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「Connected Industries」 実現に向けた経済産業省の取組 ~AI・データ活用のルール整備~ 2018年9月 経済産業省

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「Connected Industries」実現に向けた経済産業省の取組

~AI・データ活用のルール整備~

2018年9月

経済産業省

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Connected Industries重点分野における取組

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CeBITにおける「Connected Industries」の発信

2016年3月に開催されたドイツ情報通信見本市(CeBIT)に、我が国はパートナー国として参加。安倍総理、世耕経済産業大臣他が出席。日本企業も118社出展(過去最大規模)。

安倍総理からは、我が国が目指す産業の在り方としての「Connected Industries」のコンセプトについて、①人と機械・システムが協調する新しいデジタル社会の実現、②協力や協働を通じた課題解決、③デジタル技術の進展に即した人材育成の積極推進を柱とする旨をスピーチ。

また、第四次産業革命に関する日独共同声明「ハノーバー宣言」が、世耕経済産業大臣、高市総務大臣、ツィプリス独経済エネルギー大臣との間で署名・発表。この中で、人、機械、技術が国境を越えてつながる「Connected Industries」を進めていく旨を宣言。

安倍総理のスピーチ 世耕経済産業大臣とツィプリス経済エネルギー大臣との会談

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第1次産業革命動力を取得

(蒸気機関)

第2次産業革命動力が革新

(電力・モーター)

第3次産業革命自動化が進む

(コンピュータ)

第4次産業革命自律的な最適化が可能に大量の情報を基に人工知能が自ら考えて最適な行動をとる

狩猟社会 農耕社会 工業社会 情報社会

Society 5.0

超スマート社会

サイバー空間とフィジカル空間が高度に融合

<社会の変化>

<技術の変化>

<産業の在り方の変化>

Society 5.0につながるConnected Industries

Connected Industries

もの× もの人間× 機械・システム

企業× 企業人間× 人間

(知識や技能の継承)

生産× 消費大企業× 中小企業

地域× 地域現場力× デジタル多様な協働

新たな社会を形成

人間中心課題解決型

個々の産業ごとに発展

・様々なつながりによる新たな付加価値の創出・従来、独立・対立関係にあったものが融合し、変化

→新たなビジネスモデルが誕生

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「Connected Industries」5つの重点取組分野

スマートライフ

自動走行・モビリティサービス

ものづくり・ロボティクス バイオ・素材

プラント・インフラ保安

データ協調の在り方を早急に整理 AI開発・人材育成の強化 物流等も含むモビリティサービスやEV化の将

来像を見据えた取組

協調領域におけるデータ連携の実現 実用化に向けたAI技術プラットフォーム

の構築 社会的受容性の確保

データ形式等の国際標準化 サイバーセキュリティ・人材育成等の

協調領域での企業間連携の強化 中小企業向けのIoTツール等の基盤整

IoTを活用した自主保安技術の向上 企業間のデータ協調に向けたガイドラ

イン等の整備 さらなる規制制度改革の推進

ニーズの掘り起こし、サービスの具体化 企業間アライアンスによるデータ連携 データの利活用に係るルール整備

これらを支える横断的支援策を早急に整備

「Connected Industries」東京イニシアティブ2017の策定、公表(平成29年10月2日)

安倍総理からメルケル首相へのスピーチ

世耕大臣の東京イニシアティブのスピーチ

世耕大臣と大臣懇談会のメンバー

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「Connected Industries」の横断的な政策

リアルデータの共有・利活用

データ活用に向けた基盤整備<研究開発、人材育成、サイバーセキュリティ>

さらなる展開<国際、ベンチャー、地域・中小企業>

データ共有事業者の認定制度の創設、税制等による支援 リアルデータをもつ大手・中堅企業とAIベンチャーとの連携によるAIシステム開発支

援 実証事業を通じたモデル創出・ルール整備 「データ契約ガイドライン」の改訂

革新的なAIチップ開発の促進 ネット× リアルのハイブリッド人材、AI人材等の育成強

化 世界中から優秀な人材を集める枠組みの検討 サイバーセキュリティ対策の強化

欧州、アジア等世界各国との協力強化 国際連携WGを通じたシステム輸出強化 国際標準化人材の質的・量的拡充 日本版ベンチャーエコシステムの実現 専門家育成や派遣による、地域・中小企業への支援

強化

日本の強みであるリアルデータを核に、支援を強化

「Connected Industries」東京イニシアティブ2017の策定、公表(平成29年10月2日)

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Connected Industries 今後のスケジュール

2017年10月の東京イニシアティブ2017発表から、各分科会において今後のアクションについて検討を深化。

その報告の場として、5/21より大臣懇談会を3回に分けて実施。その後、成長戦略等にも分科会の成果をインプットするとともに、CEATECや関連する国際展示会等において取組成果の発信を行う。

2017年3月

2017年10月

2018年10月

国内

国際

3/20-24CeBIT

(ハノーバー)

大臣懇談会・5/29・7/6・8/31

10/3-6CEATEC

<東京イニシアティブ2017発表>

<「ConnectedIndustries」発表>

10/16-19CEATEC

<CEATECを中間ゴールとして対外発信>

4/23-27ハノーバーメッセ(ハノーバー)

6/15成長戦略

4/19-20バイオエコノミー

サミット(ベルリン)

6/11-15CeBiT

(ハノーバー)

5分科会による検討深化

(自動走行、ものづくり・ロボティクス、バイオ・素材、プラント・インフラ保安、スマートライフ)

2018年1月

【日独】

大臣懇談会

5/21:バイオ・素材/プラント・インフラ保安5/28:ものづくり・ロボティクス/自動走行

6/8:スマートライフ

6月

10/10-12Bio Japan

10/19RRI国際シンポジウム

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(参考)ものづくり・ロボティクス分科会① 取組の全体像

・データ利活用の関心が高まる一方、具体的な活用に悩む状況

・先進事例共有やハンズオン支援、見て・触れて・試せる場の重要性等

・ものづくりとITの両方が分かる人材、システム思考が出来る人材等に高いニーズ

・文科省における検討・取組に加え、経産省・産業界の連携による具体的な取組の推進

②人材育成、研究開発

①協調領域の最大化

・データ利活用の最大化に向けたデータ流通の仕組み

→ プラットフォーム間の連携システム

・国際標準化、サイバーセキュリティ

③中小企業支援

【ものづくり・ロボティクス分科会にて議論した論点】

○ものづくり・ロボティクス分科会

RRI(ロボット革命イニシアティブ協議会)を共同事務局とし、CI大臣懇談会メンバーのうち、ものづくり系企業メンバーを中心に議論。

【主な参加企業・団体】

DMG森精機、日本商工会議所、日立製作所、ファナック、三菱重工、三菱電機、RRI、IVI、東京大学

現場の人、それに伴う現場の良質かつ豊富なリアルデータの存在

民間企業が持つデータが流通する仕組みの構築等により現場の良質なリアルデータの価値の最大化

日本の現場の良質なリアルデータの強みを最大化するため、民間企業のプラットフォーム間を横串でつなげ、データ利活用を最大するできる仕組みの構築等を中心に検討。

【我が国ものづくり産業が直面する課題】

【ものづくり分野における我が国の強み】

【目指すべき勝ち筋】

課題1:付加価値の獲得・ 「モノ」の生産という意味での競争力の源泉が相対化、「モノ」から「サービス・ソリューション」への付加価値が移行。

・新たな環境変化に対応した付加価値獲得の必要性

課題2:人材確保・ 深刻化する人手不足の中での現場力の維持・強化、デジタル人材等の人材育成・確保の必要性

データ利活用を通じたスマート製造の推進が鍵!

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①データ利活用の最大化に向けたデータ流通の仕組み

• 工場で発生するデータの共有を推進すべく、エッジ、フォグのレイヤーでの仕組み構築に向けたWGを設置。

• 競争と協調をバランスさせつつ、プラットフォーム間が緩やかに繋がる仕組みの構築を検討。

• 具体的には、データの記述方法を規定する「データプロファイル」に加え、送付するデータの処理条件等を規定する「サービスプロファイル」を定めることにより、配達証明付き郵便局のようなシステムの構築を目指す。

• イメージの共有も含め、具体的事例を想定しながら検討を進めるべくユースケースを策定し、デモ実装を実施。今後、政府の開発・実証予算等も活用しつつ、データ流通システムの開発を目指す予定。

• 独(”Industrial Data Space”)・米(IICも関心)との連携も視野に取り組む。

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(参考)ものづくり・ロボティクス分科会② 検討成果及び今後の方向性

②国際標準化、サイバーセキュリティ

• つながるための共通基盤となる国際標準、サイバーセキュリティについては、日独連携による専門家会合が機能しており(日本側窓口:RRI)、日独連携を軸に取組が進捗。

• 国際標準、セイバーセキュリティともに連携成果を共同文書にとりまとめ、公表。

• 今後、これら連携成果をISO/IEC等でも打ち出し、国際的な議論の牽引を目指す。

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③人材育成、研究開発

• 経産省において、デジタル時代のモノづくりへの対応に向け、90年代のIMS(Intelligent Manufacturing System)プロジェクト以来の本格的な研究開発の国プロの組成を検討中。(2019年度の本格的国プロ化を検討)

• 当該国プロの中で、今日必要な人材育成を、産学官の連携・コミットメントの下、実現を図る等も検討。

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(参考)ものづくり・ロボティクス分科会③ 検討成果及び取組の方向性

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④中小企業支援

「スマートものづくり応援隊」の一層の充実・活用(拠点数増、補助金との連携等)

• カイゼンに加えてIoT・ロボット等の導入指導が行える人材育成を各地域で推進。2018年度に約40拠点を目指す。

• ものづくり補助金(29補正予算)において、これら専門人材活用の人件費を別途費用計上できるよう運用を変更。

支援機関間の連携強化

• 多岐にわたるスマート製造関係者が一堂に集まり、取組を相互に紹介しあう会合を初開催(昨年12/1)。(RRI、スマートものづくり応援隊、地方版IoT推進ラボ、商工会議所、IVI、ITコーディネータ協会等)

• 地域での取組が点から面となるよう、今後連携を一層強化。

先進事例の共有、利用者の視点から情報を再整理

• 日独連携の一環としてRRIにおいて収集したオンライン・ユースケースマップ(210事例を収集)を整理・体系化。IoT活用の目的と高度化レベル等を軸に整理し、一層の見える化を図り、取組促進に役立てる。

• また、ユースケースをユーザーが随時新規登録できる仕組みについても検討を推進。

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(参考)ものづくり・ロボティクス分科会④ 検討成果及び取組の方向性

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④中小企業支援

ツール情報の共有、利用者の視点から情報を再整理

• 中小企業向けIoTツール情報をRRIが公募。2016年106件、2017年124件を使用場面ごとに整理し公表。昨年は個々ツールを繋げての使い方を記載したレシピも公募・公表(28件)。

• さらに、集まったツール情報を精査・分析し、優れたツール約30件について、さらに分かりやすく情報を再整理。

• 動画があるものについてはリンク先を紹介するとともに、動画作成等も促すべく、モデル的な動画作成のガイドを作成。なお、動画に関しては、日商においてもIoT導入活用事例動画を作成。

テストベッド(ショーケース、体験コーナー)

• テストベッド設置の動きとしては、4月に茨城県の公設試が開設、東京都の公設試が今秋に開設予定の他、九州地域においても、経産局が関与しながら、熊本や佐賀、北九州等で検討推進。岐阜県等でも。

• 国では産総研において、人工知能技術とものづくり技術を融合し、社会実装を推進する模擬的な実証環境(模擬工場等を含む)を有するグローバル研究拠点を整備予定。

「FA・ロボットシステムインテグレータ協会」の設立

• FAやロボットの中小企業等への導入促進にはシステムインテグレータ(SIer)の育成・強化が重要。

• このため、SIer業界のネットワークの構築や経営基盤の強化、業界標準の策定、人材確保・育成支援等を行う、SIerにとっての共通的な基盤となる組織の設立を目指し、「FA・ロボットシステムインテグレータ協会」の会員募集を5月より開始し、7月に正式設立を予定。

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AI・データ利活用のためのルール整備

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AI・データの利用に関する契約ガイドライン

旧ガイドラインに寄せられた意見等を踏まえ、データの取引に係る類型・分野毎のユースケースを大幅に拡充するとともに、AIの開発・利用に係る契約モデル等を新たに整備。

データの利用権限に関する契約ガイドライン

ver.1.0(H29.5)

「データ創出型」契約新たにデータを取得するところから行う類型

「データ提供型」契約保有するデータを相手方に提供する類型

「データ共用型」契約プラットフォームを利用したデータの共用を行う類型

旧データ契約ガイドライン

新契約ガイドライン「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」

「AI開発」契約AIの技術特性や開発方式から丁寧に解説

「AI利用」契約

<改訂のポイント>

AI開発・利用に関する契約実務を新たに追加

契約の幅広いオプションやモデル条項を例示

具体的なユースケースを多数盛り込み

(旧GLでは2事例⇒新GLでは10事例)

海外のデータ移転規制(中国サイバー法、欧

州GDPR)など国際取引への対応も記載

追加

拡充

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AI・データ契約ガイドライン検討会・作業部会における検討体制

AI・データ契約ガイドライン検討会

期 間:H29/12~H30/3回 数:全3回実施進め方:①ガイドラインの改訂方針について検討

②作業部会での検討内容を議論③作業部会がまとめたガイドライン(案)

について議論、検討運 営:原則公開事務局:NTTデータ経営研究所

ガイドライン案提出

期 間:H29/12~H30/3 全5回実施進め方:①事業者が持ち込んだ具体的事案を議論

(お悩み相談所式)②議論を踏まえてガイドライン案を作成

運 営:原則非公開ケース数:データ6、AI5取扱い分野:自動車、産業機械、素材、物流等

構成員の弁護士の多数を公募。企業法務、契約、知財等を専門とする新進気鋭の弁護士・弁理士・学者で構成

検討した事案(ユースケース)における論点等はユースケース集としてガイドラインに収載

AI・データ契約ガイドライン検討会作業部会

事業者

検討会

作業部会

●構成員(敬称略)【座長】 渡部俊也(東京大学教授)

●委員(敬称略)【座長】渡部俊也(東京大学教授)【委員】〇佐藤智晶(青山学院大学准教授)

西岡靖之(法政大学教授)〇岡田淳 (弁護士)〇柿沼太一(弁護士)正林真之(弁理士)

〇福岡真之介(弁護士)

●オブザーバー関係省庁、業界団体、NEDO、東京中企投育 等

(〇は作業部会併任)

岡田陽介(ABEJA)○齊藤友紀(Preferred Networks)藤瀬浩史(トヨタ自動車)木村守邦(日本工作機械工業会)林健一郎(JEITA)春山豊 (日本化学工業協会)若目田光生(経団連)

個別案件相談

ケース持ち込み

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【データ班】◎岡田淳 (弁護士)阿久津匡美(弁護士)内田誠 (弁護士)尾城亮輔(弁護士)佐藤智晶(准教授)殿村桂司(弁護士)中崎尚 (弁護士)

【AI班】◎福岡真之介(弁護士)大坪くるみ(弁護士)柿沼太一(弁護士)齊藤友紀(弁護士)波多江崇(弁護士)松下外 (弁護士)渡辺知晴(弁理士)

(◎は主査)

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Copyright© 2018 NTT DATA Corporation14

契約ガイドライン作業部会における検討ユースケース一覧

作業部会では、事業者や業界団体から具体的な相談事例としてデータ関係及びAI関係それぞれについて以下のケース提供を受け、検討を行った。

カテゴリ

回 ユースケース ユースケースの特徴等

国際 契約類型 業態・取引類型 その他特徴等

データ

1 IoTデータ情報連携プラットフォーム PF 業界内PF PF外利用の禁止等

2 業界横断型物流データ連携プラットフォーム PF 日用品メーカー 物流上の課題

3 リース会社におけるリース機器のデータ活用事例 外国人データ

提供・創出・PF

リース 三者間問題、パーソナルデータの取扱い

4 工作機械製造業者におけるデータ活用事例 海外販売

創出・提供

工作機械 パーソナルデータの取扱い

5 自動車分野におけるデータ活用事例 - 提供 輸送機械 パーソナルデータの取扱い

5 ブロックチェーン技術を用いた情報連携 - 提供・PF 金融 分散台帳技術(ブロックチェーン)

AI

1 PoC及び開発段階の学習済モデルの権利帰属に関する事例

海外取引

POC・開発

損保 知的財産処理、オープンクローズ

2 AI開発ベンダーにおける開発システムに対する権利等の事例

- 開発 開発ベンダー 機械学習開発成果におけるノウハウとその利用範囲

3 機器製造事業者が開発するAIの責任等の事例 - 開発 機器製造 学習済モデルに係る責任分担

4 産学連携によるAI開発における権利関係 - POC・開発

工作機械・大学 産学連携、中小企業

4 学習済モデル開発に供したデータの利用権限及びリバース・エンジニアリング対応

- 開発 開発ベンダー 学習データセットの利用権限、蒸留問題 14

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データ編の概要

【データ編の目的】

契約段階ではその価値がはっきりしないことが多いデータの流通や利用を対象とする契約について、契約締結の際の取引費用を削減し、データ契約の普及・データの有効活用を促進することを目的とする。

【4つの基本的視点】

①データ流通・利活用の重要性と課題データは保有するだけでは大きな価値がなく、利用する方法を開発することで価値が創出される。契約に際しては、データの利用権限および発生した利益を、適切に分配することが重要。他方、データの流出や不正利用のリスクへの配慮も必要。

②契約の高度化本ガイドラインは、あくまで契約で定めておくべき事項を示したにとどまる。したがって、契約当事者が協議し、本ガイドラインを参考としつつ、データの創出や利活用に対する寄与度等を考慮し、取引の実状に応じて契約を高度化させていくことが望ましい。

③イノベーションの促進多様な立場に配慮したデータ契約の考え方や契約条項例等を示すことにより、データ利用の促進を図り、オープン・イノベーションを促進する。

④国際協調クロス・ボーダー取引が一般化する状況下、データの越境に関する問題も考慮する。

契約類型を3つに整理し、それぞれ、構造・法的性質、課題、法的論点、適切な取決め方法、モデル契約書案等を整理 15

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データ提供型契約

提供データから派生したデータの利用権限はどう決めたらよいか

データの品質が不十分であった場合誰に責任があるか

データの利用に起因して生じた損害は誰が負担すべき

2

提供データの目的外利用をどう食い止めるか

課 題 ガイドライン

派生データの種類・性質について説明するとともに、その利用権限や知財処理、利益分配の取決め方やポイントを示す。

責任の所在や公平な分担の在り方を説明。損害賠償責任や責任制限等の規定を条項例とともに紹介。

データ品質問題の考え方を整理し、保証責任や免責等の取決め方について例示。

「目的外利用」とは何かについて事例ベースで考え方を整理。目的外利用制限の規定例も紹介。

データ提供型契約とは一方当事者(データ提供者)のみが取引の対象となるデータを保持しているという事実状態において、データ提供者から他方当事者に対して当該データを提供する際に、他方当事者の利用権限その他データ提供条件等を取り決めるための契約

データ提供者

データ受領者

データ提供者

データ受領者

データの譲渡

データの利用許諾

データに関する一切の権限の移転

データの利用権限の付与

データの利用権限

データに関する一切の権限を失う

データの利用権限

データの利用権限

クロスボーダー取引における留意点5

提供データの利活用がノウハウの流出につながるとの懸念がある

諸外国におけるデータ・ローカライゼーション、越境移転規制を整理して示す。

データ流出や不正利用を防止する各種手段について説明、適切な契約上・技術上の措置を採ることでリスクを最小化することの意義を示す。

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データ創出型契約

創出に複数の当事者が関与するが、利用権限の調整ルールが明確ではない

創出がなされる場合でも、その利用方法が必ずしも明らかでない場合が多い

個人情報及びプライバシー権に対する配慮はどうするか

定めるべき利用条件等に基づき、具体的にどのように取り決めたらよいか

課 題 ガイドライン

取引に関連して創出されるデータについて当事者間で定めるべき事項、利用条件(利用目的・範囲、第三者提供の制限、データ内容の保証、コスト負担等)を明らかにしつつ、それらにおける考え方を整理。

個人情報及びプライバシー権の観点から留意すべき点を示すとともに、これらへの配慮を促す。

創出型のユースケースを挙げ、共有のイメージを醸成するとともに、どのような基準で利益を分配するか留意点等を示す。

具体的に契約で定めるべき条項における内容を整理、説明。

「データ創出型」契約とは複数当事者が関与することにより、従前存在しなかったデータが新たに創出される場面において、データの創出に関与した当事者間で、データの利用権限について取り決める契約

工作機械の使用者

工作機械の製造業者

取得

アドバイス・保守

自社製品の開発に活用

稼働データ稼働データ

その他のケース

・ウェアラブル端末から取得したバイタル

データの事例

・施設、車両に設置した環境センサーから取

得した気象データの事例

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データ共用型契約

データ共用のためのプラットフォーム組成はどのように行うか、そもそもPFはどのようなものか

前例が少ないため、利用規約には何を定めればいいか分からない

当事者関係が複雑化するが、信頼されるPFを組成するにはどのような点に留意したらよいか

2

課 題 ガイドライン

PFの構造としていくつかのパターンを示した上で、PF組成の進め方、当事者間の法律関係やデータフロー・利用の仕組みを整理して示す。

以下の観点から、PFの体制整備の在り方を整理。①目的②提供者の数・参加者の範囲③データの種類・範囲④データの利用範囲⑤利用促進の仕組み⑥競争・国際化の視点 等

中立性・信頼性を確保し、適正な利益分配や権利帰属等を実現するための利用規約の在り方を検討。定めるべき事項①利用範囲②提供者の責任③派生データ等成果物の権利・利益分配④監査、苦情・紛争処理⑤PFの義務・責任⑥終了時の対応 等

「データ共用型」契約とはプラットフォームが、データ提供者からデータ提供を受け、集約・保管した上で、当該データをそのまま一次データとして、又は加工・分析を加えた二次データとして、データ利用者に提供して共用・活用する契約

データ提供者

データ利用者

PF

集約保管

加工分析

※提供データの加工・分析結果に基づいて利用サービスを開発、提供することもある。

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『限定提供データ』のイメージ

データ提供事業者

限定提供データ

機械データ

気象データ

部素材等のデータ

ID・パスワード

暗号化

専用回線 差止め

複製・提供が容易→ 被害の拡大が急速

→ 未然の防止、救済が必要

分析・管理 提供収集

ID・パスワードなどの技術的な管理を施して提供されるデータ【限定提供データ】を不正に取得・使用等する行為を、

新たに 『不正競争行為』 とし、これに対する差止請求権等の民事措置を創設する。

複数の企業間で提供・共有されることで、新たな事業の創出につながったり、サービスや製品の付加価値を高めるなど、その利活用が期待されているデータを想定。

不正競争防止法は、事業者間の適正な競争を促進するため『不正競争行為』に対する救済措置として、民事措置(差止請求権等)や刑事措置を定める法律。今回、法律が改正され、 データの不正取得等に対する民事措置が創設。(5月23日成立)

地方自治体等:社会インフラ管理

自動車メーカー:自動走行用

自動走行車ユーザー:地図(アップデート等)

収集・分析・加工

・道路形状計測データ・車線情報データ・構造物情報データ 等

利活用新たな価値の創出

ID/パスワード管理

暗号化

専用回線

【施行日】 公布(平成30年5月30日)から1年6ヵ月以内

三次元高精度

地図データ

差止め

不正アクセス・詐欺アクセス権がない者によるデータの取得・使用・提供

差止め

不正データの使用・提供

不正が介在したことを知って使用・提供

横領・背任同意なく使用・提供

データの不正取得等に対する救済措置の創設 ‐不正競争防止法(平成30年改正)‐

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AIの契約の論点と

契約ガイドラインAI編

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性能保証

検収・瑕疵担保権利・知財 責任

(ガイドライン検討会委員 柿沼弁護士の資料をもとに、経済産業省作成)

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21

(1)通常のシステム開発とAI開発の違い

通常のシステム開発 AI開発

開発手法 演繹型 帰納型

性能保証 可能

訓練データに統計的バイアスが含まれることが避けられないため、未知のデータに対する性能

保証は困難

性能不足の場合の事後検証 可能原因の切り分け(データの品質、ハイパーパラメータ設定、ソースコードのバグ等)が困難

性能テスト 可能① 学習に利用しない独立した

データセットが必要② 未知データでのテストは不

可能

性能保証 権利・知財 責任

Ⅰ 性能保証、検収・瑕疵担保

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(2)開発プロセス及び契約の分割:探索型段階型開発方式

→「開発を進めてみないと、うまくいくかどうかわからない」のが本質→ユーザ・ベンダお互いのリスクヘッジのために徐々に開発を進めていこうという発想

ガイドライン(AI編)より引用

性能保証 権利・知財 責任

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通常のシステム開発 AI開発

契約の法的性質 工程によって異なる(上流工程は準委任型、下流に行くにした

がって請負型)

全工程で準委任型が親和的

完成義務 請負型が適用される工程では完成義務有り

なし(モデル開発契約7条)。ただし成果完成型の準委任契約

も締結可能。

性能保証 請負型が適用される工程では合意可能

なし(モデル開発契約7条)。ただし、一定の既知データを用いた場合の性能であれば保証可

能な場合もある。

瑕疵担保責任 請負型が適用される工程においてはベンダに瑕疵担保責任あり

なし

(3)契約内容の工夫

性能保証 権利・知財 責任

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(1)通常のシステム開発とAI開発の違い

①AI開発には、複数の材料、中間成果物、成果物が存在する②材料、中間成果物、成果物が高い価値を持ち、ユーザ・ベンダ共に独占/再利用したいという需要が存在する

→ユーザ・ベンダの利害の衝突を契約で調整する必要

性能保証 権利・知財 責任

Ⅱ 権利・知財

【通常のシステム開発】 【AIのシステム開発】

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(2)取るべき対策

① 材料・中間成果物・成果物について、何が知的財産権の対象となるのか・ならないのかを知っておく

② ①についてデフォルトルール(=法律上のルール)として誰がどのような権利を持っているかを知っておく

③ 契約条項をどのようにして自社に有利にデザインするかを知っておく(「権利帰属」にこだわらず「利用条件」で「実」をとる)

④ 契約の限界を知っておく

性能保証 権利・知財 責任

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▼契約条項をどのようにして自社に有利にデザインするかを知っておく(「権利帰属」にこだわらず「利用条件」で「実」をとる)

■「どちらが権利を持っているか」(権利の帰属)に双方がこだわっている限り永久に溝は埋まらない。■交渉に多大な労力と時間がかかり結局競争力を失う。

→「権利の帰属」とは別の視点が必要

→本来、データ提供者(ユーザ)とモデル生成者(ベンダ)のビジネス構造は異なるのであって、双方のニーズを同時に満たしうる契約条件は当事者双方が思うよりももっと多いはず。

→対象物の「権利帰属」ではなく「利用条件」で「実」をとる

性能保証 権利・知財 責任

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性能保証 権利・知財 責任

■原則全ての材料、中間成果物、成果物について「権利帰属」と「利用

条件」を契約で定める。

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性能保証 権利・知財 責任

(1)AI開発遂行に際して生じた損害の責任

例:ベンダが、通常の技術レベルを持つAIベンダであればやらないレベルのミスを犯したことにより、学習に通常では考えられない期間を要したため、納期に間に合わなかった。

①当然のことであるが「準委任契約=一切責任を負わない」ということではない→ベンダは「善管注意義務」(民法644条。委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務)を負う。

②「開発遂行に際して生じた責任」についてはAI開発と通常のシステム開発を区別する合理性がない。→モデル開発契約22条1項では、モデル契約2007と同様の規定を設けている。

Ⅲ 責任 ~AI開発で問題となる3種類の責任

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→ベンダが責任を負うケースは少ないのではないかと思われる。→モデル開発契約では原則ベンダの責任を否定する条項にしている。

性能保証 権利・知財 責任

(2)成果物であるAIの利用により生じた損害についての責任例:工場における半製品の異常検知検出AIをベンダが開発してユーザに納品、ユーザが自社の工場において当該AIを利用したところ、AIソフトウェアが異常を見落としてユーザが不良品を顧客に出荷してしまい大きな損害を被った。

① 一切保証しないパターン② 著作権非侵害のみ保証するパターン③ すべての知的財産権の非侵害を保証するパターン

(3)AIの利用により第三者の知的財産権を侵害した場合例:ベンダがユーザに提供した学習済みモデルが第三者の特許を侵害していたためユーザが特許権者から損害賠償請求を受けた

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【まとめ】AI・データの利用に関する契約ガイドライン

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1 性能保証、検収、瑕疵担保(1)AIの特性と限界の相互理解:ガイドラインの活用(2)プロセス・契約を分割する(3)開発契約の内容を工夫する

2 権利・知財(1)材料・中間成果物・成果物について、何が知的財産権の対象となるのか・ならないのかを知っておく(2)(1)についてデフォルトルール(=法律上のルール)として誰がどのような権利を持っているかを知っておく(3)契約条項をどのようにして自社に有利にデザインするかを知っておく(「権利帰属」にこだわらず「利用条件」で「実」をとる)(4)契約の限界を知っておく

3 責任AI開発における「責任」の種類を知り、契約でコントロールする

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任意の画像データ

新たなニーズの例:AIによる深層学習

大量の画像データ

大量の画像データをAIに読み込ませて学習させる(ここでは猫の特徴)

学習前AI 学習済AI

これは猫です

これは猫ではありません

学習したAIは、今まで読み込んだことのない画像データであってもその特徴を理解して識別可能になる

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AIに大量の情報を入力して分析させる学習方法。

著作権法の改正 ~AI利用の新たなニーズへの対応

① 権利者の利益を通常害さない行為類型

② 権利者に及ぶ不利益が軽微な行為類型

ネットワークの機能向上のためのキャッシュ

所在検索サービス

情報解析のための複製等

AI開発(ディープラーニング)

新たなニーズに対応した著作権法改正 ~著作権の権利制限規定を柔軟に

etc…

情報解析サービス

① 権利者の利益を通常害さない行為類型

著作物に表現された思想又は感情の

享受を目的としない利用

電子計算機における著作物の利用に付随する利用等

② 権利者に及ぶ不利益が軽微な行為類型

新たな知見・情報を創出する電子計算機による情報処理の結果提供に付随する軽微利用等

多くの権利制限規定が分散 「柔軟な権利制限規定」で包括的に対応

(平成30年5月改正)

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AIベンチャー育成政策

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ファナックとPreferred Networks等による連携

●製造業向けIoTプラットフォーム「FIELD system」の共同開発。

●ファナックの提供するロボット等にPreferred Networksの人工知能技術を組み合わせ、機械から収集されたデータをリアルタイム処理することで、機械がお互いに柔軟にかつ賢く協調するなど、今までにない高度な製造業を実現。

●協業成功のポイントは、資金提供を得たことで経営の自由度を得たこと、成長を最優先にして関係性を構築できたこと。

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AIシステム共同開発支援事業 連携事例

MUJINとソフトバンクロボティクスによる連携

SyntheticGestaltとキリン等の連携シナモンと昭和電工の連携

グリッドと千代田化工建設の連携

産業用ロボットAIシステムによる全自動物流センターの共同開発。ソフトバンクロボティクスの保有する物流センターにおいて、AIを使い容積効率を向上させた技術の検証・データの収集を行う。今回の開発における自動倉庫におけるピッキングの収納効率の向上により、輸送コストの削減が見込める。

[出所]MUJIN資料

プラント運転における深層学習、深層強化学習を用いた運転状態予測および運転最適化のために必要なAIモデル・システムの開発。2社による共同開発だけでなく、アブダビ国営石油会社のグループ企業である、ADNOC LNGがファーストユーザーとなり、AI開発に必要なデータが提供される。今回のシステム開発により、設備の老朽化・保全費用の増加という問題を解決し、生産性の向上をはかる。効率化により生産量が3%増加した場合、プラント運営者は年間1500億円以上の売り上げ増加が見込める。

[出所]GRID資料

AIを活用した技術文書活用システムの開発。昭和電工が過去数十年間蓄積してきた手書き文字を含む技術文書を、シナモン独自のAI文字認識技術で電子テキスト化及びデータベース化する。データベース化により、30分かかる技術文書の探索時間を10秒に短縮することができ、技術者の生産性向上・技術継承の活性化を図る。

[出所]シナモン資料

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バイオ研究開発を支援するAIシステムの開発及び事業化を行う。バイオプロセスの構築の鍵となる酵素反応を触媒とする新規酵素の作出を、開発したAIシステムの深層学習を使い、識別モデルと生成モデルで遺伝子やたんぱく質の機能予測や配列生成を行う。キリンとはPoCを実施し、妥当性の検証を行った。AIを使ったバーチャルスクリーニングにより、研究開発の効率の向上、約100億円を要する既存の設備投資を不要にする。

[出所]SyntheticGestalt資料

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J-Startup世界で戦い、勝てるスタートアップ企業を生み出し、革新的な技術やビジネスモデルで

世界に新しい価値を提供する。 それが「J-Startup」です。

成功モデルの創出で、日本のベンチャーエコシステムがさらに強くなります。

SelectGo Global

Connect

Select Connect Go Global

約10000社の

スタートアップ

民間のトップ支援者の推薦で

潜在力のある企業を選出

支援コミュニティの形成

政策支援、民間支援とつなげる

日本代表としての

グローバル展開を支援

大企業、VC、

アクセラレーター、

政府機関

約100社

特待生

海外展開

(展示会出展等)

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J-Startup企業

ArchiTek株式会社株式会社ispaceAWAKENS, Inc.株式会社アクセルスペース株式会社アストロスケール株式会社ABEJA株式会社アラヤAlpacaJapan株式会社Idein株式会社Inagora株式会社InstaVR株式会社株式会社インフォステラWHILL株式会社株式会社エイシングエーアイシルク株式会社株式会社エクサウィザーズエディジーン株式会社エルピクセル株式会社エレファンテック株式会社株式会社O: (オー)株式会社お金のデザイン株式会社Origami株式会社オルツ株式会社カウリス株式会社キュア・アップ株式会社QPS研究所株式会社Kyulux

SORABITO株式会社株式会社チャレナジー株式会社tsumugテラモーターズ株式会社テレイグジスタンス株式会社株式会社TrigenceSemiconductorトリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社株式会社ナノエッグ日本環境設計株式会社株式会社PKSHA Technology株式会社バイオーム株式会社パネイル株式会社P・マインドピクシーダストテクノロジーズ株式会社株式会社ビザスクVISITS Technologies 株式会社BizteX 株式会社株式会社ビズリーチ株式会社Finc株式会社Photo electron Soul株式会社Preferred

NetworksFringe81株式会社株式会社FLOSFIAペプチドリーム株式会社

※五十音順で掲載(平成30年6月11日現在)

Kyoto Robotics株式会社クオンタムバイオシステムズ株式会社株式会社クラウドワークスGROOVE X株式会社Global Mobility Service 株式会社株式会社 Cogent Labsココアモーターズ株式会社コネクテックジャパン株式会社CYBERDYNE株式会社株式会社GRA株式会社JTOWER株式会社Studio OusiaSpiber株式会社スペースリンク株式会社株式会社SmartHR株式会社スマートドライブ株式会社すららネットセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社株式会社ZMP

Holoeyes株式会社マイクロ波化学株式会社株式会社マネーフォワードMAMORIO株式会社株式会社MUJIN株式会社メガカリオン株式会社mediVR株式会社メルカリ株式会社メルティンMMI株式会社ユーグレナ株式会社ユーザベースライフイズテック株式会社ラクスル株式会社リーズンホワイ株式会社LeapMind株式会社株式会社Liquidリバーフィールド株式会社株式会社リプロセル株式会社ルートレック・ネットワークスレキオ・パワー・テクノロジー株式会社レグセル株式会社WAmazing株式会社