L(v )x )1 = (x 1 - v t )/(1- (v / c)2)1/2 = (x 1 - (v +v )t / (1+vv / c2)) / (1- ((v +v ) / (1+vv / c2)c)2)1/2 = ((1+vv / c2)x 1 - (v +v )t ) / ((1+vv / c2))2 - ((v +v ) / c)2)1/2

(L(v )L(v )x )1 = (x 1 - v t ) / (1- (v / c)2)1/2 = ((x 1 - vt ) - v (t - vx 1 / c2)) / ((1- (v / c)2)(1- (v / c)2))1/2

このことは、任意の慣性系に於いて任意の 4 元 vector を与え、他の慣性系に於いては Lorentz 変換またはその逆変換によって定義するならば、全ての慣性系を通して矛盾 の無い定義を与え得ることを示している。

[4] 粒子数束、運動量・Energy Vector、及び応力 Tensor: 慣性系S に対し同じ速度 で進む粒子群の、静止系に於ける密度を n 0 とすると、S から見た体積は進行方向に 1 /g 倍、密度は n =g n 0 となる。 この時、粒子数束N は反変vector を定める。 N ≡ n 0u / c = t(n , nV / c) (0.59) また粒子の静止質量をm 0 として、2階反変対称応力 tensor T を定める。

T mn ≡ n 0m 0u mu n r ≡T 00 =n 0m 0(u 0)2 =nm 0 c2g : Energy 密度 g j ≡T 0j / c =n 0m 0g u j =nm 0u j: 運動量密度 (0.60) 運動方程式 (0.45) の変形(T 0j とT jk の物理的意味を知るために)

m 0¶u m /¶x n•dx n /dt =m 0u n¶ n u m =f (0.61) を用いてT の4元発散 ¶ nT mn を計算すると n 0m 0u n¶ n u m + n 0m 0u m¶ n u n + m 0u mu n¶ n n 0 =n 0f m + p mG (0.62) f m 0 p m ¶ t n +v •Ñn =d t n ≡G(粒子生成率) 特に ¶ nT 0n = (¶ t r + ¶ j c2g j ) / c =n 0f 0 + p 0G nvj•F j / c((0.46)) (0.63)

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は、Ñ•c2g が、外力の作用や粒子の生成を別にすれば、energy 密度の増加率、従って c2g が粒子の運動による energy 流密度(Poynting Vector)であることを示す。 また 領域D 内の energy 及び運動量自体の増加率は、上式を空間積分して dE /dt = c∫D ¶ 0T 00d 3x = c∫(¶ nT 0n - ¶ jT 0j )d 3x = ∫¶ D - cT 0jdSj +∫D (nvj•F j + cp 0G )d 3x (0.64) dP j /dt =∫D ¶ 0T 0jd 3x =∫D ¶ 0T j 0d 3x =∫(¶ nT jn - ¶ kT jk )d 3x = ∫¶ D -T jkdSk +∫D (nF j + p jG )d 3x (0.65) これらから次のことが分かる(第2項は外力または粒子生成による)。 cT 0j:D の境界面から流入する energy 流密度 (0.66.0) T jk: D の境界面の外部が内部に働く応力 tensor (0.66.1) 1. 相対論的電磁気学 □2f =¶ 2tf / c2 + Ñ•(E +¶ t A ) 1.0 Maxwell の方程式(再掲) □2A =- ¶ t E / c2 - ¶ t Ñf / c2 - Ñ2A 真空の誘電率: e0 真空の透磁率: m0 真空中の光速度: c m0J - Ñ×( Ñ×A ) 電荷密度: r =r (x , t ) 電流密度: J =J (x , t ) ÑÑ•A - Ñ2A 電場: E =E (x , t ) 磁場: B =B (x , t ) Ñ = (¶ /¶x, ¶ /¶y, ¶ /¶z ) Ñ•E =r / e0 (Gauß) Ñ•B = 0

Ñ×B - (1 / c2)¶E /¶t = m0J (Ampère‐Maxwell) (1.0) Ñ×E +¶B /¶t = 0 (Faraday) B =Ñ×A E =- Ñf - ¶ t A

または (f , A ) を電磁 potential 、 □2 ≡¶ 2 / c2¶t 2 - Ñ2 として、上と同値な □2f =r / e0 +¶ t (¶ t f / c2 +Ñ•A ) □2A = m0J -Ñ □2 f / c = m0 cr - h ÑÑ f / c (1.1) A J A

1.1 Maxwell の方程式の Tensor 方程式化(Lorentz 変換不変性) [0] 電磁 Tensor F : Newton 力 (0.48) が Lorentz 力によって与えられるとすれば、 4元力 f (0.45) の空間成分はその g 倍、従って (0.46) と併せて (f j ) =g q (E +v ×B ) (j = 1 ~ 3) f 0 = Su jf j / cg dx 0 /dt •dt /dt =dx 0 /dt =u 0 (1.2) これは、次のように書き替えられる。 =q Su jE j / c(u •(v ×B )=0)

f =qFhu / c F ≡ 0 E x E y E z : 反対称 h ≡ - 1 (1.3) f m =qF mn (hu)n / c 0 cB z - cB y 1 0 cB x 1 0 1 f とu の反変性(従ってhu の共変性)から、F の反変性が帰結する。

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[1] 電磁 Potential A m = t( -f / c , A ) の共変性: 0.4[9.3] から Ñ×A m =e ÑA m = 0 - ¶ y A z + ¶ z A y - ¶ z A x + ¶ x A z - ¶ x A y + ¶ y A x = 0 - (¶ t A z + ¶ z f) / c (¶ t A y + ¶ y f) / c 0 - (¶ t A x + ¶ x f) / c 0 0 -B x -B y -B z =ehF th / 2c : 反変、従って A m : 共変 (1.4) 0 E z / c -E y / c 0 E x / c 0 [2] 電流密度 Vector J m = t(cr , J ) の反変性: 粒子数束N の反変性 (0.59) と J m = cqN (1.5) による。 これはまた、前項と (1.1)、及び 0.4[9.4] からも帰結する。 [3] Maxwell の方程式の Lorentz 変換不変性: Maxwell の方程式は、(E 、B の A による定義と併せて)共反性と整合する tensor 方程式 (1.1) と同値だから、Lorentz 変換によって保たれる。 そのことは、(1.3) からも直接確かめられる。 即ち ¶ n F mn = t(Ñ•E , cÑ×B - ¶t E / c) = t( r / e0 , cm0J ) = cm0J m ¶ n e mnrsFrs = 2¶ n F mn [E , cB / - cB , E ] = 2 t(- cÑ•B , Ñ×E + ¶t B ) = 0 (1.6) Tensor 方程式(一つの基底に対する係数に関する、全ての項が同じ共反性を持つ方程式)は、係数が、Lm

n または Lmn

によって変換されること (0.36)、及び (Lmn ) と (Lm

n ) が互いに逆であることにより、Lorentz 変換によって保たれる。

[4] 4元 Green 関数: h を内積を与える計量 tensor とすると、Stokes の定理は ∫D Ñ•v =∫D -¶ 0v 0 +¶ jv j =∫¶ D -n 0v 0 +n jv j =∫¶ D n •v (1.7) と変形される。 また Green の定理は(v =j¶ mf または f¶ mj とし、□2≡-¶ m¶ m に注意して)

∫D j □2f - f □2j =∫¶ D n •(f¶ mj - j¶ mf ) (1.8) j 、¶ mj が無限遠で急速に0 に近付く時、Green 関数 G : □2G = dx (x ) によって j =∫x ´G (x , x )□2j (1.9) G = ±q(±(x 0 -x 0))(d(x 0 -x 0 +|x -x |) / 4p|x -x | ([8] (2.13)) (1.10)

[5] Lorenz Gauge での A : □2A = m0J ([8] (0.11))のJ による表現: 前項より A(x ) = m0∫d(x 0 -x 0 -|x -x |)J (x ) / 4p|x -x | ) = m0∫x J (x 0 -|x -x |, x ) / 4p|x -x | (Huygens の原理) (1.11)

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1.2 Maxwell の方程式の Lorentz 変換不変性の帰結 ─ 諸物理量の変換 [0] 連続の方程式: (1.6) 第1式の4元的発散を取ると、F の反対称性によって cm0¶ mJ m =¶ m ¶ n F mn = -¶ m ¶ n F nm = -¶ n ¶ m F mn = -¶ m ¶ n F mn = 0 (1.12)

[1] 電磁場: F((1.3))の反変性により ¶ (cr ) /¶ (ct ) + Ñ•J

F =LF tL = g -g b 0 E x E y E z g -g b -g b g 0 cB z - cB y -g b g 1 0 cB x 1 1 0 1 g bE x gE x g (E y -VB z) g (E z +VB y ) -gE x -g bE x cg (B z -VE y / c2) - cg (B y +VE z / c2) -E y - cB z 0 cB x -E z cB y - cB x 0 = 0 E x g (E y -VB z) g (E z +VB y ) 0 cg (B z -VE y / c2) - cg (B y +VE z / c2) 0 cB x 0 (1.13) [2] 運動量・Energy Tensor : 荷電粒子群の運動量・energy tensor (0.60) をTM

mn と 記すと、(0.59)、(0.62)、(1.3)、(1.5) 及び (1.6) より(粒子の生成は無いとして) ¶ nTM

mn =n 0f m =n 0qF mnun / c =F mnJn / c = e0¶ l(F mnFn l + h mlFsn F sn / 4) (1.14) e0 F mn¶ l Fn

l = e0(¶ l(F mnFnl) -Fn

l¶ lF mn) -Fn l(¶ lF mn +¶ nF lm) / 2 =Fn l¶ mF nl / 2

そこで電磁場運動量・Energy Tensor TEM 、及び全運動量・Energy TensorT を TEM

mn ≡ - e0(F mlFln + h mnFsl F sl / 4) T ≡TM +TEM (1.15)

と定めると、電磁場の energy・運動量密度、及び応力 tensor を得る: TEM00 = (e0E 2 +B 2 / m0) / 2 TEM0j = ce0(E ×B ) j TEMjk = e0(-E j E k + djkE 2 / 2) + (-B j B k + djkB 2 / 2) / m0 (1.16) ([8]2 ~ 3頁、TEM = - T に注意)。 また energy の保存則が成り立つ: ¶ nT mn = 0 (1.17) (0.38)、(1.3) より Fsl F sl = 2(-E 2 + c2B 2) F 0lFl 0 =-E 2 F 0lFl 1 = c(E 3B 2 -E 2B 3) / 2 -(E ×B )1 等 F j lFl j =E j 2 - c2(B 2 -B j 2) F j lFl k =E jE k + c2B jB k 従って TEM00 = e0(E 2 + (-E 2 + c2B 2) / 2) = (e0E 2 +B 2 / m0) / 2 TEM0j = ce0(E ×B ) j TEMj j = e0(-E j 2 + c2(B 2 -B j 2) - (-E 2 + c2B 2) / 2) = e0(-E j 2 + E 2 / 2 + c2(-B j 2 + B 2 / 2)) TEMjk = e0(-E jE k - c2B jB k )

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[3] Lorentz 力: (1.13) は ∥、⊥ をx 、(y , z ) 成分として、次のようにも書ける; E =E ∥ + g (E +V ×B ) B =B ∥ + g (B -V ×E / c2) (1.18) これと速度の変換則 (0.21) を併せて F =q (E + v ×B ) ((1- v •V / c2)(E ∥ + g (E +V ×B )) + (v ∥-V +v /g )×(B ∥ + g (B -V ×E / c2))) / g (v ∥-V )×B +g (v ∥-V )•VE / c2 + v ×B ∥/g + v ×B - v •E V / c2

E ∥- (v •VE ∥ + v •E V ) / c2 + g E (1- v •V / c2 +(v ∥-V )•V / c2) =E ∥- v •EV / c2 +g E (1-V 2 / c2) + (1-v •V / c2)g V ×B + g (v ∥-V )×B + v ×B ∥/g + v ×B =g (1-V 2 / c2)v ∥×B + v ×B ∥/g + v ×B =E ∥ + v ×B + g E (1-V 2 / c2) +g (1-V 2 / c2)v ∥×B + v ×B ∥/g - v •EV / c2

= (F ∥ + F /g - v •FV / c2) / (1- v •V / c2) (1.19) [4] Joule 熱 h ≡J •E 及び Lorentz 力密度 k ≡rE +J ×B: (1.5)、(1.18) より

h =J ´•E = (g (J ∥-Vr ) + J )•(E ∥ + g (E +V ×B )) =g (J ∥•E ∥ + J •E + J •(V ×B ) -Vr •E ∥) =g (J •E -V •(J ×B + rE )) =g (h -V •k ) (1.20) k =r E + J ´×B =g (r -V •J / c2)(E ∥ + g (E +V ×B )) + (g (J ∥-Vr ) +J )×(g (B -V ×E / c2) +B ∥)

g (rE ∥ + J ×B - (J ∥•E ∥ + J •E )V / c2) + g 2(rE -V •JE / c2 +rV ×B -V •J (V ×B ) / c2 + J ×B ∥ + J ∥×B -Vr×B +J •VE / c2 -rV 2E / c2) =rE + J ∥×B =g (k ∥ -hV / c2) + k (1.21)

従って (h / c, k ) は反変 vector となる。 [5] 電磁 Energy u = (e0 E 2 +B 2 / m0) / 2 及び運動量密度 g = e0E ×B: (1.18) より [5.0] u = (e0E 2 +B 2 / m0) / 2 = e0 / 2•(E ∥2 + g 2(E 2 + 2E •(V ×B ) + (V ×B )2)) V •(B ×E ) +V 2B

2 + (c2B ∥2 + g 2(c2B 2 - 2B •(V ×E ) + (V ×E )2/ c2))) V •(E ×B ) +V 2E

2/ c2) =g 2(e0 / 2•(E 2 + c2B 2) - 2V •(e0E ×B )) + e0 / 2•((1-g 2)E ∥2 +g 2b 2E

2) +1/ 2 m0•g 2b 2(-B ∥2 +B 2)

=g 2(u -V •( g +S / c2)) -g 2b 2 / 2•(e0(E ∥2 -E 2) + (B ∥2 -B

2) / m0) (1.22) = ([8] (0.13)) V •T•V / c2

[5.1] g = e0E ×B (E ∥ + g (E +V ×B ))×(B ∥ +g (B -V ×E / c2)) =g (E ∥×B +E ×B ∥ + E •VE / c2 +B •VB ) +g 2(E ×B -E

2V / c2 -B 2V - (V ×B )•E V / c2))

(E ×B ) V •EE -V •E ∥E ∥ → V •(T +u ) -V •VV V •(T +u )•V /V 4 (E ×B )∥ - (2u / e0 -E ∥•E ∥)V / c2 +V • (E ×B )V / c2 - (u - T∥∥)• V / c2 +S ∥V 2/ c4

=g (g + T∥ •V / c2) +g 2(g ∥+ (T∥∥•V -uV ) / c2) +V 2g ∥/ c2) (1.23) ≡VV T /V 2 - T∥∥ ≡VV •T•VV /V 4

[5.2] S =g (S + T∥ •V ) + g 2(S ∥ + T∥∥•V -uV +V 2S∥/ c2) (1.24)

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[5.3] T = e0(E E + c2B B ) -u E ∥ + g (E +V ×B ) B ∥ +g (B -V ×E / c2) E ∥E ∥ = (V •EV /V 2)(V •EV /V 2) =V •EE •VVV /V 4(+ c2B ∥B ∥)→ V •T•VVV /V 4(≡ T∥∥)+uVV /V 2 gE ∥(E -E ∥) =g (V •EVE /V 2 -V •EE •VVV /V 4) → g (VV T /V 2 +VVu /V 2 -V •T•VVV /V 4 -VVu /V 2) g (E -E ∥)E ∥ → g (TVV /V 2 -V •T•VVV /V 4)(≡ T^∥) (≡ T∥ ) g 2(E -E ∥)(E -E ∥) =g 2(EE -EEVV /V 2 -VVEE /V 2 +V •EE •VVV /V 4) → g 2(T +u - TVV /V 2 -uVV /V 2 -VV T /V 2 -VVu /V 2 +V •T•VVV /V 4 +uVV /V 2)(≡ T^ +u -VVu /V 2) gE ∥(V ×B ) +g (V ×B )E ∥+g 2(E (V ×B ) + (V ×B )E + (V ×B )(V ×B )) E (V ×B ) -E (V ×B ) (V ×B )A =B (V ×A ) +V (A ×B ) +V •(B ×A ) = (V ×A )B + (A ×B )V + (A ×B )•V + [E / cB ] := A(V ×B ) =V (A ×B ) +B (V ×A ) +V •(B ×A ) = (V ×A )B + (A ×B )V + (A ×B )•V g (E ∥(V ×B ) -B ∥(V ×E )) =g (V •(B ×E ) -V (B ×E ) -V •(B ×E ) +V (B ×E )) → gV (E ×B ) → gVg g ((V ×B )E ∥ - (V ×E )B ∥)) → g S V / c2 g 2((V ×B )E - (V ×E )B ) → g 2(S ∥V - S ∥•V ) / c2 g 2(E (V ×B ) -B (V ×E )) =g 2(V •(B ×E ) -V (B ×E )) =g 2(V •( B ×E )∥ -V (B ×E )∥) → g 2(Vg ∥ -V •g ∥) g 2(V ×B )(V ×B ) =g 2(B (V ×(V ×B )) +V •(B ×(V ×B )) -V (B ×(V ×B ))) = g 2(BB •VV -V 2BB +V 2B 2 - (V •B )2 -B 2VV +VV •BB ) TVV -uVV - TV 2 +uV 2 → -V •T•V → VV T / c2 = T∥∥ +g (T^∥+ T∥ ) +g 2u + (1-g 2) /V 2(≡-g 2/ c2)•uVV +g 2(T^ + (TVV - TV 2 +VV T -V •T•V ) / c2) + g (Vg +S V / c2) +g 2(Vg ∥ -V •g ∥ + (S ∥V - S ∥•V ) / c2) - T^^b 2 + T∥∥b 2 = T^ +g (T^∥+ T∥ +Vg +S V / c2) +g 2(T∥∥-uVV / c2 +Vg ∥+ S ∥V ) +g 2(u -V •g ∥- (S ∥•V + V •T•V ) / c2)(≡u )

= T^ +g (T^∥+ T∥ +Vg +S V / c2) +g 2(T∥∥ -uVV / c2 +Vg ∥+ S ∥V ) (1.25)

1.3 Lorentz 変換不変性の帰結 ─ 幾つかの特別な場合 [0] 棒磁石と導体輪の相対運動: a) 棒磁石による電場が生じ、導体輪に電流が流れる。 b) 電場は生じないが、導体輪に電流が流れる。 a) 棒磁石または導体輪に固定した系をS またはS 、 V b) それぞれでの棒磁石による場をE 、B 、E 、B 、 B J 誘導起電力を JE 、JE 、電流密度をJ 、J 、それらに よる磁場を JB 、JB とする。 図6. 棒磁石と導体輪の相対運動 先ず予備的な考察として: • 導体が中性であれば、a)、b) 共に、電荷の蓄積は無い。 • b) の場合、導体輪の中の正負電荷は運動方向に同じ動きをするから、合わせて、電流のその方向の成分は 0 。 • しかもこの動きは力学的作用によるもので、電場によるものではない。 従って運動方向の電場も 0 。 • しかしそれぞれの電荷に、磁場による Lorentz 力が輪の接線方向に働き、自由電子の移動、電流が生じる。 この時、 逆向きの電場も生じ、磁場、電流、電場は Ampère‐Maxwell の方程式を満たす。 以上から、以下が成り立つ:

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[0.0] E = 0 J = 0 JE = 0 Ñ•JE =Ñ•(E + JE ) =r / e0 = 0 0 JEy Ñ×B =¶ tE / c2 = 0 ¶ tB = - Ñ×E = 0 Jy JEz (Ñ×JB )x =¶ t JEx / c2 + m0J x = 0 Jz (1.26) [0.1] (1.18)、(1.26) 及びJ m の反変性(1.1[2])より

E = 0 JE = 0 B = B x JB = JBx -gVB z g (JEy -V JB z) gB y g (JBy +V JE z / c2) gVB y g (JEz +V JB y ) gB z g (JBz -V JE y / c2)

J =L J =J (1.27)

[0.2] S に於ける Maxwell の方程式の成立(確認): 先ず (0.43) より、微分演算の変換を書き下すと (¶ t , Ñ ) = (g ¶ t + cg b ¶ x , g b / c•¶ t +g ¶ x , ¶ y , ¶ z ) (¶ t , ¶ x ) =g (¶ t +V¶ x , b / c•¶ t +¶ x ) これにより Ñ´•(E + JE ) = (g b / c•¶ t +g ¶ x , ¶ y , ¶ z )g t(0, -VB z +JEy -V JB z ,VB y +JEz +V JB y ) = g (Ñ•JE -V (Ñ×(B +JB ))x ) = 0 Ñ´•(B + JB ) =g (b / c•¶ t + ¶ x )(Bx + JB x ) + g (¶ y (By + JB y ) + ¶ z (Bz + JB z ) + b / c•(Ñ×(E +JE ))x ) =g b / c•(¶ t (Bx + JB x ) + (Ñ×(E +JE ))x ) + g Ñ•(B + JB ) = 0 ¶ t (B + JB ) = g (-V (¶ y (By +JB y ) + ¶ z (Bz + JBz )) + ¶ t JB x ) - (Ñ×JE )x g 2(V ¶ x (By +JB y ) + ¶ t JB y + b 2¶ x JE z + b / c•¶ t JE z ) - (Ñ×JE )y -b 2(Ñ×JE )y =¶ x JE z +b 2¶ t JB y g 2(V ¶ x (Bz +JB z ) + ¶ t JB z -b 2¶ x JE y -b / c•¶ t JE y ) ¶ t (By +JB y ) = g (-V (¶ y (By +JB y ) + ¶ z (Bz + JBz )) - (¶ y JE z - ¶ z JE y )) = - Ñ´×(E + JE ) g 2(V ¶ x (By +JB y ) + b 2¶ t (By +JB y ) + ¶ x JE z + b / c•¶ t JE z ) g 2(V ¶ x (Bz +JB z ) + b 2¶ t (Bz +JB z ) - ¶ x JE y -b / c•¶ t JE y ) - ¶ x JE x Ñ´×(B + JB ) = g (¶ y (Bz +JB z ) - ¶ z (By + JBy )) (Ñ×(B +JB ))x - g b / c•(¶ y JE y + ¶ z JE z ) = ¶ z (Bx + JBx ) - g 2¶ x (Bz +JB z ) - g 2b / c•¶ t (Bz +JB z ) + g 2b / c•(b / c•¶ t JE y + ¶ x JE y ) g 2¶ x (By + JBy ) - ¶ y (Bx +JB x ) + g 2b / c•¶ t (By +JB y ) + g 2b / c•(b / c•¶ t JE z + ¶ x JE z ) 1+g 2b 2 (Ñ×(B +JB ))z + g 2b 2¶ x (By +JB y ) g 2 / c2•¶ t JE z + m0J z 0 =¶ t (E + JE ) / c2 + m0J g 2 / c2•((V ¶ x + ¶ t )(-V (Bz +JB z ) + JE z )) + m0J y g 2 / c2•((V ¶ x + ¶ t )(V (By +JB y ) + JE z )) + m0J z

[1] 平面電磁波: k を実共変 vector として、次の形の電磁 tensor を持つ電磁波 F mn =f mnexp(ik •x ) k 0 =w / c w : 角振動数 c : 速度 (1.28) F mn を Maxwell の方程式 (1.6) に代入すると ¶ n F mn = iknF mn e mn rsFrs = 2 sign(e mn rs)Frs であるから kn f mn = 0 kmfnl +knflm +klfmn = 0 k •k =-k 02 +k 2 =k m (kmfnl +knflm +klfmn ) /fnl = 0 f mnfmn =f mn (kmfnl +knflm +klfmn ) /kl = 0 = 0 (1.29)

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一方、波の速度をV 、周期をT とすると、各時点に於いて波面は k jxj =一定 と表されるから V∥(kj ) k 0cT = 2p =|k|VT 従って k 0 = 2p / cT =w / c V = ck 0 /|k|= c (1.30) 次に k •l =-1 なる任意のl について 0 = (kmfnl +knflm +klfmn )l l 即ち fmn =kmfnl l l +knflm l l an k •a = 0 逆に任意の k •a 0 = 0 なる a 0 とl について fmn =kman -knam a =a 0 +lk は (1.29) を満たす。 従ってf には l の実虚部に応じる二つの自由度が有る。 特に a が実数: 直線偏光 Re(a ) Im(a ): 円偏光 また (1.29) がf の実虚部それぞれについて成り立つので、F の実部についても成り立つ: Re(F mn ) = Re(f mn ) cos(k •x ) - Im(f mn ) sin(k •x ) Re(F mn )Re(Fmn ) = 0 Re(F mn )Re(e mn rsFrs ) = 0 (1.31) 2(c2B 2 -E 2) 4E •B

更に E = cB ×k /k 0 E 2 = c2B 2 k =k 0 を併せて k B k •E =kn F 0n = 0 (-k 0E + cB ×k )j =kn Re(F jn ) = 0 (1.32) 即ち、波の進行方向k に対してE 、B は互いに直交する。 運動量•Energy Tensor については (1.15)、(1.29) と (1.31) より

T mn = e0Re(F ml)Re(F nl) =

e0(|Re(a)|2 cos2(k •x ) +|Im(a)|2 sin2(k •x ) - Re(a)•Im(a) sin(2k •x ))k mk n (1.33)

Re(F ml)Re(F nl) = ((k m Re(a l ) -k l Re(a m )) cos(k •x ) - ((k m Im(a l ) -k l Im(a m )) sin(k •x ))× ((k n Re(a l ) -k l Re(a n )) cos(k •x ) - ((k n Im(a l ) -k l Im(a n )) sin(k •x )) = (k mk n|Re(a )|2 + Re(a •k ) + k •k ) cos 2(k •x ) - (k mk n (Re(a )•Im(a ) + Re(a •k ) + Im(a •k ) + k •k ) sin(2k •x ) + (k mk n|Im(a )|2 + Im(a •k ) + k •k ) sin 2(k •x )

空間平均は T ~mn = e0((|Re(a)|2 +|Im(a)|2) / 2)k mk n (1.34) これと T mn(=n 0p mp n /m 0 、(0.60))は、下の比例関係によって同一の構造を持つ: p m =xk m(x =h / 2) ([2] 122頁) (1.35) [2] 運動点電荷による電磁場: 経路x (t ) の電流密度 vector(1.1 [2])

J =q d3(x -x (t ))(c, v (t )) d3(x -x (t ))u (t ) /g ∫d4(x -x (t ))u (t )dt (1.36) を (1.11) に代入して =∫d(t -t )□d t =∫d(t (t )-t (t ))□dt /dt •dt

A(x ) = m0q∫d4(x 0 -x 0(t ) -|x -x |, x -x (t ))u (t ) / 4p|x -x |dtdx ∫d(x 0 -x 0(t ) -|x -x (t )|)u (t ) /|x -x (t )|dt =u (t *) /|x -x (t *)||u 0(t *) - (x -x (t *))•u (t *) /|x -x (t *)||

=0 = m0qu (t *) / 4p•u (t *)•(-Dx ) x -x (t *) =x 0 -x 0(t *) >0((0.8)) (1.37) Dx •Dx をx m について微分し 0 =Dx •¶ m Dx =Dx •(dm _ -¶ mt *u (t *)) = (-|+)(x 0|j -x 0|j(t *)) -Dx •u (t *)¶ mt * 即ち

¶ mt * = (-|+)(x 0|j -x 0|j (t *)) /Dx •u (t *) (1.38) xm -xm(t *) = (Dx )m

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上の二式と (1.4) より下の電磁 tensor F の表式を得る; Fmn = c(¶ mAn -¶ n Am) =q / 4pe0•Ñ×(u(t *) /u(t *)•(-Dx )) a ≡¶u /¶t * として

¶ m n = (an(t *)¶ mt *u(t *)•(-Dx )-un(t *)(a(t *)¶ mt *•(-Dx )+u(t *)•(u(t *)¶ mt * - (dm _ )))) / (u(t *)•Dx )2 = (an(t *)(Dx )m u(t *)•(-Dx )+un(t *)(a(t *)(Dx )m•Dx - un(t *)u(t *)•(u(t *)(Dx )m - (dm _ )u(t *)•Dx ))) / (u(t *)•Dx )3

=q / 4pe0•(((Dx )m((un(t *)a(t *) -an(t *)u(t *))•Dx + c2 un(t *))-un(t *)um(t *)u(t *)•Dx )) - [m /n ] / (u(t *)•Dx )3 (1.39) 注意0: (1.37) は Li énard / Wiechert Potential([0] 432頁、[8] (2.32))に等しい。 先ずt * を定める式 x 0 -x 0(t *) -|x -x (t *)|=0 が、対応する c(t -t ) -|x - r (t )|=0 に等しいことに注意して t *=t 。 次に [8] (2.32) を変形して、(1.37) を得る; A(x , t ) = m0qv / 4ps = m0cq / 4p•v (t ) /(cR (t ) -R (t )•v (t )) v 0c(t -t )=v 0(x 0 -x 0) v m(t ) / (-v m(t ))•R m(t ) = m0cq / 4p•u(t ) /u(t )•(-Dx ) しかしこれは、(1.37) の計算が (2.31) 及び (2.32) の場合を4元化したものに過ぎないから、驚くには値しない。

(1.39) より電磁場や Poynting Vector を得る; E =q ((n - b )(1- b 2)R )+(n×((n - b )׶ t b ))R 2 / c) / 4pe0s 3 B =n ×E / c S =q 2|n×((n - b )׶ t b )|2n / (4p)2e0cR 2(1- n •b )6 R (1- n •b ) (1.40)

b → 1 の時、輻射は粒子の進行方向を中心に、角度 g -1 の範囲に集中する。 これは 相対論的な光行差((0.22))の現れに他ならない。 (g -2 =1-b 2 ~ 1-b ~ 1- cosq ~ sin2q ) ([0] 433‐5頁、[2] 136‐8頁、[8] (2.33)、(2.34)) [3] 等速直線運動電荷による電磁場: 点電荷または自由電子静止系をS とする。 [3.0] 点電荷の(前項でa = 0 とした特別な)場合; S に於ける電磁場 E =qR / 4pe0R 3 B = 0 (1.41) を、(1.18) により観測系S に変換すると E =E ∥ + g E =vv •E /v 2 +g (E -vv •E /v 2) =q(g + (1-g )vv /v 2)•R / 4pe0R 3 -gvt +g R ∥+R =qg (R -vt ) / 4pe0R 3 (g + (1-g )vv /v 2)•g (-vt +R ∥) +g (R -R ∥) g (-vt +R ∥) (1.42) =q (R -vR / c) / 4pe0g 2s 3 (R 2 =g 2(b 2R 2 - 2bRR ∥+R ∥2) +R 2 -R ∥2 =g 2(R 2 - 2bRR ∥+b 2R ∥2)) s 2 B =g v ×E / c2 v ×E =q m0v ×R / 4pR 3 v ×(-gvt +g R ∥+R ) =v ×R = m0qg v ×R / 4pR 3 = m0qv ×R / 4pg 2s 3 (1.43) 注意 1: S に於いて存在しなかった磁場が、S に於いて、しかも電場の変換として 現れるのは、相対論的効果に他ならないこと、及び電場と磁場が独立な概念ではなく、 本質的には同根であることを示している。

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[3.1] 中性導体内の定常電流の場合; 電流方向をz 軸とする x 導体静止系S に於ける正・自由負電荷の密度を±l とする。 E

R -vR / c = (x , 0, -z) s 2 =x 2 +z 2 - ((z - [z ])x /R )2 vR / c s

負電荷による電場は、(1.42) より z R E = -l / 4pe0g 2∫(x , 0, -z ) / (z 2 + x 2 /g 2)3 / 2dz 従って [z ] Ex = -l / 4pe0x [z / (z 2 + x 2 /g 2)1 / 2]- ∞ ∞ = -l / 2pe0x Ey =Ez = 0 (1.44) 図7. 定常電流による場

Ex もまた正電荷による電場と相殺し、全電場は0 となる。 磁場は、上と同様に (1.43) より By = - m0lv / 2px Bx =Bz = 0 (1.45) 一方、系 S に於いて正負電荷密度は、それぞれ g 、g -1 倍となる(1.1[2])から、 差し引き密度 (g -g -1)l =b 2g l の正電荷が存在することになる。 従って E =b 2g l (1, 0, 0) / 2pe0x B = - m0g lv (0, 1, 0) / 2px ([7](1.3)、(2.11)) (1.46) また導体に対して静止している点電荷q に及ぼす Lorentz 力は F =q (0 + 0×B ) = 0 F =q (E -v ×B ) = 0 (1.47) 注意 2: S に於ける電荷密度の増減(その源は、導体方向の長さの伸縮に在る)を 無視すると、電磁場は S の場合と変わらず、電荷 q が速度 -v を得るので、0 なら ざる Lorentz 力が現れるという見掛けの逆説が生じる。 2. 付記 2.0 Maxwell 理論の論理的構造、併せて物理学の分かり難さについて: 特に Maxwell の 方程式の定式化の過程に見られる理論内部の、また Gallilei 変換との矛盾、数学的演繹と、物理学的洞察ないし特殊例 からの一般化の混淆を題材として記す。 2.0.0 諸法則の導出: 参照頁は文献 [0]、〈 〉内は資料 [7] を指す。 [0] 次節以降で検討する諸概念と法則を列挙して置く。 [0.0] 概念: 電荷 q 電荷密度 r 電流密度 J 電場 E 電位 f 磁場 B 磁束 F Lorentz 力場 L [0.1[ 物理定数: 真空の誘電率 e0 真空の透磁率 m0 真空中の光速度 c [0.2] 変数: 位置 x 時刻 t 観測系 K のK に対する速度 u [0.3] 法則: E (x )=q0(x -x0) /4pe0|x -x0|3(Coulomb) Ñ•E =r / e0(Gauß) Ñ×E =0 B (x )=m0q0u0J 0×(x -x0) /4p|x -x0|3 (Biot-Savart) Ñ•B =0 Ñ×B =m0J 0 x =x -ut(Galillei 変換) L =E + u ×B =E =L (Lorentz 力とその G-不変性) Ñ•J + ¶ t r =0(電荷保存、連続の方程式) Ñ×B - ¶ t E / c2 =m0J(Ampère-Maxwell) Ñ×E + ¶ t B =0(Faraday)

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[1] Coulomb の法則から Gauß の法則と Ñ×E =0 が(31、56‐7〈4 〉頁)、Biot-Savart の法則から Ñ•B =0 が(176〈10 〉頁)、また両者から Ampère-Maxwell の法則が(287〈18 〉頁)、純粋に数学的に演繹される。 [2] Lorentz 力の G-不変性を仮定し、静磁場(磁石)と等速運動する導体輪(資料 [7]、図 9)に適用すると、Ñ•B =0 と併せて Faraday の法則(の一つの特殊な場合)を得る。 文献 [0] の論法は次の通り(240‐1、271‐2〈18 〉頁): [2.0] 磁場内の運動導体片に働く Lorentz 力は、自由電子を移動させ、輪が開いていて電流が無いならば、両端間の電位 差と均衡する。 即ち静止磁場系K に於いて - Ñf + u ×B =0 (2.0) しかし輪を閉じれば電流が生じ、上式左辺は相当する電場と見なせる。 また、その輪に沿う積分は、u 方向の成分が無 いので、電流に沿う積分、即ち起電力 ℇ を与える。 更に第一項の積分(∮dx •Ñf =∮df )が0になるから ℇ =∮dx •(u ×B )=∮(dx ×u )•B =∫側面B •ndS /dt =(∫側面B •ndS ) /dt =(∫S (t ) -∫S (t +dt ) ) /dt =- d (∫S (t ) ) /dt =-∫S (t ) (dB •ndS ) /dt =-∫S (t ) ¶ t B dS (輪内を貫く磁束の変化率) (2.1) [2.1] Lorentz 力のG-不変性から磁場も不変である。 ∵)静止導体系K に於ける電磁場を E 、B として: E =L =L =E + u ×B 逆に E =E - u ×B 従って B =B (2.2) これらと計量(積分)の不変性を併せると、起電力と磁束変化率の不変性を得る。 [2.2] 然るに (2.1) より両者は、K に於いては等しく、従ってK に於いても等しい。 即ち ∫S (t ) (Ñ×E )dS =∮dx • E =-∫S (t ) ¶ t B dS 従って Ñ×E + ¶ t B =0 (2.3) [3] 批判: 上の論法は静磁場の等速運動という特殊な場合に限られ、また「見なし電場」[2.0] のような物理的洞察や、 起電力・磁束に訴える等の迂回を含む。 一般の変動磁場を扱い、且つ Lorentz 力の不変性のみに依拠する、より直截 な論証を試みる。 先ず任意の所与の変動磁場 B を、任意の所与の一時空点に於いて、¶ t B が同じ値を取るような、 等速静磁場で置き換え(同じB で表し)て置こう。 簡単のために z 軸をu 方向に取ると u ×B =t(-B y , B x , 0)u ¶ t (u ×B )=Ñ(u ×B )•u =t(-¶ z B y , ¶ z B x , 0)u 2 (2.4) (B x , B y ) がz 軸を中心に円対象ならば、B z の如何に関わらず(即ちB が不均一であっても)各同心円上で u ×B は 一定、空間の等方性から f も一定である。 従って(K の静止点を考えて) ¶ t B =u •ÑB = -Ñ×(u ×B ) u ×B =u ×B =L =L =E 従って各同心円 S について ∫S ¶ t B dS =∫S (- Ñ×E )dS (2.5) 従ってまた、微小な同心扇形内の積分も同一であるから、(2.3) を得る。 [4] 注意3: 前項のB について、更に (B x , B y ) が z に依らなければ、電流は各同心円上で定常である。 逆にB z が 一定ならば、(B x , B y ) の如何に関わらず磁束の変化は無く、電流は流れない。 この時二つの場合が有り得る: [4.0] (u ×B )•dx =0 即ち (B x , B y )⊥(x , y ): 磁力線はz 軸の回りに同心円を描く。 [4.1] (u ×B )•dx ≠0: 導体輪上に u ×B と相殺する f が生じているだろう。 しかし K では前者は 0 であるから L ≠L ´。 この事実をどう理解すべきか? 更に簡単に B y =B z =0 とし、y 軸上の導体棒を考える。 静止している 棒を、速度が u に達するまで加速する。 その時未だ棒内に自由電子の流れが有るならば、それによる抗力を打ち消し u を保つ力を、(2.0) の状態が実現し、電流が止まるまで加える。 この力の為す仕事は、運動 energy と Joule 熱を差し 引けば、f による energy として蓄えられている筈である。 この状態をK で観測すると、この energy が解放される まで過渡的な電流が流れ、それによって棒は逆方向に動き、始めの静止状態に戻る。 しかし当の状態は K で生じ得る のか? K に於いては磁場は不変なのだから、終始、何も起きなかったとも考えられる。 仮に電子が動いたとしても、 それを抑えるように導体が動くだろう。 どちらが本当か? どちらも本当でないのか? (そもそもこの場合、K の K に対する運動は等速でないから、両者に於いて物理法則は同じではないのである。 一般相対論の世界?!)

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[5] K に於ける Faraday の法則 (2.3)、 Ñ•B =0、 B =B ´ を併せて、K に於ける Faraday の法則を得る。 即ち Faraday の法則はG-不変である。(290‐1〈19 〉頁) [6] 電荷の総量がG-不変とすれば、計量の不変性と併せて、電荷密度も然り。 また下記が成り立つ(298〈20 〉頁): ¶ t r =¶ t r + u •Ñr J = J - r u (2.6) [7] 前項から電荷保存の方程式がG-不変性が導かれる。(298〈20 〉頁) [8] しかし Lorentz 力と電荷の G-不変性を仮定する限り、Gauß の法則と Ampère-Maxwell の法則は、G-変換に よって保存されない。(299〈20 〉頁)

2.0.1推論図: 前節の論証を、論理・数学的な依存関係として纏める。

Gauß Coulomb Ñ×E =0 ∃f (E = - Ñf ) Coulomb Ampère-Maxwell Biot-Savart Ñ•B =0 等速運動静磁場に 静磁場内を等速運動する点 於ける Faraday Faraday のG-不変性 G-不変性: Lorentz 力 に於いて u ×B =E B =B ¬ Gauß ¬Ampère-Maxwell Faraday 電荷 r =r ¶ t r =¶ t r + u •Ñr 電荷保存則のG-不変性 J = J - r u 磁場の局所的時間変動 ~ 静磁場の等速運動

2.1 2次元 Tensor と添字に対する操作の行列表現 転置 t _: 2個の添字の、それぞれの縦位置を変えない交換 共反性の反転 h _( _h ); 第1(2)添字の 公理: T mn ≡T ≡ T 00 T 0k tT ≡T nm = T 00 T j 0 hT ≡Tm

n = -T 00 -T 0k Th ≡T mn = -T 00 T 0k (2.7) T j 0 T jk T 0k T k j T j 0 T jk -T j 0 T jk 定理: t t _ =hh _ = _hh = 1 th _ = (t _ )h t( _h ) =h (t _ ) h ( _ h ) = (h _ )h 特に反対称的 tensor(例えばF )については tF = -F (2.8) 式 (0.40) は、上の規約に従っている。 また (0.36) の tK も、 F =(F mn ) hF =(Fm

n ) (Km

n ) と書いてよい。(0.36) 第1式や h -1Lh = tL-1 という tF =(F nm ) (tF )h =(F nm )=-Fh L 固有の性質は、この規約の適用と独立である。 Fh =(F mn ) hFh =(Fmn ) ((0.19) を用いている。) h tF =(Fn

m )=-hF h (tF )h =(Fn m )=-hFh

図8. 反対称的 Tensor F に対する操作

(2011.12.31)

21

報告要旨

19 世紀末、電磁気学は解決困難な問題に直面し、深刻な危機に陥っていた。 即ち

Maxwell の方程式と Galilei 変換、従って Newton 力学との矛盾、電磁現象が波動で

あり、その媒質(Ether)の遍在を措定するとして、それは何か、通常の物質の運動に

伴って動くのか否か、然りとすれば、相対性原理は否定される(光速は可変である)の

か、等々の疑問である。

本稿は先ず、この状況の展開と結末、特に Maxwell の理論の論理的構造と内在する

困難の分析、解決のための様々な試み、Ether 説の破綻と光速不変性の発見について

記す。 主部は、逐次加えられる数学的・物理学的仮定によって明確に区別される四つ

の段階を追って述べる:

第 1 は光速不変性と、それのみから導かれる驚くべき結果、同時性の相対化、運動

体の長さの収縮、時間の遅れ、双子の逆説等、

次に時空の(Lorentz)変換が、線型性と空間の等方性という単純・自然な条件から

一意的に定まること、及びそれに基づく相対論的運動学の確立、

第 3 は時空 4 元 vector としての力の満たすべき第一原理(運動の法則)の要請、

運動量と energy の統一、それらの保存則の応力 tensor による定式化等を骨子と

する Newton 力学の相対論化、

後は Lorentz 力の 4 元力化、電磁 tensor の導入、電磁 potential と電荷・電流 vector の共変性による Maxwell の方程式の再定式化、及び d'Alembert 操作子の 共変性を併せて確立される Lorentz 変換不変性、更に諸物理量の変換則と幾つかの

重要な帰結、である。

記述の完結性のために、計算は詳細(細字部分)に至るまで全て示したが、例会では

これらは省略し、概念の位階と相互の関係、理論の論理的構造、その成立過程に於ける

物理的洞察(飛躍)と演繹の別、等を焦点に置く。

(2012.12. 5)

22

補足説明 電磁気学の法則

• 基礎概念 基礎概念 ::= 電気の基礎概念 | 磁気の基礎概念 | 電気・磁気の相互作用 電気の基礎概念 ::= 電荷 | 電流(運動電荷) | 電場 | 電位 | 電場が電荷に作用する力 磁気の基礎概念 ::= 磁気双極子 | 磁場 | 磁場が磁極に作用する力 相互作用 ::= 電流の生成する磁場 | 磁場が電流に作用する力 • 記号 真空の誘電率: e0 真空の透磁率: m0 真空中の光速度: c 電荷: q 電荷密度: r 電流密度: J 電場: E 磁場: B Lorentz 力密度: L(≡rE + J ×B ) Ñ ≡ ¶ /¶x Ñ•E (x ) ≡ ¶ /¶x • Ex ≡¶Ex /¶x +¶Ey /¶y +¶Ez /¶z ¶ /¶y ¶ /¶y Ey ¶ /¶z ¶ /¶z Ez Ñ×E (x ) ≡ ¶Ez /¶y -¶Ey /¶z 等 ¶Ex /¶z -¶Ez /¶x ¶Ey /¶x -¶Ex /¶y E • c ― 1 の精度で成立する近似法則 Coulomb: E (q0, x0, x ) =(q0 / 4pe0)(x -x0) /|x -x0|3 Graßmann / Biot‐Savart: q0 dB (J , x , x ) = (m0 / 4p)J dS dx ×(x -x ) /|x -x |3 • J とr の定義から直ちに帰結する法則 電荷保存(連続)の方程式: Ñ•J (x , t ) + ¶r (x , t ) /¶t =0 JdSdx • 第一原理: Maxwell の方程式 J dS dx Ñ• E (x ) =r (x ) / e0 (Gauß) Ñ• B (x ) =0 Ñ×E (x ) + ¶B (x ) /dt =0 (Faraday) dB Ñ×B (x ) - (1 / c2)¶E (x ) /¶t =m0J (x ) (Ampère‐Maxwell)

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Tensor 解析についての準備 •(実R|複素C )係数n 次元線型空間 X 基底 { e 0 ,•••, e n _ 1 } 双対空間 X * : X → R|C 双対基底 { e 0,•••, e n ― 1 } e nem =eme n = dmn e 0 e 0 ••• e n _ 1 =1 • (p , q ) 型 tensor 空間 X Ä•••ÄX ÄX *Ä•••ÄX * p q e n ― 1 基底 { em1 Ä•••Äemp Ä e n 1Ä•••Äe nq } •••Ä(ax +by )Ä••• =a (•••Äx Ä•••) + b (•••Äy Ä•••) (直積との違い!) T ≡ T m1•••mpn 1•••nq ≡a m1•••mpn 1•••nq em1 Ä•••Äemp Ä e n 1Ä•••Äe nq ≡ (a m1•••mpn 1•••nq ) Einstein の規約: 一つの項の中に現れる同じ添字については、積和を取る。 • 線型写像 K : X → X 双対写像 K * : X * → X * K e 0 = K e 0 e 0 = K * e 0 K *( x *) =x * º K X → X K *( x *) x * e n _ 1 e n _ 1 e n ― 1 e n ― 1 R|C e n ≡e n* を第3式に代入し、( em ) に(関数の意味で)適用すると [K *( e n )]( em ) = [( e n ) º K ]( em ) これを行列の演算に書き直せば (K *sn ) e 0 e 0 ••• e n _ 1 t(Kr

m ) ― 1 = e 0 e 0 ••• e n _ 1 従って 1 (K *nm ) = t(K mn ) e n ― 1 e n ― 1

• Tensor としての係数 vector または行列の変換 •• a nen =a me m =a mK m nen 即ち t(a n ) = t(a m )(K mn ) (a m ) = t(K mn ) ― 1(a n ) (a m ) = (L mn )(a n ) (K *nm ) ― 1 = ≡ (L mn ) 共変または反変 vector、tensor:(K mn ) または (L mn ) に従って変換

•• a rs er Äe s =a mn e m Äe n (a rs ) = t(Kmr )(a mn )(K *sn ) ― 1 (a mn ) = t(Km

r ) ― 1(a rs )( K *sn ) t(er )(a rs ) Ä (e s ) = t(e m )(a mn ) Ä (e n ) (L mr ) (Ln

s ) ― 1 = t(Kns ) ≡ (K sn )

(a mn ) = (L mr )(a rs )(K sn ) 同様に (a mn ) = (L mr )(a rs )(L s

n ) (a mn ) = (Kmr )(ars )(L s

n ) (a mn ) = (Kmr )(ars )(K sn )

積和による、残る添字の共反変性の保存 T mrw r =L mnT n sL s

rKr lwl t(L rs ) = (Krs ) ― 1 =L mnT n s dslwl =L mnT n sws

• 特に h ≡ (hmn ) ≡ - e 0 Äe 0 + S e i Äe i (h mn ) ≡ - e 0Äe 0 + S e i Äe i について •• h: (0.8) より txhx = (-x 0, x 1, x 2, x 3) x 0 = tx hx = tx tL hLx h = tLhL 対称、共変、 h ― 1 =h x 1 Lh ― 1 tL =h ― 1 従って h =Lh tL tL ― 1 =h ― 1Lh x 2 tL ― 1hL ― 1 =h また =Lh ― 1tL ≡ (h ― 1) =h 即ち反変 x 3

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•• 添字の上げ下げ: hmrT rs ≡Tms Tm

shsn ≡Tmn h rmTmn ≡T rn T rnh ns =T rs •• 正当性 ••• 共反変性との整合性: 例えば a rs(反変)に対して amn ≡hmr a rshsn は共変 ••• h 自身の定義との整合性: 例えば hmn ≡hmr h rshsn drn =hmn ••• L(または K )の転置と逆の適正な添字: h ― 1Lh = tL ― 1 は、行列の演算と しては (hmr )(L rs )(h sn ) = (Lm

n )、 右辺の添字は、下記に照らして、適切である; (L mr )(L rn ) ― 1 = (dmn ) だから、 (L rn ) ― 1 を ((L ― 1) rn ) と書くのは自然、また t(L mn ) を ((tL)nm ) と書くのも当然である。

運動点電荷による電磁場(Li énard / Wiechert Potential)

遅延効果: c(t -t (t *)) =x - x (t *) A (t , x ) 電流: J (x )=q d3(x -x (t ))(c, v (t )) s =R -k =R - v •R / c 電磁 potential: A(x ) = m0q u (t *) / 4pg s R =x - x (t *) = -u (t *)•Dx / cg c = ∞ であれば g =1 h (t *) =Rv /c k =h •R /R t =t (t *) s =R A(x ) = m0q u (t ) / 4pg s v (t ) q, (t *, x (t *)) 即ち Coulomb ∧ Biot-Savart によるのと一致。 静磁場内の等速運動導体棒 B + B u ×B u Ñf Ñf =J /g J ×B -

磁場静止・導体運動系 導体静止・磁場運動系

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動機 CAD Data Model の考察から設計論、設計論から科学哲学へ •(物質的対象の論理・数学的把握に照らしての)自然科学と設計・製造の並行性、及び (方法論的反省としての)論理理実証主義的な科学哲学と形式主義的な設計論の並行性 自然科学 解釈 理想化された世界 ⊃{ 理想化された観測事実 } (数学的演繹を伴う)(もう一つの Model) (思考実験の結果) 理論 Abduction (法則の体系) 抽象化・概念化 解釈 実世界(Model)⊃{ 観測事実(実験結果)} 設計・製造 解釈=設計 設計解 ⊃{ 個別・断片的構造・性質・挙動 } (数学的演繹を伴う)(言語的実現) 要求仕様 Abduction 製造 抽象化・概念化 解釈 製品 ⊃{ 個別・断片的構造・性質・挙動 } (物理的実現) (Model) • 科学哲学への関心から科学そのものの学習へ 科学を哲学的に論ずるには、科学自体についての正確な知識・理解が不可欠。 • 更に科学史の学習へ ‘Abduction’の考察、科学的概念の生成・発展の理解のために。 • 何故電磁気学か? •• 複雑で興味深い論理的構造、Galilei 変換、従って古典力学との矛盾 •• 矛盾の解消: 特殊相対性理論の契機 •• 相対性理論と量子論(科学哲学と科学史に於いて特権的な地位に在る)の学習の ために必須

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