山梨県 - シスコ ワイヤレス lan ソリューション 導入事例 ·...

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山梨県は、災害時における県民の通信手段の確保を図るためシスコ イヤレス LAN ソリューションを採用し、学校を含む避難所等に指定さ れている県有施設に無料公衆無線 LAN 環 境「山 梨 県 無 料 公 衆 無 線 LAN (山梨県 Free Wi-Fi)」を整 備、2017 3 29 日から運用を 開始しました。平時においては観光情報や行政情報等の取得、さらに は文教での活用も視野に入れた、地域活性化を促進する取り組みです。 山梨県では 2012 1 月から、全国初となる産官民協働による「やまなし Free Wi-Fi プロジェ クト」を推進しています。 「やまなし Free Wi-Fi プロジェクト」は、年々増加する外国人観光客、 国内からの観光客が無料利用できる Wi-Fi スポットを整備し、利便性向上によって周遊観光してい ただくことを目的とした、山梨県、やまなし観光推進機構および民間企業の協働事業です。 一方で、防災観点から「災害時等の県民の通信手段の確保」強化の必要性が高まり、遅れていた 公共施設への Wi-Fi 環境の整備について検討が始まりました。2015 年度に調査を行い、2016 年度に総務省の「公衆無線 LAN 環境整備支援事業」を活用し整備事業を推進しました。 山梨県総務部情報政策課 課長補佐 入倉由紀子氏は次のように話します。 「従来のやまなし Free Wi-Fi プロジェクトでは観光目的で観光施設、一般店舗での活用が広がっ ていましたが、一方で公共施設の Wi-Fi 整備が課題でした。さらに県として実行する大義はなに か、という議論になりまして、やはり防災観点での、災害時の県民の通信手段の確保が重要である、 という結論にいたりました。庁内ではワイヤレス LAN については未知数な部分も多く、構内ネッ トワークでお付き合いのあった地場の情報通信ベンダー各社とシスコから情報収集を行いながら、 必要な技術と設備、設置場所、もちろん費用感についても調査と設計を進めていきました。」 シスコ ワイヤレス LAN ソリューション 導入事例 山梨県 山梨県総務部情報政策課 課長補佐 入倉 由紀子 災害時等における県民や観光客の通信手段の確保が課題でした。 今回の整備事業ではその基盤の構築が完了し、今後は観光や教育 機関での文教利用など、平時での活用にも期待しています。 製品 サービス 課題 結果~今後 ・災害時の県民、観光客の情報通信手段の 確保 ・公共機関へのフリー Wi-Fi 整備 ・必要性が高い県有設備に整備が完了 ・電波範囲が広く、つながりやすい 快適なフリー Wi-Fi サービス提供 ・学校での文教利用など応用にも期待 ソリューション ・整備箇所は県内計 43 カ所(帰宅困難者 一時受け入れを行う県庁、市町村の避難所 等に指定されている県有施設(県立高校な ど教育系 24 施設、出先機関など 7 施設)、 博物館など 4 施設、都市公園 7 施設) ・設置現場ではカタログ スペック以上に電波 の届く範囲が広く、シスコ製品の性能の 高さを実感 課題 Cisco Aironet 27001500 シリーズ Cisco Aironet 壁面マウント屋内 / 屋外 アンテナ Cisco 5500 シリーズ ワイヤレス コントローラ Cisco Prime Infrastructure PICisco Mobility Service Engine MSECisco Catalyst 38503560-CX スイッチ 災害時の通信手段確保を目的にフリー Wi-Fi を整備 平時は観光や行政情報の提供に活用

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山梨県は、災害時における県民の通信手段の確保を図るためシスコ ワイヤレス LAN ソリューションを採用し、学校を含む避難所等に指定されている県有施設に無料公衆無線 LAN 環境「山梨県無料公衆無線LAN(山梨県 Free Wi-Fi)」を整備、2017 年 3 月 29 日から運用を開始しました。平時においては観光情報や行政情報等の取得、さらには文教での活用も視野に入れた、地域活性化を促進する取り組みです。

山梨県では 2012 年 1 月から、全国初となる産官民協働による「やまなし Free Wi-Fi プロジェクト」を推進しています。 「やまなし Free Wi-Fi プロジェクト」は、年々増加する外国人観光客、国内からの観光客が無料利用できるWi-Fi スポットを整備し、利便性向上によって周遊観光していただくことを目的とした、山梨県、やまなし観光推進機構および民間企業の協働事業です。一方で、防災観点から「災害時等の県民の通信手段の確保」強化の必要性が高まり、遅れていた公共施設へのWi-Fi 環境の整備について検討が始まりました。2015 年度に調査を行い、2016

年度に総務省の「公衆無線 LAN 環境整備支援事業」を活用し整備事業を推進しました。山梨県総務部情報政策課 課長補佐 入倉由紀子氏は次のように話します。「従来のやまなし Free Wi-Fi プロジェクトでは観光目的で観光施設、一般店舗での活用が広がっていましたが、一方で公共施設のWi-Fi 整備が課題でした。さらに県として実行する大義はなにか、という議論になりまして、やはり防災観点での、災害時の県民の通信手段の確保が重要である、という結論にいたりました。庁内ではワイヤレス LAN については未知数な部分も多く、構内ネットワークでお付き合いのあった地場の情報通信ベンダー各社とシスコから情報収集を行いながら、必要な技術と設備、設置場所、もちろん費用感についても調査と設計を進めていきました。」

シスコ ワイヤレス LAN ソリューション 導入事例

山梨県

─山梨県総務部情報政策課 課長補佐 入倉 由紀子 氏

災害時等における県民や観光客の通信手段の確保が課題でした。今回の整備事業ではその基盤の構築が完了し、今後は観光や教育機関での文教利用など、平時での活用にも期待しています。

製品 & サービス

課題

結果~今後

・災害時の県民、観光客の情報通信手段の確保

・公共機関へのフリー Wi-Fi 整備

・必要性が高い県有設備に整備が完了・電波範囲が広く、つながりやすい快適なフリー Wi-Fi サービス提供

・学校での文教利用など応用にも期待

ソリューション

・整備箇所は県内計 43 カ所(帰宅困難者一時受け入れを行う県庁、市町村の避難所等に指定されている県有施設(県立高校など教育系 24 施設、出先機関など 7 施設)、博物館など 4 施設、都市公園 7 施設)

・設置現場ではカタログ スペック以上に電波の届く範囲が広く、シスコ製品の性能の高さを実感

課題

・Cisco Aironet 2700、1500 シリーズ・Cisco Aironet 壁面マウント屋内 /屋外アンテナ

・Cisco 5500 シリーズ ワイヤレス コントローラ

・Cisco Prime Infrastructure(PI)・Cisco Mobility Service Engine(MSE)・Cisco Catalyst 3850、3560-CX スイッチ

災害時の通信手段確保を目的にフリー Wi-Fi を整備平時は観光や行政情報の提供に活用

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山梨県総務部情報政策課主査

窪川 修 様

山梨県総務部情報政策課主事

水上 貴之 様

山梨県総務部情報政策課主事

柳澤 友弥 様

山梨県総務部情報政策課課長補佐

入倉 由紀子 様

結果~今後

設置現場ではカタログ スペック以上に電波の届く範囲が広く、シスコ製品の性能の高さを実感整備箇所は帰宅困難者の一時受け入れを行う県庁をはじめ、市町村の避難所等に指定されている県有施設(県立高校などの教育系 24 施設、出先機関など 7 施設)、多くの観光客が訪れる博物館など 4 施設、そして小瀬スポーツ公園など都市公園 7 施設の、県内計 43 カ所に上ります。学校関連では体育館、Jリーグ ヴァンフォーレ甲府のホームグラウンドでもある小瀬スポーツ公園などは特に利用者数も多くなるため施設側へのヒアリングやシスコおよび構築ベンダーのアドバイスを受けながら機器の設置位置などを策定しました。構築について、山梨県総務部情報政策課 主事の水上貴之氏は次のように話します。「設置に関しては電波の届く範囲について図面上での想定と、現場での違いには気を使いました。実際に現場で電波状況を測定しながら設置場所を調整したのですが、カタログ スペックでの想定以上に電波の届く範囲が広く、シスコ製品の性能の高さを実感しました。」また、山梨県総務部情報政策課 主査の窪川修氏は防災の基盤としての期待を次のように話します。「ちょうどこの 3 月から防災危機管理課で山梨県総合防災情報システムが立ち上げになりました。今回の仕組みは各避難所の不足物資や人数など、さまざまな状況を把握するための情報発信、収集のためのプラットフォームとしても活用が期待されています。また、適時適切な情報提供の効果を高めるうえでも、今回の整備はタイミング的にもよかったと思います。」

山梨県 Free Wi-Fi スポットの周知についてはステッカーを作成し設備の周囲に貼って告知、県の広報番組にてお知らせも行われました。入倉氏は効果について次のように話します。「事前に庁内で計画した施設については今回すべて整備が完了しました。利用者数は毎月、順調に伸びており、周知も広がっていることを実感しています。また、平時は利用者認証を経て活用、災害時は認証なしですばやく利用できる災害時モードに切り替わる仕組みになっています。幸いその後、大きな災害もなく実働には至っていませんが、9 月 1 日の防災の日に運用テストを行いました。予想以上に時間もかからずスムーズに切り替わり、安心しました。」今後は新たに避難所等に指定される施設への追加はもちろん、県有施設で独自にWi-Fiを強化したいという要望があれば連携したいと考えています。山梨県総務部情報政策課 主事の柳澤友弥氏は今後の展開について次のように話します。「実際に一部の高校から平時に教育現場で活用したい、という声があり、検討しています。学校では平時には一般県民や生徒へのサービス提供は行わない仕組みなのですが、生徒の授業活用ではまた別の SSID を用意しての提供を予定しています。」

その他の詳細情報Cisco ワイヤレス LAN ソリューション の詳細は、www.cisco.com/c/ja_jp/products/wireless/ を参照してください。

ソリューション

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インターネット

●Cisco Prime Infrastructure(PI) 監視ツール ×1

●Cisco Mobility Service Engine(MSE)位置計測サーバ ×1

●ワイヤレス コントローラ Cisco 5500 シリーズ×2

●集約スイッチ Cisco Catalyst 3850 シリーズ×2

●認証サーバ Cisco SNS-3415 シリーズ×2

山梨県無料公衆無線 LAN(山梨県 Free Wi-Fi)

「県情報ハイウェイ」を利用した通信回線

●平時は行政、観光情報などを提供●災害時は災害関連情報を提供*災害時は認証、利用制限などを問わず利用可能

高校等避難所等

24 施設

●Cisco Aironet 2700 シリーズ 屋内無線 LAN アクセス ポイント 60台 ●Cisco Aironet 1500 シリーズ屋外無線 LAN アクセス ポイント 37台 ●Cisco Aironet 壁面マウント屋内 /屋外 アンテナ 248台●Cisco Catalyst 3560-CXスイッチ(PoE) 6 台

県庁帰宅困難者一時受入

出先機関等避難所等

7 施設博物館等4 施設

都市公園7 施設

都市公園小瀬スポーツ公園富士北麓公園

データセンター

災害時の画面

平時の画面

県立高校の体育館と体育館内に設置されたアクセス ポイント

山梨県 Free Wi-Fi周知ステッカー

Free Wi-Fi認証後に表示される画面*災害時は認証・利用制限などを問わず利用可能

屋外に設置されたアクセス ポイント

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©2017 Cisco Systems, Inc. All rights reserved.Cisco、Cisco Systems、および Cisco Systems ロゴは、Cisco Systems, Inc. またはその関連会社の米国およびその他の一定の国における登録商標または商標です。本書類またはウェブサイトに掲載されているその他の商標はそれぞれの権利者の財産です。「パートナー」 または 「partner」 という用語の使用は Cisco と他社との間のパートナーシップ関係を意味するものではありません。(1502R )この資料の記載内容は 2017 年 10 月現在のものです。この資料に記載された仕様は予告なく変更する場合があります。

お問い合せシスコシステムズ合同会社

1423-1710-00A-F

〒 107-6227 東京都港区赤坂 9-7-1 ミッドタウン・タワーhttp://www.cisco.com/jp

山梨県人口 829,884 人世帯数 333,262 世帯(平成 28 年 10 月 1 日現在)面積 4,465.27km2

URL http://www.pref.yamanashi.jp/

東京隣接の位置にありながら、四方を、標高トップ 3 の富士山、北岳、間ノ岳をはじめとする山々に囲まれ、優れた景観に富み、富士箱根伊豆国立公園など 6 つの自然公園が県土の約 3 割を占めるなど、豊かな自然に恵まれている。全国有数の日照時間と四季の気候が、生産量全国一の葡萄、桃、李などの果物や農産物を育み、本県が誇るワインは、甲州ぶどうが、国際葡萄・ワイン機構に品種登録され、「山梨」が産地指定されるなど、名実ともに国内ワイン産業をリードしている。また、山梨リニア実験線で実用化試験中のリニア中央新幹線が2027 年に東京~名古屋で運転開始する方針(山梨~東京 約 25 分)で、大都市との多彩な交流を生みだすことが期待されている。