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世界経済 市場動向 世界経済市場動向 ~年末に向けて明るい展開、 ただし底離れにやや時間がかかるか ただし底離れにやや時間がかかるか 2012年7月17日 ブーケ・ド・フルーレット(略称:Bdフルーレット) 代表 馬渕 治好 ケ・ド・フル レット ムペ http://bd fleurettes eco coocan jp/ ケ・ド・フルレット ムペhttp://bd-fleurettes.eco.coocan.jp/ メールマガジン(有料) http://www.mag2.com/m/0001301453.html メールマガジン(無料) http://archive.mag2.com/0001421750/index.html#

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世界経済 市場の動向世界経済・市場の動向

~年末に向けて明るい展開、ただし底離れにやや時間がかかるかただし底離れにやや時間がかかるか

2012年7月17日

ブーケ・ド・フルーレット(略称:Bdフルーレット)

代表 馬渕 治好

ブ ケ・ド・フル レット ホ ムペ ジ http://bd fleurettes eco coocan jp/ブーケ・ド・フルーレット ホームページ http://bd-fleurettes.eco.coocan.jp/メールマガジン(有料) http://www.mag2.com/m/0001301453.htmlメールマガジン(無料) http://archive.mag2.com/0001421750/index.html#

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世界経済・市場のポイント

• 世界市場は、今年に入り3月末までは、株式などのリスク資産の上昇や、外貨相場(対円)の上昇など、明るい動きを強めてきた。これは、よく言われるような「金余り」「金融相場」ではなく、①米国を筆頭とした実態経済の改善や、②欧州財政懸念・全面的な円高など、行き過ぎた不安や市場動向の後退によるものであったと考えられる。る。

• こうした明るい動きは、たとえば今年末に向けて再度明らかになり、基調としては継続するものと見込まれる。世界的な経済・金融政策(新興国の景気刺激や、欧州における成長重視へのシフトなど)も こうした基調を支持しようける成長重視へのシフトなど)も、こうした基調を支持しよう。

• しかしその一方で、夏場辺りまでは、世界市場が底割れは回避しても、波乱に見舞われる可能性が懸念される。その背景は、①欧州財政・金融情勢に対する不安が強く残ることや、②世界景気の回復基調が当面はまだ不透明なこと、③日本国内で電力不足・料金上昇の悪影響や政治情勢の混乱が生じうること、などである。また、ここ数年の世界市場の不振を受けて、投資家心理が悲観に振れやすいことも注意を要する。界市場 振 受 、投資 観 振 す 要す 。

• ポイントは、中長期的な世界市場の明るい流れの中で、短期的な波乱に騒がず、あわてず、という点にあると考えている。

1ブーケ・ド・フルーレット

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主要市場見通し主要市場見通し(2012年7月2日時点)

リスクシナリオ2

確率5%直近値(6/29)

国内株価

日経平均(円) 9006 78

8000:内外実態景気回復の遅れ、長期金利・国際商品市況の速すぎる上昇

12500:内外実態経済の想定以上の回復、投資家のリスク追究型運用姿勢の急ピッチでの拡大

8500:内外実態景気回復の遅れ、逆に景気回復に伴う各国の出口戦略に伴う混乱、長期金利 国際商品市況の速

13000:内外実態経済の想定以上の回復、投資家のリスク追究型運用姿勢の急ピッチでの拡大

2013年6月末まで

9000~120002012年12月末まで

8300~11500

シナリオ2

予想レンジ

確率12%

日経平均(円) 9006.78 拡大 利・国際商品市況の速すぎる上昇、日本の政治・財政に基づく日本売り

拡大

国内長期金利

0.75:景気回復の遅れ、内外追加緩和思惑

1.8:景気回復期待の広がり、内外財政赤字

0.80:景気回復の遅れ、内外追加緩和思惑

2.0:景気回復期待の広がり、内外財政赤字

0.90~1.70.80~1.5

上限

確率66%

10年国債利回り(%) 0.830の台頭、世界市場の混乱による質への逃避

(特に日本)への注目の高まり、国際商品市況の急上昇、予想以上の円安

の台頭、世界市場の混乱による質への逃避

(特に日本)への注目の高まり、国際商品市況の急上昇、予想以上の円安

外国為替相場(対円)

75:米国の景気回復の遅れや米財政赤字等が市場のテ マ化 世

100:米国の金融・経済情勢の予想以上の好転 日本の財政 政治

75:米国の景気回復の遅れや米財政赤字等が市場のテ マ化 世

110:米国の金融・経済情勢の予想以上の好転 米利上げ期待の広

80~9578~90

予想レンジ下限

確率米ドル(円) 79.79

が市場のテーマ化、世界市場の混乱

転、日本の財政・政治の悪さが市場のテーマ化

が市場のテーマ化、世界市場の混乱

転、米利上げ期待の広がり、日本の財政・政治の悪さが市場のテーマ化

85:ユーロ圏や周辺諸国(英国・ロシア・中東欧 中東) 景気 金融

125:ユーロ圏の景気実態の急速な改善、欧州財政 金融不安 大幅

85:ユーロ圏や周辺諸国(英国・ロシア・中東欧 中東) 景気 金融

130:ユーロ圏の景気実態の急速な改善や利上げ期待 広がり 欧

95~12092~115

リスクシナリオ1

確率12%ユーロ(円) 101.04

欧・中東)の景気・金融実態の予想以上のもたつき、欧州財政・金融不安の悪化

財政・金融不安の大幅な後退

欧・中東)の景気・金融実態の予想以上のもたつき、欧州財政・金融不安の継続

上げ期待の広がり、欧州財政・金融不安の大幅な後退

70:世界景気の停滞、国際商品市況(特に非

110:世界景気(特に中国)の予想以上の回

75:世界景気の停滞、国際商品市況(特に非

115:世界景気(特に中国)の予想以上の回

80~10575~95

シナリオ1

確率5%豪ドル(円) 81.70

国際商品市況(特に非鉄市況)の低迷、世界市場の混乱によるリスク回避的な行動の蔓延、中国景気悲観論の台頭

国)の予想以上の回復、非鉄品市況の大幅な上昇、豪州経済の成長加速や利上げ期待の拡大

国際商品市況(特に非鉄市況)の低迷、世界市場の混乱によるリスク回避的な行動の蔓延

国)の予想以上の回復、非鉄品市況の大幅な上昇、豪州経済の成長加速や利上げ期待の拡大

(Bdフル―レット作成)

2ブーケ・ド・フルーレット

(Bdフル レット作成)(中央のレンジは、そのレンジ内に66%(2/3)の確率で相場が収まると考える 小のレンジ)

(レンジの左下はリスクシナリオ1(下方リスク)、レンジの右下はリスクシナリオ2(上方リスク)。リスクシナリオ1から2の間に相場が収まる確率を90%と見込んでいる。)

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欧州財政不安は 進 退欧州財政不安は一進一退

何度もわき上がる不安と政策対応の綱引き~何度もわき上がる不安と政策対応の綱引き~

3ブーケ・ド・フルーレット

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ギリシャ財政問題の欧州全体への波及と対策ギリシャに当面は追加融資して「時間稼ぎ」+民間保有のギリシャ国債のみ元本53.5%カット

①EFSF(欧州金融安定基金)による流通市場からの国債買い入れ

ギリシャデフォルト!国債買い入れ

②EFSFによる国債発行時の保証付与

③各国の財政赤字削減推 ①ECBと他国(日米等、ECB経由)中央銀行による銀行 の無制限融資進

IMF(国際通貨基金)やESM(欧州安定メカニズム、2012年秋?開始)も活用

央銀行による銀行への無制限融資

②EFSF・ESMによる民間銀行への資本注入(スペインには1000億ユーロ)

③各行の増資、保有ギリシャ債の償却2012年秋?開始)も活用、

欧州共同債の創設にドイツも合意?

③各行の増資、保有ギリシャ債の償却等、自己資本9%へ

欧州他国にデフォ 民間金融機関に破綻

相互に影響

欧州他国にデフォルト懸念が波及!

民間金融機関に破綻懸念が波及!

4ブーケ・ド・フルーレット

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「周縁国」の財政は、ギリシャを除けば改善してはいる

2008 2009 2010 2011 2012 2013単年の赤字(%)

欧州周縁5カ国の財政関連数値(対GDP比)

ユーロ圏 2.1 6.4 6.2 4.1 3.2 2.9ギリシャ 9.8 15.6 10.3 9.1 7.3 8.4ポルトガル 3.6 10.2 9.8 4.2 4.7 3.1スペイン 4.5 11.2 9.3 8.5 6.4 6.3イタリア 2.7 5.4 4.6 3.9 2.0 1.1アイルランド 7 3 14 0 31 2 13 1 8 3 7 5アイルランド 7.3 14.0 31.2 13.1 8.3 7.5

総債務残高(倍)

ユーロ圏 0.701 0.799 0.856 0.880 0.918 0.926ギリシャ 1.130 1.294 1.450 1.653 1.606 1.680ポルトガル 0.716 0.831 0.933 1.078 1.139 1.171スペイン 0 402 0 539 0 612 0 685 0 809 0 870スペイン 0.402 0.539 0.612 0.685 0.809 0.870イタリア 1.057 1.160 1.186 1.201 1.235 1.218アイルランド 0.442 0.651 0.925 1.082 1.161 1.202

(欧州委員会予想(2012年5月11日)よりBdフルーレット作成)

ギリシャの財政は、毎年の赤字は2009年の 悪期からは改善したものの、それが今後も持続するかどうかは、予断を許さない。債務残高の対GDP比率は、2012年にやや低下したが、これは

民間投資家の保有する国債の元本カット(いわゆる「秩序だったデフォルト」)によるもので、継続民 債 」 、 続性はない。

他の欧州周縁国の財政は、ギリシャに比べて状況は深刻ではない。イタリアは債務残高は多いが国有資産売却などの対応策を秘しており、毎年の財政赤字は小さい。スペインは毎年の財政が国有資産売却などの対応策を秘しており、毎年の財政赤字は小さい。ス インは毎年の財政赤字は多いが、債務残高はまだGDPより小さい。

5ブーケ・ド・フルーレット

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「主役」はイタリアからスペインにシフト 2011年秋から2012年初めの欧州発の世界市

場の混乱は、イタリアの財政不安が中心であった。これが、ECBによる銀行への積極的な資金供給(2011年12月から3年物を供給

7.5 

イタリアとスペインの10年国債利回りの推移(%)

(データは2012年7月13日まで)c c な資金供給(2011年12月から3年物を供給、

その資金がイタリア債などへ)などにより、鎮静化に向かった。またイタリア新政権(2011年11月にベルルスコーニ首相辞任)も、財政赤

6.5 

7.0 

字削減の構えを強く示した。

足元の欧州発の不安は、スペインが中心となっており、これは財政より金融不安の色合

が濃 ペイ は 動産価格 落が

5.5 

6.0 イタリア

スペイン

いが濃い。スペインは不動産価格の下落が著しく(2011年10~12月の住宅価格は前年比11.2%、2012年1~3月は同12.6%下落)、中

小貯蓄組合(カハ)やそれが合併した金融機4.5 

5.0 

11/1 11/3 11/5 11/7 11/9 11/11 12/1 12/3 12/5 12/7 小貯蓄組合(カハ)やそれが合併した金融機関( 大のものはバンキア)の経営が不安定化している。ここに欧州から1000億ユーロが

つぎ込まれることとなった。当初はスペインの公的機関( 銀行再建基金あるいは銀

ユーロ圏(現在17カ国が加盟)においては、全経済規模の約27%がドイツ、約21%がフランス、約17%がイタリア、約11%がスペイン、

11/1 11/3 11/5 11/7 11/9 11/11 12/1 12/3 12/5 12/7(Bloomberg よりBdフルーレット作成) (年/月)

公的機関(FROB、銀行再建基金あるいは銀行再編基金)経由であることから、政府債務が増え、民間債権者が劣位におかれると懸念されたが、欧州諸国からの融資も民間債権

6%がオランダによって占められている(2011年データで、前記5カ国以外の残り12カ国で全体の18%)。ちなみに、EU(欧州連合)加盟国は現在27カ国。EU加盟国でユーロを使っていないのは、英国、スウェーデン、デンマークや中東欧諸国(ポーランド ハンガリー チェコ等)他 EUに 念されたが、欧州諸国からの融資も民間債権

者と同様に損失が発生した場合は負担することとなり、市場は安堵した。

6ブーケ・ド・フルーレット

マ クや中東欧諸国(ポ ランド、ハンガリ 、チェコ等)他。EUに加盟していないのは、ノルウェー、アイスランド、スイス他。

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財政懸念は欧州銀行不安に波及したが

財政懸念によるギリシャ等周縁国国債価格の下落は、そうした国債を保有する欧州銀行の経営不安につなLIBORと米国国債利回りの 近の格差(3か月物)( )有する欧州銀行の経営不安につながった。このため銀行間金利は上昇し(貸し渋り)、先進主要国の中央銀行は、協調して米ドルを融資する策

0.6 

0.7 

LIBORと米国国債利回りの 近の格差(3か月物)(%)

(データは2012年7月16日まで)

行 、協調 米 を融資する策を打ち出すこととなった。

ただし、確かに2011年末に向けて銀

行間金利は上昇したものの、ECB0.4 

0.5 

行間金利は上昇したものの、ECBによる長めの資金供給もあって、今年はやや落ち着きを見せている。ましてや、リーマンショック時に比べれ

0.2 

0.3 

ば、はるかに低水準にとどまっている。

ギリシャに対するEU等の融資は「本

0.0 

0.1 

10/1 10/3 10/5 10/7 10/9 10/11 11/1 11/3 11/5 11/7 11/9 11/11 12/1 12/3 12/5 12/7(BloombergよりBdフルーレット作成) (年/月)

(リーマンショック後の 高記録は、

2008/10/10の4.63%)

ギリシャに対する 等の融資は 本格的なデフォルトまでの時間稼ぎ」との批判もあるが、時間を稼いでいる間に、各銀行は保有している周縁国

(BloombergよりBdフル レット作成) (年/月)

7ブーケ・ド・フルーレット

国債の償却・引当金積み増しや、増資等の対応を進められる。

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堅調な米国の雇用情勢堅調な米国の雇用情勢

景気の実力に応じた株価の上昇~景気の実力に応じた株価の上昇~

8ブーケ・ド・フルーレット

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一時急上昇した米国の失業率は、改善へ

リーマンショックにより、米国の失業率は急上昇12

主要国の失業率の推移(%)

米国の失業率は急上昇し、悪い意味で欧州に追いついてしまった。

その後は 2009年10月10

11

12(データは、米国と豪州は2012年6月まで、他は2012年5月まで)

その後は、2009年10月の10%をピークに、低

下方向に向かったものの その足取りは当初

8

9

日本

米国 の、その足取りは当初はおぼつかなかった。しかし 近になって、明確な下げトレンドに入って5

6

7 米国

ユーロ圏

豪州

な下げトレンドに入っているようだ。

まだリーマンショック前と比べて米国の失業率

3

4

5

と比べて米国の失業率の水準はかなり高いが、米国の雇用情勢は改善に向かっている。

00/1 01/1 02/1 03/1 04/1 05/1 06/1 07/1 08/1 09/1 10/1 11/1 12/1(各国統計からBdフルーレット作成) (年/月)

に向かっている。

9ブーケ・ド・フルーレット

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米国の所得環境は持ち直している

個人消費や住宅投資の先行きを占ううえでは、個人の所得環境が重要だ 農業を除く総雇用

米国雇用者の週当たり総賃金の推移(2008/1 100) 境が重要だ。農業を除く総雇用

者数は、2008年1月をピークと

して減少した後増加に転じたが、未だにピ ク水準を回復してい

107.6(2012/6)

104

106

108

米国雇用者の週当たり総賃金の推移(2008/1=100)

雇用者の週当たり総賃金

(=非農業部門雇用者数×週当たり労働

時間×時間当たり賃金、季節調整済)

(データは2012年6月まで)

未だにピーク水準を回復していない。

一方、雇用者の総賃金(週当たり 非農業部門雇用者数 週

101.5(2008/8)

100

102

104

り、非農業部門雇用者数×週当たり労働時間×時間当たり賃金で算出、ただし各項目の集計対象に差異があるので

96.4(2012/6)96.9(2009/6)

94

96

98

非農業部門雇用者数集計対象に差異があるので、あくまでも目安であり、厳密なものではない)は、リーマン・ショックを受けて2008年8月をピーク

93.6(2010/2)92

94

08/1 08/7 09/1 09/7 10/1 10/7 11/1 11/7 12/1(United States Department of Labor, Bureau of Labor Statistics より (年/月)

クを受けて2008年8月をピ クに2009年6月まで悪化した。し

かしその後増加基調を続け、リーマン・ショック前の 高値を

Bdフルーレット作成)

リ マン ショック前の 高値をはるかに上回っている。

10ブーケ・ド・フルーレット

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米国の雇用の基調は、改善方向

米国の雇用関連統計の中では、毎月上旬に発表さ600

米国雇用者数と失業保険申請件数の動き(千人)

では、毎月上旬に発表される非農業部門雇用者数の前月比が、市場ではも注目度が高い。200

400

600非農業部門雇用者数(前月比)(データは2012年6月まで)

しかし雇用者数前月比は、月々の振れが大きい統計で、市場は発表ごとに振り

‐200

0

で、市場は発表 とに振り回されることも多い。

新規失業保険申請者件数の4週ごとの平均値は、振800

‐600

‐400新規失業保険申請者件数(増減逆)

を雇用者数の動きに合わせたもの

(1991~2008年の相関による)の4週ごとの平均値は、振れが小さく、雇用の基調を見るには適している。申請者件数の動きは、減少基

‐1000

‐800

07/1 07/7 08/1 08/7 09/1 09/7 10/1 10/7 11/1 11/7 12/1(Departmentof Labor, Bureau of Labor Statisticsより (年/月) 者件数 動 、減少

調(雇用の改善基調)が緩やかながらも進んできたことを示している。

(Department of Labor, Bureau of Labor Statistics より

Bdフルーレット作成)(年/月)

11ブーケ・ド・フルーレット

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堅調な米国小売売上

小売売上の金額は、既にリーマン・ショック5606

週間小売売上高の推移(%) (1977年平均=100)

小売売上高(前年比 左目盛)既にリ マン ショック前の水準を上抜けているが、雇用者の所得環境が残業増で改

540

550

560

4

5

6小売売上高(前年比、左目盛)

(破線)

リーマンショック前の金額のピーク 得環境が残業増で改善していることを踏まえると、何の不思議もない。

510

520

530

1

2

3前 額

ただし雇用市場の二極化により、消費も二極化している(全ての490

500

510

‐1

0

1

極化 る(セクターで強いわけではない)点や、株価下落時の逆資産効果な

460

470

480

4

‐3

‐2小売売上高(金額、右目盛)(実線)

(データは2012年7月10日まで)

どに注意する必要はある。

460‐407/1 07/7 08/1 08/7 09/1 09/7 10/1 10/7 11/1 11/7 12/1 12/7

(国際ショッピングセンター協会からBdフルーレット作成) (年/月)

12ブーケ・ド・フルーレット

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景気はリーマンではないが株価はリーマンだった

米国景気や企業収益の状況が、リーマンショック直後ほどS&P500指数のPER(倍)

悪いとはとても思えない。

しかしS&P500指数の予想利益PER(株価収益率とも

18

20(データは2012年7月16日まで)

利 (株価収 率 も言い、株価÷一株当たり利益)は、 近の 低値が11.0倍(2011/10/3)と、リーマン14

16

ショック直後の 低値(9.5倍、2008/11/20)には及ばなかっ

たが、当時の主な推移の範( 倍) 位置

12

囲(11~12倍)に位置していた。

直近では13.0倍(2012/7/16)8

10

08/1 08/5 08/9 09/1 09/5 09/9 10/1 10/5 10/9 11/1 11/5 11/9 12/1 12/5

リーマンショック後の下落局面

と上昇し、特に割安とは言いがたくなったが、まだ割高とも言えない水準だ。

/ / / / / / / / / / / / / /(Bloomberg よりBdフルーレット作成) (年/月)

13ブーケ・ド・フルーレット

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余りにも下げ過ぎた米国長期金利

長期国債相場は投資家の相場観・景況感などに左右されるので、実体経済のデータより、心理指

ISM指数と米国債利回りの推移(%) 実体経済のデ タより、心理指標との関連が深いと考えられる。

企業の景況感を示すISM指数(左図は製造業のもの)と10年国60

65

70

4.0 

4.5 

ISM指数(製造業、右目盛)10年国債利回り(週末値、左目盛)

債利回りの間には、密接な関係が見出せた。

ただし2010年10月と、 近は、景況感の軟化に比べて 長期金利

45

50

55

3.0 

3.5 

況感の軟化に比べて、長期金利が余りにも下がり過ぎと言える。2010年10月は、バーナンキ連銀議長が、同年8月の講演で、QE30

35

40

2.0 

2.5 

議長が、同年8月の講演で、QE2(量的緩和第二弾)の実施を示唆したため、それを織り込んだものだ(QE2の実施は2010年11月から)

20

25

1.0 

1.5 

08/1 08/5 08/9 09/1 09/5 09/9 10/1 10/5 10/9 11/1 11/5 11/9 12/1 12/5(Bl b よりBdフル レット作成) (年/月)

(米金利は各週末値、但し直近は2012年7月13日、

ISM指数は2012年6月分まで)

から)。

近は、米国景気に対する悲観論や、欧州財政不安による世界的なリスク回避の動きが 行き過

(BloombergよりBdフルーレット作成) (年/月)

的なリスク回避の動きが、行き過ぎていると考えられる。

14ブーケ・ド・フルーレット

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(参考)住宅ローン金利と米長期債利回り

7

近の住宅ローン金利と国債利回りの推移(%)

(デ タは 年 月 日まで 週次)

6住宅ローン金利(固定金利、30年物)(A)

(データは2012年7月13日まで、週次)

4

5

10年国債利回り(B)

3

4 10年国債利回り(B)

2(A)-(B)

108/1 08/5 08/9 09/1 09/5 09/9 10/1 10/5 10/9 11/1 11/5 11/9 12/1 12/5

(BloombergよりBdフルーレット作成) (年/月)

15ブーケ・ド・フルーレット

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(参考)米国恐怖指標

105.99(2011/10/3)

110

米国の恐怖指標

米国恐怖指標 / /

90

100 =VIX指数×BBB格10年社債と

米国10年国債の利回り格差

70

80

50

60

30

40

(データは、2012年7月16日まで)202011/1 2011/3 2011/5 2011/7 2011/9 2011/11 2012/1 2012/3 2012/5 2012/7

(各種データよりBdフルーレット作成) (年/月)

16ブーケ・ド・フルーレット

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新興諸国は「優しい政策」へ

17ブーケ・ド・フルーレット

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中国・インドの経済が高成長

(単位:%)

国・地域名 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

世界全体 2 9 3 6 4 9 4 5 5 2 5 4 2 8 -0 6 5 3 3 9 3 5 3 9

世界実質経済成長率見通し(IMF,2012年7月16日時点)

世界全体 2.9 3.6 4 .9 4 .5 5 .2 5 .4 2.8 0.6 5 .3 3 .9 3 .5 3 .9中国 9.1 10.0 10.1 11.3 12.7 14.2 9.6 9.2 10.4 9.2 8.0 8.5インド 4.6 6.9 7.6 9.0 9.5 10.0 6.2 6.6 10.8 7.1 6.1 6.5ロシア 4.7 7.3 7.2 6.4 8.2 8.5 5.2 -7.8 4.3 4.3 4.0 3.9ブラジル 2.7 1.1 5.7 3.2 4.0 6.1 5.2 -0.3 7.5 2.7 2.5 4.6途上国全体 4 8 6 2 7 5 7 3 8 2 8 7 6 0 2 8 7 5 6 2 5 6 5 9途上国全体 4.8 6.2 7 .5 7 .3 8 .2 8 .7 6.0 2.8 7 .5 6 .2 5 .6 5 .9日本 0.3 1.4 2.4 1.3 1.7 2.2 -1.0 -5.5 4.4 -0.7 2.4 1.5米国 1.8 2.5 3.5 3.1 2.7 1.9 -0.3 -3.5 3.0 1.7 2.0 2.3ユーロ圏 0.9 0.7 2.2 1.7 3.3 3.0 0.4 -4.3 1.9 1.5 -0.3 0.7先進国全体 1.7 1.9 3 .1 2 .6 3 .0 2 .8 0.0 -3.6 3 .2 1 .6 1 .4 1 .9

新興国の中では 中国・インドといったアジア・エマージング諸国(アジアの新興国)の経済成長が 引

(IMFデータよりBdフルーレット作成)

新興国の中では、中国 インドといったアジア エマ ジング諸国(アジアの新興国)の経済成長が、引き続き他国に比べて堅調であるとみこまれる。

但し新興国の経済成長も、欧州財政不安による悪影響を受けており、2012年にはやや成長の速度が低下する可能性が高い。低下する可能性が高い。

こうした景気減速や、欧米投資家による新興国株式・通貨売りを受けて、多くの新興諸国が景気と株価・通貨を支持する政策を、次々と打ち出している。特に中国では、今秋の指導部交代を受けた党人事をにらんで、地方政府が景気刺激に乗り出す可能性が高い(長期的には健全なことではないが)。事をにらんで、地方政府が景気刺激に乗り出す可能性が高い(長期的には健全な とではないが)。

18ブーケ・ド・フルーレット

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新興国通貨下落は、欧州財政不安が理由と言われるが

今年半ばにかけて、ブラジルレアルや、インドルピーをはじめとしたアジア諸国通貨といった、外貨相場(対円)の2011年央からの動き(2011年7月初=100) したアジア諸国通貨といった、新興国通貨は、対円で大きく下落をみせた。

この下落の理由としては 欧州

100

105(2011年7月初 100)

(データは2012年7月16日まで)

この下落の理由としては、欧州財政不安が主因だと言われている。すなわち①欧州の景気悪化が、新興諸国から欧州向け

90

95

米ドル

ユーロ

リラ 化が、新興諸国から欧州向けの輸出を減少させるという懸念と、②欧州財政不安による世界市場の波乱で、リスクが高いと

80

85リラ

豪ドル

レアル

ルピー

考えられている新興国の通貨が売り込まれるとの懸念だ。

しかし欧州不安の「本尊」である70

75

11/7 11/8 11/9 11/10 11/1111/12 12/1 12/2 12/3 12/4 12/5 12/6 12/7 しかし欧州不安の 本尊」であるユーロや、ユーロ圏に近いトルコのリラは、比較的安定して推移している。インドルピー等の新

(Bloomberg よりBdフルーレット作成) (年/月)

興国通貨は、売られ過ぎの面が大きいだろう。 19ブーケ・ド・フルーレット

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中国とインドの株式は、先進国に比べ売られ過ぎ

近の主要国の株価指数の動きをみ120

主要株式指数の推移(2011年初=100)

価指数の動きをみると、中国とインドが欧米諸国に劣後している

110

120(データは2012年7月16日まで)

日本(実線)米英独の平均

(二重線)している。

長期的なアジア諸国経済の発展性を勘案すると 中国・

90

100

勘案すると、中国・インドの株式は安値に放置されている面も大きいだろう

70

80

中国(点線)

る面も大きいだろう。

50

60(注)すべて株価指数を円換算したもの。「平均」は各国

の指数化後の単純平均。

日本(TOPIX)、米国(S&P500)、英国(FT100)、ドイツ

(DAX)、インド(SENSEX)、中国(上海総合)

インド(破線)

5011/1 11/3 11/5 11/7 11/9 11/11 12/1 12/3 12/5 12/7

(Bloomberg よりBdフルーレット作成) (年/月)

20ブーケ・ド・フルーレット

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中国の景気を他国から見ると… 近、豪州の貿易統計で世

界の市場が上下することが多い これは 中国が豪州

豪州の中国向け輸出の推移(百万豪ドル) (%)

多い。これは、中国が豪州から鉄鉱石や石炭、銅鉱石などの資源を盛んに買い付けており 中国は豪州にとっ60

80

100

7000

8000

9000(百万豪ドル)

(データは、2012年5月まで) 前年比(折れ線、右目盛)

けており、中国は豪州にとって第一位の輸出先(第二位は日本)であるため、豪州の輸出統計の増減が中国景

20

40

60

5000

6000

7000

輸出統計の増減が中国景気についての市場の見方を左右しているからだ。

豪州から中国向けの輸出額‐40

‐20

0

2000

3000

4000

豪州から中国向けの輸出額をみると、 近増勢を強めている。前年比も2010年3

月にマイナスを記録した後‐80

‐60

40

0

1000

2000

07/1 07/7 08/1 08/7 09/1 09/7 10/1 10/7 11/1 11/7 12/1

輸出額(棒、左目盛)

月にマイナスを記録した後は、一度もマイナスとなっていない。どうも中国の景気は、市場が不安に思ってい

07/1 07/7 08/1 08/7 09/1 09/7 10/1 10/7 11/1 11/7 12/1(Australian Bureau of Statistics よりBdフルーレット作成) (年/月)

は、市場が不安に思っているほど悪くないようだ。

21ブーケ・ド・フルーレット

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拡大するアジアの中間層

「中間層」「富裕層」の定義は様々だが、経済産業省「通商白書2010」(元データは”Euromonitor International 2010”)で

35

世界の中間層人口(億人)

は”Euromonitor International 2010”)で

は、富裕層は世帯の年間可処分所得が35,000ドル以上、中間層は5,000~35 000ドルとして分析されている

5.6 25

3030.1

35,000ドルとして分析されている。

2009年に17.5億人であると推計される世界の中間層人口は、2020年には30.1億人に達すると予想される その多くを

4.1 

3.0 20

25

中南米

その他

17.5億人に達すると予想される。その多くを、中国、インド、その他アジア諸国が占めると考えられる。

ちなみに富裕層については 2009年に

6.2 

2.4 2.7 

3.8 

10

15

インド

他アジア

中南米

ちなみに富裕層については、2009年に6.5億人(先進国5.0億人、新興国1.5億人)が2020年には11.2億人(先進国6.1億人 新興国5 1億人~うち中国1 3億人2.2 1 5

4.6 9.7 

1.8 

0

5先進国

中国

インド

億人、新興国5.1億人~うち中国1.3億人、インド0.2億人、他アジア0.8億人、中南米1.0億人、その他1.8億人)に達すると予想されている。

2.2  1.5 02009 2020

(通商白書2010より

Bdフルーレット作成)

(年)

予想されている。

22ブーケ・ド・フルーレット

Bdフル レット作成)

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高齢化する中国、若年層が増えるインド

国連の予測(中位推計)によれば、アジアの中でも中国 イ ドは 人 大7024

中国とインドの人口予想(億人) (%)

国・インドは1、2の人口大国であり続ける。ただし2022年には、インドが中国

を抜いて第 位になる見

50

60

70

20

22

2415~59歳の人口が占める比率(右目盛)

インド

中国 を抜いて第一位になる見込みだ。

15~59歳の人口(いわゆ

る「生産年齢人口 )は イ

20

30

40

14

16

18

総人口(左目盛)インド

中国

中国る「生産年齢人口」)は、インドが2045年まで増加し続

けるのに対し、中国では2014年をピ クとして減り

‐10

0

10

8

10

12

15~59歳の人口(左目盛)インド

2014年をピークとして減り

はじめ、高齢化が進むと予想されている。中国の高齢化は ①労働コストの上昇

‐30

‐20

4

6

2011 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050(国連"WorldPopulation Prospects: The 2010 Revision"(2011/5/3)より (年)

中国

化は、①労働コストの上昇、②年金・医療保険問題の悪化、の2点で、中国にとって悪材料となりうる。

(国連"World Population Prospects: The 2010 Revision"(2011/5/3)より

Bdフルーレット作成)

(年)

とって悪材料となりうる。

23ブーケ・ド・フルーレット

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「一本足打法」のロシア、バランスのとれたブラジル

ロシア、ブラジルは、ともに資源国と言われるが、その実情はだいぶ異なる100%

ロシアとブラジルの輸出構成比(2010年)

実情はだいぶ異なる。

ロシアは、輸出総額のおよそ三分の二が、原油や天然ガスとい た鉱物性燃

19.2 37.2 

11.6 3.2 

80%

90%

100%

然ガスといった鉱物性燃料だ。良くも悪くもエネルギー価格次第、というぜい弱性がみえる

10.1 50%

60%

70%

その他

工業製品弱性がみえる。

ブラジルは、工業製品(自動車、機械類、家具、衣類等)が輸出のほぼ4割を占

26.7 64.4 

20%

30%

40% 鉱物性燃料

非食品原材料

食料品及び動物(食用)

等)が輸出のほぼ4割を占め、全くの資源依存とは言い難い。資源輸出も、食料品(小麦 食用牛など) 非

1.7 

22.9 3.2 

0%

10%

20%

シア ブラジル 品(小麦、食用牛など)、非食品原材料(鉄鉱石、すずなど)、鉱物性燃料と、バランスがとれている。

ロシア ブラジル

(総務省統計局「世界の統計2012」よりBdフルーレット作成)

ンスがとれている。

24ブーケ・ド・フルーレット

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有数の工業国でもあるブラジル

世界の自動車生産台数(2011年)(単位:万台 %)

7000

8000

エンブラエル社の売上高推移(百万米ドル)

国名 生産台数 シェア 前年比中国 1841.9 23.0 0.8米国 865 4 10 8 11 5

(単位:万台、%)

4000

5000

6000

米国 865.4 10.8 11.5日本 839.9 10.5 -12.8ドイツ 630.4 7.9 6.7韓国 465.7 5.8 9.0インド 393.6 4.9 10.7 1000

2000

3000

ブラジル 340.6 4.3 0.7メキシコ 268.0 3.3 14.4スペイン 235.4 2.9 -1.4フランス 229.5 2.9 3.0カナダ 213 5 2 7 3 2

0

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

(エンブラエル社アニュアルレポートからBdフルーレット作成、

ブラジルは、有数の工業国である。

乗用車の生産台数をみると、2011年で世界第7位であり、新興国の中ではインドと肩を並べている

カナダ 213.5 2.7 3.2ロシア 198.8 2.5 41.7世界計 8009.3 100.0 3.2

(国際自動車工業連合会より

(エンブラエル社アニュアルレポ トからBdフル レット作成、

予想は市場平均)

中ではインドと肩を並べている。

エンブラエル(Embraer)社は、世界の航空機製造企業で大手の一角に数えられ、小型ジェット機などを手掛ける(主力はE170、E190)。30~120座席の小型ジェット機市場においては、45%の世界シェアを有する(エンブラエル社のアニ アル レポ トによる) (E170は

(国際自動車工業連合会より、Bdフルーレット作成)

を有する(エンブラエル社のアニュアル・レポートによる)。(E170は、JALの羽田⇔関空⇔福岡などを飛んでいる。)

25ブーケ・ド・フルーレット

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ブラジルは雇用改善を背景とした内需主導の経済成長

ブラジルについては、資源輸出が主導す14

ブラジルの失業率の推移(%)

資源輸出が主導する経済成長というイメージが先行している

12

13

14(データは2012年5月まで)

る。

しかし、長期的な景気拡大を背景に、失業率の低下傾向が9

10

11

業率の低下傾向が継続している。これが個人消費などの内需好調の背景に

7

8

9

内需好調の背景にあり、ブラジル経済は安定成長を続けるものと予想される。4

5

6

るものと予想される。402/1 03/1 04/1 05/1 06/1 07/1 08/1 09/1 10/1 11/1 12/1

(BloombergよりBdフルーレット作成) (年/月)

26ブーケ・ド・フルーレット

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注目4カ国の景気動向

(単位:%)

国・地域名 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

世界実質経済成長率見通し(IMF,2012年4月17日時点)

国 地域名

世界全体 2.9 3.6 4 .9 4 .5 5 .2 5 .4 2 .8 -0.6 5 .3 3 .9 3.5 4 .1韓国 7.2 2.8 4.6 4.0 5.2 5.1 2.3 0.3 6.3 3.6 3.5 4.0インドネシア 4.5 4.8 5.0 5.7 5.5 6.3 6.0 4.6 6.2 6.5 6.1 6.6メキシコ 0.1 1.4 4.0 3.2 5.1 3.2 1.2 -6.3 5.5 4.0 3.6 3.7トルコ 6 2 5 3 9 4 8 4 6 9 4 7 0 7 -4 8 9 0 8 5 2 3 3 2トルコ 6.2 5.3 9.4 8.4 6.9 4.7 0.7 -4.8 9.0 8.5 2.3 3.2途上国全体 4.8 6.2 7 .5 7 .3 8 .2 8 .7 6 .0 2 .8 7 .5 6 .2 5.7 6 .0

(IMFデータよりBdフルーレット作成)

注目される4カ国の中では、インドネシアの経済成長の安定性が抜群だ。これは、輸出依存度が低く(2011年の輸出金額÷名目GDPは24%)海外景気変動の影響を受けにくいためが低く(2011年の輸出金額÷名目GDPは24%)海外景気変動の影響を受けにくいため。

韓国は輸出依存度が高い(同46%)が、輸出の55%は他アジア諸国向け(2010年、うち中国向けが第一位で25%)であり、欧米発の景気悪化の悪影響を直接には受けにくい。

メキシコは米国景気の、トルコは欧州景気の影響を受けやすい。

(上記の文中のデータの出所は、日本貿易振興機構(JETRO)調べ)

27ブーケ・ド・フルーレット

(上記の文中のデ タの出所は、日本貿易振興機構(JETRO)調 )

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魅力の多いインドネシア経済

インドネシアは、人口数が中国、インド、米国についで第4位の人口大国である(2.3億人)。今後、中間層人口の大幅な伸

(億人) 2009年 2020年 増加率(倍)中国 4.6 9.7 2.11

アジア3カ国の中間層人口

( 億人)。今後、中間層人 の大幅な伸

びが予想されており、耐久消費財消費の拡大が期待される。

原油・天然ガスなどを輸出する(石油製品を含 年 輸 が 輸

中国 4.6 9.7 2.11インド 1.8 6.2 3.44インドネシア 0.8 1.9 2.38新興国合計 15.3 28.6 1.87

(E i よりBdフル レ ト作成) を含めて、2010年の輸出の17.8%)が、輸

入もほぼ同額(同じく石油製品も含めて)のため、原油価格変動の経済への影響は中立に近い。

(Euromonitor よりBdフルーレット作成)

30000

主要2カ国のパーム油生産高(千メトリックトン)

( 年度は米農務省による予測値) は中立に近い。

パーム油(椰子油、世界の植物油生産の33%を占め、大豆油の28%を上回る)の

生産は世界第一位で、自然に優しい洗剤

25000

(2011年度は米農務省による予測値)

インドネシア

などの用途が増え、生産量は増加を続けている。

中国やベトナムの賃金水準の上昇により、生産拠点をインドネシアに移す動きが出

20000

マレーシア

生産拠点をインドネシアに移す動きが出てきている。

2004年にユドヨノ大統領は、史上初の直

接選挙で選ばれた その後再選を果たし10000

15000

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 接選挙で選ばれた。その後再選を果たしており、任期末の2014年まで政治情勢には波乱は見出しにくい。 28ブーケ・ド・フルーレット

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011(米農務省統計よりBdフルーレット作成) (年度)

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豪州経済は、内需主導で回復 豪州の実質経済成長率は、前期比

ベースで、リーマンショック直後の2008年10~12月にマイナスを記録したものの、それ以降は2010年末までプラス成長が続いていた。

2011年1~3月は、再度マイナス成長に落ち込んだ これは 2011年1月

5.7 5 3

6

8

豪州の実質経済成長率の推移(%)

豪州の実質GDP(前期比年率)

長に落ち込んだ。これは、2011年1月の洪水の影響であり、その後は復興需要による景気押し上げ効果が表れ始めている。

2 5

5.3 

2

4

豪州準備銀行は、2009年10月から2010年11月まで、0.25%ずつの利上げを計7回実施した。景気回復に沿った実力の金利上昇であった と

2.5 

0

2

沿った実力の金利上昇であった、との見方ができる。

しかし海外要因による景気もたつきの可能性に対応するため、2011年11

‐2.1 ‐2.5  ‐1.9 

‐4

‐2

00/3 01/3 02/3 03/3 04/3 05/3 06/3 07/3 08/3 09/3 10/3 11/3 12/3

(データは2012年1~3月期まで)

月、12月、2012年5月、6月と、4回(合計1.25%)の利下げが行なわれた。国内景気の状況と海外経済動向をにらみながら もう一回程度の利下げ

(Australian Bureau of Statistics よりBdフルーレット作成) (年/月)

らみながら、もう 回程度の利下げはありうるが、いずれ様子見から利上げが再開されると考える。 29ブーケ・ド・フルーレット

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中国景気の行方で一喜一憂だが

豪州からの輸出について、輸出先別内訳では中国がトップのため 中国景気に対

豪州の輸出先国別シェアの推移(%) トップのため、中国景気に対する観測が、豪ドル相場を揺り動かすことが多い。

中国景気は確かに減速はし25

30(%)

(データは、2012年5月まで)

中国

中国景気は確かに減速はしており、豪州から中国向けの輸出額も、2011年10月がピ クだった15

20

ピークだった。

とはいうものの、中国向け輸出の減少は限定的で、中国向け輸出額は 近は前年

10

15日本

向け輸出額は、 近は前年比プラスを保っている。

また中国は、景気の好不調以上に資源の買い付けを変

0

5

03/1 04/1 05/1 06/1 07/1 08/1 09/1 10/1 11/1 12/1

インド

以上に資源の買い付けを変動させる傾向があるため、輸出減と景気減速の度合いが同程度とは考えない方がよ

03/1 04/1 05/1 06/1 07/1 08/1 09/1 10/1 11/1 12/1(Australian Bureau of Statistics よりBdフルーレット作成) (年/月)

同程度とは考えない方がよいだろう。

30ブーケ・ド・フルーレット

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豪州経済は、想定以上に内需主導

豪州経済については、資源輸出以外に見るべき3

豪州の内外需の成長寄与度(%)

以外に見るべきものがない、というイメージが強い。

しかし 過去の

2

3内需(データは2012年1~3月期まで)

しかし、過去の景気のけん引役を見ると、長期的な傾向としては0

1

な傾向としては、輸出より内需が押し上げ役として働いてきた

‐1

0

輸出(グロス)

て働いてきた。

小売、不動産、金融、サービス等の非製造業が

‐2 注)実質GDPの前期比に対する寄与度。内需、輸出(グロス)、

輸入(当図には示されていない)の寄与度を合計すると全体の

実質成長率となる。等の非製造業が、主として国内景気の支え役として働いてきてい

‐300/3 01/3 02/3 03/3 04/3 05/3 06/3 07/3 08/3 09/3 10/3 11/3 12/3

(Australian Bureau of Statistics よりBdフルーレット作成) (年/月)

て働いてきている。

31ブーケ・ド・フルーレット

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依然として実態を反映していない円相場の水準

32ブーケ・ド・フルーレット

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史上 高水準を記録した円相場

円の総合的な相場水準を実効為替相場でみると

120

円の実効為替相場の推移(2010年平均=100)

(各月末値、データは2012年5月まで) を実効為替相場でみると、高記録更新が続いて

いた。

さすがに今年に入 てか90

100

110(各月末値、デ タは 年 月まで)

さすがに今年に入ってからは、円安方向への修正が入ってはいるが、未だに円相場は高水準にあ

60

70

80

に円相場は高水準にあると言える。

現在それほどの円高であることを実態面から説

30

40

50

あることを実態面から説明できる状況ではない(景気の強さ、政治状況、金利水準 輸出の動き

2080 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12

(日本銀行よりBdフルーレット作成) (年)

金利水準、輸出の動き、対内証券・直接投資など)。

円の実効為替相場とは、円対米ドル、円対ユーロなど、さまざまな円相場を、日本から当該国・地域への輸出額に応じて加重平均したもの。円の総合力を表すと考えられる。現時点では、BIS(国際決済銀行)ベースの算出値を日銀から公表しており、42通貨に対する円相場を合成して算出されている

33ブーケ・ド・フルーレット

対する円相場を合成して算出されている。

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購買力平価からみると、もう少し円安が予想される

2カ国の物価水準から、妥当な通貨相場を算出したものが購

350

米ドル相場(対円)と購買力平価(円/米ドル)

(購買力平価は、1973年3月基準)

を算出したものが購買力平価だ。これと実際の為替相場(米ドル対円)を比較すると、

250

300

購買力平価(日:企業物価、米:生産者物価)

(並行している線は 20%円高水準と円安水準) 対円)を比較する 、近10年強は、購買

力平価とその20%円高水準との間で、概ね動いてきたことがわ

150

200

(並行している線は、20%円高水準と円安水準)

ね動いてきたことがわかる。

2012年6月時点では、購買力平価は97 3850

100

米ドル相場(対円)(月中平均)

購買力平価は97.38円、その20%円高水準は77.90円だ。80円割れで推移する円が、今後 台 向か

購買力平価は、日本国内と米国内で、同一商品が同じ値段で買える為替相場を求める

73 75 77 79 81 83 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 11

(各種データよりBdフルーレット作成) (年)

今後90円台に向かって動くとすれば、妥当な相場変動だと言えよう

購買 平価 、 本国 米国 、同 商品 同 値 買 為替相場 求もの。たとえばリンゴが日本では180円、米国では2ドルであれば、円相場が1ドル=90円なら同じ値段で買えることになる。こうした考え方から、英エコノミスト誌が、「ビッグマック平価」(ビッグマックが同じ値段で買える為替相場)を算出している。実際には、多様な商品が売買されているので、それらを総合した物価指数を用いて購買力平価を計算する。上図では 日本の企業物価指数(旧「卸売物価指数」)と米国の生産者物価指数を用い よう。

34ブーケ・ド・フルーレット

上図では、日本の企業物価指数(旧「卸売物価指数」)と米国の生産者物価指数を用い、変動相場制に移行した1973年2月14日の直後の1973年3月を基準としている。

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(参考)購買力平価と実際の円相場の乖離率

10

20

米ドル相場(対円)と購買力平価の乖離率

購買力平価(日:企業物価、米:生産者物価)と

実際の円相場との乖離率

(円/米ドル)

(購買力平価は、1973年3月基準)

10

0

10

‐30

‐20

‐10

‐50

‐40

30

(データは、2012年6月まで)

日本がデフレのため(厳密にいえば、日本のインフレ率が米国を下回ることが多いため)購買力平価は傾向的に円高に向かい続けている 米ドルが一時79 75円の対円での安値を付けた1995年4月は 購買力平価は151 15円であった 2012年6月の購買力平価

94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12(各種データよりBdフルーレット作成) (年)

ている。米ドルが 時79.75円の対円での安値を付けた1995年4月は、購買力平価は151.15円であった。2012年6月の購買力平価は97.38円であるから、この間に日米の物価要因により、米ドルの価値が36%下落した(円の価値が55%上昇した)ことになる。そこで「95年4月の79.75円を妥当とすれば、そこから36%下の51円が妥当な米ドル・円相場である」との耳を疑う暴論を堂々と主張する人が多かった( 近は少なくなったが)。95年4月の79.75円は購買力平価より47%ドル安(90%円高)と極端に円高に振れていたので、そこを計算の妥当な出発点とすることは全く正しくない(購買力平価の定義や基準時は人によってさまざまだが、誰の計算でも結果は大体似たり寄 たりである) ただし 近の80円近辺の円高はかなり厳しいが 95年4月の79 75円は強烈に厳しか たので

35ブーケ・ド・フルーレット

結果は大体似たり寄ったりである)。ただし、 近の80円近辺の円高はかなり厳しいが、95年4月の79.75円は強烈に厳しかったので、「強烈に厳しい」より「かなり厳しい」方が楽だ、という議論は正しい(それでも、日本経済にとって厳しいことに変わりはない)。

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アジアの中で地盤沈下する日本 外国企業に、企業の機

能別にアジア地域でどこに魅力を感じるか、を

2007年度調査、% 日本 中国 インド シンガポール 韓国 香港アジア地域統括拠点 23 18 8 16 4 20

アジア地域で も魅力を感じる国・地域

アンケート調査したところ、2007年度と2009年度のわずか2年の間にも 日本の地盤沈下が

製造拠点 3 62 12 2 5 5研究開発拠点 30 25 16 9 4 6バックオフィス 15 24 15 12 5 15物流拠点 11 41 8 9 7 13金融拠点 も、日本の地盤沈下が

著しい(左表の色つき部分は、第一位に選ばれた国・地域)。

販売拠点

(回答企業は209社、うち欧州78社、北米74社、アジア57社)

特に「アジア地域統括拠点」としては、日本は2007年度調査の第一位から、2009年度調査で

2009年度調査、% 日本 中国 インド シンガポール 韓国 香港アジア地域統括拠点 10 42 10 16 2 13製造拠点 1 64 14 2 2 2研究開発拠点 21 33 20 8 4 2バックオフィス 8 39 19 15 2 9 から、2009年度調査で

はシンガポールにも抜かれインドと同率三位まで転落している。

日本がアジアの中でも

物流拠点 3 63 8 11 2 6金融拠点 10 30 9 21 4 23販売拠点 7 50 7 11 4 13

(回答企業は180社、うち欧州60社、北米60社、アジア60社)

日本がアジアの中でも魅力を失っていけば、日本への投資意欲がそがれ、円安圧力として働い

(経済産業省「欧米アジアの外国企業の対日投資関心度調査」から「通商白書2010」に掲載されたものを引用)

れ、円安圧力 働てしまう。

36ブーケ・ド・フルーレット

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QE1・QE2とは?その効果は?QE3はあるか?

• QE1:2008/11/25発表、2010/3末まで。1兆2500億ドル規模の証券化ローン等の買い取り(QE:Quantitative Easing、量的緩和)。これは量的緩和ではなく信用緩和であるとして、狭義のQE1は2009/3/18発表、 2009/10これは量的緩和ではなく信用緩和であるとして、狭義のQE1は2009/3/18発表、 2009/10末までの、3000億ドルの中長期国債買い入れである、との主張もある。

発表 末ま 億ド 規模 債買 れ• QE2:2010/11/3発表、2011/6末まで。6000億ドル規模の国債買い入れ。

• QE2が開始された2010/11から終了した2011/6までの 全商業銀行の資産(季節調整済• QE2が開始された2010/11から終了した2011/6までの、全商業銀行の資産(季節調整済値)をみると、商工業ローンは556億ドル増加。しかし不動産ローンが減少したため、ローンの総合計額は412億ドル減少。ローンの減少と預金の増加から、現金資産が8881億ドル増加(QE2の国債買い入れ額を超える 投資家が他資産から預金に移したためか)ル増加(QE2の国債買い入れ額を超える、投資家が他資産から預金に移したためか)。

• QE3はないだろう。①現在の米景気が強く、QE3をやるほど悪くないし、②QE2で注ぎ込んだ資金は銀行に溜まっている(この資金が動けば効果は大きいが、そうなるとさらにQE3をやる必要はない)し、③QE3をやると、そのせいで原油価格が上がるとの「いちゃもん」をつけられそうだ。理事の一部に住宅ローン担保債券を買い入れるべきだとの議論もん」をつけられそうだ。理事の 部に住宅ロ ン担保債券を買い入れる きだとの議論も根強いが、その分国債を売って資金吸収する(ツイスト)との案も検討されているようだ。

37ブーケ・ド・フルーレット

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(参考)M2とベースマネーの比率

10

M2÷ベースマネー比率(倍)

9

日本

7

8

6

4

5米国

303/4 04/4 05/4 06/4 07/4 08/4 09/4 10/4 11/4 12/4

(年/月)

38ブーケ・ド・フルーレット

(日本銀行及び米連銀データ等からBdフルーレット作成) (年/月)

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(参考)ソロスチャートとM2比率

160

日米マネー比率と米ドル・円相場

140

120米ドル・円レート

80

100

日M2÷米M2

60

80

4003/4 04/4 05/4 06/4 07/4 08/4 09/4 10/4 11/4 12/4

日ベースマネー÷米ベースマネー(いわゆるソロスチャート)

39ブーケ・ド・フルーレット

(日本銀行及び米連銀データ等からBdフルーレット作成) (年/月)

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今後の日本経済と日本株式今後の日本経済と日本株式

大型優良株の巻き返しが中心か~大型優良株の巻き返しが中心か~

40ブーケ・ド・フルーレット

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景気全般の回復は、徐々に進展

景気全般の状況を示す景気一致CIは、リーマンショックを受けて、2009年2月まで大きく下落し

110

景気動向CIの動き

景気一致CI(データは、2012年5月まで)

(2005年平均=100)

て、2009年2月まで大きく下落し

た。しかしそれ以降は急速に立ち直りを見せ、2011年2月のピーク(94.2)まで回復した。

95

100

105景気 致CI

ところがその直後に東日本大震災にみまわれ、一致指数は大きな下ブレをみせた。その後、震災の影響からは脱却に向かっ

85

90

95

景気先行CI

災の影響からは脱却に向かったものの、円高やタイの水害に足を引っ張られて、さらなる回復に時間がかかった。

75

80

円高には歯止めがかかったようであり、タイの水害による生産の混乱からも脱却した。景気動向指数も昨年のピ クを若干な

7000/1 01/1 02/1 03/1 04/1 05/1 06/1 07/1 08/1 09/1 10/1 11/1 12/1

(内閣府データよりBdフルーレット作成) (年/月)

向指数も昨年のピークを若干ながら上回ってきており、徐々にではあるが、景気の回復基調が期待される。

景気動向指数とは、いくつかの経済指標を合成し、景気の総合的な動きを把握しようとしたもの。景気に先んじて動くと考えられる12個の指標を合成した景気先行指数、景気と一致して動くと考えられる11個の指標を合成した景気一致指数、景気に遅れて動くと考えられる6つの指標を合成した景気遅行指数、の3種類ある。さらに各経済指標の変化の度合いを考慮したCI(C it I d )と増減したかどうかだけから算出されるDI

41ブーケ・ド・フルーレット

化の度合いを考慮したCI(Composite Index)と増減したかどうかだけから算出されるDI(Diffusion Index)の2種類があるため、景気動向指数は全部で3×2=6種類となる。

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消費者心理の改善は緩やか

消費者の心理を測る消費者態度指数は、2008年末

50

55消費者態度指数の動き

まで大きく悪化した後、逆に大きく改善した。しかしその後しばらくは、一進一退

緩 かな 復傾向40

45

50

収入の増え方

の緩やかな回復傾向に止まっていたように見える。

2011年の消費者心理は、年 東 本 震

30

35

2011年3月の東日本大震

災で大きく悪化した。そこから心理はやや明るくはな

るようだが 震災前15

20

25

(データは2012年6月まで)

消費者態度指数

(一般世帯)

雇用環境

っているようだが、震災前と比べると、まだ冷え込んでいると言える。これは、海外景気 の不安や 近

1504/3 04/9 05/3 05/9 06/3 06/9 07/3 07/9 08/3 08/9 09/3 09/9 10/3 10/9 11/3 11/9 12/3

(内閣府データよりBdフルーレット作成) (年/月)

海外景気への不安や 近までの円高も影を落としているだろう。

消費者態度指数は、5033世帯(一般世帯3361世帯、単身世帯1672世帯)を対象としたアンケート調査の結果を集計したもの(回答率は75%程度)。なお、上記のグラフは一般世帯のみを対象としたものである。「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い替え時判断」の4項目について、今後半年間の見通しを5段階

42ブーケ・ド・フルーレット

評価してもらい、その結果から算出している。

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(参考)父ちゃんの立場指数

5

6

父ちゃんの立場指数の動き(3カ月移動平均ベース)

リーマン・

(%)

(データは2012年5月まで)

直近の山②

3

4

5 ショック

(2008/9)直近の山①

(2011/7)

東日本大震災

( / )

直近の山②

(2012/4)

0

1

2(2011/3)

‐2

‐1

0

景気の底は

年 月と

直近の底

(2011/10)

‐4

‐3

08/1 08/7 09/1 09/7 10/1 10/7 11/1 11/7 12/1( 本 貨店協会 り 作成)

2009年3月と

暫定的に設定 リーマンショック後の底

(2009/4)

(年/月)

父ちゃんの立場指数=全国百貨店紳士服売上高(前年比)-同婦人服売上高(前年比)。一般的に(あくまでも一般的に)景気が悪くなると父ちゃんの立場が悪化し、紳士服の売り上げが相対的に大きく減少して、父ちゃんの立場指数が低下する傾向が強い。

(日本百貨店協会よりBdフルーレット作成) (年/月)

43ブーケ・ド・フルーレット

て、父ちゃんの立場指数が低下する傾向が強い。

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(参考)牛豚指数

10 

牛豚指数の動き(%)

直近の山①(データは2012年5月まで)直近の山②

(2012/3)

リーマン・

ショック

(2011/6)

‐5 

ショック

(2008/9)

‐15 

‐10 

景気の底は

2009年3月と

リーマン

ショック後の

底(2009/2)直近の底

東日本大震災

(2011/3)

‐20 08/1 08/7 09/1 09/7 10/1 10/7 11/1 11/7 12/1

(総務省よりBdフルーレット作成) (年/月)

暫定的に設定 (2011/8)

牛豚指数=家計における牛肉購入額(前年比)-同豚肉購入額(前年比)。景気が良くなると、相対的に高価な牛肉の購入が伸び、逆に景気が悪くなると、相対的に安価な豚肉の購入が伸びる傾向がある。

44ブーケ・ド・フルーレット

傾向がある。

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輸出は今後の動向が注目される

日本からの輸出の伸びは、リーマンショック時の海外需要の落ち込みとそ 反動 影響 大きくぶれた後

輸出金額(通関ベース)前年比の動き(%)その反動の影響で大きくぶれた後、徐々に勢いが落ちてきていた。

2011年に入って、前年比がマイナス落ち込んだ( 年年間 は貿

60

80

輸出金額(通関 ス)前年比の動き(%)

に落ち込んだ(2011年年間では貿

易赤字)。これは海外需要要因より、東日本大震災やタイの水害の影響で 日本側の生産 輸出が滞 たた

20

40

総額

対米 で、日本側の生産・輸出が滞ったためである。すなわち、供給側の要因だ。

需要 すなわち海外景気回復

‐20

0対米

対アジア

対EU

需要面、すなわち海外景気回復の速度や円相場の輸出への影響の度合いなどは、これから見極める必要があり 手放しでは楽観しがたい

‐60

‐40

06/1 06/7 07/1 07/7 08/1 08/7 09/1 09/7 10/1 10/7 11/1 11/7 12/1(財務省デ タからBdフル レ ト作成)

(データは2012年5月まで)

(年/月) があり、手放しでは楽観しがたい。

一方、対米輸出の回復が目立ち始めたのは、明るい材料だ(ただし直近の伸びの急伸は 東日本大震災

(財務省データからBdフルーレット作成) (年/月)

近の伸びの急伸は、東日本大震災の反動が大きい)。

45ブーケ・ド・フルーレット

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出遅れが激しい日本株

日本株が下落する時は、米国景気に対する懸念や欧州の財政問題が材料と

日米独株価比較(2008年初=100)欧州の財政問題が材料として取り上げられることが多い。しかしそうした悪材料の「本尊」である米国や

100

110(週平均値、直近のデータは2012年7月13日まで)

米(S&P500)

料の「本尊」である米国や欧州の株価よりも、日本の株価が低迷しているのは不可解である。

80

90

は不可解である。

日本独自の悪材料として、東日本大震災や円高などはあったが 日本の

60

70独(DAX)

などはあったが、日本の株式市場が外国人投資家の売買に左右されているところも大きいように考え40

50日本(TOPIX)

ところも大きいように考えられる。自国市場の波乱を受けて、外国人投資家が、日本株の売却を進め

08/1 08/7 09/1 09/7 10/1 10/7 11/1 11/7 12/1 12/7(Bloomberg よりBdフルーレット作成) (年/月)

、 株たのであろう。

46ブーケ・ド・フルーレット

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(参考)為替換算後の日米独株価

110

日米独株価比較(米ドル換算後)(2008年初=100)

(週平均値 直近のデ タは 年 月 日まで)

100

110(週平均値、直近のデータは2012年7月13日まで)

日本(TOPIX) 米(S&P500)

80

90

60

70

独(DAX)

50

60 独(DAX)

4008/1 08/7 09/1 09/7 10/1 10/7 11/1 11/7 12/1 12/7

(Bloomberg よりBdフルーレット作成) (年/月)

47ブーケ・ド・フルーレット

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日本株もリーマンショック直後並みの売られ過ぎ

株価の割高・割安の評価に用いられる指標と

2.628

TOPIXのPERとPBRの推移(倍) (倍)

予想PER(週末値、左目盛) (データは2012年7月13日まで) 価に用いられる指標として代表的なものは、PERやPBRである。

近年のPERやPBRの2

2.2

2.4

22

24

26 (PERは一部異常値(低い利益

によるもの)を非表示としている)

近年のPERやPBRの推移をみると、企業利益や純資産に対する株価の評価は、リーマン1 4

1.6

1.8

16

18

20

価の評価は、リ マンショック直後(図の丸印)並みに低いことがわかる。1

1.2

1.4

12

14

16

予想PBR(週末値、右目盛)

0.81006/1 06/7 07/1 07/7 08/1 08/7 09/1 09/7 10/1 10/7 11/1 11/7 12/1 12/7

(Bloomberg よりBdフルーレット作成) (年/月)

TOPIXは東証株価指数。東証一部上場の全銘柄から計算される株価指数。PER(株価収益率)=株価÷一株当たり利益=時価総額÷利益合計額。時価総額は発行済み株式数×株価。利益は予想利益で、Bloomberg がアナリストの予想利益を集計したもの。

(株価純資産倍率) 株価 株当た 純資産 時価総額 純資産合計額 純

48ブーケ・ド・フルーレット

PBR(株価純資産倍率)=株価÷一株当たり純資産=時価総額÷純資産合計額。純資産は株主資本に同じ。純資産も予想。

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強者(大企業)を育成してきた韓国の経済政策

韓国は、大企業優先の政策を採ってきた。たとえば法人に対する実効税率は、ソウル市で24 2%と 多くの諸国に比べて低い(さ

国名(地方名) 実効税率(%)日本 40 7

法人所得課税の国際比較

市で24.2%と、多くの諸国に比べて低い(さらに、2012年から22.0%に引き下げ)。

また韓国内では、少数の大企業が競っている 結果として 経済規模全般が日本の

日本 40.7米国(ニューヨーク市) 45.7米国(カリフォルニア州) 40.8米国(ネバダ州) 35.0フランス 33.3

る。結果として、経済規模全般が日本の5分の1であるにもかかわらず、一社当たりの国内市場規模が日本より大きく、過当競争を免れている

フランス 33.3ドイツ(全ドイツの平均) 29.4イギリス 28.0中国 25.0韓国(ソウル市) 24.2

争を免れている。

こうした法人税率の低さと競争の少なさを享受した大企業が力をつけ、海外に展開して外貨を稼ぐという図式だ

シンガポール 17.0

(国税と地方税を合わせたもの、2011年1月現在)(財務省資料よりBdフルーレット作成)

て外貨を稼ぐという図式だ。

しかし政治的には、国内で大企業優遇が批判を受け始めている。このため上記の2012年から 法人税率引き げは 大企業に

乗用車 鉄鋼 携帯電話 電力 石油元売り

1社当たりの国内市場規模(韓国÷日本)

年からの法人税率引き下げは、大企業には適用されないこととなった。このような大企業育成主義の軌道修正は始まっているが 大きな変化はないだろう

乗用車 鉄鋼 携帯電話 電力 石油元売り1.5 1.5 2.2 3.9 1.1

(単位:倍)(経済産業省「産業構造ビジョン」(2010年6月)から

が、大きな変化はないだろう。

49ブーケ・ド・フルーレット

(経済産業省 産業構造 ジ 」( 年 月)Bdフルーレット作成)

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世界のインフラ投資額予想

2005~2030年の世界のインフラ投資額予測

(単位:兆ドル) 水道 電力 鉄道・道路 空港・港湾 計北米 3 62 1 53 0 94 0 43 6 52

2005~2030年の世界のインフラ投資額予測

北米 3.62 1.53 0.94 0.43 6.52欧州 4.82 1.08 3.12 0.43 9.45アジア・オセアニア 9.04 4.23 2.11 0.51 15.89中南米 4 97 1 46 1 01 0 08 7 52中南米 4.97 1.46 1.01 0.08 7.52アフリカ 0.23 0.54 0.31 0.02 1.10中東 0.23 0.18 0.31 0.14 0.86計 22 91 9 02 7 80 1 61 41 34計 22.91 9.02 7.80 1.61 41.34

(Morgan Stanley "Flash Report" (2009年2月)よりBdフルーレット作成)

50ブーケ・ド・フルーレット

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米国のインフラの「成績表」

米国 各種イ を 大学 成績表( 段階と 不可がある)米国の各種インフラを、大学の成績表(GPA、A~Dの4段階と、F:不可がある)になぞらえたもの。

航空:D 橋:Cダム:D 上水道:D-電力:D+ 有害廃棄物処理:D電力:D+ 有害廃棄物処理:D内陸水路:D- 堤防:D-公園・リクリエーション施設:C- 鉄道:C-道路:D- 学校:D固形廃棄物処理:C+ 交通機関:D下水道:D-下水道:D

総合評価:D(今後 年間 必要とされる投資額 兆ド )(今後5年間に必要とされる投資額:2.2兆ドル)

(American Society of Civil Engineers “Report Card for America’s Infrastructure 2009” よりBd

51ブーケ・ド・フルーレット

( y g p りフルーレット作成)

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(参考) 近の原油価格の動き

120

原油市況の動向(米ドル/バレル)

100

110

120

80

90 WTI原油先物価格

60

70

近の傾向線

40

50近の傾向線

(データは日々終値ベースで 直近は2012年7月16日)

3009/1 09/4 09/7 09/10 10/1 10/4 10/7 10/10 11/1 11/4 11/7 11/10 12/1 12/4 12/7

(BloombergよりBdフルーレット作成) (年/月)

(デ タは日々終値ベ スで、直近は2012年7月16日)

52ブーケ・ド・フルーレット

g

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何を削る?府 査 ビ 内閣府調査のサービス

支出DI(支出を増やす予定の世帯の割合-減らす予定の世帯の割

20.0

サービス支出DIの推移(一般世帯、季節調整済)(%)

らす予定の世帯の割合)をみると、レストラン等外食費、および遊園地等娯楽費を削る予定

0.0

10.0

自己啓発

の世帯が急速に増えた(グラフは大きく下がった)。やはり不要不急の消費や代替可能な消費

‐ 20.0

‐ 10.0自己啓発

スポーツ活動費

コンサート等の入場料

遊園地等娯楽費

レストラン等外食費 消費や代替可能な消費(たとえば外食せずに家で食べるなど)は、まず削る対象となりやすい

‐ 40.0

‐ 30.0 レストラン等外食費

家事代行サービス

(データは、2012年7~9月分の支出予定まで)

のだろう。

一方、自己啓発やスポーツ活動など、自分投資に近い支出は底堅

‐ 50.091/9 93/9 95/9 97/9 99/9 01/9 03/9 05/9 07/9 09/9 11/9

(内閣府データよりBdフルーレット作成)(年/月)

投資に近い支出は底堅い。また、家事代行サービスなど、ライフスタイルに組み込まれた支出も

具体的な内容は、自己啓発:カルチャーセンター、英会話、茶道、着付け、料理学校等スポーツ活動費:スポーツ教室・クラブ、テニス、スキー、ゲートボール、ゴルフ等コンサート等の入場料:コンサート、演劇、映画、美術館、博物館等遊園地等娯楽費:遊園地、スポーツ観戦、ゲーム代、カラオケ、パチンコ、競馬等 に組み込まれた支出も

堅調だ。

53ブーケ・ド・フルーレット

遊園地等娯楽費:遊園地、 ポ ツ観戦、ゲ 代、カラオケ、 チン 、競馬等レストラン等外食費:レストラン、和食料理店等での飲食代家事代行サービス:ハウスクリーニング、食材配達、ベビーシッター、ホームヘルパー等

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他のリスクは??

• 足元とは逆に、世界の経済情勢に対する楽観論が広がった時、原油価格などの国際商品市況が上昇する可能性がある。海外に対する悲観が後退し、外貨高・円安が広がることと、国際商品市況の上昇との同時進行には要注意。(なお、既に穀物価格はがることと、国際商品市況の上昇との同時進行には要注意。(なお、既に穀物価格は米国の不作から急上昇しており、これが飼料価格を通じて食肉にも悪影響を及ぼす可能性が高い)。

• 日本では、本年中に解散総選挙の可能性がある。選挙結果が不透明な間は、国内株価の重しとなると見込まれる。一方、政策に沿っての政界再編があれば、「雨降って地

まる と 結果 なる展開も想定される固まる」との結果になる展開も想定される。

• 米国製造業の生産拠点の国内回帰(例:キャタピラー、オーティスなど)が目立ち始め米国製造業の生産拠点の国内回帰(例:キャタピラ 、オ ティスなど)が目立ち始めている。背景は、中国等新興国の労働コストと輸送コストの上昇。一方で、オバマ大統領が一般教書演説で強調した、米国内の製造業支援の方針があり、州政府で企業向けの減税を進めている うがった見方をすれば 外交カードとしての米国の対中圧力けの減税を進めている。うがった見方をすれば、外交カードとしての米国の対中圧力の可能性がある。(一方で、諸外国から、中国のビジネスのやり方に対する反発が強まっている~アフリカでの鉱山事業、ミャンマーでの鉄道事業や、レアアース問題など )ど。)

54ブーケ・ド・フルーレット

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55ブーケ・ド・フルーレット

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