csr report 2015 - torishimacsr report 2015...

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2015.08.1200 B ホームページ http://www.torishima.co.jp/ 〒569-8660 大阪府高槻市宮田町一丁目1番8号 編集 : 総務部CSR推進課 お問い合わせ先 : TEL(072)695-0551 FAX(072)693-1288 この報告書を印刷する際の 電力(22.5kWh)は、100% グリーン電力(風力)により 賄われています。 CSR Report 2015 私たちトリシマは、低炭素社会を実現するための技術や 取り組みを、日本のみんなが一緒にシェアし、ライフスタ イルまで変えていこうという環境省の活動「Fun to Share」に賛同しています。

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Page 1: CSR Report 2015 - TORISHIMACSR Report 2015 私たちトリシマは、低炭素社会を実現するための技術や 取り組みを、日本のみんなが一緒にシェアし、ライフスタ

2015.08.1200○B

ホームページhttp://www.torishima.co.jp/

〒569-8660 大阪府高槻市宮田町一丁目1番8号編集 : 総務部CSR推進課お問い合わせ先 : TEL(072)695-0551 FAX(072)693-1288

この報告書を印刷する際の電力(22.5kWh)は、100%グリーン電力(風力)により賄われています。

CSR Report

2015

私たちトリシマは、低炭素社会を実現するための技術や取り組みを、日本のみんなが一緒にシェアし、ライフスタイルまで変えていこうという環境省の活動「Fun to Share」に賛同しています。

Page 2: CSR Report 2015 - TORISHIMACSR Report 2015 私たちトリシマは、低炭素社会を実現するための技術や 取り組みを、日本のみんなが一緒にシェアし、ライフスタ

トリポンはトリシマのポンプをイメージした酉島製作所のマスコットキャラクターです。

トリポン

高度な技術力で、省エネ社会の実現に貢献するトップコミットメント社是/企業理念/CSR推進体制Contents

 現在、全国の原子力発電所50基すべてが停止してい

ます。1963年にスタートして以来、実に50年ぶりに原

子力による発電がゼロとなり、およそ2年となります。

電力不足への対策として、全国の火力発電所はフル稼

働。さらに、今後数年間で、全国における40基以上もの大

型火力発電所(出力100メガワット以上)建設計画が浮

上しています。

 火力発電所向けに多くのポンプを供給するトリシマに

とって、大きなビジネスチャンスではありますが、火力

発電所からは大量のCO2が排出され地球温暖化を加速

すると言われており、諸手を挙げて喜ぶことはできません。

こうした中で、0コンマ数%の効率アップが大きな消費

電力量の削減、ひいてはCO2排出量削減につながること

から、トリシマでは、自分たちが「省エネ社会を実現する」

という強い信念をもって、高効率ポンプの開発を進めて

います。

 また、近年増加している太陽光や風力などの再生可能

エネルギーでは、天候や季節により発電量の変動が大き

いことから、火力発電所はそれをカバーするため柔軟な

運転が求められます。さらに、その負荷変動に追従する

ための過酷な運転にも耐えうる信頼性の高いポンプが

求められています。そこでトリシマでは、新たに高信頼

性・高効率性を兼ね備えたボイラ給水ポンプを開発し市

場に投入しました。今後の火力発電所の安定稼働を支え

ていくものと確信しています。

 2015年1月には、トリシマの『ポンプdeエコ』が「省

エネ大賞」を受賞しました。トリシマの大型高圧ポンプ

で培った技術を汎用ポンプにも活かした、小型ハイテク

ポンプ『エコポンプ』。この製品を拡販していくにあたり、

「ポンプで省エネができる」ことをお客様に知ってもらう

ための取り組み『ポンプdeエコ』活動が認められました。

世の中ではポンプで省エネができることはなかなか知ら

れていません。そこで、トリシマでは、お客様の工場や

設備にエコポンプを導入した場合の消費電力量・CO2

排出量のビフォー・アフターを数値化して提案したり、

「ポンプde省エネ講習会」を実施したり、「エコポンプ

ニュース」を発行するなど、地道な活動を続けてきました。

そうした結果、2011年より750以上の事業所において

消費電力量平均15%削減を実現、「工場や設備の省エ

ネ推進の取り組み方として、ひとつの方向性を示した」

と評価され、「省エネ大賞」のなかでも最高位である

「経済産業大臣賞(ビジネスモデル分野)」を頂きました。

これはポンプ業界では初であり、快挙であると自負し

ています。

 トリシマは、今後も、CSR企業として、トリシマの高度な

技術をベースに製品やサービスを通じて、社会にそして

世界に貢献していきます。

2015年7月

株式会社 酉島製作所代表取締役社長

企業の社会的責任を重視した経営への社会的要請を背景に「社会・経済・環境」の3つの価値バランスを大切にしながら、コーポレートガバナンスおよびリスク管理・内部統制、J-SOX法対応など社内体制強化を推進しております。

CSR推進体制

顧客満足の向上と社会貢献低炭素社会への貢献

社会の発展 酉島製作所グループの発展

コンプライアンスの徹底

安全・防災・地球環境の保全のための貢献

人権尊重と職場環境の改善

ステークホルダーとの対話

製品安全と品質保証

環境マネジメント

企業の社会への貢献コーポレートガバナンス体制 ・・・・・17コンプライアンス推進体制 ・・・・・18事業継続計画(BCP) ・・・・・18CSR教育体制 ・・・・・18お客様との関わり ・・・・・19従業員との関わり ・・・・・19地域・社会との関わり ・・・・・21取引先・パートナーとの関わり ・・・・・21

グループ会社のCSRへの取り組み ・・・・・22編集方針 ・・・・・22

社是/企業理念/CSR推進体制 ・・・・・ 1トップコミットメント ・・・・・ 2トリシマの事業と概要 ・・・・・ 3

環境マネジメント推進体制 ・・・・・ 9内部環境監査および外部審査 ・・・・・ 10環境会計 ・・・・・ 10環境自主行動計画・実績 ・・・・・ 11エネルギー使用量および環境負荷の低減に関する状況 ・・・・・ 12CO2排出量削減への取り組み ・・・・・ 13廃棄物削減と再資源化 ・・・・・ 14バリューチェーンにおける環境配慮 ・・・・・ 14特定化学物質取扱量削減への取り組み ・・・・・ 15PCB廃棄物などの無害化処理に向けた取り組み ・・・・・ 15環境リスクの管理・改善 ・・・・・ 16環境コミュニケーション ・・・・・ 16

特集

金銭の赤字は出しても

信用の赤字は出すな

社 是

私たちは、人と自然との関わりを大切に、

ポンプを含む環境共生事業を通して広く社会に貢献します。

企業理念

経済産業大臣賞を受賞・・・・・ 5

が省エネ大賞

01 株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015 02株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015

Page 3: CSR Report 2015 - TORISHIMACSR Report 2015 私たちトリシマは、低炭素社会を実現するための技術や 取り組みを、日本のみんなが一緒にシェアし、ライフスタ

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美しい自然と安らぎのある地球環境を未来へ引き継ぐために

03 株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015 04株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015

アジア・オセアニア アメリカ ヨーロッパ・中東

ポンプを中心とした環境共生事業を展開

グローバルなネットワークで高品質な製品・サービスを提供

シンガポールジャカルタ

メルボルン

バンガロール

天津

台湾香港

ハノイ

グルガオン マサチューセッツミシガン

メキシコシティー

グラスゴー

バース

マドリード

ワルシャワ

リヤド

ドーハドバイアブダビ

北京

ソウル日本

トリシマの事業と概要

高まる電力需要と地球温暖化

トリシマを取り巻く社会情勢

ハイテクポンプ事業ポンプ単体の提供発電、海水淡水化、石油化学プラント向けなど常に高度なニーズに応えられる高付加価値ポンプ

プロジェクト事業ポンプ設備全体のEPC(設計・調達・建設)の提供上・下水道、かんがい、排水設備などのターンキーベースの建設

新エネルギー・環境事業小水力発電システム、風力発電システム、風力発電設備のメンテナンス

サービス事業ポンプおよびポンプ設備等のオペレーション&メンテナンスとソリューションの提供

新興国の経済成長に伴い、電力需要が大幅に増加。特に供給の安定性・経済

性から石炭・天然ガスによる火力発電所建設は継続的に増加すると予測されています。

日本においても火力発電は最大の電力供給源であり、特に東日本大震災以降は、全国の原子力発電所の運転停止による電力不足を補うため、火力発電所がフル稼働している状況です。2013年以降、日本の電源構成のうち、石炭・天然ガスによる火力発電は7割以上を占めています。ただ、火力発電は発電時のCO2排出量が大きいため、地球温暖化への影響が懸念されています。トリシマでは、1951年、当時の火力発電所で使用される最も圧力の高いボイラ給水ポンプを日本で初めて製造して以来、年々、高度化・多様化する発電所用各種ポンプのニーズに応えてきました。発電所で使われる主要なポンプを一社だけで製造できる世界でも数少ないメーカーであり、これまで世界60カ国以上の火力発電所にトリシマのポンプを納めてきました。トリシマでは、CO2排出量を削減し、地球温暖化防止に貢献するために、0コンマ数%の効率を上げることにより大幅に省エネできる高効率高圧ポンプの開発を続けています。今後もCO2削減のために尽力するとともに、世界の電力需要に応えていきます。

深刻化する水不足

 

地球上の水資源のうち、人類が利用できるものは、河川・湖沼などわずか0.01%に限られています。ところが、世界人口

の増加や新興国の工業化により、水需要が増大していく一方、地球温暖化などの気候変動が及ぼす水供給への影響が懸念されており、今後、水不足が深刻化することが予想されます。トリシマは海水から淡水で飲料水を造る海水淡水化分野において40年の実績があります。特に水不足が深刻な中東地域や北アフリカ、オーストラリアなどを中心に、数多くの高効率高圧ポンプを納入しています。また、トリシマのポンプは、日本はもちろん世界の上下水道やかんがい、排水設備でも活躍しています。水を造る上水道や海水淡水化をはじめ、そこで造られた大量の水を街まで運ぶ長距離送水、各家庭に届ける配水、汚れた水をきれいにして緑化などに再利用する下水や排水処理、かんがいまで、水の一生をトータルにサポート。長年の経験と最先端の技術で、水が流れる豊かな暮らしに貢献すると同時に、世

界における水問題の解決にも貢献していきます。

世界の人口と世界の取水量の推移

深深水

の水資源のうち、人類ず

16.5

61.2

579

5,2353,973

80.1

1990 2000 2025

20世紀(億人)

出典)人口: UN.World Population Prospects

(km3)

6,000

3,000

0 0

9,000

60

30

90

(予測)

人口3.7倍

取水量6.7倍

取水量: WORLD WATER RESOURCES AND THEIR USE a joint SHI/UNESCO product

(年度)

水需要の伸び率は人口増加率の2倍

会社概要 トリシマのサービスネットワーク

日本

アジア

中東

その他株式会社 酉島製作所1919年(大正8年)8月1日設立大阪府高槻市宮田町一丁目1番8号TEL. 072-695-0551(代表)15億93百万円465億1百万円(2015年3月期連結)1,516名(連結)/ 807名(単体)(2015年3月31日現在)

会 社 名創 業本 社

資 本 金売 上 高従業員数

大阪、東京、九州(福岡市)、名古屋、札幌、仙台、広島、高松沖縄(那覇市)、佐賀、横浜、和歌山宇部、熊本大阪本社、九州(佐賀県)、インドネシア、中国(天津)

支社・支店

営 業 所出 張 所工 場

49,880

2010 2011

46,453

20120

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000 45,974 45,985

19,104

11,124

11,115

5,156

2013 2014

売上高

(百万円) (百万円)

地域別売上高

0

500

1,000

1,500

2,000

1,5161,4721,5361,406

1,059

従業員数(連結)

(人)

2014年度46,501

46,501

(年度) 2010 2011 2012 2013 2014(年度)

地新興

需要が大

火力発電所で

会情勢湖沼などわ

の増加や新興

地球上の湖沼など

海水淡水化プラントで

種 1990

典)人口: UN.World Populatio出典)人

0

取水量:取水水量: 取水 WORLDWATER RWORLD WATER R a joint SHI/UNES

上下水道・かんがい・排水設備で

本社サービス本部

大阪

UAE(アラブ首長国

連邦)

USA(米国)

インドネシア

UK(英国)

シンガポール

インド

中国

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経済産業大臣賞を受賞

省エネ大賞

「ポンプで省エネができる」ことを浸透、普及させるため、2009年より本格的に活動してきた『ポンプdeエコ』※が、平成26年度省エネ大賞 製品・ビジネスモデル部門において最高位である「経済産業大臣賞(ビジネスモデル分野)」を受賞。ポンプ業界で経済産業大臣賞は初の受賞となります。

「エコポンプ」ウェブサイトを設置

※ 『ポンプdeエコ』は、株式会社酉島製作所の登録商標です。

エコポンプの導入前に省エネ効果が予想でき、導入後も実際の効果を確認できます。

負荷変動ではなく固定速運転で使用している場合、エコポンプでさらに省エネができます。 http://www.torishima.co.jp/jp/ecopump/index.html

ビフォーアフターで省エネ効果を実証!

年間消費電力量

300

250

200

150

100

50既設ポンプ エコポンプ

消費電力量

36.6%ダウン

エコポンプ導入で

年間220万円削減!

年間消費電力量

140

120

100

80

60

40既設ポンプ エコポンプ

CO2排出量

7.3トン削 減

インバータを取り外して消費電力量を大きく削減!

の事例紹介 飲料メーカーでは 素材メーカーでは

を広めるために

ポンプde省エネ講習会の実施

省エネを実現するポンプdeエコ(省エネ提案)の流れ

「エコポンプニュース」の発行実際の導入事例で、省エネの秘訣を紹介しています。

『ポンプdeエコ』を下記ウェブサイトでより詳細に紹介しています。

実機によるデモンストレーションなどでお客様の疑問や懸念を解消します。

これまで

56回発行!(2010年~2015年6月)

受講者

2,000人突破!

(2011年~2014年)

ってなに?……ポンプで省エネを実現すること!

※ 財団法人エネルギー総合工学研究所  平成21年度省エネルギー設備導入促進指導事業(エネルギー消費機器実態等調査事業)報告書より

 工場やオフィスビル、商業施設、ホテル、病院など、現代社会の裏では多くのポンプが休むことなく動いています。ところが、こうしたいわゆる汎用ポンプでは、「水が上がればOK」といった認識が大半で、「省エネ」という観点はほとんどありませんでした。 そこでトリシマは、流体を運ぶ機能を果たしながら『省エネ』を実現するために、徹底的に高効率を追求した「エコポンプ」を開発。ポンプを切り替えるなど、お客様の設備に最適な省エネを図る『ポンプdeエコ』活動で、今や多くのお客様にエコポンプでの省エネの成果を実感いただいています。 そもそもポンプは私たちの生活を支える重要な機械で、稼働台数が多いことからエネルギー消費の割合の多くを占めています。日本の年間消費電力量は約1兆kWhで、そのうち約28%がポンプによる消費電力※と言われています。だからこそ、『ポンプdeエコ』を推進、普及させることは、お客様の電力コストの削減ととともに地球環境の未来に貢献できる重要な役割を担っているのです。

日本の年間消費電力量1兆kWh

ポンプの消費電力量が全体の約28%にも!

ポンプ28%

その他

特 集 ポンプ設備に最適な省エネ手法を提案する

平成26年度 一般財団法人省エネルギーセンター主催

(千kWh)(千kWh)

CO2排出量

99.3トン削 減

消費電力量

17.4%ダウン

ステップ①省エネに対するご要望確認省エネ目標

投資回収年数

工事可能日

予算

ステップ④

※必要に応じて実施現地測定

ステップ③ 省エネのご提案省エネ提案書

取組順の確認

ステップ⑥省エネ成果の報告

ステップ②既設ポンプの調査

ポンプ仕様表ポンプ仕様表ポンプ仕様表

※ 2011年4月~2015年3月に提出した省エネ提案書ベース

ステップ⑤エコポンプ導入による省エネ実施

エコポンプの製作・据付エコポエコポエコポエコポエコポコポコポポンププのののののののののののののののののののののののの製作・据付据付付付付

エコポンプの製作・据付

省エネ提案の実績消費電力量の平均削減率15%※

※ 2011年4月~2015年3月の期間

省エネ提案によるエコポンプ導入事業所746事業所※に納入

インバータを外して さらに省エネ!

05 株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015 06株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015

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07 株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015 08株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015

 中国・インド・アメリカにつぐ第4位の人口大国で、日系

企業の進出が目覚ましいインドネシアは、世界でも有数の

温室効果ガス排出国であり、日本と同様に省エネが必須に

なりつつあります。さらにインドネシア電力庁は2014年に

産業向け電気料金を最大約60%値上げしました。値上げ

対象は上場企業約1万社になり、各企業は早急な省エネ

対策を迫られています。

 ポンプで省エネができることを一人でも多くの方に知っ

ていただくため、第1弾として2014年8月に日系企業の方々

を対象としたポンプdeエコ講習会「ポンプdeエコ2014

ジャカルタ」を開催しました。参加者からは「ポンプで省エ

ネができるという考え自体がなかった」と驚きの声をいた

だくなど、好評でした。

 トリシマインドネシア(P. T. Torishima Guna Indonesia)

では、エコポンプの製造も開始。インドネシアを中心に東南

アジアでもエコポンプの拡販に力を入れていきます。

 ポンプで省エネできることをもっと知ってもらうために、

トリシマでは「ポンプde省エネ講習会」を開催しています。

「ポンプで本当に省エネできるの?」「省エネはインバー

タで終わりじゃないの?」といった疑問に答えており、お

客様からご満足の声を多数いただいています。「百聞は

一見にしかず」と、エコポンプを使ったデモンストレー

ションを実施しており、参加者からは「消費電力の差を数

値で見ることで、エコポンプの性能の高さを実感できた」

「ポンプを目で見たり、触れたり、実体験ができて分かり

やすい」と好評です。

 最初に大阪本社工場で始めた講習会はたいへん人気で、

今では全国へ広がり、エコポンプを搭載したトラックデモ

車まで出動しています。また時には、エコポンプを導入した

お客様の工場でポンプの専門知識と技術を身につけてもら

う講習も行っています。

インドネシアで開催されたポンプdeエコ講習会

ポンプメンテナンスのための工場実習

全国を巡回するトラックデモ車

の取り組み実績

ポンプde省エネ講習会の実施

ポンプdeエコ 2014 ジャカルタ開催

省エネのひみつ

経済産業大臣賞を受賞が省エネ大賞

3次元高効率インペラの採用インペラは、流れに適合したなめらかな曲面形状の3次元高効

率インペラを採用しています。

2次元インペラ(製作性を考慮した単純な形状)

3次元高効率インペラ(流れに適合した滑らかな曲面形状)

仕様の最適化(インペラカット)ポンプの余分な消費動力を抑えるために、お客様の仕様点に対

して最適なインペラ径を選定し、インペラの外径加工(インペラ

カット)を実施しています。

エコポンプ ⇒ セミオーダー品

サイズが決まっている インペラ外径をカット仕様にピッタリ合わない(ムダが多い)

仕様にピッタリ合う(ムダをカット)

汎用ポンプ ⇒ 既製品

250mm ⇒ 200mm 250mm ⇒ 232mm

ケーシング内の流動性アップCFD(コンピュータ流体解析)により、水の流れがよりスムーズ

になる最適な形状を開発しています。

流動性アップ

改善前 改善後

軸封部にメカニカルシールを標準装備メカニカルシールは、通常の汎用ポンプに

使用されるグランドパッキンと比べて、摩擦

が少なく、動力損失が小さくなります。

また、軸封部からの漏洩量が極少で、長寿命

なため、メンテナンス性にも優れています。

に対

ペラ

トップランナーモータを標準装備 国際的にモータの高効率化が進む中、ついに日本でもトップ

ランナーモータとしてモータの高効率化が始まりました。

 トリシマは、2008年12月からいち早くIE3(プレミアム効率)

レベルのモータを標準装備したエコポンプの販売をスタートさ

せており、ポンプだけでなくモータの高効率化による省エネは

多くのお客様に好評いただいています。また、今春よりモータ

単体の販売もスタートし、トッ

プランナーモータの普及率

向上に貢献しています。

モータも

高効率を追求!

Page 6: CSR Report 2015 - TORISHIMACSR Report 2015 私たちトリシマは、低炭素社会を実現するための技術や 取り組みを、日本のみんなが一緒にシェアし、ライフスタ

 最高経営層(社長)の環境に対する方針を具現化するために、環境管理責任者(生産本部長)を委員長とする「環境委員会」で

環境推進計画を立案・審議しています。

 その計画に基づき各部門での具体的な環境活動へと展開され実施しています。活動の結果は、「環境委員会」にて審議され、その

内容を最高経営層(社長)に報告し、マネジメントレビューを受けることで環境推進活動のさらなるレベルアップへつなげています。

環境マネジメント推進体制

 トリシマは環境省の「環境会計ガイドライン(2012年版)」を参考に、事業活動における環境保全のための投資額、費用を算出・

評価しています。

 トリシマは環境マネジメントシステムのISO14001規格

への適合性、運用状況などを確認するために毎年定期的に

「内部環境監査」を実施し、「第三者審査機関による外部審査」

を受審しています。

1. 「内部環境監査」社内基準を満たした主任環境監査員以下34 名の監査員

にて実施しました。結果は良好で、重大な問題はありません

でした。

2. 「 第三者審査機関による外部審査」日本規格協会による環境マネジメントシステム第5-1回

定期維持審査を2015年4月14日、15日に受審しました。

審査の結果、当社の環境マネジメントシステムの登録維持

が決定しました。

 なお、内部環境監査および外部審査の結果は、最高経営層

に報告され、環境マネジメントシステムの見直しを含む継続的

な改善を実施しています。

内部環境監査および外部審査

環境会計

最高経営層〈社長〉

環境マネジメントシステムの維持・管理

各部門環境マネジメントプログラムの実施

対象期間:2014年4月1日~2015年3月31日集計範囲:㈱酉島製作所 本社工場(※ 当社国内関係会社への投資を含む)

環境関連具申案の審議

環境委員会

主任環境監査員

内部環境監査チーム

公害対策・防止の計画・実施

公害管理部会

環境管理責任者

各部門

総務部CSR推進課

経営層

環境実務責任者

株式会社酉島製作所の環境マネジメント推進体制図

内部環境監査(2014年度) 実施状況(本社および本社工場、各支社店・営業所)

環境保全コスト(2014年度)

ISO14001認証取得状況

環境マネジメントシステム第5-1回定期維持審査 実施状況(本社および本社工場、各支社店・営業所)

合 計

当該期間の研究開発費の総額

公害防止設備の導入および維持・管理など省エネルギー設備の導入など再資源化設備の維持・管理、廃棄物処理委託などEMSの維持・管理、環境負荷監視、環境教育など高効率ポンプ、風力発電設備、汚泥減量化システムなど風力発電設備、バイオマス発電設備など

実 施 日:被監査部門:

2014 年11月13日~12月12日本社および本社工場内21部門、各支社店・営業所4 部門および工事現場

実 施 日:被審査部門:

2015年4月14日~15日本社および本社工場内10 部門・各支社店・営業所の1部門および工事現場

環境保全コスト

分類 主な取り組み 設備投資額 費用

(単位:百万円)

(注)カッコ内数値は2013年度

トリシマは環境負荷の低減に寄与する高効率ポンプをはじめとした製品、そして再生可能なエネルギーの基盤となる製品を社会に送り出し、一方では効率的な生産活動体制によりCO2排出量の削減や資源の再利用化に取り組むことで、低炭素社会の実現を推進しています。

環境マネジメント

公害防止地球環境保全資源循環管理活動研究開発新エネ・環境事業への投資※

2(4)0(0)0(0)0(0)0(0)0(0)2(4)

23 (27)20 (19)21 (18)41 (39)109 (85)89(107)303(295)

658(678)

環境マネジメント推進責任者として日々業務に取り組んでいます。

株式会社酉島製作所は、地球環境保全が人類共通の重要課題であると認識し、「人のため、社会のため、そしてこの地球を住み良くするため」に、「美しい自然とやすらぎのある地球環境づくり」をテーマに、ポンプを含む環境共生事業を通して、より豊かで潤いのある生活環境づくりのための循環型環境システムを社会に提供します。また、環境に配慮した生産活動による環境負荷の低い製品を提供することを通じて、地球規模で持続的発展が可能な社会の構築に貢献し、健やかな地球環境を未来に引き継ぐことを目指します。

私たちはこの理念を具現化するため以下の活動を推進します。(1)環境に配慮した高効率ポンプを開発・提供し、省エネルギーに貢献します。

(2)自然エネルギーを利用した風力発電システムおよび小水力発電システムを開発・提供し、CO2の削減に貢献します。

(3)廃棄物の再利用を目指した技術を提供し、資源リサイクルの向上に貢献します。

(4)環境影響評価結果に基づき、環境負荷の低減と汚染の予防を積極的に推進するとともに、環境保全活動の継続的改善を図ります。

(5)環境関連の法規制、条例および同意するその他の要求事項を遵守するとともに社内規程を制定し、これを遵守します。

(6)生産活動において、省資源、省エネルギー、リサイクル、廃棄物の削減および化学物質の適正管理に取り組み、環境への負荷低減を進めます。

活動方針

理 念 株式会社酉島製作所 環境方針

 当社は、「人と自然との関わりを大切に、ポンプを含む環境共生事業を通して広く社会に貢献します。」を企業理念としており、日夜、環境に優しい企業を目指し、環境活動に取り組んでいます。 私はその実現に向け業務を推進していますが、環境推進担当者として、CO2や有害物質の削減に注力するとともに、コンプライアンスの観点から、環境法令の順守や環境教育の実施にも力を入れています。 当社の環境マネジメント担当者として、今後も日々の業務に励んでいきたいと考えています。

総務部CSR推進課長

2011年10月24日株式会社酉島製作所

代表取締役社長

VOICE

株式会社酉島製作所 本社および本社工場(大阪支店を含む)

株式会社トリシマ・グナ・インドネシア

株式会社トリシマ・グナ・エンジニアリング

株式会社九州トリシマ

株式会社酉島製作所 中東支店

株式会社酉島製作所 東京支社、札幌/仙台/名古屋/高松/広島/九州支店、横浜/佐賀/沖縄営業所

取得年月 名称

株式会社酉島製作所 カタールオフィス(TGTプロジェクト部)

酉島ポンプ(天津)有限公司

1999年7月

2004年3月

2004年3月

2005年5月

2012年8月

2013年1月

2013年7月

2012年5月

09 株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015 10株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015

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環境自主行動計画・実績 エネルギーの使用量および環境負荷の低減に関する状況

 2015年度~2017年度の中期環境計画では引き続き、高

効率ポンプなど環境貢献製品の開発・提供によるCO2削減を

進めるとともに、生産活動における環境負荷の低減・汚染の

予防に向け主に以下の取り組みを進めていきます。

酉島製作所 2015年度~2017年度中期環境計画

 トリシマでは事業活動が及ぼす環境への影響を把握し、その影響を常に自覚して製品の開発から、廃棄に至るまでの全ての段階

における環境負荷の低減に努めています。

 2014年度は、工場使用電力量が前年度比約4%増加するなどした結果、CO2排出量は3%の増加となりました。

 廃棄物排出量は、試験場の汚泥などが21トン発生したため、前年度比21トンの増加となりました。

環境マネジメント

酉島製作所2014年度環境目標・実績および2015年度環境目標

2014年度 環境目標 2014年度 実績 2015年度 目標

ポンプ事業

新エネルギー・環境事業

生産活動における省資源、省エネルギー

生産活動における廃棄物の削減・リサイクル

環境関連法規制の遵守

特定化学物質取扱量の削減

環境保全活動および改善活動の推進

1. 省資源・省エネルギー:原単位CO2排出量を2014年度比5%以上削減

2. リサイクル:再資源化率を高め、廃棄物ゼロ化(再資源化率98.5%以上)を目指す。

3. 有害化学物質の削減:塗料使用量の適正化、洗浄溶剤の再生化によるVOC(揮発性有機加合物)排出量の抑制

4. 環境保全活動・環境改善活動:土壌・地下水の浄化対策の強化、臭気対策の強化(発生源対策の実施)

 2014 年度の生産活動における環境負荷の低減に向け、以下

のような取り組みを実施しました。

1. 省エネルギー:ポンプの運転時間の短縮、コンプレッサー

の適正使用などにより、電力使用の効率化を図り、さらに

工場内電灯をLED 型電球に順次交換するなど工場使用

電力の削減に取り組んでいます。

2. 廃棄物排出量の削減・再資源化:鋳物砂や廃棄模型などの

再資源化、修理ポンプの金属部品の分別・リサイクルを進

めことで、97.9%の再資源化率を達成しました。

3. 化学物質使用量の削減:ドライアイスブラスト※1やウェット

ブラスト※2などの洗浄方法の活用や、使用量削減の意識

付けのため各月の組立用洗浄剤の使用状況のフィード

バックにより、溶剤系洗浄剤の使用量を削減しました。

2014年度の生産活動における環境負荷低減への取り組み実施状況

 2015年度~2016年度の重点的な環境保全および改善活

動として、粉塵対策に取り組む予定で、具体的な取り組みは次

の通りです。

1. 大型集塵機能力向上(集塵機能力のアップ)。

2. 解砕場に鋳造粉塵の飛散抑制を目的とした特殊ミストに

よる粉塵防止システムの導入。

3. ガウジング作業場に集塵機を設置する。

2015年度~2016年度の環境保全活動および改善活動の計画

環境貢献製品の提供・開発

環境負荷の低減・汚染の予防

1. 効率改善型ボイラ給水ポンプ(MHG)の提供によるCO2削減量を175,000t-CO2/年とする。

2. エコポンプ(CAポンプ)・高効率モータの提供によるCO2削減量を15,000t-CO2/年とする。

3. 効率改善型大型ポンプの提供によるCO2削減量を140,000t-CO2/年とする。

1. 風力発電施設の提供によるCO2削減量を88,000t-CO2/年とする。

2. 小水力発電施設の提供によるCO2削減量を800t-CO2/年とする。

3. 超音波汚泥減量化装置の提供によるCO2削減量を15.0t-CO2/年とする。

1. 単位生産高当たりのCO2排出量を2011年度比6%以上削減する。

2. CO2排出量を1990年度比20%以上削減する。

1. 単位生産高当たりの廃棄物を2011年度比12%以上削減する。

2. 再資源化率98%以上を目指す。

1. 法令の確認と遵守2. 社内規定の遵守3. 改正省エネ法に基づくエネルギー使用量把握と管理体制の整備

1. 土壌・地下水の浄化作業2. 環境パトロールの実施3. グリーン購入・調達の推進 4. 臭気対策の強化 (発生源対策の実施)

1. 溶剤系洗浄剤の揮発性有機化合物(VOC)の削減:単位生産高当たりのVOC使用量を1.25kg/百万円以下とする。

CO2削減量:1. 効率改善型ボイラ給水ポンプ(MHG)203,000t-CO2/年

2. エコポンプ(CAポンプ)・高効率モータ24,000t-CO2/年

3. 効率改善型大型ポンプ179,000t-CO2/年

CO2削減量:1. 風力発電施設86,000t-CO2/年

2. 小水力発電施設1,520t-CO2/年

1. 原単位CO2排出量:2014年度比で2%以上削減

2. CO2排出量:2014年度比で2%以上削減

1. 原単位廃棄物量:2014年度比で4%以上削減

2. 再資源化率:98.5%以上

1. 法令・社内規定の確認と遵守2. 改正省エネ法に基づくエネルギー使用量把握と管理体制整備

1. 土壌・地下水の浄化作業 2. 環境パトロールの実施 3. グリーン購入・調達の推進4. 臭気対策の強化(発生源対策の実施)

1. 原単位VOC物質使用量:1.45kg/百万円以下

CO2削減量:1. 効率改善型ボイラ給水ポンプ(MHG)184,624t-CO2/年

2. エコポンプ(CAポンプ)・高効率モータ19,222t-CO2/年

3. 効率改善型大型ポンプ163,808t-CO2/年

CO2削減量:1. 風力発電施設86,986t-CO2/年

2. 小水力発電施設1,548t-CO2/年

3. 超音波汚泥減量化装置13t-CO2/年

1. 原単位CO2排出量:2011年度比で5.4%増加

2. CO2排出量:対1990年度比で4%減少

1. 原単位廃棄物量:2011年度比で58.3%増加

2. 再資源化率:97.9%

法的要求事項・社内規定を遵守

1. 揮発性有機化合物(VOC)の回収地下水水質観測井戸追加設置

2. 毎週1回、環境パトロールを実施3. 特定化学物質の使用状況の調査を実施 

4. 鋳造工場インペララインでの臭気ガス吸引フード設置工事を実施済み

1. 原単位VOC使用量:1.73kg/百万円

工業用水

水道水

酉島製作所本社工場(対前年度比)

再資源化物量

CO2排出量

廃棄物排出量

酉島製作所本社工場(対前年度比)

九州トリシマ 九州トリシマ

3,115kL(3%増加)

49,059m3(14%減少)

35,915m3(11%減少)

630m3(34%削減)

72.2kL(10%削減)

0kL(±0)

灯 油

8.8kL(4%削減)

2.5kL(7%削減)

ガソリン・軽油

115,403m3(11%削減)

都市ガス

原油換算燃料使用量

25m3(85%削減)

LPG

64万kWh(12%増加)電 力 1,137万kWh

(4%増加)

インプット アウトプット

源資水

※1 ドライアイスブラスト:細かい粒状のドライアイスを圧縮空気とともに高速で吹き付けて、汚れを落とす洗浄方法。

※2 ウェットブラスト:研磨剤(ジルコニア)と水を用いて、錆などの落としにくい汚れを落とす洗浄方法。

4,496t-CO2(3%増加)

49t(72%増加)

2,313t(10%増加)

359t-CO2(11%増加)

0.14t(±0)

121t(15%増加)

11 株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015 12株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015

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CO2排出量削減への取り組み 廃棄物削減と再資源化

バリューチェーンにおける環境配慮

1. 環境貢献製品(高効率ポンプ、風力・小水力発電施設など)の開発・提供によるCO2削減

2. 生産活動の省エネルギーによるCO2削減

 原子力発電所の稼働停止に伴い火力発電への依存度が

高まり、省エネ推進などさらなるCO2排出抑制対策の取り

組みが求められています。そういった状況のなか、トリシマは、

環境貢献製品である高効率化ポンプおよび風力発電施設を

提供し、2014年度は455,201t-CO2の排出を削減しました。

特に中東や新興国に高効率ポンプであるボイラ給水ポンプを

多く納入しており、CO2削減に努めています。

 一方で「生産量の増加による電気炉の電力使用量の増加」

「ポンプの大容量化に伴い試験時の電力使用量の増加」など

によって事業活動に伴うCO2排出量は前年比、約3%増加と

なりました。

1. 海水淡水化用大型ポンプ・火力発電所向けボイラ給水ポンプの効率改善やエコポンプの提供拡大

2. 電気炉運転方法の見直し・効率化による余熱の有効利用

3. 性能試験動力の使用方法の改善

4. 工場・事務所電灯のLED化

主な取り組み内容

2014年度の取り組み結果

2014年度の取り組み結果

環境マネジメント

2015年度の計画

1. 分別廃棄の徹底

2. 金属くず・鋳造廃砂・使用済み油・梱包廃材の再資源化

3. 廃木型を含めた全ての鋳造廃却模型の100%再資源化

4. 塗装汚泥水を凝集剤による浄化で循環洗浄水として再利用化し、塗装汚泥水の産廃排出量ゼロ化

 廃棄物排出量は、約49トンと2013年度より約75%増加し、

再資源化物量は約2,313トンと前年比で10%の伸びとなった

ことで、再資源化物率は97.9%と前年度の98.7%よりも0.8

ポイントの下降となりました。

 また、2014 年度の原単位(単位生産高あたりの)廃棄物

排出量は3.8トンで、前年度の2.1トンに比べて約81%の増加

となりました。

 産業廃棄物の分別収集基準・有価物などのリサイクル対象

品目の明確化および周知を図り、より一層の分別廃棄の徹底

と再資源化活動を推進します。

 また、さらに以下の取り組みを実施します。

1. 試験場水槽から排出される汚泥の発生量の低減

2. 食堂からの「一食あたりの生ごみ廃棄量」の削減

3. 産業廃棄物の分別廃棄の徹底

主な取り組み内容

 2006年4月に施行された「エネルギーの使用の合理化に

関する法律の一部を改正する法律」では、新たに運輸分野に

おける対策が盛り込まれ、運輸業者だけではなく、一定規模

(3,000万トンキロ以上)の荷主企業(特定荷主)にも省エネ

対策の実行・報告が義務付けられました。

 トリシマは荷主企業として「特定荷主」の規模の輸送量には

達していませんが、輸送量の低減について以下の対策を実施

しています。荷主企業として出荷・調達業者間の輸送量トン

キロ※の低減を環境マネジメントプログラムの目標に掲げ、環境

負荷の低減を推進しています。

2015年度の計画

インドネシアで省エネルギー型「エコポンプ」の生産を開始

TOPICS

 インドネシアの子会社トリシマ・グナ・インドネシアで2015年1月にエコポンプの生産を開始しました。 現地ではエネルギー需要が伸びるなか、電力コストが上昇していることから、今後、省エネに対するニーズが高まることが予測されています。 既に日本での活動と同様、お客様のポンプ設備の省エネ提案を始めており、インドネシアを中心にエネルギー需要が増加する東南アジアで、エコポンプを積極的に提供することでCO2排出削減に貢献していきます。

トリシマ・グナ・インドネシアでエコポンプ製造

TU(トリシマ・ウルトラ)モータでも省エネ さまざまな産業でモータはモノづくりを支える重要な機械ですが、その電力使用量は決して少なくありません。こうした産業用モータのエネルギー消費効率の向上を目的に2015年4月から「トップランナー基準」が導入され、産業用モータは同基準に沿ったIE3(プレミアム効率)相当の効率レベルが求められることになりました。 トリシマでは2009年から同効率を持つ超高効率モータを自社のポンプ製品に累計1万台採用してきました。そして、この超高効率モータをTUモータと名付け、商品化。エコポンプにおいてはTUモータを標準装備し、ポンプとモータ併せて高効率を追及しています。

エコポンプ

TUモータ

エコポンプ

 具体的な取り組みとして「出荷物のトラック積載率を上げ

る」「突発的な輸送を防ぐ」など、地道な日々の改善活動の積み

重ねと考え、全社的な徹底を図っています。

 また、2008年からモーダルシフトの一環として、九州トリシマ

への定期便の一部を鉄道輸送へ変更して、CO2削減に努めて

います。

※ 貨物輸送量:トンキロ=貨物重量「トン」×輸送距離「キロメートル」

13 株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015 14株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015

2014年度の環境貢献製品の提供によるCO2削減量

45万5,201t-CO22014年度の再資源化物量

2,313トン2014年度の再資源化率

97.9%高効率ポンプ提供によるCO2削減量(t-CO2)風力発電設備の提供によるCO2削減量(t-CO2)小水力発電施設(t-CO2)

0

100,000

200,000

300,000

500,000(t-CO2) (kg-CO2/百万円)

(年度)

400,000

0

100

800

200

300

400

500

600

700

CO2排出量、削減量の推移

2010 2011 2012 2013 2014 2015(計画値)

超音波汚泥減量化装置(t-CO2)本社工場CO2排出量(t-CO2)原単位CO2排出量(kg-CO2/百万円)

267,702

85,89885,898

181,226181,226

85,98685,986

300333

386

326

351(339)

331,340

374,354401,603

455,201(493,520)

85,98685,986 85,98685,986 85,98685,986 (86,000)(86,000)

565565 633633 633633 1,1711,171 1,5481,548 (1,520)(1,520)

244,708244,708

287,722287,722314,433314,433

367,654367,654

(406,000)(406,000)

0

15,000,000(kWh)

12,000,000

9,000,000

6,000,000

3,000,000

購入電力使用量の推移

2010 2011 2012 2013 2014

10,479,933 9,625,702

12,144,71310,885,557 11,368,938

(年度)

4,246 3,911 4,895 4,380 4,496 (4,320)1313 1313 1313 1313 1313

再資源化物量(t) リサイクル率(%)

原単位廃棄物量(kg/百万円)

0

60(t) (kg/百万円)

50

40

30

20

10

0

6

5

4

3

2

1

廃棄物量の推移

2010 2011 2012 2013 2014 2015(計画値)

55.7

3.9

96.797.8

28.532.3

28.4

48.7

(35.6)

2.62.4 2.1

3.8

(2.7)

1,000

3,000(t) (%)

2,500

2,000

1,500

80

100

95

90

85

再資源化物量の推移

2010 2011 2012 2013 2014 2015(計画値)

1,652

1,2861,436

2,0982,313 (2,313)

97.8 98.7 97.9 (98.5)

廃棄物量(t)

(年度)

(年度)

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特定化学物質取扱量削減への取り組み 環境リスクの管理・改善

環境コミュニケーション

PCB廃棄物などの無害化処理に向けた取り組み

「土壌汚染の防止」「産業廃棄物の管理」「水質汚染の防止」

「工場美化推進」「省エネ化推進運動」と週ごとにテーマを変

えてパトロールを実施しています。

 また、工場敷地外周辺においても、近隣住民の皆様に迷惑

をかけている要因は無いかということを確認するために環境

パトロールを実施しています。

 本社工場において工場敷地内の1ヵ所で揮発性有機化合

物による土壌・地下水汚染が判明し、2000年6月に浄化対策

に着手しました。なお汚染は敷地内一部に留まり、敷地外へ

の汚染拡散はなく現在も浄化作業と監視を実施しています。

 2012年6月には、既存観測井戸に加え新たに3ヵ所の観測

井戸を追加設置し、定期的に地下水分析を実施するなど汚染

物質の観測・監視体制の強化を図っています。

 トリシマでは、塗料や有機溶剤に含まれている特定化学物

質について取扱量の削減に取り組んでいます。2014年度の

特定化学物質取扱量は、キシレン・エチルベンゼン・トルエンの

合計で22,460kgとなり、前年度比で21%増となりました。なお、

人体に強い有害性を持つ塩化メチレンについては、これを含ま

ない洗浄剤への切り替えを実施し、現在使用していません。

 また、トリシマは、VOC(揮発性有機化合物)排出抑制の観点

からも、2011年10月以降、溶剤再生装置への導入により、塗装

前洗浄作業で使用された後の廃塗料に含まれるシンナーなど

の洗浄溶剤の再生化を実施しており、新規塗料の購入量の削減

に努めています。

 2015年度も以下の取り組みを実施していきます。

1. PRTR(化学物質排出移動量届出制度)対象物質の含有量

が少ない他の溶剤への切り替え、エコ塗料を導入する。

2. 塗装膜厚のばらつきが少なくなるよう、技能レベルの向上

により、塗料使用量の削減を図る。

 2015年度は、購入量に対する使用量の比率を100%±10%

以内にすることを目標とします。

環境マネジメント

 自然災害や事故が発生した場合、環境に及ぼす影響が

大きいことが予想される設備については、その環境への被害

を最小限に抑えるために、定期的な訓練を実施しています。

 2014 年度は、燃料が

トラックから流出したとの

想定のもと、給油パット

で燃料を拭き取り、中和

剤を使用するなどの訓練

を実施しました。

事故・緊急事態対応訓練

環境パトロール

 2014年7月22日~25日に公益社団法人日本下水道協会

が主催する「下水道展2014大阪」が、インテックス大阪で開催

されました。

 下水道関連の企業や団体306社が測量、建設、機械などに

関する製品や技術を展示する中、当社は陸上でも水中でも運転

可能な「耐水モータ一体型ポンプ」の実機やポンプに有害な

渦をポンプ本体で抑制する「渦対策装置」のモデル機などを

展示し、自治体やコンサルティング会社などの業界関係者に

広くアピールしました。

 今後もニーズにお応えする新技術や製品を紹介し、下水道

設備の信頼性や維持管理性の向上に貢献していきます。

下水道展2014大阪に出展

 北九州市上下水道局の下水処理場「日明浄化センター」の

新管理棟(ビジターセンター)が4月末に完成し、完成記念式

典が行われました。「日明浄化センター」は、水ビジネスの

国際戦略拠点として位置づけられ、先端水処理技術の実証

施設「ウォータープラザ」も備えており、水インフラ関連の受注

拡大を目指しています。

 トリシマは1977年以来、合計11台の下水・雨水排水用ポンプ

(CFV)を日明浄化センターに納入しています。ビジターセンター

の展示スペースにはトリシマのCFVカットモデルや、ポンプ

が水の一生を支える様子を表したパネルなども設置され、

今後3年間常設される予定です。

土壌・地下水の浄化

北九州市日明浄化センターに 下水・雨水排水用ポンプ(CFV)を展示

ポンプ塗装の様子

 PCB 含有電気機器を使用停止し、工場内で保管中の「PCB

廃棄物」の保管・管理と、使用中の「微量PCB汚染廃電気機器

等」の取り扱い・運用を2013 年3月に社内規定化し、無害化

処理を実施するまでの管理体制を強化しました。

高濃度PCB廃棄物について高濃度PCBを含有した電気機器は、無害化処理を日本環境

安全事業(JESCO)に委託し、順次廃棄する予定です。

微量PCB汚染廃電気機器等・低濃度PCB廃棄物について現在、使用中の「微量PCB汚染廃電気機器等」は使用停止後

の工場内で適正保管した後、国による「無害化処理認定」を

受けた事業者に処理を委託しています。またPCB 混入の疑い

のある電気機器は、更新時にPCB分析検査を行います。使用

停止後、保管中の「PCB廃棄物」は、「特別管理産業廃棄物」と

して、廃棄物処理法に基づき、適切な保管・管理を行っています。

また、火災地震などの緊急事態に備え、万が一PCB廃棄物が

保管中に破損した場合の環境汚染の防止の対応措置を定め

ています。

エチルベンゼンキシレン

特定化学物質取扱量ジクロロメタン(塩化メチレン)トルエン

スチレン

0

25,000(kg)

20,000

15,000

10,000

5,000

1,060

1,060

1,55023,240

17,740

23,670

2010 2011 2012 2013 2014

1,5301,530

8,500

9,400

2,750

10,200

6,4808,520

13,600

1,64022,460

7,520

13,3001,250

18,450

6,900

10,300

下水道展でのトリシマブース

事故対応訓練の様子

有害物質を含まない洗浄剤への切り替えを進めています。 環境企業を標榜する当社は、地球環境への配慮はもちろんのこと、近隣地域住民の皆様や従業員の健康への配慮も重視しています。そのため、健康への悪影響を未然に防止し、環境負荷を低減するという観点から、化学物質の管理・規制を実施しています。 塗装工程の担当者として、有害物質を含まない洗浄剤への切り替えや、洗浄剤の使用量の削減などの施策を講じています。コスト面や洗浄剤の洗浄力などとの兼ね合いもありますが、有害化学物質の使用削減を心掛けていく所存です。 生産管理部運輸課長

VOICE

 環境保全活動の一環として、環境へ悪影響を及ぼす要因を

未然に取り除くことを目的とし、工場内においては毎週2回、

ポンプのカットモデル(手前)とパネル(奥)

完成記念式典

(年度)

15 株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015 16株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015

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 トリシマは、これまでの監査役会設置会社から、2015年5月

1日施行の改正会社法により新たに導入された「監査等委員

会設置会社」に移行しました。(2015年6月26日第134回定時

株主総会にて承認)

 トリシマは、この度の監査等委員会設置会社への移行に

より、監査等委員である取締役(複数の社外取締役を含む)に

取締役会における議決権を付与することで、取締役会の監督

機能を一層強化し、コーポレートガバナンス体制のさらなる

コーポレートガバナンス体制

 トリシマは、コンプライアンス経営を実践するため、「金銭

の赤字は出しても信用の赤字は出すな」の社是のもと、法令

順守、公平・公正、社会倫理に反する行為の禁止、風紀・秩序

の維持差別の禁止、違反についての是正措置などの基本方

針を定めています。

 また、役員・従業員などがその内容を遵守するため、社内に

おいて周知徹底を図っています。

 さらに、職場での企業倫理などに関する相談窓口および

「コンプライアンス委員会」を当社に設置しています。

コンプライアンス推進体制

 トリシマでは事業継続計画書を作成、災害時に備えた行動

規範を従業員に教育しています。平成26年11月5日には、

大規模災害(地震・火災)防災訓練を高槻市北消防署と合同で

実施しました。大規模災害が発生した際、従業員の安全確保、

BCPの初動体制の検証、地元消防署との連携体制の強化を

目的に、大規模地震が発生したと想定して、本社全部署を対象

に取り組みました。

 今後も訓練内容を改善し、全従業員が災害意識を高め、

災害防止に備える訓練を継続的に取り組んでいきます。

事業継続計画(BCP)

 トリシマは、従業員に対して、CSR教育の一環として、CSR

研修を年に一度実施しています。

CSR教育体制

企業の社会的責任を重視した経営への社会的要請を背景に「社会・経済・環境」の3つの価値バランスを大切にしながら、コーポレートガバナンスおよびリスク管理・内部統制、J-SOX 法対応など社内体制強化を推進しています。

企業の社会への貢献

コーポレートガバナンス体制図

監査等委員会設置会社のガバナンス体制

会社機関

業務執行組織

選任・解任

会計監査

報告

連携

意見陳述(取締役の指名・報酬)

株主総会

監査等委員である取締役

取締役会

代表取締役社長

内部監査室執行役員会議

コンプライアンス委員会 執行役員

各事業部門

管理部門安全衛生委員会

リスク管理委員会

品質委員会

環境委員会

選任・解任

指示

通報・相談 監査・指導

監査・指導

監査・指導

指導・助言

指示指示

付議・報告

報告

報告

通報・相談

事前審議

連携

選任・解任

選定・監督

監督・監査

充実を図ります。

 会計監査人は、監査等委員および内部監査室と連携し、意見

交換・情報の提供を行い、効率的かつ有効な監査を実施して

います。

 内部監査室は、業務部門から独立した公正な立場において、

業務の効率化・有効性・遵法性の観点からも内部監査を実施

しており、当社事業のグローバル化に対応し、海外グループ

会社にも監査を実施しています。

取締役 監査等委員会 会計監査人

1. 当社および子会社から成る当社グループの遵法体制・倫理体制の構築とこれらの状況把握

2. 企業倫理に関する内部監査の結果についての各執行部門への指導・助言

3. 企業倫理に関する教育計画・教育活動についての指導・助言

4. 社内通報に関する対応についての相談窓口への指導・助言

コンプライアンス委員会の任務

1. 独占禁止法・下請法などの経済法

2. 「反社会的勢力」に対する取り組み

3. 内部統制(金融商品取引法・会社法)

4. 安全保障貿易管理

5. インサイダー取引規制

6. 道路交通法・交通安全

CSR研修の主な内容

CSR研修高槻市北消防署との合同防災訓練

グループ会社

17 株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015 18株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015

Page 11: CSR Report 2015 - TORISHIMACSR Report 2015 私たちトリシマは、低炭素社会を実現するための技術や 取り組みを、日本のみんなが一緒にシェアし、ライフスタ

 近年、増加している再生可能エネルギーによる発電は、天候

や季節により発電量が大きく変動します。そのため、コンバイン

ドサイクル発電※設備では、急激な負荷変動に追従し、過酷な

運転にも耐えうる信頼性の高いポンプが求められています。

 そこで、トリシマは、コンバインドサイクル発電所向けに従来

よりも信頼性・効率性をアップしたボイラ給水ポンプを開発

しました。2015年6月にこの運転の様子をお客様の目の前

で披露するデモンストレーションをトリシマ本社工場で行い

ました。総勢50名以上のお客様にお越しいただき、高信頼性・

高効率ボイラ給水ポンプの性能を見ていただくことができた

と同時に、お客様からの貴重なアドバイスなどもいただき、実

りある機会となりました。

お客様との関わり

トリシマ本社の食堂

研修生とトリシマインドの社員

ボイラ給水ポンプデモンストレーション

コンバインドサイクル発電所向けの高信頼性・高効率のボイラ給水ポンプを開発

~外国人の積極採用・育成~ トリシマは外国人社員を積極採用し、人材の多様化を目指

しています。海外からの留学生や、海外での新卒直接採用を

実施し(2011年・2012年・2013年はインドネシアで実施)、

優秀なエンジニアを発掘すべく活動しています。

 来日後は日本語教育、技術教育を自社で行っています。この

ような取り組みは国際感覚をもった社員の育成、また、グロー

バル市場における組織の競争力の強化に繋がっています。

~支援学校生の積極採用・育成~ トリシマでは、2010年度から近隣の支援学校を中心に2週

間の体験実習を受け入れています。受入に際しては、障がい者

の目線で仕事を準備し、一つの仕事を達成する度に彼らに“仕

事の楽しさややりがい”を感じさせることに注力しています。

 2014度までに体験実習を経て、当社に入社した14名は、

食堂、洗濯チーム、PC操作などの事務補助に分かれて活躍し

ています。障がい者を“使う”ではなく“育てる”という目線で、

チームの仲間であることを感じさせる指導をし、彼らの将来

への夢や希望を育む雇用を実現しています。

~社員食堂では、イスラム食にも対応~ トリシマは、諸外国との友好関係の促進、国際貢献のため、

外国人の雇用に力を入れています。現在、当社では約30名の

ムスリム(イスラム教信者)が働いていますが、ムスリムの

従業員が快適な食生活を送れるように、社員食堂では、豚肉

を使用しないムスリム用の食事を提供しています。

 トリシマでは、外国人社員を雇用するにあたって、彼らが

日本の風俗習慣に早く馴染めるようにするため、それぞれの

食習慣などにも配慮し、お互いの国の風俗習慣を尊重して、

物心両面でサポートしています。

人材の多様化に向けて 「百聞は、一見にしかず!!」をテーマに、2008年から始まった

アラブ首長国連邦(UAE)とカタール現地見学研修(略称:

中東弾丸ツアー)は7年目を迎えた今年度、行き先を新たに

インドに変更して実施されました。この研修の趣旨は、「社員

が実際に海外の現地に赴くことで、国境を越えてお客様の

ニーズとシーズを把握し、それらを実現化していくこと」です。

それと同時にステークホルダーの一員である「社員」がトリシマ

のポンプが何十何百とフル稼働している勇壮な姿を見て感動

を味わい、業務に対するモチベーションアップを図るという

人材(財)育成の一環でもあります。2014年度も10名の社

員を“経済発展のめざましいインド”に送り出しました。

 今後も、トリシマが世界規模で貢献していくために、国際

感覚を持った社員の人材(財)育成の試みは続きます。

海外現地見学研修

 トリシマは2010年4月に中央労働災害防止協会よりJISHA

方式OSHMS(労働安全マネジメントシステム)の適格認証を

取得し、安全衛生活動を推進しています。機械設備、作業手

順を対象にリスク評価を行い、リスクの低減を図っています。

 その結果、2014年度は61件(設備、作業の合計件数)の

リスク評価と安全対策を行いました。

 2015年度は「定常作業時のリスク対策の実施」と「若年者

に対する一層の作業教育の実施」に重点を置き、より高い安全

衛生水準を目指し、事故・災害を減少させるべく努力しています。

 管理職を対象とした講習会の実施、電話相談サービスの案

内など心身の健康を維持しながら楽しく仕事ができるよう、

メンタルヘルス対策に努めています。

従業員との関わり

安全衛生に関する取り組み トリシマでは、新入社員が入社後の導入教育を終えた5月

から12月末までの間、“ポンプ技術者として必須な機械工学

の基礎”を身につけさせるために、高専以上の学卒理系を

中心に技術教育(座学+工場実習)に取り組んでいます(技能

系と文系の新入社員に対しては、5月末までの1ヵ月間で座学形

式で別途実施)。また、技術教育の理解度を確認する意味で、新

入社員が1年目に取得すべき資格を掲げ、新入社員個々に資

格取得の目標を持たせています。

 配属は、技能系と文系が6月、理系は、入社翌年の1月になり

ますが、配属後のOJTの間は、新入社員各々のチューターが

「新入社員育成計画書」「新入社員OJT実施状況」を毎月、

約1年間、所属長経由で人材育成部署に提出し、新入社員の

育成状況を皆で見守る体制を構築しています。

 また、新たな試みとして“若手・中堅技術者向け「電気講座」”

を週1回2時間枠で就業時間中に開講しました。この講座は、

「海外プロジェクトで活躍できる若手人材」や「電気も分かる

若手ポンプ屋」を育てていくことを目的としています。初年度

に当たる2014年度は、13名の若手社員が受講しました。

技術レベル向上のための教育研修

メンタルヘルス対策に関する取り組み

※ コンバインドサイクル発電:火力発電の発電方式のうちのひとつで、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせて熱エネルギーを効率よく利用する発電方式。運転・停止が短時間で容易にでき、電力需要の変化に対応した運転ができる。発電効率が良いので環境面からも注目され、積極的に取り組まれている方式。

企業の社会への貢献

研修参加者の感想 「現場を見るのは初めてで、その規模の大きさに圧倒された。近くにあるボイラと比べればとても小さなものなのかもしれないが、“このポンプが発電所の重要な要素の一つであり、ここで発電した電力がインドの人々の生活を支えている”と考えると責任を感じるとともに我々の仕事に誇りを感じることができた」

「遠いインドで自社のポンプが稼働しているのを見て、感動的だったし、とても重要な役割を果たしていることを認識できた」

「トリシマのポンプは発電プラントや生活用設備を通じて、インドだけでなく他の途上国の発展に貢献しうるポテンシャルを持っている。私ももっと力になれるように、業務に取り組んでいく」

VOICE

19 株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015 20株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015

Page 12: CSR Report 2015 - TORISHIMACSR Report 2015 私たちトリシマは、低炭素社会を実現するための技術や 取り組みを、日本のみんなが一緒にシェアし、ライフスタ

 トリシマは、2008年度より「社会・地域・教育現場への貢

献」「社員のスキル・モチベーションの向上」を目的に「ドリカ

ムスクール」に参画し、2014年度で7年目を迎えました。今年

からは「トリポンスクール」に名称を変え、高槻市の樫田小学

校と西大冠小学校の2校で授業を実施しました。各部署から

選出された8名(平均年齢24歳)が「ザ・トリポンスマイルズ」

と銘打ち、7月29日の事前研修を皮切りに、10月の社内リ

ハーサルを経て授業に挑みました。11月上旬に樫田小学校で

1日間、西大冠小学校で3日間で実施した出前授業では、

「チームで協力する力」と「考え抜く力」を身につけることを目

標に「☆世界へ届け!トリポンロケット~水でつなごう、笑顔

の輪~」のミッションの下、水不足で困っている国の人たち

へ、ペットボトルロケットを作って水を届けました。

 参加した若手社員達は、子ども達に“ものづくりの仕事の

楽しさ・やりがい”を伝えるべく毎週のミーティングを重ね、

いつの間にか子ども達と一体となって授業を進めていました。

子ども達にとっては、身近な大人と出会う機会となり、メン

バーにとっては、子ども達に教えることを通じて自社の社会

的意義や仕事への使命感を見つめなおす良い機会となって

います。  

地域・社会との関わり

グループ会社のCSRへの取り組み

この報告書は、「環境報告ガイドライン(2012年度版・環境省発行)」を参考に作成しています。今後も皆様からのご批判・ご意見を取り入れ、より充実した内容にしていきます。

● 報告対象範囲: ● 報 告 分 野 :● 報告対象期間:

原則本社工場、報告対象範囲が異なる場合は個別に記載

環境的側面および社会的側面2014年4月1日~2015年3月31日

奨学生激励会

トリポンスクール

小学校への出張授業

 公益財団法人原田記念財団は、1981年に当時の社長で

あった原田龍平氏が私財を投じて設立しました。「ポンプ産

業に関係の深い水力学・流体機械などの自然科学の学術研

究に従事している個人・団体への研究助成と、次の世代を担

う青少年への奨学助成」を目的としています。

 2015年で創設35年目を迎え、これまで研究助成により多

くの優れた研究成果が発表されてきました。さらに、奨学助

成によって支援した多くの優秀な奨学生が社会の各分野で

活躍しています。

公益財団法人 原田記念財団

編集方針 トリシマは協力会社と発展的な取引が継続できるように

協力会社との公正・公平で透明な取引を踏まえて業者決定を

行うとともに、対等なパートナーシップに基づく協力関係を

確立して、関係法令を遵守しながら建設工事を行っています。

取引先・パートナーとの関わり

公正・公平で透明な取引 月に1回、協力会社と合同で安全衛生活動の向上を目指し

た「安全衛生協議会」や、工事現場での無事故・無災害を目的

とする「安全大会」、「安全衛生責任者講習会」を開催し、相互

の技術力アップを安全衛生への意識向上に努めています。

安全衛生活動での共働

※ 大学院生191 名 大学生38名 高校生692名

 当社は、高効率小型ハイテクポンプであるエコポンプ(CA)の製造・販売お

よびポンプ全般に係わるエンジニアリングとアフターサービスに携わってい

ます。前年に引き続き、従業員一丸となって環境保全活動に取り組んでいま

す。廃棄物の処理においては、分別収集の徹底にて、燃料化・再資源化され

るようになり、再資源化物の量は前年比で8%の増加で、環境に対する従業

員の意識改革にもつながりました。また、工場電灯をエコタイプの電灯に変

更するなど、省エネルギー活動を推進しています。

株式会社九州トリシマ

 当社は、ボイラ給水ポンプとボイラ循環ポンプなどの高効率ハイテクポン

プの製造・販売を目的に、設立されました。2013 年7月には、環境マネジメン

トシステムISO14001の認証を取得しています。今後は、ISO14001の維持・

運用に全力で取り組み、環境推進活動のレベルアップに努めていきます。

酉島ポンプ(天津)有限公司

住所 : 佐賀県武雄市若木町大字川古9857番地13 武雄工業団地内

住所 : 中国天津市武清開發区高新路9号

 当社は、標準ポンプの鋳造・加工・組立から、インドネシアを含むASEAN

地域での販売、エンジニアリングおよびアフターサービスまで携わっていま

す。従業員の環境に対する意識啓発に努め、ごみ分別、節電・節水などを徹

底しています。

株式会社トリシマ・グナ・インドネシア(TGI)/株式会社トリシマ・グナ・エンジニアリング(TGE)/株式会社ゲテカ・ファウンインド

TGI・TGE住所 : Jalan Rawa Summer Timer No1. Pulogadung Industrial Estate    P.O.Box1160, Jakarta Indonesia P.T.Geteka FOUNINDO住所 : JL Pulo Ayang Kav. AA2 Pulogadung Industrial Estate    P.O.Box 1160 JAT, Jakarta 13011 Indonesia

 2015年度も新たなメンバーで「トリポンスクール」を実施

し、さらなる社会貢献を目指します。

企業の社会への貢献

財団発足時からの2014年度までの助成累計 

241件921名※

研究助成

奨学助成

21 株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015 22株式会社 酉島製作所 CSR報告書 2015