水質分析マニュアル - waters corporation · 2019-01-17 · 1....

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[ WATER ANALYSIS 2018 ] 水質分析マニュアル 水質基準の改定について / 固相抽出を用いた前処理 / 水質分析 Q&A 固相抽出編 2018 年改訂版

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[ WATER ANALYSIS 2018 ]

水質分析マニュアル 水質基準の改定について / 固相抽出を用いた前処理 / 水質分析 Q&A

固相抽出編 2018年改訂版

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

① 水質基準の改正について 1. 水質基準等の改正について …………………………………………………………… 1 2. 水質基準等の概要 ……………………………………………………………………… 2 3. 水道水質検査方法の妥当性評価ガイドラインについて……………………………… 15

② 固相抽出を用いた前処理法 1. 固相抽出の概要…………………………………………………………………………… 17 2. 水質分析のための前処理法例

  1,4-ジオキサン ……………………………………………………………………… 26 陰イオン界面活性剤 ………………………………………………………………… 27 ジェオスミン、2-メチルイソボルネオール ……………………………………… 28 非イオン界面活性剤 ………………………………………………………………… 29 フェノール類 ………………………………………………………………………… 3 1 農薬類 ………………………………………………………………………………… 35

③ 水質分析 Q&A …………………………………………………………………………… 45

目 次

1

2

3

1. 水質基準の改正について近年、様々な環境汚染が問題となり人の健康への影響が危惧されています。中でも生活や産業の高度化に伴い 生じる多種多様な化学物質の毒性・人への影響は高い関心を集め、各種の分析、評価が世界的に実施されるように なりました。

こうした状況の中、我々の健康に深く関わる水道水の安全性は非常に重要なものと言えます。多様な有害物質の 水道水への混入が懸念され、各物質に対し、科学的根拠に基づく規制の必要性が高まると共に、それらの現状把握、分析、評価が不可欠となっています。

世界保健機構(WHO)では、飲料水水質ガイドラインに新たな毒性評価手法としてリスクアセスメントの考え方が導入され、ガイドライン値の設定がなされています。この考え方は米国でも広く導入されています。

一方、わが国では、昭和32年に水道法が制定され、水道水質の安全性確保のための基礎となっています。昭和33年には水道法に基づく水質基準に関する省令が制定され、今日まで時代の進歩に合わせて逐次改正されてきました。

特に、平成4年の改正では基準項目を大幅に拡大し、最新の機器分析を取り入れるなど全面的な見直しがなされ ました。

その後、約10年がたち、上記に述べたような種々の社会的、科学的問題提起を鑑み、厚生労働省ではさらなる水道水質管理の充実、強化のため、新しい水質基準等に係る制度の制定・改正を実施しました。新しい「水質基準に関する省令」(厚生労働省第101号)は平成15年5月30日に公布され、一部を除き平成16年4月1日に施行されています。

本マニュアルでは、主にHPLC関連項目に焦点をあて、省令および関連通知等に沿って前処理からHPLC、LC/MS分析までをわかりやすく解説しています。

① 水質基準の改正について

■ 水質分析マニュアル固相抽出編2018年改訂版作成にあたって ■ 

水質基準の逐次改正を受け、平成27年4月に水質分析マニュアル固相抽出編2015年改訂版を作成したところですが、平成30年3月28日にも検水中に含まれる一部測定対象物質の濃度範囲の拡大、一部農薬について目標値の変更および対象農薬リストからその他農薬へ移行、農薬の検査方法別添方法20の2へ113農薬が追加される、など多くの改正が行われ平成30年4月1日から施行されています。

また水道水質検査方法の妥当性評価ガイドラインも平成29年10月18日に改正、検量線の作成および評価方法他が追加され、平成30年4月1日から施行されています。

これら改正の内容を加味し、冊子全体を改訂いたしました。旧版に替えてお手元に置いていただければ幸いです。

なお、本マニュアルに記載されている内容は平成30年4月1日現在のものです。本期日以降の改正内容につきましては重要性に応じて弊社からのEメールニュース等でお知らせいたします。メーリング登録をされていない方はこの機会に下記URLからぜひご登録ください。

登録URL: http://www.waters.com

1

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

2

2. 水質基準等の概要

<水質基準>(厚生労働省令第101号)(表1)  水道法第4条に基づき設定される基準。  全51項目が定められ、検査方法は告示による。

No. 基準項目 基準値 検査方法 併行精度(RSD%)

1 一般細菌 1mLの検水で形成される集落数が100以下であること 標準寒天培地法 -

2 大腸菌 検出されないこと 特定酵素基質培地法 -

3 カドミウム及びその化合物 カドミウムの量に関して、0.003㎎/L以下 フレームレス-原子吸光光度法、ICP法、ICP-MS法 ≦10%

4 水銀及びその化合物 水銀の量に関して、0.0005㎎/L以下 還元気化-原子吸光光度法 ≦10%

5 セレン及びその化合物 セレンの量に関して、0.01㎎/L以下

フレームレス-原子吸光光度法、ICP-MS法、水素化物発生-原子吸光光度法、水素化物発生-ICP法 ≦10%

6 鉛及びその化合物 鉛の量に関して、0.01㎎/L以下 フレームレス-原子吸光光度法、ICP法、ICP-MS法 ≦10%

7 ヒ素及びその化合物 ヒ素の量に関して、0.01㎎/L以下

フレームレス-原子吸光光度法、ICP-MS法、水素化物発生-原子吸光光度法、水素化物発生-ICP法 ≦10%

8 六価クロム化合物 六価クロムの量に関て、0.05㎎/L以下

フレームレス-原子吸光光度法、原子吸光光度法、ICP法、ICP-MS法 ≦10%

9 亜硝酸態窒素 0.04mg/L以下 イオンクロマトグラフ法 ≦10%

10 シアン化物イオン及び塩化シアン

シアンの量に関して、0.01㎎/L以下 イオンクロマトグラフ-ポストカラム吸光光度法 ≦10%

11 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 10㎎/L以下 イオンクロマトグラフ法 ≦10%

12 フッ素及びその化合物 フッ素の量に関して、0.8㎎/L以下 イオンクロマトグラフ法 ≦10%

13 ホウ素及びその化合物 ホウ素の量に関して、1.0㎎/L以下 ICP法、ICP-MS法 ≦10%

14 四塩化炭素 0.002㎎/L以下 PT-GC-MS法、HS-GC-MS法 ≦20%15 1、4-ジオキサン 0.05㎎/L以下 固相抽出-GC-MS法、PT-GC-MS法、HS-GC-MS法 ≦20%

16 シス-1、2-ジクロロエチレン及び-1、2-ジクロロエチレン 0.04㎎/L以下 PT-GC-MS法、HS-GC-MS法 ≦20%

17 ジクロロメタン 0.02㎎/L以下 PT-GC-MS法、HS-GC-MS法 ≦20%18 テトラクロロエチレン 0.01㎎/L以下 PT-GC-MS法、HS-GC-MS法 ≦20%19 トリクロロエチレン 0.01㎎/L以下 PT-GC-MS法、HS-GC-MS法 ≦20%20 ベンゼン 0.01㎎/L以下 PT-GC-MS法、HS-GC-MS法 ≦20%21 塩素酸 0.6㎎/L以下 イオンクロマトグラフ法 ≦20%22 クロロ酢酸 0.02㎎/L以下 溶媒抽出-誘導体化-GC-MS法、LC-MS法 ≦20%23 クロロホルム 0.06㎎/L以下 PT-GC-MS法、HS-GC-MS法 ≦20%24 ジクロロ酢酸 0.03㎎/L以下 溶媒抽出-GC-MS法、LC-MS法 ≦20%25 ジブロモクロロメタン 0.1㎎/L以下 PT-GC-MS法、HS-GC-MS法 ≦20%26 臭素酸 0.01㎎/L以下 イオンクロマトグラフ-ポストカラム吸光光度法 ≦10%

表1 水質基準項目(51項目)

No. 基準項目 基準値 検査方法 併行精度(RSD%)

27 総トリハロメタン 0.1㎎/L以下クロロホルム:滴定法、ジブロモクロロメタン:固相抽出-HPLC法、ブロモジクロロメタン:固相抽出-吸光光度法、ブロモホルム:固相抽出-誘導体化-GC-MS法

-

28 トリクロロ酢酸 0.03㎎/L以下 溶媒抽出-GC-MS法、LC-MS法 ≦20%

29 ブロモジクロロメタン 0.03㎎/L以下 PT-GC-MS法、HS-GC-MS法 ≦20%

30 ブロモホルム 0.09㎎/L以下 PT-GC-MS法、HS-GC-MS法 ≦20%

31 ホルムアルデヒド 0.08㎎/L以下 溶媒抽出-誘導体化-GC-MS法 ≦20%

32 亜鉛及びその化合物 亜鉛の量に関して、1.0㎎/L以下

フレームレス-原子吸光光度法、原子吸光光度法、ICP法、ICP-MS法 ≦10%

33 アルミニウム及びその化合物 アルミニウムの量に関して、0.2㎎/L以下 フレームレス-原子吸光光度法、ICP法、ICP-MS法 ≦10%

34 鉄及びその化合物 鉄の量に関して、0.3㎎/L以下

フレームレス-原子吸光光度法、原子吸光光度法、ICP法、ICP-MS法 ≦10%

35 銅及びその化合物 銅の量に関して、1.0㎎/L以下

フレームレス-原子吸光光度法、原子吸光光度法、ICP法、ICP-MS法 ≦10%

36 ナトリウム及びその化合物 ナトリウムの量に関して、200㎎/L以下

フレームレス-原子吸光光度法、原子吸光光度法、ICP法、イオンクロマトグラフ法、ICP-MS法 ≦10%

37 マンガン及びその化合物 マンガンの量に関して、0.05㎎/L以下

フレームレス-原子吸光光度法、原子吸光光度法、ICP法、ICP-MS法 ≦10%

38 塩化物イオン 200㎎/L以下 イオンクロマトグラフ法、滴定法 ≦10%

39 カルシウム、マグネシウム等(硬度) 300㎎/L以下 原子吸光光度法、ICP法、ICP-MS法、イオンクロ

マトグラフ法、滴定法 ≦10%

40 蒸発残留物 500㎎/L以下 重量法 -

41 陰イオン界面活性剤 0.2㎎/L以下 固相抽出-HPLC法 ≦10%

42 ジェオスミン 0.00001㎎/L以下 PT-GC-MS法、HS-GC-MS法、固相抽出-GC-MS法 ≦20%

43 2-メチルイソボルネオール 0.00001㎎/L以下 PT-GC-MS法、HS-GC-MS法、固相抽出-GC-MS法 ≦20%

44 非イオン界面活性剤 0.02㎎/L以下 固相抽出-吸光光度法 ≦20%

45 フェノール類 フェノールの量に換算して、0.005㎎/L以下 固相抽出-誘導体化-GC-MS法、固相抽出-LC-MS法 ≦20%

46 有機物(全有機炭素(TOC)の量) 3㎎/L以下 全有機炭素計測定法 ≦10%

47 pH値 5.8以上8.6以下 ガラス電極法 -

48 味 異常でないこと 官能法 -

49 臭気 異常でないこと 官能法 -

50 色度 5度以下比色法 -

透過光測定法 ≦10%

連続自働測定機器による透過光測定法 ≦10%

51 濁度 2度以下

比濁法 -

透過光測定法 ≦10%

連続自働測定機器による透過光測定法 ≦10%

積分球式光電光度法 ≦10%

連続自働測定機器による積分球式光電光度法 ≦10%

散乱光測定法  ≦10%

透過散乱法 ≦10%

3

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

4

<水質管理目標設定項目>(健水発第1010001号、1010004号)

種々の観点から水質基準とするべき状況ではないが、将来にわたり水道水の安全性に万全を期する見地から、水道事業者が監視し、検出状況を把握すべきものとして設定。全26項目。通知にて参考分析法を提示。

■■ 目標値が暫定的なものは目標値とともに明記。

■■ 農薬類(表3)については「総農薬方式(P.13参照)」を採用。検出の可能性が高いと考えられる農薬、118項目を リストアップ。

■■ 優先度の高いものとして、農薬類、有機物質等(KMnO4消費量)、ニッケル、亜硝酸性窒素、ジクロロアセトニトリル、 抱水クロラール等をあげ、特に留意すべきものとしている。

No. 管理目標設定項目 目標値 検査方法 併行精度(RSD%)

1 アンチモン及びその化合物 アンチモンの量に関して、0.02mg/L以下

水素化物発生-原子吸光光度法、水素化物発生-ICP法、ICP-MS法 ≦10%

2 ウラン及びその化合物 ウランの量に関して、0.002mg/L以下(暫定) ICP-MS法、固相抽出-ICP法 ≦10%

3 ニッケル及びその化合物 ニッケルの量に関して、0.02mg/L フレームレス-原子吸光光度法、ICP法、ICP-MS法 ≦10%

4 1,2-ジクロロエタン 0.004mg/L以下 PT-GC-MS法、HS-GC-MS法 ≦20%

5 トルエン 0.4mg/L以下 PT-GC-MS法、HS-GC-MS法 ≦20%

6 フタル酸ジ(2-エチルヘキシル) 0.08mg/L以下 溶媒抽出-GC-MS法 ≦20%

7 亜塩素酸 0.6mg/L以下 イオンクロマトグラフ法、イオンクロマトグラフ-ポストカラム吸光光度法 ≦10%

8 二酸化塩素 0.6mg/L以下 イオンクロマトグラフ法、イオンクロマトグラフ-ポストカラム吸光光度法 ≦10%

9 ジクロロアセトニトリル 0.01mg/L以下(暫定) 溶媒抽出-GC-MS法 ≦20%

10 抱水クロラール 0.02mg/L以下(暫定) 溶媒抽出-GC-MS法 ≦20%

11 農薬類(表3参照) 検出値と目標値の比の和として、1以下 農薬ごとに定められた方法による ≦30%

12 残留塩素 1mg/L以下ジエチル-p-フェニレンジアミン法、電流法、吸光光度法、連続自動測定機器による吸光光度法、ポーラログラフ法

≦10%

13 カルシウム、マグネシウム等(硬度) 10mg/L以上100mg/L以下 フレーム-原子吸光光度法、ICP法、イオンクロマト

グラフ法、滴定法 ≦10%

14 マンガン及びその化合物 マンガンの量に関して、0.01mg/L以下 フレームレス-原子吸光光度法、ICP法、ICP-MS法 ≦10%

15 遊離炭酸 20mg/L以下 滴定法 ≦10%

16 1,1,1-トリクロロエタン 0.3mg/L以下 PT-GC-MS法、HS-GC-MS法 ≦20%

17 メチル-t-ブチルエーテル 0.02mg/L以下 PT-GC-MS法、HS-GC-MS法 ≦20%

18 有機物等(過マンガン酸カリウム消費量) 3mg/L以下 滴定法 ≦10%

19 臭気強度(TON) 3以下 官能法 -

20 蒸発残留物 30mg/L以上200mg/L以下 重量法 -

表2 水質管理目標設定項目(26項目)

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No. 管理目標設定項目 目標値 検査方法 併行精度(RSD%)

21 濁度 1度以下

比濁法 -

透過光測定法 ≦10%

連続自働測定機器による透過光測定法 ≦10%

積分球式光電光度法 ≦10%

連続自働測定機器による積分球式光電光度法 ≦10%

散乱光測定法  ≦10%

透過散乱法 ≦10%

22 pH値 7.5程度 ガラス電極法、連続自動測定機器によるガラス電極法 -

23 腐食性(ランゲリア指数) -1程度以上とし、極力0に近づける 計算法 -

24 従属栄養細菌 1mLの検水で形成される集落数が2,000以下(暫定) R2A寒天培地法 -

25 1,1-ジクロロエチレン 0.1mg/L以下 PT-GC-MS法、HS-GC-MS法 ≦20%

26 アルミニウム及びその化合物 アルミニウムの量に関して0.1mg/L以下 フレームレス-原子吸光光度法、ICP法、ICP-MS法 ≦10%

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

6

対象リスト農薬(118農薬)

No. 農薬名 目標値 (mg/L) 検査方法 定量下限値

(mg/L) 変動係数 別添方法

1 1,3-ジクロロプロペン(D-D)注1) 0.05 PT-GC-MS法 HS-GC-MS法

0.0001 0.0001 ≦30% 別添方法7

別添方法8

2 2,2-DPA(ダラポン) 0.08 LCVMS法(N):参考 LC-MS法(N)

0.001* 0.0003 ≦30% 別添方法20:参考

別添方法20の2

3 2,4-D(2,4-PA) 0.02固相抽出-誘導体化-GC-MS法 固相抽出-LC-MS法(N) LC-MS法(N)

0.00001 0.00005 0.0001

≦30%別添方法6 別添方法18 別添方法20の2

4 EPN 注2) 0.004 固相抽出-GC-MS法:参考 LC-MS法(P)

0.00005* 0.00003 ≦30% 別添方法5:参考

別添方法20の2

5 MCPA 0.005 LC-MS法(N) 0.0003 ≦30% 別添方法20の2

6 アシュラム 0.9固相抽出-HPLC法 固相抽出-LC-MS法(P) 固相抽出-LC-MS法(N) LC-MS法(N)

0.001 0.0001 0.0005 0.001

≦30%別添方法9 別添方法18 別添方法18 別添方法20の2

7 アセフェ-ト 0.006 LC-MS法(P):参考 LC-MS法(P)

0.0008* 0.00003 ≦30% 別添方法20:参考

別添方法20の2

8 アトラジン 0.01 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00005 0.0001 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

9 アニロホス:失効農薬 0.003 固相抽出-GC-MS法:参考 LC-MS法(P)

0.00005* 0.00003 ≦30% 別添方法5 :参考

別添方法20の210 アミトラズ 0.006 LC-MS法(P) 0.0003 ≦30% 別添方法20の2

11 アラクロ-ル 0.03 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00002 0.0003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

12 イソキサチオン 注2) 0.005 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00001 0.00003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

13 イソフェンホス:失効農薬 注2) 0.001 固相抽出-GC-MS法:参考 LC-MS法(P)

0.00003* 0.00001 ≦30% 別添方法5 :参考

別添方法20の2

14 イソプロカルブ(MIPC) 0.01 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00005 0.0001 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

15 イソプロチオラン(IPT) 0.3 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00001 0.001 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

16 イプロベンホス(IBP) 0.09 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00005 0.0003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

17 イミノクタジン 0.006

固相抽出-HPLC-ポストカラム法:参考 溶媒抽出-HPLC-ポストカラム法:参考 固相抽出-LC-MS法(P)

0.004* 0.004* 0.00005

≦30%別添方法16:参考 別添方法17:参考 別添方法21

18 インダノファン 0.009 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00006 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

19 エスプロカルブ 0.03 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0001 0.0003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

20 エディフェンホス(エジフェンホス、EDDP):失効農薬 0.006 固相抽出-G-MS法

LC-MS法(P)0.00005 0.00003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

21 エトフェンプロックス 0.08 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00005 0.0003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

22 エトリジアゾ-ル(エクロメゾ-ル):失効農薬 0.004 固相抽出-GC-MS法

LC-MS法(P):参考 0.00001 0.0003* ≦30% 別添方法5

別添方法20の2:参考

表3 農薬類(水質管理目標設定項目15)

水質検査の実施に当たっては、原則として目標値の100分の1まで測定し、更に下表の変動係数で示す値以下となる よう精度を確保すること。なお、一般的測定機器・通常の検査方法を採用した場合の定量下限値の目安を農薬別・ 検査方法別に下表に併せて示す。(平成15年10月10日 健水発第1010001号、最終改正 平成30年3月28日)

7

No. 農薬名 目標値 (mg/L) 検査方法 定量下限値

(mg/L) 変動係数 別添方法

23 エンドスルファン(ベンゾエピン):禁止・失効農薬 注3) 0.01 固相抽出-GC-MS法 0.00005 ≦30% 別添方法5

24 オキサジクロメホン 0.02 LC-MS法(P) 0.0001 ≦30% 別添方法20の2

25 オキシン銅(有機銅) 0.03 固相抽出-LC-MS法(P) LC-MS法(P)

0.00005 0.0004 ≦30% 別添方法18

別添方法20

26 オリサストロビン 0.1 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0006 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

27 カズサホス 0.0006 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.000006 0.000003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

28 カフェンストロ-ル 0.008 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00001 0.00003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

29 カルタップ 注4) 0.3 LC-MS法(P) 0.002(ネライストキシンとして)

≦30% 別添方法20の2

30 カルバリル(NAC) 0.05固相抽出-HPLC法 HPLC-ポストカラム法 固相抽出-LC-MS法(P) 固相抽出-LC-MS法(P)

0.0005 0.0001 0.00002 0.0003

≦30%別添方法10 別添方法14 別添方法18 別添方法20の2

31 カルプロパミド 0.04固相抽出-LC-MS法(P) 固相抽出-LC-MS法(N) LC-MS法(P)

0.00002 0.00005 0.0003

≦30%別添方法18 別添方法18 別添方法20の2

32 カルボフラン 0.005HPLC-ポストカラム法 固相抽出-LC-MS法(P) LC-MS法(P)

0.00005 0.000005 0.00003

≦30%別添方法14 別添方法18 別添方法20の2

33 キノクラミン(ACN) 0.005 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00002 0.00003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

34 キャプタン 0.3 固相抽出-GC-MS法 0.0001 ≦30% 別添方法5

35 クミルロン 0.03 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0002 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

36 グリホサ-ト 注5) 2誘導体化-HPLC法 HPLC-ポストカラム法 誘導体化-固相抽出-LC-MS法(N)

0.0005 0.002 0.0002

≦30%別添方法12 別添方法15 別添方法22

37 グルホシネ-ト 0.02 誘導体化-固相抽出-LC-MS法(N) 0.0002 ≦30% 別添方法22

38 クロメプロップ 0.02 LC-MS法(P) 0.0001 ≦30% 別添方法20の2

39 クロルニトロフェン(CNP):禁止・失効農薬 注6) 0.0001 固相抽出-GC-MS法 0.0001 ≦30% 別添方法5

40 クロルピリホス 注2) 0.003 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00005 0.00003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

41 クロロタロニル(TPN) 0.05 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(N):参考

0.00001 0.003* ≦30%

別添方法5 別添方法20の2:参考

42 シアナジン 0.001 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.000006 0.00001 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

43 シアノホス(CYAP) 0.003 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(N):参考

0.00002 0.0003* ≦30%

別添方法5の2 別添方法20の2:参考

44 ジウロン(DCMU) 0.02固相抽出-LC-MS法(P) 固相抽出-LC-MS法(N) LC-MS法(P)

0.0001 0.0001 0.0001

≦30%別添方法18 別添方法18 別添方法20の2

45 ジクロベニル(DBN) 0.03 固相抽出-GC-MS法 0.00001 ≦30% 別添方法5

46 ジクロルボス(DDVP):失効農薬 0.008 固相抽出-GC-MS法

LC-MS法(P):参考 0.00005 0.0003* ≦30% 別添方法5

別添方法20の2:参考

47 ジクワット 0.005 固相抽出-HPLC法 固相抽出-LC-MS法(P)

0.001 0.00005 ≦30% 別添方法11

別添方法21

48 ジスルホトン(エチルチオメトン) 0.004 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P):参考

0.00004 0.0003* ≦30% 別添方法5

別添方法20の2:参考

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

8

No. 農薬名 目標値 (mg/L) 検査方法 定量下限値

(mg/L) 変動係数 別添方法

49 ジチオカルバメート系農薬 注7) 0.005 (二硫化炭素として)

塩酸分解-HS-GC-MS法 0.00005 (二硫化炭素として)

≦30% 別添方法24

50 ジチオピル 0.009 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00001 0.00003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の251 シハロホップブチル 0.006 固相抽出-GC-MS法 0.00006 ≦30% 別添方法5の2

52 シマジン(CAT) 0.003 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00001 0.00003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

53 ジメタメトリン 0.02 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00001 0.0001 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

54 ジメトエート 0.05 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00005 0.0003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

55 シメトリン 0.03 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00002 0.0003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

56 ダイアジノン 注2) 0.003 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00002 0.00003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

57 ダイムロン 0.8固相抽出-LC-MS法(P) 固相抽出-LC-MS法(N) LC-MS法(P)

0.00005 0.00005 0.0001

≦30%別添方法18 別添方法18 別添方法20の2

58ダゾメット、メタム(カーバム)及びメチルイソチオシアネート 注8)

0.01(メチルイソチオシアネート

として)

加熱分解-PT-GC-MS法 0.00002 (MITCとして)

≦30% 別添方法23

59 チアジニル 0.1 LC-MS法(N) 0.001 ≦30% 別添方法20の2

60 チウラム 0.02 固相抽出-LC-MS法(P) 0.0002 ≦30% 別添方法18

61 チオジカルブ 0.08 固相抽出-LC-MS法(P) LC-MS法(P)

0.00005 0.0003 ≦30% 別添方法18

別添方法20の2

62 チオファネートメチル 0.3固相抽出-HPLC法 固相抽出-LC-MS法(P) LC-MS法(P):参考

0.002 0.00005 0.003

≦30%別添方法9 別添方法19 別添方法20の2

63 チオベンカルブ 0.02 固相抽出-LC-MS法(P) LC-MS法(P)

0.00002 0.0001 ≦30% 別添方法5

別添方法20の264 テフリルトリオン 0.002 LC-MS法(P) 0.00001 ≦30% 別添方法20の2

65 テルブカルブ(MBPMC) 0.02 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00001 0.0001 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

66 トリクロピル 0.006固相抽出-誘導体化-GC-MS法 固相抽出-LC-MS法(N) LC-MS法(N):参考

0.00001 0.00002 0.0003*

≦30%別添方法6 別添方法18 別添方法20の2:参考

67 トリクロルホン(DEP) 0.005 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0002 0.00003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

68 トリシクラゾール 0.1 固相抽出-LC-MS法(P) LC-MS法(P)

0.000002 0.001 ≦30% 別添方法18

別添方法20の2

69 トリフルラリン 0.06 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P):参考

0.00001 0.003* ≦30%

別添方法5 別添方法20の2:参考

70 ナプロパミド 0.03 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00001 0.0003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

71 パラコート 0.005 固相抽出-LC-MS法(P) 0.00005 ≦30% 別添方法21

72 ピペロホス:失効農薬 0.0009 固相抽出-GC-MS法:参考 LC-MS法(P)

0.00005* 0.000003 ≦30% 別添方法5:参考

別添方法20の2

73 ピラクロニル 0.01 LC-MS法(P) 0.0001 ≦30% 別添方法20の2

74 ピラゾキシフェン 0.004 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00002 0.00003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

75 ピラゾリネート(ピラゾレート) 0.02 LC-MS法(P) 0.0001 ≦30% 別添方法20の2

76 ピリダフェンチオン:失効農薬 0.002 固相抽出-GC-MS法:参考 LC-MS法(P)

0.00005* 0.00001 ≦30% 別添方法5:参考

別添方法20の2

9

No. 農薬名 目標値 (mg/L) 検査方法 定量下限値

(mg/L) 変動係数 別添方法

77 ピリブチカルブ 0.02 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00002 0.0001 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

78 ピロキロン 0.05 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00001 0.003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

79 フィプロニル 0.0005 固相抽出-LC-MS法(N) LC-MS法(N)

0.000005 0.000003 ≦30% 別添方法18

別添方法20の2

80 フェニトロチオン(MEP)注2) 0.01 固相抽出-GC-MS法 固相抽出-LC-MS法(P):参考

0.00001 0.001* ≦30%

別添方法5 別添方法20の2:参考

81 フェノブカルブ(BPMC) 0.03 固相抽出-GC-MS法 0.00001 ≦30% 別添方法5

82 フェリムゾン 0.05 LC-MS法(P) 0.0005 ≦30% 別添方法20の2

83 フェンチオン(MPP)注9) 0.006 固相抽出-GC-MS法 固相抽出-LC-MS法(P)

0.00001 0.00002 ≦30% 別添方法5

別添方法18

84 フェントエート(PAP) 0.007 固相抽出-GC-MS法 0.00004 ≦30% 別添方法5

85 フェントラザミド 0.01 LC-MS法(P) 0.0001 ≦30% 別添方法20の2

86 フサライド 0.1 固相抽出-GC-MS法 0.00001 ≦30% 別添方法5

87 ブタクロール 0.03 固相抽出-GC-MS法 0.0002 ≦30% 別添方法5の2

88 ブタミホス 注2) 0.02 固相抽出-GC-MS法 0.0001 ≦30% 別添方法5

89 ブプロフェジン 0.02 固相抽出-GC-MS法 0.00001 ≦30% 別添方法5

90 フルアジナム 0.03 LC-MS法(N) 0.0003 ≦30% 別添方法20の2

91 プレチラクロール 0.05 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00001 0.0003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

92 プロシミドン 0.09 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(N)

0.0001 0.0003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

93 プロチオホス 注2) 0.004 固相抽出-GC-MS法:参考 0.00004* ≦30% 別添方法25:参考

94 プロピコナゾール 0.05 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0002 0.0003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

95 プロピザミド 0.05 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(N)

0.00001 0.0003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

96 プロベナゾール 0.05 固相抽出-LC-MS法(P) 0.0001 ≦30% 別添方法18

97 ブロモブチド 0.1 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0001 0.001 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

98 ベノミル 注10) 0.02 固相抽出-LC-MS法(P) LC-MS法(P)

0.00002 (MBCとして) 0.0001 (MBCとして)

≦30% 別添方法18 別添方法20の2

99 ペンシクロン 0.1 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0001 0.001 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

100 ベンゾビシクロン 0.09 LC-MS法(P) 0.0003 ≦30% 別添方法20の2

101 ベンゾフェナップ 0.005 LC-MS法(P) 0.00002 ≦30% 別添方法20の2

102 ベンタゾン 0.2固相抽出-誘導体化-GC-MS法 固相抽出-LC-MS法(P) 固相抽出-LC-MS法(N) LC-MS法(N)

0.00001 0.00005 0.000002 0.001

≦30%別添方法6 別添方法18 別添方法18 別添方法20の2

103 ペンディメタリン 0.3 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00001 0.001 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

104 ベンフラカルブ 0.04 固相抽出LC-MS法(P) LC-MS法(P)

0.000004 0.0003 ≦30% 別添方法19

別添方法20の2

105 ベンフルラリン(ベスロジン) 0.01 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P):参考

0.00001 0.001* ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

10

対象リスト外農薬で検査方法が示されているもの

No. 農薬名 目標値 (mg/L) 検査方法 定量下限値

(mg/L) 変動係数 別添方法

1 アシベンゾラルSメチル:失効農薬 0.1 LC-MS法(P):参考 0.001 ≦30% 別添方法20の2:参考

2 アセタミプリド 0.2 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.002 0.001 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

3 アゾキシストロビン 0.5 固相抽出-LC-MS法(P) 0.00002 ≦30% 別添方法18

4 アメトリン:失効農薬 0.2 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.002 0.001 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

No. 農薬名 目標値 (mg/L) 検査方法 定量下限値

(mg/L) 変動係数 別添方法

106 ベンフレセート 0.07 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0006 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

107 ホスチアゼート 0.003 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00002 0.00003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

108 マラチオン(マラソン) 注2) 0.7 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00005 0.001 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

109 メコプロッン(MCPP) 0.05固相抽出-誘導体化-GC-MS法 固相抽出-LC-MS法(N) LC-MS法(N)

0.00005 0.00002 0.0003

≦30%別添方法6 別添方法18 別添方法20の2

110 メソミル 0.03HPLC-ポストカラム法 固相抽出-LC-MS法(P) LC-MS法(P)

0.0001 0.00002 0.0003

≦30%別添方法14 別添方法18 別添方法20の2

111 メタラキシル 0.06 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00005 0.0003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

112 メチダチオン(DMTP) 0.004 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00001 0.00003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

113 メチルダイムロン:失効農薬 0.03 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00005 0.0003 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

114 メトミノストロビン 0.04 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0002 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

115 メトリブジン 0.03 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0002 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

116 メフェナセット 0.02 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00001 0.0001 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

117 メプロニル 0.1 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00001 0.001 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

118 モリネート 0.005 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P):参考

0.00001 0.0003* ≦30% 別添方法5

別添方法20の2 注1) 1,3-ジクロロプロペン(D-D)の濃度は、異性体であるシス-1,3-ジクロロプロペン及びトランス-1,3-ジクロロプロペンの濃度を合計して算出す

ること。 注2) 有機リン系農薬のうち、EPN、イソキサチオン、イソフェンホス、クロルピリホス、ダイアジノン、フェニトロチオン(MEP)、ブタミホ

ス、プロチオホス及びマラチオン(マラソン)の濃度については、それぞれのオキソン体の濃度も測定 注3) エンドスルファン(ベンゾエピン)の濃度は、異性体であるα-エンドスルファン及びβ-エンドスルファンに加えて、代謝物であるエンドス

ルフェート(ベンゾエピンスルフェート)も測定し、α-エンドスルファン及びβ-エンドスルファンの濃度とエンドスルフェート(ベンゾエピンスルフェート)の濃度を原体に換算した濃度を合計して算出すること。

注4) カルタップの濃度は、ネライストキシンとして測定し、カルタップに換算して算出すること。 注5) グリホサートの濃度は、代謝物であるアミノメチルリン酸(AMPA)も測定し、原体の濃度とアミノメチルリン酸(AMPA)の濃度を原体

に換算した濃度を合計して算出すること。 注6) クロルニトロフェン(CNP)の濃度は、アミノ体の濃度も測定し、原体の濃度とアミノ体の濃度を原体に換算した濃度を合計して算出すること。注7) ジチオカルバメート系農薬の濃度は、ジネブ、ジラム、チウラム、プロピネブ、ポリカ-バメ-ト、マンゼブ(マンコゼブ)及びマンネブの濃度

を二硫化炭素に換算して合計して算出すること。注8) ダゾメット及びメタム(カーバム)及びメチルイソチオシアネ-トの濃度は、メチルイソチオシアネ-トとして測定すること。 注9) フェンチオン(MPP)の濃度は、酸化物であるMPPスルホキシド、MPPスルホン、MPPオキソン、MPPオキソンスルホキシド及びMPPオキソンス

ルホンの濃度も測定し、フェンチオン(MPP)の原体の濃度と、その酸化物それぞれの濃度を原体に換算した濃度を合計して算出すること。注10)ベノミルの濃度は、メチル-2-ベンツイミダゾールカルバメート(MBC)として測定し、ベノミルに換算して算出すること。

*定量下限値が目標値の1/100を満足しないもの

11

No. 農薬名 目標値 (mg/L) 検査方法 定量下限値

(mg/L) 変動係数 別添方法

5 イナベンフィド:失効農薬 0.3 LC-MS法(N) 0.001 ≦30% 別添方法20の2

6 イプロジオン 0.3固相抽出-GC-MS法 固相抽出-HPLC法 固相抽出-LC-MS法(P)

0.00002 0.001 0.0001

≦30%別添方法5 別添方法9 別添方法18

7 イミダクロプリド 0.1 LC-MS法(P) 0.001 ≦30% 別添方法20の2

8 ウニコナゾールP 0.04 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0002 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

9 エチプロール 0.01 LC-MS法(N) 0.0001 ≦30% 別添方法20の2

10 エトキシスルフロン 0.1 LC-MS法(P):参考 0.001 ≦30% 別添方法20の2:参考

11 エトベンザニド 0.1 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0006 0.001 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

12 オキサジアルギル 0.02 LC-MS法(P) 0.0001 ≦30% 別添方法20の2

13 オキサミル 0.05 LC-MS法(P):参考 0.0003 ≦30% 別添方法20の2:参考

14 キザロホップエチル 0.02 LC-MS法(P) 0.0001 ≦30% 別添方法20の2

15 クロチアニジン 0.2 LC-MS法(P) 0.001 ≦30% 別添方法20の2

16 クロマフェノジド 0.7 LC-MS法(P) 0.003 ≦30% 別添方法20の2

17 クロルタールジメチル(TCTP):失効農薬 - 固相抽出-GC-MS法 0.000006 ≦30% 別添方法5の2

18 クロルピリホスメチル 0.03 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0002 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

19 クロロネブ 0.05 固相抽出-GC-MS法 0.00002 ≦30% 別添方法5

20 ジクロフェンチオン(ECP):失効農薬 0.006 固相抽出-GC-MS法

LC-MS法(P) 0.00006 0.00003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

21 ジクロメジン:失効農薬 0.05 LC-MS法(P) 0.0003 ≦30% 別添方法20の2

22 ジクロルプロップ 0.09 LC-MS法(N) 0.0003 ≦30% 別添方法20の2

23 シデュロン 0.3固相抽出-HPLC法 固相抽出-LC-MS法(P) 固相抽出-LC-MS法(N) LC-MS法(P)

0.002 0.00002 0.00002 0.001

≦30%別添方法9 別添方法18 別添方法18 別添方法20の2

24 シノスルフロン:失効農薬 0.2 LC-MS法(P):参考 0.01* ≦30% 別添方法20の2:参考

25 ジノテフラン 0.6 LC-MS法(P) 0.003 ≦30% 別添方法20の2

26 ジフェノコナゾール 0.02 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0002 0.0001 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

27 ジフルベンズロン 0.03 LC-MS法(N) 0.003* ≦30% 別添方法20の2:参考

28 シプロコナゾール 0.02 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0002 0.0001 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

29 シプロジニル 0.07 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0006 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

30 シペルメトリン 0.1 LC-MS法(P) 0.001 ≦30% 別添方法20の2

31 シメコナゾール 0.02 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0002 0.0001 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

32 ジメチルビンホス:失効農薬 0.01 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00006 0.0001 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

33 ジメピペレート 0.003 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00002 0.00003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

34 シラフルオフェン 0.3 LC-MS法(P):参考 0.01* ≦30% 別添方法20の2:参考

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

12

No. 農薬名 目標値 (mg/L) 検査方法 定量下限値

(mg/L) 変動係数 別添方法

35 シンメチリン:失効農薬 0.1 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0006 0.001 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

36 チアクロプリド - 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0002 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

37 チアメトキサム 0.05 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0002 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

38 チフルザミド 0.04 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(N)

0.0002 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

39 テトラクロルビンホス(CVMP):失効農薬 0.01 固相抽出-GC-MS法

LC-MS法(P) 0.00006 0.0001 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

40 テトラコナゾール - 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00006 0.0001 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

41 テニルクロール 0.2 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00002 0.001 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

42 テブコナゾール 0.07 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0006 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

43 テブフェノジド 0.04 LC-MS法(P) 0.0003 ≦30% 別添方法20の2

44 テルブカルブ(MBPMC):失効農薬 0.02 固相抽出-GC-MS法 0.00001 ≦30% 別添方法5

45 トリネキサパックエチル 0.01 LC-MS法(P) 0.0001 ≦30% 別添方法20の2

46 トリフルミゾール - 固相抽出-GC-MS法:参考 LC-MS法(P):参考

0.0002 0.0003 ≦30% 別添方法5の2:参考

別添方法20の2:参考

47 トルクロホスメチル 注2) 0.2 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00001 0.001 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

48 トルフェンピラド 0.01 LC-MS法(P) 0.0001 ≦30% 別添方法20の2

49 ナプロアニリド:失効農薬 0.02 LC-MS法(P) 0.0001 ≦30% 別添方法20の2

50 ニテンピラム 1.3 LC-MS法(P) 0.01 ≦30% 別添方法20の2

51 パクロブトラゾール 0.05 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0002 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

52 ハロスルフロンメチル 0.3固相抽出-LC-MS法(P) 固相抽出-LC-MS法(N) LC-MS法(P)

0.00005 0.00005 0.001

≦30%別添方法18 別添方法18 別添方法20の2

53 ビフェノックス:失効農薬 0.2 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0001 0.001 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

54 ピメトロジン 0.03 LC-MS法(P) 0.0003 ≦30% 別添方法20の2

55 ピラクロホス:失効農薬 - 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00002 0.00003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

56 ピラゾスルフロンエチル 0.1 LC-MS法(P):参考 0.001 ≦30% 別添方法20の2:参考

57 ピリプロキシフェン 0.3 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00001 0.001 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

58 ピリミノバックメチル 0.05 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0002 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

59 ピリミホスメチル 0.06 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0006 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

60 フェノキサチル 0.02 LC-MS法(P) 0.0001 ≦30% 別添方法20の2

61 フラザスルフロン 0.03固相抽出-LC-MS法(P) 固相抽出-LC-MS法(N) LC-MS法(P)

0.000002 0.000002 0.0003

≦30%別添方法18 別添方法18 別添方法20の2

62 フラメトピル 0.02 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0002 0.0001 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

63 フルアジホップ 0.03 LC-MS法(P) 0.0003 ≦30% 別添方法20の2

13

■ 「総農薬方式」について ■

水質管理目標項目の一項目である「農薬類」は、その評価方法として「総農薬方式」と呼ばれる方法が採用されています。

この方式は、各農薬の検出値を目標値で割った値(検出指標値)の総量で評価するもので、具体的には下記の式で与えられる検出指標値が1を超えないこととされています。

DIは検出指標値、DViは農薬iの検出値、GViは農薬iの目標値。DViが当該農薬iの定量下限値を下回った場合、DViは0として扱う。

DVi DI = Σ    GVi

No. 農薬名 目標値 (mg/L) 検査方法 定量下限値

(mg/L) 変動係数 別添方法

64 フルスルファミド - LC-MS法(N) 0.00002 ≦30% 別添方法20の2

65 フルトラニル 0.2 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00001 0.001 ≦30% 別添方法5

別添方法20の2

66 プロパニル(DCPA):失効農薬 0.04 固相抽出-GC-MS法

LC-MS法(N) 0.0002 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

67 プロパホス:失効農薬 0.001 固相抽出-GC-MS法:参考 LC-MS法(P)

0.00006* 0.00001 ≦30% 別添方法5の2:参考

別添方法20の2

68 プロパルギット(BPPS) 0.02 LC-MS法(P) 0.0001 ≦30% 別添方法20の2

69 プロポキスル(PHC):失効農薬 0.2 固相抽出-GC-MS法

LC-MS法(P) 0.002 0.001 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

70 ブロマシル - 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0002 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

71 プロメトリン 0.06 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0006 0.0003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

72 ペルメトリン 0.1 LC-MS法(P) 0.001 ≦30% 別添方法20の2

73 ベンスリド(SAP):失効農薬 0.1固相抽出-LC-MS法(P) 固相抽出-LC-MS法(N) LC-MS法(P)

0.00001 0.00001 0.001

≦30%別添方法18 別添方法18 別添方法20の2

74 ベンスルフロンメチル 0.5固相抽出-LC-MS法(P) 固相抽出-LC-MS法(N) LC-MS法(P)

0.00001 0.00001 0.001

≦30%別添方法18 別添方法18 別添方法20の2

75 ベンダイオカルブ:失効農薬 0.009 LC-MS法(P):参考 0.00002 ≦30% 別添方法20の2:参考

76 ペントキサゾン 0.6 LC-MS法(P):参考 0.003 ≦30% 別添方法20の2:参考

77 ホキシム 0.003 LC-MS法(P) 0.0003* ≦30% 別添方法20の2:参考

78 ホサロン 0.005 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.00005 0.00003 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

79 ボスカリド 0.1 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.0006 0.001 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

80 ホセチル 2 LC-MS法(N) LC-MS法(N):参考

0.02 0.001 ≦30% 別添方法20

別添方法20の2:参考

81 ポリカ-バメ-ト:失効農薬 0.03 誘導体化-HPLC法 0.002* ≦30% 別添方法13:参考

82 メタミドホス 0.001 LC-MS法(P) 0.00001 ≦30% 別添方法20の2

83 メトラクロ-ル 0.2 固相抽出-GC-MS法 LC-MS法(P)

0.002 0.001 ≦30% 別添方法5の2

別添方法20の2

84 モノクロトホス:失効農薬 0.002 LC-MS法(P) 0.00002 ≦30% 別添方法20の2

85 リニュロン 0.02 LC-MS法(P) 0.0001 ≦30% 別添方法20の2

i

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

14

No. 項目 目標値(mg/L)

26 ミクロキスチン-LR 0.0008(暫定)

27 有機すず化合物 0.0006(暫定)(TBTO)

28 ブロモクロロ酢酸 -

29 ブロモジクロロ酢酸 -

30 ジブロモクロロ酢酸 -

31 ブロモ酢酸 -

32 ジブロモ酢酸 -

33 トリブロモ酢酸 -

34 トリクロロアセトニトリル -

35 ブロモクロロアセトニトリル -

36 ジブロモアセトニトリル 0.0637 アセトアルデヒド -

38 MX 0.00139 キシレン 0.440 過塩素酸 0.025

41 パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)

-

42 パーフルオロオクタン酸(PFOA)

-

43 N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)

0.0001

44 アニリン 0.0245 キノリン 0.000146 1,2,3-トリクロロベンゼン 0.0247 ニトリロ三酢酸(NTA) 0.2

表4 要検討項目(47項目)

<要検討項目>

毒性の評価が定まらない、現状が不明等の理由から前記の2項目には分類できない項目を整理。次回見直しに適切な判断が可能なよう、情報、知見の収集に努めるもの。

答申案として47項目を設定。

No. 項目 目標値(mg/L)

1 銀及びその化合物 -

2 バリウム及びその化合物 0.73 ビスマス及びその化合物 -

4 モリブデン及びその化合物 0.075 アクリルアミド 0.00056 アクリル酸 -

7 17-β-エストラジオール 0.00008(暫定)

8 エチニル-エストラジオール 0.00002(暫定)

9 エチレンジアミン四酢酸(EDTA) 0.5

10 エピクロロヒドリン 0.0004(暫定)

11 塩化ビニル 0.00212 酢酸ビニル -

13 2,4-トルエンジアミン -

14 2,6-トルエンジアミン -

15 N,N-ジメチルアニリン -

16 スチレン 0.02

17 ダイオキシン類 1pgTEQ/L(暫定)

18 トリエチレンテトラミン -

19 ノニルフェノール 0.3(暫定)

20 ビスフェノールA 0.1(暫定)

21 ヒドラジン -

22 1,2-ブタジエン -

23 1,3-ブタジエン -

24 フタル酸ジ(n-ブチル) 0.0125 フタル酸ブチルベンジル 0.5(暫定)

15

平成24年9月6日に厚生労働省はそれまで各検査機関に委ねられていた水質検査等の結果の妥当性評価の標準的な方法「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドラインについて」を通知し、平成25 年10月1日から適用されています。

平成25年10月1日以降は、標準試験法においても各検査機関にて本ガイドラインに適合することを確認の上、運用することが義務付けられています。また、標準試験法においても「各検査機関の裁量が認められている、同等以上の性能を有するもの等とされた器具及び装置等」については同等以上の性能を有していることをガイドラインに従って確かめた上で、使用が認められています。

この度平成29年10月18日付けで本ガイドラインの改正が行われ、平成30 年4月1日から適用されています。以下に平成29年10月18日付け改正について重要と思われる部分を解説します。

水道水質検査方法の妥当性評価ガイドラインについて平成24年9月6日付け健水発0906 第1号別添最終改正:平成29年10月18日付け薬生水発1018 第1号

■ 改正概要 1. 対象となる検査方法の明示

- 告示法及び通知法のうち、機器分析による検査方法とする - 妥当性評価された検査方法を水道水以外の水(河川水、井戸水、原水等)に適用する場合にも、中略、妥当 性評価を行うことが望ましい

2. 検量線の妥当性評価に係る事項の追加 - 検量線の作成 - 検量線の評価

3. 添加試験における真度及び精度の目標値の変更

■ 検量線の作成 1. 濃度範囲

- 検査対象物の濃度と応答値との間に正の相関関係がみられる濃度範囲内で作成 - 添加試料は検量線の濃度範囲内で定量

3. 水道水質検査方法の妥当性評価ガイドラインについて

作成例

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

16

2. 各濃度の設定- 1本の検量線につきブランク試料を含まない4点以上の濃度点- 各濃度点はできるだけ均等に配置- 隣り合う2つの濃度点の濃度比が原則4以内

作成例(1本の検量線につきブランク試料を含まない4点以上の濃度点)

作成例(各濃度点はできるだけ均等に配置)

作成例(隣り合う2つの濃度点の濃度比~公比~が原則4以内)

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3. 測定順序と測定回数- ブランク試料⇒低濃度標準試料⇒高濃度標準試料⇒ブランク試料- 一連の測定を繰り返し、各濃度の標準試料の測定データーを3個以上取得する

■ 妥当性評価時の測定順序の例ブランク試料(キャリーオーバー確認)→ 検量線用ブランク試料 → STD1 → STD2 → STD3 → STD4→ ブランク試料(キャリーオーバー確認)→ SampleB1 → SampleB2→SampleB3→SampleB4→SampleB5→ ブランク試料(キャリーオーバー確認)→ 検量線用ブランク試料 → STD1 → STD2 → STD3 → STD4→ ブランク試料(キャリーオーバー確認)→ SampleS1 → SampleS2 → SampleS3 → SampleS4 → SampleS5→ ブランク試料(キャリーオーバー確認)→ 検量線用ブランク試料 → STD1 → STD2 → STD3 → STD4→ ブランク試料(キャリーオーバー確認)SampleB1-5:水道水未添加試料SampleS1-5:水道水添加試料検量線用ブランク試料 × 3回 = 3分析検量線4点 × 各点3回 = 12分析水道水未添加試料、添加試料各5併行 = 10分析間にブランク試料を1回ずつ測定し、キャリーオーバーを評価 = 6分析計31回分析

4. 回帰式の算出方法- できるだけ直線回帰- 重み付け可- 原点を強制通過させない- ブランク試料を含めず応答値が得られた濃度の標準試料のみを用いる

重み付けによる相対標準偏差への影響例(n=3)測定濃度範囲が広い場合、特に低濃度域で顕著な 差が生じている。上図の例では2pptにおける相対 標準偏差(RSD)が重み付け無しでは500%を超える値となっている。一方重み付けをした場合は、 ±6%以下に収まっている。

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

18

■ 検量線の評価 1. キャリオーバー

- 最高濃度の標準試料測定後に測定したブランク試料中の検査対象物濃度が検量線濃度範囲の下限値を下回る   こと

2. 真度 - 各濃度の標準試料を検量線により定量した濃度の平均値が、いずれの濃度点においても調製濃度の80%- 120%であること

3. 精度 - 標準試料を繰り返し測定し、各濃度の標準試料を検量線により定量した濃度の相対標準偏差値(RSD)が、  いずれの濃度点においても20%以下であること - ただし平成15年10月10日建水発第1010001号通知において、変動係数(併行精度)の目標が10%以下と定め られている項目においては、いずれの濃度点においても10%以下であること

■ 添加試料の評価 1. 添加試料の評価

(1)選択性 - 原則として検査対象物を含まない水道水等を自らの標準作業書に基づく検査方法に従って試験し、定量 を妨害するピークがないことを確認する。 ‐妨害ピークを認める場合は、できるだけ検査対象物のピークと妨害ピークを分離できる測定条件を設定 する。

(2)真度 - 5個以上の添加試料を検査方法に従って試験し、得られた試験結果の平均値の添加濃度に対する比をもと  め、目標を満たすことを確認する。

(3)併行精度- 添加試料を検査方法に従って複数回試験し、得られた試験結果の併行精度(RSD)が目標を満たすことを 確認する。自由度が4以上となるように試験する。

(4)室内精度 - 添加試料を検査方法に従って複数の検査員又は検査日により複数回試験し、得られた試験結果の室内精 度(RSD)が目標を満たすことを確認する。自由度が4以上となるように試験する。

選択性 真度 併行精度 室内精度1 標準検査方法を新たに検査室へ導入する場合 ○ ○ ○ -2 妥当性評価された検査方法の一部を変更する場合 ○ *1 ○ *1 ○ *1 -3 標準検査方法以外の検査方法を検査室へ導入する場合 ○ ○ ○ ○

*1 定量下限が高くならないと判断できる場合は、添加濃度を定量下限としなくてもよい。

評価すべき項目の一覧

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2. 添加試料の真度および精度の目標~改訂前と改訂後

添加濃度の基準値などに対する割合 真度*(%)併行精度*(%RSD)

室内精度(%RSD)

1/100以下 70 - 120 < 30 < 351/100超 1/10以下 70 - 120 < 25 < 301/10超 1倍以下 70 - 120 < 15 < 201倍超 70 - 120 < 10 < 15

* 真度および精度の目標が別に定められている場合は、それに従う。

添加濃度の基準値などに対する割合 真度*(%)併行精度*(%RSD)

室内精度(%RSD)

無機質 *1 70 - 130 ≦ 10 ≦ 15有機物 *2 70 - 130 ≦ 20 ≦ 25農薬類 70 - 130 ≦ 30 ≦ 35

*1 通知において変動係数の目標が10%以下に定められている項目*2 通知において変動係数の目標が20%以下に定められている項目

真度および精度の目標[改定前]

真度および精度の目標[改定後]

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

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1. 固相抽出の概要固相抽出は、液体クロマトグラフィーの原理を用いた前処理手法です。英語では Solid Phase Extraction(SPE)と 呼ばれます。従来法である液液抽出が2種の液相間での分離であることに対して、固相抽出は液相―固相間での分離 手法で、その種々の利点によって世界的にも主流となっています。

② 固相抽出を用いた前処理法

■ 固相抽出用カートリッジ

ウォーターズは1978年から固相抽出製品を開発、販売している老舗です。全世界で最も使用例の多いSep-Pak™、Oasis™に代表される製品群は、高い品質とワールドワイドで安定した供給により多くの顧客の信頼を集めています。

日本においても、1992年の水道水質基準改正の時から多くのSep-Pak、Oasisが試験法に採用されています。

2018年4月現在、有機物の分析法のうち16の項目の前処理に固相抽出法が採用されています。参考までに、次ページに各分析法に実際に使用される固相カートリッジの対応表を掲載します。

固相抽出のメリット

■■ 溶媒消費量が少ない

  - 液液抽出に比べ使用する有機溶媒の量が少ない

  - 有害な溶媒の使用を削減し、環境にやさしい

■■ エマルジョンの生成によるトラブルがない

■■ 高い回収率と再現性

  - ステップ数が少なく、誤差の少ない結果が得られる

  - 人の熟練度に依存する度合いが少なく、人による誤差が少ない

■■ 自動化が可能

■■ 現場での作業も可能

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No. 項目名 検査方法 使用固相例

1 1,4-ジオキサン 固相抽出-GC/MS法(告示別表第16) 以下の固相を連結*1Sep-Pak PS-2、*2Sep-Pak AC-2

2 陰イオン界面活性剤 固相抽出-高速液体クロマトグラフ法(告示別表第24) 以下の固相のいずれかを使用*1Sep-Pak PS-2、*3Sep-Pak tC18

3 ジェオスミン 固相抽出-GC/MS法(告示別表第27) *3Sep-Pak tC18

4 2-メチルイソボルネオール 固相抽出-GC/MS法(告示別表第27) *3Sep-Pak tC18

5 非イオン界面活性剤 固相抽出-吸光光度法(告示別表第28) 固相抽出-高速液体クロマトグラフ法(告示別表第28の2)

以下の固相のいずれかを使用*4Oasis HLB、*1Sep-Pak PS-2*3Sep-Pak tC18

6 フェノール類 固相抽出-誘導体化-GC/MS法(告示別表第29)固相抽出-高速液体クロマトグラフ-質量分析法(告示別表第29の2) *4Oasis HLB

7 農薬類(シマジン他)* 固相抽出-GC/MS一斉分析法(別添方法5) *1Sep-Pak PS-2

8 農薬類(ベンタゾン他)* 固相抽出-誘導体化-GC/MS一斉分析法(別添方法6) *1Sep-Pak PS-2

9 農薬類(アシュラム他)* 固相抽出-高速液体クロマトグラフ一斉分析法(別添方法9) *1Sep-Pak PS-2

10 農薬類(カルバリル)* 固相抽出-高速液体クロマトグラフ一斉分析法(別添方法10) *3Sep-Pak tC18

11 農薬類(イミノクダジン) 固相抽出-高速液体クロマトグラフ-ポストカラム法(別添方法16) *4Oasis HLB

12 農薬類(チウラム他)* 固相抽出-高速液体クロマトグラフ-質量分析一斉分析法(別添方法18) *4Oasis HLB

13 農薬類(チオファーネートメチル・ベンフラカルブ) 固相抽出-高速液体クロマトグラフ-質量分析法(別添方法19) *4Oasis HLB

14 農薬類(イミノクタジン、パラコート、ジクワット) 固相抽出-高速液体クロマトグラフ-質量分析一斉分析法(別添方法21) *5Oasis WCX

15 農薬類(グルホシネート、グリホサート、AMPA)

誘導体化-固相抽出-高速液体クロマトグラフ-質量分析一斉分析法(別添方法22) *1Sep-Pak PS-2

16 農薬類(プロチオホス) 固相抽出-GC/MS法(別添方法25) *4Oasis HLB

*同一方法で測定できる農薬については表3をご参照ください。

No. 製品名 製品番号*1 Sep-Pak PLUS PS-2(50個入り) JJAN20131*2 Sep-Pak PLUS AC-2(50個入り) JJAN20229*3 Sep-Pak PLUS tC18 (50個入り) WAT036810*4 Oasis HLB PLUS (50個入り) 186000132*5 Oasis WCX 60 mg/3 cc (100個入り) 186002495 *6 フィメール/フィメールカップラー(100個入り) WAT011422

水道法における固相抽出法と対応する固相カートリッジ例

Waters PLUS タイプ 固相抽出カートリッジの特徴

■ ルアー式のコネクタによりカートリッジを 簡単に複数個積み重ね可能

■ 高密度ポリエチレン製■ 耐溶媒性■ UV吸収をもつ妨害物質は ほとんど溶出せず

■ カラーコードO-リング■ 均一なベッド■ 色の違いにより官能基を識別

■ ルアー式のアウトレット使用

■ 前処理用に特別開発された充塡剤■ 良好な再現性■ 豊富な充塡剤の種類

■ ポイドやチャンネルの少ない  均一なベッド

■ HD & UHMWポリエチレン製  20 µmフィルター■ 耐溶媒性■ 妨害物質の溶出の少ない 優れた通液性

■ ロボットを用いた  前処理の完全自動化可能

各前処理製品の詳細については、弊社ホームページ「 Waters:サンプル前処理 」でweb検索、もしくは営業所に お問い合わせください。

*6はバックフラッシュ法(P26)を 行う際に使用します。

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

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水環境学会技術賞受賞

■ 5検体同時処理■ 低流速域で安定した送液*■ プログラム設定により、5カートリッジ同時に窒素ガス 吹きつけ乾燥&溶出を自動で行います。(オプション)

*溶出時の流速は回収率/再現性に大きな影響を与えます。 溶出時の低流速時(3.0 mL/min以下)でも正確な送液を実現します。

Sep-Pak エリューションポンプSep-Pakエリューションポンプは、固相抽出カートリッジから 目的化合物を溶出するための定量ポンプです。Sep-Pakコン セントレータで濃縮したカートリッジをそのままエリューション ポンプに付け替えて、乾燥(オプション)・溶出操作に進めます。

仕様流量範囲 :0.1~ 10.0 mL/min流量可変単位 :0.01 mL/min流量精度 :2% RSD以内(1 mL/min以上 )  3% RSD以内(1 mL/min未満 )流量正確度 :± 2%(1 mL/min以上 )  ± 3%(1 mL/min未満 )寸法・重量 :H380×W440×D330 mm・約 24 kg消費電力 :150 VA

Sep-Pak コンセントレータ PlusSep-Pak コンセントレータPlusは、大量検水を一定流量で 濃縮する装置です。1台のコントローラに最大5台までの ポンプを接続し同時に操作できます。

平成11年には日本水環境学会技術賞を受賞し、全国の 試験機関で使用されているベストセラー製品です。

■ 5検体同時濃縮■ 加圧方式*による安定した送液■ コントロールパネルで流速&タイマー設定

*加圧方式は減圧方式に比べて常に安定した送液が可能となります。 送液の安定性によりデータの再現性を確保します。

仕様ポンプ数 :最大 5台まで接続可能(同時運転)流量範囲 :濃縮用ポンプ:1~ 50 mL/min :溶出用ポンプ:1~ 10 mL/min流量精度 :2% RSD以内(10~ 50 mL/min)  4% RSD以内(1~ 10 mL/min)流量正確度 :± 2%寸法・重量 :コントローラ  H260×W140 × D485 mm・約 3 kg  濃縮用ポンプ H495×W103×D213 mm・約 4.5 kg  溶出用ポンプ H600×W103×D213 mm・約 4.5 kg消費電力 :400 VA(ポンプ 5台稼動時)

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TimeFlowDry

FlowDry

HostRemote1Remote2Single

Purge

Start

FlowRate

SetModeStop

Cancel

Sep-Pak コンセントレータUniSep-PakコンセントレータUniは、コントローラとポンプが一体型になった加圧濃縮装置です。Plusでは1台で最大5検体の処理が可能でしたが、Uniでは1台から100台以上を同時に制御し、多検体の処理を可能にします。

■ 1台で 1台ごとに流速/タイマーを設定、独立操作が可能です。

■ 複数台で 1台のコントロールパネルから複数のコンセントレータを一斉に設定、  操作できます。100台まで接続可能です。■ 自動で乾燥 ドライユニット(オプション)を使用して窒素吹き付け乾燥が可能です。

■ 同時にろ過 PFAホルダー(オプション)にフィルターをセットすることで濃縮と同時に  ろ過による前処理が可能となります。

■ 溶出操作も 溶出用ブラケット(オプション)への付け替えにより溶出操作も可能と  なります。

すべての機能の設定がコントロールパネルにあり、 わかりやすく使いやすいデザインです。

仕様筐体構式 :各設定キー、表示部、  送液部(ブラケット込)一体構造ポンプ方式 :ダブルシリンジによる  連続定流量加圧送液 送液ライン数 :1流路流量設定範囲 :1~ 50 mL/min(1 mLステップ)時間設定範囲 :1秒~ 999分 59秒(1秒ステップ)流量精度 :2% RSD以内(10~ 50 mL/min)  4% RSD以内(1~ 10 mL/min)流量正確度 :± 2%寸法・重量 :H360×W110×D250 mm・約 5.5 kg電源 :AC100~ 240 V 50/60 Hz 80 VA

今の動作状態をひと目で確認設定項目ごとにスイッチを設置。すぐにでも、誰にでも、簡単設定。

Sep-Pak コンセントレータUni ドライユニットドライユニットは、窒素ボンベまたは窒素発生装置に接続して使用します。

Uniドライユニット

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

24

複数のカートリッジを連結して*同時に濃縮ができます。

5.00 6.00 7.00 8.00 9.00 10.00 11.00 12.00 13.00 14.00 15.00 16.00 17.00 18.00 19.00 20.00Time0

100

%

mix28 loq 1/1 in CN atl18 2.1*150 0.1%FA MeOHPTW005

3: MRM of 10 Channels ES+ 241 > 88

2.25e3

12.59

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12 13

14

15 16

17

1819

2022

2123

24

2526

2728

1. : オキシン銅2. : アシュラム3. : ダラポン4. : MBC5. : メソミル6. : トリシクラゾー ル7. : プロベナゾー ル8. : チオファネートメチル9. : チウラム

10. : カルボフラン

21. : メコプロップ22. : ダイムロン23. : イプロジオン24. : ハロスルフロンメチル25. : ベンスリド26. : カルプロパミド27. : ベノミル28. : ベンフラカルブ

11. : ベンタゾン12. : カルバリル13. : チオジカルブ14. : 2,4-D15. : ジウロン16. : フラザスルフロン17. : ベンスルフロンメチル18. : トリクロヒ ル゚19. : シテ ュ゙ロン20. : アゾキシストロビン

目標値の 1/100相当(500倍濃縮時)標準品カラム:Atlantis ™ dC18、150× 2.1 mm ID、3 µm

1.コンディショニング固相抽出カートリッジに10 mLアセトニトリル、10 mL メタノール、10 mL 水を順次通液 ■ 5つのカートリッジを同時にコンディショニング

Sep-Pak コンセントレータPlus/Uni使用例 農薬類の分析厚生労働省 水質管理目標設定項目検査方法 別添方法18「固相抽出‐LC/MS一斉分析法」

操作

※Plusタイプのカートリッジは5連結で同時コンディショニングが可能です。事前に検体数分まとめてコンディショニングを行い両端を密栓しておけば、あとは通液作業をするだけです。面倒な溶媒 置換作業も不要で作業効率も上がります。

2.濃縮

■ ガラス繊維フィルタを取り付けたろ過フィルタと  Oasis HLB Plusカートリッジをコンセントレータ Plus または Uniにセット■ 10 mL/minの流速をセット、タイマー設定■ Startボタンを ON■ 5つの検水を同時に通水、自動停止

PFAフィルターホルダーにフィルターをセットして検水のろ過と濃縮を同時に処理できます。 *ジオキサン(水質基準項目)分析時にSep-Pak PS-2および

AC-2を連結させる使用例などがあります。

EDTA溶液10 mLを加え、硝酸(1+10)でpH値を3.5に調整した検水500 mLを通水

操作

3.乾燥窒素吹き付けにより乾燥

■ 濃縮操作後の Oasis HLB Plusカートリッジをセット■ コントロールパネルで条件設定(メモリ機能有り)■ Startボタンを ON■ 5つのカートリッジを同時乾燥&同時溶出

操作

5 mLアセトニトリルにより溶出

4.溶出

Waters 2695・Quattro microTM APIによる一斉分析の例

5.分析LC/MSによる一斉分析

窒素ガス吹きつけにより0.2 mL以下に濃縮。水で1 mLにメスアップ

25

バキュームマニホールド ( P/N 54750)

エキストラクションマニホールド (製品番号 WAT200677)

<Sep-Pakエリューションポンプを使用した操作>

● 窒素ガス吹きつけによる乾燥操作です。  (準備) 1.エリューションポンプに窒素ボンベを接続します。 2.エリューションポンプのDry操作で使用する(固相カートリッジを取り付ける。     ラインを2秒間乾燥させます。 3.Wash操作で10 mL/min設定にて15秒以上、精製水を送液します。(乾燥) 1.乾燥させる固相カートリッジをエリューションポンプにセットします。 2.Dry操作にてカートリッジを取り付けたラインNo.と乾燥時間を設定します。

3.Startボタンを押します。

1.溶出させる固相カートリッジと溶出液を受ける試験管をエリューションポンプにセット   します。

2.Wash操作で10 mL/min設定にて15秒以上、溶出溶媒を送液します。3.Elution操作にて流量と溶出時間を設定します。溶出時の流速は、指定のないものでも   3 mL/min以下で実施してください。

4.Startボタンを押します。

※ Sep-Pakコンセントレータによる溶出操作も可能です。コントローラに溶出用ポンプを   を接続して溶出してください。

● 吸引による通気で乾燥させる場合の操作です。エキストラクションマニホールドに固相カートリッジをセットし、吸引ポンプで空気をひきこみます。

固相抽出カートリッジが20個まで装着できます

吸引ポンプ (製品番号725000417)

<その他の主な操作>

乾燥

溶出

乾燥

※その他の、エバポレーション操作や遠心分離操作などについてはお手持ちの機器の取扱説明書に従って使用してください。

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

26

濃縮

洗浄(Sep-Pak AC-2)

2個の固相を直列使用

10 mLアセトニトリル、10 mL精製水を順次注入

1,4ジオキサン-d8標準液(0.1 mg/mL)5 µLを加えた検水 200 mLをPS-2側から流速10 mL/minでロード

Sep-Pak PS-2を取り外し、Sep-Pak AC-2を精製水10 mLで洗浄

20分以上窒素ガス吹付けにより乾燥

2 mL アセトンでバックフラッシュ溶出

窒素ガス吹きつけによる濃縮で、正確に1 mLとする

GC/MS

乾燥

コンディショニング /平衡化

< 1,4‐ジオキサン > (基準項目No.15)(H15 厚生労働省検査方法告示別表第16)

2. 水質分析のための前処理例※試料の採取/保存方法、検水のろ過・希釈など、それぞれの詳細の操作については告示に示された方法に従ってください。

Sep-Pak PS-2とAC-2を直列につないでPS-2の側から検水をロードし、その後PS-2を取り外し、AC-2側に濃縮された1,4-ジオキサンを抽出します。

加圧送液 ・・・・1,4-ジオキサン以外の項目も全て同様。

バックフラッシュ(下図参照)

1,4-ジオキサンは極性が非常に高く、試料中のわずかな有機溶媒の影響を受けて固相への保持が変化してしまう ため、添加回収試験を実施する際にはできるだけ加える有機溶媒の量を少なくします。 有機溶媒として検水の0.1%以下の容量比で添加することを推奨します。

*バックフラッシュ法:

試料注入とは逆の側(注入時のアウトレット側)から溶出液を流し、溶出する 方法をバックフラッシュ法と呼びます。バックフラッシュ法の特長は、保持の 強い化合物、効率の良い溶出が困難な化合物をロスなく少量の液量で溶出 可能な点にあり、フェノール類、アセフェート、非イオン界面活性剤などに 活用されています。 Sep-Pak PS-2 などのコマ型カートリッジの場合、簡単なアダプター(製品番号WAT011422 フィメール/フィメールカップラー)の使用によりバックフラッシュ法を実施できます。

Point 1

Point 2

Point 3

Point 4

Sep-Pak PS-2(上部)+

Sep-Pak AC-2(下部)

溶出

エバポレート

分析

Point 1

Point 2

Point 3

Point 4 添加回収試験のときには有機溶媒混合比に注意(検水の0.1%以下)

目的物

アダプター

サンプル 溶離液

バックフラッシュ溶出法

目的物

アダプター

サンプル 溶離液

バックフラッシュ溶出法

27

濃縮

溶出

5 mLメタノール、5 mL精製水を順次注入

検水500 mLを30 mL/minでロード

5 mLメタノールで溶出

窒素ガス吹付けにより2 mLまで濃縮

HPLC

エバポレート

分析

< 陰イオン界面活性剤 > (基準項目No.41)(H15 厚生労働省検査方法告示別表第24)陰イオン界面活性剤は、改正水道法では炭素数10~14個のアルキルベンゼンスルホン酸と定義されました。

Sep-Pak PS-2による 陰イオン界面活性剤の回収率と再現性(n=3)

炭素数 添加濃度(mg/L) 回収率 (%) 変動係数

(=%RSD)

C10 10 96.9 1.4C11 10 101.0 0.3C12 10 92.7 0.9C13 10 92.6 1.2C14 10 90.7 2.5

<参考方法> 陰イオン界面活性剤分析においては複数

ピークをグルーピングして定量を行うため、目的ピーク

に別の成分が同時溶出すると定量精度が悪くなることが

あります。

そのような場合に右図に示すようなクリーンアップが有効

になることがありますので参考にしてください。

クリーンアップに使用しているOasis MAXは逆相と陰イオン交換の性質を併せ持つ固相です。この方法により、ア

ルキルベンゼンスルホン酸などの酸性成分のみが保持し ます。またフミン質などの高分子成分もある程度除去 することが可能です。

固相抽出カートリッジとして、シリカゲルベースのC18系を用いた場合、一部のアルキルベンゼンスルホン酸で回収率

が悪くなる例が出ています。Sep-Pak PS-2等のポリマーベース固相は、アルキルベンゼンスルホン酸全てに安定した結果を与えます。以下にSep-Pak PS-2を用いた添加回収試験の結果例を示します。

コンディショニング /平衡化

Sep-Pak PS-2 Point

Point

固相カラム1(Sep-Pak PS-2)

加圧注入

活性化固相カラム1

固相カラム2(Oasis MAX 150 mg/6 cc )

加圧注入

活性化固相カラム2

固相カラム1(Sep-Pak PS-2)

洗浄

活性化固相カラム1

吸着

溶出

活性化固相 カラム2に吸着

溶出

濃縮

クリーンアップ法

←メチルアルコール 5 mL

←精製水 5 mL

←メチルアルコール:  濃アンモニア水 99:1 5 mL

←メチルアルコール:  濃アンモニア水 99:1 5 mL

 30 mL/minで通水

←メチルアルコール:TFA  99:1 5 mL

←メチルアルコール:5 mL

 窒素吹付で2 mLにする

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

28

< ジェオスミン、2‐メチルイソボルネオール > (基準項目No.42,43)(H15 厚生労働省検査方法告示別表第27)

     カビ臭物質は揮発性です。窒素ガスまたは吸引による脱水は回収率に影響を与える可能性があるため推奨されません。 

カビ臭物質であるジェオスミン、2-メチルボルネオールの分析方法は複数リストされています。別表27に示された方法では、Sep-Pak C18、tC18等の逆相カートリッジによる固相抽出法が採用されています。

濃縮

遠心分離による脱水

5 mLジクロロメタン、 5 mLメタノール、 5 mL精製水を順次注入

検水500 mLを10-20 mL/minでロード

遠心分離による固相カラムからの脱水

2 mLジクロロメタン

溶出液を窒素吹付けにより0.5 mL以下まで濃縮し、ジクロロメタンを加えて0.5 mLとする

GC/MS

溶出

コンディショニング /平衡化

Sep-Pak C18 または tC18

エバポレート

分析

Point

Point

29

< 非イオン界面活性剤 > (基準項目No.44)(H15 厚生労働省検査方法告示別表第28、第28の2)  対象:ヘプタオキシエチレンドデシルエーテル

告示別表第28、第28の2では、固相に関して「シリカゲルベースのC18固相またはスチレンジビニルベンゼン共重合ポリマー

を充塡した固相あるいはそれと同等以上の性能を有する固相を使用」と記述されていますが、試料pHが塩基性である場合にシリカゲルが溶解し回収率が低下することや、また試験者の操作によって回収率にばらつきが生じることなどが

あります。その際、告示方法に準じた上で固相カートリッジにOasis HLB Plusを使用することで良好かつ再現性の高い結果を得られた例があります。(次ページ参照)

バックフラッシュ*で、かつゆっくりと(1 mL/min以下)溶出を行うことが重要です。(*バックフラッシュについてはP.26「バックフラッシュ法」を参照ください)

分析での処理にて行われる2回の液液抽出操作でトルエン層と水層をきれいに分別することが結果に大きく影響します。

更に、分光光度計で使用する低容量分光セルの位置調整も結果に大きく影響するので注意が必要です。

(参考:「上水試験方法 解説2001年版」(日本水道協会)より注意事項を抜粋)

★ 注意事項1: 試料水中の陰イオン界面活性剤濃度が0.1 mg/L以上の場合、正の影響を受ける 回避策 → Sep-Pak QMAを上に連結してタンデム濃縮  (Sep-Pak QMAのコンディショニングはメタノール5 mL、精製水5 mL)

★ 注意事項2: 水分があるとトルエンによる溶出効果が低下。吸引による乾燥の場合は1時間程度実施するなど注意が必要です。

濃縮

洗浄

5 mLメタノール、 5 mL精製水を順次注入

水酸化ナトリウム溶液(4w/v%)を用いてpH9に調整した検水*を10-20 mL/minでロード

10 mL精製水で洗浄

窒素ガス吹付けまたは吸引により乾燥

トルエンでバックフラッシュ溶出正確に5 mLにメスアップ

「別表第28、別表第28の2、4 -(2)分析」の記述の通り処理を実施ののち、測定

乾燥

コンディショニング /平衡化

Oasis HLB Plus

溶出

分析

Point 1

Point 3・Point 4

Point1

Point2

Point3

Point4

Point 2 バックフラッシュ

* 別表第28吸光光度法:1000mL 別表第28の2 HPLC法:500mL

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

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Oasis HLB Plus 使用による非イオン界面活性剤の抽出効率改善例平成17年度全国水道研究発表会 財団法人日本食品分析センター川口寿之様ご発表 (ア)の直線は固相抽出を行わずに標準溶液を直接PAR試薬にて発色操作し定量を行ったもので、固相抽出を行った試料については本直線に近い

直線性が得られることが望まれます。ところが、固相の選択によっては図

の(ウ)、(エ)のように直線とならなかったり、または濃度依存性の低

い結果となります。(イ)はOasis HLB Plusカートリッジ により固相抽出を行った場合の検量線で、(ア)に近い直線が得られています。

 ここでの非イオン界面活性剤平均回収率は88%と良好な結果であり、 実験者が異なっても安定した結果を再現良く得ることができています。 また、非イオン界面活性剤に正の影響を与えるとされている陰イオン界

面活性剤についてはOasis HLB Plusを用いてトルエン溶出を行った場合には問題となるような影響は無く、反対に今まであまり触れられること

の無かった陽イオン界面活性剤が正の影響を与える事が確認され、その

影響をイオン交換固相カートリッジをOasis HLB Plusの上端に接続することで防ぐことができています。

(ア): トルエンに非イオン界面活性剤を添加(スタンダード)(イ): Oasis HLB Plusにて固相抽出(ウ): スチレンジビニルベンゼン共重合体にて固相抽出(エ): オクタデシルシリル基を化学結合したシリカゲルにて      固相抽出

(財団法人日本食品分析センター 川口寿之様 ご提供)

31

< フェノール類 > 固相抽出‐誘導体化‐ガスクロマトグラフ‐質量分析法(基準項目No.45)(H15 厚生労働省検査方法告示別表第29)

ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体使用

告示法で採用されているバックフラッシュ法(P.26参照)を実施することが高回収率を得るためのポイントとなります。

★バックフラッシュ法(BF)で実施した場合と、バックフラッシュのように逆方向ではなく通水方向と同じ方向で脱離溶媒を流す方法(FF)とで回収率の差を見た実験結果を以下に示します。

化合物名回収率(%RSD)、n=3

FF BFフェノール 28.2 (10.1) 94.5 (7.2)2-クロロフェノール 83.1 (6.8) 83.7 (7.2)4-クロロフェノール 0.27 (21.2) 91.6 (1.7)2,6-ジクロロフェノール 79.0 (5.8) 81.7 (2.9)2,4-ジクロロフェノール 13.0 (17.7) 93.7 (4.4)2,4,6-トリクロロフェノール 76.7 (0.5) 90.8 (5.4)(純水への添加試験。分析方法は告示別表29に準ずる。)

バックフラッシュ法により、特に4-クロロフェノール、2,4-ジクロロフェノールの回収率が大幅に改善されているのが分かります。

濃縮

洗浄

10 mL酢酸エチル、10 mLメタノール、10 mL精製水を順次注入

塩酸を用いてpH2に調整した検水500 mLを流速10-20 mL/minでロード

10 mL精製水で洗浄

30分以上空気または窒素ガスを通気して乾燥

5 mL酢酸エチルでバックフラッシュ溶出後酢酸エチルで5 mLに定容無水硫酸ナトリウムを加えて脱水

1 mLをとり、N,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド 50 µLを加えて1時間静置。内部標準液20 µLを加える。

GC/MS

乾燥

コンディショニング /平衡化

Oasis HLB Plus

溶出

TMS化、内標添加

分析

Point 1

Point 2

Point1

Point2

バックフラッシュ

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

32

< フェノール類 > 固相抽出‐高速液体クロマトグラフ‐質量分析法(基準項目No.45)(H15厚生労働省検査方法告示別表第29の2)

水道水添加回収試験結果例

Oasis HLB Plus 操作ブランク

低濃度添加サンプル

高濃度添加サンプル

ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体使用バックフラッシュ法(P.26参照)により1 mLのメタノールで溶出可能となり、濃縮率が向上誘導体化をせずに、LC/MSで直接分析可能

濃縮

洗浄

5 mLメタノール5 mL精製水を順次注入

塩酸を用いてpH2に調整した検水500 mLを流速10-20 mL/minでロード

5 mL精製水で洗浄

10分以上空気または窒素ガスを通気して乾燥

メタノールで溶出液が1 mLになるまでバックフラッシュ溶出

精製水で5 mLに定容* 通常方向からメタノールを流す場合は、 溶出液を2 mLとり、精製水を加えて10 mLに定容する

乾燥

コンディショニング /平衡化

Oasis HLB Plus

溶出

定容 *

LC/MS分析

Point 1

Point 2

Point 3

Point1 Point2

Point3

化合物水中濃度(ppb)

n=1 n=2 meanフェノール - - -2-クロロフェノール - - -4-クロロフェノール - - -2,4-ジクロロフェノール - - -2,6-ジクロロフェノール - - -2,4,6-トリクロロフェノール - - -

化合物水中濃度(ppb) S.D. RSD% Recovery(%)n=1 n=2 n=3 n=4 n=5 mean

フェノール 0.077 0.084 0.068 0.083 0.071 0.077 0.0071 9.2 96 2-クロロフェノール 0.082 0.085 0.075 0.087 0.079 0.082 0.0047 5.7 103 4-クロロフェノール 0.076 0.084 0.072 0.086 0.074 0.078 0.0061 7.8 98 2,4-ジクロロフェノール 0.076 0.087 0.074 0.090 0.083 0.082 0.0068 8.3 103 2,6-ジクロロフェノール 0.075 0.086 0.073 0.084 0.076 0.079 0.0058 7.3 99 2,4,6-トリクロロフェノール 0.077 0.087 0.071 0.090 0.074 0.080 0.0083 10.4 100

化合物水中濃度(ppb) S.D. RSD% Recovery(%)n=1 n=2 n=3 n=4 n=5 mean

フェノール 0.365 0.380 0.364 0.336 0.372 0.363 0.0163 4.5 91 2-クロロフェノール 0.386 0.385 0.380 0.385 0.374 0.382 0.0050 1.3 96 4-クロロフェノール 0.386 0.361 0.378 0.377 0.367 0.374 0.0099 2.6 94 2,4-ジクロロフェノール 0.386 0.398 0.402 0.398 0.378 0.392 0.0101 2.6 98 2,6-ジクロロフェノール 0.379 0.362 0.389 0.388 0.369 0.377 0.0119 3.2 94 2,4,6-トリクロロフェノール 0.373 0.392 0.404 0.397 0.360 0.385 0.0184 4.8 96

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分析条件

HPLC条件システム : ACQUITY UPLC™ H-Classカラム : XSelect HSS T3 XP(2.1×100 mm、2.5 µm)カラム温度 : 40℃サンプル温度 : 10℃移動相A : 水移動相B : メタノール流速 : 0.15 mL/min注入量 : 100 µLグラジエント :

     Waters T3 カラムケミストリー     ・ 極性化合物を含む幅広い化合物に高い保持を発揮     ・ 酸性移動相での化学的安定性が高い     ・ 水系移動相でのdewettingが極小     ・ 低いギ酸濃度でも良好な結果

MS条件例*システム : Xevo™ TQDイオン化法 : APCI negativeコロナ電流 : 10 uA(1.5kV)ソース温度 : 150℃脱溶媒ガス : 600L/hrプローブ温度 : 300℃測定モード : SIRモニターイオン :

*最適条件はシステムによって異なります

    APCI(大気圧化学イオン化法)用イオン源が必要

引用文献)

○久保田領志、小林憲弘、田原麻衣子、杉本直樹、五十嵐良明:固相抽出-LC/MSによる水道水中フェノール及びクロロフェノール類の分析法の検討.第22回環境化学討論会,p.586-587 (2013)○久保田領志、小林憲弘、田原麻衣子、杉本直樹、五十嵐良明:固相抽出-LC/MS法によるフェノール類検査法の妥当性評価.第23回環境化学討論会,p.126-127 (2014)

HPLC-LC/MS水道水添加SIRクロマトグラム(添加濃度0.08 ppb、最終溶液4 ppb)

Point 3 Point 4

Point 3 Point 4

Time(min) A(%) B(%)0.0 80 201.0 60 40

10.0 60 4030.0 20 8035.0 20 8035.1 80 2040.0 80 20

化合物 モニターイオン(m/z)

コーン電圧(V)

フェノール 93.0 48 2-クロロフェノール 127/129 38 4-クロロフェノール 127/129 38 2,4-ジクロロフェノール 161/163 40 2,6-ジクロロフェノール 161/163 40 2,4,6-トリクロロフェノール 195/197 44

%

2,4,6-トリクロロフェノールm/z=195

%

6.00 8.00 10.00 12.00 14.00 16.00 18.00 20.00 22.00 24.00 26.00 28.00 30.002

2,6 -ジクロロフェノール 2,4 -ジクロロフェノール m/z=161

6.00 8.00 10.00 12.00 14.00 16.00 18.00 20.00 22.00 24.00 26.00 28.00 30.00

%

2

4-クロロフェノール m/z=127

6.00 8.00 10.00 12.00 14.00 16.00 18.00 20.00 22.00 24.00 26.00 28.00 30.00

%

2

2-クロロフェノール

Time6 00 8 00 10 00 12 00 14 00 16 00 18 00 20 00 22 00 24 00 26 00 28 00 30 00

%

5

フェノール m/z=93

6.00 8.00 10.00 12.00 14.00 16.00 18.00 20.00 22.00 24.00 26.00 28.00 30.00

ACQUITY UPLC H-Class+Xevo TQD

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

34

LC条件LC システム : ACQUITY UPLC H-Classカラム : ACQUITY UPLC HSS T3、2.1×100 mm、1.8 µmカラム温度 : 40 ℃移動相 A : 水移動相 B : メタノール注入量 : 20 µL(50 µLループ)流速 : 0.45 mL/minグラジエント:

分析時間 :13 分

MS条件MS システム : Xevo TQ-S microイオン化モード : APCI negative分析モード : SRMコロナ : 10 uA(1.5 kV)ソース温度 : 150 ℃ プローブ温度 : 200 ℃脱溶媒ガス : 1100 L /hrコーンガス : 150 L/hrSRM

UPLC-LC/MS/MS水道水添加SRMクロマトグラム(添加濃度0.08 ppb、最終溶液4 ppb)

Time(min) A(%) B(%) Curve0.00 80 20 Initial0.33 60 40 63.33 60 40 610.00 20 80 611.00 80 20 11

Name プリカーサーイオン

プロダクトイオン

コーン電圧(V)

コリジョンエネルギー(eV)

RT IonMode

Phenol 92.75 64.70 68 17 2.19 APCI-2-CPh 126.80 34.80 30 14 3.73 APCI-4-CPh 126.80 34.80 46 16 4.59 APCI-2,6-DCPh 160.80 34.80 56 17 5.90 APCI-2,4-DCPh 160.80 124.65 52 14 7.32 APCI-

2,4,6-TCPh 194.80 34.80 62 20 8.86 APCI-

10013: MRM of 1 Channel AP-

194.8 > 34.8 (246-TCPh)8.88

100

1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50 5.00 5.50 6.00 6.50 7.00 7.50 8.00 8.50 9.00 9.50

%

0

100 1.38e3

12: MRM of 1 Channel AP- 160.8 > 124.65 (24-DCPh)7.31

2,4,6-トリクロロフェノール

100

1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50 5.00 5.50 6.00 6.50 7.00 7.50 8.00 8.50 9.00 9.50

%

0

100 ( )7.20e3

11: MRM of 1 Channel AP- 160.8 > 34.8 (26-DCPh)5.93

2,4 -ジクロロフェノール

100

1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50 5.00 5.50 6.00 6.50 7.00 7.50 8.00 8.50 9.00 9.50

%

0

100 ( )1.95e3

10: MRM of 1 Channel AP- 126.8 > 34.8 (4-CPh)4.57

2,6 -ジクロロフェノール

1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50 5.00 5.50 6.00 6.50 7.00 7.50 8.00 8.50 9.00 9.50

%

0

100 ( )2.73e3

9: MRM of 1 Channel AP- 126.8 > 34.8 (2-CPh)3.72

4 -クロロフェノール

2-クロロフェノール

1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50 5.00 5.50 6.00 6.50 7.00 7.50 8.00 8.50 9.00 9.50

%

0

( )1.60e3

8: MRM of 1 Channel AP- 92.75 > 64.7 (Phenol)2.18

Time1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50 5.00 5.50 6.00 6.50 7.00 7.50 8.00 8.50 9.00 9.50

%

12

( )1.60e3フェノール

水道水中フェノール類UPLC™-LC /MS/MS分析例

Xevo TQ-S micro

35

注: 1.エンドスルファンはα体、β体の合計で算出。 2.プロピコナゾールは2ピークになるため、その合計で算出。

< 農薬類> 固相抽出‐GC‐MS一斉分析法(H15 厚生労働省水質管理目標設定項目検査方法 別添方法5、別添方法5の2)対象:68農薬*注(P.7~11 表3にて 検査方法が「固相抽出‐GC‐MS法」のもの)

濃縮

乾燥

5 mLジクロロメタン、5 mLメタノール、5 mL精製水を順次注入

検水500 mLを流速10-20 mL/minでロード

30分以上空気または窒素ガスを通気して乾燥

3 mLジクロロメタン(別添方法5)、5 mLジクロロメタン(別添方法5の2)

窒素ガス吹きつけで0.8 mL以下(別添方法5)、0.9 mL以下(別添方法5の2)まで濃縮内部標準液0.2 mL(別添方法5)、0.1 mL(別添方法5の2)を加え、ジクロロメタンを加えて1 mLとする

GC/MS

溶出

コンディショニング /平衡化

Sep-Pak PS-2

エバポレート

分析

ジアゾメタン化に水分が妨害となりますので、しっかり乾燥させることが重要です。なお、ジクロロメタン溶出の際に、 Sep-Pak PS2の後に脱水カートリッジ(Sep-Pak Dry)を接続させると、より完全な脱水が可能です。(Sep-Pak Dryはあらかじめ5 mLのジクロロメタンでコンディショニングし、溶出時のジクロロメタンは6 mLとすること)

< 農薬類 > 固相抽出‐誘導体化‐GC‐MS一斉分析法(H15 厚生労働省水質管理目標設定項目検査方法 別添方法6)対象:ベンダゾン、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2, 4-D)、トリクロピル、メコプロップ(MCPP)

濃縮

乾燥

5 mLジクロロメタン、5 mLメタノール、5 mL精製水を順次注入

検水500 mL(塩酸(1+10)でpH3.5に調整)を流速10-20 mL/minでロード

30分以上、空気または窒素ガスを通気して乾燥

3 mLジクロロメタン

窒素ガス吹付けにより0.5 mL以下まで濃縮ジアゾメタン溶液0.5 mLを加え、10分間静置後窒素ガスにより0.5 mL以下に濃縮内部標準液0.5 mLを加え、ジクロロメタンを加えて1 mLとする

GC/MS

溶出

コンディショニング /平衡化

Sep-Pak PS-2

エバポレート誘導化内標添加

分析

Point 完全な乾燥

Point

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

36

< 農薬類 > 固相抽出‐LC一斉分析法 (H15 厚生労働省水質管理目標設定項目検査方法 別添方法9)対象: イプロジオン、アシュラム、チオファーネートメチル、シデュロン

5 mLアセトニトリル5 mL精製水を順次注入

検水500 mLにEDTA溶液(10w/v%)10 mLを加え、硝酸(1+10)でpH3.5に調整し、 10-20 mL/minでロード

10 mL精製水で洗浄

1分間の通気または遠心分離によって水分を除去

3 mLアセトニトリルで溶出

窒素ガス吹付けにより1 mL以下に濃縮し、アセトニトリルを加えて1 mLとする

HPLC

Sep-Pak PS-2

濃縮

洗浄

乾燥

コンディショニング /平衡化

溶出

エバポレート

分析

特に難しいポイントはなく、シンプルな手法で良好な結果が得られます。

< 農薬類:カルバリル(NAC)> 固相抽出-高速液体クロマトグラフ法(H15 厚生労働省水質管理目標設定項目検査方法 別添方法10)

濃縮

乾燥

溶出

コンディショニング /平衡化

Sep-Pak tC18

エバポレート

分析

10 mLアセトニトリル、20 mL精製水を順次注入

検水500 mLを流速10-20 mL/min.でロード

15分間の通気または遠心分離により水分を除去

3 mLアセトニトリルで溶出

窒素ガス吹きつけにより1 mL以下に濃縮し、アセトニトリルを加えて1 mLとする

HPLC

37

*1 酢酸・メタノール溶液:酢酸2 mLにメタノールを加えて100 mLとしたもの *2 過塩素酸ナトリウム・アセトニトリル混液:下記で調製した過塩素酸ナトリウム溶液とアセトニトリルを体積比で17:5の割合   で混合したもの   過塩素酸ナトリウム溶液:過塩素酸ナトリウム14.1 gと水酸化ナトリウム400 mgおよび乳酸1.8 mLを精製水に溶かして1 L   としたもの

注意:イミノクタジン酢酸塩はガラスへの吸着性が高いため容器やバイアルおよび器具の接液部にはポリテトラフルオロエチ

レンまたはポリプロピレン製を使用すること。

< 農薬類:イミノクタジン > 固相抽出‐高速液体クロマトグラフ‐ポストカラム法(H15 厚生労働省水質管理目標設定項目検査方法 別添方法16)

濃縮

乾燥

溶出

コンディショニング /平衡化

Sep-Pak PS-2

エバポレート /再溶解

分析

5 mL メタノール 5 mL 精製水

検水500 mLを流速10-20 mL/minでロード

30分以上通気または窒素ガス吹付けにより乾燥

3 mL酢酸・メタノール溶液*1で溶出

過塩素酸ナトリウム・アセトニトリル混液*2で溶解し1mLとする

HPLC-ポストカラム法

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

38

水道水中イミノクタジン、ジクワット、パラコート一斉分析法について

パラコートとジクワットはどちらもビピリジニウム系に分類される非選択形除草剤で、土壌に散布されると活性を失い作物を枯らしにくくまた安価であることから広く使用されています。両農薬の混合製剤として使用されることが多く、日本における排出量は併せて374 t /年1)と推計されていますが、人体に対する毒性は強く特異的な解毒剤はありません。

日本においては従来からジクワットが水道水質管理目標設定項目農薬類の一つとして規制(目標値は0.005 mg/L)されていましたが、平成25年3月28 日付通知(健発0328 第7号~第9号及び健水発0328 第4号~第7号)によりパラコートも新たに対象農薬リストに掲載されました。目標値はジクワットと同じく0.005 mg/Lです。

ジクワット、パラコートのピリジニウム基は強い塩基性を持ち、また共に高極性でどちらも水溶解度が700 g/L(20℃)と高く3)、水中農薬類の測定方法として使用される逆相分配による抽出および分析が難しく目標値の1/100の定量下限値を得ることが困難です。

ウォーターズ社はパラコートとジクワットをその塩基性に着目し、弱陽イオン交換基と逆相の二つの保持能を併せ持つミックスモード固相 4)を使用して水道水中から抽出し、水道水質管理目標値 0.005 mg/L の 1/100 である 0.00005 mg/L以下で定量する方法を厚生労働省へ提案していましたが、同じく塩基性で水道水質管理目標値も 0.005 mg/L のイミノクタジンと併せて分析する方法が新たに別添方法21として採用され平成27年4月1日から施行されています。

参考文献1. 経済産業省平成15年推計 2. 厚生労働省平成15年10月10日健水発第1010001号 3. CDS Tomlin, The Pesticide Manual, 11th edition, British Crop Protection Council4. E.S.P. Bouvier, P.C. Iraneta, U.D. Neue, P.D. McDonald, D.J. Phillips, M. Capparella and Y.-F. Cheng, in: Current Trends and Developments in Sample Preparation, LC-GC, (1998)

ジクワットとパラコートの構造 イミノクタジンの構造

NH

NH2

NHNH

NH NH2

NH

39

注意:イミノクタジン、ジクワット、パラコート共にガラスへの吸着性が高いためサンプル溶液がガラスへ接触しないこと。検水捕集容器、メスフラスコを含む全ての器具、及びバイアルなどの接液部にはポリプロピレン製を使用すること。濃縮には吸引式マニホールド及びリザーバー*を使用。

*吸引式マニホールド及びリザーバー商品番号WAT200677 エキストラクションマニホールド本体(ラック無し)商品番号JKT200606 エキストラクションマニホールド本体(13 × 75 mm試験管用ラック付き)商品番号JKT200607 エキストラクションマニホールド本体(13 × 100 mm試験管用ラック付き)商品番号JKT200608 エキストラクションマニホールド本体(16 × 75 mm試験管用ラック付き)商品番号JKT200609 エキストラクションマニホールド本体(16 × 100 mm試験管用ラック付き)商品番号WAT024659 Sep-Pakリザーバー 60 cc(12本入り)

濃縮

洗浄 1

溶出

再溶解

コンディショニング /平衡化

Oasis WCX60 mg/3cc, 30 µm

洗浄 2

乾固

分析

3 mL メタノール 3 mL 精製水 *検水 50 mLをロード流速2~3 mL/min

3 mL 精製水

1 mL メタノール

アセトニトリル/ギ酸(90:10)混合液2.5 mLで溶出

窒素ガスを緩やかに吹き付けて0.2 mL 以下に濃縮(@40 ℃)

アセトニトリル/ギ酸(90:10)混合液1 mLとする

HILIC LC - MS/MS

オーダーインフォメーション商品番号:186002495 Oasis WCX 60 mg/3cc, 30 µm 100本入り

* 残留塩素が含まれている場合には、 チオ硫酸ナトリウムを検水1 Lあたり0.01~0.02 g加える

< 農薬類:イミノクタジン、パラコート、ジクワット > 固相抽出‐高速液体クロマトグラフ‐質量分析一斉分析法(別添方法21)

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

40

分析条件

LC条件使用システム : Waters™ ACQUITY UPLC™ H-Class分離カラム : Waters Atlantis HILIC Silica 2.1 mm ×100 mm,粒子径3 µm(商品番号186002013)分離カラム温度 : 30 ℃移動相 : アセトニトリルと150 mMギ酸アンモニウム緩衝液(pH3.6)を(50/50)に混合したもの流速 : 0.40 mL/min 注入量 : 10 µL

MS条件* 使用システム : Waters Xevo™ TQD質量分析部 : 四重極型イオン化法 : ESI(正イオン測定モード)イオン源温度 : 150 ℃

* 使用する機種により最適値が異なります

イミノクタジン、ジクワット、パラコート水道水添加回収試験結果例 *

Oasis WCX、60mg / 3 cc、30 µm使用 検水25 mL⇒0.1 mLまで濃縮⇒0.5 mLに定容

* 引用文献)○小林憲弘、久保田領志、佐々木俊哉、五十嵐良明、水道水中のイミノクタジン・ジクワット・パラコートのLC/MS/MS一斉分析法の開発、環境科学会誌 28(2):117-125(2015)

Name プリカーサー プロダクト コーン電圧(V)

コリジョンエネルギー(eV)

Diquat 183.0 157.1 45 20Iminoctadine 178.7 100.0 30 10Paraquat 186.0 171.0 40 15

農薬名 添加濃度(µg/L)

回収率(%) 併行精度(RSD%)試料 1 試料 2 試料 3 試料 4 試料 5 平均

イミノクタジン0.5 74 78 76 69 74 74 4

0.05 83 74 73 77 69 75 7

ジクワット0.5 78 84 79 78 78 79 3

0.05 87 91 80 84 84 85 5

パラコート0.5 87 90 82 85 80 85 5

0.05 94 90 95 86 87 91 4

41

1.HILICカラム平衡化*1

  ■ 購入後カラムの初回使用時 1. アセトニトリル /水 50:50を10カラムボリューム(カラム容積の10倍)流す*2 2. 移動相を50カラムボリューム(カラム容積の50倍)流す   ■ カラム平衡化 1. 移動相を20カラムボリューム(カラム容積の20倍)流して平衡化する   ■ グラジエント分析時 1. 8 -10カラムボリューム(カラム容積の8 -10倍)で再平衡化   ■ カラム保管 1. 日々の使用   ・ アセトニトリル /水 50:50を10カラムボリューム流す 2. 長期保管   ・ アセトニトリル/水 95:5を10カラムボリューム流した後カラムを外し、両側に密栓をして保管 *1 平衡化が充分でない場合、保持時間の変動が起こることがあります。*2 別添方法21のための初回平衡化方法です。他の目的に使用する場合は製品付属の取扱説明書をご参照ください。

2.サンプル溶解溶媒の影響  ■ サンプル溶解溶媒は試料溶解性とピーク形状に大きく影響する(逆相の場合と同様)   ■ サンプル溶解溶媒は少なくともアセトニトリル濃度75%またはできるだけ初期組成の移動相に近い溶媒

・ 別添方法21の場合、検量線作成用標準溶液を含む全てのサンプル溶液はアセトニトリル/ギ酸(90:10)に溶解

3.HILICカラムの性能確認方法  ■ 迅速で簡単に親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)カラムの性能評価をするために特別に調製された   Waters HILIC 品質管理標準(商品番号 186007226)を使用

・ HILICモードで良好に分離 ・ UV@254 nmで良好に検出

Waters HILIC 品質管理標準に含まれる化合物

Waters HILIC 品質管理標準使用例

分析条件 カラム温度 : 30 ℃移動相 : アセトニトリル/ 100 mMギ酸アンモニウム緩衝液 pH 3.0(90:10) 流速 : 0.5 mL/minアイソクラティック送液 インジェクション容量 : 2 µL検出 : UV 254 nm

HILIC カラム使用上のコツ

化合物名 特性

Acenaphthene Voマーカー*Thymine 中性・高極性

Adenine 塩基性・高極性

Cytosine 塩基性・高極性

AU

0.00

0.05

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 min

HILIC QCRMLot# W11061301

1

23

4

1. Acenaphthene 2. Thymine 3. Adenine 4. Cytosine

*カラム容量(void volume)を推定するためのマーカー

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

42

注意:次の3種の農薬については本手法において完全に回収されません。①チオファーネートメチル : 水中で一部MBCに分解②ベノミル : 水中でMBCに分解(厚労省通知に表記あり)③ベンフラカルブ : 水中でカルボフランに分解

< 農薬類 >固相抽出‐LC‐MS一斉分析法 (H15 厚生労働省水質管理目標設定項目検査方法 別添方法18)  対象:28農薬*注 ( P.7~11 表3にて 検査方法が「固相抽出‐LC‐MS法」のもの)

濃縮

乾燥

コンディショニング /平衡化

Oasis HLB Plus

溶出 /エバポレート

分析

10 mLアセトニトリル10 mLメタノール10 mL精製水を順次注入

EDTA溶液10 mLを加え、硝酸(1+10)でpH3.5に調整した検水500 mLを10-20 mL/minでロード

窒素ガス吹付けにより乾燥

5 mLアセトニトリルで溶出*窒素ガス吹きつけで0.2 mL以下まで濃縮精製水を加えて1 mLとする

LC/MS

*必要に応じてバックフラッシュを行うことにより良好な結果が得られる場合があります。

分析条件装置 :2695セパレーションモジュール、及び Quattro micro API(MS/MS検出器)

HPLC条件 カラム :Atlantis dC18、150 × 2.1 mm I.D.、3 µm流速 :0.2 mL/min温度 :40 ℃移動相 :0.5%ギ酸MeOH(0.01%ギ酸含有)によるグラジエント (グラジエントテーブルは下記を参照)注入量 :(5 µL)分析時間 :30 min

グラジエント条件time %A %B Flow Curve0.0 95 5 0.2 12.0 60 40 0.2 615.0 5 95 0.2 620.0 95 5 0.2 11

43

農薬名水質管理目標値 添加濃度 添加回収試験結果(n=5)

mg/L mg/L 回収率 CV(%)チウラム 0.02 0.00006 84.7 5.8ベンタゾン 0.2 0.000003 98.5 5.7カルボフラン(カルボスルファン代謝物) 0.005 0.000006 94.7 4.72,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D) 0.03 0.00003 99.1 10.1トリクロピル 0.006 0.00006 95.8 7.7イプロジオン 0.3 0.0003 94.7 4.6オキシン銅 0.04 0.000003 110.5 6.8アシュラム 0.2 0.00012 86.0 7.3ベンズリド(SAP) 0.1 0.00003 74.6 7.9メコプロップ(MCPP) 0.005 0.00003 104.5 9.5カルバリル(NAC) 0.05 0.000012 85.6 4.0チオファネートメチル*①) 0.3 0.00003 77.7 5.5カルプロパミド 0.04 0.00003 85.3 5.6ジウロン(DCMU) 0.02 0.00003 101.1 1.9メソミル 0.03 0.00003 91.1 6.3ベノミル*②) 0.02 0.00006 29.3 21.4ベンフラカルブ*③) 0.04 0.00012 - -

プロベナゾール 0.05 0.00003 96.0 2.9ダイムロン 0.8 0.000006 90.7 5.9ベンスルフロンメチル 0.4 0.00006 97.5 2.6トリシクラゾール 0.08 0.000003 89.7 7.5アゾキシストロビン 0.5 0.000006 87.0 4.8ハロスルフロンメチル 0.3 0.00003 107.0 3.3フラザスルフロン 0.03 0.00003 81.5 4.2チオジカルブ 0.08 0.00006 102.7 4.9シデュロン 0.3 0.000006 100.6 8.8メチル-2-ベンツイミダゾールカルバメート(MBC) 0.02 0.000003 104.2 1.9

注:ベノミルはMBCとの合計で算出

< 農薬類 >固相抽出‐LC‐MS一斉分析法 精製水添加回収試験の結果例(分析条件は前ページ参照)

注意:次の3種の農薬については本手法において完全に回収されません。①チオファーネートメチル : 水中で一部MBCに分解②ベノミル : 水中でMBCに分解(厚労省通知に表記あり)③ベンフラカルブ : 水中でカルボフランに分解

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

44

< 農薬類:グルホシネート、グリホサート、AMPA > (H15厚生労働省水質管理目標設定項目検査方法 別添22)

< 農薬類:プロチオホス、プロチオホスオキリン >(H15厚生労働省水質管理目標設定項目検査方法 別添25:参考)

濃縮FOMC誘導体化検水*を 2-4 mL/minでロード

濃縮検水 * 500 mLを 10-20 mL/minでロード

洗浄5 mM酢酸アンモニウム溶液 1 mL

乾燥空気または窒素ガス

溶出アセトニトリル /5 mM酢酸アンモニウム溶液 **1.5 mL

溶出ジクロロメタン 5 mL

内標準添加0.1 mL 9-ブロモアントラセン 0.001 mg/mL

コンディショニング /平衡化3 mL アセトニトリル/3 mL 精製水

コンディショニング /平衡化ジクロロメタン、メタノール、精製水 各 5 mLを順次注入

使用固相Sep-Pak PLUS PS-2

使用固相Oasis HLB PLUS

定容(2.0 mL)アセトニトリル /5 mM酢酸アンモニウム溶液 **

濃縮窒素ガス吹き付けにより 0.9 mL以下に濃縮

定容(1.0 mL)ジクロロメタン

LC/MS/MS***

GC/MS

オーダーインフォメーション商品番号:[ JJAN20131]Sep-Pak PLUS PS-2 カートリッジ、50 個入り

* 検水20 mLにホウ酸ナトリウム溶液 1 mLとクロロギ酸9-フルオレニルメチル (FMOC)0.1 gをアセトニトリルに溶かし100 mLとした溶液 2 mLを混合し、 50℃で20分間加熱後、2%リン酸溶液 1.2 mLを加えたもの

ホウ酸ナトリウム溶液:四ホウ酸ナトリウム(10水塩)5 gを精製水に溶かし100 mLとしたもの

残留塩素が存在するときはチオ硫酸ナトリウムを添加

** アセトニトリル/5 mM酢酸アンモニウム溶液 (40:60)

*** LC/MS/MSが高感度機種の場合は固相抽出による濃縮を省略することが可能。 反対に感度が十分でない場合は固相抽出の濃縮倍率を上げることで対応可能

オーダーインフォメーション商品番号:[186000132]Oasis HLB PLUS カートリッジ、50個入り

* 精製水、アセトンで洗浄したガラス容器に採取し、pHが約3となるように塩 (1+10)を加え、満水にして直ちに密栓し、速やかに試験をする

プロチオホスは吸着性が高いため、検水を pH3 に調整することと、用いた器具の洗い込みが重要Point

45

③ 水質分析 Q&A

水質分析においてよく発生する疑問点・注意点について、Q&Aの形でまとめました。

[ 農薬分析関連 ]別添方法18の固相抽出-LC-MS一斉分析を行ったところ、ベンフラカルブなど、ピークが検出できないものが あった。なぜか?

この手法では以下のとおり回収率が悪くなるものがあります。(P.42、43参照) ・ベノミルおよびチオファーネートメチル・・・ 水中でMBCに分解 ・ベンフラカルブ・・・ 水中でカルボフランに分解

チウラムのみの抽出の場合、検水のpH調整は必要か?

チウラム、イプロジオン、ベンスリド等の中性化合物の抽出だけであればpH調整は必要ありません。アシュラム、オキシン銅などのイオン性化合物の濃縮を同時に行う場合にpH調整が必要となります。(P.42参照)

農薬の固相抽出添加回収試験において回収率が100%を越えるものがあるのはどうしてか?

100%を越える結果が良好な変動係数で得られる場合、対象化合物とは別の化合物が未分離の可能性があり ます。HPLCの場合、移動相・カラムなどの変更により分離を改善してください。GC/MSの場合はSIMのモニター イオンの選択によって妨害が排除できることもあります。変動係数が悪い場合は抽出操作や分析装置の不良、 検量線作成の不良といったことも考えられますのでご確認ください。

農薬の回収率が悪い、もしくはバラつきが多いがなぜか?

次のような原因が考えられます。 ・添加する農薬標準液が分解している。 →分解しやすいものが多いので、用時調製してください。・検水を入れる容器などへの農薬の吸着。 →良質なガラスもしくはテフロン製を使用してください。・吸引式装置を使用している。 →送液の安定性の高い加圧式装置の使用をおすすめします。・検水に標準液を添加してから濃縮するまでの時間が一定でない。 → 添加後の経過時間によって、農薬の分解により結果が変わることがあります。農薬の場合、   可能な限り同一条件で測定してください。

Q1.

A.

Q2.A.

Q3.A.

Q4.A.

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

46

[ 固相抽出関連]固相抽出を行う際の通水速度は一定である必要はあるか?

はい、必要です。一般に固相に対して保持しにくいものほど通水速度の影響を受けます。農薬では特にアシュラム、オキシン銅などが影響を受けます。Sep-Pakコンセントレーターなどの、安定した加圧式装置の使用をお勧め します。

固相カートリッジからの溶出速度は結果に影響があるか?

はい、溶出速度は通水速度よりも結果に与える影響が大きくなります。一般には3 mL/min以下、いわゆる液滴が連続しないぐらいの流速で行う必要があります。

検水をあらかじめフィルターろ過する場合、捕集された浮遊物(ss)に農薬が付着し、回収率が低下するようなことはないか?

必要に応じてフィルターをアセトン等で洗浄し、洗浄液を検水と合わせて固相抽出してください。 この場合アセトン等の洗浄液は検水の1%以下になるようにしてください。

固相抽出後の脱水処理が面倒。何かよい方法はないか?

メチル化後にGC分析するような場合、メチル化の反応が水で妨害される可能性があります。この場合、溶出液をSep-Pak Dryで脱水できます。(P.35参照)

精製水における固相抽出ブランク試験においてピークが検出されるが、これは何か?

多くの場合、精製水そのものに含まれている有機化合物が濃縮されたものです。超純水などのできるだけ有機化合物の含有量の少ないものを使用してください。なお、水が原因の場合、検水量を変えるとピーク強度が変わります。

また、最終溶出溶媒が汚れている可能性もありますので、あらかじめ溶媒のみを分析して確認してください。 固相抽出カートリッジのボディーからは通常のコンディショニングを行えば分析に妨害になるような溶出物は出ません。なお、実験室内が汚染されている場合、検水への飛び込み、通気乾燥中のカートリッジへの吸着が起こりますので、清浄な環境で試験を行ってください。

Q5.A.

Q6.A.

Q7.

A.

Q8.A.

Q9.A.

47

品名 商品コード 数量 価格(円)

Uni 基本構成 濃縮用

Sep-Pak コンセントレータUni JLC002046 1 480,000

Sep-Pak コネクションキット WAT011400 1 18,000

テフロンチューブ(1.5 ID×2.50 OD/10 m) JJAN10102D 1 17,000

Uni オプション 乾燥用

Sep-Pak コンセントレータUniドライユニット * JLC002052 1 180,000

Uni オプション 溶出用

Sep-Pak コンセントレータUni溶出用ブラケット * JJAN10005 1 100,000

Plus 基本構成 

Sep-Pak コンセントレータPlusコントローラ * JJAN10001D 1 370,000

Sep-PakコンセントレータPlus濃縮用ポンプ * JJAN10006 1 290,000

Sep-Pak コンセントレータPlus溶出用ポンプ * JJAN10007 1 320,000

オプション 同時ろ過用

PFAフィルターホルダ ジョイント付き JJAN85055 1 33,000

ガラス繊維フィルター(1 µm、47 mm) JJAN85056 500枚/箱 19,500

テフロンチューブ(3.0 ID×4.00 D/10 m) JJAN10125 1 7,300

溶出用ポンプ

Sep-Pak エリューションポンプ *(専用試験管ラック付き) JLCN10010 1 1,400,000

同時乾燥ユニット JLC002051 500,000

SPC 試験管(外径:13 mm、高さ:14 cm、5 mL用) JJAN25009 1 6,400

SPC 試験管(平栓) JJAN25008 10 20,800

窒素用レギュレーター JJAN9239 1 68,900

固相抽出カートリッジ

Sep-Pak Plus PS-2 JJAN20131 50個/箱 44,000

Sep-Pak Plus PS-2 JJAN20226 500個/箱 360,000

Sep-Pak Plus AC-2 JJAN20229 50個/箱 40,000

Sep-Pak Dry WAT054265 50個/箱 15,000

Sep-Pak Plus t C18 WAT036810 50個/箱 30,000

Oasis HLB Plus 186000132 50個/箱 42,000*Sep-Pak コンセントレータPlusおよびSep-Pakエリューションポンプの製造元は有限会社倉橋技研です。 日本ウォーターズ株式会社はこれらの製品の国内総販売元です。*価格表の表示価格は全て税別価格となっております。別途消費税等がかかります。

水質分析前処理用送液システム、固相抽出カートリッジ オーダーインフォメーション

エキストラクションマニホード固相カートリッジを20個まで装着可能なマニホールドです。吸引による通気で乾燥させる場合に、吸引ポンプを接続して操作を行います。

品名 商品コード 数量 価格(円)

エキストラクションマニホード本体(ラック無し) 186008998 1 124,000

吸引ポンプ 725000417 1 95,000*価格表の表示価格は全て税別価格となっております。別途消費税等がかかります。

[ WATER ANALYSIS 2018 ]

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安全な水は正しい分析結果から

加圧送液固相抽出システム Sep-Pakコンセントレータ

固相抽出カートリッジOasis HLBSep-Pak PS-2 / AC-2

UPLC-MSシステム:ACQUITY H-Class PLUS & Xevo TQ-S micro

UniドライユニットSep-Pak コンセントレータUni / Uni2連送液ポンプ

Sep-Pakコンセントレータplus 2連送液ポンプAlliance反応クロマトシステム

水質分析のトータルソリューション

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NOTES

Waters、 ACQUITY UPLC、Sep-Pak、Oasis、Alliance、Atlantis、Xevo、Quattro micro および The Science of What’s Possible は Waters Corporation の商標です。その他すべての商標はそれぞれの所有者に帰属します。

©2018 Waters Corporation. Printed in Japan. 2018年12月 MKT11028 12J(SU)

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