9.いくつかの形のleaking modeの性質 - huscap...9. いくつかの形のleaking mode...

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Instructions for use Title 9.いくつかの形のleaking modeの性質 Author(s) 吉井, 敏尅 Citation 北海道大学地球物理学研究報告, 21, 117-131 Issue Date 1969-02-15 DOI 10.14943/gbhu.21.117 Doc URL http://hdl.handle.net/2115/13957 Type bulletin (article) File Information 21_p117-131.pdf Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

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Page 1: 9.いくつかの形のleaking modeの性質 - HUSCAP...9. いくつかの形のleaking mode の性質吉井敏魁 (北海道大学理学部地球物理学教室) 一昭和43 il~

Instructions for use

Title 9.いくつかの形のleaking modeの性質

Author(s) 吉井, 敏尅

Citation 北海道大学地球物理学研究報告, 21, 117-131

Issue Date 1969-02-15

DOI 10.14943/gbhu.21.117

Doc URL http://hdl.handle.net/2115/13957

Type bulletin (article)

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Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

Page 2: 9.いくつかの形のleaking modeの性質 - HUSCAP...9. いくつかの形のleaking mode の性質吉井敏魁 (北海道大学理学部地球物理学教室) 一昭和43 il~

9. いくつかの形の leakingmodeの性質

吉井敏魁

(北海道大学理学部地球物理学教室)

一昭和 43il~ 10月受理j[-

1. まえがき

小爆破程度の規模の地震観測で、特に興味深いと忠われる 3つの形の I巴akingmodeについ

て考察する。今回は主として分散曲線を示すにとどめ,観測結果との比較は別の機会に行うつ

もりである。

分散i曲線は OUVERand MAJORおよび Suand DORMANの近似法を用いて計算した。こ

こに選んだ構造は,いずれもしばしば話題になりながら,分散曲線が全く計算されていないも

のばかりである。このようなやや変則的な構造についても 2つの近似法はなかなか有効であ

った。

11. いわゆる II群について

1953年以後,地震探鉱実験グ、ループにより数多くの小爆破実験が行われてきた。 そして

解析の際,記録上顕著な波群を通常 1,II, III および IV群と呼んで区別している。このうち I

群は初動の部分であり,屈折 P波と考えられる。 IIIf.fおよび IV群はレイリー型の波群であ

り, IV群は主として fundamentalmode, III JUは主として highermodeと考えられている。

いわゆる II鮮は初動にすぐ続いて見られる波群で一見分散波の形をしており,軟弱な地

盤では極めて大きな振幅を持つことが多い。

この II群がL、かなる型のi&動なのかについて, 従来数多くの議論がなされてきた。 最近

KUBOTERA and OHTA1),2)は,主として境界における convertedwaveの娠l悩,および娠l隔の深

度分布の計算から, II君子をいわゆる庄力波とみなして良いことを示した。 すなわち S波は II

併の分散にほとんど影響をあたえないということになる。

一般に軟弱な地盤ではポアソン比が 0.5に極めて近く, II :ljfがK力i皮に近い性質を持つ波

併であろうことは想像に難くない。 しかし, KUBOTERA and OHTAのようにこの問題を con-

verted waveの振幅のみから論ずるのはやや乱暴であり P-zone,S-zolleという考え方もあい

まいなところがある。彼らも認めているように, nJrfの位相速度と構造とを考え合わせると,

1) A. KUBOTERA and Y. OHTA; Oll Seismic Waves Gen巴raledby Small Explosions, Spec. Contr.,

Geophys. Inst. Kyoto Univ., 6 (1906), 267-279

2) A. KUBOTERA and Y. OHTA; On Seismic Waves Generated by Small Explosions (II), Spec.

Contr., Geophys. Inst. Kyoto Univ., 7 (1967), 169-179.

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118 吉井敏 主主

一種の l巴日kingmodeとしてあっかうのが段も臼然、であり,この方向から II群を論ずることも

必要であろう。

leaking mod巴の理論はすでに完)ょにされたものであるとは戸い ~W~い。 q判特1干守引'1性|

いう)形杉でこの1:川i打川!リJ:組i起起uをあつカか、うカか通ぎり, f瓦ぷt.民を iil'1;'ì:するというやっかいな(上~j;:が待ちうけてい

る。山治米3>,旧治米・|判1:1.14),5)の-)1iの例究が示すように, t~J" I~l:方程式を 2 つの複京変数((Yi]

えば角周波数と波数)のI;:.J数と考えると, このままでは分散曲“線"といった形のものは何ら

れず,他にI"Jか 1つ条件が必要となる。この条件として汐1]えば GILBEIU6)は波数の虚数i刊をセ

ロとおいている o 一方方iLASTER ミE凶taJ.7η)はf角f今1),'川l川4波数の虚数f部i刊郁1刊lをゼゼ『ロとして計3坪lした分J散位如III昨仰)

GILBERTの条件により;計I.t幻;7}したものと大変j兵史なつていることを示している。

このように, I'4なった条件から計算された分散l曲線が,b~~なった J]ヲをしているということ

はやっかいな問題である。一体,物JlIli'\'jに肢も芯、味のある条件,もしくは副社tl]~hjミを位もうま

くij){:明できる条件とはとのようなものなのであろうか。

最近, [日治止と・古)1:8);;t複i?;恨のl長数日1¥が小さければ, 様々な条件のもとに;n'b'llされた分

散l曲線が近似的に一致することを示した。!主数剖iが小さいということは減哀が小さいことに刈

応するであろうから,比較的大きな振IpMで観測されるような波併については,こういった条f'I:

にあまりこだわらなくて良いと言えるかも知れない。

本論文て‘は複;本1裂は求めずに OUVERand MAJORU)および Suand Dor,:vlANIU

)の近似法

により分散 1111総を計 T/ーするこにした。L11 治米・古川 11) は,やはり復ぷ恨の虚数Hi~が小さい場 fT

に,これらの近似法が有効であることを示している。これらの近似法は多間の構造についても

容易に応用することができ,筆者はすでにモデル実験における PLmoclel2)および水,¥吋j、I¥xi主13)

の解析に適JrJしl追い結果を件ている。

II 併の一般的な性質を淵べるため,ここでは第 l表に示すような 4つのモデんを巧与えた。

L 、ずれも半無限体の上に 1つの表!自がのっており, 両者の速度比は P波, S波とも l''7にな

3) 凶治米鋭二, ヲブi氏のヰ刊UJ程式をηflj'i]i匁で表わす }jil;,:I:t!!.',ふ 19(1966), 135-146

4) lJj治米鋭二・ l白.jLII Jム, ラフi氏の41性方程式を等角手[象でおわす方法(:.!), J也1工, 20 (1%7), 153-163.

5) 凹治米銃二・ l向111 Jぶ;ラ 7i皮の特性方程式を等 flj写像で 1~わす方法 (:J) , 1也',}J,21 (1%8), 1-B.

6) F. GILBERT; Propagation of Transient Leaking Modes in a Strat泊以1Elastic Waveguide, Rじv.

。fGeophys., 2 (1964), U3-153.

7) LASTER et a1.; Theoreti仁allnvestigation of Model SeisnlOgrams for a Layer over a l-lalf-Space,

Geophysiじs,30 (1965), 571-596.

8) 日l治米j:il二・古井敏魁., ラブ波の村性方程式な~:;'ì' flj~引象で夫わず方法 (4),池山 22, (1%9), I:D ftlllj'十1

9) ]. OLIVER and M. MAJOR; Leaking Modes and the PL Phase, Bul1. Seis, Soc. Am., 50 (1960),

165-180

10) S. S. Su and .T. DORMAN; The U出りfLeaking MりdωinSeismogram lnterpretatioll and in

Studiesυf Crust-Mantle Strudure, Bul1. Seis. Soc. Am., 55 (19(;5), 989-1O:.!1

11) '!IiiIJl 8).

U) 古川ー敏魁., モデノレ尖!倹による PLmodeの縦iJliJ,北大地球物足II学IUI究報告, 19 (1968), 65-71.

13) 吉井敏舷;東シナ海で観測された水中分散波について,北大地球物J!ll学研究報告, 20 (1968), 77-89.

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いくつかの形の leakingmodeの性質 119

第 1表 モデノレ A-l,A-2, A-Clお上び A-Lの弾性定数

Table 1. Elastic constants of A-l, A-2, A-3 and A-L

日21日1 sd日1 s21α1 PzlPl σ

4

4

3

4

A

A

A

A

。目25

0.34

0.47

(0.50)

町 compressionalwave velocity.

s: shear wave velocity.

ρdensity.

σPoisson's ratio.

C/<<, = 1.6

k~ '<11

制 A-2 ~ ¥/'ヘ¥(WI¥----¥ ノ/¥。l¥ ノ /¥/¥

コl¥¥/¥-./〆

ド i Uノ ¥/、ν...J 0..,

~ I A-3

lゾ〕¥fーヘ小J0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 1. 2

freq X H,/ぽ1

第 1図 モデル A-l,A-2および A-3の特性関数の計算例

Fig. 1. Examples of characteristic functions

for A-l, A-2 and A-3.

るように選んだ。そして全体のポアソン比を 0.25から 0.5まで変えたのであるが,最後のそ

デ‘ル A-Lは完全な液体であり,もちろん圧力波の分散曲線を正確に計算することができる。

特性方程式 L1=0の左辺 dを本論文では特性関数と l乎び,第 1図にこの計算例の一部を示

す。これらは 3つのモデ、ル A-1,A-2, A-3の c/α1=1.6の場合で,特性関数はこの領域では

複素数となるため絶対値をグラフにしてある。特に目立った極小には棒印を付して示した。

ポアソン比の大きなモデル A-3では,特性関数は見かけ上 2つの波長の山谷が重ね合わ

さった形をしているが, このうち長波長のものには主として P波, 短波長のものには主とし

て S波が寄与しているものと思われる。このことは Suand DORMANの方法でも明らかであ

ってこれら長波長,短波長の極小には,それぞれ上下動,水平動のスベクトルの極大が対応

する。

第 1図に見られるような鋭い極小をたどって描いた分散曲線を第2図に示す。ポアソン比

が 0.25に近い場合,位相速度 Cが αz>c>szなる領域では一般に PLmodeと呼ばれている波

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組;敏井士ttコ120

\\よ\~~.'-..\~\\J、足、\

λてヘ 、 〈虫 、火、 /¥ 二ノ¥ ¥ ¥ T ¥、¥(<.

¥-Q¥¥、、、

¥hと¥ご¥

¥¥hJ Y¥ 、

?立4L4;;;;;二ご¥L

0.5 0.6 0.7

freq X H,/OI, モテソレ A-l,A-2, A-3および A-Lの位相速度

Phase velocities for A-l, A-2, A-3 and A-L.

一一-A-L 一一-A-3 A-2 一一ー-A-1

¥

1

1中¥'ョ

.. --¥

¥1 ¥ 、、

0.2

2.0

)s ¥1.5 u

1.2 1.1 1.0 0.9 0.8 0.4 0.3

第2図

Fig. 2.

0.1 内

unυ ー

PL2b P~2 およモデル A-1の分散曲線には GILBERTand LASTER附に従い,f,y:となるので,

モデル A-Lの圧力波の分散曲線にも (1)および (2)でその次数をま7こ,び PL23と名づけた。

表わした。

(A--1)→(A-2)→(A-3)→(A-L)と全体のポアソン比を大きくして行った時の分散曲線の移り

まず気のつくことは,圧力波の fundamental mode (1)が方が第 2図に矢印で示してある。

PL22に対応することでPL modeの fundamentalmodeである PL21に対応するのではなく,

モデル A-3ではPL21はポアソン比を大きくして行くとどんどん不明瞭になってきて,ある。

また高次の圧力波に対応するのも P~3 ではなく PL24 らしい。ほとんど認められない。

やや周波数の大モデル A-3の分散曲線はモデル A-Lの分散曲線に大変近く,ところて、,

PL22に対応するものではこのずれが 5-8%程度であり,高きい方にずれているだけである。

次のものではさらに小さい。

田治米・浜田15)によれまたそデノレ A-3の分散曲線は cjα1=1.3付近で 2つに別れている。

ポアソン比が 0.5になった極限において無限に多くの次数のば,圧力波の 1つの分散曲線は,

すなわち,圧力波 (1)の 2,0>cjα1>1.3とレイリー型波の分散曲線から合成されるという。

従って周波数がさらにL3>cjα1とでは漸近してくる PLの分枝(次数)が違うと考えられる。

PL24 や P~5 が圧力波 (1) の 1 部分づっ

に漸近することも考えられる。

通常観測される II群はその位相速度が下層の P波の速度に近いことを

大きくなると P~2 も PL23 も圧力波 (1) からはなれ,

それはともかく,

モデル A-Lとモデル A-3の分散曲線は極めて良く似ていると言えるであろう。

モデル A-3のような構造の分散曲線を計算するには,

考えると,

圧力波の場

F. GILBERT and S. 1. LASTER; Experimental Investigation of Model Seismograms for a Lay巴r

over a Half-Space, Geophysics, 30 (1965), 571-596

田治米鋭二・浜田和郎,国体一流体波から流体 流体波への移り変り,地震, 14 (1961), 63守 76.

近似法とは言っても,

14)

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い〈つかの7診の leakin只 modeめ性賀 121

合に比べ大変手数がかかる。しか

し,第 21烈こ示したような--{;YIJを

もって,観測されたすべての II訴

をいつでも圧力波として解析して

しまうのはあまりに乱暴であろ

う。解析の!家はまず圧力波の分散

rH1線で適当な構造を推定し,次に

S波を考慮して leeu王ingmodeの

計算をしラ両者のずれをチェック

-3るのがj主L、ブ'Jt.去であろう。

-{yljとして, KUBOTERA and

OHTA16)の論文にも現れている,

新潟県内根市近郊での小爆破実験

第 3図 新潟県白根で観測された II'lllの実例

Fig. 3. Actual records of wave group II observed at Shirone, Niigata Pref

の際に記録された IIf,lについて考察する。第 3図はその実験て、得られた記録の一部で,震央距

離 10l ~122 m における初動付近の波形である。 と区!と下関は爆発点の深さが異なり,それぞ

れ 2mおよび 20mである。記録紙の送りが少々異なるため見にくいのであるが,深さ 2mの

場合は周期約 0.1s, 20 m の場合は約 0.06sくらいの波動が初動の限後に卓y出している。 t走者

はおそらく highermodeであろう。

これらの記録にさらに震央距離約 30~90m の記録を加えて位相速度および群速度を算出

し,理論1111線と比較した。ここではその例として第 4図に示すような 2つのモデノレについて述

べる。

第 5関は CASEIについての)}1l.論曲線と実関佑との比較である。観測された位相速度 (0

VELOCITY (m/s) o 100 200 300 400 500 600 700 800

0

E

立つoト司

ι !.u 口 1

15ト

20ト

第4[jii] 2つのモデノレの Pi皮, S波速度分布

Fig. 4, Compressional ancl shear wave velocity distributions for two moclcls.

16) liiiil¥ 1), 2)

印)を数値微分して求めた~F(速度もムnJで示し

てあるが, 直接求めた1¥手速度(口印)と良く

致する。なお, higher modeと忠われる波群に

ついては簡単のため位相速度のみを示した。こ

のi皮群の分散は極めて)i司朋の変化が少なくヲ位

相速度が突訊Ij{n'lと良く一致するようなモデノレで、

は, ji手速度もまた向様であろうことは容易に悲!

{設できる。

CASE 1の|荷主主ば, 同じ場所での }fn~行法の

結果を参考に定めたものである。この構造に対

する圧力波の分散曲線を第 5悶に実務ilて示すっ

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122 吉井敏!魁

屈折法の解析結果を無視して半無限休ま

での深さを 29mとしたとき最も実測値

に近くなるが,決して満足すべき結果と

は言えない。特に群速度は実誤IJ値より全

体としてかなり大きくなっている。この

図には S波を考慮した時の leaking

emodeの分散曲線も破線で示したが,定

性的には第2図の例と全く同一である。

第 6図は CASEIIの場合である。

CASE IIの特徴は表層近くをいわゆる

ミラージ風にしたこと,および CASE1

より表層全体の速度をやや小さくしたこ

とである。前者は主として群速度の実測

値の形から要求されることであり,後者

は屈折法による層の厚さに近づけるため

である。この構造から計算された圧力波

の分散曲線は, higher modeをふくめ実

700

6∞

500

III ¥ E400

dM o 〉・

トー

g300 .-J

SHIRONE

CASE-I

o o

一一ァ一戸u-ても a

長1.9刊w >

一一一-Pressurewave 200ト .目ーーー Leaking mode

ロo~ロ

100

白日S

D ・4‘

.

(obtained from observed phロsev. )

o b o i 5 0 1 1 0 1 5

PERIOO (sec)

第 5図 II群の位相速度および群速度実測値

と CASEIの理論曲線

Fig. 5. Observed phase and group velocities 。fwave group II and theo閃 tical

dispersion curves for CASE 1.

測値と良く一致する。また破線で、示した 700

ように, laking modeの分散曲線も圧力

波の分散曲線に極めて近く,満足すべき

結果となった。

このように,小爆破実験で観測され

る II群を,近似的に圧力波としてあっ

かつて良いということの意味が明らかに

なった。 以上の解析では 2つの leaking

modeの近似法が大変有効であったが,

まれにはこれらが威力を発揮できないよ

うな構造も存在する。一例として第2表

に示すようなモデルを考える。これらは

表層のポアソン比を 0.47に回定し,半

4¥!f;限体のポアソン比を変えたもので,モ

デル B-3はそデル A-3と全く同ーで

ある。

特性関数の計算例を第 7図に示す。

600

500

u、¥ ε ~400 〉・

ト-

u

::300 w 〉

SHIRONE ノCASE-II Jfロ

2時一 Leqkir17:} U j

100 ♂ロdr(・ oblaInedfrom observed phase v. )

。o 0.05 0.1 0.15

PER 100 (sec)

第 6図 II群の位相速度および群速度実測値

と CASEIIの理論曲線

Fig. 6. Observed phase and group velocities

of wave group II and theoretical

dispersion curves for CASE II.

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いくつかの形の leakingmodeの性質 123

第 2表 モデノレ B-1,B-2および B-3の弾性定数

Table 2. Elastic constants of B-1, B-2 and B-3.

a2/日1 s1/日1 s2/四1 P2/P1 σ1 σ2

14

つム

9d

B

B

B

0.25

0.34

0.47

C/o(,= 1.6

司 1

u.1 B・201

~lfiV 0...

ミ A-3

|ゾγk〆イヘ、/0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 1.2

fr"q x H,/ぽ1

第 7図 モデノレ B-l,B-2および B-3の特性関数の計算例

Fig. 7. Examples of characteristic functions for B-1, B-2 and B-3.

モデル A-3に比べ,他の 2つのモデルで、は極小が極めてあいまいである。 これらのモデルで、

は Suand DORMANの方法からも良い結果は得られなかった。

III. 高速層を聞にはさんだ構造

屈折法の致命的な弱点の 1つに,地中に高速層がはさまれて存在するような構造がある。

屈折法の原理から容易に理解されるように,地表で観測を行なうかぎり,高速層より下の構造

についての情報はマスクされてしまう。そこで屈折法によらず表面波を利用した解析法が考

えられる o

森17)は,このような構造についてモテ、ル実験を行っているが,理論曲線が知られてし、なか

ったこともあって分散については全くふれず,波群の特徴を述べるにとどまっている。本論文

では森のモテル実験と同ーの構造について分散曲線を計算することにした。

計算に使用したモデ、ルを第 8図に示す。 これらは plastics,aluminumおよび lamiverre

から成るので,本論文では頭文字をとって PAL-モデ、ルと呼ぶことにする。各層の弾性定数を

17) 森 明巨,高速度層の厚さを知るための模型実験 (2),1966年 2月,北大地球物理学教室卒業論文発表

会で発表.

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124 吉井敏魁

第 3表 PAL-モデノレの弾性定数玄 守、a ぱ3 ー N ぱ、 -'

Table 3. Elastic constants of 4 Cコ o I 1 〈lZ -' -' ...J ーJg ー」 ーJ

ι 4 rf. a〈Z• -' PAL-models ...J 4 rf. 0.. 0.. 。ー。「 一一台一一一一ー・ー一一ー一一一一一一一ーーー四一一一一

2田 3 iナ¥ーチ、 2 2 1- 2 ¥一一 ?

セ 333‘

王31

::c4 -~5 0

6

7

三一_s_ーよ1 PL 11.89 1.07 1.40 2 AL 15.35 3.06 2.70 3 LAM 13.45 1.55 1.75

2 2 3

3

1 plastics 1.89 I 1.07 I 1.40

2 aluminum I 5.35 I 3.06 I 2.70

3 lamiverre I 3.45 I 1.55 I 1.75

第8図 5つのPAL-モデノレ

第 3表に示す。

第 8図に見られるとうり, alumi-

Fig. 8. Schematic diagram of五vePAL-models m の厚さがゼロの極限は plastics-

lamiverreモデル,無限大の極限は plastics-aluminumモデルと考えられ, これらについては

normal madeの分散曲線を計算することができる。第 9図には,これら 2つのモデルについ

ての Mnmodeの位相速度を示した。

ところで PAL-モデルで、は,半無限

体が lamiverreなので, 第 9図の c=ん

より位相速度の大きな領域では実根は存

在しない。一方 aluminumの厚さ (Hz)

を大きくして行けば PAL-モデルの分散

曲線は plastics-aluminumモデ、ルのそれ

に近づいて行くはずである。 従って,

Hz!Hlが大きい場合, PALモデ、ルの分

散曲線の 1部が c>んの領域にふくまれ

るであろうことが予想される。この部分

は,半無限{本に S波のエネルギーが leak

する形の一種の leakingmodeと考えら

れる。

第 8図に示すように, PAL-02,

3.0

PAL-model

--E-内,

r

一MH一MH一

-L一L一

一P一A一

2.5

ノも

7V,、

i:

心一ぜ、 LAM

¥εu-〉

ト-

u2.0 0 ...J

UJ 〉

弘』

ぴ3《z a.1.5

ノc = s3ブ

A :complex T i

A: real

F--F

・w

nu -

PAL-05, PAL-l, PAL-2および PAL-5

モデルは,それぞれ Hz!Hlが 0.2,0.5, 。1.0, 2.0および 5.0となっている。 この

他 PAL-lOモデル (Hz!H1=10.0)につい

ても少々計算を行った。

位相速度の計算結果を第 10凶に示

す。横軸にはそデル実験につごうの良い

第9図 plastics-aluminumおよび plastics-

lamiverreモデノレの M11modeの

位相速度

Fig. 9. Phase velocities of Mn modes for

plastics-aluminium and plastics-

lamiverre models.

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いくつかの形の leakingmodeの性質

スケールを選んだ。 c三三んの部分は nor-

mal modeに対応し,C>s3における破線

は GLIVERand MAJORの近似法で計算

したものである。 PAL-02をのぞいた他

のモデルでは位相速度が極大,極小を持

ち,H2/H1を大きくするに従い周波数の

大きな方から plastics-alumin umモデル

の位相速度と一致する部分が多くなる。

H2/H1が 1.0より大きなモデルでは

位相速度は 2度 c=んの線を横切り, ど

ちらも normalmod巴と leakingmode

とは完全につながっているように見え

る。 しかし,周波数の太きな方のつなぎ

目はその徴分{直をふくめ連続らしいのに

対し,H2/H1を大きくするに従いもうー

方のつなぎ目の微分値が不連続になるよ

うに見える。

また, 周波数がゼロに近い normal

modeの部分は実に複雑な形をしている

ので第 10図には略して描いてある。 v

'-ー

の部分につし、ては後ほどくわしく述べる

ことにする。

3.0

2.5

ρr .\と~4l

、、.、、、¥ ¥ ー、{¥

〆、<.,ノ、

f¥ 〆、

戸、ー、、,UI 〆、、、 、、ε ノ、"" .'、、、〆、>2.0ト jPノ¥宍三/15|/必J73 〆/一、¥lゴ lJJJ ,f u !:;tI I Q.~〆九、

I I /'~ , .. 、 -I..IJ " / /q,~v りい i 〆----ー¥t云1.51:// イ ズ仏 同士号ご~干トレ

1.0

O 。2 0.3 0.4 0.5 f(cps)x H1(cm)

C=s3

第 10図 PALーモデノレの位相速度,実線および

破線はそれぞれ normalmodeおよ

び leakingmodeを表わす

Fig. 10. Phase velocities for P AL-models. Solid lines and broken lines indi-

cate normal mode and leaking

mode solutions respectively.

125

第 11図は PAL-1の normalmodeと leakingmodeのつなぎ目の拡大図である。 c三~ß3

には実根の計算結果を,c>んには特性関数の絶対値を contourの形で示した。 ただし絶対値

が大きくなって contourが混み入ってくる部分は省略した。 鋭い谷がきれいに実根の部分に

PAL-1

0.30 0.35 0.40 f (cps) X H,(cm)

c= ($3

0.45 0.50 .105

第 11図 PAL-lの leakingmod巴と normalmodeのつな

Fig. 11.

ぎ目, contourは特性関数の絶対値を表わす

Connection b巳tweenleaking and normal modes for PAL-l.

Contour lines indicate the amplitude of characteristic function.

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126 吉 井 敏殻

つながっ -n、る。o

C=s3を境として normal mode と

leaking modeが全く異質なものではない

ことを示すために第 12図のようなモデ、ル ~2 f

PAL-1Aを考えた。これは PAL-1の深さ

(6xH1) より下を仮りに半無限体 (α4=2.79

km/s, s4 = 1.61 km/s,九=2.20gr/cm3)で置

きかえたものである。この半無限体の速度

は lamiverreのそれと大差なく, しかもか

なり深いので,周波数の小さな部分をのぞ

いて PAL-1と良く似た分散曲線が得られ

るはずである。さらに,この半無限体の S

6

7

SHEAR WAVE VELOCITY (km/s) 1.0 2.0 3目。

PAL-l

PAL-1A lレ-----

第 12図 PAL-1 Aの S波速度分布

Fig. 12. Shear wave velocity distribu-tion for PAL-1 A.

波の速度は PAL-1の位相速度の極大よりやや大きいため, PAL-1の leakingmodeの部分が

PAL-1Aでは normalmod巴として求まることが期待される。

計算結果を第 13図に示す。予想通り, PAL-1 A の mormalmodeの位相速度は極大を持

ち,しかも C>s3の領域では PAL-1の特性関数の極小に対応する周波数と良く一致している。

この図は, OUVER and MAJORの近似法が有効であることの 1つの証拠と言えよう。

217 ~

ιJ O ....J

UJ > 1.5 UJ vl 4

;!= 1.4 - 0.1

。:Minimum of 4 (PAL-l)

c=β4

0.2 0.3 0.4 f(cps)x H,(cm) Xl0"

第 13図 PAL-1および PAL-IAの位相速度

Fig. 13. Phase velocities for PAL-l and PAL-l A

0.5

第 14図は PAL-モテ、ルの群速度で,U=c+k・dc/dkの式をもとに, 位相速度から図式的

に算出したものである。位相速度が“逆分散"しているところでは,当然、群速度が位相速度よ

りも大きくなるため,全体として大変複雑な形になっている。

ところで, 今までの議論は 1層白の厚さを有限と考えたため,H2/H1→∞の極限は plas・

tics・aluminumモデルとなったのであるが 1層目の厚さをゼロと考えれば H2/H→∞は

aluminum目 lamiverreモデルに対応し, 表層の速度が半無限体の速度より大きな構造となる。

この点を考庖して, 11,'ii!ilhを H1ではなく fι について周格化した PALーモデルの位相速度を

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いくつかの形の leakingmodeの性質

第 15図に示す。 この図の個々のIltl紋は, 2H

10凶のものと全く[,.,Jーである。 aluminum-

lamiverreモデルの leakingmodeの部分に

ついても GUVERand MAJORの近似法で計

3手した。 正[2/Hjを大きくするに従い, PAL-

モデルの位校l速度はどんどん aluminum-

lamiv紅白モデルの位相述!立に近づいて行

く。

周波数ゼロ近くの nOfl11<¥1modeの部分

を拡大して第 16[滋に示す。 これらの1111線は

極大や極小を持つ複雑な形をしているため,

位m速度をあたえて波数の恨を求めるという

通Il;~の方法ではうまく計算することができな

い。ここでは,特に波数をあたえて位相速度

の恨を求める方法をとった。 Tr-IROWERand

2.5

(

tIl 、、ε 三2.0〉ト-

u 0 -' lIJ 〉

lIJ

~1. 5 2こ仏

..1 ......-

. ,¥.";'ノ'

吟ユノ ---ー←

,." .,,' PAL-5 d,"F , , , , , • , , , • , , 司、

, . 一 "一、, J- '" 司、〆,一'ユ〆〆.,

'〆/"九,,'、

"〆 L,t3乙,-、 C=s3

1.0 PAL-02 、前

o 0.5 1.0 f (cps)x Hz(cm)

第 15図 PAL-モデノレと aluminum-lamiverre

モデノレの位相速度,相:(1凶l土H2につい

て規約化してある

Fig. 15. Phase velocities for P AL-models and

aluminum-lamiverre moclel. Abscissa

is normalized to H2

127

2.5

←ぜ帥

2.0 (帆¥E4

〉トー

υ1.5 0 園 JlIJ 〉

コO g

。1.0

0.5

つも PAL-1 t占

事 PAL-2

PAL-5

O , , , , ,

第 14図 PAL-モデノレの鮮速度

Fig. 14. Group velocities for five PAL-mod巴ls.

C = fl3

1.5 X 105

1.5

CII ¥ E J祖巴

ど1.4トー

ιJ o ー』

w 〉

包』

~1.3 工a.

1.2!: o 0.1 0.2 0.3

f(cps) x H,(cm) x105

第 16図 PALモデノレの normalmode

の低周波数!¥i¥分

Fig. 16. Low frequency portion of normal mocles for PAL-models

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128 吉井敏舷

HARKRIDERI8)は, J二部マントルに極端な低速度!慣がある場合, レイリ一波の位相速度が極大,

極小をH・つことを示し,やはりこの方法で計算を行っている。

なお, PAL-モデルの normalmodeは周波数ゼロのl向いずれも lamiverr巳の三r.1!民|浪レイ

リ一波の速皮を持つことは言うまでもない。

IV. 表層が高速層である構造

ここであっかう構造は,前)Aの aluminum-lamiverreモデルと矧似のものである。表問が

下!日より高速であるような構造は,小燥lil主実験等でしばしば経験されることであり,やはり出

折法があまり良い結果をもたらさない例の 1 つである。古íT章ではモデル実験の ~lii性定数に合わ

せた計算仔IJを示したが,ここでは表層・半無限体の速度比を色々変えて数値計算を行った。

第 4表に計算に使用した定数を示す。んが normalmode-leaking modeのつなぎ目であ

ることを考慮し,速度はすべて ιについて規格化した。表層・半無限休の空白度比は,便宜上

速度比の平方根とし, ポアソン比はいず

でで、は 2つの近似法を並用し,cj ß2~玉 1 では実根の計算を行った。

第 17図は近似法の計算例である。モデルは H-125で,縦ijilhは任意の直線日盛りとした。

!二 r~Jのように位相速度のやや大きなところでは,特性l主]数がはっきりした極小を持たないのに

対し, J::下動,水平動のスペクトルはそろって極大を持つ。下図のように位相速度がんに近

い場合は特性関数も鋭い極小を持つが,曲線全体が指数関数的にひどく右ヒりとなっているた

め,この位置がやや左にずれているようである 第 17図に見られるこういった特徴は他のモ

デルについてもあてはまる。従って,このような高速層モテ、ルて‘は,どちらカか通と言うと Sua剖11叫d

DOR臥h恥F仏 Nの近似訟の方が勝つているように!忠LU巴1,、jオわフれる。

主として Suand DORMANの方法から求めた分散曲線を第 18区lに示す。これらの曲線は

定性的には aluminum-lamiverr巴モデルの場合と同様で, 位相速度が“逆分数"の;1寺をしてい

る。 表)長jと半無限{本との速度比を大きくして行くと ,cJん=1と交わる点はしだいに周波数の

第4表 高速問モデノレの予~tl:定数

Table 5. Elastic constants of high velocity surface layer mo【l巴ls.

日1/,82 日2/s2 sI/s2 ρ1/1'2

H-125 2.165 1.732 1.250 1.118

H-150 2.598 1.732 L500 1.225

H-200 3.464 1.732 2.000 1.414

H-250 4.330 1.732 2.500 1.581

H-3C日 5.196 1.732 3.000 1.732

18) E. N. THROWER and D. G. HARKRIDER; A Note on the Existance of Relative Maxima and

Minima on Phase Velocity Curves, Bull. Seis. Soc. Am., 55 (1965), 971-974.

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いくつかの形の leakingmodeの性質 129

Vt' rticol~~~"". .......¥¥、¥、./-~..-一、\、

コフフy一 一-----.-_.-- / ,

H-125 C Ipz= 1.10

lAI

1.0 。H-125

Clpz= 1.01

0.5 freq x H,lpz

,〔く;メ;¥ノ/¥¥

-----------イ........¥if〈f三Ho巾 ontal

o Q5 ls freq x H,I /,>2

第 17図 高速層モデノレ H-125の特性開放とスベクトノレの計算例

Fig. 17. Examples of characteristic functions and spectra for high velocity layer model, H-125.

小さの方へ移動する。 また,C/s3=

1.732すなわち c=αzで H-250,H-

300の曲線は不)ili続となっているが,

じ>日'2の領域では P波のエネルギーも

半畑、限体へ leakする形となるので 2.0

ここでは別の性質を持った波となる

NK¥υ

れで

41

,4l

'りJ

Uヲ匂

あし

る↑け川

難。

Aノ

}

にで

法の

ない。

第 19図は第 18図の左下すみを

normal modeの部分をふくめて拡大

した図て、ある。 normalmodeと leak-

ing modeは C/s2=1.0で完全につなが

っているが,つなぎ目で微分値は不A

続のように見える。この点で一体何が

起っているのか興味ある問題である。

2.5

HIGH VELOCITY LAYER MODEL

丸、

1.5

nu

nu - 0.5 freq x H, / /'2

第 18園 高速層モデノレの位相速度

Fig. 18. Approximate phase velocities for 五vehigh velocity layer models.

1.0

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主主

0.6

NORMAL MODE

LEAKING MODE

03 04 05

freq x H/f32

t;j速!百七デノしにおける leaking1110ιleと

normal modeのつなぎ口

Connections between leaking modes and normal moc¥es for high vcloじilylayer mod巳k

a'

a' ,,

,,

o一γ'一ヘ一〆UTJ ,

A

, ,

r

J

, v

f

lf

,,

l

'

J

'

b

~

f

f

f

'

j

1221

,,一

11'

将ドUr

,IJv,/,

f

。。町一ハむ,FFrhハハハυ'Uハ

/

弁吉

0.2

第 19図

Fig. 19.

1.2

1.0

1.1

N弘、、

υ

130

5命結V.

leaking modeと定義すべき波群にもいろいろの形が考えられるが,特に PLmodeは有名

今回は PLmode以外で特に重要と思われる 3つの)恨の波動につ

今l!ilの解析でも

で,論文の数も少なくない。

このうち小爆破実験で見られるいわゆる II鮮は,もっとも,いて考察した。

切らかなように PLmodeの1つの変形とも考えられる。

ポアソン比が大きい場合, II 1:千を近似的に[L:力波としてあっかつて良いと L、う事実は重要

しかし場合によっては本論文に示されて今後の小爆破解析の大きな助けとなろう。であって,

いるように S波の影響をチェックすることも必要である。

第 10図に見られるようにいくつも極大・極小1[8速周を間にはさんだモデルについては,

この場fT,特に leakingmodeの部分が実際の観測でどのを持つ複雑な位柱l速度が得られたσ

程度の握耐を持っか,興味あるところである。

{立相速度が“i草分散"をするというおもしろい結果がmられ

いわゆる「板」の振動のうち, M21 modeに恕!似したところがある。

II訴の計算では GUVERand MAJOR の方法で十分l~~ 、結果が件られたが,表問が高速府

また,表胞が高速回の場合,

この位相速度は,た。

leaking modeの複素棋を求めるのモデルでは Suand DORMANの方法がよりすぐれていた。

こ;ILらの近似法を利川して様々な)1予のことは当分難しし、|問題として残されるであろうから,

leaking modeの性質を調べるのも重要なことであろう。

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いくつかの形の leakingmodeの性質 131

謝辞

解析にあたり助言をいただいた田治米鏡二教授に深く感謝する。

数値計算には,北大計算センター, NEAC2203Gおよび東大大型計算機センター, HITAC

5020 (課題番号 1001CS 0049)を使用した。連日のようにお世話下さった北大計算センターの

皆様に感謝する。

また,解析の一部に地震探鉱実験グループによる記録を使わせていただし、た。

9. Characteristics of Some Types of Leaking Modes.

By Toshikatsu YOSHII

(Department of Geophysics, Faculty of Science, Hokkaido University)

Following three types of leaking modes are considered.

1. Wav巴 groupII observed in the experiment of small巴xplosionseismology.

II. Surface wave on the sandwiched high volocity lay巴rmodel.

II1. Surface wave on the high velocity surface layer model.

Dispersion curves were obtained by the OUVER and MAJOR's and Su and DORMAN's

approximate methods in the leaking mode regions.

To study the characteristics of wave group 11, the dispersion curves for four models,

tabulated in Table 1, were calculated. As shown in Fig. 2, when th巴 Poisson'sratio in-

creases, the dispersion curves of the PL modes aproach that of the pressur巴 waves.

Two records in Fig. 3 are actual examples of the wave group Il. Some analyses

about these records are shown in Fig. 4, Fig. 5 and Fig. 6. The velocity distribution of

solid line in Fig. 4 was defined from the results of refraction analyses, and that of broken

line is improved one.

To calculate. the dispersion curves, five sandwiched high velocity layer models were

chosen as shown in Fig. 8, and we call thes巴 asthe PAL-models. Th巴 elasticconstants

in each layer w巴rechosen for the model experiment and are tabulated in Table 3. In

the region of c> s3' the phase velocity for the PAL-model must be treated as that of

the leaking mode (Fig. 9). Calculated dispersion curves are shown in Fig. 10

Fig. 14 is the group velocity curves for P AL-models. They have very cmplicated

appearances because of the maxima and minima of the phase velocity curves.

In Fig. 15 the abscissa is normalized to H2' and when H2/H1 increases, th巴 phase

velocity curves for PAL-models aproach that of the aluminum-lamiverre model. Fig. 16

is the low frequency portion of the normal modes.

High velocity surface layer model is very interesting case because refraction analyses

often become invalid. Phase velocity curves are shown in Fig. 18. These phase velocity

curves have the anomalous appearances of “the inv巴rsedispersion'¥

It became clear that the two approximate methods for the leaking mode are available

to treat rather anomalous structures as in this studies.